Method and apparatus for removing water by press from the paper web or paperboard web

申请号 JP51398697 申请日 1996-09-20 公开(公告)号 JP3319761B2 公开(公告)日 2002-09-03
申请人 メトソ ペーパ、 インコーポレイテッド; 发明人 ヘイッキ カアサライネン、; ユハ キンヌネン、; ニルス ソデルホルム、; ヨルマ ラアポッティ、;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】紙ウエブもしくは板紙ウエブから水を除去し、該ウエブを閉鎖ドローとしてウエブフォーマのフォーミングワイヤからプレス部へ送り、さらに該プレス部における1つ、もしくはいくつかの脱水プレスニップを通過させ、前記フォーミングワイヤに乗って走行するウエブは、該フォーミングワイヤとともに第1の前プレス領域へ送られる方法において、 前記第1の前プレス領域は、前記フォーミングワイヤのループの内側に配される中空面付きプレスロールもしくはサクションロールと、トランスファベルトループの内側に取り付けられた平滑シリンダ面を設けたプレスロールもしくはそれと同等のエクステンデッドニップロールもしくはプレスシューとの間に形成され、 前記第1の前プレス領域には、実質的に水に対して浸透性のない前記トランスファベルトも通し、該トランスファベルトの外面に対して前記ウエブを前記第1の前プレス領域において付着させ、該第1の前プレス領域の後では、該ウエブは、前記ワイヤから実質的に直後に分離されて、前記トランスファベルトに支持されて前記プレス部における次のプレスファブリック上へ、および/または次のプレスニップの中へ移送されることを特徴とする紙ウエブもしくは板紙ウエブから水を除去する方法。
  • 【請求項2】請求の範囲第1項記載の方法において、前記第1の前プレス領域では、かなりの量の水が前記ウエブから主に1方向だけに除去され、同時に該ウエブは、
    前記トランスファベルトのループの外面に対して確実に付着されることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項3】請求の範囲第2項記載の方法において、前記ウエブの乾燥固形残量が約2〜12パーセント単位で増加する程度に水が前記ウエブから除去されることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項4】請求の範囲第1項記載の方法において、前記フォーミングワイヤ上にはウエブ付着ニップが配設されて、比較的低い管路圧力が用いられ、該圧力は、15〜
    40kN/mの範囲で選択され、前記付着ニップにトランスファベルトが通され、それに乗って前記紙ウエブが前記ウエブフォーマ部の後に配されている別の第2の前プレス領域の中へ移送され、該第2の前プレス領域を浸透性の前プレスワイヤが下部ファブリックとして通り抜け、前記第2の前プレス領域の後、前記ウエブは、前記トランスファベルトに乗って、前記プレス部における次のプレスファブリック上へ移送されることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項5】紙ウエブもしくは板紙ウエブから水を除去し、該ウエブを閉鎖ドローとしてウエブフォーマのトランスファワイヤからプレス部へ送り、さらに該プレス部における1つ、もしくはいくつかの脱水プレスニップを通過させ、前記トランスファワイヤに乗って走行するウエブは、該トランスファワイヤとともに第1の前プレス領域へ送られる方法において、 前記ウエブは、ピックアップロールのサクション領域、
    もしくはそれの等価物上でフォーミングワイヤから、比較的開放され浸透性のファブリック構造の前記トランスファワイヤ上へ移送され、前記ウエブは、該ワイヤの下面に乗って前記第1の前プレス領域自体の中へ送り込まれ、該領域を下から、実質的に水に対して浸透性のないトランスファベルトが通り抜け、 前記第1の前プレス領域の上部ロールはホースロールであり、該ロールには圧力負荷式プレスシューがあり、下部ロールは平滑面付きもしくは中空面付きプレスロールであり、 該トランスファベルトの外面に対して前記ウエブを前記第1の前プレス領域において付着させ、 該第1の前プレス領域の後では、該ウエブは、前記トランスファワイヤから実質的に直後に分離されて、 前記紙ウエブは、前記トランスファベルトに乗って閉鎖ドローとして次のプレスニップ内の上部プレスファブリック上へ送られることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項6】請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の方法において、前記トランスファベルト上では前記ウエブは、前記プレス部内の前記第1の前プレス領域の後に配されている第1のプレス領域の中へ直接送り込まれ、該プレス領域の中を、前記トランスファベルトの他に、さらに実質的に水に対して浸透性があるプレスファブリックが通されて、前記第1のプレス領域自体における脱水が主に該第1の水に対して浸透性があるプレスファブリックの中へ行なわれることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項7】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記載の方法において、第1のプレス領域自体の後、前記ウエブは、前記トランスファベルトに乗って、次の脱水プレス領域のプレスファブリック上へ移送されることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項8】請求の範囲第1項ないし第7項のいずれかに記載の方法において、前記フォーミングワイヤに対して、前記第1の前プレス領域の前に連続して第3の前プレス領域が配設され、それらの2つの領域のうちの少なくとも後方の領域に前記トランスファベルトが通されて、少なくとも該後方の前プレス領域では脱水が唯一、
    もしくは主にフォーミングワイヤを通して1方向に行なわれ、前記後方の前プレス領域の後、前記ウエブは、実質的に直後に該フォーミングワイヤから分離され、前記トランスファベルトに乗って閉鎖ドローとして前記プレス部における次のプレス領域の中へ、もしくは該領域へ入り込むプレスファブリック上へ移送されることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項9】請求の範囲第8項記載の方法において、前記ウエブは、前記フォーミングワイヤに乗って、先ず前記第3の前プレス領域へ送り込まれ、その中を、該フォーミングワイヤの他に、さらに前プレスワイヤも通され、その後、前記領域で前プレスされたウエブがフォーミングワイヤに乗って次の後方の前記第1の前プレス領域へ送り込まれることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項10】請求の範囲第8項記載の方法において、
    前記フォーミングワイヤ上で成形された紙ウエブは、上部平滑面付きプレスロールと下部開放面付きプレスロールとの間に形成されている前記第3の前プレス領域へ送り込まれ、前記第1の前プレス領域も前記後者のロールに対して形成されて、該第1の前プレス領域の中を前記トランスファベルトが通されることを特徴とする方法。
  • 【請求項11】請求の範囲第8項記載の方法において、
    前記フォーミングワイヤのループの内側には開放面付きのプレスロールが取り付けられ、それに対して前記2つの前プレス領域が形成され、前記トランスファベルトが前記両方の前プレス領域を通されることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項12】請求の範囲第1項ないし第11項のいずれかに記載の方法において、前記トランスファベルトは、
    前記第1の前プレス領域の手前で前記フォーミングワイヤのワイヤサクションロールのサクション領域を越えて送られ、前記トランスファベルトの締付け張力Tによって締付け張力P=T/R[R=ワイヤサクションロールの半径]が前記サクション扇形部に生成され、該ワイヤサクションロールに対して前記第1の前プレス領域がバックアップロールによって形成されることを特徴とする水を除去する方法。
