シート製造装置

申请号 JP2014044766 申请日 2014-03-07 公开(公告)号 JP6287365B2 公开(公告)日 2018-03-07
申请人 セイコーエプソン株式会社; 发明人 樋口 尚孝; 藤田 恵生;
摘要
权利要求

少なくとも繊維を含むウエブを第1搬送ベルトの上に堆積する堆積部と、 前記第1搬送ベルトを周回させ前記ウエブを搬送する第1搬送部と、 前記ウエブの表面と垂直な方向において前記第1搬送部と離間し、前記ウエブの搬送方向において前記第1搬送部と一部が下流側にずれて配置され、前記ウエブが前記第1搬送ベルトから離間する方向に前記ウエブを吸引しながら前記ウエブを搬送する第2搬送部とを含み、前記ウエブを用いてシートを形成するシート製造装置であって、 前記第2搬送部は、吸引を発生する吸引部と、周回する第2搬送ベルトと、周回する前記第2搬送ベルトの内側に位置し前記吸引部により内部空間を吸引されて前記第2搬送ベルトに前記ウエブを吸着する吸引室とを有し、 前記吸引室の一部と前記第1搬送ベルトは対向し、 前記ウエブの搬送方向において前記第1搬送部よりも下流側で、前記第2搬送部の前記ウエブを吸引する面と対向して離間し前記吸引力の及ぼす位置で、前記面から前記ウエブの厚みよりも離れた位置に補助部材を有する、 シート製造装置。前記補助部材は、前記ウエブの表面に沿い前記ウエブの搬送方向に直交する方向において前記吸引室より大きい、請求項1に記載のシート製造装置。前記吸引室は、前記第1搬送部と対向する面に複数の孔を有し、 前記孔は、前記ウエブの搬送方向において上流側の孔の大きさが下流側の孔の大きさよりも大きい、請求項1または2に記載のシート製造装置。少なくとも繊維を含むウエブを第1搬送ベルトの上に堆積する堆積部と、 前記第1搬送ベルトを周回させ前記ウエブを搬送する第1搬送部と、 前記ウエブの表面と垂直な方向において前記第1搬送部と離間し、前記ウエブの搬送方向において前記第1搬送部と一部が下流側にずれて配置され、前記ウエブが前記第1搬送ベルトから離間する方向に前記ウエブを吸引しながら前記ウエブを搬送する第2搬送部とを含み、前記ウエブを用いてシートを形成するシート製造装置であって、 前記第2搬送部は、吸引力を発生する吸引部と、周回する第2搬送ベルトと、周回する前記第2搬送ベルトの内側に位置し前記吸引部により内部空間を吸引されて前記第2搬送ベルトに前記ウエブを吸着する吸引室とを有し、 前記吸引室の一部と前記第1搬送ベルトは対向し、 前記吸引室は、前記第1搬送部と対向する面に複数の孔を有し、 前記孔は、前記ウエブの搬送方向において上流側の孔の大きさが下流側の孔の大きさよりも大きい、 シート製造装置。前記吸引室は、前記ウエブの搬送方向において複数の吸引領域に分かれており、 前記吸引領域は、個別に吸引を制御可能であり、 前記ウエブを搬送し始めるときは、前記ウエブの搬送方向においてより上流側の吸引領域がより下流側の吸引領域よりも先に吸引し始める、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート製造装置。少なくとも繊維を含むウエブを第1搬送ベルトの上に堆積する堆積部と、 前記第1搬送ベルトを周回させ前記ウエブを搬送する第1搬送部と、 前記ウエブの表面と垂直な方向において前記第1搬送部と離間し、前記ウエブの搬送方向において前記第1搬送部と一部が下流側にずれて配置され、前記ウエブが前記第1搬送ベルトから離間する方向に前記ウエブを吸引しながら前記ウエブを搬送する第2搬送部とを含み、前記ウエブを用いてシートを形成するシート製造装置であって、 前記第2搬送部は、吸引力を発生する吸引部と、周回する第2搬送ベルトと、周回する前記第2搬送ベルトの内側に位置し前記吸引部により内部空間を吸引されて前記第2搬送ベルトに前記ウエブを吸着する吸引室とを有し、 前記吸引室の一部と前記第1搬送ベルトは対向し、 前記吸引室は、前記ウエブの搬送方向において複数の吸引領域に分かれており、 前記吸引領域は、個別に吸引を制御可能であり、 前記ウエブを搬送し始めるときは、前記ウエブの搬送方向においてより上流側の吸引領域がより下流側の吸引領域よりも先に吸引し始める、 シート製造装置。前記複数の吸引領域のそれぞれに複数の前記吸引部が接続され、 前記ウエブを搬送し始めるときは、前記ウエブの搬送方向においてより上流側の吸引領域に対応する前記吸引部がより下流側の吸引領域に対応する前記吸引部よりも先に吸引し始める、請求項5または6に記載のシート製造装置。

