Hydrogen production system and power generation system

申请号 JP2008317198 申请日 2008-12-12 公开(公告)号 JP2010138042A 公开(公告)日 2010-06-24
申请人 Mitsubishi Heavy Ind Ltd; 三菱重工業株式会社; 发明人 TSUTSUMI TAKANORI; KOYAMA TOMONORI; OTA KAZUHIRO; FUJII TAKASHI; YAMAMOTO TAKASHI; ISHII HIROMI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To reduce the quantity of high temperature steam supplied from facilities other than the own system. SOLUTION: The hydrogen production system 1 is provided with: a reactor 3 for converting carbon monoxide to carbon dioxide in a process fluid by the reaction of the humidified process fluid outputted from a humidifier 2 under a catalyst; a second flow path B through which the high temperature process fluid after the reaction in the reactor 3 flows; a circulation path C for circulating excess water in the humidifier 2; and a first heat exchanger 7 provided in a position where the circulation path C crosses the second flow path B, and performing heat exchange between the high temperature process fluid after the reaction in the reactor 3 and the fluid circulating in the circulation path C. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT
权利要求
  • 一酸化炭素を含むプロセス流体が供給され、該プロセス流体と水蒸気とを混合する増湿器と、
    増湿器から出力された増湿されたプロセス流体を触媒下で反応させることにより、該プロセス流体中の一酸化炭素を二酸化炭素に変成する反応器と、
    増湿された前記プロセス流体を前記増湿器から前記反応器へ供給する第1流路と、
    前記反応器において反応された後の高温のプロセス流体が流れる第2流路と、
    前記増湿器における余剰の水分を循環させる循環路と、
    前記循環路と前記第2流路とが交差する位置に設けられ、前記反応器において反応された後の高温のプロセス流体と該循環路を循環する流体との間で熱交換を行わせる第1熱交換器とを備える水素製造システム。
  • 前記循環路から分岐し、該第1熱交換器をバイパスする第1バイパス流路と、
    前記第1バイパス流路に設けられ、前記第1熱交換器に送られる流体の流量を調整する第1流量調節弁とを具備する請求項1に記載の水素製造システム。
  • 前記第1流路と前記第2流路とが交差する位置に設けられ、前記増湿器からのプロセス流体と前記反応器から出力された反応後の高温のプロセス流体との間で熱交換を行わせる第2熱交換器を備える請求項1または請求項2に記載の水素製造システム。
  • 前記第2流路から分岐し、前記第2熱交換器をバイパスする第2バイパス流路と、
    前記第2バイパス流路に設けられ、前記第2熱交換器へ送られる前記反応後の高温のプロセス流体の流量を調整する第2流量調節弁とを具備する請求項3に記載の水素製造システム。
  • 補給水を前記増湿器へ供給する第3流路と、
    前記第3流路と前記第2流路とが交差する位置に設けられ、反応後の高温のプロセス流体と該第3流路を流れる補給水との間で熱交換を行わせる第3熱交換器とを具備する請求項1から請求項4のいずれかに記載の水素製造システム。
  • 前記第3流路と前記第2流路とは複数の位置で交差しており、該交差位置のそれぞれには熱交換器が配置されている請求項5に記載の水素製造システム。
  • 前記第3流路に設けられ、該第3流路を流通する流体を水と水蒸気とに分離する分離器と、
    前記分離器によって分離された水蒸気を前記第1流路に供給する第4流路とを具備する請求項6に記載の水素製造システム。
  • 前記第4流路に設けられ、該第1流路に供給する水蒸気の流量を調節する第3流量調節弁を備える請求項7に記載の水素製造システム。
  • 前記第4流路に設けられ、前記第4流路を流通する水蒸気を前記反応器において発生する熱で加熱する第4熱交換器を具備する請求項7または請求項8に記載の水素製造システム。
  • 前記第4流路から分岐し、前記第4流路を流通する水蒸気の一部を前記増湿器へ供給する第5流路を備える請求項7から請求項9のいずれかに記載の水素製造システム。
  • 前記第5流路に設けられ、前記増湿器へ供給する水蒸気の量を調節する第4流量調節弁を備える請求項10に記載の水素製造システム。
  • 前記第1流量調節弁の開度及び前記第4流量調節弁の開度は、増湿器内の雰囲気温度に基づいて制御される請求項2及び請求項11に記載の水素製造システム。
  • 前記第4流量調節弁を全閉状態とした状態で前記第1流量調節弁を全閉状態としても、増湿器内の温度が飽和温度に達しなかった場合に、増湿器内の温度が飽和温度に達するまで前記第4流量調節弁の開度が開かれる請求項12に記載の水素製造システム。
  • 前記循環路から分岐し、前記循環路を流通する流体の一部を外部に逃がす排出路を具備する請求項1から請求項13のいずれかに記載の水素製造システム。
  • 請求項1から請求項14のいずれかに記載の水素製造システムを備える発電システム。
  • 蒸気タービンを備え、
    前記蒸気タービンに供給される高圧蒸気または中圧蒸気の一部を前記第1流路に供給する第6流路を備える請求項15に記載の発電システム。
  • 说明书全文

