Adhesive composition

申请号 JP2003168746 申请日 2003-06-13 公开(公告)号 JP2004131689A 公开(公告)日 2004-04-30
申请人 Rohm & Haas Co; ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company; 发明人 LESTER CHRISTOPHER L; LOFTON ELIZABETH P; LORAH DENNIS P;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an adhesive composition having at least one among the following improved characteristics as compared with the adhesive without having polymer nano-particles: in a wet composition, an improved rheology and wet film uniformity (i.e., green strength) characteristics, and in a dry composition, an improved relative adhesion, a peel build characteristic, a resistance to plasticizer and solvent migration, a gas-blocking characteristic and a characteristics of an improved rheology against a low temperature treatment, etc. SOLUTION: This adhesive material containing at least one substrate and at least one adhesive composition, the adhesive composition contains 80-100 wt. % polymer nano-particles having 1-50 nm mean particle diameter based on the total weight of all polymer components, and the polymer nano-particles contains at least one kind of a poly-ethylenically unsaturated monomer as a polymerization unit. COPYRIGHT: (C)2004,JPO
权利要求
  • 少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含む接着性物品であって、該接着剤組成物が、全てのポリマー成分の総重量を基準にして80重量%〜100重量%の、1nm〜50nmの平均粒子直径を有するポリマーナノ粒子を含み、該ポリマーナノ粒子が、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含む接着性物品。
  • 少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含む接着性物品であって、該接着剤組成物が:
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該非水性媒体中で少なくとも1種類のポリマーを重合させる、
    ことを含むプロセスによって作製される接着性物品。
  • 少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含む接着性物品であって、該接着剤組成物が:
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該分散液を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着性物品。
  • 少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含む接着性物品であって、該接着剤組成物が:
    (a)ポリマーナノ粒子の濃縮物を提供し、ここで、該濃縮物は該濃縮物の総重量を基準にして80重量%〜100重量%のポリマーナノ粒子を含有し、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該濃縮物を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着性物品。
  • 少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含む接着性物品であって、該接着剤組成物が:
    (a)水性媒体中の液滴の分散液を提供し、ここで、該液滴はモノマー分子およびポリマーナノ粒子を含み、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該モノマー分子をインシチュー重合法によって重合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着性物品。
  • 前記接着性物品が前記接着剤組成物の層と接触する少なくとも2つの基体を含む、請求項1、2、3、4、または5のいずれかの接着性物品。
  • 接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は全てのポリマー成分の総重量を基準にして80重量%〜100重量%の、1nm〜50nmの平均粒子直径を有するポリマーナノ粒子を含有し、該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含む方法。
  • 接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は:
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)少なくとも1種類のポリマーを該非水性媒体中で重合させる、
    ことを含むプロセスによって作製される方法。
  • 接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は:
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該分散液を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される方法。
  • 接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は:
    (a)ポリマーナノ粒子の濃縮物を提供し、ここで、該濃縮物は該濃縮物の総重量を基準にして80重量%〜100重量%のポリマーナノ粒子を含有し、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該濃縮物を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される方法。
  • 接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は:
    (a)水性媒体中の液滴の分散液を提供し、ここで、該液滴はモノマー分子およびポリマーナノ粒子を含み、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該モノマー分子をインシチュー重合法によって重合する、
    ことを含むプロセスによって作製される方法。
  • 前記接着性物品が前記接着剤組成物の層と接触する少なくとも2つの基体を含む、請求項7、8、9、10、または11のいずれかの方法。
  • (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該非水性媒体中で少なくとも1種類のポリマーを重合させる、
    ことを含むプロセスによって作製される接着剤組成物。
  • (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該分散液を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着剤組成物。
  • (a)ポリマーナノ粒子の濃縮物を提供し、ここで、該濃縮物は該濃縮物の総重量を基準にして80重量%〜100重量%のポリマーナノ粒子を含有し、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該濃縮物を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着剤組成物。
  • (a)水性媒体中の液滴の分散液を提供し、ここで、該液滴はモノマー分子およびポリマーナノ粒子を含み、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該モノマー分子をインシチュー重合法によって重合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着剤組成物。
  • 说明书全文

