Textile manufacturing method and apparatus

申请号 JP2002301915 申请日 2002-10-16 公开(公告)号 JP3704332B2 公开(公告)日 2005-10-12
申请人 株式会社ナーゲット; 发明人 太左ヱ門 小林; 陽子 小林; いずみ 竹本; つむぎ 藤田;
摘要
权利要求
  • 回転する 電動機によって駆動される力織機を使用した織物製造方法であって、
    前記 電動機の回転によって、経糸を上下に分けて開口を形成する開口運動段階と、
    前記 電動機の回転によって、前記開口に向けて緯糸を加速させる緯入準備運動段階と、
    前記 電動機の回転によって、前記緯糸を前記開口の中に通す緯入運動段階と、
    前記 電動機の回転によって、前記開口を通過した緯糸を減速させる緯入終結運動段階と、
    前記 電動機の回転によって、上下に分けられていた経糸を戻し、開口を閉じる閉口運動段階と、
    前記 電動機の回転によって、前記緯入運動段階において開口の中に入れられた緯糸を筬によって織前に打ち寄せる緯打運動段階と、を有し、
    前記筬と共に往復運動される延長棒によってスイッチを切換えることにより、少なくとも緯入準備運動段階及び緯入終結運動段階における前記電動機の回転速度が、緯入運動段階における前記電動機の回転速度よりも遅くなるように、前記電動機の回転数を変化させることを特徴とする織物製造方法
  • 前記緯入準備運動段階及び/又は緯入終結運動段階における前記 電動機の回転速度が、緯入運動段階における前記 電動機の回転速度の1/4以下であることを特徴とする請求項1記載の織物製造方法。
  • 前記電動機の回転数をインバータにより変化させていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の織物製造方法。
  • 前記延長棒が段部を有し、この段部が前記スイッチに取付けられた可撓性レバーと接触してこの可撓性レバーが撓むことにより、前記スイッチが切換えられることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の織物製造方法
  • 回転力を発生する 電動機と、
    この 電動機の回転に応じて所定のタイミングで経糸を上下に移動させ、開口を形成する綜絖と、
    緯糸を保持し、前記 電動機の回転に応じて所定のタイミングで、前記経糸を横断させるように、前記開口の中へ移動される杼と、
    この杼を滑動可能に保持し、前記 電動機の回転に応じて所定のタイミングで、前記杼を前記開口の中に杼投する杼箱と、
    この杼箱に取付けられ、杼投によって前記開口の中に通された緯糸を、前記 電動機の回転に応じて所定のタイミングで往復運動して織前に打ち寄せる筬と、
    前記杼箱に取付けられ、前記筬と共に往復運動される延長棒と、
    この延長棒の往復運動によって切換えられることにより、前記電動機の回転速度を所定のタイミングで変化させるリミットスイッチと、
    を有することを特徴とする織物製造装置。
  • 前記 リミットスイッチが、少なくとも、前記杼を前記開口の方に加速する際、及び、前記開口を通過した前記杼を減速する際に、 前記電動機の回転速度が低下されるように切換えられることを特徴とする請求項5記載の織物製造装置。
  • 前記リミットスイッチが、前記電動機に接続されたインバータを作用させ、前記電動機の回転速度を変化させることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の織物製造装置。
  • 前記延長棒が段部を有し、この段部が前記リミットスイッチに取付けられた可撓性レバーと接触してこの可撓性レバーが撓むことにより、前記リミットスイッチが切換えられることを特徴とする請求項5乃至請求項7に記載の織物製造装置
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、織物の製造方法及び織物の製造装置に係わり、特に、貴金属の単線のような弱糸でも織物を織ることができる織物の製造方法及び織物の製造装置に関わる。
    【0002】
    【従来の技術】
