多層管状物品を製造する方法

申请号 JP2017533011 申请日 2015-12-18 公开(公告)号 JP2018509564A 公开(公告)日 2018-04-05
申请人 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー.; 发明人 メッシーナ, ニカシオ エドアルド; コラドン, マルコ; コジョカル, パウラ; アルチェッラ, ヴィンチェンツォ; アポストロ, マルコ; トリウルツィ, フランチェスコ マリア;
摘要 本発明は、多層管状物品、前記多層管状物品の製造方法、および炭化 水 素をボトムプラットフォーム経由で油井から浮遊沖合装置まで搬送するためのアップストリーム用途での前記多層管状物品の使用に関する。【選択図】なし
权利要求

1種または複数種の炭化素を回収する方法であって、 (a)少なくとも1つの多層管状物品であって、 − 少なくとも1種の熱可塑性ポリマー[ポリマー(T)]を含む、好ましくはそれからなる組成物[組成物(P)]からなる少なくとも1つの同心円層[層(Pc)]を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有し、前記管の前記内面および前記外面の少なくとも1つの少なくとも一部は、1種または複数種の官能基を含む、管、および − 前記管の前記内面および前記外面の少なくとも1つの少なくとも一部に接着されている、1種または複数種の金属を含む少なくとも1種の金属化合物[化合物(M)]を含む、好ましくはそれからなる組成物[組成物(M)]からなる少なくとも1つの同心円層[層(Mc)] を含む少なくとも1つの多層管状物品を提供する工程と; (b)工程(a)において提供されるような前記少なくとも1つの多層管状物品を通して、1種または複数種の炭化水素を含む組成物をアップストリームする工程と を含む方法。前記多層管状物品が、 − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有し、前記管の前記内面および前記外面の少なくとも1つの少なくとも一部は、1種または複数種の官能基を含む、管と、 − 前記管の前記内面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの内層(Mc)と を含む、請求項1に記載の方法。前記多層管状物品が、 − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有し、前記管の前記内面および前記外面の少なくとも1つの少なくとも一部は、1種または複数種の官能基を含む、管と、 − 前記管の前記外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)と を含む、請求項1に記載の方法。前記多層管状物品が、 − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有し、前記管の前記内面および前記外面の少なくとも1つの少なくとも一部は、1種または複数種の官能基を含む、管と、 − 前記管の前記内面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの内層(Mc)と、 − 前記管の前記外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)と を含み、 前記外層(Mc)が前記内層(Mc)と等しいかまたはそれと異なる、請求項1に記載の方法。前記多層管状物品の前記管の前記内面および前記外面の少なくとも1つの少なくとも一部が、1種または複数種のN含有官能基を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。前記ポリマー(T)がフルオロポリマー[ポリマー(F)]である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。前記ポリマー(F)が、 − フッ化ビニリデン(VDF)、および任意選択的に、VDFと異なる少なくとも1種のモノマー(F)に由来する繰り返し単位を含むポリマー(F−1)、 − テトラフルオロエチレン(TFE)およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)から選択される少なくとも1種のモノマー(F)、エチレン(E)、プロピレンおよびイソブチレンから選択される少なくとも1種のモノマー(H)、ならびに任意選択的に、TFEおよび/またはCTFEならびに前記モノマー(H)の総量を基準として、典型的に0.01モル%〜30モル%の量の、TFEおよび/またはECTFEと異なる少なくとも1種のモノマー(F)に由来する繰り返し単位を含むポリマー(F−1)、および − テトラフルオロエチレン(TFE)、ならびに式CF2=CFORf1’(式中、Rf1’は、C1〜C6パーフルオロアルキル基である)のパーフルオロアルキルビニルエーテル、およびヘキサフルオロプロピレン(HFP)などのC3〜C8パーフルオロオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のモノマー(F)に由来する繰り返し単位を含むポリマー(F−3) からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。前記少なくとも1つの多層管状物品の前記少なくとも1つの層(Mc)が、100nm〜1mmに含まれる厚さを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。前記多層管状物品が、 (1−a)少なくとも1つの層(Pc)であって、内面および外面を有する少なくとも1つの層(Pc)を含む管を提供する工程と; (1−b)工程(1−a)において提供される前記管の前記少なくとも1つの層(Pc)の前記内面および前記外面の少なくとも1つの少なくとも一部をグロー放電法によって処理する工程と; (1−c)工程(1−b)において提供される前記管の前記少なくとも1つの層(Pc)の前記処理された内面および/または外面上に少なくとも1つの層(Mc)を無電解めっきによって堆積させる工程と を含む方法によって製造される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。前記多層管状物品が、 (2−a)少なくとも1つの層(Pc)であって、内面および外面を有する少なくとも1つの層(Pc)を含む管を提供する工程と; (2−b)テープであって、 − 少なくとも1種のポリマー(T)を含む組成物[組成物(P)]からなる少なくとも1つの層[層(P)]であって、内面および外面を有する少なくとも1つの層[層(P)]、および − 前記少なくとも1つの層(P)の前記外面の少なくとも一部に接着されている、1種または複数種の金属を含む少なくとも1種の金属化合物[化合物(M)]を含む組成物[組成物(M)]からなる少なくとも1つの層[層(M)] を含む、好ましくはそれらからなるテープを提供する工程と; (2−c)工程(2−b)において提供される前記テープを、工程(2−a)において提供される前記管の前記外面の少なくとも一部上へ巻き付ける工程と を含む方法によって製造される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。工程(2−b)において提供される前記テープが、 (3−a)少なくとも1つの層(P)の前記外面の少なくとも一部をグロー放電法によって処理する工程と; (3−b)工程(3−a)において提供されるような前記少なくとも1つの層(P)の前記処理された外面上に少なくとも1つの層(M)を無電解めっきによって堆積させる工程と を含む方法によって製造される、請求項10に記載の方法。前記グロー放電法が、エッチングガス媒体の存在下で実施される、請求項9または11に記載の方法。前記エッチングガス媒体が、N2、NH3、CH4、CO2、He、O2およびH2からなる群から選択される少なくとも1種のガスを含む、請求項12に記載の方法。前記エッチングガス媒体が空気をさらに含む、請求項12または13に記載の方法。前記エッチングガス媒体が、N2を含み、好ましくは、 − 5容積%〜95容積%のN2、 − 任意選択的に、最大で15容積%のH2、 − 任意選択的に、最大で95容積%のHe、および − 任意選択的に、最大で95容積%の空気 からなる、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。

说明书全文

本出願は、2014年12月19日出願の欧州特許出願第14199113.3号に対する優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。

本発明は、多層管状物品、前記多層管状物品の製造方法、および炭化素をボトムプラットフォーム経由で油井から浮遊沖合装置まで搬送するためのアップストリーム用途での前記多層管状物品の使用に関する。

原油および天然ガスを沖合掘削リグおよびターミナルから陸上へポンプ送液するために使用されるものなどの沖合パイプラインは、非常に高い圧および温度に耐え得ることが要求され、そのため、典型的には鉄および鋼などの金属製である。

しかしながら、一般に鋼パイプラインで直面する主要な問題のなかには、腐食の問題がある。

パイプラインの内孔を、炭化水素と、水と、他の汚染物質、例えば二酸化炭素および硫化水素との混合物などの材料をそれらに通すことの腐食作用から保護するために、好適なポリマー材料でできたパイプラインを提供することは既に提案されてきた。

炭化水素を搬送するためのフレキシブルパイプは、既によく知られており、一般に、パイプの内側から外側へ、全体パイプを保護するための、特に海水がその厚さを貫通するのを防ぐためのポリマー内側密封シースで覆われた金属枠、圧力アーマー層、伸張アーマー層およびポリマー外側シースを含む。金属枠および圧力アーマー層は、通常、短ピッチで巻かれた長手方向エレメントで構成され、半径方向力に耐える能力をパイプに与え、一方、伸張アーマー層は、通常、軸方向力に反応するために長ピッチで巻かれた金属線からなる。