    【0001】
    (背景)
    本発明は、接着性物品の調製方法およびそれらによって形成される接着性物品に関する。 接着性物品は、1つ以上の基体を接着剤組成物で接合することによって調製する。 幾つかの場合においては、2つ以上の基体を両者とも接着剤組成物の同じ層に接合し、接合された複合物品を形成する。
    【0002】
    幾つかの接着性物品は比較的薄い平坦な層で作製される。 そのような薄い物品の接着剤組成物が感圧性接着剤(PSA)として適切である場合、そのような接着性物品は、一般に、テープもしくはラベル、接着テープもしくはラベル、または粘着テープもしくはラベルとして知られる。 接着剤組成物のタイプとは無関係に、2つの比較的薄い平坦な基体が接着剤組成物の薄層で接合される場合、その結果はしばしばラミネートと呼ばれる、本発明の方法は、ラミネート、特には屈曲性ラミネートを含む、様々なタイプの複合物品の調製に有用である。 ラミネートは軽量かつ屈曲性であるパッケージを提供するのに用いられる。 典型的には、ラミネートは、接合性組成物によって同一のポリマーフィルム、異なるフィルム、および/または金属ホイルに接合された様々なポリマーフィルムの組合せから形成される。 ラミネートの重量を最小限に止め、屈曲性を維持し、かつコストを最小限に止めるため、接合性組成物を低塗布重量で用いることが望ましい。 本発明の方法は接着テープおよび/またはラベルの調製にも有用である。
    【0003】
    不透明基体から作製されるものを含む接着性または複合物品の調製を可能にする新規コーティングおよび接合方法が望まれる。 これらの目的に対するアプローチの1つは、液体状態の接着剤の層を塗布した後、その液体層を高温および/または放射線、例えば、紫外(UV)線または電子ビーム(E−ビーム)線に露出することである。
    放射線によって硬化される接着剤は米国特許出願2002/0016381号によって開示されており、これはビニル改質ブロック共重合体を含有する接着剤を記載する。 しかしながら、ビニル改質ブロック共重合体は一般的な材料ではなく、潜在的に高価で、かつ作製および/または入手が潜在的に困難である。 さらに、ビニル改質ブロック共重合体を含有する配合物はしばしば非常に高い粘性を有し、これがその配合物を基体上にコートすることを困難にする。 接着剤の作製において有用である成分のクラスはポリマーナノ粒子(PNP)のクラスである;PNPの作製および使用方法の幾つかが米国特許出願10/097256号に開示されている。
    【0004】
    【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0016381号明細書【0005】
    本発明の目的は、PNPが存在しない接着剤と比較して改善されている以下の特性のうちの少なくとも1つを有する接着剤組成物を提供することにある:湿潤組成物においては、改善されたレオロジーおよび湿潤フィルム一体性(すなわち、グリーン強度);乾燥組成物においては、改善された比接着、ピール−ビルド特性(peel−build characteristics)、可塑剤および溶媒マイグレーションに対する耐性、気体遮断特性、低温処理に対する改善されたレオロジー、並びに接着性物品に改善された変換、切断、および剥離を付与するエッジウーズ(ooze)および流動の減少。
    【0006】
    (発明の記載)
    本発明の第1の態様においては、少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含み、ここで、該接着剤組成物は、全てのポリマー成分の総重量を基準にして80重量%〜100重量%の、1nm〜50nmの平均粒子直径を有するポリマーナノ粒子を含み、該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含む、接着性物品が提供される。
    【0007】
    本発明の第2の態様においては、少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含み、ここで、該接着剤組成物は、
    (a)非性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該非水性媒体中で少なくとも1種類のポリマーを重合させる、
    ことを含むプロセスによって作製される、接着性物品が提供される。
    【0008】
    本発明の第3の態様においては、少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含み、ここで、該接着剤組成物は、
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該分散液を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される、接着性物品が提供される。
    【0009】
    本発明の第4の態様においては、少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含み、ここで、該接着剤組成物は、
    (a)ポリマーナノ粒子の濃縮物を提供し、ここで、該濃縮物は該濃縮物の総重量を基準にして80重量%〜100重量%のポリマーナノ粒子を含有し、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該分散液を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される、接着性物品が提供される。
    【0010】
    本発明の第5の態様においては、少なくとも1つの基体および少なくとも1つの接着剤組成物を含み、ここで、該接着剤組成物は、
    (a)水性媒体中の液滴の分散液を提供し、ここで、該液滴はモノマー分子およびポリマーナノ粒子を含み、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該モノマー分子を、懸濁重合、ミニエマルジョン重合、マイクロエマルジョン重合、他のインシチュー重合法、およびそれらの混合法からなる群より選択される方法によって重合する、
    ことを含むプロセスによって作製される、接着性物品が提供される。
    【0011】
    本発明の第6の態様においては、接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は全てのポリマー成分の総重量を基準にして80重量%〜100重量%の、1nm〜50nmの平均粒子直径を有するポリマーナノ粒子を含有し、該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含む方法が提供される。
    【0012】
    本発明の第7の態様においては、接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は、
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)少なくとも1種類のポリマーを該非水性媒体中で重合させる、
    ことを含むプロセスによって作製される方法が提供される。
    【0013】
    本発明の第8の態様においては、接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は、
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該分散液を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される方法が提供される。
    【0014】
    本発明の第9の態様においては、接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は、
    (a)ポリマーナノ粒子の濃縮物を提供し、ここで、該濃縮物は該濃縮物の総重量を基準にして80重量%〜100重量%のポリマーナノ粒子を含有し、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該分散液を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される方法が提供される。
    【0015】
    本発明の第10の態様においては、接着性物品の形成方法であって、少なくとも1つの接着剤組成物の層を基体に塗布することを含み、該接着剤組成物は、
    (a)水性媒体中の液滴の分散液を提供し、ここで、該液滴はモノマー分子およびポリマーナノ粒子を含み、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該モノマー分子を、懸濁重合、ミニエマルジョン重合、マイクロエマルジョン重合、他のインシチュー重合法、およびそれらの混合法からなる群より選択される方法によって重合する、
    ことを含むプロセスによって作製される方法が提供される。
    【0016】
    本発明の第11の態様によると、
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該非水性媒体中で少なくとも1種類のポリマーを重合させる、
    ことを含むプロセスによって作製される接着剤組成物が提供される。
    【0017】
    本発明の第12の態様においては、
    (a)非水性媒体中のポリマーナノ粒子の分散液を提供し、ここで、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該分散液を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着剤組成物が提供される。
    【0018】
    本発明の第13の態様においては、
    (a)ポリマーナノ粒子の濃縮物を提供し、ここで、該濃縮物は該濃縮物の総重量を基準にして80重量%〜100重量%のポリマーナノ粒子を含有し、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該濃縮物を少なくとも1種類のポリマーと混合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着剤組成物が提供される。
    【0019】
    本発明の第14の態様においては、
    (a)水性媒体中の液滴の分散液を提供し、ここで、該液滴はモノマー分子およびポリマーナノ粒子を含み、該ポリマーナノ粒子は1nm〜50nmの平均粒子直径を有し、かつ該ポリマーナノ粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含み、並びに(b)該モノマー分子をインシチュー重合法によって重合する、
    ことを含むプロセスによって作製される接着剤組成物が提供される。
    【0020】
    (詳細な説明)
    本発明の実施はポリマーナノ粒子を含有する接着剤組成物の使用を含む。 接着剤組成物は任意に1種類以上のポリマーも含み、かつ接着剤組成物は任意に他の成分をさらに含むことができる。
    【0021】
    ここで用いられる場合、「分散液」という用語は、少なくとも2つの相を含み、第1相が第2相中に分配され、第2相が連続媒体である物質の物理的状態を指す。 この連続媒体は「分散媒体」とも呼ばれる。 「水性」媒体は、ここでは、その水性媒体の重量を基準にして50重量%〜100重量%が水である媒体を意味する。 「非水性」媒体は、ここでは、その非水性媒体の重量を基準にして0重量%〜50重量%未満が水である媒体を意味する。 「水性分散液」および「非水性分散液」によってここで意味されるものは、それぞれ、水性媒体中の分散液および非水性媒体中の分散液である。
    【0022】
    ここで用いられる「(メタ)アクリル」はアクリルおよびメタクリルの両者を含み、用語「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートの両者を含む。 同様に、用語「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミドおよびメタクリルアミドの両者を指す。 「アルキル」は直鎖、分岐鎖および環状アルキル基を含む。
    【0023】
    流体」によって意味されるものは、例えば#25スピンドルを備えるBrookfield粘度計モデルDVIを用いる、標準法による測定で、25Pa・s(25,000cps)以下の粘度を有する液体である。 粘度を測定する温度は基体への塗布が考慮される温度である。
    【0024】
    「硬化性」部分は、ここで用いられる場合、1つ以上の硬化条件への露出に際し、少なくとも1つの他の部分への化学的結合を形成するのに十分な化学的反応性を含む部分である。 硬化性部分は、同じであるか、もしくは異なる部分への化学的結合を形成する。 例えば、硬化性部分は、ポリマーナノ粒子、基体、接着剤組成物の他の成分、またはポリマー組成物への化学的結合を形成することができる。 化学的結合は、ここでは、硬化性部分および他の部分が物理的手段、例えば、溶媒中での溶解によってではなく、さらなる化学的反応によってのみ再分離可能であることを意味する。 多くの実施形態において、硬化性部分は、それらが硬化条件への露出に際して同一の、類似の、または(ここで以下に定義されるように)相補的な反応性基と反応することができる官能基を含むために硬化性である。
