感圧接着剤

申请号 JP2017502163 申请日 2015-07-10 公开(公告)号 JP2017521532A 公开(公告)日 2017-08-03
申请人 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se; ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se; 发明人 ゲアスト マティアス; ゲアスト マティアス; グロース ミヒャエル; グロース ミヒャエル; ヴィルムス ヴァレリー; ヴィルムス ヴァレリー; ウイヨ リザ; ウイヨ リザ;
摘要 本発明は、i)以下:a)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP;b)前記エチレン性不飽和モノマーの合計を基準として少なくとも6質量%の、少なくとも1つの 糖化 合物S;を含む 水 性ポリマー分散液と、ii)少なくとも1つの粘着付与剤とを含む配合物であって、前記a)において、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPは、前記b)からの少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部の存在下に前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合させることにより得られるものとする前記配合物に関する。
权利要求

i)以下: a)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP; b)前記エチレン性不飽和モノマーの合計を基準として少なくとも6質量%の、少なくとも1つの糖化合物S; を含む性ポリマー分散液と、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤と、 を含む配合物であって、 前記a)において、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPは、前記b)からの少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部の存在下に前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合させることにより得られるものとする、前記配合物。前記a)において、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとして、以下: − 少なくとも1つのモノマーA、ここで、前記モノマーAは、少なくとも1つのC2〜C12アルキルアクリレートである; − メチルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、ビニル芳香族モノマー、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つのモノマーB; − 任意に、少なくとも1つのモノマーC、ここで、前記モノマーCは、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; − 少なくとも1つのモノマーD、ここで、前記モノマーDは、少なくとも1つの酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; を含むモノマー混合物が使用される、請求項1に記載の配合物。前記a)において、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとして、以下: a1)少なくとも1つのモノマーAを、65質量%〜99.8質量%、ここで、前記モノマーAは、少なくとも1つのC2〜C12アルキルアクリレートである; a2)メチルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、ビニル芳香族モノマー、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーBを、0.1質量%〜30質量%; a3)少なくとも1つのモノマーCを、0質量%〜10質量%、ここで、前記モノマーCは、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; a4)少なくとも1つのモノマーDを、0.1質量%〜5質量%、ここで、前記モノマーDは、少なくとも1つの酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; 含むモノマー混合物が使用され、ここで、モノマーA〜Dの合計は100質量%であるものとし、かつ、 b)前記少なくとも1つの糖化合物Sを、モノマーA〜Dの合計を基準として少なくとも6質量%含む、請求項1または2に記載の配合物。前記糖化合物Sが、デンプン、セルロース、グアーガム、キサンタンガム、アルギネート、ペクチン、キトサン、アラビアガム、ジェランガムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の配合物。前記糖化合物Sが、デンプン、デンプン誘導体および/またはこれらの置換生成物である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の配合物。前記配合物が水性配合物である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の配合物。前記ポリマー分散液中の固形分が、5質量%以上90質量%以下である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の配合物。前記粘着付与剤が、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリアクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配合物。以下: i)前記ポリマー分散液を、50質量%〜95質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0質量%〜3質量%、および iv)添加剤を、0質量%〜10質量% 含み、ここで、i)〜iv)の化合物の合計は100質量%であるものとする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配合物。以下: i)前記ポリマー分散液を、15質量%〜90質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0質量%〜3質量%、および iv)少なくとも1つの添加剤を、0質量%〜10質量%、 v)前記水性ポリマー分散液i)とは異なる少なくとも1つのさらなるポリマー分散液v)を、5質量%〜80質量% 含み、ここで、i)〜v)の化合物の合計は100質量%であるものとする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配合物。前記ポリマー分散液v)が、a1)少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1を含み、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1が、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、スチレン、1,4−ブタジエン、エチレン、酢酸ビニルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを重合単位の形態で含む、請求項1から10までのいずれか1項に記載の配合物。少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPを構成する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーであるモノマーをモノマーフィード法によってフリーラジカル水性乳化重合させることを含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載の配合物の製造方法であって、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0%〜50%の前記エチレン性不飽和モノマーを、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0%〜100%の前記少なくとも1つの糖化合物Sに、重合条件下に添加し、かつ、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーおよび前記少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも残分を、前記重合の過程で添加する、前記方法。接着剤としての、好ましくは感圧接着剤としての、請求項1から11までのいずれか1項に記載の配合物の使用。粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルまたはウォッシュオフラベルを製造するための、請求項1から11までのいずれか1項に記載の配合物の使用。請求項1から11までのいずれか1項に記載の配合物を含む、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルまたはウォッシュオフラベル。

i)以下: a)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP、 ここで、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとして、以下: a1)少なくとも1つのモノマーAを、65質量%〜99.8質量%、ここで、前記モノマーAは、少なくとも1つのC2〜C12アルキルアクリレートである; a2)メチルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、ビニル芳香族モノマー、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つのモノマーBを、0.1質量%〜30質量%; a3)少なくとも1つのモノマーCを、0質量%〜10質量%、ここで、前記モノマーCは、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; a4)少なくとも1つのモノマーDを、0.1質量%〜5質量%、ここで、前記モノマーDは、少なくとも1つの酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; からなるモノマー混合物が使用され、 ここで、モノマーA〜Dの合計は100質量%であるものとする;および b)モノマーA〜Dの合計を基準として少なくとも10質量%〜70質量%の、少なくとも1つの糖化合物S; を含む水性ポリマー分散液と、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤と、 を含む配合物であって、 前記a)において、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPは、前記b)からの少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部の存在下に前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合させることにより得られるものとする、前記配合物。前記糖化合物Sが、デンプン、セルロース、グアーガム、キサンタンガム、アルギネート、ペクチン、キトサン、アラビアガム、ジェランガムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の配合物。前記糖化合物Sが、デンプン、デンプン誘導体および/またはこれらの置換生成物である、請求項1または2に記載の配合物。前記配合物が水性配合物である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の配合物。前記ポリマー分散液中の固形分が、5質量%以上90質量%以下である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の配合物。前記粘着付与剤が、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリアクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の配合物。以下: i)前記ポリマー分散液を、50質量%〜95質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0質量%〜3質量%、および iv)添加剤を、0質量%〜10質量% 含み、ここで、i)〜iv)の化合物の合計は100質量%であるものとする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の配合物。以下: i)前記ポリマー分散液を、15質量%〜90質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0質量%〜3質量%、および iv)少なくとも1つの添加剤を、0質量%〜10質量%、 v)前記水性ポリマー分散液i)とは異なる少なくとも1つのさらなるポリマー分散液v)を、5質量%〜80質量% 含み、ここで、i)〜v)の化合物の合計は100質量%であるものとする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配合物。前記ポリマー分散液v)が、a1)少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1を含み、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1が、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、スチレン、1,4−ブタジエン、エチレン、酢酸ビニルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを重合単位の形態で含む、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配合物。少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPを構成する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーであるモノマーをモノマーフィード法によってフリーラジカル水性乳化重合させることを含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物の製造方法であって、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0%〜50%の前記エチレン性不飽和モノマーを、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0%〜100%の前記少なくとも1つの糖化合物Sに、重合条件下に添加し、かつ、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーおよび前記少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも残分を、前記重合の過程で添加する、前記方法。接着剤としての、好ましくは感圧接着剤としての、請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物の使用。粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルまたはウォッシュオフラベルを製造するための、請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物の使用。請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物を含む、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルまたはウォッシュオフラベル。i)以下: a)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP、 ここで、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとして、以下: a1)少なくとも1つのモノマーAを、65質量%〜99.8質量%、ここで、前記モノマーAは、少なくとも1つのC2〜C12アルキルアクリレートである; a2)メチルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、ビニル芳香族モノマー、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つのモノマーBを、0.1質量%〜30質量%; a3)少なくとも1つのモノマーCを、0質量%〜10質量%、ここで、前記モノマーCは、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; a4)少なくとも1つのモノマーDを、0.1質量%〜5質量%、ここで、前記モノマーDは、少なくとも1つの酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; からなるモノマー混合物が使用され、 ここで、モノマーA〜Dの合計は100質量%であるものとする;および b)モノマーA〜Dの合計を基準として10質量%〜70質量%の、少なくとも1つの糖化合物S; を含む水性ポリマー分散液と、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤と、 を含む配合物であって、 前記a)において、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPは、前記b)からの少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部の存在下に前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合させることにより得られるものとする、前記配合物。前記糖化合物Sが、デンプン、セルロース、グアーガム、キサンタンガム、アルギネート、ペクチン、キトサン、アラビアガム、ジェランガムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の配合物。前記糖化合物Sが、デンプン、デンプン誘導体および/またはこれらの置換生成物である、請求項1または2に記載の配合物。前記配合物が水性配合物である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の配合物。前記ポリマー分散液中の固形分が、5質量%以上90質量%以下である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の配合物。前記粘着付与剤が、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリアクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の配合物。以下: i)前記ポリマー分散液を、50質量%〜95質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0質量%〜3質量%、および iv)添加剤を、0質量%〜10質量% 含み、ここで、i)〜iv)の化合物の合計は100質量%であるものとする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の配合物。以下: i)前記ポリマー分散液を、15質量%〜90質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0質量%〜3質量%、および iv)少なくとも1つの添加剤を、0質量%〜10質量%、 v)前記水性ポリマー分散液i)とは異なる少なくとも1つのさらなるポリマー分散液v)を、5質量%〜80質量% 含み、ここで、i)〜v)の化合物の合計は100質量%であるものとする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配合物。前記ポリマー分散液v)が、a1)少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1を含み、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1が、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、スチレン、1,4−ブタジエン、エチレン、酢酸ビニルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを重合単位の形態で含む、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配合物。少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPを構成する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーであるモノマーをモノマーフィード法によってフリーラジカル水性乳化重合させることを含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物の製造方法であって、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0%〜50%の前記エチレン性不飽和モノマーを、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0%〜100%の前記少なくとも1つの糖化合物Sに、重合条件下に添加し、かつ、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーおよび前記少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも残分を、前記重合の過程で添加する、前記方法。請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物を含む接着剤であって、好ましくは、請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物を含む感圧接着剤としての接着剤。請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物を含む、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルまたはウォッシュオフラベル。

