Method for forming a population of dyed microspheres and staining microspheres

申请号 JP2007536820 申请日 2005-10-11 公开(公告)号 JP5285910B2 公开(公告)日 2013-09-11
申请人 ルミネックス コーポレーション; 发明人 ホファッカー,カート・ディ; ルゲイド,アナンダ・ジイ; ターペットシュニーグ,エバルト;
摘要
权利要求
  • 染色ミクロスフェアを形成するための方法であって、ミクロスフェアの存在下で熱又は光を用いて色素に連結された化学構造を活性化して反応中間体を形成するステップを含み、
    前記化学構造は、芳香族スルホニルアジド、または 5−(2−アミノエチル)アミノ−1−ナフタレンスルホニルアジドを含み、
    前記反応中間体が、前記ミクロスフェア内のポリマーに共有結合的に付着し、これによって前記色素が前記ポリマーに連結して前記染色ミクロスフェアを形成することを特徴とする方法。
  • 前記活性化ステップが、前記色素に連結された前記化学構造を温度110°Cまで加熱するステップを含む請求項1に記載の方法。
  • 前記活性化ステップが、前記色素に連結された前記化学構造を温度50°C〜80°Cまで加熱するステップを含む請求項1に記載の方法。
  • 前記活性化ステップが、前記色素に連結された前記化学構造を前記ポリマーのガラス転移温度よりも低い温度まで加熱するステップを含む請求項1に記載の方法。
  • 前記ミクロスフェアが、前記活性化ステップの前後で同じ形状であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記色素が、前記活性化ステップの前後で同じ構造で且つ同じ組成であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記染色ミクロスフェアが有機溶媒中に配置されたときに 、前記色素が前記ポリマーから脱離しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記ポリマーが、本質的にジビニルベンゼンと架橋したポリスチレンからなる請求項1に記載の方法。
  • 1つ又はそれ以上の分子が、 つ又はそれ以上の官能基を介して前記染色ミクロスフェアに付着できるように、前記染色ミクロスフェアが、前記ポリマーに付着した1つ又はそれ以上の官能基を含み、
    前記1つ又はそれ以上の分子は、オリゴヌクレオチド、ペプチド、又はオリゴ糖を含む生体分子を含み、前記官能基は、アミノ基又はカルボキシル基を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記反応中間体がスルホニルニトレン基を含む請求項1に記載の方法。
  • 前記ミクロスフェアの存在下で熱又は光を用いて付加的な異なる色素に連結された付加的な化学構造を活性化して異なる反応中間体を形成するステップを更に含み、前記異なる反応中間体が、前記ミクロスフェアのポリマーに共有結合的に付着し、これによって前記付加的な異なる色素を前記ポリマーに連結することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記付加的な異なる色素が前記活性化ステップの前後で同じ構造と組成である請求項11に記載の方法。
  • 分子に連結された染色ミクロスフェアを形成するための方法であって、
    ミクロスフェアの存在下で反応中間体を形成するために、熱又は光を用いて色素に連結した化学構造を活性化するステップであって、前記反応中間体が、前記ミクロスフェアのポリマーに共有結合的に付着し、これによって前記色素を前記ポリマーに連結して前記染色ミクロスフェアを形成する、前記活性化するステップと、
    前記染色ミクロスフェアの外側表面上に前記分子を合成するステップと、
    を含み、
    前記化学構造は、芳香族スルホニルアジド、または 5−(2−アミノエチル)アミノ−1−ナフタレンスルホニルアジドを含み、
    前記分子は、オリゴヌクレオチド、ペプチド、又はオリゴ糖を含む生体分子を含むことを特徴とする方法。
  • 前記合成するステップが、前記染色ミクロスフェアを有機溶媒中に配置するステップを含む請求項13に記載の方法。
  • 前記合成するステップが、前記染色ミクロスフェアを有機溶媒中に配置するステップを含み、前記染色ミクロスフェアが、前記合成するステップの前後で同じ色素特性を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記分子が水性溶媒中で不溶性であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記合成するステップが水性溶媒中に前記染色ミクロスフェアを配置するステップを含む請求項13に記載の方法。
  • 前記活性化するステップが前記色素に連結された前記化学構造を温度110°Cまで加熱するステップを含む請求項13に記載の方法。
  • 前記活性化するステップが前記色素に連結された前記化学構造を温度50°C〜80°Cまで加熱するステップを含む請求項13に記載の方法。
  • 前記活性化するステップが前記色素に連結された前記化学構造を前記ポリマーの前記ガラス転移温度よりも低い温度まで加熱するステップを含む請求項13に記載の方法。
  • 前記ミクロスフェアが、前記活性化するステップの前後で同じ形状であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記色素が、前記活性化するステップの前後で同じ構造で且つ同じ組成であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記染色ミクロスフェアが有機溶媒中に配置されたときに 、前記色素が前記ポリマーから脱離しないことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記ポリマーが、本質的にジビニルベンゼンと架橋されたポリスチレンからなる請求項13に記載の方法。
  • 前記染色ミクロスフェアが、前記ポリマーに付着した1つ又はそれ以上の官能基を含み、
    前記官能基は、アミノ基又はカルボキシル基を含み、
    前記分子が、前記1つ又はそれ以上の官能基を介して 記染色ミクロスフェアの外側表面上に合成することができるようにすることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記反応中間体がスルホニルニトレン基を含む請求項13に記載の方法。
  • 前記ミクロスフェアの存在下で熱又は光を用いて付加的な異なる色素に連結された付加的な化学構造を活性化して異なる反応中間体を形成するステップを更に含み、前記異なる反応中間体が前記ミクロスフェアのポリマーに共有結合的に付着し、これによって前記付加的な異なる色素を前記ポリマーに連結することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記付加的な異なる色素が、前記活性化するステップの前後で同じ構造と組成である請求項27に記載の方法。
  • 染色ミクロスフェアの集団であって、前記染色ミクロスフェアの各々は、各々の内部にあるポリマーに化学構造により付着される色素を含み、
    前記化学構造は、芳香族スルホニルアジド、または 5−(2−アミノエチル)アミノ−1−ナフタレンスルホニルアジドを含み、
    前記染色ミクロスフェアの各々が励起されたときに前記染色ミクロスフェアの各々により放出される蛍光強度の変動係数が10%未満であることを特徴とする染色ミクロスフェアの集団。
  • 前記染色ミクロスフェアの各々の前記ポリマーに付着する前記色素の量が等しいことを特徴とする請求項29に記載の集団。
  • 前記集団の染色ミクロスフェアの各々が、付加的な化学構造により前記染色ミクロスフェアの各々の前記ポリマーに付着された付加的な異なる色素を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の集団。
  • 前記付加的な異なる色素に起因する前記蛍光強度の変動係数が10%未満であることを特徴とする請求項31に記載の集団。
  • 前記集団の前記染色ミクロスフェアの各々が、前記染色ミクロスフェアの各々の外側表面上に合成された生体分子を含むことを特徴とする請求項29に記載の集団。
  • 前記集団の染色ミクロスフェアの各々が、前記染色ミクロスフェアの各々の外側表面上に合成された有機分子を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の集団。
  • 前記染色ミクロスフェアの各々が、前記色素がポリマーに付着される前後で同じ形状であることを特徴とする請求項29に記載の集団。
  • 前記色素は前記色素が前記ポリマーに付着される前後で同じ構造で且つ同じ組成であることを特徴とする請求項29に記載の集団。
  • 染色ミクロスフェアの前記集団が有機溶媒中に配置されるときに 、前記色素が前記ポリマーから脱離しないことを特徴とする請求項29に記載の集団。
  • 前記ポリマーが本質的にジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンからなる請求項29に記載の集団。
  • 前記染色ミクロスフェアの各々が、前記染色ミクロスフェアの各々の前記ポリマーに付着した1つ又はそれ以上の官能基を更に含むことで、1つ又はそれ以上の分子が、前記1つ又はそれ以上の官能基を介して前記染色ミクロスフェアの各々に付着することができるようにするものであり、
    前記1つ又はそれ以上の分子は、オリゴヌクレオチド、ペプチド、又はオリゴ糖を含む生体分子を含み、前記官能基は、アミノ基またはカルボキシル基を含むことを特徴とする請求項29に記載の集団。
  • 说明书全文

    本発明は、一般に、染色ミクロスフェアと染色ミクロスフェアの集団を形成するための方法に関する。 特定の実施態様は、ミクロスフェアの存在下で熱又は光を用いて色素に連結された化学構造を活性化して反応中間体を形成し、反応中間体が、ミクロスフェアのポリマーに共有的に付着することにより色素をポリマーに連結するようにする段階を含む。

