Method of making a coated article imaged using a magnetic pigment

申请号 JP2002587123 申请日 2002-04-02 公开(公告)号 JP2005512761A 公开(公告)日 2005-05-12
申请人 フレックス プロダクツ インコーポレイテッド; 发明人 マシュー アール. ウィッツマン,; ポウル ジー. クームス,; ロジャー ダブリュー. フィリップス,; チャールズ ティー. マーカンテス,; シャーロッテ アール. レガリー,;
摘要 被覆物品の上に像を生成するための方法および装置が提供される。 方法は全体として、液体状の磁化可能な顔料被覆の層を 基板 上に構成することを含む。 磁化可能な顔料被覆は,複数の 磁性 非球形の微粒子あるいは薄片を有する。 顔料被覆が液体状にあるとき、顔料被覆の選択された領域に、先ず磁界が適用される。 磁界は、選択された磁気微粒子あるいは薄片の配列を変える。 最後に、磁性顔料被覆は固体化され、顔料被覆の表面に対して非平行に再配列された微粒子あるいは薄片が固着される。 そのため、被覆の表面上に3次元状の像が生成される。 顔料被覆は、各種の干渉性あるいは非干渉性の磁気顔料微粒子あるいは薄片(磁気カラーシフト顔料など)を含むことができる。
权利要求
  • 基板に磁気プリント像を形成し、
    液状の磁化可能な顔料被覆を前記プリント像の上に加え、前記顔料被膜は顔料ビヒクルと該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを含み、
    前記顔料被覆に前記プリント像の磁界を作用させ、
    前記プリント像の上の顔料被覆を固体化させるようにした顔料被覆に像を生成する方法であり、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、前記磁界によって該顔料被覆の表面に関して非平行なあるいは中間的な位置に再配列され、非平行なあるいは中間的な位置において固定化されて前記顔料被覆の表面に像を生じさせるようにしたことを特徴とする顔料被覆に像を生成する方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記磁気顔料は、ほぼ平面な構造を有することを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記磁気顔料は、少なくとも約2:1のアスペクト比を有することを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記磁気顔料は多層被覆構造を有し、該多層被覆構造において少なくとも1つの層を伴い、前記層は軟質磁性材料を有することを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記磁気顔料は被覆構造を伴う多層顔料を有し、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央磁気層と、
    前記磁気層の第1主表面の上における第1反射層と、
    前記磁気層の第2主表面の上における第2反射層とを備えたことを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第5項記載の方法において、前記第1および第2反射層は、前記磁気層をほぼ囲む連続的な反射層を構成していることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記磁気顔料は被覆構造のカラーシフト多層顔料を含み、前記被覆構造は、磁気コア部と、第1、第2誘電層と、第1、第2吸収層とを備え、
    前記磁気コア部は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央磁気コア部と、
    前記磁気層の第1主表面の上における第1反射層、および、前記磁気層の第2主表面の上における対向する第2反射層とを有し、
    前記第1誘電層は前記第1反射層を覆い、また、前記第2誘電層は前記第2反射層を覆い、
    前記第1吸収層は前記第1誘電層を覆い、前記第2吸収層は前記第2誘電層を覆うようにされていることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第7項記載の方法において、前記第1および第2誘電層は、前記磁気コア部をほぼ囲む連続的な誘電層を構成していることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第7項記載の方法において、前記第1および第2吸収層は、前記第1および第2誘電層並びに前記磁気コア部をほぼ囲む連続的な吸収層を構成していることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第8項記載の方法において、前記第1および第2吸収層は、前記連続的な誘電層をほぼ囲む連続的な被覆層を構成していることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を含み、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央支持層と、
    前記支持層の第1主表面の上における第1磁気層と、
    前記支持層の第2主表面の上における第2磁気層とを有することを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第11項記載の方法において、前記第1および第2磁気層は、前記支持層をほぼ囲む連続的な磁気層を構成していることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を含み、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央磁気層と、
    前記磁気層の第1主表面の上における第1誘電層と、
    前記磁気層の第2主表面の上における第2誘電層とを有することを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第13項記載の方法において、前記第1および第2誘電層は、前記磁気層をほぼ囲む連続的な誘電層を構成していることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記プリント像は、グラビア印刷、凹版印刷、フレキソ印刷、絹紗スクリーン捺染法およびリソグラフィーのグループから選択されるプリント技法によって生成されることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記プリント像は、熱活性粘着剤を使用するホット・スタンプ技法によって生成されることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記プリント像は、光学的に透明なシートの上に前プリント像として生成されることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第8項記載の方法において、前記プリント像はキャリヤー基板の上に形成され、前記基板につけられることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第1項記載の方法において、前記磁化可能な被覆は、熱橋かけ結合、熱凝固、熱溶解蒸発、および、光化学的な橋かけ結合でなるグループから選択された処理によって固体化されることを特徴とする方法。
  • 基板と、
    該基板の上に形成された磁気プリント像と、
    該磁気プリント像を覆う顔料被覆とを備え、前記顔料被覆は顔料ビヒクルと該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを備えた像を伴う被覆物品であり、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、該顔料被覆の表面に関して非平行に配列され、前記顔料被覆の表面の上に像が生成されるようにしたことを特徴とする像を伴う被覆物品。
  • 特許請求の範囲第20項記載の物品において、前記磁気顔料は、少なくとも約2:1のアスペクト比を有することを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第20項記載の物品において、前記磁気顔料は多層被覆構造を有し、該多層被覆構造において少なくとも1つの層を伴い、前記層は軟磁性材料を有することを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第20項記載の物品において、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を有し、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面とを有する中央磁気層と、
    前記磁気層の第1主表面の上における第1反射層と、
    前記磁気層の第2主表面の上における第2反射層とを備えたことを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第23項記載の物品において、前記第1および第2反射層は、前記磁気層をほぼ囲む連続的な反射層を構成していることを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第20項記載の物品において、前記磁気顔料は被覆構造のカラーシフト多層顔料を含み、前記被覆構造は、磁気コア部と、第1、第2誘電層と、第1、第2吸収層とを有し、
    前記磁気コア部は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央磁気コア部と、
    前記磁気層の第1主表面の上における第1反射層、前記磁気層の第2主表面の上における対向する第2反射層とを有し、
    前記第1誘電層は前記第1反射層を覆い、また、前記第2誘電層は前記第2反射層を覆い、
    前記第1吸収層は前記第1誘電層を覆い、また、前記第2吸収層は前記第2誘電層を覆うようにしたことを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第25項記載の物品において、前記第1および第2誘電層は、前記磁気コア部をほぼ囲む連続的な誘電層を構成していることを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第25項記載の物品において、前記第1および第2吸収層は、前記第1および第2誘電層並びに前記磁気コア部をほぼ囲む連続的な吸収層を構成していることを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第26項記載の物品において、前記第1および第2吸収層は、前記連続的な誘電層をほぼ囲む連続的な被覆層を構成していることを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第20項記載の物品において、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を含み、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央支持層と、
    前記支持層の第1主表面の上における第1磁気層と、
    前記支持層の第2主表面の上における第2磁気層とを有することを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第29項記載の物品において、前記第1および第2磁気層は、前記支持層をほぼ囲む連続的な磁気層を構成していることを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第20項記載の物品において、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を含み、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央磁気層と、
    前記磁気層の第1主表面の上における第1磁気層と、
    前記磁気層の第2主表面の上における第2磁気層とを有することを特徴とする物品。
  • 特許請求の範囲第31項記載の物品において、前記第1および第2誘電層は、前記磁気層をほぼ囲む連続的な誘電層を構成していることを特徴とする物品。
  • 基板の上に磁化可能な顔料被覆を加え、前記顔料被覆は顔料ビヒクルと該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを含み、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を有し、前記被覆構造は、
    第1主表面および反対の第2主表面とを有する中央磁気層と、
    前記磁気層の第1主表面の上での第1反射層と、
    前記磁気層の第2主表面の上における第2反射層とを有し、
    前記顔料被覆に磁界を作用させ、
    前記基板の上の前記顔料被覆を固体化して顔料被覆に像を生成する方法であり、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、前記磁界によって該顔料被覆の表面に関して非平行な位置に再配列され、該非平行な位置で固定化され、前記顔料被覆の表面の上に像を生じさせるようにしたことを特徴とする顔料被覆に像を生成する方法。
  • 特許請求の範囲第33項記載の方法において、前記磁界は、3次元状の像の形状で構成され且つ前記顔料被覆に対向する基板の表面の上に置かれた板状磁石によって発生されることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第33項記載の方法において、前記磁界は、DCマグネトロン・スパッタの磁気カソードによって発生されることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第33項記載の方法において、前記磁界は、二次的な磁気源と作用された磁化可能なダイによって発生されることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第33項記載の方法において、磁力は複数の磁極によって供給され、基板の下の像から、前記複数の磁極は共に配列されていることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第33項記載の方法において、前記第1および第2反射層は、前記磁気層をほぼ囲む連続的な反射層を構成していることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第33項記載の方法において、前記多層顔料は、前記第1反射層を覆う第1誘電層および第2反射層を覆う第2誘電層を更に含むことを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第38項記載の方法において、前記多層顔料は、前記第1誘電層を覆う第1吸収層および第2誘電層を覆う第2吸収層を更に含むことを特徴とする方法。
  • 基板と、
    該基板を覆う顔料被覆とを備え、
    前記顔料被覆は顔料ビヒクルと該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを有し、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を含み、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央磁気層と、
    前記磁気層の第1主表面の上における第1反射層と、
    前記磁気層の第2主表面の上における第2反射層とを備え、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、該顔料被覆の表面に関して非平行な位置に配列され、それにより、前記顔料被覆の表面の上に像が生成されるようにしたことを特徴とする像を伴う被覆物品。
  • 基板と、
    該基板を覆う顔料被覆とを備え、
    前記顔料被覆は顔料ビヒクルと該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを含み、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を含み、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央支持層と、
    前記支持層の第1主表面の上における第1磁気層と、
    前記支持層の第2主表面の上における第2磁気層とを備え、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、該顔料被覆の表面に関して非平行な位置に配列され、それにより、前記顔料被覆の表面の上に像が生成されるようにしたことを特徴とする像を伴う被覆物品。
  • 基板と、
    該基板を覆う顔料被覆とを備え、
    前記顔料被覆は顔料ビヒクルと該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを有し、前記磁気顔料は被覆構造の多層顔料を含み、前記被覆構造は、
    第1主表面および対向する第2主表面を有する中央磁気層と、
    前記磁気層の第1主表面の上における第1誘電層と、
    前記磁気層の第2主表面の上における第2誘電層とを備え、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、該顔料被覆の表面に関して非平行な位置に配列され、それにより、前記顔料被覆の表面の上に像が生成されるようにしたことを特徴とする像を伴う被覆物品。
  • 基板の上に磁化可能な顔料被覆を加え、前記顔料被覆は顔料ビヒクルと該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを含み、
    前記顔料被覆に磁界を作用させ、前記磁界は、二次的な磁気源と作用された磁化可能なダイによって、あるいは、DCマグネトロン・スパッタの磁気カソードによって発生され、
    前記基板の上における前記顔料被覆を固体化するようにした顔料被覆に像を生成する方法であり、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、前記磁界によって該顔料被覆の表面に関して非平行な位値に再配列され、非平行な位置で固定化され、前記顔料被覆の表面の上に像を生じさせるようにしたことを特徴とする顔料被覆に像を生成する方法。
  • 基板の上に磁化可能な顔料被覆を加え、前記顔料被覆は、
    選択的な電磁放射腺による作用によって固体化される顔料ビヒクルと、
    該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを含み、
    前記顔料被覆を覆う第1フォトマスクを施し、前記第1フォトマスクは、像の部分として形作られるべきパターンに対応した1つあるいはそれよりも多い空隙を有し、
    前記顔料被覆に第1磁界を作用させ、前記顔料被覆における顔料は、顔料被覆の表面に関して非平行な位置に配列され、
    第1領域における前記顔料被覆に、前記第1フォトマスクの1つあるいはそれよりも多い空隙を介して、電磁放射腺を作用させ、それにより、前記第1領域の顔料を前記非平行な位置で固定化させ、
    第2磁界を前記顔料被覆に作用させ、前記顔料被覆における非固定化顔料は前記顔料被覆の表面に関してほぼ平行な位置に再配列され、
    前記第1フォトマスクを除去し、前記顔料被覆に電磁放射腺を作用させ、これにより、前記顔料被覆の表面にほぼ平行な位置で前記顔料の残りが固定化され、前記顔料被覆の表面に最終の像が生成されることを特徴とする顔料被覆に像を生成する方法。
  • 特許請求の範囲第45項記載の方法において、前記磁気顔料は、多層のカラーシフト薄片であることを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第45項記載の方法において、前記電磁放射線は、紫外線光であることを特徴とする方法。
  • 基板の上に磁化可能な顔料被覆を加え、前記顔料被覆は、
    選択的な電磁放射腺による作用によって固体化される顔料ビヒクルと、
    該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを含み、
    前記顔料被覆を覆う第1フォトマスクを施し、該第1フォトマスクは、像の部分として形作られるべきパターンに対応した1つあるいはそれよりも多い空隙を有し、
    前記顔料被覆に第1磁界を作用させ、前記顔料被覆における顔料は、顔料被覆の表面に関して非平行な位置に配列され、
    第1領域における前記顔料被覆に、前記第1フォトマスクの1つあるいはそれよりも多い空隙を介して、電磁放射腺を作用させ、それにより、前記第1領域の顔料を前記非平行な位置で固定化させ、
    第2磁界を前記顔料被覆に作用させ、前記顔料被覆における非固定化顔料は、前記第1領域における顔料の前記非平行位置とは異なる中間的な位置に再配列され、
    前記第1フォトマスクを除去し、前記顔料被覆を覆うように第2フォトマスクを配置し、前記第2フォトマスクは、像の部分として形作られるべきパターンに対応する1つあるいはそれよりも多い空隙を有し、
    第2領域における前記顔料被覆に、前記第2フォトマスクの1つあるいはそれよりも多い空隙を介して、電磁放射腺を作用させ、それにより、前記第2領域の顔料を前記中間的な位置で固定化させ、
    前記顔料被覆に第3磁界を適用し、前記顔料被覆における非固定化顔料は、前記顔料被覆の表面にほぼ平行な位置に再配列され、
    前記第2フォトマスクを除去し、前記顔料被覆に電磁放射線を作用させ、それにより、前記顔料被覆の表面にほぼ平行な位置の前記顔料被覆の残りを固定化させ、前記顔料被覆の表面の上に最終の像を生成することを特徴とする顔料被覆に像を生成する方法。
  • 特許請求の範囲第48項記載の方法において、前記磁化可能な顔料被覆は、多層のカラーシフト薄片を有することを特徴とする方法。
  • 特許請求の範囲第48項記載の方法において、前記電磁放射線は、紫外線光であることを特徴とする方法。
  • 基板と、
    該基板を覆う顔料被覆とを備え、前記顔料被覆は、顔料ビヒクルと該顔料ビヒクルに分散された複数かつ多層の非球形磁性カラーシフト顔料とを含み、前記被覆構造は、前記磁気顔料における第1領域、第2領域および第3領域を有しており、
    前記第1領域は、前記顔料被覆の表面に関してほぼ法線をなす角度の位置に配列され、それにより、前記被覆の表面に関してほぼ法線をなす角度の観察角度では、前記第1領域は黒色で観察され、
    前記第2領域は、前記顔料被覆の表面に関してほぼ平行な位置で配列され、それにより、前記第2領域で第1色が与えられ、
    前記第3領域は、前記顔料被覆の表面に関して法線をなす角度と平行との中間的な位置に配列され、それにより、前記第1色とは異なる第2色が前記第3領域で与えられ、
    前記第1領域、第2領域および第3領域によって、観察角度の変化にともなって像が動くように観察されるように、カラーシフト効果による3次元状の像が生成されるようにしたことを特徴とするカラーシフト被覆物品。
  • 複数の基板表面に像を生成する方法において、
    複数の基板表面を供給し、該複数の基板表面は、単一基板の複数の表面領域あるいは複数の基板における複数の表面でなり、
    各基板表面に磁気プリント像を形成し、
    各プリント像を覆う液状の磁化可能な顔料被覆を加え、前記顔料被覆は、
    顔料ビヒクルと、
    該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを含み、
    前記顔料被覆に各プリント像の磁界を作用させ、
    各プリント像の上の顔料被覆を固体化させ、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、各プリント像の磁界によって、該顔料被覆の表面に関して非平行なあるいは中間的な位置に再配列され、当該非平行なあるいは中間的な位置において固定化されて、前記顔料被覆の表面の上に像を生じさせるようにしたことを特徴とする複数の基板表面に像を生成する方法。
  • 複数の基板表面に像を生成する方法において、
    複数の基板表面を供給し、該複数の基板表面は、単一基板の複数の表面領域あるいは複数の基板における複数の表面でなり、
    各基板表面に液状の磁化可能な顔料被覆を加え、前記顔料被覆は、
    顔料ビヒクルと、
    該顔料ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料とを含み、
    複数の磁界供給装置を提供し、当該装置のそれぞれは、前記顔料被覆の1つに整合されており、
    磁界供給装置間の磁気干渉を阻止するように磁気遮蔽材料を供給し、
    前記顔料被覆を前記磁界供給装置の磁界に作用させ、
    前記顔料被覆を固体化させ、
    前記顔料被覆において選択的な顔料は、前記磁界によって、前記顔料被覆の表面に関して非平行なあるいは中間的な位置に再配列され、当該非平行なあるいは中間的な位置で固定化され、前記顔料被覆の表面の上に像を生じさせるようにしたことを特徴とする複数の基板表面に像を生成する方法。
  • 特許請求の範囲第53項記載の方法において、前記複数の基板表面は、シート状の銀行券を含むことを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    発明の背景 1. 発明の分野 本発明は、全体として、被覆物品(coated article)を構成する方法である。 特に、本発明は、磁気顔料の複合物を使用して被覆された物品を作製する方法に関し、その物品には3次元状の像が生成される。

