アスファルトバインダー及びアスファルト乳剤を用いる道路舗装

申请号 JP2011530252 申请日 2009-10-01 公开(公告)号 JP5701763B2 公开(公告)日 2015-04-15
申请人 エイ.エル.エム. ホールディング カンパニー; A.L.M. HOLDING COMPANY; 发明人 バウムガードナー、ゲイロン; ラインケ、ジェラルド エイチ.;
摘要
权利要求

リンに基づく無酸改質アスファルトバインダーがリン酸アミンを含む水性乳化剤溶液に分散している分散体から形成された安定した乳剤を含むアスファルトバインダー。リンに基づく無水酸は、ポリリン酸である、請求項1に記載のアスファルトバインダー。前記酸改質アスファルトバインダーはポリマー改質アスファルトバインダーを含む、請求項1に記載のアスファルトバインダー。前記改質アスファルトバインダーは、エチレン、アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸グリシジルモノマーを含有するターポリマー、またはエチレンおよびメタクリル酸グリシジルモノマーを含むポリマー、によって改質されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアスファルトバインダー。前記改質アスファルトバインダーは、ポリリン酸と、スチレン−ブタジエン−スチレンポリマーまたはスチレン−ブタジエンポリマーと、によって改質されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアスファルトバインダー。前記リン酸アミンはエトキシ化タロウジアミンホスファートを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアスファルトバインダー。前記安定した乳剤は、その乳剤の重量で、0.1重量%〜2.5重量%のリン酸アミンを含有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアスファルトバインダー。請求項1乃至7のいずれか一項に記載の安定したアスファルト乳剤を骨材材料と組み合わせて舗装材を形成する工程と、前記舗装材を塗布する工程とによってなされる道路舗装。

说明书全文

本発明は、ポリマー改質アスファルトを生成するための安定した乳剤に関する。

アスファルトバインダーまたはアスファルトセメントは多種多様の舗装製品に用いられている。例えば、一部のアスファルトバインダーは舗装材を生成するために骨材と共に用いられが、他のアスファルトバインダーは骨材なしで表面を封止または被覆するために用いられる。

アスファルトバインダーは、概して、一般的に用いられる石油精製プロセスからの残留物を含む。多くのアスファルトバインダーにおいて、アスファルトバインダーの特性を変更するために、前記残留物には特性増強添加剤(property−enhancing additives)が添加される。さらに、いくつかの場合には、アスファルトバインダーは使用前に乳化される。乳化プロセスは、アスファルトバインダーの取り扱い粘度(handling viscosity)を低減することにより、アスファルトバインダーを使用することができる温度を低下させる。乳化は、典型的には、バルクアスファルト液体を非常に小さな粒子(典型的には4〜20マイクロメーター)に小さくすることができる高せん断コロイドミルまたは他の機械設備を用いる。乳化は、アスファルトバインダーが、利用可能な装置によってその粘度が処理され得る温度にあることを必要とする。界面活性剤溶液が用いられ、該界面活性剤溶液は、バインダーの微細なアスファルト粒子をその界面活性剤溶液中に分散させることができ、アスファルト粒子を凝固点より高い温度において無期限に分散状態に維持することができる。

本出願は、「STABLE EMULSIONS FOR PRODUCING POLYMER MODIFIED ASPHALT」と題された2008年10月1日出願の米国特許仮出願第61/101,942号の便益を主張する。前記特許文献は、参照により本願に余すところなく援用される。

様々な特性増強添加剤は、所望の用途に応じて、アスファルトバインダーの特性を変更するために用いられ得る。一部の特性増強添加剤は、アスファルトと反応して、ベースアスファルト材料の特性に影響を与えて、改質アスファルトを生成する。例えば、特定のポリマーをアスファルトバインダーに加えて、ポリマー改質アスファルト(PMA)バインダーを生成し得る。他の例では、特定の酸をアスファルトバインダーに添加して、酸改質アスファルトバインダーを生成する。いくつかの場合において、そのような改質アスファルトバインダーの乳化は、乳剤の維持と、乳化後の改質アスファルトバインダーの特性の維持との双方において、類のない困難を呈する。

本発明の一部の実施形態において、安定した乳剤を含むアスファルトバインダーは、酸改質アスファルトバインダー、リン酸アミン、およびから形成される。酸改質アスファルトバインダーは、ポリマー改質アスファルトバインダーであり得る。安定した乳剤は、酸改質アスファルトバインダーの回復率(percent recovery)、非回復コンプライアンス(non−recovery compliance)、弾性および剛性を維持または増強する。

本発明の他の実施形態において、乳化アスファルトバインダー材料を形成する方法は、アスファルトバインダーとポリリン酸(PPA)とを組み合わせることによってベースアスファルトバインダー材料を形成する工程と、アミン化合物とリンに基づく酸(phosphorous−based acid)とを水中で混合してリン酸アミンを含有する乳化剤溶液を形成する工程と、前記ベースアスファルトバインダーとベース乳剤とを混合して乳化アスファルトバインダーを形成する工程と、を含む。一部の実施形態において、ベースアスファルトバインダーはポリマー改質アスファルトバインダーであり得る。

