【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、テトラキシアル織布並びにこれの製造のための織機に関する。 【0002】 【従来の技術】互いに交差した縦糸と横糸と第1のバイアス糸と第2のバイアス糸、及び2つの異なる対角線に沿って延びた縦糸と横糸とからなるテトラキシアル織布が知られている。 【0003】このような織布構造は全ての方向への伸びに対してほぼ等しい耐伸性を有する。 即ち、等方性を呈する。 このような特性によって、防水布、コンベヤベルト、膨脹式ボートの布、タイヤの補強布、帆等の形成に適用されている。 【0004】上記のようなテトラキシアル織布は、EP C出願EP−0263392により知られている。 このEPC出願に記載されたテトラキシアル織布は、上記特徴が充分でない織り方により形成されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】この出願で記載されている織布の幾何学的形状は、織糸間に接続目が無く、このために織糸は、互いにずれて、織布全体に渡って織糸の密度の高い所と低い所とができてしまう。 従って、織布の等方性と均一性とが低下してしまう。 【0006】さらに、この公知の織り方は、目の詰まった織布を形成することはできず、50%以下の充填率を有する織布のみを形成することができる。 【0007】本発明の目的は、上記従来の欠点を除去することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のテトラキシアル織布は、第1並びに第2の線側の縦糸と、複数の横糸と、これら縦糸並びに横糸と夫々異なる対角線で交差した第1のバイアス糸並びに第2のバイアス糸とを有するテトラキシアル織布であり、 第1の線側の縦糸には横糸が重なっており、この縦糸は第1並びに第2のバイアス糸に重なっており、第2の線側の縦糸は第1の線側の縦糸と交互に位置し、横糸に重なっており、またこの第2の線側の縦糸にはバイアス糸が重なっていることを特徴とする。 【0009】上記本発明のテトラキシアル織布を製造するために、織機は、縦糸を織布形成領域にガイドする手段と、この織布形成領域で縦糸のシエイドに横糸を通す手段とを具備し、さらに、バイアス糸を、これらが互いに交差し、かつ縦糸並びに横糸と異なる対角線上で交差するように織布形成領域にガイドする手段とを具備し、 前記縦糸をガイドする手段は、縦糸の第1の線側のための第1のガイド部材と、この縦糸の第1の線側とはオフセットした状態で、縦糸の第2の線側をガイドする第2のガイド部材とを有し、これら第1並びに第2のガイド部材は互いに隣接して設けられ、かつ縦糸の線側がバイアス糸並びに縦糸の他方の線側に対して一側側に位置する後方位置と、縦糸の線側がバイアス糸並びに縦糸の他方の線側に対して他側側に位置する前方位置との間で夫々移動可能であり、前方位置での第1のガイド部材のガイド機能のもとでの第1の線側の縦糸と、後方位置での第2のガイド部材のガイド機能のもとでの第2の線側の縦糸との間で1つの横糸のための第1のシエイドを形成し、そして、後方位置での第1のガイド部材のガイド機能のもとでの第1の線側の縦糸と、前方位置での第2 のガイド部材のガイド機能のもとでの第2の線側の縦糸との間で他の横糸のための第2のシエイドを形成することを特徴とする。 【0010】 【実施例】図1に示す織布は、Aで示し第1の線側の縦糸を形成する、奇数本の縦糸よりなる第1の組と、Bで示し第2の線側の縦糸を形成する、偶数本の縦糸よりなる第2の組とを有し、これら縦糸A,Bは互いに平行に延びている。 図1に示す織布は、さらに奇数本の横糸C と偶数本の横糸として示され、互いに平行に延びた多数の横糸を具備する。 さらに、この織布は、Eで示され、 互いに平行な複数のバイアス糸よりなる第1のバイアス糸組と、Fで示され、互いに平行な複数のバイアス糸よりなる第2のバイアス糸組とを具備する。 縦糸A,B は、横糸C,Dに対して直角に延びている。 また、バイアス糸E,Fは、反対方向に傾斜した2つの対角線に沿って延びており、縦糸A,Bと横糸C,Dと交差している。 この実施例では、バイアス糸Eとバイアス糸Fとは直角をなし、かつ縦糸A,B並びに横糸C,Dに対して45°傾斜している。 【0011】上記全ての織糸の交差部は、共通の交差点に位置している。 