说明书全文

本発明は、シート製造装置に関する。

特許文献1には、2つの不織布によって形成された布材を乾式形成するための装置において、移送ワイヤのエンクロージャー内にサクションボックスを設けることが開示されている。

特表2006−525435号公報

シート成形時にはシートの基となるウエブの先端部は薄く形成されるため、ウエブの先端を吸引して剥離することは難しい。また、ウエブの先端を吸引したときに、ウエブが無い空間を吸引することで、ウエブの先端を吸引できないことがあった。

本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。

(1)本発明に係るシート製造装置の一態様は、 少なくとも繊維を含むウエブを第1搬送ベルトの上に堆積する堆積部と、 前記第1搬送ベルトを周回させ前記ウエブを搬送する第1搬送部と、 前記ウエブの表面と垂直な方向において前記第1搬送部と離間し、前記ウエブの搬送方向において前記第1搬送部と一部が下流側にずれて配置され、前記ウエブが前記第1搬送ベルトから離間する方向に前記ウエブを吸引しながら前記ウエブを搬送する第2搬送部とを含み、前記ウエブを用いてシートを形成するシート製造装置であって、 前記第2搬送部は、吸引を発生する吸引部と、周回する第2搬送ベルトと、周回する前記第2搬送ベルトの内側に位置し前記吸引部により内部空間を吸引されて前記第2搬送ベルトに前記ウエブを吸着する吸引室とを有し、 前記吸引室の一部と前記第1搬送ベルトは対向する。

このようなシート製造装置では、ウエブを堆積して搬送する第1搬送ベルトと対向する位置にウエブを吸引する吸引室が配置されるため、第1搬送ベルト上のウエブの先端部を第2搬送ベルトに吸着し易くすることができる。

(2)本発明に係るシート製造装置において、 前記ウエブの搬送方向において前記第1搬送部よりも下流側で、前記第2搬送部の前記ウエブを吸引する面と対向して離間し前記吸引力の及ぼす位置で、前記面から前記ウエブの厚みよりも離れた位置に補助部材を有してもよい。

このようなシート製造装置では、第1搬送部よりも下流側で第2搬送部の吸引力が及ぶ位置に補助部材を設けることで、当該補助部材が設けられる区間の吸気量が減少し、吸引室と対向する区間における第1搬送ベルト上のウエブにかかる静圧が上がるため、第1搬送ベルト上のウエブの先端部を第2搬送ベルトに吸着し易くすることができる。

(3)本発明に係るシート製造装置において、 前記補助部材を、前記ウエブの表面に沿い前記ウエブの搬送方向に直交する方向において前記吸引室より大きくしてもよい。

このようなシート製造装置では、補助部材が設けられる区間の吸気量の減少量が大きくなるため、第1搬送ベルト上のウエブの先端部を第2搬送ベルトに吸着し易くすることができる。また、ウエブの搬送中に装置が停止し吸引力が無くなる場合でも、第2搬送ベルトから剥離したウエブを補助部材によって受け止めることができる。

(4)本発明に係るシート製造装置において、 前記吸引室は、前記第1搬送部と対向する面に複数の孔を有し、 前記孔は、前記ウエブの搬送方向において上流側の孔の大きさが下流側の孔の大きさよりも大きくてもよい。