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、典型的には100℃〜130℃の温度での炭化水素に対するその耐化学薬品性のため、そのような内側密封シースを製造するための材料として提案されてきた。

操作温度および圧力下で、炭化水素中に含有される二酸化炭素および硫化水素は、ポリマー内側密封シースを通って伸張アーマー層中へ浸透し、水蒸気の存在下でこれらの金属強化材の腐食を引き起こす。これらの現象は、特に超深海用途において、パイプの機械的性能に影響を及ぼし得る。

圧力アーマー層および伸張アーマー層のためのサワーサービス鋼種がしたがって今日使用されている。

しかしながら、そのような鋼種は、高価であるまたは不十分な機械的特性を有するという欠点を有し、それは、これらのパイプにおける金属部分のセクションおよび重量の増加を強いる。

さらに、操作温度および圧力下で、炭化水素流体のガスおよび低密度分画の幾らかは、ポリマー内側密封シースを通って金属強化材の間隙中へ浸透する。生産停止後の減圧中にパイプの圧力が急速に低下する場合、炭化水素流体のこれらのガスおよび低密度分画が膨張し、場合により内側密封シースの膨れおよび崩壊を引き起こすであろう。

ここで、本発明の多層管状物品を使用することにより、腐食性の二酸化炭素および硫化水素の広がりを停止させ、それによって圧力アーマー層および伸張アーマー層のための減少した厚さのスイートサービス鋼種の使用を可能にし、したがって多層管状物品の重量および全費用の両方を低減することが見いだされた。さらに、本発明の多層管状物品は、高含有量の腐食性の二酸化炭素および硫化水素入り炭化水素を搬送するためのアップストリーム用途におけるより長続きするサワーサービスのための油井穴パイプ用のフレキシブルパイプまたはパイプライナーのいずれかを設計することを可能にする。

特に、本発明の多層管状物品は、高温でさえも、優れた層間接着強度と水蒸気透過性およびガス透過性とを成功裡に示すことが見いだされた。

特に、本発明の多層管状物品は、高温でさえも、アップストリーム用途に好適に使用されるための二酸化炭素および硫化水素などのガスへの低い透過性を成功裡に示すことが見いだされた。

第1例において、本発明は、 − 少なくとも1種の熱可塑性ポリマー[ポリマー(T)]を含む、好ましくはそれからなる組成物[組成物(P)]からなる少なくとも1つの同心円層[層(Pc)]を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部に接着されている、1種または複数種の金属を含む少なくとも1種の金属化合物[化合物(M)]を含む、好ましくはそれからなる組成物[組成物(M)]からなる少なくとも1つの同心円層[層(Mc)]と を含む多層管状物品に関する。

本発明の目的のために、用語「熱可塑性樹脂」は、室温において、それらが非晶質である場合にはそのガラス転移温度未満で、それらが半結晶性である場合にはその融点未満で存在する線状ポリマーを意味することを意図する。これらのポリマーは、感知できる化学変化が存在することなしに、それらが加熱されたときに軟らかくなり、それらが冷やされたときに再び固くなるという特性を有する。そのような定義は、例えば、Polymer Science Dictionary.Edited by MARK S.M.ALGER.LONDON:ELSEVIER APPLIED SCIENCE,1989.p.476と呼ばれる百科事典に見いだされ得る。

ポリマー(T)は、典型的には、フルオロポリマー[ポリマー(F)]、1つまたは複数のシラン基を含む架橋性ポリオレフィン[ポリマー(PO)]、ポリアミド[ポリマー(PA)]、ポリ(アリールエーテルケトン)ポリマー[ポリマー(PAEK)]およびポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー[ポリマー(PAS)]からなる群から選択される。

本発明の目的のために、用語「フルオロポリマー[ポリマー(F)]」は、少なくとも1種のフッ素化モノマー[モノマー(F)]、および任意選択的に、少なくとも1種の含水素モノマー[モノマー(H)]に由来する繰り返し単位を含む、好ましくはそれらからなるポリマーを意味することを意図する。

用語「フッ素化モノマー[モノマー(F)]」とは、少なくとも1個のフッ素原子、および任意選択的に、少なくとも1個の水素原子を含むエチレン系不飽和モノマーを意味することを本明細書では意図する。

用語「含水素モノマー[モノマー(H)]」とは、少なくとも1個の水素原子を含み、フッ素原子を含まないエチレン系不飽和モノマーを意味することを本明細書では意図する。

用語「少なくとも1種のフッ素化モノマー」は、ポリマー(F)が1種または2種以上のフッ素化モノマーに由来する繰り返し単位を含んでもよいことを意味すると理解される。本文の残りにおいて、表現「フッ素化モノマー」は、本発明の目的のために、複数形および単数形の両方で理解される、すなわち、それらは、上に定義されたような1種または2種以上のフッ素化モノマーの両方を意味すると理解される。

用語「少なくとも1種の含水素モノマー」は、ポリマー(F)が1種または2種以上の含水素モノマーに由来する繰り返し単位を含んでもよいことを意味すると理解される。本文の残りにおいて、表現「含水素モノマー」は、本発明の目的のために、複数形および単数形の両方で理解される、すなわち、それらは、上で定義されたような1種または2種以上の含水素モノマーの両方を意味すると理解される。

ポリマー(F)は、典型的に、少なくとも1種のフッ素化モノマー[モノマー(F)]、および任意選択的に、少なくとも1種の含水素モノマー[モノマー(H)]の重合によって得られる。

好適なモノマー(F)の非限定的な例としては、とりわけ、以下: − テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンなどのC2〜C8パーフルオロオレフィン、 − フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、1,2−ジフルオロエチレンおよびトリフルオロエチレンなどのC2〜C8含水素フルオロオレフィン、 − 式CH2=CH−Rf0(式中、Rf0は、C1〜C6パーフルオロアルキル基である)のパーフルオロアルキルエチレン、 − クロロトリフルオロエチレンなどのクロロ−および/またはブロモ−および/またはヨード−C2〜C6フルオロオレフィン、 − 式CF2=CFORf1(式中、Rf1は、C1〜C6フルオロ−またはパーフルオロアルキル基、例えば、CF3、C2F5、C3F7である)の(パー)フルオロアルキルビニルエーテル、 − CF2=CFOX0(パー)フルオロ−オキシアルキルビニルエーテル(式中、X0は、C1〜C12アルキル基、C1〜C12オキシアルキル基、またはパーフルオロ−2−プロポキシ−プロピル基など、1個または複数個のエーテル基を有するC1〜C12(パー)フルオロオキシアルキル基である)、 − 式CF2=CFOCF2ORf2(式中、Rf2は、C1〜C6フルオロ−もしくはパーフルオロアルキル基、例えばCF3、C2F5、C3F7、または−C2F5−O−CF3など、1個または複数個のエーテル基を有するC1〜C6(パー)フルオロオキシアルキル基である)の(パー)フルオロアルキルビニルエーテル; − 式CF2=CFOY0(式中、Y0は、C1〜C12アルキル基もしくは(パー)フルオロアルキル基、C1〜C12オキシアルキル基、または1個もしくは複数個のエーテル基を有するC1〜C12(パー)フルオロオキシアルキル基であり、Y0は、その酸、酸ハライドまたは塩形態でのカルボン酸またはスルホン酸基を含む)の官能性(パー)フルオロ−オキシアルキルビニルエーテル、および − フルオロジオキソール、好ましくはパーフルオロジオキソール が挙げられる。

