【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、縁取りくず(ed getrimmings)の除去手段を有する、繊維と水または他の流動担体との混合物を原料とする紙または他の繊維材料のティッシュ(tissue)または編み物(web)の連続製造のための装置に関する。 【0002】本発明はまた、編み物またはリボンの形の紙状材料の製造装置において、動紙状材料の縁取りくずを除去する方法にも関する。 【0003】本発明はまた、上述形式の装置内で製造のためのメッシュ(mesh)または織物(fABri c)にも関する。 【0004】 【従来の技術】現在、各種の装置が紙ティッシュの連続的な製造のため使用されている。 公知の装置では、セルロース繊維などと水との混合物を、透過性のベルト上へ、または相互に隣接する、連続的な二本のベルトの間の隙間内へ供給し、それらのベルトの少なくとも一本は透過性であって、たとえば合成織物によって構成する。 これらのベルトを今後はメッシュと呼ぶことにする。 【0005】慣例的装置の一つの種類では、繊維と水との混合物を隣接する案内ローラの間の隙間内へ供給し、 ローラ上に二本のメッシュを案内する。 したがって、混合物は水と繊維の薄いティッシュを形成する。 二本のメッシュの間で押圧することと、二本のメッシュをローラの周りに案内する領域内に発生する遠心力とによって、 混合物内の水の重量比は約99%の初期値から約50% の最終値へ減少する。 水はメッシュの織物構造を通して排出される。 その後、繊維から生じるティッシュを、より厚くて高い吸収特性を有し、かつフェルトとして知られる別のベルトの上へ通す。 その後、ティッシュを熱形式の乾燥手段へ、たとえば、適当な熱運搬液体で内部的に加熱される、いわゆるヤンキーシリンダ上に案内して、ユニットからの産出物として紙の編み物(pAper w eB)を得る。 【0006】二つの隣接するメッシュの間に形成されるティッシュの長さ方向縁は不ぞろいだから、除去しなければならない。 現在は圧力水ノズルをこの目的のため使用する。 ノズルが配置される領域内で、すでに部分的に脱湿されるティッシュを一つの織物上に置く一方、他の表面は自由であってノズルの作用を受ける。 ティッシュを切断する水を、ティッシュが載っているメッシュを通して放出する。 【0007】別の形式の製紙装置では、水と繊維の混合物をフェルトとメッシュとの間に供給する。 メッシュを通して排水によって部分的に脱湿されるティッシュがフェルトに付着し、かつそれによって、加熱されるヤンキーシリンダへ運ばれる。 これらの装置は、クレセント・ フォーマ(crescent former)として知られ、とくに、いわゆるティッシュペーパー、すなわち、キッチンペーパーロール、ナプキン、ハンカチ、トイレットペーパーなどの連続生産に適応する紙の製造で使用される。 【0008】ティッシュの縁取りくずは、この種の装置でも噴出水ノズルによって切断される。 ノズルは、ティッシュがフェルトに付着している間にそれに作用する。 これに伴う欠点として、切断に使用される水の放出は、 フェルトが実際上、水を通さないから、困難である。 さらに、フェルトに達する水のジェットはそれを急速に摩耗させる。 【0009】さらに、ノズルの使用は、すべての種類の装置において、高圧で作動しなければならず、したがって、頻繁なメンテナンスにさらされる、これらの装置要素の微妙な性質に結合される欠点を伴う。 【0010】縁取りくず切断用の噴水ノズルの使用に固有の、別の欠点は、ノズルが射出する水はフェルトまたはメッシュ上に置かれるティッシュの水容量を増大させて、乾燥過程に悪影響をおよぼすという事実である。 クレセント・フォーマ機において、これは、ノズルが射出する水はフェルトを通して逃げることができないから、 切断に隣接して存在するティッシュの領域を含浸させる、という事実によって別の悪影響を伴う。 