このようなシート製造装置では、吸引室の第1搬送部と対向する面に複数の孔を設け、上流側の孔の大きさを下流側の孔の大きさよりも大きくすることで、下流側の吸気量が減少し、上流側における第1搬送ベルト上のウエブにかかる静圧が上がるため、第1搬送ベルト上のウエブの先端部を第2搬送ベルトに吸着し易くすることができる。

(5)本発明に係るシート製造装置において、 前記吸引室は、前記ウエブの搬送方向において複数の吸引領域に分かれており、 前記吸引領域は、個別に吸引を制御可能であり、 前記ウエブを搬送し始めるときは、前記ウエブの搬送方向においてより上流側の吸引領域がより下流側の吸引領域よりも先に吸引し始めてもよい。

このようなシート製造装置では、吸引室を複数の吸引領域に分け、ウエブを搬送し始めるときに上流側の吸引領域を先に吸引し始めるように制御することで、ウエブを搬送し始めるときのウエブの先端部を第2搬送ベルトに確実に吸着させることができる。

(6)本発明に係るシート製造装置において、 前記複数の吸引領域のそれぞれに複数の前記吸引部が接続され、 前記ウエブを搬送し始めるときは、前記ウエブの搬送方向においてより上流側の吸引領域に対応する前記吸引部がより下流側の吸引領域に対応する前記吸引部よりも先に吸引し始めてもよい。

このようなシート製造装置では、複数の吸引領域のそれぞれに複数の吸引部を接続し、ウエブを搬送し始めるときに上流側の吸引領域に対応する吸引部が先に吸引し始めるように制御することで、ウエブを搬送し始めるときのウエブの先端部を第2搬送ベルトに確実に吸着させることができる。

本実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図。

第2搬送装置を模式的に示す斜視図。

第1搬送装置と第2搬送装置を模式的に示す図。

第1搬送装置と第2搬送装置を模式的に示す図。

整流板を模式的に示す図。

第1搬送装置と第2搬送装置を模式的に示す図。

第2搬送装置を模式的に示す斜視図。

第2搬送装置を模式的に示す斜視図。

以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。

1.構成 図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。図1に示すように、シート製造装置100は、粗砕部10と、解繊部20と、分級部63と、混合部30と、ほぐし部70と、堆積部75と、第1搬送部79と、第2搬送部40と、加圧部50と、加熱部52と、切断部90と、を含む。

粗砕部10は、パルプシートや投入された紙(例えばA4サイズの古紙)などの原料を、空気中で裁断(粗砕)して細片にする。細片の形状や大きさは、特に限定されないが、例えば、数cmの細片である。図示の例では、粗砕部10は、粗砕刃11を有し、粗砕刃11によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部10には、原料を連続的に投入するための自動投入部(図示せず)が設けられていてもよい。

粗砕部10によって裁断された細片は、ホッパー15で受けてから管81を介して、解繊部20へ搬送される。管81は、解繊部20の導入口21と連通している。

解繊部20は、細片(被解繊物)を解繊処理する。解繊部20は、細片を解繊処理することにより、繊維状に解きほぐされた繊維を生成する。

ここで、「解繊処理」とは、複数の繊維が結着されてなる細片を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナー、にじみ防止材等のインク粒を含んでいる場合もある。この後の記載において、「解繊物」は解繊部20を通過したものの少なくとも一部であり、解繊部20を通過した後に添加されたものが混ざっていてもよい。

解繊部20は、細片に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止材等のインク粒を繊維から分離させる。樹脂粒及びインク粒は、解繊物とともに、排出口22から排出される。解繊部20は、回転刃によって、導入口21から導入された細片を、解繊処理する。解繊部20は、空気中において乾式で解繊を行う。

解繊部20は、気流を発生させる機構を有していることが好ましい。この場合、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口21から、細片を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口22へと搬送することができる。排出口22から排出された解繊物は、管82を介して、分級部63に導入される。なお、気流発生機構を有していない解繊部20を用いる場合には、細片を導入口21に導く気流を発生する機構を、外付けで設けてもよい。