    本発明は、石炭、天然ガス、油等を利用した上流設備からのガス中に含まれる一酸化炭素を素に変換する水素製造システムおよび発電システムに関するものである。

    例えば、CO 回収型のIGCC(Integrated Gasification Combined Cycle)では、図7に示されるように、ガス化炉101においてガス化された石炭ガスが脱硫設備102において脱硫された後、水素製造設備103に送られる。 この水素製造設備103では、石炭ガスと水蒸気とが触媒下で反応させられ、石炭ガスに含まれる一酸化炭素が二酸化炭素に変成され、水素リッチの石炭ガスが生成される。 シフト反応後の石炭ガスは、二酸化炭素の回収設備104に送られることにより、ガス中の二酸化炭素が回収され、水素リッチとなった精製ガスが発電設備105へ送られる。 発電設備105では、精製ガスがガスタービンの燃焼器へ送られ、ガスタービンを駆動するための原動として用いられる。

    上記水素製造設備103では、水蒸気をシフト触媒として添加することにより、石炭ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)が二酸化炭素に転換される。 この反応式は、以下の(1)式に示す通りである。

    シフト触媒として添加される水蒸気が多い程、シフト反応を促進させることができるため、水素製造設備103には一酸化炭素を取り除くに足る十分な量の水蒸気を供給することが好ましい。

    特表平9−502694号公報

    上記水蒸気の供給元としては、例えば、発電設備における蒸気タービンを駆動させるための水蒸気等が考えられる。 しかしながら、シフト反応を促進させるために、多くの水蒸気をシフト反応設備に供給してしまうと、蒸気タービンを駆動させるための水蒸気の量がその分減少してしまい、蒸気タービンの出力が下がり、IGCC全体の発電出力(発電効率)が低下するという結果を招く。

    また、上記の如き問題は、上記IGCCに限られたものではなく、例えば、炭化水素化合物を含むガス中から一酸化炭素を取り除くような反応を必要とする設備において広く議論されており、一酸化炭素の反応効率を低減させずに、自系以外の設備からの水蒸気の抽気量を低減させることのできる技術が要請されていた。

    本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、自系以外の設備から供給される高温の水蒸気の量を低減することのできる水素製造システムおよび発電システムを提供することを目的とする。

    上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
    本発明は、一酸化炭素を含むプロセス流体が供給され、該プロセス流体と水蒸気とを混合する増湿器と、増湿器から出力された増湿されたプロセス流体を触媒下で反応させることにより、該プロセス流体中の一酸化炭素を二酸化炭素に変成する反応器と、増湿された前記プロセス流体を前記増湿器から前記反応器へ供給する第1流路と、前記反応器において反応された後の高温のプロセス流体が流れる第2流路と、前記増湿器における余剰の水分を循環させる循環路と、前記循環路と前記第2流路とが交差する位置に設けられ、前記反応器において反応された後の高温のプロセス流体と該循環路を循環する流体との間で熱交換を行わせる第1熱交換器とを備える水素製造システムを提供する。