これがこれらの装置で得られる最大速度を制限するわけは、過大な速度がティッシュの縁取りされる縁の遠心作用を惹起するからで、結果として、紙のクレープ付け、巻き戻し、 および処理の連続する段階で結果として起こる問題とともに、繊維を失い、かつ縁形状を損なう。 したがって、 これらの装置は、ふつう、分速1800mを超えることはできない。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、連続的な装置で形成されている紙ティッシュからの縁取りくずを除去するための新しい方法を提供することである。 【0012】本発明の別の目的は、その方法を実施するための装置と対応する付属物を提供することである。 【0013】より特別な、本発明の目的は、ノズルまたは維持するのが高価で困難な、他の装置的要素を使用することなく、形成されている紙ティッシュから縁取りくずの除去を可能とし、それゆえ、より確実で安価な方法と装置を提供することである。 【0014】本発明の別の目的は、慣例的な切断ノズルによって噴射される水の放出がとくに困難な、クレセント・フォーマ形式の装置での使用に対してとくに好適な、縁取りくず除去のための方法を提供することである。 【0015】本発明の別の目的は、繊維と水などのような流動担体との混合から生じる、繊維材料の紙または他のティッシュの製造用装置に対して新しい形式のメッシュを提供することである。 【0016】 【課題を解決するための手段】これらの目的と、今後明白になる別の目的は、相互に押し合う二本の運動ベルトの間に、繊維と流動担体とを含む混合物を供給し、該ベルトの少なくとも一本は透過性であり、二本の運動ベルトの一本の上に、ベルトの運動方向に平行な、少なくとも一本の不浸透性細長片を配置し、相互に押し合う二本のベルトの圧力が不浸透性細長片において繊維を分離させる段階から成る、繊維材料のティッシュの縁取りくずの切断方法によって達成される。 【0017】本質的に、本発明による方法が準拠する認識事実として、製紙装置のメッシュ沿いに非排水領域を用意することによって、メッシュとフェルトとの間に、 または二本のメッシュの間に押圧される混合物内に含まれる繊維は、非排水領域内に発生する反対水圧力によって移動する傾向がある。 これは二本のベルトの間に、繊維のない、したがって、紙ティッシュが生じない領域をつくる。 非排水領域が二本のベルトの間に形成されているティッシュの縁近くに位置する、適当な寸法の長さ方向の細長片によって得られるなら、形成されているティッシュの残りから縁取りくずを分離する細長片に切断線が形成される。 【0018】本発明はまた、第一の透過性運動ベルトと、第一ベルトと協働する第二の運動ベルトとから成る製紙装置にも関し、その際、第一と第二のベルトは、二本のベルトが相互に押し合う共通部分を持つ、それぞれの閉鎖通路に沿って運動できる。 本発明による特徴として、少なくとも一本の、長さ方向の不浸透性細長片を第一の透過性ベルト上に形成する。 細長片において、二本のベルトの間の圧力は繊維の分離を惹起して、形成されているティッシュ内に不連続線を創出する。 第一ベルトは、混合物の液体が流失する縫い目を通して、合成織物から製造されるメッシュによって構成できる。 【0019】さらなる特徴と利点は、添付の図面での非限定例によってしか図解説明されない、本発明の好適な、ただし非排他的な実施例の説明から明白となろう。 【0020】 【実施例】本発明は、とくに有利に、図1に示すクレセント・フォーマ形式の装置で使用する。 コンテナ1から、水とセルロース繊維の混合物を長さ方向のスリットを通して与える。 混合物を二つのローラ3と5の間の隙間内に与え、これらのローラの周りにメッシュ7とフェルト9をそれぞれ案内する。 メッシュ7はローラ3の周りだけでなく、付加ローラ11,12,13の周りにも、ならびにローラ5の周りに案内し、結果的に、ローラ5の一部をフェルト9とメッシュ7の両方によって包囲する。 