Papermaking fabric and related technologies, including that fabric

申请号 JP2010544921 申请日 2009-01-28 公开(公告)号 JP2011511177A 公开(公告)日 2011-04-07
申请人 オルバニー インターナショナル コーポレイション; 发明人 デデ,ステーシエ,アール.; ピルスベリー,ジョセフ,アール.;
摘要 【課題】脱 水 するために湿った紙ウェブ(75)を支持する無端の製紙ファブリック(100)の提供。
【解決手段】
ファブリック(100)は、透過性の部分(275)と、ファブリックの縦方向に沿って伸び、横方向に離れた一対の細長い部分(250)とを備える。 それら細長い部分のそれぞれはエア不透過性であり、それらの間に前記の透過性の部分を定める。 この発明では、湿った紙ウェブを、その透過性の部分の全幅にわたって広がるように支持する。 それによって、透過性の部分は、それに向かうエアが不透過性の細長い部分を除外して通るようになっている。 そのため、透過性の部分だけによって支持される湿った紙ウェブを脱水することができる。 その結果、不透過性の細長い部分の間の透過性の部分の幅が、脱水すべき湿った紙ウェブの幅を定める。 これに関連したシステムおよび方法も提供する。
【選択図】図6
权利要求
  • 脱水のために湿った紙ウェブ(75)を支持する、織った無端の製紙ファブリック(100)であって、その製紙ファブリック(100)は縦方向を定め、しかも、一様に透過性の部分(275)およびファブリック(100)を縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分(250)を含み、それら細長い部分(250)のそれぞれは、実質的にかつ不変的にエア不透過性であり、かつ、それらの間に前記透過性の部分(275)を定め、さらに、その透過性の部分(275)は、それが支持する湿った紙ウェブ(75)がその幅の全体にわたって広がるようになされ、それによって、透過性の部分(275)は、それに向かうエアが不透過性の細長い部分(250)を除外して通るように配置され、そのため、湿った紙ウェブ(75)は、透過性の部分(275)だけで支持されたものが脱水され、それによって、不透過性の細長い部分(250)の間の透過性の部分(275)の幅が、脱水される湿った紙ウェブ(75)の対応する幅を定めることを特徴とする、製紙ファブリック。
  • 不透過性の細長い部分(250)および透過性の部分(275)は、約120℃〜約280℃の温度に耐えるようになっている、請求項1のファブリック(100)。
  • 不透過性の細長い部分(250)の外側の端がファブリック(100)の向かい合う横方向の端(225)を定め、それによって、不透過性の細長い部分(250)および透過性の部分(275)が一緒にファブリック(100)の幅を定める、請求項1および2のいずれかのファブリック(100)。
  • 不透過性の細長い部分(250)の少なくとも一つが、ファブリック(100)の横の端(225)の一つの横方向内側に位置する、請求項1および2のいずれかのファブリック(100)。
  • 不透過性の細長い部分(250)のそれぞれは、少なくとも約2.5cmの幅である、請求項1〜4のいずれか一つのファブリック(100)。
  • 少なくとも一つの不透過性の細長い部分(250)は、ファブリック(100)に塗布したセルフレベリング充てん剤物質を含む、請求項1〜5のいずれか一つのファブリック(100)。
  • セルフレベリング充てん剤物質は、ファブリック(100)に対して、液体として加えられた後で固体化される、請求項6のファブリック(100)。
  • 少なくとも一つの不透過性の細長い部分(250)は、ファブリック(100)の一部を加圧および加熱し、ファブリック材料を溶かして不透過性にしたものである、請求項1〜5のいずれか一つのファブリック(100)。
  • 不透過性の細長い部分(250)は、実質的にかつ一様に円滑な表面をもつ、請求項1〜8のいずれか一つのファブリック(100)。
  • 不透過性の細長い部分(250)それぞれの実質的にかつ一様に円滑な表面は、湿った紙ウェブ(75)を支持する透過性の部分(275)と表面と実質的に同一表面上にある、請求項1〜9のいずれか一つのファブリック(100)。
  • 不透過性の細長い部分(250)は、約100mm水柱(WC)の圧力でエア不透過性である、請求項1〜10のいずれか一つのファブリック(100)。
  • 不透過性の細長い部分(250)は、約60kPaの圧力で実質的にエア不透過性である、請求項1〜10のいずれか一つのファブリック(100)。
  • 透過性の部分(275)は、圧力が約100Pa、温度が約20℃において約2.2m/sと約3.0m/sとの間のエア透過性を示す、請求項1〜12のいずれか一つのファブリック(100)。
  • 湿った紙ウェブ(75)を乾燥あるいは脱水のために支持する、請求項1〜13のいずれか一つの製紙ファブリック(100)を製造する方法であり、次の各工程を備える製造方法。
    − 織ったファブリックブランクの横方向に離れた位置に、セルフレベリング充てん剤物質を塗布し、そのファブリックブランクを縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分(250)を形成する工程、および− 前記セルフレベリング充てん剤物質をセットすることにより、細長い部分(250)のそれぞれが実質的にかつ不変的にエア不透過性となり、それによって、不透過性の細長い部分(250)がそれらの間の前記透過性の部分(275)を定める工程。
  • 前記セルフレベリング充てん剤物質を塗布するとき、そのセルフレベリング充てん剤物質を前記ファブリックブランクに対して液体として加え、塗布後に固体化する、請求項14の製造方法。
  • 湿った紙ウェブ(75)を乾燥あるいは脱水のために支持する、請求項1〜13のいずれか一つの製紙ファブリック(100)を製造する方法であり、次の各工程を備える製造方法。
    − 織ったファブリックブランクの横方向に離れた位置に熱を加え、その熱によって前記ファブリックブランクの材料が前記の横方向に離れた位置で溶融温度になるようにする工程、および− 前記ファブリックブランクの前記の横方向に離れた位置に圧力を加え、それと実質的に同時にそのファブリックブランクのその位置を加熱し、そのファブリックブランクを縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分(250)を形成する工程であり、それら細長い部分(250)のそれぞれは、実質的にかつ不変的にエア不透過性であり、かつ、それらの間に前記透過性の部分(275)を定めること。
  • 湿った紙ウェブ(75)を脱水あるいは乾燥するためのセクションであって、次の各構成を備える製紙機械のセクション。
    − 請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)、および− エアの流れを生じさせる少なくとも一つの処理装置であり、前記ファブリック(100)がその少なくとも一つの処理装置に触れ合い、それによって、その少なくとも一つの処理装置が生じるエアを透過性の部分(275)を通し、その透過性の部分(275)によってのみ支持される湿った紙ウェブ(75)を脱水あるいは乾燥するように配置されているもの。
  • 前記処理装置は、紙ウェブ(75)に吸込み力を与える真空装置、紙ウェブ(75)をモールドするモールディング装置、あるいは、紙ウェブ(75)を乾燥する通し風乾装置である、請求項17の製紙機械セクション。
  • 前記通し風乾装置は、少なくとも約120℃の温度で前記エアを供給する、請求項17あるいは18のいずれかの製紙機械セクション。
  • 前記通し風乾装置は、縦方向において回転するようになったシリンダー(150)を含む、請求項17〜19のいずれか一つの製紙機械セクション。
  • 前記の真空装置およびモールディング装置は、前記エアの流れを周囲温度で供給する、請求項17〜19のいずれか一つの製紙機械セクション。
  • 前記少なくとも一つの処理装置は、前記ファブリック(100)と少なくとも同じ幅である、請求項17〜21のいずれか一つの製紙機械セクション。
  • 不透過性の細長い部分(250)のそれぞれは、実質的にかつ一様に円滑な表面であり、前記ファブリック(100)のウェブ側の表面とは指向性が異なる表面をもつ、請求項17〜22のいずれか一つの製紙機械セクション。
  • 不透過性の細長い部分(250)のそれぞれは、少なくとも約2.5cmの幅をもつ、請求項17〜23のいずれか一つの製紙機械セクション。
  • その上に形成する湿った紙ウェブ(75')が、乾燥あるいは脱水のためのファブリック(100)の透過性の部分(275)よりも幅広になるようになった成形ワイヤ(50)をさらに備え、その成形ワイヤ(50)は、形成した湿った紙ウェブ(75')が前記乾燥ファブリック(100)に移し変わるとき、乾燥あるいは脱水のためのファブリック(100)が、湿った紙ウェブ(75')の透過性の部分(275)の幅をもつ、向かい合う部分だけを受け取り、それによって、形成した湿った紙ウェブ(75')の外側の端部分を成形ワイヤ(50)上に残し、成形ワイヤ(50)上に形成した湿った紙ウェブ(75')を透過性の部分(275)の幅にトリミングし、乾燥すべき湿った紙ウェブ(75)を形成するように構成されている、請求項17〜24のいずれか一つの製紙機械セクション。
  • 前記の乾燥あるいは脱水ファブリック(100)に作用するように結合するサクション装置(325)をさらに備え、そのサクション装置(325)は、透過性の部分(275)を通して吸込みを行うことにより、湿った紙ウェブの透過性の部分(275)の幅をもつ前記向かい合う部分を、成形ワイヤ(50)から乾燥あるいは脱水ファブリック(100)に受け取る、請求項25の製紙機械セクション。
  • 請求項17〜26のいずれか一つのセクションを備える、ティッシュ紙ウェブを製造するための製紙機械。
  • 請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)を用いる、ティッシュ紙ウェブを製造するための製紙機械。
  • 湿った紙ウェブ(75)を脱水する方法であり、次の各工程を備える方法。
    − 請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)で湿った紙ウェブ(75)を縦方向に運ぶ工程、および− その上に紙ウェブ(75)を伴うファブリック(100)にエアを向ける工程であり、そのファブリック(100)の透過性な部分(275)がそのエアを通過させるようになっている。
  • 製紙機械で紙ウェブを製造するときに、紙ウェブの幅を定める方法であり、次の各工程を備える方法。
    − 請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)に向けて縦方向に、成形ワイヤ(50)上の湿った紙ウェブを運ぶ工程であり、その湿った紙ウェブは、成形ワイヤ(50)上に、ファブリック(100)の透過性の部分(275)よりも広い幅に形成されている、および− 形成した湿った紙ウェブをファブリック(100)に支持させる工程であり、その際、ファブリック(100)の透過性の部分(275)だけが、その透過性の部分(275)に相当する幅をもつ湿った紙ウェブ(75')の一部を成形ワイヤ(50)から受け取り、それによって、形成した湿った紙ウェブ(75')の外側の端部分を成形ワイヤ(50)上に残し、その形成した湿った紙ウェブ(75')を透過性の部分(275)の幅にトリミングし、処理すべき湿った紙ウェブ(75)の幅をファブリック(100)上に形成し、そのとき、処理すべき湿った紙ウェブ(75)は透過性の部分(275)の全幅にわたって広がっている。
  • 前記のファブリック(100)に作用するように結合するサクション装置(325)によって、ファブリック(100)の透過性の部分(275)を通して吸込みを行う工程をさらに備え、それにより、湿った紙ウェブ(75)の透過性の部分(275)の幅をもつ前記向かい合う部分を、成形ワイヤ(50)からファブリック(100)に受け取る、請求項30の方法。
  • 製紙機械において紙ウェブ(75)を処理する方法であり、次の各工程を備える方法。
    − 請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)で紙ウェブ(75)を縦方向に運ぶ工程、および− 紙ウェブ(75)に吸込み力を与える真空装置、紙ウェブ(75)をモールドするモールディング装置、および、紙ウェブ(75)を乾燥する通し風乾装置(125)の中の少なくとも一つの装置によって、ファブリック(100)にエアを向ける工程であり、その際、ファブリック(100)の透過性の部分(275)が、それを通してエアを流し、その透過性の部分(275)だけが運ぶ紙ウェブ(75)を処理し、それによって、不透過性の細長い部分(250)の間の透過性の部分(275)の幅が、ファブリック(100)上の処理すべき紙ウェブ(75)の幅を定める。
  • 湿った紙ウェブ(75)を運びファブリック(100)であって、製紙機械の通し風乾装置(125)に用いるものを保護する方法であり、次の各工程を備える方法。
    − 請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)で紙ウェブ(75)を縦方向に運ぶ工程、および− 通し風乾装置(125)によってファブリック(100)に高温エアを向ける工程であり、その際、そのエアは透過性の部分(275)を通して流れ、その透過性の部分(275)が運ぶ湿った紙ウェブ(75)に触れ合い、それによって、ファブリック(100)の不透過性の細長い部分(250)を横切って広がる湿った紙ウェブ部分が、その細長い部分(250)の冷却作用により、前記高温による劣化からファブリック(100)の不透過性の細長い部分(250)を保護する。
  • 製紙機械の通し風乾装置(125)において湿った紙ウェブ(75)を運ぶファブリック(100)を保護する方法であり、次の各工程を備える方法。
    − 請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)で紙ウェブ(75)を縦方向に運ぶ工程、および− 通し風乾装置(125)によってファブリック(100)に高温エアを向ける工程であり、その際、そのエアは透過性の部分(275)を通して流れ、紙ウェブ(75)をその部分だけが運ぶ透過性の部分(275)に触れ合い、それによって、ファブリック(100)の不透過性の細長い部分(250)を横切って広がる湿った紙ウェブ部分が、ファブリック(100)の前記透過性の部分(275)を前記高温エアから保護する。
  • 一つの同じ製紙機械上で製造する紙ウェブ(75)の幅を異ならせる方法であり、次の工程を備える方法。
    − 不透過性の部分(250)が第1の幅である、請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)を、不透過性の部分(250)がその第1の幅とは異なる第2の幅である、請求項1〜13のいずれか一つのファブリック(100)と交換する工程。
  • 一つの同じ製紙機械において製造する紙ウェブ(75)の幅を異ならせる方法であり、次の各工程を備える方法。
    − 成形ワイヤ(50)上の湿った紙ウェブを、請求項1〜13のいずれか一つの第1のファブリック(100)に向かって縦方向に移送する工程であり、成形ワイヤ(50)上の湿った紙ウェブは、第1のファブリック(100)の透過性の部分(275)よりも幅広に形成する。
    − 成形ワイヤ(50)で移送する、形成した湿った紙ウェブを第1のファブリック(100)に支持させる工程であり、その際、第1のファブリック(100)の透過性の部分(275)が、形成した湿った紙ウェブの一部を成形ワイヤ(50)から受け取り、その対向部分が第1のファブリック(100)の透過性の部分(275)の幅をもち、それによって、形成した湿った紙ウェブを第1のファブリック(100)の透過性の部分(275)の幅にトリミングする。
    − 第1のファブリック(100)を、請求項1〜13のいずれか一つの第2のファブリック(100)と取り替える工程、および− 成形ワイヤ(50)で移送する、形成した湿った紙ウェブを第2のファブリック(100)に支持させる工程であり、その際、第2のファブリック(100)の透過性の部分(275)が、形成した湿った紙ウェブの一部の部分を受け取り、その部分が第2のファブリックの透過性の部分(275)の幅をもち、その第2のファブリック(100)の透過性の部分(275)の幅は、第1のファブリック(100)の透過性の部分(275)の幅と異なり、しかも、成形ワイヤ(50)上に形成した湿った紙ウェブよりも狭くなっており、それによって、形成した湿った紙ウェブを第2のファブリック(100)の透過性の部分(275)の幅にトリミングする。
  • 第1および第2のファブリック(100)の一つに向かってエアを流す工程をさらに備え、その透過性の部分(275)を通してそのエアが流れ、第1および第2のファブリック(100)の中の一つの透過性の部分(275)だけが運ぶ湿った紙ウェブ(75)を処理し、それによって、対応する不透過性の細長い部分(250)の間の透過性の部分(275)の幅が、処理する紙ウェブ(75)の幅を定め、さらに、対応するファブリック(100)に作用するように結合したサクション装置(325)によって、第1および第2の透過性の部分(275)を通して吸込みを行い、第1および第2の透過性の部分の一つの幅をもつ湿った紙ウェブ(75)を、成形ワイヤ(50)から対応するファブリック(100)が受け取る、請求項36の方法。
  • 说明书全文

