スパイダーシルク(spider silk)を含む衣料品または靴

申请号 JP2017219705 申请日 2017-11-15 公开(公告)号 JP2018119252A 公开(公告)日 2018-08-02
申请人 アディダス アーゲー; 发明人 マルコ コーマン; ジェームズ タリアー; ブライアン ホイング; ダイ ジュン;
摘要 【課題】悪臭形成の問題を克服または少なくとも低減する衣料品を提供する。 【解決手段】本発明は、内表面を含む衣料品または靴に関し、内表面がスパイダーシルクを含む領域を含む。これはスパイダーシルクの抗菌効果に起因する。同時にスパイダーシルクはヒトの皮膚に生息するすべての細菌を殺すとは限らず、皮膚フローラに有益なベース個体群を維持するのを助ける。スパイダーシルクは、衣料品または靴の内表面の領域に設置される。スパイダーシルクが着用者の皮膚と直接 接触 するようになることも可能である。例えば、下着、ジャージ、 水 着、Tシャツ等などの衣料品の場合、スパイダーシルクがこうした衣料品の内表面に設置される可能性があり、着用者の皮膚に直接接触する可能性がある。従って、スパイダーシルクは、衣料品または靴を着用するときに着用者の皮膚に接触するように、本発明による衣料品または靴に配置されうる。 【選択図】図4B
权利要求

内表面を含む衣料品または靴であって、前記内表面がスパイダーシルクを含む領域を含む、衣料品または靴。前記衣料品または靴を着用したときに、前記スパイダーシルクが着用者の皮膚と接触するように配置される、請求項1に記載の衣料品または靴。前記領域が、スパイダーシルクを含む第1のヤーンを含む、請求項1または2に記載の衣料品または靴。前記内表面の少なくとも一部が、前記領域を含む第1の布地によって形成される、請求項1から3のいずれか1つに記載の衣料品または靴。前記第1の布地が、スパイダーシルクを含む第1のヤーンを含む、請求項4に記載の衣料品または靴。前記第1の布地が、前記衣料品または靴に組み込まれる前に、に晒すことによって縮められる、請求項5に記載の衣料品または靴。前記第1のヤーンが、前記第1の布地を形成するために使用する前に縮められる、請求項5に記載の衣料品または靴)。前記第1のヤーンが、それを水槽を通過させることによって縮められる、請求項7に記載の衣料品または靴。前記第1のヤーンが、本質的にスパイダーシルクだけを含む、請求項8に記載の衣料品または靴)。前記第1のヤーンが、スパイダーシルクと異なる第2の材料を含む、請求項3、5−8のいずれか1つに記載の衣料品または靴。前記スパイダーシルクおよび前記第2の材料が共押出される、請求項10に記載の衣料品または靴。前記第1の布地が、スパイダーシルクと異なる材料から作られた第2のヤーンを含む、請求項5から11のいずれか1つに記載の衣料品または靴。前記第1のヤーンが嵩高加工された、請求項3、5−12のいずれか1つに記載の衣料品または靴。前記第1の布地が、編物、織物または不織布である、請求項4から13のいずれか1つに記載の衣料品または靴。前記内表面の前記領域が、スパイダーシルクを含む被覆を含む、請求項1から14のいずれか1つに記載の衣料品または靴。前記内表面が、内張りの一部である、請求項1から15のいずれか1つに記載の衣料品または靴。スパイダーシルクを含む外表面をさらに含む、請求項1から16のいずれか1つに記載の衣料品または靴。前記外表面の少なくとも一部が、スパイダーシルクを含む第2の布地によって形成される、請求項17に記載の衣料品または靴。前記第2の布地が、スパイダーシルクを含む第3のヤーンを含む、請求項18に記載の衣料品または靴。前記第2の布地が、前記第1の布地と比べて異なる編物構造および/またはヤーン構造を含む、請求項19に記載の衣料品または靴。スパイダーシルクを含む複数の層をさらに含む、請求項1から20のいずれか1つに記載の衣料品または靴。靴甲部を含み、前記内表面が前記靴甲部の一部である、請求項1から21のいずれか1つに記載の靴。前記領域が前記衣料品のわきの下の区域に配置される、請求項1から21のいずれか1つに記載の衣料品。請求項1から23のいずれか1つに記載の衣料品または靴を製造する方法であって、前記衣料品または靴の内表面を提供するステップと、前記内表面の領域にスパイダーシルクを提供するステップとを含む、方法。

说明书全文

本発明は、スパイダーシルクを含む衣料品または靴に関する。

衣料品または靴は、皮膚真菌の発生のために匂いが生じる傾向がある。これは、使用する繊維の構造に起因して、合成材料から大規模に作られた衣料品または靴に特に当てはまる。問題は、スポーツ活動中に衣料品または靴を着用するときに汗に供される、スポーツ用衣料品または靴で悪化することである。

銀などの抗菌材料は、上述の問題を緩和する可能性がある。しかしながら、いくつかの細菌は人体に有益であり、健全な皮膚フローラを維持するために必要でさえある。従って、こうした材料は有用な細菌を同様に殺す傾向があるので、利益よりも害をより多くもたらす恐れがある。

米国特許第7,587,841号明細書によれば、足首損傷のリスクを低減するための足首支持部材を備えた靴が提供されている。足首支持部材は、曲げられるシート材料の堅く弾性のある一部分であり、ベース部分ならびに上方および後方に傾斜している複数の外側(lateral)および内側(medial)の帯状のものを含んでいる。足首支持部材は、追加の強度および柔軟性のために、人工のスパイダーウェブシルクと一緒に結びつけられている。しかしながら、この文献では、上述した技術的問題への言及もなく、解決策の提供ない。