  • 【請求項13】多数の連続するプレス領域を含み、紙ウエブが該プレス領域のうちの第1のものへ抄紙機のフォーミングワイヤから閉鎖ドローとして移入され、該被プレス紙ウエブは、プレス部内の様々な領域の間を支持閉鎖ドローとして移送され、該紙ウエブは、前記プレス領域のうちの最後のプレス領域の後、前記抄紙機の乾燥部へ閉鎖ドローとして移送され、板紙ウエブは閉鎖ドローとして、もしくは開放ドローとして移送され、第1の前プレス領域を含み、前記フォーミングワイヤがそれで支持している紙ウエブとともに前記第1の前プレス領域を通り抜ける抄紙機もしくは板紙抄紙機におけるプレス部において、 前記第1の前プレス領域は、前記フォーミングワイヤのループの内側に配される中空面付きプレスロールもしくはサクションロールと、トランスファベルトループの内側に取り付けられた平滑シリンダ面を設けたプレスロールもしくはそれと同等のエクステンデッドニップロールもしくはプレスシューとの間に形成され、 前記トランスファベルトは実質的には水に対して浸透性がなく、その外面が前記紙ウエブに対して付着可能であり、前記トランスファベルトは、前記第1の前プレス領域を通り抜け、該第1の前プレス領域では、前記紙ウエブは、前記トランスファベルトのループの外面に対して付着され、前記領域の後で実質的に直後に前記フォーミングワイヤから実質的にウエブが再び湿ることなく分離され、前記トランスファベルトに乗って、前記ウエブは、閉鎖支持ドローとして該プレス部内の次のプレスファブリック上へ、および/または次のプレス領域の中を通されることを特徴とする抄紙機もしくは板紙抄紙機におけるプレス部。
  • 【請求項14】請求の範囲第13項記載のプレス部において、前記第1の前プレス領域は、前記フォーミングワイヤに対して配設され前記ウエブを実質的にある程度まで脱水するトランスファおよび前プレスニップにより形成され、該ニップでは、前記フォーミングワイヤの方向に該フォーミングワイヤを通して脱水が行なわれるように構成され、前記トランスファベルトは、前記第1の前プレス領域の中を通され、該ベルトに乗ってウエブは、該プレス部内の次のプレスファブリック上へ、および/または次のプレス領域の中へ通されることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項15】請求の範囲第13項または第14項記載のプレス部において、前記フォーミングワイヤに対してエクステンデッドニップ領域が前記第1の前プレス領域として配設され、該エクステンデッドニップ領域は、前記フォーミングワイヤのループの内側に配されている開放面付きロールと、前記トランスファベルトのループの内側に配されているシュープレスとによって形成され、前記紙ウエブは、前記トランスファベルトに乗って次のプレス段階へ運び込まれることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項16】請求の範囲第13項ないし第15項のいずれかに記載のプレス部において、前記第1の前プレス領域の後に、該プレス部は、少なくとも2つのニップ領域を含み、そのうちの少なくとも1つがエクステンデッドニップであることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項17】請求の範囲第13項ないし第16項のいずれかに記載のプレス部において、前記フォーミングワイヤに対して、比較的低い負荷のウエブ付着ニップが配設され、該ニップにおいて、上部ファブリックが前記トランスファベルトであり、該ベルトに乗って前記紙ウエブがフォーマ部から離れた第2の前プレス領域へ送り込まれ、該領域では下部ファブリックが、比較的開放された浸透性のファブリック構造の前プレスワイヤであり、前記第2の前プレス領域の後、該ウエブは、前記トランスファベルトに乗って次のプレス領域の下部プレスファブリック上へ送られることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項18】多数の連続するプレス領域を含み、紙ウエブが該プレス領域のうちの第1のものへ抄紙機のフォーミングワイヤから閉鎖ドローとして移入され、該被プレス紙ウエブは、プレス部内の様々な領域の間を支持閉鎖ドローとして移送され、該紙ウエブは、前記プレス領域のうちの最後のプレス領域の後、前記抄紙機の乾燥部へ閉鎖ドローとして移送され、板紙ウエブは閉鎖ドローとして、もしくは開放ドローとして移送され、第1の前プレス領域を含み、前プレスワイヤがそれで支持している紙ウエブとともに前記第1の前プレス領域を通り抜ける抄紙機もしくは板紙抄紙機におけるプレス部において、 前記紙ウエブは、前記フォーミングワイヤからピックアップサクションロールのサクション領域上で前記前プレスワイヤ上へ送られ、 該前プレスワイヤに乗って該ウエブは、フォーマ部から離れた前記第1の前プレス領域へ移入され、該領域では下部ファブリックがトランスファベルトであり、 前記第1の前プレス領域の上部ロールはホースロールであり、該ロールには圧力負荷式プレスシューがあり、下部ロールは平滑面付きもしくは中空面付きプレスロールであり、 前記トランスファベルトは実質的には水に対して浸透性がなく、その外面が前記紙ウエブに対して付着可能であり、 前記トランスファベルトは、前記第1の前プレス領域を通り抜け、 該第1の前プレス領域では、前記紙ウエブは、前記トランスファベルトのループの外面に対して付着され、前記領域の後で実質的に直後に前記前プレスワイヤから実質的にウエブが再び湿ることなく分離され、 前記トランスファベルトに乗って該ウエブは、閉鎖ドローとして次のプレス領域の上部プレスファブリック上へ移送されることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項19】請求の範囲第13項ないし第18項のいずれかに記載のプレス部において、前記フォーミングワイヤに対して、前記第1の前プレス領域の前に連続して第3
    の前プレス領域が配設され、前記実質的に水に対して浸透性のないトランスファベルトは、該2つの前プレス領域のうちの少なくとも後方のものを通されることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項20】請求の範囲第19項記載のプレス部において、該プレス部では、前記第3の前プレス領域は前記フォーミングワイヤに対して配され自身の前プレスワイヤが通され、後方の前記第1の前プレス領域は前記フォーミングワイヤに対して配され、前記トランスファベルトが通されることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項21】請求の範囲第19項記載のプレス部において、前記第3の前プレス領域は、前記フォーミングワイヤに対して取り付けられ、該フォーミングワイヤループの内側に配されている開放面付きプレスロールと前記プレスロールに対して前記第1の後方の前プレス領域が後に形成されている上部平滑面付きプレスロールとの間に形成され、前記トランスファベルトは、前記後方の前プレス領域を通り抜けるように配設されていることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項22】請求の範囲第21項記載のプレス部において、前記開放面付きプレスロールはサクションロールであり、そのサクション領域は、実質的に前記第3の前プレス領域の領域だけを越えて延びていることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項23】請求の範囲第13項ないし第22項のいずれかに記載のプレス部において、前記フォーミングワイヤのサクションロールのサクション領域に対して第4の前プレス領域が配設され、該領域は、前記トランスファベルトの締付け張力によって作られ、前記ワイヤサクションロールに対して、前記第4の前プレス領域の後に、前記第1の前プレス領域があり、その後で前記ウエブは、
    前記トランスファベルトに乗って閉鎖ドローとして該プレス部へ送られることを特徴とするプレス部。
  • 【請求項24】請求の範囲第13項ないし第23項のいずれかに記載のプレス部において、前記紙ウエブは、前記第1の前プレス領域およびその次の少なくとも2つのプレス領域を比較的直状通路に沿った閉鎖支持ドローとして通され、該直線通路における方向変更の角度はd<30゜であり、前記紙ウエブは、該プレス部内の最後のプレス領域から該領域の下部もしくは上部ファブリックに乗って前記抄紙機の乾燥部内の第1のシリンダ群の乾燥用ワイヤ上へ送られることを特徴とするプレス部。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 本発明は、紙ウエブもしくは板紙ウエブからを除去し、上記ウエブを閉鎖ドローとしてウエブフォーマのフォーミングワイヤもしくはトランスファワイヤからプレス部へ送り、上記プレス部内の1つ、もしくはいくつかの脱水プレスニップを通過させる方法に関するものである。

