The systems and methods of the integrated gas adsorption separation of the combustion gas

申请号 JP2014517360 申请日 2012-06-29 公开(公告)号 JP2014524829A 公开(公告)日 2014-09-25
申请人 インヴェンティス サーマル テクノロジーズ インコーポレイテッド; 发明人 ボウレット,アンドレ;
摘要 ガス吸着分離を備える統合的 燃料 燃焼システムは、燃焼混合ガスから二 酸化 炭素の一部を分離し、分離した二酸化炭素を、燃焼用に燃料燃焼炉の吸入口に再循環する。 二酸化炭素の分離および再循環のプロセスは:吸着剤を備えるガス吸着分離システム 接触 器への燃焼ガスの流入;二酸化炭素の一部の吸着;二酸化炭素が減少した第1の生成ガスの、放出または使用目的での回収;吸着剤からの二酸化炭素の脱着、また、二酸化炭素が豊富な、脱着させた第2の生成ガスの、隔離または使用目的での回収;調節 流体 の接触器への流入、また、二酸化炭素が豊富な調節流を回収するための、二酸化炭素の第2の部分の脱着;燃焼用に燃料燃焼炉に通すための、二酸化炭素が豊富な調節流の一部の、燃料燃焼炉の流入口への再循環を含む。
【選択図】図1
权利要求
  • 燃料燃焼炉から燃焼混合ガスの少なくとも一部を分離するための統合的ガス吸着分離プロセスであって、前記燃焼混合ガスが、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含み、プロセスが:
    前記燃焼混合ガスをガス吸着分離システムに流入させる;
    前記燃焼混合ガスを、少なくとも1つの吸着剤を備える少なくとも1つの吸着剤接触器の流入口端に流入させる;
    前記二酸化炭素燃焼ガス成分の少なくとも一部を、少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させる;
    前記燃焼混合ガスに対して前記二酸化炭素成分が減少した第1の生成ガスを、前記吸着剤接触器の流出口端から回収する;
    少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の第1の部分を脱着させる;
    吸着させた、前記二酸化炭素成分が豊富な第2の生成ガスを、前記吸着剤接触器の前記流入口端および流出口端の少なくとも1つから回収する;
    調節流体を前記吸着剤接触器に流入させ、また、少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の第2の部分を脱着させて、二酸化炭素が豊富な調節流を回収する;さらに、
    前記吸着剤接触器から回収された、前記二酸化炭素が豊富な調節流の少なくとも一部を、前記燃料燃焼炉の空気流入口に再循環させ、燃焼用に前記燃料燃焼炉を通す段階を含む、統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記二酸化炭素成分の第1の部分の前記脱着が、少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の第1の部分を:
    少なくとも1つの前記吸着剤を加熱することによる温度スイング脱着;
    圧力スイング脱着;および 分圧スイング脱着の少なくとも1つによって脱着させることを含む、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記燃料燃焼炉が、ガス燃料、液体燃料および固形燃料燃焼炉の少なくとも1つを備える、請求項1または2に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記燃料燃焼炉が:
    複合サイクルガスタービン燃焼炉;
    ガスタービン燃焼炉;
    石炭火力燃焼炉;
    蒸気発生器またはボイラ燃焼炉;および プロセス加熱燃焼炉の少なくとも1つを備える、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記二酸化炭素成分の前記第1の部分が、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させた二酸化炭素成分全体の約3分の1を含み、また、前記二酸化炭素成分の前記第2の部分が、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させた二酸化炭素成分全体の約3分の2を含む、請求項1から4のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記燃焼混合ガスが、二酸化炭素約12%を含み、また、前記二酸化炭素成分の前記第1の部分が、前記燃焼混合ガスの約4%を含み、また、前記燃焼炉に再循環された前記二酸化炭素成分の前記第2の部分が、前記燃焼混合ガスの約8%を含む、請求項1から5のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記第1の生成ガスが、実質的に二酸化炭素を含まず、また、前記第2の生成ガスが、実質的に二酸化炭素で構成されている、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記少なくとも1つの吸着剤接触器が、平行流路吸着剤接触器を備え、前記平行流路吸着剤接触器が:
    その流入口端と流出口端の間に第1の軸方向に配向した、実質的に平行な複数の流路;および 前記流路間に位置し、少なくとも1つの吸着剤を備える室壁を備える、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記少なくとも1つの吸着剤接触器が、加えて、前記軸方向に配向し、かつ前記少なくとも1つの吸着剤と直接接触している、軸方向に連続的な複数の熱伝導性フィラメントを備え、また、前記プロセスが、前記第1のまたは第2の軸方向のいずれかの方向で、前記熱伝導性フィラメントの少なくとも一部に沿って熱を伝え、前記脱着段階で前記二酸化炭素成分の脱着熱の少なくとも一部を供給することを含む、請求項8に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記プロセスが、温度スイングガス吸着分離プロセスを備え、また、前記吸着が、第1の吸着剤温度で、前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させることをさらに含み、また、前記脱着が、第2の吸着剤温度で、前記吸着剤を加熱することによって、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を脱着させることをさらに含む、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記プロセスが、温度スイングガス吸着分離プロセスを備え、前記脱着が、加えて、前記少なくとも1つの吸着剤接触器に流入させた加熱プロセス流体を使用して、前記少なくとも1つの吸着剤を加熱することを含み、前記加熱プロセス流体が:蒸気、燃焼排ガス、および二酸化炭素の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記プロセスが、圧力スイングガス吸着分離プロセスを含み、また、前記吸着が、第1の圧力で、前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させることをさらに含み、また、前記脱着が、前記第1の圧力より低い第2の圧力で、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を脱着させることをさらに含む、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記プロセスが、分圧スイングガス吸着分離プロセスを含み、また、前記吸着が、第1の二酸化炭素分圧で、前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させることをさらに含み、また、前記脱着が、前記第1の分圧より低い第2の二酸化炭素分圧で、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を脱着させることをさらに含む、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記燃料燃焼炉が、排熱回収蒸気発生器をさらに備える複合サイクルガスタービンを備え、また、脱着が、加えて、前記少なくとも1つの吸着剤接触器に流入させた前記排熱回収蒸気発生器の蒸気を使用して、前記少なくとも1つの吸着剤を加熱することを含む、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記プロセスが、温度スイングガス吸着分離プロセスを備え、また、前記脱着が、加えて、前記少なくとも1つの吸着剤を備える前記室壁を直接加熱するために、前記熱伝導性フィラメントに熱エネルギーを供給することによって、少なくとも1つの前記吸着剤を直接加熱することを含む、請求項8から10のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記軸方向に連続的な熱伝導性フィラメントが、加えて、軸方向に連続的な導電性フィラメントを備え、また、前記脱着が、加えて、前記少なくとも1つの吸着剤を備える前記室壁を直接加熱するために、前記熱伝導性および導電性フィラメントを電気的に加熱することによって、少なくとも1つの前記吸着剤を直接加熱することを含む、請求項8から10のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記少なくとも1つの吸着剤が:活性炭吸着剤、アミン含浸吸着支持体(シリカ、活性炭、アルミナ、ゼオライト、ポリマーおよびセラミック支持体を含む)、金属塩、金属水酸化物、金属酸化物、ゼオライト、ハイドロタルサイト、シリカライト、金属有機構造およびゼオライト様イミダゾレート構造吸着剤、ならびにその組合せを含むリストから選択される、請求項1から16のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記第1の生成流体の流入、吸着、回収、ならびに第2の生成流体の脱着および脱着された第2の生成流体の回収の段階が、実質的に等圧で、かつ実質的に大気圧および加圧された超大気圧のいずれかで実行される、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記第1の生成流体の流入、吸着、および回収が、実質的に大気圧で実行され、前記第2の生成流体の脱着および脱着された第2の生成流体の回収の段階が、加圧された超大気圧で実行される、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記二酸化炭素が豊富な調節流が、前記少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の前記第2の部分の前記脱着時に、前記吸着剤接触器との接触によって加熱される、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記二酸化炭素が豊富な調節流が、前記少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の前記第2の部分の前記脱着によって冷却される、請求項1に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記二酸化炭素が豊富な調節流が、前記空気中の環境二酸化炭素濃度と比べて二酸化炭素が豊富である、請求項1から21のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 前記二酸化炭素成分が減少した前記第1の生成ガスの前記二酸化炭素濃度が、前記空気中の環境二酸化炭素濃度よりも低い、請求項1から22のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離プロセス。
  • 燃焼混合ガスの少なくとも一部を分離するための統合的ガス吸着分離システムであって、前記燃焼混合ガスが少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含み、システムが:
    燃焼炉空気流入口、燃焼室および燃焼ガス流出口を備える燃料燃焼炉であって、前記燃焼ガスが少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を備える燃料燃焼炉;
    流入口端および流出口端を有する少なくとも1つの吸着剤接触器を備えるガス吸着分離器であって、前記ガス吸着分離器が前記燃料燃焼炉に流体的に接続され、供給混合ガスとして前記燃焼ガスを前記少なくとも1つの吸着剤接触器の前記流入口端に受け入れ、前記吸着剤接触器に備わった少なくとも1つの吸着剤に前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を吸着させるガス吸着分離器;および 前記ガス吸着分離器および前記燃焼炉空気流入口に流体的に接続され、また、前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を含む、脱着させた燃焼再循環ガスを受け取って、前記脱着させた燃焼再循環ガスを前記燃焼炉空気流入口に戻すように構成された燃焼ガス再循環流体管を備える統合的ガス吸着分離システム。
  • 前記ガス吸着分離器が、加えて:
    少なくとも1つの平行流路吸着剤接触器を備え、この平行流路吸着剤接触器が:
    その流入口端と流出口端の間に第1の軸方向に配向した、実質的に平行な複数の流路;および 前記流路間に位置し、少なくとも1つの吸着剤を備える室壁を備える、請求項24に記載の統合的ガス吸着分離システム。
  • 前記ガス吸着分離器が、加えて、前記軸方向に配向し、かつ前記少なくとも1つの吸着剤と直接接触している、軸方向に連続的な複数の熱伝導性フィラメントをさらに備える、請求項24または25に記載の統合的ガス吸着分離システム。
  • 前記燃料燃焼炉が:
    複合サイクルガスタービン燃焼炉;
    ガスタービン燃焼炉;
    石炭火力燃焼炉;
    蒸気発生器またはボイラ燃焼炉;および プロセス加熱燃焼炉の少なくとも1つを備える、請求項24または25に記載の統合的ガス吸着分離システム。
  • 前記燃料燃焼炉が、複合サイクルガスタービン燃焼炉を備え、この複合サイクルガスタービン燃焼炉が、加えて、排熱回収蒸気発生器、および前記排熱回収蒸気発生器に流体的に接続され、かつ前記ガス吸着分離器に蒸気を配送することができる、前記少なくとも1つの吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を脱着するための前記少なくとも1つの吸着剤接触器に導入するための蒸気配管を備える、請求項24から27のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離システム。
  • 前記少なくとも1つの吸着剤が:活性炭吸着剤、アミン含浸吸着支持体(シリカ、活性炭、アルミナ、ゼオライト、ポリマーおよびセラミック支持体を含む)、金属塩、金属水酸化物、金属酸化物、ゼオライト、ハイドロタルサイト、シリカライト、金属有機構造およびゼオライト様イミダゾレート構造吸着剤、ならびにその組合せを含むリストから選択される、請求項24から28のうちいずれか一項に記載の統合的ガス吸着分離システム。
  • 说明书全文