米国特許第7,587,841号明細書

国際公開第2014037453号パンフレット

米国特許第7868146号明細書

米国特許第8097583号明細書

米国特許第8372436号明細書

欧州特許出願公開第2547810号明細書

国際公開第2011069643号パンフレット

欧州特許第2615102号明細書

従来技術に鑑みて、本発明の目的は、特にスポーツ用途用の衣料品または靴に関する、悪臭形成の問題を克服または少なくとも低減する衣料品または靴を提供することである。

上述の目的は、スパイダーシルクを含む領域を含む内表面を含む衣料品または靴により達成される。

本発明の文脈での内表面は、着用者の皮膚に面するように適合した表面であると理解される。

本発明の文脈でのスパイダーシルクは、スパイダーシルクまたはスパイダーシルク様タンパク質を含む、任意の天然または合成材料であると理解される。従って、本発明の文脈でのスパイダーシルクは、クモによって、または天然スパイダーシルクの特性を合成することを意図する合成プロセスによって製造しうる。合成スパイダーシルクのヤーンまたは糸を得る適当な方法は、例えば国際公開第2014037453号パンフレット、米国特許第7868146号明細書、米国特許第8097583号明細書、米国特許第8372436号明細書および欧州特許出願公開第2547810号明細書に記載されている。

本発明の発明者は、衣料品または靴の内表面にスパイダーシルクを提供することによって、特にスポーツ用衣料品または靴に対して、悪臭の形成を低減することができることを見出した。これはスパイダーシルクの抗菌効果に起因する。同時に、スパイダーシルクはヒトの皮膚に生息する全ての細菌を殺すとは限らず、皮膚フローラに有益な細菌のベース個体群(base population)を維持するのを助ける。さらに、その優れた引張強度に起因して、スパイダーシルクは着用者の動きによってもたらされる力に耐えることができる。この側面はスポーツ用衣料品または靴では特に重要である。さらに、スパイダーシルクは高い耐摩耗性を有する。こうした耐性は、フィラメントを切断するのにより大きな力を要するような、高い引張強度を有するそのフィラメントによって説明することができる。このため、スパイダーシルクはその悪臭低減効果を長期間にわたって果たすことができる。

本発明によれば、スパイダーシルクは、衣料品または靴の内表面の領域に設置される。衣料品または靴の内表面は、衣料品または靴を着用したときに着用者の皮膚に面することのない外表面とは対照的に、衣料品または靴を着用したときに着用者の皮膚に面するように適合した表面であると理解される。このことは、スパイダーシルクが着用者の皮膚に直接接触することを必ずしも意味しない。例えば、トラックスーツ、スポーツジャケット、ショートパンツ等などの衣料品の場合、着用者は下着または別の衣類を着用する可能性があり、スパイダーシルクは下着または他の衣類と接触するようになる。靴の場合、着用者は靴下を履く可能性があり、スパイダーシルクは靴下と接触するようになる。

それでも、本発明の文脈では、スパイダーシルクが着用者の皮膚と直接接触するようになることも可能である。例えば、下着、ジャージ、着、Tシャツ等などの衣料品の場合、スパイダーシルクがこうした衣料品の内表面に設置される可能性があり、着用者の皮膚に直接接触する可能性がある。靴の場合、短距離走用靴の場合、靴下無しで靴を履く可能性があり、スパイダーシルクが着用者の皮膚に直接接触する可能性がある。従って、スパイダーシルクは、衣料品または靴を着用するときに着用者の皮膚に接触するように、本発明による衣料品または靴に配置されうる。

さらに靴の場合、スパイダーシルクを含む内表面の領域は、靴甲部、中敷または両方に設置されうる。一般に、スパイダーシルクを含む領域は、特定の場所に設置することができ、高い抵抗(破断前の大きな伸び)を有しながら、局所的に強度を増加させるために使用することができる。

さらにスパイダーシルクは、強く破断前に大きな伸びを有する材料であるが、タンパク質に基づいているので着色が容易な材料でもある。そのうえ、スパイダーシルクは高いUV−耐性を有する。産業界における他の弾性繊維は、Dyneema(登録商標)繊維などのように着色が容易でない、かつ/またはKevlar(登録商標)などのようにUVに耐性がない。

さらに、スパイダーシルクは吸湿性が高い。従って、スパイダーシルクは、衣料品であれ靴であれ、汗の管理および/または冷却効果が求められる用途に使用されうる。スパイダーシルクは、本明細書で記載する他の特徴と組み合わせて、こうした機能を提供できる可能性がある。

靴または布地の第2の領域は、撥水性でありうる。従って、スパイダーシルクを備えた領域は静菌効果および吸湿効果を提供できるが、第2の領域は湿気が靴または衣料品に入ることを防ぐまたは少なくとも低減することができる。従って衣料品または靴の湿気、より特定すると着用者の汗は、よりよく管理される可能性がある。いくつかの実施形態では、それは汗を導き汗をよりよく蒸発させるのを助ける可能性がある。第2の撥水性領域は、スパイダーシルクを含む第1の領域と少なくとも部分的に重なる可能性がある。従って、衣料品または靴の異なる層で、異なる機能を生じるであろう。加えて、スパイダーシルクを含む第1のヤーンを、撥水性ヤーンとともに織るまたは編んでもよい。このようにして、吸湿レベルは、例えば、第1のヤーンの割合を変化させることによって、衣料品または靴の異なる領域において変化させることができる。

言及した領域はスパイダーシルクを含む第1のヤーンを含むことができる。例えば、このヤーンは革などのベース層上に刺繍してもよい。他の実施形態では、第1のヤーンは上記領域に据えられる布地を形成するために使用してもよい。

