Insulation product with a bio-based binder

申请号 JP2013556848 申请日 2012-03-01 公开(公告)号 JP2014515793A 公开(公告)日 2014-07-03
申请人 オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー; 发明人 クリストファー エム ホーキンス; ジーザス マヌエル ヘルナンデス−トーレス; リアン チェン; エドワード アラン マーティン; ジェイコブ チャッコ;
摘要 繊維断熱製品は、炭 水 化物および架橋剤を含む水性バインダー組成物を有する。 例示的な実施形態において、炭水化物ベースバインダー組成物はまた、触媒、カップリング剤、加工助剤、架橋 密度 向上剤、増量剤、耐湿剤、粉塵抑制オイル、着色剤、腐食防止剤、界面活性剤、pH調整剤、およびこれらの組合せも含み得る。 炭水化物は、天然由来であってもよく、再生可能資源から得られてもよい。 少なくとも1つの例示的実施形態において、炭水化物は、デキストリンまたはマルトデキストリンなどの 水溶性 多糖であり、架橋剤はクエン酸である。
权利要求
  • 複数のランダム配向繊維;および 前記繊維の少なくとも一部に適用されたバインダー組成物を含み、前記バインダー組成物が、
    2〜20のデキストロース当量数を有する少なくとも1種の炭水化物;および 少なくとも1種の架橋剤の反応生成物を含む、繊維断熱製品。
  • 硬化した状態の前記バインダー組成物が、少なくとも1種のポリエステルを含む、請求項1に記載の繊維断熱製品。
  • 前記少なくとも1種の炭水化物が、ペクチン、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、変性デンプン、デンプン誘導体およびこれらの組合せからなる群から選択される水溶性多糖である、請求項1に記載の繊維断熱製品。
  • 前記架橋剤が、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、酸無水物、酸無水物を有するモノマー性カルボン酸、酸無水物を有するポリカルボン酸、クエン酸、クエン酸の塩、アジピン酸、アジピン酸の塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリアクリル酸系樹脂およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項3に記載の繊維断熱製品。
  • 添加されたホルムアルデヒドを含まない、請求項1に記載の繊維断熱製品。
  • 第1の主表面および第2の主表面を有するマットの形態の、複数のランダム配向ガラス繊維;および 前記マットの前記第1の主表面を少なくとも部分的にコーティングするバインダー組成物を含み、前記バインダー組成物が、
    2〜20のデキストロース当量数を有する少なくとも1種の炭水化物;および 少なくとも1種の架橋剤の反応生成物を含む、不織繊維製品。
  • 硬化した状態の前記バインダー組成物が、少なくとも1種のポリエステルを含む、請求項6に記載の不織マット。
  • 前記少なくとも1種の炭水化物が、ペクチン、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、変性デンプン、デンプン誘導体およびこれらの組合せからなる群から選択される水溶性多糖である、請求項6に記載の不織マット。
  • 前記架橋剤が、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、酸無水物、酸無水物を有するモノマー性カルボン酸、酸無水物を有するポリカルボン酸、クエン酸、クエン酸の塩、アジピン酸、アジピン酸の塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリアクリル酸系樹脂およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項6に記載の不織マット。
  • 前記バインダー組成物が、カップリング剤、加工助剤、増量剤、pH調整剤、触媒、架橋密度向上剤、脱臭剤、酸化防止剤、粉塵抑制剤、殺生物剤および耐湿剤からなる群から選択される少なくとも1種の構成要素をさらに含む、請求項6に記載の不織マット。
  • 添加されたホルムアルデヒドを含まない、請求項6に記載の不織マット。
  • 複数のランダム配向ガラス繊維;および 前記繊維の少なくとも一部に適用された、ホルムアルデヒドを含まない熱硬化性のバイオベースバインダー組成物を含み、前記バインダー組成物が、
    反応性ヒドロキシル基を有する少なくとも1種の炭水化物;および 反応性カルボン酸基を有する少なくとも1種の架橋剤を含む、繊維製品。
  • 回転繊維化法によって製造される、約0.3〜約4pcfの密度を有する軟質低密度製品である、請求項12に記載の繊維製品。
  • 約1.5〜約10pcfの密度を有する硬質製品である、請求項12に記載の繊維製品。
  • 約3〜約8pcfの密度を有する、請求項14に記載の繊維製品。
  • 約1.5〜約10pcfの密度を有する硬質製品であり、パイプの断片に合う円筒状に造形されている、請求項12に記載の繊維製品。
  • エアレイド法によって製造される不織製品であり、約0.8〜約4pcfの密度を有する、請求項12に記載の繊維製品。
  • 说明书全文

    本発明は、広くは、繊維断熱製品および不織マットに関し、より詳細には、添加されたホルムアルデヒドを含まず、環境に優しいバイオベースバインダーを含む繊維断熱製品に関する。

    通常の繊維は、強化材、テキスタイル、ならびに遮音材および断熱材を含めて、様々な用途に有用である。 鉱物繊維(例えば、ガラス繊維)は、典型的には、特定の用途に応じて、断熱製品および不織マットに用いられるが、ポリプロピレン、ポリエステル、および多成分繊維のような有機繊維は、断熱製品または不織マットを成形するのに、単独で、または鉱物繊維と組み合わせて使用され得る。
    繊維断熱材は、典型的には、ポリマー、ガラスまたは他の鉱物の溶融組成物を繊維化し、繊維化装置、例えば、回転式スピナーにより細い繊維を紡ぐことによって製造される。 断熱製品を成形するために、回転式スピナーによって製造される繊維は、ブロアによって、スピナーからコンベヤに向けて、下方に引かれる。 繊維が下方に移動する時、繊維上にバインダー材料がスプレーされ、繊維は集められて、コンベヤ上で嵩高い連続ブランケットになる。 バインダー材料は、断熱製品に、梱包後の回収のための弾性(resiliency)を付与し、また、断熱製品を取り扱い、必要に応じて建築物の断熱キャビティに適用できるように、剛性(stiffness)および取扱適性をもたせる。 バインダー組成物はまた、フィラメント間の磨損から繊維を保護し、個々の繊維の間の適合性を高める。

    バインダーでコーティングされた繊維を含むブランケットは、次いで、硬化オーブンを通過し、バインダーが硬化されて、ブランケットを所望の厚さに固定する。 バインダーが硬化した後、繊維断熱材は、個々の断熱製品とするために、ある長さに切断され、断熱製品は、顧客の所在地への出荷のために、梱包され得る。 製造される典型的な1つの断熱製品は、軟質断熱バットまたはブランケットであり、これは、住宅における壁断熱材として、または、建築物の屋根裏および床の断熱キャビティにおける断熱材として用いられるのに適している。 別の一般的な断熱製品は、空気吹込み(air−blown)またはバラ詰め(loose−fill)断熱であり、これは、住宅および商業建築物における側壁および屋根裏の断熱材として、さらには届きにくい位置において用いるのに適している。 バラ詰め断熱材は、断熱材ブランケットから切断され、圧縮され、袋詰めされる、小さな立方体からなる。
    不織マットは、通常の湿式(wet−laid)法によって成形され得る。 例えば、湿潤チョップドファイバーが、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤および/または他の化学試剤を含むスラリーに分散される。 次いで、チョップドファイバーを含むスラリーは、繊維がスラリー全体に分散した状態になるように撹拌される。 繊維を含むスラリーは、移動しているスクリーン上に落とされ、そこで、水の大部分が除かれて、ウェブが成形される。 次いで、バインダーが適用され、得られるマットは、乾燥されて、残っている水が除去され、バインダーが硬化される。 成形される不織マットは、分散した、個々のガラスフィラメントの集合体である。 エアレイド(air−laid)法は、ガラス繊維が、水スラリーにではなく、空気の流れに分散されるということ以外は同様である。
    様々な試みが、ホルムアルデヒド系樹脂からの望ましくないホルムアルデヒドの放出を減らすためになされてきた。 例えば、アンモニアおよび尿素のような様々なホルムアルデヒド捕捉剤が、断熱製品からのホルムアルデヒドの放出を減らそうとする試みにおいて、ホルムアルデヒド系樹脂に添加された。 その低コストのために、尿素が、ホルムアルデヒド捕捉剤として働くように、未硬化樹脂系に直接添加される。 樹脂系への尿素の添加は、尿素で延長されたフェノール−ホルムアルデヒドレゾール樹脂を生成する。 これらのレゾール樹脂は、塗料またはバインダーとして、さらに処理または適用され、次いで硬化され得る。 残念ながら、尿素で延長されたレゾールは不安定であり、この不安定性の故に、尿素で延長されたレゾールは、現場で調製されなければならない。 さらに、バインダーの在庫原材料は、保管の間に形成し得る二量体化学種の望ましくない結晶性沈殿物によって引き起こされる工程上の問題を避けるために、注意深くモニターされなければならない。 アンモニアは、不快な臭気を発し、作業者に喉および鼻の刺激を生じ得るので、アンモニアは、ホルムアルデヒド捕捉剤としての尿素に対する特別に望ましい代替ではない。 さらに、ホルムアルデヒド捕捉剤の使用は、断熱製品の特性へのその潜在的な悪影響、例えば、回収率低下および剛性低下のために、一般に望ましくない。
    さらに、先行技術は、ポリヒドロキシ架橋剤と共にポリアクリル酸を、またはメイラード反応に関連する炭水化物に基づく化学を、用いることに集中している。 しかし、ポリアクリル酸バインダーは、いくつかの欠点を有する。 例えば、ポリアクリル酸バインダーは、石油に基づく材料、および現行のフェノールバインダー系のコストの典型的には少なくとも2倍のコストを用いる。 さらに、高い粘度および様々な硬化特性は、加工上の難しさを課する。 また、メイラード反応に基づく製品は、硬化後に、望ましくない暗い茶色を有する。 さらに、バインダーを製造するために必要とされる大量のアンモニアの使用は、安全上のリスクおよび起こり得る放出の問題を生じさせる。