    この発明は、脱のために湿った紙ウェブを支持するように形成した、無端の織り製紙ファブリックに関する。 そのファブリックは、縦方向を定め、常に透過性の部分と、ファブリックの縦方向に沿って伸び、横方向に離れた一対の細長い部分とを備える。 細長い部分のそれぞれは、実質的に常にエア不透過性であり、その間に前記の透過性部分を定める。 この発明は、また、関連する乾燥セクションおよび方法にも関する。

    典型的な製紙プロセスにおいて、繊維状のスラリー(すなわち、木材パルプあるいはセルロース繊維の水性混合液)は、ヘッドボックスから移動する成形ワイヤ(すき網)上に堆積する。 成形ワイヤが開いた構造であるため、スラリーからいくらかの水がワイヤを通して排水され、残るセルロース繊維は互いに付着し、繊維状のウェブを形作る。 繊維状のスラリーが堆積する間、成形ワイヤは縦方向に動くので、細長い湿ったウェブが形成される。 さらに、たとえば図1に示すような典型的な製紙機械は、紙ウェブをある幅に製造するようにしばしば構成されている。 そのため、普通の場合、成形ワイヤ上に形作られた湿った紙ウェブは、端トリミングプロセスにおいてトリミングすべき横方向の境界を必然的にもつ。 端トリミングによって、紙ウェブの横方向の端が定まる。 そのような端トリミングは、たとえばプレスおよび/または乾燥セクションを含む他の処理のために、ウェブを縦方向下流に向ける前に行う。

    一つの端トリミングプロセスにおいて、たとえば、図2に示すように、それを成形ワイヤ(すなわち、内側成形ワイヤ)上を縦方向に運ぶとき、水噴出口あるいはノズルから成形紙ウェブに対して高圧水流が向かう。 水は噴出口/ノズルからスプレーされ、限定した幅のシートを切り通すか、あるいは繊維を押しのけるに充分な高圧の連続的な水流を生じる。 しかし、その水流は、切断しない残りの紙ウェブに対しては、充分に圧が低く、スプレーを弱めた層流である。 水の流れは、また、成形ワイヤを損傷しないように調整される。 この端トリミングプロセスは、一般的に、紙ウェブの乾燥度が12%〜30%の範囲で実行される。 それにより、紙ウェブの横方向における最も外部の端が定まることになる。 製紙プロセスのある場合には、第2の切断作業を縦方向の流れのさらに下流で(すなわち、製紙プロセスの後で)行うことがある。 その作業は、通例、内端の切断と呼ばれる。 とにかく、端の切断あるいは端トリミングの方法には、一般に、かなりの量の真水、水の流れを制御するための配管および関連の設備、各種のフィルタ、動ポンプ、ならびに、紙ウェブの各切断および切断の型に適した水の制御を伴うスプレー噴出口/ノズルが必要である。 そうであるため、端の切断あるいは端トリミングの方法は、たとえば、コストやメンテナンスが大変であり、資源(水)およびエネルギーが非効率であり、そして、位置調整(アライメントであり、たとえば、製紙プロセスにおける縦方向に沿う、ピックアップバキュームボックス端、成形ボックス端、およびTAD据付けデッケルバンドとの位置調整)のための正しいセットアップが困難である。

    製紙プロセスのある場合において、紙ウェブを端トリミングプロセスを通して進行させたら、その紙ウェブは、乾燥プロセスのような脱水プロセスの中に向かう。 そのような乾燥プロセスの一つにおいては、1または2以上の通し風乾装置(TAD)があり、ウェブを乾燥する。 TADの典型的なものは、円筒形のロール(ここで、「TADシリンダー」ともいう)を含む。 その円筒形のロールを定めるシェルは、その円筒形のシェルを通してエアが通過し、乾燥プロセスのとき紙ウェブがそのシェルの回りを少なくとも部分的に取り巻くように形作られ、しかも構成されている。 さらに、TADは、そのロールを実質的に取り囲むように形作られたフードを含む。 エアは一般的に加熱され、フードからシェルを通ってロール内に入り、あるいは、ロールからシェルを通ってフードへと入る。 とにかく、エアは、ロールを取り巻く紙ウェブに向かい、それの乾燥を促進する。 TADを運ばれるとき、紙ウェブは無端のウェブ送りファブリック(ここで、「TADファブリック」ともいう)によって一般に支持される。 このように、紙ウェブに向かうエアは、TADファブリックをも通過しなければならない。