    さらに本発明は、抄紙機もしくは板紙抄紙機において、多数の連続したプレス領域プレス領域を有し、紙ウエブが閉鎖ドローとして抄紙機のフォーミングワイヤから上記プレス領域の最初の領域内へ移送され、被プレス紙ウエブが上記プレス部内の様々な領域間で支持閉鎖ドローとして移送され、紙ウエブが上記プレス領域のうちの最後のプレス領域の後に抄紙機の乾燥部へ閉鎖ドローとして移送され、さらに板紙ウエブが閉鎖ドローもしくは開放ドローとして移送されるプレス部に関するものである。

    抄紙機もしくは板紙抄紙機の運転の高速化によって、
    解決すべき新しい問題が生じているが、それらの問題の大部分は機械の走行性に関連している。 現在、抄紙機には、毎分約1600メートルの速度まで用いられている。 これらの速度では、一般に、平滑面付き中央ロールの周囲に配設されたコンパクトな構成の1組のプレスロールを有する、いわゆる閉鎖プレス部は、まだ満足に作動する。 これらのプレス部の例として、本出願人のシム・プレスII(商標)およびシム・プレス0(商標)プレス部を説明する必要がある。

    プレスにより行なわれる脱水は、エネルギー節約の観点から、蒸発による脱水より有利である。 このため、プレスによりウエブから最大の水分量を除去する試みが、
    蒸発により除去される水の量をできる限り少なくするために、行なわれている。 抄紙機および板紙抄紙機の高速化は、しかし、プレスにより行なわれる脱水に関して明らかに未解決の新たな問題を生み出している。 なぜなら、従来技術の手段では、プレスの衝撃を充分に大きくすることができないからであり、とりわけ、高速ではニップ時間が不充分に短いままになり、他方、ピークプレス圧を一定の限度以上にはウエブの構造を破壊せずに大きくすることができないからである。

    抄紙機の高速化に伴い、抄紙機の走行性の問題もかなり重要視されていることは明らかである。 なぜなら、高含水量で低強度のウエブは、過剰に大きく突発的なプレス圧衝撃もしくは高速により生じる動的に耐えられず、稼動中にウエブの破損や他の障害が発生し、停止の原因になるからである。 最近の抄紙機では、停止時間の費用は今日では、時間当たり約50,000フィンランドマルカになる。

    従来技術のワイヤ部およびプレス部の更なる欠点は、
    それらに共通して用いられるサクションロールの吸引エネルギーが必要であることと、サクションロールから発生する騒音の問題とにある。 さらに、穿孔マントルを有するサクションロール、内部サクションボックス、摩耗シールおよび他の吸引装置は、繰返し補修を必要し、大きなエネルギーを消費する高費用の構成部品である。 一例として、6メートル幅の板紙抄紙機の場合、1本のサクションロールの吸引エネルギーの費用は、年間約100
    万フィンランドマルカになると言える。 上述の欠点に加えて、従来技術のサクションロールの効率は、とくに高ウエブ速度ではかなり低い。 なぜなら、吸引がサクションロールの比較的厚いマントル内の長い穿孔を通して、
    思ったようにウエブに対して作用する時間がないからである。

    従来技術のプレス部では一般に、ウエブは、フォーミングワイヤから最初のプレスニップへピックアップフェルトに乗って送られるが、このフェルトは、最初のプレスニップにおいて水が浸透するプレスファイバとして働き、最初のプレスニップは、ロールニップもしくはエクステンデッドニップのいずれかである。 この最初のプレスニップでは、比較的大きなプレス圧を用いることと、
    大量の水を扱うことが必要であり、このことから生じる欠点は、プレスフェルトの外面が汚れ易くなり、その多孔繊維構造が部分的に目詰まりし易くなることである。
    これを防ぐために、効率的なフェルト調湿装置による試みがなされているが、それは、非常に費用がかかり、場所をとり、エネルギーを豊富に消費する構成要素である。

    最近では、毎秒40メートル=毎分2400メートルの高速さえも印刷抄紙機の速度として考えられるようになってきている。 このような高速を用いることは、とくに幅広の機械では、解決のより困難な問題を生じる。 それらの問題のうちの最重要問題は、高ウエブ速度における機械の走行性および適切な脱水能力である。 同様に、板紙抄紙機(ウエブの坪量>平方メートル当たり100グラム)
    では、現在のウエブ速度(毎秒8〜15メートル)を毎秒
    15〜25メートルの水準に増大する試みがなされている。

    従来技術のプレス部で用いられているプレスフェルトの重大な欠点は、ウエブを再び湿らせる作用および汚染の性向にある。 なぜなら、とくに上記プレスフェルトが高圧ニップを通過すると、汚染物質の粒子がプレスファブリックに付着してて固着し易く、そのためプレスファブリックの作動が妨害され、その洗浄に効率的な調湿装置を必要として、かなり大量のエネルギーを消費するからである。

    さらに、高圧プレスニップでは、従来技術の多孔プレスフェルトは大きな摩耗と歪を受けるので、フェルトを比較的高頻度に交換する必要があり、そのため費用がかなりの程度、増加する。

    したがって本発明は、上述の問題の新規な解決策を提供して、上述の従来技術の欠点を解消し、また後に明らかになる欠点を実質的に回避することを目的とする。

    本発明は、紙ウエブから水を高速で、とくに印刷用紙の場合、毎秒約25〜40メートルの速度でプレスによって除去し、生産されるウエブの品質特性を高く保つことができ、ウエブの破損を生じる過剰に大きな動的力がウエブに加わらない方法を提供することを目的とする。 同様に、板紙抄紙機では、本発明により、ウエブ速度を上述の毎秒15〜25メートルの範囲の速度に増大させる試みを行なう。

    本発明は、抄紙機および板紙抄紙機の走行速度を増大させることができることを主たる目的の1つとするが、
    このことは、必ずしも本発明の不可欠な目的ではなく、
    本発明により提供される利点は、必要な場合、現在の通常の速度を用いる抄紙機および板紙抄紙機でも、エネルギーの消費を少なくする形で実現することができ、これは、サクションロールの本数を少なくすること、サクションロールを無くすこと、もしくはプレス部後のウエブの乾燥固形残分を多くすることによって、行なわれる。
    その場合、蒸発により行なわれる脱水の部分を減らすことができると同時に、抄紙機の走行性および稼動効率も高く(ウエブの破損を少なく)することができる。