即ち、各交差点で、1本の縦糸と、1 本の横糸と、第1のバイアス糸の組からの1本のバイアス糸と、第2のバイアス糸の組からの1本のバイアス糸とが交差している。 【0012】上記織糸は、縦糸A上を横糸C,Dが横切り、代わって、この縦糸Aが両バイアス糸E,F上を横切っており、一方、縦糸Bが横糸C,D上を横切り、代わって、この縦糸B上を両バイアス糸E,Fが横切るように、レイアウトされている。 【0013】上記のような対称的な織糸の配置により、 好ましくない織糸相互のずれを効果的に防止することができる強固な接続目とななり、織布全体に渡って、異なる織糸分布部が生じるのが防止される。 かくして、織布は、引っ張りのもとで等方性を呈し、均一な構造となる。 【0014】また、この対称的な配置により、織糸間の制限を必要とせず、このため充填率を100%にまですることができる。 即ち、織糸間に隙間の無い織布を得ることができる。 【0015】図1に示す織布を製造するための図2に示す装置は、縦糸A,Bを織布形成領域にガイドする手段、この織布形成領域で縦糸A,Bのシエッドに横糸C,Dを通す手段、バイアス糸E,Fを前記織布形成領域に案内する手段等の構成要素が装着される支持構体を具備する。 【0016】前記縦糸A,Bのガイド手段は、縦糸Aのための第1のガイド部材と縦糸Bのための第2のガイド部材とを有し、これら両ガイド部材は互いに対面するように装着されている。 【0017】縦糸Aのためのガイド部材は、互いに平行なニードル12の組を支持する支持バー11を有する。 各ニードル12は縦糸Aを通す孔13を有する。 孔13 を通過した縦糸Aは糸巻軸架15に支持されたリール1 4の組から延びている。 前記支持バー11は、2つの側部アーム16の一端に装着されており、これら側部アーム16の他端はシヤフト17に接続されている。 前記ニードル12を備えた支持バー11はシヤフト17を中心として往復回転され、ニードル12の孔13を図5に示す位置Gと位置G´との間で動かす。 このパワーは、主電動モータ18が駆動ユニット19を介してシヤフト2 0を回転することにより与えられる。 このシヤフト20 は、これに装着された2つのホイール21を回転させる。 各ホイール21の両側の夫々にはエンドレスカム溝22が形成されている。 装置の固定部に一端が枢支された2つのレバー23が設けられている。 これらレバー2 3の中間部には2つのピン(図4に1つのみが示されている)。 これらピンは夫々のホイール21のエンドレスカム溝22に、ホイール21の回転によりレバー23をこれらの枢支中心を中心として往復回転させるように、 係合している。 各レバー23の往復回転は、ロッド24 並びにレバー25を介して、シヤフト17に伝達され、 さらにこのシヤフト17から側部アーム16に伝達される。 【0018】縦糸B用のガイド部材は、縦糸A用のガイド部材と同じであり、従って、互いに平行なニードル2 7の組を支持する支持バー26を有する。 これらニードル27は前記ニードル12から1ピッチ長だけオフセットしている。 各ニードル27は縦糸Bを通す孔28を有する。 孔28を通過した縦糸Bは糸巻軸架30に支持されたリール29の組から延びている。 前記支持バー26 は、2つの側部アーム31の一端に装着されており、これら側部アーム31の他端はシヤフト32に接続されている。 前記ニードル27を備えた支持バー26は32を中心として往復回転され、ニードル27の孔28を図5 に示す位置Hと位置H´との間で動かす。 前記支持バー26は、支持バー11と同様にホイール21により往復動される。 2つのレバー33が、前記レバー23と同様に設けられ、これらレバー33は装置の固定部に一端が枢支されると共に、2つのピンが設けられている。 これらピンは、ホイール21の回転によりレバー33をこれらの枢支中心を中心として往復回転させ。 各レバー33 の往復回転が、ロッド34並びにレバー35を介して、 シヤフト32に伝達され、さらにこのシヤフト32から支持バー26に側部アーム31を介して伝達されるように、ホイール21に形成された2つの溝22に係合している(即ち、ホイール21の他側に形成された2つのエンドレスカム溝22にはレバー23のピン81は係合していない)。 横糸C,Dのための挿入手段は、互いに平行に併設された2つの既知の伸縮可能なピッカー36, 37を具備する。 一方のピッカー36は横糸Cを挿入し、他方のピッカー37は横糸Dを挿入する。 