    本発明は、以前に出願された米国仮特許出願第61/504,197号、すなわち2011年7月2日に出願された、「燃焼ガスの統合的ガス吸着分離のシステムと方法」と題された米国仮特許出願に関し、また、これに対し優先権を主張し、この米国仮特許出願のその全内容を本明細書に援用する。 本発明は、以前に出願されたPCT国際特許出願第PCT/CA2011/050521号、すなわち2011年8月26日に出願された、「熱伝導接触器構造を用いたガス吸着分離法」と題されたPCT国際特許出願に関し、このPCT国際特許出願のその全内容を本明細書に援用する。 また、本発明は、以前に出願されたPCT国際特許出願第PCT/CA2010/000251号、すなわち2010年2月26日に出願された、「平行流路流体接触器構造」と題されたPCT国際特許出願にも関し、このPCT国際特許出願のその全内容を本明細書に援用する。

    本発明は全体として、燃焼ガスの統合的ガス吸着分離の方法とそのシステムに関する。 より具体的には、本発明は、燃焼ガスの統合的ガス吸着分離および分離された燃焼ガスの燃焼プロセスへの再循環の方法ならびにこれを組み込んだシステムに関する。

    温度スイング吸着法は、多成分混合ガスの吸着分離における使用について当技術分野で公知である。 従来の温度スイング吸着プロセスの多くは、供給混合ガスの1つの成分を選択的に吸着剤に吸着させて、それを残存する供給ガス成分から分離し、その後、吸着剤を再生し、吸着した成分を脱着させて、吸着剤の循環再利用を可能性するために使用される。 しかし、従来の温度スイング吸着法は、一つには、吸着分離システムで使用される吸着剤の脱着または再生に限界があるため、また、温度スイング吸着プロセスの吸着段階にも限界があるため、通常、効率に限界がある。 従来の温度スイング吸着のシステムおよび方法におけるそのような非効率性は、混合ガスの分離が求められる産業システムにそうしたシステムを統合する際の非効率性の原因ともなっており、資本、エネルギーおよび/または作業効率において望ましくないコストをもたらしている。

    ガス分離が望まれる産業プロセスの一種に、例えば、化石燃料燃焼プロセスの混合排ガスからの二酸化炭素ガスの除去および/または隔離など、1つまたは複数のガス成分を燃焼プロセスの排ガスから分離することが求められる燃焼プロセスがある。 そのような適用において、従来の温度スイング式ガス吸着分離システムの非効率性は、通常、そうした温度スイング式ガス吸着分離システムの化石燃料燃焼プロセスへの統合が、望ましくなく非効率である原因となっており、例えば、資本コスト、エネルギー効率および/またはガス分離効率の低下、作業コストが容認できないほど増す結果となっている。

    化石燃料燃焼適用における典型的な従来の温度吸着プロセスの非効率な点の1つは、所望の燃焼ガス成分の吸着剤への吸着が非効率的であることで、これは、ガス成分が吸着するときに放出される吸着熱が原因で、吸着剤中を移動するときに吸着フロントの温度が急激に上昇することに起因しうる。 従来の温度スイング吸着法の多くでは、吸着時の吸着剤のそうした温度上昇により、吸着剤中の「ホットスポット」に伴う吸着剤容量の減少と、それに応じた温度スイング吸着プロセスの効率の低下が引き起こされうる。 化石燃料燃焼適用における典型的な従来の温度スイング吸着法の別の欠点は、吸着剤の脱着または再生が非効率的であることで、これは、脱着または再生時に、吸着した成分の脱着熱に対処するために熱エネルギーが必要となるために、吸着剤の均一な加熱が難しいことに起因しうる。 吸着剤のそうした不均一な加熱により、通常、吸着剤の「コールドスポット」に伴うガス成分の吸着保持が引き起こされるか、または、ガス成分を十分に脱着させるために、不必要に大きな熱流束を適用する必要が生じることがあり、これにより、加熱コストが望ましくなく高くなり、また、吸着剤が脱着後に不必要に過熱された状態となり、これが、連続的な吸着システムの性能に望ましくない影響を及ぼし、また、通常、吸着の機能性を保持するための追加的な冷却段階など、追加的な作業コストのかかる対策が必要となることがある。

    米国仮特許出願第61/504,197号

    PCT国際特許出願第PCT/CA2011/050521号

    PCT国際特許出願第PCT/CA2010/000251号

    本発明の目的は、先行技術の制限のいくつかに対処する燃焼ガスの統合的ガス吸着分離法を提供することである。

    本発明のさらに他の目的は、先行技術の制限のいくつかに対処する本発明に従った、化石燃料燃焼システム内に統合された平行流路温度スイング吸着(TSA)システムを使用した、燃焼ガスの統合的ガス吸着分離法を提供することである。