    本発明は、表面の平滑特性が改良された紙もしくは板紙を生産することができる方法、およびそれに関する方式のプレス部を提供することを、更なる不可欠でない目的とする。

    次に、本発明に最も近い従来技術に関して説明する。

    板紙抄紙機では、それ自身のファブリック循環を設けた前プレス装置が用いられるが、その前プレス装置では、ワイヤ(いわゆるワイヤプレス)の線形負荷は、15
    〜20kN/mの範囲であり、プレスフェルトのそれは、40〜
    50kN/mの範囲である。 ワイヤプレスから、とくに坪量が1平方メートル当たり80グラムより大きい等級紙の場合、作動の経験が得られている。 さらに、ピックアップサクションロールにより作動するいくつかの様々なプレス装置が、例えばクラフト紙を生産する機械に使用されている。 これらのものに関して、および本発明に密接に関連している他の従来技術に関して、本出願人のフィンランド特許出願第905798号、これに対応する欧州特許出願公開公報第0487483号A1、および対応する米国特許第
    5,389,205号を参照する。 上記出願および上記米国特許における第6A図、第6B図および第6C図では、いわゆるワイヤプレスニップの使用が示され、ウエブに関連して設けられたワイヤプレスニップによって、ウエブの乾燥固形残分が約10%から約20%に増加すると思われる。 上記ワイヤニップは、水を2方向に除去するニップであって、2本の対向するプレスファブリックを設けたロールニップ(上記公報の第6A図)、もしくは上部プレスフェルトを設けたエクステンデッドニップ(第6B図)、もしくは上部プレスファブリックを設けたベルト張力ニップ(第6C図)のいずれかを指して言う。 上記ワイヤニップの後、前プレスされたウエブはピックアップ点に送られ、そこでピックアップロールの吸引によって上部ピックアッププレスフェルトの下面へ移されて、エクステンデッドニップもしくはロールニップである次のニップへ送られる。

    上述のワイヤニップ構造と実質的に類似したものは、
    国際特許出願公開公報WO 9429519号(出願人バルメット−テンペラ インコーポレイテッド)にも記載され、従来技術に関してそれを参照する。

    この従来技術のワイヤプレスでは、脱水は、ワイヤニップで2方向に、すなわち、やはり上部プレスファブリックの方へ行なうことが必要であると一般に考えられていた。 これの1つの例外は、ランプブレーカと呼ばれるものからなっている。 ランプブレーカは、抄紙機において従来技術から公知の方法で使用され、またプレスファブリックなしに用いることもできる。 従来技術で公知のように、ランプブレーカは、サクションロールに関連して配設されてワイヤニップを形成し、このワイヤニップは、わずか数パーセント単位でウエブの乾燥固形残分を増加させる。 このロールの主たる機能は、板紙ウエブの上面特性を改善し、ウエブの通紙を容易にすることである。 一般的に、上記ランプブレーカとして、弾性ゴム被覆を設けた平滑ロールが用いられ、その直径は約600〜8
    00mmであり、上記ニップ内の線形負荷は最大で約30kN/m
    である。

    さらに、本発明に関連する従来技術に関して、ベロイト コーポレイションの欧州特許出願公報第0359696号A
    2を参照する。 これには、フォーミングワイヤに関連して配されているロールニップが記載され、ニップには2
    本のプレスフェルトが設けられて、下部プレスフェルトは、下部プレスロールの周囲にフォーミングワイヤのループの内側で取り付けられて、上部プレスサクションロールは上部フェルトループの内側に取り付けられている。 上記の上部プレスサクションロール上で、ウエブはフォーミングワイヤから水に対して浸透性があるプレスフェルトの下面へ移されて、さらに水平走程として最初のエクステンデッドニップへ入り、これを通って上部プレスフェルトは、上記ニップ内でもプレスファブリックとして働きながら走行する。 しかし、上述のプレス部では、たとえ本発明の目的と同様の目的がそこで一部達成されるとしても、プレスサクションロールは、省くこともできず、あるいはウエブを再び湿らすことも、もしくはプレスフェルトの摩耗および汚れの性向もなくすことはできない。 これらの現象は、上記欧州特許公報第0359
    696号に記載のものと同様のプレス部では、とくに重大な欠点であることは、明らかである。

    上述の目的および後に表われる目的を達成するため、
    また上述の問題点を回避するために、本発明による方法は、フォーミングワイヤ上を、もしくはトランスファワイヤ上を走行するウエブをトランスファおよび前プレス領域内で、実質的に水に対して浸透性がないトランスファベルトの外面に付着させることと、上記前プレス領域の後にウエブを実質的に直ちに上記ワイヤから離して、
    上記トランスファベルトループの支持でプレス部における次のプレスファブリック上へ、および/または次のプレスニップの中へ送ることを主たる特徴とする。

    本発明によるプレス部は、プレス部が前プレス領域を含んでいることと、プレス部がトランスファベルトループを含み、このベルトループは、実質的に水に対して浸透性がなく、その外面は紙ウエブに付着することができることと、上記トランスファベルトループが上述の前プレス領域を通過し、もしくは2つの領域のうちの少なくとも後者の領域を通過することと、上記前プレス領域では紙ウエブをトランスファベルトループの外側面に付着させ、上記領域の後に実質的に直ちにフォーミングワイヤもしくはその等価物から、ウエブを実質的に再び湿らせることなく離すことと、上記トランスファベルト上でウエブを閉鎖および支持ドローとして、プレス部内の次のプレスファブリック上へ、および/または次のプレス領域へ送り込むこととを主たる特徴とする。

    本発明では、ウエブのフォーマ部から乾燥部への信頼できる閉鎖移送が、ウエブを再び湿らせる危険なく達成される。 さらに、必要な場合、本発明では、フォーミングワイヤもしくはそれと同等のトランスファワイヤに関連して、1つ、もしくはいくつかの前プレス領域を配し、この領域上でウエブを実質的に水に対して浸透性がないトランスファベルトに対して確実に付着させ、このベルトは実質的に本発明における主要構成要素であり、
    さらに、かなりの量の水を除去し、これによってウエブの乾燥固形残分および湿潤強度を増すことができる。 これによってさらに、プレス部の走行性が改善され、後の脱水の段階が容易になる。

    本発明によるトランスファベルトは、従来の多孔プレスフェルトと同じ程度に、摩耗および汚染の影響を受け易くなく、また本発明によるトランスファベルトは、高圧水噴流もしくはドクタによる洗浄などの効率的な洗浄にも一層、容易に耐える。

    本発明の好適な実施例では、前プレスおよびトランスファ領域において、脱水は1方向に、望ましくは下方に行なわれ、これによって、前プレス領域内で除去される比較的大量の水の処理および更なる排水が増進される。

    本発明の方法およびプレス部によって、生産される紙もしくは板紙の面の平滑特性を改良することができる。
    これは、本発明に従って適用し配設した比較的平滑な面を持つトランスファベルトを適切な工程段階で使用することを一部基本にしている。

    次に、添付図面の各図に示す本発明のいくつかの実施例を参照して、本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例の内容に厳格に限定されることは、決してない。

    第1図は、本発明によるプレス部を利用する抄紙機の湿部、およびその湿部の、乾燥部の開始部との接続の概略側面図である。

    第2図は、印刷用紙および上級紙を主に目的としたプレス部の実施例を示す図である。

    第3図は、とくに厚手の等級紙、および/またはとくに高速機を意図し、ワイヤ前プレス領域の他に3つのエクステンデッドニップ領域があるプレス部を示す図である。

    第4図は、前プレスニップがフォーマ部の後にそのフォーマ部から離れて配されている本発明の実施例を示す図である。

    第5図は、板紙抄紙機のフォーマ部と、そのフォーマに関連して設けられた本発明によるプレス部とを示す図である。

    第6図は、第5図と同様の図であって、板紙抄紙機と、本発明によるその第2のプレス部の図である。

    第7図は、主に板紙に適して、フォーミングワイヤに関連して2つの別個のワイヤ前プレスニップがある本発明によるプレス部を示す図である。

    第8図は、第7図の一部変更であり、2つの別個のワイヤプレスニップを設けた前プレス部の実施例を示す図である。

    第9図は、第5図および第6図に示すものと同様の2
    ニップ型前プレス部を示す図である。

    第10図は、前プレスロールニップおよびその前のベルト張力プレス領域がワイヤサクションロールに関連して設けられた前プレス部を示す図である。

    第11図は、第10図に示すプレス部の変更を示す図である。

    第12図は、シュープレスによって配されたエクステンデッドニップ領域が前プレス領域として用いられる本発明の変更を示す図である。

    第1図ないし第4図は、とくに様々な等級紙を目的とした本発明によるプレス部を示し、第5図ないし第11図は板紙(平方メートル当りの坪量100〜400グラム)を主として意図したプレス部と上記プレス部の内容を示す。
    しかし、第1図ないし第4図に示すプレス部の内容の多くは、板紙で使用するのにも適していて、第5図ないし第11図に示すプレス部は、それらのうちの少なくともいくつかは様々な等級紙で使用するのにも適している。

