冷凍機油組成物、冷凍機用作動流体組成物

申请号 JP2013207308 申请日 2013-10-02 公开(公告)号 JP2015071672A 公开(公告)日 2015-04-16
申请人 JX日鉱日石エネルギー株式会社; 发明人 高橋 仁; 澤田 健; 多田 亜喜良; 今野 聡一郎;
摘要 【課題】フルオロプロペン冷媒の使用下、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および 水 素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材のいずれに対しても適合する冷凍機油組成物を提供すること。 【解決手段】エステル系基油と、エポキシ化合物と、カルボジイミド化合物と、を含有し、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機において、フルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられる、冷凍機油組成物。 【選択図】なし
权利要求

エステル系基油と、エポキシ化合物と、カルボジイミド化合物と、を含有し、 ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機において、フルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられる、冷凍機油組成物。前記エステル系基油が、ペンタエリスリトールと一価脂肪酸とのエステルおよび/またはジペンタエリスリトールと一価脂肪酸とのエステルを含む、請求項1に記載の冷凍機油組成物。前記エステル系基油が、ペンタエリスリトールと2種以上の一価脂肪酸の混合物とのエステルおよび/またはジペンタエリスリトールと2種以上の一価脂肪酸の混合物とのエステルを含む、請求項1または2に記載の冷凍機油組成物。請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍機油組成物と、フルオロプロペン冷媒と、を含有し、 ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機に用いられる、冷凍機用作動流体組成物。エステル系基油と、エポキシ化合物と、カルボジイミド化合物と、を含有する組成物の冷凍機油組成物または冷凍機用作動流体組成物としての応用であって、 前記冷凍機油組成物または冷凍機用作動流体組成物は、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機において、フルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられる冷凍機油組成物またはフルオロプロペン冷媒を含有する冷凍機用作動流体組成物である、応用。エステル系基油、エポキシ化合物、およびカルボジイミド化合物の冷凍機油組成物または冷凍機用作動流体組成物の製造のための応用であって、 前記冷凍機油組成物または冷凍機用作動流体組成物は、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機において、フルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられる冷凍機油組成物またはフルオロプロペン冷媒を含有する冷凍機用作動流体組成物である、応用。

说明书全文

本発明は、冷凍機油組成物、冷凍機用作動流体組成物、エステル系基油とエポキシ化合物とカルボジイミド化合物とを含有する組成物の冷凍機油またはフルオロプロペン冷媒を含有する冷凍機用作動流体組成物としての応用、ならびに、エステル系基油、エポキシ化合物およびカルボジイミド化合物の冷凍機油組成物またはフルオロプロペン冷媒を含有する冷凍機用作動流体組成物の製造のための応用に関する。

冷蔵庫、空調装置などの冷凍機では、冷媒とともに、圧縮摺動部における摩擦、摩耗、焼き付きを防止するための冷凍機油が用いられている。かかる冷凍機油に要求される特性としては、冷媒に対する適合性、冷凍機内の部材に対する適合性が挙げられる。

すなわち、冷凍機油には、冷媒存在下での潤滑性、熱・化学的安定性、冷媒相溶性に加えて、冷凍機内の部材に接触したときに、当該部材を劣化させないことなどが要求される。そのため、冷凍機内の部材の材質に応じて、それに適した冷凍機油を用いることが提案されている。例えば、下記の特許文献1には、ナイロン等のポリアミド樹脂の劣化を抑制するための冷凍機油が開示されている。

特開2012−131994号公報

ところが、冷凍機は物理的または化学的性質の異なる様々な種類の部材を備えており、それらの部材に対する適合性を一つの冷凍機油により達成することは困難である。

特に、ポリエチレンテレフタレートを含む部材に対する適合性と、素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材に対する適合性とを同時に達成することは非常に困難であり、従来の冷凍機油を用いた場合にはこれらの部材の両方の劣化を十分に抑制することができない。また、かかる劣化の度合いは冷媒の種類によっても異なり、上記の部材の劣化はフルオロプロペン冷媒の使用下で顕著となる傾向がある。

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、フルオロプロペン冷媒の使用下、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材のいずれに対しても適合する冷凍機油組成物および冷凍機用作動流体組成物を提供することを目的とする。

本発明は、エステル系基油と、エポキシ化合物と、カルボジイミド化合物と、を含有し、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機において、フルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられる、冷凍機油組成物を提供する。