本発明のさらに他の実施形態において、道路舗装は、酸改質アスファルトバインダーをリン酸アミンを含有する乳化剤溶液と組み合わせてアスファルト乳剤を形成する工程と、アスファルト乳剤を骨材材料と組み合わせて舗装材を形成する工程と、舗装材を圧縮する工程と、によってなされる。一部の実施形態において、酸改質アスファルトバインダーはポリマー改質アスファルトバインダーであり得る。

複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例証となる実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から当業者には明らかになるであろう。従って、図面および詳細な説明は、本質的に例証とみなされるべきであり、限定的なものではない。

以下に述べるいくつかのアスファルト合成によるタフネスおよびテナシティ試験の結果を示すグラフである。

以下に述べるいくつかのアスファルト合成によるタフネスおよびテナシティ試験の結果を示すグラフである。

本発明の一部の実施形態において、改質アスファルトバインダーは水性乳剤として形成される。前記乳剤は、ベースアスファルト材料を乳化剤溶液中で乳化させることによって形成される。前記ベースアスファルトは酸改質アスファルトであり得る。一部の実施形態において、前記酸改質アスファルトはまた、酸だけでなくポリマーによっても改質され、ポリマー改質アスファルトを形成する。酸改質アスファルトの代表的な例は、米国特許第4,882,373号、同第5,070,123号、同第6,031,029号、および同第6,228,909号、並びに以下に与えられる他の米国特許において提供されている。

酸改質剤または改質剤の混和物は、アスファルトバインダーと組み合わせた場合、アスファルト材料の剛性を増大し得る。ベースアスファルト中の1種以上の酸は、双方とも無水物であるポリリン酸またはスーパーリン酸のようなリンに基づく酸もしくはリン酸を含んでもよいし、または他の鉱酸、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。

酸改質剤の量は、アスファルトバインダーの所望のレベルの剛性を達成するように調節され得る。また、酸の量は、アスファルトバインダーがゲル化するレベルより低く維持され得る。一部の実施形態において、用いられる酸の量は、ベースアスファルトの全重量の約0.1%〜約2%、約0.1%〜約1%、約0.1%〜約0.7%、約0.1%〜約0.5%、約0.5%〜約2%、または約0.5%〜約1%である。

前記アスファルトバインダーには他の添加剤も用いられ得る。例えば、ベースアスファルトに適した他の成分は、2000年9月12日に発行された「Acid Reacted Polymer−Modified Asphalt Compositions and Preparation Thereof」と題された米国特許第6,117,926号、2001年5月8日に発行された「Asphalt Compositions and Methods or Preparation Thereof」と題された米国特許第6,228,909号、および2007年1月9日に発行された「Tubular Reactor Ethylene/Alkyl Acrylate Copolymer as Polymeric Modifiers for Asphalt」と題された米国特許第7,160,935号において提供されている。これらの特許文献のすべては、参照によって余すところなく本願に援用される。

改質アスファルトがポリマー改質アスファルトである実施形態において、ベースアスファルトは、アスファルトバインダー、1種以上の酸(例えば上述した酸または酸の組み合わせのうちのいずれか)、および1種以上のポリマー改質剤を組み合わせることによって形成され得る。ポリマー改質剤または改質剤の混和物は、アスファルトバインダーと組み合わせた場合、高温の熱的変形に対する耐性の向上、および繰返し負荷下における疲労クラッキングに対する耐性の向上をもたらし、また場合により、所望の特性を失うことなく低減された量の舗装材を用いる能をもたらし得る。ポリマー改質剤または改質剤の混和物は、非弾性もしくは弾性ポリマー、またはそれらの混和物を含んでもよい。

ポリマー改質剤の例は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、およびデュポン(DuPont)社からのELVALOY(商標)シリーズのポリマーのようなエチレン含有ポリマー、並びにスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)およびスチレン−ブタジエン(SB)のようなスチレン含有ポリマーである。これらのポリマーのいずれの組み合わせ、例えばELVALOY(商標)ポリマーとSBSポリマー、もポリマー改質剤として用いられ得る。一部の実施形態において、ポリマー改質剤は、少なくとも一部はメタクリル酸グリシジル(GMA)モノマーから生成されるポリマーである。デュポン社からの数種類のELVALOY(商標)ポリマーは、少なくとも一部はGMAモノマーから生成される。例えば、あるELVALOY(商標)ポリマーは、少なくとも一部はエチレンおよびGMAモノマーから生成される。他の例は、一部はエチレン、n−アクリル酸ブチルおよびGMAモノマーから生成される反応性弾性ターポリマー(reactive elastomeric terpolymers(RET))であるELVALOY(商標)AMポリマーである。

一部の実施形態において、ベースアスファルトは、ベースアスファルトの重量に基づいて、約0.4重量%〜約5重量%、約0.4重量%〜約3重量%、または約1重量%〜約2重量%のポリマー改質剤またはポリマー改質剤の混和物(例えばELVALOY(商標)または上記で検討した他の適当な改質剤のようなGMAに基づくポリマー)を有する。ベースアスファルトに添加されるポリマー改質剤の量は、用いられるアスファルトバインダーの種類に依存し、また改質アスファルトバインダーの所望の特性にも依存する。例えば、ポリマー改質剤の量は、ポリマー改質アスファルトバインダーの所望の弾性および粘度を達成するように調節され得る。