    第1図は、本発明によるプレス部を利用する抄紙機の全体構造の実施例の概略図である。 第1図は、抄紙機のツインワイヤギャップフォーマを示す。 このフォーマには、下部ワイヤ10および上部ワイヤ15と、パルプ懸濁液噴流を上記ワイヤにより画成されているフォーミングギャップGへ供給する抄紙機のヘッドボックス11とがある。 このフォーミングギャップGは、下部ワイヤ10のブレストロール12と上部ワイヤループ15の内側に配されているフォーミングサクションロール13とによって案内されるワイヤ10、15の走路の間に画成されている。 本実施例では、フォーミングロール13上に配されている曲状ツインワイヤフォーミング領域に、先ずリブ付きデッキを設けたフォーミングシュー14が続き、その後に第2のフォーミングサクションロール16が続き、そのサクション領域16a上でツインワイヤ領域は上方傾斜から下方傾斜へ曲がる。 この後には、下部ワイヤループの内側にサクションボックス17があり、そのうちの最後のボックス(単数もしくは複数)がウエブW 0を上部ワイヤ15から分離させる。 この後、ウエブW 0は下方傾斜走程として下部ワイヤ10に追従して、本発明による前プレス領域PNへ行く。 ツインワイヤ領域の後のウエブW 0の乾燥固形残分は、一般に、k 0 ≒10%のオーダである。 湿潤ワイヤ、すなわち下部フォーミングワイヤ10の他に、上部トランスファベルト20も前プレス領域PNを通り抜け、このベルトは、本発明に従って配設されて、またこのベルトは、実質的に水に対して浸透性がなく、前プレス領域PNで配水が主に下方へフォーミングワイヤ10を通して、すなわち重力の方向に行われる。 これにより、この領域で除去される大量の水の処理、および更なる配水が容易になる。
    さらに、トランスファベルト20の外面が比較的平滑であり、他の点でさえも、ウエブW 1がフォーミングワイヤ10
    から実質的に前プレス領域PNの直後で再び湿ることなく分離され、トランスファベルト20の支持で実質的に直線の下方傾斜走程を走行するという付着特性を備えている。

    前プレス領域PNでは、水は、概して、ウエブの乾燥固形残分△k=k 1 −k 0が△k≒7〜10のパーセント単位で増加する程度まで除去される。 前プレス領域PNに存在する線形負荷は、概して、25〜400kN/mの範囲で、望ましくは40〜250kN/mの範囲で選択される。

    トランスファベルト20から、ウエブW 1はトランスファサクションロール26のサクション領域26a上で下部プレスフェルト25に付着される。 下部フェルト25上でウエブWは、実質的にウエブの脱水を行う最初の前プレスの後に配されているエクステンデッドニップ領域NP 1を通過する。 上部フェルトループ30もエクステンデッドニップ領域NP 1を通過して、エクステンデッドニップNP 1内で脱水がウエブの両面を通して2方向に行なわれる。

    第1図に示すように、エクステンデッドニップNP 1の後で、ウエブW 2は、下部フェルト25からトランスファサクションロール44のサクション領域44a上で上部フェルト40上へ移される。 上部フェルト40の下面上でウエブW 2
    は、第2のエクステンデッドニップ領域NP 2を通過する。 エクステンデッドニップ領域NP 2の後、ウエブW
    3は、平滑面の第2のトランスファベルト35へ付着される。 このベルトは好ましくは、実質的に水に対して浸透性がない。 このウエブは、上記ベルトに乗ってトランスファサクションロール64のサクション領域64a上で乾燥ワイヤ60へ移送される。 この後、ウエブW 4は、その乾燥固形残分がk 4 ≒42〜55%であり、スチーム加熱乾燥用シリンダ61へ送られる。 上列内のこれらの乾燥用シリンダ
    61の間の各ギャップには、逆転サクションシリンダ62があり、それらには真空に曝される中空面62aが設けられている。 第1図から分かるように、ウエブのフォーマ部から乾燥部への走程は非常に直線的にしてあり、その最大の方向変更度は約d<30゜より小さくしてある。 さらに、フォーマ部から乾燥ワイヤ60へ、ウエブは完全閉鎖および支持ドローを有し、これはさらに、ウエブが再び湿るという大きな危険がなく、達成される。

    次に、第1図に全体的に示すワイヤ部の終端部分およびプレス部の構造の様々な実施例および特徴を、第2図ないし第4図を参照して、より詳細に説明する。

    第2図に示すように、前プレス領域PNは、トランスファベルトループ20の内側に取り付けられた平滑シリンダ面21aを設けたプレスロール21、もしくはそれと同等のエクステンデッドニップロールと、下部ロールとの間に形成されている。 上記エクステンデッドニップロールに代わるものを、第2図にロール21の内側に破線で示すプレスシュー24Aによって図示する。 前プレス領域PN内の下部ロールは、フォーミングワイヤ10のループの内側に配され、中空面22a付きプレスロール22である。 このロール22の位置には、例外として、サクションロールを置くこともできる。 第2図における破線は、前プレス領域
    PNの後にガイドロール18aにより案内されるようなフォーミングワイヤの走程10'を示す。 この構造によって、
    ウエブW 1のトランスファベルト20の下面への移転が促進される。 フォーミングワイヤ10の駆動ロールは参照番号
    18で示す。

    第2図に示すように、前プレス領域PNの後の最初のプレス領域はエクステンデッドニップNP 1であり、そのプレス領域を通って2本の水に対して浸透性があるプレスファブリック25および30が走行する。 エクステンデッドニップ領域NP 1内の下部ロールは、プレスシュー33を設けたホースロール32であり、上部ロールは中空面31a付きプレスロール31である。 ロール32のホースマントル32
    aの外面を中空面もしくは平滑にすることができる。 場合によっては、エクステンデッドニップ領域NP 1を同様のロールニップに代えることができる。 エクステンデッドニップ領域NP 1の後で、ウエブW 3は下部ベルト25に追従するように構成されている。 これはサクションボックス27によって保証されている。 サクションボックス27の後のウエブの乾燥固形残分k 2は、代表的にはk 2 ≒32〜47
    %であるのに対して、エクステンデッドニップ領域NP 1
    の手前でのウエブWの乾燥固形残分k 1は、代表的にはk 1
    ≒16〜25%である。

