フミン酸及び/又はフルボ酸に基づく、繊維、特にミネラル繊維用のサイジング組成物、及びそれから得られる絶縁製品

申请号 JP2014552681 申请日 2013-01-17 公开(公告)号 JP6158836B2 公开(公告)日 2017-07-05
申请人 サン−ゴバン イゾベール; 发明人 ブノワ ディディエ;
摘要
权利要求

ミネラルウールの形態の繊維用のホルムアルデヒド不含サイジング組成物であって、 ・少なくとも1種のフミン酸及び/又は1種のフルボ酸、あるいはこれらの酸の塩、 ・少なくとも1種のサッカライド、及び、 ・少なくとも1種の無機酸アンモニウム塩、 を含むことを特徴とする、繊維用のホルムアルデヒド不含サイジング組成物。前記フミン酸及び/又はフルボ酸が、カリウム塩、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。前記フミン酸及び/又はフルボ酸が、カリウム塩又はナトリウム塩の形であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。前記サッカライドが、モノサッカライド又は、最大限50のサッカライド単位を含むオリゴサッカライドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。前記サッカライドが、モノサッカライド、ジサッカライド、トリサッカライド、テトラサッカライド、及びペンタサッカライドから選択されることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。前記サッカライドが、グルコース、ガラクトース、マンノース、果糖、乳糖、マルトース、イソマルトース、セロビオース、トレハロース、イソトレハロース、ショ糖、イソショ糖、メレジトース、ゲンチアノース、ラフィノース、エルロース、ウンベリフェロース、スタキオース、ベルバスコースから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。前記サッカライドが、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩の混合物100重量部当たり10〜95重量部の比率で存在することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。前記サッカライドが、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩の混合物100重量部当たり30〜80部の比率で存在することを特徴とする、請求項7に記載の組成物。前記無機酸アンモニウム塩が、アンモニウム硫酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム硝酸塩又はアンモニウム炭酸塩であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。前記無機酸アンモニウム塩が、アンモニウム硫酸塩又はアンモニウムリン酸塩であることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。前記無機酸アンモニウム塩がアンモニウム硫酸塩であることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。前記無機酸アンモニウム塩が、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩とサッカライドとからなる混合物の総重量の1〜30重量%に相当していることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。前記無機酸アンモニウム塩が、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩とサッカライドとからなる混合物の総重量の5〜15%に相当していることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。下記の添加剤を、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩とサッカライドとからなる混合物の100重量部に基づき計算して以下の比率で更に含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。 ・0〜2部のシラン ・0〜20部 ・0〜20部 ・0〜5部のシリコーン ・0〜30部の「増量剤」7〜9の範囲のpHを示すことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。請求項1〜15のいずれか1項に記載のサイジング組成物を使用してサイジング処理されたミネラル繊維に基づく製品。断熱及び/又は防音製品であることを特徴とする、請求項16に記載の製品。前記繊維が、以下の成分を重量百分率で表して以下の比率で含むガラス、すなわち、 SiO2 39〜55%、 A12O3 16〜27%、 CaO 3〜35%、 MgO 0〜15%、 Na2O 0〜15%、 K2O 0〜15%、 R2O(Na2O+K2O) 10〜17%、 P2O5 0〜3%、 Fe2O3 0〜15%、 B2O3 0〜8%、 TiO2 0〜3%、 を含むガラスであって、R2O含有量が13.0%以下である場合MgO含有量が0%と5%の間であるガラスで構成されていることを特徴とする、請求項17に記載の製品。前記ガラスが、以下の成分を以下の比率(重量%として)で含むことを特徴とする、請求項18に記載の製品。 SiO2 39〜44%、 Al2O3 16〜27%、 CaO 6〜20%、 MgO 1〜5%、 Na2O 0〜15%、 K2O 0〜15%、 R2O(Na2O+K2O) 10〜14.7%、 P2O5 0〜3%、 Fe2O3 1.5〜15%、 B2O3 0〜2%、 TiO2 0〜2%、請求項17〜19のいずれか1項に記載の防音及び/又は断熱製品の製造方法であり、前記ミネラルウールを製造し、該ウールにサイジング組成物を適用し、そして該ウールを前記サイジング組成物の架橋と不融性バインダーの生成とを可能にする温度で処理する製造方法であって、請求項1〜15のいずれか1項に記載のサイジング組成物を使用することを特徴とする製造方法。