    本発明によれば、増湿器において水蒸気と混合されたプロセス流体は、第1流路を通じて反応器に送られる。 反応器において、プロセス流体は触媒化で反応させられることにより、プロセス流体中の一酸化炭素が二酸化炭素に変成され、この反応によりプロセス流体中に包含される水素が増加する。 また、反応時には反応熱が発生する。 反応により高温となった水素リッチのプロセス流体は第2流路に出力される。
    一方、増湿器でプロセス流体と混合されなかった余剰分の水蒸気は、例えば、水に冷やされた後、循環路を経由して増湿器へ戻る。
    この場合において、循環路と第2流体との交差する位置には、高温のプロセス流体と循環路を循環する流体との間で熱交換を行わせる第1熱交換器が設けられているので、循環路を循環する流体はプロセス流体の熱によって温められて高温の流体とされ、増湿器に戻されることとなる。 このように、本発明によれば、増湿器における余剰分の水蒸気(水)を循環させ、更に、この水蒸気(水)を反応器における反応熱を利用して高温にするので、増湿器において使用される水蒸気を自身の系統において供給することができる。 これにより、他のシステムから供給する水蒸気の量を大幅に低減させることが可能となる。

    上記水素製造システムは、前記循環路から分岐し、該第1熱交換器をバイパスする第1バイパス流路と、前記第1バイパス流路に設けられ、前記第1熱交換器に送られる流体の流量を調整する第1流量調節弁とを具備することとしてもよい。

    このように、第1熱交換器をバイパスする第1バイパス流路を循環路に設けたので、第1熱交換器に送られる流体の一部をバイパスさせることが可能となる。 更に、第1バイパス流路には、第1流量調節弁が設けられているので、この第1流量調節弁が適切な開度に調整されることにより、第1熱交換器へ送られる流体の流量を適切な量に調節することが可能となる。 これにより、流体の温度を適切な温度に調節することができ、増湿器に戻される流体の温度を適温とすることができる。

    上記水素製造システムは、前記第1流路と前記第2流路とが交差する位置に設けられ、前記増湿器からのプロセス流体と前記反応器から出力された反応後の高温のプロセス流体との間で熱交換を行わせる第2熱交換器を備えることとしてもよい。

    このような構成によれば、第2熱交換器において、増湿器から反応器へ送られるプロセス流体と、反応器から出力された高温のプロセス流体との間で熱交換が行われることにより、反応器へ送られるプロセス流体の温度を高くすることができ、反応に適した温度条件により近づけることができる。

    上記水素製造システムは、前記第2流路から分岐し、前記第2熱交換器をバイパスする第2バイパス流路と、前記第2バイパス流路に設けられ、前記第2熱交換器へ送られる前記反応後の高温のプロセス流体の流量を調整する第2流量調節弁とを具備することとしてもよい。

    このような構成によれば、第2バイパス流路に設けられた第2流量調節弁を適度な開度に調節することにより、第2熱交換器に送られる高温のプロセス流体の流量を適量に調節することができる。 これにより、第2熱交換器における熱交換の程度を調整でき、反応器へ送られるプロセス流体の温度を反応に適した温度に調節することができる。

    上記水素製造システムは、補給水を前記増湿器へ供給する第3流路と、前記第3流路と前記第2流路とが交差する位置に設けられ、反応後の高温のプロセス流体と該第3流路を流れる補給水との間で熱交換を行わせる第3熱交換器とを具備することとしてもよい。

    このような構成によれば、第3流路を流れる補給水は、第3熱交換器において高温のプロセス流体と熱交換されることにより温められた後に増湿器へ供給される。 これにより、増湿器の温度雰囲気に好適な温度の補給水(水蒸気)を増湿器に補給することができ、増湿器内の蒸気を十分な量に保つことが可能となる。

    上記水素製造システムにおいて、前記第3流路と前記第2流路とは複数の位置で交差しており、該交差位置のそれぞれには熱交換器が配置されていてもよい。

    このように、第3流路と第2流路とを複数の位置で交差させ、該交差位置のそれぞれに熱交換器を設けることにより、第3流路を流れる補給水を次第に高温にしていくことができ、その一部あるいは全部を水蒸気とすることが可能となる。