    しかし、ある場合には、TADを通して紙ウェブを運ぶTADファブリックは、製紙プロセスの中で費用がかかる部分である。 たとえば、機械的なデッケルバンドを、シリンダー上に横方向に離した状態で据え付け、それによりTADの「乾燥区域」を定める。 すなわち、そのようなデッケルバンドは、たとえば、不透過性の材料からなる不透過性のストリップであり、TADシリンダー上、端/フランジにあるいはその周囲に物理的に置き、TADシリンダーのシェルを通るエアの流れをブロックするか、流れの方向を変えるようにする。 そのような配置において、デッケルバンドは、TADシリンダー上、ロールの幅方向に離れた二個所に据え付けられる。 そして、さらにTADファブリックがロールを横切るように、しかも両デッケルバンドの上を被うように配置される。 こうして、デッケルバンド間のTADファブリックの幅が、TADの乾燥区域を定め、その幅の上の紙ウェブがTADで乾燥される。 しかし、そのようなデッケルバンドに伴う一つの欠点として、乾燥区域を定めるためにロールとの関係でデッケルバンドを正確に配置することが困難である問題がある。 その問題は、たとえば、ロールの熱膨張作用に起因する。 そのように、仮のデッケルバンドを当初に用いるが、そのような仮のデッケルバンドは、たとえばポリテトラフルオロエチレン材料で構成され、ロールに対する取付けについては、製紙機械のセットアップの際に仮の接着剤で行う。 この当初のセットアップは、デッケルバンドの適切な位置を決めるために、ある場合には、必要な時間および試行錯誤に必要な資源の点から費用がかかる。

    仮のデッケルバンドの適切な位置が決まったら、長期にわたる製紙プロセスに用いるためのデッケルバンドを、ロール上に据え付けることができる。 そのようなデッケルバンドは、たとえば、ステンレス鋼のようなより耐久性のある材料から構成され、決まった位置でロールあるいはそのエンドリングに溶接される。 しかし、これらの金属のデッケルバンドの一つの欠点は、ある種の条件下で、デッケルバンドがロールあるいはそのエンドリングに腐食を引き起こすことである。 さらに、ロール上に据え付けたこれらのデッケルバンドは、下/周りの汚れを落とすことが困難である。 また、当初のセットアップと実際(長期)の製造との間に、機械の要素が変わり、それによって、デッケルバンドに対する要求が変化することになるであろう。 そのように、デッケルバンドは、製造の直前まで据え付けることができず、それらを実装する結果、遅れやスケジュールの問題が生じることになる。 その結果、長期にわたる製紙プロセスに用いるためのデッケルバンドの据え付けには、時間および資源の点で費用がかかることになる。

    TADロールに付けたデッケルバンドを含むTADを備える製紙機械において、それによって乾燥される紙ウェブをTADファブリックあるいはクロージングに運ぶ際には、たとえば、図3に示すように、紙ウェブの各端とそれぞれの隣接するデッケルバンドとの間にファブリックの横方向の開放ギャップを生じるようにする。 そのような配置にするのは、たとえば、紙ウェブおよび/またはファブリック/クロージングが横方向に移る可能性を最小限にするためからである。 横方向に移ると、紙ウェブがデッケルバンドの外側に広がり、乾燥されなくなってしまう。 ファブリックに支持される紙ウェブに向かう加熱エアによって、ウェブは蒸発し乾燥する。 そして、加熱エアは、たとえば蒸発による冷却メカニズムによって、ファブリックが加熱エアの最大温度にまでは至らないようにファブリックを本質的に保護する。 紙ウェブは、さらに、それを通過するエアを阻止するようになる。 そこで、エアは、最小の抵抗を示す通路を通して流れるようになる。 その通路は、本質的に、紙ウェブの各端とそれぞれの隣接するデッケルバンドとの間のファブリックのギャップである。 しかし、結果的に、そのファブリックのギャップは、ウェブの乾燥プロセスの間、供給するエアの最大温度に晒され、それがファブリックのギャップ区域だけを加熱する。 一般的に、加熱エアの温度がより高くなれば、紙ウェブの乾燥時間を最小にすることができ、それによって、製紙機械の速度をを増すことができる。 しかし、乾燥エアの温度が高いこと、および/またはそのような高温度での機械的摩耗によって、ファブリックが、特にギャップ区域において早期に劣化する傾向がある。 そのため、劣化したファブリックを度々交換することになり、機械の非稼働時間の費用だけでなく、交換のための費用がかかることになってしまう。

    ファブリックの劣化を検討/最小にするため、ある製紙機械においては、たとえば、図4に示すように、エアナイフ冷却のような各種のファブリック端保護手段を実装している。 エアナイフ冷却プロセスにおいて、TADの加熱エア供給ダクトから供給される熱いエアにごく近接したところから冷たいエアをファブリックギャップ上に吹き付ける。 冷たいエアは、ファブリックギャップに向かい、それによって、紙ウェブの横方向端の周囲に冷たいエアの壁を作り出す。 そこで、ギャップにおけるファブリックを同時に冷却する一方、ファブリックギャップを通って流れる熱いエア量を最小にする。 しかし、エアナイフ冷却は、たとえば、エア圧力(すなわち、加熱エアと冷却エア供給圧力との間のアンバランス)の不安定さ、あるいは、エア供給の度方向の不正確さに対する対応が微妙である。 そのような場合、湿ったシートあるいは効果のないエアナイフを生じてしまう。 さらに、最近のTAD製紙機械で見出されたことであるが、エアナイフにおいて高熱の供給エアを処理することができないというおそれがある。 加えて、エアナイフシステムは、必要な装置が多く、ファン、ダクト、センサー、および関連機器が必要である。 そのため、エアナイフシステムは、費用がかかり、複雑であり、セットアップ/据え付けが困難であり、プロセスの変更が困難/高価であり、大型であり、かさばり、メンテナンスが増し、エネルギー非能率であり、そして、正しくセットアップしたときでもわずかな効果しか得られない。

    また、ある場合には、図5に示すように、水噴射ファブリック端保護手段(たとえば、米国特許第6,314,659号参照)を備え、ギャップ周囲のファブリックを保護するようにしている。 この方法は、ファブリックを保護する上で有効であるが、多くの装置が必要であり、それの正しいセットアップが複雑であり、そしてまた、多くのメンテナンス問題に出会うことになろう。

    このように、既存の装置や方法によって、TAD製紙機械における紙ウェブの各横方向端周りのファブリックギャップに取り組むことは、製紙機械で処理することができる紙ウェブの幅を変える上で簡単かつ効果的な方法ではない。 なぜなら、紙ウェブの幅が、「永久据え付けの」TADデッケルバンド(あるいは、「デッケル」)によってしばしば決まってしまうからである。 さらに、ファブリックギャップに対する取り組みは、上に述べたように、エネルギーおよび資源の上でしばしば非能率的であり(すなわち、たとえば、ファブリックがTADにもたらす熱伝達および脱水が不充分であることから、大きなエネルギー消費を生じる)、目標とする効果に比べて全体的に小さな効果しか得られない。

    そこで、プロセスとして有効な方法で、製紙機械(特には、TAD製紙機械)の紙ウェブの幅を定めるための、システム、装置および方法が求められるところである。 解決策に望まれることは、最小の装置を含むこと、比較的に簡単で費用効果が良いこと、大規模なセットアップや試験を必要とせずに異なるウェブ幅に容易に変更できること、そして、製紙機械のメンテナンスが容易であることである。 そのような解決策には、また、早期の劣化を抑えあるいは最小にするため、乾燥ファブリックのファブリックギャップの保護が求められる。 それと同時に、乾燥ファブリックがTADにもたらす水の量や、紙ウェブを乾燥するためTADで用いる加熱エアについてのより完全で有効な活用など、エネルギー消費の問題にも取り組むことができることが解決策に望まれる。

    この発明は、上のような、そして他の要求を満たすものであり、次のようなファブリックの特徴を考慮する。 前記の透過性部分は、それが支持する湿った紙ウェブがその幅の全体にわたって広がるようになされ、それによって、透過性部分は、それに向かうエアが不透過性の細長い部分を除外して通るように配置されている。 そのため、湿った紙ウェブは、透過性の部分だけで支持されたものが脱水される。 それによって、不透過性の細長い部分の間の透過性部分の幅が、脱水される湿った紙ウェブの対応する幅を定める。

    すなわち、この発明の一つの形態あるいは考え方を構成するものは、脱水のために湿った紙ウェブを支持する製紙機械クロージングである。 そのクロージングは、無端のウェブ移送ファブリックから構成される。 そのファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ。 また、ウェブ移送ファブリックは、縦方向を定め、しかも、対向する横方向の端をもつ。 そして、横方向に離れた一対の細長い(ストリップ)部分が、ウェブ移送ファブリックに沿って縦方向に伸びる。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 細長い部分は、その間にウェブ移送ファブリックの透過性の部分を定め、透過性の部分は、それが支持する湿った紙ウェブがその幅の全体にわたって広がるようになされている。 それによって、透過性部分は、それに向かうエアが不透過性の細長い部分を除外して通るように配置されている。 そのため、湿った紙ウェブは、透過性の部分だけで支持されたものが脱水される。 それによって、不透過性の細長い部分の間の透過性部分の幅が、脱水される湿った紙ウェブの対応する幅を定める。

    この発明の他の形態あるいは考え方が提供するものは、湿った紙ウェブを乾燥するためのシステムである。 そのシステムは、少なくとも一つのエア通過ドライヤを備える。 そのドライヤは、シェルが定めるシリンダーを含み、エアがそれを通るようになっている。 シリンダーは、さらに、縦方向に回転するようになっている。 無端の乾燥ファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ。 その乾燥ファブリックは、縦方向を定め、しかも、対向する横方向の端をもち、シリンダーの少なくとも一部の周りを取り巻く。 乾燥ファブリックは、さらに、横方向に離れた一対の細長い部分を含む。 それら細長い部分は、乾燥ファブリックに沿って縦方向に伸びる。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 細長い部分は、その間に乾燥ファブリックのウェブ移送部分を定める。 その乾燥ファブリックのウェブ移送部分は、それのウェブ側の表面上、それが支持する湿った紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっている。 それによって、乾燥ファブリックのウェブ移送部分は、それに向かうエアが細長い部分を除いて少なくとも一つのエア通過ドライヤを通って流れるようになっている。 そのため、湿った紙ウェブは、乾燥ファブリックのウェブ移送部分だけで支持されたものが脱水される。 それによって、細長い部分の間の乾燥ファブリックのウェブ移送部分の幅が、少なくとも一つのエア通過ドライヤによって脱水される湿った紙ウェブの幅を定める。