    第2図において、ウエブW 3は、トランスファサクションロール44のサクション領域44a上で下部ファブリック2
    5から離され、この領域44上でウエブは、上部ファブリック40へ移される。 ファブリック40は、上述領域の上部ファブリックとして第2のエクステンデッドニップ領域
    NP 2を通り抜ける。 第2エクステンデッドニップ領域NP 2
    の下部ファブリックは、好ましくは実質的に水に対して浸透性がないトランスファベルト35であり、上記ベルトの表面特性によりウエブW 4は、エクステンデッドニップ領域NP 2の後、上部フェルト40のガイドロール44aの手前で乾燥用ワイヤ60上へ、上記ワイヤ60のループの内側に配されているトランスファサクションロール64のサクション領域64a内に存在する真空によって支援されながら、移転される。 第2のエクステンデッドニップ領域NP
    2の後のウエブW 4の乾燥固形残分k 3は、代表的にはk 3 ≒4
    2〜55%である。 エクステンデッドニップ領域NP 2内の上部ロール42はホースロールであり、その内部には圧力負荷式プレスシュー43があり、下部ロールは平滑面付き、
    もしくは中空面41a付きのプレスロール41である。 このロール41は、必要な場合、可変クラウンロールにすることができる。 エクステンデッドニップ領域NP 2の代わりに、ロールニップを用い、さらに、トランスファベルト
    35の代わりに、水に対して浸透性があるプレスファブリックを用いて、ニップ領域PN 2における脱水を2方向に行なうこともできる。

    第3図に示すプレス部は、次の点で第2図に示すものとは異なる。 すなわち、フォーミングワイヤ10に関連して前プレスニップ自体がなく、ワイヤ10のサクションロール22のサクション領域22bに関連して、小径のプレスロール21により形成されたウエブW 0付着ニップPN 0があり、このニップは、線形負荷が低く、代表的には15〜40
    kN/mの程度であることである。 付着ニップPN 0により、
    そのニップ直後にウエブW 1は、フォーミングワイヤ10から離され、水に対して浸透性がないトランスファベルト
    20に追走し、そのベルト上でウエブW 1が第1の前プレスニップNP本体へ送り込まれる。 前プレスニップPNとしてエクステンデッドニップ領域が用いられるが、その場合、下部ロール32は圧力負荷式プレスシュー33を設けたホースロールになる。 前プレス領域PNでは、下部ファブリックはプレスフェルトに代わる前プレスワイヤ25Wとなって、そのワイヤ25Wは比較的目の荒い浸透性の繊維構造を有し、容易に清浄に保つことができる。 ホースロール32のマントルには望ましくは、溝32aなどの比較的開放された中空面が設けられる。 前プレス領域PN内の上部ロールは中空面31a付きプレスロール31であり、これは、必要な場合、横断方向の圧縮−圧力プロファイルを制御するために、プレスシュー33を設けた可変クラウンロールにすることができる。 前プレス領域NPの後に配されているエクステンデッドニップ領域NP、およびNP 2に関して、その構造は第2図に関連して上述したものと同様である。

    第4図に示す本発明の実施例は、次の点で第3図に示すものは異なる。 すなわち、第4図では、フォーミングワイヤ10自体に関連するワイヤニップは全くなく、サクション領域19aを設けた通常のワイヤサクションロール1
    9の後でウエブW 0がピックアップロール24のサクション領域24a上で比較的目の荒い浸透性の繊維構造の前プレスワイヤ10W上へ移転され、ウエブW 0は、上記ワイヤの下面上で最初の前プレス領域PN 10自体へ移入されることである。 この前プレス領域PNを通って下部トランスファベルト20Bが走行するが、このベルトは実質的に水に対して浸透性がない。 前プレス領域PNの上部ロールはホースロール21であり、このロールには圧力負荷式プレスシュー23があり、下部ロール22は平滑面付きもしくは中空面22a付きプレスロールである。 下部トランスファベルト20Bから、ウエブW 1はトランスファサクションロール3
    4上で上部フェルト30へ転移され、上部フェルト30は、
    前プレスの後の最初のエクステンデッドニップ領域NP 1
    で上部ファブリックとして働く。 エクステンデッドニップ領域NP 1の後、ウエブW 2は、必要な場合、サクションボックス27によって、下部ファブリック35上へ、さらにそこからトランスファサクションロール44のサクション領域44a上の上部フェルト40上へ運ばれる。 上部ファブリック40上で、ウエブは、第2のエクステンデッドニップ領域NP 2を通り抜け、その後ウエブW 4は、トランスファベルト45上へ分離され、この上で乾燥用ワイヤ60上へ移される。 必要な場合、エクステンデッドニップNP 1およびNP 2のうちの一方もしくは両方を同様のロールニップに代えることができ、トランスファベルト45に代ってに、実質的に水に対して浸透性があるプレスフェルトを用いることができ、さらにプレスフェルト35の代って、
    水に対して浸透性がないトランスファベルトを用いることができる。

    第4図に示す本発明の実施例は、すべての点で第1図ないし第3図に示す実施例ほど有利という訳ではない。
    なぜなら、フォーミングワイヤから独立した前プレスおよびトランスファワイヤ10Wと別個の前プレス領域PN 10
    とが用いられる場合、プレス部の全長が増すからであり、さらに、ピックアップサクションロール24を用いる必要があるからである。 しかし、ピックアップの使用自体、およびそれから生じる汚染の性向などの欠点は回避される。

    第5図は、一例として、板紙抄紙機とその多層ウエブフォーマに関連した本発明によるプレス装置の実施例を示す。 第5図に示すように、板紙抄紙機のウエブフォーマは下部ワイヤ10Aを有していて、その上へヘッドボックス11Aがパルプ懸濁液噴流を供給する。 ヘッドボックス11Aのスライス部の後には水平の長網部が続き、これは、先ず地合い構成板13Aがウエットサクションボックス14Aの手前にある。 このようにして一部形成されている成分ウエブW Aは、上部ワイヤ装置により形成される成分ウエブW Bと合体する。 この上部ワイヤ装置はヘッドボックス11Bを有し、これは、パルプ懸濁液噴流を上部ワイヤ15B上へ供給する。 上部ワイヤ15Bの水平の開始部分上には、先ず地合い構成板13Bがあり、その後にサクションボックス14Bが続いている。 成分ウエブW AおよびW B
    は合体して合体ウエブW ABとなり、これは、下部ワイヤ1
    0Aに乗って乾燥サクションボックス17Aを越えて本発明によるプレス部へ送り込まれる。 乾燥サクションボックス17Aの後、ウエブW ABは、下部ワイヤ10Aに乗って本発明による2つの前プレスニップPN 1およびPN 2を通り抜ける。 これらの前ワイヤプレスニップPN 1およびPN 2の下部ロールはプレスロール22であり、これは、下部ワイヤループ10Aの内側に配され、水に対して浸透性がある開放中空外面22aを有し、これにはシュリンクワイヤソックが設けられる場合もある。 本発明によれば、実質的に水に対して浸透性がないトランスファベルト20は、前プレス領域PN 1およびPN 2を通って走行するように配設され、
    このベルトは、板紙ウエブを最初のプレスニップN 1自体へ移送する。 ニップN 1はロールニップであり、そのニップ領域は、比較的大径のプレスロール31および32を用いて拡張されている。 これらのプレスロールうち、上部ロール31は平滑面31付きのプレスロールであり、下部ロールは開放された中空面32aを設けたプレスロールである。 ニップN 1を通って比較的厚い下部フェルト25が走行し、このフェルトは多量の水を浸透させる。 ニップN 1では、脱水は、前プレスニップPN 1およびPN 2で行なわれるように、1方向に行なわれる。 なぜなら、トランスファベルト20が実質的に水に対して浸透性がないからである。 ニップN 1の後、板紙ウエブはトランスファベルトに、その付着特性によって追従し、その後、板紙ウエブは第2の下部フェルト35へ移され、このフェルト35は、
    板紙ウエブを運んでエクステンデッドニップ領域NP 2を通す。 エクステンデッドニップ領域NP 2を通って、上記の下部フェルト35および水に対して浸透性がある上部フェルト40が走行する。 エクステンデッドニップ領域NP 2
    における上部ロールは中空面付きプレスロール41であり、下部ロールはホースロール42であり、これには圧力負荷式プレスシュー43が設けられている。 ニップ領域NP
    2の後、板紙ウエブは開放ドローW Fとして乾燥用ワイヤ6
    0上へ送られる。 この開放ドローW Fは可能である。 なぜなら、効率的脱水により、板紙ウエブがニップNP 2の後にウエブ破損防止のため充分に大きな強度になるからである。 乾燥用ワイヤ60に乗って板紙ウエブは、接触乾燥用シリンダ61および逆転サクションシリンダ62へ送られる。