说明书全文

説明 本発明は、 i)以下: a)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP; b)前記エチレン性不飽和モノマーの合計を基準として少なくとも6質量%の、少なくとも1つの糖化合物S; を含む性ポリマー分散液と、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤と、 を含む配合物であって、 前記a)において、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPは、前記b)からの少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部の存在下に前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合させることにより得られるものとする前記配合物に関する。

本発明はさらに、本発明の配合物の製造方法、接着剤としてのまたは粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルもしくはウォッシュオフラベルを製造するための該配合物の使用、および本発明の配合物を含む粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルまたはウォッシュオフラベルに関する。

米国特許第6,558,792号明細書(US 6,558,792 B1)には、ゴム状エラストマーベースと水溶性または水膨潤性親水コロイドとを含む医療目的に適した感圧接着剤組成物が開示されており、該接着剤組成物は、1つ以上のゴム系成分15〜60%と、セルロース誘導体、アミド化ペクチンおよびジャガイモデンプンを含む親水コロイドの混合物10〜60%と、1つ以上の粘着付与剤樹脂0〜50%と、凝集強化剤0〜15%と、可塑剤0〜10%と、顔料0〜5%との、実質的に均質な混合物を含む。したがって、ポリイソブチレンがミキサーに加えて軟化され、次いでカルボキシメチルセルロースナトリウムが添加されている。

欧州特許出願公開第0814140号公報(EP 0814140 A2)には、水溶性保護コロイドの存在下にエチレン性不飽和モノマーから誘導された水性ポリマー分散液のラテックス系を含む感圧接着剤(PSA)組成物が開示されている。該PSA組成物は、圧を印加するだけで他の基材に容易に付着しうることが予定される様々な物品の製造に使用される。該保護コロイドは、カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体からなる群から選択される。

特開平11−158440号公報(JPH 11158440 A)には、感圧接着剤型の非剥離性接着剤基剤と、平均粒度が0.01〜40μmでありかつ該基剤に対して非親和性を示す微粒状充填剤(例えば、シリカまたはデンプン)と、老化防止剤とを含む接着剤組成物の層が記載されており、その際、基体シートの少なくとも1つの面上にフェノール系酸化防止剤が形成される。

欧州特許出願公開第0609713号公報(EP 0609713 A1)には、基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも1つの面上に形成された高分子エラストマーを含む感圧接着剤層とを含む感圧接着テープが開示されており、その際、該基材フィルムおよび/または該感圧接着剤層の該高分子エラストマーは、該高分子エラストマーの質量を基準として少なくとも20質量%の生分解性高分子材料を含む。

英国特許出願公告第846365号明細書(GB 846365 A)には、クレープ等の天然ゴムや、ブタジエンポリマーゴム、ブタジエンコポリマーゴム、ポリイソブチレンゴムといった合成ゴム等のエラストマーをベースとし、かつ粒度0.01〜0.03ミクロンのシリカを1〜10%含有する感圧接着剤が開示されている。

英国特許出願公告第1121878号明細書(GB 1121878 A)には、基本成分としてイソプレンの未硬化の立体特異的エラストマーポリマーを含む、実質的に未硬化で凝集しうる感圧接着剤組成物が開示されている。該組成物はまた、粘着付与剤、相容性の老化防止剤、金属酸化物充填剤、接着調節剤としてのデンプンおよび少なくとも1つの可塑剤を含有することができる。明示されている粘着付与剤は、脱水素化ロジン、水素化ロジン、該ロジン2種の混合物または該ロジンのエステルの混合物、例えば水素化ロジンのグリセロールエステルの混合物およびポリテルペンであり、明示されている充填剤は、酸化亜鉛、酸化アルミニウムおよびそれらの混合物であり、明示されている可塑剤は、ラノリン、水素化ポリブテンおよびホワイトミネラルオイルであり、明示されている老化防止剤は、ジトルイルアミンと石油ワックスとの組み合わせである。

米国特許第4,508,864号明細書(US 4,508,864 A)には、カルボキシル化ブタジエン−スチレンポリマーのラテックスと粘着付与剤樹脂とを含む、改善された感圧接着剤水性組成物が開示されている。

米国特許出願公開第2002/0006990号公報(US 2002/0006990 A1)には、以下の成分を含む感圧接着剤/粘着剤が開示されている:天然ゴムを100質量部、アクリレートモノマーを該ゴムの約5〜35質量%、アクリル酸を該ゴムの約0.5〜8質量%および/または4−アセトキシスチレンを該ゴムの約1〜10質量%、エチルヘキシルアクリレートを該ゴムの約0〜20質量%、実質的に非熱可塑性である硬質微小粒子材料を該ゴムの1〜50質量%、デンプンを該ゴムの0〜50質量%、およびカルボキシル化スチレン−ブタジエンラテックスもしくはカルボキシル化ポリクロロプレンラテックスもしくはビニルピリジンスチレン−ブタジエンラテックスもしくは予備架橋天然ゴムラテックスもしくは粘着付与剤またはそれらの組み合わせを、該ゴムの0〜40質量%。

アクリル酸約1.5質量%およびメチルメタクリレート約28.5質量%およびエチルヘキシルアクリレート0質量%を有する天然ゴムのグラフトおよびブロックターポリマーの静電立体的に安定化されたラテックスと、ヒュームド/または沈降シリカおよびデンプンとの混合が行われている。

