Binding agent and its use

申请号 JP27225692 申请日 1992-08-29 公开(公告)号 JPH05306350A 公开(公告)日 1993-11-19
申请人 Hayashibara Biochem Lab Inc; 株式会社林原生物化学研究所; 发明人 OZAKI YOSHIHIDE; NOMURA TATSUO; MIYAKE TOSHIO;
摘要 PURPOSE: To provide the non-pollutive, low viscous and readily handled binding agent by adding a saccharide to pullulan in a specific ratio, and to provide its use.
CONSTITUTION: The solution-like or powdery binding agent comprises pullulan and a saccharide in a weight ratio of 85:15 to 65:35 as main components. Especially, the binding agent is characterized in that the average polymerization degree of the saccharide is ≤4, and the molded product contains the binding agent. The binding agent is a non-pollutive, low viscous and readily handled binding agent giving a high adhesive force with a reduced amount used.
COPYRIGHT: (C)1993,JPO&Japio
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 主成分としてプルランと糖類とを含み、
    その重量比が85:15乃至65:35の範囲からなる結着剤。
  • 【請求項2】 糖類の平均重合度が4以下であることを特徴とする請求項1記載の結着剤。
  • 【請求項3】 結着剤が溶液状、または、粉末状である請求項1または請求項2記載の結着剤。
  • 【請求項4】 結着剤が無機質用結着剤であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の結着剤。
  • 【請求項5】 主成分してプルランと糖類とを含み、その重量比が85:15乃至65:35の範囲からなる結着剤を含有せしめた成形物。
  • 【請求項6】 結着剤とともに多価アルコールを含有せしめることを特徴とする請求項5記載の成形物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、プルランと糖類を主成分とする結着剤とその用途に関するものであり、更に詳細には、結着の高い結着剤とその結着剤を含有せしめた成形物に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】プルランは、オーレオパシディウム・プルランス(Aureobasidium pullul
    ans)を、単糖類、オリゴ糖類などの糖類を含む栄養培地に、好気的に培養して得られる粘質グルカンであって、工業的に製造されている。

    【0003】プルランは、溶性、可食性、造膜性、接着性などの特徴を有していることから各種飲食物、化粧品、医薬品などの基材、接着材、コーティング剤などとして利用される他、各種成形物、例えば、顆粒、錠剤、
    棒、フィルム、シートなどとして多方面に利用されている。

    【0004】従来、プルランの結着性を向上させるためには、出来るだけ夾雑糖類などを除去することが提案され実施されて来た。 例えば、特開昭50−105887
    号公報、同昭50−116692号公報では、培養物に有機溶媒を加えて高純度プルランを採取する方法が示されている。

    【0005】しかしながら、これら方法で得られる製品は、プルラン含量が高くなるものの、粘度が高まって、
    却ってその溶解時の取扱いに熟練を要することとなり、
    また、コスト的にも高価となり、工業的に広範な用途に容易に使用出来るものではなかった。

    【0006】一方、工業的に容易に使用し得るプルラン含有結着剤も提案されている。 例えば、特開昭59−1
    72566号公報では、焙焼デキストリンを炭素源としてプルラン生産菌を培養して得られる糊剤を提案している。

    【0007】該公報実施例に示されているプルランの含量は、固形分当たり10W/W%(以下、本明細書では、特にことわらない限り、W/W%を%と略記する。)未満と低く、該組成物は結着力の極めて低いものであることが判明した。

    【0008】更に、焙焼デキストリンは、該公報中に「耐黴性、皮膜の耐湿性および脆さ、塗布紙のカール性などに問題がある」との欠点が指摘されている。

    【0009】加えて、焙焼デキストリンは、デキストリンの日本工業規格によれば、ヨウ素反応が帯紫赤色を呈し、ブドウ糖換算の還元糖量として6%以下に適合しなければならないとあり、これは糖類の平均重合度として約17に相当する。

    【0010】また、特開昭61−246239号公報は、プルランに粘着性付与物質、可塑性付与物質を主として含有させ、あるいは、これらに更に凝集力向上剤および(または)粘度調整物質および(または)増量剤を含有させた粘着性組成物を提案している。

    【0011】しかしながら、該組成物は、増量剤として糖類を固形分中50%以上、プルランを固形分中30%
    未満含有することが提示されており、結着力が不充分であることが判明した。 したがって、該発明においては結着剤としての技術的解決がなされていない。

