Wet paper transfer device

申请号 JP25025891 申请日 1991-09-04 公开(公告)号 JP2960999B2 公开(公告)日 1999-10-12
申请人 三菱重工業株式会社; 发明人 FUJITA TOKUO; IWATA HIROSHI; FUJIWARA HARUYOSHI;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 抄紙機プレスの湿紙移送装置において、
    同移送装置は湿紙と接触する面側は弾性があって伸び縮みがあり、湿紙と接触しない側は中央部より側面部に伸びの少ない芯体を埋設したエンドレスのベルト、このベルトに対向し湿紙と接触する面側に配置されたハードロールと、湿紙と接触しない面側に押し付けるプレッシャーロールとを有し、同ベルトを湿紙を介して前記ハードロールに押し付けることで 生じるベルトの変形により、
    ベルト弾性側表面におけるハードロールとの接触部と非
    接触部の表面周速度に速度差を生ぜしめ、前記速度差に
    より湿紙に与えられる張力を用いて湿紙をハードロール
    から剥離してベルトに移送できるようにしたことを特徴とする湿紙移送装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は抄紙機プレスパート部における湿紙移送装置に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】一般に抄紙工程におけるプレスパートの役割は、上流工程のワイヤパートで濃度15〜18%まで脱された湿紙を、ロール等で加圧することにより4
    0〜45%程度まで濃度を上げ、次工程のドライヤパートへ移送することにある。 図9にプレスパート部において使用する従来の高速用プレス装置の1例を示す。 図9
    においてワイヤパート1により形成された水分88%程度の湿紙2は、サクションピックアップロール3に吸引されると共に、ピックアップフェルト4に付着して運ばれ、同フェルト4と1Pフェルト5、サクションロール6及び第1グルーブドロール7aにて形成されるダブルフェルトの1番プレス1Pにおいて、多孔性のフェルト4,5を介して図中矢印A,Bで示すように上下に脱水される。 更にサクションロール6の真空により吸引されながらピックアップフェルト4の裏面に保持され、反転して表面が平滑なハードロール、即ち天然花崗岩や人造石、ゴム等で被覆されたプレスセンタロール8aと、第2グルーブドロール7bにて形成されるシングルフェルトの2番プレス2Pでピックアップフェルト4へ脱水される。 ここで湿紙2は、ピックアップフェルト4より密なプレスセンタロール8aに移転され、同ロール8aと第3グルーブドロール7cにて形成される3番プレス3
    Pにて更に3Pフェルト9へ脱水され、水分値は55〜
    60%程度となり、次段プレス(4番プレス)若しくは次工程のドライヤパートへ送られる。

    【0003】次に前記従来装置における通紙作業について概要を説明すると、3番プレス3Pで脱水された湿紙2は、センタロール8aの表面へ付着し、ドクタ10によって剥ぎとられて2′で示すように全巾プレスピット11に一旦落とされる。 この状態においては、全巾の湿紙を次段プレス、若しくはドライヤパートへ送ることは困難であるため、まず細巾の湿紙(テール)を送ったのち、全巾に拡げる手法が採られている。 そしてこのテールの通紙作業は、まずワイヤパート上で高圧水ジェット(図示せず)により任意巾のテールを作ることから始まる。 この場合は図8において、ペーパロール15,リードインフェルトロール17の両方又は一方を、15′,
    17′の如く点線で示す位置まで移動させ、テールの通り易い空間を確保したのち、キャリアジェット19のエアノズルよりエアを吹き出させてプレスセンタロール8
    aからテールを剥ぎとり、2″の如く次段プレスのフェルト21に乗せて次段プレスへ送っている。

    【0004】図10は、上述のようにして従来のプレスのセンタロール8aから次の4番プレスフェルトに湿紙が移行している運転状態を示す図である。 図10において、3Pフェルト9で脱水された湿紙は脱水のためにプレスセンタロール8a側に強いで押し付けられ、プレスセンタロール8aに貼りついた状態となっている。 プレスセンタロール8aに貼りついている湿紙は後続プレスに移行させるために、プレスセンタロールから剥ぎとる必要があり、このため後続のプレスの運転速度は前工程の運転速度より早い速度で運転されている。 この増加速度分をドローと言うが、このドローは、湿紙中に張力を発生させ、この力によってプレスセンタロールとの粘着力に対向して湿紙をプレスセンタロールから剥ぎとる作用をする。 この時湿紙にはドローに見合った張力がオープンドロー部(湿紙がフェルトやロール等でサポートされていない部分)の全巾に作用する。 この張力によって湿紙は引き伸ばされる。 湿紙の伸びの量は張力の上がる湿紙の剥がれ部に集中すると考えられるが、繊維量、
    繊維分散、填料分布等の不均一により、部分的に伸び量が異なり、応力の不均一を起こす。 これが原因で部分的に湿紙が破壊されると全巾の断紙となる。 またオープンドロー部が長いと、部分的に集中する伸び量(従って応力)はオープンドローの長さに比例して大きくなるため、断紙の危険性は一層高くなる。 従ってオープンドロー部は可能な限り、短くする必要がある。 こうした対策を施した例を図11に示す。 図11のプレスセンタロール8aとサクションロールの配置ではオープンドローを短く出来、かつオープンドロー部が1個所だけとなる。