    すなわち、この発明の他の形態あるいは考え方が構成するものは、湿った紙ウェブを乾燥するためのシステムであって、そのシステムは、少なくとも一つのエア通過ドライヤを備え、そのドライヤは、シェルが定めるシリンダーを含み、エアがそれを通るようになっており、シリンダーは、さらに、縦方向に回転するようになっており、そして、無端の乾燥ファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、その乾燥ファブリックは、縦方向を定め、しかも、対向する横方向の端をもち、シリンダーの少なくとも一部の周りを取り巻き、乾燥ファブリックは、さらに、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、それら細長い部分は、乾燥ファブリックに沿って縦方向に伸び、細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、細長い部分は、その間に乾燥ファブリックのウェブ移送部分を定め、ウェブ移送部分は、それのウェブ側の表面上、それが支持する湿った紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっており、それによって、ウェブ移送部分は、それに向かうエアが細長い部分を除いて少なくとも一つのエア通過ドライヤを通って流れるようになっており、そのため、湿った紙ウェブは、ウェブ移送部分だけで支持されたものが脱水され、それによって、細長い部分の間のウェブ移送部分の幅が、少なくとも一つのエア通過ドライヤによって脱水される湿った紙ウェブの幅を定める。

    この発明のさらに他の形態あるいは考え方が提供するものは、湿った紙ウェブを脱水する方法である。 そのような方法は、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ、無端のウェブ移送ファブリックによって、湿った紙ウェブを縦方向に移送することを備える。 ウェブ移送ファブリックは、対向する横方向の端をもち、さらに、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、それら細長い部分は、ウェブ移送ファブリックに沿って縦方向に伸び、細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 不透過性の細長い部分は、その間にウェブ移送ファブリックの透過性部分を定める。 ウェブ移送ファブリックの透過性部分は、さらに、それが運ぶ湿った紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっている。 エアがウェブ移送ファブリックに向かうとき、ウェブ移送ファブリックの透過性部分は、不透過性の細長い部分を除いてエアを通過させるようになっている。 そのため、ウェブ移送ファブリックの透過性部分によってのみ移送される湿った紙ウェブが乾燥される。 それによって、不透過性の細長い部分の間のウェブ移送ファブリックの透過性部分の幅が、ウェブ移送ファブリック上で脱水される湿った紙ウェブの幅を定める。

    すなわち、この発明のさらに他の形態あるいは考え方が構成するものは、湿った紙ウェブを脱水する方法であって、その方法は、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ、無端のウェブ移送ファブリックによって、湿った紙ウェブを縦方向に移送することを備え、ウェブ移送ファブリックは、対向する横方向の端をもち、さらに、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、それら細長い部分は、ウェブ移送ファブリックに沿って縦方向に伸び、細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、不透過性の細長い部分は、その間にウェブ移送ファブリックの透過性部分を定め、ウェブ移送ファブリックの透過性部分は、さらに、それが運ぶ湿った紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっており、そして、エアがウェブ移送ファブリックに向かうとき、ウェブ移送ファブリックの透過性部分は、不透過性の細長い部分を除いてエアを通過させるようになっており、そのため、ウェブ移送ファブリックの透過性部分によってのみ移送される湿った紙ウェブが脱水され、それによって、不透過性の細長い部分の間のウェブ移送ファブリックの透過性部分の幅が、ウェブ移送ファブリック上で脱水される湿った紙ウェブの幅を定める。

    この発明の別の形態あるいは考え方が提供するものは、紙ウェブの幅を定める方法である。 そのような方法は、成形ワイヤ上の湿った紙ウェブを、透過性のウェブ移送部分をもつ無端の脱水および/またはエンボシングファブリックに向かって縦方向に送ることを備える。 そのとき、湿った紙ウェブは、成形ワイヤ上にファブリックの透過性ウェブ移送部分よりも幅広になるように形作られる。 エンボシングおよび/または紙ウェブ凹凸付けファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、さらに、ファブリックは、対向する横方向の端をもち、そして、ファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分を含む。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 不透過性の細長い部分は、それによって、その間にウェブ移送ファブリックの透過性部分を定める。 そして、湿った紙ウェブは、脱水および/またはエンボシングファブリックに支持されるとき、不透過性の細長い部分を除いてファブリックの透過性のウェブ移送部分だけが湿った紙ウェブを受ける。 そのために、ファブリックの透過性ウェブ移送部分の幅に湿った紙ウェブについて、湿った紙ウェブがファブリックの透過性ウェブ移送部分の全幅にわたるようにトリミングする。

    すなわち、この発明の別の形態あるいは考え方が構成するものは、紙ウェブの幅を定める方法であって、その方法は、成形ワイヤ上の湿った紙ウェブを、透過性のウェブ移送部分をもつ無端の脱水および/またはエンボシングファブリックに向かって縦方向に送ることを備え、湿った紙ウェブは、成形ワイヤ上にファブリックの透過性ウェブ移送部分よりも幅広になるように形作られ、エンボシングおよび/または紙ウェブ凹凸付けファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、さらに、ファブリックは、対向する横方向の端をもち、そして、ファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、不透過性の細長い部分は、それによって、その間にウェブ移送ファブリックの透過性部分を定める。 そして、湿った紙ウェブは、脱水および/またはエンボシングファブリックに支持されるとき、不透過性の細長い部分を除いてファブリックの透過性のウェブ移送部分だけが湿った紙ウェブを受け、そのために、ファブリックの透過性ウェブ移送部分の幅に湿った紙ウェブについて、湿った紙ウェブがファブリックの透過性ウェブ移送部分の全幅にわたるようにトリミングする。

    さらに、この発明の別の形態あるいは考え方が提供するものは、紙ウェブを処理する方法である。 そのような方法は、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ、無端のファブリックによって、紙ウェブを縦方向に移送することを備える。 ファブリックは、対向する横方向の端をもち、さらに、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、それら細長い部分は、ファブリックに沿って縦方向に伸びる。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 不透過性の細長い部分は、それによって、その間にファブリックの透過性のウェブ移送および凹凸付け部分を定める。 ファブリックの透過性のウェブ移送部分は、それが運ぶ紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっている。 エアがファブリックに向かうとき、紙ウェブを脱水および/またはエンボスし、乾燥度および比容積を増すことができる。 そのとき、ファブリックの透過性のウェブ移送部分は、不透過性の細長い部分を除いてエアを通過させるようになっている。 そのため、ファブリックの透過性ウェブ移送部分によってのみ移送される紙ウェブが処理される。 それによって、不透過性の細長い部分の間におけるファブリックの透過性ウェブ移送および凹凸付け部分の幅が、ファブリック上で処理される紙ウェブの幅を定める。 そのような場合、紙ウェブは、たとえば、紙ウェブを吸引通風する真空装置によって、ファブリックの表面形状に応じて紙ウェブを形作るかエンボスする成形装置によって、および/または、紙ウェブを乾燥する通し風乾装置によって処理されるであろう。

    すなわち、この発明の別の形態あるいは考え方を構成するものは、紙ウェブを処理する方法であって、その方法は、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ、無端のファブリックによって、紙ウェブを縦方向に移送することを備え、ファブリックは、対向する横方向の端をもち、さらに、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、それら細長い部分は、ファブリックに沿って縦方向に伸びる。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、不透過性の細長い部分は、それによって、その間にファブリックの透過性のウェブ移送部分を定め、透過性のウェブ移送部分は、それが運ぶ紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっており、そして、ファブリックに向かうエアは、紙ウェブを処理し、ファブリックの透過性のウェブ移送部分は、不透過性の細長い部分を除いてエアを通過させるようになっており、そのため、ファブリックの透過性ウェブ移送部分によってのみ移送される紙ウェブが処理され、それによって、不透過性の細長い部分の間におけるファブリックの透過性ウェブ移送部分の幅が、ファブリック上で処理される紙ウェブの幅を定める。

    この発明のさらに別の形態あるいは考え方が提供するものは、紙ウェブを運ぶ通し風乾ファブリックを保護する方法である。 そのような方法は、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ、無端のファブリックによって、紙ウェブを縦方向に移送することを備え、ファブリックは、対向する横方向の端をもち、さらに、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、それら細長い部分は、ファブリックに沿って縦方向に伸びる。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 細長い部分は、その間にファブリックのウェブ移送部分を定め、ファブリックのウェブ移送部分は、それが運ぶ紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっている。 高温度のエアがファブリックに向かうとき、エアは不透過性の細長い部分を除いてファブリックのウェブ移送部分を通して流れ、紙ウェブを運ぶ紙ウェブ移送部分だけと協力し合う。 紙ウェブは、ウェブ移送部分の全幅にわたって広がっているので、ファブリックのウェブ移送部分を高温度のエアから保護する。

    すなわち、この発明の別の形態あるいは考え方が構成するものは、紙ウェブを運ぶ通し風乾ファブリックの保護方法であって、その方法は、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ、無端のファブリックによって、紙ウェブを縦方向に移送することを備え、ファブリックは、対向する横方向の端をもち、さらに、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、それら細長い部分は、ファブリックに沿って縦方向に伸び、細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、細長い部分は、その間にファブリックのウェブ移送部分を定め、ファブリックのウェブ移送部分は、それが運ぶ紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっており、高温度のエアがファブリックに向かうとき、エアは不透過性の細長い部分を除いてファブリックのウェブ移送部分を通して流れ、紙ウェブを運ぶ紙ウェブ移送部分だけと協力し合い、紙ウェブは、ウェブ移送部分の全幅にわたって広がっていることから、ファブリックのウェブ移送部分を高温度のエアから保護する。