メッシュ7は矢印f7が示す方向に前進し、かつフェルトは矢印f9が示す方向に前進する。 【0021】フェルト9は、一連のローラ15,16, 17,18,19,21が形成する、メッシュ7より長い通路を包含する。 【0022】連続的にコンテナ1から供給されかつ約9 9重量%の水と1重量%のセルロース繊維とによって構成される混合物をローラ3と5の間の隙間内で押圧し、 かつメッシュ7とフェルト9の間に連続的なティッシュ10を形成する。 ローラ5の周りにティッシュを間挿したメッシュ7とフェルト9を案内することにより、遠心力によってメッシュ7を通して水を排出させる。 放出される水はタンク23内に集まる。 【0023】ローラ5、メッシュ7、およびフェルト9 の下流は、ローラ13と、ローラ15の最初の一つとが離されるので、相互に分離する。 形成されている紙ティッシュは、吸収性のフェルト9の表面に付着し続け、かつヤンキーシリンダとして知られる大直径シリンダ25 と一緒に、形成されているティッシュから、さらなる、 微小量の水を押圧によって除去するための回転プレスを構成するシリンダ21へ運ばれる。 その後、ティッシュは、フェルト9からヤンキーシリンダ25の表面へ運ばれ、引き続いて加熱して乾燥処理される。 【0024】これまでに述べた装置と工程は、それ自体公知の形式である。 この形式の慣例的装置では、フェルト9とメッシュ7との間に形成されているティッシュの縁取りくずを、ローラ15の下方でそれの通路の下部沿いにフェルト9の下に配置される二つの圧力水ノズルによって切断する。 【0025】本発明により、公知の形式の慣例的装置に代わって、これらのノズルを除去し、かつ以下に述べる、異なる切断システムと置き換える。 【0026】本発明により、長さ方向の不浸透性細長片を、メッシュ7の各縁7A(図7)に平行でその縁から予め定めた間隔をおき、かつ予め定めた幅にわたって繊維の排水領域を閉鎖する。 不浸透性細長片は、典型的に、高温または低温使用される合成樹脂から製造する。 ポリエステルまたは、好適な、かつそれ自体公知の材料から製造されるメッシュ上に、メッシュに高い粘着性と、耐摩耗性を与え、さらに大きな弾性と与えるために有利な、ポリウレタンの不浸透性細長片を施すことができる。 【0027】図2と3に、不浸透性細長片31を示す。 平らに伸ばしたメッシュの一部を示す図7は、メッシュの二つの長さ方向縁7Aに平行な二本の細長片31を示す。 図において、フェルト、メッシュ、混合物C、および細長片31の寸法は、図解説明をよりはっきりさせるために、変更してある。 【0028】特に図2と3が明示するように、細長片3 1が位置する領域内で、メッシュ7を通しての排水作用は細長片31の不浸透性によって阻止されるから、隣接領域内で、水と繊維との混合物によって形成されるティッシュC内に含まれる余分な水は、メッシュ7の編み物を通して矢印Fの方向に逃げ、領域I(図3)内に、フェルト9に対してメッシュ7の作用によって発生する反対水圧が形成され、この反対水圧は水が細長片31の長さ方向縁へ向けて流れ去るように誘導して、混合物の繊維をこの運動内に移動させる。 繊維は領域Iから隣接領域の方向へ移動するから、領域I内では不浸透性細長片31とフェルト9の表面との間に、実際上水しか含まない、セルロース繊維なしの容積が形成される。 この領域内には繊維が存在せず、かつこれは、ほぼ細長片31の延長に対応するように走る長さ方向切断線をつくるから、繊維ティッシュは形成されない。 この水圧作用は、 任意選択的に、細長片31がメッシュ7の表面に関して突出し、かつティッシュCが付着するフェルト9の表面を押圧するという事実によって、装置的作用と組み合わせることもできる。 【0029】二本の不浸透性細長片31を織物の縁7A から予め定めた間隔で配置することによって、つくられるティッシュCの幅は二本の細長片31の内側の縁の間の距離に等しく、かつきちんとそろった長さ方向縁を有する。 