分級部63は、解繊物から、樹脂粒、インク粒を分離して除去する。分級部63としては、気流式分級機を用いる。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、遠心力と分級されるもののサイズや密度によって分離するものであり、気流の速度及び遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部63としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特にサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部63として好適に用いることができる。以下では、分級部63として、サイクロンを用いた場合について説明する。

分級部63は、少なくとも導入口64と、下部に設けられている下部排出口67と、上部に設けられている上部排出口68と、を有している。分級部63において、導入口64から導入された解繊物をのせた気流は、円周運動させられ、これにより、導入された解繊物には、遠心力がかかって、繊維物(解きほぐされた繊維)と、繊維物より小さく密度の低い廃棄物(樹脂粒、インク粒)と、に分離される。繊維物は、下部排出口67から排出され、管86を通ってほぐし部70の導入口71に導入される。一方、廃棄物は、上部排出口68から管84を通って分級部63の外部に排出される。

なお、分級部63により繊維物と廃棄物に分離すると記載したが、正確に分離できる訳ではない。繊維物のうち比較的小さいものや密度の低いものは廃棄物とともに外部に排出される場合がある。また、廃棄物のうち比較的密度の高いものや繊維物に絡まってしまったものは繊維物とともにほぐし部70へ導入される場合もある。本願では、下部排出口67から排出されるもの(長い繊維を含む割合が廃棄物より多いもの)を「繊維物」といい、上部排出口68から排出されるもの(長い繊維を含む割合が繊維物より少ないもの)を「廃棄物」という。なお、原料が古紙でなくパルプシートのような場合には、廃棄物に相当するものが含まれていないため、シート製造装置100の構成として分級部63を省略してもよい。

管86には、繊維同士を結着させる樹脂が供給されるための供給口87が設けられている。樹脂供給部88は、供給口87から管86に空気中で樹脂を供給する。すなわち、樹脂供給部88は、繊維物が分級部63からほぐし部70に向かう経路に、樹脂を供給する。樹脂供給部88としては、管86に樹脂を供給することができれば特に限定されないが、スクリューフィーダー、サークルフィーダーなどを用いる。樹脂供給部88から供給される樹脂は、複数の繊維を結着させるための樹脂である。樹脂が管86に供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。樹脂供給部88から供給される樹脂の量は、製造されるシートの種類に応じて適切に設定される。なお、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止材を供給してもよい。なお、シート製造装置100の構成として樹脂供給部88を省略してもよい。

樹脂供給部88から供給された樹脂は、管86内に設けられた混合部30によって、分級部63で分級された繊維物と混合される。混合部30は、繊維物と樹脂とを、混合させながら、ほぐし部70に搬送する。

ほぐし部70は、絡み合った通過物をほぐす。さらに、ほぐし部70は、樹脂供給部88から供給される樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。また、ほぐし部70は、後述する堆積部75に、繊維物や樹脂を均一に堆積する。つまり、「ほぐす」という言葉は、絡み合ったものをバラバラにする作用や均一に堆積させる作用を含むものである。なお、絡み合ったものが無ければ均一に堆積させる作用となる。ほぐし部70としては、篩を用いる。ほぐし部70は、モーター(図示せず)によって網部が回転する回転式の篩である。ここで、ほぐし部70として用いられる「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ほぐし部70として用いられる「篩」とは、複数の開口を有する網部を備えたもの、という意味であり、ほぐし部70は、ほぐし部70に導入された繊維物および樹脂の全てを、開口から外部に排出してもよい。なお、シート製造装置100の構成としてほぐし部70を省略してもよい。

ほぐし部70が回転している状態で、繊維物と樹脂との混合物は、導入口71から円筒状の網部からなるほぐし部70の内部に導入される。ほぐし部70に導入された混合物は、遠心力によって網部側に移動する。上記のように、ほぐし部70に導入される混合物は、絡み合った繊維や樹脂を含んでいる場合があり、絡み合った繊維や樹脂は、回転している網部によって空気中でほぐされる。そして、ほぐされた繊維や樹脂は、開口を通過する。