これら2 つのピッカー36,37は、ニードル12,27の下側で、これらに垂直な方向に沿って、引かれた位置と延びた位置との間で線形に往復動可能となっている。 また、 これらピッカー36,37は、縦糸のためのガイド手段を駆動する前記主電動モータ18によって駆動される。 即ち、この主電動モータ18は、図示しない駆動手段を介して、ホイール38を回転し、このホイール38の両側にはエンドレスカム溝39が形成されており、ピッカー37のために、一端が装置の固定部に枢支されたレバー40が設けられており、このレバー40には、ホイール38の回転動がレバー40をこれの枢支中心の回りで往復回転させるように、エンドレスカム溝39と係合したピン41が設けられている。 この回転動は、ロッド4 2を介して、装置の固定部に枢支された別のレバー43 に伝達される。 このレバー43は、これに形成されたスロット45に一端が摺動可能に挿入された、他端がピッカー37に接続されたピン44を介して、ピッカー37 を線形的に往復動させる。 ピッカー36の動きは、ホイール38の他の溝39を使用することにより前記と同様の図示しない機構により、果たされる。 【0019】前記ピッカー36,37の反対側には、横糸Cを一方のピッカー36に、そして横糸Dを他方のピッカー37に、通常の方法で送る横糸C,Dの搬送ユニット46が設けられている。 スプール47に巻かれている横糸Cは、開口48を通って、延びた位置に移動されているピッカー36のクランプヘッドによりピックアップされる。 このピッカー36は織糸をピックアップした後、引かれた位置に動かされて横糸Cを縦糸A,Bのシェッドに通す。 カッター機構49は開口48の所で横糸を切断し、ピッカー36は他端側で横糸の他端を解放する。 これと同様の動作が、横糸Dに対してもピッカー3 7により行われる。 この場合、横糸Dはスプール50に巻かれ、カッター機構51により切断される。 【0020】バイアス糸E,Fのためのガイド手段は、 チエーン53に装着され、ニードル12,27上の平面で延出したプレート52からなる1組のガイド部材を具備する。 各プレート52には、バイアス糸E,Fが通される孔54が形成されている。 前記チエーン53は、一側側がアイドラーシヤフト56に固定されたスプロケットホイール55により、そして他側側がシャフト58に固定されたスプロケットホイール57に夫々巻回されたエンドレスチエーンである。 前記シヤフト58は、反対側に設けられたシヤフト60並びに2つのギヤホイール61,62を介して、ステップモータ59により回転される。 かくして、チエーン53は、2つの直線部分と、 これら直線部分を接続する2つの曲線部分とからなる細長いエンドレス路に沿ってプレート52を間欠的に搬送する。 位置Gでニードル12の孔13に面する一方の直線部に沿って位置しているプレート52の孔54を通るバイアス糸は、バイアス糸Eであり、一方、位置Hでニードル27の孔28に面する他方の直線部に沿って位置しているプレート52の孔54を通るバイアス糸は、バイアス糸Fである。 【0021】前記プレート52を有するガイド部材組の上方である、装置の上部には、バイアス糸E,F搬送ユニットが設けられている。 このユニットは、下方のプレート52の移動と同期して複数組のリール64を搬送する回転体63を有する。 織糸は、各リール64から引出され、夫々のプレート52の孔54を通る。 特に、前記リール64は、3つのリール64を回転可能に支持した箱型の1組の支持部材65を有する。 これら65は、上下に位置し互いに平行な2つの平面に沿って延びた2つのチエーン66に固定されている。 各66は、3つのアイドラーシヤフト68に夫々装着された3つのスプロケットホイール67と、シヤフト70に固定されたスプロケットホイール69に掛渡されている。 このシヤフト7 0は、シヤフト71,駆動ユニット72、並びに間に歯付き駆動ベルト75を有する2つの歯付きプーリ73, 74等の種々の駆動部材を介して、前記主電動モータ1 8により回転される。 前記チエーン66による搬送路は、下方のチエーン53の湾曲部に鋭角が位置するほぼ菱形となっている。 【0022】次に、図1に示す織布を織る上記構成の織機の動作を、全部の図面、特に、織布形成領域並びにこの方法の織糸が明確になっている図5を参照して、説明する。 【0023】図5でZは、全ての織糸が通るバー76に形成された織布のスタート位置を示す。 【0024】方法の基本的工程は、以下の通りである。 