ポリマー改質アスファルトの場合には、ポリマー改質剤と共に用いられる酸の量は、ベースアスファルトの重量に基づいて、約0.1重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%、約0.1重量%〜約0.7重量%、または約0.1重量%〜約0.5重量%の酸(例えばポリリン酸または上述した他の酸)である。ベースアスファルトをゲル化させることなく、1つ以上の改善された特性(例えばベースアスファルトに所望の完全性)を提供するのに十分な酸がベースアスファルトに添加される。一部の実施形態では、ベースアスファルトの残部はアスファルトバインダーまたはセメントであるが、例えば米国特許第6,117,926号、同第6,228,909号、および同第7,160,935号に記載されているように、ベースアスファルトは他の可能な添加剤を含有してもよい。

アスファルトバインダー、ポリマー改質剤および酸成分を混合することにより、酸成分をアスファルトバインダーおよび/またはポリマーと反応させて、アスファルトバインダーの特性を変化させる。一部の実施形態では、ポリマー改質剤は、改質アスファルトに対して、より大きな弾性または他の特性を与え得る。

乳化剤溶液はリン酸アミンを含有する水溶液である。一部の実施形態において、リン酸アミンは、アミンとリンに基づく酸とを水中で組み合わせて乳化剤溶液を形成することによって生成される。一部の実施形態において、前記乳化剤溶液はベースアスファルトとは独立して調製される。前記乳化剤溶液の成分は、70〜200°F(21〜93℃)、100〜180°F(38〜82℃)、または120〜160°F(49〜71℃)の温度で、アミンが酸と完全に反応するのに十分な時間にわたって混合され得る。この時間は、15分ほどの短い時間であってもよいが、水の温度に応じて、1時間以上もの長い時間であってもよい。有効な乳化溶液を生成するためには、一般に、0.5〜6、1.5〜4または1.5〜2.5の目標溶液pHが適当である。他の実施形態では、アミンの全部または一部がベースアスファルトに添加され、アミンを反応させるのに必要とされる所望量のリンに基づく酸成分は水に添加される。次いで、アミンで処理されたベースアスファルトは、高せん断拡散装置に送出され、リンに基づく酸を有する水も高せん断拡散装置に送出されて、ベースアスファルトが微粒子にせん断されるにつれて、リン酸アミンがインサイチューで形成され、その時点で微細なアスファルト粒子が安定化されて乳剤を形成する。

本明細書で用いられる場合、「アミン」とは1つ以上のアミン官能基を有する化合物を含む。例えば、アミンとは、第一級アミン、第二級アミン、モノアミン、ジアミン、トリアミン、植物油系アミン(vegetable−oil based amines)、エトキシ化アミン、ポリアミン、アミドアミン、イミダゾリン、または1つ以上のアミン官能基を有する他の適当な化合物を含む。そのような化合物の代表的な例としては、コルシカナ ケミカル(Corsicana Chemical)製のCorsathox DT−3(商標)またはCorsathox DM−3(商標)およびアクゾ ノベル(Akzo Nobel)製のE−6(商標)のようなエトキシ化タロウジアミン(ethoxylated tallow diamines)、同じくアクゾ ノベル製のREDICOTE C−450(商標)のようなポリアミン、並びにエトキシ化タロウジアミンと第一級アミンとの混和物であるREDICOTE 4819(商標)のようなアミンの混和物が挙げられる。

リン酸アミンを生成するために、いかなる適当なリンに基づく酸が用いられてもよい。適当なリンに基づく酸の例は、リン酸、ポリリン酸、またはスーパーリン酸である。一部の実施形態において、乳化剤溶液のpHは所望の範囲内に維持される。例えば、乳化剤溶液は、望ましくは、乳化剤溶液のpHが約1.5〜約5まで、約2〜約3まで、または約2となるように、十分なリンに基づく酸を含有する。一部の実施形態において、リンに基づく酸は、酸水溶液に基づいて、約75%リン酸または約65%〜約95%リン酸の水溶液に導入されるリン酸である。ポリリン酸および/またはスーパーリン酸が用いられる場合、これらの酸は、乳化剤溶液に用いられる前に、それらを水中において、ポリリン酸および/またはスーパーリン酸を加水分解するのに十分な時間にわたって混合することにより前処理され得る。一部の実施形態中では、乳化剤溶液は、重量によるアミンの量の、約0.3〜約2倍、約0.3〜約1.1倍、約0.3〜約0.9倍、約0.3〜約0.7倍、または約0.7から約0.9倍、または約0.5倍である量のリンに基づく酸を有する。

