【0001】 本発明は改良されたプラスチック組成物に関する。 特に、本発明は1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子を含む、改良されたプラスチック組成物に関する。 本発明の組成物は、ポリマーナノ粒子の存在しない同様の組成物と比較して、少なくとも1つの特性において改良される。 本発明はまた改良されたプラスチックを提供する方法であって、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子を形成し、ポリマーナノ粒子を含有するプラスチック組成物を形成することを含む方法に関する。 【0002】 プラスチック材料は単独で、または複合材を形成するために他の材料と組み合わせて、使用されることができる。 しかしながらプラスチックは多くの場合、脆くまたは充分な強度に欠けるため、その機械的特性を増加する継続的な必要性が存在する。 【0003】 ポリマー粒子は熱可塑性および熱硬化性樹脂の機械的および溶融加工特性を改質するのに有用である。 例えば、ポリ塩化ビニル樹脂および塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(以後、併せて「PVC」)は、構造材料としての使用に特に適合させる特性の組み合わせを有するが、しかし壊れやすいという問題がある。 PVCと、ゴム相(rubber phase)を有するポリマー粒子をブレンドすることは、耐衝撃強度を(例えば、耐衝撃改質剤として)改良する。 プラスチック添加剤として有用であるポリマー粒子の特性を改良する継続的な必要性が存在する。 国際公開番号第WO 200075244号(特許文献1)は、1以上のエポキシド官能性結合剤と、5〜200ナノメートルの平均粒子サイズを有するカルボキシル官能性金属−有機ナノ粒子との反応によって形成される結合剤を開示している。 【0004】 【特許文献1】国際公開第00/75244号パンフレット【0005】 少なくとも1つの改良された特性を有するプラスチック組成物を提供することが望まれる。 前記の改良が、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子を含有するプラスチック組成物に内在するということを見いだした。 【0006】 本発明の第1の態様として、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子を含有するプラスチックを提供する。 【0007】 本発明の第2の態様として、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子を形成し、 ポリマーナノ粒子を含有するプラスチック組成物を形成することを含む、プラスチックを提供する方法を提供する。 【0008】 本明細書において使用する以下の略語は、他に文脈中で明確に示さない限り以下の意味を有する;C=セ氏;μm=ミクロン;UV=紫外の;rpm=1分間あたりの回転数;nm=ナノメートル;J=ジュール;cc=立方センチメートル;g=グラム;wt%=重量パーセント;L=リットル;mL=ミリリットル;pphr=樹脂100重量部あたりの重量部;MIAK=メチルイソ−アミルケトン;MIBK=メチルイソ−ブチルケトン;PMA=ポリ(メチルアクリレート);CyHMA=シクロヘキシルメタクリレート;EG=エチレングリコール;DPG=ジプロピレングリコール;DEA=ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート;BzA=ベンジルアクリレート;BzMA=ベンジルメタクリレート;MAPS=MATS=(トリメトキシルシリル)プロピルメタクリレート;PETTA=ペンタエリスリトールテトラ/トリアセテート;PPG4000DMA=ポリプロピレングリコール4000ジメタクリレート;DPEPA=ジペンタエリスリトールペンタアクリレート;TMSMA=トリメチルシリルメタクリレート;MOPTSOMS=メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン;MOPMDMOS=3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン;TAT=トリアリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(lH,3H,5H)−トリオン;IBOMA=イソボルニルメタクリレート;PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;PEGMEMA 475=ポリ(エチレングリコールメチルエーテル)メタクリレートMw=475;GMA=グリシジルメタクリレート;およびPGDMA=プロピレングリコールジメタクリレート。 【0009】 「(メタ)アクリル」という語は、アクリルおよびメタクリルの両方を含み、さらに、「(メタ)アクリレート」という語はアクリレートおよびメタクリレートの両方を含む。 同様に「(メタ)アクリルアミド」という語はアクリルアミドおよびメタクリルアミドの両方を表す。 「アルキル」は直鎖状、分岐鎖状および環状のアルキル基を含む。 【0010】 本発明は、1〜100ナノメートル、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1nm〜20nmの平均粒子直径を有するポリマーナノ粒子を含有するプラスチック組成物を教示する。 PNPが少なくとも1.5nm、好ましくは少なくとも2nmの平均粒子直径を有することが、さらに典型的である。 【0011】 PNPの粒子サイズ(平均粒子直径)を決定する1つの方法は、標準的な動的光散乱技術を使用することによるものであり、相関関数がCONTIN法をはじめとするラプラス変換法を用いて流体力学的サイズに変換される。 【0012】 典型的に、PNPは、重合した多エチレン性不飽和モノマーの存在しない組成物として、モジュレイテッドDSC測定によって決定されるものとして、−90℃〜170℃のガラス転移温度を有する。 【0013】 本発明のPNPは、典型的に5,000〜1,000,000の範囲の、好ましくは10,000〜500,000の範囲の、より好ましくは15,000〜100,000の範囲の「見かけの重量平均分子量」を有する。 本明細書で用いられる「見かけの重量平均分子量」は標準的なゲル浸透クロマトグラフィー法を用いたPNP粒子のサイズを示しており、例えば40℃、3Plgel(商標)カラム(Polymer Labs、マサチューセッツ州アマースト)〔100オングストローム(10nm)、10 3オングストローム(100nm)、10 4オングストローム(1ミクロン)、長さ30cm、内径(ID)7.8mm〕、1分間に1ミリリットル、注入容積100マイクロリットルで、THF溶媒を用い、Polymer LabsのCALIBRE(商標)ソフトウェアを使用して厳密なポリスチレンスタンダードにより校正した。 