    2. 関連技術 各種の顔料、着色剤、および箔が開発され、広範且つ多様な利用に供されてきた。 例えば、磁気顔料は、装飾食器、パターン現出表面、および保安目的の物品に使用するために開発されてきた。 同様に、カラーシフト(color shifting)あるいは光学的に可変な顔料が、化粧品、インク、被覆(coating)材料、装飾品、磁器製品、自動車塗装、偽造防止用ホット・スタンプ、および、偽造防止用インク(機密書類および紙幣用)に使用するために開発されてきた。

    カラーシフト顔料、着色剤および箔は、入射光の度の変化に応じてあるいは観者の見る角度がずれることに応じて色が変る特性を有する。 光学的薄膜の適切な構成とすることにより、または、薄片あるいは箔の被覆構造を形成するために使用されている分子グループの配列によって、顔料および箔のカラーシフト特性を制御できる。 薄片および箔を構成する層の厚さ、および、各層の屈折率などのパラメータを変化させることによって、所望の効果が得られる。 異なる観察角度あるいは光入射角に応じて確認できる色の変化は、層を有する材料の選択的吸収度および波長依存干渉効果の相乗的な結果である。 複数の反射で生じる光波の組み合わせから生じる干渉効果は、異なる角度で確認されるカラーシフトとなって現れる。 多数の層で構成されるスタック(stack)は光学的な特性を有し,光路長の差違に基づく干渉効果の変化に起因して、観察角度の変化に対し、反射最大量が位置および強度において変化する。

    そのようなカラーシフト効果を達成するために、多数のアプローチがとられてきた。 例えば、特に多層の薄膜で構成される小さな多層薄片がペイントあるいはインクなどの媒体に分散され、当該媒体はその後、光学的物体の表面上に配置された。 そのような薄片は、所望の色および光学的効果を達成するために、用途によっては被覆されることがあった。 別なアプローチは、小さな金属化基板あるいはケイ素化基板をさまざまな層で内部に閉じ込めたカプセル構造とし、次いで、そのカプセル構造とされた基板をペイントあるいはインクなどの媒体に分散することであった。 更に、基板材料の上に多層の薄膜でなる箔が作られた。

    多層薄膜構造を作製する1つの方法は、それを処理容易な薄板(web)材料の上に形成するものである。 当該薄板材料の上には剥離層が形成される。 薄板の上には、薄い被覆構造を形成する公知の方法(例えば、PVD、スパッタリング、その他の同様な方法)によって、数多くの層が形成される。 多層薄膜構造はその後薄板材料から剥離され、薄膜カラーシフト薄片となる。 カラーシフト薄片は、インクあるいはペイントとして使用される各種の顔料ビヒクル(vehicle)などの重合体媒体に加えられる。 カラーシフト薄片に加えて、インクあるいはペイントに添加剤が加えられ、所望のカラーシフト結果が得られる。

    カラーシフト顔料あるいは箔が、同じ基本構造の層を含む多層薄膜構造で形成される。 それらには吸収層、誘電層および任意的な反射層が含まれ、これらの層の順序は変りえる。 吸収層は、半吸収、半透明の層であることは、当業者にとっては理解されることであろう。 被覆は、吸収層/誘電層/反射層/誘電層/吸収層あるいは吸収層/誘電層/吸収層のような対称的な多層薄膜構造を有するように構成される。 被覆は、また、吸収層/誘電層/反射層のような非対称な多層薄膜構造を有するようにも構成されえる。

    例えば、フィリップス等に付与された米国特許第5,135,812号は、カラーシフト薄膜薄片を開示している。 当該特許はここに参照文献として組み入れられる。 その薄膜薄片は、幾つかの異なる層構成となっている。 それらの層は、透明誘電体および部分的に吸収するもの等が重ね合わされたものである。 フィリップス等に付与された米国特許第5,278,590号は、対称な3層の光学的干渉被覆を開示している。 当該特許はここに参照文献として組み入れられる。 その干渉被覆は、第1および第2の部分的な透過光吸収層と、当該第1および第2の吸収層との間に設けられた誘電体スペーサ層とを有する。 2つの吸収層は、基本的には同じ材料および厚さを有している。

    ペイントに使用されるカラーシフトをなす微細平板(platelet)は、フィリップス等に付与された米国特許第5,571,624号に開示されている。 当該特許はここに参照文献として組み入れられる。 その微細平板は対称的な多層薄膜構造で構成されている。 その薄膜構造においては、基板上にクロムなどのような第1吸収層が形成され、当該第1吸収層の上に第1誘電層が形成されている。 第1誘電層の上に、アルミニウムなどのような反射金属層が形成され、更に第2反射層が形成されている。 第2吸収層が、第2誘電層の上に形成されている。

    磁気顔料に関しては、フィリップス等に付与された米国特許第4,838,648号が磁気カラーシフトの薄膜構造を開示している。 当該特許の開示内容は参照的にここに組み入れら、以下、“フィリップス'648”として引用する。 その薄膜構造においては、磁気材料が反射層あるいは吸収層として使用されえる。 開示された1つの磁気材料は、コバルトニッケル合金である。 フィリップス'648に開示されている薄片および箔の構造は、着色された上層/吸収層/誘電層/磁気層/基板、着色された上層部/吸収層/誘電層/磁気層/誘電層/吸収層/着色された上層部、および粘性層/磁気層/誘電層/吸収層/剥離可能な硬質膜/基板である。

    磁気の影響を受ける環境に磁気薄片を置き、顔料の構造における物理的な変形が生じるようにすることにより、パタン−化された表面がえられた。 例えば、バトザール等に付与された米国特許第6,103,361号(以下、単に“バトザール”として引用する)では、磁化可能な材料でなる顔料を使用し、調理器具物品を装飾するようにしている。 特に、バトザールによって意図されているのは、フルオポリマーの剥離被覆におけるステンレス鋼の薄片の配列を制御するものであり、それによって、少なくともある程度の数の薄片は、被覆の厚さより長くなるパターンを作るようになっている。 パターン化された基板は、磁化可能なダイのエッジを介して磁力を印加することによって形成される。 このダイは被覆されたベースの下に配置されている。 印加磁力により被覆内の薄片の配列が変えられ、像効果あるいはパターンが生成される。 しかしながら、バトザールは、光学的な薄膜を重ね合わせたものあるいは磁気層を用いた微細平板の使用について論じてはいない。 更に、バトザールに使用されているステンレス鋼の薄片は、調理器具物品の装飾には適するが、それらの反射は乏しい。

    プラット等に付与された米国特許第2,570,856号(以下、単に“プラット”として引用する)では、強磁性金属の微細平板に基づいた金属薄片顔料に向けられている。 しかしながら、バトザールと同様に、プラットは反射の乏しい金属を使用し、また、光学的な薄膜のスタックについては教示していない。