乳化剤溶液の残部は水であってもよいが、乳化剤溶液はまた、処理を支援するか、またはアスファルトの特性を変更するために他の可能な添加剤を含有してもよい。 以下でより詳細に検討するように、次いで、乳化剤溶液はベースアスファルトと混和され、前記混和物は乳化されて、乳化アスファルトバインダーを形成する。一部の実施形態では、乳化剤溶液中のリン酸アミンの量は、乳化アスファルトバインダー中の乳剤全体の重量で、約0.1%〜約2.5%、または約0.5%〜約2%のリン酸アミンを提供するのに十分である。乳化剤溶液中のリン酸アミンがエトキシ化タロウジアミン(例えばDT−3、DM−3またはE−6)から生成される一部の実施形態では、乳化アスファルトバインダー中において重量で、約1%、約0.1%〜約2%、約0.2%〜約2%、または約0.25%〜約1%のエトキシ化タロウジアミンホスファート(ethoxylated tallow diamine phosphate)を生じるのに十分な量のエトキシ化タロウジアミンが乳化剤溶液に加えられる。乳化剤溶液中のリン酸アミンがポリアミンホスファート(例えばC−450)である一部の実施形態では、乳化アスファルトバインダー中において重量で約1.5%、約2.5%以下、約0.5%〜約2.5%、または約1.5%〜約2.5%のポリアミンホスファートを与えるのに十分な量のポリアミンホスファートが、例えば、乳化剤溶液に加えられ得る。

一部の実施形態において、乳化剤溶液(例えば本明細書に記載する乳化剤溶液のうちのいずれか)は、ベースアスファルト(例えば本明細書に記載するベースアスファルトのうちのいずれか)と組み合わせられて、乳化改質アスファルトバインダーを形成する。ベースアスファルトは、約320°F(160℃)、約280°F(138℃)〜約400°F(204℃)、約320°F(160℃)〜約370°F(188℃)、または約320°F(160℃)〜約360°F(182℃)の温度で調製され得、乳化剤溶液は、約100°F(38℃)、約80°F(27℃)〜約120°F(49℃)、または約50°F(10℃)〜約140°F(60℃)の温度で調製され得る。ベースアスファルトと乳化剤溶液とが組み合わせられる場合、結果として生じる乳化改質アスファルトバインダーは212°F(100℃)(およそ標準気圧における水の沸点)を上回るか、または下回る温度を有し得る。改質アスファルトバインダーが212°F(100℃)を上回る温度を有する場合には、結果として生じる改質アスファルトバインダーは、水の蒸発および改質アスファルトバインダー乳剤の望ましくない破壊を防止する圧力下で維持され得る。いずれにせよ、改質アスファルトバインダーは、改質アスファルトバインダーの温度を水の沸点よりも低く低下させるために熱交換器または他の装置または操作に通され得る。

一部の実施形態において、乳化剤溶液はベースアスファルトと組み合わせられて、特定の用途に応じて、約60%〜約75%の不揮発性物質および固形物、または約70%の不揮発性物質および固形物を有する乳剤を生じる。例えば、前記乳剤は、約1.5%のリン酸アミン、約1.2%のリン酸、約67.3%の改質アスファルトおよび約30%の水を含有し得る。一部の実施形態において、改質アスファルトバインダーは、本質的には乳化剤溶液とベースアスファルトとから構成されるが、他の実施形態では、米国特許第6,117,926号、同第6,228,909号、および同第7,160,935号に記載されているように、他の組成物または添加剤、例えば処理を支援したり、またはアスファルトの特性を変更したりする添加剤も前記改質アスファルトバインダーと組み合わせられ得る。

チップシールおよびサンドシール作業のような一部の用途のためには、乳化改質アスファルトバインダー(例えば上述した乳化改質アスファルトバインダーのうちのいずれか)は、それが塗布されるときに、約40°F(4℃)〜約200°F(93℃)、約70°F(21℃)〜約200°F(93℃)、約100°F(38℃)〜約200°F(93℃)、または約150°F(66℃)〜約200°F(93℃)の温度にあり得る。1平方ヤード(0.83m2)当たり約0.2ガロン(757.1cm3)〜約0.5ガロン(1893cm3)の改質アスファルトバインダーが道路路面上に散布され得、前記改質アスファルトバインダーの上には1平方ヤード(0.83m2)当たり約15ポンド(6.8kg)〜約40ポンド(18.1kg)の細骨材または砂が散布される。

他の実施形態において、上述した乳化改質アスファルトバインダーのいずれも、例えば付加的な乳化剤溶液または別の希釈剤を用いて、あるいは水で、希釈されてもよい。例えば、フォッグシールおよびタック用途のためには、前記乳剤は乳化剤溶液で希釈されるか、または、前記乳剤は水でさらに希釈されて、道路路面に塗布される比較的薄い乳剤を生じ得る。そのような用途では、前記乳剤は、約20%〜約45%、または約25%〜約35%の不揮発性成分となるように希釈され得る。