【0014】 本明細書においてポリマーナノ粒子(「PNP」)と示されているポリマー粒子は、重合単位として、少なくとも1つの多エチレン性不飽和モノマーおよび少なくとも1つのエチレン性不飽和水溶性モノマーを含有する付加重合体である。 本発明で有用な、適した多エチレン性不飽和モノマーとしては、ジ−、トリ−、テトラ−、またはそれより多い多官能性エチレン性不飽和モノマーが含まれ、例えばジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロルプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリビニルシクロヘキサン、アリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、l,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類〔ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコール600ジ(メタ)アクリレートをはじめとする〕、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロルプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリルプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、ジビニルフェニルシラン、トリビニルフェニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、テトラビニルシラン、ジメチルビニルジシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、ポリ(ビニルヒドロシロキサン)、ポリ(フェニルビニルシロキサン)、およびこれらの混合物が挙げられる。 【0015】 典型的に、PNPは、PNPの重量を基準として少なくとも1重量%の少なくとも1つの重合された多エチレン性不飽和モノマーを含む。 PNPの重量を基準として、99.5重量%以下の重合された多エチレン性不飽和モノマーが本発明の粒子中で有効に使用される。 重合された多エチレン性不飽和モノマーの量は、PNPの重量を基準として1重量%〜80重量%、より好ましくは1重量%〜60重量%、最も好ましくは1重量%〜25重量%であることが好ましい。 【0016】 ポリマーナノ粒子中の共重合単位として組み込まれることのできる、適したエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、アルケニル(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート、ビニル芳香族モノマー、窒素含有化合物およびそれらのチオ類似物、ならびに置換エチレンモノマーが挙げられるがこれらに限定されるものではない。 【0017】 PNPは任意に重合単位として、多エチレン性不飽和モノマーではない1以上の第3のモノマーを含む。 適した第3のモノマーとしては、C 1 〜C 24アルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、およびノナデシル(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物が挙げられる。 他の適した第3のモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−メチル−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;ビニルアセテート;ビニルバーサテート;ジイソブチレン;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルキシレンおよびノニルフェノキシプロペニルポリエトキシ化アルコールをはじめとするビニル芳香族モノマーが挙げられる。 ビニル芳香族モノマーはそれらの対応する置換対応物をも含み、ハロゲン化誘導体、すなわち、フッ素、塩素、または臭素等の1以上のハロゲン基を有する誘導体;およびニトロ、シアノ、(C 1 〜C 10 )アルコキシ、ハロ(C 1 〜C 10 )アルキル、(C 1 〜C 10 )アルコキシ、カルボキシ誘導体等が挙げられる。 【0018】 適したアルキル(メタ)アクリレート類としては、「ローカット(low cut)」アルキル(メタ)アクリレート類、「ミッドカット(mid cut)」アルキル(メタ)アクリレート類および「ハイカット(high cut)」アルキル(メタ)アクリレート類が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 【0019】 「ローカット」アルキル(メタ)アクリレート類は、典型的に、アルキル基が1〜6個の炭素原子を有しているものである。 適したローカットアルキル(メタ)アクリレート類としては、メチルメタクリレート(「MMA」)、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート(「BMA」)、ブチルアクリレート(「BA」)、イソブチルメタクリレート(「IBMA」)、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレートおよびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 【0020】 「ミッドカット」アルキル(メタ)アクリレート類は、典型的に、アルキル基が7〜15個の炭素原子を有しているものである。 適したミッドカットアルキル(メタ)アクリレート類としては、2−エチルヘキシルアクリレート(「EHA」)、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート(「IDMA」、分岐鎖状(C 10 )アルキル異性体混合物をベースとして)、ウンデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート(ラウリルメタクリレートとしても知られる)、トリデシルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート(ミリスチルメタクリレートとしても知られる)、ペンタデシルメタクリレートおよびそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 有用な混合物としては、ドデシル−ペンタデシルメタクリレート(「DPMA」);ドデシル、トリデシル、テトラデシルおよびペンタデシルメタクリレートの直鎖状および分岐鎖状の異性体の混合物;およびラウリル−ミスチリルメタクリレート(「LMA」)が挙げられる。 