说明书全文

本発明は、ホルムアルデヒド不含バインダーにより結合された、繊維、特にミネラル繊維に基づく製品の分野に関する。

本発明は、繊維がミネラルウール、特にガラスウール又はロックウールの形態である断熱及び/又は防音製品について特に説明するものではあるが、他の繊維に基づく製品、特にベール、マット、フェルト、及び織布を排除はしない。

従って本発明の対象は、少なくとも1種のフミン酸及び/又はフルボ酸と、少なくとも1種のサッカライドと、少なくとも1種の無機酸アンモニウム塩とを含む、架橋してバインダーを形成することができるサイジング組成物、並びに繊維ベースの製品及びそれに由来する製品の、特に断熱及び/又は防音材料の、製造方法である。

ミネラルウールに基づく絶縁製品の製造は、一般に、種々の方法により、例えば内部又は外部遠心分離により繊維化する既知の方法に従って、ウール自体を製造する工程を含む。

内部遠心分離は、溶融材料(一般にガラス又は岩石)を、多数の小孔を含む遠心装置に導入するものであり、その材料は遠心の作用下で装置の周壁に向けて射出され、フィラメントの形でそこから出される。遠心装置を出ると、フィラメントは引っぱられ、高温で高速のガス流により受取り部材に向かって運ばれ、繊維(又はミネラルウール)のウェブを形成する。

外部遠心分離は、それ自体としては、溶融材料をローターとして知られている回転部材の外周表面に吐出するものであり、その材料をそこから遠心力の作用で排出する。ガス流により延伸する手段及び受取り部材に集める手段も設けられる。

繊維を集めて一緒にしウェブが結束力を有するのを可能にするために、遠心装置の出口と受取り部材との間の途中で、熱硬化性樹脂を含むサイジング組成物を繊維に適用する。サイジング組成物で被覆された繊維のウェブを、樹脂を重縮合させるため一般に100℃より高い温度の熱処理にかけ、こうして特殊な性質、特に寸法安定性、引張強度、圧縮後の厚さ回復、及び均一な色を有する断熱及び/又は防音製品が得られる。

ミネラルウールに適用されるサイジング組成物は、一般に、熱硬化性樹脂と添加剤、例えば樹脂の架橋のための触媒、付着促進用のシラン、防塵用の鉱油など、を含む性溶液の形で供給される。サイジング組成物は一般に、スプレーにより繊維に適用される。

サイジング組成物の性質は、主に樹脂の特性に依存する。適用の観点から、サイジング組成物は良好な噴霧適性を有し、繊維を効率的に結合させるためそれらの表面に付着できることが必要である。

樹脂は、サイジング組成物を作るのに使用される前に所定の期間安定でなければならず、この組成物は一般に、樹脂と上述の添加剤を混合することにより使用時に調製される。

規制レベルでは、樹脂は非汚染性であると見なされることが必要であり、すなわち、ヒトの健康や環境に有害となり得る化合物に関してそれらをできるだけ含まず、サイジング処理時又はそれ以後にできるだけ生成しないことが必要である。

最も一般的に使用される熱硬化性樹脂は、レゾールの系列に属するフェノール樹脂である。これらの樹脂は、上記の熱的条件下で良好な架橋性に加えて、水溶性であり、ミネラル繊維、特にガラス繊維に対して良好な親和性を有し、比較的安価である。

これらのレゾールは、塩基性触媒の存在下でフェノールとホルムアルデヒドとを、フェノールとホルムアルデヒドとの反応を促進し且つ樹脂中の残存フェノールのレベルを低下させるよう、1より大きいホルムアルデヒド/フェノールのモル比で縮合させて得られる。希釈性を低下させる長い比較的非水溶性の鎖の形成を避けるために、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合反応はモノマーの縮合度を制限しながら行われる。従って樹脂は、一定の割合の未反応モノマー、特にホルムアルデヒドを含み、その存在は公知の有害作用のために好ましくない。

このため、レゾールベースの樹脂は一般に、非揮発性の尿素−ホルムアルデヒド縮合物の形でホルムアルデヒドを捕捉することにより遊離のホルムアルデヒドと反応する尿素で処理される。更に、樹脂中の尿素の存在は、樹脂の操作品質に影響を与えることなく、特に最終製品の機械的性質に悪影響を与えることなく、比較的多量に導入することを可能にし、これが樹脂の総コストを有意に低下させるため、その低コストの結果として一定の経済的利点をもたらす。

しかし、樹脂を架橋させるためにウェブが受ける温度条件下では、尿素−ホルムアルデヒド縮合物は不安定であること、それらは分解してホルムアルデヒドと尿素(これは少なくとも部分的に分解してアンモニアを生じる)に戻り、これらが工場の雰囲気中に放出されることが観察されている。