ポリマー(F)は、好ましくは: − フッ化ビニリデン(VDF)、および任意選択的に、VDFと異なる少なくとも1種のモノマー(F)に由来する繰り返し単位を含むポリマー(F−1)、 − テトラフルオロエチレン(TFE)およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)から選択される少なくとも1種のモノマー(F)、エチレン(E)、プロピレンおよびイソブチレンから選択される少なくとも1種のモノマー(H)、ならびに任意選択的に、TFEおよび/またはCTFEならびに前記モノマー(H)の総量を基準として、典型的に0.01モル%〜30モル%の量の、前記TFEおよび/またはECTFEと異なる少なくとも1種のモノマー(F)に由来する繰り返し単位を含むポリマー(F−2)、および − テトラフルオロエチレン(TFE)ならびに式CF2=CFORf1’(式中、Rf1’はC1〜C6パーフルオロアルキル基である)のパーフルオロアルキルビニルエーテル、およびヘキサフルオロプロピレン(HFP)などのC3〜C8パーフルオロオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のモノマー(F)に由来する繰り返し単位を含むポリマー(F−3) からなる群から選択される。

ポリマー(F−1)は、好ましくは: (a)少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%、より好ましくは少なくとも80モル%のフッ化ビニリデン(VDF)と、 (b)任意選択的に、モノマー(a)および(b)の総量を基準として、0.1モル%〜40モル%、好ましくは0.1モル%〜30モル%、より好ましくは0.1モル%〜20モル%の、フッ化ビニル(VF1)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)およびパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマー(F)と を含む。

ポリマー(F−1)は、モノマー(a)および(b)の総量を基準として、0.1モル%〜5モル%、好ましくは0.1モル%〜3モル%、より好ましくは0.1モル%〜1モル%の少なくとも1種のモノマー(H)をさらに含んでもよい。

ポリマー(F−1)は、好ましくは、VDFのホモポリマー、VDF/TFEコポリマー、VDF/TFE/HFPコポリマー、VDF/TFE/CTFEコポリマー、VDF/TFE/TrFEコポリマー、VDF/CTFEコポリマー、VDF/HFPコポリマー、VDF/TFE/HFP/CTFEコポリマー、VDF/TFE/パーフルオロブテン酸コポリマー、VDF/TFE/マレイン酸コポリマーなどからなる群から選択される。

ポリマー(F−1)はより好ましくは、VDFのホモポリマー、ならびにVDFと、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)およびそれらの混合物からなる群から選択される0.1モル%〜10モル%のフッ素化コモノマーとのコポリマーからなる群から選択される。

ポリマー(F−1)は、典型的には、少なくとも120℃、好ましくは少なくとも135℃、より好ましくは少なくとも150℃の融点を有する。

ポリマー(F−1)は、典型的には、最大で190℃、好ましくは最大で185℃、より好ましくは最大で180℃の融点を有する。

融点は、ASTM D3418に従って10℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定法(DSC)によって決定された。

ポリマー(F−1)は、典型的には、少なくとも10J/g、好ましくは少なくとも20J/gの融解熱を有する。

ポリマー(F−1)は、典型的には、最大で70J/g、好ましくは最大で40J/g、より好ましくは最大で30J/gの融解熱を有する。

融解熱は、ASTM D3418に従って10℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定法(DSC)によって測定された。

モノマー(FX)がクロロトリフルオロエチレン(CTFE)であるポリマー(F−2)は、本明細書では以下ECTFEコポリマーと特定され;モノマー(FX)がテトラフルオロエチレン(TFE)であるポリマー(F−2)は、本明細書では以下ETFEコポリマーと特定される。

ポリマー(F−2)は、好ましくは: (a’)10モル%〜90モル%、好ましくは30モル%〜70モル%の、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびテトラフルオロエチレン(TFE)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマー(FX)、および (b’)モノマー(a’)および(b’)の総量を基準として、10モル%〜90モル%、好ましくは30モル%〜70モル%のエチレン(E) を含む。

ポリマー(F−2)は、より好ましくは: (a’)50モル%〜70モル%、好ましくは53モル%〜65モル%の、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびテトラフルオロエチレン(TFE)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマー(FX)、および (b’)モノマー(a’)および(b’)の総量を基準として、30モル%〜50モル%、好ましくは35モル%〜47モル%のエチレン(E) を含む、さらにいっそう好ましくはそれらからなる。

ポリマー(F−2)は、モノマー(a’)および(b’)の総量を基準として、0.1モル%〜30モル%、好ましくは0.1モル%〜15モル%、より好ましくは0.1モル%〜10モル%の、モノマー(F)およびモノマー(H)からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーをさらに含んでもよい。

それにもかかわらず、他のモノマーを含まないECTFEポリマーが好ましい。

末端鎖、欠陥または上で述べられたものと異なる繰返し単位をもたらす微量のモノマー不純物が、材料の特性に影響を与えることなく、好ましいECTFE中に依然として含まれることができる。

ポリマー(F−2)は、典型的には、少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃、より好ましくは少なくとも140℃、さらにいっそう好ましくは少なくとも150℃の融点を有する。

ポリマー(F−2)は、典型的には、最大で210℃、好ましくは最大で200℃、より好ましくは最大で195℃、さらにいっそう好ましくは最大で190℃の融点を有する。

融点は、ASTM D3418に従って10℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定法(DSC)によって測定された。

ポリマー(F−2)は、典型的には、少なくとも1J/g、好ましくは少なくとも2J/g、より好ましくは少なくとも5J/gの融解熱を有する。

ポリマー(F−2)は、典型的には、最大で35J/g、好ましくは最大で30J/g、より好ましくは最大で25J/gの融解熱を有する。

融解熱は、ASTM D3418に従って10℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定法(DSC)によって測定された。

ポリマー(F−2)は、典型的には、2.16Kgの荷重下において230℃でASTM 3275−81標準手順に従って測定されるように、0.01〜75g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分、より好ましくは0.5〜30g/10分のメルトフローレートを有する。

ポリマー(F−3)は、好ましくは、テトラフルオロエチレン(TFE)ならびに式CF2=CFOCF3のパーフルオロメチルビニルエーテル、式CF2=CFOC2F5のパーフルオロエチルビニルエーテル、および式CF2=CFOC3F7のパーフルオロプロピルビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種のパーフルオロアルキルビニルエーテルに由来する繰り返し単位を含むポリマー(F−3A)である。

ポリマー(F−3)は、典型的には、200℃〜320℃に含まれる融点を有する。

融点は、ASTM D3418に従って加熱速度10℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定法(DSC)によって測定された。

好適なポリマー(F−3)の非限定的な例としては、とりわけ、Solvay Specialty Polymers Italy S.p.A.から商標名HYFLON(登録商標)PFA PシリーズおよびMシリーズ、ならびにHYFLON(登録商標)MFAで商業的に入手可能なものが挙げられる。

ポリマー(PO)は、典型的には、ビニルアルコキシシランの存在下でのポリオレフィンの共重合またはグラフト化によって得られる。

ポリマー(PO)は、典型的には、式−Si−O−X(式中、Xは水素原子またはアルキル基である)の1つまたは複数のシラン基を含む1つまたは複数のポリオレフィン鎖を含み、シラン基は、加水分解および/または縮合後、ポリオレフィン鎖間に−Si−O−Si結合を形成することによって架橋することができる。

ポリマー(PO)は、好ましくは、1つまたは複数のシラン基を含むポリエチレン[ポリマー(PE)]である。

ポリマー(PO)は、典型的には、2.16Kgの荷重下において190℃でASTM D1238標準手順に従って測定されるように、0.1g/10分〜50g/10分に含まれるメルトフローレートを有する。

架橋性ポリマー(PO)は、好ましくは、860kg/m3〜960kg/m3、好ましくは860kg/m3〜880kg/m3に含まれる基準密度を有する。

基準密度は、ASTM D792−08標準手順(方法B、無水エタノール)に従って測定された。

本発明の目的のために、用語「ポリ(アリールエーテルケトン)ポリマー[ポリマー(PAEK)]は、繰り返し単位を含む任意のポリマーであって、前記繰り返し単位の50モル%超が、Ar−C(O)−Ar’基(式中、互いに等しいかまたは異なるArおよびAr’は、少なくとも1個の芳香族単核または多核環を含む芳香族部分である)を含む繰り返し単位(RPAEK)であるポリマーを意味することを意図する。繰り返し単位(RPAEK)は、一般に、ここで下の式(J−A)〜式(J−O): (式中: − 互いに等しいかまたは異なるR’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるかまたは1〜4の整数である) のものからなる群から選択される。