国際公開第2013/083504号(WO 2013/083504 A1)には、汚染された鉱油から製造された紙または板紙の包装材が開示されており、その際、該包装材はバリア層を含む。該バリア層は水性ポリマー分散液を塗布することによって得られ、ここで該水性ポリマー分散液は、C1〜C4−アルキル(メタ)アクリレートと、酸モノマー、例えばアクリル酸またはメタクリル酸と、アクリロニトリル0〜20質量%と、水性媒体中のさらなるモノマー0〜10質量%とを、炭水化物化合物の存在下に、好ましくは分解されたデンプンの形態の炭水化物化合物の存在下に乳化重合させて得られるコポリマーを含む。該コポリマーのガラス転移温度は、+10℃〜+45℃の範囲にある。該バリア層は、該包装材の1つの表面上に位置することもできるし、多層包装コーティングの複数の層のうちの1つを成すこともでき、また該包装材内に位置する内側バッグの片面上のコーティングとして存在することもできる。

接着剤または接着剤フィルムとしての配合物の品質は、水性ポリマー分散液の特性やその中に存在するポリマーの特性に大きく左右される。一方では、接着が行われる基材に対する良好な接着力を得るには、接着剤フィルムの接着力が高水準でなければならない。このことは特に、プラスチックやプラスチックシートといった無極性基材の場合に問題となることが多い。それと同時に、接着剤フィルムの内部強度(凝集力)が十分に高く、切断工具の汚染や切断面の粘着を招く糸曳きやしみ出しが切断により生じない、ということも求められる。所望の特性を得るために、高価な原料を使用しなければならない。

したがって本発明の一目的は、低い原材料コストをベースとする配合物であって、特に感圧接着剤として使用するための配合物を提供することである。好ましくは、該配合物は、接着力に関する値が顕著に低下することなく、凝集力に関して高い値を有する。

前述の目的は、 i)以下: a)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP; b)前記エチレン性不飽和モノマーの合計を基準として少なくとも6質量%の、少なくとも1つの糖化合物S; を含む水性ポリマー分散液と、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤と、 を含む配合物であって、 前記a)において、前記少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPは、前記b)からの少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部の存在下に前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合させることにより得られるものとする前記配合物により解決された。

前述の目的はさらに、本発明の配合物の製造方法、接着剤としての該配合物の使用、粘着シート、粘着テープまたは粘着ラベルを製造するための本発明の配合物の使用、およびウォッシュオフラベルを製造するための本発明の配合物の使用により解決された。

本発明を、以下の実施形態および好ましい実施形態によりさらに説明する。本明細書において別段の明示がない限り、これらの実施形態を自由に組み合わせることができる。

本発明において、配合物とは、互いに化学的に結合していないか、または互いに溶解していないか、または互いにほとんど溶解していない化合物の不均一混合物である。

好ましくは、本発明の配合物は水性配合物である。

本発明において、分散液とは、互いに化学的に結合していないか、または互いに溶解していないか、または互いにほとんど溶解していない化合物の不均一混合物である。結果として、ある化合物(分散相、あるいは二次相)が他の化合物(分散剤、連続相、あるいは分散媒体)中に極めて微細に分配されている。こうした場合、ある「物質」が他の「物質」中に分散している、という。

本発明におけるエチレン性不飽和とは、ある化合物が少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を示すことを意味する。

本発明における粘着付与剤とは、接着剤の配合時に該接着剤の表面のタック、すなわち粘着性を高めるために用いられる化合物である。粘着付与剤は、通常、高いガラス転移温度を有する低分子量化合物である。粘着付与剤は、低いひずみ速度では比較的高い応力コンプライアンスをもたらし、比較的高いひずみ速度ではより剛性が高まる。

本発明における少なくとも1つの糖化合物Sの「少なくとも一部」とは、該糖化合物Sのb)における全量を基準として一部または全量が(乳化)重合の開始時に存在すること、そして該開始時に存在するのが該糖化合物Sの一部である場合には、残分を重合の過程で添加することを意味する。

本発明におけるホモポリマーまたはコポリマーPは、重合形態のモノマー1種のみからなるポリマー(ホモポリマーPに相当)であってもよいし、重合形態の異なる種類のモノマーからなるポリマー(コポリマーPに相当)であってもよい。本発明のホモポリマーまたはコポリマーPを、「ポリマー」と称する場合もある。

本発明における、b)からの少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部の「存在下に」とは、該少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部と、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとを、例えば同一の反応器中で互いに接触させ、次いで該少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合させることを意味する。

本発明によれば、ホモポリマーまたはコポリマーPは、b)からの少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも一部の存在下に、a)における少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを乳化重合させることによって得られる。好ましくは、乳化重合は、ラジカル開始水性乳化重合である。エチレン性不飽和モノマーのラジカル開始水性乳化重合の実施形態は、広く記載されている[例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, 第8巻, p.659以下(1987)、DC Blackley, high polymer latexes, 第1巻, p.35以下(1966)、H. Warson, The Applications of Synthetic Resin Emulsion, p.246以下, 第5章(1972)、D. Diederich, chemicals in our time 24, p.135−142(1990)、Emulsion Polymerization, Interscience Publishers, New York(1965)、西独国特許出願公開第4003422号公報(DE−A 4003422)、およびdispersions of synthetic high polymers, F. Holscher, Springer−Verlag, Berlin, 1969参照]。通常は、モノマーを、多くの場合分散剤を併用して水性媒体中に分散させ、そしてラジカル重合開始剤を用いて重合させる。

当然のことながら、本開示の文脈におけるポリマー分散液の製造は、シード操作方式、ステージ操作方式、ショット操作方式およびグラジエント操作方式で行われることができる。

乳化重合は、水溶性開始剤を用いて開始されることができる。水溶性開始剤は、例えばペルオキソ二硫酸のアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、例えばペルオキソ二硫酸ナトリウム、過酸化水素または有機過酸化物、例えばt−ブチルヒドロペルオキシドである。また開始剤としては、酸化還元(レドックス)開始剤系として知られているものも適している。レドックス開始剤系は、少なくとも1つの通常は無機の還元剤と、少なくとも1つの有機または無機の酸化剤とからなる。酸化性成分には、例えばすでに上述した乳化重合用開始剤が含まれる。還元性成分は、例えば亜硫酸のアルカリ金属塩、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸のアルカリ金属塩、例えば二亜硫酸ナトリウム、脂肪族アルデヒドおよびケトンと重亜硫酸塩との付加化合物、例えばアセトン重亜硫酸塩、または還元剤、例えばヒドロキシメタンスルフィン酸およびその塩もしくはアスコルビン酸である。レドックス開始剤系は、金属成分が複数の原子価状態で存在しうる可溶性金属化合物と共に使用されることができる。通常のレドックス開始剤系は、例えばアスコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキソ二硫酸ナトリウム、t−ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナトリウム、t−ブチルヒドロペルオキシド/ヒドロキシメタンスルフィン酸Naである。個々の成分(例えば還元性成分)は混合物であってもよく、例えばヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩と二亜硫酸ナトリウムとの混合物であってもよい。

上記の開始剤は、通常は水溶液の形態で使用され、その際、下方濃度は、分散液において許容される水の量によって決まり、上方濃度は、各化合物の水への溶解度によって決まる。総じて、開始剤の濃度は、重合すべきモノマーの全量を基準として0.1質量%〜30質量%であり、好ましくは0.2質量%〜20質量%であり、より好ましくは0.3質量%〜10質量%である。2つ以上の異なる開始剤を乳化重合に使用することもできる。

重合において、連鎖移動剤(CTA)を使用することができる。好適な連鎖移動剤としては、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸エチルエステル、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオプロピレングリコール、2−エチルヘキシルチオグリコレートおよび2−メルカプトプロパノールが挙げられるが、総じて好ましいのは2−メルカプトエタノールである。本発明の実施に際して、2つの単官能性連鎖移動セグメントに分離する二官能性連鎖移動剤、例えばビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドを使用することもできる。本発明において使用することができる連鎖移動剤は、ヒドロキシ基を1つ含むことができ、それによって、得られるエチレン性不飽和モノマーのポリマーが単一の末端ヒドロキシル含有部分を有することが保証される。