【0021】 「ハイカット」アルキル(メタ)アクリレート類は、典型的に、アルキル基が16〜24個の炭素原子を有しているものである。 適したハイカットアルキル(メタ)アクリレート類としては、ヘキサデシルメタクリレート、ヘプタデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、ノナデシルメタクリレート、コシルメタクリレート、エイコシルメタクリレートおよびそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 ハイカットアルキル(メタ)アクリレート類の有用な混合物としては、セチル−エイコシルメタクリレート(「CEMA」)、〔ヘキサデシル、オクタデシル、コシルおよびエイコシルメタクリレートの混合物〕;およびセチル−ステアリルメタクリレート(「SMA」)〔ヘキサデシルおよびオクタデシルメタクリレートの混合物〕が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 【0022】 上記のミッドカットおよびハイカットアルキル(メタ)アクリレートモノマーは概して、工業的等級の長鎖の脂肪族アルコールを用いた標準的なエステル化処理によって調製され、それらの商業的に入手可能なアルコールは、アルキル基内に10〜15または16〜20個の炭素原子を有する様々な鎖長のアルコールの混合物である。 前記のアルコールの例は、ビスタケミカルカンパニー(Vista Chemical company)の、チーグラー触媒による種々のALFOLアルコール、すなわちALFOL1618およびALFOL1620、シェルケミカルカンパニー(Shell Chemical Company)の、チーグラー触媒による種々のNEODOLアルコール、すなわちNEODOL25L、およびプロクターアンドギャンブル(Proctor & Gamble)のTA−1618およびCO−1270をはじめとする天然由来アルコールである。 従って、本発明の意図として、アルキル(メタ)アクリレートは、名前を挙げた個々のアルキル(メタ)アクリレート製品のみを包含するものではなく、名前を挙げた特定のアルキル(メタ)アクリレートを主に有するアルキル(メタ)アクリレート類の混合物もまた包含することを意図する。 【0023】 本発明で有用なアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、単一のモノマーでも、または異なる数の炭素原子をアルキル部分に有するものの混合物でもよい。 また、本発明で有用な(メタ)アクリルアミドおよびアルキル(メタ)アクリレートモノマーは任意に置換されてもよい。 好適な、任意に置換された(メタ)アクリルアミドおよびアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヒドロキシ(C 2 〜C 6 )アルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(C 2 〜C 6 )−アルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(C 2 〜C 6 )アルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられるがこれらに限定されるものではない。 【0024】 有用な置換アルキル(メタ)アクリレートモノマーはアルキル基中に1以上のヒドロキシル基を有するものであり、特にヒドロキシル基がアルキル基中、β−位(2−位)に見られるものである。 置換アルキル基が、分岐鎖状または非分岐鎖状の、(C 2 〜C 6 )アルキルであるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。 適したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(「HEA」)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1−メチル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−プロピルアクリレート、1−メチル−2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートおよびそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 好ましいヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、HEMA、1−メチル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートおよびそれらの混合物である。 後半2種のモノマーの混合物は、通常「ヒドロキシプロピルメタクリレート」または「HPMA」と言われている。 【0025】 本発明で有用な他の置換(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドモノマーは、アルキル基中にジアルキルアミノ基またはジアルキルアミノアルキル基を有するものである。 そのような置換(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドの例として、ジメチルアミノエチルメタクリレート(「DMAEMA」)、ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチル−アミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチルメタクリルアミド、N,N−ジ−エチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチルメタクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、N−(1,3−ジフェニル−1−エチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、N−(1−メチル−1−フェニル−3−オキソブチル)メタクリルアミド、および2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アミノエチルエチレン尿素のN−メタクリルアミド、N−メタクリロキシエチルモルホリン、ジメチルアミノプロピルアミンのN−マレイミドおよびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 【0026】 本発明で有用な他の置換(メタ)アクリレートモノマーは、ケイ素含有モノマーであり、γ−プロピルトリ(C 1 〜C 6 )アルコキシシリル(メタ)アクリレート、γ−プロピルトリ(C 1 〜C 6 )アルキルシリル(メタ)アクリレート、γ−プロピルジ(C 1 〜C 6 )アルコキシ(C 1 〜C 6 )アルキルシリル(メタ)アクリレート、γ−プロピルジ(C 1 〜C 6 )アルキル(C 1 〜C 6 )アルコキシシリル(メタ)アクリレート、ビニルトリ(C 1 〜C 6 )アルコキシシリル(メタ)アクリレート、ビニルジ(C 1 〜C 6 )アルコキシ(C 1 〜C 6 )アルキルシリル(メタ)アクリレート、ビニル(C 1 〜C 6 )アルコキシジ(C 1 〜C 6 )アルキルシリル(メタ)アクリレート、ビニルトリ(C 1 〜C 6 )アルキルシリル(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物が挙げられる。 