Coloring of hide

申请号 JP12170797 申请日 1997-04-23 公开(公告)号 JPH10298876A 公开(公告)日 1998-11-10
申请人 Junichi Hirata; 純一 平田; 发明人 HIRATA JUNICHI; HASEGAWA HIROKO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To carry out the coloring excellent in fixing and color developing properties for a hide.
SOLUTION: A hide 2 of an animal 1 for collecting the hide 2 having cells in an active state is prickled with many needles 16 of a colorant injection tool 14 before collecting the raw material hide 2 from the animal 1 for collecting the hide 2 and a colorant 13 is applied thereinto to inject the colorant 13 into the interior of the hide 2 (e.g. a grain side layer 5). Thereby, a coloring matter 17 of the colorant 13 enters the interior of cytoplasms, passes through capillary vessels and penetrates into the interior of the grain side layer 5. The coloring matter 17 is incorporated into the cells by phagocytic actions possessed by the cells in the active state. The operations are performed for plural sites. Thereby, the coloring matter 17 is diffused in a region of a wide range of the grain side layer 5 to stay there. The coloring matter 17 is then fixed in cell tissues.
COPYRIGHT: (C)1998,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 皮採取用動物からの原料皮の採取に先立ち、活性状態の細胞を有する皮採取用動物の皮内部に着色料を注入して浸透させ、その活性状態の細胞による貪食作用を利用し、着色料の色素をとどまらせて細胞組織に定着させることを特徴とする皮の着色方法。
  • 【請求項2】 前記着色料の注入に際し、着色料注入器具の多数本の針で前記皮を突き、前記着色料を塗り込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の皮の着色方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は哺乳動物等の動物の皮に色素を染着及び定着させて着色を施す方法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来より、皮に着色を施す方法としては、哺乳動物等の動物から剥皮して採取した原料皮をなめして柔らかくし、なめし後の被染皮を染浴の中に浸して1色に染める浸染法と、型を用いて被染皮に模様を押捺する捺染法とが広く知られている。 いずれの染色方法も、被染皮に着色料の色素を染着(吸着)させることにより、皮を着色するものである。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来の方法によって着色が施された皮では、多くの場合、色素が被染皮に浸透及び吸着してそこにとどまっているにすぎず、細胞組織に十分定着していない。 このため、色素は光の照射や、空気、、ガス等との接触や、他の物品等との接触にともなう摩擦といった環境因子の影響を直接受けることになる。 その結果、色素が退色、劣化、
    色落ち等を起こしやすいという不具合がある。 また、平面的な発色は出せても、透明感や深みのある発色を得ることができないという問題もある。

    【0004】そこで、本発明は、色素の定着性及び発色性に優れた皮の着色方法を提供することを、課題とするものである。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】請求項1に記載の第1の発明に係る皮の着色方法では、皮採取用動物からの原料皮の採取に先立ち、活性状態の細胞を有する皮採取用動物の皮内部に着色料を注入して浸透させ、その活性状態の細胞による貪食作用を利用し、着色料の色素をとどまらせて細胞組織に定着させている。

    【0006】上記第1の発明によると、着色料が皮内部に注入されると、その着色料の色素は細胞質の中に入り、毛細血管を伝わって浸透してゆく。 ここで、活性状態の細胞には、異物が侵入すると、それらを細胞内に取込んで消化するという特性がある。 この特性は、一般に、貪食と呼ばれる。 そのため、前記のように浸透する色素の多くは細胞内に貪食され、そこに長い期間にわたりとどまる。 肉や皮を取るために屠殺された皮採取用動物から原料皮が採取される際には、色素が既に皮内部の広い範囲にわたって浸透し、かつ定着していることとなる。

    【0007】請求項2に記載の第2の発明は、第1の発明における着色料の注入に際し、着色料注入器具の多数本の針で前記皮を突き、前記着色料を塗り込むようにしている。

    【0008】上記第2の発明によると、皮が着色料注入器具の多数本の針によって突かれる。 皮内部に入り込んだ針先によって着色料が塗り込まれる。 このようにして多数本の針から着色料が皮内部に一度に注入される。

    【0009】

    【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。

    【0010】まず、着色の対象となる皮採取用動物1を準備する。 従来の着色方法では、皮採取用動物から剥がされた皮を着色の対象としているのに対し、ここでは、
    、子牛、豚、羊、山羊、馬等の哺乳動物を着色対象としている。 すなわち、剥皮が行なわれる前の哺乳動物の、活性状態の細胞を着色の対象としている。 哺乳動物の皮の構造は、その動物の種類にかかわらずほぼ同様である。 牛を例にとって説明すると、図1(a)に示すように、皮2は表面から内部へ向けて(図の上から下に向けて)順に位置する、毛3、表皮4、銀面層(乳頭層とも呼ばれる)5、網状層6及び肉面層7からなる。 銀面層5及び網状層6の境界部分には毛根8、汗腺9、動脈11、静脈12等が存在している。 原料皮の採取に際しては、これらの表皮4から肉面層7にかけての部分が皮採取用動物1から剥がされる。