    現行のバインダーによる目下の問題の故に、石油に依存せず、添加されたホルムアルデヒドを有さず、バイオベースで環境に優しく、また、コスト競争のあるバインダー系が、当技術分野において求められている。

    本発明の目的は、複数のランダム配向繊維、および繊維の少なくとも一部に適用された、繊維を相互に結び付けるバインダー組成物を含む繊維断熱製品を提供することである。 バインダーは、天然由来の少なくとも1種の炭水化物、および少なくとも1種の架橋剤を含む。 典型的には、炭水化物は、反応性ヒドロキシル基を有し、架橋剤は、反応性カルボキシル基を有する。 炭水化物は、2〜20のデキストロース当量(DE)を有し得る。 例示的な実施形態において、炭水化物は、ペクチン、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、変性デンプン、デンプン誘導体、およびこれらの組合せから選択される水溶性多糖である。 バインダー組成物はまた、触媒、カップリング剤、加工助剤、架橋密度向上剤、増量剤、耐湿剤、粉塵抑制(dedusting)オイル、着色剤、腐食防止剤、界面活性剤、pH調整剤から選択される1種または複数の構成要素も含み得る。 加工助剤には、ポリオール、例えば、グリセロール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、およびペンタエリトリトールが含まれる。 1つまたは複数の実施形態において、架橋剤は、クエン酸、またはモノマー性もしくはポリマー性ポリカルボン酸、およびこれらの対応する塩であり得る。 さらに、低密度製品(例えば、住宅用断熱製品)では、バインダーは、それが硬化した後、明るい(例えば、白または黄褐)色を有する。

    本発明のさらに別の目的は、第1の主表面および第2の主表面を有するマットの形態の、絡み合った、個別の長さを有する複数のランダム配向ガラス繊維、ならびにマットの第1の主表面を少なくとも部分的にコーティングするバインダー組成物から成形される、チョップドストランド不織マットを提供することである。 バインダーは、(1)天然由来であり、また2〜20のデキストロース当量を有する少なくとも1種の炭水化物、および(2)少なくとも1種の架橋剤を含む。 バインダー組成物はまた、触媒、耐湿剤、およびpH調整剤から選択される1種または複数の構成要素も含み得る。 少なくとも1つの例示的な実施形態において、炭水化物は、ペクチン、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、変性デンプン、デンプン誘導体、およびこれらの組合せから選択される水溶性多糖である。 さらに、架橋剤は、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、酸無水物、酸無水物を有するモノマー性およびポリマー性ポリカルボン酸、クエン酸、クエン酸の塩、アジピン酸、アジピン酸の塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリアクリル酸系樹脂、アミノアルコール、メタホウ酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアミン、ポリアミン、ポリオール、ならびにこれらの組合せから選択され得る。 バインダーは、硬化した時に明るい色を有し、環境に優しく、また添加されたホルムアルデヒドを含まない。

    炭水化物が天然由来であり、また再生可能資源から得られることは、本発明の利点である。
    マルトデキストリンが容易に入手でき、また低コストであることは、本発明のさらに別の利点である。
    本発明のバインダー組成物を用いる断熱製品および不織マットは、様々な製品の形状、密度および用途を生み出すために、現行の製造ラインを用いて製造できるので、時間と資金が節約されることは、本発明のさらなる利点である。
    バインダー組成物が、添加されたホルムアルデヒドを有さないことは、本発明の別の利点である。
    また、最終製品が、断熱製品に様々な色をもたらすための染料、顔料、または他の着色剤の使用を可能にする明るい色を有することも、本発明の利点である。 さらに、ボード製品の表面を、塗料または織布もしくは不織布の覆いで仕上げる時、従来のボードより明るい色のこれらのボードを覆うためには、より少ない重量の塗料または布を要する。

    本発明のバインダー組成物は、通常のフェノール/尿素/ホルムアルデヒドのバインダー組成物に比べて、微粒子の放出が減少することは、本発明のさらなる利点である。
    炭水化物ポリマーが、2〜20のデキストロース当量(DE)数を有し得ることは、本発明の特徴である。
    マルトデキストリンが、スプレーアプリケータを含めて、通常のバインダーアプリケータによって適用することができる水性混合物を形成できることは、本発明の特徴である。
    バインダーが、酸性、中性、または塩基性であり得ることは、本発明のさらなる特徴である。
    本発明の断熱製品および不織マットが、添加されたホルムアルデヒドを有さないことは、本発明の別の特徴である。
    本発明のバインダー組成物が、触れた時にソフトな感じを与える(これは、これらの繊維製品を取り付ける人または使用者にとって利点がある)繊維製品、特に、より低密度の製品を生成することは、本発明のさらなる利点である。
    本発明のバインダー組成物が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、およびルーフィング用途に用いられる複合強化材(例えば、チョップドストランド)にとって有用であり得ることもまた、本発明の特徴である。 さらに、本発明のバインダーは、シングルエンドとマルチエンドロービングの両方に使用され得る。
    本発明の前記および他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明の考察により、以下でより完全に明らかになるであろう。 しかし、図は例示のためであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではないことが明確に理解されるべきである。
    本発明の利点は、特に添付図と関連して考慮する時、以下の本発明の詳細な開示を考察すれば、明らかになるであろう。

    例示的な一実施形態による、本発明のバインダー組成物を用いる、表面材付き断熱製品の成形の概略図である。

    本発明の別の例示的な実施形態による、断熱製品が表面材を含まない場合の、本発明のバインダー組成物を用いる、ガラス繊維断熱製品を製造するための製造ラインの立面図である。

    本発明の例示的なさらなる実施形態による、本発明のバインダー組成物を用いる、ショップトストランドマットを成形するための湿式加工ラインの概略図である。

    特に断らなければ、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。 本明細書に記載されるものに類似の、または等価な如何なる方法および材料も、本発明の実施または検証に用いることができるが、好ましい方法および材料は、本明細書に記載されている。 公開されたまたは対応する米国または国外の特許出願、発行された米国または国外の特許、および他の如何なる参考文献も含めて、本明細書において引用されている全ての参考文献は、それぞれ、引用されている参考文献に記載されている全てのデータ、表、図、および本文を含めて、それらの全体が、参照を通じて組み込まれる。
    図において、線の太さ、層、および部分は、明確さのために誇張されていることがある。
    層、部分、基材、またはパネルのような構成要素が、別の構成要素の「上」に存在するとして言及される場合、それは、その別の構成要素の上に直に存在していてもよい、または、介在する構成要素もまた存在していてもよい。 また、ある構成要素が、別の構成要素に「隣接して」存在するとして言及される場合、その構成要素は、その別の構成要素に直に隣接していてもよい、または、介在する構成要素が存在していてもよい。 用語「最上部」、「最下部」、「側面」などは、本明細書において、説明のためにのみ用いられている。 図の全体を通して見出される類似の数は、類似の構成要素を示す。 語句「バインダー」、「バイオベースバインダー」、「バインダー組成物」、および「バインダー配合物」は、本明細書において交換可能に用いられ得ることに留意されたい。

    バイオベースバインダー組成物 本発明は、少なくとも1種のバイオベース成分を含む、環境に優しい水性ポリエステルバインダー組成物に関する。 例示的な一実施形態において、バイオベース成分は、炭水化物であり、バインダーは、炭水化物および架橋剤を含む。 典型的には、炭水化物は、反応性ヒドロキシル基を有し、架橋剤は反応性カルボキシル基を有する。 ある例示的な実施形態において、炭水化物ベースバインダー組成物はまた、カップリング剤、加工助剤、増量剤、pH調整剤、触媒、架橋密度向上剤、脱臭剤、酸化防止剤、粉塵抑制剤、殺生物剤、耐湿剤、またはこれらの組合せも含む。 バインダーは、断熱材およびチョップドストランド不織マットの成形に使用され得る。 さらに、バインダーは、添加されたホルムアルデヒドを含まない。 さらに、バインダー組成物は、通常のフェノール/尿素/ホルムアルデヒドのバインダー組成物に比べて、微粒子の放出を減少させる。 本発明のバインダーはまた、パーティクルボード、合板および/またはハードボードの成形においても有用であり得る。

    例示的な1つまたは複数の実施形態において、バインダーは、天然由来であり、再生可能資源から得られる少なくとも1種の炭水化物を含む。 例えば、炭水化物は、植物資源、例えば、マメ、トウモロコシ、コーン、ワキシー(waxy)コーン、サトウキビ、ミロ、ホワイトミロ、ジャガイモ、サツマイモ、タピオカ、コメ、モチゴメ、エンドウ、サゴ、コムギ、オートムギ、オオムギ、ライムギ、アマランサス(amaranth)および/またはキャッサバ、さらには、高デンプン含有量を有する他の植物から得られ得る。 炭水化物ポリマーはまた、タンパク質、ポリペプチド、脂質、および低分子量炭水化物の残渣を含む、植物から得られるデンプン含有粗生成物から得られてもよい。 炭水化物は、単糖(例えば、キシロース、グルコース、およびフルクトース)、二糖(例えば、スクロース、マルトース、およびラクトース)、オリゴ糖(例えば、グルコースシロップおよびフルクトースシロップ)、ならびに、多糖および水溶性多糖(例えば、ペクチン、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、変性デンプン、およびデンプン誘導体)から選択され得る。