より厳しくなっている環境保護についての規制は、絶縁製品の製造業者に、好ましくない放出物、特にホルムアルデヒドのレベルを、更に低下させることを可能にする解決策を探すことを強いている。

サイジング組成物中のレゾールを置き換える解決策が知られている。 第1の解決策は、カルボン酸ポリマー、特にアクリル酸ポリマーの使用に基づくものである。

米国特許第5340868号明細書では、サイジング組成物はポリカルボン酸ポリマー、β−ヒドロキシアミド、及び少なくとも3官能性のモノマー性カルボン酸を含む。

ポリカルボン酸ポリマー、ポリオール及び触媒を含む別のサイジング組成物が提供されており、この触媒はリン含有化合物(米国特許第5318990号明細書、米国特許第5661213号明細書、米国特許第6331350号明細書、米国特許出願公開第2003/0008978号明細書)、フルオロボレート(米国特許第5977232号明細書)、又はシアナアミド、ジシアナミドもしくはシアノグアニジン(米国特許第5932689号明細書)であることができる。

ポリカルボン酸ポリマー及びポリオールに基づくサイジング組成物は更に、カチオン性、両性、又は非イオン性界面活性剤(米国特許出願第2002/0188055号明細書)、シランタイプのカップリング剤(米国特許出願公開第2004/0002567号明細書)、又はコバインダーとしてのデキストリン(米国特許出願公開第2005/0215153号明細書)を含むことができる。

少なくとも2つのヒドロキシル基を含むアルカノールアミンとポリカルボン酸ポリマー(米国特許第6071994号明細書、米国特許第6099773号明細書、米国特許第6146746号明細書)とを、コポリマー(米国特許第6299936号明細書)と組合せて含むサイジング組成物も記載されている。

レゾールを置き換える第2の解決策は、サッカライドと別の化合物との組合せに基づく。 別の化合物は、ポリカルボン酸であることができる。

米国特許第5895804号明細書には、ミネラルウールのサイズ剤として使用することができる、熱架橋性ポリサッカライドに基づく接着剤組成物が記載されている。この組成物は、少なくとも2つのカルボン酸官能基と少なくとも1000に等しい分子量とを有するポリカルボン酸ポリマーと、少なくとも10000に等しい分子量を有するポリサッカライドとを含む。

国際公開第2009/080938号パンフレットでは、サイジング組成物は、モノサッカライド及び/又はポリサッカライドとモル質量が1000未満である有機ポリカルボン酸とを含む。

メイラード反応生成物を含む、特に還元糖、カルボン酸、及び水性アンモニアを組み合わせて含む、ホルムアルデヒド不含水性サイジング組成物(国際公開第2007/014236号パンフレット)も知られている。国際公開第2009/019232号パンフレット及び国際公開第2009/019235号パンフレットでは、カルボン酸の代わりに、無機塩、特にアンモニウム塩から誘導される酸前駆体を代用する提案がなされており、これは水性アンモニアの全て又は一部を置換できるという追加の利点を示す。

別の化合物は、水素添加糖と組合わされる多官能性架橋剤でもよい(国際公開第2010/029266号パンフレット)。

国際公開第2011/045531号パンフレットでは、別の化合物は無機酸金属塩であり、サッカライドは還元糖である。

いかなる性質のミネラル繊維からも、特に酸性を有するサイジング組成物はガラスの腐食を招くため使用が困難なガラス繊維からも、防音及び/又は断熱製品を製造するのを可能にする、代替のホルムアルデヒド不含サイジング組成物を利用できる必要性が存在する。