    従来、非常に弱い繊維、特に、純金の単線(モノフィラメント)や、極細繊維、極弱繊維等で、織物を織ることは非常に困難であった。 貴金属の単線を用いて織られた織布、特に、純金の単線を用いて織られた織布は、半永久的にその輝きを失うことがなく、美しく、装飾品としての価値も高いものになると考えられることから、長年、その製造が試みられてきた。 非特許文献1には、従来の織機の構造、及び、織物を織る方法が記載されている。 また、特許文献1には、貴金属の単線で織物を織る方法及び装置が開示されている。
    【0003】
    【非特許文献1】
    文部省著「機織1」実教出版、昭和34年2月25日、p. 14−193
    【特許文献1】
    特開2002−4150号公報【0004】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、特許文献1に記載の方法では、使用する貴金属の単線の引張り強さ等に制限があり、任意の弱い繊維で織物を織ることは不可能であった。 なお、本明細書では、貴金属とは金、銀、プラチナ及びイリジウム等の金属、及びそれらを含む合金を総称するものとする。
    本発明は、24金のような貴金属の単線を含む、弱い繊維でも織物を織ることができる織物製造方法、及び、織物製造装置を提供することを目的としている。
    【0005】
    【課題を解決するための手段】
    本発明は、回転する電動機によって駆動される織機を使用した織物製造方法であって、 電動機の回転によって、経糸を上下に分けて開口を形成する開口運動段階と、 電動機の回転によって、開口に向けて緯糸を加速させる緯入準備運動段階と、 電動機の回転によって、緯糸を開口の中に通す緯入運動段階と、 電動機の回転によって、開口を通過した緯糸を減速させる緯入終結運動段階と、 電動機の回転によって、上下に分けられていた経糸を戻し、開口を閉じる閉口運動段階と、 電動機の回転によって、緯入運動段階において開口の中に入れられた緯糸を筬によって織前に打ち寄せる緯打運動段階と、を有し、 筬と共に往復運動される延長棒によってスイッチを切換えることにより、少なくとも緯入準備運動段階及び緯入終結運動段階における電動機の回転速度が、緯入運動段階における電動機の回転速度よりも遅くなるように、電動機の回転数を変化させることを特徴としている
    【0006】
    このように構成された本発明では、力織機における経糸を上下に分けて開口を形成する開口運動、開口に向けて緯糸を加速させる緯入準備運動、緯糸を開口の中に通す緯入運動、開口を通過した緯糸を減速させる緯入終結運動、上下に分けられていた経糸を戻し、開口を閉じる閉口運動、及び開口の中に入れられた緯糸を筬によって織前に打ち寄せる緯打運動の全てが、 電動機の動力によって、 電動機の回転に応じた所定のタイミングで行われ、少なくとも緯入準備運動及び緯入終結運動を行う際に電動機の回転速度を、緯入運動を行う際の電動機の回転速度よりも遅くしている。
    【0007】
    この構成によれば、緯糸を加速する緯入準備運動、及び、緯糸を減速する緯入終結運動において、緯糸に大きな衝撃力が作用して緯糸が破断するのを防止することができる。 また、緯入運動を行う際には、緯入準備運動及び緯入終結運動の際よりも高速で電動機を回転させるため、開口内に入れられた緯糸の弛み等のトラブルを防止すると共に、織物の生産性を向上させることができる。
    【0008】
    好ましくは、緯入準備運動段階及び/又は緯入終結運動段階における電動機の回転速度は、緯入運動段階における電動機の回転速度の1/4以下にする。
    このような電動機の回転速度を採用することによって、緯糸が破断するのを防止しながら、織物の生産性を向上させることができる。
    【0009】
    また、 電動機の回転数をインバータにより変化させるのが良い。
    このように構成された本発明においては、 電動機の回転数を、エネルギー効率良く、円滑に変化させることができる。
    【0010】
    さらに、 延長棒が段部を有し、この段部がスイッチに取付けられた可撓性レバーと接触してこの可撓性レバーが撓むことにより、スイッチが切換えられるように構成することができる。
    このように構成された本発明においては、緯打運動を行うための筬の往復運動によって任意適当なスイッチを作動させ、このスイッチの切換えられた状態に基づいて電動機の回転数を変化させる。
    この構成によれば、簡単な機構によって、 電動機の回転数を切換えるタイミングを検出することができる。
    【0011】