    本発明の目的は、先行技術の制限のいくつかに対処する本発明に従った、化石燃料燃焼システム内に統合された平行流路分圧スイング吸着(PPSA)システムを使用した、燃焼ガスの統合的ガス吸着分離法を提供することである。

    本発明のさらに他の目的は、先行技術の制限のいくつかに対処する本発明に従った、化石燃料燃焼システム内に統合された平行流路圧スイング吸着(PSA)システムを使用した、燃焼ガスの統合的ガス吸着分離法を提供することである。

    本発明のまたさらに他の目的は、先行技術の制限のいくつかに対処する本発明に従った、燃焼混合ガスから二酸化炭素を分離するためのTSAガス分離プロセスを含む、統合的化石燃料燃焼システムを提供することである。

    本発明のさらに他の目的は、先行技術の制限のいくつかに対処する本発明に従った、燃焼混合ガスから二酸化炭素を分離するためのPPSAおよびPSAガス分離プロセスの少なくとも1つを含む、統合的化石燃料燃焼システムを提供することである。 本発明の1つの実施形態では、燃料燃焼炉から燃焼混合ガスの少なくとも一部を分離するための統合的ガス吸着分離プロセスが提供される。 そのような実施形態では、前記燃焼混合ガスは、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含み、プロセスが:
    前記燃焼混合ガスをガス吸着分離システムに流入させる;
    前記燃焼混合ガスを、少なくとも1つの吸着剤を備える少なくとも1つの吸着剤接触器の流入口端に流入させる;
    前記二酸化炭素燃焼ガス成分の少なくとも一部を、少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させる;
    前記燃焼混合ガスに対して前記二酸化炭素成分が減少した第1の生成ガスを、前記吸着剤接触器の流出口端から回収する;
    少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の第1の部分を脱着させる;
    吸着させた、前記二酸化炭素成分が豊富な第2の生成ガスを、前記吸着剤接触器の前記流入口端および流出口端の少なくとも1つから回収する;
    調節流体を前記吸着剤接触器に流入させ、また、少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の第2の部分を脱着させて、二酸化炭素が豊富な調節流を回収する;さらに、
    前記吸着剤接触器から回収された、前記二酸化炭素が豊富な調節流の少なくとも一部を、前記燃料燃焼炉の空気流入口に再循環させ、燃焼用に前記燃料燃焼炉を通す段階を含む。

    本発明のさらに他の実施形態では、前記二酸化炭素成分の第1の部分を脱着させる段階は、少なくとも1つの前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の第1の部分を:
    少なくとも1つの前記吸着剤を過熱することによる温度スイング脱着;
    圧力スイング脱着;および 分圧スイング脱着の少なくとも1つによって脱着させることを含んでもよい。

    本発明の別の実施形態では、燃焼混合ガスの少なくとも一部を分離するための、統合的吸着ガス分離システムが提供される。 そのような実施形態では、燃焼混合ガスは、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含み、ガス吸着分離システムは:
    燃焼炉空気流入口、燃焼室および燃焼ガス流出口を備える燃料燃焼炉であり、前記燃焼ガスが、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含む燃料燃焼炉;
    流入口端と流出口端を有する少なくとも1つの吸着剤接触器を備えるガス吸着分離器であって、前記ガス吸着分離器が、前記燃料燃焼炉に流体的に接続され、前記燃焼ガスを供給混合ガスとして前記少なくとも1つの吸着剤接触器の前記流入口端に受け入れ、また、前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を、前記吸着剤接触器に備えられた少なくとも1つの吸着剤に吸着させるガス吸着分離器;及び 前記ガス吸着分離器と前記燃焼炉空気流入口に流体的に接続され、また、前記吸着剤に吸着させた前記二酸化炭素成分の少なくとも一部を含む、脱着させた燃焼再循環ガスを受け取るように構成され、さらに、前記脱着させた燃焼再循環ガスを前記燃焼炉供給流入口に戻すように構成された燃焼ガス再循環流体管を備える。

    詳細な説明と併せて図面を検討することで、本発明のさらなる利点が明らかとなる。

    以下に、本発明の実施形態に従った燃焼ガスの統合的ガス吸着分離のシステムと方法を、添付の図面を参照して説明する:

    図1は、本発明の実施形態に従って使用される、ガスタービンから燃焼ガスを分離するための統合的ガス吸着分離システムの概略図である。

    図2は、本発明の実施形態に従って使用される、ガスタービンから燃焼ガスを分離するための統合的ガス吸着分離システムのさらに他の概略図である。

    図3は、本発明の実施形態に従って使用される、ガスタービンから燃焼ガスを分離するための統合的ガス吸着分離システムのまたさらに他の概略図である。

    図4は、本発明のさらに他の実施形態に従ったガス分離システムで使用される蒸気ループを備える排熱回収蒸気発生器(HRSG)を備える化石燃料燃焼プロセスから燃焼ガスを分離するための統合的ガス吸着分離システムの概略図である。 同様の参照番号は、図面のいくつかの図を通して、対応する部品を示す。

    本発明の1つの実施形態では、燃焼混合ガスの少なくとも一部を燃料燃焼炉から分離するために、統合的ガス吸着分離プロセスが提供され、燃焼混合ガスが、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含む。 そのような1つの実施形態では、ガス吸着分離プロセスは温度スイング吸着(以下「TSA」という)プロセスを含んでもよく、吸着剤に吸着させた燃焼ガス成分を脱着させるための少なくとも1つの脱着段階が、主に吸着剤の加熱により行われるが、パージ流体を用いたパージまたは置換パージなどの第2の脱着機構が、吸着させた成分の脱着でも使用されてもよい。 別のそのような実施形態では、ガス吸着分離プロセスは圧力スイング吸着(以下「PSA」という)プロセスを含んでもよく、吸着剤に吸着させた燃焼ガス成分を脱着させるための少なくとも1つの脱着段階が、主に、吸着剤を備える吸着剤接触器の圧力のスイングにより行われるが、パージ流体を用いたパージもしくは置換パージまたは吸着剤の加熱などの第2の脱着機構が、例えば吸着させた燃焼ガス成分の脱着でも使用されてもよい。 また別のそのような実施形態では、ガス吸着分離プロセスは分圧スイング吸着(以下「PPSA」という)プロセスを含んでもよく、吸着剤に吸着させた燃焼ガス成分を脱着させるための少なくとも1つの脱着段階が、主に、吸着剤を備える吸着剤接触器内の少なくとも1つのガス吸着成分の分圧または濃度のスイングまたは差により行われるが、吸着剤の加熱または圧力スイングなどの第2の脱着機構が、例えば吸着させた燃焼ガス成分の脱着でも使用されてもよいる。

    本発明に従った1つの実施形態では、燃料燃焼炉は、燃焼用空気源として周囲空気を主に用いる適切な種類の任意の燃料燃焼装置を備えることができ、これは例えばガス燃料、液体燃料および/または固形燃料燃焼炉だがこれに限定されない。 特定の実施形態では、燃料燃焼炉は:例えば、ガスタービン燃焼炉、複合サイクルガスタービン燃焼炉、液体燃料(例えば石油/灯油/ディーゼルおよびその他の液体燃料)燃焼炉、石炭燃料燃焼炉(石炭火力発電所など、固形、粉末、ガス化またはその他の形状の石炭を燃料とする燃焼炉)、バイオマス固形および/または液体燃料燃焼炉、蒸気発生器/ボイラ燃焼炉、ならびに(例えばプロセス流体および/またはガスを加熱するために、精製および/または産業プロセスで用いられることができる)プロセス加熱燃焼炉の少なくとも1つを備えることができる。