    【0005】図11において、断紙を防止するためにオープンドロー零を狙って、サクションロールをプレスセンタロール8aに押し付けると、サクションロールに巻掛けているフェルト又はキャンバスの速度は、プレスセンタロールと同速となる。 この結果ドローが発生しない為、湿紙の張力によってはセンタロールから湿紙を剥がし得ない。 またサクションロールの真空圧による湿紙の剥離力は、プレスセンタロールの通気性が十分でないため、ニップ後でしか作用しない。 この結果、サクションロールの真空圧だけでは湿紙をプレスセンタロールから剥離することはできず、湿紙はプレスセンタロールとの粘着力によりプレスセンタロールに付着したまま進行する。 従ってプレスセンタロールから湿紙を剥がすためには、ドローが必要で最小限のオープンドローは残さざるを得ない。 このため前述した紙切れの問題は根本的には解決されていない。 従来もフェルトに紙シートが接し、
    フェルト側にローラが設けられており、反対面は金網に
    強力に保持されているものが、実公昭45−2488号
    公報において提案されているが、この公報記載のものは
    フェルトは一層のみである。 また長網やフェルトを掛け
    回されたロール間において湿紙を移送する装置が、特公
    昭35−12252号公報で提案されているが、このも
    のも毛布は一層のみである。 これらの装置は、湿紙の移
    送速度が低速においてプレスセンタロールからの湿紙の
    剥離を達成可能であるが、湿紙の移送速度が高速化した
    とき対応することはできない。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】ことろで、近年の抄紙機の高速化はめざましく、従来の新聞用抄紙機では13
    00m/min付近で運転されているマシンもあり、更に1
    500m/minというニーズも多い。 こうした抄紙機の高速化の要求の中で、1つの大きな問題は、プレスパート間及びプレスパート乃至ドライヤ間の湿紙の移送にある。 即ち、従来は前述のようにエアノズルで湿紙のテールをプレスセンタロールから剥がして次工程へ送る方法をとっていたが、高速になると湿紙がプレスセンタロールより剥がれにくくなるため、湿紙をプレスセンタロールから安定して剥がすためには、プレス間若しくはプレス乃至ドライヤ間のドロー(速度差)を大きくする必要がある。 しかしプレスパート後の湿紙濃度は40〜45
    %程度であり、強度は乾紙に比べて非常に低く、また前記区間の湿紙はフェルト等でサポートされていない、所謂オープンドローであるため、ドローを大きくすると紙は切れ易く、例え一旦通紙ができて通常運転に入っても、何らかの変動があると紙が切れ易い欠点があった。

    【0007】そこで本発明は、ハードロール(プレスセンターロール又はトップロール)から湿紙を剥ぎ取るために、 湿紙と接触する面側は弾性があって伸び縮みがあ<br>るベルトを使用し、 湿紙と接触しない面側は中央部より
    側面側に伸びの少ない芯体を埋設したベルトをハードロールに押付けて構成してなるものである。 従って本発明
    では前記芯体が中立軸となり、同中立軸までの湿紙から
    の距離が大きくなるため、ハードロールに押付けられる
    ベルトの変形が大きくなり、ベルトの表裏面において速
    度差を生じせしめ、その結果湿紙と接触するベルト表面
    の速度が大きくなるため、ハードロールの表面周速度と
    差を生じ、これによって湿紙をハードロールから剥離し
    てベルトに移送できる。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】このため本発明は、抄紙機プレスの湿紙移送装置において、同移送装置は湿紙と接触する面側は弾性があって伸び縮みがあり、湿紙と接触しない側は中央部より側面部に伸びの少ない芯体を埋設したエンドレスのベルト、このベルトに対向し湿紙と接触する面側に配置されたハードロールと、湿紙と接触しない面側に押し付けるプレッシャーロールとを有し、
    同ベルトを湿紙を介して前記ハードロールに押し付けることで生じるベルトの変形により、ベルト弾性側表面に
    おけるハードロールとの接触部と非接触部の表面周速度
    に速度差を生ぜしめ、前記速度差により湿紙に与えられ
    る張力を用いて湿紙をハードロールから剥離してベルトに移送できるようにしたもので、これを課題解決のための手段とするものである。