    カシワギ等に付与された米国特許第5,364,689号および第5,630,877号(以下、総称して単に“カシワギ”として引用する)では、磁気的に形成されたペイントのプリントパターンを作り出すための方法および装置が開示されている。 カシワギは、非球形の磁性微細粉末をペイント媒体に含む磁性ペイント層を使用し、それに磁界を作用させている。 磁界による磁力線は所望のパターンの形状に対応している。 固体化されたペイントにおける異なる磁性微細粉末の配向によって、最終的なパターンが現出される。

    磁気層を多層薄片に組み込む1つの試みが、シュミット等によるヨーロッパ特許公報EP686675B1(以下、単に“シュミット”として引用する)に開示されている。 当該公報はここに参照文献とされ、その開示内容はここに組み入れられる。 シュミットは、積層したカラーシフト構造を説明している。 その構造は、誘電層と中央アルミニウム層との間に磁気層を含み、酸化物層/吸収層/誘電層/磁石層/Al/磁石層/誘電層/吸収層/酸化物層の構造となっている。 したがって、シュミットは、アルミニウムの微細平板を使用し、これらの微細平板を磁気材料で被覆している。 しかしながら、この構造において重ね合わされた磁気材料は顔料の反射特性を劣化させる。 その理由は、アルミニウムは銀に次いで二番目に光沢に富んだ金属であり、いずれの磁気材料の反射度も低いことである。 更に、シュミットは、ボールミルで生成されるアルミニウム微細平板で出発している。 その方法では、達成されえる層の滑らかさの意味合いでは限度がある。

    リヒター等によるヨーロッパ特許公報EP710508A1では、磁気を帯びた先端部で描画することによって3次元的な効果を出すための方法を開示している。 当該ヨーロッパ特許公報は以下単に“リヒター”として引用し、ここに参照文献としてその開示内容はここに組み入れられる。 リヒターによって説明されている3次元的な効果は、空間的に変る磁界において、磁気的に活性な顔料を整列させることによって達成される。 リヒターが使用しているのは標準顔料であり、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、サマリウム/コバルト、Al/Co/Ni合金、および、焼結して急冷することによって製造される酸化金属である。 しかしながら、これらはいずれも光学的薄膜の重ね合わせでなってはいない。 むしろ、それらの微粒子(particle)のタイプは硬質磁気材料である。 リヒターは、被覆の最上部あるいは被覆の両面の上に電磁極片を使用している。 しかしながら、リヒターは駆動システムを使用して像を“画く”ことが必要である。 この像を画くことは時間を要し、生産効率を重視する処理に向いてはいない。

    スタイングリューバー等に付与された米国特許第3,791,864号(以下、単に“スタイングリューバー”として引用する)には、磁気微粒子をパターン化する方法が説明されている。 その方法では、先ず下に位置するプライム被覆(prime coating)が磁界でパターン化され、次いで当該プライム被覆において発生された磁気パターンで、微粒子を配列するようにしている。 プライム被覆は、“MOx6Fe ”のタイプの磁気微粒子を含んでいる。 ここで、MはBa、Sr、CoあるいはPbのうち1つあるいはそれよりも多い元素で表される。 プライマー(primer)の液体状の連続的なシートを被覆した後、それは固体化され、プライマーの領域は磁界によって磁化される。 次いで、磁気微粒子が浮遊している顔料ビヒクルが加えられる。 そこに浮遊している微粒子は、プライマーにおける磁気パターンからの磁力によって最終的に配列される。 これによって、最終的な像が形成される。 しかしながら、スタイングリューバーは、プライム被覆において磁気像の拡散が余儀なくされる。 そのため、拡散された像が被覆の最上部に写ることとなる。 これによる分解能の低下は、強い磁界は生成することのできる分解能に限度があることによる。 この限度は、所望の磁気像を囲む強い磁力線に起因する。 そのため、プライム被覆における目標としていない磁気微粒子に影響を及ぼし、像を不鮮明なものとする。

    したがって、上述した問題点および限度を克服し且つ避けるように改良された方法および装置を提供することが必要である。

    発明の要約 本発明の1方法においては、磁界が、顔料被覆に適用される前に、基板につけられた磁気プリント像の層によって提供される。 別な方法においては外部の磁力源が使用される。 それは、所望の像の形に構成された板状磁石として使用され、顔料被覆に対向する基板の表面の上に配置された板状磁石を伴っている。 他に使用されえる外部磁力源は、磁気カソードをスパッタするDCマグネトロン、二次的な磁力源によって選択的に磁化される磁化可能なダイ、あるいは、基板の下の像から共に配列された複数の磁極が含まれる。

    本発明による方法に使用される望ましい顔料の複合物(composition)は、多層の磁性薄膜薄片あるいは微粒子を含む。 これらは、磁気コア層の対向する面の上で対称的に重ね合わされた被覆構造を有する。 また、1つあるいはそれよりも多い被覆で構成されるカプセル構造で形成することもできる。 その場合、被覆は、磁性あるいは絶縁性のコアを囲んでいる。 絶縁層および吸収層が任意的に追加されえる。 これらの追加層は薄片あるいは微粒子を覆うように構成され、カラーシフトあるいは他の特徴が顔料に加えられる。 適切な顔料薄片としては、反射体あるいは絶縁層の間の磁気層を、磁気層の間の絶縁層を、または、モノリシック磁気層を含む。

    本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の説明および添付された特許請求の範囲から明らかとなり、あるいは、以下に述べる発明の形態を実施に移すことによって知られえるであろう。

    本発明の上述したおよび他の利点および特徴が得られる手法を示すために、簡単に上述された本発明の更なる特定の説明が、添付された図面で示される特定の実施例を参照することによってなされる。 これらの図面は、発明の特定の実施例のみを示し、発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。 発明が、追加的な特定態様および詳細で、添付図面を使用して説明される。

    発明の詳細な説明 本発明は、像が生成される被覆構成体などの被覆物品を作製する方法および装置に向けられている。 被覆構成体は、表面上に3次元的な像を現出することが可能なものである。 方法は全体的に、液状の磁化可能な顔料被覆の層を基板上に加えることが含まれる。 磁気顔料被覆は、複数の非球体微粒子あるいは薄片を含む。 次いで、被覆が液状である間に、顔料被覆の選択された領域に磁界が印加され、選択された磁気微粒子あるいは薄片の配列が磁力によって変更される。 最終的に顔料被覆は固体化され、顔料被覆の表面に対して非平行(あるいは中間的)な位置で、再配列された微粒子あるいは薄片が固着される。 本発明による装置は、上記方法を実行することのできる構造を含む。 また、基板、磁化可能な顔料、および、外部磁界を発生させる手段から選択された各種の素子が含まれる。

    3次元的な効果は磁気顔料被覆を外部磁力の影響を受ける環境下に置くことによって達成でき、幾つかの顔料薄片の主たる平坦な面が、被覆の表面に対してほぼ法線をなすよう(垂直)に配列される。 配列されなかった顔料薄片は、それらの主たる平坦な面が、被覆の表面に対してほぼ平行な状態で存在する。 アスペクト比が磁界による配向と関連する。 つまり、顔料薄片あるいは微粒子の最長部分が磁力線にそって整合されるように顔料薄片あるいは微粒子が配向されることによって、3次元的な効果が得られる。 したがって、磁気的に再配列された顔料薄片の色付き面は、磁力の大きさに応じて、ある範囲で観察者は目視できなくなる。 再配列が最大の領域(垂直方向)においては、光が捕獲されることにより、被覆は黒色として観察される。 黒色の領域から観察の目を移せば、磁気的に再配列されなかった残りの表面領域において、被覆の色は段階的に変って観察される。 例えば、そのような非再配列の表面領域は、アルミニウム顔料が使用されているとき銀色で、あるいは、顔料によって他の色で観察される。 結果として現出される像は色つきの3次元的な効果を有し、ホログラフィー効果のそれと同様であり、観察角度が変るにつれて動く。 特に、干渉顔料(カラーシフトあるいは光学的に可変な顔料など)はその効果を増大させる。

    本発明において使用されえる顔料被覆は、顔料ビヒクルを含む。 当該ビヒクルは、磁性の非球形の微粒子あるいはほぼ平坦な磁気薄片を有する。 適切な顔料には、多層のカラーシフト磁気顔料が含まれる。 必要とされる磁化およびアスペクト比を有する他の磁気顔料も本発明の方法に適用可能である。

    像形成された被覆構成体を多くの物に組み込むことによって、上述したような目に与える3次元的な効果および磁気顔料の特徴により、それらが組み込まれた物に悪用防止などセキュリティー面の特徴を持たせることができる。 例えば、磁気層を多層顔料薄片の中に隠れた形で埋め込むことができる。 その場合、磁気層によって磁気薄片が有する光学的効果には影響せず、以下に述べる配列変動にはならない。 しかしながら、磁気検出システムにより磁気層は検出可能である。 磁化可能な被覆と基板との間に形成された磁気プリント像として、隠れた形での磁気的な署名(signature)も可能である。 また、基板に対して垂直な方向で配列された薄片は定まった磁極を有するように磁化され、その磁極はまた基板に対して垂直に配列される。 これによって、配列された薄片が他とは別に、機械によって読取り可能となる。 このような原則によって、以下に述べるような多様な明白あるいは隠れた悪用防止の特徴が磁気的に実現可能である。

    全体として本発明では、像を磁気的に形成するわずか1つのステップを有する非運動システムで、相対的に複雑な磁気像の像形成を可能とし、像形成技法の改良が実現される。 幾つかの顔料の実施例に関して以下に述べるように、重ね合わされた反射層の内部にあるいは間に磁気層が埋め込まれた場合において、本発明によれば改善された色彩および明るさが実現され、従来技術と比較して際だった利点を有する。 比較的に“鈍い”特性の磁気材料を反射体の中に入れることにより、本発明では2つの目的が達成される。 その目的1は、反射層の反射機能を保持することである。 その目的2は、観察者にとって、磁気材料の内部コアを持たないカラーシフト顔料が磁気材料のコアを有する顔料から見分けができないことである。 例えば、2つの被覆された物体が隣り合って観察されるとき、被覆において磁気材料を伴うものと伴わないものとは観察者にとっては同じに見える。 しかしながら、磁性のカラーシフト顔料により、カラーシフト効果に加えて、隠れたセキュリティー機能が得られる。 したがって、磁気検出システムを利用することにより、例えばファラデー回転検出器によって、顔料における磁気的な隠れた署名が読取り可能である。

    以下、参照符号を伴った構造が示されている図面を参照する。 第1図は像形成される被覆構成体20を示す。 この被覆構成体20は、本発明によって作製される1実施例である。 被覆構成体20は3次元的な像を有する。 被覆構成体20には、基板22、該基板22の上に形成された磁気プリント像層24、および、該磁気プリント像層24の上に形成された磁化可能な顔料被覆26が含まれる。 領域28は、磁気像を有するプリント像層24の部分的断面を示す。 被覆構成体20を構成する各部については、以下に詳細に説明する。

    適切な基板22およびその材料としては、例えば、紙、処理容易なポリエチレン・テレフタレイト(PTE)の薄板、キャリヤー(carrier)基板、あるいは、他のプラスチック材料である。 基板22は、プリント像層24を十分堅固に支持し、且つ、磁気顔料の磁化と干渉しないことのみが必要である。

    磁気プリント像層24を実現する方法は多数ある。 例えば、磁気インクあるいはラッカーで最終像の形状を基板22に直接形成する方法がある。 また、剥離層を有するキャリヤー基板の上に像を予備的にプリントし、次いで、その像を基板22に転写する方法がある。 更に、光学的な透明板などのようなキャリヤー基板の上に像を予備的にプリントし、次いで、そのキャリヤー基板を基板22に取り付ける方法がある。 プリント像層24を生成するのに、多様なプリント方法を用いることができる。 例えば、グラビア印刷、凹版印刷、フレキソ印刷、絹紗スクリーン捺染法、ホット・スタンプ、スプレー、リソグラフィーによるプリント等がある。