    1つの実施形態では、統合的ガス吸着分離プロセスは、燃料燃焼炉からの、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含む燃焼混合ガスを、供給混合気として、ガス吸着分離システムに流入させる第1の段階を含むことができる。 その後、燃焼混合ガスは、少なくとも1つの吸着剤を備える少なくとも1つの吸着剤接触器の流入口端に流入させることができる。 その後、プロセスは、二酸化炭素燃焼ガス成分の少なくとも一部を吸着剤に吸着させることを含む。 吸着後、供給混合気に対して前記二酸化炭素ガス成分が減少した第1の生成ガスは、吸着剤接触器の流出口端から回収されることができる。 好ましい実施形態では、吸着剤接触器から回収した第1の生成ガスが、望ましくは実質的に二酸化炭素を含まないように、燃焼ガスの実質的にすべての二酸化炭素燃焼ガス成分を、吸着段階によってガス吸着分離システムの吸着剤に吸着させてもよい。 そのような1つの実施形態では、燃焼混合ガスから二酸化炭素を少なくとも実質的に完全に除去することは、例えば燃料燃焼炉の作動による炭素ガス放出を削減するなど、第1の生成ガスを、排ガスとして実質的に二酸化炭素を含まずに環境に放出できるようにするために望ましい。 そのような特定の実施形態では、吸着プロセスから放出された第1の生成排ガスが、正味の効果で、環境から二酸化炭素を除去するように、第1の生成ガスの二酸化炭素濃度は、例えば大気中の二酸化炭素濃度約390ppmより低いなど、望ましくは、周囲環境の二酸化炭素濃度より低くてもよい。

    1つの実施形態では、統合的ガス吸着分離プロセスは、その後、少なくとも1つの吸着剤を加熱することによって、少なくとも1つの吸着剤に吸着させた二酸化炭素成分の第1の部分を脱着させることを含んでもよい。 上で述べたように、1つの実施形態では、吸着させた二酸化炭素の脱着は、TSAプロセスとして主に熱的に行うことができるが、例えば、圧力スイング脱着、分圧脱着および/またはパージ脱着機構など、1つまたは複数の第2の脱着機構によって補助することができる。 その後、プロセスは、脱着させた、二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスを、吸着剤接触器の流入口端または流出口端のいずれかから回収することを含んでもよい。 あるいは、吸着させた二酸化炭素の脱着は、例えばTSAプロセスと組み合わせて、またはこれの代わりに、主に1つまたは複数の圧力スイングおよび/または分圧スイングプロセスによって行ってもよい。

    好ましい実施形態では、二酸化炭素の少なくとも一部が吸着剤接触器に吸着したままとなるように、吸着させた二酸化炭素の一部のみを接触器から脱着させ、第2の生成ガスに回収する。 特定の好ましい実施形態では、第2の生成ガスに回収された二酸化炭素の脱着させた部分は、吸着させた二酸化炭素全体の約3分の1のみを含んでもよく、第1の脱着段階終了時に、二酸化炭素成分の約3分の2が吸着剤接触器に吸着している。 したがって、吸着させた二酸化炭素の一部のみを第1の脱着段階で脱着させることから、脱着に必要な熱エネルギー量は、吸着させた二酸化炭素の大半または実質的にすべてを脱着させるプロセスと比べるとはるかに少ない。 好ましい実施形態では、加熱および/または置換パージ脱着機構などによって、吸着剤の加熱と二酸化炭素の第1の部分の脱着に蒸気が使用されることができ、その結果、吸着させた二酸化炭素全体の約3分の1のみを吸着剤接触器から脱着させるために必要な蒸気量が、望ましくは著しく少ない。 そのような1つの好ましい実施形態では、脱着させた第2の生成ガスは、望ましくは、実質的に純粋な二酸化炭素を含むか、または脱着時に吸着剤接触器をパージするのに蒸気が使用される場合は、実質的に二酸化炭素と蒸気のみを含む。 その結果、そのような第2の生成ガスは、望ましくは、二酸化炭素の濃度が非常に高く、したがって、燃料燃焼炉の作動による炭素ガス放出を削減する目的での炭素隔離、または石油増進回収といったその他の適用のための使用および/または貯蔵のために、(任意の蒸気成分の凝縮ノックアウトを用いて)効率的に圧縮するのに適している。

    第1の脱着の後に、統合的ガス吸着分離プロセスは、周囲空気、または代わりに、別の適切な調整ガス流を吸着剤接触器に流入させること、さらに、二酸化炭素が豊富な空気または調節流を回収するために、接触器内の少なくとも1つの吸着剤に吸着させた二酸化炭素成分の第2の部分を脱着させることを含んでもよい。 1つの実施形態では、二酸化炭素成分の第2の部分の脱着は、TSA、PSAおよびPPSA脱着プロセスの少なくとも1つによって行われることができる。 二酸化炭素が豊富な空気および/または調節流の少なくとも一部は、その後、燃料燃焼炉の空気流入口に再循環させ、燃焼用に燃焼炉を通す。 そのような1つの実施形態では、二酸化炭素が豊富な気流は、例えば大気中の二酸化炭素濃度約400ppmより高いなど、望ましくは、周囲空気より二酸化炭素濃度が高くてもよい。 好ましい実施形態では、周囲空気の流入は、望ましくは、吸着剤に吸着させた残存する二酸化炭素の大半、または、より好ましくは、実質的にすべてを脱着させ、二酸化炭素の第2の部分を、燃料燃焼炉の燃焼用空気吸入口に回収するのに効果的である。

    吸着させた二酸化炭素の第2の部分を燃料燃焼炉の吸入口に回収することの主な利点は、再循環二酸化炭素と燃焼プロセスで発生した二酸化炭素の両方が燃焼ガスに含まれることになるので、供給混合気としてガス吸着分離システムに流入される、燃焼後の混合ガスにおける二酸化炭素濃度が上昇することである。 特に、ガスタービンなど、燃焼混合ガスの基本的な二酸化炭素量が比較的少ない燃料燃焼炉の場合、また、例えば一部の石炭火力燃焼炉、蒸気発生器/ボイラ、プロセス加熱炉における追加的な実施形態では、燃焼ガス中の二酸化炭素量がそのように増加することにより、望ましくは、二酸化炭素がより少ない非再循環燃焼混合ガスと比べて、ガス吸着分離システムにおける二酸化炭素の吸着分離の効率が向上する。 本発明の実施形態において供給混合気として供給される燃焼ガス中の二酸化炭素濃度の上昇によって、そのように二酸化炭素の吸着分離効率が向上することで、望ましくは:例えば、蒸気またはその他のパージ流体の消費または脱着加熱の低下という形での、吸着させた二酸化炭素を脱着させるためのエネルギー消費の低下;脱着させた、二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスにおける二酸化炭素純度の向上;吸着分離システムの大きさおよび/または資本コストの削減、ならびに二酸化炭素の回収システムの改善の少なくとも1つが可能にできる。

    特定の実施形態では、二酸化炭素の第2の部分の脱着は、主に、周囲空気および/またはその他の調節流による置換パージによってなされ、そのような場合、二酸化炭素の脱着に必要なエネルギーが、望ましくは小さい。 また、そのような1つの好ましい実施形態では、二酸化炭素の第2の部分の脱着に使用される空気および/または調節流は、同様に、望ましくは、二酸化炭素の脱着熱の効果によって冷却され、したがって、有利には、燃焼炉の空気吸入口に再循環されるときに、利用可能な周囲空気よりも低温かつ高密度で、これにより、例えば、燃焼用空気が燃焼前に圧縮されるガスタービン燃焼炉など、燃料燃焼炉が超大気圧で作動する場合などに、望ましくは、燃料燃焼炉の効率が改善する。 さらに他の実施形態では、吸着システムからの二酸化炭素の再循環によって、燃焼炉の流入混合気中に二酸化炭素が増加することにより、望ましくは、流入外気と比べて流入混合気の熱容量が増加する。 燃焼炉の流入混合気の熱容量がそのように増加することによって、望ましくは、例えばガスタービンなどの燃料燃焼炉において燃焼温度を臨界値より低く保つために必要とされる、流入混合気の未燃焼過剰空気分を減らすことができ、これにより、望ましくは、流入質量流量の低下によるガスタービンの効率が改善するか、または、燃料燃焼率を向上させられ、例えば正味出力が増加する。