    第5図はトランスファベルト20に関連したベルト調整装置70を概略的に示す。 それらの装置70によって、トランスファベルト20の外面が清浄に保たれる。 これらの装置70には、ドクタ、高圧水噴流装置および/または他の公知の同等の調整装置を含むことができ、それらは、トランスファベルトループ20の円に沿って様々な位置に配設される。 実質的に水に対して浸透性がない非多孔構造のため、およびトランスファベルト20;20A;20Bの平滑面のため、トランスファベルトは、高プレスニップ負荷にも、また高能率洗浄にも、対応する多孔プレスフェルトより実質的に優れた耐性を有している。 調整装置70と同様の装置が各図に示すベルト循環部の実施例にすべて設けられているが、これらの図では、装置70は不必要な反復を避けるために図示、もしくは説明しない。

    第6図は本発明によるプレス部の板紙抄紙機用の他の実施例を示す。 多層ウエブフォーマ10A〜17A、11B〜15B
    に関して、および前プレス領域PN 1およびPN 2に関して、
    構造は第5図に示すものと同じである。 第5図とは異なり、第6図のプレス部には、プレスニップはたった1
    つ、すなわちエクステンデッドニップNP 1しかなく、それを通って上記トランスファベルト20が走行する。 エクステンデッドニップNP 1内の下部ファブリックはプレスフェルト25であり、それが大量の水を浸透させ、比較的大きい坪量、望ましくは平方メートル当り約1500〜2000
    グラムを有する。 エクステンデッドニップ領域NP 1の後、板紙ウエブはトランスファベルト20にその付着特性によって追従し、板紙ウエブは、トランスファファブリック35上へ、トランスファサクションロール34のサクション領域34a内の真空の作用によって移される。 ファブリック35のループの内側には導入シリンダ61Aが取り付けられ、その転向セクタ上で板紙ウエブはファブリック
    35から乾燥用ワイヤ60上へ移される。

    第7図は本発明によるプレス部におけるワイヤプレスニップの実施例に代わる他の(とくに板紙用の)実施例を示す。 第7図に示すように、ウエブW 0は、紙ウエブでもよいが、これは最初の前ワイヤニップPN 00へ送り込まれる。 このニップPN 00内の下部ロール21Aはソリッドマントルロール(硬さ≒100〜150P&J)であり、上部ロール21Bは、例えばワイヤソックで被覆された開放面を有するロールである。 前ワイヤニップNP 00へは、フォーミングワイヤ10;10Aの他に、上部プレスワイヤ10cにも通され、これはガイドおよび張力ロール23Aによって案内される。 前ワイヤニップNP 00では、ウエブW 0の乾燥固形残量は、代表的にはk 0 ≒12〜18%であるが、k 10 ≒16
    〜22%の水準まで引き上げられる。 前ワイヤニップNP 00
    の後、ウエブW 0は、フォーミングワイヤ10;10Aに従って第2のトランスファおよび前プレス領域PNへ入り、この領域は、フォーミングワイヤループ10;10Aの内側に取り付けられ開放面22aが設けられたワイヤ転向ロール22
    と、トランスファベルトループ20の内側に取り付けられたプレスロール21との間に配されている。 最初の前ワイヤニップPN 00にある管路圧力は最大で〜70kN/mのオーダであり、前プレスニップPN自体では最大で〜100kN/mのオーダである。 前プレスニップPN自体の平滑面付きロール21として、望ましくはゴム被覆ロールが用いられ、その表面硬さは〜50P&Jのオーダである。 トランスファベルト20に乗ってウエブW 2は、サクショントランスファロール26のサクション領域26aの助けで下部フェルト25
    上へ移される。 第5図および第6図とは異なり第7図では、トランスファベルト20は、前プレス領域PN自体以外の他のプレス領域は通り抜けない。 下部フェルト25に乗ってウエブW 2は、次のプレスニップ(図示しない)へ移送される。 第7図に示すように前プレス部の後に配されているプレス部は、1つもしくはいくつかのロールニップ、および/またはエクステンデッドニップにより、例えば第1図ないし第6図について上述したものと実質的に同様のプレスおよびウエブ転送構造を利用して、達成することができる。

    第8図は前プレス装置を示す。 これは、紙ウエブもしくは板紙ウエブW 0がフォーミングワイヤ10;10Aに乗って乾燥サクションボックス17Aを越えて最初の前プレス領域PN 01へ送り込まれるものであり、この前プレス領域は上部ロール21Aと下部ロール22との間に形成されている。 上部ロール21Aは平滑面21a付きプレスロール(硬さ
    100〜150P&J)であり、下部ロール22は開放面22a付きロール、例えばワイヤソック被覆ロール、もしくは溝付きロールである。 下部ロール22として、サクション領域がニップPN 01上へ延びるサクションロールを用いることもできる。 このサクション領域は、しかし、前プレスニップPN自体の領域へは延びず、それによってウエブW 1のトランスファベルト20への移転が確実になる。 前プレスニップPN 01では、プレス負荷は最大で〜70kN/mのオーダである。 第8図に示す最初の前プレスニップPN 01の上述とは異なる特徴は、フォーミングワイヤ10;10Aだけがこのプレス領域を通り抜けることである。 ニップPN 01の後、ウエブW 1はフォーミングワイヤ10;10Aに追従し、それに乗って第2の前プレスニップ自体へ送り込まれる。
    ニップPNを通ってトランスファベルト20が走行し、このベルトは、本発明に従って配設されて、実質的に水に対して浸透性がない。 ニップPNの後、ウエブW 2が直接フォーミングワイヤ10;10Aから離れて分離され、トランスファベルト20の面にその付着特性によって乗り、プレス部の最初の下部フェルト25上へ移される。 トランスファベルト20の内側に配されている前プレスニップPNのプレスロール21Bはソリッドマントル21bのプレスロールである。 前プレスニップPNでは、最大約100kN/mの線形負荷が用いられる。 前プレスニップPN 01およびPNに共通のバックアップロールは、比較的大径のプレスロールであり、これには開放面22aが設けられ、サクションがない。