繰り返し単位(RPAEK)において、それぞれのフェニレン部分は独立して、繰り返し単位においてR’と異なる他の部分に対して1,2−、1,4−または1,3−結合を有してもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は、1,3−または1,4−結合を有し、より好ましくは、それらは1,4−結合を有する。

さらに、繰り返し単位(RPAEK)において、j’は、出現ごとにゼロであり得る、すなわち、フェニレン部分は、ポリマー(PAEK)の主鎖での結合を可能にするもの以外の他の置換基をまったく有さない。

好ましい繰り返し単位(RPAEK)は、したがって、ここで下の式(J’−A)〜式(J’−O): のものからなる群から選択される。

上で定義されたようなポリマー(PAEK)において、繰り返し単位の好ましくは60モル%超、より好ましくは80モル%超、さらにいっそう好ましくは90モル%超は、上に定義されたような繰り返し単位(RPAEK)である。

さらに、ポリマー(PAEK)の実質的にすべての繰り返し単位は、上に定義されたような繰り返し単位(RPAEK)であることが一般に好ましく;鎖欠陥または少量の他の繰り返し単位が存在してもよく、これらの後者は繰り返し単位(RPAEK)の特性を実質的に変性しないと理解される。

ポリマー(PAEK)は、とりわけ、ホモポリマーまたはランダム、交互もしくはブロックコポリマーなどのコポリマーであってもよい。ポリマー(PAEK)がコポリマーである場合、それは、とりわけ、(i)式(J−A)〜(J−O)から選ばれる少なくとも2つの異なる式の繰り返し単位(RPAEK)、または(ii)1つもしくは複数の式(J−A)〜(J−O)の繰り返し単位(RPAEK)と、繰り返し単位(RPAEK)と異なる繰り返し単位(R*PAEK)とを含有してもよい。

後で詳述されるように、ポリマー(PAEK)は、ポリ(エーテルエーテルケトン)ポリマー[ポリマー(PEEK)]であってもよい。本発明の目的のために、用語「ポリ(エーテルエーテルケトン)ポリマー[ポリマー(PEEK)]」は、繰り返し単位を含む任意のポリマーであって、前記繰り返し単位の50モル%超が式J’−Aの繰り返し単位(RPAEK)であるポリマーを意味することを意図する。

ポリマー(PEEK)の繰り返し単位の好ましくは75モル%超、より好ましくは85モル%超、さらにいっそう好ましくは95モル%超、さらにより好ましくは99モル%超は、式J’−Aの繰り返し単位(RPAEK)である。最も好ましくは、ポリマー(PEEK)の繰り返し単位は、すべて式J’−Aの繰り返し単位(RPAEK)である。

本発明に好適なポリマー(PAEK)の非限定的な例としては、Solvay Specialty Polymers USA L.L.C.から商品名KETASPIRE(登録商標)PEEKで商業的に入手可能なものが挙げられる。

本発明の目的のために、用語「ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー[ポリマー(PAS)]」は、繰り返し単位を含む任意のポリマーであって、前記繰り返し単位の50モル%超が式: −(Ar−S)− (式中、Arは、その2つの末端のそれぞれによって2個の硫黄原子と結合して、直接C−S結合によってスルフィド基を形成する、フェニレンまたはナフチレン基などの少なくとも1個の芳香族単核または多核環を含む芳香族部分である) の繰り返し単位(RPAS)であるポリマーを意味することを意図する。

繰り返し単位(RPAS)において、芳香族部分Arは、ハロゲン原子、C1〜C12アルキル基、C7〜C24アルキルアリール基、C7〜C24アラルキル基、C6〜C24アリーレン基、C1〜C12アルコキシ基、およびC6〜C18アリールオキシ基、ならびに置換または非置換アリーレンスルフィド基(そのアリーレン基は、それらの2つの末端のそれぞれによって2個の硫黄原子にまた結合して、直接C−S結合によってスルフィド基を形成し、それによって分岐または架橋ポリマー鎖をもたらす)を含むがそれらに限定されない、1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。

ポリマー(PAS)は、好ましくは70モル%超、より好ましくは80モル%超、さらにより好ましくは90モル%超の繰り返し単位(RPAS)を含む。

最も好ましくは、ポリマー(PAS)は、繰り返し単位(RPAS)以外の繰り返し単位をまったく含有しない。

繰り返し単位(RPAS)において、芳香族部分Arは、好ましくは、ここで下の式(X−A)〜(X−K): (式中、互いに等しいかまたは異なるR1およびR2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C12アルキル基、C7〜C24アルキルアリール基、C7〜C24アラルキル基、C6〜C24アリーレン基、C1〜C12アルコキシ基、およびC6〜C18アリールオキシ基、ならびに置換または非置換アリーレンスルフィド基(そのアリーレン基は、それらの2つの末端のそれぞれによって2個の硫黄原子にまた結合して、直接C−S結合によってスルフィド基を形成し、それによって分岐または架橋ポリマー鎖をもたらす)からなる群から選択される) のものからなる群から選択される。

ポリマー(PAS)は、ホモポリマーまたはランダムコポリマーもしくはブロックコポリマーなどのコポリマーであってもよい。

ポリマー(PAS)は、典型的には、ここで下の式(X−L)〜(X−N): のものからなる群から選択される1つまたは複数の分岐または架橋繰り返し単位を含む。

ポリマー(PAS)は、好ましくは、ポリ(フェニレンスルフィド)ポリマー[ポリマー(PPS)]である。本発明の目的のために、用語「ポリ(フェニレンスルフィド)ポリマー[ポリマー(PPS)]」は、繰り返し単位を含む任意のポリマーであって、前記繰り返し単位の50モル%超が、式: (式中、p−フェニレン基は、その2つの末端のそれぞれによって2個の硫黄原子に結合し、直接C−S結合によってスルフィド基を形成し、式中、互いに等しいかまたは異なるR1およびR2は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C12アルキル基、C7〜C24アルキルアリール基、C7〜C24アラルキル基、C6〜C24アリーレン基、C1〜C12アルコキシ基、およびC6〜C18アリールオキシ基、ならびに置換または非置換アリーレンスルフィド基(そのアリーレン基は、それらの2つの末端のそれぞれによって2個の硫黄原子にまた結合して、直接C−S結合によってスルフィド基を形成し、それによって分岐または架橋ポリマー鎖をもたらす)からなる群から選択される) のp−フェニレンスルフィド繰り返し単位(RPPS)であるポリマーを意味することを意図する。

本発明に好適なポリマー(PPS)の非限定的な例としては、Solvay Specialty Polymers USA L.L.C.から商品名PRIMEF(登録商標)、Chevron Phillips Chemical Company L.L.C.からRYTON(登録商標)、Fortron IndustriesからFORTRON(登録商標)、GE PlasticsからSUPEC(登録商標)で商業的に入手可能なものが挙げられる。

化合物(M)は、典型的には、Rh、Ir、Ru、Ti、Re、Os、Cd、Tl、Pb、Bi、In、Sb、Al、Ti、Cu、Ni、Pd、V、Fe、Cr、Mn、Co、Zn、Mo、W、Ag、Au、Pt、Ir、Ru、Pd、Sn、Ge、Ga、それらの合金およびそれらの誘導体からなる群から選択される1種または複数種の金属を含む。

化合物(M)は、好ましくは、Ni、Co、Cr、Mnおよびそれらの合金からなる群から選択される1種または複数種の金属を含む。

本発明の多層管状物品の管の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部は、有利には、1種または複数種の官能基を含む。

用語「官能基」は、共有結合によって互いに結合した原子の基を意味するためにその通常の意味に従って本明細書で用いられる。

本発明の多層管状物品の管の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部は、典型的には、グロー放電法によって有利に得られる1種または複数種の官能基を含む。