本発明による衣料品または靴の内表面の少なくとも一部は、その領域を含む第1の布地によって形成されうる。第1の布地は、スパイダーシルクを含む第1のヤーンを含むことができる。布地は、100%スパイダーシルクヤーンで形成してもよく、100%より少ないパーセントだけ含有して、天然、合成もしくは生体模倣のいずれであれ異なる材料のヤーンと組み合わせてもよい。例えば、スパイダーシルクヤーンをポリエステルヤーンと組み合わせて編物布地で使用してもよい。

特に、布地を30%〜100%のスパイダーシルク、より特定すると40%〜100%のスパイダーシルクで形成してもよい。一般に、スパイダーシルクの量は特定の用途に依存する可能性があり、着用者の皮膚に近い場合は、50%〜100%でもよく、皮膚からより遠く引張強さの目的では10%〜75%、例えば衣料品または靴の外層では10%〜65%の間でもよい。

スパイダーシルクの布地は、スパイダーシルクヤーン同士を、もしくは異なる材料の他のヤーンとともに、織る、編む、刺繍することによって、またはスパイダーシルクの繊維で不織布を形成することによって、形成することができる。

スパイダーシルクヤーンをベース層に刺繍してもよい。ベース層は任意の材料、例えば布地、革、不織布、ポリマーシート等であってもよい。本発明のいくつかの実施形態では、スパイダーシルクヤーンを衣料品または靴の特定の場所に刺繍してもよい。

スパイダーシルクヤーンは、全くまたはほとんど調整せずに従来の編み機において使用でき、他の材料のヤーンとともに編むことができる。特に、材料の高い強度/弾性率という理由で、機械のパラメータを変更する必要はない。従って、機械の速度およびヤーンの張力などの機械へのわずかな調整だけが必要である。これは、編むことができないKevlar(登録商標)またはDyneema(登録商標)などの他の繊維と異なる。破断前の大きな伸びに起因して、ヤーンに高い張力をかける編みパターンを使用することができる。これによって、例えば横方向の運動(lateral sports)における外側の支えなどの良好な支えを提供するために、靴甲部に取り込むことができる堅い編物布地を作り出すことが可能になる。また、本発明によるスパイダーシルクを含む布地は、異なるデニールおよび/または太さ(直径)のスパイダーシルクヤーンを含むこともできる。ヤーンは異なる断面形状を有してもよい。

一般に、スパイダーシルクのヤーンまたは糸は、さらに高い弾性および高強度を備えて、特に衣料品の一部分または靴用の布地に使用することができる。特に、それは、その強度を維持しながら、非常に大きな破断伸びを有する。スパイダーシルクは、Dyneema(登録商標)およびKevlar(登録商標)と比較して、非常に強く、非常に弾性である。

第1の布地は、衣料品または靴に組み込む前に水に晒すことによって、縮ませることができる。スパイダーシルク布地(特に編物では)は、最初に水に晒されると、高い収縮率で縮むことができる。その結果、スパイダーシルクを最初に編物布地に編み、次に縮ませた、非常に堅い編物布地を得ることができる。

本発明はまた、(a)スパイダーシルクを含む少なくとも1種類のヤーンで布地を編み、(b)その布地を縮ませる、衣料品の一部分または靴を製造する方法も企図している。布地は、液体の水または蒸気と接触させることにより、縮ませることができる。その結果は、非常に小さな寸法の編物ループを備えた非常に堅い編物布地である。編物ループは「締まる(lock)」ことにより、高い剛性の編物を形成する。それは、例えば、素足で履いている間、足に堅くぴったりしている必要がある短距離走用靴において有益であることができる。本発明によるスパイダーシルクを使用するおかげで、短距離走用靴の内表面は静菌性であり、快適な皮膚感覚を提供する。

布地は縮ませて、次に衣料品の一部分または靴(特に靴甲部)を作り出すために使用することができる。従って、この第1の代替案によれば、スパイダーシルクヤーン(例えば、第1のヤーン)は、例えば編むことによって布地(例えば、第1の布地)を形成するために使用される。次に、その布地を、完成製品(例えば衣料品または靴)を形成するために使用する前に縮ませる。例えば、靴の場合、布地において靴甲部を切断し、次に靴を形成するために使用する。代わりにまたは追加的に、中敷の少なくとも1つの層をスパイダーシルクの布地から切断し、この層を中敷の最上部に(靴の内側に面して)据えることができる。

代わりにまたは上の選択肢と組み合わせて、布地を形成するために使用する前に、第1のヤーンを水に晒すことができる。いくつかの実施形態では、ヤーンを第1の布地を形成するために使用する前に、ヤーンを縮ませることができる。この場合、予め縮ませたスパイダーシルクヤーンを第1の布地を形成するために使用し、それが非常に堅く耐久性のある布地をもたらす。この技法を上の技法と組み合わせてもよく、すなわち、完成した布地を、衣料品または靴を製造するために使用する前に、追加的に水に晒してもよい。第1のヤーンは、それを水槽を通過させることによって、縮ませてもよい。

代わりにまたは組み合わせて、布地を使用して衣料品の一部分または靴を作り出し、次に寸法に縮めてもよい。例えば靴甲部を形成し、次に靴型(last)に据えながら縮ませてもよい。いくつかの実施形態では、衣料品の一部分または靴を形成するために使用する前に、布地を部分的に縮ませ、次に、衣料品の一部分または靴を形成した後に追加の収縮に供してもよい。

しかしながらいくつかの実施形態では、スパイダーシルクのヤーンも布地もいずれも、衣料品または靴に組み込む前に縮ませないが、半完成の衣料品または靴を蒸気および/または水に晒す。この場合、所望の寸法を備えた衣料品または靴を得るために、最終的な(収縮後の)寸法を当然に考慮しなければならない。この技法によって、(部分的に)堅く、耐久性のある衣料品または靴を得ることができる。