ほぐし部70の開口を通過した繊維物および樹脂は、堆積部75に堆積される。堆積部75は、ほぐし部70の下方に位置し、ほぐし部70の開口を通過した繊維物および樹脂を第1搬送ベルト76の上に堆積させてウエブW(堆積物)を形成する。

第1搬送部79は、第1搬送ベルト76と、張架ローラー77とを有し、ウエブWを搬送する。第1搬送ベルト76は、張架ローラー77によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルトである。第1搬送ベルト76は、張架ローラー77が自転することによって移動する(周回する)。第1搬送ベルト76が連続的に移動しながら、ほぐし部70から解繊物および樹脂が連続的に降り積もることにより、第1搬送ベルト76上に厚さの均一なウエブWが形成される。

ほぐし部70の下方には、第1搬送ベルト76(堆積部75)を介して、堆積物を下方から吸引するサクション装置78が設けられている。サクション装置78は、鉛直下方に向けた気流(ほぐし部70から堆積部75に向く気流)を発生させる。これにより、空気中に分散させた繊維物および樹脂を吸引することができ、ほぐし部70からの排出速度を大きくすることができる。その結果、シート製造装置100の生産性を高くすることができる。また、サクション装置78によって、繊維物および樹脂の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に繊維物や樹脂が絡み合うことを防ぐことができる。

第2搬送部40は、第1搬送ベルト76上に形成され第1搬送部79によって搬送されたウエブWを加圧部50に向けて搬送する。第2搬送部40は、鉛直上方(ウエブWが第1搬送ベルト76から離間する方向)にウエブWを吸引しながらウエブWを搬送する。また、第2搬送部40は、第1搬送部79(第1搬送ベルト76)から鉛直上方(ウエブWの表面に対して垂直な方向)に離間して配置され、且つ、ウエブWの搬送方向において第1搬送部79(第1搬送ベルト76)と一部が下流側にずれて配置されている。第2搬送部40の搬送区間は、第1搬送部79の下流側の張架ローラー77aから加圧部50までの区間となる。第2搬送部40の搬送区間には、ウエブWをガイドする補助部材60が配置されている。補助部材60の詳細については後述する。

第2搬送部40は、第2搬送ベルト41と、張架ローラー42と、吸引室43と、吸引部(図2参照)とを有する。第2搬送ベルト41は、張架ローラー42によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルトである。

吸引室43は、第2搬送ベルト41の内側に位置し、気流(吸引力)を発生させる吸引部により内部空間を吸引されて、第2搬送ベルト41にウエブWを吸着する。すなわち、吸引部と吸引室43は、第1搬送ベルト76に対して鉛直上方に向けた気流を発生させ、これによりウエブWを上方から吸引し、第2搬送ベルト41にウエブWを吸着する。第2搬送ベルト41は、張架ローラー42が自転することによって移動(周回)し、ウエブWを搬送する。張架ローラー42は、第2搬送ベルト41が第1搬送ベルト76と同速度で移動するように自転する。第1搬送ベルト76と第2搬送ベルト41の速度に差があると、ウエブWが引っ張られて破断したり座屈したりすることを、同速度にすることで防止できる。

吸引室43は、上方から見て、第1搬送ベルト76と一部が重なり(吸引室43の一部と第1搬送ベルト76は対向している)、また、サクション装置78と重ならない下流側の位置に配置されるため、第1搬送ベルト76上のウエブWは、吸引室43と対向する位置において第1搬送ベルト76から剥離して第2搬送ベルト41に吸着する。

加圧部50は、一対の加圧ローラーで構成され、第2搬送部40により搬送されたウエブWをローラーにより挟み込んで加圧する。加熱部52は、加圧部50の下流側に配置され、一対の加熱ローラーで構成され、ローラーによりウエブWを挟み込んで加熱及び加圧する。繊維物および樹脂が堆積した堆積物であるウエブWは、加圧部50と加熱部52を通過することによって加熱および加圧される。加熱により、樹脂は、結着剤として機能して繊維同士を結着させ、加圧により薄くし、さらに表面を平滑化し、シートPが成形される。

