汎用パイプねじ保護部材

申请号 JP2014527199 申请日 2012-08-17 公开(公告)号 JP2014531560A 公开(公告)日 2014-11-27
申请人 ドリルテック・パテンツ・アンド・テクノロジーズ・コーポレーション; 发明人 デイヴィッド・ダブリュー・クレム; ジェフリー・ディー・レンダーモン; ブライアン・スィー・ベイカー;
摘要 パイプの螺旋状のねじ山を保護するための保護部材であって本体を含む。本体は、中心軸、基部を含む上端と、上端の反対側に下端を備え、環状の結合部が基部から下端まで軸方向に延びる。結合部は径方向内側の表面と径方向外側の表面を含む。結合部は、径方向内側の表面から径方向内方に、または径方向外側の表面から径方向外方に突き出た螺旋状のねじ山を含む。螺旋状のねじ山は、パイプのねじのねじ山プロファイルとは異なる凸状のプロファイルを有する。
权利要求
  • 中心軸を有し、ねじ山ピッチがP p 、径方向のねじ山高さがH p 、軸方向のねじ山幅がW pであって、L4長さ、L2長さ、ねじ山プロファイルを有するパイプの螺旋状のねじ山を保護するための保護部材であって、
    中心軸を有する本体を備えており、この本体が基部を有する上端とこの上端と反対側にある下端とを備えており、環状の結合部がこの基部から軸方向に下端まで延びており、結合部が径方向内側の表面と径方向外側の表面とを備えており、
    結合部が、径方向内側の表面から径方向内方に、または径方向外側の表面から径方向外方に突き出た螺旋状のねじ山を含み、
    螺旋状のねじ山が、パイプの螺旋状のねじ山のねじ山プロファイルと異なる凸状のプロファイルを有している、保護部材。
  • 請求項1に記載された保護部材であって、凸状のプロファイルが、径方向内側の表面から径方向内方、または径方向外側の表面から径方向外方に突き出た半円柱状面で形成されている、保護部材。
  • 請求項1に記載された保護部材であって、凸状のプロファイルが0.03インチより大きな曲率半径を有するもの。
  • 請求項3に記載された保護部材であって、曲率半径が0.045インチと0.06インチの間であるもの。
  • 請求項2に記載された保護部材であって、結合部の螺旋状のねじ山の軸方向長さL1が、L2長さ未満であるもの。
  • 請求項5に記載された保護部材であって、軸方向長さL1が1.0インチを超え1.5インチ未満であるもの。
  • 請求項6に記載された保護部材であって、螺旋状のねじ山が、基部寄りにあって下端から軸方向に離れているか、下端寄りにあって基部から軸方向に離れているかのいずれかである保護部材。
  • 請求項2に記載された保護部材であって、
    結合部の螺旋状のねじ山のねじ山ピッチP1が、前記ねじ山ピッチP pと同じであり、
    結合部の螺旋状のねじ山の軸方向のねじ山幅W1が、前記ねじ山幅W pの90から110%で、
    結合部の螺旋状のねじ山のねじ山の径方向高さH1が、前記ねじ山高さH pの80%から100%である、保護部材。
  • 請求項1に記載された保護部材であって、結合部の径方向内側の表面または径方向外側の面が、保護部材の中心軸に対して鋭角を成す向きの円錐台面であるもの。
  • 請求項1に記載された保護部材であって、
    結合部および螺旋状のねじ山が、ねじ山ピッチP p 、径方向のねじ山高さH p 、軸ねじ山幅W pを有するパイプの螺旋状のねじ山と結合・係合できるように構成されているとともに、
    結合部および螺旋状のねじ山が、ねじ山ピッチP pで、前記径方向のねじ山高さHpとは異なる第2の径方向のねじ山高さH p 'で、前記軸方向のねじ山幅W pとは異なる軸方向のねじ山幅W p 'である第2パイプの第2螺旋状のねじ山とも結合・係合できるように構成されている、保護部材。
  • パイプねじを保護する方法であって、
    中心軸があり、基部を備えており、径方向内側の表面と径方向外側の表面とを有する環状の結合部がこの基部から軸方向に延びており、結合部の径方向外側の表面または内周面に螺旋状のねじ山があり、この螺旋状のねじ山が凸状のプロファイルを有しているようなねじ保護部材を用意するステップと、
    パイプが径方向外側の表面と径方向内側の表面とを備え、パイプの末端からパイプの径方向内側の表面または外側の表面に沿って延びる螺旋状のねじ山を有し、パイプの螺旋状のねじ山のプロファイルが結合部の螺旋状のねじ山の凸状のプロファイルと異なるねじ保護部材をパイプと同軸に整列するステップと、
    ねじ保護部材を中心軸の周りにねじ込み方向に回転させ、ねじ保護部材とパイプの末端を軸方向に互いに前進させるステップと、
    パイプの螺旋状のねじ山をねじ保護部材の螺旋状のねじ山にねじ込んで噛み合わせるステップとを含む方法。
  • 請求項11に記載された方法であって、パイプの末端と基部との間に環状のシールを形成するステップをさらに含むもの。
  • 請求項12に記載された方法であって、
    ねじ保護部材の螺旋状のねじ山とパイプの螺旋状のねじ山をねじ込んで噛み合わせることで、パイプの螺旋状のねじ山とねじ保護部材の螺旋状のねじ山の間を流体が軸方向に通過するのが防止されるようになるステップと、
    パイプの末端と基部との間に環状の密封構造を形成することで、パイプの末端と基部との間を流体が径方向に通過するのが防止されるようになるステップとをさらに含む方法。
  • 請求項11に記載された方法であって、
    凸状のプロファイルが、結合部の径方向外側の表面から径方向内側に、あるいは結合部の径方向内側の表面から径方向外側に突き出た半円柱状面で形成されており、
    凸状のプロファイルが0.03インチより大きな曲率半径を有する、方法。
  • 請求項12に記載された方法であって、ねじ保護部材の螺旋状のねじ山が、パイプの螺旋状のねじ山とL2長さ未満の範囲で噛み合うもの。
  • 請求項15に記載された方法であって、ねじ保護部材の螺旋状のねじ山がパイプの螺旋状のねじ山と噛み合う螺合領域が少なくとも1.0インチでかつ1.5インチ未満であるもの。
  • 請求項11に記載された方法であって、
    ねじ保護部材の螺旋状のねじ山のねじ山ピッチが、パイプの螺旋状のねじ山のねじ山ピッチと同じであり、
    ねじコネクタの螺旋状のねじ山の軸方向のねじ山幅が、パイプの螺旋状のねじ山のねじ山幅の90%〜110%であり、
    ねじ保護部材の螺旋状のねじ山の径方向のねじ山高さが、パイプの螺旋状のねじ山のねじ山高さ80%〜100%であるもの。
  • パイプとこのパイプにねじ込み式に結合されたねじ保護部材とを含むアセンブリであって、
    パイプが中心軸と、径方向内側の表面と、径方向外側の表面とを有しており、パイプの径方向外側の表面または内側の表面の周りに螺旋状のねじ山を有しており、パイプの螺旋状のねじ山が、ねじ山ピッチP p 、径方向のねじ山高さH p 、軸ねじ山幅W p 、L4長さ、L4長さより短いL2長さ、およびねじ山プロファイルとを有しており、
    ねじ保護部材が中心軸を有しており、基部と環状の結合部を備え、結合部が、基部に接続された第1の端部と、基部から遠い側の第2の端部とを備えており、
    結合部が、径方向内側の表面と径方向外側の表面とを有しており、径方向内側の表面または結合部の径方向外表面の周りを取り巻く螺旋状のねじ山を備えており、
    結合部の螺旋状のねじ山が、第1の端部と結合部の第2の端部との間に配置されており、
    結合部の螺旋状のねじ山の軸方向長さが、パイプの螺旋状のねじ山のL2長さより短い、アセンブリ。
  • 請求項18に記載されたアセンブリであって、ねじ保護部材の螺旋状のねじ山が、パイプのねじのねじ山プロファイルとは異なる凸状のプロファイルを有するもの。
  • 請求項19に記載されたアセンブリであって、凸状のプロファイルが、径方向内側の表面から径方向内方に、または結合部の径方向外側の表面から径方向外方に突き出た半円柱状面で形成されるもの。
  • 請求項20に記載されたアセンブリであって、凸状のプロファイルが0.03インチより大きい曲率半径を有するもの。
  • 請求項19に記載されたアセンブリであって、結合部の螺旋状のねじ山の軸方向の長さが1.0を超え1.5インチ未満であるもの。
  • 請求項18に記載されたアセンブリであって、螺旋状のねじ山が、第一の端部寄りにあって第2の端部から軸方向に離れているか、あるいは第2の端部寄りにあって第1の端部から軸方向に離れている、アセンブリ。
  • 請求項18に記載されたアセンブリであって、
    結合部の螺旋状のねじ山のねじ山ピッチが、パイプの螺旋状のねじ山のねじ山ピッチと同じであり、
    結合部の螺旋状のねじ山の軸方向のねじ山幅が、パイプの螺旋状のねじ山のねじ山幅の90から110%であり、
    結合部の螺旋状のねじ山の径方向のねじ山高さが、パイプの螺旋状のねじ山のねじ山高さの80〜100%である、アセンブリ。
  • 说明书全文