    以下の説明及び実施例は、本章に含まれているという理由から先行技術して認められるものではない。
    分光技術は、化学系や生物系を分析するのに広く用いられている。 殆どの場合、これらの技術には、関心のある材料による電磁照射の吸収又は放出を伴う。 このような用途の1つは、コンビナトリアル化学や生物学アッセイ産業を含む多数の専門領域で活用される技術であるマイクロアレイの分野である。 テキサス州オースティンの企業であるLuminex Corporationは、種々に着色された蛍光ミクロスフェアの表面に生物学的アッセイを行うシステムを開発した。 このようなシステムの1つの実施例は、Chandlerらに付与された米国特許第5,981,180号に示されており、該特許は、本明細書で完全に記載されるように引用により組み込まれる。 これらのミクロスフェアは、検出ゾーンを通って比較的高速で通過するときに各個々のミクロスフェアのレーザー励起及び蛍光検出により流体流装置で識別される。 これらの値は、更に分析するためにデータベースに容易にエクスポートすることができる。

    上述のシステムでは、蛍光色素は、ミクロスフェアに吸収されるか、及び/又はミクロスフェアの表面に結合される。 色素は、一般に、選択した検出ウィンドウの波長の光を放出する能に基づいて選択される。 更に、検出ウィンドウは、特定の数の波長だけ間隔を置いて配置され、色素は、典型的には、隣接するウィンドウ内の色素の蛍光信号の重なりを最小にするように設計される。 1つの実施例では、各々10の異なる濃度で2つの検出ウィンドウ及び2つの色素を用いることにより、100の蛍光的に区別可能なミクロスフェアのセットが存在することになる。

    共有結合と非共有結合反応によりミクロスフェアを染色する従来の方法は、以下のように要約することができる。 例えば、染色ミクロスフェアは、幾つかの方法により分散重合化することにより生成することができる。 色素は、Hovak,D. らによりJ. Polym Sci. パートA、Polym. Chem. 第33巻2961〜2968頁(1995年)に記載されるように、重合化する前にモノマーに溶解することができ、該文献は、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。 また、ミクロスフェアは、有機溶媒を用いて粒子を膨潤させて色素を粒子内に移送させて重合化した後に染色することができる。 このような染色法の実施例は、Oberに付与された米国特許第4,613,559号、Chandlerらに付与された第6,514,295号、Chandlerらに付与された第6,528,165号、Chandlerらに付与された第6,599,331号、Chandlerらに付与された第6,632,526号、及びChandlerらに付与された第6,649,414号に示されており、これらの特許は、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。

    反応性色素の共重合を用い、色素が化学結合された粒子を得ることができる。 このような方法の実施例は、Winnik,F. M. らによりEur. Polym. J. 第23巻、617〜622頁(1987年)に記載されており、当該文献は、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。 或いは、粒子又はマイクロキャリアは、任意的に、その表面に共有結合された蛍光色素(又は小さな染色粒子)によりエンコードすることができる。 このような方法の実施例は、Sebestyen F. らのJ. Pept. Science、第4巻、294〜299頁(1998年)、Egner,BJ. らのJ. Chem. Soc. Chem. Commun. 第8巻、735〜736(1977年)、Manthakumar,A. らのBioconj. Chem. 第11巻、282〜292頁(2000年)、及びChandlerらに付与された米国特許第6,268,222号に記載されており、これらの全ては、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。

    カルベン又はニトレン成分によりC−H結合を挿入することは、Breslow,R. 、Scriven(編)によりアジド及びニトレン第10章APニューヨーク(1984年)(本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる)に記載されるように、2つの有機分子間に安定な共有結合を確立するのに望ましい経路である。 ニトレンを反応性中間体として用いることにより、Autrey,R. らによりJ. Am. Chem. Soc第109巻5814頁(1987年)(本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる)に記載されるように、C−H挿入を効率的に行う新しい試薬の開発の取り組みが促進された。 パーフルオロフェニルアジド(PFPA)では、非フッ素化類似物より優れたC−H挿入効率の向上を提示することが示された。 このようなアジドの実施例は、Keanaらに付与された米国特許第5,580,697号、Keanaらに付与された第5,582,955号、Keanaらに付与された第5,587,273号、及びKeanaらに付与された第6,022,597号、及びRajagopalanらに付与された米国特許公開第US2003/0017164号に示されており、これらの全ては、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。

    しかしながら、上述の方法には、幾つかの欠点がある。 例えば、重合する前に色素をモノマーに溶解すると、通常、重合中に色素によりラジカル連鎖が終結するため、変換と多分散粒子(異なる大きさの粒子の混合物)が減少することになる。 加えて、反応性色素の共重合の有用性は、ラジカル重合の条件下で安定な色素がないことにより制限される。 詳細には、反応性色素は、Yates,M. Z. らによりLangmuir、第16巻第11号、4757〜4760頁(2000年)(本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる)に記載されるように、重合の間に色が変化する可能性がある。

    従って、耐溶媒性又は有機耐性(organotolerant)ビーズを生成するために色素をミクロスフェアに共有結合させる現在の当該最新技術から考えると、ミクロスフェアを共有結合的に染色するための適切な方法が依然として必要とされている。

    複数のアジド基を含む種々の分子を用いて、ポリマーを架橋してきた。 アジド成分を反応性ニトレン基に変換させるのに熱と光が用いられてきた。 例えば、光を用いてカルボニルアジドを変換することは、Urbainらに付与された米国特許第3,278,306号に記載されており、本特許は本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。 175°Cでのスルホニルアジドの変換は、Bostickらに付与された米国特許第3,507,829号に記載されており、これは、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。 光を用いる芳香族アジドの変換は、Clecakらに付与された米国特許第3,887,379号に記載されており、これは、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。 光を用いるPFPAの変換は、CaiらによりChem. Mater. 第2巻631頁(1990年)に記載されており、これは、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。

    1970年代初期には、Kodakが、疎性ポリマーをスルホニルアジド成分が付加された種々の色素(例えばアゾ又はキノン色素)で永久的に染色するための一連の特許が譲受された。 スルホニルアジド成分を用い、熱又は光で生成される中間体ニトレンを通して共有結合的に色素分子をポリマー基層に付着した。 次に、未反応色素分子を洗い落とすことができた。 詳細には、Holsteadらに付与された英国特許第1344991号及びHolsteadらに付与された第1344992号は、種々の色素及び蛍光増白剤の芳香環に直接付着したスルホニルアジド成分を利用することを記載している。 色素埋込みポリマー(フィルム又は繊維の形)を加熱又は照射した後、色素は、ポリマーと新しい結合を形成する。 Holsteadらに付与された英国特許第1344993号は、写真材料の一部として同様の反応性色素を用いることを記載している。 Shuttleworthに付与された英国特許第1406996号は、リンカー基を通してベンゼンスルホン基アジドを種々の色素分子に付着させることによる反応性色素の調製を記載している。 Pullanに付与された英国特許第1412963号は、布又はフィルム上に印刷を転写させる場合に種々の反応基(スルホニルアジドを含む)を備えた色素を用いることを記載している。 上記の英国特許の全ては、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。

    他の企業では、Kurokiらに付与された米国特許第3,695,821号に記載されるように繊維と成形物品を堅牢に染色するための色素、及びKampferらに付与された米国特許第3,674,480号に記載されるように写真用乾式コピー用の色素を含むスルホニルアジドを利用する特許を受けており、これらの両特許は、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。 ペンシルベニア州ランカスターのArmstrong World Industries,Inc. は、1980年代初期において、Hoyleらに付与された米国特許第4,322,211号、Hoyleらに付与された第4,415,334号、及びLenoxらに付与された第4,556,625号に記載されるようなパーマネントイエローとブラウンを物品に与えるための化合物を含むスルホニルアジドの利用に関する特許を受けており、これらの全ては、本明細書に完全に述べるように組み入れられる。 加えて、幾つかの学術団体は、Ayyangar,N. R. らによるJournal of the Society of Dyers and Colorists(JSDC)、13〜19頁及び55〜57頁(1979年)、Griffiths,J. らのJSDC、455〜458頁(1977年)、Griffiths,J. らのJSDC、65〜70頁(1978年)、Milligan、B. らのJSDC、352〜356頁(1978年)、及びDesai,K. R. らのDyes and Pigments、第23巻、25〜32頁(1993年)(これらは本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる)に記載されるように、ポリマー繊維を堅牢に染色するためのスルホニルアジド基の利用を調査している。

    スルホニルアジドがニトレンに熱分解するときの置換基の作用は、Katamancheva、I. らのDyes and Pigments、第13巻、155〜160頁(1990年)、Ayyangar,N. R. らのIndian J. of Chemistry、第30巻B、42〜45頁(1991年)、及びLeffler,J. E. らのJ. Org. Chem. 、第28巻、902〜906頁(1963年)に記載されるように研究されており、これらは、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。 また、Abramovitch,R. A. らによる、J. Org. Chem. 、第40巻、883〜889頁(1975年)、Abramovitch,R. A. らのJ. Org. Chem. 、第42巻、2920〜2936頁(1997年)、及びUlrich,J. のJ. Org. Chem. 、第40巻、802〜804頁(1975年)(これらは、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる)に記載されるように、スルホニルアジド反応の基本的機序の研究も報告されている。