エステル系基油が、ペンタエリスリトールと一価脂肪酸とのエステルおよび/またはジペンタエリスリトールと一価脂肪酸とのエステルを含むことが好ましい。

エステル系基油が、ペンタエリスリトールと2種以上の一価脂肪酸の混合物とのエステルおよび/またはジペンタエリスリトールと2種以上の一価脂肪酸の混合物とのエステルを含むことが好ましい。

また、本発明は、上記冷凍機油組成物と、フルオロプロペン冷媒と、を含有し、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機に用いられる、冷凍機用作動流体組成物を提供する。

また、本発明は、エステル系基油と、エポキシ化合物と、カルボジイミド化合物と、を含有する組成物の冷凍機油組成物または冷凍機用作動流体組成物としての応用であって、冷凍機油組成物または冷凍機用作動流体組成物は、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機において、フルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられる冷凍機油組成物またはフルオロプロペン冷媒を含有する冷凍機用作動流体組成物である、応用ともいえる。

また、本発明は、エステル系基油、エポキシ化合物、およびカルボジイミド化合物の冷凍機油組成物または冷凍機用作動流体組成物の製造のための応用であって、冷凍機油組成物または冷凍機用作動流体組成物は、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機において、フルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられる冷凍機油組成物またはフルオロプロペン冷媒を含有する冷凍機用作動流体組成物である、応用ともいえる。

本発明によれば、フルオロプロペン冷媒の使用下、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材のいずれに対しても適合する冷凍機油組成物および冷凍機用作動流体組成物を提供することができる。

以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。

本実施形態に係る冷凍機油組成物は、エステル系基油と、エポキシ化合物と、カルボジイミド化合物と、を含有し、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機において、フルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられるものである。

また、本実施形態に係る冷凍機用作動流体組成物は、エステル系基油、エポキシ化合物、およびカルボジイミド化合物を含む冷凍機油組成物と、フルオロプロペン冷媒と、を含有し、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機に用いられるものである。なお、本実施形態に係る冷凍機用作動流体組成物には、本実施形態に係る冷凍機油組成物と、フルオロプロペン冷媒とを含有する態様が包含される。

本実施形態に係る冷凍機油に含有されるエステル系基油としては、多価アルコール(ポリオール)とモノカルボン酸(一価脂肪酸)とのエステル化反応により得られるポリオールエステル、多価アルコールとモノカルボン酸および多価カルボン酸とのコンプレックスエステル、多価アルコールおよび一価アルコールと多価カルボン酸とのコンプレックスエステル、あるいはそれらの混合物などが好ましい。

上記の多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのネオペンチルポリオールが好ましい。また、上記のモノカルボン酸としては、炭素数4〜10のモノカルボン酸であることが好ましく、具体的には、n-ブタン酸、n−ペンタン酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、i−ブタン酸、i−ペンタン酸、i−ヘキサン酸、i−ヘプタン酸、2−エチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、i−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、i−ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、i−デカン酸などが挙げられる。また、上記の多価カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸などのジカルボン酸が好ましい。上記のエステルを構成するアルコールおよびカルボン酸として、アルコールおよびカルボン酸のそれぞれについて1種ずつを用いてもよく、アルコールおよびカルボン酸のいずれか一方または両方について2種以上を併用してもよい。

エステル系基油としては、具体的には、例えば以下のエステルおよび以下のエステルの混合物が好ましく用いられる。 ペンタエリスリトールと、2−メチルプロパン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で1/9〜9/1)とのエステル。 ネオペンチルグリコールと、2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で1/9〜9/1)とのエステル。 ジペンタエリスリトールと、2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で1/9〜9/1)とのエステル。 トリメチロールプロパンにアジピン酸を反応させたエステル中間体に、さらに2−エチルヘキサノールを反応させ、残存したアルコールを蒸留で除去して得たエステル(モル比で、トリメチロールプロパンが5〜40モル%、アジピン酸が20〜60モル%、2−エチルヘキサノールが20〜60モル%、)。 ペンタエリスリトールと、n−ペンタン酸/n−ヘプタン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で、n−ペンタン酸が20〜60モル%、n−ヘプタン酸が20〜60モル%、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が5〜40モル%)とのエステル。

本実施形態に係る冷凍機油組成物は、エステル系基油以外の基油を含有していてもよい。当該基油としては、公知の鉱油または合成油を用いることができ、エーテル系基油を用いることが好ましい。

エーテル系基油としては、各種のものを用いることができるが、代表的なものとしては、下記一般式(1):