加熱部52の下流側には、シートPを切断する切断部90として、シートPの搬送方向と交差する方向にシートPを切断する第1切断部90aと、シートPの搬送方向に沿ってシートPを切断する第2切断部90bが配置されている。第1切断部90aは、カッターを備え、連続状のシートPを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。第2切断部90bは、カッターを備え、シートPの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断する。これにより、所望するサイズのシートが形成される。切断されたシートPはスタッカー95等に積載される。なお、シートPを切断せずに、連続状のまま巻き取りローラーによって巻き取るように構成してもよい。以上により、シートPを製造することができる。

図2は、第2搬送部40を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、第2搬送ベルト41の内側に配置された吸引室43は、上面と当該上面に接する4つの側面とを有する中空の箱型形状をしており、底面(下方の第2搬送ベルト41と対向する面)が開口している。

吸引室43の4つの側面のうち2つの側面は、第2搬送ベルト41と対向している。第2搬送ベルト41と対向しない2つの側面の少なくとも一方には、管45が連通する開口49が設けられている。吸引部44(ブロア)と吸引室43は管45を介して接続されている。吸引室43内の空気は、管45を介して吸引部44に向けて吸引され、吸引室43の底面から空気が流れ込む。これにより上方(図中+Y軸方向)に向けた気流を発生させ、ウエブWを上方から吸引する(ウエブWを第2搬送ベルト41に吸着する)ことができる。なお、図2に示す例では、吸引室43の一部の側面の端部が張架ローラー42に接触しているため、当該端部にブラシ状のシール材を設けている。これにより、当該端部と張架ローラー42の間から空気が流れ込むことを抑制している。また、これにより、ウエブWの搬送方向において、吸引する区間を長くできる。

2.本実施形態の手法 次に、本実施形態の手法について図面を用いて説明する。

2−1.第1の手法 図3は、第1搬送部79と第2搬送部40を模式的に示す図である。

上述したように、ウエブWは、移動している第1搬送ベルト76に繊維物および樹脂が連続的に降り積もることで形成されるため、ウエブの先端部WTは薄く成形される。ウエブの薄い部分は、ウエブを通しての吸気が大きくなるため、当該部分を吸引しても十分に静圧がかからない。そのため、ウエブの先端部WTが、第1搬送ベルト76と吸引室43が対向する区間に到達しても、当該ウエブの先端部WTは、第2搬送ベルト41に吸着され難い。また、ウエブの先端部WTは、剛性が小さいため張架ローラー77a付近での曲率剥離が難しく、第1搬送ベルト76から剥離し難い。

更に、第2搬送部40の搬送区間(張架ローラー77aから加圧部50までの区間)に補助部材60を設けない場合を考えると、吸引室43の吸引力は、第2搬送部40の搬送区間で大きく、吸引室43と第1搬送ベルト76が対向する区間(以下、対向区間という)で小さくなる。これは、第2搬送部40の搬送区間では、対向区間よりも吸気の際の抵抗が少なく吸気し易いため、第2搬送部40の区間から多く吸気するためである。そのため、対向区間では、第1搬送ベルト76からウエブWを剥離するための静圧が不足し、ウエブの先端部WT-を第2搬送ベルト41に吸着し難い。

そこで、本実施形態のシート製造装置100では、第2搬送部40の搬送区間に補助部材60を設けて、当該搬送区間での吸気量を減少させる(圧力損失を大きくする)ことで、対向区間でのウエブWに係る静圧を上昇させる(対向区間での吸引力を大きくする)。これによって、対向区間において、ウエブの先端部WTを、第1搬送ベルト76から剥離し易くするとともに、第2搬送ベルト41に吸着し易くすることができる。また、第2搬送部40の搬送区間に補助部材60を設けることで、ウエブWの搬送中に装置が停止し第2搬送部40の吸引力が無くなる場合でも、第2搬送ベルト41から剥離したウエブWを補助部材60によって受け止める(搬送区間でのウエブWの落下を防止する)ことができる。補助部材60は、平板状で、孔などの開口がない。また、補助部材60の第2搬送ベルト41と対向する面には突部がないことが望ましい。