    この発明の他の形態あるいは考え方がさらに提供するものは、単一の製紙機械の内部で紙ウェブの幅を変える方法である。 そのような方法は、成形ワイヤ上の湿った紙ウェブを、第1の透過性ウェブ移送部分をもつ第1の無端ファブリックに向かって縦方向に送ることを備える。 湿った紙ウェブは、成形ワイヤ上に第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分よりも幅広になるように形作られる。 第1のファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、しかも、横方向に離れた一対の第1の細長い部分を含み、それら第1の細長い部分のそれぞれは、実質的に不変の不透過性であり、第1のファブリックに沿って縦方向に伸び、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 第1の不透過性の細長い部分は、それによって、その間に第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分を定める。 成形ワイヤによって運ばれる湿った紙ウェブは、第1のファブリックに交わるとき、第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分が湿った紙ウェブを受け入れ、湿った紙ウェブは、第1の細長い部分を除いて第1の透過性ウェブ移送部分の全幅にわたって広がり、それによって、湿った紙ウェブのトリミングを、第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分の幅に行う。 第1のファブリックは、その後、第2の無端のファブリックと置き換わる。 第2のファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもつ。 さらに、第2のファブリックは、第2のファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の第2の細長い部分を含む。 第2の細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 第2の不透過性の細長い部分は、それによって、その間に第2のファブリックの第2の透過性ウェブ移送部分を定める。 成形ワイヤによって運ばれる湿った紙ウェブは、それから第2のファブリックに交わるとき、第2のファブリックの第2の透過性ウェブ移送部分が湿った紙ウェブを受け入れ、湿った紙ウェブは、第2の細長い部分を除いて第2の透過性ウェブ移送部分の全幅にわたって広がる。 第2のファブリックの第2の透過性ウェブ移送部分の幅は、第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分の幅と異なり、成形ワイヤ上に形作られた湿った紙ウェブよりも狭い。 それにより、その湿った紙ウェブを第2のファブリックの第2の透過性ウェブ移送部分の幅にトリミングする。

    すなわち、この発明の他の形態あるいは考え方が構成するものは、単一の製紙機械の内部で紙ウェブの幅を変える方法であって、その方法は、成形ワイヤ上の湿った紙ウェブを、第1の透過性ウェブ移送部分をもつ第1の無端ファブリックに向かって縦方向に送ることを備え、湿った紙ウェブは、成形ワイヤ上に第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分よりも幅広になるように形作られ、第1のファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、しかも、横方向に離れた一対の第1の細長い部分を含み、それら第1の細長い部分のそれぞれは、実質的に不変の不透過性であり、第1のファブリックに沿って縦方向に伸び、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、第1の不透過性の細長い部分は、それによって、その間に第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分を定める。 また、その方法は、成形ワイヤによって運ばれる湿った紙ウェブを第1のファブリックに交合わせることを備え、そのとき、第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分が湿った紙ウェブを受け入れ、湿った紙ウェブは、第1の細長い部分を除いて第1の透過性ウェブ移送部分の全幅にわたって広がり、それによって、湿った紙ウェブのトリミングを、第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分の幅に行う。 さらに、その方法は、第1のファブリックを第2の無端のファブリックと置き換えることを備え、そのとき、第2のファブリックは、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、さらに、第2のファブリックは、第2のファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の第2の細長い部分を含み、第2の細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、第2の不透過性の細長い部分は、それによって、その間に第2のファブリックの第2の透過性ウェブ移送部分を定める。 そしてまた、その方法は、成形ワイヤによって運ばれる湿った紙ウェブを、第2のファブリックに交合わせることを備え、そのとき、第2のファブリックの第2の透過性ウェブ移送部分が湿った紙ウェブを受け入れ、湿った紙ウェブは、第2の細長い部分を除いて第2の透過性ウェブ移送部分の全幅にわたって広がり、第2のファブリックの第2の透過性ウェブ移送部分の幅は、第1のファブリックの第1の透過性ウェブ移送部分の幅と異なり、成形ワイヤ上に形作られた湿った紙ウェブよりも狭く、それにより、その湿った紙ウェブを第2のファブリックの第2の透過性ウェブ移送部分の幅にトリミングする。

    さらに、この発明の他の形態あるいは考え方は、製紙ファブリックの形成方法を構成する。 その方法は、無端のファブリックであり、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、しかも、縦方向を定め、横方向に離れた一対の細長い部分を含むファブリックから、湿った紙ウェブを支持するようにし、凹凸付け、型取り、あるいはエンボシング、および/または乾燥あるいは脱水を行う。 そのような方法は、ファブリックの横方向に離れた場所にセルフレベリング充てん剤物質を塗ることによって、ファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分を形成することを含む。 セルフレベリング充てん剤物質は、その後、細長い部分のそれぞれが実質的にかつ不変的にエア不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつようにセットされる。 それによって、細長い部分は、その間にファブリックのウェブ移送部分を定める。

    すなわち、この発明の他の形態あるいは考え方が構成するものは、製紙ファブリックの形成方法であって、その方法は、無端のファブリックであり、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、しかも、縦方向を定め、横方向に離れた一対の細長い部分を含むファブリックから、湿った紙ウェブを支持するようにし、凹凸付け、型取り、あるいはエンボシング、および/または乾燥あるいは脱水を行うものであり、その方法は、ファブリックの横方向に離れた場所にセルフレベリング充てん剤物質を塗ることを含み、それによって、ファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分を形成し、そしてまた、その方法は、セルフレベリング充てん剤物質をセットすることを含み、細長い部分のそれぞれが実質的にかつ不変的にエア不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつようにセットし、それによって、細長い部分が、その間にファブリックのウェブ移送部分を定めるようにする。

    この発明のさらにまた他の形態あるいは考え方は、製紙クロージングの形成方法を構成する。 その方法は、無端のファブリックであり、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、しかも、縦方向を定め、横方向に離れた一対の細長い部分を含むファブリックから、湿った紙ウェブを支持するようにし、乾燥あるいは脱水、ならびに/または型取りおよび凹凸付けを行う。 そのような方法は、ファブリックの横方向に離れた場所に熱を加えることを含み、そのとき、熱によって横方向に離れた場所のファブリックが材料流れを生じるような温度にする。 ファブリックを材料流れが生じるような温度に加熱するとき、実質的に同時にファブリックの横方向に離れた場所に圧力を加える。 それによって、ファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分を形成する。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的にエア不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、それによって、細長い部分が、その間にファブリックのウェブ移送部分を定める。

    すなわち、この発明のさらにまた他の形態あるいは考え方は、製紙クロージングの形成方法を構成し、その方法は、無端のファブリックであり、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変の透過性をもち、しかも、縦方向を定め、横方向に離れた一対の細長い部分を含むファブリックから、湿った紙ウェブを支持するようにし、乾燥あるいは脱水、ならびに/または型取りおよび凹凸付けを行う。 そして、その方法は、ファブリックの横方向に離れた場所に熱を加えることを含み、そのとき、熱によって横方向に離れた場所のファブリックが材料流れを生じるような温度にする。 また、その方法は、ファブリックを材料流れが生じるような温度に加熱するとき、実質的に同時にファブリックの横方向に離れた場所に圧力を加えることを含み、それによって、ファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分を形成する。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的にエア不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、それによって、細長い部分が、その間にファブリックのウェブ移送部分を定める。

    この発明の他の形態あるいは考え方は、湿った紙ウェブの脱水、乾燥システムを構成する。 少なくとも一つの処理装置によって、エアの流れを供給する。 エンボシングあるいは凹凸付けの無端ファブリックを、織り材料からだけ形作り、単一で、実質的に不変の透過性をもつようにする。 そのファブリックは、縦方向を定め、横方向に離れた端を含み、少なくとも一つの処理装置と相互に協力し合う。 ファブリックは、さらに、ファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分を含む。 細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 それら細長い部分は、その間にファブリックのウェブ移送部分を定める。 ウェブ移送部分は、それが運ぶ湿った紙ウェブがそのウェブ側の面上、全幅にわたって広がるようになっており、そして、それによって、少なくとも一つの処理装置からのエアが、細長い部分を除いてそのウェブ移送部分を通り紙ウェブを処理する。 その結果、ウェブ移送部分によってのみ支持される湿った紙ウェブが、乾燥されるか、脱水されるか、少なくとも一方の処理が行われる。 そこで、細長い部分の間のウェブ移送部分の幅が、ファブリック上、少なくとも一つの処理装置によって処理される湿った紙ウェブの幅を定める。

    すなわち、この発明の他の形態あるいは考え方は、湿った紙ウェブの脱水、乾燥システムを構成し、そのシステムは、エアの流れを供給する少なくとも一つの処理装置と、織り材料からだけ形作り、単一で、実質的に不変の透過性をもつ無端のファブリックとを備え、そのファブリックは、縦方向を定め、横方向に離れた端を含み、少なくとも一つの処理装置と相互に協力し合い、さらに、ファブリックは、ファブリックに沿って縦方向に伸びる、横方向に離れた一対の細長い部分を含み、細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的に不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、それら細長い部分は、その間にファブリックのウェブ移送部分を定め、ウェブ移送部分は、それが運ぶ湿った紙ウェブがそのウェブ側の面上、全幅にわたって広がるようになっており、それによって、少なくとも一つの処理装置からのエアが、細長い部分を除いてそのウェブ移送部分を通り紙ウェブを処理し、その結果、ウェブ移送部分によってのみ支持される湿った紙ウェブが、乾燥されるか、脱水されるか、少なくとも一方の処理が行われ、細長い部分の間のウェブ移送部分の幅が、ファブリック上、少なくとも一つの処理装置によって処理される湿った紙ウェブの幅を定める。

    この発明のさらに他の形態あるいは考え方は、湿った紙ウェブを支持する製紙クロージングを構成する。 そのようなクロージングは、織り材料からだけ形作り、単一で、実質的に不変のエア透過性をもつ無端のファブリックを含む。 ファブリックのエア透過性(通気性)は、圧力が約100Pa、温度が約20℃において約2.2m/sと約3.0m/sとの間である。 そのファブリックは、縦方向を定め、横方向に離れた端を含む。 横方向に離れた一対の細長い部分が、ファブリックに沿って縦方向に伸び、細長い部分のそれぞれは、実質的にかつ不変的にエア不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもつ。 それら細長い部分は、その間にファブリックのウェブ移送部分を定める。 ウェブ移送部分は、それが運ぶ湿った紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっており、そして、それによって、ウェブ移送部分に向かうエアが、細長い部分を除いてそのウェブ移送部分を通る。 その結果、ウェブ移送部分によってのみ支持される湿った紙ウェブが、エアに晒される。 そこで、細長い部分間のウェブ移送部分の幅が、処理される湿った紙ウェブの幅を定める。