【0030】二本以上の不浸透性の長さ方向細長片31 を有することによって、すでに分離され、かつきちんと縁取りされる、二枚以上の紙ティッシュを同じ装置で与えることができる。 【0031】細長片31の寸法は、使用される混合物の形式にしたがって変更することもできる。 典型的に、評価し得る結果は、約2−7mmの幅と約0.5−1.5 mmの高さを有する細長片31によって得られている。 最良の結果は、約4mmの幅と約1mmの高さの細長片で得られる。 これらの寸法は、通常、ある種のメッシュで補強部材として使用されるプラスチック被覆細長片のそれと異なる。 その場合、補強細長片が寸法的により小さく、かつ大きな数で使用される理由は、それらがメッシュの排水領域を閉塞してはいけないからである。 【0032】上述の縁取り創出システムは、図1に示すクレセント・フォーマ機と異なる装置へ使用することもできる。 図4と5は、二つの異なる製紙装置の図を示す。 図4において、繊維と水との混合物はコンテナ1によって、二つのローラ45,47の周りに案内される二本のメッシュ41と43の間に形成される隙間内へ供給される。 混合物は二本のメッシュ41と43の間にティッシュを形成し、ティッシュはメッシュをローラ47の周りに案内する領域内で遠心分離される。 メッシュ41 を通して排出される水は、タンク23と同じ機能を持つ集合タンク49内へ放出される。 部分的に乾燥するティッシュは、その後、メッシュ41から、それを乾燥区分またはヤンキーシリンダのような熱乾燥手段へ運ぶフェルト51へ移送される。 【0033】それをローラ47の周りに案内する領域内で、ティッシュCを形成する混合物は二本のメッシュ4 1と43の間に囲まれる(図6参照)。 メッシュ43を通しての排水作用は、ローラ47の表面の存在によって阻止されるから、生じないのに対して、メッシュ41を通しての排水作用は生じるが、不浸透性細長片31で阻止される。 この構成でも、二つの長さ方向切断部分が、 織物41に付加される二本の細長片31に形成される。 【0034】図5は概念的に類似であり、かつメッシュとフェルトの配置の点で図4と異なる。 同一の、または相応する部分は、図4で使用されたものと同じ参照番号である。 【0035】装置の構造と無関係に、繊維に関して高い比率の水を有するティッシュを混合物によって構成する、形成されているティッシュの通路領域内で、ティッシュが不浸透性細長片を備えるメッシュの構成する排水面と非排水面との間にあるときはつねに、本発明による切断システムがなお使用可能である。 非排水面は、不透過性またはかろうじて透過性の(フェルトのような)ベルト様部分によって、または不透過性の案内面(図4と5のローラ47の表面のような)の上にあるメッシュによって構成可能である。 【0036】実際に、本発明は意図される目的を達成することが分かった。 本発明による方法は、添付の特許請求の範囲内で多数の修正と変更を許容し得る。 細かなことはすべて、技術的な等価要素と置き換えられる。 【0037】使用される材料ならびに寸法は、要求内容と先行技術によるいずれかである。 【図面の簡単な説明】 【図1】クレセント・フォーマ機の線図である。 【図2】図1の平面 II−IIに沿って取られた拡大部分断面図である。 【図3】図2の参照記号IIIによって指定される詳細部の拡大図である。 【図4】本発明を適用できる別の製紙装置の略図である。 【図5】本発明を適用できる別の製紙装置の略図である。 【図6】図4または5の平面VI−VIに沿って取られた拡大断面図である。 【図7】本発明によるメッシュの部分の平面図である。 【符号の説明】 1コンテナ 3,5ローラ 7メッシュ 7Aメッシュ長さ方向縁 9フェルト 11,12,13付加ローラ 15,16,17,1 8,19,21ローラ 23タンク 25ヤンキーシリンダ 31不浸透性細長片 41,43メッシュ 45,47ローラ 49集合タンク 51フェルト C 混合物,ティッシュI領域 |