    上記水素製造システムは、前記第3流路に設けられ、該第3流路を流通する流体を水と水蒸気とに分離する分離器と、前記分離器によって分離された水蒸気を前記第1流路に供給する第4流路とを具備することとしてもよい。

    このような構成によれば、第3流路を流れる補給水は分離機によって水と水蒸気とに分離され、分離された水蒸気は第4流路を流れることにより第1流路に供給される。 これにより、第1流路を流れるプロセス流体に対して、更に水蒸気を与えることが可能となる。

    上記水素製造システムは、前記第4流路に設けられ、該第1流路に供給する水蒸気の流量を調節する第3流量調節弁を備えることとしてもよい。

    これにより、第1流路に供給される水蒸気を適度な量に調節することができる。

    上記水素製造システムは、前記第4流路に設けられ、前記第4流路を流通する水蒸気を前記反応器において発生する熱で加熱する第4熱交換器を具備することとしてもよい。

    このような構成によれば、第4流路を流れる水蒸気の温度を高めた後に第1流路に混入させることが可能となる。 また、第4流路を流れる水蒸気が反応器における反応熱を奪うことにより、反応器の温度を低下させることができ、反応を促進させることが可能となる。

    上記水素製造システムは、前記第4流路から分岐し、前記第4流路を流通する水蒸気の一部を前記増湿器へ供給する第5流路を備えることとしてもよい。

    このような構成によれば、第5流路からも増湿器へ水蒸気を供給することが可能となる。

    上記水素製造システムは、前記第5流路に設けられ、前記増湿器へ供給する水蒸気の量を調節する第4流量調節弁を備えることとしてもよい。

    第4流量調節弁により、第5流路から増湿器へ供給される水蒸気の量を調節することが可能となる。

    上記水素製造システムにおいて、前記第1流量調節弁の開度及び前記第4流量調節弁の開度は、増湿器内の雰囲気温度に基づいて制御されることとしてもよい。

    増湿器内の雰囲気温度は水蒸気とプロセス流体とを混合するのに適した温度に保たれることが好ましい。 第1流量調節弁の開度を全開に近づけるほど、第1熱交換器に流入する流体の量が多くなるので、流体の温度を上昇させることができ、この流体が増湿器に供給されることにより、増湿器の温度を高めることができる。 また、第4流量調節弁の開度を全開に近づけるほど、第5流路を介して増湿器に供給される水蒸気の量を多くすることができる。 ここで、第5流路を流れる水蒸気は、反応器における反応熱によって高温とされているので、この高温の水蒸気を増湿器に供給することにより増湿器の温度を上昇させることができる。
    このように、第1流量調節弁、第4流量調節弁の開度を調節することにより、増湿器内の雰囲気温度を適切な値に保つことができる。

    上記水素製造システムにおいて、前記第4流量調節弁を全閉状態とした状態で前記第1流量調節弁を全閉状態としても、増湿器内の温度が飽和温度に達しなかった場合に、増湿器内の温度が飽和温度に達するまで前記第4流量調節弁の開度が開かれることとしてもよい。

    このように、循環路を循環する流体の温度を上昇させる方を優先させ、循環路から供給される水蒸気によっても増湿器内の雰囲気温度が飽和温度に達しなかった場合に、第4流量調節弁を徐々に開状態とすることで、高温の水蒸気を第5流路から増湿器へ供給させる。 このように優先度をつけることで、第5流路を介して供給させる水蒸気の量を極力抑制することが可能となる。 これにより、第4流路を介して供給する水蒸気の量が低減することを回避することが可能となる。

    上記水素製造システムは、前記循環路から分岐し、前記循環路を流通する流体の一部を外部に逃がす排出路を具備することとしてもよい。

    流体を循環器によって循環させて、何度も繰り返し利用することにより、流体内に含まれる不純物は徐々に増加する。 このような場合に、排出路を設けておくことにより、汚れた流体を排出することが可能となり、流体内に包含される不純物の量を低減させることが可能となる。