    特定の生物学的アッセイには、化学的に合成された生体分子(例えばオリゴヌクレオチド、ペプチド、又はオリゴ糖)を付着させることが必要である。 これらの生体分子は、有機溶媒中でミクロスフェア樹脂(非染色)上に自動合成により生成することができる。 合成後、生体分子は、支持体から切断し、次に、水性方法を用いて染色ミクロスフェアに付着させる。 この工程は、染色ミクロスフェア上で直接合成を行える場合には、更に簡単で安価なものとなる。 しかしながら、現在用いられているミクロスフェアは、合成に用いられる有機溶媒に暴露された場合、色素が損失することになる。 従って、「有機耐性」ミクロスフェア、又は有機溶媒に暴露された場合でもその蛍光識別特性を保持することになるミクロスフェアが望ましい。

    他の場合に有機不耐性になるはずのミクロスフェアに対して、有機耐性をもたらす方法が開発された。 例えば、Chandlerに付与された米国特許第6,528,165号(本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる)は、染色ミクロスフェア上に形成されると有機耐性を染色ミクロスフェアに付与することができるシリコン及び糖ベースのコーティングを記載している。 加えて、水又は水性溶媒中で比較的溶解性が低い他の分子(例えば抗原又は薬物候補)は、カップリングをアルコール又はジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒中で行うことができればミクロスフェアへの連結が更に容易になる。

    米国特許第5,981,180号公報

    米国特許第4,613,559号公報

    米国特許第6,514,295号公報

    米国特許第6,528,165号公報

    米国特許第6,599,331号公報

    米国特許第6,632,526号公報

    米国特許第6,649,414号公報

    米国特許第6,268,222号公報

    米国特許第5,580,697号公報

    米国特許第5,582,955号公報

    米国特許第5,587,273号公報

    米国特許公開第US2003/0017164号公報

    米国特許第3,278,306号公報

    米国特許第3,507,829号公報

    米国特許第3,887,379号公報

    英国特許第1344991号公報

    英国特許第1344992号公報

    英国特許第1344993号公報

    米国特許第3,695,821号公報

    米国特許第3,674,480号公報

    米国特許第4,322,211号公報

    米国特許第4,415,334号公報

    米国特許第4,556,625号公報

    米国特許第6,046,807号公報

    米国特許第6,139,800号公報

    米国特許第6,366,354B1号公報

    米国特許第6,411,904B1号公報

    米国特許第6,449,562B1号公報

    米国特許第6,524,793B1号公報

    Hovak,D. らによりJ. Polym Sci. パートA、Polym. Chem. 第33巻2961〜2968頁(1995年) Winnik,F. M. らによりEur. Polym. J. 第23巻、617〜622頁(1987年) Sebestyen F. らのJ. Pept. Science、第4巻、294〜299頁(1998年) Egner,BJ. らのJ. Chem. Soc. Chem. Commun. 第8巻、735〜736(1977年) Manthakumar,A. らのBioconj. Chem. 第11巻、282〜292頁(2000年) Breslow,R. 、Scriven(編)によりアジド及びニトレン第10章APニューヨーク(1984年) Autrey,R. らによりJ. Am. Chem. Soc第109巻5814頁(1987年) Yates,M. Z. らによりLangmuir、第16巻第11号、4757〜4760頁(2000年) CaiらによりChem. Mater. 第2巻631頁(1990年) Ayyangar,N. R. らによるJournal of the Society of Dyers and Colorists(JSDC)、13〜19頁及び55〜57頁(1979年) Griffiths,J. らのJSDC、455〜458頁(1977年) Griffiths,J. らのJSDC、65〜70頁(1978年) Milligan、B. らのJSDC、352〜356頁(1978年) Desai,K. R. らのDyes and Pigments、第23巻、25〜32頁(1993年) Katamancheva、I. らのDyes and Pigments、第13巻、155〜160頁(1990年) Ayyangar,N. R. らのIndian J. of Chemistry、第30巻B、42〜45頁(1991年) Leffler,J. E. らのJ. Org. Chem. 、第28巻、902〜906頁(1963年) Abramovitch,R. A. らによる、J. Org. Chem. 、第40巻、883〜889頁(1975年) Abramovitch,R. A. らのJ. Org. Chem. 、第42巻、2920〜2936頁(1997年) Ulrich,J. のJ. Org. Chem. 、第40巻、802〜804頁(1975年) 「Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Products(蛍光プローブ及び研究生成品の分子プローブハンドブック)」第9版、R. P. Haugland編、第5.3節

    種々の方法及び集団の実施態様の以下の説明は、添付の請求項の対象をどのようにも制限するものではない。
    1つの実施態様は、染色ミクロスフェアを形成するための方法に関する。 本方法は、熱又は光を用いて色素に連結された化学構造を活性化し、ミクロスフェアの存在下で反応中間体を形成する段階を含む。 反応中間体は、共有結合的にミクロスフェアのポリマーに付着し、これにより色素をポリマーに連結して染色ミクロスフェアを形成する。 本方法は、本明細書では1つのミクロスフェアに関して説明されているが、本方法は、複数のミクロスフェアを同時に染色するのに用いることができる点は理解すべきである。

    1つの実施態様では、化学構造を形成する段階は、色素に連結された化学構造を温度約110°Cまで加熱する段階を含む。 別の実施態様では、化学構造を活性化する段階は、色素に連結された化学構造を温度約50°C〜約80°Cまで加熱する段階を含む。 好ましくは、化学構造を活性化する段階は、色素に連結された化学構造をポリマーのガラス転移温度未満の温度まで加熱する段階を含む。 ミクロスフェアは、化学構造の活性化の前後で実質的に同じ形状であることが好ましい。 また色素は、化学構造の活性化の前後で同じ構造で且つ実質的に同じ組成であることが好ましい。

    好ましくは、化学構造と色素は、染色ミクロスフェアが有機溶媒中に配置されたときにポリマーから脱離しない。 1つの実施態様では、ポリマーは、本質的にジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンからなる。 言い換えると、ポリマーは、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンから主に形成することができる。 また、ミクロスフェアは、ミクロスフェアの表面上にカルボキシル基、又はアミノのような他の適切な基を含むことができる。 これらの基は、ミクロスフェアを重合するときにモノマーとしてアクリル酸又はメタクリル酸を含むことにより生成することができる。 1つの実施例では、重合化に伴うモノマーの約1%〜約10%は、表面基関連モノマーとすることができる。 従って、1つの実施態様では、染色ミクロスフェアは、1つ又はそれ以上の分子が、1つ又はそれ以上の官能基を介して染色ミクロスフェアに付着することができるように、ポリマーに付着された、或いはポリマー上に合成された1つ又はそれ以上の官能基(例えば、カルボキシル、アミノ等)を含む。

    幾つかの実施態様では、化学構造は芳香族スルホニルアジドを含む。 別の実施態様では、化学構造は、1,5−エチル−ジ−アミノ−ナフタレン−スルホン基アジドを含む。 付加的な実施態様では、反応中間体はスルホニルニトレン基を含む。 或いは、反応中間体は、カルベン基又はベンゾフェノン3重項を含むことができる。

    別の実施態様では、反応中間体は、化学構造の非活性化部分により色素から分離された官能基を含む。 このような実施態様では、反応中間体は、化学構造の非活性化部分の一方側に位置する官能基を含み、色素は、この一方側の実質的に反対側の非活性部分の他方側に位置される。

    幾つかの実施態様では、本方法は、ミクロスフェアの存在下で熱又は光を用いて付加的な異なる色素に連結された付加的な化学構造を活性化して異なる反応中間体を形成する段階を含む。 異なる反応中間体は、ミクロスフェアのポリマーに共有結合的に付着することにより、付加的な異なる色素をポリマーに連結する。 このような1つの実施態様では、異なる色素は、付加的な化学構造を活性化する前後で実質的に同じ構造と組成である。 この色素は、化学構造、励起特性、発光特性等が他の色素と異なる可能性がある。 異なる色素をポリマーに連結するのに用いられる付加的な化学構造は、他の色素をポリマーに連結するのに用いられる化学構造と同じとすることができ、或いは異なる場合もある。 2つの異なる色素は、同時又は順次にポリマーに連結することができる。 また、2つの異なる色素は、異なる集団のミクロスフェアのポリマーに異なる量、比率、又は濃度で連結することができる。 上述の方法の実施態様の各々は、本明細書に記載した何れかの他の段階を含むことができる。

    別の実施態様は、分子に連結された染色ミクロスフェアを形成するための方法に関する。 本方法は、ミクロスフェアの存在下で熱又は光を用いて色素に連結された化学構造を活性化して反応中間体を形成する段階を含む。 反応中間体は、ミクロスフェアのポリマーに共有結合的に付着され、これにより色素をポリマーに連結して染色ミクロスフェアを形成する。 また、本方法は、染色ミクロスフェアの外側表面上に分子を合成する段階を含む。 本方法は、本明細書では1つのミクロスフェアに関して記載しているが、本方法は、各々が少なくとも1つの分子に連結される複数の染色ミクロスフェアを同時に形成するのに用いることもできる点は理解すべきである。 加えて、本方法は、本明細書では1つの分子に関して記載しているが、本方法は1つよりも多い異なる分子(例えば、複数の異なる生体分子)を染色ミクロスフェアの各々に連結する段階を含むことができる点は理解すべきである。