スパイダーシルクは、蒸気および/または水に最初に供したときに主に縮むので、スパイダーシルクを予め縮ませる上記選択肢は、最終製品(例えば、衣料品または靴)中のスパイダーシルクはこれ以上縮まないことを保証する。特に、スパイダーシルクを含む衣料品または靴を蒸気に晒してもよい。より特定すると、靴甲部を靴型の上で蒸気に晒してもよい。本発明者は、水の代わりに蒸気を使用すると、収縮プロセスをより良く制御できることを見出した。

第1のヤーンは、本質的にスパイダーシルクだけを含んでもよい。従って、第1の布地が全て第1のヤーンから作られている場合は、第1の布地は同様に本質的にスパイダーシルクだけを含んでもよい。しかしながら、第1の布地を、第1のヤーンおよびスパイダーシルクと異なる材料を含む第2のヤーンから製造することも可能である。従って、スパイダーシルクを第1のヤーンの中で、または2つの異なるヤーンを使用して、少なくとも1種類の異なる材料と混合することによって、第1の布地の特性を調整することができる。さらに、純粋なスパイダーシルクヤーンで布地を形成するのに比べて、必要なスパイダーシルクはより少ない。

一般に、スパイダーシルクヤーンおよび異なる材料のヤーンを一緒に使用して、領域を形成することができる(例えば織布または編物の布地において、それらが互いに交差する)。しかしながら、他の実施形態では、布地の第1の領域はスパイダーシルクヤーンを含むことができ、布地の第2の領域は異なる材料のヤーンを含むことができる。

第1のヤーンにおけるスパイダーシルクを別の材料と混合する場合、他の材料は天然、合成または生体模倣の構成材料であってもよい。混合は、例えば共押出または被覆によって達成することができる。代わりに、繊維を撚るもしくは交絡させてもよく、または複数の材料のステープル繊維を混紡ステープルヤーン中に合わせてもよい。スパイダーシルクを例えば異なる材料のヤーン上に被覆として、または異なる材料のヤーンの周りにラッピングヤーンとして付けてもよい。ある例では、第1のヤーンは、スパイダーシルクおよび少なくとも1種類のプラスチック材料を含むことができる。プラスチック材料は、ヤーンに、従って第1の布地に追加的機能を与えることができる。こうした機能の例は、断熱、モイスチャーウィッキング性(moisture wicking)、撥水性、追加の耐摩耗性、追加の剛性および安定性、溶融性、色等である。

第1の布地は、スパイダーシルクとは異なる材料から作られた第2のヤーンを含むことができる。このようにして、布地には追加の機能を提供することができる。スパイダーシルクヤーンは静菌効果を提供するが、第2のヤーンは、例えば、モイスチャーウィッキング性であって、皮膚から汗を逃がすことができる。第2のヤーンを、例えばポリエステルなどのプラスチックから作ってもよい。

第1のヤーンは嵩高加工(texturize)してもよい。このように、ヤーンを例えば「バルキー加工(bulk)」してもよい。これは、ヤーンを柔らかくすることによって、ヤーンの触覚を改善する。また、こうしたプロセスはヤーンに異なる機械的特性を与える。それは特にヤーンの耐熱性、特に別の布地との擦過または摩擦によって生じた熱における耐熱性を改善する。また、こうしたヤーンはより多くの空洞部分を包み込んでいるので、より保温性である。こうしたバルキー加工は、ヤーンを形成中にエアジェットにかけることによって得ることができる。

第1の布地は、編物、織物または不織布であってもよい。これらの種類の布地は、適切な機械で費用効率よく製造することができる。スパイダーシルクの特性のおかげで、スパイダーシルクを加工するのに、ごくわずかな調整が必要なだけである。

また、例えば刺繍または被覆を通して、スパイダーシルクを後から布地に加えてもよい。内表面の領域は、スパイダーシルクを含む被覆を含んでもよい。従って、衣料品または靴(靴甲部もしくは中敷など)を、スパイダーシルクの利点、特に静菌効果および快適な皮膚感覚から利益を得るように、低い製造費用で、スパイダーシルクのタンパク質で被覆することができる。費用が低いのは、スパイダーシルクヤーンで布地を形成するのに比べて必要なスパイダーシルクがより少ないためである。被覆の実施例は、国際公開第2011069643号パンフレットに見出すことができ、これは不活性または天然素材の材料を絹ポリペプチドで被覆する方法に関する。

被覆はフォーム、ゲルまたは不織布であってもよい。フォーム、ゲルまたは不織布としてどう被覆を適用するかの実施例は欧州特許第2615102号明細書に見出すことができる。

内表面は、衣料品または靴の内張りの一部でありうる。特に、本発明による衣料品または靴(靴甲部および/または中敷など)は、スパイダーシルクを含む少なくとも1つの層を含むことができる。スパイダーシルクを衣料品の裏地または靴甲部もしくは中敷の裏地に使用する利点は、スパイダーシルクは非常に快適で、特に良好な皮膚感覚を提供することである。それは生体適合性でもあり、従って非アレルギー性であり、裏地が皮膚と直接接触することになっても皮膚を刺激しない。スパイダーシルクは、皮膚および創傷に特に配慮し柔らかいので、リカバリーシューズまたはリカバリー衣料品においても有利でありうる。