    本発明は、上記いずれかの水素製造システムを備える発電システムを提供する。

    上記発電システムは、蒸気タービンを備え、前記蒸気タービンに供給される高圧蒸気または中圧蒸気の一部を前記第1流路に供給する第6流路を備えることとしてもよい。

    本発明によれば、自系以外の設備から供給される高温の水蒸気の量を低減することができるという効果を奏する。

    以下に、本発明に係る水素製造システムおよび発電システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。 本実施形態に係る水素製造システムは、例えば、炭化水素化合物を含むガス中から一酸化炭素を取り除くような反応を必要とする設備を必要とするプラントに広く適用されるものであり、特に、図7に示したCO 回収型のIGCCにおける水素製造設備として適用されるのに好適である。

    〔第1の実施形態〕
    図1は、本発明の第1の実施形態に係る水素製造システムの概略構成を示した図である。
    図1に示すように、本実施形態に係る水素製造システム1は、一酸化炭素を含むプロセス流体が供給され、該プロセス流体と水蒸気とを混合する増湿器2と、増湿器2から出力された増湿されたプロセス流体を触媒下で反応させることにより、該プロセス流体中の一酸化炭素を二酸化炭素に変成する反応器3とを備えている。
    増湿器2と反応器3とは第1流路Aにより接続されており、増湿器2において増湿されたプロセス流体が第1流路Aを流れて反応器3へ供給されるようになっている。
    反応器3において反応された後の高温のプロセス流体は、第2流路Bに出力される。
    増湿器2には、プロセス流体と混合されなかった余剰分の水分であるドレイン水を循環させる循環路Cが設けられている。

    循環路Cと第2流路Bとが交差する位置には、反応器3において反応された後の高温のプロセス流体と該循環路Cを循環する流体との間で熱交換を行わせる第1熱交換器7が設けられている。
    循環路Cにおいて、第1熱交換器7の上流側には、循環路Cから分岐し第1熱交換器7をバイパスする第1バイパス流路Dが設けられている。 この第1バイパス流路Dには、第1熱交換器7に送られる流体の流量を調整する第1流量調節弁8が設けられている。
    また、循環路Cには、循環路Cから分岐し、循環路Cを流通するドレイン水の一部を外部に逃がす排出路C1が設けられている。 また、この排出路C1には、外部へ排出させるドレイン水の量を調整するための調節弁が設けられている。

    第1流路Aと第2流路Bとが交差する位置には、増湿器2からのプロセス流体と反応器3から出力された反応後の高温のプロセス流体との間で熱交換を行わせる第2熱交換器9が設けられている。
    第2流路Bにおいて、第2熱交換器9の上流側には、第2流路Bから分岐し、第2熱交換器9をバイパスする第2バイパス流路Eが設けられている。 この第2バイパス流路Eには、第2熱交換器9へ送られる反応後の高温のプロセス流体の流量を調整するための第2流量調節弁10が設けられている。

    また、水素製造システム1には、補給水を増幅器2へ供給する第3流路Fが設けられている。 この第3流路Fは、第2流路Bと少なくとも1箇所、好ましくは、複数の箇所で交差するように形成されている。 図1では、3箇所で交差する場合を図示している。
    第2流路Bと第3流路Fとが交差する位置には、第2流路Bを流れる反応後の高温のプロセス流体と第3流路Fを流れる補給水との間で熱交換を行わせる3つの第3熱交換器11,12,13が設けられている。
    第3流路Fにおいて、第3熱交換器11,12の上流側には、第3流路Fから分岐し、第3熱交換器11,12をバイパスする第3バイパス流路G1,G2がそれぞれ設けられている。 また、第3バイパス流路G1,G2には、第3熱交換器11,12へ送られる補給水の流量を調整するための第3流量調節弁15,16がそれぞれ設けられている。

    また、第2流路Bを流れるプロセス流体は、循環路Cを流れる流体や第3流路Fを流れる補給水等と熱交換して冷やされることにより、プロセス流体中の水蒸気が水に変化し、水分が発生する。 このプロセス流体中に含まれている水分を回収するために、第2流路Bには、少なくとも1つの気液分離器が設けられている。 図1では、2つの気液分離器18,19を図示している。
    各気液分離器18,19において回収された水分は、配管H,Iをそれぞれ通じて補給水が流通する第3流路Fに供給されるようになっている。