    石炭火力、蒸気発生器/ボイラ、またはプロセス加熱燃焼炉など、燃料燃焼炉が実質的に大気圧で作動する他の実施形態では、二酸化炭素の第2の部分の脱着に使用される空気は、脱着段階で、代わりに、比較的温かい吸着剤接触器および/または吸着剤によって加熱してもよい。 そのような場合、燃焼炉空気流入口に再循環される、二酸化炭素が豊富な調整気流は、有利には、周囲気温より高温に加熱されてもよく、また、望ましくは、大気燃料燃焼炉の効率が改善する。

    さらに他の実施形態、すなわち、複合サイクルガスタービン、火力発電所、蒸気発生器/ボイラ、プロセス加熱炉などのような、燃焼排ガスからの伝熱または排熱回収を含む燃料燃焼炉では、吸着させた二酸化炭素の一部を燃焼炉流入口に回収することによって、燃焼後排ガス中の二酸化炭素濃度が上昇することにより、空気と比べて二酸化炭素の熱容量が高いために、同様に、望ましくは、燃焼後排ガスの熱容量が増加することができる。 燃焼後排ガスの熱容量がそのように増加することにより、望ましくは、例えば熱交換器および/または排熱回収蒸気発生器(HRSG)システムにおいて、燃焼システムの伝熱/排熱回収部分における対流伝熱効率が向上させられる。

    またさらに他の実施形態、すなわち、蒸気発生器/ボイラ、プロセス加熱炉および一部の火力発電所などのような、燃焼排ガスからの放射伝熱または排熱回収を含む燃料燃焼炉では、吸着させた二酸化炭素の一部を燃焼炉流入口に回収することによって、燃焼後排ガス中の二酸化炭素濃度が上昇することにより、排ガスの二酸化炭素成分濃度上昇のIR発光スペクトルのために、排ガスの空気成分のわずかな放射伝熱容量に対して、同様に、望ましくは、燃焼後排ガスの放射伝熱容量が増加することができる。 燃焼後排ガスの放射伝熱容量がそのように増加することにより、望ましくは、例えばそのような燃焼炉の熱交換器の放射区域において、放射熱回収を向上させられる。

    別の実施形態では、吸着させた二酸化炭素の一部を燃焼炉流入口に回収することによって、燃焼後排ガス中の二酸化炭素濃度が上昇することにより、同様に、望ましくは、流入混合気の二酸化炭素濃度が低下するのに応じて燃焼の断熱火炎温度が低下させられ、これにより、望ましくは、燃焼プロセスにおいて酸化窒素の生成が減少させられる。 燃焼後排ガス中の酸化窒素がそのように減少することは、例えば、放出物の質の向上および/または排ガス処理システムに関する必要条件の低減のために望ましい。

    本発明の別の実施形態では、吸着剤から二酸化炭素を脱着するのに使用される蒸気状の蒸気は、燃焼前流入混合気に水噴射する燃料燃焼炉に適用するなど、燃焼炉流入混合気に回収するために供給されてもよい。 そのような実施形態では、水噴射に関する必要条件が、望ましくは、吸着プロセスから回収された脱着水蒸気のそのような使用により低減してもよく、および/または、例えば、蒸気パージ脱着段階からの水の回収が増加する。 上述の実施形態に従った本統合的ガス吸着分離プロセスは、その後、望ましくは、例えば炭素隔離目的で、燃焼混合ガスから二酸化炭素成分の第1の部分を分離する連続的または反復的な循環燃焼ガス分離法を実行するためにくり返すことができる。 特に、本統合的ガス分離法に従った作動のためのガス吸着分離システムは、本統合的ガス分離法を交互に実施できるように、また、燃料燃焼炉の燃焼ガスから連続的および/または半連続的に吸着分離できるように、望ましくは、2つまたはそれ以上の吸着剤接触器を備えることができる。 特に、統合的吸着分離システムは、第1の生成流体が1つの接触器から回収される間に、脱着させた第2の生成流体が第2の接触器から回収され、さらに、二酸化炭素が豊富な調整気流が第3の接触器から回収されるような、3つまたはそれ以上の吸着剤接触器を備えることができる。 本実施形態の本統合的ガス分離プロセスの実施に必要な流量を供給かつ制御するために、統合的吸着分離システムでは、任意の適切な機械配置を実施することができ、吸着剤を備える1つ、2つ、または3つまたはそれ以上の吸着器を備えるシステムについて当技術分野で公知のように、例えば、現在のTSAおよび/またはPPSAおよび/またはPSA吸着プロセスの段階の流量を実施するための、機械/空気もしくはその他の種類の弁またはその他の流量制御装置を用いた吸着分離システムなどがある。 特定の実施形態では、例えば、回転エンタルピーまたはその他の吸着ホイールで用いられるものと類似して、本発明の統合的ガス分離プロセスの実施に必要な流量を供給かつ制御するために、吸着剤を備える吸着器が回転部品に設置されている回転ホイールまたは回転子機械配置が実施されてもよい。

    特定の実施形態では、1つまたは複数の吸着剤接触器は、平行流路吸着剤接触器を備えることができる。 そのような実施形態では、そのような適切な平行流路吸着剤接触器は、流体が接触器を通って流れることができるように、接触器の流入口端と流出口端の間に第1の軸方向に配向した、実質的に平行な複数の流路と、流路間に位置し、かつ流路を隔てている少なくとも1つの吸着剤を備える室壁を備える。 平行流路吸着剤接触器は、望ましくは、接触器の軸方向に配向し、また、接触器の室壁内または室壁上に備わった少なくとも1つの吸着剤と直接接触している、軸方向に連続的な複数の熱伝導性フィラメントも備える。 本発明の実施形態に従った、統合的燃焼ガス分離プロセスの実施における使用に適しているであろう、そのような特定の平行流路吸着剤接触器構造は、PCT/CA2010/000251として2010年2月26日に出願された、出願者の同時係属のPCT国際特許出願で説明されており、現在出願されている本出願の一部を同出願が形成しているかのごとく、同出願の内容を本明細書に援用する。

    図1は、本発明の実施形態に従って使用される、ガスタービン30から燃焼ガスを分離するための統合的ガス吸着分離システムの10の一例の概略図である。 1つの実施形態では、統合的ガス吸着分離システム10は、上述の本統合的燃焼ガス分離プロセスを実施するために使用されることができる。 システム10は、例えば天然ガス発電タービンなどのガスタービン30を備える。 タービン30は、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含む燃焼混合ガスまたは混合排ガスを生成するために、燃焼室内での燃料32との混合用に、空気をタービン30に流入させるための流入口36を備え、この燃焼混合ガスまたは混合排ガスはタービン30から排出される。

    統合的ガス吸着分離システム10の好ましい実施形態では、ガスタービン30は複合サイクルガスタービン(CCGT)であり、また、タービン30から燃焼ガスを受け取り、蒸気を発生させる排熱回収蒸気発生器(HRSG)40も備え、この蒸気が、1つまたは複数の排熱回収膨張タービン全体に膨張して、熱エネルギーと発電機電力を回収する。 HRSG 40でそのように使用して蒸気を発生させた後、燃焼ガスは、燃焼ガス流出口41からHRSG 40を出る。 そのような1つの実施形態では、HRSG 40は、ガス吸着分離システム20の流入口25に低圧蒸気を供給するための低圧蒸気流出口48も備えることができる。 別の好ましい実施形態では、統合的ガス吸着分離システム10は、例えばHRSG 40の流出口41から燃焼ガスを受け取り、ガス吸着分離システム20の流入口24への供給混合気として使用するために燃焼ガスを冷却する直接接触冷却器50のような、冷却器50も備える。