他の用途向けには、改質アスファルトバインダーは骨材と組み合わせられて、改質アスファルト舗装材を生じる。例えば、改質アスファルトバインダーおよび骨材は、組み合わせられ、塗布(例えば、圧縮)されて、コールドミックス、常温現場再生(cold−in−place recycling)、スラリーシールおよびマイクロサーフェシング用途のための舗装材を生じる。そのような用途のためには、改質アスファルトバインダーは、所望の骨材と混合した後に、生じた改質アスファルト舗装材が、約100°F(38℃)、約40°F(4℃)〜約120°F(49℃)、約50°F(10℃)〜約120°F(49℃)、約70°F(21℃)〜約120°F(49℃)、約80°F(27℃)〜約120°F(49℃)のような所望の温度を有するような温度に下げられ得る。一部の実施形態において、そのような改質アスファルト舗装材は、約5%〜約10%の乳化アスファルトバインダーを有し、残部は骨材であるが、一方、他の実施形態では、改質アスファルト舗装材は、他の成分または添加剤、例えば、米国特許第6,117,926号、同第6,228,909号、および同第7,160,935号に記載されているような処理を支援したり、または改質アスファルトの特性を変更したりする添加剤を有し得る。

改質アスファルトバインダーが骨材と組み合わされた後、乳化剤溶液から水の一部、全部またはほぼ全部が除去される。前記水は周囲温度における蒸発によって除去されてもよい。

下記は生成した実験用の乳化剤溶液のアスファルト合成である。上述した方法および配合に従って生成された乳剤は、広範な条件にわたって安定した乳剤を提供した。アスファルト乳剤はエネルギー的に不安定な系であり、該アスファルト乳剤の性能は、アスファルトが舗装材として機能するために乳剤を壊れさせるこの不安定さに基づく。しかしながら、一部の実施形態において、乳剤をその意図した目的に用いる前に、乳剤を現場で揚送、輸送、および塗布することができるように、乳剤は完全なままであることは重要である。安定した乳剤とは、一晩室温に冷却したときに壊れないものであり、かつ60℃〜90℃(140°F〜194°F)の温度に再加熱したときに、ASTM D6933−08によって測定して、0.1%を超える篩残留物(sieve)を含有しない。壊れない、または篩残留物を生じない乳剤は一部の用途には必要条件であるが、多くの用途に対して十分ではない。いくつかの所望の用途に適した安定した乳剤を得るためには、残留物特性が比較的に不変であることも必要である。本発明の一部の実施形態において、安定した乳剤はまた、剛性、弾性試験、非回復コンプライアンス(non−recovered compliance)および針入度(penetration)によって定義されるような安定した残留物特性を示す。対照的に、HClのような他の鉱酸によって生成された乳剤は、より狭い範囲の作業条件においてのみ安定したままであり、いくつかの場合には、ポリマー改質アスファルト残留物または酸改質アスファルト残留物の特性を低下させ得る。さらに骨材と組み合わせて改質アスファルト舗装材を生成する場合、リン酸アミンの使用は、より急速に硬化し、他の改質アスファルトバインダーおよび他の鉱酸を含有する舗装材、例えばHClを有するスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、よりも柔軟でない舗装材を提供する。

アスファルト合成のうちの一部に対して行なった試験としては、ASTM D7405−08に記載されている多重応力クリープ回復試験(Multiple Stress Creep Recovery test(MSCR試験))、ASTM D5801−95に記載されているタフネスおよびテナシティ試験(Toughness and Tenacity test)(T&T試験)、およびASTM D5−06に提供されている針入度試験(Penetration test)が挙げられる。MSCR試験は、概して、単位面積当たり特定の力(典型的にはkPaで与えられる)が材料上に作用されるときの材料の回復率(% recovery)を与える。MSCRはまた材料の非回復コンプライアンスの尺度であるJnrも与える。すべてのMSCR試験は、別段の定めがない限り、58℃(136°F)で行なった。T&T試験は、タフネスおよびテナシティの値を与え、双方ともジュールで測定される。針入度試験は、標準針(貫入針)を100グラムの質量の荷重でアスファルト試料内に5秒間にわたって貫入させたときに生じる貫入の量を与える。結果は、一般に無単位で示され、アスファルト工業の当業者にはよく理解されているが、実際の単位はdmm(デシミリメートル)である。

以下で述べる全てのアスファルト合成において、乳剤の配合は、生成される乳剤全体の重量に対して、乳化剤(emulsifirer)の重量パーセントまたは酸(H3PO4またはHClのいずれか)の重量パーセントとして表わされている。

アスファルト合成1 PG 58−34アスファルトを用いて生成し、Elvaloyおよびポリリン酸によって改質したポリマー改質アスファルトを、乳化されていない形で提供した。この改質アスファルトは一連の乳剤のための基材として機能する。1.0kPaの応力でのMSCR回復率(percent recovery)は14.33%であり、3.2kPaの応力での回復率は4.40%であった。非回復コンプライアンス(Jnr)は、2つの応力レベルにおいて、4.185kPa−1および5.392kPa−1であった。同一のポリマー改質アスファルトを、0.25%のCorsathox DT−3および0.25%のH3PO4の乳化溶液を用いて乳化した。沸騰濃縮(boildown)によって得られた新鮮な乳剤残留物は、1.0kPaで13.37%のMSCR回復率(% recovery)および4.412のJnrを有し、3.2kPaで6.18%のMSCR回復率および5.232のJnrを有した。60℃で24時間の保存後、沸騰濃縮によって得られた乳剤残留物は、1.0kPaで15.09%のMSCR回復率および3.335のJnrを有し、3.2kPaで6.09%のMSCR回復率および4.074のJnrを有した。60℃の炉内で6日間保存後、沸騰濃縮によって得られた乳剤残留物は、1.0kPaで12.96%のMSCR回復率および3.887Jnrを有し、3.2kPaで6.51%のMSCR回復率および4.603のJnrを有した。