    磁界を発生させる多様な磁気的手段によって、プリント像層24の磁化を実現することができる。 それには、限定的ではないが、インク・ビヒクル内に分散された永久磁気材料を含んでいる永久磁気金属薄片あるいは多層の磁気薄片が含まれる。 プリント像層24は、磁化可能な顔料被覆26において所望の配列の変化をなさせるのに十分な磁気を、固有的に有するものであってもよい。 プリント像層24の磁化は、前もって磁気的な処理がなされるか、あるいは、永久磁気材料を使用することによってなされえる。 代替的には、プリント像層24は、顔料被覆26で基板22を被覆する前のある時点で外部磁界を作用させることもでき、それにより、プリント像層24によって派生される磁界を増強することができる。

    磁化可能な顔料被覆26は、適切な顔料ビヒクルに浮遊する複数の磁化可能な薄片あるいは非球形微粒子を含む。 磁化可能な薄片あるいは微粒子は望ましくは少なくとも約2:1のアスペクト比を有し、また、更に望ましくは約5−15:1である。 分散された狭い微粒子のサイズは例えば約20‐50μmである。 薄片のアスペクト比は、薄片の対向する主平面の最長平坦距離と縁の厚さの距離との比をとるようにして定められる。 プリント像層24に適用できるように、磁化可能な顔料被覆26にも、グラビア印刷、凹版印刷、フレキソ印刷、絹紗スクリーン捺染法、ホット・スタンプ、スプレー、リソグラフィーによるプリントなど多様なプリント方法が適用できる。

    第1図に示されるように、磁化可能な顔料被覆26は複数の薄片30および複数の薄片32を含む。 薄片30は概して被覆の表面に対して平行である。 複数の薄片32は、被覆の表面とそれに関してほぼ法線となる間の角度をなすように(被覆の表面と非平行に)再配列される。 薄片32は、当該薄片32の下にある領域28のおける磁気像28によって発生される磁界によって再配列される。 これにより、顔料被覆26の表面の上に、その下にある領域28にある磁気像に対応する3次元的な像が生成される。

    磁化可能な顔料被覆26には多様な顔料微粒子あるいは薄片を利用することができる。 例えば、磁気特性を有するモノリシック金属薄片などのような非干渉の磁気顔料が使用できる。 それには、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、それらの合金、ステンレス鋼およびそれらと同様なものがある。 更に、磁気層を有する干渉および非干渉の多層薄膜薄片も使用可能である。 例えば、入射光の角度における変化あるいは観察者の見る角度の変化に伴って、色彩および色調が概してシフトするような顔料薄片も使用できる。 ゴニオクロマティシティー(goniochromaticity)として知られる光学効果は光学的に可変的であり、あるいは、カラーシフトである。 それにより、照明あるいは観察の角度に伴って色が変ることが確認される。 したがって、そのような顔料薄片は、第1の入射光角度あるいは観察角度において第1の色を表し、そして、第2の入射光角度あるいは観察角度においては、第1の色とは異なる第2の色を表す。 カラーシフト効果は、本発明による像形成された被覆構成体によって現出される3次元的効果を増大させる。

    一般的に、本発明に有用なカラーシフト顔料薄片は、磁気コア層の対向表面の上にある対称的に重ね合わせた被覆構造とすることもでき、あるいは、磁気コアを囲む1つあるいはそれよりも多い被覆をカプセル構造として構成することもできる。 カラーシフト顔料薄片の被覆の全体的な構造は、反射層、該反射層を覆う誘電層および該誘電層を覆う吸収層を含む。

    本発明実施例に使用されている磁気層を含む干渉および非干渉の多層薄膜薄片は、多数の製造方法によって製作される。 その1つの方法は、係属している米国特許出願(2001年4月27日出願)「多層構成の磁気顔料および箔」(出願代理人の事件番号第13676.168号)に詳細に説明されている。 その特許出願の開示内容は、参照技術として、ここに取り入れられる。 例えば、顔料薄片は薄板の被覆処理によって形成されえる。 その処理にあっては、幾つかの層が薄板の上に従来技法によって連続的に堆積されて、薄膜構造が構成される。 次いで、構成された薄膜構造は、粉砕され、溶剤を使用して薄板から剥離される。 複数の薄膜薄片が形成される。 別な代替的な形成方法では、磁気微粒子が連続的なカプセル構造とする処理によって被覆され、複数の顔料薄片あるいは微粒子を形成することができる。 薄膜顔料層の形成のために使用されえる薄膜形成技法の例は、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、それにプラズマ援助による変形法PECVD(plasma enhanced CVD)あるいはダウンストリーム(downstream)PECVD、スパッタリング、電気分解法、およびこれらに順じた形成方法である。 これらの方法により、薄膜層が個別にまた一様に形成できる。

    本発明の方法に適用できる他の従来の磁気カラーシフト薄片の構造は、フィリップス'648およびシュミットによって開示されている。 これらの特許は既に参照文献とし、それらの開示内容は取り入れられる。 カラーシフト顔料を含む好ましい新規な顔料の詳細は以下に述べる。

    像形成される被覆構成体20を作製する方法にあっては、上述したプリント技法のいずれかによって、磁気プリント像層24が基板22に形成される。 次いで、磁化可能な顔料被覆26が液状の形で、プリント像層24を覆うように構成される。 プリント像層24は上述したように、顔料被覆26の顔料薄片において所望の配列変化が生じるように、領域28における磁気像の十分な磁気を固有的に有することもできる。 代替的に、基板22に顔料被覆26を加える前に、プリント像層24に外部磁力が作用するようにもできる。 プリント像層24によって発生される磁界は、顔料被覆26が液状にある間、該顔料被覆の選択された領域に作用し、当該磁界によって選択的な顔料薄片の配列が変えられる。 次いで、顔料被覆26は固体化され、顔料被覆の表面に対して非平行である位置で再配列された薄片が固着される。 したがって、顔料被膜26内で固着された薄片が基板22上のプリント層26の上に添付されたこととなる。 3次元的な像を現出する薄片が再配列された位置で保たれることを確実とするために、被覆は好ましくは熱処理によって固体化される。 その固体化方法としては、熱橋かけ結合(cross−linking)、熱凝固あるいは熱溶解蒸発のような熱的処理法があり、また、光化学的な橋かけ結合による処理法がある。

    本発明のこの方法における利点は、静磁界を使用していることである。 この静磁界は、被覆に像が形成される間、基板に対して相対的には変動しない。 このアプローチは、従来の方法に対して多くの利点を有する。 例えば、1)像はプリント磁気像領域によって形成されるので、最終的な被覆の像において高い分解能が得られる。 像は拡散された磁力で形成されるものではないこと、あるいは、拡散した磁力によって形成される像ではない。 2)プリント磁気像領域は広範な範囲にわたって磁化可能であり、パターン化されたあるいは可動磁界で磁化されるものではない。

    第2図は、本発明の1実施例による、磁化可能な顔料被覆において使用されるのに適した反射性薄片(reflective magnetic flake(RMF))100を示す。 RMF100は3層構造で構成されている。 それは、全体的には対称的な薄膜構造であり、中央反射層102、該中央反射層102の対向する主表面の片方あるいは双方の上に、少なくとも1つの反射層がある。 したがって、RMF100は、第1反射層104と対向する第2反射層106との間に磁気層が介在されている。 アルミニウムなどのような高い反射度の反射層の間に磁気層を挿入することにより、反射層の光学的特質が悪化することはなく、薄片は高い反射性を維持する。 本発明による1つの適切なRMFの例は、アルミニウム/磁気コア/アルミニウムの被覆構造を有する。

    RMF100を、顔料薄片としてあるいはコア部として使用することができる。 コア部として使用する場合には、その上に、カラーシフト顔料におけるような更なる層が追加される。 カラーシフト顔料の場合、高い輝度および色調を維持するために、高反射度の層を維持することが極めて重要である。 RMF100の被覆構造におけるこれらの層のそれぞれについては、以下に詳細に述べる。

    磁気層102は、ニッケル、コバルト、鉄、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、エルビウム、およびこれらの合金あるいは酸化物などのいかなる磁気材料でも構成可能である。 例えば、コバルトニッケル合金が使用される場合、コバルトおよびニッケルのそれぞれは重量比で約80%と20%である。 コバルトニッケル合金における各金属の比はプラス−マイナス約10%の範囲で変ってもよく、その範囲にある合金であればいずれでも所望の結果が得られる。 したがって、合金におけるコバルトの量は重量比で約70%から約90%でよく、ニッケルの量は重量比で約30%から約10%でよい。 他の合金の例は、Fe/Si、Fe/Ni、FeCo、Fe/Ni/Moおよびこれらの組み合わせがある。 SmCo 、NdCo 、Sm Co 17 、Nd Fe 14 B、Sr Fe 、TbFe 、Al−Ni−Coおよびこれらの組み合わせでなるタイプの硬質磁気材料が使用されえる。 同様に、Fe 、NiFe 、MnFe 、CoFe タイプのスピネル・フェライト、または、YIG、GdIGあるいはこれらの組み合わせでなるタイプのガーネットであってもよい。 磁気材料は、その反射あるいは吸収特性およびその磁気特性を考慮して選択される。 磁気材料が反射体として機能するように使用されるときは、当該材料はほぼ不透明となる厚さにて堆積される。 磁気材料が吸収体として機能するように使用されるときは、当該材料はほぼ不透明ではない厚さにて堆積される。

    このような広範囲の磁気材料が使用されえるが、“軟質”磁石が好ましい。 ここで使用されるように、用語“軟質磁石”は、強磁気特性を有するいかなる材料を含み、磁力に作用した後残留磁気がほぼゼロであるようなものを指す。 印加された磁界に対して軟質磁石の応答は素早く、非常に低い保磁力(Hc=0.05−300エルステッド(Oe))あるいはゼロ磁気署名を保持するか、あるいは、磁界が除去された後非常に弱い磁力腺を保持する。 同様に、ここで使用されているように、用語“硬質磁石”(永久磁石とも称される)は強磁気特性を有し、また、磁力に作用した後長く残留磁気を保ついかなる材料をも指す。 強磁性体は、透磁率が概して1よりも大きく且つ磁気ヒステリシス特性を有するいかなる材料の総称である。

    本発明実施例に使用されている薄片および箔における磁気層を構成するために使用される磁気材料は、好ましくは、約2000エルステッドより小さい保磁力を有するものであり、更に好ましくは、約300エルステッドより小さいものである。 保磁は、外部磁界によって消磁化されるべき材料の能力を指す。 保磁値が大きければ大きいほど、磁界が除去された後材料を消磁するのに大きな磁界が必要とされることを意味する。 本発明の幾つかの実施例において使用されている磁気層は、高い保磁性を有する従来の“硬質”磁気材料に対して、“軟質”磁気材料が好ましい。 本発明実施例における磁気カラーシフト、顔料あるいは箔の保磁力は、好ましくは約50エルステッドと約300エルステッドとの間の範囲にある。 これらの保磁力は標準的な記録材料のものよりも低い。 したがって、磁気カラーシフト顔料および磁気非カラーシフト顔料における軟質磁石を使用する本発明の好ましい実施例は、従来の技術の改良である。

    磁気層102は、約200オングストローム(Å)から約10,000Åにある適切な物理的厚さを有するように形成される。 好ましくは、約500Åから約1,500Åの間にあるものである。 しかしながら、ここにおける開示から、本発明に属する技術の当業者にとっては、最適な磁気材料の厚さは使用されている特定の磁気材料およびそれの使用目的によって異なるということは明らかであろう。 例えば、磁気吸収層と磁気反射層とを比べたとき、これらの層の光学的な必要条件に基づき、磁気吸収層は磁気反射層よりも薄いものとなりえる。 他方、隠れた磁気材料の厚さは全体的にその磁気特性に従っている。

    多様な反射材料で反射層104および106を構成できる。 非金属反射材料が使用可能であったとしても、現在好ましい材料としては、1つあるいはそれよりも多い金属、1つあるいはそれよりも多い金属合金、または、それらの組み合わせである。 その理由は、それらの強い反射性および使用する上での容易性にある。 反射層としての適切な金属材料の例は、アルミニウム、銀、銅、金、プラチナ、錫、チタニウム、パラジウム、ニッケル、コバルト、ロージウム、ニオビウム、クロム、および、これらの組み合わせあるいは合金である。 但し、これらに限定されない。 これらの金属は所望の色効果に基づいて選択される。 反射層104,106は、約400Åから約2,000Åの間にある物理的厚さを有するように形成される。 好ましくは、約500Åから約1,000Åの間である。

    代替的な実施例では、対向する磁気層を、反射層104および106を覆うように追加することもできる。 これら対向する磁気層により、RMF100は耐久性、剛性、耐食性を有することとなる。