    第3流路Fにおいて、最も下流側に設けられている第3熱交換器13の更に下流側には、第3流路Fを流通する流体を気相と液相とに分離する気液分離器20が設けられている。 また、気液分離器20には、気液分離機20によって分離された水蒸気を第1流路Aに供給する第4流路Jが接続されている。
    第4流路Jには、第1流路Aに供給する水蒸気の流量を調節するための第4流量調節弁21が設けられている。 更に、第4流路Jには、第4流路Jを流通する水蒸気を反応器3において発生する熱で加熱する第4熱交換器22が設けられている。
    また、第1流路Aには、他の系から蒸気を供給するための蒸気供給配管6が接続されている。 蒸気の供給元としては、例えば、IGCCにおける蒸気タービンを駆動させるための水蒸気等が考えられる。 この蒸気供給配管6は、本系統における水蒸気が不足した場合、例えば、後述するように、第4流路J等から蒸気が供給されたとしても、なお蒸気量が不足した場合に、その不足分を補うために使用される。

    また、第4流路Jには、第4流路Jから分岐し、第4流路Jを流通する水蒸気の一部を増湿器2へ供給する第5流路Kが設けられている。 この第5流路Kには、増湿器2へ供給する水蒸気の量を調節するための第4流量調節弁23が設けられている。

    上述したような水素製造システムにおいては、一酸化炭素を含有するプロセス流体が増湿器2に供給され、増湿器2において水蒸気と混合されるとともに、飽和温度まで熱せられる。 増湿器2において水蒸気と混合されたプロセス流体は、第1流路Aを通じて反応器3に送られる。 反応器3において、プロセス流体は触媒化で反応させられることにより、プロセス流体中の一酸化炭素が二酸化炭素に変成され、この反応によりプロセス流体中に包含される水素が増加する。 また、反応時には反応熱が発生する。 このときの反応式については、上述の(1)式の通りである。
    反応により、水素リッチとなった高温のプロセス流体は第2流路Bに出力される。

    第2流路Bに放出された高温のプロセス流体は、第2熱交換器9において、第1流路Aを流れる反応前のプロセス流体と熱交換される。 このとき、第2熱交換器9に送られる反応後のプロセス流体は、第2流量調節弁10の開度によって調整される。 この第2流量調節弁10の開度を、第1流路Aを流れる反応前のプロセス流体の温度に応じて調節することで、反応器3に送られる反応前のプロセス流体の温度を反応に適した値に調整することができる。 このように、反応器3の入口温度を最適化することにより、反応器3における反応を促進させることが可能となる。

    第2熱交換器9において熱交換された後の反応後のプロセス流体は、第2流路Bを流通し第3熱交換器13に送られる。 第3熱交換器13では、第3流路Fを流通する補給水との間で熱交換が行われることにより、プロセス流体は更に冷やされる。 その後、プロセス流体は、第2流路Bを流通し、第1熱交換器7に送られる。

    第1熱交換器7には、増湿器2においてプロセス流体と混合されなかった余剰分の水蒸気が冷やされたドレイン水が循環路Cを通じて供給される。 第1熱交換器7において、第2流路Bを流通する高温のプロセス流体と循環路Cを流通するドレイン水との間で熱交換が行われ、高温とされたドレイン水は循環路Cを通じて増湿器2に再び戻され、一方、熱交換により熱量が奪われたプロセス流体は、第2流路Bを流通して第3熱交換器12に送られる。

    この場合において、第1熱交換器7に送られるドレイン水の流量は、第1バイパス流路Dに設けられた第1流量調節弁8の開度によって調整される。 第1流量調節弁8の開度を増湿器2内の雰囲気温度に応じて調節することで、増湿器2に送られるドレイン水の温度を増湿器2の雰囲気温度に適した値(例えば、飽和温度)に調整することが可能となる。 これにより、増湿器2の雰囲気温度を最適な値に保つことが可能となる。