    連邦政府支援の研究開発に関する記載 該当事項なし。

    背景 発明の分野 本発明はパイプや筒状体の端部を保護するための器具に関する。 特に本発明はパイプの端部にあるねじ山を保護するための器具に関する。

    技術の背景 例えば石油・ガスの掘削・生産で使用されているようなパイプは、複数に分割して製造し、それらを端同士で軸方向に接続することが多い。 この接続には、通常、分割パイプの一方の端に雄ねじ、すなわち外部ねじを設け、これと軸方向に隣り合う分割パイプの端に設けた雌ねじ部、すなわち内部ねじにねじ込む方法を用いる。 外側にねじ山のあるパイプの雄ねじ端は多くの場合ピン端と呼ばれ、内側にねじ山のあるパイプの雌ねじ端は多くの場合ボックス端と呼ばれる。

    パイプの両端は、ねじ山も含め、実際に使用されていないときには、輸送や保管中に腐食したり、他の物体と衝突したり、落としたりして損傷を被る。 パイプはこういった損傷によって欠陥が生じたり使用できなくなったりし、結果的に遅延、苦労、費用増加をまねくことがある。 このような損傷からパイプの端、特にパイプの端にある雌ねじ山と雄ねじ山を保護するために、ねじ保護部材(thread protector)として知られる器具が一般に使用されている。 パイプのピン端とこれに付随する雄ねじ山にはピン端ねじ保護部材を結合して保護し、パイプのボックス端とこれに付随する雌ねじ山にはボックス端ねじ保護部材を結合して保護する。 ねじ保護部材は、パイプが他の物体や地面に衝突したり、あるいは外部から衝撃を受けたときに各パイプの端が損傷しないように設計される。 また、ねじ保護部材は、パイプやねじが早期に腐食してしまう可能性を低くするために、パイプの端を密封できるように設計される。

    石油・ガスの掘削・生産で使用されるパイプは、呼び径が2インチから30インチ以上までさまざまである。 さらに、多くのパイプ製造会社と探査・生産(E&P)会社が、ねじの幾何学的形状(ねじ、台形ねじ等)、ねじサイズ(ねじ山高さ等)、ねじ山ピッチ(たとえば1インチあたりのねじ山の数)を指定した独自のねじ山形状を開発してきた。 また米国石油協会(API)にはねじの形態に関する基準がいくつかある。 その結果、パイプ径とねじ山の形態(すなわちねじ山形状とねじ山ピッチ)の組み合わせは3000種類以上になる。

    分割パイプのピン端とボックス端の両方を保護するため、従来のねじ保護部材は通常2種類提供されている。 ピン端ねじ保護部材は、パイプのピン端の周りに配され、雌ねじでピン端の雄ねじ山に係合する。 そして、ボックス端ねじ保護部材は、パイプのボックス端に配され、雄ねじでボックス端の雌ねじに係合する。 ピン端ねじ保護部材はその雌ねじがピン端の雄ねじと嵌合できるような寸法、構造、デザインになっており、またボックス端ねじ保護部材はその雄ねじがボックス端の雌ねじと噛み合うような寸法、構造、デザインになっている。 言い換えれば、ピン端保護部材をピン端にねじ込んでいく際に、ピン端保護部材の雌ねじはピン端の雄ねじの間に嵌合し、ボックス端保護部材をボックス端にねじ込んでいく際に、ボックス端保護部材の雄ねじがボックス端の雌ねじの間の嵌合する。 例えば、図1Aは従来のピン端ねじ保護部材10が分割パイプ50のピン端20の周りに配置された状態を示している。 ピン端ねじ保護部材10は、分割パイプ50のピン端20に雄ねじ21を嵌合・係合する雌ねじ11を含む。 具体的には、雌ねじ11が雌ねじ11の間に嵌合し、ピン端20の雄ねじ21と噛み合うことができるように、雄ねじ21と同一のねじ山ピッチ、サイズ、形状を有するように設計される。 図1Aに示すように、雌ねじ11は通常、雄ねじ21の不完全ねじないしL4長さ分、または少なくとも雄ねじ21のL2長さ分だけ係合する。 当技術分野で知られていることであるが、不完全ねじないしL4長さは、ねじ山の消失点平面まで測ったねじの軸方向の全長であり、L2長さは、欠損のない最後の完全ねじがある平面(すなわち有効ねじ長平面)まで測ったねじの軸方向の長さである。