    ガス吸着分離システム20は、1つまたは複数の吸着剤接触器を備え、それぞれが、少なくとも1つの適切な吸着剤を備えることができる。 好ましい実施形態では、分離システム20は、少なくとも3つの吸着剤接触器21、22および23を備える。 1つの実施形態では、第1の接触器21は、燃焼ガスの二酸化炭素成分を接触器21の吸着剤に吸着させるため、流入口24で冷却された燃焼混合ガスを受け取り、望ましくは二酸化炭素が減少した第1の生成ガスを流出口29から回収することができる。 そのような1つの実施形態では、第1の生成ガスは、例えば環境に放出するために、実質的に二酸化炭素を含まない排ガスを含んでもよい。 第2の接触器22は、例えば流入口25を通じて低圧蒸気を流入させることによって吸着剤を加熱することにより、吸着させた二酸化炭素の第1の部分を脱着させることができ、望ましくは二酸化炭素が豊富な第2の生成ガス流を流出口28から回収する。 1つの実施形態では、第2の生成ガス流は、実質的に純粋な二酸化炭素および/または二酸化炭素ならびに蒸気(またはその他の適切なパージ流体)を含み、これは、例えば、石油増進回収における炭素隔離または別の使用のために使用および/または貯蔵するために効率的に圧縮される。 第3の接触器23は、流入口26から空気パージ流を受け取ることができ、例えば、接触器23内で二酸化炭素の第2の部分を吸着剤から脱着させ、流出口27を通じて二酸化炭素が豊富な再循環調整気流を回収し、燃焼用にタービン30に入る燃焼用空気の一部として使用するのにタービン30の流入口36に再循環させる。

    そのような実施形態では、第1の吸着器21は、好ましくは、流入口24に入る燃焼ガスの実質的にすべての二酸化炭素成分を吸着し、その結果、流出口29から回収された第1の生成ガスが実質的に二酸化炭素を含まない。 さらに、好ましい実施形態では、第2の接触器22から脱着させた二酸化炭素の第1の部分は、望ましくは、燃焼ガスから吸着させた二酸化炭素全体の半分以下を含んでもよく、より望ましくは、吸着させた二酸化炭素全体の約3分の1を含んでもよい。 その結果、その後、第3の接触器23から脱着させた二酸化炭素の第2の部分は、望ましくは、燃焼ガスから吸着させた二酸化炭素全体の半分以上を含んでもよく、より好ましくは、吸着させた二酸化炭素全体の約3分の2を含んでもよい。 そのような好ましい実施形態では、吸着させた二酸化炭素全体の好ましくは半分以上、より好ましくは約3分の2を脱着させ、ガスタービン30の流入口36に再循環させることで、有利には、ガス分離システム20に送られる燃焼ガス中の二酸化炭素濃度が上昇し、それにより、第1の接触器21内の二酸化炭素吸着効率が向上し、また、第2の接触器22内の二酸化炭素の第1の部分の脱着効率も向上し、それにより、ガス分離システム20のエネルギー効率が向上し、二酸化炭素が減少した第1の生成ガスおよび二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスのそれぞれを生成するコストが削減される。 さらに、二酸化炭素を再循環してタービン吸入口36に空気を戻すことにより、二酸化炭素の第2の部分の脱着熱により吸入ガスの温度が低下するため、再循環された吸入ガスの温度が低下し、それにより、ガスタービン30の効率が向上するという利点もある。 また、1つの実施形態では、望ましくは、タービン吸入口36に流入する空気の再循環部分において、空気に対して二酸化炭素の熱容量が増加するために、タービン30の圧縮段階の効率も向上しうる。

    図2および3は、本発明の実施形態に従って使用される、ガスタービン300から燃焼ガスを分離するための統合的ガス吸着分離システム100の一例のさらに他の概略図である。 1つの実施形態では、統合的ガス吸着分離システム100は、図1に示したガス分離システムと同じように、上述の本統合的燃焼ガス分離プロセスを実施するために使用されることができる。 システム100は、例えば天然ガス発電タービンなど、ガスタービン300を備え、その適切な例に、例えば、General Electric Company(米国ニューヨーク州スケネクタディ)製の天然ガス発電タービンがある。 タービン300は、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含む燃焼ガスまたは混合排ガスを生成するために、燃焼室内での燃料302(通常は、主にメタンを含む天然ガスだが、その他の適切なガス燃料、液体燃料、または空気中で可燃性の燃料を含んでよい)との混合用に、空気をタービン300に流入させるための流入口306を備え、この燃焼ガスまたは混合排ガスは、タービン燃焼ガス排出口304を通じてタービン300から排出される。

    統合的ガス吸着分離システム100の好ましい実施形態では、ガスタービン300は複合サイクルガスタービン(CCGT)であり、また、タービン300の排出口304から燃焼ガスを受け取り、排出燃焼ガスの熱を使用して蒸気を発生させる排熱回収蒸気発生器(HRSG)400も備え、この蒸気が、複数の排熱回収膨張蒸気タービン全体に膨張して、熱エネルギーと発電機電力を回収する。 本実施形態では、HRSGは、望ましくは、タービン300からの排出燃焼ガスを冷却することで発生する蒸気からエネルギーを取り出すために、連続して作動する高温蒸気タービン402、中間圧力蒸気タービン404および低圧蒸気タービン406を備えることができる。 HRSG 400でそのように使用して蒸気を発生させた後、燃焼ガスは、燃焼ガス流出口410からHRSG 400を出る。 そのような1つの実施形態では、HRSG 400は、ガス吸着分離システム200の流入口214に、低圧蒸気タービン406の流出口から低圧蒸気を供給するための低圧蒸気流出口408も備えてもよい。 別の好ましい実施形態では、統合的ガス吸着分離システム100は、HRSG 400の流出口410から燃焼ガスを受け取り、ガス吸着分離システム200の流入口212への供給混合気として使用するために燃焼ガスを冷却する直接接触冷却器220のような、燃焼ガス冷却器220も備える。

    ガス吸着分離システム200は、1つまたは複数の吸着剤接触器を備え、それぞれが、少なくとも1つの適切な吸着剤を備える。 好ましい実施形態では、分離システム200は、少なくとも3つの吸着剤接触器202、204および206を備える。 1つの実施形態では、好ましい実施形態で平行流路吸着剤接触器202を備えてもよい例示的な第1の接触器202は、燃焼ガスの二酸化炭素成分を接触器202の吸着剤に吸着させるため、流入口212で冷却された燃焼混合ガスを受け取り、望ましくは二酸化炭素が減少した第1の生成ガスを流出口222から回収する。 そのような1つの実施形態では、第1の生成ガスは、望ましくは、例えば環境に放出するために、実質的に二酸化炭素を含まない燃焼排ガスを含む。 第2の接触器204は、例えば吸着剤を加熱することによって、吸着させた二酸化炭素の第1の部分を脱着させる。 そのような1つの実施形態では、二酸化炭素の第1の部分は、流入口214から低圧蒸気を流入させて吸着剤を加熱することで脱着させ、望ましくは二酸化炭素が豊富な第2の生成ガス流を流出口214から回収する。 別のそのような実施形態では、二酸化炭素の第1の部分を脱着させるために吸着剤を加熱する代替または追加熱源は、例えばガスタービン300の下流から供給するなど、加熱された燃焼排ガスによって供給されてもよい。 1つの実施形態では、第2の生成ガス流は、実質的に純粋な二酸化炭素および/または二酸化炭素ならびに蒸気(またはその他の適切なパージ流体)を含み、これは、望ましくは、例えば、石油増進回収における炭素隔離または別の使用のために使用および/または貯蔵するために効率的に圧縮されることが適切である。 第3の接触器206は、流入口216を通じて空気パージ流を受け取り、例えば、接触器206内で二酸化炭素の第2の部分を吸着剤から脱着させ、流出口226から二酸化炭素が豊富な再循環調整気流を回収し、燃焼用にタービン300に入る燃焼用空気の少なくとも一部として使用するのにガスタービン300の流入口306に再循環させる。