【0025】ニードル12により、これの孔13にガイドされている縦糸Aを、位置Gから位置G´へと、プレート52の孔54にガイドされたバイアス糸E,Fの組並びに位置Hにあるニードル27の孔28にガイドされた縦糸Bを介して押して、横糸Dがピッカー37により挿入されるシエードW1を形成する。 【0026】次に、ニードル12を、孔13が初期位置Gに来るように戻し、位置G´から位置Gに移動している縦糸Aにより横糸Dを縦糸B並びにバイアス糸Eに締め付ける。 【0027】チエーン53を前方に1ステップ移動させてバイアス糸Eを一方向に1ステップ横に移動させ、また、バイアス糸Fを反対方向に1ステップ横に移動させて、バイアス糸E,Fを互いに交差させる。 【0028】ニードル27により、孔28にガイドされている縦糸Bを位置Hから位置H´へとバイアス糸E, Fならびに縦糸Aを通って押して、横糸Cがピッカー3 6により挿入される第2のシエードW2を形成する。 【0029】次に、ニードル27を、これの孔28が位置Hに来るように、初期位置に戻し、位置H´から位置Hに移動している縦糸Bにより横糸Cを縦糸A並びにバイアス糸Eに締め付ける。 【0030】チエーン53を前方にさらに1ステップ移動させてバイアス糸Eを一方向にさらに1ステップ横に移動させ、また、バイアス糸Fを反対方向に1ステップ横に移動させて、バイアス糸E,Fを互いに前記とは異なる点で交差させる。 【0031】上記織りサイクルを繰り返し、かくして、 図1に示す織布を得る。 【0032】形成された織布はTにより示されており、 上記織りサイクルの間、図5で矢印により示す方向に、 既知のサンドロールにより前進される。 このサンドロールは、上記継続する移動にタイミングが合う速度で織布Tを連続的に前進差せる。 【0033】上記移動は、エンドレスカム溝22を有するホイール21によるニードル12,27のため及び、 エンドレスカム溝39を有するホイール38によるピッカー36,37のための時間の全てである。 一方、チエーン53のためには、主電動モータ18のシヤフトの角度位置を検知して対応する信号をステップモータ59に送る、既知のホトセル装置77が配設されている。 【0034】図6において、矢印で示す回転方向へ移動のチエーン53に対して、バイアス糸E,Fは互いに交差しながら、バイアス糸Eが左右に間欠的に移動し、一方、バイアス糸Fは右左に間欠的に移動する。 【0035】織布の端に達したバイアス糸E,もしくはFの組内の各バイアス糸はスプロケットホイール55もしくは57に反対側で巻かれて、第1の織糸がバイアス糸の他方の組内に締め付けられる。 【0036】チエーン53が間欠的に移動している間、 回転体63は連続的に動くが、プレート52の孔54に対するリール64の対応が維持される。 【0037】バイアス糸E,Fを縦糸A,B並びに横糸C,Dに45°傾斜させるために、形成された織布T は、これが縦糸Aと縦糸Bとの間のピッチ距離に等しい距離前方に移動するように、サンドロールにより引かれる。 【0038】前記2つの側部アーム16には、リード7 8が装着されている。 このリード78は、横糸Cが通されると、分けられた縦糸Aを保持し、横糸Cをすでに形成されている織布に密着させる効果がある。 同様に、前記2つの側部アーム31には、リード79が装着されている。 このリード79は、横糸Dが通されると、分けられた縦糸Bを保持し、横糸Dをすでに形成されている織布に密着させる効果がある。 これらリード78,79 は、ホイール21と同軸的にシヤフト20に固着された溝付きホイール80により駆動される。 この駆動機構は、前述した、ニードル12を備えた支持バー11並びにニードル27を備えた支持バー26を動作させるものと類似しているので、詳しい説明は省略する。 【0039】上記織機は構成が簡単で動作が優れている。 【0040】また、バイアス糸E,Fを織るようにガイドするバイアス糸E,Fのガイド手段は、特に、上記簡単さと機能性の要求を満たしている。 【0041】回転体63の菱形の路は、バイアス糸E, Fの傾斜が変わるときの、特に、バイアス糸がチエーン53のエンドレス路の一方の直線部から他方の直線部に移動するときの、張力の差を補償する。 【0042】本発明においては、前記実施例に対して、 変更並びに/もしくは追加は可能である。 【0043】図1に示す織布に関して、バイアス糸E, Fの傾斜を変えることができる。 