【0027】 本発明の不飽和モノマーとして有用なビニル芳香族モノマーとしては、スチレン(「STY」)、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルキシレン、およびそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 ビニル芳香族モノマーはまた、それらの対応する置換対応物をも含み、ハロゲン化誘導体、すなわち、フッ素、塩素、または臭素等の1以上のハロゲン基を有する誘導体;およびニトロ、シアノ、(C 1 〜C 10 )アルコキシ、ハロ(C 1 〜C 10 )アルキル、カルボ(C 1 〜C 10 )アルコキシ、カルボキシ、アミノ、(C 1 〜C 10 )アルキルアミノ誘導体等が挙げられる。 【0028】 本発明の不飽和モノマーとして有用な窒素含有化合物およびそれらのチオ異性体としては、2−ビニルピリジンもしくは4−ビニルピリジンをはじめとするビニルピリジン;2−メチル−5−ビニル−ピリジン、2−エチル−5−ビニルピリジン、3−メチル−5−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニル−ピリジン、および2−メチル−3−エチル−5−ビニルピリジンをはじめとする(C 1 〜C 8 )低級アルキル置換N−ビニルピリジン;メチル置換キノリンおよびイソキノリン;N−ビニルカプロラクタム;N−ビニルブチロラクタム;N−ビニルピロリドン;ビニルイミダゾール;N−ビニルカルバゾール;N−ビニル−スクシンイミド;(メタ)アクリロニトリル;o−、m−、もしくはp−アミノスチレン;マレイミド;N−ビニル−オキサゾリドン;N,N−ジメチルアミノエチル−ビニル−エーテル;エチル−2−シアノアクリレート;ビニルアセトニトリル;N−ビニルフタルイミド;N−ビニル−チオ−ピロリドン、3−メチル−1−ビニル−ピロリドン、4−メチル−1−ビニル−ピロリドン、5−メチル−1−ビニル−ピロリドン、3−エチル−1−ビニル−ピロリドン、3−ブチル−1−ビニル−ピロリドン、3,3−ジメチル−1−ビニル−ピロリドン、4,5−ジメチル−1−ビニル−ピロリドン、5,5−ジメチル−1−ビニル−ピロリドン、3,3,5−トリメチル−1−ビニル−ピロリドン、4−エチル−1−ビニル−ピロリドン、5−メチル−5−エチル−1−ビニル−ピロリドンおよび3,4,5−トリメチル−1−ビニル−ピロリドンをはじめとするN−ビニル−ピロリドン;ビニルピロール;ビニルアニリン;ならびにビニルピペリジンが挙げられるがこれらに限定されるものではない。 【0029】 本発明の不飽和モノマーとして有用な置換エチレンモノマーとしては、アリルモノマー、ビニルアセテート、ビニルホルムアミド、塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、臭化ビニリデンが挙げられるがこれらに限定されるものではない。 【0030】 PNPは、任意に他の官能基を含有することができ、官能基は、その基またはその前駆体基を含むモノマーの重合によって提供される。 官能基は、PNPのイオン基と、適した化合物との反応によって任意にPNPに結合する。 例えば、カルボン酸基を含有するPNPは、カルボン酸基と、保護されたポリアルキレンオキサイドをはじめとする適したアルコールとの反応によって改質され、ペンダントの親水性基を含有する。 代替的に、官能基は非−ラジカル反応によってPNPに付着され、その結果官能基を有する改質化合物と、PNPに共有結合する相補反応可能な基との間にイオンまたは共有結合を形成し、これは米国特許第5,270,380号に教示されている。 【0031】 本発明に使用するポリマーナノ粒子は、乳化重合、懸濁重合、非−水性分散重合、または溶液重合によって調製されることができる。 本明細書で「溶液重合」は、このポリマーに対する溶媒である水性または非水性の媒体中でのフリーラジカル付加重合を意味する。 本明細書で「ポリマーに対する溶媒」は架橋のないポリマーがその重合媒体に可溶であることを意味し、約20重量%未満の多−エチレン性不飽和モノマーを含むポリマーにおける、架橋モノマーの存在しない同様の条件下で作成されたポリマーの溶解性を基準にして、または本明細書において開示されている可溶性マップをベースにした重合媒体の選定によって、予測することができる。 【0032】 ポリマーナノ粒子は非−水性溶媒中で調製されることができる。 前記の溶媒の例としては、アルカン、フッ素化炭化水素、および芳香族炭化水素をはじめとする炭化水素、エーテル、ケトン、エステル、アルコール、ならびにそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 特に適した溶媒としては、ドデカン、メシチレン、キシレン、ジフェニルエーテル、ガンマ−ブチロラクトン、エチルラクテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カプロラクトン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、デカノール、およびt−ブタノールが挙げられる。 【0033】 ポリマーナノ粒子は、最初に溶媒ヒール、または代替的に溶媒とモノマーの一部との混合物を、スターラー、温度計および還流コンデンサーを備えた反応容器に仕込むことによって調製されることができる。 モノマー装填物は、典型的にモノマー、開始剤および連鎖移動剤から適宜構成される。 溶媒または溶媒/モノマーヒール装填物は窒素ブランケット下、撹拌を伴って、温度約55℃〜約125℃に加熱される。 ヒール装填物が重合を開始するのに充分な温度に達した後、モノマー装填物またはモノマー装填物の残量を反応容器に、15分間〜4時間かけて添加し、その間反応を所望の反応温度に維持する。 モノマー混合物の添加が完了した後、溶媒中の追加の開始剤を反応に加えることができ、そして/または保持時間を採用することができる。 【0034】 ポリマーナノ粒子は、乳化重合によって調製されることができる。 本発明で有用なエマルションポリマーは、概して、最初に水およびモノマーエマルションの一部を、スターラー、温度計および還流コンデンサーを備えた反応容器に仕込むことによって調製される。 