    第3図は、本発明の1実施例によるRMFを基とした磁気カラーシフト顔料薄片120を示す。 当該薄片120は全体として、RMF122の対向面の上に層を有する対称的な多層薄膜構造である。 したがって、第1吸収層128が磁気層124の上に、また、第2吸収層130が磁気層126の上にそれぞれ配置されている。 RMFは上述された。 誘電層および吸収層については、以下に詳細に述べる。

    誘電層124および126は、薄片120の重ね合せ(スタック)構造においてスペーサとして機能する。 これらの層は光学的に効果的な厚さを有し、干渉色および所望のカラーシフトの特質を与えるようになっている。 誘電層は色効果を与えないものであってもよく、あるいは、選択的に吸収して顔料の色効果に関与するものであってもよい。 光学的な厚さは、ηdで表される公知のパラメータである。 ここで、ηは層の屈折率、dは層の物理的な厚さである。 典型的には、層の光学的な厚さは、四分の一波長の光学的な厚さ(quarter wave optical thickness(QWOT))によって表される。 QWOTは、4ηd/λに等しい。 ここで、λはQWOT条件を満たすときの波長である。 誘電層の光学的な厚さは、約2QWOT(設計した際の波長が約400nm)と約9QWOT(設計した際の波長が約700nm)との間である。 好ましくは、所望のカラーシフトに応じて、波長が400nm−700nmにおいて2−6QWOTである。 典型的な誘電層の物理的な厚さは、所望の色特性に応じて、約100nmから約800nmである。

    誘電層124および126に適切な材料は、“高”屈折率(ここでは、約1.65より大きいものを指す)を有する材料であると共に、“低”屈折率(ここでは、約1.65あるいはそれより小さいものを指す)を有する材料である。 誘電層のそれぞれは、単一の材料でなるのでもよく、また、多様な材料が組み合わさった構成でなったものでもよい。 例えば、低屈折率材料のみ、高屈折率材料のみ、1つ以上の低屈折率材料の組み合わせあるいは副多重層、1つ以上の高屈折率材料の組み合わせあるいは副多重層、1つ以上の低および高屈折率材料の組み合わせあるいは副多重層で、誘電層を構成することができる。 更に、誘電層は以下に詳細に述べるように、部分的あるいは全体として、高/低誘電体の光学的な重ね合せ構造で構成することができる。 誘電層が部分的に光学的な重ね合せ構造で形成された場合、当該誘電層の残りの部分は、上述したような単一材料で、または、多様な材料が組み合わさった構成で形成されえる。

    誘電層にとって適切な高屈折率材料の例は、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO )、二酸化チタン(TiO )、ダイアモンド状カーボン、酸化インジウム(In )、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta )、酸化セリウム(CeO )、酸化イットリウム(Y )、酸化ユウロピウム(Eu )、酸化鉄([2]および[3]酸化鉄:四三酸化鉄(Fe )および三二酸化鉄(Fe )など)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフ二ウム(HfO )、酸化ランタン(La )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジミウム(Nd )、酸化プラセオジウム(Pr 11 )、酸化サマリウム(Sm )、三酸化二アンチモン(Sb )、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化二セレン(Se )、酸化スズ(SnO )、三酸化タングステン(WO )、また、これらの組み合わせおよびそれらと同様なものがある。

    誘電層にとって適切な低屈折率材料の例は、二酸化ケイ素(SiO )、酸化アルミニウム(Al )、フッ化金属(フッ化マグネシウム(MgF )など)、フッ化アルミニウム(AlF )、フッ化セリウム(CeF )、フッ化ランタン(LaF )、フッ化ナトリウムアルミニウム(Na AlF あるいはNa Al 14 )、フッ化ネオジミウム(NdF )、フッ化サマリウム(SmF )、フッ化バリウム(BaF )、フッ化カルシウム(CaF )、フッ化リチウム(LiF)、これらの組み合わせ、または、約1.65あるいはそれより小さい反射率を有するいかなる他の低率材料である。 例えば、有機体モノマーおよびポリマーは、低率材料として使用できる。 それには、ジエンあるいはアクリレイト(例えば、メタクリル酸塩)のようなアルケン、パーフルオロアルケン、ポリテトラフルオルエチレン(テフロン(登録商標))、フッ素化されたエチレンプロピレン(FEP)、これらの組み合わせ、およびそれと同様なものが含まれる。

    上に挙げた誘電材料のうちかなりのものは非化学量論の形で典型的に表され、しばしば、被覆として誘電材料を堆積するために使用される特定の方法に従っていること、また、上に挙げた合成物の名称は化学量論における概略を示していることは理解されるべきである。 例えば、一酸化ケイ素および二酸化ケイ素は、公称的に1:1および1:2のケイ素:酸素比を、それぞれ有している。 しかし、特定の誘電被覆層における実際のケイ素:酸素比は、これらの公称値から多少変化している。 このような非化学量論の誘電材料は、また、本発明の範囲内にある。

    上述したとおり、誘電層は、高/低誘電の光学的なスタックで構成できる。 スタックは、低率(L)および高率(H)材料の交互の層を有する。 誘電層は、高/低誘電スタックで構成されるとき、角度でのカラーシフトは、そのスタックにおける層の合成された屈折率によっている。 誘電層のための適切なスタック構成の例は、LH、HL、LHL、HLH、HLHL、LHLH、あるいは、一般的に表される(LHL) あるいは(HLH) を含む(ここで、n=100であり、また、あらゆる倍数およびそれらの組み合わせである)。 これらのスタックにおいて、例えばLHは、低率材料および高率材料の層の組ごとでなっていることを示す。 代替的な実施例においては、高/低誘電スタックは、屈折率に段のついた構成でなっている。 例えば、スタックは、段のついた率の低−高、高−低、[低−高−低] 、[高−低−高−低] (ここで、n=100であり、また、あらゆる倍数およびそれらの組み合わせである)で、形成できる。 段のついた率は、隣接する層の低−高率あるいは高−低率のように、屈折率における段のついた変化によって作られる。 層での段のついた率は、異なる比で2つの材料(つまり、LおよびH)を堆積あるいは共に堆積する間に、ガスを変えることによって作ることができる。 各種の高/低の光学的なスタックにより、カラーシフト効果を高めることに使用でき、誘電層に非反射特性を与えることができ、また、発明の顔料の可能なカラーシフトを変化することができる。

    誘電層のそれぞれは、同じ材料あるいは異なる材料で構成することができ、また、各層にとって、同じあるいは異なる光学的あるいは物理的な厚さを有することができる。 ここで明らかであるが、誘電層が異なる材料でなるあるいは異なる厚さを有するとき、薄片はそのそれぞれの側で異なる色が示される。 また、顔料あるいはペイントを混合して得られる薄片混在により、2つの色の組み合わせである新たな色を示す。 結果としての色は、薄片の2つの側から来る2つの色の加色理論を基にしている。 多数の薄片が存在するとき、薄片は無規律に分散配置されており、観者に向いて異なる側を有する。 これらの薄片から生じる2つの色の加算合成したものが、結果として示される色である。

    薄片120の吸収層128、130を構成する材料は、所望の吸収特性を有するものであればいかなる吸収材料(選択的吸収材料および非選択的吸収材料)であってもよい。 例えば、吸収層は、非選択的金属材料で形成できる。 この金属材料は堆積され、その厚さは、吸収層が少なくとも部分的に吸収するようなもの(やや不透明)とされる。 適切な吸収材料としての金属吸収材料には、次のようなものがある。 ただし、これに限定されるものではない。 クロム、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、プラチナ、チタン、バナジウム、コバルト、鉄、スズ、タングステン、モリブデン、ロジウム、ニオブがある。 また、他の吸収材として、炭素、黒鉛、ケイ素、ゲルマニウム、サーメット、酸化鉄、あるいは、他の酸化金属、誘電母材に混合された金属、また、他の基材で可視スペクトルにおける単一あるいは選択的な吸収体として機能することのできるものがある。 上記した吸収材料の多様な組み合わせ、混在させたもの、化合物、あるいは、上にあげた吸収材料の合金が、薄片120の吸収層を構成するために使用できる。

    上記した吸収材料の適切な合金の例としては、インコネル(Ni−Cr−Fe)、ステンレス鋼、ハスタロイ(Hastalloy)(Ni−Mo−Fe、Ni−Mo−Fe−Cr、Ni−Si−Cu)、並びに、チタンを基とする合金(炭素と混合したチタン(Ti/C)、タングステンと混合したチタン(Ti/W)、ニオブと混合したチタン(Ti/Nb)、および、ケイ素と混合したチタン(Ti/Si)、また、それらの組み合わさったものなど)がある。 また、吸収層は、吸収酸化金属、硫化金属、炭化金属、あるいはこれらの組み合わせで構成できる。 例えば、好ましい硫化物材料は、硫化銀である。 吸収層のための適切な合成物の他の例は、チタンを基とした合成物(窒化チタン(TiN)、酸窒化チタン(TiN )、炭化チタン(TiC)、窒化炭化チタン(TiN )、酸窒化炭化チタン(TiN )、ケイ化チタン(TiSi )、ホウ化チタン(TiB )、およびこれらの組み合わせなどである。TiN およびTiN の場合、好ましくは、xは0と1との間、yは0と1との間、また、zは0と1との間であり、TiN についてはx+y=1、また、TiN についてはx+y+z=1である。TiN の場合、好ましくは、xは0と1との間、zは0と1との間であり、x+z=1である。代替的には、吸収層は、Tiの母材にしてその性質を有するチタンを基とする合金で構成でき、あるいは、チタンを基とする合金の母材にチタンが合成されたもので構成できる。

    本発明に属する技術の当業者にとっては、吸収層はまた、コバルトあるいはニッケル合金のような磁気材料で構成できることは明らかであろう。 これは、必要とされる材料の数を減ずることにより、磁気カラーシフト素子あるいは構造の製造を簡単化する。

    構成される吸収層は、約30Åから約500Åの範囲にある物理的厚さを有する。 好ましくは、吸収層材料の光学上の定数および所望のピークシフトに依存し、約50Åから約150Åである。 吸収層のそれぞれは、同一の材料あるいは異なる材料で構成できる。 また、各層は、同じあるいは異なる物理的な厚さを有することができる。

    第4図は、本発明の別な実施例による反射磁気薄片あるいは微粒子(magnetic particle(RMP))140を示す。 RMP140は2層でなり、非球形の形状である。 それには反射層142があり、それによってコア磁気層144を囲み且つ内部に閉じ込めたカプセル構造としている。 磁気層を反射層の中に挿入することにより、反射層の光学的な特性は劣化しない、また、反射層は高反射性を維持する。 RMP140は顔料微粒子として使用でき、あるいは、そこに追加の層が加えられた場合にコア部として使用できる。 磁気層および反射層は、RMF120に関して上述したものと同じ材料で構成できる。 代替的な実施例においては、誘電層が任意的に反射層142を覆うように付け加えることも可能である。 それにより、RMP140に耐久性、剛性、耐食性を加えることとなる。

    第5図は代替的な被覆構造(仮想腺つき)を示す。 この被覆構造は、本発明の他の実施例によるRMFあるいはRMPのいずれかが内部に閉じ込められたカプセル構造を基とする磁気カラーシフト顔料薄片160である。 薄片160は、RMFあるいはRMPのいずれかである磁気コア部162を有する。 磁気コア部162は、それを覆って内部に閉じ込める誘電層164によって被覆されている。 誘電層164は、磁気コア部162をほぼ囲んでいる。 吸収層166は、被覆誘電層164を覆って被覆しており、それを内包する薄片160の外部周縁を構成している。 第5図において薄片160の1側面にて半球状の点線は、誘電層164および吸収層166が、磁気コア部162を囲む連続的な層として構成できることを示す。

    代替的には、磁気コア部162および誘電層は、薄膜コア薄片スタックの形で構成できる。 そのスタックでは、対向する誘電層164aおよび164bが、磁気コア部162の頂部および底部の外周面に前もって形成され、当該薄膜スタックは吸収層166の内部に閉じ込められる。 なお、誘電層は、磁気コア部162の片面のみに形成されない。 そのようなカプセル構造化する処理により、薄片160を更に被覆する層(図示せず)などの追加的な層を当該薄片の上に形成することができる。 顔料薄片160は、入射光あるいは観察する第1の角度で第1色、また、入射光あるいは観察する第2の角度で第2色を示すように、識別可能なカラーシフトをなす。