    図1Bは、従来のボックス端ねじ保護部材30が分割パイプ50のボックス端40の周りに配置された状態を示している。 ボックス端ねじ保護部材30は、ボックス端30に雌ねじ41と嵌合・係合する雄ねじ31が含まれている。 具体的には、雄ねじ31は、雄ねじ31の間に嵌合し、ボックス端40の雌ねじ41と嵌合することを可能にする雌ねじ山41と同じねじ山ピッチ、サイズ、形状を有するように設計される。 図1Bに示すように、ねじ保護部材の雄ねじ(たとえば雄ねじ31)は、通常、雌ねじ(たとえば雌ねじ41)とL4長さ分だけ、あるいは雌ねじと少なくともL2長さ分だけ係合する。

    前述のように、パイプ径とねじ山の形態には3000種類以上の組合せがある。 したがってねじ保護部材も数百種類あり、それぞれがパイプ径とパイプのねじ山の形態との特定の組合せと嵌合できるような寸法、構成、デザインとなっている。 このような数多くの種類のねじ保護部材の製造、ならびに数多くの種類のねじ保護部材の保管にも、かなりの時間と費用がかかる。

    したがって当技術分野では依然として様々な形態のねじ山をもつパイプ端部を保護することのできるねじ保護部材が必要とされている。 このようなねじ保護部材は特に、製造コストや在庫コストの削減が可能で何回も再利用できるようなものであれば好評を得るであろう。

    課題の概要 当技術分野におけるこういった必要性は、ひとつの実施例として、中心軸、ねじ山ピッチP pは、径方向のねじ山高さH pを、軸方向のねじ山幅W p 、L4長さ、L2長さ、ねじ山プロファイルを有するパイプの螺旋状のねじ山を保護する保護部材によって対処できる。 ひとつの実施例として、保護部材は本体を含む。 この本体は、中心軸、基部、上側端部と反対側の下端と、下端に基部から軸方向に延びる環状の結合部を含む上端を有する。 径方向内側の表面を含む結合部と、外径面。 結合部は、径方向内側の表面から径方向内方、または径方向外側の表面から径方向外方に延びる螺旋状のねじ山を含む。 螺旋状のねじ山は、パイプのねじのねじ山プロファイルとは異なる凸状のプロファイルを備える。

    当技術分野におけるこれら等の必要性は、別の実施例であるパイプ用ねじを保護するための方法によっても対処できる。 ひとつの実施例として、本方法では中心軸を有するねじ保護部材を用いる。 このねじ保護部材は、基部と、基部から軸方向に延びる環状の結合部とを含む。 結合部は、径方向内側の表面と径方向外側の表面を含む。 径方向外側の表面または結合部の径方向内側の表面は、螺旋状のねじ山を含む。 螺旋状のねじ山は凸状のプロファイルを含む。 さらにこの方法では同軸パイプをねじ保護部材を整列させる。 パイプは、径方向外側の表面、径方向内側の表面、および径方向内側の表面またはパイプの外周面に沿ってパイプの末端から延びる螺旋状のねじ山を有している。 結合部の螺旋状のねじ山の凸状のプロファイルと異なるねじのプロファイルを有するパイプの螺旋状のねじ山。 さらに、この方法では、中心軸の周りにねじ保護部材をねじ込み方向に回転し、軸方向に一緒にねじ保護部材、パイプの末端を前進させる。 さらに、この方法では、パイプの螺旋状のねじ山をねじ保護部材の螺旋状のねじ山にねじ込んで係合させる。

    当技術分野におけるこれら等の必要性は、別の実施例であるアセンブリによっても対処できる。 実施例では、アセンブリは、中心軸、径方向内側の表面、径方向外側の表面、および径方向外側の表面またはパイプの径方向内側の表面の周りに延びる螺旋状のねじ山を有するパイプを備える。 パイプの螺旋状のねじ山はねじ山のピッチP p 、径方向のねじ山高さH pを、軸方向のねじ山幅W p 、L4長さ、L4長さより短いL2長さ、およびねじ山プロファイルを有する。 また、アセンブリは、ねじパイプに結合されたねじ保護部材を備える。 ねじ保護部材は、基部と、第1の端部で基部に接続し第2の端部が基部から遠い側にある環状の結合部とで構成されている。 結合部は、径方向内側の表面、径方向外側の表面、および径方向内側の周りに延びる螺旋状のねじ山を有している表面または結合部の外径面。 結合部の螺旋状のねじ山は、第1の端部と結合部の第2端部との間に配置されている。 結合部の螺旋状のねじ山は、パイプの螺旋状のねじ山のL2長さより短い軸方向長さを有する。

    本明細書で説明する各種実施例は、特定の従来の装置、システム、方法に関連する様々な欠点に対処することを意図した種々の特徴や利点を組み合わせて構成される。 後述の本発明の詳細な説明が良く理解できるよう、本発明の特徴および技術的利点はかなり広く概説している。 当業者であれば、以下の詳細な説明を読み添付の図面を参照することにより、上記の様々な特性が、その他の特徴も含め、容易にわかるであろう。 また、ここに開示した概念および具体的な実施例は、本発明の同じ目的を実施する修正や別構造の設計のための基礎として容易に利用することができるものと当業者には理解できるはずである。 また、そのような均等な構成が添付の特許請求の範囲に記載した本発明の主旨および範囲から逸脱しないことは当業者であれば理解できるはずである。

    本発明の好ましい実施例を詳細に説明するため、ここで添付の図面に触れておく。

    図1Aは従来のピン端ねじ保護部材の断面図である。

    図1Bは従来のボックス端ねじ保護部材の断面図である。

    図2は本明細書で説明する原理に従ったピン端ねじ保護部材の実施例の斜視図である。

    図3は図2のピン端ねじ保護部材の上面図である。

    図4は図3の断面4−4に沿った図2のピン端ねじ保護部材の断面図である。

    図5は図4の断面5−5に沿った図2のピン端ねじ保護部材の拡大部分断面図である。

    図6は分割パイプのピン端に連結された、図2のピン端ねじ保護部材の断面図である。

    図7はピン端ねじ保護部材と図2の断面7−7に沿った図2のピン端の拡大部分断面図である。

    図8は本明細書で説明する原理に従ったボックス端ねじ保護部材の実施例の斜視図である。

    図9は図8のピン端ねじ保護部材の上面図である。

    図10は図9の断面10−10に沿った図8のピン端ねじ保護部材の断面図である。

    図11は図10の断面11−11に沿った図2のピン端ねじ保護部材の拡大断面図である。

    図12は分割パイプのボックス端に連結された図8のボックス端ねじ保護部材の断面図である。

    図13は図12の断面13−13に沿った図2のボックス端ねじ保護部材およびボックス端の拡大部分断面図である。

    一部の好ましい実施例の詳細な説明 以下の説明は様々な例示的な実施例を対象とする。 しかしながら、本明細書で開示する例は適用範囲が広いことや、どの実施例の説明もその実施例を例示する意図であって特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実施例に限定されることを示唆する意図はないことが当業者であれば理解できるであろう。