    【0009】

    【作用】湿紙に接する弾性ベルト表面は常に湿紙に接した状態で走行する。 この時弾性ベルト表面は、常に湿紙と同速、又はそれより早く走行し、特に押し付け圧最大点以降は弾性ベルトの変形がなくなるため、速度が上昇していき、この結果、プレスセンタロールから湿紙を剥ぎとるための張力をオープンドロー零の状態で発生させることができる。

    【0010】

    【実施例】以下本発明の実施例に係る抄紙機プレス部での湿紙移送装置を図面により説明すると、図1〜図7は本発明の実施例を示す。 図1は抄紙機プレス部の3番プレス(3P)から4番プレス(4P)部に本発明に係る湿紙移送装置を適用した実施例を示す。 図1においてワイヤパート1で形成された湿紙は、サクションピックアップロール3に作用する真空で、ピックアップフェルト4に吸引付着し、第3プレス(3P)後ハードロールであるプレスセンタロール8aに付着して送られてくることは従来例と同じである。 プレスセンタロールから湿紙2を次工程に送る湿紙移送装置は、弾性のあるエンドレスベルト55、同ベルトを湿紙を介し、プレスセンタロール8aに押し付けるためのプレッシャロール50及び56、同ベルトを駆動するためのベルト駆動ロール5
    2、同ベルトに張力を与えるテンションロール53、ベルトガイドロール54及びプレッシャロール50,56
    をプレスセンタロール8aに押し付けるための図示しない加圧装置等から構成されている。 なお、前記構成において、プレッシャロール56はベルトがセンタロール8
    aにキスタッチする位置に配置し、弾性ベルトは厚みの減少がないようにすることもできる。

    【0011】次に、前記構成に基づいて湿紙がプレスセンタ8aから剥ぎとられる作用を図2により説明する。
    図2において湿紙と接触する表面からt 2だけ離れた位置に、伸びの少ない芯体59をもつ弾性ベルト55がプレスセンタロール8aに押し付けられると、弾性ベルトの芯体の走行速度は一定であり、プレスロールに押し付けられているθ 1の区間では、湿紙に接しているベルト表面速度は湿紙の厚みを無視するとセンタロールの表面速度と同一になる。 従ってプレスセンタロールの表面速度をv、プレスセンタロールの半径をR、ニップ中心線上での芯体から紙を接触する面までの距離をt′ 2とし、紙の厚みを無視すると芯体の速度は、

    【数1】

    となる。

    【0012】一方プレスセンタロール8aとプレッシャロール50で形成されるニップ点Eから、ベルトがプレッシャロール50を離れるまでの区間θ 2では、湿紙に接している側のベルト表面速度はプレッシャロール50
    の半径r、芯体59からベルト表面までの距離をt 2
    芯体59からベルト裏面までの距離をt 1とすると、

    【数2】

    となる。 一般にR>>t′

    2であるからθ

    2の区間では、ベルト表面速度は

    【数3】

    に略等しい。 オープンドローで湿紙を剥ぎとっている従来例ではドローが3〜4%位以下が通常であるから、ベルトと湿紙間のすべりを考慮してt

    2 /(r+t

    1 )を約1.0%程度としておけば、センタロールからの湿紙の剥離に必要なドローを得ることができる。 また湿紙のドローの制御は、プレッシャロールのプレスセンタロールの押しつけ力を制御し、ベルト厚み(t′

    2 )に変化を生じさせることで湿紙とベルト表面との滑りを調節することができる。

    【0013】次に前記湿紙移送装置の後工程におけるベルト55より4Pフェルトへの湿紙の移送態様を図4により説明する。 図4において4Pフェルト12は真空ロール51によりベルトに押しつけられている。 前記真空ロール51は多数の孔62をもつセル60、真空ボックス63及び真空ボックスとセル間の空気のリークを防ぐシールパッキン61等から構成されており、真空ボックス63には図示しない真空ポンプが配管により接続されている。 ベルト55は、強度があり引張り力が作用しても伸びの少ないワイヤクロス等で補強された芯体59
    と、弾性のある伸び縮みのゆるされる弾性部57とで構成されている。 弾性部57の表面には周長方向に連続している溝58(図5)が形成されており、この溝58は巾方向に多数本数設けられている。 弾性部57は芯体5
    9との接合面に近づくにつれて硬度を上げて伸びが少なくなるよう工夫されており、芯体と剥離が起こらない様に対策がとられている。 真空ロール51に真空力が作用すると、空気Gはベルトに設けられた複数個の溝58を通って湿紙2、4Pフェルト12を貫通して真空ボックス63内に流入する。 この様な湿紙を貫通する空気流れによりベルトに付着した湿紙は4Pフェルト12に転移し、次工程の第4番プレスに移行する。 図4に示したベルトの例は、周長方向に設けた溝の例を示したが、図6
    に示す如く溝の代わりにベルトを貫通する孔64を設けても良い。 また真空ロールセル60に設けられた孔は、
    フェルトと接する面の間口率を大きくとるために皿孔形状65にすることもでき、これによって湿紙をより確実にフェルト側へ転移することができる。