    【0025】
    モノマーは、比較的少ない分子量、通常は1,000以下を有する重合性化合物である。 オリゴマーは、2〜10モノマー単位の直鎖、分岐鎖、または星状構造の化合物である;オリゴマーの分子量はモノマー単位の分子量によって変化するが、典型的なオリゴマーは10,000以下の分子量(Mn、すなわち、ゲル濾過クロマトグラフィーによって測定されるような数平均分子量)を有する。 ポリマーは、11以上のモノマー単位の、典型的には、10,000を上回るMnを有する直鎖、分岐鎖、櫛状構造、星状構造、または架橋した化合物である。 「樹脂」という用語は、ポリマーまたはオリゴマーのいずれかを意味するのに用いられる。
    【0026】
    ここで用いられる場合、「固体」または「固体成分」は、PNP、重合性化合物、ポリマーおよび残りの(すなわち、PNP、ポリマー、および重合性化合物以外の)固体成分を意味する。 残りの固体成分は、純粋形態で、25℃で固体であるものである。 組成物の固体レベルは、組成物の総重量のパーセンテージとして表される、全ての固体の重量の合計である。 組成物の総固体重量を基準にする組成物の成分の固体重量%は、その組成物の固体レベルで除した、それのみで単離されたその成分の重量の100倍を意味する。
    【0027】
    本発明の実施形態の幾つかにおいては、接着剤組成物は感圧性接着剤(PSA)、ドライボンドラミネート接着剤、コールドシール接着剤、および/またはヒートシール接着剤として有用である。 一般には、まずPSA接着剤組成物を基体に塗布して乾燥させる;この第1基体および乾燥接着剤組成物の組合せが本発明の接着性物品の一例である。 乾燥したPSAは、しばしば、その剥離表面を除去した後に乾燥したPSAを第2基体と接触させることによって複合物品を形成することが望まれるまで剥離表面と接触させて保存される。
    【0028】
    幾つかの実施形態においては、接着剤組成物を流体として基体に塗布する;その流体は溶媒または分散媒体を含むことができる;その代わりに、流体は溶媒または分散媒体を含まなくてもよい。 接着剤組成物が流体状態にあるとき、それをここでは「湿潤」組成物と呼ぶ。 幾つかの実施形態においては、溶媒または分散媒体の存在のために;他の実施形態においては、成分が溶媒または分散媒体の存在なしに流体を形成するために;他の実施形態においては、接着剤組成物がその接着剤組成物を溶融させるのに十分な高さの温度まで加熱されているか、または他の方法で流体になっているために、接着剤組成物が湿潤である。 幾つかの実施形態においては、これらの原因の2つ以上が同時に作用して接着剤組成物を湿潤にする。
    【0029】
    本発明の実施形態の幾つかにおいては、接着剤組成物は湿潤組成物から「乾燥」組成物になり、これはここでは、接着剤組成物がもはや流体ではない(すなわち、その粘度が、その接着剤組成物が流体として機能するには高すぎるものとなる)ことを意味する。 幾つかの実施形態においては、溶媒または分散媒体が蒸発するために;他の実施形態においては、流体中の成分が重合および/または硬化するために;他の実施形態においては、流体として機能するには高すぎる粘度を有するのに十分なほど流体が冷却されるために、湿潤接着剤組成物が乾燥する。 幾つかの実施形態においては、これらの原因の2つ以上が同時に作用して接着剤組成物を乾燥させる。
    【0030】
    湿潤から乾燥に変化するプロセスは、ここでは、「乾燥」として知られる。 乾燥のプロセスを改善するものと思われる条件は、ここでは、「乾燥条件」(例えば、溶媒蒸発のプロセスによって乾燥させる実施形態のうち、幾つかの実施形態は乾燥の速度および/または効率を改善するのに高温および/または強制空気を用いる)として知られる。 乾燥の間、他のプロセス、例えば、化学反応、例えば、硬化(重合および/または硬化を含む);並びに物理的プロセス、例えば、フロキュエーション、凝集、ポリマー粒子の融合、ポリマー鎖のエンタングルメント、およびそれらの組合せが生じ得ることも考慮される。 さらに、幾つかの実施形態においては、長時間に渡って乾燥が生じ(例えば、乾燥が比較的遅い重合を含むプロセスによって生じる場合)、そのため乾燥条件には、乾燥が生じるのに十分な時間、湿潤接着剤組成物をそのまま(基体と接触した状態または大気中に曝された状態のいずれか)にしておくことが含まれることが考慮される。
    【0031】
    乾燥条件に呼応する硬化反応を含む実施形態(ここでは「硬化実施形態」と呼ばれる)においては、接着剤組成物および乾燥条件は、好ましくは、硬化反応が有用な方法で進行するように選択される。 硬化実施形態の実施においては、乾燥条件は「硬化条件」と同義である。
    【0032】
    本発明の実施は1ナノメートル(nm)〜50nmの範囲の平均直径を有するポリマー粒子の使用を含み、これらの粒子は、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含む。 ここでポリマーナノ粒子(「PNP」)と呼ばれるこれらのポリマー粒子は付加ポリマーであり、重合単位として、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを含む。 本発明において有用である適切な多エチレン性不飽和モノマーには、ジ−、トリ−、テトラ−、またはより高次の多官能性エチレン性不飽和モノマー、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルピリジン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリビニルシクロヘキサン、アリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、例えば、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコール600ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリルプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、ジビニルフェニルシラン、トリビニルフェニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、テトラビニルシラン、ジメチルビニルジシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、ポリ(ビニルヒドロシロキサン)、ポリ(フェニルビニルシロキサン)、並びにそれらの混合物が含まれる。
    【0033】
    典型的には、PNPは、それらのPNPの重量を基準にして少なくとも1重量%の、少なくとも1種類の重合された多エチレン性不飽和モノマーを含む。 PNPの重量を基準にして100重量%以下の重合された多エチレン性不飽和モノマーを本発明の粒子において有効に用いることができる。 重合された多エチレン性不飽和モノマーの量は、PNPの重量に基づく重量基準で、1%〜80%であることが好ましく、より好ましくは1%〜60%、最も好ましくは1%〜25%である。
    【0034】
    PNPは、重合単位として、多エチレン性不飽和モノマーではない様々な他のモノマーのうちの1種類以上を任意に含む。 重合単位としての、PNP中の多エチレン性不飽和モノマーではないモノマーの適切な量は、PNPの重量を基準にして0%〜99%であり;好ましいのは20%〜99%であり;より好ましいのは40%〜99%であり;最も好ましいのは75%〜99%である。 幾つかの適切な他のモノマーには、例えば、C −C 24アルキル(メタ)アクリレート、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、およびノナデシル(メタ)アクリレート、並びにそれらの混合物が含まれる。 他の適切なモノマーには、例えば、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−メチル−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、および2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが含まれる。 酢酸ビニル、ビニルバーサテート(vinyl versatate)、およびジイソブチレン;ウレイド含有モノマー、例えば、N−(エチレンウレイドエチル)−4−ペンテンアミド、N−(エチレンチオウレイド−エチル)−10−ウンデセンアミド、ブチルエチレンウレイド−エチルフマレート、メチルエチレンウレイド−エチルフマレート、ベンジルN−(エチレンウレイド−エチル)フマレート、およびベンジルN−(エチレンウレイド−エチル)マレアメート(maleamate)も適切である。 ビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルキシレン、およびノニルフェノキシプロペニルポリエトキシル化アルコールも適切である。 ビニル芳香族モノマーは、それらの対応する適切な対応物、例えば、ハロゲン化誘導体、すなわち、1種類以上のハロゲン基、例えば、フッ素、塩素または臭素を含むもの;並びにニトロ、シアノ、(C −C 10 )アルコキシ、ハロ(C −C 10 )アルキル、(C −C 10 )アルコキシ、カルボキシ等を含むものも含む。
    【0035】
    例えば、アリルモノマー、酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンおよび臭化ビニリデンを含む置換エチレンモノマーも本発明のPNPの幾つかの実施形態において重合単位として含めるのに適切である。
    【0036】
    幾つかの実施形態においては、PNPは、さらに、重合単位として、少なくとも1種類の水溶性モノマーを含む。 ここで「水溶性モノマー」によって意味されるものは、25℃の温度で少なくとも7重量%、好ましくは少なくとも9重量%、最も好ましくは少なくとも12重量%の水中での溶解度を有するモノマーである。 モノマーの水溶性のデータは、例えば、″Polymer Handbook″(Second Edition,J.Brandrup,E.H.Immergut,Editors,John Wiley & Sons,New York)および″Merck Index″(Eleventh Edition,Merck & Co,Inc.,Rahway,New Jersey)に見出される。 水溶性モノマーの例には、エチレン性不飽和イオン性モノマーおよびエチレン性不飽和水溶性非イオン性モノマーが含まれる。 水溶性ではないモノマーは、ここでは、「水不溶性」モノマーとして知られる。
    【0037】
    幾つかの実施形態においては、PNPは、重合単位として、少なくとも1種類のイオン性エチレン性不飽和モノマーを含み、これによってここで意味されるものは、PNPが水性媒体中に分散した場合にイオン電荷を担持するモノマーである。 イオン性エチレン性不飽和モノマーは、ここでは「イオン性モノマー」と呼ばれる。 イオン性モノマーは多エチレン性不飽和であってもそうではなくてもよい。 適切なイオン性モノマーには、例えば、酸含有モノマー、塩基含有モノマー、四級窒素含有モノマー、および続いてイオン性モノマーに形成され得る他のモノマー、例えば、酸−塩基反応によって中和されてイオン性モノマーを形成することができるモノマーが含まれる。 適切な酸基には、カルボン酸基および強酸基、例えば、リン含有酸およびイオウ含有酸が含まれる。 適切な塩基基にはアミンおよびアミドが含まれる。
    【0038】
    PNPが酸含有モノマーを重合単位として含む本発明の実施形態において、適切な酸含有モノマーには、カルボン酸モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリルオキシプロピオン酸、およびクロトン酸;ジカルボン酸モノマー、例えば、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、およびシトラコン酸;並びにジカルボン酸基の半エステルを有するモノマー、例えば、1つのカルボン酸官能性および1つのC 1−6エステルを含有するモノマーが含まれる。 好ましいものはアクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物である。 例えば、イオウ含有酸モノマー、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンスルフィン酸、およびビニルスルフィン酸;並びに、リン含有酸モノマー、例えば、2−ホスホエチル(メタ)アクリレート、ビニルリン酸、ビニルホスフィン酸を含む強酸モノマーも適切である。 他の適切な酸モノマーには、米国特許第5,710,227号に開示されるもののような末端不飽和酸含有マクロモノマーが含まれる。 リン含有酸モノマーは、それらが特定の物質(例えば、金属)への改善された付着をもたらすため、望ましい。