本発明の目的は、繊維、特にミネラルウール、ガラスウール、又はロックウールの形態の繊維のための、上記欠点を克服するサイジング組成物を提供することである。

本発明によるサイジング組成物は、 ・少なくとも1種のフミン酸及び/又は1種のフルボ酸、あるいはこれらの酸の塩、 ・少なくとも1種のサッカライド、及び、 ・少なくとも1種の無機酸アンモニウム塩、 を含む。 本発明の実施態様としては、以下の態様を含む: 《態様1》 特にミネラルウールの形態、とりわけガラスウール又はロックウールの形態の繊維用のホルムアルデヒド不含サイジング組成物であって、 ・少なくとも1種のフミン酸及び/又は1種のフルボ酸、あるいはこれらの酸の塩、 ・少なくとも1種のサッカライド、及び、 ・少なくとも1種の無機酸アンモニウム塩、 を含むことを特徴とする、繊維用のホルムアルデヒド不含サイジング組成物。 《態様2》 前記フミン酸及び/又はフルボ酸が、カリウム塩、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形、好ましくはカリウム塩又はナトリウム塩の形であることを特徴とする、態様1記載の組成物。 《態様3》 前記サッカライドが、モノサッカライド又は、最大限50のサッカライド単位、好ましくは最大限20、有利には最大限10のサッカライド単位を含むオリゴサッカライドであることを特徴とする、態様1又は2記載の組成物。 《態様4》 前記サッカライドが、モノサッカライド、例えばグルコース、ガラクトース及びマンノースなどや、ジサッカライド、例えば果糖、乳糖、マルトース、イソマルトース、セロビオース、トレハロース、イソトレハロース、ショ糖及びイソショ糖などや、トリサッカライド、例えばメレジトース、ゲンチアノース、ラフィノース、エルロース及びウンベリフェロースなどや、テトラサッカライド、例えばスタキオースなどや、ペンタサッカライド、例えばベルバスコースなど、から選択されることを特徴とする、態様3記載の組成物。 《態様5》 前記サッカライドが、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩の混合物100重量部当たり10〜95重量部、好ましくは20〜90部、有利には30〜80部の比率で存在することを特徴とする、態様1〜4のいずれか1項に記載の組成物。 《態様6》 前記無機酸アンモニウム塩が、アンモニウム硫酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム硝酸塩又はアンモニウム炭酸塩であり、好ましくはアンモニウム硫酸塩又はアンモニウムリン酸塩であることを特徴とする、態様1〜5のいずれか1項に記載の組成物。 《態様7》 前記無機酸アンモニウム塩がアンモニウム硫酸塩であることを特徴とする、態様6記載の組成物。 《態様8》 前記無機酸アンモニウム塩が、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩とサッカライドとからなる混合物の総重量の1〜30重量%、好ましくは3〜20%、有利には3〜16%、更に好ましくは5〜15%に相当していることを特徴とする、態様1〜7のいずれか1項に記載の組成物。 《態様9》 下記の添加剤を、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩とサッカライドとからなる混合物の100重量部に基づき計算して以下の比率で更に含むことを特徴とする、態様1〜8のいずれか1項に記載の組成物。 ・0〜2部のシラン、特にアミノシラン ・0〜20部、好ましくは4〜15部の油 ・0〜20部、好ましくは0〜10部の尿素 ・0〜5部のシリコーン ・0〜30部の「増量剤」 《態様10》 7〜9で変動するpHを示すことを特徴とする、態様1〜9のいずれか1項に記載の組成物。 《態様11》 態様1〜10のいずれか1項に記載のサイジング組成物を使用してサイジング処理された繊維に基づく、特にミネラル繊維、とりわけガラス繊維又は岩石繊維に基づく製品。 《態様12》 断熱及び/又は防音製品であり、その繊維がミネラルウール、特にガラスウール又はロックウールの形態であることを特徴とする、態様11記載の製品。 《態様13》 前記繊維が、以下の成分を重量百分率で表して以下の比率で含むガラス、すなわち、 SiO2 39〜55%、好ましくは40〜52%、 A12O3 16〜27%、好ましくは16〜25%、 CaO 3〜35%、好ましくは10〜25%、 MgO 0〜15%、好ましくは0〜10%、 Na2O 0〜15%、好ましくは6〜12%、 K2O 0〜15%、好ましくは3〜12%、 R2O(Na2O+K2O) 10〜17%、好ましくは12〜17%、 P2O5 0〜3%、好ましくは0〜2%、 Fe2O3 0〜15%、 B2O3 0〜8%、好ましくは0〜4%、 TiO2 0〜3%、 を含むガラスであって、R2O含有量が13.0%以下である場合MgO含有量が0%と5%の間であるガラスで構成されていることを特徴とする、態様12記載の製品。 《態様14》 前記ガラスが、以下の成分を以下の比率(重量%として)で含むことを特徴とする、態様13記載の製品。 SiO2 39〜44%、好ましくは40〜43% Al2O3 16〜27%、好ましくは16〜26% CaO 6〜20%、好ましくは8〜18% MgO 1〜5%、好ましくは1〜4.9% Na2O 0〜15%、好ましくは2〜12% K2O 0〜15%、好ましくは2〜12% R2O(Na2O+K2O) 10〜14.7%、好ましくは10〜13.5% P2O5 0〜3%、特に0〜2% Fe2O3 1.5〜15%、特に3.2〜8% B2O3 0〜2%、好ましくは0〜1% TiO2 0〜2%、好ましくは0.4〜1% 《態様15》 態様12〜14のいずれか1項に記載の防音及び/又は断熱製品の製造方法であり、前記ミネラルウールを製造し、該ウールにサイジング組成物を適用し、そして該ウールを前記サイジング組成物の架橋と不融性バインダーの生成とを可能にする温度で処理する製造方法であって、態様1〜10のいずれか1項に記載のサイジング組成物を使用することを特徴とする製造方法。