なお、補助部材60の、ウエブWの搬送方向(図中X軸方向)における位置は、第1搬送部79よりも下流側の位置であって、吸引室43と対向する位置であればよい。また、補助部材60の、ウエブWの表面と直交する方向(図中Y軸方向)における位置は、下方の第2搬送ベルトの搬送面41a(第2搬送部40のウエブWを吸引し搬送する面)から下方に離間し且つ吸引室43の吸引力が及ぶ位置であって、第2搬送ベルトの搬送面41aからウエブWの厚みよりも離れた位置であればよい。

また、搬送区間における吸気量の減少量を大きくするために、補助部材60は、ウエブWの表面に沿いウエブWの搬送方向に直交する方向(図中Z軸方向)において吸引室43よりも大きいことが好ましい。また、補助部材60の、ウエブWの搬送方向における下流端は、吸引室43の下流端と対向する位置まで延びていることが好ましい。

2−2.第2の手法 図4に示すように、吸引室43内に整流板46を設けることで、第2搬送部40の搬送区間での吸気量を減少させてもよい。

整流板46は、表面に複数の孔を有する板形状をしており、吸引室43内において、下方の第2搬送ベルトの搬送面41aと開口49の間の位置に、且つ、孔を有する面が第2搬送ベルトの搬送面41aの面と略平行になるように配置される。また、整流板46の端部は吸引室43の側面に接触している。また、整流板46では、ウエブの搬送方向において、上流側(図中−X軸方向側)の孔の大きさが下流側(図中+X軸方向)の孔の大きさよりも大きくなっている。

図5は、整流板46の一例を示す模式図である。図5に示す整流板46では、複数の円形の孔47が設けられており、搬送方向CDの上流側の孔47の径が搬送方向CDの下流側の孔47の径よりも大きくなっている。なお、図5に示す例では、搬送方向CDでの孔47のピッチL(搬送方向CDにおいて隣り合う孔47の中心間距離)を一定としているが、上流側の孔47のピッチLを下流側の孔47のピッチLよりも小さくしてもよい。また、孔47の形状は、円形に限られず、矩形や多角形でもよく、スリット状としてもよい。

このように、吸引室43内に整流板46を設け、整流板46の表面において、上流側の孔47の大きさを下流側の孔47の大きさよりも大きくするように構成しても、補助部材60を設けた場合と同様に、第2搬送部40の搬送区間(下流側)での吸気量を減少させ、対向区間(上流側)でのウエブWに係る静圧を上昇させることができ、これにより、対向区間において、ウエブの先端部WTを、第1搬送ベルト76から剥離し易く且つ第2搬送ベルト41に吸着し易くすることができる。

2−3.第3の手法 図6に示すように、吸引室43を、ウエブWの搬送方向において複数の吸引領域に分け、複数の吸引領域のそれぞれの吸引を個別に制御可能に構成し、ウエブWを搬送し始めるときに、ウエブWの搬送方向においてより上流側の吸引領域が先に吸引し始めるように制御してもよい。

図6に示す例では、吸引室43は、吸引室43内に設けられた隔壁48によって、上流側の第1吸引領域43aと、下流側の第2吸引領域43bとに分けられている。第1吸引領域43aは、第1搬送ベルト76に対向(対向区間に対応)し、第2吸引領域43bは、第2搬送部40の搬送区間に対応している。この場合、ウエブWの搬送開始後、ウエブの先端部WTが対向区間の上流端に到達したときに(或いは、ウエブWの搬送開始当初から)、第1吸引領域43aが吸引を開始し、ウエブの先端部WTが対向区間を通過して第2搬送部40の搬送区間の上流端に到達したとき(或いは、その直前)に、第2吸引領域43bが吸引を開始する。なお、第2吸引領域43bが吸引を開始するとき第1吸引領域43aの吸引は継続している。ウエブの先端部WTの位置は、例えば第1搬送ベルト76の上方に設けたセンサーにより検出し、検出した位置に基づいて、ウエブの先端部WTが対向区間や搬送区間に達したことを検出することができる。