    また、本発明は、回転力を発生する電動機と、この電動機の回転に応じて所定のタイミングで経糸を上下に移動させ、開口を形成する綜絖と、緯糸を保持し、 電動機の回転に応じて所定のタイミングで、経糸を横断させるように、開口の中へ移動される杼と、この杼を滑動可能に保持し、 電動機の回転に応じて所定のタイミングで、杼を開口の中に杼投する杼箱と、この杼箱に取付けられ、杼投によって開口の中に通された緯糸を、 電動機の回転に応じて所定のタイミングで往復運動して織前に打ち寄せる筬と、 杼箱に取付けられ、筬と共に往復運動される延長棒と、この延長棒の往復運動によって切換えられることにより、電動機の回転速度を所定のタイミングで変化させるリミットスイッチと、を有することを特徴とする織物製造装置である。
    【0012】
    このように構成された本発明においては、開口を形成する綜絖の運動、開口の中に杼投される杼の運動、緯糸を織前に打ち寄せる筬の運動が、 電動機の回転に応じた所定のタイミングで行われ、この電動機の回転速度を所定のタイミングで変化させている。
    【0013】
    この構成によれば、緯糸に衝撃的な力が作用しやすい運動の際に電動機の回転数を低下させることによって、緯糸に作用する衝撃力を減少させ、緯糸が破断するのを防止することができる。
    【0014】
    また、本発明の織物製造装置において、 リミットスイッチは 、少なくとも、杼を開口の方に加速する際、及び、開口を通過した杼を減速する際に、 電動機の回転速度が低下されるように切換えられるのが良い。
    さらに、本発明の織物製造装置において、 リミットスイッチは、電動機に接続されたインバータを作用させ、電動機の回転速度を変化させるのが良い。
    【0015】
    また、本発明の織物製造装置において、 延長棒は段部を有し、この段部がリミットスイッチに取付けられた可撓性レバーと接触してこの可撓性レバーが撓むことにより、リミットスイッチが切換えられるのが良い。
    【0016】
    【発明の実施の形態】
    次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による織物製造装置を説明する。 図1は、本発明の実施形態による織物製造装置の主要部の構造のみを示す斜視図であり、図2は、織物製造装置の各部の関係を図示するための模式図である。 図1及び図2に示すように、本発明の実施形態による織物製造装置1は、駆動力を発生する原動機であるモータ2と、モータ2からベルトによって動力を伝達されるプーリ4と、このプーリ4が取付けられたクランクシャフト6と、クランクシャフト6に取付けられた連接棒8とを有する。
    【0017】
    更に、本実施形態による織物製造装置1は、連接棒8によって往復運動される杼箱10と、杼箱10を平方向に案内するレール12と、緯糸を保持し、水平方向に滑動自在に杼箱10の中に保持された杼14と、杼箱10に取付けられた筬16と、を有する。 また、杼箱10には、段付きの延長棒18が取付けられている。 織物製造装置1は、更に、延長棒18と接触するように配置された可撓性レバー20と、この可撓性レバー20が取付けられたリミットスイッチ22と、このリミットスイッチ22の切換えに応じてモーター2の回転数を可変するように構成された回転数可変手段であるインバータ24と、このインバータ24に電力を供給する電源26と、を有する。
    【0018】
    モータ2は、ベルトを介してプーリ4を回転駆動するように構成されている。 プーリ4は、モータ2の出力軸に取付けられたプーリよりも直径が大きく、モータ2の回転は、減速されてプーリ4に伝達されるように構成されている。 クランクシャフト6は、プーリ4によって回転駆動され、連接棒8を介して杼箱10をレール12に沿って往復運動させるように構成されている。 杼箱10に取付けられた筬16は、鉛直方向に細長い穴を平行に多数設けた櫛状の板であり、杼箱10と共に往復運動して緯糸を織前に打ち寄せるように構成されている。
    【0019】
    次に、図3を参照して、段付きの延長棒18とリミットスイッチ22の構成を説明する。 杼箱10に取付けられた延長棒18は、その長手方向に、杼箱10と共に往復運動される。 図3に示すように、リミットスイッチ22に取付けられた可撓性レバー20は、往復運動する延長棒18と常に接触するように配置されており、延長棒18が前方へ移動すると、延長棒18の段部と接触して撓むように構成されている。 また、延長棒18の段部には、可撓性レバー20が滑らかに撓むように、Rが付けられている。 リミットスイッチ22は、可撓性レバー20が撓むと、接点が切り替わるように構成されている。 インバータ24は、リミットスイッチ22に接続されており、リミットスイッチ22の接点が切り替わると、モータ2の回転数を変化させるように構成されている。