フミン酸及びフルボ酸は、有機物、例えばピート又は堆肥などであれ、あるいは準鉱物及び鉱物、例えば石炭及び亜炭、特にレナーダイトなどであれ、一般に腐植物質中に存在する錯酸である。

フミン酸及びフルボ酸は一般に、上述の腐植物質から、この2つの酸の溶解を可能にする強塩基、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなど、での処理と、その後の強酸を用い、酸溶液中でフミン酸を沈降させフルボ酸を保持することになる処理とを含む方法により抽出される。これらの酸を得るためのこのような方法は、例えば国際公開第2009/065018号パンフレットに記載されている。

フミン酸及びフルボ酸はまた、リグノセルロース材料(木材、トウモロコシの茎と穂軸、穀物のわらなど)から産生される人工の腐植質組成物から、熱処理段階と機械的処理段階を含む混合処理法(国際公開第2007/031625号パンフレット)に従って得ることもできる。

フミン酸は、モル質量が300000g/mol程度であり、これは2000g/mol程度であるフルボ酸のそれより大きい。フミン酸及びフルボ酸は、フェノール置換基及びカルボキシル置換基、そしてまたアルコール、アルデヒド及びケトン官能基を有する芳香核から構成される。その分子鎖の長さとこれらの多数の反応性官能基のために、これらの酸は、再生可能な資源から得られる接着剤システムの出発点として有利な原料である。

商業的に生産されるフミン酸及びフルボ酸は、一般にナトリウム塩、カリウム塩、及び任意選択的にアンモニウム塩の形をしている。これらの酸の塩(フミン酸塩及びフルボ酸塩)は水に可溶である。

本発明によるサッカライドは、モノサッカライド又はオリゴサッカライドである。

「オリゴサッカライド」という用語は、最大限50のサッカライド単位を含む、還元性又は非還元性の任意のタイプのサッカライドを意味すると理解される。好ましくは、サッカライド単位の数は、最終サイジング組成物が過度に高くない粘度を示し、ミネラル繊維に正確に適用するのを可能にするために、最大限20に等しく、有利には最大限10に等しい。

従ってサッカライドは、モノサッカライド、例えばグルコース、ガラクトース及びマンノースなどや、ジサッカライド、例えば果糖、乳糖、マルトース、イソマルトース、セロビオース、トレハロース、イソトレハロース、ショ糖及びイソショ糖などや、トリサッカライド、例えばメレジトース、ゲンチアノース、ラフィノース、エルロース及びウンベリフェロースなどや、テトラサッカライド、例えばスタキオースなどや、ペンタサッカライド、例えばベルバスコースなど、から選択することができる。グルコース、ショ糖及び果糖が好適である。

サッカライドはサイジング組成物中に、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩の混合物100重量部当たり10〜95重量部、好ましくは20〜90部、有利には30〜80部の比率で存在する。

無機酸アンモニウム塩は、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはその塩と反応して最終バインダーを構成するポリマーネットワークを形成するサッカライドを、熱の作用下で、少なくとも部分的に脱水する。こうして形成されたポリマーネットワークは、ミネラル繊維間の、特にミネラルウール中の繊維の接合点での、結合の確立を可能にし、これが製品を開梱後に良好な厚さの回復を可能にする程度の「弾力性」を最終製品に付与する。

無機酸アンモニウム塩は、アンモニウム硫酸塩、特に硫酸水素アンモニウムNH4HSO4及び硫酸アンモニウム(NH4)2SO4、アンモニウムリン酸塩、特にリン酸モノアンモニウムNH4H2PO4、リン酸二アンモニウム(NH4)2HPO4、及びリン酸アンモニウム(NH4)3PO4、アンモニウム硝酸塩、並びにアンモニウム炭酸塩、特に重炭酸アンモニウムNH4HCO3及び炭酸アンモニウム(NH4)2CO3、から選択される。