    炭水化物ポリマーは、約1、000〜約8,000の数平均分子量を有し得る。 さらに、炭水化物ポリマーは、2〜20、7〜11、9〜14のデキストロース当量(DE)数を有し得る。 炭水化物は、有利には、低い粘度を有し、また、単独で、または添加剤と共に、適度な温度(例えば、80〜250℃)で硬化する。 低い粘度は、その炭水化物をバインダー組成物に利用することを可能にする。 例示的な実施形態において、炭水化物の粘度は、50%の濃度、および20と30℃の間で、500cps未満であり得る。 本発明のバインダー組成物における炭水化物の使用は、炭水化物がすぐに入手できる、または容易に入手でき、また、低コストであるという利点がある。
    少なくとも1つの例示的な実施形態において、炭水化物は、デキストリンまたはマルトデキストリンのような水溶性多糖である。 炭水化物ポリマーは、バインダー組成物における全固形分の約40重量%〜約95重量%、バインダー組成物における全固形分の約50重量%〜約95重量%、約60重量%〜約90重量%、または約70重量%〜約85重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。 本明細書で用いられる場合、重量%は、バインダー組成物における全固形分に対する重量%を示す。

    さらに、バインダー組成物は、架橋剤を含む。 架橋剤は、炭水化物を架橋させるのに適する如何なる化合物であってもよい。 例示的な実施形態において、架橋剤は、90を超える、約90〜約10,000、または約190〜約4,000の数平均分子量を有する。 ある例示的な実施形態において、架橋剤は、約1000未満の数平均分子量を有する。 適切な架橋剤の非限定的な例には、ポリカルボン酸(およびそれらの塩)、酸無水物、酸無水物を有するモノマー性およびポリマー性ポリカルボン酸(すなわち、混合酸無水物)、クエン酸(およびその塩、例えば、クエン酸アンモニウム)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、アジピン酸(およびその塩)、ポリアクリル酸(およびその塩)、ポリアクリル酸系樹脂、例えば、QXRP 1734およびAcumer 9932(どちらも、The Dow Chemical Companyから市販されている)が含まれる。 例示的な実施形態において、架橋剤は、モノマー性またはポリマー性ポリカルボン酸、クエン酸、および対応するこれらの塩のいずれかであり得る。 架橋剤は、バインダー組成物の約50重量%までの量で、バインダー組成物中に存在し得る。 例示的な実施形態において、架橋剤は、バインダー組成物における全固形分の約5.0重量%〜約40重量%、または約10重量%〜約30重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    任意選択で、バインダー組成物は、架橋を助けるための触媒を含んでいてもよい。 触媒には、無機塩、ルイス酸(すなわち、塩化アルミニウムもしくは三フッ化ホウ素)、ブレーンステッド酸(すなわち、硫酸、p−トルエンスルホン酸およびホウ酸)、有機金属複合体(すなわち、カルボン酸リチウム塩、カルボン酸ナトリウム塩)、ならびに/またはルイス塩基(すなわち、ポリエチレンイミン、ジエチルアミン、もしくはトリエチルアミン)が含まれ得る。 さらに、触媒には、リン含有有機酸のアルカリ金属塩;特に、リン酸、次亜リン酸(hypophosphorus acid)、またはポリリン酸のアルカリ金属塩が含まれ得る。 このようなリン触媒の例には、これらに限らないが、次亜リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム(sodium hexamethaphosphate)、リン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、トリメタリン酸ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウム(sodium tetramethaphosphate)、およびこれらの混合物が含まれる。 さらに、触媒または硬化促進剤は、フルオロボレート化合物、例えば、フルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カルシウム、テトラフルオロホウ酸マグネシウム、テトラフルオロホウ酸亜鉛、テトラフルオロホウ酸アンモニウム、およびこれらの混合物であってもよい。 さらに、触媒は、リン化合物とフルオロボレート化合物の混合物であってもよい。 他のナトリウム塩、例えば、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウムもまた、または代わりに、触媒/促進剤として使用され得る。 触媒または硬化促進剤は、バインダー組成物における全固形分の約0重量%〜約10重量%、または約1.0重量%〜約5.0重量%、または約3.0重量%〜約5.0重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    バインダー組成物は、任意選択で、少なくとも1種のカップリング剤を含んでいてもよい。 少なくとも1つの例示的な実施形態において、カップリング剤は、シランカップリング剤である。 カップリング剤は、バインダー組成物における全固形分の約0.01重量%〜約5.0重量%、約0.01重量%〜約2.5重量%、または約0.1重量%〜約0.5重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    バインダー組成物に使用され得るシランカップリング剤の非限定的例は、官能基のアルキル、アリール、アミノ、エポキシ、ビニル、メタクリロキシ、ウレイド、イソシアネート、およびメルカプトによって特徴付けられ得る。 例示的な実施形態において、シランカップリング剤には、1つまたは複数の官能基、例えば、アミン(第1級、第2級、第3級、および第4級)、アミノ、イミノ、アミド、イミド、ウレイド、またはイソシアネートを有する1個または複数の窒素原子を含むシランが含まれる。 適切なシランカップリング剤の非限定的な具体例には、これらに限らないが、アミノシラン(例えば、3−アミノプロピル−トリエトキシシランおよび3−アミノプロピル−トリヒドロキシシラン)、エポキシトリアルコキシシラン(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)、メタクリル(methyacryl)トリアルコキシシラン(例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、炭化水素トリアルコキシシラン、アミノトリヒドロキシシラン、エポキシトリヒドロキシシラン、メタクリルトリヒドロキシシラン、ならびに/または炭化水素トリヒドロキシシランが含まれる。 1つまたは複数の例示的な実施形態において、シランは、アミノシラン、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシランである。

    バインダー組成物に用いられるのに適する例示的なさらなるカップリング剤(シランカップリング剤を含めて)が、下に記載される。
    ・アクリル:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン;3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン;3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン;3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン ・アミノ:アミノプロピルメチルジメトキシシラン;アミノプロピルトリエトキシシラン;アミノプロピルトリメトキシシラン/EtOH;アミノプロピルトリメトキシシラン;N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン;N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン;(2−アミノエチル)−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン;N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン ・エポキシ:3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン;3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン ・メルカプト:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン;3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン;3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン ・スルフィド:ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−テトラスルフィド;ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−ジスルフィド

    ・ビニル:ビニルトリメトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン;ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン;ビニルトリクロロシラン;トリメチルビニルシラン ・アルキル:メチルトリメトキシシラン;メチルトリエトキシシラン;ジメチルジメトキシシラン;ジメチルジエトキシシラン;テトラメトキシシラン;テトラエトキシシラン;エチルトリエトキシシラン;n−プロピルトリメトキシシラン;n−プロピルトリエトキシシラン;イソブチルトリメトキシシラン;ヘキシルトリメトキシシラン;ヘキシルトリエトキシシラン;オクチルトリメトキシシラン;デシルトリメトキシシラン;デシルトリエトキシシラン;オクチルトリエトキシシラン;tert−ブチルジメチルクロロシラン;シクロヘキシルメチルジメトキシシラン;ジシルオヘキシルジメトキシシラン;シクロヘキシルエチルジメトキシシラン;t−ブチルメチルジメトキシシラン ・クロロアルキル:3−クロロプロピルトリエトキシシラン;3−クロロプロピルトリメトキシシラン;3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン ・ペルフルオロ:デカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン;((ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン ・フェニル:フェニルトリメトキシシラン;フェニルトリエトキシシラン;ジフェニルジエトキシシラン;ジフェニルジメトキシシラン;ジフェニルジクロロシラン ・上に列挙したシランの加水分解物 ・ジルコネート:ジルコニウムアセチルアセトネート;ジルコニウムメタクリレート ・チタネート:テトラ−メチルチタネート;テトラ−エチルチタネート;テトラ−n−プロピルチタネート;テトラ−イソプロピルチタネート;テトラ−イソブチルチタネート;テトラ−sec−ブチルチタネート;テトラ−tert−ブチルチタネート;モノn−ブチル、トリメチルチタネート;モノエチルトリシクロヘキシルチタネート;テトラ−n−アミルチタネート;テトラ−n−ヘキシルチタネート;テトラ−シクロペンチルチタネート;テトラ−シクロヘキシルチタネート;テトラ−n−デシルチタネート;テトラn−ドデシルチタネート;テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート;テトラオクチレングリコールチタネートエステル;テトラプロピレングリコールチタネートエステル;テトラベンジルチタネート;テトラ−p−クロロベンジルチタネート;テトラ2−クロロエチルチタネート;テトラ2−ブロモエチルチタネート;テトラ2−メトキシエチルチタネート;テトラ2−エトキシエチルチタネート。

    本発明での特に適切なチタネートエステル安定剤は、DuPont de Nemours & Co. , Inc. によって、Tyzor(登録商標)の商品名で製造される独占的なチタネートエステル組成物である。 非限定的例には、(例えば、低級脂肪族アルコールの)溶液としてではなく100%の状態で販売されているTyzor(登録商標)チタネートエステル、例えば、Tyzor(登録商標)TBT(テトラブチルチタネート)、Tyzor(登録商標)TPT(テトライソプロピルチタネート)、およびTyzor(登録商標)OG(テトラオクチレングリコールチタネートエステル)が含まれる。

    さらに、バインダー組成物は、前記の炭水化物以外に、加工助剤(例えば、ポリオール)を含んでいてもよい。 加工助剤が繊維の組み立ておよび配向の工程を容易にするように機能する限り、加工助剤は特に限定されない。 加工助剤は、バインダーの付着の分布の均一性を向上させるために、バインダーの粘度を下げるために、成形後のランプ高さ(ramp height)を増すために、縦方向の重量分布の均一性を向上させるために、および/または、成形およびオーブン硬化工程の両方におけるバインダーの脱水を加速させるために、用いることができる。 加工助剤は、約0重量%〜約25.0重量%、約1.0重量%〜約20.0重量%、または約5.0重量%〜約15.0重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    加工助剤の例には、粘度調整剤(例えば、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリ(エチレングリコール))、ならびに消泡剤(例えば、鉱物、パラフィン、または植物油のエマルジョンおよび/または分散体、ポリジメチルシロキサン(PDMS)流体の分散体、およびポリジメチルシロキサンまたは他の材料により疎水性化されたシリカの分散体、ならびにエチレンビス−ステアラミド(EBS)のようなアミドワックスまたは疎水性化シリカからなる粒子)が含まれる。 バインダー組成物に用いられ得るさらなる加工助剤は、界面活性剤である。 1種または複数の界面活性剤が、バインダーの霧化(atomization)、濡れ、および界面接着の助けとなるように、バインダー組成物に含められ得る。