乳化重合は、総じて30℃〜130℃で行われ、好ましくは50℃〜100℃で行われる。この温度を重合中に上昇させることができ、例えば50℃〜85℃の範囲の開始温度から85℃〜100℃を超える範囲の最終温度まで上昇させることができる。重合媒体は、水単独からなっていてもよいし、水と水混和性液体との混合物、例えば水とメタノールとの混合物からなっていてもよい。水のみを使用することが好ましい。

粒度をより効率的に定めるために、適宜、初期重合装入物にポリマーシードを含めることができる。

ラジカル水性乳化重合の過程で重合容器に開始剤を添加する方法は、当業者に知られている。開始剤の全てを重合容器への初期装入物に含めることもできるし、ラジカル水性乳化重合の過程で開始剤が消費される速度で連続的にまたは段階的に該開始剤を供給することもできる。これは、それぞれの個々のケースで開始剤系の化学的性質および重合温度に依存する。一部を初期装入物に含め、残分をその消費速度で重合区域に供給することが好ましい。残留モノマーを除去する目的で、通常は、本来の乳化重合の終了後にも、すなわち少なくとも95%のモノマーが転化した後にも、開始剤が添加される。フィード法に関しては、個々の成分を、上部から反応器に添加してもよいし、側部で反応器に添加してもよいし、反応器底面を通って下部から反応器に添加してもよい。

本発明の乳化重合によって、総じて45質量%を超える、例えば少なくとも50質量%の、少なくとも55質量%の、または少なくとも60質量%の固形分を有する水性ポリマー分散液が生成される。より良好なレオロジー挙動とすべく、より具体的にはより低粘度とすべく、粒度が二峰性または多峰性となるように調節を行うことができる。

このようにして製造されたホモポリマーまたはコポリマーPを、好ましくはその水性分散液の形態で使用することができる。分散粒子の粒度分布は、単峰性であっても二峰性であっても多峰性であってもよい。粒度分布が単峰性である場合には、水性分散液中に分散されるポリマー粒子の平均粒度は、好ましくは400nm未満であり、より好ましくは200nm未満である。本明細書中では、平均粒度とは粒度分布のd50を意味し、すなわち、全粒子の合計質量の50質量%がこのd50値よりも低い粒度を有する。粒度分布は、知られている様式で、分析用超遠心分離機を用いて測定されることができる(W.Maechtle, Makromolekulare Chemie 185(1984), p.1025−1039)。粒度分布が二峰性または多峰性である場合には、粒度は1000nmまでであることができる。ポリマー分散液のpHは、好ましくは5を上回る水準に設定され、より具体的には5.5〜8の水準に設定される。

本発明の対象となる系は、水性ポリマー分散液である。ここで、ポリマーは、均質な水相中で、上記で示されたポリマー粒度を有する微小粒子から構成される不均質相の形態をとる。均質な水相は、水の他にさらに、調製に際して慣用される助剤、界面活性物質、酸、塩基および乳化重合に由来する分解生成物、少量の水混和性有機溶媒、脱臭化合物または分子量調節剤を含むことができる。最後に挙げたこうした成分の割合は、通常は、分散液の合計質量を基準として3質量%以下である。

本発明の水性ポリマー分散液は、乳化重合により調製される。乳化重合の過程で、エチレン性不飽和モノマーは、通常は、イオン性および/または非イオン性乳化剤および/または保護コロイドおよび/または安定剤を用いて水中で重合される。これらは、モノマーの液滴と該モノマーから引き続き形成されるポリマー粒子とを安定化するための界面活性化合物として使用される。

本発明の配合物におけるポリマー分散液のpH値は、4.5を上回る値に調整されることができ、より具体的には5〜8の範囲の値に調整されることができる。pHは、通常は、例えばアンモニアやアルカリ金属水酸化物といった塩基を好ましくは水溶液の形態で添加することにより調節される。好ましい塩基は、アンモニアである。

総じて、水性ポリマー分散液を殺生物剤で安定化することもできる。

さらに、水性ポリマー分散液の調製後に、該水性ポリマー分散液をアニオン性界面活性物質の添加により安定化することが有利であることが判明した。この目的には、スルホコハク酸のジアルキルエステルまたはその塩、特にナトリウム塩が好ましく、特に、アルキル基1つ当たり6個〜12個の炭素原子を有するスルホコハク酸のジアルキルエステルが好ましい。通常は、乳化重合後に、水性ポリマー分散液にこの種のアニオン性界面活性物質が0.05質量%〜2質量%混合され、より具体的には0.1質量%〜1質量%混合される。

本発明のポリマー分散液は、ポリマー以外に好ましくは乳化剤のみを含む。より具体的には、ポリマー分散液が、界面活性物質として、少なくとも1つのアニオン性乳化剤と少なくとも1つの非イオン性乳化剤との組み合わせを含むことが適切であることが判明した。

アニオン性乳化剤としては、典型的には、総じて少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸およびその塩、より具体的にはそのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、総じて少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族、芳香脂肪族および芳香族スルホン酸およびその塩、より具体的にはそのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、エトキシル化アルカノールおよびアルキルフェノールの硫酸モノエステルおよびその塩、より具体的にはそのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、ならびにアルキル、アラルキルおよびアリールホスフェート、例えばアルカノールおよびアルキルフェノールのリン酸モノエステルが挙げられる。

好適なアニオン性乳化剤の例は、以下の通りである:スルホコハク酸のジアルキルエステルのアルカリ金属塩、またさらにアルキル硫酸エステル(アルキル基:C8〜C12)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、エトキシル化アルカノール(EO度:4〜30、アルキル基:C12〜C18)の硫酸モノエステルのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、エトキシル化アルキルフェノール(EO度:3〜50、アルキル基:C4〜C9)の硫酸モノエステルのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、アルキルスルホン酸(アルキル基:C12〜C18)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、ならびにアルキルアリールスルホン酸(アルキル基:C9〜C18)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩。好適な乳化剤の例はさらに、以下に示す一般式(I):

の化合物である。

ここで、R1およびR2は、水素またはC4〜C18アルキルであるが、同時に水素となることはなく、M1およびM2は、アルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンであることができる。好ましくは、R1およびR2は、6個〜16個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基であるかまたは水素であり、より具体的には、6個、12個および16個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、ここで、R1およびR2の双方が同時に水素となることはない。M1およびM2は、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンであり、ナトリウムが特に好ましい。特に有利な化合物は、M1およびM2がナトリウムであり、R1が12個の炭素原子を有する分岐鎖アルキル基であり、かつR2が水素であるかまたはR1に関して記載された水素以外の定義のうちの1つを有する化合物である。モノアルキル化生成物の割合が50質量%〜90質量%である工業用混合物が使用されることが多く、例としてダウファックス(Dowfax)(登録商標)2A1(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーの商品名)が挙げられる。

好適な非イオン性乳化剤は、通常、アルキル基中に8個〜36個の炭素原子を有するエトキシル化アルカノール、アルキル基中に通常4個〜12個の炭素原子を有するエトキシル化モノアルキルフェノール、エトキシル化ジアルキルフェノールおよびエトキシル化トリアルキルフェノール、通常3〜50の範囲のエトキシル化度を有するエトキシル化アルカノールおよびエトキシル化アルキルフェノールである。

さらなる好適な乳化剤は、例えばHouben−Weyl, Methoden der organischen Chemie, 第14/1巻, Makromolekulare Stoffe [Macromolecular compounds], Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 1961, pp.192−208に記載されている。

好適な乳化剤は、例えば、ダウファックス(Dowfax)(登録商標)2A1、エムラン(Emulan)(登録商標)NP 50、デキストロール(Dextrol)(登録商標)OC 50、エマルゲーター(Emulgator)825、エマルゲーター(Emulgator)825 S、エムラン(Emulan)(登録商標)OG、テキサポン(Texapon)(登録商標)NSO、ネカニール(Nekanil)(登録商標)904 S、ルミテン(Lumiten)(登録商標)I−RA、ルミテン(Lumiten)(登録商標)I−SC、ルミテン(Lumiten)(登録商標)E 3065、ディスポニル(Disponil)(登録商標)FES 77、ルテンゾール(Lutensol)(登録商標)AT 18、ステイナポール(Steinapol)VSL、エムルフォル(Emulphor)NPS 25といった商品名で市販されている。