    第6図は複合磁気薄片(composite magnetic flake(CMF))220を示す。 当該CMF220は、中央誘電層222と、その対向する主表面の上に設けられた第1および第2の磁気層224および226とを有する。 誘電層を磁気層の間に挿入することにより、CMF120の固定性および強度は極めて増し、強固となる。 磁気層224および226を覆うように、追加的な任意な誘電層(図示せず)を設けることもできる。 そのような追加の誘電層によって、CMF220は耐久性、剛性、耐食性を有することとなる。 CMF220は、それ自体で顔料薄片として使用でき、また、その上に加えられた追加的な層を伴う磁気コア部として使用できる。 磁気層224、226は、上述した磁気材料のいずれかによって構成することができる。

    支持層222に使用される好ましい誘電材料は、砕けやすいおよび堅いといった良好な特性を有することが分かっている無機性誘電材料である。 多様な誘電材料が使用でき、それには、フッ化金属、酸化金属、硫化金属、窒化金属、炭化金属、これらの組み合わせ、およびそれらと同様なものがある。 誘電材料は、結晶、非結晶あるいは半結晶の状態であってもよい。 これらの材料は容易に入手でき、また、容易に物理蒸着法あるいは化学蒸着法の処理によって形成できる。 適切な誘電材料の例としては、フッ化マグネシウム、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タングステン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、窒化チタン、窒化ケイ素、硫化亜鉛、ガラス薄片、ダイアモンド状カーボン、これらの組み合わせ、およびそれらと同様なものがある。 代替的には、支持層222は、前もって形成された誘電あるいはセラミックの未形成薄片(preflake)材料で構成することもできる。 この未形成薄片材料は、自然の微細平板ミネラル(例えば、雲母ペロスコバイト(peroskovite)あるいは滑石)、あるいは、ガラスで形成された合成の微細平板、アルミナ、二酸化ケイ素、炭素、酸化マイカエオス(micaeous)鉄、被覆された雲母、窒化ホウ素、炭化ホウ素、黒鉛、酸塩化ビスマス、これらの多様な組み合わせ、およびそれらと同様なものがある。

    代替的な実施例においては、誘電支持層222の替わりに、圧縮強度に対して伸張する比が十分である多様な半導電性および導電性材料が支持層として機能することができる。 そのような材料の例としては、ケイ素、ケイ化金属、III,IV,V族のいかなる元素でなる半導電性化合物、基を中心にしたキュービック結晶構造を有する金属、サーメット合成物あるいは化合物、半導性ガラス、これらの多様な組み合わせ、およびそれらと同様なものがある。 しかしながら、ここに開示したことから明らかであることは、ここに述べた機能を果たすおよびガラス状の品質で強固な層として機能することができる材料ならば、いかなるものであっても支持材料として、上記した材料の代替物となりえる。

    支持層222の厚さは、約10nmから約1,000nmの範囲をとることができ、好ましくは、約50nmから約200nmである。 なお、これらの範囲は限定的ではない。

    第7図は、本発明の別な実施例による複合磁気微粒子(composite magnetic particle(CMP))240を示す。 CMP240は2層でなり、非球形の形状である。 それには磁気層242があり、それによって、誘電層などの中央支持層244をほぼ囲み且つ内部に閉じ込めている。 支持層を磁気層の中に挿入することにより、CMP240の固定性および剛性は際立ったものとなる。 支持層が剛性および耐久性を加える。 上述した磁気材料のいずれによっても、磁気層242を構成することができる。 支持層244は、CMF220の支持層222に関して上述したものと同じ材料で構成できる。 CMP240は、それ自体で顔料微粒子として使用でき、あるいは、追加の層が加えられた磁気コア部として使用できる。 例えば、磁気層242を覆い且つ内部に閉じ込めるために、外部誘電層が追加されることができる。 この外周誘電層は、CMP240に耐久性、剛性、耐食性を加えることとなる。

    第8図は、カプセル構造のカラーシフト顔料薄片260のための被覆構造を示す。 薄片260は、薄いコア層262を有する。 支持層222として上述した誘電性あるいは他の材料で、コア層262を構成することができる。 磁気層264が、コア層262の全面を被覆している。 RMF100の磁気層102に関して上述したものと同じ材料で、磁気層264を構成することができる。 更に、反射層268を磁気層264の上に加えることもできる。 反射層268の適切な材料としては、RMF100の反射層104に関して上述した材料がある。 反射層によって、薄片260の反射機能が効果的に発揮され、磁気層264が光学的に遮蔽される。 コア層262および磁気層264は、CMP266として構成される。 CMP266は、他の層によって被覆される。 代替的には、CMP266は、第6図に示されるようなCMFによって置き換えることもできる。 誘電層270は反射層268および磁気層264をほぼ囲み、カプセル構造をとるようになっている。 更に、吸収層272が誘電層270を被覆し、薄片260においてカプセル構造の外周部となっている。

    誘電および吸収被覆層をカプセル構造で構成するには数多くの被覆処理が適用できる。 例えば、誘電層を形成する適切かつ好ましい方法は、真空蒸着、ゾル−ゲル加分解、流動化ベッドにおけるCVD、微粒子で充足された振動トレイへの下流プラズマ、および電気化学堆積がある。 適切かつ好ましい吸収層の形成方法は、真空蒸着、および機械的に微粒子のベッドへのスパッタ、共通に譲渡され且つ係属している米国特許出願第09/389,962号(1999年9月3日出願)「強化された干渉顔料を生産する方法および装置」に説明されている。 その特許出願の開示内容は、参照技術として、ここに取り入れられる。 代替的に、吸収被覆の堆積は、金属−有機化合物の熱分解による還元、あるいは、流動化ベッドにおいて実行されえる関連CVD処理によってなされえる。 これらの方法により、更なる研磨が実行されなければ、誘電および吸収材料が周囲を囲むカプセル構造のコア薄片部が得られる。 多数のカプセル構造の被覆を有する顔料薄片を製造する過程において、上述した被覆処理の多様な組み合わせが実用化されえる。

    第9図は、本発明の更なる実施例による誘電性の被覆された磁気薄片(dielectric coated magnetic flake(DMF))280を示す。 DMF280は3層でなる。 その構造は全体として、中央磁気層を有する対称的な薄膜構造である。 中央磁気層の対向する主表面の両方あるいは片面の上には、少なくとも1つの誘電層が構成されている。 したがって、DMF280は図示されるとおり、誘電層284と対向する誘電層286との間に挟まれた磁気層282を有する。 磁気層を誘電層の間に挿入することにより、DMFの剛性および耐久性が増大する。

    第10図は、本発明の別な実施例による誘電性の被覆された磁気微粒子(dielectric coated magnetic particle(DMP))300を示す。 DMP300は2層でなる。 その構造は非球形の形状である。 それには、反射層302があり、それによって中央磁気層304をほぼ囲み且つ内部に閉じ込めたカプセル構造としている。

    DMF280およびDMP300の被覆構造における層のそれぞれは、前述した実施例において述べた対応する層の材料および厚さと同じものとして構成できる。 例えば、DMF280およびDMP300における誘電層は、薄片120の誘電層124として上述したものと同じ材料で且つ同じ厚さの範囲で構成することができる。 また、DMF280およびDMP300における磁気層は、RMF100の磁気層102として上述したものと同じ材料で且つ同じ厚さの範囲で構成することができる。 DMF280およびDMP300のそれぞれは、顔料薄片あるいは微粒子として使用でき、あるいは、その上に追加の層が加えられた磁気コア部として使用できる。

    第11図は、本発明の他の実施例によるカラーシフト顔料薄片320を示す。 但し、この顔料薄片320は反射層を有しない。 顔料薄片320は磁気コア部322を有し、それの対向する側に薄膜を有するようにした全体的に対称的な3層構造である。 磁気コア部322を、DMFあるいはDMPで構成することができる。 したがって、第1および第2の吸収層324aおよび324bが、磁気コア部322の対向する主表面の上に構成されている。 これらの薄片320の層は、薄板を被覆し且つ薄片を剥離する処理によって構成することができる。

    第11図は更に代替的な被覆構造(仮想腺つき)による磁気カラーシフト薄片320を示す。 薄片320における吸収層が磁気コア部322の囲む形で被覆するように、カプセル構造処理で構成される。 したがって、吸収層324aおよび324bは、薄片の構造において、その下にあるものをほぼ囲む連続的な被覆層324の部分として形成される。

    顔料薄片320は、多層の薄膜スタックである薄片あるいは多層の薄膜カプセル構造とされた微粒子として形成することができる。 薄片320の吸収層、誘電層および磁気層の適切な材料および厚さは、上述したものと同じように形成できる。

    上述した実施例の多様な変形および組み合わせも、本発明の範囲にあるものと思慮される。 例えば、追加の誘電層、吸収層、あよび/あるいは他の光学的な被覆、光学的な染料あるいは無機着色剤を有する被覆と共に、上述した薄片あるいは微粒子の実施例のそれぞれを囲むように構成することができ、または、薄片形成前の合成反射膜の上に構成して、更なる所望の光学的特性を実現することもできる。 そのような追加的な被覆は、顔料にカラーシフト効果を追加することができる。 例えば、カラーシフト薄片に加えられた色つきの誘電被覆は、薄片のカラーフィルタとして機能することもありえる。 これによって減色効果が与えられ、薄片によって生成される色が変えられる。

    他の顔料薄片構造、それらを構成する方法、およびそれらに適用可能な追加的特徴は、フィリップス'648、バーニング等に付与された米国特許第4,705,356号、および、ブラッドレー等に付与された米国特許第6,157,489号、フィリップス等による米国特許出願第09/685,468号、クームス等による米国特許出願第09/715,937号、メイヤー等による米国特許出願第09/715,934号、フィリップ等による米国特許出願第09/389,962号およびフィリップス等による米国特許出願第09/539,695号にも述べられている。 これらはここに参照文献とされ、それらの開示内容はここに組み入れられる。 本発明に属する技術の当業者には、上述した磁気層が、参考文献としての特許および特許出願に開示された被覆構造と組み合わせることができることは、本願に開示された内容から明らかであろう。 反射層を、ここに開示したRMFあるいはRMPでいれ替えるなどをすれば、追加の有用な被覆構造が得られる。

    上に説明した顔料薄片および微粒子を顔料媒体に中に散在させ、磁化可能な着色複合物を生成することができる。 その着色複合物は、本発明の像が形成される被覆構成体を生成するために、顔料被覆として使用できる。 顔料媒体に含まれる好ましいものは、熱橋かけ結合、熱設定あるいは熱溶剤蒸発のような熱処理法によってあるいは光化学的な橋かけ結合による処理法によって乾燥されあるいは固体化される樹脂あるいは合成樹脂がある。 有用な顔料媒体としては、多様な重合体合成物あるいは有機バインダがある。 それには、アルキド樹脂、ポリスター樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、エポキシ、スチレン、およびそれらと同様なものがある。 これらの樹脂の適切な例には、メラミン、メチルメタクリル等のようなアクリレイト、ABS樹脂、アクリル樹脂を基として合成されたインクおよびペイント、およびそれらの多様な合成物がある。

    好ましくは、顔料媒体にはまた溶剤が含まれる。 溶剤としては、一般的には、有機溶剤あるいは水を使用することができる。 揮発性の溶剤がまた媒体に使用されえる。 揮発性溶剤はシンナーなどのように、揮発および希釈の両方のために使用することが好ましい。 特に、メチルエチルケトン(MEK)等のような低融点合成物の溶剤の量を多くして、顔料媒体をより速く乾燥することが達成できる。

    好ましくは、顔料媒体は、室温の反応で乾燥あるいは固体化できる樹脂あるいは合成樹脂を含むことである。 顔料媒体が加熱によって固定化されえるものであるときには、磁気薄片が被覆層の中に定着した後に、被覆構成体を加熱することが必要である。 加熱を行うには、例えば、エアー・ブロワーで暖められた空気を与えること、あるいは、赤外線の照射がある。

    好ましい実施例においては、顔料媒体は、紫外線(UV)処理可能な樹脂などのように、紫外腺の照射によって固体化されえるものである。 そのような樹脂でなる被覆は、例えば水銀ランプの使用で固体化させることができる。