    界面活性剤は特に限定されず、これらに限らないが、イオン性界面活性剤(例えば、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、およびカルボキシレート);サルフェート(例えば、アルキルサルフェート、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、アルキルエーテルサルフェート、ラウレス硫酸ナトリウム、およびミレス(myreth)硫酸ナトリム);両性界面活性剤(例えば、アルキルベタイン、例えば、ラウリル−ベタイン);スルホネート(例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネート、およびアルキルベンゼンスルホネート);ホスフェート(例えば、アルキルアリールエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルホスフェート);カルボキシレート(例えば、アルキルカルボキシレート、脂肪酸塩(石鹸)ステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、カルボキシレートフッ素系界面活性剤、パーフルオロノナノエート(perfluoronanoate)、およびパーフルオロオクタノエート);陽イオン(アルキルアミン塩、例えば、ラウリルアミン酢酸塩);pH依存性界面活性剤(第1級、第2級または第3級アミン);永続的に荷電した第4級アンモニウム陽イオン(例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、およびベンゼトニウムクロリド);ならびに、双性イオン性界面活性剤、第4級アンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドおよびアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド)、ならびに、ポリオキシエチレンアルキルアミンのような界面活性剤が含まれる。

    本発明に関連して使用され得る適切な非イオン性界面活性剤には、ポリエーテル(例えば、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの縮合物、これらには、直鎖および分岐鎖のアルキルおよびアルカリールポリエチレングリコールエーテルおよびポリプロピレングリコールエーテルおよびチオエーテルが含まれる);約7〜約18個の炭素原子を含むアルキル基を有し、また約4〜240個のエチレンオキシ単位を有するアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール(例えば、へプチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、およびノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール);ソルビタン、ソルビド、マンニタン、およびマンニドが含めて、ヘキシトールのポリオキシアルキレン誘導体;部分長鎖脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、およびソルビタントリオレエートのポリオキシアルキレン誘導体);エチレンオキシドと疎水性塩基との縮合物(この塩基は、プロピレンオキシドとプロピレングリコールを縮合させることによって形成される);硫黄含有縮合物(例えば、エチレンオキシドと、高級アルキルメルカプタン、例えば、ノニル、ドデシル、もしくはテトラデシルメルカプタンとの、またはアルキルチオフェノール(このアルキル基は、約6〜約15個の炭素原子を含む)との縮合によって調製される縮合物);長鎖カルボン酸(例えば、ラウリン、ミリスチン、パルミチン、およびオレイン酸、例えば、トール油脂肪酸)のエチレンオキシド誘導体;長鎖アルコール(例えば、オクチル、デシル、ラウリル、もしくはセチルアルコール)のエチレンオキシド誘導体;ならびにエチレンオキシド/プロピレンオキシドのコポリマーが含まれる。

    少なくとも1つの例示的な実施形態において、界面活性剤は、SURFONYL(登録商標)420、SURFONYL(登録商標)440、およびSURFONYL(登録商標)465、これらは、エトキシ化2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール界面活性剤(Air Products and Chemicals, Inc.(Allentown、ペンシルベニア州)から市販されている)であり、Stanfax(ラウリル硫酸ナトリウム)、Surfynol 465(エトキシ化2,4,7,9−テトラメチル 5 デシン−4,7−ジオール)、Triton(商標)GR−PG70(1,4−ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム)、およびTriton(商標)CF−10(ポリ(オキシ−1,2−エタンジオール),α−(フェニルメチル)−ω−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ)である。 界面活性剤は、バインダー組成物における全固形分の約0.0重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約10重量%、または約0.2重量%〜約5.0重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    バインダー組成物は、加工設備へのあり得る腐食を減らす、または排除するために、腐食防止剤を任意選択で含んでいてもよい。 腐食防止剤は、様々な作用剤、例えば、ヘキサミン、ベンゾトリアゾール、フェニレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、ポリアニリン、亜硝酸ナトリウム、ベンゾトリアゾール、ジメチルエタノールアミン、ポリアニリン、亜硝酸ナトリム、シンナムアルデヒド、アルデヒドとアミンの縮合生成物(イミン)、クロメート、ニトライト、ホスフェート、ヒドラジン、アスコルビン酸、シュウ酸スズ、塩化スズ、硫酸スズ、チオウレア、酸化亜鉛、およびニトリルから選択できる。 代わりに、腐食は、工程制御による抑制、例えば、工程用水の中和、腐食成分の除去、および腐食性を最小限度に抑えるための工程用水処理によって、減らす、または排除することができる。 腐食防止剤は、約0重量%〜約15.0重量%、約1.0重量%〜約5.0重量%、または約0.2重量%〜約1.0重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。
    さらに、バインダー組成物はまた、ガラス繊維製品でのカビおよび真菌の成長を弱める、または排除するために、1種または複数の殺生物剤、例えば、3−ヨード−2 プロピル−n−ブチルカルバメート、カルバミン酸,ブチル−,3−ヨード−2−プロピニルエステル(IPBC)、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、硝酸マグネシウム、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、塩化マグネシウム、スルファミン酸,N−ブロモ,ナトリウム塩、ジヨードメチル−p−トリスルホン、ジブロモアセトニトリル、および2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミドを含み得る。 殺生物剤は、約0重量%〜約10.0重量%、約0.05重量%〜約1.0重量%、または約0.1重量%〜約0.5重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    さらに、バインダー組成物は、炭水化物ベースポリエステルバインダーの架橋度を向上させるために、少なくとも1種の架橋密度向上剤を任意選択で含んでいてもよい。 架橋密度の向上は、ヒドロキシル基とカルボン酸基との間のエステル化を増加させること、および/または、熱硬化樹脂の強度を向上させるためにフリーラジカルによる結合を導入すること、によって実現できる。 エステル化による架橋密度は、ヒドロキシルとカルボン酸との間の比を変えること、および/または、さらなるエステル化官能基(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、1,1'−アミノビス,−2−プロパノール、1,1,'1''ニトリロトリ−2−プロパノール、2−メチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2{(2アミノエチル)アミノ}エタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ブチルアミノエタノール、2−ジブチルアミノエタノール、2シクロヘキシルアミンセタノール、2,2'−(メチルアミノ)ビス−エタノール、2,2'−(ブチルアミノ)ビス−エタノール、1−メチルアミノ−2プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−(2−アミノエチルアミノ)−2−プロパノール、1,1'−(メチルイミノ)ビス−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、1−エチルアミノ−2−ブタノール、4−ジエチルアミノ−1−ブタノール、1−ジエチルアミノ−2−ブタノール、3−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、2,2−ジメチル−3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、4−ジエチルアミノ−2−ブチン−1−オール、5−ジエチルアミノ−3−ペンチン−2−オール、ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、さらには、他のアルカノールアミン、これらの混合物、およびこれらのポリマー)を添加することによって調節できる。 架橋密度の向上を実現する別の方法は、架橋反応に、エステル化とフリーラジカル反応の両方を用いることである。 両方の反応に用いることができる化学品には、無水マレイン酸、マレイン酸、およびイタコン酸が含まれる。 架橋密度向上剤は、約0重量%〜約25.0重量%、約1.0.0重量%〜約20.0重量%、または約5.0重量%〜約15重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    バインダーはまた、pHを望みのレベルに調節するのに十分な量で、有機および/または無機の酸および塩基を含み得る。 pHは、意図される用途に応じて、または、バインダー組成物の成分の適合性を容易にするために、調節され得る。 例示的な実施形態において、pH調整剤は、バインダー組成物のpHを酸性pHに調節するために用いられる。 適切な酸性pH調整剤の例には、無機酸、例えば、これらに限らないが、硫酸、リン酸およびホウ酸、さらには、p−トルエンスルホン酸、モノ−またはポリカルボン酸(例えば、これらに限らないが、クエン酸、酢酸およびこれらの無水物、アジピン酸、シュウ酸)のような有機酸、ならびに対応するこれらの塩が含まれる。 さらに、酸前駆体であり得る無機塩。 酸は、pHを調節し、ある場合には、上で論じられたように、架橋剤として作用する。 任意選択で、有機および/または無機の塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、およびジエチルアミン、ならびに任意の種類の第1級、第2級、または第3級アミン(アルカノールアミンが含まれる)は、pH調節に用いることができる。 バインダー組成物のpHは、酸性の状態にある場合、中間の全ての値および範囲を含めて、約1〜約6、ある例示的な実施形態では、約2〜約5の範囲にあり得る。 少なくとも1つの例示的な実施形態において、バインダー組成物のpHは、約2.5である。 酸性バインダー組成物におけるpH調整剤は、望みのpHを得るのに十分な量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    バインダー組成物はまた、耐湿剤、例えば、ミョウバン、硫酸アルミニウム、ラテックス、シリコーンエマルジョン、ポリ(オルガノシロキサン)、疎水性ポリマーエマルジョン(例えば、ポリエチレンエマルジョンまたはポリエステルエマルジョン)、およびこれらの混合物を含み得る。 明確さのために言えば、ポリ(オルガノシロキサン)は、式−(−R 1 SiR 2 −) n −のポリマーであり、式中、R 1およびR 2の少なくとも一方は、例えば、アルキルまたはアルケニル、フェニルなどを含めた有機基である。 少なくとも1つの例示的な実施形態において、ラテックス系は、水性ラテックスエマルジョンである。 ラテックスエマルジョンは、典型的には乳化重合によって製造される、ラテックス粒子を含む。 ラテックス粒子以外に、ラテックスエマルジョンは、水、アンモニアのような安定剤、および界面活性剤を含み得る。 耐湿剤は、バインダー組成物における全固形分の0重量%〜約20重量%、約5.0重量%〜約10重量%、または約5.0重量%〜約7.0重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    さらに、バインダーは、断熱材の後の製造および取付けに悪影響を及ぼし得る、無機および/または有機の粒子の存在を減らす、または排除するために、粉塵抑制剤を含み得る。 粉塵抑制剤は、通常の鉱油、鉱油エマルジョン、天然または合成オイル、バイオベースオイル、または潤滑油、例えば、これらに限らないが、シリコーンおよびシリコーンエマルジョン、ポリエチレングリコール、さらには、オーブン内でのオイルの蒸発を最小限度に抑えるように高い引火点を有する任意の石油または非石油系オイルであり得る。
    さらに、バインダーは、バインダーの外観を向上させる、および/または、全製造コストを下げるために、少なくとも1種の増量剤を任意選択で含んでいてもよい。 増量剤は、無機フィラー、例えば、酸化スズもしくは炭酸カルシウム、または有機材料、例えば、リグニン、リグニンスルホネート、もしくはタンパク質ベースのバイオマスであり得る。 例示的な実施形態において、増量剤は、タンパク質含有バイオマスである。 炭水化物と同様に、タンパク質含有バイオマスは、天然由来であり、再生可能資源から得られる。 例えば、そのタンパク質は、ダイズ(例えば、ダイズ粉)、ラッカセイ、ヒマワリ、インゲンマメ、クルミのような植物原料に、または高いタンパク含有量を有する他の植物に由来し得る。 代わりに、タンパク質は、動物原料、例えば、これらに限らないが、卵、血液、および動物組織(例えば、肉、豚肉、または鶏肉、さらには魚)に由来し得る。 タンパク質含有バイオマスは、約95%までのタンパク質を、例示的な実施形態においては、90%、75%、または50%までのタンパク質を含み得る。 本明細書で用いられる場合、用語「タンパク質」は、1種または複数のポリペプチドからなる高分子と定義され得るが、そのアミノ酸配列に関係なく、ポリペプチドの任意の組合せを含む。 さらに、用語「タンパク質」は、それらの構造でタンパク質を天然に得ることができる全ての可能な構造、またはその反応性を向上させるために修飾されたタンパク質を含むものとする。 天然タンパク質および合成タンパク質の誘導体もまた、用語「タンパク質」の範囲内に含められることが理解されるべきである。 1つまたは複数の例示的実施形態において、タンパク質含有バイオマスは、ダイズ粉である。 増量剤は、バインダー組成物における全固形分の約0重量%〜約70.0重量%、約5.0重量%〜約50.0重量%、または約10.0重量%〜約40.0重量%の量で、バインダー組成物中に存在し得る。