    【0020】
    更に、本実施形態による織物製造装置1は、経糸Aが巻かれたヤーンビーム28と、ヤーンビーム28から繰り出された経糸Aを案内する間丁30と、各経糸Aの間に挟み込まれた綾竹32と、所定のタイミングで経糸Aを上下に移動させることによって開口Cを形成する2つの綜絖34a、34bと、綜絖34及び筬16を通った経糸Aを案内するための胸木36と、出来上がった織物を巻き取るための巻取ロール38とを有する。
    【0021】
    また、本実施形態による織物製造装置1は、綜絖34a、34bを夫々引き下げるための2本の踏木40a、40bと、所定のタイミングで各踏木40を押し下げるタペット42と、タペット42が取付けられたボトムシャフト44と、ボトムシャフト44に取付けられた大歯車46と、この大歯車46と噛み合う、クランクシャフト6に取付けられた小歯車48と、を有する。
    【0022】
    経糸Aは、綜絖34a又は34bの何れか一方に通されている。 綜絖34a、34bの下端は、踏木40a、40bの一端に、夫々連結されている。 各踏木40の他端は、回動自在に固定されている。 クランクシャフト6に取付けられた小歯車48と、ボトムシャフト44に取付けられた大歯車46のギヤ比は、1:2に構成されており、クランクシャフト6が2回転すると、ボトムシャフト44が1回転する。 ボトムシャフト44に取付けられたタペット42は、2つの概ね円盤状の部分42a、42bからなり、夫々偏心した位置でボトムシャフト44に取付けられている。 2つの円盤状の部分42a、42bは、部分42aの円盤の縁がボトムシャフト44から最も遠くなる点と、部分42bの円盤の縁がボトムシャフト44から最も遠くなる点が、ボトムシャフト44を中心に夫々180゜隔たるように、重ねて配置されている。 従って、ボトムシャフト44は、1回転する間に、部分42aの縁が踏木40aを押下して綜絖34aを引き下げ、更に、部分42bの縁が踏木40bを押下して綜絖34bを引き下げることができるように配置されている。
    【0023】
    次に、図4及び図5を参照して、杼14及び杼箱10の構造を説明する。 図4は杼14及び杼箱10の上面図であり、図5は、正面図である。 なお、図面を簡単にするために、杼箱10の一部を切断して示している。 図4及び図5に示すように、杼箱10は、杼14を経糸Aを横断する方向に左右に駆動するために上方に突出して杼14の底面に挿入される2つの突起54と、突起54を上下に摺動可能に保持して、突起54を左右に移動させる摺動板50と、摺動板50の下方に配置され、突起54の上下方向の移動を案内する案内レール56と、杼14の横方向の動きを案内するためのガイド部材52と、を有する。
    【0024】
    また、杼14は、回転自在に保持され、緯糸Bが巻かれたボビン58と、杼14の本体内に設けられた長孔60の中に配置され、一端が杼14の本体に固定された2本のコイルばね62と、各コイルばね62の他端に取付けられたリング64と、杼14の本体から前方に突出するように取付けられたアーチ形のアーチ部材66と、このアーチ部材の頂上部分に、アーチの内側に向けて取付けられた半円状の半円部材68と、この半円部材68が中に通されているリング70と、突起54を受け入れるために杼14の本体の底面に設けられた2つの突起受入穴72と、を有する。 また、アーチ部材66の頂上部分には、緯糸Bを通すための穴66aが設けられている。
    【0025】
    杼箱10は、クランクシャフト6の回転によって、連接棒8を介して前後方向に往復運動される。 また、杼箱10に取付けられた摺動板50は、杼箱10の往復運動と同期して、案内レール56の上方で左右方向に往復運動されるように構成されている。 また、案内レール56は、経糸Aの両側で高さが高く、経糸Aの下方の位置では高さが低くなるように構成されている。
    【0026】
    更に、摺動板50が往復運動すると、摺動板50から突出する突起54も、摺動板50と共に左右方向に往復運動する。 この際、突起54は、摺動板50に上下方向に摺動可能に取付けられているので、突起54は、案内レール56の形状に従って経糸Aを横断する際には摺動板50の中に沈み込み、経糸Aを横断し終えると、摺動板50から上方へ突出するように移動する。 杼箱10の中に保持された杼14の底面には突起受入穴72が形成されているので、杼14は、突起54によって左右方向に駆動され、経糸Aを横断する。