    【0039】
    PNPが塩基含有モノマーを重合単位として含む本発明の実施形態において、適切な塩基含有モノマーには、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、p−アミノスチレン、N,N−シクロヘキシルアリルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミン、N−エチルジメチルアリルアミン、クロチルアミン、およびN−エチルメタアリルアミンを含む、アミン官能性を有するモノマー;2−ビニルピリジンおよび4−ビニルピリジンを含む、ピリジン官能性を有するモノマー;ピペリジン官能性を有するモノマー、例えば、ビニルピペリジン;並びに、ビニルイミダゾールを含む、イミダゾール官能性を有するモノマーが含まれる。 他の適切な塩基含有モノマーには、オキザゾリジニルエチル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、置換ジアリルアミン、2−モルホリノエチル(メタ)アクリレート、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、塩化2−トリメチルアンモニウムエチルメタクリル酸等が含まれる。
    【0040】
    幾つかの実施形態においては、PNPは、重合単位として、少なくとも1種類の両性モノマーを含むことができる。 適切な両性モノマーには、例えば、N−ビニルイミダゾリウムスルホネート内部塩およびN,N−ジメチル−N−(3−メタクリルアミドプロピル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタインが含まれる。
    【0041】
    幾つかの実施形態においては、PNPは、重合単位として、少なくとも1種類のエチレン性不飽和水溶性非イオン性モノマー(ここでは、「水溶性非イオン性モノマー」と呼ばれる)を含む。 水溶性非イオン性モノマーの例には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸のポリ(アルキレンオキシド)エステル、例えば、ポリ(エチレンオキシド) 20メタクリレートおよびポリ(プロピレンオキシド) 150アクリレート;アクリルアミド;並びにメタクリルアミドが含まれる。
    【0042】
    本発明のPNPは、官能基を含むモノマー(ここでは「官能性モノマー」とも呼ばれる)を重合単位として含むことによってもたらされる、官能基を任意に含む;このようにして導入される官能基は、ここでは「一次」官能基として知られる。 US5,270,380において教示されるように、一次官能基を有するPNPを取り、それらの一次官能基を適切な改質化合物と反応させることによって他の官能基をPNPに任意に結合させることができる。 一般には、改質化合物と一次官能基との反応は非ラジカルである。 適切な改質化合物は、PNPの一次官能基と有用に反応するあらゆる化合物である;しかしながら、改質化合物は、それらがPNPの官能性を変化させるのに用いられるときに最も有用であると考えられる。 すなわち、ほとんどの改質化合物は少なくとも1つの「連結」官能基および少なくとも1つの「二次官能」基を同じ分子上に有する。 一般には、連結官能基がPNPの一次官能基と反応して改質化合物とPNPとの間に結合を形成する;このようにして、PNPの一次官能基の幾つかまたは全てが二次官能基に変換される。 二次官能基は次の改質化合物と反応させることによってさらに改質可能であることが考慮される。
    【0043】
    様々な官能基が本発明における使用に適する。 あらゆる適切な官能基を一次官能基、連結官能基、および/または二次官能基として用いることができる。 適切な官能基には、例えば、アセトアセテート、アルデヒド、アミンまたは他の塩基、無水物、イソシアネート、エポキシ、ヒドラジド、カルボキシルまたは他の酸、カルボジイミド、ハロゲン化物、クロロ−メチルエステル、クロロメチルアミン、ヒドロキシル、アジリジン、メルカプタン、不飽和、チオール、およびそれらの混合物が含まれる。
    【0044】
    本発明の実施において、ある官能基が異なる官能基と反応して有用な結合を形成することができるときにはいつでも、そのような官能基の対はここでは「相補的」と呼ばれる。 例えば、第1部分上のヒドロキシル官能基を第2部分上のカルボキシル官能基と反応させてそれらの部分の間に結合(この例においてはエステル連結)を形成するようにすることができる。 相補的である官能基の対には、例えば、(a)アセトアセテート−アルデヒド;(b)アセトアセテート−アミン;c)アミン−アルデヒド;(d)アミン−無水物;(e)アミン−イソシアネート;(f)アミン−エポキシ;(g)アルデヒド−ヒドラジド;(h)酸−エポキシ;(i)酸−カルボジイミド;(j)酸−クロロメチルエステル;(k)酸−クロロメチルアミン;(l)酸−アルコール;(m)酸−無水物;(n)酸−アジリジン;(o)エポキシ−メルカプタン;および(p)イソシアネート−アルコールが含まれる。
    【0045】
    改質化合物を用いる本発明の実施形態において、PNPの一次官能基と改質化合物の連結官能基との反応は、二者択一的に、イオンまたは共有結合のいずれかをもたらす。 適切なイオン結合には、酸−塩基相互作用並びに負電荷原子および正電荷原子のイオン対結合が含まれる。 共有結合は、PNP上の相補的官能基(すなわち、「一次」官能基)と改質化合物上の相補的官能基(すなわち、「連結」官能基)との化学反応を実施することによってもたらされる。 相補的反応基のあらゆる対において、各々の対における第1または第2の反応可能な基がPNPまたは改質化合物中に存在することができる。
    【0046】
    本発明の実施において、エポキシ官能性をPNP上の一次官能基として提供する例は、グリシジル(メタ)アクリレートおよび/またはアリルグリシジルエーテルを重合単位としてPNPに含めることによって作製されるPNPである。 一次官能性を提供するのに適する他のモノマーには、例えば、無水物、例えば、無水マレイン酸、エステル、例えば、メチルアクリレート、およびハロゲン化物含有官能性モノマーが含まれる。 適切なハロゲン化物含有官能性モノマーには、例えば、ビニル芳香族ハロゲン化物およびハロ−アルキル(メタ)アクリレートが含まれる。 適切なビニル芳香族ハロゲン化物には、塩化ビニルベンジルおよび臭化ビニルベンジルが含まれる。 適切なハロ−アルキル(メタ)アクリレートにはクロロメチル(メタ)アクリレートが含まれる。 他の適切な官能性モノマーには、塩化アリル、臭化アリル、および塩化(メタ)アクリル酸が含まれる。
    【0047】
    本発明の実施において、不飽和をPNP上の二次官能基として提供する例は、ヒドロキシル官能性モノマー、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレートをPNPにおける重合単位として含めることによって作製されるPNPである;完成したPNPを、次に、アクリル酸と反応させることができる。 アクリル酸の酸基をPNPのヒドロキシル基と反応させ、アクリル基の未反応二重結合を含むアクリル官能性をPNPの二次官能性として有するPNPを生じさせることが考慮される。
    【0048】
    本発明の実施において、PNPを提供するのに適する方法の1つは、少なくとも1種類の溶媒中に分散したPNPを含む非水性PNP分散液を調製するものである。 ここで「非水性」媒体によって意味されるものは、その非水性媒体の重量を基準にしてゼロ重量%〜50重量%未満の水を含む媒体である。
    【0049】
    非水性PNP分散液を調製する適切な重合プロセスは、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマー、および任意の、少なくとも1種類の他のモノマーのフリーラジカル溶液重合である。 ここで「溶液重合」によって意味されるものは、そのポリマーに適する溶液中でのフリーラジカル付加重合である。 ここで「ポリマーに適する溶媒」によって意味されるものは、PNPと実質的に類似の重合モノマー単位を有する直鎖ランダム(コ)ポリマーがその溶媒に可溶であることである。 適切な溶媒または溶媒の混合液を選択するための別の方法は溶解度パラメータ分析の使用に基づく。 そのような方法によると、PNPおよび溶媒の溶解度パラメータ、例えば、デルタd、デルタp、デルタhおよびデルタvのVanKrevelenパラメータが実質的に一致することによって溶媒の溶解度が決定される。 例えば、Van Krevelenら、Properties of Polymers. Their Estimation and Correlation with Chemical Structure,Elsevier Scientific Publishing Co. ,1976;Olabisiら、Polymer−Polymer Miscibility,Academic Press,NY,1979;Colemanら、Specific Interactions and the Miscibility of Polymer Blends,Technomic,1991;およびA. F. M. Barton,CRC Handbook of Solubility Parameters and Other CohesionParameters,2 nd Ed. ,CRC Press,1991を参照。 デルタdは分散相互作用の尺度であり、デルタpは極性相互作用の尺度であり、デルタhは水素結合相互作用の尺度であり、並びにデルタvは分散および極性相互作用の両者の尺度である。 このような溶解度パラメータは、例えば、グループ寄与法によって代わりに算出され、または、当該技術分野において公知のように、実験的に決定される。 好ましい溶媒は、ポリマーのデルタvパラメータの5(立方センチメートル当たりのジュール) 1/2以内、好ましくは1(立方センチメートル当たりのジュール) 1/2以内のデルタvパラメータを有する。 重合に適する溶媒には、有機溶媒、例えば、炭化水素;アルカン;ハロ炭化水素;塩素化、フッ化、および臭素化炭化水素;芳香族炭化水素;エーテル;ケトン;エステル;アルコール;並びにそれらの混合液が含まれる。 特に適する溶媒には、PNPの組成に依存して、ドデカン、メシチレン、キシレン、ジフェニルエーテル、ガンマ−ブチロラクトン、酢酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カプロラクトン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびアルキル−アルコール、例えば、イソプロパノール、デカノール、およびt−ブタノール;並びに超臨界二酸化炭素が含まれる。
    【0050】
    幾つかの実施形態においては、非水性PNP分散液は、まず反応容器に溶媒、またはその代わりに、溶媒およびモノマーの幾らかの部分の混合物をチャージすることによって調製される。 モノマー・チャージは、典型的には、モノマー、開始剤、および連鎖移動剤を含んでなる。 当該技術分野において公知の適切な低温または高温開始剤を用いて開始温度より低く、または高くすることは可能ではあるが、典型的には、開始温度は55℃〜125℃の範囲にある。 ヒール・チャージが重合を開始するのに十分な温度に到達した後、モノマー・チャージまたはモノマー・チャージの残部を反応容器に添加する。 モノマー・チャージ期間は、より短期間およびより長期間の両者も想定されるものの、典型的には15分〜4時間の範囲である。 モノマー・チャージの間、反応温度を変化させることも可能ではあるが、典型的には反応温度を一定に保つ。 モノマー混合物の添加が完了した後、さらなる溶媒中の開始剤を反応にチャージすることができ、および/または反応混合物を当座の間保持することができる。
    【0051】
    PNP粒子のサイズおよび分布の制御は、溶媒の選択、開始剤の選択、総固体レベル、開始剤レベル、多官能性モノマーのタイプおよび量、イオン性モノマーのタイプおよび量、連鎖移動剤のタイプおよび量、並びに反応条件のような方法のうちの1つ以上によって達成することができる。
    【0052】
    本発明のフリーラジカル重合において有用な開始剤には、例えば、ペルオキシエステル、アルキルヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、アゾ開始剤、ペルスルフェート、レドックス開始剤等のうち1種類以上が含まれる。 用いられるフリーラジカル開始剤の量は、典型的には、総モノマーの量を基準にして、0.05〜10重量%である。 連鎖移動剤は、本発明において有用なPNPの重合の程度を制御するのに任意に用いられる。 適切な連鎖移動剤には、例えば、アルキルメルカプタン、例えば、ドデシルメルカプタン、活性化水素を有する芳香族炭化水素、例えば、トルエン、およびハロゲン化アルキル、例えば、ブロモトリクロロエタンが含まれる。
    【0053】