ポリマー分散液は、a)において、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPを含む。好ましくは、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPは、少なくとも2つの異なるエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含み、より好ましくは少なくとも3つの異なるエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む。特に、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPは、複数の異なるエチレン性不飽和モノマーを重合単位の形態で含む。モノマーが異なることによって、コポリマーPが生成される。

好ましくは、エチレン性不飽和モノマーは、C2〜C12アルキルアクリレート、メチルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、ビニル芳香族モノマー、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステル、場合により、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマー、少なくとも1つの酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマー、またはそれらの混合物からなる群から選択される。

ポリマー分散液は、b)において、少なくとも1つの糖化合物Sを、エチレン性モノマーの合計を基準として少なくとも6質量%含む。好ましくは、ポリマー分散液は、少なくとも1つの糖化合物Sを、エチレン性モノマーの合計を基準として、6質量%〜80質量%含み、より好ましくは10質量%〜70質量%含み、最も好ましくは10質量%〜50質量%含む。

好ましくは、本発明の配合物は、少なくとも1つの粘着付与剤を、エチレン性モノマーの合計を基準として5質量%〜50質量%含む。より好ましくは、配合物は、少なくとも1つの粘着付与剤を、エチレン性モノマーの合計を基準として5質量%〜40質量%含み、最も好ましくは5質量%〜35質量%含む。

好ましくは、本発明の配合物は、水性ポリマー分散液i)とは異なる少なくとも1つのさらなるポリマー分散液v)を5質量%〜80質量%含む。ポリマー分散液v)は、a1)少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1を含み、該少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1は、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、スチレン、1,4−ブタジエン、エチレン、酢酸ビニルまたはそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを重合単位の形態で含む。好ましくは、少なくとも1つのさらなるポリマー分散液v)は、水性ポリマー分散液である。

重合のためのエチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、ポリマーのガラス転移温度の算出値が−60℃〜30℃の範囲となるように選択され、より具体的には−50℃〜10℃の範囲となるように選択される。当業者は、熟練技術によってモノマーの性質および量を変化させることで、ポリマーが所望の範囲内のガラス転移温度を有する水性ポリマー組成物を調製することができる。フォックスの式を指針とすることができる。フォックス(T.G. Fox, Bull. Am. Phys. Soc. 1956[Ser.II]1, p.123、およびUllmann’s Encyclopaedie der technischen Chemie, 第19巻, p.18, 第4版, Verlag Chemie, Weinheim, 1980)によれば、コポリマーのガラス転移温度は、以下: 1/Tg=x1/Tg1+x2/Tg2+・・・xn/Tgn により十分に近似的に算出され、ここで、x1、x2、・・・xnは、モノマー1、2、・・・nの質量分率であり、Tg1、Tg2、・・・Tgnは、それぞれモノマー1、2、・・・nのうちの1つのみから合成されたポリマーのガラス転移温度(ケルビン度)である。大半のモノマーのホモポリマーのTg値は知られており、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第A21巻, p.169, 第5版, VCH Weinheim, 1992に挙げられている。ホモポリマーのガラス転移温度に関する他の出典としては、例えばJ. Brandrup, E.H. Immergut, Polymer Handbook, 第1版, J. Wiley, New York 1966、第2版, J. Wiley, New York 1975、および第3版, J. Wiley, New York 1989が挙げられる。

ガラス転移温度は、示差走査熱量測定法(例えば、ASTM 4381/81、中点温度参照)のような慣用の方法によって測定されることができる。

好ましくは、本発明の配合物において、a)において、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとして、以下: − 少なくとも1つのモノマーA、ここで、前記モノマーAは、少なくとも1つのC2〜C12アルキルアクリレートである; − メチルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、ビニル芳香族モノマー、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つのモノマーB; − 任意に、少なくとも1つのモノマーC、ここで、前記モノマーCは、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; − 少なくとも1つのモノマーD、ここで、前記モノマーDは、少なくとも1つの酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; を含むモノマー混合物が使用される。

好適なモノマーAは、そのホモポリマーのガラス転移温度Tgが、−10℃以下であり、より具体的には−20℃以下であり、より具体的には−30℃以下であるC2〜C12アルキルアクリレートである。好適なC2〜C12アルキルアクリレートの例は、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、イソヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ドデシルアクリレートおよびイソドデシルアクリレートならびにそれらの混合物である。

好適なC2〜C12アルキルアクリレートは、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、デシルアクリレートおよびイソデシルアクリレートならびに上述の好ましいアルキルアクリレートの混合物であり、例として、n−ブチルアクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレートとのおよび/または2−プロピルヘプチルアクリレートとの、混合物が挙げられる。

好ましくは、少なくとも1つのモノマーAは、モノマーA〜Dの合計を基準として50質量%〜99質量%準備される。より好ましくは、少なくとも1つのモノマーAは、モノマーA〜Dの合計を基準として65質量%〜99.8質量%準備される。

好適なモノマーBは、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−n−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、例えばグリシジルメタクリレート(GMA)、モノエチレン性不飽和C3〜C8モノカルボン酸のフェノキシアルキルエステル、より具体的には、2−フェノキシエチルアクリレートおよび2−フェノキシエチルメタクリレート、モノエチレン性不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。

特に好ましいモノマーBは、スチレン、メチルアクリレート、C1〜C4アルキルメタクリレート、グリシジルメタクリレートまたはそれらの混合物であり、より具体的には、メチルメタクリレート、スチレンおよびそれらの混合物である。

好ましくは、少なくとも1つのモノマーBは、モノマーA〜Dの合計を基準として0.1質量%〜35質量%準備される。より好ましくは、少なくとも1つのモノマーBは、モノマーA〜Dの合計を基準として0.1質量%〜30質量%準備される。

好適なモノマーCは、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマーであり、例えば、モノエチレン性不飽和C3〜C8モノカルボン酸のアミド、例えばアクリルアミドおよびメタクリルアミド、およびモノエチレン性不飽和C3〜C8モノカルボン酸のヒドロキシ−C2〜C4アルキルエステル、より具体的にはC2〜C4ヒドロキシアルキルアクリレートおよびC2〜C4ヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ならびにそれらの混合物である。

好ましいモノマーCは、C2〜C4ヒドロキシアルキルアクリレートおよびC2〜C4ヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ならびにそれらの混合物から選択される。

好ましくは、少なくとも1つのモノマーCは、モノマーA〜Dの合計を基準として0質量%〜15質量%準備される。より好ましくは、モノマーCは、モノマーA〜Dの合計を基準として0質量%〜10質量%準備され、最も好ましくは0.1質量%〜10質量%準備される。

好適なモノマーDは、酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーおよびその塩であり、より具体的には、カルボキシル基(COOH)またはヒドロキシスルホニル基(SO3H)を有するモノエチレン性不飽和モノマーおよびその塩であり、例えば、モノエチレン性不飽和C3〜C8モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびイソクロトン酸、モノエチレン性不飽和C4〜C8ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸およびイタコン酸、ならびにモノエチレン性不飽和スルホン酸、例えばビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。

好ましいモノマーDは、少なくとも1つのカルボキシル基を有するモノマーであり、より具体的には、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸およびそれらの混合物である。

好ましくは、モノマーDは、モノマーA〜Dの合計を基準として0.1質量%〜10質量%準備される。より好ましくは、モノマーDは、モノマーA〜Dの合計を基準として0.1質量%〜5質量%準備される。