    1つの実施態様では、分子を合成する段階は、染色ミクロスフェアを有機溶媒中に配置する段階を含む。 染色ミクロスフェアは、合成の前後で実質的に同じ色素特性を有することが好ましい。 1つの実施態様では、染色ミクロスフェアの外側表面上に合成される分子は生体分子である。 別の実施態様では、分子は、オリゴヌクレオチド、ペプチド、又はオリゴ糖を含む。 別の実施態様では、染色ミクロスフェアの外側表面上に合成される分子は有機分子(例えば、薬物候補)である。 幾つかの実施態様では、分子は、水性溶媒中で実質的に不溶性である。 別の実施態様では、分子を合成する段階は、染色ミクロスフェアを水性溶媒中に配置する段階を含む。

    幾つかの実施態様では、化学構造を活性化する段階は、色素に連結された化学構造を温度約110°Cまで加熱する段階を含む。 別の実施態様では、化学構造を活性化する段階は、色素に連結された化学構造を温度約50°C〜約80°Cまで加熱する段階を含む。 好ましくは、化学構造を活性化する段階は、色素に連結された化学構造をポリマーのガラス転移温度よりも低い温度まで加熱する段階を含む。 ミクロスフェアは、化学構造を活性化する前後で実質的に同じ形状であることが好ましい。 また、色素は、化学構造を活性化する前後で実質的に同じ組成であることが好ましい。

    化学構造と色素は、染色ミクロスフェアが有機溶媒中に配置されるときにポリマーから脱離しないことが好ましい。 1つの実施態様では、ポリマーは、本質的に、ジビニルベンゼンと架橋したポリスチレンからなる。 言い換えると、ポリマーは、ジビニルベンゼンと架橋したポリスチレンから主に形成することができる。 1つの実施態様では、染色ミクロスフェアは、ポリマーに付着された1つ又はそれ以上の官能基(例えば、カルボキシル、アミノ等)を含み、1つ又はそれ以上の分子が、1つ又はそれ以上の官能基を介して染色ミクロスフェアに付着され、或いは染色ミクロスフェア上に合成されることができるようにする。

    幾つかの実施態様では、化学構造は芳香族スルホニルアジドを含む。 別の実施態様では、化学構造は、1,5−エチル−ジ−アミノ−ナフタレン−スルホン基アジドを含む。 付加的な実施態様では、反応中間体は、スルホニルニトレン基を含む。 或いは、反応中間体は、カルベン基又はベンゾフェノン3重項を含むことができる。

    別の実施態様では、反応中間体は、化学構造の非活性化部分により色素から分離された官能基を含む。 このような1つの実施態様では、反応中間体は、化学構造の非活性化部分の一方側に位置する官能基を含み、色素は、この一方側に対し実質的に反対側の非活性化部分の他方側に位置する。

    幾つかの実施態様では、本方法は、熱又は光を用いてミクロスフェアの存在下で付加的な異なる色素に連結される付加的な化学構造を活性化し、異なる反応中間体を形成する段階を含む。 異なる反応中間体は、ミクロスフェアのポリマーに共有結合的に付着することにより、付加的な異なる色素をポリマーに連結する。 このような1つの実施態様では、異なる色素は、付加的な化学構造を活性化する前後で実質的に同じ構造と組成である。 この色素は、化学構造、励起特性、放出特性等が他の色素と異なるものとすることができる。 付加的な異なる色素をポリマーに連結するのに用いられる付加的な化学構造は、他の色素をポリマーに連結するのに用いられる化学構造と同じものとすることができ、或いは異なるものであってもよい。 2つ又はそれ以上の異なる色素は、同時又は順次にポリマーに連結することができる。 また、2つ又はそれ以上の異なる色素は、異なる量、比率、又は濃度で異なる集団のミクロスフェアのポリマーに連結することができる。 上に記載した方法の実施態様の各々は、本明細書に記載した何れかの他の段階を含むことができる。

    付加的な実施態様は、染色ミクロスフェアの集団に関する。 集団の染色ミクロスフェアの各々は、化学構造により染色ミクロスフェアの各々のポリマーに連結された色素を含む。 色素の属性である染色ミクロスフェアの集団の色素特性の変動係数は、約10%未満である。 1つの実施態様では、変動係数は、染色ミクロスフェアの各々が励起されるときに染色ミクロスフェアの各々により放出される信号の変動係数である。 別の実施態様では、染色ミクロスフェアの各々のポリマーに付着する色素の量は、実質的に等しい。

    幾つかの実施態様では、集団の染色ミクロスフェアの各々は、付加的な化学構造により染色ミクロスフェアの各々のポリマーに付着する付加的な異なる色素を含む。 このような1つの実施態様では、付加的な異なる色素の属性である染色ミクロスフェアの集団の色素特性の変動係数は、約10%未満である。 2つの異なる色素は、異なる量、比率、又は濃度で異なる集団のミクロスフェアのポリマーに連結することができる。 別の実施態様では、集団の染色ミクロスフェアの各々は、染色ミクロスフェアの各々の外側表面上に合成された生体分子を含む。 異なる実施態様では、集団の染色ミクロスフェアの各々は、染色ミクロスフェアの各々の外側表面上に合成された有機分子を含む。

    付加的な実施態様では、染色ミクロスフェアの各々は、色素がポリマーに付着される前後で実質的に同じ形状である。 別の実施態様では、色素は、色素がポリマーに付着される前後で実質的に同じ構造で実質的に同じ組成である。 別の実施態様では、化学構造と色素は、染色ミクロスフェアの集団が有機溶媒中に配置されるときポリマーから脱離しない。

    1つの実施態様では、ポリマーは、本質的にジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンからなる。 また、染色ミクロスフェアの各々は、ポリマーに付着された1つ又はそれ以上の官能基を含み、1つ又はそれ以上の分子が1つ又はそれ以上の官能基を介して染色ミクロスフェアの各々に付着することができるようにすることができる。 幾つかの実施態様では、化学構造は、芳香族スルホニルアジドを含む。 別の実施態様では、化学構造は、1,5−エチル−ジ−アミノ−ナフタレン−スルホン基アジドを含む。 染色ミクロスフェアの集団の実施態様の各々は、本明細書に記載したように更に構成、組み立て及び/又は形成することができる。 加えて、上述の通りであるが、異なる集団がその蛍光特性(例えば、蛍光波長、1つ又は複数の蛍光強度、又は蛍光強度の比率)により互いに区別することができるように異なる量、比率、又は濃度の1つ又はそれ以上の色素で構成される複数の集団は、複数の関心のある分析物のための試料の多重分析のような用途に対してセットで含むことができる。

    本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明を読み添付図面を参照すると明らかになるであろう。
    本発明には、種々の変更形態及び変形形態が可能であるが、その特定の実施形態は、各図面において例証として示され、本明細書で詳細に説明する。 しかしながら、図面及びその詳細な説明は、開示された特定の形態に本発明を限定するものではなく、逆に本発明は、添付の請求項により定義される本発明の精神及び範囲内に含まれる全ての変更形態、均等物及び代替形態を対象とすることは理解されるであろう。

    方法及び集団の実施形態は、本明細書では蛍光色素に関して記載しているが、本明細書に記載する方法及び集団は、1つ又はそれ以上の計測可能で区別可能な特性をミクロスフェアに与えるのに用いることができる当技術分野で公知の他の何らかの分子(例えば、蛍光体)と共に用いるか含むことができる点は、理解されるであろう。 更に、当技術分野では多くの異なる蛍光色素が公知であり、本明細書で用いる用語「蛍光色素」は、当技術分野で公知の全ての蛍光色素を含むものとする。

    本明細書では、実施形態はミクロスフェアに関して記載されるが、実施形態は、本明細書で記載されるような反応中間体が共有結合することができる材料で形成される当技術分野で公知のあらゆる離散的な物質(例えば、ミクロスフェア、ビーズ、粒子等)と共に用いるか又は含むことができる点は理解されたい。

    一般に、本明細書では、有機耐性染色ミクロスフェアを生成するための方法が記載される。 ミクロスフェアは、一般に、蛍光色素で染色され、テキサス州オースティンのLuminex Corporationから市販されているLuminex100機器や、当技術分野で公知の他の測定機器内で励起源(例えば、レーザー照射)に暴露されると、ミクロスフェアは、選択した蛍光の識別特性(例えば、蛍光波長、蛍光強度又は複数の蛍光強度、蛍光強度の比率等)を示すようになる。 本明細書に記載された方法では、色素は、光又は熱により活性化されて反応中間体を生成する化学構造に連結され、該反応中間体により化学構造が共有結合的にミクロスフェアのポリマー(例えば、ポリマーマトリクス)に付着することで、色素がミクロスフェアのポリマーに付着する。

    このような方法の1つの実施形態は、ミクロスフェアの存在下で、熱又は光を用いて色素に連結された化学構造を活性化させて反応中間体を形成する段階を含む。 色素が連結される化学構造は、化学構造の活性化中にミクロスフェア内に位置することができる。 化学構造及びこれに連結された色素は、当技術分野で公知のいずれかの適切な方法を用いて化学構造を活性化する前にミクロスフェアに組み込むことができる。 反応中間体は、共有結合的にミクロスフェアのポリマーに付着することで、色素を(化学構造を介して)ポリマーに連結し、染色ミクロスフェアを形成する。 このように、この染色ミクロスフェアは、染色ミクロスフェアの表面上に配置される色素ではなく、ミクロスフェアと共に(例えば、ミクロスフェアのポリマーマトリクス内に)配置される色素を含むことができる。