    すなわち、この発明の他の形態あるいは考え方は、湿った紙ウェブを支持する製紙クロージングを構成し、そのクロージングは、織り材料からだけ形作り、単一で、実質的に不変のエア透過性をもつ無端のファブリックを備え、そのファブリックのエア透過性(通気性)は、圧力が約100Pa、温度が約20℃において約2.2m/sと約3.0m/sとの間であり、ファブリックは、縦方向を定め、横方向に離れた端を含む。 しかもまた、そのクロージングは、その横方向に離れた一対の細長い部分をも備え、それら細長い部分は、ファブリックに沿って縦方向に伸び、それぞれがは、実質的にかつ不変的にエア不透過性であり、しかも、水を保持しないように一様に円滑な表面をもち、それら細長い部分は、その間にファブリックのウェブ移送部分を定め、ウェブ移送部分は、それが運ぶ湿った紙ウェブが全幅にわたって広がるようになっており、それによって、ウェブ移送部分に向かうエアが、細長い部分を除いてそのウェブ移送部分を通り、ウェブ移送部分によってのみ支持される湿った紙ウェブが、エアに晒され、そこで、細長い部分間のウェブ移送部分の幅が、処理される湿った紙ウェブの幅を定める。

    次に、この発明の実施例によって、上に述べた必要な特徴を明らかにし、大きな利点があることをここでさらに論じる。

    代表的なTAD製紙機械の構成図である。

    成形した紙ウェブに対する端トリミング法を示す構成図である。

    TADロールの周囲にデッケルバンドを備えるが、紙ウェブの横方向の端のファブリックギャップに取り組む手段を欠く製紙機械の通し風乾装置の構成図である。

    TADロールの周囲にデッケルバンドを備え、しかも、紙ウェブの横方向の端のファブリックギャップに対するエアナイフ冷却を備える、製紙機械の通し風乾装置の構成図である。

    TADロールの周囲にデッケルバンドを備え、しかも、紙ウェブの横方向の端のファブリックギャップに対する水噴射ファブリック端保護手段を備える、製紙機械の通し風乾装置の構成図である。

    この発明の一実施例であり、製紙機械の通し風乾装置で乾燥するために湿った紙ウェブを支持する装置の構成図であり、TADロールの周囲にデッケルバンドを備えることなく、紙ウェブの横方向の端のファブリックギャップを保護するように構成されている。

    この発明の一実施例であり、製紙機械における紙ウェブの端をトリミングするための装置および方法を示す構成図である。

    この発明の一実施例であり、製紙機械における紙ウェブの端をトリミングするための装置および方法を示す構成図である。

    ツインワイヤフォーマーを備える製紙機械の構成図であり、製紙機械は、この発明の他の実施例による、湿った紙ウェブの支持装置を用いて凹凸付けしたクレープティッシュ紙を製造するように構成されている。

    詳細な説明

    これから、この発明について、添付の図面を参照しながらより充分に説明する。 それはいくつかの実施例であり、この発明のすべての実施例を示すわけではない。 確かに、この発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、ここで述べる実施例に限定されることはない。 むしろ、それらの実施例は、ここでの開示が適切な法的な要件を充足させるものである。 同様の構成部分に対しては、全体にわたって同様の符号を付ける。

    図1は、代表的なTAD製紙機械を図式的に示し、製紙機械の全体を符号25で示す。 そのような製紙機械25は、たとえば、その上に紙ウェブ75'を形作る成形ワイヤ50、および、その成形ワイヤ50からウェブが移送され、ピックアップ、移送、脱水、乾燥を行う他のファブリック100を含む。 製紙機械25は、また、通し風乾装置のような1あるいは2以上のドライヤ125をも含む。 製紙機械25について、当業者であるならば、多くの他の構成部分をいろいろな組合せで含ませることができること、図1の構成が単なる例示であり、それに限定したり制限するものでないことを理解するであろう。 たとえば、製紙機械25に対して、真空装置および/または成形装置だけでなく、ヘッドボックスあるいは成形部分、抜粋部分、プレス装置、および/またはプレス部分にも異なるタイプのものを含ませることができる。 また、乾燥部分にも1または2以上の高さで、たとえば、通し風乾装置あるいは他のタイプの脱水装置、あるいはそのような脱水装置の多数など、異なるタイプの脱水装置を含ませることができる。

    図6は、円筒ロールを基礎にした通し風乾装置(TAD)を図式的に示す。 そのようなTADは、製紙機械25の中で紙ウェブ75を脱水および/または乾燥するために用いるものであり、その全体を符号125で示す。 たとえば、TADあるいはTADファブリックに関連してこの中で用いる用語「乾燥」について、当業者は、用語「脱水」が関連することをも示すことを理解するであろう。 すなわち、たとえば、用語「乾燥」が用いられるとき、当業者は、それに加えてあるいはそれの代わりに、用語「脱水」が適用できると理解するであろう。 TAD125は、一般に、ロールシェル(ここで、「ロール150」ともいう)で定まる円筒形のロール150と、関連フード175(たとえば、図1参照)とを含む。 ロール150を定める円筒形シェルは、エアがそのシェルを通過するように構成および構造づけられている。 TAD125は、加熱エアをロール150とフード175との間に向けて(シェルを通して)紙ウェブ75を乾燥するように構成されている。 TAD125は、また、紙ウェブ75を運びあるいは支持するファブリック100を受けるようになっている。 そのとき、ファブリック100は、ロール150の少なくとも一部の回りを巻き(ロールがその軸回りに回転するとき)、ロール150とフード175との間を通るようになっている。 TAD125は、たとえば、外方向流れTADとして、加熱エアがロール150の内部からシェルを通して(TADファブリックおよびその回りを巻く紙を通すだけでなく)フード175の中に流れるように構成される。 別のものとして、図6に示すように、たとえば、TAD125を内方向流れTADとして、加熱エアをフード175からシェルを通して(TADファブリックおよびその回りを巻く紙を通すだけでなく)ロール150の内部に流すようにすることもできる。 ここにおける内方向流れTAD125は、例を示すだけであり、外方向流れTADの構成を除外するわけではない。

    図1に示す典型的なTAD製紙機械25に基づいて、この発明の実施例は、脱水/乾燥のために湿った紙ウェブ75を支持するようになっている製紙クロージングあるいはファブリックを含む。 たとえば、そのようなファブリックは、ループに形成した無端の乾燥ファブリック(ここで、「TADファブリック」と同一視するかあるいはいう)100である。 その場合、乾燥ファブリック100は、縦方向200(すなわち、製紙機械25を運転するとき、乾燥ファブリック100が走る/動く方向)に伸びるか走り、対向した横方向の端225(図6には、それらの二つの端の一方だけを表現しているが、反対側の端は実質的にその鏡像である)。 ファブリック100は、織り材料からだけ形作られ、単一で、実質的に不変のエア透過性をもち、たとえば、そのファブリックのエア透過性(通気性)は、圧力が約100Pa、温度が約20℃において約2.2m/sと約3.0m/sとの間である。 すなわち、ファブリック100は、内部に骨格構造がなく、単に織り構造になっており、そのような織り構成は、ファブリック100をたとえば固体材料の穴あきベルトと区別する。 そのようなファブリック100は、たとえば、高分子材料から構成される比較的に細い糸から形作られあるいは織られる。 ファブリック100は、さらに、横方向に離れた一対の不透過性の細長い部分250を備える。 それら一対の細長い部分は、乾燥ファブリック100に沿って縦方向(すなわち、ファブリック100がループ回りに進む際のファブリックの100の走行方向)に伸びる。 不透過性の細長い部分250のそれぞれは、実質的にかつ不変的にエア不透過性である。 たとえば、ある例では、不透過性の細長い部分250は、約100mm水柱(WC)の圧力でエア不透過性である。 また、別の例では、不透過性の細長い部分250は、圧力が約60kPaで実質的にエア不透過性、あるいは、そうでなければ完全に不透過性である。

    一つの実施例において、不透過性の細長い部分250を作るとき、織りファブリックのブランク(素材)にセルフレベリング充てん剤物質を塗布することによって行う。 たとえば、充てん剤物質は、ファブリックブランクの織り材料に対し、液体として塗布することができる。 塗布すると、充てん剤物質は、不透過性の細長い部分250のそれぞれの幅および長さにわたってファブリックブランクの織り構造を埋め、それからフレキシブルな固体に固まり、実質的にかつ不変的にエア不透過性、かつ一様に円滑な表面を形成する。 正確にいえば、充てん剤物質は、たとえば、エポキシ材料あるいはシリコン材料であり、ファブリックブランクに液体として塗布すると、それらがフレキシブルな固体に固まるにつれて、「セルフレベル」あるいは円滑になる。 他の例では、ファブリックブランクを形作る細い織り高分子糸を、圧力および熱を組み合わせた状況に晒すことによって、高分子糸を「溶かし」、その後に、圧力/熱を取り除いて不透過性の高分子シートに作り直す。 そのような処理を織りファブリックブランクの対向する横方向の端225あるいはその付近で走行方向(つまり、縦方向200)に沿って施すと、不透過性の細長い部分250を形成することになる。 しかし、当業者は、不透過性の細長い部分250を異なる方法(この発明の考え方および範囲内の方法)で作ることができると認識するであろう。

    不透過性の細長い部分250は、また、横方向の内部の端が実質的に一様であり、それらの端の間の横方向の間隔が実質的に一様であり、幅、厚さ、断面形状その他が一様であることが好ましい。 一つの例(つまり、たとえば、図1〜6に示す内方向流れTAD)において、不透過性の細長い部分250の実質的に円滑な表面は、ファブリック100をTADロールの回りに取り付けるとき、ファブリック100のループの外側に向いており、それにより、不透過性の細長い部分250のそれぞれの実質的に円滑な表面は、ロール150から離れて紙ウェブ75に向いている(つまり、ファブリック100のウェブ支持面あるいは紙移送側に実質的に一方向に向いている)。 別の例(つまり、外方向流れTAD)において、不透過性の細長い部分250のそれぞれの実質的に円滑な表面は、ロール150に向くだけでなく、紙ウェブ75に向いている。 すなわち、TAD形態のどれでも、不透過性の細長い部分250のそれぞれの実質的に円滑な表面は、紙ウェブ75に向いている。 しかし、当業者は、不透過性の細長い部分250のそれぞれの反対面、紙ウェブ75に向かう表面は、乾燥ファブリック100の反対側であり、紙ウェブ75から離れるように向く反対面と同様、もし望むなら、両方とも実質的に円滑にすることができることを認識するであろう。 ここに詳しく述べたように、不透過性の細長い部分250のそれぞれの実質的にかつ一様に円滑な表面は、水を保持しないようにし、ファブリック100がTAD125に持ち込む水の量を減らす。 すなわち、実質的にかつ一様に円滑な表面は、粗くあるいはくぼみのある表面に比べて、その上に載せる水を追い出すようにする。 粗い表面の場合には、水を表面に保持し、保持した水をTAD125に運ぶ。 結果として、TAD125におけるエネルギーの節約となるであろう。 というのは、不透過性の細長い部分250によって、TAD125に持ち込む水を除去するために、エネルギーの投入がもはや不要であるからである。