好ましくは、本発明の配合物において、a)において、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとして、以下: a1)少なくとも1つのモノマーAを、65質量%〜99.8質量%、ここで、前記モノマーAは、少なくとも1つのC2〜C12アルキルアクリレートである; a2)メチルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、ビニル芳香族モノマー、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーBを、0.1質量%〜30質量%; a3)少なくとも1つのモノマーCを、0質量%〜10質量%、ここで、前記モノマーCは、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; a4)少なくとも1つのモノマーDを、0.1質量%〜5質量%、ここで、前記モノマーDは、少なくとも1つの酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; 含むモノマー混合物が使用され、ここで、モノマーA〜Dの合計は100質量%であるものとし、かつ、 b)少なくとも1つの糖化合物Sが、モノマーA〜Dの合計を基準として少なくとも6質量%含まれる。

好ましくは、本発明の配合物において、a)において、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとして、以下: a1)少なくとも1つのモノマーAを、65質量%〜99.8質量%、ここで、前記モノマーAは、少なくとも1つのC2〜C12アルキルアクリレートである; a2)メチルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート誘導体、ビニル芳香族モノマー、脂肪族C2〜C10カルボン酸のビニルエステルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーBを、0.1質量%〜30質量%; a3)少なくとも1つのモノマーCを、0質量%〜10質量%、ここで、前記モノマーCは、少なくとも1つのヒドロキシアルキル基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; a4)少なくとも1つのモノマーDを、0.1質量%〜5質量%、ここで、前記モノマーDは、少なくとも1つの酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーである; からなるモノマー混合物が使用され、ここで、モノマーA〜Dの合計は100質量%であるものとし、かつ、 b)少なくとも1つの糖化合物Sが、モノマーA〜Dの合計を基準として少なくとも6質量%含まれる。

本発明における「糖化合物」(又は糖類化合物ともいう)とは、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、糖アルコールならびに前述の化合物の置換生成物および誘導体を意味することができる。

単糖類とは、一般式CnH2nOnの有機化合物であり、ここで、nは、5、6、7、8または9の整数である。これらの単糖類は、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトースまたはノノースとしても知られており、これらの化合物は、アルデヒド基を有する対応するアルドースとケト基を有するケトースとに分かれる。したがって、単糖類には、アルドペントースもしくはケトペントース、アルドヘキソースもしくはケトヘキソース、アルドヘプトースもしくはケトヘプトース、アルドオクトースもしくはケトオクトース、またはアルドノノースもしくはケトノノースが含まれる。ペントースやヘキソースといった天然に存在する単糖類化合物が好ましく、グルコース、マンノース、ガラクトースおよび/またはキシロースが特に好ましい。当然のことながら、上記の単糖類のいずれの立体異性体も含まれる。

グリコシド結合を介して少なくとも2個の、但し最高で10個の単糖類単位から構成される化合物は、オリゴ糖類と呼ばれる。好ましいオリゴ糖類は二糖類であり、そのうちラクトース、マルトースおよび/またはスクロースが特に好ましい。当然のことながら、本発明には、上記のいずれのオリゴ糖類のいずれの立体異性体も含まれる。

10個を上回る単糖類単位から構成される糖化合物を、本明細書中では多糖類と呼ぶ。多糖類化合物は、1種の単糖類の構成要素から構成されていてもよいし(ホモグリカンとして知られている)、2種以上の異なる単糖類の構成要素から構成されていてもよい(ヘテログリカンとして知られている)。本発明によれば、ホモグリカンが好ましく用いられる。

糖アルコールとは、上記のアルドペントースもしくはケトペントース、アルドヘキソースもしくはケトヘキソース、アルドヘプトースもしくはケトヘプトース、アルドオクトースもしくはケトオクトース、またはアルドノノースもしくはケトノノースの水素化生成物であり、その一般式はCnH2n+2Onである。ここで、nは、5、6、7、8または9の整数である。好ましい糖アルコールとしては、マンニトール、ラクチトール、ソルビトールおよび/またはキシリトールが挙げられる。

当然のことながら、上記の単糖類、オリゴ糖類および多糖類ならびに糖アルコールの置換生成物および誘導体も含まれる。置換生成物とは、糖化合物Sの構造を維持しつつ、例えばエステル化、エーテル化、酸化などによって該糖化合物Sの少なくとも1つのヒドロキシル基が官能化されたものであることができる。

糖化合物Sの重要な利点は、その適用に際して、出発材料であるデンプンの部分加水分解による極めて簡便な方法での製造以外に、さらなる化学修飾を必要としないという点にある。当然のことながら、糖化合物Sを、エーテル化またはエステル化により修飾することもできる。この化学修飾は、分解の前の粗デンプンに対して行われていてもよい。

好ましくは、本発明の配合物において、糖化合物Sは、デンプン、セルロース、グアーガム、キサンタンガム、アルギネート、ペクチン、キトサン、アラビアガム、ジェランガムまたはそれらの混合物からなる群から選択される。

好ましくは、本発明の配合物において、糖化合物Sは、デンプン、デンプン誘導体および/またはこれらの置換生成物である。特に好ましいのは、マルトデキストリンおよび/またはグルコースシロップである。

好ましくは、マルトデキストリンは、マルトデキストリン溶液または噴霧乾燥粉末として使用されることができる。

デンプンの分解の程度を表すパラメータの1つに、DE値がある。ここでDEとは、Dextrose Equivalentの略であり、乾燥物質中の還元糖のパーセンテージを表す。したがってDE値は、乾燥物100g当たりで同一の還元力を有するグルコース(=デキストロース)の量(g)に相当する。DE値は、ポリマー分解がどの程度まで生じたかを示す指標の1つである。したがって、DE値が低いデンプンは、多糖類のパーセンテージが高くかつ低分子量の単糖類およびオリゴ糖類の含分が低いのに対して、DE値が高いデンプンは、主に低分子量の単糖類または二糖類から構成される。

好ましくは、マルトデキストリンは、3〜25の範囲のDE値を有する。より好ましくは、マルトデキストリンは、3〜25の範囲のDE値と、10,000g/モル〜30,000g/モルの重量平均分子量とを有する。

好ましくは、グルコースシロップは20〜30のDE値を有する。より好ましくは、グルコースシロップは、20〜30のDE値と、3,000g/モル〜9,000g/モルの範囲の重量平均分子量とを有する。

モノマーA〜Dの乳化重合の前に糖化合物Sの全量を(水性)重合媒体に添加することもできるし、モノマーA〜Dの乳化重合の間に糖化合物Sの全量を(水性)重合媒体に添加することもできる。

糖化合物Sおよびモノマーの添加は、特徴的な勾配方式で行われることができる。

好ましくは、本発明の製造方法においては、糖化合物Sの全量を基準として少なくとも40質量%、好ましくは60質量%〜100質量%が乳化重合中にフィード法で導入されるとともに、モノマーの添加もフィード法で行われ、その際、フィード速度は時間とともに上昇する。すなわち、モノマーフィードの最終速度は初期速度よりも高い。このフィード速度は、好ましくは連続的に上昇するかまたは多段階で漸増的に上昇し、例えば少なくとも3段階でまたは少なくとも5段階で漸増的に上昇する。糖化合物Sのフィード速度も同様に、好ましくは、連続的に上昇するかまたは多段階で漸増的に上昇し、例えば少なくとも3段階でまたは少なくとも5段階で漸増的に上昇する。したがって、重合の開始時には、初期装入物中には糖化合物Sはほとんど存在しないか、または好ましくはまったく存在しない。重合が開始されて全モノマー量の少なくとも1質量%、少なくとも2質量%または少なくとも5質量%が重合容器に添加された後でようやく、糖化合物Sの添加が好ましくは開始される。糖化合物Sの添加は、好ましくは連続的または漸増的に行われるとともに、モノマー残分の連続的または漸増的な添加と並行して行われる。

好ましくは、モノマーA〜Dの乳化重合の前に、糖化合物Sの全量が水性重合媒体に添加される。このようにして、糖化合物Sの存在下に、モノマーA〜Dの少なくとも一部または全量の重合が行われる。