図7は、図6の第2搬送部40を模式的に示す斜視図である。図7に示す例では、第1吸引領域43aと第2吸引領域43bのそれぞれに吸引部44(44a、44b)が接続されている。第1吸引領域43aの側面には、管45aが連通する開口49aが設けられ、第2吸引領域43bの側面には、管45bが連通する開口49bが設けられている。吸引部44aと第1吸引領域43aは管45aを介して接続され、吸引部44bと第2吸引領域43bは管45bを介して接続されている。この場合、ウエブWを搬送し始めるときに、まず、吸引部44aの吸引動作を開始することで第1吸引領域43aの吸引を開始し、次に、吸引部44bの吸引動作を開始することで第2吸引領域43bの吸引を開始する。

このように、吸引室43を複数の吸引領域に分け、ウエブWを搬送し始めるときに、対向区間に対向する(上流側の)第1吸引領域43aを下流側の吸引領域よりも先に吸引し始めることで、第2搬送部40の搬送区間での吸気量に関わらず、対向区間において、ウエブの先端部WTを、確実に第1搬送ベルト76から剥離し且つ第2搬送ベルト41に吸着することができる。また、吸引室43を複数の吸引領域に分け吸引部44を複数有することで、第1吸引領域43aの吸引が確保されるため、第2吸引領域43bを同時に吸引していても問題はない。

なお、図8に示すように、1つの吸引部44によって第1吸引領域43aと第2吸引領域43bの吸引を行うように構成してもよい。図8に示す例では、管45aと管45bは吸引部44に接続されている。また、管45bには図示しない電磁バルブが設けられ、管45を開閉可能に構成している。この場合、ウエブWを搬送し始めるときに、管45bを閉じた状態で吸引部44の吸引動作を開始することで第1吸引領域43aの吸引を開始し、次に、管45bを開くことで第2吸引領域43bの吸引を開始する。このようにすると、管45bを閉じた状態での第1吸引領域43aの吸引力(搬送開始当初の吸引力)を、管45bを開いた状態での第1吸引領域43aの吸引力の2倍とすることができ、ウエブの先端部WTを確実に吸着することができる。

3.変形例 本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

第2の手法、第3の手法においては、補助部材60を用いていないが、補助部材60を備えてもよい。補助部材60は、例えば、装置を急に停止するような場合に、吸引部44を停止したときに、ウエブWが下に落ちてしまうのを受け止めることができる。その他、各手法や各図を組み合わせてもよい。

なお、シート製造装置100によって製造されるシートは、シート状にしたものを主に指す。しかしシート状のものに限定されず、ボード状、ウエブ状であってもよい。本明細書におけるシートは、紙と不織布に分けられる。紙は、パルプや古紙を原料とし薄いシート状に成形した態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、一般的な不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。なお、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。

また、堆積部75に堆積された堆積物に、分を噴霧添加するための水分噴霧器が設けられていてもよい。これにより、シートPを成形した際の水素結合の強度を高くすることができる。水分の噴霧添加は、加熱部52を通過する前の堆積物に対して行われる。水分噴霧器で噴霧する水分には、澱粉やPVA(ポリビニルアルコール)等が添加されていてもよい。これにより、さらにシートPの強度を高くすることができる。

シート製造装置100には、粗砕部10は無くても良い。例えば、既存のシュレッダーなどで粗砕したものを原料とするなら粗砕部10は不要となる。

また、上記実施形態では、乾式のシート製造装置に適用した場合について説明したが、本発明を湿式のシート製造装置に適用してもよい。

10 粗砕部、11 粗砕刃、15 ホッパー、20 解繊部、21 導入口、22 排出口、30 混合部、40 第2搬送部、41 第2搬送ベルト、42 張架ローラー、43 吸引室、43a 第1吸引領域、43b 第2吸引領域、44 吸引部、45 管、46 整流板、47 孔、48 隔壁、49 開口、50 加圧部、52 加熱部、60 補助部材、63 分級部、64 導入口、67 下部排出口、68 上部排出口、70 ほぐし部、71 導入口、75 堆積部、76 第1搬送ベルト、77 張架ローラー、78 サクション装置、79 第1搬送部、81,82,84,86 管、87 供給口、88 樹脂供給部、90 切断部、95 スタッカー、100 シート製造装置

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