    【0027】
    次に、本発明の実施形態による織物製造装置の作用を説明する。 まず、織物に使用する所定の本数の経糸Aを、ヤーンビーム28に並べて巻き付けた状態で準備する。 ヤーンビーム28を織物製造装置1の所定の位置にセットしたならば、ヤーンビーム28に巻かれた経糸Aを、間丁30、綾竹32を経て、綜絖34a又は34bに通す。 本実施形態では、並んでいる経糸Aを綜絖34a、34bに交互に通している。 綜絖34を通った経糸Aは、筬16に通され、胸木36を経て巻取ロール38に巻き付けられる。
    【0028】
    次に、緯糸Bを準備する。 緯糸Bは、ボビン58に巻き、杼14にセットする。 次いで、緯糸Bをボビンから繰り出し、杼14の半円部材68に取付けられているリング70の中に通す。 更に、リング70を通った緯糸Bを、一方のコイルばね62の先端に取付けられたリング64に通し、他方のコイルばね62の先端に取付けられたリング64に通し、最後に、アーチ部材66の頂上に設けられた穴66aに通す。 緯糸Bの準備をした後、杼14を杼箱10の中にセットする。 この際、杼箱10の摺動板50から突出する突起54が、杼14の底面に形成された突起受入穴72に受け入れられるように、杼14を配置する。
    【0029】
    次に、本発明の実施形態による織物製造装置1の主運動のうちの開口運動について説明する。 モータ2の回転は、ベルトを介してプーリ4に伝達され、その回転はプーリ4と共にクランクシャフト6に取付けられた小歯車48に伝達される。 小歯車48の回転は、それに噛み合っている大歯車46に伝達され、大歯車46が取付けられたボトムシャフト44が回転する。 ボトムシャフト44が回転すると、ボトムシャフト44に取付けられたタペット42が回転する。 図2に示すように、タペット42の部分42aが下方に下がった位置では、踏木40aが押し下げられ、踏木40aに接続された綜絖34aが引き下げられる。 一方、この位置では、タペット42の部分42bは上方に上がっているので、踏木40bは押し下げられず、それに接続された綜絖34bも高い位置にある。 これにより、綜絖34aに通された経糸Aは下方に引き下げられ、綜絖34bに通された経糸Aは上方に引き上げられるので、下方に引き下げられた経糸Aと、上方に引き上げられた経糸Aとの間に開口Cが形成される。
    【0030】
    ボトムシャフト44が約90゜回転して、タペット42の部分42aと部分42bが同一の高さになると、踏木40a、40bとも押し下げられることはないので、綜絖34a、34bは、同一の高さになり、開口Cが閉じる。 ボトムシャフト44が更に約90゜回転して、タペット42の部分42bが下方に下がり、部分42aが上方に上がった位置になると、綜絖34bが引き下げられ、綜絖34aが引き上げられて、開口Cが形成される。 小歯車48と大歯車46のギヤ比は1:2であるため、クランクシャフト6が2回転すると、ボトムシャフト44が1回転する。 また、ボトムシャフト44が1回転する間に、開口Cは2回形成されるので、開口Cは、クランクシャフト6が1回転するごとに1回形成されることになる。
    【0031】
    次に、本発明の実施形態による織物製造装置1の主運動のうちの緯入運動について説明する。 モータ2の回転は、クランクシャフト6に伝えられ、連接棒8によって、杼箱10を前後方向に往復運動させる。 この運動往復は、摺動板駆動機構(図示せず)によって、摺動板50を左右方向に往復運動させる。 杼14は、2つの突起54を底面の2つの突起受入穴72に受け入れているので、摺動板50と共に左右に往復運動する。 杼14は、緯入準備運動段階として、経糸Aから最も離れた位置から、経糸Aの方に向かってゆっくりと加速を始める。 杼14の速度は、杼14が開口Cを通過する緯入運動段階において最も速くなる。 次いで、杼14は、緯入終結運動段階として、開口Cを通り越したあたりから減速を始め、経糸Aから最も遠ざかった点で、静止する。 その後、杼14は、緯入準備運動段階として、反対方向に経糸Aの方に向かって、再び加速を始める。 このような運動を繰り返すことによって、杼14は経糸Aの間に緯糸Bを順次通していく。
    【0032】