    更に、顔料被覆に使用される薄片および微粒子は、所望の色特性を得るために、異なる色調、色彩および明度を有する他の慣用的な顔料薄片、微粒子あるいは染料などのような各種の添加材料と任意的に混合することもできる。 例えば、薄片を、干渉形あるいは非干渉形のいずれかの他の従来の顔料に混ぜ合わせることもでき、それによって他の色範囲を実現できる。 このまえもって混合された混成物を、重合体媒体の中に分散して、本願にて開示された方法によって使用することができる。 この分散させる媒体としては、ペイントあるいはインクまたは他の重合体の顔料ビヒクルなどがある。

    本発明の薄片と組み合わされえる適切な添加材料の例としては、非カラーシフトの高色彩性あるいは高反射性である微細平板が含まれる。 それには、MgF /Al/MgF あるいはSiO /Al/SiO でなる微細平板などがあり、特徴ある色効果を発揮することができる。 磁気カラーシフト薄片と混合することのできる他の適切な添加材料には、薄板顔料および非薄板顔料がある。 薄板顔料には、例えば、多層のカラーシフト薄片、アルミニウム薄片、黒鉛薄片、ガラス薄片、酸化鉄、窒化ホウ素、雲母薄片、TiO 被覆ベースの雲母干渉薄片、多重の被覆されたシートのケイ化基板を基とする干渉顔料、金属−誘電あるいは全誘電の干渉顔料、および、これらと同様なものが含まれる。 更に、これらの多様な複合物がある。 また、非薄板顔料には、例えば、アルミニウム粉末、カーボンブラック、ウルトラマリンブルー、コバルトベースの顔料、有機顔料あるいは染料、金紅石あるいは尖晶石ベースの無機顔料、天然の顔料、二酸化チタンのような無機顔料、滑石、カオリン、および、これらと同様なものが含まれる。 更に、これらの多様な複合物がある。 例えば、アルミニウム粉末あるいはカーボンブラックなどのような顔料が加えられて、優雅さおよび他の色の特性を制御することができる。

    第12図および第13図を参照する。 両図には3次元状の像が生成される被覆構成体400が示されている。 この被覆構成体400は、基板404の上に加えられた磁化可能な顔料被覆402を含む。 像が形成される被覆構成体20において対応する構造に関して上述したものと同じ材料で、顔料被覆402および基板404を構成することができる。 磁化可能な顔料被覆402は、複数の薄片410および412を含む、複数の薄片410は、被覆の表面430に対してほぼ平行である。 複数の薄片412は、被覆の表面430に対して非平行であり、鈍角からほぼ法線をなす角度をとる。 薄片412は、基板404の下に位置する板状磁石408によって発生される磁界によって再配列される。 これによって、図示されるような文字“F”の形状などで、顔料被覆402の表面に3次元状の像428が生成される。 この像の形状は、基板404の下に位置する板状磁石408の形に対応している。 なお、この下に位置する磁石の形状に応じて、被覆の表面に多種類の像を生成することができることは明らかであろう。

    上述したようなカラーシフト顔料を有する磁化可能な被覆を用いることにより、像が形成される被覆構成体400を作製すると、表面430はカラーシフト効果を有する。 法線をなす角度の位置から観察されるとき、像428の面は黒と観察される。 しかしながら、観察角度が法線の角度をなす位置から変れば、像428はその通常の色効果を取り戻し、薄片の横表面が観者によって見ることができる。 像が形成される被覆構成体400が、Al/Fe/Alなどの非カラーシフト構造を有する磁化可能な被覆を使用して作製されると、表面430は露出されたアルミニウム層そのために銀色であり、像428は上述したように配列された薄片のために黒として観察される。

    像が形成される被覆構成体400を製作する方法においては、何らかの適切な被覆技法によって、液状の形で磁化可能な顔料被覆402が基板404に加えられる。 磁石408などのような板状磁石は所望の像の形状で構成される。 次いで、未だに液状である顔料被覆402の反対側で、基板404の下に配置される。 板状磁石からの磁界は顔料被覆402における磁気薄片の向きであり、上述したように顔料被覆402の表面上に、磁石の形状に対応した3次元状の像が生成される。 次いで、顔料被覆402は固体化され、顔料被覆の表面に非平行な位置で再配列された薄片が固着される。 薄片を再配列された位置で確実に保存するために、顔料被覆は好ましくは、磁石からの磁界にさらされる(作用させる)間に固体化させることである。 第1図に関して説明した方法のように、この方法では1つの像形成ステップのみが必要であるため、相対的に高い分解能の像が得られる。

    板状磁石408は、像が形成される被覆構成体400を作製するのに使用できる磁界発生手段の1例にすぎない。 板状磁石408に代わる適切な他の磁界発生手段には、DCマグネトロンスパッタに使用される磁気カソード、二次的な磁気源によって選択的に磁化されることが可能な磁化可能なダイ、基板の下の像から共に配列された多数の磁気極(N−S)、および、異なる構成で配置された多様な電磁石が含まれる。

    磁気カソードを使用するとき、光学的に可変な磁気顔料を有するラッカーが基板の頂面の上で未だに液状である間に、基板の下でカソードを配置することによって、像が生成される。 磁石の構成配置は、楕円の軌跡で磁界を発生するように永久磁石のN/S極が配置される。

    例えば、磁化可能なダイを使用するとき、その1表面上に像の切り抜きあるいはレリーフを伴う鉄のダイは、基板に隣接するダイの切り抜きあるいはレリーフ像が配置されえる。 ダイがそこに焦点を当てる磁界にさらされるとき、当該ダイは磁界を磁化可能な顔料被覆に移す。 ブロック数などの切り抜きダイの場合、ダイの上の位置において磁化可能な顔料に3次元状の像が生成される。 ダイの上のレリーフ表面(面など)の場合、レリーフの3次元状像が生成される。 そこにおいては、1)ダイに焦点を当てる磁界を制御すること、および、2)ダイレリーフの深さを制御することによって、磁化可能な薄片の配列の度合いが制御されえる。 磁化可能なダイの使用は、オン/オフ制御および磁界強度の制御の両方が実現できるので特に効果的である。 上述した多様な磁界発生手段において、発生された磁界は、ある領域において被覆表面に対してほぼ平行に方向つけられた多くの磁力線を生じさせ、また、他の領域において被覆表面に対してほぼ垂直に方向つけられた多くの他の磁力線を生じさせる。 ほぼ平行な磁力線およびほぼ垂直な磁力線の領域の間における領域においては、磁力線は曲がっている。 その結果、磁気薄片はそれらの位置において磁力線で方向つけられており、被覆表面上の像パターンと被覆表面の非像表面との間で段階的な移動(シフト)がある。 薄片の配列における滑らかな遷移によって、像から像が形成されていない被覆表面に段階的な移動が現出される。 この結果により、カラーシフト効果および3次元効果の両方が増す。

    磁力の更なる議論および本発明に適応可能な多様な磁気発生構成による他の磁界発生技法の説明が、カシワギに付与された米国特許第5,364,689号および第5,630,877号になされている。 これらの特許は参照文献とされ、それらの開示内容はここに組み入れられる。

    第14a図および第14b図を参照する。 磁気顔料を使用する多色プリントの方法における連続的なステップが本発明の実施例に従って図示されている。 この方法には、液体状の媒体が固体化されるまで媒体にある顔料薄片は可動的であるという利点がある。 そのため、顔料被覆の多様な領域を、異なる時点で、また、異なる配列で選択的に固体化することができる。

    第14a図に示すように、プリントされたあるいは被覆された物品500は、基板504に磁化可能な顔料被覆502を最初に加えることによって作製される。 顔料被覆502は、ラッカーあるいは液状樹脂に分散配置された複数の磁化可能な薄片506を含む。 このラッカーあるいは液状樹脂は、UV処理可能な樹脂などのように、紫外腺の照射によって固体化されえるものである。 磁界510は、上述したあるいは公知の適切ないかなる磁界発生手段によっても発生される。 図示されるように、磁化可能な薄片は磁力線の方向に合わせられ、顔料被覆502の表面にほぼ垂直となる。 複数の空隙514を有するフォトマスク512が、顔料被覆502の上に配置される。 物品500において対応する所望のパターンを生成するように、空隙514がフォトマスク512に形成されている。 薄片506が磁力線の方向に配列されているとき、顔料被覆502には、紫外線(UV)ランプ516からの紫外光などのような電磁放射線が、フォトマスク512の空隙514を介して照射される。 フォトマスク512の空隙514の下にある顔料被覆502の照射領域のみにおいて固体化が行われ、これらの領域にある薄片506が所望の配列で固着される。

    第14b図を参照する。 顔料被覆502の表面に対して磁力線が再方向つけなどされるように磁界510が変えられるか、あるいは磁界が全て除去される。 顔料被覆502の非固体化領域において存在する薄片は、顔料被覆502の表面に対してほぼ平行に再配列されるように、磁力線にそって再配向される。 フォトマスクが除去された後、電磁放射線が再び顔料被覆502の表面に印加され、残りの再配列された磁気薄片が固体化樹脂の中の位置で固定化される。 したがって、選択的な薄片は第1領域532で垂直方向の配列位置で固定化される。 また、他の薄片は第2領域530において平行な配列位置で固定化される。 このような薄片固定化によって、物品500においてパターンが現出される。 好都合なことに、パターンの幅はフォトマスクにおける空隙によって定まる幅に対応している。 これにより、パターン化された磁界の使用によって得られるよりも高い分解能の像を現出することができる。 この方法の別な利点は、パターン化された像を形成するために固定された磁界を使用できることであり、他の方法での可変磁界が必要とされるのとは異なる。

    第15a図−第15c図を参照する。 磁気顔料を有する多色プリントの別な方法における連続的なステップが示されている。 この方法は、第14a図−第14b図に示された方法の変形である。 第15a図に示されるように、プリントされたあるいは被覆された物品540は、基板504に磁化可能な顔料被覆502を最初に加えることによって作製される。 複数の空隙554を有するフォトマスク550が、顔料被覆502の上に配置される。 磁界558が印加され、磁化可能な薄片は磁力線の方向に合わせられ、顔料被覆502の表面に対してほぼ垂直に配列される。 次いで、顔料被覆502にはUVランプ516からの紫外光などのような電磁放射線が、フォトマスク550の空隙554を介して照射される。 したがって、空隙514の下にある顔料被覆502の照射領域において固体化が行われ、これらの領域にある薄片506が垂直の位置で固着される。

    次いで、第15b図に示されるように、異なるフォトマスク552が顔料被覆502の上に配置される。 このフォトマスク552は異なる空隙パターン556を有する。 次いで、磁力線が中間的な位置に再配向されるように、磁界558は調整される。 これにより、磁化可能な薄片は、顔料被覆の表面から鈍角となるような中間的な位置に再配列される。 次いで、顔料被覆502はUVランプ516によってフォトマスク552の空隙556を介して露光される。 顔料被覆502の露光された領域において固体化が行われ、それらの領域にある薄片が中間的な位置で固定化される。

    第15c図に示される最終ステップにおいて、磁界558は変更され、顔料被覆502の表面に対してほぼ平行となるように磁力線が再方向つけられる。 この再方向つけされた磁力線に対応して、顔料被覆502の非固体化領域に存在する薄片は、顔料被覆502の表面に対してほぼ平行に再配列される。 顔料被覆502は再びUVランプ516によって露光され、残りの再配列された磁気薄片は固体化被覆の内部で平行な位置で固着される。 したがって、被覆物品540の最終構成体は、3つの明確に定められた領域560、562および564に薄片を含む。 各領域には互いに区別される配列を有する薄片が含まれる。 勿論、本発明に属する技術の当業者にとっては、非固体化の領域における薄片が再配列された位置で固体化処理にわたって保持される限り、被覆の最終固体化を熱によって達成できること、あるいは、被覆を乾燥するようにしてもよいことは明らかであろう。

    第15a図−第15c図に示される方法において、別々なフォトマスクおよび個々に方向つけられた磁界を用いる連続的なステップにより、薄片の多様な永久的な配列が実現できるようになる。 これにより、更に複雑なパターンを、プリントされたあるいは被覆された物品の上に現出させることができる。 被覆された物品の表面から垂直な位置から観察されるとき観察者は多様な色を見ることができるので、この方法は特に効果的である。 このような効果は、顔料被覆の垂直方向に位置する薄片は黒色を表し、平行な位置にある薄片は第1の色を表し、中間的な位置にある薄片は第2の色を表すことによる。 これらの薄片はまた観察角度の変化に応じて色を変え、更なる色効果を被覆された物品の表面にもたせることとなる。