    【0012】

    【発明が解決しようとする課題】プルランを含有し、無公害で、低粘度、取扱い容易で、結着力の高い結着剤とその用途の実現が望まれている。

    【0013】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは、プルランを含有し、無公害で、低粘度、取扱い容易で、結着力の高い結着剤とその用途の確立を目ざし、糖類の利用に着目し鋭意研究を続けて来た。

    【0014】その結果、意外にも、糖類を特定の比率で含む場合には、粘度が低下するにも拘らず、結着性はプルラン単独の場合よりも増強され結着剤として好適であることを見出し、併せて、この結着剤を含有せしめることを特徴とする成形物を確立して本発明を完成した。

    【0015】即ち、本発明の結着剤は、主成分としてプルランと糖類との比率(以下、本明細書では、比率は固形分当りの重量比を示す。)が85:15乃至65:3
    5の範囲が適していることが判明した。

    【0016】本発明でいう主成分とは、結着剤の結着力を低減させない程度に高含量であればよく、望ましくは、プルランと糖類との合計含量が固形分当り90%以上含むことを意味する。

    【0017】本発明でいうプルランとは、75V/V%
    メタノールに不溶性であって、プルラナーゼ(EC3.
    2.1.41)により加水分解を受けて主にマルトトリオースを生成する高分子物質をいう。

    【0018】本発明においては、低粘度、取扱い易さ、
    結着力などから、平均分子量約50万未満のものが好適であり、より望ましくは、約4万乃至30万のものを用いるのが好適である。

    【0019】糖類としては、単糖類、重合度2〜8のオリゴ糖が好適であり、より望ましくは、平均重合度が4
    以下の糖類が適している。 例えば、キシロース、グルコース、フラクトース、ガラクトースなどの単糖類、マルトース、シュクロース、ラクトースなどの二糖類、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、
    ガラクトオリゴ糖など、更には、糖蜜、天然未利用多糖質資源の部分分解物などのオリゴ糖を用いることが出来る。 これら糖類の特定比率の共存は、高分子であるプルラン分子の動きを容易にし、被結着物表面へのなじみを向上させ、結果として結着力を増強するものと考えられる。

    【0020】本発明の結着剤を得るための方法としては、プルランと糖類とが特定比率、即ち、85:15乃至65:35の比率で配合出来る方法であればよく、適宜な方法が採用出来る。 例えばプルランを約3乃至50
    %水溶液とし、これに上記より選ばれる糖類を特定比率で溶解して調製する。 必要ならば、これを、噴霧乾燥するか、または、ドラムドライヤーに供給し、乾燥、粉砕して粉末品として調製する。

    【0021】一方、本発明の結着剤は、上記の特定比率からなる製品を目指して、培養方法で製造することも出来る。 この培養に用いる菌株は、プルラン産生能を有する菌株であれば何れの菌株でも良く、また、その変異菌株でも良い。

    【0022】培養培地の炭素源としては、キシロース、
    グルコース、フラクトース、異性化糖、転化糖などの単糖類、マルトース、シュクロース、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、澱粉部分分解物、糖蜜などが用いられる。

    【0023】プルランと糖類とを経時的に測定して両者が特定比率になった時に培養を中止し、常法通り、菌体を除去し、色素の生成の甚だしい時は活性炭などの添加により脱色し、濃縮して製品化すればよい。 必要ならば、脱塩して製品化することも、乾燥して粉末品を得ることも有利に実施出来る。

    【0024】更に必要ならば、結着剤製品が製造完了する迄の間に、プルランおよび糖類に対して、補助剤として無機質または有機質の、例えば、着色料、着香料、防腐剤、防黴剤、安定剤、賦形剤などを適量、望ましくは、約10%未満を併用することも有利に実施出来る。