    以下の説明および特許請求の範囲の全体を通して特定の用語を使用することで、特定の特徴または構成要素を参照する。 当業者が理解している通り、人が異なれば同じ特徴または構成要素を指す名前も異なることがある。 この文書では、名前は異なるが機能は同じであるような複数の構成要素や機能を区別する意図はない。 また図面は必ずしも縮尺通りではない。 ここでの特定の機能や構成要素は縮尺を誇張して示したり幾分概略的に示したりする場合があり、また明瞭かつ簡潔にするために従来の要素の詳細の一部を示さない場合がある。

    以下の説明および特許請求の範囲では「含む」「構成される」(including/comprising)の用語をオープンエンド形式で使用しているため、「含むが、これらに限定されない」を意味するものと解釈すべきである。 また、「結合する」(couple/couples)という用語は、間接接続、直接接続のいずれの意味も意図している。 したがって、第1の器具が第2の器具に結合する場合、その接続形態は直接的な接続によるものであっても、または別の器具、部品、接続構造を介した間接的な接続によるものであってもよい。 本明細書で使用する「軸方向」(axial/axially)という用語は概して中心軸(たとえば身体またはポートの中心軸)に沿っていること、あるいは中心軸に平行であることを意味し、一方で「径方向」(radial/radially)という用語は概して中心軸に直交することを意味する。 例えば、軸方向の距離は、中心軸に沿って、あるいは中心軸と平行に測った距離を意味し、径方向距離は中心軸に対して垂直に測った距離を意味する。

    図2から図4と図6を見ると、ここで説明する原理に従ったピン端ねじ保護部材100の実施例が示されている。 図6では、ねじ保護部材100は、従来のパイプ継手または300のピン端310に結合された状態で示されている。 ねじ保護部材100は、一度ピン端310に装着されると、ピン端310の雄ねじ山311を損傷(他の物体との衝突、腐食等)から保護する。

    ねじ保護部材100には中心軸150があり、上側に閉塞端100aが、この端100aの反対側である下側に開放端100bがある。 また、ねじ保護部材100は閉塞端100aに基部110を備え、基部110から環状体ないし結合部120が軸方向に開放端100bまで延びている。 図6に最も良く表れているが、使用中、結合部120は開放端部100bを通してパイプ300のピン端310を同軸状態で受け、ピン端310の末端312が基部110と軸方向に接し密封状態に係合するようになる。 結果的に、結合部120は雌型のボックス120であると説明することもできる。

    ねじ保護部材100は両端100a、bの間を軸方向に測った高さがH 100である。 この高さH 100をピン端310の雄ねじ山311の軸方向長さL 311以上とすることで、結合部120がピン端310の雄ねじ山311に被さり、雄ねじ山311を完全に覆って損傷から遮るようになっているのが好ましい。

    引き続き図2から図4と図6を見ると、この実施例では、基部110は外半径をR 110とする概して円形である。 さらに基部110は、平坦な外側面110aと、この面110aの反対側にある環状で平坦な内側面110bとを備える。 これらの平坦な面110a、110bは軸150に対して垂直な向きの平面にある。 図4と図6に最も良く表れているが、内側面110bの径方向外側の部分は、ボックス端310の末端312に当てて接触・密封するための環状の座面111となる。 基部110の外側面110aの径方向外周側からは、環状のバンパー112が軸方向に延びている。 このバンパー112には、周方向に間隔をあけて凹部113が複数設けられる。 この実施例では、周方向に等間隔で凹部113が4つ設けられている。 この凹部113は、ピン端310への取り付けや取り外しの際にねじ保護部材100に積極的に噛み合わせて回転トルクを加えることにより、ねじ保護部材100を軸150周りに回転させることができるようにするための構造および機構となる。 図2から図4と図6に示す実施例では4つの凹部113が軸150の周りに90°ごとの一様な間隔で設けられているが、一般には、凹部(たとえば凹部113)は任意の適切な数だけ設けてもよく、さらに凹部は角度間隔が均一であっても不均一であってもよい。

    引き続き図2から図4と図6を見ると、結合部120は中心軸125が前記の軸150と同軸になっており、上側にある基端120aで基部110につながり、基部110から遠い側である下側に自由端120bがある。 結合部120内には中央に通路ないし穴121が端部120a,b間を軸方向に延びており、穴121は少なくとも部分的にピン端310(図6)を受けるように形成されている。 基部110は基端120aのところで穴121を横切り、穴121を閉じて塞ぐ。 一方、自由端120bでは穴121が開口していることで、保護部材100の開口部101が形成されている。

    結合部120には、径方向外側の表面122と、内半径をR 123とする径方向内側の表面123とがある。 図4に最も良く表れているが、この実施例では自由端120bから基端120aに行くにつれて内側の表面123が径方向内側に先細っている。 具体的には、内側の表面123は軸125、150に対して鋭角α123を成す向きとなっている。 このように表面123はそれぞれ円錐台状であると説明することもできる。 その結果、基端部120aから軸方向に自由端120bに行くにつれて半径R 123は増加する。 他の実施例として、ピン端保護部材(たとえば保護部材100)の径方向内側の表面(たとえば表面123)は円柱状であっても(すなわち先細っていなくても)よい。

    図4から図6を見ると、結合部120は内側の表面123の基端120aと自由端120bとの間に螺旋状の雌ねじ山130を備えている。 ねじ山130は前記の軸125、150と一致する螺旋軸の周りを取り巻いており、ねじ山ピッチがP 130であってこれはねじ山130が完全に1周したときの軸方向の(中心間の)長さに等しい。 この実施例では、ねじ山130が自由端120b寄りに配置されており、基端120aからは軸方向に離れている。 また、図5に最も良く表れているが、ねじ山130はその上端と下端との間を(中心間で)軸方向に測った長さがL 130である。 この実施例では、軸方向長さL 130は、ピン端310にある雄ねじ山311の不完全ねじ長さ(ないしL4長さL 311 )より短く、より具体的には雄ねじ山311のL2長さL 311 'より短い。 この雄ねじ山311についてとそのL4長さL 311とL2長さL 311 'については以下で詳細に扱う。

    図4と図5に最も良く表れているが、ねじ山130は、軸150に垂直な基準面136に対してねじ角θ 130を成す向きになっている。 これを含めいかなる特定の理論によっても限定されないが、ねじ角θ 130は内半径R 123とねじ山ピッチP 130の関数である。 一般的に、ピン端ねじ保護部材(たとえばねじ保護部材100)については、ねじ角(たとえばねじ角θ 130 )がねじ保護部材の内半径(たとえば内半径R 123 )に対し負の相関して、ねじ山ピッチ(たとえばねじ山ピッチP 130 )に対し正の相関がある。 言い換えれば、特定のねじ山ピッチに対し、ねじ保護部材内半径が増加するにつれてねじ角は減少し、特定のねじ保護部材内半径に対し、ねじ山ピッチが増加するにつれてねじ角は増加する。