すでに言及したように、スパイダーシルクは汚損防止(静菌性)であるので、他の布地よりもスパイダーシルクを含む布地では細菌の発生は少ない。従って、スパイダーシルクを含む裏地を、衣料品の一部分または靴で使用することは、細菌に起因する匂いの発生または皮膚真菌の発生を制限するのに特に有利である。それは、特に発汗時に衣服に着く悪臭を低減することができる。スパイダーシルクは、特に素足で履く靴の中敷、および特に例えばわきの下などの衣料品の一部分の領域で使用されうる。

衣料品または靴は、スパイダーシルクを含む外表面をさらに含むことができる。スパイダーシルクは非常に高い強度および耐摩耗性を有し、従って靴または衣料品の一部分の外層を形成することができる。それは特に、上で記載した快適な内層と組み合わせて使用されうる。

いくつかの実施形態では、衣料品の一部分または靴甲部の少なくとも1つの領域は、スパイダーシルクを含む1層だけを含む。その結果、このただ1つの層は、衣料品の一部分または靴甲部の内表面および外表面の両方を形成する。

代わりに、外表面の少なくとも一部を、スパイダーシルクを含む第2の布地によって形成してもよい。第2の布地は、スパイダーシルクを含む第3のヤーンを含んでもよい。いずれの場合も、スパイダーシルクの有利な特性は、衣料品または靴の両側に存在するであろう。内側では静菌効果が最も重要であるが、外側にあるスパイダーシルクは、剛性、安定性および耐摩耗性を付与するであろう。

第2の布地は、第1の布地に比べて異なる編物構造および/またはヤーン構造を含むことができる。内表面上の編物および/またはヤーン構造は、快適な感覚を提供することができるが、外表面上の編物および/またはヤーン構造は、安定性、耐摩耗性等を提供することができる。いくつかの実施形態では、内表面上の第1の布地用第1のヤーンは、上で記載したようにテクスチャー加工されている。いくつかの実施形態では、第1の布地は小さな編目(knit stitch)を含み、第2の布地は大きな開口を含む(例えば、編むときにミス編目(miss stitch)によって得られる)。第1の布地を内表面に据えてもよく、第2の布地を外表面に据えてもよい。

衣料品または靴は、スパイダーシルクを含む複数の層をさらに含んでもよい。加えて、1つまたは複数の層が、連続的に可剥性であってもよい。これは、着用可能な物品の美的感覚を変える可能性を提供することができる。それは、着用可能な物品が汚れている場合、洗浄する義務を回避することもできる。外層を取り除くと、物品を新品のように見せる点も有利である。それは、例えば内層が汚れている場合、衛生を改善する可能性もある。可剥性層は、衣料品の一部分または靴甲部の内表面、例えば裏地などに使用しうる。それは、衣料品の一部分または靴甲部の外表面にも使用しうる。例えばスパイダーシルクを含む生分解性層で作られた可剥性の層で実現された場合、こうした製品の環境フットプリントは非常に低いままでもあろう。こうした可剥性の層は、使用者が切断してもよく、層内の工学的に弱い線に沿って引き裂いてもよい。

これまで記載した靴は、内表面が靴甲部の一部である靴甲部を含んでもよい。これは、スパイダーシルクの静菌特性のおかげで、靴内での悪臭形成を防止する、または少なくとも減少させることができる。

靴はさらに靴底構造を含むことができ、靴底構造は靴甲部から分離できる。従って、スパイダーシルクを含む領域を靴甲部の内表面に配置することができ、靴甲部は靴底構造から引き離すことができ、スパイダーシルクのおかげで生分解性である。靴底は通常耐久性があり、スパイダーシルクを含む異なるまたは新しい靴甲部とともに使用することができる。その結果、靴底の寿命を増加することができる。実際、最近は一部の使用者は、靴の美的感覚を変更したいため、および/または甲部が劣化するため、および/または靴が汚れているため、しばしば彼らの靴を変更する。スパイダーシルクは(タンパク質に基づいており)完全に生分解性であるので、スパイダーシルクで作られた布地の甲部は、非常に低い環境フットプリントを有する。これは、スパイダーシルクヤーンを含む交換可能な甲部を備えた靴に同様に当てはまる。同様に、衣料品の一部分は、スパイダーシルクヤーンを含む交換可能な層を含むことができる。耐久性のある部分が保持され、更新された部分が生分解性であるので、これは非常に持続可能な靴/衣料品の一部分を作るであろう。

衣料品の一部分の場合に、スパイダーシルクを含む領域を、衣料品のわきの下区域に配置することができる。この区域では、吸湿および静菌特性と同様に、特にテニス(サーブの動き)などのある種のスポーツでは、強度および柔軟性が要求される。良好な防備、ならびに同時に柔軟性および湿気管理を確実にするために、それをグローブでも使用することができる。

本発明のさらなる態様は、上で記載した衣料品または靴を製造する方法であって、着用者の皮膚に面するように適合した、衣料品または靴の内表面を提供するステップと、内表面の領域にスパイダーシルクを提供するステップとを含む方法に関する。

本発明の文脈で使用するスパイダーシルクは、所与の方法でいくつかの特定の化学薬剤と反応するために、この化学薬剤に敏感にすることができる。例えば、それはこの特定の化学薬剤または化学物質群に可溶性にすることができる。従って、こうしたスパイダーシルクを含有する製品は、スパイダーシルクがタンパク質に基づいているので、生態学的な方法で容易に再生利用または廃棄されうる。

本発明の文脈でのスパイダーシルクは、布地の代用品において、または緩衝性詰め物として、衣料品の一部分または靴で使用できる、不織布の布地を形成するために、不織布で使用してもよい。スパイダーシルクを含む不織布を調製するために、電界紡糸を使用することができる。こうした不織布は被覆としても使用できる。