本発明の目的のために、用語「グロー放電法」は、高周波アンプから動力を受ける方法であって、エッチングガス媒体を含有するセル中の2つの電極間に電圧をかけることによってグロー放電が発生する方法を意味することを意図する。そのように発生したグロー放電は、次に典型的には、一般にジェットヘッドを用いて、処理されるべき材料の表面上へ移される。あるいは、処理されるべき材料は、そのように発生したグロー放電が処理されるべき材料の表面と直接接触するように、エッチングガス媒体を含有するセル中の電極間に置かれる。

グロー放電法は、典型的には、本発明の多層管状物品の管の層(Pc)の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部上へ1個または複数個の分子をグラフトする工程を含む。

本発明の目的のために、用語「グラフト化」は、それによって1種または複数種の官能基がポリマー骨格の表面上へ挿入されるラジカルプロセスを意味するためにその通常の意味に従って用いられる。

「エッチングガス媒体」とは、グロー放電法での使用に好適なガスまたはガスの混合物のいずれかを意味することを本明細書では意図する。

グロー放電法は、典型的には、N2、NH3、CH4、CO2、He、O2およびH2からなる群から選択される少なくとも1種のガスを含むエッチングガス媒体の存在下で実施される。

エッチングガス媒体は、典型的には、空気をさらに含む。

グロー放電法は、好ましくは、N2および/またはNH3と、任意選択的に、H2およびHeからなる群から選択される少なくとも1種のガスと、任意選択的に、空気とを含むエッチングガス媒体の存在下で実施される。

本発明の実施形態によれば、エッチングガス媒体は、典型的には、N2を含み、好ましくは: − 5容積%〜95容積%のN2と、 − 任意選択的に、最大で15容積%のH2と、 − 任意選択的に、最大で95容積%のHeと、 − 任意選択的に、最大で95容積%の空気と からなる。

グロー放電法は、典型的には、減圧下または大気圧下で実施される。

グロー放電法は、好ましくは、約760Torrでの大気圧下で実施される。

グロー放電法は、典型的には、とりわけ水分が除かれている(0.001%v/v未満の水蒸気含有量)、空気下または修正雰囲気下、例えば不活性ガス下のいずれかで実施されてもよい。

グロー放電法は、好ましくは、空気下で実施される。

グロー放電法は、典型的には、1kHz〜100kHzに含まれる高周波数で実施される。

グロー放電法は、典型的には、1kV〜50kVに含まれる電圧で実施される。

グロー放電法は、典型的には、プラズマ放電を発生させる。

本発明の多層管状物品の管は、内面および外面を有し、ここで、前記内面および前記外面の少なくとも1つの少なくとも一部は、典型的には、エッチングガス媒体の1個または複数個の原子を含む1種または複数種の官能基、好ましくは1種または複数種のN含有官能基を含む。

N2および/またはNH3と、任意選択的に、H2およびHeからなる群から選択される少なくとも1種のガスと、任意選択的に、空気とを含む、好ましくはそれらからなるエッチングガス媒体の存在下でのグロー放電法によって得られる官能基の非限定的な例としては、とりわけ、アミド基(−CONH2)、アミン基(−NH2)、イミン基(−CH=NH)およびニトリル基(−CN)などのN含有官能基が挙げられる。

多層管状物品の管の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部の官能基の種類は、FT−IR技術、好ましくはFT−IR技術と結合した減衰全反射(ATR)、またはX線誘導光電子分光法(XPS)技術などの任意の好適な技術により決定することができる。

層(Mc)が本発明の多層管状物品の管の内面の少なくとも一部に接着されている場合、それは内層(Mc)と称される。

層(Mc)が本発明の多層管状物品の管の外面の少なくとも一部に接着されている場合、それは外層(Mc)と称される。

本発明の多層管状物品の少なくとも1つの層(Mc)は、有利には、100nm〜1mmに含まれる厚さを有する。

多層管状物品の層(Mc)の厚さは、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)技術などの任意の好適な技術により、または任意の好適な厚さ計を用いることによって測定することができる。

本発明の第1実施形態によれば、多層管状物品は、典型的には: − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の内面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの内層(Mc)と を含む。

本発明の第2実施形態によれば、多層管状物品は、典型的には: − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)と を含む。

本発明の第3実施形態によれば、多層管状物品は、典型的には: − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の内面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの内層(Mc)と、 − 前記管の外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)と を含み、 前記外層(Mc)は、前記内層(Mc)と等しいかまたはそれと異なる。

本発明の目的のために、用語「管」および「管状物品」のそれぞれは、1つまたは複数の同心円層を含む物品を意味することを意図する。

本発明の目的のために、用語「層」は、一定の厚さ、一定の長さおよび一定の幅を有するシートであって、厚さが、その長さまたはその幅のいずれかよりも小さいシートを意味することを意図する。

本発明の目的のために、用語「同心円層」は、中空の円筒体のジオメトリーを有する層(前記中空円筒体は、一定の高さおよび一定の壁厚を有し、前記壁厚は、中空円筒体の外径と内径との間の差に等しく、前記層は、1つまたは複数の他の同心円層と共有して質量の中心を有する)を意味することを意図する。

本発明の目的のために、表現「少なくとも一部」は、管の表面に言及される場合、管が、その上に化合物(M)がまったく接着されていないその表面の部分を有する実施形態が本発明によって依然として包含されることを意味すると理解されるべきである。それにもかかわらず、実質的に管の全表面が、上で定義されたような少なくとも1つの層(Mc)をそれに接着させていることは一般に理解される。

第2例において、本発明は、1種または複数種の炭化水素を回収する方法であって、 (a)少なくとも1つの多層管状物品であって、 − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの層(Mc)と を含む少なくとも1つの多層管状物品を提供する工程と、 (b)工程(a)において提供される少なくとも1つの多層管状物品を通して、1種または複数種の炭化水素を含む組成物をアップストリームする工程と を含む方法に関する。

1種または複数種の炭化水素を回収する方法の工程(a)において提供される多層管状物品は、有利には、本発明の多層管状物品である。

第3例において、本発明は、本発明の多層管状物品を製造する方法に関する。

本発明の第1実施形態によれば、多層管状物品を製造する方法は、典型的には: (1−a)少なくとも1つの層(Pc)であって、内面および外面を有する少なくとも1つの層(Pc)を含む管を提供する工程と; (1−b)工程(1−a)において提供される管の前記少なくとも1つの層(Pc)の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部をグロー放電法によって処理する工程と; (1−c)工程(1−b)において提供される管の前記少なくとも1つの層(Pc)の処理された内面および/または外面上に少なくとも1つの層(Mc)を無電解めっきによって堆積させる工程と を含む。

本発明のこの第1実施形態の変形形態によれば、多層管状物品を製造する方法は、典型的には: (1−a)少なくとも1つの層(Pc)であって、内面および外面を有する少なくとも1つの層(Pc)を含む管を提供する工程と; (1−b)工程(1−a)において提供される管の前記少なくとも1つの層(Pc)の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部をグロー放電法によって処理する工程と; (1−c)工程(1−b)において提供される管の前記少なくとも1つの層(Pc)の処理された内面および/または外面上に少なくとも1つの第1層(Mc)[層(Mc−1)]を無電解めっきによって堆積させる工程と; (1−d)任意選択的に、工程(1−c)において提供されるような多層管状物品の少なくとも1つの層(Mc−1)上に少なくとも1つの第2層(Mc)[層(Mc−2)]であって、前記層(Mc−1)と等しいかまたはそれと異なる少なくとも1つの第2層(Mc)[層(Mc−2)]を電着によって堆積させる工程と を含む。

本発明のこの第1実施形態の方法によって得られる多層管状物品は、有利には、本発明の多層管状物品である。

本発明のこの第1実施形態の方法によって得られる多層管状物品は、典型的には、本発明の第1、第2および第3実施形態のいずれかによる多層管状物品である。

本発明のこの第1実施形態の方法の工程(1−a)において提供される管は、典型的には、少なくとも1種のポリマー(T)を含む組成物[組成物(P)]を融解相で加工することによって得られる。