    図5を見ると、ねじの中心軸に対し垂直に切ったねじ山(たとえばねじ山130)の断面形状は、その幾何学的形状ないしねじ山プロファイルと呼ぶことができる。 この実施例では、ねじ山130のプロファイルは表面123から径方向内側に突き出た凸面131で形成される丸形、あるいは半円形、あるいは半円柱状である。 ねじ山130の面131の曲率半径R 130は、0.03インチより大きいのが好ましく、0.045インチと0.06インチの間であるとさらに好ましい。 ねじ山130は、ねじ山130の根元で測った軸方向の幅W130が半径R 130の2倍およびねじ山ピッチP 130の半分に等しく、およびねじ山130の径方向に最も内側の点に径方向内側のに内側表面123から測ったねじ山高さH 130を有している。 ほとんどの用途では、ねじ山高さH 130が0.015インチと0.07インチの間であるのが好ましいが、0.045インチと0.065インチの間であるとなお好ましく、0.050インチと0.060インチの間であるとさらに好ましい。

    図6および図7を見ると、ピン端ねじ保護部材100が従来のパイプ300のピン端310に装着された状態が示されている。 ピン端310には、ピン端外半径R 310を成す円錐台形状の径方向外側の表面314がある。 掘削やパイプ生産においては従来通りだが、軸方向に末端312に向かうにつれて外面314が内側に先細っている。 したがって、軸方向に末端312に向かうにつれて外半径R 310は減少する。 ほとんどのパイプについて、ピン端の外表面(たとえばピン端310の外面314)は、通常、パイプの中心軸に対して0°から3°、ほとんどの場合1°から2°の角度で先細っている。 前述の内面123の角度α123(図4)は、保護部材100がピン端310に装着されたときに内面123が先細った外周面314と平行になるように選ぶのが好ましい。 言い換えれば、表面123の角度αは取り付くピン端の外表面の角度と同じとするのが好ましい。 ピン端の外表面が先細っていない(たとえばピン端310の表面314が先細っていない)ような用途では、ボックスの内面(たとえば結合部120の内面123)が円柱状(つまり半径が一定)であってもよい。

    ピン端310の外部螺旋状のねじ山311はピン端310の周りを取り巻いており、終端312からねじ山311の消失点までを軸方向に測った不完全ねじ長さ(すなわちL4長さ)がL 311である。 また、雄ねじ山311は、終端312から欠けのない最後の完全なねじ山311までを軸方向に測ったL2長さがL 311 'である。 図7に最も良く表れているが、雄ねじ山311は、ねじ山311の1の完全に一周した時の軸方向(中心間)の幅であるねじ山ピッチがP 311であり、表面314からねじ山311の径方向最も外側の点まで径方向外側に測ったねじ山高さがH 311であり、ねじ山ピッチP 311の半分に等しいねじ山幅W311、基準平面136に対するねじ角がθ 311 、ねじ山の幾何学的形状ないしプロファイルが台形である。 従来のパイプ(たとえばパイプ300)のピン端は通常インチ当たり5〜10本の雄ねじ山があるため、ピンのねじ山ピッチは通常0.1インチと0.2インチとの間である。

    前記のように、雌ねじ山130のプロファイルが丸状または半円状または半円柱状であるのに対し、雄ねじ山311のプロファイルは台形状である。 双方のねじ山130、311はねじ山プロファイルが異なる(つまり円形と台形状である)ものの、雌ねじ山130が雄ねじ山311にねじ込んで結合できるように構成されている(すなわち、ねじ山130の各巻きは軸方向についてねじ山311の軸方向に隣接する巻きの間に来る)。 具体的に言えば、雌ねじ山130のねじ山ピッチP 130は雄ねじ山311のねじ山ピッチP 311と同じであり、雌ねじ山130のねじ角θ 130は雄ねじ山311のねじ角θ 311と同じである。 また、保護部材100は、ねじ保護部材100がピン端310にねじ込まれたときに雌ねじ山130が雄ねじ山311と径方向に重なるような大きさである。 したがって、両ねじ山130、311の螺合領域315では、内半径R 123から雌ねじ山高さH 130を引いた差が、外半径R 310に雄ねじ山高さH 311を足した和より小さい。 双方の表面123、314が先細っているため、雌ねじ山130が雄ねじ山311の全長L 311にわたって径方向に重なり合わないことは理解できるはずである。 例えば、末端312の近くでは両ねじ山130、311が径方向に重なり合わないことがある。 しかしながら、ねじ保護部材100をピン端310に装着したとき、雄ねじ山311は雌ねじ保護部材の表面123と干渉しないのが好ましく、雌ねじ山130はピン端の外側の表面314と干渉しないのが好ましい。 雌ねじ山130のねじ山高さH 130を雄ねじ山311のねじ山高さH 310と異ならせ、かつ、ねじ山幅W130を雄ねじ山311のねじ山幅W310と異ならせてた上で、なおねじ山130が雄ねじ山311と噛み合うことができるようにすることも可能である。

    従来のピン端ねじ保護部材は、特定の組み合わせの直径、ねじ山ピッチ、ねじ角、ねじ山プロファイル、ねじ山幅、ねじ山高さをもつピン端に適合する寸法と構造になっている。 本明細書に記載しているピン端ねじ保護部材100の実施例は、特定の組み合わせの直径、ねじ山ピッチ、ねじ角をもつピン端に適合する寸法と構造ではあるが、従来のピン端ねじ保護部材とは異なり、ねじ山プロファイル、ねじ山幅、ねじ山高さの組み合わせが異なるピン端に用いることができる。 特に、本明細書に記載するピン端保護部材100の実施例では、丸状または半円状または半円柱状のねじ山形状を有する雌ねじ山130を用いることで、ねじ山幅W310がねじ山幅W130の90%から110%の間(すなわち、ねじ山幅W130がねじ山幅W310の90%〜110%の範囲)であり、ねじ山高さH 310がねじ山高さH 130の100%〜125%の間(すなわち、ねじ山高さH 130がねじ山高さH 310の80%から100%の範囲)であるような任意のピン端の雄ねじ山311に十分に係合できるようにしている。 この特徴の組合せとすることによって、所定の直径、ねじ山ピッチ、ねじ角をもつものの、ねじ山プロファイル、ねじ山高さ、およびねじ山幅が異なる多様な種類のピン端にピン端ねじ保護部材100を装着できるようにしつつ、同時に、API仕様5CT/ISO11960のねじ保護部材設計検証の要件のような、安定性試験、トルク・振動試験、軸衝撃試験、角衝撃試験、腐食試験、剥離試験などを含むピン端ねじ保護部材に関する基準や試験に十分合格できるようなねじ係合を確保できる。 このとおり、ピン端ねじ保護部材100の実施例は、似たような寸法であってねじ山プロファイル、ねじ山高さ、ねじ山幅の異なるパイプに使用できるような汎用性のあるねじ保護部材を得る可能性を提供する。 その結果、ピン端ねじ保護部材100の実施例によれば、一定のねじ山ピッチおよびねじ角を有するある直径のピン端に対し、ねじ山プロファイル、ねじ山幅、ねじ山高さのあらゆる可能な組合せを考慮した場合に製造・格納しなければならないねじ保護部材の種類を減らすことによって、ねじ保護部材の在庫・保管要件を削減する可能性が得られる。