    【0011】また、着色を施す際に用いる着色料13及び着色料注入器具(以下、単に「注入器具」という)1
    4を準備する。 着色料13としては、化学的に安定し、
    皮採取用動物1の活性状態の細胞に与える刺激が少なく、銀面層5や網状層6に定着して美しい色調を出すものが用いられる。 黄色を出す着色料13としては、例えば、黄色カドミウム(硫化カドミウム)、オーカー、薑黄が挙げられる。 赤色を出す着色料13としては、例えば、シンナーバー(硫化水銀)、赤色カドミウム(セレン化カドミウム)、シェンナ(オーカー)が挙げられる。 緑色を出す着色料13としては、硫化クローム(クローム緑)、水化セスキ酸化クローム(グイネット緑)、マラハットグリーン、クロム鉛、シアン化第二鉄、薑緑、フタロシアニン色素(黄色コールタール色素加銅塩)が挙げられる。 黒色を出す着色料13としては、例えば炭素、酸化鉄、ロッグウッドが挙げられ、青色を出す着色料13としては、例えばコバルト化アルミニウム(アズールブルー)挙げられる。 白色を出す着色料13としては例えば二酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられ、紫色を出す着色料13としては例えばマンガン紫が挙げられる。 これらは一例にすぎず、他の物質を着色料13として用いてもよい。

    【0012】注入器具14は、液状の着色料13の入れられたタンク15と、そのタンク15に連結された束状の多数本(図では一部のみ図示)の針16と、電動モータ等の駆動源の回転を全部の針16に伝達して、同針1
    6をその長さ方向に往復動させる機構(図示略)とを備えている。 この構造の注入器具14では、所定の箇所にが加えられると、タンク15内の着色料13が吐き出させられ、針16の外面に沿って流下する構造となっている。

    【0013】次に、皮採取用動物1の皮2において、着色の対象となる箇所の毛3を剃る。 ここで、一概に皮2
    といっても、着色料13の注入に適した箇所と適さない箇所とが存在する。 適する箇所とは、(ア)最終的な皮製品を製造するのに最低限必要とされる面積を有していること、(イ)注入器具14の針16の通りが良い(針16で突きやすい)こと、(ウ)着色料13の色素の定着性が良いこと、等を満たしている箇所である。 例えば、皮採取用動物1が牛の場合には、腰の部分は皮2の組織が固く、肩、腹の順に同組織が柔らかくなるので、
    針16の通りやすさは前記順の後ろになるほど良好になり、着色作業性の点で適する。

    【0014】続いて、必要に応じて皮採取用動物1に麻酔をかけた後、その動物1を動かないように固定する。
    皮2において着色の対象となる箇所に束状の針16を当てる。 注入器具14の所定の箇所に手等で力を加え、タンク15内の着色料13を吐き出させ、針16の外面に沿って流下させる。 電動モータ等の作動により針16を一斉に往復動させ、これらの針16によって表皮4を突く。 この際、必要に応じて消毒を行う。 針16で突く際には、針先が銀面層5、深くても同銀面層5と網状層6
    との境界部分に到達する程度にする。 往復動する針16
    によって皮2が突かれたとき、それらの針16に沿って流下した着色料13が塗り込まれる。 このようにして、
    着色料13が銀面層5に注入される。 そして、同様の作業を着色の対象箇所の全体に対し行う。

    【0015】着色料13の注入直後では、その色素の多くが銀面層5の上層部分にのみ存在する。 しかし、時間が経過するにつれて、図1(b)に示すように色素17
    は毛細血管に沿って、次第に銀面層5の中層部分に移行し、やがて銀面層5の深さ方向のほぼ全体にわたって浸透してゆく。 また、針16によって生じた隙間は時間の経過とともに次第に小さくなってゆき、最終的には消滅する。 ここで、活性状態の細胞には、異物が侵入すると、それらを細胞内に取込んで消化するという特性がある。 この特性は、一般に、貪食と呼ばれる。 そのため、
    前記のように浸透する色素17の多くは細胞内に貪食され、そこに長い期間にわたりとどまり、定着することとなる。 このようにして銀面層5に着色が施されるが、その後、皮採取、食肉採取を目的として屠殺された皮採取用動物1に対し、剥皮、脱毛、肉面層7の一部除去等の処理が行なわれることにより、目的とする原料皮が得られる。

    【0016】このようにして得られた原料皮では、皮2
    の内部に浸透した色素17が、その皮2の細胞によって取り囲まれている。 このため、色素17は、光の照射や、空気、水、ガス等との接触や、他の物品等との接触にともなう摩擦といった環境因子の影響を受けにくい。
    従って、本実施形態の方法によれば、色素を細胞組織に十分定着させることのできない従来の着色方法とは異なり、耐光性や耐摩耗性に優れた原料皮を得ることができる。 また、色素17が銀面層5の細胞組織によって囲まれているので、細胞組織を通して色素17が見え、従来の染色方法によっては得られない、透明感や深みのある落ち着いた、違和感のない自然な発色が得られる。 このように、本実施形態の着色方法によれば、定着性及び発色性に優れた着色を皮に施すことができる。