当業者は、ポリマー(T)の種類および融点の関数として、温度などの適切な加工パラメータを選択し、調整するであろう。

本発明の第2実施形態によれば、多層管状物品を製造する方法は、典型的には: (2−a)少なくとも1つの層(Pc)であって、内面および外面を有する少なくとも1つの層(Pc)を含む管を提供する工程と; (2−b)テープであって、 − 少なくとも1種のポリマー(T)を含む組成物[組成物(P)]からなる少なくとも1つの層[層(P)]であって、内面および外面を有する少なくとも1つの層[層(P)]、および − 前記少なくとも1つの層(P)の外面の少なくとも一部に接着されている、1種または複数種の金属を含む少なくとも1種の金属化合物[化合物(M)]を含む組成物[組成物(M)]からなる少なくとも1つの層[層(M)] を含む、好ましくはそれらからなるテープを提供する工程と; (2−c)工程(2−b)において提供されるテープを、工程(2−a)において提供される管の外面の少なくとも一部上へ巻き付ける工程と を含む。

本発明のこの第2実施形態の方法の工程(2−a)において提供される管は、典型的には、少なくとも1種のポリマー(T)を含む組成物[組成物(P)]を融解相で加工することによって得られる。

当業者は、ポリマー(T)の種類および融点の関数として、温度などの適切な加工パラメータを選択し、調整するであろう。

本発明のこの第2実施形態の方法の工程(2−a)下で、そのように提供される管は、典型的には、ポリマー(T)の融点を上回る温度に維持される。

本発明のこの第2実施形態の方法の工程(2−b)において提供されるテープは、典型的には: (3−a)少なくとも1つの層(P)の外面の少なくとも一部をグロー放電法によって処理する工程と; (3−b)工程(3−a)において提供されるような前記少なくとも1つの層(P)の処理された外面上に少なくとも1つの層(M)を無電解めっきによって堆積させる工程と を含む方法によって製造される。

あるいは、本発明のこの第2実施形態の方法の工程(2−b)において提供されるテープは、典型的には、 (3−a)少なくとも1つの層(P)の外面の少なくとも一部をグロー放電法によって処理する工程と; (3−b)工程(3−a)において提供されるような前記少なくとも1つの層(P)の処理された外面上に少なくとも1つの第1層(M)[層(M−1)]を無電解めっきによって堆積させる工程と; (3−c)任意選択的に、工程(3−b)において提供されるようなテープの少なくとも1つの層(M−1)上に少なくとも1つの第2層(M)[層(M−2)]であって、前記層(M−1)と等しいかまたはそれと異なる少なくとも1つの第2層(M)[層(M−2)]を電着によって堆積させる工程と を含む方法によって製造される。

本発明のこの第2実施形態の方法の工程(2−c)下で、工程(2−b)において提供されるテープは、有利には、工程(2−a)において提供される管の外面の少なくとも一部に接着される。

本発明のこの第2実施形態の方法の工程(2−c)下で、工程(2−b)において提供されるテープは、典型的には、工程(2−a)において提供される管の外面の少なくとも一部に溶融接合によって接着される。

本発明のこの第2実施形態の方法の工程(2−c)下で、工程(2−b)において提供されるテープの少なくとも1つの層(P)の内面は、有利には、工程(2−a)において提供される管の外面の少なくとも一部に接着される。

本発明のこの第2実施形態の方法の工程(2−c)下で、工程(2−b)において提供されるテープの少なくとも1つの層(P)の内面は、典型的には、工程(2−a)において提供される管の外面の少なくとも一部に溶融接合によって接着される。

本発明のこの第2実施形態の方法によって得られる多層管状物品は、有利には、本発明の多層管状物品である。

本発明のこの第2実施形態の方法によって得られる多層管状物品は、典型的には、本発明の第2および第3実施形態のいずれかによる多層管状物品である。

本発明の第1実施形態による多層管状物品を製造する方法の工程(1−b)下で、工程(1−a)において提供される管の少なくとも1つの層(Pc)の処理された内面および/または外面は、典型的には、エッチングガス媒体の1個または複数個の原子を含む1種または複数種の官能基、好ましくは1種または複数種のN含有官能基を含む。

同様に、本発明の第2実施形態による多層管状物品を製造する方法の工程(2−b)において提供されるテープを製造する方法の工程(3−a)下で、少なくとも1つの層(P)の処理された外面は、典型的には、エッチングガス媒体の1個または複数個の原子を含む1種または複数種の官能基、好ましくは1種または複数種のN含有官能基を含む。

N2および/またはNH3と、任意選択的に、H2およびHeからなる群から選択される少なくとも1種のガスと、任意選択的に、空気とを含むエッチングガス媒体の存在下でのグロー放電法によって得られる官能基の非限定的な例としては、とりわけ、アミド基(−CONH2)、アミン基(−NH2)、イミン基(−CH=NH)およびニトリル基(−CN)などのN含有官能基が挙げられる。

本出願人は、エッチングガス媒体の存在下でのグロー放電法による処理後、本発明の多層管状物品の管の処理された内面および/または外面が、その機械的特性などのそのバルク特性を成功裡に維持することを見いだした。

本出願人はまた、エッチングガス媒体の存在下でのグロー放電法による処理後、層(Mc)が、本発明の多層管状物品の管の処理された内面および/または外面の少なくとも1つに成功裡に接着されることを見いだした。

本発明の目的のために、「無電解めっき」とは、電気化学槽において、典型的には少なくとも1種の金属塩を含むめっき浴において実施される方法であって、金属塩の金属カチオンが、好適な化学的還元剤の存在下でその酸化状態からその元素状態へ還元される方法を意味する。

めっき浴は、典型的には、少なくとも1種の金属塩と、少なくとも1種の有機溶剤[溶剤(S)]と少なくとも1種の還元剤[試剤(R)]とを含む。

金属塩は、典型的には、化合物(M)の塩である。

溶剤(S)は、典型的には、 − 脂肪族、脂環式または芳香族エーテルオキシド、より具体的には、ジエチルオキシド、ジプロピルオキシド、ジイソプロピルオキシド、ジブチルオキシド、メチルtertioブチルエーテル、ジペンチルオキシド、ジイソペンチルオキシド、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ベンジルオキシド;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、 − エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、 − エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類、 − メチルアルコール、エチルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、 − アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類、および − イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、メチルアセトアセテート、ジメチルフタレート、g−ブチロラクトンなどの線状または環状エステル類 からなる群から選択される。

試剤(R)は、典型的には、ホルムアルデヒド、ヒドラジンおよび次亜リン酸ナトリウムからなる群から選択される。

本発明の第1実施形態による多層管状物品を製造する方法の工程(1−c)下で、無電解めっきは、典型的には: − 工程(1−a)において提供される管の少なくとも1つの層(Pc)の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部を無電解金属化触媒と接触させ、それによって触媒表面を提供する工程と; − そのように得られる触媒表面をめっき浴と接触させる工程と を含む。

同様に、本発明の第2実施形態による多層管状物品を製造する方法の工程(2−b)において提供されるテープを製造する方法の工程(3−b)下で、少なくとも1つの層(P)の処理された外面の無電解めっきは、典型的には: − 少なくとも1つの層(P)の外面の少なくとも一部を無電解金属化触媒と接触させ、それによって触媒表面を提供する工程と; − そのように得られる触媒表面をめっき浴と接触させる工程と を含む。

無電解金属化触媒は、典型的には、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ニッケル、銅、銀および金に由来する触媒からなる群から選択される。

無電解金属化触媒は、好ましくは、PdCl2などのパラジウムに由来する触媒から選択される。

本発明の多層管状物品は、典型的には: − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの層(Mc)であって、前記少なくとも1つの層(Mc)が有利には無電解めっきによって得られる層と を含む。