    バインダーは、通常の添加剤、例えば、これらに限らないが、染料、顔料、フィラー、着色剤、UV安定剤、熱安定剤、消泡剤、酸化防止剤、乳化剤、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム)、腐食防止剤、およびこれらの混合物を、任意選択で含んでいてもよい。 他の添加剤が、工程および製品の性能の向上のために、バインダー組成物に添加されてもよい。 このような添加剤には、潤滑油、湿潤剤、界面活性剤、帯電防止剤および/または撥水剤が含まれる。 添加剤は、痕跡量(例えば、バインダー組成物の約0.1重量%未満)から、バインダー組成物における全固形分の約10.0重量%まで、バインダー組成物中に存在し得る。 ある例示的な実施形態において、添加剤は、バインダー組成物における全固形分の約0.1重量%〜約5.0重量%、約1.0重量%〜約4.0重量%、または約1.5重量%〜約3.0重量%の量で存在する。
    バインダーは、さらに、強化繊維に適用するために、活性固形分を溶解または分散させるための水を含む。 水は、水性バインダー組成物を、強化繊維にそれを適用するのに適する粘度まで希釈するのに、および繊維での望ましい固形分含有量を達成するのに十分な量で添加され得る。 特に、バインダー組成物は、バインダー組成物における全固形分の約50重量%〜約98.0重量%の量で、水を含み得る。

    バインダー組成物は、架橋剤を水に溶解または分散させて、混合物とすることによって製造され得る。 次に、炭水化物が混合物中で架橋剤と混合されて、バインダー組成物となり得る。 望まれる場合、硬化促進剤(すなわち、触媒)が、バインダー組成物に添加され得る。 バインダー組成物は、望ましい固形分量を得るために、水でさらに希釈されてもよい。 必要であれば、混合物のpHが、有機および無機の酸および塩基により、望ましいpHレベルに調節されてもよい。

    本発明の最も広い態様において、炭水化物ベースバインダー組成物は、炭水化物(例えば、マルトデキストリン)および架橋剤(例えば、ポリアクリル酸またはクエン酸)から形成される。 本発明の実施形態による本発明のバインダー組成物に用いられる成分の範囲が、表1に記載されている。


    加工助剤(例えば、グリセロール)または低分子量の炭水化物を含む、本発明の別の例示的実施形態による水性バインダー組成物が、表2に記載されている。


    加工助剤および触媒/硬化促進剤を含む、本発明のさらなる例示的実施形態による水性バインダー組成物が、表3に記載されている。

    バイオベースバインダーによる繊維製品 例示的な一実施形態において、バインダー組成物は、繊維製品、典型的には断熱製品を成形するために用いられる。 繊維製品は、一般に、硬化した熱硬化性ポリマー材料によって互いに接合され、マット化された無機繊維から成形される。 適切な無機繊維の例には、ガラス繊維、ガラス繊維ウール、およびセラミック繊維が含まれる。 任意選択で、天然繊維および/または合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミドおよび/またはポリアラミド繊維のような他の強化繊維が、ガラス繊維以外に、断熱製品中に存在していてもよい。 本明細書との関連で用いられる場合、用語「天然繊維」は、これらに限らないが、茎、種子、葉、根、または師部を含めて、植物のいずれかの部分から取り出される植物繊維を表す。 強化用繊維材料として用いられるのに適する天然繊維の例には、玄武岩、綿、ジュート、竹、カラムシ、バガス、麻、コイア、リネン、ケナフ、サイザル、亜麻、ヘナケ麻、およびこれらの組合せが含まれる。 断熱製品は、専ら1種の繊維から成形されてもよく、または、断熱製品は、複数のタイプの繊維の組合せから成形されてもよい。 例えば、断熱製品は、断熱材に望まれる用途に応じて、様々なタイプのガラス繊維の組合せ、または異なる無機繊維および/または天然繊維の様々な組合せから成形されてもよい。 本明細書に記載の実施形態では、主にガラス繊維で成形される断熱製品が参照される。

    用語「繊維製品」は、全般的であり、様々な組成物、製造物品、および製造方法を包括的に含む。 「繊維製品」は、多くの異なる特性によって特徴付けられ、分類され得る;例えば、密度は、製品に応じて、約0.2ポンド/立方フィート(「pcf」)から、約10pcfのように大きな密度まで、広い範囲にわたり得る。 低密度軟質断熱バットおよびブランケットは、典型的には、約0.2pcfと約5pcfの間、より一般的には、約0.3〜約4pcfの密度を有する。 繊維製品にはまた、約1〜約10pcf、より典型的には、約2または3pcf〜約8pcfの密度を有する、より高密度の製品、例えば、ボードおよびパネルまたは成形製品も含まれる。 より高密度の断熱製品は、これらに限らないが、金属建築物の断熱、パイプまたはタンクの断熱、断熱性の天井および壁パネル、ダクトボードならびにHVAC断熱、電気器具および自動車の断熱などを含めて、産業および/または商業の用途に使用され得る。
    分類に役立つ別の特性は、製品の硬さ(rigidity)である。 住宅用断熱バットは、典型的にはかなり軟質であり、それらは、ロールまたはバットに圧縮できると同時に、圧縮を解除すると、それらの「嵩高性」を回復する。 対照的に、他の繊維製品、例えば、少数の例を挙げると、天井タイル、壁パネル、基礎ボード、および特定のパイプ断熱材は、設計によって、かなり硬質であり、軟質でない。 これらの製品は、僅かしか曲がらず、特別なスペースにうまく合わせられる、または一致させられる見込みはない。

    形状は、別の重要な特性である。 言及されたように、軟質であり、強制的に一致する形状を取らせることができる繊維製品もあり、一方、特定の目的のために成形および造形されているものもある。 ある実施形態では、形状は、ダクトボード、天井タイルおよびある壁断熱体におけるように、実質的に平坦である。 別の実施形態において、繊維断熱製品は、特定の大きさの導管、パイプまたはタンクに適する特別の形状(例えば、円筒状)に製造される。 他の場合には、特別な形状のものおよび切断片(多くの場合、打抜き片)が、特定の電気器具断熱製品、自動車断熱製品などに含まれる。 最後に、他の形状が、不織テキスタイル断熱製品により作り出される。