    【0017】本実施形態は前述した事項以外にも次の特徴を有する。

    【0018】(a)一般に、哺乳動物の皮2は爬虫類等、他の種類の動物の皮に比べて柔らかいので、注入器具14の針16で突きやすく着色料13を注入しやすい。

    【0019】(b)本実施形態の方法によって着色を施した皮は、従来の方法によって着色した皮の場合と同様、衣料(コート、スーツ、ジャンパー等)、手袋、かばん類(ハンドバッグを含む)、靴、手袋、服飾ベルト、家具(ソファ等)等、幅広い分野において用いることができる。 また、この着色を施した皮は、将来的に、
    既存のものとは異なる新規な皮製品が開発された場合にも用いることができる。

    【0020】(c)注入器具14の針16で皮2を突いて着色料13を注入するという簡単な作業を行うだけなので、着色のために大がかりな装置が不要であり、従来の浸染法や捺染法に比べて低いコストで皮を着色できる。

    【0021】(d)注入された着色料13はその箇所にとどまるのではなく、時間の経過とともに浸透し着色箇所が拡がってゆくので、少ない注入回数で銀面層5等の所望の領域を着色でき、着色作業の効率がよい。

    【0022】(e)成長期にある皮採取用動物1に対し本実施形態の着色方法を適用して模様等を付せば、その模様等は皮採取用動物1の成長とともに変化してゆく。
    従って、複数の皮採取用動物1に対し着色料13を同様に注入しても、剥皮の時期を異ならせることにより、異なる模様の入った原料皮を得ることができる。

    【0023】(f)着色に際しては束状の針16が電動モータ等によって往復動させられるので、広い領域であっても短時間で皮2を針16で突いて着色料13を塗り込むことができ、着色作業の効率がよい。

    【0024】(g)1本当りの針16によって塗り込まれる着色料13の量はわずかであるので、本実施形態の方法は、1色に着色する場合であっても、複数色に着色する場合であっても、さらには複雑な模様、絵柄等を付す場合であっても十分対応できる。 例えば、皮2を1色に着色する場合には、その色の着色料13を全ての針1
    6に沿って流下させて塗り込めばよい。 皮を複数色で着色する場合には、束状の多数本の針16を色数と同数のグループに分けるとともに、異なる色の着色料13が入れられたタンクを用意し、各タンクからグループ毎に着色料13を流下させて塗り込めばよい。 それ以外にも、
    着色する色の数と同数の注入器具14を用意しておき、
    注入器具14毎に異なる色の着色料13をタンク15に入れておく。 そして、それらの注入器具14を適宜使い分けて着色料13を塗り込んでもよい。 さらに、複数色であって複雑な模様や絵柄を付す場合には、1本の針1
    6毎に、あるいは数本の針16毎に、流下させる着色料の種類を異ならせればよい。 このように本実施形態によれば、色数や、模様の複雑さにかかわらず、皮2に所望とする着色を確実に施すことができる。 換言すると、模様、柄等のデザインに関して制限がなく、どのようなデザインでも無限大にできる。

    【0025】(h)本実施形態の着色方法は、従来の通り、肉や皮を取るために屠殺された皮採取用動物から原料皮が剥がされることを前提とし、その剥皮に先立ち着色を施している。

    【0026】なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のように変更して実施してもよい。 針16を注射針のような細管によって形成し、その内部空間を通して着色料13を注入する構成としてもよい。 また、本発明の着色方法は、哺乳動物以外の動物に対しても適用することができる。 さらに、注入器具1
    4の多数本の針16で皮2を突く作業は人手で行ってもよいし、人手によらず専用の機械によって行ってもよい。 機械により行えば、着色のための作業の自動化も可能である。

    【0027】

    【発明の効果】以上のように、第1の発明の皮の着色方法によれば、活性状態の細胞に着色料が注入されると、
    その着色料が皮内部で浸透するという現象を利用するとともに、注入された色素が細胞によって貪食されるという現象を利用することにより、皮内部の広範囲の領域にわたって、色素を安定的に定着させることができ、定着性及び発色性に優れた着色を皮に施すことができる。

    【0028】第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、効率良く確実に着色料を注入することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】(a)は本発明の一実施形態において、注入器具を用いて着色料を銀面層に注入する状態を示す部分拡大断面図であり、(b)は注入された着色料の色素が浸透及び定着する状態を示す部分拡大断面図である。

    【符号の説明】

    1 皮採取用動物 2 皮 5 銀面層 13 着色料 14 着色料注入器具 16 針 17 色素

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