あるいは、本発明の多層管状物品は、典型的には: − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の内面および外面の少なくとも1つの少なくとも一部に接触している、少なくとも1つの第1層(Mc)[層(Mc−1)]と、 − 任意選択的に、少なくとも1つの層(Mc−1)の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの第2層(Mc)[層(Mc−2)]であって、前記層(Mc−1)と等しいかまたはそれと異なる少なくとも1つの第2層(Mc)[層(Mc−2)]と を含み、 ここで、前記少なくとも1つの層(Mc−1)は、有利には、無電解めっきによって得られ、前記少なくとも1つの層(Mc−2)は、存在する場合、有利には電着によって得られる。

本発明の目的のために、「電着」とは、電解槽において実施されるプロセスであって、電子が、少なくとも1種の金属塩を含む電解質組成物を通って正極から負極に流れ、それによって金属塩の無機アニオンを正極で酸化させ、金属塩の金属カチオンを負極で還元させ、その結果、その元素状態の金属からなる層が前記負極上へ堆積されるプロセスを意味する。

本発明の目的のために、用語「正極」は、酸化が起こるアノードを意味することを意図する。本発明の目的のために、用語「負極」は、還元が起こるカソードを意味することを意図する。

本発明の方法の工程(1−c)において提供されるような多層管状物品の層(Mc−1)は、典型的には、負極として動作する。

同様に、本発明の方法の工程(3−b)において提供されるようなテープの層(M−1)は、典型的には、負極として動作する。

電着は、不活性雰囲気下または空気雰囲気下のいずれかで実施されてもよい。電着は、有利には、空気雰囲気下で実施される。

電着は、典型的には、最大で120℃の温度で実施される。電着は、典型的には、少なくとも20℃の温度で実施される。

第4例において、本発明は、アップストリーム用途での、特に、炭化水素をボトムプラットフォーム経由で油井から浮遊沖合装置まで搬送するためのアップストリーム用途での本発明の多層管状物品の使用に関する。

本発明の第1実施形態によれば、本発明の多層管状物品は、フレキシブルパイプとしての使用に好適である。

本発明のフレキシブルパイプは、炭化水素をボトムプラットフォームから浮遊沖合装置まで搬送するためのアップストリーム用途での使用に特に好適である。

本発明の目的のために、用語「フレキシブルパイプ」は、外部環境に抗して密封を提供するポリマー同心円層と、高い内圧および外圧下で機械抵抗を提供する金属強化材とを含むフレキシブル管状パイプを意味することを意図する。

本発明の第2および第3実施形態のいずれかの多層管状物品は、フレキシブルパイプとしての使用に特に好適である。

本発明のこの第1実施形態の第1変形形態によれば、多層管状物品は金属枠を含まない。

本発明のこの第1実施形態のこの第1変形形態によるフレキシブルパイプとしての使用に好適な多層管状物品は、典型的には: − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)と を含む。

本発明のこの第1実施形態のこの第1変形形態によるフレキシブルパイプとしての使用に好適な多層管状物品は、好ましくは: − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)であって、 − 圧力アーマー で取り囲まれており、前記圧力アーマーは、 − 伸張アーマー で取り囲まれている、少なくとも1つの外層(Mc)と を含む。

本発明のこの第1実施形態のこの第1変形形態によるフレキシブルパイプとしての使用に好適な多層管状物品は、管の内面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの内層(Mc)であって、前記外層(Mc)と等しいかまたはそれと異なる少なくとも1つの内層(Mc)をさらに含んでもよい。

本発明のこの第1実施形態の第2変形形態によれば、多層管状物品は金属枠をさらに含む。

本発明のこの第1実施形態のこの第2変形形態によるフレキシブルパイプとしての使用に好適な多層管状物品は、典型的には: − 金属枠であって、 − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管 で取り囲まれている金属枠と、 − 前記管の外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)と を含む。

本発明のこの第1実施形態のこの第2変形形態によるフレキシブルパイプとしての使用に好適な多層管状物品は、好ましくは: − 金属枠であって、 − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管 で取り囲まれている金属枠と、 − 前記管の外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)であって、 − 圧力アーマー で取り囲まれており、前記圧力アーマーは、 − 伸張アーマー によって取り囲まれている、少なくとも1つの外層(Mc)と を含む。

摩耗防止層としての役割を果たす1つまたは複数の中間シースが、本発明のこの第1実施形態によるフレキシブルパイプとしての使用に好適な多層管状物品の圧力アーマーと伸張アーマーとの間に提供されてもよい。

本発明のこの第1実施形態によるフレキシブルパイプとしての使用に好適な多層管状物品は、外側シース、好ましくは少なくとも1つの層(Pc)からなる外側シースをさらに含んでもよい。

本発明の第2実施形態によれば、本発明の多層管状物品は、油井穴パイプ用のパイプライナーとしての使用に好適である。

本発明の油井穴パイプは、炭化水素を油井からボトムプラットフォームまで搬送するためのアップストリーム用途での使用に特に好適である。

本発明の第1および第3実施形態のいずれかの多層管状物品は、油井穴パイプ用のパイプライナーとしての使用に特に好適である。

本発明のこの第2実施形態による油井穴パイプ用のパイプライナーとしての使用に好適な多層管状物品は、典型的には: − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の内面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの内層(Mc)と を含む。

本発明のこの第2実施形態による油井穴パイプ用のパイプライナーとしての使用に好適な多層管状物品は、前記管の外面の少なくとも一部に接触している、少なくとも1つの外層(Mc)であって、前記内層(Mc)と等しいかまたはそれと異なる少なくとも1つの外層(Mc)をさらに含んでもよい。

本発明の多層管状物品は、油井穴パイプを製造する方法での使用に特に好適である。

油井穴パイプを製造する方法は、典型的には、本発明の多層管状物品を使用して金属パイプを裏打ちする工程を含む。

したがって、第5例において、本発明は、油井穴パイプを製造する方法であって、 (4−a)金属パイプを提供する工程と; (4−b)多層管状物品であって、 − 少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管、および − 前記管の内面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの内層(Mc) を含む多層管状物品であって、金属パイプの内径よりも大きい外径を有する多層管状物品を提供する工程と; (4−c)工程(4−b)において提供される多層管状物品を圧縮し、それによって圧縮多層管状物品であって、金属パイプの内径よりも小さい外径を有する圧縮多層管状物品を提供する工程と; (4−d)工程(4−c)において提供される圧縮多層管状物品を、工程(4−a)において提供される金属パイプ中へ挿入する工程と; (4−e)工程(4−d)において提供される圧縮多層管状物品を、金属パイプの内径にフィットするように膨張させる工程と を含む方法に関する。

油井穴パイプを製造する方法の工程(4−b)下で、多層管状物品は、管の外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの層(Mc)であって、前記内層(Mc)と等しいかまたはそれと異なる少なくとも1つの層(Mc)をさらに含んでもよい。

油井穴パイプを製造する方法の工程(4−b)下で、多層管状物品は、工程(4−a)において提供される金属パイプの長さと等しいかまたはそれと異なる長さを有してもよい。

油井穴パイプを製造する方法の工程(4−a)下で、金属パイプは、通常、鉄または鋼からなるパイプ、好ましくは炭素鋼などの鋼、合金またはステンレス鋼からなるパイプである。

油井穴パイプを製造する方法のある実施形態によれば、金属パイプは、損傷した金属パイプであってもよい。金属パイプが損傷した金属パイプである場合、本発明の方法は、そのような金属パイプを更正する方法であり、前記方法は、本発明の多層管状物品を使用して金属パイプを裏打ちする工程を含む。

油井穴パイプを製造する方法の工程(4−c)下で、多層管状物品は、典型的には、半径方向または軸方向圧縮によってその断面積を減少させることにより圧縮される。

多層管状物品を圧縮してそれが金属パイプに挿入されることを可能にする技術は、当技術分野でよく知られている。

油井穴パイプを製造する方法の工程(4−c)下で、工程(4−b)において提供される多層管状物品は、典型的には、圧縮ローラーのセットを用いる半径方向圧縮によって圧縮されてもよい。このタイプの加工の非限定的な例としては、ロールダウンとして知られる技術が挙げられる。