    PNPは1nm〜50nmの範囲、好ましくは1nm〜40nmの範囲、より好ましくは1nm〜30nm、さらにより好ましくは1nm〜25nm、さらに好ましくは1nm〜20nm、最も好ましくは1nm〜10nmの平均直径を有する。 さらに、PNPは少なくとも1.5nm、好ましくは少なくとも2nmの平均粒子直径を有することが典型的である。 PNPの粒子サイズ(平均粒子直径)を決定する方法の1つは、標準動的光散乱技術を用いることによるものであり、ここでは相関関数をラプラス逆変換法、例えば、CONTINを用いて流体力学的サイズに変換することができる。
    【0054】
    典型的には、重合単位として10重量%未満の多エチレン性不飽和モノマーを含むPNPは、モジュレイテッド示差走査熱量測定によって測定された際、重合された多エチレン性不飽和モノマーが存在しない状態の組成物について−90℃〜170℃のガラス転移温度を有する。 重合単位として少なくとも50重量%の多エチレン性不飽和モノマーを含むPNPは、少なくとも50℃のガラス転移温度を有するものと考えられる。
    【0055】
    本発明のPNPは、典型的には、5,000〜1,000,000の範囲、好ましくは10,000〜500,000の範囲、より好ましくは15,000〜100,000の範囲の「見かけの重量平均分子量」を有する。 ここで用いられる場合、「見かけの重量平均分子量」は、標準ゲル浸透クロマトグラフィー法を用い、例えば、40℃のTHF溶媒、3Plgel(登録商標)カラム(Polymer Labs、Amherst、MA)、100オングストローム(10nm)、10 オングストローム(100nm)、10 オングストローム(1ミクロン)、長さ30cm、内径7.8mm、毎分1ミリリットル、100μl注入容積、Polymer Labs CALIBRE(登録商標)ソフトウェアを用いるナローポリスチレン標準に対する較正を用いるPNP粒子のサイズを反映する。
    【0056】
    本発明の幾つかの実施形態はPNPを非水性媒体中に溶解および/または分散させることを含み、それ故、そのような実施形態におけるPNPはその実施形態において用いられる非水性媒体中に分散性および/または可溶でなければならない。 そのような実施形態においては、非水性媒体中で持続性であるイオンを有するモノマーを重合単位として含まないPNPを用いることが好ましい。 「持続性」イオンを有するモノマーは、ここで用いられる場合、PNP中に重合単位として含められた後、および非水性媒体中での溶解および/または分散の後に、その媒体中でイオン電荷を備える化学基を有するモノマーである。 例えば、アクリル酸はここで定義される「イオン性」モノマーではあるが、多くの有機溶媒に溶解したとき、中性形態のままである。 したがって、アクリル酸はそのような溶媒中で持続性イオンを持たず、そのような溶媒中で用いるPNPにおける重合単位として本発明において用いるのに適する。 対照的に、幾つかのモノマーは持続性イオンを備える基、例えば、幾つかのリン含有酸基および幾つかのイオウ含有酸基を有する;すなわち、そのようなモノマーは、特定の有機溶媒に溶解したときでさえイオン形態のままである。 例えば、幾つかのリン酸塩および硫酸塩(すなわち、対応する酸のイオン形態)は幾つかの有機溶媒中でイオン形態であり続けることが公知である;そのようなイオン形態は、非極性溶媒のみを含む非水性媒体中よりも極性溶媒を含む非水性媒体中でより持続的になりうると思われている。 そのような持続性イオンを備えるモノマーは、そのイオンが持続性である非水性媒体中で用いられるPNPにおいて重合単位として用いるには好ましいものではない。
    【0057】
    本発明の実施において、PNPは硬化性であっても、非硬化性であっても、またはそれらの混合物であってもよい。 硬化性PNPを用いる実施形態の幾つかにおいては、硬化性PNPは、硬化条件に露出されたとき、同一の、類似の、または相補的な反応基と反応することが可能である官能基を含む。 PNPに結合するこれらの官能基は一次または二次官能基であり得る。
    【0058】
    PNPは、望ましくは、分離しているかまたは凝塊しておらず、かつ接着剤組成物と/その中で、およびポリマー組成物中で分散性、混和可能であるかまたは実質的に相溶性である。
    【0059】
    本発明の幾つかの実施形態においては、PNPに加えて、接着剤組成物は重合可能である1種類以上の化合物を含有する。 適切な重合性化合物は、モノマー、オリゴマー、樹脂、ポリマー、またはそれらの混合物であり得る。 重合性化合物として機能するあらゆるオリゴマー、樹脂、またはポリマーは、硬化条件への露出の間またはその後に、さらに重合可能でなければならない。 適切な重合性化合物の各々の分子は、重合反応に関与することが可能な1つ以上の反応基を有することができる。
    【0060】
    成分が媒体中に溶解または分散される実施形態において、好ましい重合性化合物はその媒体に相溶する(すなわち、その媒体中に溶解および/または分散可能な)ものである。
    【0061】
    重合性化合物として本発明において用いるのに適する化合物の好ましいクラスはアクリル化合物であり、これは(メタ)アクリル基を含むあらゆる化合物である。 適切なアクリル化合物には、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル、(メタ)アクリル酸の付加物および/または他の官能性化合物を有する(メタ)アクリレートエステル、およびそれらの混合物が含まれる。 重合性化合物としての使用に適する(メタ)アクリル酸のエステルのうちにあるものは、例えば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;(メタ)アクリル酸のヒドロキシル含有エステル、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸の環含有エステル、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート; 他の基、例えば、エチレンオキシド、アリル基、グリシジル基等を含む(メタ)アクリル酸のエステル;およびそれらの混合物である。
    【0062】
    本発明の重合性化合物として用いるのに適するアクリル化合物のクラスにさらに含められるものは、上記アクリル化合物のいずれかと他の官能性化合物、例えば、エポキシ化合物、イソシアネート、またはホスフェート化合物との付加物である。
    【0063】
    本発明において重合性化合物として用いるのに適するアクリル化合物のさらに別の群はアクリル硬化性オリゴマー;すなわち、完全に、または部分的に(メタ)アクリルモノマーから作製される硬化性モノマーである。 硬化性オリゴマーは、残留アクリル性二重結合またはここで上に開示される他の官能基のいずれかのような官能基を有する。 幾つかの適切なそのような硬化性オリゴマーが米国特許出願10/135258号に開示されている。
    【0064】
    化合物は、合成または製造の方法に関わりなく、それらの化学構造故に本発明における使用に適する。 したがって、ここでの化合物の説明において、「エステル化」および「付加物」および「エトキシル化」のような用語は、それらの化学物質の作製方法に関わりなく、化学構造を説明するのに用いられることは理解されるであろう。
    【0065】
    (メタ)アクリレート化合物に加えて、他の重合性化合物が本発明において重合性化合物として用いるのに適する。 適切な化合物には、例えば、エチレン性不飽和化合物、例えば、酢酸ビニル、酢酸ビニルの誘導体、置換酢酸ビニル化合物、スチレン、置換スチレン、例えば、アルファ−メチルスチレン、およびそれらの混合物が含まれる。 硬化条件への露出の間またはその後に重合または共重合することが可能である他の化合物、例えば、ウレタン、エポキシド、無水物、開環重合が可能である化合物、およびそれらの混合物も適する。
    【0066】
    本発明において重合性化合物としての使用に適する化合物の別の群は、硬化条件に露出されたときにさらに硬化することが可能なポリマーである。 そのようなポリマーの一群は、1つまたは2つの末端エチレン性不飽和基を有する;そのようなポリマーの幾つかの水不飽和の例が米国特許出願09/951924号に開示されている。
    【0067】
    本発明における使用に適する重合性化合物のあらゆる混合物も重合性化合物として適する。
    【0068】
    本発明の接着剤組成物が重合性化合物を含有するとき、重合性オリゴマー、重合性ポリマー、およびそれらの混合物が好ましい;重合性ポリマーがより好ましい。
    【0069】
    本発明の幾つかの実施形態においては、PNPに加えて、接着剤組成物は重合可能ではない(すなわち、「非重合性」)化合物を1種類以上含む。 適切なさらなる非重合性化合物の例には、例えば、ポリマー;樹脂;希釈剤;溶媒;粘着付与剤;色素;乳化剤;殺生物剤;可塑剤;非硬化性PNP;ワックス;造膜助剤;緩衝剤;中和剤;発泡抑制剤もしくは消泡剤;および組成物の流動を改善し、組成物による基体の湿潤を補助し、泡を減少させ、または組成物の粘度を調整する添加物が含まれる。 接着剤組成物中の成分は溶液中、分散液中、またはそれらの混合液中に存在し得る。 溶媒をほとんど、または全く用いない接着剤組成物が好ましい。 高い固体レベルを有する接着剤組成物も一般には好ましい。
    【0070】
    本発明の接着剤組成物は、他の成分と化学的に反応はするが、それ自体では重合することのない1種類以上の成分をさらに含むことができる。 これらの化学物質の幾つかは接着剤組成物中の1種類以上のポリマーに結合するようになり、他のものは結合しない、そのような化合物の例には、例えば、乾燥および/または硬化プロセスを改善すると思われるもの、例えば、開始剤(例えば、光開始剤、熱開始剤、レドックス開始剤等を含む)、触媒、促進剤、乾燥剤、鎖転移剤、架橋剤、およびそれらの混合物が含まれる。
    【0071】
    広く様々な架橋剤が本発明の接着剤組成物における使用に適する。 当該技術分野における熟練者は、架橋剤および接着剤組成物の他の部分の官能基が、望ましくは、それらが互いに相互作用して乾燥接着剤組成物中で架橋を形成するように選択されることを認めるであろう。 幾つかの実施形態においては、架橋剤と他の官能基との相互作用の幾つかが湿潤接着剤組成物において生じる。 好ましい実施形態においては、架橋剤および他の官能基は湿潤接着剤組成物においては実質的に相互作用しない;すなわち、架橋の大部分または全てが、接着剤組成物が基体に塗布され、かつ乾燥条件に露出された後に形成される。 これらの架橋はイオン性であっても、部分的にイオン性であっても、部分的に共有結合であっても、共有結合であっても、またはそれらの混合であってもよい。 架橋剤の好ましいクラスの1つは金属キレートである;アルミニウムアセチルアセトナートがより好ましい。 金属キレートが用いられるとき、それらをさらなる量のキレート化合物と組み合わせて用いることが好ましい。 幾つかの実施形態においては、好ましいキレート化合物は揮発性である;本発明は特定の機構に限定されるものではないが、キレート化合物が乾燥プロセス中に蒸発し、それが金属キレート中の金属を乾燥接着剤組成物中の基と反応させるものと信じられる。 例えば、アルミニウムアセチルアセトナートが用いられるとき、それを2,4−ペンタンジオンとの混合物中で用いることが好ましい。
    【0072】
    幾つかの実施形態においては、PNPは重合溶媒中の分散液として用いられる。 幾つかの実施形態においては、PNPは、例えば、真空蒸発により、非溶媒中への沈殿により、および噴霧乾燥により単離される。 単離する場合、続いて、幾らかのPNPを接着剤組成物中に組み込むのに適する媒体中に再分散させることができる。 単離が望ましい場合、その方法はPNPおよび接着剤組成物の性質に従って選択されることが考慮される。 20℃を上回るTgを有する幾らかのPNPは、単離されたとき、幾つかの実施形態において望ましいものであり得る自由流動性粉末を生じ、それに対して20℃未満のTgを有する幾らかのPNPは単離されたときに粘着性であるか、または他の点で取り扱いが困難である。
    【0073】
    幾つかの実施形態においては、乾燥接着剤組成物中のポリマー成分は、乾燥接着剤組成物中の全てのポリマー成分の総固体重量を基準にして、80固体重量%〜100固体重量%のPNPである。 90固体重量%〜100固体重量%が好ましい。 これらの実施形態はここでは「PNPのみ」と呼ばれ、ここで上述されるように、PNPに加えて、通常の非ポリマー性接着助剤を含むことができる。 これらのPNPのみの実施形態には、例えば、例えば、PNPが連続媒体中に溶解または分散している配合物が含まれる。 その代わりに、幾つかのPNPのみの実施形態においては、溶媒または他の連続媒体を含まない配合物中でPNPが用いられる。 PNPのみの実施形態においては、PNPは硬化性であっても、非硬化性であっても、またはそれらの混合であってもよい。 硬化性PNPが含まれる場合、乾燥接着剤組成物は、しばしば、PNPの反応基の反応生成物を含む。 PSA中での使用については、Tgは好ましくは−70℃〜−10℃の範囲、より好ましくは−70℃〜−35℃である。 乾燥接合ラミネート接着剤については、Tgは好ましくは−50℃〜50℃の範囲、より好ましくは−30℃〜25℃、さらにより好ましくは−10℃〜10℃である。 ヒートシール接着剤については、Tgは好ましくは−20℃〜50℃、より好ましくは10℃〜30℃である。 加えて、ヒートシール接着剤の弾性率は、25℃〜100℃の範囲の温度で、好ましくは1×10 ダイン/cm〜9×10 ダイン/cm、より好ましくは2×10 ダイン/cm〜5×10 ダイン/cmである。 コールドシール接着剤については、Tgは好ましくは−100℃〜10℃の範囲、より好ましくは−50℃〜0℃である。