    不透過性の細長い部分250については、たとえば、少なくとも約2.5cmの幅とし、紙ウェブ75がその幅を越えて広がらないようにすべきである。 ある例では、不透過性の細長い部分250のそれぞれが、約13cmの幅をもつことが望まれる。 さらに、形成した不透過性の細長い部分250は、ファブリック100の織り構造よりも厚いか、薄いか、あるいは実質的に同じ厚さである。 加えて、不透過性の細長い部分250は、必ずというわけではないが、ファブリック100の対向する横方向の端225を定める。 すなわち、ファブリック100の織り構造の部分は、不透過性の細長い部分250の一方あるいは両方の横方向外側に伸びる。 不透過性の細長い部分250は、また、その間に乾燥ファブリック100のウェブ移送部分275を定める。 ウェブ移送部分275の幅は、たとえば、紙ウェブ75から形成する特定製品の仕様など、多くの要素に応じて異なることになるであろう。 すなわち、ウェブ移送部分275は、特に、乾燥のために紙ウェブ75を移送するように適合させる。 ウェブ移送部分275の幅は、通例、たとえば、約50cmから約600cmに至るまで様々である。 ファブリック100のウェブ移送部分275を形作る織り材料の透過性が、単一で実質的に一様であるため、ウェブ移送部分275が支持する湿った紙ウェブ75は、その全幅にわたって広がる。 そのように、ファブリック100の透過性のウェブ移送部分275は、不透過性の細長い部分250を除いて、TAD125によってそこに向かうエアがその部分を通って流れるようになっている。 このようにして、透過性のウェブ移送部分275によってのみ支持される湿った紙ウェブ75が、TAD125において乾燥される。 不透過性の細長い部分250の間にある、透過性のウェブ移送部分275の幅は、その上で乾燥する湿った紙ウェブ75の対応する幅を定める。

    このように、間隔を開けた不透過性の細長い部分250が透過性のウェブ移送部分275を定めるようになっているファブリック100は、さらにTAD125と協力して、湿った紙ウェブ75を乾燥するための乾燥部分を形成する。 図6に示すように、そのようなファブリック100は、デッケルバンドを含まない回転可能なロール150をもつTAD125に適用することができる。 そのようなロール150は、エアを通して流すようになった中間部分155と、連続した末端部分160(ここで、「端部分160」ともいい、デッケルバンドがあることもないこともある)を含む。 末端部分160は、中間部分155のシェル構造を保持し支え、ロール150の横方向の端を定める。 そのような配置において、中間部分155は、ロール150が回転するとき、それを越えてエアがロール150の中に、あるいは外に向かう最大幅を定める。 したがって、ある場合には、紙ウェブ75の必要な幅は、ロール150の中間部分155の幅よりも多少小さい。 そのような場合、紙ウェブ75の必要な幅は、ファブリック100の透過性のウェブ移送部分275の幅に相応する。 結果として、不透過性の細長い部分250は、横方向外側に充分な幅に広がり、TADロール150の端部分160に重なるか、あるいは、少なくとも部分的に端部分160を被うようになっている。 すなわち、透過性のウェブ移送部分275によって、紙ウェブ75の必要な幅が決まり定まると、不透過性の細長い部分250は、紙ウェブ75の横方向の各端とロール150の対応する端部分160との間のギャップ300(たとえば、ギャップ300を図示した図3参照)上に伸びるようになっている。

    ファブリック100は、少なくとも約120℃の温度、ある場合には、早期に劣化することなく、少なくとも約280℃に耐えるようになっている。 そうであるから、ファブリック100は、フード175とTAD125のロール150との間に流れる加熱エアに耐えるようになっており、不透過性の細長い部分250は、製紙プロセスの間にロール150の回りを走るとき、充分にフレキシブルで弾力性があり、連続した移動/伸びに耐える。 不透過性の細い部分250は、また、たとえば、水噴射ノズルクリーニング処理のようなファブリック洗浄処理に対して、ここで述べたような特性に悪影響を及ぼすことなく、充分に耐えるだけの強さをもつ。 不透過性の細い部分250がギャップ300を被っているため、TAD125の中を流れる加熱エアは、ファブリック100(デッケルバンドを使用することなく)の透過性のウェブ移送部分275を通るようにだけ向かい、したがって、紙ウェブ75の乾燥のためにエアをより有効に使用することができる。 すなわち、透過性のウェブ移送部分275が紙ウェブ75の幅になるようになっており、しかも、紙ウェブ75が透過性のウェブ移送部分275の全幅にわたり広がっているので、TAD125を通して流れるエアの実質的にすべてが、透過性のウェブ移送部分275および紙ウェブ75の両方を通して流れ、紙ウェブ75を乾燥する。 さらに、透過性のウェブ移送部分275は、紙ウェブ75内部の水の蒸発によって冷やされ、それによって、紙ウェブ75で被われないファブリックの部分を通して流れる加熱エア(すなわち、デッケルバンドを用いた以前の形態の場合)に比べて、ファブリック100の早期の劣化を減じるか、あるいは最小限にすることができる。

    ここに述べたように、横方向に離れた不透過性の細長い部分250をもつファブリック100を備えるTAD125は、紙ウェブ75の横方向の端とロール150の端部分160との間のギャップ300をなくすことによって、TADの高温の供給エアがファブリック100の横方向の端225を流れて通過することを防ぐ。 その点、デッケルバンドを用いた今までのTADにおいては、高温エアがそこを通過していた。 このようにして、ファブリック100の有効寿命を、ギャップ300におけるファブリックの劣化を最小限にするか、なくすことによって、増すことができる。 それと同時に、TAD125における供給エアとして、より高い温度(すなわち、約200℃より上)を利用することができる。 より高温の供給エアによる速い乾燥に加えて、乾燥エアのより有効な利用による増大した効率および/または製造能力によって、湿った紙ウェブ75を乾燥する有益なシステムあるいは乾燥部分を提供する。 デッケルバンドをなくすことから、たとえば、仮のデッケルバンドに伴う機械の起動問題、「永続的な」デッケルバンドの設置のために、当初の起動後の操業停止、デッケルバンドと関係するロールの腐食、およびTADロール150に関係するクリーニング問題などの今までの欠点を実質的に取り除くこともできる。 加えて、ファブリック100の不透過性の細長い部分250によって、ギャップ300をなくすので、たとえば、エアナイフ端冷却や水噴射端保護のようなギャップ保護手段の必要性もなくなる。 そのため、システムには必要とする装置が少なくなり、費用もかからなくなり、メンテナンスが集中することも少なくなる。

    横方向に離れた不透明性の細長い部分250をもつファブリック100を別の観点から見れば、製造すべき紙ウェブ75の幅を決定することができる考え方である。 前に述べたように、紙ウェブ75は、初めには成形ワイヤ50の上で形作られ、そこで初期に形成した紙ウェブ75'から少なくともいくらかの水が成形ワイヤ50を通して排水される。 その後、形成した紙ウェブ75'は、TAD125における乾燥のためにファブリック100へと移送される。 その移送を行うために、ファブリック100は、一般に、成形ワイヤ50に隣接して走行するようになっており(図7Aおよび7Bに示すように)、その上に成形した湿った紙ウェブ75'をもつ成形ワイヤ50の下流の(縦方向)部分は、乾燥ファブリック100の上流部分(TAD125の上流)に隣接して走行している。 成形ワイヤ50から乾燥ファブリック100へと湿った紙ウェブ75を移送するため、たとえば、図1に示すように、たとえば、真空/サクション装置325のようなピックアップ装置を乾燥ファブリック100のループ内に設置し、それによって生じる吸込みがファブリック100の透過性のウェブ移送部分275を通して作用するようになっている(吸込みは、他の点では、不透過性の細い部分250によって妨害されている)。 したがって、サクション装置325によって加わる吸込みが、移送あるいはピックアップ位置で、形成した湿った紙ウェブ75'の向かい側(つまり、中間の)部分を引いて、成形ワイヤ50から離し、TADファブリック100へと向かわせる。 端トリミングシステムを用いる今までの形態において、そのような端トリミングについては、一般に、ピックアップ位置よりも前に行う。 それによって、紙ウェブ75'の中間部分を成形ワイヤ50から乾燥ファブリック100へと引き寄せる。 ところが一方、形成した紙ウェブ75'の外側端のトリムあるいは切り取った横方向外側の部分は、成形ワイヤ50上に残っている。 しかし、そのような今までの形態において、サクション装置325は、トリミングした紙ウェブ75を受け、紙ウェブのトリミングした端部分を移送することを避けるために、乾燥ファブリックの大体の幅および部分上にだけ作動するようになっている。

    製紙機械25の成形ワイヤ50は、説明したとおり、「ツインワイヤフォーマー」の成形ワイヤの一つである。 たとえば、図8に示すように、成形ワイヤ50は、C−ファーマーの「内側成形ファブリック」を含むが、そのようなフォーマーには対向する「外側成形ファブリック」(図8に構成要素60として示す)がある。 そのような例において、繊維状のスラリーは、フォーマーの上流側で内側および外側の両成形ファブリックの間に堆積する。 そのとき、成形ワイヤ50(あるいは、「内側成形ファブリック」)が、形成した湿った紙ウェブを乾燥ファブリック100へと移送する。 そのようなツインワイヤフォーマーは、たとえば、「一般の(在来の)」ティッシュ製造プロセスにおいて使用される。 そのような場合、ファブリック100は、当業者が認識するように、不透過性のストリップをもち、そのストリップが透過性のウェブ移送部分275を定めるフェルトである。 形成した紙ウェブ75'は、たとえば、真空装置によって、内側成形ワイヤ50からフェルトの透過性のウェブ移送部分275へと積み換えられる。 ウェブ75は、その後、たとえば、ヤンキードライヤー(ヤンキーシリンダー)上でプレスによる脱水処理を実行され、ついで、紙ウェブ75はヤンキードライヤーで最終的に乾燥される。