    従って、本明細書に記載する方法の実施形態は、現在用いられているものとは異なる色素構造と染色手順を用いる段階を含む。 例えば、方法の実施形態は、1つ又はそれ以上の化学構造に連結される1つ又はそれ以上の色素を膨潤ミクロスフェアに加え、次いでこれを硬化(例えば、化学構造を活性化させることでミクロスフェアのポリマーと共有結合的に反応する反応中間体を形成することにより)して、ミクロスフェア中に永久に捕捉する段階を含む。 化学構造を活性化する前にミクロスフェアを膨潤させて化学構造とそれに連結される色素とをミクロスフェア中に組み込む段階は、Chandlerらに付与された米国特許第6,514,295号、Chandlerらに付与された第6,599,331号、Chandlerらに付与された第6,632,526号に記載されているように行うことができ、これらの特許は、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。

    上述のように、スルホニルアジドは、種々の色素を天然及び合成ポリマー(フィルム又は繊維)に共有結合的に付着させるのに用いられてきた。 しかしながら、これらの化学構造は、本明細書に記載する方法の実施形態を用い、集団のミクロスフェアから放出される蛍光信号の変動係数(%CV)を狭く(即ち小さく)するのに用いることができ、%CVは、化学構造の活性化及びポリマーとの反応後に低く保持されることが分かった。 このように蛍光%CVの範囲が狭いと、複数の分析物のための試料の多重分析のような用途に特に有利であり、この場合、ミクロスフェアにより放出される蛍光の%CVが精度に直接影響を及ぼし、これによって、ミクロスフェアが属する集団と、これによるミクロスフェア上の反応物を識別することができる(例えば、%CVが減少するとミクロスフェア分類の精度が向上する)。 加えて、ミクロスフェアの蛍光の%CVが減少すると、いずれかの1つの集団に対応する分類スペースが小さくなることで、より多くのミクロスフェア集団が分類スペースに含まれるようになるので、典型的にはより多くのミクロスフェア集団を単一のアッセイ又は実験で用いることが可能となる。

    色素に連結されたスルホニルアジドを活性化し、活性化したスルホニルアジドをミクロスフェアのポリマーと反応させ、これによって、Luminex100システムや市販されている他の流動細胞計システム及びミクロスフェアを利用又は測定するよう構成された他のあらゆる測定システムに適合する有機耐性ビーズセット(即ち、ビーズセットを有機溶媒又は有機溶媒を含む溶媒混合物に暴露された後にその蛍光特性(例えば、蛍光強度)の変化を示さないビーズのセット)を生成することができるようにすることができる。 従って、本明細書に記載した方法の実施形態の1つの利点は、方法の実施形態により染色されたミクロスフェアが、1つ又はそれ以上の有機溶媒に暴露された後にその蛍光識別特性の変化を示さない(例えば、蛍光強度が低い)ことである。 言い換えると、化学構造とそれに連結された色素は、染色ミクロスフェアが有機溶媒中に配置され又は有機溶媒を含む溶媒混合物に接触すると、ポリマーから脱離並びにミクロスフェアから遊走しない。

    また、本明細書に記載する方法の実施形態は、スルホニルアジドと、活性化して他の及び/又は付加的な反応基(他のニトレン、カルベン等)を生成することができる他の化学構造、並びに熱活性化及び/又は光化学活性化により活性化することができる化学構造とを用いて実施することもできる。 また、本明細書に記載したエチル−ジ−アミノ−ナフタレン−スルホン酸(EDANS)基は、他の芳香族構造で補足又は置き換えることもでき、これにより化学構造の活性化温度を変化させることができる。 このように、本明細書に記載した方法に用いられる化学構造は、芳香族スルホニルアジド、1,5−エチル−ジ−アミノ−ナフタレン−スルホン基アジド、又は当技術分野で公知の他の何らかの適切な化学構造を含むことができる。 言い換えると、本明細書に記載した方法は、EDANS基を含むもの以外の化学構造と共に用いることができる。 また、本明細書に記載した方法の実施形態は、他のビーズ染色法と共に用いることもできる。

    ミクロスフェアを染色するのに有用とするために、以下の一般的なガイドラインを用いて、化学構造と染色法のパラメータ又は条件を選択することができる。 例えば、ミクロスフェアの選択された蛍光識別特性を得るために、ミクロスフェアのポリマーに色素が付着するパーセント収量は、実質的に一定であることが好ましく、高いことが好ましい。 同じ集団のミクロスフェアから放出される分類蛍光信号(例えば、区別可能で測定可能な特性をミクロスフェアに与え、ミクロスフェアの1つの集団をミクロスフェアの別の集団から区別することができるようにする蛍光信号)に対して低い%CVを得るために、化学構造の各々は、実質的に同じ程度まで活性化され、共有結合的に付着された後に集団の個々のミクロスフェアを実質的に一様に染色されるようにすることが好ましい。

    また、化学構造は、活性化段階の間に、ミクロスフェア内に組み入れられた様々な化学構造の全てが、実質的に同じ条件下で実質的に同じ程度までミクロスフェアのポリマーと反応するように選択することができる。 このように、染色ミクロスフェアの特性(例えば、その蛍光信号)は、比較的容易且つ正確に制御することができる。 本明細書に記載する方法の実施形態に用いるために選択される色素発色団は、活性条件下(例えば、紫外(UV)光が何らかの発色団を過剰に又は差次的に光退色させることができる)で安定であることが好ましい。 また、ミクロスフェアは、本明細書に記載する方法の実施形態に用いるのに選択された活性化条件下(例えば、過熱によりミクロスフェアを溶融させてその球形状を失わせることができる)で安定あることも好ましい。

    ミクロスフェアの内部は、本質的に、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンのようなポリマーから構成することができ、これは、共有結合に対して殆ど不活性の基質である。 従って、化学構造は、反応中間体が、化学構造やそれに連結された色素をミクロスフェアのこのポリマーと他のポリマーのC−H又はC−C結合に挿入させるのに十分に反応性であるように選択することができる。 更に、ミクロスフェアの表面上のカルボキシレート及び/又は他の官能基は、ミクロスフェアを染色した後に生体分子又は他の分子(例えば、有機分子、薬物候補等)への連結に利用可能なままであるのが好ましい。

    本明細書に記載した染色法は、以下に示す1,5−EDANSのスルホニルアジドの形態のような化学構造を用いて行うことができる。

    上記の反応の第1の段階で示されるように、1,5−EDANSアジド上の遊離アミノ基を用いて1,5−EDANSアジドを色素分子に連結する。 色素分子は、当技術分野で公知のあらゆる適切な色素分子を含むことができる。 このような1つの実施例では、色素は、1,5−EDANSアジド上の遊離アミノ基に連結することができるN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基、イソシアネート基等のようなアミン反応基を含む。 上記に示す実施例では、1つの色素分子が1つの化学構造分子に連結されているが、本明細書に記載する実施形態では、1つより多い色素分子を各化学構造分子に連結することができ、或いは1つよりも多い化学構造を各色素に連結することができる化学構造を用いることができる点は理解されたい。

    この反応の第2の段階に示されるように、色素に連結された1,5−EDANSアジドは、ミクロスフェアのポリマー内に組み込む(即ち、ミクロスフェアのポリマーマトリクス内に配置する)ことができる。 この第2の段階で更に示されるように、ポリマー内に組み込まれた化学構造を温度約110°Cまで加熱する段階は、窒素押出し反応を開始し、これにより1,5−EDANSアジド上に反応性スルホニルニトレン基が生じ、これは、ミクロスフェアのポリマーと共有結合を形成することができる。 従って、化学構造を活性化する段階は、色素に連結された化学構造を温度約110°Cまで加熱する段階を含むことができる。

    実質的に反応性の中間体のみが、ポリマーミクロスフェアのような脂肪族C−H結合と反応することができる。 このように反応性の高い中間体の実施例には、カルベン、ニトレン、ベンゾフェノン3重項が含まれる。 (例えば、「Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Products(蛍光プローブ及び研究生成品の分子プローブハンドブック)」第9版、R.P.Haugland編、第5.3節を参照。これは、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。)従って、この方法中に形成される反応中間体は、ニトレン基、カルベン基、ベンゾフェノン3重項、又は当技術分野で公知の他の何らかの適切な官能基を含むことができる。 ベンゾフェノンは、UV光でのみ活性化することができる点に留意されたい。

    殆どのニトレン及びカルベンは、比較的急速な単分子転位反応を受け、これにより、そのニトレン及びカルベンの相対物よりも反応性が小さい化学種を生成する。 従って、このような反応中間体は、(例えば、ミクロスフェアに組み入れた後に)染色されるミクロスフェアの存在下で形成され、これらの基が、単分子反応が起こる前にミクロスフェアのポリマーと反応することができるようにすることが好ましい。 しかしながら、スルホニルアジドは、単分子転位反応を受けず、従って、本質的にシルホニル(sylfonyl)アジドの存在下ではミクロスフェアのポリマーのような分子と「強制的に」反応される。