スパイダーシルクの特性は、その物理的および/または化学的特性をカスタマイズするために、それが作られているタンパク質の特性を修正することによって調整することができる。例えば、スパイダーシルクは、特定の化学物質または化学物質群に反応性であることができ、こうした化学物質等に可溶性であるように設定することができる。

一般に、スパイダーシルクは、衣類および靴の産業、特にスポーツ衣類およびスポーツ靴の産業において要求される、全てのこれらの異なる技術的機能間の完全なバランスを有する材料である。それは、本明細書で記載する異なる特徴を互いに結びつける唯一の材料である。従って、スパイダーシルクを含む1層だけを備えた靴甲部または衣料品の一部分を形成し、一方で多くの機能的特徴を同時に示すことが可能である。

ここで、本発明の好ましい実施例および実施形態を、以下の図を参照しながら以下で記載する。

本発明による靴の例示的実施形態を示す図である。

本発明による靴の例示的実施形態を示す図である。

図1Aおよび1Bの実施形態で使用できる、舌革の例示的実施形態を示す図である。

本発明の別の実施形態を示す図である。

本発明の別の実施形態を示す図である。

本発明の別の実施形態を示す図である。

本発明の別の実施形態を示す図である。

スパイダーシルクヤーンを嵩高加工するプロセスを示す図である。

スパイダーシルクヤーンを嵩高加工するプロセスを示す図である。

スパイダーシルクヤーンを嵩高加工するプロセスを示す図である。

3次元の靴甲部を蒸気処理および縮ませるプロセスを示す図である。

3次元の靴甲部を蒸気処理および縮ませるプロセスを示す図である。

3次元の靴甲部を蒸気処理および縮ませるプロセスを示す図である。

2次元の靴甲部を蒸気処理および縮ませるプロセスを示す図である。

2次元の靴甲部を蒸気処理および縮ませるプロセスを示す図である。

図1Aおよび1Bは、本発明による靴10の例示的実施形態を示し、図1Aは外側視野、図1Bは内側視野を示す。しかしながら、上で記載したように、本発明はTシャツ、ズボン、下着、ジャージ、トラックスーツ、水着等などの衣料品でも具現することができる。靴10は短距離走用靴であり、靴底構造11および靴甲部12を含む。

靴底構造11は、表底11aおよび表底に取り付けられたスパイクを含む。それらスパイクの3個を参照番号11bとともに例示的に表示している。靴底11に取り付けられているのは靴甲部12である。図1Aおよび1Bの例では、靴甲部12は靴底構造11に恒久的に固定されている。恒久的な接続は、接着、縫製、溶着(welding)、および同様の技法によって達成することができる。

図1Aおよび1Bの例示的実施形態では、甲部12は編物の甲部であり、すなわちそれは編機で作られる。より特定すると、図1Aおよび1Bの甲部12は、横編機で、少なくとも1つの編み段の長さが次の編み段の長さと異なる部分編み技法により編まれ、編まれた甲部は編機から出たときに3次元(非平面)の形状が与えられる。一般に本発明によれば、甲部は、刺繍、製織等によっても作ることができ、またはメッシュ材料もしくは不織布材料から作ることができる。図1Aおよび1Bの例における甲部12は、編んだ布地13から作られる。布地13は、100%スパイダーシルクを含むヤーンから作られる。従って、靴甲部12の内表面14は同様にスパイダーシルクを含み、靴を実際に履いたときに着用者の皮膚に面するように適合される。スパイダーシルクの使用によって、靴甲部12の重量は20%〜30%低減される。この例示的な実施形態におけるスパイダーシルクタンパク質は、大腸菌(E.coli)による発酵プロセスで作られた。タンパク質は、湿式紡糸プロセスを通してヤーンに変えられた。一般に、ヤーン中のスパイダーシルクの量は、上で説明したように100%未満であってもよいことに留意すべきである。

図1Aおよび1Bの例では、靴甲部はその表面の大部分上で1層だけ含む。この層は、100%スパイダーシルクで得られた編物布地である。それによって、靴甲部の多くの内部領域がスパイダーシルクを含み、靴甲部の多くの外部領域がスパイダーシルクを含む。

従って、図1Aおよび1Bの例では、本質的に靴甲部12の全ての内表面はスパイダーシルクを含む。しかしながら、他の実施形態では、スパイダーシルクは、外側および/もしくは内側の側面、および/もしくは舌革区域および/もしくはカラー区域、またはこれらの例の組み合わせなどの、特定の領域(複数可)にだけ存在してもよい。

図1Aおよび図1Bの例では、靴甲部は、ループ直径よりも明らかに大きい直径の複数の穴を含む。それらの穴は外側および内側の側面、ならびにつま先の上に設置され、空気の循環を助けている。靴甲部12はスパイダーシルクからは作られていないいくつかの追加的構成材料、例えば、ひも穴の補強材15および緩衝性材料を含有するカラーポケット16、ならびに靴ひもなどを含む。

布地13を20%大きい寸法で編み、次に生産靴型で型を取った。次のステップでは、靴甲部12が最終的に靴型の寸法を満たすように、制御された方法でヤーンを縮ませるために、甲部を蒸気処理した。靴甲部12を水中に浸漬することによっては、収縮を必ずしも十分制御できないことに留意すべきである。

あるいは、編んだ布地13を、靴10に組み込む前に蒸気または水に晒すことによって、縮ませることができる。あるいは、布地13のスパイダーシルクヤーンを、布地13を形成するために使用する前に、蒸気または水に晒す、例えば水槽を通過させるなどによって、縮ませてもよい。