    繊維断熱製品の別の分類は、製造方法を含み得る。 ガラス繊維断熱材の製造は、溶融ガラスの回転式繊維化、直ちに移動コンベヤ上に繊維ガラスパックを成形すること、および繊維ガラス断熱バット上のバインダーを硬化させて、図1に示される断熱ブランケットを成形することによって、連続工程で実施され得る。 ガラスは、タンク(示されていない)内で溶融され、繊維化スピナー15のような繊維成形装置に供給される。 スピナー15は高速で回転する。 遠心力により、溶融ガラスが、繊維化スピナー15の外周側壁の穴を通過して、ガラス繊維が成形される。 ランダムな長さのガラス繊維30が、繊維化スピナー15により細くなり、通常は下向きに、すなわち、スピナー15の面にほぼ直を成すように、成形チャンバ25内に位置するブロア20によって風を吹き付けられる。 ガラス繊維30は、同じタイプのガラスであってもよく、または、それらは異なるタイプのガラスから成形されていてもよいことが理解されるべきである。 繊維化スピナー15により成形される繊維30の少なくとも1つが、デュアルガラス繊維であることもまた本発明の範囲内にあり、この場合、個々の繊維の各々は、2つの異なるガラス組成物から成形される。
    ブロア20は、繊維30を下方に向かわせて、繊維バット40を成形させる。 ガラス繊維30は、約2〜約9μm、または約3〜約6μmの直径を有し得る。 ガラス繊維30の小さな直径は、最終の断熱製品に、ソフトな感じおよび柔軟性をもたせる助けとなる。
    ガラス繊維は、成形チャンバ25を通過している間で、延伸動作のためにまだ高温である間に、繊維ガラスで成形される断熱パック40の全体にわたってバインダー組成物が分布するように、環状のスプレーリング35によって、本発明の水性バインダー組成物をスプレーされる。 水もまた、水性バインダー組成物を適用する前に、少なくともある程度ガラス繊維30を冷却するために、成形チャンバ25において、例えばスプレーによって、ガラス繊維30に適用されてもよい。 バインダーは、繊維製品全体の約1重量%〜30重量%、より普通には、約2重量%〜約20重量%、または約3重量%〜約14重量%の量で存在し得る。 繊維製品のバインダー含有量は、典型的には、硬化後の製品の強熱減量または「LOI」によって求められる。
    未硬化樹脂バインダーが付着したガラス繊維30は、成形チャンバ25内の成形用エンドレスコンベヤ45の上で、集積され、成形用コンベヤ45の下からの、繊維パック40を通しての真空引き(示されていない)に助けられながら、未硬化断熱材パック40に成形される。 成形動作の間の、ガラス繊維30および繊維パック40を通る空気の流れによる残存する熱は、通常、ガラス繊維30が成形チャンバ25を出ていく前に、バインダーの水の大部分を蒸発させるのに十分であるので、残っているバインダー成分が、粘性のある、または幾分粘性のある高固形分液体として繊維30上に残される。

    コーティングされた繊維パック40(これは、成形チャンバ25内でのパック40を通る空気の流れのせいで、圧縮された状態にある)は、次いで、成形チャンバ25から、出口ロール50の下を通り、移動ゾーン55へと移動し、そこで、パック40は、ガラス繊維の弾性のせいで、垂直に膨張する。 膨張した断熱パック40は、次いで、例えば、硬化オーブン60を通してパック40を送ることによって、加熱され、硬化オーブンでは、加熱空気が断熱パック40を通して送られて、バインダーに残っている水を蒸発させ、バインダーを硬化させ、繊維を互いに強固に結び付ける。 加熱空気は、ファン75により、下側オーブンコンベヤ70、断熱パック40、上側オーブンコンベヤ65を通り、硬化オーブン60から排出装置80を通って出ていくように強制的に送られる。 硬化したバインダーは、断熱ブランケット10に、強度と弾性を付与する。 バインダーの乾燥と硬化は、1つまたは2つの別のステップのいずれかで実施され得ることが理解されるべきである。 2段階(2ステップ)法は、一般に、B−ステージング(B−staging)として知られている。

    また、硬化オーブン60において、断熱パック40は、繊維断熱ブランケット10を成形するために、上側および下側の有孔(foraminous)オーブンコンベヤ65、70によって圧縮されてもよい。 断熱ブランケット10は、上側表面および下側表面を有することが理解されるべきである。 特に、断熱ブランケット10は、2つの主要な表面(典型的には、上面および底面)、ならびに2つの小さなまたは横側の表面を有し、繊維ブランケット10は、主要な両表面が実質的に水平の状態を有するようになっている。 上側および下側のオーブンコンベヤ65、70は、断熱パック40を圧縮して、断熱ブランケット10に、予め決められた厚さをもたせるために使用され得る。 図1は、コンベヤ65、70を、実質的に平行に配置されているように描いているが、代わりに、それらは、相互に、ある角度を有するように配置されていてもよいことが理解されるべきである(図示されていない)。

    硬化オーブン60は、約100℃〜約325℃、または約250℃〜約300℃の温度で運転され得る。 断熱パック40は、バインダーを架橋(硬化)させ、断熱ブランケット10を成形させるのに十分な時間、オーブン内に留まり得る。 本発明のバインダー組成物は、通常のホルムアルデヒドバインダーの硬化温度より低い温度で硬化する。 このより低い硬化温度は、断熱パック、および下で詳細に記載されるチョップドストランド不織マットを加熱するために、より少ないエネルギーを必要とし、このことは、結果として製造コストをより小さくする。

    次いで、表面材93が、表面層95をなすように、断熱ブランケット10の上に置かれ得る。 適切な表面材93の非限定的例には、クラフト紙、箔−スクリム−クラフト紙ラミネート、リサイクル紙、および光沢紙が含まれる。 表面材93は、断熱ブランケット10の表面に接合剤(示されていない)によって固着されて、表面材付き断熱製品97を成形し得る。 適切な接合剤には、表面材93にコーティングされる、または別の方法で適用することができる、接着剤、ポリマー樹脂、アスファルト、およびビチューメン材料が含まれる。 表面材付き繊維断熱材97は、次に、保管および/または出荷のために巻かれ、または切断装置(図示されていない)によって予め決められた長さに切断され得る。 このような表面材付き断熱製品は、例えば、地下室仕上げシステムにおけるパネルとして、ダクトラップ、ダクトボードとして、表面材付き住宅用断熱材として、またパイプ断熱材として使用され得る。 ある例示的な実施形態において、オーブン60から出てくる断熱ブランケット10は、引取りロールに巻かれ、または望みの長さを有する切断片に切断され、表面材94により上張りされないことが理解されるべきである。 任意選択で、断熱ブランケット10は、スリット装置によって複数の層にスリットされ、次いで、望みの長さに切断されてもよい(図示されていない)。
    建築物の断熱キャビティに置かれる断熱材の大部分は、上に記載されたような断熱製品を平らにした断熱ブランケットの形態である。 表面材付き断熱製品は、典型的には断熱キャビティの屋内側に、表面材を断熱キャビティの端部と凹凸のないように置いて、設置される。 表面材が防湿層(vapor retarder)である断熱製品は、暖かい屋内空間を、低温の外部空間から隔てる壁、床、または天井のキャビティを断熱するために一般的に使用される。 防湿層は、断熱製品を通しての水蒸気の移動を遅らせる、または妨げるために、断熱製品の片側に配置される。

    断熱製品10における、水、粉塵および/または他の微生物の栄養物の存在は、微生物の成長および増殖を支え得る。 断熱製品における細菌および/またはカビの成長は、断熱製品10に、臭気、変色、および劣化、例えば、クラフト紙表面材の防湿(vapor barrier)特性の劣化を生じ得る。 断熱製品10における、細菌、真菌および/またはカビのような、望まれていない微生物の成長を抑制するために、断熱パック40は、1種または複数の抗微生物剤、殺真菌剤および/または殺生物剤により処理され得る。 坑微生物剤、殺真菌剤および/または殺生物剤は、断熱製品10の製造中に、または製造後の工程において添加され得る。 本発明のバインダー組成物を用いる断熱製品は、図示されているガラス繊維バット、あるいはルースフィル断熱材、ダクトボード、ダクトライナー、またはパイプ被覆材(図に示されていない)であり得る。
    成形または造形された製品は、製品をその最終の形状に成型または造形するさらなるステップ(硬化の間でもよい)を含み得る。 硬質ボードは、造形製品の1つのタイプであり、その形状は平坦である。 他の造形製品は、ダイまたはモールドまたは他の成形装置によって成形され得る。 硬さは、高密度の繊維の使用によって、また/または、高レベルのバインダー付着によって付与され得る。 回転繊維化に代わるものとして、ある繊維断熱製品は、特に高密度不織断熱製品は、ランダムな配向に撒き散らされ、バインダーに接触させられて、製品を成形する、予め製造されたガラス、他の鉱物またはポリマーの繊維を用い、エアレイドまたは湿式法によって製造され得る。

    製造の別の実施形態において、バインダー組成物は、チョップドストランド不織マットを成形するために、予め製造された繊維と組み合わせて使用され得る。 特に、バインダーは、湿式またはエアレイドのマット製造ラインにおいて、チョップドストランドマットの成形の間に添加され、この場合、繊維は、水(または空気)流体によって分散されている。 チョップドストランドマットにカップリング剤を別に加える1つの例示的な工程が図3に示されている。 ここでは、ガラス繊維が挙げられているが、チョップドストランドマットは、非ガラス繊維から成形される、またはそれを含み得ることが理解されるべきである。 チョップドガラス繊維100は、貯蔵容器114によって、コンベヤ112のような移送装置に供給され、様々な界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤および/または他の化学試剤を含む混合タンク116に移送され、繊維を分散させ、チョップドガラス繊維スラリー(示されていない)を形成するために撹拌され得る。 ガラス繊維スラリーは、ヘッドボックス118に移動し得るが、そこで、スラリーは、移動スクリーンまたは有孔コンベヤ120のような移送装置上に落とされ、スラリーの水の大部分は除去されて、絡み合った繊維のウェブ(マット)122を成形する。 水は、ウェブ122から、通常の真空または空気吸引システム(示されていない)によって除去され得る。