典型的に、モノマーエマルションは、モノマー、界面活性剤、開始剤および連鎖移動剤から適宜構成される。 モノマーエマルションの最初の装填物は、窒素ブランケット下、撹拌を伴って、温度約55℃〜約125℃に加熱される。 シード装填物が重合を開始するのに充分な温度に達した後、モノマーエマルションまたはモノマーエマルションの残量を反応容器に、15分間〜4時間かけて添加し、その間反応を所望の反応温度に維持する。 モノマーエマルションの添加が完了した後、追加の開始剤を反応に加えることができ、そして/または保持時間を採用することができる。 【0035】 代替的に、乳化重合は回分法で行うことができる。 前記回分法では、エマルションポリマーは、水、モノマー、界面活性剤、開始剤および連鎖移動剤を適宜、スターラーを備えた反応容器に窒素ブランケット下で仕込むことによって調製される。 モノマーエマルションは、温度約55℃〜約125℃に加熱され重合される。 モノマーエマルションの添加が完了した後、溶媒中の追加の開始剤を反応に加えることができ、そして/または保持時間を採用することができる。 【0036】 適したポリマーナノ粒子としては、例えば、HEMA/DEGDMA、MMA/DEGDMA、MMA/MAPS/DEGDMA、MMA/MAPS/PETTA、MMA/MAPS/PPG4000DMA、MMA/MAPS/DPEPA、MAPS/DEGDMA、BA/DEGDMA、MMA/MAPS/TMPTMA、MMA/MAPS/DVB、STY/MAPS/DVB、BA/MAPS/DVB、BA/TMSMA/DVB、BA/MOPTSOMS/DVB、BA/MOPMDMOS/DVB、BA/MAPS/TAT、ALMA/BA/DVB、IBOMA/MAPS/DVB、IBOA/MAPS/DVB、BA/DVB、BA/PGDMA、BA/ALMA、BA/TMPTMA、BA/DPEPA、EHA/DVB、EHA/ALMA、EHA/TMPTMA、EHA/DPEPA、STY/DVB、STY/ALMA、EHA/STY/ALMA、MMA/BA/ALMA、STY/MMA/DVB、MMA/ブタジエン/STY、MMA/EA/ALMA、BA/ALMA/MATS、STY/MATS/DVB、MMA/BA/MATS、STY/MMA/MATS/DVB、MMA/BA/MATS/ALMA、BzA/TMPTMA、BzA/DVB、IDMA/BzMAおよびMMA/ALMA/MATSが挙げられる。 【0037】 粒子サイズおよび分布の制御は、前述の方法によって、溶媒の選択、開始剤の選択、総固形分レベル、開始剤レベルおよび反応条件に従ってなされ得る。 粒子サイズは、標準的な動的光散乱技術を用いて決定される。 全ての相関関数が、CONTIN法をはじめとするラプラス変換法を用いて流体力学的サイズに変換される。 【0038】 本発明のフリーラジカル重合に有用な開始剤としては、例えば、1以上の、ペルオキシエステル、ジアルキルペルオキシド、アルキルヒドロペルオキシド、過硫酸塩、アゾ開始剤、レドックス開始剤等が挙げられる。 有用なフリーラジカル開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、t−アミルペルオキシピバレート、クメンヒドロペルオキシド、並びにアゾイソブチルニトリルおよび2,2'−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)をはじめとするアゾ化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 フリーラジカル開始剤がt−アミルペルオキシピバレートであることが好ましい。 使用するフリーラジカル開始剤の量は典型的に、総モノマー重量を基準として0.05〜10重量%である。 【0039】 連鎖移動剤を任意に使用することができ、本発明に有用なポリマーを調製することができる。 適した連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタンをはじめとするアルキルメルカプタン、およびトルエンをはじめとする活性水素を有する芳香族炭化水素が挙げられる。 【0040】 ポリマーナノ粒子は後に官能化することもまた可能である。 そのような後の官能化は、当該技術分野で知られている任意の技術によってなされる。 ナノ粒子における重合後の官能化(Post−polymerization functionalization)は、粒子をプラスチック組成物中の他の成分と相溶させるときなどに有益である。 【0041】 1つの態様において、MAAをはじめとするカルボン酸モノマーがまたナノ粒子調製中に存在するか、または、その重合が完了した後にナノ粒子に存在する残余の二重結合にメルカプト酢酸が添加される場合、フィラー、顔料および着色剤のためのある程度の分散性を得ることもできる。 【0042】 同様の方法において、多エチレン性不飽和モノマーを、DVB、TVB、およびペンタエリスリトールテトラメタクリレートから選択することができる。 顕著な量の残余の二重結合がナノ粒子中に存在することを確実にすることが望ましい場合、多エチレン性不飽和モノマーの重量比は50%以上まで増加させることができる。 これはその後の、メルカプト酢酸、またはH 2 S、またはPH−含有化合物の添加を可能にし、上記のように追加の官能性を組み込む。 確かに、高レベルのDVBが使用される場合、残余の二重結合がエポキシド化することができ、その結果HClを除去することができ従ってPVCの安定剤として働くことができるナノ粒子を提供する。 【0043】 ポリマーナノ粒子は、望ましくは、プラスチック組成物に対して/プラスチック組成物中で、離散しているか、または非凝集であってさらに分散可能であるか、混和可能であるかさもなくば実質的に相溶性である。 【0044】 粒子とプラスチック組成物の残部との相溶性は、典型的にそれらの溶解度パラメーター(例えばデルタhおよびデルタvといったVan Krevelenパラメーター)をマッチングすることによって決定される。 例えば、Van Krevelenら、「Properties of Polymers.Their Estimation and Correlation with Chemical Structure」、Elsevier Scientific Publishing Co. 、1976;Olabisiら、「Polymer−Polymer Miscibility」、Academic Press、NY、1979;Colemanら、「Specific Interactions and the Miscibility of Polymer Blends」、Technomic、1991;およびA. F. M. Barton、「CRC Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters」、第2版、CRC Press、1991を参照せよ。 