好ましくは、本発明の配合物において、ポリマー分散液中の固形分は、5質量%以上90質量%以下である。より好ましくは、ポリマー分散液中の固形分は、10質量%以上75質量%以下である。最も好ましくは、ポリマー分散液中の固形分は、20質量%以上70質量%以下である。

固形分とは、非揮発性成分のパーセンテージである。分散液の固形分は、赤外線水分測定による秤によって測定される。この場合、所定量のポリマー分散液を装置に導入して140℃に加熱し、次いでこの温度でこれを保持する。平均質量損失が140秒以内で1mg未満となったらこの測定処理を終了する。乾燥後の質量と元の試料質量との比が示すものが、ポリマー分散液の固形分である。

添加した物質の量とその固形分または濃度とから、計算によって配合物の全固形分を求めることができる。

好ましくは、本発明の配合物において、粘着付与剤は、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリアクリレートまたはそれらの混合物からなる群から選択される。

粘着付与剤は、例えば、Adhesives Age, July 1987, p.19−23、またはPolym. Mater. Sci. Eng. 61 (1989), p.588−592から知られている。粘着付与剤の例は、例えばロジン等の天然樹脂、および不均化または異性化、重合、二量化または水素化によるその誘導体である。これらは、(例えば、1価または多価の対イオン(カチオン)との)その塩形態であってもよいし、好ましくはそのエステル化形態であってもよい。エステル化に使用されるアルコールは、1価であっても多価であってもよい。例としては、メタノール、エタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,3−プロパンチオールおよびペンタエリトリトールが挙げられる。

さらに炭化水素樹脂も使用され、例として、インデン−クマロン樹脂、ポリテルペン樹脂、不飽和CH化合物をベースとする炭化水素樹脂、例えばブタジエン、ペンテン、メチルブテン、イソプレン、ピペリレン、ジビニルメタン、ペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンが挙げられる。

粘着付与剤として使用されることが増えているさらなる化合物は、低分子量のポリアクリレートである。こうしたポリアクリレートは、好ましくは30,000未満の重量平均分子量Mwを有する。好ましくは、こうしたポリアクリレートの少なくとも60質量%、特に少なくとも80質量%が、C1〜C8アルキル(メタ)アクリレートからなる。

好適な粘着付与剤は、天然に存在するロジンであるか、または化学修飾されたロジンである。ロジンは、主にアビエチン酸またはその誘導体からなる。

この場合、粘着付与剤は、好ましくはそれ自体が水性分散液の形態をとっている。

本発明の配合物においては、粘着付与剤に加えて、例えば増粘剤、消泡剤、可塑剤、顔料、湿潤剤または充填剤といった他の添加剤を使用することもできる。

好ましくは、本発明の配合物は、以下: i)ポリマー分散液を、50質量%〜95質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0質量%〜3質量%、および iv)添加剤を、0質量%〜10質量% 含み、ここで、i)〜iv)の化合物の合計は100%であるものとする。

より好ましくは、本発明の配合物は、以下: i)ポリマー分散液を、50質量%〜94.8質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0.1質量%〜3質量%、および iv)添加剤を、0.1質量%〜10質量% 含み、ここで、i)〜iv)の化合物の合計は100%であるものとする。

好ましくは、本発明の配合物は、以下: i)ポリマー分散液を、15質量%〜90質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0質量%〜3質量%、および iv)少なくとも1つの添加剤を、0質量%〜10質量%、 v)前記水性ポリマー分散液i)とは異なる少なくとも1つのさらなるポリマー分散液v)を、5質量%〜80質量% 含み、ここで、i)〜v)の化合物の合計は100%であるものとする。

より好ましくは、本発明の配合物は、以下: i)ポリマー分散液を、15質量%〜79.8質量%、 ii)少なくとも1つの粘着付与剤を、5質量%〜50質量%、 iii)少なくとも1つの界面活性剤を、0.1質量%〜3質量%、および iv)少なくとも1つの添加剤を、0.1質量%〜10質量%、 v)前記水性ポリマー分散液i)とは異なる少なくとも1つのさらなるポリマー分散液v)を、15質量%〜79.8質量% 含み、ここで、i)〜v)の化合物の合計は100%であるものとする。

本発明の配合物中の少なくとも1つの粘着付与剤、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの添加剤、ポリマー分散液および少なくとも1つのさらなるポリマー分散液に関する「質量」とは、各成分の固形分を指す。

好ましくは、ポリマー分散液v)は、a1)スチレン、1,4−ブタジエン、エチレン、酢酸ビニルまたはそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを重合単位の形態で含む、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーP1を含む。

本発明のさらなる目的は、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPを構成する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーであるモノマーをモノマーフィード法によってフリーラジカル水性乳化重合させることを含む本発明の配合物の製造方法において、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0%〜50%の前記エチレン性不飽和モノマーを、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0%〜100%の前記少なくとも1つの糖化合物Sに、重合条件下に添加し、かつ、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーおよび前記少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも残分を、前記重合の過程で添加する、前記方法である。

好ましくは、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーPを構成する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーであるモノマーをモノマーフィード法によってフリーラジカル水性乳化重合させることを含む本発明の配合物の製造方法において、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0.1質量%〜50質量%の前記エチレン性不飽和モノマーを、前記重合すべきモノマーの全量を基準として0.1質量%〜100質量%の少なくとも1つの糖化合物Sに、重合条件下に添加し、かつ、前記少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーおよび前記少なくとも1つの糖化合物Sの少なくとも残分を、前記重合の過程で添加する、前記方法である。

本発明のさらなる目的は、接着剤としての、好ましくは感圧接着剤としての、本発明の配合物の使用である。

本発明のさらなる目的は、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルまたはウォッシュオフラベルを製造するための本発明の配合物の使用である。

本発明のさらなる目的は、本発明の配合物を含む、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベルまたはウォッシュオフラベルである。本発明の配合物を含む粘着ラベルまたはウォッシュオフラベルが好ましい。

PSA(pressure sensitive adhesive、感圧接着剤)は、ラベルやフィルムやテープといった粘着性製品の製造に適している。PSAは、例えばロール塗り、ナイフコーティング、はけ塗りなどの従来の方法によって、例えば紙やポリマーフィルムといった基材に塗布されることができる。

水が存在する場合には、好ましくは50℃〜150℃での乾燥により水を除去することができる。担体の切断は、粘着シート、粘着ラベルまたは粘着テープに接着剤を塗布する前に行われてもよいし、塗布した後に行われてもよい。その後の使用のために、基材のPSAコーティング面は、例えばシリコーン処理紙などの剥離紙で覆われる。

本発明の配合物および接着剤としての本発明の配合物の使用は、原則的に、例えば紙、プラスチックシート、より具体的には透明なプラスチックシートおよび金属シートまたは金属被覆プラスチックシートまたは金属被覆紙といった、所望のいかなる基材に対する感圧接着剤コーティングの製造にも適する。プラスチックシートの例としては、二軸延伸または一軸延伸されていてもよいポリエチレン、二軸延伸または一軸延伸されていてもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミドおよびポリ酢酸ビニルから製造されたフィルム、またさらにはラミネートシート、例えばポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン/ポリビニルアルコールが挙げられる。

非極性表面を有する特に好適な担体は、ポリオレフィンをベースとしたものであり、特にポリエチレンまたはポリプロピレンをベースとしたものである。

PSAコーティングの厚さは所望の用途に依存し、通常は1μm〜500μmの範囲であり、より具体的には2μm〜250μmの範囲であるかまたは5μm〜200μmの範囲であり、これは、1g/m2〜500g/m2、より具体的には2g/m2〜250g/m2、特に5g/m2〜200g/m2のコーティングに相当する。

本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、上記は単なる例示であり、特許請求の範囲に記載される本発明の真の範囲から逸脱することなく、他の手段および技術を用いることができるものと理解されるべきである。