    本明細書に記載した方法の実施形態においてこのような化学構造を用いると、以前に用いられていた染色法及び以前に用いられていた色素に優る幾つかの利点がある。 例えば、本明細書に記載した実施形態において活性化することにより化学構造上に生成される反応基は、色素クロモホル(chromaphore)の一部ではない。 従って、反応基の反応性は、付加された色素の構造とは独立することができ、これによって有機耐性のある染色ミクロスフェアを形成するのに用いることができる蛍光色素の数及び種類が増大する。 加えて、反応基は、各色素に対して新しい合成をデザインすることなく多くの異なる色素に連結することができる化学構造に組み込むことができる。 更に、1,5置換ナフタレンコアにより、反応性スルホニルニトレンは、色素分子から離して位置付ける(即ち、間隔を置いて配置する)ことができ、これにより、ニトレンが、ミクロスフェアのポリマーストランドの代わりに、付加された色素と反応することになる確率が減少し、場合によっては最小となる。 このように、反応中間体は、化学構造の非活性化部分により色素から離隔される官能基を含むことができる。 幾つかの実施形態では、反応中間体は、化学構造の非活性化部分の一方側に配置された官能基を含む。 色素は、その一方側の実質的に反対側の非活性部分の他方側に配置することができる。

    更に、中間体ニトレンは、現在用いているミクロスフェアポリマーのガラス転移温度と現在用いている色素の分解温度の両方を実質的に下回る約110°C以上の温度まで化学構造を加熱することによって生成することができる。 従って、1つの実施形態では、化学構造を活性化する段階は、色素に連結された化学構造をポリマーのガラス転移温度よりも低い温度まで加熱する段階を含む。 このため、染色されているミクロスフェアは、化学構造を活性化した前後で実質的に同じ形状(例えば、球形)を有することになる。

    理想的な反応性色素(即ち、色素に連結された化学構造)を開発するために、構造−反応性の関係やその共有結合染色に関する影響を調査することができる。 例えば、スルホニルアジド芳香環を変えると、染色ミクロスフェア上に行われることになる測定値にスペクトル影響を最小にしながら低温で反応する化学構造を提供することができる。 特定の1つの実施例では、ナフタレン環を付加的に置換すると、反応温度を本明細書に記載した実施形態に理想的とすることができる反応温度(例えば、約50°C〜約80°Cの反応温度)まで低下させることができる。 このように、化学構造を活性化する段階は、色素に連結した化学構造を温度約50°C〜約80°Cまで加熱する段階を含むことができる。 更に、反応のモデル化を行い、スルホニルアジドの反応モードを決定することができる(全ての反応で共有結合的付着になることができる訳ではない)。 例えば、アジド溶液は、トルエン溶液中で加熱することができ(ポリスチレンの簡単なモデル)、生成物を単離して特性を決定することができる。

    以下の方式は、本明細書に記載した方法に有用な色素に連結された化学構造を生成するのに用いた合成反応の概要を示す。

    上記に示す反応は、色素に連結されたスルホニルアジドを生成する。 この実施例の色素分子は、励起されたときにLuminex100システムの分類チャネル1(CLl)の検出ウィンドウ内の1つ又は複数の波長の蛍光を放出することになる色素分子である。 しかしながら、上記に示すような化学構造には、当技術分野で公知のあらゆる適切な色素を連結することができる。 上記に示す実施例では、1つの色素分子が1つの化学構造分子に連結されるが、本明細書に記載した実施形態においては、1つよりも多い色素分子を各化学構造分子に連結することができ、或いは1つよりも多い化学構造を各色素に連結することができる化学構造を用いることができる点は理解されたい。

    ミクロスフェアは、本明細書で記載したような上述の反応により生成されるスルホニルアジド連結色素で染色した。 加熱後、未反応色素は、テトラヒドロフラン(TECF)やメタノールでミクロスフェアから洗い流した。 ミクロスフェアの洗浄は、当技術分野で公知のあらゆる適切な方法で行うことができる。 Luminex100システムで測定した結果として得られる染色ミクロスフェアのCL1/分類チャネル2(CL2)散布図を図1に示す。 図1に示すように、この実験の結果から、芳香族スルホニルアジドが連結された色素を組み込んだ乾燥ミクロスフェアを単純に加熱することにより、芳香族スルホニルアジドを用いて蛍光色素をポリスチレンポリマーに付着させることができることが示される。 結果として得られるビーズ集団のCL1に対する%CVは、8%であった。

    幾つかの実施形態では、上述の染色法は、ミクロスフェアの存在下で熱又は光を用いて付加的な異なる色素に連結された付加的な化学構造を活性化して、異なる反応中間体を形成する段階を含む。 異なる反応中間体は、ミクロスフェアのポリマーに共有結合的に付着し、これによって、付加的な異なる色素をポリマーに連結する。 付加的な化学構造は、他の色素に連結された化学構造と同じとすることができ、或いは異なるものであってもよい。 例えば、両方の色素は、1,5−エチル−ジ−アミノ−ナフタレン−スルホン基アジド分子に連結することができる。 或いは、異なる色素は、異なる芳香族スルホニルアジドに連結することもできる。 付加的な異なる色素は、化学構造を活性化する前後で実質的に同じ構造と組成であるのが好ましい。 このように、化学構造を活性化し、化学構造をミクロスフェアに付着させても色素を変化させることにならない。 2つの異なる色素は、同時又は順次的にポリマーに連結することができる。 また、2つの異なる色素は、異なる量、比率、又は濃度で、異なる集団のミクロスフェアのポリマーに連結することができる。 更に、本明細書に記載した方法を用いて、2つより多い色素をミクロスフェアに連結することができる。

    ミクロスフェアの表面に共有結合的に連結したオリゴ配列を有する本明細書で記載される方法の実施形態により生成した有機耐性ビーズは、多重ハイブリッド形成アッセイのような用途で大いに関心がもたれるであろう。 詳細には、オリゴヌクレオチドは、有機耐性の染色ミクロスフェア上に直接(場合によっては自動的に)合成することができる。 蛍光ミクロスフェア上に直接的(及び任意的に自動的)にオリゴ合成すると、DNA合成樹脂上にオリゴヌクレオチドを合成段階と、オリゴヌクレオチドをDNA合成樹脂から「脱離する」段階と、次いでオリゴヌクレオチドを蛍光染色ミクロスフェアに「付着」させる段階とを含むこのようなミクロスフェアを生成するのに現在用いられている方法と比較して、ヌクレオチドが連結されたミクロスフェアを生成するコストが低減されることになる。 オリゴヌクレオチドは、当技術分野で公知のあらゆる適切なオリゴヌクレオチド合成方法を用いて、本明細書に記載された方法の実施形態に従って(例えば、ミクロスフェアの表面上の官能基を介して)形成されたミクロスフェアの表面上に合成することができる。

    従って1つの実施形態では、本方法は、上述のようにミクロスフェアが染色された後にミクロスフェアの外側表面上に分子を合成段階を含む。 幾つかの実施形態では、分子を合成する段階は、有機溶媒又は有機溶媒を含む溶媒混合物中に染色ミクロスフェアを配置する段階を含む。 他の染色ミクロスフェアとは異なり、本明細書に記載するミクロスフェアは、有機溶媒中に配置されても色素特性を失うことにならない。 従って、染色ミクロスフェアは、合成の前後で実質的に同じ色素特性を有することになる。 ミクロスフェア上に合成される分子は、生体分子とすることができる。 例えば、生体分子は、付着反応を有機溶媒中で行うことができる場合に蛍光ミクロスフェアに容易に付着することができる当技術分野で公知の比較的水溶解性が小さいあらゆる生体分子とすることができる。 加えて、分子は、オリゴヌクレオチド、ペプチド、又はオリゴ糖を含むことができる。 ミクロスフェア上に合成されたオリゴヌクレオチド、ペプチド、オリゴ糖は、当技術分野で公知のあらゆる適切なこのような分子を含むことができる。

    別の実施形態では、分子は、有機分子(例えば薬物候補)を含む。 従って、ゲノミクスによる創薬で成果を収められた試薬は、本明細書に記載した共有結合的に染色したミクロスフェアを用いて生成することができる。 幾つかの実施形態では、分子は、水性溶媒に実質的に不溶性のあらゆる分子を含む。

    或いは、分子を合成する段階は、染色ミクロスフェアを水性溶媒中に配置する段階を含む。 このように、分子は、水性溶媒及び有機溶媒の両方において本明細書に記載したように染色されたミクロスフェア上に合成され、これによって実質的にミクロスフェアの有用性を高めることができる。 また、当技術分野で公知のあらゆる適切な方法を用いて、本明細書に記載した染色ミクロスフェアに合成前の分子を付着させてもよいことは明らかである。