    図6を見ると、ねじ保護部材100をピン端310に装着するには、末端312を開口部101に軸方向に挿入し、雄ねじ山311が雌ねじ山130に当たるまで軸方向に進める。 次に、凹部113を介してねじ保護部材100に回転トルクを加え、ねじ保護部材100をパイプ300に対して軸150周りに矢印161の方向に回転させる。 ねじ保護部材100を回転させると同時に、ピン端310を開口部101から軸方向に穴121に押し込んでいくことによって、ねじ山130、311同士を噛み合わせ、ピン端ねじ保護部材100をピン端310にねじ込んでいく。 保護部材100は、末端312が基部110の座面111に軸方向に当たり密封状態となるまでピン端310にねじ込むのが好ましい。

    ピン端ねじ保護部材100をピン端310から緩めて取り外すには、凹部113を介してねじ保護部材100に回転トルクを加え、ねじ保護部材100をパイプ300に対し軸150周りに矢印162の方向(前記の方向161の逆向き)に回転させる。 方向162に回転させると同時に、ねじ山130、311が完全に外れるまで、ねじ保護部材100をピン端310から軸方向に引き抜く。

    前述したように、従来のピン端ねじ保護部材の雌ねじは、通常、対応するピン端の雄ねじにL4長さの範囲で噛み合うか、あるいは雄ねじに少なくともL2長さの範囲で噛み合う。 しかしながら、本明細書で説明する実施例では、ねじ保護部材100の雌ねじ山130は軸方向長さL 130の範囲にあって、これはピン端310の雄ねじ山311のL4長さL 311より短く、また雄ねじ山311のL2長さL 311 'よりも短い。 したがって、雌ねじ山130は雄ねじ山311のL4長さL 311またはL2長さL 311 'の範囲で噛み合うことができない。 これによって、ねじ保護部材100のピン端310に対する緩め・取り外しあるいは取り付け・ねじ込みが、同様のサイズの従来のねじ保護部材に比べて少ない時間と労でできるようになる。 具体的には、雌ねじ山130の軸方向長さが従来より短いので、保護部材100をピン端310に対し少ない回転でねじ込み・取り外しすることができる。 しかし、軸方向の長さL 130は、腐食性流体が保護部材100とピン端310の間を通って軸方向に流れるの抑制ないし防止し、衝撃を受けても保護部材100をピン端310に付いたまま維持するのに十分なねじ山130、311の噛み合わせが可能となる長さにするのが好ましい。 具体的には、雄ねじ山130の軸方向長さL 130は、1.0インチより長いのが好ましく、1.0インチより長く1.5未満であるであるとさらに好ましい。

    雌ねじ山130が末端312から遠い側である雄ねじ山311の下部で密封状態に係合するように配置されていることによって、パイプ300外の腐食性流体(たとえば)が雄ねじ311のL4長さL 311の範囲のいかなる部分に達することも抑制ないし防止できるようにするものと理解すべきである。 末端312と基部110が環状の座面111の範囲で密封状態に接触させることで、パイプ300内の腐食性流体が雄ねじ山311のいかなる部分に達するのを抑制ないし防止できる。

    図8から図10までと図12を見ると、ここで説明する原理に従ったボックス端ねじ保護部材200の実施例が示されている。 図12では、ねじ保護部材200は、パイプ300のボックス端320に結合されて示されている。 ボックス端320は、上述のピン端310の反対側にある。 ねじ保護部材200をボックス端320に装着すると、ボックス端300の雌ねじ山321が損傷(他の物体との衝突、腐食等)から保護される。

    ねじ保護部材200は中心軸250があり、上側に閉塞端200aを、この端200aの反対側である下側に開口端200Bを備えている。 ねじ保護部材200は両端200a,bの間を軸方向に測った高さがH 200である。 また、ねじ保護部材200は、上端200aで基部210を備え、この基部210から環状体ないし結合部220がもう一方の端200bまで軸方向に延びている。 図12に最も良く表れているが、使用時は、結合部220がパイプ300のボックス端320の中に軸方向に延びており、基部210がボックス端320の末端322に軸方向に当たって密封状態に接触している。 結局、結合部220は雄型のピンとして説明することができる。

    図8から図10と図12を見ると、この実施例では、基部210は外半径がR 210であるほぼ円形である。 基部210はさらに、軸250に垂直な平面上にあってピン220から遠い側である上方を向いた平坦な外側表面210aを備えている。 また、基部210がピン220を越えて径方向外向きに延びていることにより、保護部材200の周りに周方向に延びる環状フランジ211が形成されている。 このフランジ211により、軸250に垂直な平面上にあってピン220に向かって下方を向いた平坦な環状の座面212が形成されている。 図12に最も良く表れているが、座面212はボックス端320の末端322に密封状態で接触する。 基部210の径方向外周付近には、基部210の外側表面210aからは環状バンパー213が軸方向に延びている。 バンパー213には、周方向に間隔のあいた凹部214が複数ある。 この実施例では、周方向に均一に間隔を空けた凹部214が4つ設けられている。 この凹部214は、ボックス端320から取り付けや取り外しの際に、積極的にねじ保護部材200に係合させねじ保護部材200に回転トルクを加えることで、軸250を約ねじ保護部材200を回転させるための構造および機構となる。 図8から図10および図12に示す実施例では4つの凹部214が軸250周りに90°ごとの一様な間隔で設けられているが、一般には、凹部(たとえば214凹部)は任意の適切な数だけ設けてもよく、さらに凹部の角度間隔は均一または不均一であってもよい。

    図8から図10および図12を見ると、ピン220には前記の軸250と同軸に揃った中心軸225があり、基部210に接続された上側の基端220aと、基部210から遠い側の下側の自由端220bを備えている。 ピン220の中には中央通路ないし穴221が両端220a,bの間を軸方向に延びており、少なくとも部分的にパイプ300のボックス端320の内部に来るようになっている(図12)。 端220aでは、基部210が穴221を横切って、閉じるように塞いでいる。 この実施例では、穴221は端220bで開放しているが、この穴221はパイプ300のいかなる部分も受けるように構成されていないので、他の実施例として、下部の自由端(たとえば端220a)が閉じていてもよい。

    ピン220は外半径がR 222である外径面222を有する。 図10に最も良く表れているが、この実施例では、端220aから端220bに行くにつれて外面222は径方向内側に先細っている。 具体的には、外表面222がピン軸222、225に対して鋭角αを成す向きになっている。 したがって、表面222は円錐台状であると説明することもできる。 結果として、基端220aから軸方向に自由端220bに行くにつれて半径R 222は減少する。