    また、図5において、杼14が右方向に移動して経糸Aに近づき、杼14の突起受入穴72に挿入されている突起54が案内レール56の高さが低くなった部分に差し掛かると、右側の突起54は、下方に沈んで突起受入穴72から抜ける。 従って、杼14が経糸Aに近づくと、先ず、案内レール56に沿って右側の突起54が下方に沈み始め、経糸Aの下では、右側の突起54は摺動板50の上に突出しなくなる。 杼14が更に移動して、左側の突起54も経糸Aに差し掛かると、左側の突起54も下方に沈んで突起受入穴72から抜け始める。 それと同時に、右側の突起54は、経糸Aの右側の位置から案内レール56に沿って上方に突出し始め、杼14の突起受入穴72に挿入される。 杼14が更に移動して、左側の突起54も経糸Aを通り過ぎると、左側の突起も上方に突出し始めて突起受入穴72に挿入される。
    【0033】
    次に、本発明の実施形態による織物製造装置1の主運動のうちの緯打運動について説明する。 モータ2の回転は、クランクシャフト6に伝えられ、連接棒8によって、杼箱10を前後方向に往復運動させる。 杼箱10が往復運動すると、杼箱10に取付けられた筬16も杼箱10と共に往復し、杼箱10が最も織前に近づいた地点で、筬16は、杼14によって開口Cに通された緯糸Bを織前に打ち寄せる。
    【0034】
    次に、図3及び図6を参照して、本発明の実施形態による織物製造装置1の各主運動の相互のタイミングと、モータ2の回転速度について説明する。 図6(a)は、延長棒18と可撓性レバー20が接触する位置と、クランクシャフト6の回転速度との関係を示し、図6(b)はクランクシャフト6の回転と回転速度との関係を示している。 上述した、3つの主運動である開口運動、緯入運動、緯打運動は、何れもモータ2の動力によって行われ、全ての運動は、モータ2の回転に応じて、同期して行われる。 まず、緯打運動を行った瞬間、即ち、杼箱10が最も織前に近づいた瞬間には、杼箱10は静止しており、リミットスイッチ22に取付けられた可撓性レバー20は、杼箱10に取付けられた段付きの延長棒18の点P1に当接して、下方に撓んでいる。 この瞬間を、図6(a)の左端のP1、図6(b)の0゜とする(図6(b)中の0゜の方向は便宜的なものであり、クランクシャフトのクランクの方向に対応しているわけではない)。 このように、可撓性レバー20が下方に撓んでいる時には、リミットスイッチ22の接点がONになり、インバータ24が作用して、モータ2の回転速度が低くなる。
    【0035】
    緯打運動の後、杼箱10が後退し始めると、タペット42の部分42a又は部分42bが踏板40を押し下げ始め、経糸Aが開口し始める。 また、杼箱10の中の杼14は、経糸Aの方に向かって加速を始める。 この運動は、図6(a)の左端のP1からP2までの区間、図6(b)の0゜から90゜の区間に対応する。 杼箱10が更に後退して、可撓性レバー20が延長棒18の点P2に当接する位置に来ると、経糸Aは完全に開口し、杼14は、開口Cに差し掛かる。
    【0036】
    杼箱10が更に後退して、可撓性レバー20が点P2を通り過ぎると、可撓性レバー20は撓まなくなり、リミットスイッチ22の接点はOFFになる。 リミットスイッチ22の接点がOFFになると、インバータ24が作用しなくなり、モータ2の回転速度が高くなる。 可撓性レバー20が点P2を通り過ぎた位置では、杼14は開口Cの中にあり、経糸Aは完全に開口した状態に維持される。 この運動は、図6(a)の左側のP2からP3までの区間、図6(b)の90゜から180゜の区間に対応する。
    【0037】
    更に、杼箱10が、可撓性レバー20が点P3と当接する位置まで後退すると、杼箱10の運動方向は反転し、杼箱10は前進し始める。 可撓性レバー20が点P3と当接する位置から、点P2と当接する位置まで杼箱10が移動する間も、リミットスイッチ22の接点はOFFであり、モータ2の回転速度も高いままである。 また、この間も、杼14は開口Cの中にあり、経糸Aは完全に開口した状態に維持される。 この運動は、図6(a)のP3から右側のP2までの区間、図6(b)の180゜から270゜の区間に対応する。
    【0038】
    杼箱10が更に前進し、可撓性レバー20が点P2と当接するようになると、可撓性レバー20は再び撓み、リミットスイッチ22の接点はONになるので、インバータ24が作用して、モータ2の回転速度が低くなる。 この時、杼14は開口Cを通過して減速し始め、開口Cは閉じ始める。 この運動は、図6(a)の右側のP2から右側のP1までの区間、図6(b)の270゜から0゜の区間に対応する。 杼箱10が更に前進し、可撓性レバー20が点P1と当接する位置に到達すると、杼箱10に取付けられた筬16は、筬打ち運動により、緯糸Bを織前に寄せる。 この瞬間、杼14は静止し、開口Cは閉じる。 以上の運動を繰り返すことによって、順次、経糸Aの間に緯糸Bが織り込まれていく。