    【0074】
    本発明の幾つかの実施形態においては、湿潤接着剤組成物はPNPおよび少なくとも1種類の他のポリマーを含む。 他のポリマーは、例えば以下のものを含む、広く様々な方法のいずれか、またはこれらの方法の組み合わせによって組成物に含めることができる:PNPの非水性分散液において、モノマー分子を分散液に導入した後、それらを重合させる;少なくとも1種類のポリマーをPNPの非水性分散液と混合する;ポリマーを純粋または濃縮PNPと混合する。 適切なポリマーは、例えば、アクリルポリマー;天然ゴム;ブタジエンおよびイソプレンのポリマーおよびコポリマーを含む合成ゴム;ポリエステル;ポリウレタン;およびそれらの混合物を含む、当該技術分野において公知のあらゆるポリマーである。 アクリルポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、並びにそれらの混合物およびコポリマーが好ましい;アクリルポリマーがより好ましい。
    【0075】
    PNPおよび少なくとも1種類の他のポリマーを含む本発明の実施形態においては、本発明の接着剤組成物におけるPNPの適切な固体重量パーセンテージは、接着剤組成物の総固体重量を基準にして、典型的には0.1固体重量%〜99固体重量%、より典型的には0.25固体重量%〜75固体重量%、さらにより典型的には0.5固体重量%〜50固体重量%、さらにより典型的には0.75固体重量%〜25固体重量%、最も典型的には1固体重量%〜10固体重量%である。 15固体重量%未満のレベルで用いられるとき、PNPは添加物と呼ばれる;15固体重量%以上で用いられるとき、PNPは配合剤と呼ばれる。
    【0076】
    本発明の幾つかの実施形態においては、湿潤接着剤組成物は、非水性媒体中のPNPの分散液を提供し、次いでその媒体中の少なくとも1種類のポリマーを重合させることを含むプロセスによって作製される。 これらの実施形態はここでは「二次重合」実施形態と呼ばれ、PNPの媒体中で形成されるポリマーは「二次ポリマー」と呼ばれる。 二次重合実施形態は、PNPが組成物全体を通して均一に、ランダムに分布する接着剤組成物をもたらすものと信じられる。 幾つかの二次重合実施形態においては、PNPは二次ポリマーと化学的に反応する少なくとも1つの反応基を有する;この相互作用は重合の間またはその後に生じ得る。 他の二次重合実施形態においては、PNPは望ましくは重合の後に媒体中に分散したままであり、かつ望ましくは乾燥接着剤組成物中に分散するが、PNPは二次ポリマーと化学的に反応しない;すなわち、乾燥接着剤組成物においては、二次ポリマーは望ましくは連続媒体である。
    【0077】
    本発明の幾つかの実施形態(ここでは、「ポリマー混合」実施形態と呼ばれる)においては、PNPの非水性分散液を少なくとも1種類の他のポリマーと混合する。 幾つかのポリマー混合実施形態においては、他のポリマーの溶液または分散液をPNPの非水性分散液と混合することによってこの結果を達成する;それらの成分および混合方法は、望ましくは、その混合物において、PNPおよび他のポリマーの両者が溶解および/または分散するように選択される。
    【0078】
    本発明の幾つかの実施形態(ここでは、「濃縮実施形態」と呼ばれる)においては、純粋または濃縮PNPをポリマーと混合する。 濃縮によって意味されるものは、組成物の総重量を基準にして80重量%〜100重量%のPNPを含有する組成物である;そのような組成物はここではPNP濃縮物と呼ばれる。 PNP濃縮物は、ここで上述されるように、PNPの単離から生じる。 これらの濃縮実施形態においては、PNP濃縮物を、溶媒または分散媒体の存在を伴うか、または伴わずに、少なくとも1種類の他のポリマーと混合する。 溶媒または分散媒体を伴わない実施形態においては、しばしば、PNP濃縮物および他のポリマーを、例えば、押出機のような装置内において高温で混合する。 溶媒または分散媒体を含む濃縮実施形態においては、成分は、望ましくは、PNPと他のポリマーが溶媒または分散媒体に溶解または分散するように選択される。
    【0079】
    本発明の幾つかの実施形態はPNPの存在下における水性モノマーエマルジョンの重合を含む。 重合技術においては、水性モノマーエマルジョンを出発物質の1つとして用いてポリマーを生成する多くの方法が公知である。 本発明はこれらの方法のいずれでも実施することができるが、好ましい方法(ここでは、「インシチュー重合」法と呼ばれる)は重合全体を通してのエマルジョン液滴の保存を含む。 すなわち、インシチュー重合の出発成分の1つは、モノマー液滴が水性媒体中に分散し、通常は少量の表面活性剤で安定化されている水性モノマーエマルジョンである;続いて、インシチュー重合の間、所定の液滴中のモノマー分子の大部分は重合を受けながらもその液的中に留まる;そのようにして、モノマー液滴は大部分が、または完全に、ポリマーで作製される粒子になる。 インシチュー重合として適するプロセスの幾つかには、例えば、懸濁重合、ミニエマルジョン重合、マイクロエマルジョン重合、およびそれらの組み合わせであるプロセスが含まれる。
    【0080】
    インシチュー重合を含む本発明の実施形態の幾つかにおいては、モノマーエマルジョン液滴の幾らか、または全てがPNPを含む。 これらの実施形態の幾つかにおいては、PNPの幾らか、または全てを濃縮した後、水性媒体、モノマー、およびあらゆる他の成分と混合してPNP含有モノマーエマルジョンを形成することができる。 他の実施形態においては、モノマーおよび任意の表面活性剤をPNPの非水性分散液に添加してPNP含有モノマーエマルジョンを形成することができる。 PNP含有モノマーエマルジョンが形成されても、次にインシチュー重合が行われる。 本発明はいかなる特定の機構にも限定されるものではないが、インシチュー重合によって形成されるポリマー粒子の多く、または全てがPNPを含有するものと信じられる。
    【0081】
    本発明の全ての実施形態において、接着剤組成物はPNPおよび任意の他のポリマーに加えて他の成分を任意に含む。
    【0082】
    本発明の実施においては、接着剤組成物を基体に塗布する。 塗布は、例えば、手動または機械的延展を含むあらゆる手段によって行うことができる。 適切な塗布方法には、例えば、ローラーコーティング、逆ローラーコーティング、ロッドコーティング、グラビアコーティング、Meyerロッドコーティング、カーテンコーティング、スロットダイコーティング等が含まれる。 接着剤組成物は室温(20℃〜25℃)で塗布することができ;高温(すなわち、室温を上回る温度)で塗布することができ;または低温(すなわち、室温を下回る温度)で塗布することができる。 典型的には、接着剤組成物の粘度を低下させて塗布方法の操作を改善することが望ましい場合、高温塗布を行う。 高温塗布が用いられる場合、その温度は、接着剤組成物を塗布する間の重合が防止または最小化されるように選択される;高温塗布を行う場合、一般には70℃以下で行なう。 典型的には、硬化反応の速度を低下させることが望ましい場合に低温塗布を行う;低温塗布は、しばしば、(ここで以下に論じられる)2パックシステムを含む実施形態において用いられる。
    【0083】
    本発明の実施において、塗布された接着剤組成物の層は連続層または不連続層を形成することができる。 接着剤組成物の塗布層の厚みは均一であっても変化してもよい。 基体に塗布される接着剤組成物の量は基体に依存し、かつその複合物品の用途に依存する。 幾つかの実施形態においては、塗布された接着剤コーティングの好ましい厚みは0.5μm〜200μmである。 幾つかの実施形態においては、塗布される接着剤組成物の好ましい量は少なくとも0.16g/m (0.1lb/ream)である。 また、幾つかの実施形態においては、塗布される接着剤組成物の好ましい量は40g/m (25lb/ream)以下でもある。 PSAについては、塗布される接着剤組成物の好ましい量は15g/m (10lb/ream)〜23g/m (15lb/ream)である。 ラミネート接着剤については、塗布される接着剤組成物の好ましい量は0.8g/m (0.5lb/ream)〜5g/m (3lb/ream)である。
    【0084】
    本発明の幾つかの実施形態においては、接着剤組成物を第1基体に塗布した後、それを次の基体と接触させて組立体を形成する。 この組立体には、例えばそれをローラーの間に通過させることにより、任意に圧力を印加して基体と接着剤組成物との接触の増加を達成する。 別の実施形態においては、接着剤組成物を同時に、または連続的に第1基体の二面に塗布し、次にそのコートされた表面を同時に、または連続的に次の2つの基体に接合させることができる。 この次の2つの基体は、第1基体と、および互いに、同じであっても異なっていてもよい。 さらに、続いてこの複合物品を、同じであるかまたは異なる接着剤を用いて、ここで説明されるプロセスの前または後に、1つ以上の他の基体に接合させ得ることが考慮される。 また、複合物品を形成するのに広く様々な基体の配置およびポリマー接着剤層が使用可能であることも考慮される。 例えば、複数の基体を複数の接着剤層と、例えば多層ラミネートにおいて、交互にすることができる。 別の例として、幾つかの実施形態においては、各々がそれ自体の基体に塗布されている接着剤組成物の層を一緒にすることができる。
    【0085】
    本発明の接着剤組成物は基体、例えば、置換エチレンポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、または複合配合体のシートおよびフィルムを含むプラスチック;金属化フィルム;織物および不織布;並びに紙に塗布することができる。 この組成物は、基体の前処理、例えば、化学的な下塗り、処理された剥離ライナー、またはコロナもしくはフレーム処理表面の有無に関わらず塗布することができる。 化学的な下塗りは、PNPの有無を問わない接着剤組成物のプレコートであり得、または代わりの下塗り組成物であり得る。 基体上の接着剤コーティングは、典型的には、40℃〜200℃の温度で乾燥し、または乾燥させる。
    【0086】
    本発明の幾つかの実施形態においては、接着剤組成物の層を第1基体に塗布した後、その接着剤組成物の層の幾らかまたは全てを相当の期間いかなる次の基体とも接触させないままとし、その間は、接着剤組成物を剥離表面と接触させても接触させなくてもよい。 接着剤組成物を乾燥状態に露出した後には、基体およびポリマー組成物の組合せは接着性物品である。 基体および接着剤組成物の成分は、望ましくは、乾燥接着剤組成物が基体に良好に接着するように選択される。 これらの実施形態は接着剤組成物がPSAであるときに特に有用である。
    【0087】
    次の基体と接触させる前に接着剤組成物を乾燥させるこれらの実施形態の幾つかにおいては、固体レベルは、しばしば、望ましくは、他の実施形態において見出される固体レベルよりも低い。 すなわち、他の実施形態と同様に、成分を溶媒または分散媒体に溶解または分散させることができる。 しかしながら、次の基体が存在しない状態においては、溶媒および/または分散媒体は硬化反応が生じる間中またはその直後に適度な時間でより容易に蒸発する。 したがって、低固体コーティング実施形態については、接着剤組成物の適切な固体レベルは、接着剤組成物の重量を基準にして、10%以上であり;20%以上が好ましく;40%以上がより好ましく;60%以上がさらにより好ましい。
    【0088】
    幾つかの実施形態(ここでは、「乾燥」実施形態と呼ばれる)においては、接着剤組成物は、いかなる有意の程度の硬化も発生することなしに、乾燥する。 乾燥実施形態は、例えば、湿潤接着剤組成物の溶融からの冷却、溶媒および/または分散媒体、および/またはそれらの混合液の蒸発を含む。
    【0089】
    幾つかの実施形態(ここでは、「硬化」実施形態と呼ばれる)においては、乾燥プロセスが硬化性および/または重合性成分の有意の程度の硬化を含む。 本発明はいかなる特定の機構または化学反応にも限定されるものではないが、硬化実施形態においては、乾燥条件への露出に際し、接着剤組成物中のあらゆる重合性化合物が重合することが考慮される。 重合性化合物は単官能性、多官能性、またはそれらの混合であり得、それ故、形成されるポリマーは直鎖、分岐鎖、櫛構造、星構造、および/または架橋であり得る。 そのようなタイプのポリマーの全てが本発明の実施における使用に考慮される。 ここで用いられる場合、「重合」はポリマーを形成する分子の化学反応を指す;巨大ポリマーを形成する硬化性ポリマーの互いの、または他の分子との反応が含まれる;多官能性分子が含まれるとき、重合プロセスは「架橋」とも呼ばれる。 架橋の有無を問わず、重合はしばしば「硬化」と呼ばれる。 本発明の実施においては、硬化条件への露出に際し、接着剤組成物が重合、硬化、および/または架橋のいずれか、またはそれらの全てを受け得ることが考慮される。