    第3熱交換器12に送られたプロセス流体は、第3流路Fを流れる補給水との間で熱交換を行うことで更に冷やされ、その後、気液分離器18に送られる。 気液分離器18では、プロセス流体中に含まれていた水分が回収され、この水分は配管Hを通じて第3流路Fに供給される。 気液分離器18において水分が回収された後のプロセス流体は、第3熱交換器11に送られ、再び補給水との間で熱交換が行われる。 熱交換後のプロセス流体は、気液分離器19に送られ、水分が回収された後、下流側に設けられている他の設備へ供給される。

    一方、第3流路Fを流れる補給水は、上述したように、第3熱交換器11,12,13において、プロセス流体との間で熱交換が行われることにより、徐々に温められ、その一部が水蒸気とされた状態で気液分離器20に送られる。
    気液分離器20では、水蒸気と水とが分離され、補給水は第3流路Fを通じて増湿器2に供給される。 一方、水蒸気は、第4流路Jを流通することにより、第4熱交換器22へ送られる。 第4熱交換器22では、反応器3における反応熱により第4流路Jを流通する水蒸気が熱せられる。

    これにより、反応器3において反応時に発生する熱量を消費させることができ、反応器3内の雰囲気温度を抑制することが可能となる。 反応器3における一酸化炭素濃度と温度とは、図2に示すような相関関係を有している。 つまり、温度が低いほど、プロセス流体内に含まれている一酸化炭素を二酸化炭素に変成することができ、プロセス流体内の一酸化炭素の量を低減させることができる。 従って、反応器3における温度上昇を抑制することにより、反応器3における反応を促進させることが可能となる。

    反応時に発生する熱を用いて高温とされた水蒸気は、その一部が第5流路Kを通じて増湿器2に供給されるとともに、残りが第4流路Jを通じて第1流路Aを流れるプロセス流体に混入させられる。 ここで、第5流路Kを通じて増幅器2に供給される水蒸気の流量は、第5流路Kに設けられている第4流量調節弁23の開度によって調整される。

    ここで、増湿器2内の雰囲気温度は、プロセス流体と水蒸気とを混合させるのに適した値に保持されることが好ましい。 増湿器2内の雰囲気温度は、上述したように、循環路Cの第1バイパス流路Dに設けられている第1流量調節弁8の開度を調整することにより行われるが、第1流量調節弁8の弁開度を全閉にして、循環路Cを流れるドレイン水を全て第1熱交換器7に供給したとしても、熱量が十分ではなく、増湿器2内における雰囲気温度を好適な値に保持できないことが懸念される。
    このような場合であっても、第4流路Jを流れる高温の水蒸気を増湿器2に供給するルートである第5流路Kを設けておくことで、上記熱量の不足を解消することが可能となる。

    上記第1流量調節弁8の開度および第4流量調節弁23の開度は、例えば、図3に示されるように制御される。 つまり、増湿器2においてそれほど熱量が必要とされない場合には、第4流量調節弁23を全閉とした状態で、第1流量調節弁8の開度を調節する。 これに対し、第1流量調節弁8を全閉とし、循環路Cを流れる全てのドレイン水を第1熱交換器7に投入しても熱量が足りない場合には、第4流量調節弁23の開度を調整することにより、第5流路から増湿器2へ高温の水蒸気を供給し、増湿器2における熱量を補償する。

    以上、説明してきたように、本実施形態に係る水素製造システム1によれば、増湿器2において余剰となった水蒸気を冷却し、ドレイン水として循環させる循環路Cと、循環路Cを循環するドレイン水を反応後のプロセス流体の熱によって温める第1熱交換器7とを備えるので、増湿器2において使用される水蒸気を自身の系統において供給することが可能となる。 これにより、他のシステムから供給する水蒸気の量を大幅に低減させることが可能となる。 この結果、例えば、図7に示したようなCO 回収型のIGCCに適用された場合には、発電設備において蒸気タービンを駆動するのに用いられる高圧水蒸気を当該水素製造システム1に供給する必要がなくなり(或いは、その供給量を大幅に低減することができ)、蒸気タービンの発電効率を低下させることを抑制することができる。