デルタhは材料の水素結合のパラメーターであり、デルタvは材料の分散性と極性相互作用の両方の大きさである。 前記の溶解性パラメーターは、基寄与法(group contribution method)によって計算されることができるか、または可溶な溶媒および不溶な溶媒からなる混合溶媒系中の材料の曇点を測定することによって決定されることができる。 曇点における溶解度パラメーターは、重み付けされた溶媒の百分率として規定される。 典型的に、ある材料について多数の曇点を測定し、この曇点により規定される中心範囲をこの材料の溶解パラメーター範囲として規定する。 【0045】 粒子とプラスチックの溶解度パラメーターが実質的に同様である場合、粒子はプラスチック中で/プラスチックと相溶性があり、相分離および/または粒子の凝集がより起こりにくい。 粒子とプラスチックの溶解度パラメーター、特にデルタhおよびデルタvが、実質的にマッチしていることが好ましい。 【0046】 ポリマーナノ粒子は、重合溶媒中の分散体として使用されることができるか、または、例えば、減圧蒸発によって、非−溶媒中へ沈殿することによって、およびスプレードライングによって単離されることができ;単離されたナノ粒子は続いてプラスチック中に配合させるために適した媒体に再分散されることができる。 【0047】 粒子もしくは粒子の分散体と、他の溶解したもしくは分散したポリマーおよび/もしくは他のプラスチックアジュバンドとを混合することによって、ポリマーナノ粒子をプラスチック中に配合することができ、これは当業者によく知られている。 プラスチック組成物中の追加的な成分、例えば、UV安定剤、顔料、PVC樹脂、マット剤、流動助剤、加工助剤、潤滑剤、フィラー、安定剤等が、粉末または液体形態で樹脂粉末にブレンドされることができる。 個々の添加剤は、すなわちUV光安定剤は、乳化され、プラスチックポリマー分散体に添加され、共にスプレードライされることができる。 代替的には、乳化した添加剤、例えば顔料分散体は、熱を加え水分を除去することを可能にする適した混合装置中で、直接樹脂粉末に添加されることができる。 同様に、PVCのウェットケーク(wetcake)もまた、粉末または水ベースのナノ粒子分散体にブレンドされることができる。 その後に乾燥を伴う、エマルションベースの添加剤と粉末との多様な混合の組み合わせが当業者に想定され得る。 【0048】 1つの態様において、ナノ粒子加工助剤は、PVCをはじめとするプラスチック製造に用いられる、懸濁体、溶液、ガス相スプレーまたはエマルション系中に、プラスチックの合成の前、間もしくは後で、配合されることができる。 ナノ粒子は前記の粒状材料の表面に移動することができ、それらと共に配合操作が実行される。 ナノ粒子は耐衝撃改質剤をはじめとする他の改質剤と共に配合されることができる。 ナノ粒子の組成物はまた、例えば、n−ドデシルおよびn−オクタデシルメタクリレートをはじめとする潤滑付与的共重合モノマーを配合することができ、加工補助性および内部潤滑(intrinsic lubricity)がブレンドに付与される。 【0049】 他の態様において、ポリマーナノ粒子のペレット形態が想定される。 前記ペレットは典型的に熱可塑性フィルム、シート、および他の様々な物品の製造での使用が見いだされている。 ペレット形態は典型的に、粉末に一般的である特定の問題、例えばダスト形成等、を回避するので、粉末形態で使用するよりも望ましい。 従って粉末は、任意の適したプラスチックペレット化装置および、プラスチック加工分野において知られている他の様々な方法を用いることにより、ペレットに形成されることができる。 前記のペレット形成工程は、プラスチック組成物の成分を配合(混合)し、標準的なプラスチック加工装置を用いてペレット化することのできる混合工程と組み合わせることができる。 【0050】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、熱可塑性樹脂、好ましくはPVCに2〜30pphrのレベルで配合され、従来の耐衝撃改質剤を用いた同様のPVC組成物と比較して、改良された光学的な透明度と共に、耐衝撃強度においても改良を提供する。 25℃未満のガラス転移温度を有するナノ粒子、特に粒子径が20nm未満である(メタ)アクリルホモ−またはコポリマー;他のビニルモノマーとのブタジエンコポリマー;または例えば、ニトリルゴム、EPDM、およびEVAをはじめとするエラストマー組成物が好ましい。 【0051】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子はポリカーボネート樹脂組成物中に配合される。 好ましくは樹脂を基準として0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜5重量%のナノ粒子が使用される。 好ましくは、MMAが主成分である(MMA/BA/TMPTMA)をはじめとするナノ粒子組成物が選択される。 ポリカーボネートプラスチック組成物は、ポリカーボネートの透明度を維持しつつ、ナノ粒子の存在しない、同様の組成物と比較して改良された耐衝撃強度を示す。 【0052】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、ナイロン組成物、ポリ(ブチレンテレフタレート)組成物、ポリ(エチレンテレフタレート)組成物、または上記同士もしくはポリカーボネートをはじめとする他のエンジニアリング樹脂とのブレンド中に配合される。 好ましくは樹脂を基準として0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜5重量%のナノ粒子が使用される。 好ましくは、(MMA/BA/カルボン酸モノマー/TMPTMA)、(MMA/BA/GMA/TMPTMA)、(MMA/BA/マレイン酸無水物/TMPTMA)、(MMA/BA/DMAEMA/TMPTMA)、(STY/カルボン酸モノマー/DVB)、(STY/GMA/DVB)、(STY/マレイン酸無水物/DVB)、(STY/HEMA/DVB)、または(STY/DMAEMA/DVB)をはじめとするナノ粒子組成物が選択される。 最終的な組成物は促進された溶融強度を示し、さらに、従って、様々な加工ルートで作られる物品を製造するのに有用であり、それらには、チューブラフィルムブロー成形によるフィルム、熱形成部品、射出中空成形ボトル、および溶融強度が求められる同様のプロセスが挙げられる。 【0053】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子および、より大きいポリマー粒子はプラスチック樹脂、好ましくはPVC中に配合され、粒子の最終的なブレンドはデュアル・モード耐衝撃改質剤として当業者に知られる耐衝撃改質組成物となる。 好ましくは粒子の10〜90重量%が1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子である粒子が、樹脂を基準として、0.5〜20重量%使用される。 