また、横糸C,Dの割合を代えることができる。 例えば、2つ以上の連続した横糸C,並びに/もしくはDが考えられる。 【0044】織機に関して、種々のガイド、支持、駆動、搬送並びにタイミング部材が、同等の装置に取替えられ得る。 ピッカー36,37は、横糸を通すための同等の手段に取替えられ得る。 例えば、縦糸間に形成される2つのシエイドにアラインメントされた2つの平行な位置間を移動する1つのピッカーに取替えられ得る。 また、これに代わって、1つもしくは複数のシヤットルが使用され得る。 そして、前記回転体63は、孔54を備えたプレート52と同様に、間欠的に駆動され得る。 【0045】もし、横糸C,Dの割合を織布の幅方向で変えるならば、2つのピッカー36,37を、各織りサイクルの間に、前記割合に従って、各ピッカーが1つもしくは複数の横糸を通るか、全く横糸を通らないかするように駆動させなければならない。 【0046】織布を作るために使用される織糸は、いかなる形状デメンション材質でも良い。 【0047】次に、図1の織布を製造するための他の織機を図10を参照して説明刷る。 この図10に示す装置で図2に示す装置と異なる点は、主として、縦糸A,B を織布形成領域にガイドする手段、並びにバイアス糸E,Fを織布形成領域にガイドする手段に関してである。 【0048】図2に示す装置は、以下に、第1の織機と称し、図10に示す装置を第2の織機と称する。 【0049】第2の織機において、第1の織機と同じもしくは等価の部材は、同じ符号に100を付加して示す。 【0050】第1の織機のニードル12,27の代わりに、第2の織機では、2組の湾曲ガイドチューブが設けられている。 これらチューブ中を縦糸が通る。 縦糸のガイド部材において、これらチューブは、互いに平行で共通の支持ロッドに装着された1組のプレートにより強固に支持されている。 縦糸Aのための第1のガイド部材を構成するチューブとプレートとロッドとは、夫々10 1,102,103で示されている。 また、縦糸Bのための第2のガイド部材を構成するチューブとプレートとロッドとは、夫々104,105,106で示されている。 プレート102には符号107で示すノッチが、またプレート105は符号108で示すノッチが、夫々、 形成されている。 前記ロッド103は、各端で、アーム190の一端により強固に支持されており、またこのアーム190の他端は、固定ピボット191に枢支されている。 前記ロッド106は、各端で、アーム192の一端により強固に支持されており、またこのアーム192 の他端は、前記固定ピボット191に枢支されている。 これらアーム190,192の固定ピボット191は、 形成される織布Tの初期位置Zに対応する軸Xに沿ってハイツされている。 前記2つのロッド103,106 は、第1の織機で、バー11,26がシヤフト17,3 2を中心として往復回転されるように、ピボット191 を中心として往復回転される。 そして、これらロッド1 03,106は、第1の織機で述べたのと同様な伝達機構を介して、主電動モータ118により駆動される。 【0051】バイアス糸E,Fのためのガイド手段に関しては、第2の織機では、第1の織機のチエーン53の代わりに、歯付きベルト193が設けられ、また孔54 を有するプレート52の代わりに、1組の真直ぐなガイドチューブ194が設けられている。 【0052】各ガイドチューブ194は、連続した歯間のキヤビテイ内で歯付きベルト193に固定されている。 各バイアス糸は夫々のガイドチューブ194を通る。 第1の織機のチエーン53のために設けられたスプロケットホイール55,57の代わりに、2つの歯付きプーリ155,157が、設けられ、これらプーリに前記歯付きベルト193が巻回されている。 【0053】第2の織機の上部には、バイアス糸E,F のための搬送ユニットが、設けられ、これは、第1の織機と同様に回転体163を具備する。 しかし、この回転体163においては、箱型の支持部材165が円形路に従って動かされる。 このために、リール164を有する全ての支持部材165を支承し、運ぶドラム195が設けられている。 このドラム195は、シヤフト171、 駆動ユニット172歯付き駆動ベルト175並びに歯付きホイール174を介して、電気モータ118により回転駆動される。 この歯付きホイール174とドラム19 5との間の接続は、前記歯付きホイール174に駆動され、ドラム195のクラウンギヤと歯合したギヤによってなされ得る。 