    本発明のバインダー124は、ウェブ122に、適切なバインダーアプリケータ、例えばスプレーアプリケータ126またはカーテンコーター(図示されていない)によって、適用される。 バインダー124がマット122に適用されると、バインダーがコーティングされたマット128は、少なくとも1つの乾燥オーブン130を通過して、残っている水が除去され、バインダー組成物124が硬化される。 オーブン130から出てくる、成形されたチョップドストランド不織マット132は、ランダムに配向し、分散した個々のガラス繊維の集合体である。 チョップドストランドマット132は、図示されているように、後の使用のための保管のために、引取りロール134で巻かれ得る。 この不織マットは、屋根ふき、床張り、天井、壁の用途に、フィルターとして、地上輸送手段および航空機に使用できる。
    ある場合には、連続繊維、例えば、E−ガラスのスクラップを用い、流体に分散させる製造方法に適する長さに、それらを切断することさえ可能である。 テキスタイルパイプ断熱材の一実施形態において、スクラップE−ガラスの長さは、約0.5〜約6インチの範囲に、通常は、約2インチの長さに切断される。 これらは、流体(水または空気)によって分散され、流体は除去され、繊維はバイオベースバインダー(これは、前と同様に硬化される)をスプレーされる。
    本発明によるバイオベースバインダーを用い、製造され得るいくつか例示的繊維製品には、下の表Aに例示されるものが含まれる。

    例4、5、7、および12は、低密度住宅用軟質断熱材に関するのに対して、例8、9および10は、典型的な住宅用軟質断熱材以外の市販の繊維製品をさらに例示する。 本発明によるバイオベースバインダー組成物を用いて製造できる非住宅用断熱繊維製品の一層完全なリストが、下の表Bに記載されている。

    本発明のバインダー配合物によってもたらされる多数の利点がある。 例えば、通常の尿素−ホルムアルデヒドバインダーと異なり、本発明のバインダーは、硬化後に明るい色を有する(低密度製品において)。 さらに、炭水化物は天然由来であり、再生可能資源から得られる。 ホルムアルデヒドの放出を少なくする、または排除することによって、作業場において放出される全揮発性有機化合物(VOC)は削減される。 さらに、炭水化物は比較的安価であるので、断熱製品またはチョップド繊維マットは、より低コストで製造できる。 さらに、本発明のバインダーは臭気が少ない、または無臭であるため、それを用いて作業することを、より望ましくしている。


    本発明を一般的に説明したので、下に例示される特定の具体例(これらは、例示のためにのみ提供されており、特に断らなければ、全てを包含する、または限定であるとは意図されていない)を参照することによってさらなる理解を得ることができる。

    (例1)
    表4に記載のバインダー組成物を、下に詳細に記載される様にして、手すき紙を成形するために用いた。 不織ガラス繊維手すき紙は、乾燥し、400°Fで3分間、硬化させた。 各試料の引張強さ、強熱減量(LOI)、およびLOIで除した引張強さ(引張強さ/LOI)を、雰囲気条件および水蒸気条件下に求めた。 引張強さは、Instronを用い、測定した。 強化繊維の強熱減量(LOI)は、繊維から有機サイズ剤を燃焼または熱分解させて除くのに十分な温度で繊維を加熱した後、繊維に見られる重量の減少である。 加熱減量は、TAPPI T−1013 OM06、ガラス繊維マットの加熱減量(2006)に記載の手順に従って測定した。 水蒸気環境に手すき紙を置くために、手すき紙を、400と500psiの間の圧力で、240°Fのオートクレーブに30分間入れた。

    手すき紙は、次の手順に従って製造した。 最初に、水をバケツに入れた(約5リットル)。 この水に、8滴のNALCO分散剤01NM 159を加えた。 空気力撹拌機を、バケツに下ろし、撹拌するが泡は生成しないように低速にセットした。 この撹拌混合物に、湿潤チョップガラス繊維(8グラム)を加え、5分間撹拌した。 スクリーンキャッチャーを、12×12×12インチの40リットルWilliams標準パルプ試験装置(別称は、デッケル箱)に入れ、箱を閉じた。 次いで、デッケル箱を、「3」の目印まで水で満たし、平板撹拌子をデッケル箱に設置した。 デッケル箱の水に、ポリアクリルアミド(NALCO 7768)の0.5重量%溶液(80グラム)を加え、平板撹拌子を用い、均一な溶液になるまで混合した。 ガラス繊維水を5分間撹拌した後、NALCO 7768の0.5重量%溶液(80グラム)を加え、低速で1分間撹拌し、その後、撹拌速度を最大の設定値に設定し、さらに2分間撹拌した。 次に、ガラス繊維溶液を直ちにデッケル箱に一挙に投入し、平板撹拌子により、10回の高速往復運動で撹拌した。 この時点で、デッケル箱のバルブを、デッケル箱が空になるまで押し下げた。 デッケル箱を排水した後、箱を開いて、スクリーンの対向する隅を持つことによって、手すき紙の付いたスクリーンを台から取り出した。 次いで、スクリーンを木製の枠に置き、バイオベースバインダーを、ロールコーターを用い、手すき紙に適用した。 次いで、余分なバインダーを、真空引きして除いた。 バインダーをコーティングした手すき紙を、硬化のために、オーブンに入れ、1インチのストリップに切断した。 これらのストリップを、デシケータ内に一夜、置いた。

    この実験の結果は、表5に記載されている。 表4における重量は、グラム(g)で表されていることに注意すべきである。

    表4および5に記載のデータから、バインダー配合物は、現行の市販製品の引張強さに比べて、同等または良好な引張強さを示すと結論付けた。

    (例2)
    表6に記載のバインダー配合物を、例1に記載の手順に従って、手すき紙を成形するために用いた。 不織ガラス繊維手すき紙は、乾燥し、400°Fで3分間、硬化させた。 各試料の引張強さ、強熱減量(LOI)、およびLOIで除した引張強さ(引張強さ/LOI)を、雰囲気条件および水蒸気条件下に求めた。 水蒸気条件は、例1に記載のものと同じであった。 さらに、各試料の強熱減量および引張強さを、例1において記載の手順に従って測定した。 結果は、表7に記載されている。 表6における重量は、グラム(g)で表されていることに注意すべきである。


    表6および7に記載のデータから、様々なデキストロース当量(DE)を有するマルトデキストリンを含むバインダー配合物は、市販製品より良好なまたは匹敵する引張強さ、LOI、および水蒸気エージング後のLOIを実現したと結論付けた。

    (例3)
    表8に記載のバインダー配合物を、例1に記載の手順に従って、手すき紙を成形するために用いた。 不織ガラス繊維手すき紙は、乾燥し、400°Fで3分間、硬化させた。
    各試料の引張強さ、LOI、および引張強さ/LOIを、雰囲気条件および水蒸気条件下に求めた。 水蒸気条件は、例1に記載のものと同じであった。 さらに、各試料の強熱減量および引張強さを、例1において記載の手順に従って測定した。 結果は、表9に記載されている。 表8における重量は、グラム(g)で表されていることに注意すべきである。

    表8および9に記載のデータから、様々な触媒を含むバイオベースバインダー配合物は、現行の市販製品のそれに匹敵する引張強さを実現すると結論付けた。

    (例4)
    表10に記載のバインダー配合物を、当業者に知られている方法で、R−19ガラス繊維断熱バットを成形するために用いた。 R−19ガラス繊維断熱バットは、6%のLOI目標値を有し、510°Fで硬化させた。 ラインの末端でのバットの機械的特性を、周囲条件下に測定した。 結果を表11に記載する。


    表10および11に記載のデータから、マルトデキストリンとポリアクリル酸を、または様々な比率のマルトデキストリンとクエン酸を含むバインダー配合物は、典型的な製造条件下に硬化でき、現行の市販製品のそれに匹敵する製品性能を実現すると結論付けた。

    (例5)
    表12に記載のバインダー配合物を、当業者に知られている方法で、R−19ガラス繊維断熱バットを成形するために用いた。 R−19ガラス繊維断熱バットは、6%の強熱減量(LOI)目標値を有していた。 バットの機械的特性を、周囲条件下に測定した。 結果を表13に記載する。


    表12および13に記載のデータから、加工助剤(例えば、グリセリン)を様々なレベルで含むバインダー配合物は、現行の市販製品のそれに匹敵する製品性能を実現すると結論付けた。 オーブンに入る前の未硬化ブランケットのランプ高さが、バインダー組成物中に存在するグリセリンのパーセントに比例して向上することもまた観察された。 例えば、組成物中に存在するグリセリンのパーセントを5%から15%に増やすと、ランプ高さは、15%から50%に増加した。

    (例6)
    表14および16に記載のバインダー配合物を、例1に記載の手順に従って手すき紙を成形するため用いた。 不織ガラス繊維手すき紙は、乾燥し、400°Fで3分間、硬化させた。 各試料の引張強さ、LOI、および引張強さ/LOIを、雰囲気条件および水蒸気条件下に求めた。 水蒸気条件は、例1に記載のものと同じであった。 さらに、各試料の強熱減量および引張強さを、例1に記載の手順に従って測定した。 結果を表15および17に記載する。 表15および17における重量はグラム(g)で表されていることに注意すべきである。


    表14〜17に記載のデータから、架橋促進剤として添加されたアルカノールアミンを含むバインダー配合物が、現行の市販製品のそれに匹敵するまたはより良好な引張強さおよびLOIを実現すると結論付けた。

    (例7)
    表18および表20に記載のバインダー配合物を、当業者に知られている通常の方法で、R−21ガラス繊維断熱バットを成形するために用いた。 R−21ガラス繊維断熱バットは、5.5%の強熱減量(LOI)目標値を有していた。 ラインの末端でのバットの機械的特性を、周囲条件下に測定した。 結果を表19および20に記載する。

    表18〜21に示されているように、バイオベースバインダーへの、グリセロール、ジエタノールアミンおよび/またはトリエタノールアミンの添加は、良好な性能特性、例えば、許容される剛性/たるみを有するガラス繊維断熱製品をもたらした。 さらに、触媒の存在なしに、マルトデキストリンおよびクエン酸のブレンドを含むバインダー配合物は、典型的な製造条件下に硬化し、許容される剛性/たるみ特性を生じた。