    なお、上述のように、第3流路Fから増湿器2にドレイン水を供給し、第4流路Jから高温の水蒸気を第1流路Aに供給し、更に、第5流路Kから高温の水蒸気を増湿器2に供給したとしても、なお熱量、或いは、水蒸気の流量が不足する場合が懸念される場合には、蒸気供給配管6から高圧の水蒸気(例えば、蒸気タービンの駆動に使用される高圧水蒸気)を第1流路Aに対して供給するとよい。

    〔変形例1〕
    上述した第1の実施形態においては、反応器3を1機のみ備える場合について例示したが、例えば、図4に示すように、複数の反応器3を備えていても良い。 この場合には、上流側に配置された反応器3において反応された反応後のプロセス流体が交流側に配置されている反応器3に順次供給される構成とされる。
    このように、複数の反応器3を設けることにより、プロセス流体における一酸化炭素の含有量を更に低下させることができる。

    なお、このように2機以上の反応器3を備える場合には、各反応器3で発生する反応熱をそれぞれ異なる流体との間で熱交換させてもよい。 例えば、図4では、上流側に配置されている反応器3においては、第4流路Jを流れる水蒸気と反応熱とを熱交換させるとともに、下流側に配置されている反応器3においては、第3流路Fを流れる補給水と反応熱とを熱交換させている。

    〔変形例2〕
    上述した第1の実施形態においては、反応器3における反応熱を第4流路Jを流れる水蒸気と熱交換させることで、反応器3の温度上昇を抑制していたが、これに代えて、図5に示すように、反応器3における熱と循環路Cを流れるドレイン水とを熱交換させる第5熱交換器30を設けることとしてもよい。 このように、循環路Cを流れるドレイン水との間で熱交換を行わせることで、反応器3の温度上昇を抑制することとしてもよい。
    また、このとき、循環路Cに、第5熱交換器30をバイパスする第4バイパス流路Lを設け、この第4バイパス流路Lに、第5熱交換器30に送るドレイン水の流量を調整するための流量調節弁31を設けることとしてもよい。 これにより、反応器3内の温度を反応に適切な値に保持することができる。

    なお、反応器3において発生する反応熱の消費方法としては、上述したドレイン水との熱交換に限られず、例えば、第3流路Fを流れる補給水との間で熱交換を行わせることとしてもよい。

    〔第2の実施形態〕
    次に、本発明の第2の実施形態について、図6を用いて説明する。
    本実施形態の水素製造システムが第1の実施形態と異なる点は、図1に示した水素製造システムから後段の設備へ送られ、該後段の設備においてプロセス流体中の二酸化炭素が排除されたクリーンガスを流通させる第6流路Mを備え、更に、第6流路Mと第2流路Bとを少なくも1箇所で交差させて、この交差位置に第6熱交換器40,41を設けた点である。
    このように、水素製造システムの後段に配置されている設備で生成されたプロセス流体と熱交換を行わせる第6熱交換器40,41を設けることにより、反応器3において発生した熱量を更に有効に利用することが可能となる。

    本発明の第1の実施形態に係る水素製造システムの概略構成を示した図である。

    反応器における一酸化炭素濃度と温度との関係における平衡曲線を示した図である。

    第1流量調節弁および第4流量調節弁の弁開度制御について示した図である。

    本発明の変形例1に係る水素製造システムの概略構成を示した図である。

    本発明の変形例2に係る水素製造システムの概略構成を示した図である。

    本発明の第2の実施形態に係る水素製造システムの概略構成を示した図である。

    一般的なCO

    回収型のIGCCの全体構成を示した概略構成図である。

    符号の説明

    1 水素製造システム2 増湿器3 反応器7 第1熱交換器8 第1流量調節弁9 第2熱交換器10 第2流量調節弁11,12,13 第3熱交換器15,16 第3流量調節弁18,19,20 気液分離器21 第4流量調節弁22 第4熱交換器23 第4流量調節弁30 第5熱交換器31 流量調節弁40,41 第6熱交換器101 ガス化炉102 脱硫設備103 水素製造設備104 二酸化炭素の回収設備105 発電設備A 第1流路B 第2流路C 循環路D 第1バイパス流路E 第2バイパス流路F 第3流路G1,G2 第3バイパス流路H,I 配管J 第4流路K 第5流路L 第4バイパス流路

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