    【0025】本発明により得られる結着剤は次の特徴を有している。

    【0026】(1)低粘度で、溶解時の取扱いが容易であるとともに、望ましい結着力が比較的少ない使用量で得られる。

    【0027】(2)望ましい結着性と、得られる成形物の加水条件での望ましい崩壊性、消失性を兼備させることが出来る。

    【0028】(3)得られる成形物は、剛性と強度を有し、澱粉とは違って老化現象により結着力が低下することはない。

    【0029】(4)無機質との接着性、結着性に優れた性能を持っている。

    【0030】即ち、本発明により、取扱い容易で、従来提案されているプルランを含有する結着剤よりも少ない使用量で優れた特性を発揮する結着剤を実現することが出来た。

    【0031】したがって、本発明の結着剤は、成形物の製造に有利に利用できる。

    【0032】成形物への利用に際しては、目的に応じて本発明の結着剤を単独で含有せしめることも、また、本発明の結着剤とともに、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、ラクチトールなどの多価アルコールを含有せしめることも有利に実施できる。

    【0033】更に、必要に応じて、その他の材料、例えば、プルラン以外の多糖類、可塑剤、増量剤、賦形剤、
    界面活性剤、安定剤、難燃剤、離形剤、抗菌剤、着色剤、着香剤、栄養物、嗜好物、呈味物、薬効物質、生理活性物質などから選ばれる1種または2種以上を含有せしめることも随意である。

    【0034】本発明の結着剤を含有せしめるとは、その成形物製品の製造が完了するまでの工程で本発明の結着剤を含有せしめることができればよく、その方法としては、例えば、混和、混捏、溶解、浸漬、塗布、散布、噴霧、注入などの公知の方法が適宜選ばれる。

    【0035】以下、本発明を一層明らかにするため実験例を用いて説明する。

    【0036】

    【実験1】結着剤の特性に与えるプルランと糖類比率の影響

    【0037】(1)結着剤の調製 特開昭50−105887号公報記載の有機溶媒による精製法で高度に精製して調製したプルラン(分子量約1
    5万)とマルトース(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名マルトースHHH)とを表1に示した各種比率で水に溶解し、真空乾燥後、粉末化して粉末状の各種結着剤を得た。

    【0038】(2)成形物の作製 (a)結着剤、アルミナ混合粉体の調製 実験1(1)の方法で調製したプルランとマルトースとを各種比率で含む結着剤の1gを水60mlに溶解し、
    これにアルミナ50gを加え、ホモゲナイザーにて35
    00rpmで撹拌混合後、ナスフラスコ500mlに移し、ロータリーエバポレーターを用いて水分を除去した。 得られた塊状物を110℃で2時間保持後、乳鉢で解砕し、チャック付ポリエチレン袋に採り、シリカゲル入りデシケーター中に保存して原料粉体とした。

    【0039】(b)成形 実験1(2)(a)の方法で調製した原料粉体10gをチャック付ポリエチレン袋に採り、これに6%の水を加えて良く混合し、室温で一夜放置後、この1.2gを金型(12mmφ)に入れ、コンピュータ計測制御式精密万能試験機(株式会社島津製作所製、商品名オートグラフAG−D)を使用し、加圧速度1mm/min、成形圧100MPaで60秒保持の条件で成形後、110
    ℃、20時間乾燥し、結着した成形物を得た。

    【0040】(3)成形物の破壊強度の測定 成形物の直径方向の破壊加重を測定した。 測定には、オートグラフ(ロートセル5000N)を用いて、試験速度0.5mm/minの条件で行ない、その時の最大加重から次式により破壊強度を求めた。

    【0041】

    【数1】σ=2P/πDh 上記の数式において、σは破壊強度(kgf/c
    )、Pは最大加重(kgf)、Dは結着物直径(c
    m)、hは成形物厚さ(cm)である。

    【0042】(4)評価 結果は表1の通りである。

    【0043】

    【表1】

    【0044】表1の結果から明らかなように、プルランと糖類との比が85:15乃至65:35の範囲で、粘度が低下し、溶解時の取扱いが容易で、成形物の結着力も際立って高いことが判明した。

    【0045】

    【実験2】本発明結着剤の使用例 (1)結着剤の調製 実験1(1)の方法に準じて、プルランとマルトースとを80:20で混和して、同様に結着剤を得た。

    【0046】(2)成形物の作製 実験2(1)の方法で調製した結着剤の0.5g、1
    g、1.5g、2gまたは2.5gを、実験1(2)
    (a)、(b)の方法に準じて水60mlに溶解し、アルミナ50gと混合し、同様に成形物を得た。