    第9図に示すプレス部は、トランスファベルト20がガイドおよび張力ロール23により案内されて、2つの前プレス領域PN 1およびPN 2を通り抜けるように配設されている点で、第8図に示すものとは異なる。 最初の前プレス領域PN 1の上部ロール21Aはソリッドマントルロールであり、それには弾性材、例えばゴムコーティング21aが設けてあり、その硬さは〜100〜150P&Jのオーダ程度である。 後者の前プレス領域PN 2の上部ロール21Bはソリッドマントル21bロールであり、これは、弾性材、例えばゴムコーティングが施されて、その硬さは〜50P&Jのオーダである。 最初の前プレス領域PN 1では、最大約70k
    N/mの管路圧力が用いられて、後者の前プレス領域PN 2では最大約100kN/mの管路圧力が用いられている。 後者の前プレス領域PN 2の後、ウエブW 2は、トランスファベルト20の下面に乗って、第1の下部プレスフェルト25上へ、トランスファサクションロール26のサクション領域
    26aによって転送される。 この後のプレス部は、上述の第1図ないし第7図と実質的に同様にすることができる。

    第10図および第11図に示すように、フォーミングワイヤ10;10A上に到達するパルプウエブW 0は、ウエットサクションボックス16Aの後、実質的に水に対して浸透性がないトランスファベルト20Aの下へ送られる。 トランスファベルト20Aとフォーミングワイヤ10;10Aの平行した併走程の間をパルプウエブW 0が1群の乾燥サクションボックス17Aを越えて走行する。 その関係で、トランスファベルト20Aは乾燥サクションボックス17Aの吸引作用を強化する。 この後、フォーミングワイヤ10;10Aおよびトランスファベルト20Aは、扇形部aにわたってワイヤサクションロール22のサクション領域22aaおよび22bbを越えて曲がる。 この扇形部aのプレス領域では、その大きさは、望ましくはa≒25゜〜80゜であり、水がウエブW 0
    から下方へ、フォーミングワイヤ10;10Aを通して、吸引作用により、また部分的にはトランスファベルト20Aの張力圧力P=T/Rの作用によって排水される。 ここで、
    Tはトランスファベルトの締付け張力(N/m)であり、
    Rはトランスファサクションロール22の半径である。 ベルト張力加圧圧縮領域PTの次には前プレスおよびトランスファニップPNが続き、このニップは、上記ワイヤサクションロール22と、平滑で、必要な場合は弾性の、外部マントル21aを設けたプレスロール21との間に形成されている。 この前プレスニップPNでは、かなりの量の水がトランスファサクションロール22の後方のサクション領域22bbにおける真空によってさらにフォーミングワイヤ
    10;10Aを通して1方向に下方へ、すなわち重力の方向へ移送される。 前プレスニップPNでは、ウエブW 0もまたトランスファベルト20Aの平滑な下面に付着され、トランスファベルト20Aに乗って下部プレスフェルト25上へ送られ、このフェルトに対してウエブがサクションロール
    26(第10図)もしくはサクションロール26A(第11図)
    によって付着される。 下部フェルト25、もしくはそれと同等のトランスファベルトから、ウエブW 1が逆転ロール
    34の後で上部ファブリック30上へ移される。

    第12図に示すように、フォーミングワイヤ10;10Aのループの内側に位置する開放面22a付きロール22に関連して、本発明による前プレス領域PNがプレスシュー23Bによって形成されている。 プレスシュー23Bはロール22に関連してエクステンデッドニップ領域を形成し、この領域を通ってトランスファベルト20がガイドロール24bおよび24cによって案内されて走行する。 トランスファベルト20に乗ってウエブWは、エクステンデッドニップ領域NP 1を通される。 エクステンデッドニップ領域NP 1の構造は、例えば第2図に示すエクステンデッドニップ領域
    NP 1と類似している。 エクステンデッドニップ領域NP 1の後、紙ウエブW 1は下部フェルト25から分離されて、ウエブWはトランスファベルト20に追従して乾燥用ワイヤ50
    のサクションロール64のサクション領域64aへ行き、この領域64a上でウエブWは乾燥用ワイヤ50上へ移される。 第12図に示すように前プレス領域によって、および上述の前プレス領域によって、前プレス領域PNにおける圧縮圧力を徐々に増すことによってウエブ構造の破壊を解消することができる。 プレスシュー23Bが用いられる場合、やはりソフト前プレスロールにおける熱の発生を回避することができる。

    本発明における重要な要素は、実質的には水に対して浸透性がなく、上述のように配設されたトランスファベルト20;20A;20Bである。 このトランスファベルト20;20
    A;20Bの特徴は、実質的に浸透性がない、すなわち全く水に対して浸透性がない、もしくはほんのわずかの程度しか浸透性がないことである。 さらに重要な特徴は、トランスファベルト20;20A;20Bの付着能力であり、前プレス領域の後でウエブもしくはその等価物を再び湿らせることなく直接分離することができる。 この付着能力は部分的には、トランスファベルトの平滑、もしくは実質的に平滑な外面、およびその材料の選択に起因している。
    トランスファベルト20;20A;20Bは実質的に非伸張性である。 トランスファベルト20;20A;20Bの材料として様々な合成材料を用いることができるし、金属、合成材および/またはファブリックの補強材を施すことができる。 トランスファ20;20A;20Bの厚さは、一般的に1〜5mmの範囲の寸法であり、屈折、様々なニップにおける圧縮圧力、ドクタリングおよび高圧水噴流による洗浄に耐えるようにする。

    本発明により配設されるトランスファベルト20;20A;2
    0Bの作動上の重要な特徴は、次の通りである。 すなわち、トランスファベルト20;20A;20Bが前プレスおよびトランスファニップを通り抜けると、かなりの排水の他に、その圧縮圧力によって同時にウエブがトランスファベルト20;20Bの外面に対して確実に付着し、これによって、ウエブの次のプレスファブリックへの、もしくは前プレス領域後の次のプレスニップの中への確実かつ直接的移送が、再湿潤なしに、かつ紙ぎれの危険性のない閉鎖ドローとして行なわれることも達成される。

    必要な場合、本発明によるプレス部にはプレスニップ圧力のプロファイルの調整を機械方向および横断方向に、本明細書の概論部分に言及した本出願人のフィンランド特許出願第905798号(欧州特許公開公報第0487483
    号A1および米国特許第5,389,205号に対応)に記載の原理に従って行なうことができる。 これらのプロファイルの調整はそれ自体公知の方法で、例えば、エクステンデッドニップホースロール32、42のプレスシュー33、34の圧縮圧力プロファイルを調整することによって、および/またはエクステンデッドニップNP 1 、NP 2内のバックアップロール31;41の歪の調整によって行なうことができる。 これらのプロファイルの調整によれば、生産される紙のプロファイルを機械および幅の両方向に制御することができ、それらのプロファイルは紙の品質特性に重要である。

    次に特許請求の範囲を記載するが、本発明の様々な内容はこの請求の範囲に明記する発明の概念の範囲内で変えることができ、一例としてのみ上述したものと相違してもよい。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キンヌネン、 ユハ フィンランド共和国 エフアイエヌ− 37120 ノキア、コスケンマエンカトゥ 5 ディー (72)発明者 ラアポッティ、 ヨルマ フィンランド共和国 エフアイエヌ− 40270 パロッカ、ラポンクヤ 6 (72)発明者 ソデルホルム、 ニルス フィンランド共和国 エフアイエヌ− 46860 アンヤランコスキ、 アンヤラ ン−ラハデンティエ 2 (56)参考文献 特開 平7−70969(JP,A) 特表 平4−504149(JP,A) 米国特許5389205(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) D21F 2/00 D21F 3/00 - 3/10

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