無機酸アンモニウム塩は、好ましくは硫酸塩及びリン酸塩から選択され、有利には硫酸塩から選択される。

サイジング組成物において、無機酸アンモニウム塩は、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩とサッカライドとからなる混合物の総重量の1〜30重量%、好ましくは3〜20%、有利には3〜16%、更に好ましくは5〜15%に相当する。

有利には、サイジング組成物は可塑剤、例えば尿素を、更に含む。 尿素の量は、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩とサッカライドとからなる混合物の総重量の最大20重量%までの範囲であることができる。

サイジング組成物は、上記化合物以外に、下記の通常の添加剤を、フミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩とサッカライドとからなる混合物の100重量部に基づいて計算して以下の比率で含むことができる。 ・0〜2部のシラン、特にアミノシラン。 ・0〜20部、好ましくは4〜15部の油。 ・0〜20部、好ましくは0〜10部の尿素。 ・0〜5部のシリコーン。 ・0〜30部の「増量剤」。

これら添加剤の役割は公知であり、ここで簡単に言い直すと、シランは繊維とバインダーとのカップリングのための作用物質であり、これはまた老化防止剤としても作用し、油は防塵用の疎水性物質であり、尿素は可塑剤として働いてサイジング組成物の事前のゲル化防止を可能にし、シリコーンは、特に製品が絶縁製品である場合、製品による水の吸収を低下させる役割を有する疎水性物質であり、「増量剤」はサイジング組成物に可溶性又は分散性の有機又は無機充填剤であり、特にサイジング組成物のコストの低下を可能にする。

サイジング組成物は、使用するフミン酸及び/又はフルボ酸あるいはこの(これらの)酸の塩と無機酸アンモニウム塩の性質に従って変動する、一般には7から9まで変動する、pHを示す。

本発明によるサイジング組成物は、ミネラルウール、特にガラスウール又はロックウールに基づく製品、例えばベール、マット、フェルト、及び任意のタイプの断熱及び/又は防音製品などを製造するために、繊維に、特にミネラル繊維に適用することを目的としている。ミネラルウールを取り込んだ製品は、特に本発明が目的とするものである。

ガラスウールを構成する繊維は、任意の性質のガラス、特にアルミナ含有量が多く、特に15〜30重量%のガラスからなることができ、これは酸性化合物による腐食に対して低い耐性を示す。このようなガラスは、例えば国際公開第00/17117号パンフレットに記載されており、それは以下の成分を重量百分率で表して以下の比率で含み、 SiO2 39〜55%、好ましくは40〜52%、 A12O3 16〜27%、好ましくは16〜25%、 CaO 3〜35%、好ましくは10〜25%、 MgO 0〜15%、好ましくは0〜10%、 Na2O 0〜15%、好ましくは6〜12%。 K2O 0〜15%、好ましくは3〜12%、 R2O(Na2O+K2O) 10〜17%、好ましくは12〜17%、 P2O5 0〜3%、好ましくは0〜2%、 Fe2O3 0〜15%、 B2O3 0〜8%、好ましくは0〜4%、 TiO2 0〜3%、 R2O含有量が13.0%以下である場合MgO含有量は0%と5%の間である。

有利には、ガラスは国際公開第2005/033032号パンフレットに記載された組成を有し、それは以下の成分を以下の比率(重量%として)で含む。 SiO2 39〜44%、好ましくは40〜43% Al2O3 16〜27%、好ましくは16〜26% CaO 6〜20%、好ましくは8〜18% MgO 1〜5%、好ましくは1〜4.9% Na2O 0〜15%、好ましくは2〜12% K2O 0〜15%、好ましくは2〜12% R2O(Na2O+K2O) 10〜14.7%、好ましくは10〜13.5% P2O5 0〜3%、特に0〜2% Fe2O3 1.5〜15%、特に3.2〜8% B2O3 0〜2%、好ましくは0〜1% TiO2 0〜2%、好ましくは0.4〜1%

繊維の製造を目的した高アルミナ含有量を有する他のガラス組成物は、国際公開第99/57073号パンフレット、国際公開第99/56525号パンフレット、及び国際公開第2006/103376号パンフレットに記載されている。

岩石繊維の調製で使用され、やはり高アルミナ含有量を有する組成物は、特に国際公開第96/14274号パンフレットに記載されており、それは好ましくは以下の成分を重量百分率で表して以下の比率で含む。 SiO2 32〜48% Al2O3 10〜30% CaO 10〜30% MgO 2〜20% FeO 2〜15% Na2O+K2O 0〜12% TiO2 0〜6% 他の元素 0〜15%