アスファルト合成2 乳化剤溶液は、0.22%のRedicote4819乳化剤を0.2%のHClと混合することにより調製した。アスファルト合成1で使用したものと同一のポリマー改質アスファルトをこの乳化剤溶液で乳化した。沸騰濃縮によって得られた新鮮な乳剤残留物は、1.0kPaで12.15%のMSCR回復率および4.029のJnrを有し、3.2kPaで4.27%のMSCR回復率および5.003のJnrを有した。60℃の炉内で24時間保存後、沸騰濃縮によって得られた乳剤残留物は、1.0kPaで12.15%のMSCR回復率および4.095のJnrを有し、3.2kPaで3.69%のMSCR回復率および5.119のJnrを有した。炉内で6日間保存後、沸騰濃縮によって得られた乳剤残留物は、1.0kPaで10.89%のMSCR回復率および4.437のJnrを有し、3.2kPaで3.24%のMSCR回復率および5.493のJnrを有した。リン酸アミンによって生成された乳剤から得られた乳剤残留物(乳剤が60℃で保存された後)に対する特性変化と、アミン塩化物によって生成された乳剤から得られた乳剤残留物に対する特性変化との比較は、リン酸アミン乳剤残留物は、本来のベースアスファルトの特性に匹敵するか、またはそれを超えているが、一方、アミン塩化物によって生成された乳剤からの残留物は時間が経過するにつれて低下するMSCR%回復性およびJnr特性を有することを示している。

アスファルト合成3 Redicote 4819をHClと反応させ、アスファルト合成1に記載したのと同一のポリマー改質アスファルトを、乳剤全体の重量に基づいて、0.7%のRedicote 4819で乳化した。MSCRデータは、1.0kPaで8.42%のMSCR回復率および4.778のJnrと、3.2kPaで2.63%のMSCR回復率および5.812のJnrとを得た。このアスファルト合成はアスファルト合成2よりも安定した乳剤を生成したが、概して、アスファルト合成1に記載したようなリン酸アミン乳化化学作用を用いて生成した乳剤に比べて、低い弾性およびより高いJnrコンプライアンスを有した。

アスファルト合成4 Elvaloy+PPAを用いて生成したPG 64−34ポリマー改質アスファルトを乳剤性基剤として用いた。このベースアスファルトは、1.0kPaで25.1%のMSCR回復率および2.546のJnrを有し、3.2kPaで15.1%のMSCR回復率および3.070のJnrを有した。このベースアスファルトはまた、6.591ジュールのタフネスおよび5.354ジュールのテナシティである、ASTM D5801−95によって測定したタフネスおよびテナシティ特性を有した。前記ベースアスファルトを、0.225%のH3PO4と反応させて2〜2.5の溶液pHにした0.25%のCorsathox DM−3を用いて乳化した。ASTM D7403−09に基づいた減圧蒸留手順を用いて、60℃で1日間の保存後に前記乳剤から得られた残留物は、1.0kPaで23.7%のMSCR回復率および2.795のJnrを有し、3.2kPaで16%のMSCR回復率および3.352のJnrを有した。この残留物はまた6.936ジュールのタフネスおよび5.069ジュールのテナシティである、ASTM D5801−95によって測定したタフネスおよびテナシティ特性を有した。ASTM D7403−09に基づいた減圧蒸留手順を用いて、60℃で7日間保存後に前記乳剤から得られた残留物は、1.0kPaで24.6%のMSCR回復率および3.190のJnrを有し、3.2kPaで16.6%のMSCR回復率および3.770のJnrを有した。この残留物はまた、8.15ジュールのタフネスおよび6.12ジュールのテナシティである、ASTM D5801−95によって測定したタフネスおよびテナシティ特性を有した。図2は、アスファルト合成4のアスファルトに対するタフネスおよびテナシティ試験を示している。タフネスおよびテナシティの値は重要であるが、曲線中の初期のピーク後の曲線の形状は、バインダーの弾性がどれくらいよく維持されているかの指標である。図2は、初期のピーク後の一定期間の荷重の維持を示す。曲線の全体的に丸味を帯びた形状は弾性が維持されたということの表れである。これらの曲線の形状は、ベースアスファルトバインダーおよび乳化アスファルトバインダーの双方が良好な弾性を示すことを強調している。