    別の実施形態は染色ミクロスフェアの集団に関する。 集団の染色ミクロスフェアの各々は、化学構造により染色ミクロスフェアの各々のポリマーに付着した色素を含む。 色素と化学構造は、本明細書に記載するあらゆる色素と化学構造を含むことができる。 色素の属性である染色ミクロスフェアの集団の色素特性の変動係数は、約10%未満である。 変動係数は、染色ミクロスフェアの各々が励起されたときに集団の染色ミクロスフェアの各々が放出する信号(例えば蛍光強度)の変動係数とすることができる。 このように、変動係数は、染色ミクロスフェアの分類信号の変動係数とすることができる。 色素は、異なる量又は濃度で異なる集団のミクロスフェアのポリマーに連結することができる。

    1つの実施形態では、染色ミクロスフェアの各々のポリマーに付着する色素の量は実質的に等しい。 幾つかの実施形態では、集団の染色ミクロスフェアの各々はまた、付加的な化学構造により染色ミクロスフェアの各々のポリマーに付着された付加的な異なる色素を含むこともできる。 このような1つの実施形態では、付加的な異なる色素の属性である染色ミクロスフェアの集団の色素特性の変動係数は、約10%未満である。 2つの異なる色素を、異なる量、比率、濃度で異なる集団のミクロスフェアのポリマーに連結することができる。 また、2つよりも多い異なる色素を異なる量、比率、又は濃度で異なる集団のミクロスフェアのポリマーに連結することができる。

    染色ミクロスフェアの各々は、色素がポリマーに付着する前後で実質的に同じ形状であることが好ましい。 加えて色素は、色素がポリマーに付着する前後で実質的に同じ構造及び実質的に同じ組成である。 好ましくは、この化学構造と色素は、染色ミクロスフェアの集団が有機溶媒中に配置されたときでもポリマーから脱離しない。 この化学構造は芳香族スルホニルアジドを含むことができる。 1つの実施形態では、化学構造は、1,5−エチル−ジ−アミノ−ナフタレン−スルホン基アジドを含む。 しかしながら、化学構造は、本明細書に記載するあらゆる他の化学構造を含むことができる。

    ポリマーは、本質的にジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンからなることができる。 ミクロスフェアのポリマーは更に、或いは代替として当技術分野で公知のあらゆる他の適切なポリマーを含むことができる。 また、ミクロスフェアは、ミクロスフェアの表面上にカルボキシル基、又はアミノのような他の適切な基を含むこともできる。 これらの基は、ミクロスフェアを重合するときにモノマーとしてアクリル酸又はメタクリル酸を含むことによりミクロスフェアの表面上に形成することができる。 1つの実施例として、重合に関与するモノマーの約1%〜約10%は、表面基関連モノマーとすることができる。 従って、1つの実施形態では、染色ミクロスフェアは、ポリマーに付着された1つ又はそれ以上の官能基(例えば、カルボキシル、アミノ等)を含み、1つ又はそれ以上の分子が1つ又はそれ以上の官能基を介して染色ミクロスフェアに付着する。

    幾つかの実施形態では、集団の染色ミクロスフェアの各々は、染色ミクロスフェアの各々の外側表面上に合成された生体分子を含む。 生体分子は、本明細書に記載した生体分子の何れかを含むこともできる。 他の実施形態では、集団の染色ミクロスフェアの各々は、染色ミクロスフェアの各々の外側表面上に合成された有機分子を含む。 有機分子は、本明細書に記載された何れかの有機分子を含むこともできる。 本明細書に記載した染色ミクロスフェアの集団の実施形態の各々は、本明細書に記載されたように更に構成、組み立て、及び/又は形成することができる。 加えて、上に記載した染色ミクロスフェアの集団の実施形態は、本明細書に記載した方法の実施形態の全ての利点を有する。

    以下の実施例は、本発明の実施形態を限定するものとして解釈すべきではなく、本明細書において例証として含まれるに過ぎない。 以下の実施例に記載されている全ての試薬は、(特に別記しない限り)Sigma−Aldrichから購入し、受け入れたままの状態で使用した。

    実施例1:N−(ζ−カルボキシヘキシル)−2,3,3−トリメチルインドリニウムヨージド 2.45gの2,3,3−トリメチルインドレニン(15.4ミリモル)を20mLのアセトニトリルに入れたものに3.00gの6−ブロモヘキサン酸(15.4ミリモル)を加え、この溶液を還流下で14時間加熱した。 真空下で濃縮した後、残留物を100mLの脱イオン水と25mLの酢酸エチルにとった。 水性部分を25mLの酢酸エチルで更に2回洗った。 水性部分を真空中で濃縮した後、50mLの乾燥ジエチルエーテルを残留物に加えた。 4°Cに2日置いた後、ろ過により紫色固体として、1.62g(30%)のN−(ζ−カルボキシヘキシル)−2,3,3−トリメチルインドリニウムヨージドが得られた。

    実施例2:2,4−ビス[N−(ζ−カルボキシヘキシル)−1,3,3−トリメチル−2−インドリニリデン−メチル]シルクロブテンジイリウム(cylclobutenediylium)−1,3−ジオレート 0.80g(2.25ミリモル)のN−(ζ−カルボキシヘキシル)−2,3,3−トリメチルインドリニウムヨージド(例1で調製)、及び0.13g(1.12ミリモル)の3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオンを25mLのトルエンと25mLのブタノールに入れた溶液をディーンスタークトラップで15時間還流した。 溶液は、真空下で濃縮し、クロロホルムで充填したシリカゲルカラムスラリー上にこの残留物を装入し、0〜5%メタノールのクロロホルム溶液で溶出した。 青色分画を真空下で濃縮すると、青色油が得られた。 青色油を10mLの絶対エタノールに溶解して真空下で濃縮し、0.44g(31%)の金メタリック色の固体を得た。

    実施例3:t−ブトキシカルボニル(t−BOC)保護1,5−EDANS
    1.98gの5−(2−アミノエチルアミノ)−1−ナフタレンスルホン酸(1,5−EDANS、7.42ミリモル)と2.78gの炭酸ナトリウム(33.0ミリモル)を50mLのメタノールに入れたものに、3.59gのジ−t−ブチルジカルボネート(16.4ミリモル)を加え、浴型超音波処理器で5時間混合した。 ろ過後、溶液を真空下で濃縮し、残留物を20mLのヘキサンで完全に粉砕し、ろ過後に黄褐色の固体として2.92gのt−BOC保護1,5−EDANSを得た。

    実施例4:t−BOC保護1,5−EDANSアジド 10mLの脱イオン水に1.55g(4.0ミリモル)のt−BOC保護1,5−EDANS(例3で調製)を加えた。 全ての固体を溶解した後、2.7mL(4.1ミリモル)のテトラブチル水酸化アンモニウム40%溶液を加えた。 混合物は、クロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウム(無水物)で乾燥し、結晶発泡体になるまで真空下で濃縮した。 この発泡体を100mLのクロロホルムに溶解し、これに、120μLのジメチルホルムアミドと4mLの塩化チオニルを加えた。 3.5時間還流した後、この溶液を20gの氷と10mLの塩化アンモニウム(飽和)の上に注いだ。 結果として得られる溶液は、クロロホルム中に素早く抽出し、硫酸マグネシウム(無水物)上で乾燥し、真空下で濃縮すると2.67gの粗t−BOC保護1,5−EDANSクロリドである暗黄色の油が得られ、これは、更に精製することなく直ぐに用いた。

    黄色油を22mLのジメチルホルムアミドに溶解し、これに、5分間かけて0.38g(5.8ミリモル)のアジ化ナトリウム及び1mLの脱イオン水で作られた溶液を滴下した。 室温で21.5時間撹拌した後、溶液は、真空下で濃縮し、50mLのクロロホルムにとり、脱イオン水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮して0.68g(43%)のt−BOC保護1,5−EDANSアジドを得た。

    実施例5:1,5−EDANSアジド 0.2g(0.51ミリモル)のt−BOC保護1,5−EDANSアジド(例4で調製)を10mLの0°Cの塩化メチレンに入れたものに、65μLのトリフルオロアセド酸(trifluoroacedic acid)を1mLの0°Cの塩化メチレンに入れたものを5分かけて滴下した。 撹拌した溶液を16時間室温まで加温し、1時間還流した。 溶液は、40mLの塩化メチレンで希釈し、10mLの飽和重炭酸ナトリウムで4回洗い、真空下で濃縮して黄色の油として0.16gの1,5−EDANSアジドを得た。

    実施例6
    12mg(0.04ミリモル)の1,5−EDANSアジド(例5で調製)と13mg(0.02ミリモル)の2,4−ビス[N−(ζ−カルボキシヘキシル)−1,3,3−トリメチル−2−インドリニリデン−メチル]シクロブテンジイリウム(cylclobetenediylium)−1,3−ジオレート(例2で調製)を2mLのクロロホルムに入れたものに18mg(0.09ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミドと3.5mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを加えた。 15時間攪拌した後、溶液をろ過し、ろ液を真空下で濃縮すると青色残留物が得られ、これは更に精製することなく用いた。