通常、サイジング組成物はミネラル繊維に、繊維化装置の出口で、且つそれらを繊維のウェブの形態で受取り部材上に集める前に適用され、そしてウェブをその後、サイズ剤の架橋と不融性バインダーの生成とを可能にする温度で処理する。本発明によるサイズ剤の架橋は、100〜200℃程度の温度、一般には通常のホルムアルデヒド−フェノール樹脂のそれに相当する温度で、特に110℃以上、好ましくは170℃以下の温度で行われる。

上述のサイジング組成物を使用して、繊維、特にミネラル繊維をサイジング処理して得られる製品も、本発明の対象とするものである。

これらの製品は、被覆されるか又は含浸されたベール(「不織布」としても知られている)、マット、フェルト、又は織布、特にミネラル繊維に基づくもの、例えばガラス繊維又は岩石繊維に基づくものであることができる。 ミネラル繊維のベールは、ミネラルウール又は発泡体に基づく断熱及び/又は防音製品用の表面コーティングとして特に有用である。

上記したように、ミネラルウールから構成される防音及び/又は断熱製品は、特に本発明の対象とするものである。 これらの断熱及び/又は防音製品は一般に、ミネラルウール、ガラスウール又はロックウールに基づくマット、フェルト、パネル、ブロック、シェル、又は他の成形品の形態で提供される。

本発明が更に対象とするものは、ミネラルウールに基づく断熱及び/又は防音製品の製造方法であり、この方法によれば、ミネラルウールを製造し、本発明によるサイジング組成物を該ウールに適用し、そして該ウールを、例えば上記した熱条件下において、サイズ剤の架橋と不融性バインダーの生成を可能にする温度で処理する。

サイジング組成物は、任意の適切な手段により、例えば射出、噴霧、霧化、塗布又は含浸により、好ましくは噴霧により、適用することができる。

動的機械分析法により測定される温度と弾性率との関係を説明するグラフである。

以下の例は本発明の例示を可能にするものであるが、それを限定するものではない。

これらの例では、以下の測定を行う。 ・ポリマー材料の粘弾性挙動を明らかにするのを可能にする、動的機械分析(DMA)法による架橋開始温度(Tc)。手順は以下の通りである。ワットマン紙の試料にサイジング組成物(有機固形分含有量30%程度)を含浸させ、次にこの試料を2つの掴み具の間に水平に固定する。加えられるひずみの関数として応力を測定するための装置を備えた振動部品を、試料の上面に配置する。この装置は、弾性率E’の算出を可能にする。試料を4℃/分の速度で20〜250℃まで変化する温度に加熱する。温度(℃)の関数としての弾性率E’(MPa)の変化曲線を測定値からプロットし、その曲線の一般的な外観を図1に示す。架橋開始温度(Tc)の値(℃)をこの曲線により求める。

・絶縁製品から打ち抜いて切り取った試料についての標準規格ASTM C686−71Tによる引張強度。試料は、長さ122mm、幅46mm、切断外縁の曲率半径38mm及び切断内縁の曲率半径12.5mmの円環体の形を有する。

試料を試験機の2つの円筒状マンドレルの間に配置し、その一方は可動性であって一定の速度で動かされる。試料の破断力(ニュートン)を測定し、破断力Fの試料重量に対する比によって定義される引張強度TS(N/g)を算出する。

引張強度は、製造後に測定し(初期引張強度)、そして105℃の温度で100%の相対湿度下のオートクレーブ中で15分間加速エージング後に測定する(TS15)。

・試料の重量がもはや変化しなくなるまで試料を500℃の温度に暴露することによる強熱減量。強熱減量(%)は、次の式、すなわち、100×(初期重量−処理後の重量)/初期重量、に従って計算される。

〔例1〜17〕 表1に見られる成分(量は重量部で示される)を含むサイジング組成物を調製する。 これらの組成物は、成分が完全に溶解するまで、水を入れた容器内に攪拌しながら成分を導入して調製される。 これらのサイジング組成物は、30%に等しい固形分含有量(乾燥抽出物)を示す。

例1〜17の架橋開始温度(Tc)は最高でも167℃であり、ミネラルウールに基づく断熱及び/又は防音製品の製造のための条件に依然として適合する温度である。

使用するフミン酸塩(K又はNa)の性質にかかわらず、架橋開始温度は実質的に同じである(例2、3、5、6及び8を、それぞれ例9、10、12、13及び15と比較)。フミン酸とフルボ酸の混合物を含む例16と17は、上述の例にやはり匹敵する架橋開始温度を示す。