    そのような実施形態では、第1の吸着器202は、好ましくは、流入口212に入る燃焼ガスの実質的にすべての二酸化炭素成分を吸着し、その結果、流出口222から回収された第1の生成ガスが実質的に二酸化炭素を含まない。 さらに、好ましい実施形態では、第2の接触器204から脱着させた二酸化炭素の第1の部分は、望ましくは、燃焼ガスから吸着させた二酸化炭素全体の半分以下を、より望ましくは、吸着させた二酸化炭素全体の約3分の1を含む。 その結果、その後、第3の接触器206から脱着させた二酸化炭素の第2の部分は、望ましくは、燃焼ガスから吸着させた二酸化炭素全体の半分以上を、より好ましくは、吸着させた二酸化炭素全体の約3分の2を含む。 そのような好ましい実施形態では、吸着させた二酸化炭素全体の好ましくは半分以上、より好ましくは約3分の2を脱着させ、ガスタービン300の流入口306に再循環させることで、有利には、ガス分離システム200に送られる燃焼ガス中の二酸化炭素濃度が上昇し、それにより、第1の接触器202内の二酸化炭素吸着効率が向上し、第2の接触器204内の二酸化炭素の第1の部分の脱着効率も向上し、それにより、ガス分離システム200のエネルギー効率が向上し、二酸化炭素が減少した第1の生成ガスおよび二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスのそれぞれを生成するコストが削減される。 さらに、二酸化炭素を再循環してタービン吸入口306に空気を戻すことにより、二酸化炭素の第2の部分の脱着熱により吸入ガスの温度が低下するため、再循環された吸入ガスの温度が低下し、それにより、ガスタービン300の効率が向上するという利点もある。 また、1つの実施形態では、望ましくは、ガス吸着分離システム200からタービン吸入口306に流入する空気の再循環部分において、空気に対して二酸化炭素の熱容量が増加するために、タービン300の圧縮段階の効率も向上する。

    上述した発明の1つの実施形態では、ガス分離システム200の流出口224から回収された、二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスは、望ましくは、二酸化炭素圧縮トレインシステム240に流体的に接続されてもよい。 二酸化炭素圧縮トレイン240は、例えば隔離貯蔵および/または石油増進回収など、その他の産業および/または隔離用途の輸出用に、高度に加圧された二酸化炭素生成ガスおよび/または液化圧縮された二酸化炭素生成ガスを供給するために、望ましくは、例えば一連の連続的な圧縮段階を通じて、二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスを圧縮するのに適している。

    複合サイクル天然ガス発電タービンからの、燃焼ガスのガス吸着分離に適用した本発明の特定の実施形態では、ガス吸着分離システムは、タービン燃焼ガスからの二酸化炭素の約3分の2が、ガスタービン吸入口に戻されて再循環調整気流に再循環されるように、望ましくは、ガスタービン燃焼ガスからの二酸化炭素の約3分の1を、二酸化炭素が豊富な第1の生成ガスに分離してもよい。 再循環二酸化炭素の約3分の2を含むそのような1つの実施形態では、タービン燃焼ガスの二酸化炭素濃度は、望ましくは、二酸化炭素約12%に制御され、二酸化炭素含有量12%の約4%が(例えば隔離および/または産業用途で)二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスに除去され、二酸化炭素含有量12%の約8%がタービンの吸入口に戻されて再循環される。 他の実施形態では、タービン燃焼ガスの二酸化炭素濃度は、望ましくは、二酸化炭素12%より実質的に高く、例えばそのような二酸化炭素濃度用に適切に構成されているタービン内で二酸化炭素最大50%に制御されてもよく、加えて、吸着システムにおける二酸化炭素吸着分離の効率をさらに向上するのに有利であり、ならびに/または、例えばタービン燃焼および/もしくは排熱回収プロセスの効率を向上するのに有利である。

    図4は、本発明の実施形態に従った排熱回収蒸気発生器(HRSG)402を備える化石燃料燃焼プロセスから燃焼ガスを分離するための統合的ガス吸着分離システム400の一部の概略図である。 図4のシステムのHRSG 402は、燃焼炉排ガスから追加的なエネルギーを得るために、第1の高圧でボイラ給水(BFW)403を受け入れる高圧蒸気ループ404を含み、また、発生した蒸気を高圧膨張器406に通す排熱回収蒸気発生器と膨張低ループの3つの例を備える。 HRSG 402は、同様に、中圧で熱源408からBFWを受け取り、また、蒸気を中圧膨張器410に通すことでエネルギーを回収する媒体蒸気ループ408を備える。 また同様に、HRSG 402は、さらに、熱源414からBFWを受け取り、また、蒸気を低圧膨張器412に通す低圧蒸気ループ414を備える。

    HRSG 402は、加えて、超低圧で熱源409からBFWを受け取る補助的な超低圧ループ416を備える。 図4に示した特定の実施形態では、超低圧ループ416内で発生した蒸気は、望ましくは、例えば、ループ416の後の膨張段階を通らずに、超低圧蒸気流出口420を通じて、吸着分離システム(図示せず)に供給される。 そのような実施形態では、最低圧蒸気ループ416は、望ましくは、HRSG 402の残余より比較的低圧で蒸気を供給するように構成され、例えば、好ましくは実質的に周囲圧力で、または周囲圧力よりわずかに高い圧力で作動するガス吸着分離システム(図示せず)内での低圧使用にのみ適している。 最低圧蒸気ループ416の例から供給された最低圧蒸気は、望ましくは、本発明のその他の実施形態に関連して上述するように、例えば吸着分離システムの吸着器から二酸化炭素を脱着する、二酸化炭素が豊富な生成ガスを脱着する、および/または燃焼用に燃料燃焼炉の流入口に再循環させるのに使用するために、蒸気パージ流体を供給するのに使用されてもよい。

    そのような実施形態では、二酸化炭素などの吸着ガスをガス分離システムの吸着器から脱着させるために、最低圧蒸気ループ416から超低圧蒸気を生成して使用することにより、例えば、従来のHRSG内の一般的な既存の高圧、中圧、または低圧蒸気生成ループ内での加圧レベルのように、パージ流体蒸気がHRSG 402の別の高圧ループ内で生成された実施形態と比べると、補助的な最低圧ループ416内のそのような蒸気の生成で消費するエネルギーが、望ましくは、より少ない。 従来のそのようなHRSGでは、ガス分離システム内の脱着に使用される蒸気の熱源は、例えば、従来の低圧蒸気ループ414から蒸気を受け取ってもく、これにより、例えば、低圧膨張器412での膨張で使用できる蒸気が、望ましくなく減少しうる。

    本発明に従った代わりの態様では、本発明の実施形態に従った統合的ガス吸着分離プロセスは、特に、燃料燃焼炉の燃焼ガス供給混合気からの二酸化炭素ガスの分離を目的とした温度スイング吸着(TSA)プロセスを備え、この燃料燃焼炉の燃焼混合ガスが、少なくとも二酸化炭素成分と窒素成分を含む。 そのような1つの実施形態では、二酸化炭素を分離するためのTSAプロセスは、例えば石炭もしくは天然ガス発電所などの火力発電所、または蒸気発生器/ボイラもしくはプロセス加熱炉の燃焼ガスまたは排ガスから二酸化炭素の少なくとも一部を除去するように構成される。 そのような実施形態では、第2の生成ガスに回収するために燃焼ガスの二酸化炭素含有量の一部のみを除去することにより、望ましくは、ガス吸着分離システム内の燃焼ガスからの二酸化炭素が、例えばTSAプロセスによってより効率的に吸着分離されるように、燃料燃焼炉から排出された燃焼ガス中の二酸化炭素濃度を向上させるという利点がある。 別の任意の実施形態では、例えばTSAが第1の吸着プロセスではなく、第2の吸着推進手段を備えるその他の実施形態に関連して上述するように、二酸化炭素の吸着分離プロセスは、主に圧力スイングおよび/または分圧スイング/置換パージ吸着プロセスに基づいている。

    本発明の1つの実施形態では、TSA(または別法として、PSAおよび/またはPPSA)二酸化炭素分離プロセスは、望ましくは、燃焼ガス供給混合気から二酸化炭素の一部を分離する連続的または反復的な循環分離法を実行するために、ガス吸着分離システム内の複数の平行流路吸着剤接触器のそれぞれでくり返され、それと同時に、燃料燃焼炉の空気流入口に二酸化炭素の一部を再循環する。 特に、その他の実施形態で上述したのと同様に、本発明の実施形態に従った作動のためのガス吸着分離システムは、適切なTSA(または別法として、PSAおよび/またはPPSA)分離プロセスを交互に実施し、また、燃焼ガスの燃料燃焼炉熱源の熱源により連続的および/または半連続的に吸着分離できるように、望ましくは、2つまたはそれ以上のそのような平行流路吸着剤接触器を備える。 上述するように、吸着剤を備える1つ、2つ、または3つまたはそれ以上の吸着器を備えるシステムについて当技術分野で公知のように、例えば機械/空気もしくはその他の種類の弁またはその他の流量制御装置を用いた適切な公知の吸着分離システムは、本TSA(または別法として、PSAおよび/またはPPSA)プロセスの段階のガス流を実施するために使用される。