好ましくは、MMAが主成分である(MMA/BA/TMPTMA)、EGMA/TMPTMA、またはPPGMA/TMPTMAをはじめとするナノ粒子組成物が選択される。 メカニズムに拘束される訳ではないが、ナノ粒子は特定のプラスチックにおいて剪断降伏(shear yielding)/マイクロクラック(microcrack)をもたらすことができると考えられ、ここで第2のより大きなモードは、それが空洞を作る場合には、クラック防止モードまたは剪断降伏促進剤として作用し得る。 デュアルモード耐衝撃改質剤プラスチック組成物は、ナノ粒子の存在しない同様の組成物と比較して、改良された耐衝撃強度を示す。 【0054】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は熱可塑性樹脂、好ましくはPVCに、0.1〜15pphr、好ましくは0.1〜2pphr、より好ましくは0.1〜1pphrのレベルで配合され、樹脂の溶融レオロジーの改良を提供し、従って加工助剤として当業者に知られる組成物として作用する。 任意に他のビニルモノマーを有する(メタ)アクリルコポリマーを含む組成物を有するナノ粒子であって、好ましくは70重量%より多いMMAを有し、500,000より大きい重量平均分子量を有するナノ粒子が好ましい。 改質された樹脂組成物は、改良されたクリアーで透明な押し出しおよび射出成形製品を提供する。 【0055】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、熱硬化性樹脂、好ましくは液体ベースのエポキシまたは不飽和ポリエステルに、2〜30pphrのレベルで配合され、組成物全体の粘度の最少の増加と共に、衝撃強度における改良を提供する。 1〜50nm、好ましくは1〜20ナノメートルの粒子直径を有するポリマーナノ粒子は光学的な透明度が望まれる透明なゲルコートに使用することができ、また強化ファイバーを含む強化された熱硬化性組成物にも使用することができる。 【0056】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、熱硬化性樹脂に、2〜30pphrのレベルで配合され、硬化した樹脂における低収縮性および表面の滑らかさにおいて改良を提供し、すなわち、組成物全体の粘度の最少の増加と共に、低プロファイル添加剤(low profile additive)として機能する。 より大きい粒子サイズのポリマー低プロファイル添加剤が使用されている場合と比較して改良が見られる。 【0057】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、PVCのような熱可塑性樹脂中に、2〜30phrのレベルで配合され、その熱膨張係数を減少させるが、一方樹脂の他の重要な特性は改質させない。 樹脂の熱膨張係数を調整することは、溶融体から冷却する場合に、その収縮に対する固有の傾向を制御できるという点だけでなく、樹脂が他の樹脂と共押出しもしくはラミネートされる場合に、それぞれの熱膨張係数を制御できることにより、前記の手段によって製造された製品における所望の特性もしくは最終形態に到達することができるという点で重要である。 【0058】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、PVCのような熱可塑性樹脂に、2〜50phrのレベルで配合され、その加熱たわみ温度抵抗性(heat deflection temperature resistance「HDT」)を改良する。 これはサイディング、給湯管および結合部品をはじめとする適用において重要である。 【0059】 本発明1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、熱硬化樹脂に2〜30pphrのレベルで配合され、樹脂の着色性における改良を提供する。 例えば、スチレン、ポリビニルアセテート、アクリル樹脂、およびポリエステルにおいて近年使用されている、より大きい粒子サイズのポリマー添加剤と比較して、改良が見られる。 【0060】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、プラスチック樹脂組成物、好ましくはポリオレフィン、中に配合され、核生成剤として作用する。 好ましくは樹脂をベースとして0.01〜2重量%のナノ粒子が使用される。 好ましくは、スチレン、4−メチルスチレン、イソボルニル(メタ)アクリレート、ZONYL(商標)モノマーもしくはフッ素化エチレン誘導体をはじめとするフッ素化モノマー、VEOVA(商標)モノマーをはじめとするバーサチック酸不飽和誘導体、または「ミディアムカット」もしくは「ハイカット」アルキル(メタ)アクリレートと共重合する多官能性モノマーを含むナノ粒子組成物が選択される。 プラスチック組成物は、ナノ粒子の存在しない同様の組成物と比較して高い結晶性を示す。 【0061】 本発明の1つの態様において、相補的官能基であって、互いにイオン的もしくは共有結合的反応等の相互作用が可能な相補的官能基を有する官能化ポリマーナノ粒子であって、1〜100ナノメートルの直径を有する粒子が、プラスチック樹脂組成物中に配合される。 好ましくは樹脂を基準として1〜20重量%のナノ粒子が使用される。 樹脂中に分散可能であるが、官能基がお互いに反応することができ、自己集合のための粒子の鎖を形成する官能基を有する官能化ナノ粒子が選択される。 これは、「A」官能基(アミン、酸)を有するナノ粒子と、相補的な「B」官能基(エポキシ、無水物)を有するナノ粒子とを混合することによってなされ得る。 ナノ粒子のバルクは、多エチレン性不飽和モノマーに加えて、与えられたプラスチック樹脂中で分散性を促進するモノマー(例えば、ポリオレフィンへのLMAもしくはSMA)を含む可能性があるが、しかし低レベルの官能基、好ましくは粒子層の外部に位置する該官能基は、粒子間相互作用を促進する可能性がある。 代替的には、適した低分子量官能性化合物もしくは官能化ポリマーは、集合促進剤(assembly−promoters)として使用されることができ、すなわち、(マクロ)ネットワーク形成促進に使用することができる。 プラスチック組成物はナノ粒子が存在しない同様の組成物と比較して、改良されたレオロジーの制御および/もしくは強化、ならびに/または改良された移送特性を示す。 【0062】 本発明の1つの態様において、1〜100ナノメートルの直径を有するポリマーナノ粒子は、例えば、ポリカーボネートおよびナイロンをはじめとするプラスチック樹脂中に配合される。 好ましくは樹脂を基準として0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜5重量%のナノ粒子が使用される。 好ましくは、MMAが主成分である(MMA/BA/TMPTMA)をはじめとするナノ粒子組成物が選択される。 