    図8、図10、図11を見ると、ピン220の外面222には両端220a、bの間に螺旋状の雄ねじ山230が設けられている。 ねじ山230は、前記の軸225、250と一致する螺旋軸の周りを取り巻いており、ねじ山230が完全に一巻きしたときの軸方向の(中心間の)幅であるねじ山ピッチがP 230である。 この実施例では、ねじ山230は基端220a側に配置され、自由端220bから軸方向に離れている。 また、図10に最も良く表れているが、ねじ山230は、ねじ山130の上端と下端との間を軸方向に(中心間で)測った長さがL 230である。 この実施例では、軸方向長さL 230はボックス端320の雌ねじ山321のL4長さL 321より短く、具体的には雌ねじ山321のL2長さL 321 'より短い。 雌ねじ山321についてと、そのL4長さL 321およびL2長さL 321 'については以下で詳細に説明する。

    図10に最も良く表れているが、ねじ山230は、軸250に対して垂直な向きの基準面236に対してねじ角θ 230を成す向きになっている。 このことを含めいかなる特定の理論によって限定するわけではないが、ねじ角θ 230は外半径R 222とねじ山ピッチP 230の関数である。 一般に、ボックス端ねじ保護部材(たとえばねじ保護部材200)について、ねじ角(たとえばねじ角θ 230 )はねじ保護部材の外半径(たとえば内半径R 222 )と負の相関にあり、ねじ山ピッチp(たとえばねじ山ピッチP 230 )と正の相関にある。 言い換えれば、ある決まったねじ山ピッチに対し、ねじ保護部材の外半径が大きくなるとねじ角が小さくなり、ある決まったねじ保護部材の外半径に対し、ねじ山ピッチが大きくなるとねじ角が大きくなる。

    図11を見ると、雄ねじ山230の拡大部分断面図が示されている。 前述したように、ねじの中心軸に対して垂直にとったねじ(たとえばねじ山230)の断面形状は、幾何学的形状(geometry)、もしくはねじ山プロファイルと呼ぶことがある。 この実施例では、ねじ山230は、表面222から径方向外向きに突き出た凸状の面231が成す丸形、半円形、または半円柱状である。 ねじ山230の表面231は曲率半径がR 230であり、これは0.03インチより長いことが好ましく、0.045インチと0.06の間であるとさらに好ましい。 さらに、ねじ山230はねじ山230の根元で測った軸方向の幅がW230であり、これは半径R 230の二倍やねじ山ピッチP 230の半分に等しく、また径方向外側の表面223からねじ山230の径方向に最も外側の点まで測ったねじ山高さがH 230である。 ほとんどの目的では、ねじ山高さH 230は0.015インチと0.05インチの間であるのが好ましく、0.020インチの間でピンと0.035であるとさらに好ましい。

    図12と図13を見ると、ボックス端ねじ保護部材200は、従来のパイプ300のをボックス端320に取り付けられて示されている。 ボックス端320は、内半径がR 320である円錐台状の径方向内側の表面324を有する。 掘削やパイプ製造では従来からあるように、末端322から軸方向に行くにつれ内面324は内側に先細りになっている。 したがって、末端322から離れて軸方向に行くにつれ内半径R 320は減少する。 ほとんどのパイプの場合、ボックス端の内面(たとえばボックス端320の内面324)は、通常パイプの中心軸に対して0°から3°の間、ほとんどの場合1°から2°の間の角度で先細っている。 外面222の角度α222は、前述した保護部材100がボックス端320に装着されたとき、外面222が先細った内面324と平行になるように選択するのが好ましい。 言い換えれば、表面222の角度α222は取り付くボックス端の内周面の角度と同じであるのが好ましい。 ピン端の外面には、先細っていない(たとえばボックス端320の表面324が先細っていない)ような目的では、ピンの外表面(たとえばピン220の外面222)は円柱状(すなわち半径が一定)であってもよい。

    ボックス端220の内部の螺旋状のねじ山321は、ボックス端220内にあり、末端322からねじ山321の消失点まで軸方向に測った不完全ねじ長さ(すなわちL4長さ)がL 321である。 また、雌ねじ山321は、末端322から欠損のない最後の完全ねじ山321まで軸方向に測っているL2長さがL 321 'である。 図13に最も良く表れているが、雌ねじ山321は、ねじ山321の一巻きの幅を軸方向(中心間)に計ったねじ山ピッチがP 321であり、表面324からねじ山321径方向に最も内側の点までを径方向内向きに測ったねじ山高さがH 321であり、ねじ山ピッチP 321の半分に等しいねじ山幅がW321であり、基準面236に対するねじ角がθ 321で、ねじ山の幾何学的形状ないしプロファイルが台形である。 従来のパイプ(たとえばパイプ300)のボックス端は、通常、雄ねじが1インチ当たり5〜10本あり、したがってねじ山ピッチは普通0.1インチと0.2インチとの間である。

    前述したように、雌ねじ山321のプロファイルが台形であるのに対し、雄ねじ山230は、丸形、半円形ないし半円柱状である。 ねじ山230、321はねじ山プロファイルが異なる(つまり円形と台形)が、雄ねじ山230は、雌ねじ山321とねじ込み式に嵌合するように構成されている(すなわちねじ山230の各巻きは、ねじ山321の軸方向に隣接する巻きの間に軸方向に配置されている)。 特に、雄ねじ山230のねじ山ピッチP 230は雌ねじ山321のねじ山ピッチP 321と同じであり、ねじ山230のねじ角θ 230は雌ねじ山321のねじ角θ 331と同じである。 また、保護部材200は、ねじ保護部材200がボックス端320にねじ込まれたときに、雄ねじ山230が雌ねじ山321と径方向に重なるような寸法である。 したがって、両ねじ山321、230間の螺合領域325では、外半径R 222に雄ねじ山高さH 230を足した和が、内半径R 320から雌ねじ山高さH 321を引いた差よりも大きい。 しかし、ねじ保護部材200がボックス端320に取り付けられている状態では、雌ねじ山321が雄ねじ保護部材面222と干渉せず、雄ねじ山230がボックス端の内面324と干渉しないのが好ましい。 雄ねじ山230のねじ山高さH 230を雌ねじ山321ねじ山高さH 320と異ならせ、かつ、ねじ山幅W230を雌ねじ山321のねじ山幅W320と異ならせてもなお、依然としてねじ山230を雌ねじ山321と噛み合わせることができるようにすることが可能である。