    上述したのと同様に、本発明の1つの実施形態では、二酸化炭素分離プロセスを実施するのに適したガス吸着分離システムは、少なくとも1つの平行流路吸着剤接触器を備え、この接触器はそれぞれ、ガスが接触器を通って流れることを可能にするために、接触器の流入口端と流出口端の間に第1の軸方向に配向した、実質的に平行な複数の流路と、流路間に位置し、かつ流路を隔てている少なくとも1つの二酸化炭素選択的吸着剤を備える室壁を備える。 そのような適切な平行流路吸着剤接触器はそれぞれ、接触器の軸方向に配向し、かつ接触器の室壁内に備わった少なくとも1つの二酸化炭素吸着剤と直接接触している、軸方向に連続的な複数の熱伝導性フィラメントをさらに備える。 上述のように、本発明の実施形態に従った、TSA二酸化炭素分離プロセスの実施で使用するのに適した、特定のそのような平行流路吸着剤接触器構造は、PCT/CA2010/000251として出願された、出願者の同時係属のPCT国際特許出願で説明されており、最初に出願された本出願の一部を同出願が形成しているかのごとく、同出願の内容を本明細書に援用する。 別の任意の実施形態では、例えばTSAが第1の吸着プロセスではなく、第2の吸着推進手段を備えるその他の実施形態に関連して上述するように、ガス吸着分離システムは、主に圧力スイングおよび/または分圧スイング/置換パージ吸着プロセスに基づいた二酸化炭素分離プロセスを実施するのに適している。

    本統合的燃焼ガス吸着分離プロセスの特定の実施形態では、プロセスの吸着段階で二酸化炭素を吸着させるために、吸着分離システムの吸着剤接触器で、任意の適切な公知の二酸化炭素吸着剤が使用される。 潜在的に適切なそのような二酸化炭素吸着剤は:活性炭吸着剤、アミン含浸吸着支持体(シリカ、活性炭、アルミナ、ゼオライト、ポリマーおよびセラミック支持体を含む)、金属塩、金属水酸化物、金属酸化物、ゼオライト、ハイドロタルサイト、シリカライト、金属有機構造およびゼオライト様イミダゾレート構造吸着剤、ならびにその組合せを含むがこれに限定されない。 特定の実施形態では、同じく望ましくは、例えば燃焼ガス供給混合気の任意のその他のガス成分よりも、二酸化炭素を選択的に吸着する適切な二酸化炭素吸着剤が選択されてもよい。

    その他の実施形態で上述したのと同様に、本発明の1つの実施形態では、TSA(または別法としてPPSA、またはPPSAと組み合わせて)二酸化炭素ガス分離プロセスの段階は、望ましくは、実質的に定圧または等圧条件下で実行される。 特定の実施形態では、燃焼ガス供給混合気の吸着剤接触器への流入、二酸化炭素の吸着、排ガス生成流の回収、二酸化炭素の第2の生成流としての二酸化炭素の一部の脱着、二酸化炭素の第2の脱着部分の再循環調節流への回収はすべて、例えば実質的な大気圧下で実行されてもよい。 他の実施形態では、本TSA(または別法としてPPSA、またはPPSAと組み合わせて)プロセスのそのような段階は、実質的に一定加圧で、例えば等圧の超大気圧下で実行される。 また他の実施形態では、本TSA(または別法としてPPSA、またはPPSAと組み合わせて)プロセスの排ガス生成流を流入、吸着させる段階および回収する段階は、第1の実質的な定圧条件下で、例えば大気圧下で実行され、それと同時に、二酸化炭素の第2の生成物を脱着させ、脱着させた二酸化炭素を回収する段階は、加圧下で、例えば加圧された超大気圧下で実行されてもよい。 そのような1つの実施形態では、吸着剤接触器は、脱着段階の前に実質的に密閉され、脱着段階時に吸着剤接触器の加熱を実行すると、吸着させた二酸化炭素が吸着剤から脱着することで接触器内の圧力が上昇し、それにより接触器の圧力が、例えば超大気圧レベルに上昇しうる。 二酸化炭素の第2の生成流に圧力をかけることは、輸送、貯蔵、隔離または産業用途で二酸化炭素をさらに圧縮する必要があるような特定の適用において望ましく、このために、このように脱着させた二酸化炭素生成流体は、任意で、望ましくは、脱着段階を実行した圧力よりも高い加圧で回収する。

    別の任意の実施形態では、ガス吸着分離システムは、例えば分離システムを通じて燃焼ガスを供給および推進するのに十分な圧力を供給するために、周囲圧力よりも高い加圧で、燃料燃焼炉から(例えば複合サイクルガスタービンのHRSGの排ガスから、または、HRSGのないガスタービンではタービン排ガスから)燃焼ガスを受け取る。 そのような1つの実施形態では、燃焼ガスは、例えば周囲圧力より約10kPa高い、適切な超大気圧でガス分離システムに供給される。 特定のそのような実施形態では、分離システムを通じて燃焼ガスを推進するのに十分な加圧で燃焼ガスを提供することで、望ましくは、例えば燃焼ガスを分離システムに通すための、ガス分離システムに付随する通風機またはその他の圧縮設備などの補助的な設備を取り除くことができ、これにより、望ましくは、統合的ガス分離システムおよび燃料燃焼炉のエネルギー消費が削減され得る。

    特に天然ガス複合サイクルガスタービン発電所との統合に適した、本発明の統合的ガス吸着分離プロセスおよびシステムのさらに他の任意の実施形態は、当技術分野で公知のその他のガス分離技術と合わせて想定されるように、燃焼ガス流から吸着させた二酸化炭素を、ガスタービンの吸気に少なくとも部分的に再循環させることが期待される。

    本明細書に説明する実施形態の例示は、本発明の範囲を網羅するもの、または本発明の範囲を開示された通りの形態に限定するものではない。 それらは、他の当業者がその内容を理解できるように、本発明の原理ならびにその適用および実用的用途を説明するために選択および説明されている。

    前述の開示に照らして当業者には明らかであるように、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の実施に際して多くの変更および修正が可能である。 よって、本発明の範囲は、下記の請求項に定める要旨に従って解釈されるものとする。

    上述した発明の1つの実施形態では、ガス分離システム200の流出口224から回収された、二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスは、望ましくは、二酸化炭素圧縮トレインシステム240に流体的に接続される。 二酸化炭素圧縮トレイン240は、例えば隔離貯蔵および/または石油増進回収など、その他の産業および/または隔離用途の輸出用に、高度に高圧された二酸化炭素生成ガスおよび/または液化圧縮された二酸化炭素生成ガス230を供給するために、望ましくは、例えば一連の連続的な圧縮段階を通じて、二酸化炭素が豊富な第2の生成ガスを圧縮するのに適している。

    図4は、本発明の実施形態に従った排熱回収蒸気発生器(HRSG)402を備える化石燃料燃焼プロセスから燃焼ガスを分離するための統合的ガス吸着分離システム400の一部の概略図である。 図4のシステムのHRSG 402は、燃焼炉排ガスから追加的なエネルギーを得るために、第1の高圧でボイラ給水(BFW)403を受け入れる高圧蒸気ループ404を含み、また、発生した蒸気を高圧膨張器406に通す排熱回収蒸気発生器と膨張低ループの3つの例を備える。 HRSG 402は、同様に、中圧でソース405からBFWを受け取り、また、蒸気を中圧膨張器410に通すことでエネルギーを回収する媒体蒸気ループ408を備える。 また同様に、HRSG 402は、さらに、ソース407からBFWを受け取り、また、蒸気を低圧膨張器412に通す低圧蒸気ループ414を備える。

    QQ群二维码
    意见反馈