    (例8)
    表22に記載のバインダー配合物を、当業者に知られている通常の方法で、5pcfで、厚さ1インチのガラス繊維天井ボードを成形するために用いた。 この天井ボードは、13%の加熱減量(LOI)目標値を有していた。 天井ボードの機械的特性を、周囲条件下に求めた。 結果を表23に記載する。 比較のための試料1〜3は、表22に示され、試料4(この実験における対照)は、表22には詳細に特定されていないが、5ポンド/立法フィート(pcf)で厚さ1インチのOwens Corningの天井ボード(市販製品)である。


    表22および23に示されているように、バイオベースバインダーは、良好な性能特性、例えば、向上した(または同等の)曲げ弾性率、および向上した圧縮荷重変形を有する天井ボードを生成した。

    (例9)
    表24に記載のバインダー配合物を、当業者に知られている通常の方法で、R−6ガラス繊維軟質ダクトメディア(FDM)を成形するために用いた。 この軟質ダクトメディアは、6%のLOI目標値を有していた。 軟質ダクトメディアの機械的特性を、周囲条件下で求めた。 結果を表25に記載する。


    表24および25に示されるように、バイオベースは、既存のR−6軟質ダクトメディア断熱材市販製品のそれに匹敵する引張強さを有するR−6軟質ダクトメディア断熱材を生成した。

    (例10)
    表26に記載のバインダー配合物を、当業者に知られている通常の方法で、R−13ガラス繊維金属建築物断熱材(MBI)を成形するために用いた。 この天井ボードは、6.5%のLOI目標値を有していた。 金属建築物断熱材の機械的特性を、周囲条件下に求めた。 結果を表27に記載する。

    表26および27に示されるように、バイオベースバインダーは、市販のR−13金属建築物断熱材製品のそれに匹敵する厚さを有する、R−13金属建築物断熱材を生成した。

    (例11)
    バインダーの表面張力を下げるために、バインダーのスプレーによる霧化を向上させるために、バインダーの分布の均一性を向上させるために、およびバインダーの濡れと繊維−繊維の接合部へのバインダーの移動とを向上させるために、界面活性剤を含むバイオベースバインダーの表面張力を、フェノール/尿素/ホルムアルデヒドのバインダー標準と比較した。 本発明のバイオベースバインダー組成物の表面張力は、Surface Tensionmeter 6000(Chem−Dyne Research GroupのSensaDyne Instrument Division製)を用い、測定した。 この装置は、脱イオン水により較正した。 データは、5秒ごとに記録した。 システムが安定し、試験が始まった後、1分間の試験時間にわたる平均値を、各試料について得た。 結果を表28に記載する。

    表28に記載の結果を見ることにより、バイオベースバインダーの表面張力が、界面活性剤の添加によって低下すると結論付けた。


    表29および30に記載のデータから、様々なカップリング剤を含むバイオベース配合物が、現行の市販製品のそれに匹敵する引張強さを実現すると結論付けた。

    (例12)
    バイオベースバインダーは、製品および硬化条件に依り、においを発し得る。 望ましくないにおいの放出をできるだけ少なくするために、様々なアルカノールアミンをバインダー組成物に添加し、R−20製品を、典型的な(通常の)製造条件下に製造した。 製造した材料は、8×8(インチ2 )に切断し、ジップバッグに入れ、シールした。 10人の回答者に、新しい試料バッグを与え、回答者は個々に、それぞれの試料を、最も強いにおい(最も大きな数)から最も弱いにおい(最も小さい数)までランク付けを行った。 結果を表31に記載する。


    表31に記載のデータに基づいて、硬化した断熱製品により発生するにおいは、アルカノールアミンを含む本発明のバイオベースバインダーを用いて低減されると結論付けた。

    (例13)
    表18に記載の試料1および試料2のバインダー配合物を、表32に列挙した耐湿添加剤と組み合わせて、当業者に知られている通常の方法で、R−13ガラス繊維断熱製品を成形するために用いた。 R−13製品は、6.5%のLOI目標値を有していた。 耐湿添加剤を加えたバイオバインダーの機械的特性を、周囲条件下に測定した。 結果を表32に記載する。

    表32に記載のデータに基づいて、様々な耐湿添加剤を含むバイオベースバインダー配合物により、市販のガラス繊維断熱製品のそれに匹敵する性能能力を有するガラス繊維断熱製品が得られると結論付けた。

    (例14)
    環境放出試験は、表18に試料1として記載の基本配合物を、それだけでか、または既存の粉塵防止乳化鉱油と一緒にかのいずれかで用いた。 試験は、対照を含めて、各配合物について、R−19断熱製品を製造する通常の製造ラインを用い、少なくとも5時間にわたって、実施した。 通常の放出試料採取分析手法に従い、フィルター捕集した微粒子放出、およびホルムアルデヒド放出を表33に列挙した。


    表33に記載のデータから、バイオベースバインダーは、通常のガラス繊維断熱材製造工程に適用された場合、断熱材の成形の間に、生成する微粒子放出物を18%以上減少させ、ホルムアルデヒドの放出を、ほとんど無くすると結論付けた。 検出された少量のホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒドバインダー残留物または何らかの他の汚染に由来した可能性があることが指摘される。

    本出願の発明が、上で、一般的にも、具体的実施形態に関連させても、説明された。 本発明が、好ましい実施形態であると考えられるものにおいて記載されたが、当業者に知られている多様な代替が、包括的開示の範囲内で選択され得る。 本発明は、下に記載される特許請求の範囲の記述以外には、他の如何なる方法でも限定されない。

    本出願の発明が、上で、一般的にも、具体的実施形態に関連させても、説明された。 本発明が、好ましい実施形態であると考えられるものにおいて記載されたが、当業者に知られている多様な代替が、包括的開示の範囲内で選択され得る。 本発明は、下に記載される特許請求の範囲の記述以外には、他の如何なる方法でも限定されない。
    〔1〕
    複数のランダム配向繊維;および
    前記繊維の少なくとも一部に適用されたバインダー組成物
    を含み、前記バインダー組成物が、
    2〜20のデキストロース当量数を有する少なくとも1種の炭水化物;および
    少なくとも1種の架橋剤
    の反応生成物を含む、繊維断熱製品。
    〔2〕
    硬化した状態の前記バインダー組成物が、少なくとも1種のポリエステルを含む、〔1〕に記載の繊維断熱製品。
    〔3〕
    前記少なくとも1種の炭水化物が、ペクチン、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、変性デンプン、デンプン誘導体およびこれらの組合せからなる群から選択される水溶性多糖である、〔1〕に記載の繊維断熱製品。
    〔4〕
    前記架橋剤が、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、酸無水物、酸無水物を有するモノマー性カルボン酸、酸無水物を有するポリカルボン酸、クエン酸、クエン酸の塩、アジピン酸、アジピン酸の塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリアクリル酸系樹脂およびこれらの組合せからなる群から選択される、〔3〕に記載の繊維断熱製品。
    〔5〕
    添加されたホルムアルデヒドを含まない、〔1〕に記載の繊維断熱製品。
    〔6〕
    第1の主表面および第2の主表面を有するマットの形態の、複数のランダム配向ガラス繊維;および
    前記マットの前記第1の主表面を少なくとも部分的にコーティングするバインダー組成物
    を含み、前記バインダー組成物が、
    2〜20のデキストロース当量数を有する少なくとも1種の炭水化物;および
    少なくとも1種の架橋剤
    の反応生成物を含む、不織繊維製品。
    〔7〕
    硬化した状態の前記バインダー組成物が、少なくとも1種のポリエステルを含む、〔6〕に記載の不織マット。
    〔8〕
    前記少なくとも1種の炭水化物が、ペクチン、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、変性デンプン、デンプン誘導体およびこれらの組合せからなる群から選択される水溶性多糖である、〔6〕に記載の不織マット。
    〔9〕
    前記架橋剤が、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、酸無水物、酸無水物を有するモノマー性カルボン酸、酸無水物を有するポリカルボン酸、クエン酸、クエン酸の塩、アジピン酸、アジピン酸の塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリアクリル酸系樹脂およびこれらの組合せからなる群から選択される、〔6〕に記載の不織マット。
    〔10〕
    前記バインダー組成物が、カップリング剤、加工助剤、増量剤、pH調整剤、触媒、架橋密度向上剤、脱臭剤、酸化防止剤、粉塵抑制剤、殺生物剤および耐湿剤からなる群から選択される少なくとも1種の構成要素をさらに含む、〔6〕に記載の不織マット。
    〔11〕
    添加されたホルムアルデヒドを含まない、〔6〕に記載の不織マット。
    〔12〕
    複数のランダム配向ガラス繊維;および
    前記繊維の少なくとも一部に適用された、ホルムアルデヒドを含まない熱硬化性のバイオベースバインダー組成物
    を含み、前記バインダー組成物が、
    反応性ヒドロキシル基を有する少なくとも1種の炭水化物;および
    反応性カルボン酸基を有する少なくとも1種の架橋剤
    を含む、繊維製品。
    〔13〕
    回転繊維化法によって製造される、約0.3〜約4pcfの密度を有する軟質低密度製品である、〔12〕に記載の繊維製品。
    〔14〕
    約1.5〜約10pcfの密度を有する硬質製品である、〔12〕に記載の繊維製品。
    〔15〕
    約3〜約8pcfの密度を有する、〔14〕に記載の繊維製品。
    〔16〕
    約1.5〜約10pcfの密度を有する硬質製品であり、パイプの断片に合う円筒状に造形されている、〔12〕に記載の繊維製品。
    〔17〕
    エアレイド法によって製造される不織製品であり、約0.8〜約4pcfの密度を有する、〔12〕に記載の繊維製品。

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