アスファルト合成5 アスファルト合成4との比較として、アスファルト合成4に記載したベースアスファルトを、0.225%のHClと反応させて2〜2.5の溶液pHにした0.25%のRedicoteE−4819を用いて乳化した。ASTM D7403−09に基づいた減圧蒸留手順を用いて60℃で1日間保存後に乳剤から得られた残留物は、1.0kPaで16.7%のMSCR回復率およびの3.672のJnrを有し、3.2kPaで10.2%のMSCR回復率および4.375のJnrを有した。この残留物はまた6.691ジュールのタフネスおよび5.146ジュールのテナシティである、ASTM D5801−9によって測定したタフネスおよびテナシティ特性を有した。ASTM D7403−09に基づいた減圧蒸留手順を用いて、60℃で5日間保存後に前記乳剤から得られた残留物は、1.0kPaで18.1%のMSCR回復率および3.737のJnrを有し、3.2kPaで10.5%のMSCR回復率および4.513のJnrを有した。この残留物はまた7.629ジュールのタフネスおよび5.202ジュールのテナシティである、ASTM D5801−95によって測定したタフネスおよびテナシティ特性を有した。アスファルト合成4および5において示された結果の分析は、本発明を用いて生成した乳剤は、古典的アミン塩化物の化学作用を用いて生成した乳剤より高いレベルに維持される残留物特性を有することを示している。図1は、アスファルト合成5のアスファルトに対するタフネスおよびテナシティ試験を示している。図1の曲線を図2の曲線と比較して観察すると、図1は一定量の弾性を示しているが、0.14メートルを越えると、図2のベースアスファルト曲線と比較して、試料は徐々に弱化し衰える。ベースアスファルト、および図2の双方のリン酸アミン試料については、衰えがかなり急激であり、これは頑丈で強い材料を表わしている。対照的に、図1の曲線2のプロットは、初期のピーク後の荷重の安定した低下を示しており、これはバインダーにおいて弱化していく弾性を表わしている。

アスファルト合成6 乳化剤溶液は、1.5%のC−450乳化剤を1.5%の塩酸と混合することにより調製した。Elvaloy+PPAで改質した64−28Pアスファルトバインダーを用いたカチオン性低速硬化アスファルトバインダーを上述したC−450−に基づいた乳化剤溶液を用いて乳化した。沸騰濃縮によって得られた新鮮な乳剤残留物は、1.0kPaで15.79%のMSCR回復率および1.972のJnrを有し、3.2kPaで9.00%のMSCR回復率および2.307のJnrを有した。60℃で5日間の炉内保存後、沸騰濃縮によって得られた乳剤残留物は、1.0kPaで13.33%のMSCR回復率および2.236のJnrを有し、3.2kPaで7.59%のMSCR回復率および2.676のJnrを有した。比較として、同一のベースアスファルトを、1.5%のH3PO4と反応させた1.5%のRedicoteC−450ポリアミンを用いて乳化し、カチオン性低速硬化乳剤を生成した。沸騰濃縮によって得られた新鮮な乳剤残留物は、1.0kPaで29.45%のMSCR回復率および1.305のJnrを有し、3.2kPaで12.18%のMSCR回復率および2.040のJnrを有した。60℃で5日間保存後、沸騰濃縮によって得られた乳剤残留物は、1.0kPaで31.44%のMSCR回復率および1.309のJnrを有し、3.2kPaで11.77%のMSCR回復率および2.221のJnrを有した。このアスファルト合成は、リン酸アミンの化学作用を用いて生成された乳剤から得られたカチオン性低速硬化乳剤残留物が、古典的なアミン塩化物の化学作用を用いて生成された乳剤から得られた残留物に対して、回復率特性および非回復コンプライアンスの双方を維持し改善することを示している。実際、このアスファルト合成は、アミン塩化物残留物はリン酸アミン誘導残留物に対して劣っていることを示している。

アスファルト合成7 Redicote4819をリン酸と反応させ、アスファルト合成1に記載したのと同一のポリマー改質アスファルトを、乳剤全体の重量に基づいて、0.22%のRedicote4819で乳化した。MSCRデータは、1.0kPaで16.07%のMSCR回復率および3.745のJnrと、3.2kPaで4.98%のMSCR回復率および4.973のJnrとを生じた。このアスファルト合成はアスファルト合成2よりも安定した乳剤を生成したが、依然として全体的に、本明細書に記載したリンに基づく酸を用いた乳化剤に比べて、低い弾性および高い剛性を有した。

アスファルト合成8 乳剤全体の重量で0.25重量%のCorsathox DM−3乳化剤を、乳剤全体の重量で0.225重量%のH3PO4と混合することにより乳化剤溶液を調製した。pHは2.0〜2.5の範囲内であった。Elvaloy+PPAで改質したPG 64−34アスファルトバインダーを用いたCRS−2M乳剤を生成した。60℃の炉内で24時間保存後、ASTM D7403−09に記載された方法に従った減圧蒸留によって得られた乳剤残留物は、1.0kPaで17.9%のMSCR回復率および3.316のJnrを有し、3.2kPaで8.5%のMSCR回復率および4.108のJnrを有した。また24時間後、タフネスは4.123ジュールであり、テナシティは2.307ジュールであった。60℃で6日間の炉内保存後、ASTM D7403−09に記載された方法に従った減圧蒸留によって得られた乳剤残留物は、1.0kPaで17.1%のMSCR回復率および3.888のJnrを有し、3.2kPaで7.6%のMSCR回復率および4.871のJnrを有した。また6日後、タフネスは4.904ジュールであり、テナシティは2.711ジュールであった。このアスファルト合成は、乳化剤としてリン酸アミンを用いることにより材料に経時的に一定した特性を与えることを示している。