    【0014】次に図7により本発明に係る第2実施例を説明する。 この第2実施例は、1本のプレッシャロール50によってベルトをプレスセンタロール8aに押しつけ、これによって湿紙をプレスセンタロール8aから剥離するようにした点で第1実施例のものと相違している。 図7において、1本のプレッシャロール50がプレスセンタロール8aに向けて押圧されている。 またプレッシャロール50に相対する側にはサポートロール66
    が設けられており、フェルト12がプレッシャロール5
    0に対し、若干の巻きつき度をもつよう構成されている。 このためベルト55の作用によってプレスセンタロール8aから離された湿紙は、ベルトとフェルトにすぐ挟み込まれることになり、ベルトからの落下もなく確実に後工程に移送される。 また真空ロール51は第4プレストップロール8bにキスタッチするべく構成されており、これによって湿紙は真空力でサポートされた状態でトップロール8bに移送されることになる。

    【0015】前記第2実施例における湿紙の剥離作用を図3に基づいて説明すると、図3に示す如く弾性ベルトはC〜D点間でセンタロールに接する。 湿紙に接するベルト表面速度は押し付け圧が最大となるE点では、ウエブ速度と同速となる。 この時ニップ下での芯体から湿検見に接するベルト表面までの距離をt′ 2とすると、

    【数4】

    であるから、θ

    2区間における湿紙に接触しているベルト表面速度は

    【数5】

    である。 プレスセンタロール上の湿紙に接するC点近傍からベルト表面速度は減少してゆき、押しつけ圧力最大点E(この時芯体からのベルト表面までの距離はt

    2


    では湿紙速度と同じになる。 その後再び増速して、D点を離れた後、θ

    2の区間は

    【数6】

    の速度で走行し、プレスセンタロールからの湿紙の剥離に必要なドローを得ることができる。

    【0016】またこの実施例において、第4プレスのトップロール8bから湿紙を次工程のドライヤパートに移送する時は、上述と同様の作用で行なわれる。 即ち、ここでの湿紙移送装置はプレッシャロール70、ベルト駆動ロール72、テンションロール73、ガイドロール7
    4、ベルト75及びドライヤキャンバスループ内に真空ロール71等で構成されており、プレッシャロール70
    により押しつけられたベルト75の作用によりトップロール8bから剥ぎとられた湿紙は、サポートロール76
    部でキャンバス78とベルト75に挟みこまれ、真空ロール71の真空作用によりキャンバスに転移しドライヤパートへ運搬される。

    【0017】以上詳述した如く、第1、第2実施例のいずれの場合も湿紙に接する弾性ベルト表面は常に紙に接した状態で走行し、常に湿紙と同速又はそれより早く走行し、特に押しつけ圧最大点以降は速度が上昇していくため、プレスセンタロールから湿紙を剥ぎとるための張力をオープンドロー零の状態で発生させることができる。 そして前記いずれの実施例においても、図4,5に示す如くベルト表面には溝又はベルトを貫通する小孔が形成されているため、これら溝又は小孔によって湿紙2
    を通して真空ロールに空気の吸引が行なわれるので、確実に次のフェルト又はキャンバスに湿紙を移送することができる。 更にワイヤパート1で形成された湿紙は、サクションピックアップロールで吸引された後ドライヤパートまでベルト、フェルト又はキャンバスと共に、搬送されるため湿紙のみ搬送されるオープンドロー部がなくなり、紙切れが生じない。 なお、特に詳述しないが、いずれの実施例もプレッシャロール,ベルト駆動ロール,
    テンションロール,ガイドロール等はカンチレバ機構をもる全巾ビーム79より支持されており、ベルトの交換に便なる配置構造は配慮されている。