    【0047】(3)成形物の破壊強度の測定 実験1(3)の方法に準じて、同様に破壊強度を測定した。

    【0048】(4)評価 結果は表2の通りである。

    【0049】

    【表2】

    【0050】表2の結果から明らかな様に、本発明の結着剤は、無機質に対して2%以上、望ましくは、3%以上使用すればより高い結着力が得られることが判明した。 以下、実施例Aで結着剤の製造例を、実施例Bで結着剤の用途例を述べる。

    【0051】

    【実施例A−1】 結着剤 プルラン(株式会社林原商事販売、商品名プルランPF
    −20)30重量部に、水65重量部、サンマルト(同上販売、登録商標サソマルト)5重量部を加え、加温しつつ撹拌溶解し、これをスチール製容器に1kgずつ充填し、加熱殺菌し、冷却して液状結着剤を得た。

    【0052】本品のプルランと糖類との比は、約81:
    19であり、糖類の平均重合度は約2.1である。 本品は、無公害、低粘度、取扱い容易で、結着力が強く、各種物品、とりわけ、飼料、肥料、種子、木材加工品など農林水畜産品、食料品、製紙、紙加工業品、鉱工業品、
    化学工業品などの結着剤として有利に利用出来る。

    【0053】

    【実施例A−2】 結着剤 プルラン(商品名PF−20)30重量部に、水61重量部、イソマルトオリゴ糖(同上販売、商品名パノラップ、水分25%)8重量部およびラクトース1重量部を加え、以下、実施例A−1と同様に行ない、液状結着剤を得た。

    【0054】本品のプルランと糖類との比は約75:2
    5であり、糖類の平均重合度は約2.2である。 本品は、実施例A−1と同様に、低粘度、取扱い容易で、結着力が強く、特に鋳型などの様な無機質混和物に流動性が要求されるものに好適である。

    【0055】

    【実施例A−3】 結着剤 プルラン(同上販売、商品名プルランPI−20)30
    重量部に、水63重量部、テトラップ(同上販売、商品名テトラップ、水分28%)7重量部を加え、以下、実施例A−1と同様に行ない、液状物を得、次いで、これを真空乾燥し、粉末化して粉末状結着剤を得た。

    【0056】本品のプルランと糖類との比は約80:2
    0であり、糖類の平均重合度は約3.8である。 本品は、各種物品の結着剤として利用できるが、特に医薬品固型製剤、医療用生体材料などに好適である。

    【0057】

    【実施例A−4】 結着剤 プルラン生産菌株としてAureobasidium
    pullulansIF04464を用い、培養培地は高DE水飴(同上販売、登録商標サンローゼ)(固型分として)8W/V%、K HPO 0.2W/V%、
    ペプトン0.2W/V%、NaCl 0.2W/V%、
    MgSO ・7H O 0.04W/V%、FeSO
    ・7H O 0.001W/V%よりなる培地を用いた。

    【0058】本培養は、上記培地20Lを滅菌後pH
    7.0に調整し、同培地で培養した種培養液を添加して通気撹拌下27℃で2日間培養した。 培養後、菌体を除去した上清に、常法に従って活性炭を加えて脱色し、濃縮、乾燥し、粉末化して粉末状結着剤を得た。

    【0059】本品の収量は約1.2kgで、プルランと糖類との比は約70:30であった。 また、プルランの分子量は約15万であり、糖類の平均重合度は約1.4
    であった。 本品は、プルラン(商品名PF−20)単独使用の場合と比較して、低粘度、取扱い容易で、結着力が強く、安価などの点で優れ、実施例A−1と同様に各種物品の結着剤として広範囲に利用出来る。

    【0060】

    【実施例B−1】 被覆膜 実施例A−1の方法で製造した液状結着剤を濃度1.0
    w/w%水溶液とし、これに産卵後10時間以内の新鮮卵を30秒間浸漬し、次いで、30℃の温度で2時間乾燥して卵殻表面上に被覆膜を成形させた。

    【0061】この被覆膜を形成させた卵を、室温(15
    〜25℃)で保存して、その可食期間を対照の無処理卵と比較した。 その結果、被覆膜を形成させた卵の保存期間は約5〜10倍にも延長された。

    【0062】

    【実施例B−2】 フィルム 実施例A−2の方法で製造した液状結着剤を濃度15w
    /w%水溶液とし、これに固形物当りカラゲナン1w/
    w%および蔗糖モノラウレート0.1w/w%を溶解し、この液をポリエステルフィルム上に流延して、引取速度3m/minで厚さ0.03mmのフィルムとした後、90℃の熱風で乾燥させて製品とした。