[式(1)中、Xはモノオールまたはポリオールから水酸基を除いた形の炭化水素基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、mはXの価数、nは2以上の整数を表す。] で表されるポリエーテル化合物が挙げられる。なお、式(1)中、(AO)nは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、およびオキシブチレン基の1種または2種以上が全体としてn個連結したものを表しており、(AO)n中の各オキシアルキレン基は所望の順序で配列することができる。

本実施形態において、基油の含有割合は、冷凍機油組成物全量基準で、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、エステル系基油の含有割合は、基油全量基準で、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。

本実施形態に係る冷凍機油組成物は、上記の基油に加えて、エポキシ化合物とカルボジイミド化合物とを含有する。

エポキシ化合物としては、特に制限されないが、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、オキシラン化合物、アルキルオキシラン化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステル、エポキシ化植物油などが挙げられる。

グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば下記一般式(2)で表されるアリールグリシジルエーテル型エポキシ化合物またはアルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物を用いることができる。

[式(2)中、R2はアリール基または炭素数5〜18のアルキル基を示す。]

式(2)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、n−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが好ましい。

R2で表されるアルキル基の炭素数が5以上であると、エポキシ化合物の安定性が確保され、水分、脂肪酸、酸化劣化物と反応する前に分解したり、エポキシ化合物同士が重合する自己重合を起こしたりするのを抑制でき、目的の機能が得られやすくなる。一方、R2で表されるアルキル基の炭素数が18以下であると、冷媒、特にハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性が良好に保たれ、冷凍装置内で析出して冷却不良などの不具合を生じにくくすることができる。

また、グリシジルエーテル型エポキシ化合物として、式(2)で表されるエポキシ化合物以外に、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロルプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルなどを用いることもできる。

グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、例えば下記一般式(3)で表されるものを用いることができる。

[式(3)中、R3はアリール基、炭素数5〜18のアルキル基、またはアルケニル基を示す。]

式(3)で表されるグリシジルエステル型エポキシ化合物としては、グリシジルベンゾエート、グリシジルネオデカノエート、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好ましい。

R3で表されるアルキル基の炭素数が5以上であると、エポキシ化合物の安定性が確保され、水分、脂肪酸、酸化劣化物と反応する前に分解したり、エポキシ化合物同士が重合する自己重合を起こしたりするのを抑制でき、目的の機能が得られやすくなる。一方、R3で表されるアルキル基又はアルケニル基の炭素数が18以下であると、冷媒、特にハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性が良好に保たれ、冷凍機内で析出して冷却不良などの不具合を生じにくくすることができる。

脂環式エポキシ化合物とは、下記一般式(4)で表される、エポキシ基を構成する炭素原子が直接脂環式環を構成している部分構造を有する化合物である。

脂環式エポキシ化合物としては、例えば、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタン、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサンが好ましい。

アリルオキシラン化合物としては、1,2−エポキシスチレン、アルキル−1,2−エポキシスチレンなどが例示できる。

アルキルオキシラン化合物としては、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘプタデカン、1,1,2−エポキシオクタデカン、2−エポキシノナデカン、1,2−エポキシイコサンなどが例示できる。

エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と、炭素数1〜8のアルコールまたはフェノールもしくはアルキルフェノールとのエステルなどが例示できる。エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、エポキシステアリン酸のブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキシエチル、オクチル、フェニルおよびブチルフェニルエステルが好ましく用いられる。

エポキシ化植物油としては、大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエポキシ化合物などが例示できる。

エポキシ化合物の含有割合は、冷凍機油組成物全量基準で、好ましくは0.1質量%以上4.5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上3.5質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上2.5質量%以下である。含有割合が上記下限値以上であると、冷凍機油組成物の酸価の上昇を抑制できる。一方、含有割合が上記上限値以下であると、冷凍機油組成物をフルオロプロペン冷媒とともに用いた場合でも、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材の劣化を抑制できる。

カルボジイミド化合物としては、特に制限されないが、例えばジアルキルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ビス(アルキルフェニル)カルボジイミドを用いることができる。

ジアルキルカルボジイミドとしては、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド等を挙げることができる。

ビス(アルキルフェニル)カルボジイミドとしては、ジトリルカルボジイミド、ビス(イソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(トリイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(ブチルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジブチルフェニル)カルボジイミド、ビス(ノニルフェニル)カルボジイミド等を挙げることができる。