    【0018】また又必要に応じてベルトのクリーニングのためにシャワ80,クリーニングロール81,ドクタ83を設けても良い。 更にドライヤパート内での通紙方法についても、全巾の湿紙を移送することが困難なドライヤパート構造の時は、テールをワイヤパートで作って、このテールをドライヤパート内で通紙後、全巾紙に拡げる従来方法も採用できる。 しかし高圧水によるテールの切断面の繊維がプレスパートでのニップにより再度連結する場合がある。 この様な場合は、プレスパートの最後のプレス後にテール作り用の高圧水ジェット84を設けても良い。 また各実施例では、弾性ベルトは回転するプレッシャロールでハードロールに押しつけられている例を示したが、回転する必要はなく、ベルトが接する部分が円弧状になっていればよい。 この時ベルトと円弧状の静止する押しつけ装置表面間に潤滑液を用いていることで、ベルトと円弧状の表面体との摩擦、発熱等が防止できる。

    【0019】

    【発明の効果】以上説明した如く本発明では、 湿紙に接
    する弾性ベルト表面は常に紙に接した状態で走行し、常
    に湿紙と同速又はそれより早く走行し、特に押し付け圧
    最大点以降は速度が上昇していくため、ハードロールか
    ら湿紙を剥ぎ取るための張力をオープンドロー零の状態
    で発生させることができる。 ここで通常の一層のフェル
    トを用いた場合と、本発明の弾性ベルトを用いた場合と
    を比較すると、通常の一層のフェルトによるベルトの中
    立軸はベルトの中心点を通り、それがロールに掛け回さ
    れた場合、中立軸から外側は伸長するが、本発明のベル
    トでは中立軸は片面に偏った芯体位置となる。 本発明で
    は、中立軸から湿紙が接触するベルト表面までの距離が
    大きくなるため、ハードロールに押付けられるベルトの
    変形が大きくなり、ベルトの表裏面において速度差を生
    じせしめ、その結果湿紙と接触するベルト表面の速度が
    大きくなるため、ハードロールの表面周速度と差を生
    じ、これによって湿紙をハードロールから剥離してベル
    トに移送できる。 これに対しベルトが通常の一層の場合
    は、中立軸はベルトの中心点を通るのでハードロールに
    接するベルトの内側は縮み、外側は逆に伸びるからベル
    トの表面においてハードロールの表面周速度と余り速度
    差が生じないため、湿紙を剥離して、特に高速ではベル
    トに移送することは出来ななくなる。 これに対し本発明
    では高速でもベルトの表裏面に速度差を生じせしめて、
    湿紙を剥離してベルトに移送させることが出来る。
    、従来の抄速アップの障害であったプレス間、若しくはプレスからドライヤ間でのオープンドローが無くなり、従って紙切れが減少し、マシンの抄速アップ及びマシン効率が大幅に向上する。 また相当のスキルを要求され、かつ時間のかかる従来のような通紙作業が不要となるため、安全の面でも改善されると共に、抄紙機の立ち上げ時間も早くなる。 この点からもマシン効率が向上する等の優れた効果を奏するものである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の第1実施例に係る湿紙移送装置の側面図である。

    【図2】図1におけるハードロール(プレスセンタロール)から湿紙をベルトへ移送する時の説明図である。

    【図3】本発明のハードロールから湿紙をベルトへ移送する時の説明図である。

    【図4】同ベルトから次のフェルトに湿紙を移送する時の説明図である。

    【図5】同ベルトから次のフェルトに湿紙を移送する時の断面図である。

    【図6】同ベルトから次のフェルトに湿紙を移送する時のベルトの構造の他の例を示す断面図である。

    【図7】本発明の第2実施例に係る湿紙移送装置の側面図である。

    【図8】従来の通紙作業を示す側面図である。

    【図9】従来のプレスパートにおける湿紙とプレス装置との関係を示す側面図である。

    【図10】従来の通紙装置の側面図である。

    【図11】従来の通紙装置の側面図である。

    【符号の説明】

    2 湿紙 3 ピックアップロール 4 ピックアップフェルト 7a 1Pボトムフェルト 8a ハードロール(プレスセンタロール) 8b ハードロール(4Pトップロール) 9 3Pフェルト 12 4Pフェルト 50,70 プレッシャロール 51,71 真空ロール 52,72 ベルト駆動ロール 53,73 ベルトテンションロール 54,74 ベルトガイドロール 55,75 ベルト 59 ベルトの芯体 78 キャンバス

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−59413(JP,A) 特開 平2−41492(JP,A) 特開 平2−68389(JP,A) 特公 昭35−12252(JP,B1) 紙パ技協誌 第49巻 第10号 p. 126−128(1995年10月1日発行 紙パル プ技術協会) (58)調査した分野(Int.Cl. 6 ,DB名) D21F 3/00 - 3/10 D21F 2/00 D21F 7/08

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