図1Aおよび1Bの例では、第1のヤーンは本質的にスパイダーシルクだけを含む。しかしながら、スパイダーシルクおよび異なる材料の混合物を含むヤーンを使用することも可能である。ヤーン中のスパイダーシルクを別の材料と混合する場合、他の材料は天然、合成または生体模倣の構成材料でありうる。混合は、例えば共押出または被覆によって達成することができる。さらに、布地13を、スパイダーシルクを含むヤーン、およびスパイダーシルクのない異なる材料を含む第2のヤーンから製造してもよい。

スパイダーシルクを別の材料とヤーン中で混合するのではなく、例えば、スパイダーシルクでできたいくつかのヤーン、ならびに、他の材料、例えば天然繊維系ヤーン(例えば、綿、リネン等)および/または合成繊維(例えば、ポリエステル、ナイロン等)などで作られたいくつかの他のもので、織る、または編むことによって、布地13を作り出すことができる。

嵩を加えるため、またはさらなる紡績処理(spinning processing)および後処理用にヤーンを準備するために、以下の図4A、4Bおよび4Cに関して記載するように、スパイダーシルクヤーンを嵩高加工することも可能である。「嵩高加工する」という用語は、しばしば「クリンプ加工する」と互換的に使用される。

図1Aおよび1Bの例では、靴甲部12が作られる布地13はスパイダーシルクを含むので、スパイダーシルクは靴甲部12の内表面14上に存在する。しかしながら、靴甲部を非スパイダーシルク材料、例えばポリエステルまたはリネンなどの天然材料でさえから製造し、靴甲部の内表面にスパイダーシルクを提供することも可能である。例えば吹きつけ、刺繍等によって、こうした被覆を適用してもよい。

図1Aおよび1Bの例での靴10は、裏地を含まない。しかしながら、本発明による他の実施形態は裏地を含んでもよい。その場合、裏地の内表面はスパイダーシルクを含んでもよい。他の実施形態では、全ての裏地は本質的にスパイダーシルクから作られる。

図1Aおよび1Bの例では、靴甲部12を形成する布地13はスパイダーシルクのヤーンまたは糸を含むので、靴甲部12の外表面は同様にスパイダーシルクを含む。他の実施形態では、靴甲部の外表面は、内表面と異なる布地から作られてもよい。この外の布地はスパイダーシルクを含むヤーンを含んでもよい。しかしながら、本発明による靴甲部または衣料品の外表面が、スパイダーシルクを全く含まないことも可能である。

靴甲部に内の布地および外の布地を使用する場合、外の布地は、内の布地に比べて異なる編物構造および/またはヤーン構造を含んでもよい。一般に、本発明による衣料品または靴は、スパイダーシルクを含む複数の層をさらに含むことができる。

図2は、図1Aおよび1Bの例示的靴甲部12に取り付けることができる、舌革20を示す。舌革20もまた、スパイダーシルクを含む編んだ布地21から作られている。舌革20は、布地21のループ直径よりも明らかに大きい直径の複数の穴を含み、空気の循環を可能にしている。

図3A、3B、3Cおよび3Dは、本発明の別の実施形態、すなわちランニングシューズ10を示す。ちょうど図1Aおよび1Bの靴10と同様に、この靴10は靴底構造11に取り付けられた靴甲部12を同様に含む。靴甲部12は、編んだ布地13から作られている。布地13は、靴甲部12の表面の大部分、より特定すると靴甲部の全ての表面を形成する層を形成している。この実施形態における編んだ布地13は、靴甲部12の最も大きな部分を作り上げ、100%スパイダーシルクで作られた、第1の領域または部分31を構成する。しかしながら、この実施形態の変形例では、この領域31におけるスパイダーシルクの量は、100%未満であってもよい。

布地13は、スパイダーシルクを含まない舌革およびカラーを含む、第2の領域または部分32を構成する。しかしながらこの実施形態の変形例では、この第2の領域32は、いくらかの量のスパイダーシルクを含むことができる。第1の領域31におけるスパイダーシルクの割合が、第2の領域32におけるものと異なることに気づくことは重要である。

第2の領域32は、例えばポリエステルおよびエラステインのような異なるヤーンの混合物を含んでもよい。第1の領域31および第2の領域32は一緒に編まれる。

加えて、図3Dに見られるように、かかと領域に部分編みの線33があり、靴甲部12に横編機上で3次元形状を与える。

さらに、靴甲部12は、靴甲部12の弾性を局所的に修正するためにウェッビング34を含む。

図4A、4Bおよび4Cは、上述した、スパイダーシルクヤーンを嵩高加工するプロセスを図示している。一般に、嵩を加えるため、またはさらなる紡績プロセス(spinning process)、後処理、編むこと、製織等用にヤーンを準備するために、ヤーンを嵩高加工することができる。嵩高加工は、ヤーンの手触りにも影響を及ぼす。嵩高加工は、耐摩耗性または引張強度などのヤーンの特性にも影響を及ぼす。

図4Aは、従来のヤーンを示す。図4Bは、エアジェットで処理したエアジェット嵩高加工されたものを示す。図4Cは、高度のエアジェット処理−例えば高パワーのエアジェットおよび/またはヤーンの低走行速度によるヤーン処理によって得た、仮撚り嵩高加工ヤーンを示す。

図5A、5Bおよび5Cは、上述した靴甲部12を蒸気処理および縮ませるプロセスを図示している。この例では、靴甲部12はソックスとして360°編まれている。蒸気処理プロセスのために、靴甲部12をテーブルなどの平面上に置く。蒸気アイロンを靴甲部12の上方約5cm、すなわち靴甲部12に接触しない距離に据える。蒸気を靴甲部12の上に短時間、例えば4〜5秒静かに放出し、靴甲部12を予め縮ませる。このように、この予め縮ませるステップ(図5A〜5Cには示されていない)では、蒸気は適用するが、圧力は適用しない。