    【0039】
    本実施形態においては、リミットスイッチ22がONである緯入準備運動段階及び緯入終結運動段階では、クランクシャフト6が20rpmで回転するようにモータ2を回転させ、OFFである緯入運動段階では、クランクシャフト6が80rpmで回転するようにモータ2を回転させている。 また、本実施形態では経糸Aとして、細幅の透明フィルムを使用し、緯糸Bとして、太さ30μmの24金の単線を使用している。
    【0040】
    本発明の実施形態の織物製造装置においては、緯糸Bを開口Cの方へ向かって加速する緯入準備運動段階、及び、開口Cを通過した緯糸Bを減速させる緯入終結運動段階においてクランクシャフト6を低速で回転させているので、緯糸Bに作用する衝撃的な力を極めて小さくすることができ、従来の織物製造装置では織ることができなかった非常に弱い繊維を使用して、織物を製造することができる。 また、本実施形態の織物製造装置においては、緯糸Bに開口Cを通過させる緯入運動段階では、クランクシャフト6を、通常の織機と同様の回転速度で回転させているので、開口Cに通される緯糸Bの弛み等のトラブルを防止すると共に、織布の生産性を向上させることができる。
    【0041】
    以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。 特に、上述した実施形態では、杼を使用した細巾織物織機に本発明を適用しているが、幅広織物の織機や、杼を使用しないシャトルレス細巾織機、ニードル織機等、任意の織物装置に本発明を適用することができる。 また、上述した実施形態では、極弱繊維として24金の単線を使用した織物を織る場合について説明したが、本発明によって他の弱い繊維を使用して織物を織ることもできる。 更に、上述した実施形態では、経糸として透明フィルムを使用し、緯糸に24金の単線を使用しているが、経糸にも24金の単線等、極弱繊維を使用することもできる。 また、上述した実施形態では、平織りの織物を製造する場合について説明したが、2つ以上の綜絖を使用した他の織り方についても本発明を適用することができる。
    【0042】
    また、上述した実施形態では、杼箱に段付きの延長棒を取付けることによって、杼箱の往復運動に応じてリミットスイッチを切換え、モータの回転速度を変化させていたが、変形例として、カム又はタペットを用いることもできる。 即ち、クランクシャフト又はクランクシャフトと同期して回転するシャフトにカム又はタペットを取付け、このカムが所定の回転角においてリミットスイッチを切換えるように構成することもできる。
    【0043】
    【発明の効果】
    本発明の織物製造方法、及び、織物製造装置によれば、純金のような貴金属の単線を含む、弱い繊維でも織物を織ることができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明の実施形態による織物製造装置の斜視図である。
    【図2】本発明の実施形態による織物製造装置の概略構成を示す図である。
    【図3】本発明の実施形態による織物製造装置のモーターの回転速度切換機構を示す斜視図である。
    【図4】本発明の実施形態による織物製造装置の杼及び杼箱の上面図である。
    【図5】本発明の実施形態による織物製造装置の杼及び杼箱の正面図である。
    【図6】可撓性レバーの接触位置と回転数との関係、及び、クランクシャフトの回転角と回転数との関係を示すグラフである。
    【符号の説明】
    1 織物製造装置2 モータ4 プーリ6 クランクシャフト8 連接棒10 杼箱12 レール14 杼16 筬18 延長棒20 可撓性レバー22 リミットスイッチ24 インバータ26 電源28 ヤーンビーム30 間丁32 綾竹34 綜絖36 胸木38 巻取ロール40 踏木42 タペット44 ボトムシャフト46 大歯車48 小歯車50 摺動板52 ガイド部材52
    54 突起56 案内レール58 ボビン60 長孔62 コイルばね64 リング66 アーチ部材68 半円部材70 リング

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