硫酸アンモニウムを含む実施例2と9は、リン酸二アンモニウムを含有する実施例3と10の架橋開始温度より低い架橋開始温度を示すため、より好ましい。

〔例18〜20〕 これらの例は、工業的規模のラインでの絶縁製品の製造を説明する。

表2に見られる成分を重量部として表した量でもって含むサイジング組成物を使用して、10.6kg/m3に等しい公称密度及び144mmに等しいで公称厚さを示すミネラルウールに基づく製品を作製する。比較として、80重量部のフェノール−ホルムアルデヒド−モノエタノールアミン樹脂(国際公開第2008/043960号パンフレットの例1)及び20重量部の尿素を含有する予備混合物と、表2に記載の添加剤とを含むサイジング組成物(対照1)も使用する。

遠心分離ディスクと呼ばれる器具により溶融ガラス組成物を繊維に変える内部遠心分離技術によりパイロットラインでガラスウールを製造する。この器具は、溶融組成物を受け取るためのチャンバーを形成するバスケットと、多数の孔をあけた周囲バンドを含んでいる。ディスクをその垂直に位置する対称軸の周りで回転させ、組成物を遠心力の作用で孔を通して射出させ、孔から出てくる材料を引き抜き用のガス流の助けを借りて引き抜いて繊維にする。

通常のように、サイズ剤の噴霧リングを繊維化ディスクの下に配置して、形成されたばかりのガラスウールにサイジング組成物を均一に分配するようにする。

こうしてサイジング処理したミネラルウールを、ウェブの形のミネラルウールをコンベアの表面で保持する内部抽出ボックスを備えたベルトコンベア上に集める。このウェブを10分間230℃のオーブン内に入れる。

ガラスは、以下の成分を重量%で表して以下の比率で含む。 SiO2 65.40 Al2O3 2.05 CaO 8.05 MgO 2.55 Na2O 16.80 K2O 0.23 B2O3 4.65 その他(Fe2O3、ZrO2、Cr2O3、TiO2、MnO) 0.27

得られた絶縁製品の特性を表2に示す。

〔例21〜23〕 表3に示したサイジング組成物と高アルミナ含有量のガラスを使用する点で変更して、例18〜20の条件下で処理を行う。

比較として使用するサイジング組成物(対照2)は、60重量部のフェノール−ホルムアルデヒド樹脂(国際公開第01/96254号パンフレットの例2)及び40重量部の尿素を含む予備混合物と、表3に記載の添加剤とを含む。

ガラスは、以下の成分を重量%で表して以下の比率で含む。 SiO2 41.50 Al2O3 23.30 CaO 14.10 MgO 2.00 BaO 0.30 SrO 0.38 Na2O 5.50 K2O 5.40 MnO 0.20 Fe2O3 5.35 TiO2 0.70 P2O5 0.80

得られた絶縁製品の特性を表3に示す。

〔例24、25〕 これらの例は、工業ラインでの絶縁製品の製造を説明する。

ミネラルウールに基づく製品を作るために、表4に見られる成分を重量部として表した量でもって含むサイジング組成物を使用する。比較として、80重量部のフェノール−ホルムアルデヒド−モノエタノールアミン樹脂(国際公開第2008/043960号パンフレットの例1)及び20重量部の尿素を含む予備混合物と、表4に記載の添加剤とを含むサイジング組成物(対照1)も使用する。

例18〜20に記載した組成を有するガラスを使用して、内部遠心分離技術により幅2.4mの工業ラインでガラスウールを製造する。

通常のように、遠心分離ディスクと呼ばれる器具により溶融ガラス組成物を繊維に変える。この器具は、溶融組成物を受け取るためのチャンバーを形成するバスケットと、多数の孔をあけた周囲バンドを含んでいる。ディスクをその垂直に位置する対称軸の周りで回転させ、組成物を遠心力の作用で孔を通して射出させ、孔から出てくる材料を引き抜き用のガス流の助けを借りて引き抜いて繊維にする。

サイズ剤の噴霧リングを繊維化ディスクの下に配置して、形成されたばかりのガラスウールにサイジング組成物を均一に分配するようにする。

こうしてサイジング処理したミネラルウールを、フェルト又はウェブの形のミネラルウールをコンベアの表面で保持する内部抽出ボックスを備えたベルトコンベア上に集める。その後コンベアは、250℃に維持されたオーブン中を移動し、ここでサイズ剤の成分が重合してバインダーを生成する。得られた製品は、17.5kg/m3に等しい公称密度及び75mmに等しいで公称厚さを有する。

得られた絶縁製品の特性を表4に示す。

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