    【0090】
    本発明の硬化実施形態の実施においては、硬化条件への露出に際し、接着剤組成物中の硬化性部分(すなわち、重合性化合物および/または硬化性PNP)が互いとの、または接着剤組成物の他の成分との化学反応を受けて硬化する。
    【0091】
    本発明の硬化実施形態の幾つかにおいては、生じるこれらの化学反応は2種類以上の相補的反応性基の間および/またはそのうちでのものである。 幾つかの硬化実施形態においては、接着剤組成物中の幾つかの部分がA官能基を有し、かつ他の部分がB官能基を有し、ここでAおよびBは相補的である;そのような実施形態は、ここでは、不均一硬化実施形態として知られる。 これらのA基およびB基は、独立に、十分なAおよびB基が提供される限り、接着剤組成物中のPNPの幾らかまたは全ておよびあらゆる重合性化合物の幾らかまたは全てに結合することができ、それにより硬化条件への接着剤組成物の露出に際してポリマー組成物が形成される。 例として、幾つかの実施形態は:B官能性重合性化合物を伴うA官能性PNP;B官能性PNPを伴うA官能性PNP並びにAおよび/またはB官能基を有する重合性化合物を含む。 ここで上に論じられる相補的官能基の対のいずれもが本発明の不均一硬化実施形態において用いるためのA/B対として適する。 あらゆる相補的対のいずれのメンバーもA官能基またはB官能基のいずれかとして機能するように選択することができ、これに対して、相補対の他方のメンバーはそれぞれB官能基またはA官能基として機能するように選択される。
    【0092】
    幾つかの硬化実施形態は、その硬化を生じるため、接着剤組成物が環境成分、例えば、空気および/または水に露出されることを必要とすることが考慮される。 そのような実施形態の実施においては、そのような環境成分への露出が、必要に応じて、例えば、(例えば、噴霧による)直接塗布または(例えば、多孔性基体を通した拡散による)間接塗布によって達成されることが考慮される。 そのような実施形態においては、通常、硬化反応を阻止するため、層または接着剤組成物が基体に塗布されるまで、接着剤組成物を大気との接触から隔離して保存する。
    【0093】
    本発明の実施においては、接着剤組成物は1パックシステムであっても2パックシステムであってもよい。 1パックシステムは、成分が全て一緒に混合された後に長期間保存されているが、本発明の実施において有用なままである接着剤組成物である。 すなわち、1パックシステムは、層として塗布されるその可能性または接着性物品における接着層として機能するその可能性のいずれかを失うことなく、1週間以上;好ましくは1ヶ月以上;より好ましくは1年以上;最も好ましくは2年以上保存することができる。 1パックシステムを接着剤組成物に用いる本発明の実施形態は、乾燥実施形態および硬化実施形態を含むことが考慮される。 1パックシステムを用いる硬化実施形態を実施するとき、反応基は、接着剤組成物が単に混合をなすこと以外の硬化条件に露出されるまで硬化反応が生じないように選択される。
    【0094】
    多パックシステムは2つ以上の前駆体接着剤組成物の組合せであり、これは、別々に保存した後、互いに混合して組立体が形成される少し前に本発明の接着剤組成物を形成することができる。 本発明の実施形態のほとんどは2パックシステムを用いて実施することができるが、2パックシステムの使用は、不均一硬化実施形態を比較的迅速に互いに反応する反応基を用いて実施するときに最も有利であることが考慮される。 例えば、あるパックは(ここで上述されるような)官能性Aを有する1つ以上の部分を含むことができ、それに対して別のパックは相補的官能性Bを有する1つ以上の部分を含むことができる;これらのパックを混合したときに生じる反応が有用な方法でポリマー組成物の形成に寄与する場合、この反応基を有する部分の混合は本発明の硬化条件を構成する。
    【0095】
    本発明の2パック実施形態の実施においては、多くの場合において、これらの群が互いに反応するため、接着剤組成物の粘度が上昇する。 群間の反応は、接着剤組成物の粘度が依然として25Pa・s(25,000cps)未満である間に組立体を組み立てることができるのに十分な時間がなければならない;好ましくは、その粘度は10秒以上;より好ましくは1分以上;最も好ましくは5分以上、25Pa・s(25,000cps)未満のままである。 一般には、パックの混合で生じる反応が有用な方法でポリマー組成物の形成に寄与するとき、この寄与はパックを混合したときに生じる粘度の上昇を測定することによって観察することができる。 好ましくは、この混合は5日以下;より好ましくは、2日以下;さらにより好ましくは、1日以下で50Pa・s(50,000cps)の粘度に到達する。
    【0096】
    幾つかの2パック実施形態においては、反応基を有する部分の混合が有用なポリマー組成物を形成するのに十分な硬化条件である。 他の実施形態においては、高温および/または照射のさらなる硬化条件が用いられる。 2パックシステムを用いる実施形態について、好ましい硬化条件は反応基の混合および照射の組合せである;反応基の混合および電子ビーム照射の組合せがより好ましい。
    【0097】
    本発明の幾つかの実施形態においては、接着剤組成物を1つ以上の硬化条件に処する。 幾つかの実施形態においては、これらの条件が接着剤組成物の幾らかまたは全てを硬化させる(すなわち、化学的に反応してポリマーになる)。 適切な硬化の最小程度は、有用である結合力を創出し、かつ非重合材料の量を許容し得るレベルまで低下させるのに十分な程度である。
    【0098】
    高温を本発明の乾燥条件の全てまたは一部として用いる場合、適切な温度は70℃以上であり;80℃以上が好ましい。 接着性物品の実質的ないかなる劣化を回避するのに十分な低さの温度も好ましく;250℃以下が好ましく;200℃以下がより好ましく;150℃以下がさらにより好ましい。 この高温を複合物品の所望の特性がもたらされるのに十分な長さの持続期間維持する;高温の持続期間は、一般には、より高い温度が用いられる場合により短い。
    【0099】
    相補的反応基を有する部分の混合を本発明の乾燥条件の全てまたは一部として用いる実施形態については、2パックシステムが通常用いられることが考慮される。 そのような実施形態においては、相補的反応基の反応が、粘度が高すぎるものになる前に接着剤組成物を基体に塗布することを可能にするのに十分な遅さであるように成分が選択される。 幾つかの実施形態においては、基体への接着剤組成物の塗布を低温で行い、これは化学反応を遅くさせるものと思われる。 相補的反応基を有する部分の混合が主な、または唯一の硬化条件である実施形態においては、相補的反応基の反応が、望ましくは短時間内に、複合物品が有用な接着力を有することが可能であるのに十分な速さでもあるように成分が選択される。 有用な実施形態は、相補的反応基の混合を他のタイプの硬化条件、例えば、高温(おそらくは、低温でのコーディングとそれに続く高温での効果を含む)および/または照射と組み合わせる。 相補的反応基を有する部分の混合が硬化条件として用いられるとき、それらの材料は、接着剤組成物の高温塗布、硬化の間の発熱性化学反応、照射の熱への変換、および/または他の原因のため、室温より暖まることが考慮される。
    【0100】
    本発明の幾つかの実施形態においては、接着剤組成物は1パックシステムである。 この接着剤を基体に塗布し;次に、その接着剤組成物を第2基体と任意に接触させ;次いで、その流体を乾燥条件に露出する。
    【0101】
    本発明の幾つかの実施形態においては、接着剤組成物は2パックシステムである。 各々のパックの成分は、それらのパックが一緒に混合されたとき、そのようにして形成される接着剤組成物が30秒を上回るが24時間未満は流体のままであるように選択される。 接着剤組成物が流体のままである間に、それを基体に塗布する。 次の基体を接着剤組成物と任意に接触させ、次に流体を乾燥条件に露出する。
    【0102】
    本発明の幾つかの実施形態においては、接着剤組成物は硬化性PNPを含むが、他の反応性、硬化性、または重合性成分は含まない。
    【0103】
    本発明の幾つかの実施形態においては、接着剤組成物は非硬化性PNPおよびPNPではないが重合性成分を含む他の成分を含有する。
    【0104】
    本発明の幾つかの実施形態においては、接着剤組成物は硬化性PNP、PNPではないが重合性化合物を含む他の成分を含有する。
    【0105】
    本明細書および請求の範囲の目的のため、ここに列挙される範囲および割合の限度は組み合わせることが可能であることは理解されるであろう。 例えば、60〜120および80〜110の範囲が特定のパラメータについて列挙されている場合、60〜110および80〜120の範囲も考慮されることは理解される。 さらに、1および2の最小範囲値が列挙され、3、4、および5の最大範囲値が列挙される場合、以下の範囲が全て考慮される:1〜3、1〜4、1〜5、2〜3、2〜4、および2〜5。
    【0106】
    以下の実施例においては、これらの略語が用いられる:
    MIBK=メチルイソブチルケトンAA=アクリル酸MMA=メチルメタクリレートTMPTA=トリメチロールプロパントリアクリレートBA=n−ブチルアクリレートDEGDMA=ジエチレングリコールジメタクリレートDMAPMA=ジメチルアミノプロピルメタクリレートTMPTA=トリメチロールプロパントリアクリレートOPP=配向ポリプロピレンmil=25.4μm(0.001インチ)
    LPO=過酸化ラウリルSLS=ラウリル硫酸ナトリウム2−EHA=2−エチルヘキシルアクリレートKPS=過硫酸カリウムMA=メチルアクリレートDI=脱イオンされた【0107】
    (実施例)
    実施例1:PNPの調製MMA/BA/AA/TMPTA(35/35/20/10重量%)のPNPを以下のように溶液重合によって調製した:5リットル反応器に熱電対、温度コントローラ、パージガス導入口、パージガス排出口を備える水冷還流コンデンサー、攪拌機、およびモノマー供給ラインを取り付けた。 別の容器に、157.5g MMA、157.5g BA、90.0g AA、および45.00g TMPTAからなるモノマー混合物(A)450.0gをチャージした。 さらに別の容器に、ミネラルスピリット中のt−アミルペルオキシピバレートの75%溶液(Trigonox(登録商標)125−C75、AkzoNobel、シカゴ、IL)18.00gおよび112.50gイソプロピルアルコールからなる開始剤混合物(B)をチャージした。 2325.00gイソプロピルアルコールのチャージを反応器に添加した。 反応基を窒素で約30分間掃引した後、熱を加えて反応器チャージを79℃にした。 反応器の内容物が79℃に到達したとき、モノマー混合物(A)および開始剤混合物(B)の両者の2つの供給を反応器に加えた。 この2つの混合物は供給ポンプを用いて120分にわたって均一に供給した。 モノマーおよび開始剤供給の最後に、そのバッチを79℃で30分間保持した後、ミネラルスピリット中のt−アミルペルオキシピバレートの75%溶液(Trigonox(登録商標)125−C75)9.00g、および22.50gイソプロピルアルコールからなる3回の追加開始剤チャージの第1のものを添加した。 第1の開始剤チャージ添加の30分後に第2の開始剤チャージ添加を行った。 同様に、第2の開始剤チャージ添加の30分後に最終開始剤チャージ添加を行った。 その後、そのバッチを79℃の重合温度でさらに2.5時間保持し、モノマーの完全な変換を達成した。 最終保持の最後に、アンモニアの28%水溶液42.5gmおよび450.00gの水の混合液でバッチを中和した。 中和したポリマー溶液をロートエバポレーターに移し、溶媒を〜35℃、減圧で除去した。 平均粒子直径は5nmであった。
    【0108】
    実施例2:PNPの調製実施例1の手順に従い、BA/AA/TMPTA(70/20/10)のPNPを調製する。 平均粒子サイズは5nmである。
    【0109】
    実施例3:さらなるPNPの調製実施例1の手順に従い、2−EHA/AA/TMPTA(70/20/10)のPNPを調製する。 平均粒子サイズは5nmである。
    【0110】
    実施例4:ポリマー/PNP複合体のミニエマルジョンの調製組成90 MMA/10 DEGDMAのPNPをMIBK中に5%の固体レベルで調製する。 この組成物の1000g試料を2リットルフラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下でMIBKを除去する。
    【0111】
    【表1】