    実施例7:有機耐性ミクロスフェア カルボキシル化架橋ポリスチレンミクロスフェア(直径5.6μm、英国シュロップシャーのPolymer Laboratories,Ltd.又はインディアナ州フィッシャーズのBangs Laboratories,Inc.から入手可能)は、Chandlerらに付与された米国特許第6,514,295号、Chandlerらに付与された第6,599,331号、Chandlerらに付与された第6,632,526号(これらは、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる)に記載される手順を用い、実施例6から得られる青色残留物で含浸した。

    染色ミクロスフェアをメタノール中に分散したものを5mLの三フラスコに入れ、真空下で濃縮した。 窒素雰囲気下のミクロスフェアを110°Cの油浴で13時間加熱した。 ミクロスフェアは、テトラヒドロフランで3回、メタノールで1回、脱イオン水で1回洗った。 洗浄溶媒は、遠心分離及びデカント法により除去した。 最後に、ミクロスフェアは、保存と試験のために脱イオン水中に分散させた。

    図2は、本明細書に記載する染色ミクロスフェアで実験するのに用いることができる測定システムの1つの実施例を示す。 図2は、縮尺通りに描かれていない点に留意されたい。 詳細には、図の要素の一部の縮尺は、その要素の特徴を強調するために誇張されている。 デジタル信号処理装置(DSP)のような測定システムの一部の要素は、明確にするために図には含まれていない。

    図2では、測定システムは、ミクロスフェア10が流れるキュベット12の断面を通る平面に沿って示される。 ミクロスフェア10は、本明細書に記載した実施形態により染色したミクロスフェアである。 1つの実施例では、キュベットは、標準フローサイトメータに用いられるもののような標準クォーツキュベットとすることができる。 しかしながら、あらゆる他の適切な種類の目視検査又は送達チャンバを用いて、分析するために試料を送達することもできる。

    測定システムは光源14を含む。 光源14は、レーザーのような当技術分野で公知のあらゆる適切な光源を含むことができる。 光源は、青色光又は緑色光のような1つ又はそれ以上の波長を有する光を放出するように構成される。 光源14は、キュベットを通って流れるときにミクロスフェアを照射するように構成される。 照射により、ミクロスフェアは、1つ又はそれ以上の波長又は波長帯域を有する蛍光を発する。 幾つかの実施形態では、本システムは、光源からの光をミクロスフェア又は流路上に合焦するように構成された1つ又はそれ以上のレンズ(図示せず)を含む。 また本システムは、1つよりも多い光源(図示せず)を含むこともできる。 1つの実施形態では、光源は、異なる波長(例えば、青色光及び緑色光)を有する光でミクロスフェアを照射するように構成されるる。 幾つかの実施形態では、光源は、異なる方向にミクロスフェアを照射するように構成される。

    ミクロスフェアから前方に散乱した光は、折り畳みミラー18又は別のこのような光配向構成要素により検出システム16に向けられる。 或いは、検出システム16を、前方に散乱する光の通路に直接配置することができる。 このように、折り畳みミラー又は他の光配向構成要素をシステムに含むことはできない。 1つの実施形態では、前方散乱光は、図2に示すように、光源14による照射方向から約180度の角度でミクロスフェアにより散乱された光である。 前方散乱光の角度は、光源からの入射光が、検出システムの感光面上に入射しなように、光源による照射方向から正確に180度でなくてもよい。 例えば、前方散乱光は、ミクロスフェアにより照射方向から180度未満又はそれよりも大きい角度で散乱した光(例えば、約170度、約175度、約185度、又は約190度の角度に散乱された光)とすることができる。

    また、光源により照射される方向からミクロスフェアにより約90度の角度に散乱及び/又は放出される光を収集することもできる。 1つの実施形態では、この散乱光は、1つ又はそれ以上のビームスプリッタ又はダイクロイックミラーにより1つよりも多い光ビームに分割することができる。 例えば、照射方向に対して約90度の角度で散乱した光は、ビームスプリッタ20により2つの異なる光ビームに分割することができる。 2つの異なる光ビームは、ビームスプリッタ22、24により再び分割され、4つの異なる光ビームを生成することができる。 光ビームの各々は、1つ又はそれ以上の検出器を含むことができる異なる検出システムに配向することができる。 例えば、4つの光ビームの1つは、検出システム26に向けられる。 検出システム26は、ミクロスフェアにより散乱された光を検出するように構成される。

    他の3つの光ビームは、検出システム28、30、32に向けられる。 検出システム28、30、32は、ミクロスフェアにより放出される蛍光を検出するように構成される。 検出システムの各々は、異なる波長又は異なる波長範囲の蛍光を検出するように構成される。 例えば、検出システムの1つは、緑色蛍光を検出するように構成される。 別の検出システムは、黄色〜橙色の蛍光を検出するように構成することができ、もう1つの検出システムは、赤色蛍光を検出するように構成される。

    幾つかの実施形態では、スペクトルフィルタ34、36、38をそれぞれ検出システム28、30、32に連結される。 スペクトルフィルタは、検出システムが検出するように構成された波長以外の波長の蛍光を遮断するように構成される。 加えて、1つ又はそれ以上のレンズ(図示せず)を検出システムの各々に光学的に連結することができる。 レンズは、散乱光又は放出蛍光を検出器の感光面上に合焦するように構成される。

    検出器の出力電流は、検出器に衝突する蛍光に比例し、電流パルスを生じる。 電流パルスは、電圧パルスに変換され、低域通過フィルタで処理され、次いで、A/D変換器によりデジタル化することができる。 DSPは、パルス下領域を積分し、蛍光の大きさを表す数を生成する。

    幾つかの実施形態では、ミクロスフェアにより放出される蛍光から生成される出力信号は、ミクロスフェアの識別点とミクロスフェアの表面で起こる反応に関する情報を測定するよう処理される。 例えば、出力信号の2つを用いて、ミクロスフェアの識別点を求めることができ、他の出力信号を用いてミクロスフェアの表面で起こる反応を測定することができる。

    図2のシステムは、異なる色素特性を有するミクロスフェアを区別するために2つの異なる検出ウィンドウを有する2つの検出システムを含むように示されているが、本システムは、2つよりも多いこのような検出ウィンドウ(即ち、3つの検出ウィンドウ、4つの検出ウィンドウ等)を含むことができる点は理解されるべきである。 このような実施形態では、システムは、付加的なビームスプリッタと他の検出ウィンドウを有する付加的な検出システムを含むことができる。 加えて、付加的な検出システムの各々には、スペクトルフィルタ及び/又はレンズを連結することができる。

    別の実施形態では、本システムは、ミクロスフェアの表面で反応する異なる材料を区別するように構成された2つ又はそれ以上の検出システムを含むことができる。 異なる反応物材料は、ミクロスフェアの色素特性と異なる色素特性を有することが好ましい。

    本明細書に記載した染色ミクロスフェア上で測定を行うのに用いることができる測定システムの別の実施例は、Chandlerらに付与された米国特許第5,981,180号、Chandlerに付与された第6,046,807号、Chandlerに付与された第6,139,800号、Chandlerに付与された第6,366,354B1号、Chandlerに付与された第6,411,904B1号、Chandlerらに付与された第6,449,562B1号、及びChandlerらに付与された第6,524,793B1号に示されており、これらは、本明細書に完全に記載されるように引用により組み込まれる。 また、本明細書に記載する測定システムは、これらの特許に記載されるように更に構成することもできる。 加えて、本明細書に記載した染色ミクロスフェア及び集団の実施形態を用いることができるアッセイ及び実験には、これらの特許に記載されるあらゆるアッセイ及び実験の何れか、並びに当技術分野で公知のあらゆる他のアッセイ及び実験が含まれる。

    本発明は、染色ミクロスフェアと染色ミクロスフェアの集団を形成する方法を提供すると考えられることは、本開示事項の恩恵を得る当業者には理解されるであろう。 当明細書を考慮すれば、当業者であれば本発明の種々の態様の別の変更形態及び代替実施形態は明らかであろう。 従って、本明細書は例証として解釈すべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業者に対して教示するためのものである。 本明細書で図示し説明された本発明の形態は、現在好ましい実施形態として取られるべきものである点を理解されたい。 本発明の当該明細書の恩恵を受けた当業者であれば全て理解されるように、要素及び材料は本明細書で図示され説明されたものと置き換えることができ、構成部品及びプロセスは逆にすることができ、本発明の特定の特徴は独立して用いることができる。 添付の請求項で記載されている本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書で記載されている要素を変更することができる。

    (ステートメント)
    本請求項において、色素は、ミクロスフェアの内部に位置することで、該色素は表面のカルボキシルとの連結を妨げないようになる。 D1では、色素は、一方側ではアジド基に付着し、生体分子(又はポリマー)は他方側にある。 アジド基を用いて色素をポリマーに付着させる1つの実施例は、本出願の明細書において出願人により言及される。

    本発明に記載した方法の実施形態に従って染色したミクロスフェアに対してLuminex100システムの分類チャネル1(CL1)/分類チャネル2(CL2)により発生する信号のプロットである。

    本明細書に記載した方法の実施形態に従って形成されたミクロスフェア及びミクロスフェア集団を用いた実験を行うのに用いることができる測定システムの1つの実施例を示す概略図である。

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