次に、図5Aで靴甲部12無しで示されている靴型51に、靴甲部12を着ける。靴型51上で、靴甲部12を蒸気処理し、靴型51にフィットするまでアイロンをかける。この第2のステップでは、蒸気および圧力を適用し、圧力の適用はこのステップでは任意選択である。

上述したように、靴型51は図5Aでさらに詳細に示され、靴甲部12のひも穴用のピン52を備える。これらのピン52は、蒸気処理中に靴甲部12を把持するためにも使用される。靴型51はまた、蒸気処理および任意選択的に圧力を適用する間の位置決め用に甲部を把持するための、面ファスナー(hook-and-loop fastener)の細片54も備える。

上で記載したように、靴甲部12を予め縮ませるステップは重要であると留意すべきであり、その理由は、そうしないと靴甲部12は靴型に据えるには大きすぎるためである。

図5Cは、収縮の量を図示している。図5Cの上部は上で記載した収縮以前の靴甲部12を示し、一方下部は収縮プロセス後の靴甲部12を示す。

上で記載した収縮プロセスは、2次元に編んだ靴甲部にも適用することができる。違いは、図6Aおよび6Bで図示するように、靴型を使用しないことである。この場合、靴甲部12は、接触することなく靴甲部12の上方にアイロン61を据えることによって予め縮められもする。次に、蒸気を静かに適用する。第2のステップでは、靴甲部12を台62上に平らに置き、蒸気および任意選択的に圧力を適用し、靴甲部12を最終寸法まで縮める。台62は、靴型51のピン52と同様のピンを備える。図6Bでは、2つのそうしたピンを参照番号63とともに例示的に表示している。

図に描いたまたは上で記載した構成材料の異なる配置、ならびに示されていないまたは記載されていない構成材料およびステップは、可能である。同様に、いくつかの特徴および部分的組み合わせは有用であり、他の特徴および部分的組み合わせを参照することなく採用してもよい。本発明の実施形態は、例示的目的であって、制限的な目的ではなく記載しており、別の実施形態はこの特許の読者には明白になるであろう。それゆえに、本発明は上で記載しまたは図に描いた実施形態に制限されず、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態および修正を作りうる。

以下で、本発明の理解を容易にするために、さらなる実施形態を記載する。

1.内表面(14)を含む衣料品または靴(10)であって、内表面(14)がスパイダーシルクを含む領域(31)を含む、衣料品または靴(10)。

2.衣料品または靴(10)を着用したときに、スパイダーシルクが着用者の皮膚と接触するように配置される、前記実施形態1に記載の衣料品または靴(10)。

3.領域(31)が、スパイダーシルクを含む第1のヤーンを含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

4.内表面(14)の少なくとも一部が、領域(31)を含む第1の布地(13)によって形成される、前記実施形態のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

5.第1の布地(13)が、スパイダーシルクを含む第1のヤーンを含む、前記実施形態に記載の衣料品または靴(10)。

6.第1の布地(13)が、衣料品または靴(10)に組み込まれる前に、水に晒すことによって縮められる、前記実施形態に記載の衣料品または靴(10)。

7.第1のヤーンが、第1の布地(13)を形成するために使用する前に縮められる、実施形態5に記載の衣料品または靴(10)。

8.第1のヤーンが、それを水槽を通過させることによって縮められる、前記実施形態に記載の衣料品または靴(10)。

9.第1のヤーンが、本質的にスパイダーシルクだけを含む、前記実施形態に記載の衣料品または靴(10)。

10.第1のヤーンが、スパイダーシルクと異なる第2の材料を含む、実施形態3、または5から8のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

11.スパイダーシルクおよび第2の材料が共押出される、前記実施形態に記載の衣料品または靴(10)。

12.第1の布地が、スパイダーシルクと異なる材料から作られた第2のヤーンを含む、実施形態5から11のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

13.第1のヤーンが嵩高加工された、実施形態3または5から12のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

14.第1の布地(13)が、編物、織物または不織布である、実施形態4から13のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

15.内表面の領域(31)が、スパイダーシルクを含む被覆を含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

16.内表面(14)が、内張りの一部である、前記実施形態のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

17.スパイダーシルクを含む外表面をさらに含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

18.外表面の少なくとも一部が、スパイダーシルクを含む第2の布地によって形成される、前記実施形態に記載の衣料品または靴(10)。

19.第2の布地が、スパイダーシルクを含む第3のヤーンを含む、前記実施形態に記載の衣料品または靴(10)。

20.第2の布地が、第1の布地と比べて異なる編物構造および/またはヤーン構造を含む、前記実施形態に記載の衣料品または靴(10)。

21.スパイダーシルクを含む複数の層をさらに含む、前記実施形態のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)。

22.靴甲部(12)を含み、内表面(14)が靴甲部(12)の一部である、前記実施形態のいずれか1つに記載の靴(10)。

23.領域(31)が衣料品のわきの下の区域に配置される、実施形態1から21のいずれか1つに記載の衣料品。

24.前記実施形態のいずれか1つに記載の衣料品または靴(10)を製造する方法であって、衣料品または靴(10)の内表面(14)を提供するステップと、内表面(14)の領域(31)にスパイダーシルクを提供するステップとを含む、方法。

10 靴 11 靴底構造 11a 表底 11b スパイク 12 甲部 13 布地 14 内表面 15 ひも穴補強材 16 カラーポケット 20 舌革 21 布地 31 第1の領域 32 第2の領域 33 部分編みの線 34 ウェッビング 51 靴型 52 ひも穴用ピン 54 面ファスナー細片 61 アイロン 62 台 63 ピン

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