粒子は、ポリマー破損(ポリマー構造の疲労)におけるクラックヒーリングのための液体様またはオリゴマー性の物質を含み、これはNature、409巻、794(2001)に開示されている。 【0063】 以下の実施例が示され、本発明のさらに多様な態様を提示する。 【0064】 実施例1 ポリマーナノ粒子の調製500mLの反応容器が、熱電対、温度コントローラー、パージガス導入口、パージガス排出口を有する水冷還流コンデンサー、スターラー、および添加ろうとと共に設置された。 添加ろうとに、18.00gのメチルメタクリレート(純度100%)、2.00gのジエチレングリコールジメタクリレート(純度100%)、ミネラルスピリット中75%溶液のt−アミルペルオキシピバレート1.60g(Luperox 554−M−75)、および180.00gのジイソブチルケトン(「DIBK」)からなる201.60gのモノマー混合物を仕込んだ。 180.00gのDIBKを有する反応容器を、加熱し反応容器の内容物を75℃に引き上げる前に、窒素で30分間フラッシュした。 反応容器の内容物が75℃に達した後、添加ろうと中のモノマー混合物が90分かけて均一に反応容器に添加された。 モノマー混合物の添加終了後30分した後、間隔を30分離して添加される2回のチェイサーアリコートであって、ミネラルスピリット中75%溶液のt−アミルペルオキシピバレート0.06g(Luperox 554−M−75)と2.00gのDIBKからなるアリコートの第1を添加した。 第2のチェイサーアリコートを添加した後、反応容器の内容物は2時間半、80℃に維持され、反応を完了した。 得られたポリマーを、ヘプタンで析出させることによって単離し、ろ過によって回収し減圧下で乾燥し、白色の粉末を得た。 この材料はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に再溶解された。 こうして形成されたナノ粒子は、0.8〜5.0nmの粒子サイズ分布と平均粒子直径1.4nmを有し(動的レーザー光散乱で決定した)、分子量約22,642g/モル、数平均分子量約14,601g/モル、Mw/Mn分布1.6(GPCで測定した)を有した。 【0065】 実施例2 ポリマーナノ粒子の調製:半回分(Semi−Batch)乳化重合方法によるAAEM/ALMAコポリマーモノマーエマルションが、17gの脱イオン水、8.85gの28%w/w固形分アンモニウムラウリルスルフェート(「ALS」)、12.4gのアセトアセトキシエチルメタクリレート(「AAEM」)、およびl. 78gのアリルメタクリレート(「ALMA」)の混合物から作成された。 反応容器に次に、600gの脱イオン水、15.0gの28%w/w固形分ALS、および脱イオン水1mL中の0.15gの過硫酸アンモニウム(「APS」)を仕込んだ。 反応容器は90℃まで加熱され、その間窒素でパージされた。 二分の一のモノマーエマルションが反応容器に添加され、その間200rpmで撹拌された。 20分後、残りのモノマーエマルションが添加された。 容器の温度は90℃に30分間維持され、55℃に冷却され、その後1mL脱イオン水中の0.02gのt−ブチルヒドロキシパーオキサイド(「t−BHP」)溶液および1mL脱イオン水中の0.010gのナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド(「SSF」)溶液が、それぞれ添加された。 反応はその後周囲温度まで冷却され、エマルションは400および100メッシュシーブでそれぞれろ過された。 【0066】 試料はフリーズドライによって水から単離され、白色の、脆い、さらさらの粉末となった。 得られた白色の粉末は多量の、二重に蒸留し脱イオン化した水で洗浄され界面活性剤の大部分を除去した。 【0067】 実施例3 ポリマーナノ粒子の調製:回分乳化重合方法によって調製されたAAEM/ALMAコポリマーモノマーエマルションはボトル中で、17gの脱イオン水、8.85gの28%w/w固形分ALS、12.4gのAAEM、および1.78gのALMAの混合物から作成された。 反応容器に次に600gの脱イオン水、15.0gの28%w/w固形分ALS、および1mL脱イオン水中の0.15gのAPSが仕込まれた。 反応容器は90℃に加熱され、その間窒素でパージされた。 モノマーエマルションは一度に反応容器に添加され、200rpmで撹拌された。 30分後、反応フラスコの温度が75℃に冷却され、その後1mL脱イオン水中の0.02gのt−BHP溶液が添加された。 反応はさらに55℃まで冷却され、2mL脱イオン水中の0.010gのSSF溶液が添加された。 反応は周囲温度まで冷却され、エマルションは400および100メッシュシーブでそれぞれろ過された。 【0068】 実施例4 ポリマーナノ粒子の調製:漸次添加重合方法モノマーエマルションは、100gの水、1.60gの28%w/w固形分ALS、68gのエチルアクリレート(「EA」)、17gのメチルメタクリレート(「MMA」)、12.5gのジビニルベンゼン(「DVB」)、および5gのメタクリル酸(「MAA」)の混合物から作成された。 445gの水、22.2gの28%w/w固形分ALSおよび0.37gのAPSを有する反応容器が、窒素雰囲気下で85℃に加熱された。 モノマーエマルションが容器に90分かけてフィードされた。 反応はフィード終了から30分間85℃に維持され、その後65℃に冷却された。 冷却後、1.33gの10%硫酸鉄(FeSO 4 )が添加された。 1分後、0.2gの70%t−BHPが添加され、その2分後0.10gの100%イソアスコルビン酸(「IAA」)が添加され、反応は15分間維持された。 第2のチェイサー系が同様の順序で同じ時間をかけて添加された。 反応はその後周囲温度まで冷却され、400メッシュシーブでろ過された。 【0069】 実施例5 様々なポリマーナノ粒子の調製ポリマーナノ粒子組成物を表5.1に報告する。 前記のポリマーは実施例1−4の概略手順に従って調製された。 「Mw」という略語は重量平均分子量を表し、「Mn」という語は数平均分子量を表す。 「Dist」という語はMw/Mnの比を表している。 分子量は標準的なGPC法を用い、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。 【0070】 【表1】
【0071】 【表2】
【0072】
実施例6 ナノ粒子加工助剤を含むPVC組成物の調製t−アミルペルオキシピバレート(0.5部)と共に混合されたMMA(90部)およびTMPTMA(10部)がMIBK(200部)に還流下、1時間かけて添加される。 加熱がさらに1時間継続され、加工助剤の「溶液」を提供する。 ナノ粒子は単離され、PVC樹脂中に配合されることができ、PVC単独のレオロジーと比較して改良された加工レオロジーを提供する。
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