【0054】第2の織機には、夫々のリール164とガイドチューブ194との間の各バイアス糸に適用される既知の張力補償手段196が設けられている。 【0055】第2の織機のピッカー136,137は第1の織機で同じ側に設けられていたのとは異なり、対向する両側に、夫々設けられている。 【0056】前記第2の織機は第1の織機と実質的に同じ動作をする。 図12は図5に対応する。 図11,13 にて、ロッド106はロッド103方向に回転され、シエイドが形成され、このシエイド中に横糸Cがピッカー136により通される。 【0057】第2の織機において、縦糸A,Bのためのガイド手段が、横糸C,Dがピッカーにより通される第1もしくは第2のシエイドを形成するように往復動可能に配置されている場合、プレート102,103の全てのノッチ107,108は、図11,13に示すように、通路を形成してピッカーをガイドするようにアラインメントされる。 【0058】第1の織機の2つのリード78,79の機能は、第2の織機では2組のプレート185,186により果たされる。 これらプレート185,186は、支持構体110に装着されて自身の軸を中心として往復回転可能な支持シヤフト187,188に装着されている。 これらプレート185,186並びに支持シヤフト187,188は図10には示していないが、図11, 12,13には示している。 【0059】上記第2の織機は以下のような効果を有する。 【0060】ガイドチューブ101,104,194により、各織糸は交差点の近くにガイドされる。 この途中で、織糸間の緩衝、かくして、擦れ合いは、防止される。 さらに、織糸の精度の良い分布、かくして、高均一性が保証される。 また、ガイドチューブを使用することにより、高密度の織布を得ることができる。 【0061】前記プレート102,105は、夫々、ガイドチューブ101,104のための剛性支持体を構成している。 さらに、上述したように、プレート102, 105のノッチ107,108は、横糸を通している間、ピッカーをガイドする。 この結果、また、プレート102,105は、プレート185,186が移動している間、織糸の擦り合いを防止するように、これらプレート185,186をガイドする。 【0062】プレート102,105並びにチューブ1 01,104が設けられたロッド103,106と、プレート185,186が設けられたシヤフト187,1 88とガイドチューブ194が設けられた歯付きベルト193とは、容易に組立て並びに解除され得、かくして、各部材は、異なる密度の織布を製造しるように織機を準備するときに、迅速にかつ容易に取替えられ得る。 【0063】夫々バー103,106を支持するアーム190,192は形成される織布Tの初期位置Zに対応した軸Xを中心として揺動されることにより、縦糸が長くなったり短くなったりすることが防止される。 【0064】第1の織機並びに第2の織機において、リール64,164の代わりに、例えば、織糸ビームのような他の織糸蓄積装置が使用され得る。 【0065】第1の織機において、自身の軸を中心として回転する回転体の使用を除外することはない。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係わるテトラキシアル織布の織り模様を示す平面図である。 【図2】図1に示すテトラキシアル織布を製造するための織機の斜視図である。 【図3】図2にて矢印P方向からみた織機の正面図である。 【図4】図2にて矢印Q方向からみた織機の側面図である。 【図5】図4の一部の拡大図である。 【図6】図5の上面図である。 【図7】図2に示す織機の一部の上面図である。 【図8】図2に示す織機の上部の上面図である。 【図9】図8にて矢印R方向からみた詳細図である。 【図10】図1に示すテトラキシアル織布を製造するための別の織機の斜視図である。 【図11】特定の動作位置にある織機を示す図10の一部の拡大図である。 【図12】図11を参照した動作位置にある図10に示す織機の一部の動作図である。 【図13】図11を参照した別の動作位置にある図10 に示す織機の一部の動作図である。 【符号の説明】 A,B…縦糸、C,D…横糸、E,F…バイアス糸、1 1、26…支持バー,12、27…ニードル,13、2 8…孔、36,37…ピッカー、52…プレート,53 …チエーン,54…孔、 |