    上記混合物を反応器に入れ、安定なミニエマルジョンを得るため、30分間ホモジネートする。 その後、スチレンモノマーを重合させるため、温度を75℃に2時間上昇させる。 室温までに冷却したら直ちに、その物質を濾過してキャラクタライズした。


    【0112】


    実施例5:ポリマー/PNP複合体のミニエマルジョンの調製MIBK中、5%の固体レベルで調製した組成54 MMA/26 BA/10 DMAPMA/10 DEGDMAのPNPを用いることを除いて実施例4のプロセスに従い、ミニエマルジョンを調製する。


    【0113】


    実施例6:溶媒性接着剤組成物95 BA/5 AAのベースポリマーを50/50酢酸エチル/トルエンで作製される溶媒中の溶液として調製し、酢酸エチル中の実施例2のPNPの分散液と混合する。 混合はベンチトップミキサで行い、混合物が均一になるまで攪拌する。 生じる混合物は、60%溶媒、38%ベースポリマー、および2%PNPの接着剤組成物である。


    【0114】


    その混合物を38μm厚の配向ポリプロピレン(OPP)フィルム上にドローダウンする;この湿潤接着剤組成物の厚みは5μmである。 そのコートされたフィルムを80℃で3分間オーブン内に入れた後、ゴムローラーを用いて手動によって圧力を印加することにより、別の38μmOPP片をかぶせる。 その後、そのラミネートを約140kPaのニップ圧力、40℃で一対のローラーに通す。 そのラミネートをt−ピール接着によって試験すると、25.4mm幅の試料について25℃および65℃で約250gの分離力を有する。 このラミネートは低ニップ圧力で良好な接着性を有し、PNPなしで作製された類似のラミネートよりも良好な剪断力を有する。


    【0115】


    実施例7:架橋剤を含有する溶媒接着剤接着剤組成物が0.5%アルミニウムアセチルアセトナートおよび1% 2,4−ペンタジオンをさらに含有することを除いて、実施例6と同様にラミネートを調製する。


    【0116】


    実施例8:コールドシールラミネート接着剤組成物を実施例7の方法により、同じベースポリマーおよび組成70 MMA/20 AA/10 TMPTAを有するPNPを用いて調製する。


    【0117】


    この場合、湿潤接着剤組成物の2.5μm層を有する2つのコートされたOPPフィルムを調製し、それを実施例7と同様に乾燥させる。 この2つの乾燥接着剤層を互いにあわせ、実施例7と同様に圧力を印加する。 t−ピール接着は25.4mm幅の試料について350gの分離力である。


    【0118】


    実施例9:二次重合法実施例3の方法を用いて、50/50酢酸エチル/トルエン中に5固体重量%のPNPの分散液を調製する。 反応容器を窒素でパージし、550gのPNP分散液を加え、加熱して還流させる。 508g 2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、343gメチルアクリレート(MA)、および58g氷アクリル酸(AA)を混合し、モノマー溶液として調製する。 45g酢酸エチル、74gトルエン、および0.5g過酸化ラウリル(LPO)を混合し、開始剤供給溶液として調製する。 61gトルエンおよび5g LPOのチェイス溶液を調製する。 175g酢酸エチルおよび38gトルエンの希釈溶液を調製する。 77gトルエン、54gイソプロピルアルコール、2.7gアルミニウムアセチルアセトナート、および4.6g 2,4−ペンタンジオンの後添加溶液を調製する。 その後、同時に、モノマー溶液(170分にわたって)および開始剤溶液(180分にわたって)を攪拌および還流を維持しながら添加する。 それらの供給が終了したとき、窒素散布を停止し、溶液を1時間保持する。 次いで、チェイス溶液を120分にわたって添加する。 反応溶液を45℃に冷却し、希釈および後添加溶液を添加して、その反応物を30分環攪拌する。


    【0119】


    その溶液を50μm(2mil)厚ポリエステルフィルム上にコートして乾燥させ、20μm(0.8mil)の乾燥コーティング厚を得る。 コートされたフィルムを接着テープとして評価すると、良好な粘着、ピール、剪断、およびコンバーティング特性を示す;剪断および変換特性はPNPなしで作製された類似のテープを上回って改善される。


    【0120】


    実施例10:二次重合法実施例3のPNPの分散液を、ロータリーエバポレーターを用いて50重量%固体に変更する。 生じる分散液を、実施例7の方法を用いて、配向ポリプロピレン上にコートしてラミネートする。 t−ピール試験は望ましく強力な接着性を示す。

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