    【0063】本品は、プルラン単独フィルムとは違って、水系で速溶せず、徐々に溶解、崩壊する可食性フィルムである。

    【0064】したがって、オブラートなどと同様に、飲みにくい粉状の医薬などの包装剤として、また、溶解、
    崩壊したものが粘着性を有するため、入れ歯固定用フィルムなどとしても有利に用いられる。

    【0065】

    【実施例B−3】 段ボール用接着糊料 実施例A−1の方法で製造した液状結着剤を濃度3w/
    w%水溶液とし、この100重量部に10w/w%のカセイソーダを10重量部添加し、20分間撹拌を行って、キャリヤー部とする。 別に、水100重量部にコーンスターチ40重量部をスラリーとし、更に、砂1重量部を添加したメイン部を作成し、この中にキャリヤー部を徐々に添加混合した後、5分間撹拌して糊料を得た。

    【0066】この糊料は、従来の澱粉糊料に比べ粘度変化は少なく、また、両面コールゲーターを用いてB級ライナー240g/m セミ中芯125g/m を貼合実験したところ、従来の澱粉糊料では120m/min以上では貼合性不良を起す傾向が見られたが、本発明の糊料使用時では160m/minでも問題なく貼合が可能であり、接着性も良好であった。

    【0067】

    【実施例B−4】 繊維 実施例A−1の方法で製造した液状結着剤を濃度40w
    /w%とし、これに固形物当り2w/w%のアルギン酸を溶解して紡糸原液とし、これを60℃にして、直径0.3mm、長さ1mmの円筒状ノズルより圧力3kg
    /cm をかけて室温の空気中にストランドを押し出し、水分を蒸散乾燥させつつ、巻取機にて巻き取った。

    【0068】得られた繊維の太さは、約20μmで強靭であった。 この繊維は撚ることも、編むことも、織ることもできる。 しかも、親水性であって、無毒であり、皮膚への刺激がないという特徴を有しているので、例えば、脱脂綿、生理綿、カーゼ、手術糸等に好適である。

    【0069】また、他の繊維と混紡すれば、その吸湿性、非帯電性、染色性を活かして、肌着、その他衣料としても使用することができる。

    【0070】

    【実施例B−5】 発泡シート 塩化ビニール樹脂100重量部に対して可塑剤としてジオクチルフタレート60重量部、更に、実施例A−4の方法で製造した粉末状結着剤の50w/w%水溶液を全量に対して30w/w%加え、この混合物をらい潰機にて充分練り合わせた後、アルミ板上にアプリケーターを用いて、3mmの厚さのシートをつくり、これを190
    ℃の熱風炉により10分間熱処理したところ、発泡倍率が約5倍の均一なセルを有する発泡シートが得られた。

    【0071】本品は、防音材、断熱材、梱包材、緩衝材などに好適である。 また、本品を河川水に浸漬して放置したところ、1ケ月で崩壊したが、本発明の結着剤無添加のものは12ケ月後でもなお原形をとどめていた。

    【0072】

    【実施例B−6】 ゴルフティー 実施例A−4の方法で製造した粉末状結着剤10重量部および酸性白土4重量部を撹拌しつつ水を噴霧して含水率を約30w/w%とし、これを射出成形機を用いて1
    20℃にてゴルフティーを成形し、シェラックアルコール溶液に浸漬し、風燥して製品を得た。

    【0073】本品は、ショットにより、小塊に破壊され、雨水で徐々に崩壊し、生分解される。

    【0074】したがって、ゴルフ場の美観を損なわず、
    環境も破壊しない。

    【0075】

    【実施例B−7】 植木鉢 実施例A−4の方法で製造した粉末状結着剤100重量部とグリセリン15重量部およびソルビトール5重量部の混合物を、射出成形機を用いて、135℃にて植木鉢を成形し、溶融ワックスに浸漬し、放冷して製品を得た。