    従来のボックス端ねじ保護部材は直径、ねじ山ピッチ、ねじ角、ねじ山の形、ねじ山幅、ねじ山高さの特定の組み合わせを有するボックス端に合わせた寸法および構造である。 ここで説明するボックス端ねじ保護部材200の実施例は、直径、ねじ山ピッチ、ねじ角の特定の組み合わせを有するボックス端に適合する寸法および構造としているが、従来のピン端ねじ保護部材とは異なり、ねじ山プロファイル、ねじ山幅、ねじ山高さの組み合わせが異なるものに使用することができる。 特に、ここで説明するボックス端保護部材200の実施例では、丸形、半円状ないし半円柱状のねじ山形状を有する雄ねじ山230を用いることで、ねじ山幅W320がねじ山幅W230の90%〜110%(すなわち、ねじ山幅W230がねじ山幅W320の90%から110%の範囲)であり、ねじ山高さH 320がねじ山高さH 230の100%〜125%の間(即ち、ねじ山高さH 230がねじ山高さH 320の80%から100%の範囲)であるような任意のボックス端はを有する雌ねじ山321をと十分に係合するようにしている。 このような特徴の組み合わせにより、所定の直径、ねじ山ピッチ、ねじ角を有するが、ねじ山プロファイル、ねじ山高さ、ねじ山幅が異なる多様な種類のボックス端にねじ保護部材200を装着することを可能とし、同時に、API仕様5CT/ISO11960のねじ保護部材設計検証の要件など、安定性試験、トルク・振動試験、軸衝撃試験、角衝撃試験、腐食試験を含むボックス端ねじ保護部材に関する規格や試験に合格するのに十分なねじ係合を確保する。 ボックス端ねじ保護部材200の実施例は、一定のねじ山ピッチおよびねじ角を有する所与の直径のピン端について、ねじ山プロファイル、ねじ山高さ、ねじ山幅の異なる同様の寸法のパイプに使用可能な汎用性のあるねじ保護部材を得る可能性を提供する。 その結果、ボックス端ねじ保護部材200の実施例は、ねじ山プロファイル、ねじ山幅、ねじ山高さのすべての可能な組合せを考慮して製造・格納しなければならないねじ保護部材の数を減らすことによって、ねじ保護部材の在庫・保管要件を緩和する可能性を提供する。

    今度は図12を見ると、ねじ保護部材200をボックス端320に取り付けるには、端200bをボックス端320内に軸方向に挿入し、端220bにある雄ねじ山230が雌ねじ山321に当たるまで軸方向に前進させる。 次に、凹部214を介して保護部材200に回転トルクを加えて、パイプ300に対しねじ保護部材200を軸250の周りに矢印261の方向に回転させる。 ねじ保護部材200を回転させると同時に、ボックス端320をボックス端320に軸方向端部320に押し込んでいくことにより、双方のねじ山230、320を噛み合わせ、ボックスにボックス端ねじ保護部材200をねじ込んでいく。 保護部材200は、末端322がフランジ211の座面212に軸方向に当たり、密封状態に接触するまで、ボックス端320にねじ込むのが好ましい。

    ボックス端320からボックス端ねじ保護部材200を緩めて取り外すには、凹部214を介してねじ保護部材200に回転トルクを与え、ねじ保護部材200をパイプ300に対して軸250周りに矢印262の方向(前記の方向261と逆向き)に回転させる。 方向262に回転させると同時に、ねじ山230、321が完全に外れるまでねじ保護部材200を軸方向にボックス端320から引き抜く。

    前述したように、従来のボックス端ねじ保護部材の雄ねじは、一般的に対応するボックス端の雌ねじとL4長の範囲で噛み合うか、または雌ねじとL2長さの範囲で噛み合う。 しかしながら、ここで説明する実施例では、ねじ保護部材200の雄ねじ山230は、ボックス端320の雌ねじ山321のL4長さL 321より短くかつボックス端320の雌ねじ321L2長さL 321 'より短い軸方向長さL 230の範囲にある。 このように、雄ねじ山230は雌ねじ山321に対し、L4長さL 321またはL2長さL 321 'の範囲で噛み合うことがない。 これにより、ボックス端320に対するねじ保護部材200の装着・ねじ込みや緩め・取り外しが、同様のサイズの従来のねじ保護部材に比べて少ない時間と労力でできる。 具体的には、雄ねじ山230の軸方向長さが短いため、保護部材200はボックス端320に対するねじ込み・取り外しが少ない回転でできる。 しかし、軸方向のL2長さL 321 'は、腐食性流体が保護部材200とボックス端320の間を軸方向に流れるのを抑制ないし防止し、衝撃を受ける場合でも保護部材200がボックス端320に付いた状態を維持するのに十分なねじ山230、321同士の噛み合わせを可能となるよう、十分長いことが好ましい。 具体的には、雌ねじ山321の軸方向長さL 230が1.0インチより長いことが好ましく、1.0インチより長く1.5インチ未満であるとさらに好ましい。 雄ねじ山230は、末端322寄りにある雌ねじ山321の上部で密封状態に係合するように配置されていることによって、雌ねじ山321のL4長さのいかなる部分にも腐食性流体(たとえば水)が達するのを規制ないし防止していることを理解できるはずである。

    図2から図6に示すピン端ねじ保護部材100の実施例は単一の一体構造である。 特に、バンパー112を含む基部110と結合部120は、鋳造、成型等の方法で、単一の部品として形成される。 したがって、基部110と結合部120は一体である。 他の実施例では、ピン端ねじ保護部材(たとえば基部110、結合部120、バンパー112)の二つ以上のセクションは、次に互いに取り付けられる別個の部品として形成してもよい。 ピン端ねじ保護部材100と同様に、図8から図12に示すボックス端ねじ保護部材200の実施例も単一の一体構造である。 特に、バンパー213を含む基部210とピン220は、鋳造、成型等の方法で単一の部品として形成される。 他の実施例では、ボックス端ねじ保護部材(たとえば基部210、ピン220、バンパー213等)は、二つ以上の部分を別個の部品として形成し、その後組み付けてもよい。

    ねじ保護部材100、200はいずれも、ピン端ねじ保護部材100とボックス端ねじ保護部材200は、耐久性があり耐腐食性のある材料で構成されているのが好ましい。 衝撃に対して塑性変形して衝撃エネルギーが内部摩擦や熱エネルギーに変換され、すなわち伝達エネルギーを消費しつくすか実質的に減らし、エネルギーを装着するパイプ300のねじ山に到達したり損傷させるのを防止するようになっているのが好ましい。 各ねじ保護部材100、200は、したがって、衝撃エネルギーのような外力を受けたときにかなりのエネルギーを吸収する材料で構成されているのが好ましい。 材料は、エネルギーを必要とするたわみ、変形および/または降伏または屈服することによって、衝撃エネルギーを吸収する。 明細書に記載されたねじ保護部材(たとえばねじ保護部材100、200)の実施に適した材料の例は、限定されないが、高密度ポリエチレン材料(たとえばPhillips 66製のMarlex(登録商標)HHM 5502 BNまたはHXM 50100)がある。

    好ましい実施例を示して説明してきたが、当業者によって本明細書の範囲または教示内容から逸脱することなく改変を行うことができる。 本明細書で説明した実施例は単なる例示であり、限定されない。 本明細書で説明したシステム、装置、方法には本発明の範囲内で多くの変形および修正が可能である。 例えば、様々な部品の相対的な寸法や種々の部品を作る材料等のパラメータは変えることができる。 したがって、保護の範囲は、本明細書に記載した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は請求項の対象物の全ての均等物を含む。 別段の記載がないかぎり、方法に係る請求項の各工程は任意の順序で実行してもよい。 このような方法に係る請求項における各工程の前に、(a)(b)(c)または(1)(2)(3)のような識別子を記載しているのは、工程に特定の順序を意図したり指定したりするというものではなく、その工程を後で参照するのを簡素化するために使用している。

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