    第14a図−第14b図および第15a図−15c図に示される3次元状の像を生成する方法は、機械読取り可能な磁気プリント、高度セキュリティーラベル、増強光学的効果、および、狭い線幅の像パターンを有するプリントされたあるいは被覆された物品を生成するために使用できる。 なお、これらの方法を変更し、フォトマスクの追加および異なる磁界によって所望の多様なパターンおよび像を被覆された物品に現出させるようにできることは明らかであろう。

    本発明の別な態様においては、同一なあるいは類似の磁気パターンを多数の物品に同時に形成できる。 そのような方法は、複数の基板表面において磁気パターンを形成するために使用できる。 複数の基板表面は、単一の基板における複数の表面領域あるいは多数の基板における複数の表面である。 そのような基板表面の例は、シート状の銀行券である。 慣用技法において、磁気的に誘起されるパターンが個々の基板あるいは物品に生成される。 多数の物品がきわめて接近して機能するように意図されたマトリクス状の装置集合体に単一の物品を適応させる磁気装置を単に複製することはできない。 マトリクスあるいは格子を生成して装置を隣接配置すると、磁気複合物は互いに極めて接近することとなり、1つの装置からの磁界が周囲の装置に干渉する。 本発明の方法では磁気遮蔽材料を使用することもでき、当該磁気遮蔽によって、磁界発生装置間の干渉を阻止することもできる。 磁気装置のそれぞれは、個々の像において薄片を整合する能力が最大化され且つ他の像への漏洩が最小化するように設計されている。 そのような漏洩は像の分解能を劣化させるので、それを避けることは重要なことである。

    ここに述べる方法は商用の絹紗スクリーン捺染法に容易に適応させることができる。

    この方法は、複数の基板表面を最初に提供することが含まれる。 これら複数の基板表面は、単一の基板の上における複数の表面領域あるいは多数の基板における複数の表面のいずれかで構成される。 次に、磁気プリント像を各基板表面の上に加えることができる。 代替的には、上述したように外部磁界供給装置を提供できる。 基板表面の上あるいは各磁気プリント像の上に、液状の磁化可能な顔料被覆が形成される。 顔料被覆は上述したように、磁気ビヒクルに分散された複数の非球形磁気顔料を有することができる。 磁界供給装置および/または基板表面は磁気遮蔽材料を有することによって他から遮蔽され、磁気干渉が阻止される。 次いで、顔料被覆は、磁気プリント像あるいは外部磁界供給装置のいずれかからの磁界に作用される環境に置かれる。 これにより、顔料被覆において選択的な薄片は、顔料被覆の表面に関して非平行なあるいは中間的な位置に磁界によって再配列される。 最後に、顔料被覆は固体化され、そのような選択的な薄片は非平行なあるいは中間的な位置に固定化され、顔料被覆の表面上に像が生成される。

    以下に挙げる例は、本発明の理解説明のために示されるものであり、本発明の技術的な範囲を限定することを意図するものではない。

    例1
    準備されたのは3層磁気被覆の実例であり、1000Åのアルミニウム、1000Å鉄、および1000Åアルミニウム(Al/Fe/Al)でなっている。 被覆実例は、有機剥離層(アセトンで溶解可能)で被覆された2ミルのポリエステル薄板を使用し、塗膜を施すロールによって準備された。 顔料薄片微粒子を形成するために3層被覆を薄板から剥がした後、当該微粒子をイソピロピルアルコールにさらし、ブランソン(Branson)音波溶接機を使用して5分間超音波撹拌し、ろ過され且つ寸法合わせが行われた。 微粒子の大きさは、微粒子サイジング機器(レーザ散乱をベースとするシステムであるホリバ(Horiba)LA−300)を使用して決定された。 微粒子の平均の大きさは平面で44μm(標準偏差22μm)であり、ガウス分布を有していた。 寸法合わせに続いて、顔料微粒子はろ過され且つ乾燥された。

    磁気顔料の乾燥した重さがバインダ(デュポンの自動車再仕上げペイント・ビヒクル)に対して1:4の比であるものを、薄い板紙シート(レネタカード(Leneta card))に垂らして当該シート内に分散させ且つ沈ませた。 そのようにして紙に沈ませた試料ペイントあるいはインクを“ドロウダウン(draw‐down)”と称し、色の評価に供される。 典型的には、ドロウダウンはパテ用こてあるいはスパチュラの縁によって形成される。 それによって小球のペイントあるいはインクを沈ませ、ペイントあるいはインクの薄膜が得られる。 代替的には、レネタカードで引かれるマイヤーロッド(Mayer rod)を使用し、小球のペイントによりドロウダウンが形成される。 ドロウダウンを生じさせる間公知の板状磁石がカードの下に配置され、ペイント・ビヒクルが乾燥するまでそのまま置かれた。 この顔料の試料における磁界の結果は、当該顔料において平行な明るいおよび暗い領域を生成するものであった。 ダータカラー(DataColor)のSF−600分光光度計における極小領域観察(USAV、2.3mm)を使用することによって、顔料試料の明るいアルミニウムの領域での反射輝度Yは53%、暗い領域での反射輝度は43%が得られた。 しかしながら、暗いおよび明るい線との間のすきまに合わせることは困難であった。 それらの輝度の差違はこれらの測定値より事実上大きいものと思われる。

    例2
    磁気インク試料は、例1の顔料(Al/Fe/Al)の磁気顔料の0.5g試料を、3.575gの標準凹版インク・ビヒクル(高粘性インク・ビヒクル)および0.175gのインク乾燥剤と混合することによって準備された。 インク試料は、平らなパテ用こてを用いて紙にドロウダウンが形成された。 単語“FLEX”の切り抜きを伴う磁気条片が、ドロウダウンのステップの間に、紙の下に配置された。 乾燥した磁気インクにおける磁力線のパターンは、黒および白(銀色)条片として充分に可視的であった。 また、単語“FLEX”が極めて明白であった。 インク試料における単語“FLEX”の光学的像は、法線にそった光入射および約45度の観察角度で視覚によって確認できた。

    例3
    磁気インク試料は例2の試料のように準備された。 凹版インク・ビヒクルを使用し、紙を塗膜した。 その紙の背後には板状磁石が配置された。 磁石は、様式化された文字“F”の切り抜きを有した。 磁力線にそって配列された磁気顔料(Al/Fe/Al)に加えて、切り抜き“F”は紙から上方に打ち出され、明るい銀色で現されるものであった。 この“F”は、その周辺から、約6ミクロンだけ浮き出ていた。 これは、高粘性の凹版インクをパテ用こての力でドロウダウンをなすことによって、磁石の“F”の凹んだ個所に紙がわずかに押されるからである。 紙への力が緩んだ後でも、紙の表面に対して平行に配列されたAl/Fe/Al顔料によって、その周辺から階段状に浮き出た高さで“F”領域の明るさは維持された。

    例4
    様式化された文字“F”は、エグザクトナイフ(exacto knife)を使用して、処理しやすい板状磁石を切り抜いたものであった。 ドロウダウンのなされたカードが、板状磁石の上で且つそれに接触する形で配置された。 本発明による磁気カラーシフト顔料は、アクリル樹脂ベースのビヒクルと混合された、#22線のマイヤーロッドでカードに加えられた。 ドロウダウンのなされた結果物は、細長く且つ重なった黒線を有していた。 この黒線は、カードの下の板状磁石における様式化された“F”の外のフィールドパターンを模写するものであたった。 ドロウダウンのなされたカードの全体表面は、カラーシフト効果を発揮した。 様式化された“F”のパターンが観測された場合、当該様式化された“F”のみがカラーシフト効果を有し、背景はカラーシフト効果および重なった黒線の両方を有した。

    様式化された文字“F”による板状磁石の切り抜き片は、この例において前述されたと同じ磁気顔料およびビヒクルによって、他のドロウダウンをなすのに使用された。 ドロウダウンのなされた結果物は、細長く且つ重なった黒線を有していた。 この黒線は、様式化された“F”の磁石片の内部のフィールドパターンを模写するものであたった。 ドロウダウンのなされたカードの全体表面は、カラーシフト効果を発揮した。 様式化された“F”のパターンが観測された場合、当該様式化された“F”はカラーシフト効果および重なった黒線の両方を有し、背景はカラーシフト効果のみを有した。

    したがって、両方の場合において、ドロウダウンのなされたカードの全体表面はカラーシフト効果を発揮し、磁石の直上の領域は磁界パターンのために重なった且つ細長い黒線を追加的に有した。

    例5
    磁気カラーシフト顔料は、Cr/MgF /Ni/MgF /Crの構造によるものが準備された。 MgF 層は、530nmで4QWであった。 また、Ni層は、不透明なものとなる厚さであった。 顔料は有機バインダ(ユニオンカーバイドのアクリル樹脂)と混合されて、ペイント複合物が形成された。 このペイントは、10ミルのPET基板にドロウダウンされた。 また、その基板の下に、DCマグネトロンスパッタに使用されている磁気カソードが配置された。 ペイント複合物は、重量比で1顔料対5有機バインダであった。 観察の角度が変化することに応じて動くように現れるカラーシフトの3次元状像が生成されたことは、明らかであろう。 顔料分散の幾つかの領域においては、平坦に配列された(垂直方向では明るいマゼンタの光輪が観察された)。 直角方向に薄片が配列されたことにより、他の領域では黒であった。 観察の角度によって、3つの色が観測された(黒、緑、およびマゼンタ)。 黒あるいは暗い領域は、観察者に対してオンエッジ(垂直方向)に配列された顔料に対応している。 マゼンタ領域は、観察者に向かって平坦(平面)に配列された顔料に対応している。 緑の領域は、それらの平面が観察者への角度で配列された顔料に対応している。

    例6−22
    箔、粉末およびドロウダウンの各種による被覆構造における磁気特性(保磁力、飽和磁気、残留磁気および残留飽和比)は、表1に示すように得られた。 これらの被覆構造の全ては、本発明による像が形成される被覆構成体に適用できる。 それぞれの場合において、保磁力は300エルステッドより小さかった。 “保磁”で参照されるものは、外部磁界によって消磁化されるべき材料の能力である。 保磁力が大きければ大きいほど、材料を消磁化するのに大きな磁界が必要とされる。 “飽和”は、印加された磁化力の増大に伴い、強磁性体の磁化がその最大値に達したときの状態である。 飽和点では、全ての初期的磁気モーメントは1つの方向に配列された。 飽和はガウスで測られる。 磁気材料に外部の磁化力を印加した場合に当該磁気材料には磁気が誘起されるが、その印加外部の磁化力を除去した後でも残る磁気を残留磁気(Bd)と称する。 残留飽和比は、磁気材料の残留磁気と飽和磁気との比を示す。

    本発明は、その基本的な特徴から離脱することなく、他の特定の形態で実施可能であろう。 説明された実施例は、全ての見地において単なる例示的であって、限定的なものではない。 したがって、本発明の範囲は、上述した説明ではなく、添付された“特許請求の範囲”で明示される。 特許請求の範囲での定義および範囲に包含され同等物と認められる変形は特許請求の範囲に含まれる。

    第1図は、本発明の1実施例による像形成された被覆構成体を示す断面図である。

    第2図は、本発明の1実施例による磁気薄片の被覆構造を示す図である。

    第3図は、本発明の別な実施例による磁気薄片の被覆構造を示す図である。

    第4図は、本発明の代替的な実施例による磁気微粒子の被覆構造を示す図である。

    第5図は、本発明の更なる実施例による磁気薄片の被覆構造を示す図である。

    第6図は、本発明の更なる実施例による磁気薄片の被覆構造を示す図である。

    第7図は、本発明の代替的な実施例による磁気微粒子の被覆構造を示す図である。

    第8図は、本発明の更なる実施例による磁気薄片の被覆構造を示す図である。

    第9図は、本発明の更なる実施例による磁気薄片の被覆構造を示す図である。

    第10図は、本発明の他の代替的な実施例による磁気微粒子の被覆構造を示す図である。

    第11図は、本発明の別な実施例による磁気薄片の被覆構造を示す図である。

    第12図は、本発明の別な実施例による像形成された被覆構成体を示す断面図である。

    第13図は、第12図の像形成された被覆構成体を示す斜視図である。

    第14a図および第14b図は、本発明による顔料被覆を使用して多層プリントをするための方法における連続ステップを示す図である。

    第15a図−第15c図は、本発明による顔料被覆を使用して多層プリントをするための他の方法における連続ステップを示す図である。

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