    【0076】本品は、徐崩性、生分解性であるため、移植用植木鉢として好適であり、鉢をはずすことなく移植することができるので、植え傷みがない。

    【0077】

    【実施例B−8】 肥料杭 配合肥料(N=14%、P =8%、K O=12
    %)、実施例A−4の方法で製造した粉末状結着剤、硫酸カルシウム、水の割合を重量でそれぞれ70、10、
    15、5とし、充分混合した後、押出機(L/D=2
    0、圧縮比=1.8、ダイスの口径=30mm)で80
    ℃に加熱して肥料抗を製造した。

    【0078】本品は、肥料用容器が不要で取扱い容易であり、全層施肥に適した強度を有し、更に、配合割合を変えることにより肥料成分の溶出速度を調節できるものである。 また、必要ならば、この肥料杭に植物ホルモン、農業用薬剤および土壌改良剤などの混合も容易である。

    【0079】

    【実施例B−9】 タバコ成形物 黄色種の粉末タバコ原料50重量部に、実施例A−3の方法で製造した粉末状結着剤の2w/w%水溶液200
    重量部、ラクチトール0.1重量部とを混合して、0.
    2mmスリットからステンレススチール製エンドレスベルト上に射出し、これを赤外線乾燥して水分13w/w
    %のシートタバコ65重量部を得た。

    【0080】本品は、紙巻タバコの葉組としても、葉巻およびシガリロの中巻としても好適である。 また、本品は、タバコの各種成分の劣化を抑えるとともに、保香性が大であり、喫煙時に異味、異臭を発生せず、香喫味は良好であった。 また、プルランの配合割合を変えることによって、本成形物のニコチン含量や燃焼速度を調節することができる。

    【0081】

    【実施例B−10】 パック リノレン酸0.5重量部を、常法に従って、スクワラン1.5重量部、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.5
    重量部、L−乳酸ナトリウム5.5重量部、グリセリン4.0重量部、実施例A−2の方法で製造した液状結着剤を濃度40w/w%水溶液としたもの50.0重量部、エチルアルコール10.0重量部および精製水3
    3.0重量部に均一に混合し、パックを製造した。

    【0082】本品は、色白剤として好適であり、シミ、
    ソバカス、日焼けなどの局所性並びにアジソニスムなどの全身性色素沈着症の治療用、予防用などの場合に有利に利用できる。

    【0083】

    【実施例B−11】 カプセル 実施例A−3の方法で製造した粉末状結着剤40重量部、ゼラチン60重量部、グリセリン30重量部を混合し、これに水80重量部を加えて約60℃で加熱溶解し、脱気して皮膜用溶液を得、これを用いて、常法に従って、ビタミンE高含有油を内容物とした軟カプセルを製造した。

    【0084】本品は、ゼラチン単独カプセルとは違って、ガスバリヤー性が高く、ビタミンEを安定に保持できるのみならず、水系で速溶性の特長を有する。

    【0085】

    【実施例B−12】 糖衣錠 重量150mgの素錠を芯剤とし、これに結晶マルチトール40重量部、実施例A−1の方法で製造した液状結着剤を濃度10w/w%水溶液としたもの20重量部、
    水12重量部、タルク25重量部および酸化チタン3重量部からなる下掛け液を用いて錠剤重量が約230mg
    になるまで糖衣し、次いで、同じ結晶マルチトール65
    重量部、同じ10w/w%濃度のプルラン水溶液10重量部および水25重量部からなる上掛け液を用いて、糖衣し、更に、ロウ液で艷出しして光沢のある外観の優れた糖衣錠を得た。

    【0086】本品は、糖衣掛け時の作業性が優れているだけでなく、耐衝撃性にも優れており、高品質を長期間維持する。

    【0087】

    【発明の効果】上記したことから明らかな様に、本発明の結着剤は、無公害、低粘度、より少ない使用量で優れた特性を発揮することから、従来提案されている結着剤が、低プルラン含量で、プルランの特性を十分発揮しない結着剤であったり、あるいは、プルラン含量は高いが、高粘度で、取扱いにくく、使用コストが高い結着剤であるといった欠点を解消することが出来る。

    【0088】本発明の結着剤を含有せしめることにより、望ましい剛性と強度を保持した成形物、特に無機質成形物の製造を容易にし、また、充填時の流動性、成形物の崩壊、消失性を要求する鋳型、農林水畜産用固形成形物などの製造を容易にすることが出来る。 したがって、本発明の結着剤とそれを含有せしめた成形物の確立は、プルランの用途を大幅に拡大させるもので、その工業的意義は大きい。

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