    さらに、図8に示すように、この発明の実施例は、TADを含まない製紙機械にも適用することができる。 たとえば、図8は、高バルクの凹凸付けしたペーパーを製造するための製紙機械500を示す模式図である。 製紙機械500は、ウエット地点(部分)550および乾燥部分650を備えるが、プレス部分は含まない。 ウエット地点550には、ヘッドボックス555およびワイヤ部分がある。 ワイヤ部分は、さらに、成形ロールと二つの成形ワイヤ50,60とを備える。 それぞれの成形ワイヤ50,60は、複数のガイドロールの回りの閉ループ内を走行する。 成形ワイヤ50,60は、その間に位置するヘッドボックス555から紙料の噴射を受ける。 そこで、内側成形ワイヤ50によって、連続した繊維ウェブが形成され、下流へと運ばれる。 ワイヤ部分には、スチームボックス580と、サクションボックス585とがある。 スチームボックス580は、内側成形ワイヤ50の外側に位置し、ウェブを加熱する。 また、サクションボックス585は、内側成形ワイヤ50の内側に位置し、内側成形ワイヤ50を通してウェブから水を除去する。

    ワイヤ部分の下流に、ウエット地点55は、さらに、ワイヤ部分から乾燥部分650に伸びる凹凸付け部分600を備えている。 凹凸付け部分600は、複数のガイドロールの回りの閉ループ内を走行する凹凸付けファブリック100を備える(したがって、凹凸付けファブリック100は、TADファブリック以外の他のオープン構造のものでも良い)。 ファブリック100のループ内部にはトランスファーボックス605が配置され、ワイヤ部分から凹凸付け部分600へとウェブを移し換えることを容易にする。 ウェブの移し替えは、ファブリック100を内側成形ワイヤ50に向けることによって行うが、トランスファーボックス605からファブリック100を通して吸い込むことによって、内側成形ワイヤ50からウェブをピックアップする。 トランスファーボックス605の後、ウェブは凹凸付けファブリック100によって凹凸付け部分600を通して移送される。 凹凸付け部分600には、脱水ユニットが少なくとも一つ備わっている(すなわち、少なくとも一つの脱水ユニットあるいは装置は、ウェブの拘束されない自由な側に向いている)。 脱水ユニットは、たとえば、ファブリック100のループの外側に位置し、ウェブの自由な側に向いたスチームボックス615と、スチームボックス615の反対側および/または下流のファブリック100のループ内部に位置するサクションボックス620とを備える。 スチームボックス615は、ウェブおよびその中の水の温度を上げる役割を果たす。 それにより、水の粘性を低下させることによって、次のサクションボックス620の脱水能力を増す。 それに代わるものとして、脱水ユニットにおける脱水手段あるいは装置が、たとえば、赤外線あるいは加熱エアを用いることによって、ウェブを加熱するようにすることができる。 円滑で堅いトランスファーロール655が、ファブリック100のループの内側に位置し、ウェブに対してトランスファーニップ665を形作ることによって、ウェブをファブリック100から乾燥部分650の高温乾燥表面に移すようになっている。 ある場合には、関連するフードをもつヤンキードライヤー670が、高温乾燥表面を提供し、ウェブを乾燥する。 その後、ウェブは、たとえば、クレープドクターによって乾燥表面から取り除かれる。

    この発明の実施例にしたがって、横方向に離れた不透過性の細い部分250を伴うようになったファブリック100は、サクション装置325が吸い込む有効な領域をコントロールあるいは制限する(サクションボックス585、トランスファーボックス605およびトランスファーボックス620と同様である。そのような効果は、当業者に明らかである)。 そのような場合、吸込みは、透過性のウェブ移送部分275を通して加わり、形成した紙ウェブ75'の必要な幅だけを乾燥ファブリック100に向かって引き寄せる。 そのとき、切り取った端部分からトリミングした紙ウェブ75を完全に分離するために、端のトリミングを行う必要はない。 すなわち、成形ワイヤ50上に形成された完全な幅の紙ウェブが、約10%から約40%の間の乾燥度にあるピックアップ位置に入っていく。 そこで、ピックアップの吸込みが湿った紙ウェブの相対する中央部分(これは、透過性のウェブ移送部分275の幅に等しい)を、成形ワイヤ50からTADファブリック100の透過性のウェブ移送部分275に向けて引き寄せる。 しかし、当業者であれば、湿った紙ウェブ75の乾燥度は、ファブリック100への移し換えに応じて異なることを理解するであろう。 不透過性の細い部分250は、形成した紙ウェブ75'の外側の端部分がピックアップの吸込みに晒されないようにする。 そのため、形成した紙ウェブ75'の外側の端部分と成形ワイヤ50との間にある程度の付着力があり、しかも、乾燥ファブリック100の不透過性の細い部分250のためにピックアップの吸込みに晒されないことになり、形成した紙ウェブ75'の外側の端部分は、成形ワイヤ上に残る。 それによって、形成した紙ウェブ75'を本質的にトリミングし、紙ウェブ75の横方向の端を均一に作り出し、前記の外側の端部分は、成形ロールに到着するまでに成形ワイヤ50から取り除かれる。 さらに、乾燥ファブリック199に移送される紙ウェブ75の幅は、ファブリック100の透過性のウェブ移送部分の幅に等しい。 加えて、不透過性の細長い部分250のそれぞれの実質的にかつ一様に円滑な表面は、その上に水を保持する(不透過性の細長い部分250の)性質を減じる。 そのようにして、それら細長い部分250のそれぞれは、形成した紙ウェブ75'のトリミングした端部分が不透過性の細長い部分250に付着すること、および成形ワイヤ50から分離することの可能性を減じるか排除する。 そのため、湿った紙ウェブ75の横方向の端は、外部からの端トリミング装置を必要とせずにトリミングされ、必要な幅の紙ウェブ75を得ることができる。 それによって、今までの端トリミングシステムに比べて、装置が少ないこと、メンテナンスが少ないこと、必要なエネルギーが少ないこと、および新鮮な水が不要であることの各点から、費用の節約および効率化を実現することができる。 さらにまた、「内側」端トリミング(すなわち、仕上げ乾燥した紙ウェブ75の必要な幅を定めるための第2のトリミング処理)の必要性が、減じるかなくなり、それによって、結果的に、乾燥したトリミング物を再パルプ化することを減じるかなくすことになる。

    ファブリック100(横方向に離れた不透過性の細長い部分250をもつ)自体が、ピックアップの吸込みと合同して、成形ワイヤ50から受ける形成した紙ウェブ75'の端をトリミングするので、トリミングした紙ウェブ75は、ファブリック100の透過性のウェブ移送部分275の全幅にわたって広がる。 紙ウェブ75がファブリック100の透過性のウェブ移送部分275の全幅にわたって広がる結果として、ファブリックギャップ300は、TAD125におけるエアの流れ通路として排除される。 したがって、TAD125において紙ウェブ75からの水の蒸発が生じ、それがTAD125の高温エアからファブリック100の透過性のウェブ移送部分275を守る。 そのとき同時に、ファブリック100の不透過性の細長い部分250は、また、対流による熱移動を減じる。 ファブリック100の部分(すなわち、ギャップ300)はもはやTAD125の受け入れがたいレベルの高温エアに晒されないので、ファブリック100の早期の劣化を避けることができ、ある場合には、ファブリック100を損傷するという大きなリスクなしに、TAD125で使用する供給エアとしてより高い温度が許される。

    横方向に離れた不透過性の細長い部分250を用いるファブリック100は、また、製紙機械25内部における紙ウェブ75の他の処理あるいは加工を単純および/または容易にする。 たとえば、モールディング装置350を実装する場合、このような形態のファブリック100は、紙ウェブ75の適切な幅に作用するようにモールディング装置350のセットアップを単純にする(すなわち、モールディングボックスと結びつくデッケルが不要になる)。 そのように、この発明の実施例では、サクション装置325モールディングボックス350、および/またはTADロール150に対するデッケルの必要性だけでなく、端トリミングシステムを除くことができる。 それと同時に、製紙機械25の構成要素を整列させることをも容易にする。 さらに、総合的なエネルギー節約に加えて、実現される利点として、整列デッケルに関係する時間の節約、湿ったあるいは損傷した横方向の端に起因して乾燥紙ウェブ75が低品質になるおそれの低減、および、紙ウェブ75のより効率的な乾燥(供給エアがギャップ300の周りの紙ウェブをバイパスしないので)を挙げることができる。 紙ウェブ75の必要な幅を変える場合には、さらに他の利点を得ることができる。 そのような場合、紙ウェブ75の幅は、不透過性の細長い部分250の横方向の間隔を変更することにより、容易に変えることができる。 そのことは、ファブリック100を不透過性の細長い部分250の横方向の間隔が適切なものに変えることによって、実行することができる。 すなわち、透過性のウェブ移送部分275が第1の幅である第1のファブリック100を、透過性のウェブ移送部分275が第2の幅である第2のファブリック100に変える。 そのとき、透過性のウェブ移送部分275のそれらの幅は、形成した紙ウェブ75'の幅よりも小さく、両方が異なる。 それとは別に、異なる幅の紙ウェブを製造する製紙機械を変えることには、親ロールの幅を変えることを含む(すなわち、端トリミングシステムの横方向の間隔を調整することによって)。 異なる幅の製品は、たとえば、浴用製品かタオル製品で出会す。 それらの製品は、しばしば同じ製紙機械25上で作られる。 したがって、それぞれの異なる製品に対する紙ウェブ75の幅を最適化することによって、費用の低下と同時に、乾燥効率を高めることができる。

    ここに説明したこの発明についての多くの変形例および他の実施例によって、当業者は、上述した説明および関連する図面の中に有益な教えを心に留めるであろう。 たとえば、ここに開示した製紙ファブリックは、たとえば、真空脱水システムおよび処理のような他の紙ウェブ形成システムや処理に実装することができる。 したがって、この発明は、開示した具体的な実施例(すなわち、TAD製紙機械あるいは非TAD製紙機械)に限定されないこと、および、いろいろな変形例や他の実施例(すなわち、他の製紙プロセス)が特許請求の範囲の考え方に含まれることを理解されたい。 この中で具体的な用語を使用しているが、それらの用語は、包括的かつ記述的な意味からのみ用いており、限定する意図はない。

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