カルボジイミド化合物の含有割合は、冷凍機油組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下である。含有割合が上記下限値以上であると、冷凍機油組成物の安定性がより向上する。一方、含有割合が上記上限値以下であると、長期の使用における添加剤由来のスラッジの発生を抑制することができる。

本実施形態においては、総合性能を付与するために、冷凍機油組成物の特性を損なわない範囲で、以下のような添加剤、あるいはその他の公知の添加剤を冷凍機油組成物に適宜添加することが可能である。 摩耗防止剤:硫黄系、リン系、チオリン酸亜鉛系など。 酸化防止剤:フェノール系、アミン系、リン系など。 金属不活性化剤:ベンゾトリアゾール(誘導体)、チアジアゾール、ジチオカルバメートなど。 油性剤:高級脂肪酸類、アルコール、アミンなど。 消泡剤:シリコーン油など。

本実施形態に係る冷凍機油組成物はフルオロプロペンを含む冷媒とともに用いられ、また、本実施形態に係る冷凍機用作動流体組成物はフルオロプロペン冷媒を含有する。

フルオロプロペン冷媒としては、フッ素数が3〜5のフルオロプロペンが好ましく、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ye)、および3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)のいずれかの1種または2種以上の混合物であることが好ましい。冷媒物性の観点からは、HFO−1225ye、HFO−1234zeおよびHFO−1234yfから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。

本実施形態にかかる冷凍機油組成物とともに用いる冷媒は、フルオロプロペン以外の冷媒を含有していてもよい。フルオロプロペン以外の冷媒としては、飽和ハイドロフルオロカーボン冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ビス(トリフルオロメチル)サルファイド冷媒、3フッ化ヨウ化メタン冷媒、ジメチルエーテル、二酸化炭素、アンモニアおよび炭化水素等の自然系冷媒が例示される。

本実施形態に係る冷凍機油組成物および冷凍機用作動流体組成物は、ポリエチレンテレフタレートを含む部材および/または水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを含む部材を備える冷凍機に好適に用いられる。かかる冷凍機の具体例としては、レシプロ式あるいはロータリー式の圧縮機を有するカーエアコン、空調機、除湿器、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷凍機が挙げられる。

以下、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。

実施例1〜16、比較例1〜10および参考例1〜2では、下記の基油、添加剤を用いて、表1〜5に示した組成の冷凍機油組成物を調製し、得られた各冷凍機油組成物について下記の材料適合性試験を実施した。その結果を表1〜5に示す。

(基油) 基油1:(a1)ペンタエリスリトールと、2−メチルプロパン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で1/1)とのエステル、および、(b1)ネオペンチルグリコールと、2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で1/1)とのエステルを、(a1)50質量%(b1)50質量%の割合で混合したエステル基油 基油2:(a2)ペンタエリスリトールと、2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で1/1)とのエステル、および、(b2)ジペンタエリスリトールと、2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で1/1)とのエステルを、(a2)75質量%(b2)25質量%の割合で混合したエステル基油 基油3:トリメチロールプロパン(1モル)にアジピン酸(2.4モル)を反応させたエステル中間体に、さらに2−エチルヘキサノール(2.0モル)を反応させ、残存したアルコールを蒸留で除去して得たエステル基油 基油4:ペンタエリスリトールと、n−ペンタン酸/n−ヘプタン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合酸(モル比で40/40/20)とのエステル基油

(添加剤) (A)エポキシ化合物 A1:グリシジルネオデカノエート A2:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル A3:1,2−エポキシテトラデカン A4:3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021P) (B)カルボジイミド化合物 B1:ビス(ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド B2:ジイソプロピルカルボジイミド

(材料適合性試験) 200mlのオートクレーブに、水分含有量を500ppmに調整した冷凍機油組成物80gおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペン冷媒(HFO−1234yf)20gの混合物に水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(H−NBR)製またはポリエチレンテレフタレート(PET)製の短冊を1枚入れ、150℃で200時間加熱した。加熱終了後、冷凍機油組成物の酸価を測定し、また、H−NBR製およびPET製の短冊について引張強度を測定し、下記式で定義される引張強度変化率(%)を算出した。 引張強度変化率[%]=(試験後の短冊の引張強度/試験前の短冊の引張強度)×100

なお、試験に用いたH−NBR製、PET製の短冊はそれぞれ以下の形状に成型されたものである。 H−NBR:縦×横×厚み=5cm×2cm×0.2cm PET:縦×横×厚み=5cm×2cm×300μm また、酸価はJIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和試験方法」に準拠して測定し、引張強度はJIS K 6251に準拠して測定した。

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