あるいは、油井穴パイプを製造する方法の工程(4−c)下で、工程(4−b)において提供される多層管状物品は、典型的には、多層管状物品を直径減少ダイを通して引っ張る軸方向圧縮によって圧縮されてもよい。直径減少は、多層管状物品上の軸力が維持される限りにおいてのみなされる。このタイプの加工の非限定的な例としては、Swageliningのダイ−ドローイングアンドタイトライナー(Die−drawing and Titeliner)として知られる技術が挙げられる。

さらに、油井穴パイプを製造する方法の工程(4−c)下で、工程(4−b)において提供される多層管状物品は、U−形状またはC−形状の横断面へ折り重ねるまたはつぶすことによって圧縮されてもよい。

油井穴パイプを製造する方法の工程(4−e)下で、工程(4−d)において提供される圧縮多層管状物品は、典型的には、弾性回復によって金属パイプの内径にフィットするように膨張される。

あるいは、油井穴パイプを製造する方法の工程(4−e)下で、工程(4−d)において提供される圧縮多層管状物品は、典型的には、熱および/または油およびガスでの加圧によって金属パイプの内径にフィットするように膨張される。

本発明の目的のために、用語「弾性」は、一時的なおよび可逆的な変形を意味することを意図する。

本発明のこの第2実施形態による油井穴パイプとしての使用に好適な多層管状物品は、典型的には: − 金属パイプであって、内面および外面を有する金属パイプと、 − 前記金属パイプの内面の少なくとも一部にフィットしている、少なくとも1つの層(Pc)を含む、好ましくはそれからなる管であって、内面および外面を有する管と、 − 前記管の内面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの内層(Mc)と を含む。

本発明のこの第2実施形態による油井穴パイプとしての使用に好適な多層管状物品は、前記金属パイプの内面の少なくとも一部および前記管の外面の少なくとも一部に接着されている、少なくとも1つの外層(Mc)であって、前記内層(Mc)と等しいかまたはそれと異なる少なくとも1つの外層(Mc)をさらに含んでもよい。

参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。

本発明は、以下の実施例に関連してより詳細にこれから説明されるが、実施例の目的は、例示的なものであるにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。

原材料 50μmの厚さを有するECTFE(E:50モル%;CTFE:50モル%)[ECTFE−1]からなるフィルム。

6mmの厚さを有する50mmの直径のVDFポリマー[PVDF−1]の円形試料。

透過性特性の測定 水蒸気透過性は、水蒸気透過速度(WVTR)によってASTM F1249標準試験手順に従って測定した。WTRは、単位気圧当たり単位時間当たり単位面積当たり単位厚さの材料を通過する水蒸気の容積を表す。WVTRは、90%の相対湿度で90℃または120℃で測定した。

硫化水素、二酸化炭素およびメタン透過係数は、ASTM D1434標準試験手順に従って測定した。この透過係数は、単位気圧当たり単位時間当たり単位面積当たり単位厚さの材料を通過するガスの容積を表す。検体を透過するガスは、より低い圧力側での圧力の増加によって測定し、組成は、ガスクロマトグラフィーによって測定する。透過係数は、ガスと水との混合物:CH4/CO2/H2S 85/5/10モル%および400pm水中で100バールの圧力下において120℃で測定した。

接着強度の測定 本発明の多層管状物品の管の層(Mc)と層(Pc)との間の接着強度は、ASTM D3359標準手順に従って測定した。カッティング工具を用いて、2シリーズの垂直カットを、実施例1または実施例2のいずれかにより得られたテープの金属層上で行い、それによってその上に格子模様を提供した。一片の粘着ラベルを次に格子一面に貼り、金属層に対して180°の度で剥がした。

試験結果の分類は5B〜0Bの範囲であった。それらの説明をここで下の表1に表す。

実施例1 − テープの製造 1−A − 表面改質 ECTFE−1のフィルムの1表面を、高周波プラズマ放電法によって大気圧で処理した。エッチングガスは、N2(95容積%)とH2(5容積%)との混合物であった。動作周波数は40kHzであり、電圧は20kVであった。

そのように得られたECTFE−1のフィルムの処理面の試料(20mm×30mm)を、2cm−1の解像度のGe結晶および256スキャンを用いてATR−FTIRによって分析した。

結果を、実施例1−Aにより得られたECTFE−1のフィルムの処理面について得られたスペクトルと、比較例1により得られたECTFE−1の未処理フィルムについて得られたスペクトルとの間のスペクトラルサブトラクションを行うことによって比較した。弱いバンドが約3300cm−1および1680cm−1〜1500cm−1の領域に観察され、それは、アミド基(−CONH2)、アミン基(−NH2)、イミン基(−CH=NH)およびニトリル基(−CN)のような窒素原子を含有する化学基の存在と一致する。

1−B − 金属化方法 実施例1−Aにより得られたECTFE−1のフィルムの処理面を、無電解めっきによって金属銅でコーティングした。銅堆積前に、ECTFE−1のフィルムの処理面を、1分間0.03g/LのPdCl2を含有する水溶液中への浸漬によって活性化し、高密度でのPd粒子で全体にコーティングされているECTFE−1のフィルムの処理面をもたらした。ECTFE−1のフィルムのそのように活性化された表面を、次に10g/LのCuSO4および0.01g/Lのホルムアルデヒドを含有する水性めっき浴中へ浸漬した。めっき温度は25℃であり、そのpH値は4であった。

ECTFE−1のフィルムの処理面上へコーティングされた銅層の厚さは、SEMによって測定されるように、0.5μmであった。

実施例2 − テープの製造 2−A − 金属化方法 実施例1により得られたテープを、硫酸Niおよび塩化Ni、ホウ酸ならびに有機添加剤を含有する電解質媒体を使用する電着によって金属Niでさらにコーティングした。めっき浴を45で加熱し、この過程中にわたり機械撹拌した。電着は、10mA/cm2での定電流条件で行った。

実施例1−Bにより得られたテープ上へコーティングされたニッケル層の厚さは、SEMによって測定されるように、20μmであった。

比較例1 50μmの厚さを有するECTFE−1自体からなるフィルムを試験した。

ここで下の表2に示されるように、本発明の実施例1または実施例2のいずれかにより得られたテープは、比較例1のECTFE−1の未処理フィルムと比べて高い接着強度と90℃での低い水蒸気透過性および120℃での低い窒素透過性とを成功裡に示した。

実施例3 − テープの製造 3−A − 表面改質 PVDF−1の1表面を、高周波プラズマ放電法によって大気圧で処理した。エッチングガス」は、N2(95容積%)とH2(5容積%)との混合物であった。動作周波数は40kHzであり、電圧は20kVであった。

3−B − 金属化方法 実施例3−Aにより得られたPVDF−1の処理面を、無電解めっきによって金属ニッケルでコーティングした。ニッケル堆積前に、PVDF−1の処理面を、1分間0.03g/LのPdCl2を含有する水溶液中への浸漬によって活性化し、高密度でのPd粒子で全体にコーティングされているPVDF−1の処理面をもたらした。PVDF−1のそのように活性化された表面を、次に90g/LのNiSO4、ホウ酸および有機添加剤を含有する水性めっき浴中へ浸漬した。めっき温度は90℃であり、そのpH値は4であった。

PVDF−1の処理面上へコーティングされたニッケル層の厚さは、SEMによって測定されるように、0.15μmであった。

比較例2 6mmの厚さを有するPVDF−1自体からなる試料を試験した。

ここで下の表3に示されるように、本発明の実施例3により得られた試料は、比較例2のPVDF−1の未処理試料と比べて120℃でのより低い硫化水素、二酸化炭素およびメタン透過性を成功裡に示した。

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