アスファルト合成9 全乳剤の重量で2%のC−320乳化剤を、全乳剤の重量で2.4%のリン酸と混合することによって乳化剤溶液を調製した。Elvaloyおよびポリリン酸で改質した70−22アスファルトバインダーを含むポリマー改質アスファルトも準備した。前記ポリマー改質アスファルトを前記乳化剤溶液で乳化して乳剤を生成した。3日後、前記乳剤は、1.0kPaで45.3%のMSCR回復率および0.631のJnrを有し、3.2kPaで30.4%のMSCR回復率および0.836のJnrを有した。これは、1.0kPaで33.3%のMSCR回復率および1.788のJnrを有し、3.2kPaで16.3%のMSCR回復率および2.401のJnrを有するベースポリマー改質アスファルト(未乳化)に匹敵する。

アスファルト合成10 PG 58−28から、0.75重量%のPPAを添加して、PG 64−28を生成した。このアスファルトバインダーを、完成した乳剤の重量で、1%のCorsathox DT−3と、2〜2.5の溶液pHを達成するのに十分な65%のH3PO4との溶液によって乳化した。元のベースアスファルトは、ASTM D7175−08によって測定して、64℃で1.650kPaの剛性を有していた。60℃で1日間の炉内保存後の沸騰濃縮残留物は、64℃で1.77kPaの剛性を有しており、60℃で2日間保存後には、沸騰濃縮残留物の剛性は1.71kPaであった。このアスファルト合成は、単独の改質剤としてPPAを用いて生成してバインダーについては、リン酸アミン誘導乳剤は、少なくとも元のベースアスファルトと同じくらい良好な残留物剛性を有することを示している。

アスファルト合成11 PG70−22ポリマー改質アスファルトをSBS+PPAによって生成し、0.22%のH3PO4と反応させて2.25のpHにした0.25%のRedicote E−6の溶液で乳化した。前記パーセンテージは双方とも乳剤全体の重量によって表現されている。前記ベースアスファルトは、64℃で試験すると、1.0kPaで30.7%のMSCR回復率および1.698のJnrを有し、3.2kPaで12.4%のMSCR回復率およびの2.358のJnrを有した。製造1日後、前記乳剤を室温で一晩維持し、60℃に再加熱すると、前記乳剤は、ASTM D6933−08による測定で0.08%(0.1%の仕様最大値)の篩内容物(sieve content)を有した。また製造1日後、前記乳剤の蒸発残留物質は、64℃で試験すると、1.0kPaで35.9%のMSCR回復率および1.583のJnrを有し、3.2kPaで17.3%のMSCR回復率および2.195のJnrを有した。製造2日後、60℃で一晩保存した前記乳剤の蒸発残留物質は、64℃で試験すると、1.0kPaで35.5%のMSCR回復率および1.599のJnrを有し、3.2kPaで17.0%のMSCR回復率およびの2.188のJnrを有した。これらのデータは、リン酸アミンの化学的性質を用いて生成された乳剤の残留物が元のバインダーのものよりも良好な特性を有しており、2日間にわたって劣化を示さないことを表わしている。

アスファルト合成12 いくつかの異なる乳化アスファルトバインダーに対して、沸騰水剥離試験(boiling water stripping test)も行った。沸騰水剥離試験は、ASTM D3625−96、「Effect of Water on Bituminous−Coated Aggregate Using Boiling Water」に記載されている。該方法は、250グラムの混合物を蒸留水中で10分間にわたって煮沸した後に、前記水をデカントし、前記混合物を調査することを要求している。試験用乳剤が不足したため、100グラムの砂利チップ(gravel chip)材料を室温で6.5グラムの水と混合した。140°F(60℃)で維持した10グラムの乳剤を湿った骨材に加えて混合し、砂利チップを乳剤で被覆した。次いで、前記砂利チップから水分を沸騰して除去し、結果として生じた被覆材料を、200グラムの蒸留水中に配置して、15分間沸騰した。次いで、被覆物が砂利チップ上に残存していることを保証するために、砂利チップを視覚的に検査した。アスファルト合成4からと同一のベースアスファルトをベースアスファルトとして用いた。第1試料では、リン酸で処理した、乳剤の全重量に基づいて0.25%のDM−3で前記ベースアスファルトを乳化し、第2試料では、HClで処理した0.25%のRedicote 4819で前記ベースアスファルトを乳化した。どちらの試料も、剥離試験に曝露した後にいかなる剥離も示さなかった。

本発明の範囲から逸脱することなく、検討した具体例としての実施形態に対して、様々な変更および追加をなすことができる。例えば、上記に記載した実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、異なる組み合わせの特徴を有する実施形態および上述した特徴のすべては備えていない実施形態も包含する。

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