材料および方法 粘度測定:23℃で、0〜500s−1のせん断速度で、回転粘度計(例えば、アントンパール社製のサンプルチェンジャーおよびCC27測定システムを具備したPhysica MCR 301レオメーター)を用いて、DIN EN ISO 3219に基づく方法で、ブルックフィールド粘度を測定した。報告した数値は、100s−1での値である。

略称: 成分 pphm(parts per hundred monomers):モノマー100質量部当たりの質量部 モノマー AA アクリル酸 BA n−ブチルアクリレート EHA 2−エチルヘキシルアクリレート MA メチルアクリレート MMA メチルメタクリレート VAc 酢酸ビニル HPA 2−ヒドロキシプロピルアクリレート GMA グリシジルメタクリレート tDMK t−ドデシルメルカプタン NaOH 水酸化ナトリウム 糖化合物(糖類化合物ともいう) S1 C*Plus 10998、50質量%溶液、カーギル社 S2 C*Plus 10998、粉末、カーギル社 S3 マルトデキストリン、ジューチュンドンシャオバイオテクノロジー社(Zhucheng Dongxiao Biotechnology Co., LTD) S4 マルトデキストリン DE18−21、チンホワンタオリーファスターチ社(Qinhuangdao Lihua Starch Co., LTD) 粘着付与剤分散液 Snt 780G ハリマ化成株式会社ローター製スノータック(Snowtack)SE780G T01 米国特許出願公開第2013202886号公報(US 2013202886)にしたがって調製された、EHA 65pphm、MMA 34.75pphm、AA 0.25を有する低分子量アクリル樹脂、Mn約20,000g/モル 塗布試験、破壊様式 A 接着破壊 K 凝集破壊 転着 接着剤の転着 PT 紙の破れ

性能試験: PSA分散液をラウフェンベルク社製シリコーン紙NSA 1370に塗布して乾燥させ、これをヘルマ社製ラベル用紙(75g/m2、下塗り処理なし)に移したところ、塗布率は、1m2当たり乾燥接着剤20gとなった。この積層体を、標準状態(23℃、相対湿度50%)で少なくとも16時間コンディショニングした後、剥離強さ(接着力)、せん断強さ(凝集力)および23℃でのクイックスティックを測定した。

このPSAでコーティングした担体を切断して、幅25mmの試験片とした。

a)クイックスティック クイックスティック(表面タック、ループタックとも呼ばれる)の測定では、担体材料に塗布された接着剤を、圧力をかけずに基材に接着させて、この接着剤が所定の剥離速度でこの基材から剥離されるのに抵抗する力を測定する。この担体材料は75g/m2のラベル用紙であり、基材は厚紙である。接着剤でコーティングした担体から幅25mm、長さ250mmの試験片を切断し、標準状態(23℃、相対湿度50%)で少なくとも16時間貯蔵する。この試験片の両端を、接着面を内側にして約1cmの長さで折りたたむ。この接着剤片から接着面を外側にしてループを作成し、両端を合わせて引張試験機の上方ジョーにクランプ留めする。試験基材用の台を下方ジョーにクランプ留めし、試験基材を差し込む。この接着剤片のループを300mm/分の速度で引張試験機によって下方に移動させることで、追加の圧力をかけずにこの基材に試験片の接着面を接着させる。上方ジョーの下端が基材の40mm上方となったら、直ちに引張試験機を停止して再び上方へ移動させる。試験結果を、N/25mm幅で報告する。表示装置上の最大値(Fmax)を、表面タックの指標として読み取る。少なくとも2つの個々の結果から、平均をとる。

b)せん断強さ(凝集力) せん断強さを測定するために、試験片を25mm×25mmの接着面積で鋼板に接着させ、重さ1kgのローラーを使用して1度ローラーがけし、10分後に1kgの重りを吊下げて負荷をかけた。標準状態(23℃、相対湿度50%)でせん断強さ(凝集力)を測定した。重りが落下するまでの期間(時間)を、せん断強さの指標とする。それぞれ少なくとも3つの測定値から平均値を算出した。

c)剥離強さ(接着力) 剥離強さ(接着力)を測定するために、幅25mmの試験片を厚紙に接着させ、この試験体を重さ1kgのローラーを使用して1度ローラーがけした。次いで、この試験体の一端を、引張ひずみ試験装置の上方ジョーにクランプ留めした。接着剤片を、90°の度で300mm/分で試験表面から剥離した。接着剤片を折り曲げてこの試験体に対して垂直に剥離し、これを達成するのに要した力を記録した。少なくとも2つの測定値の平均値として得られた力(N/25mm)を、剥離強さの指標とした。接着の20分後に剥離強さを測定した。

d)ウォッシュオフ試験(ウォッシュオフ能力) 60mm×80mmの試験片を切り出し、シリコーン処理された剥離ライナーを取り除き、このラベルを手で清浄なガラス瓶に接着させた。この接着を、標準状態(23℃、相対湿度50%)で24時間保持した。貯蔵後にこの瓶に試験温度の水を充填し、直ちにこの瓶を2.0%水酸化ナトリウム溶液の入った3Lビーカー中に浸漬させて、80℃で撹拌した。このラベルが完全に剥離するまでの時間を報告する。

上記の試験方法は、実質的にFinat試験方法(FTM)2、8、9および26に対応する。

方法A − 従来の乳化重合(本発明によらない) ベンチマーク例(本発明によらない) モノマー組成:EHA 79.5pphm、MMA 8pphm、VAc 8pphm、HPA 2pphm、Sty 2pphm、AA 0.5pphm。

ブレード付撹拌機、計量供給装置、熱電対および還流冷却器を備えたガラス製反応器に、脱イオン水220.3gと、アスコルビン酸0.29gと、ポリスチレンシードポリマー分散液5.2g(粒度約30nm、固形分33質量%)との混合物を室温で充填した。2つのフィード混合物を準備した:a)フィード1は、脱塩水243.5g、ディスポニル(Disponil)FES 77(32質量%溶液)17.8g、ダウファックス(Dowfax)2A1(45質量%溶液)2.53g、水酸化ナトリウム(25質量%溶液)4.6g、アクリル酸2.9g、2−ヒドロキシプロピルアクリレート11.4g、スチレン11.4g、メチルメタクリレート45.6g、酢酸ビニル45.6g、2−エチルヘキシルアクリレート453.2gからなっていた。b)フィード2は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(7質量%溶液)32.6gからなっていた。

反応器を窒素でフラッシュして85℃に加熱し、その際にフィード2の20%を2分間以内で添加した。15分間撹拌した後、フィード1および2の残分を、同時に開始して、温度を85℃に一定に保ちながら次のパターンにしたがって反応器に加えた:a)フィード1の残分を180分間で、b)フィード2の残分を210分間で。フィード2の終了後、脱塩水19.8gを添加し、次いで85℃で10分間撹拌した。一定温度で、t−ブチルヒドロペルオキシド(10質量%溶液)5.7gおよびアセトン重亜硫酸ナトリウム(13.1質量%溶液)7.0gを、60分間かけて加えた。ルミテン(Lumiten)I−SC(58質量%溶液)4.9gを15分間以内で添加し、さらに15分間撹拌した。脱塩水16.2gを加え、得られた生成物を室温に冷却した。アクチサイド(Acticid)MV(1.5質量%溶液、トール社)0.8gおよび追加の脱塩水21.9gを加えて撹拌した。

得られたポリマー分散液は、49.2%の固形分および135mPa・sの粘度を有していた。

方法Fの記載にしたがって、分散液75部を、粘着付与剤スノータック(Snowtack)SE780G 25部(乾燥物換算)と混合した。

方法B − 糖類化合物の配合(本発明によらない) 比較例1(本発明によらない) 方法Aにしたがって製造されたポリマー分散液ベンチマークのアリコートを、NaOH(10質量%水溶液)でpH7に調整した。糖化合物S1溶液(カーギル社製C*Plus 10998、50質量%溶液)を、糖化合物20部の割合でポリマー分散液80部に添加して(乾燥物換算)、ポリマー/糖類化合物のブレンドを得た。

方法Fの記載にしたがって、分散液75部を、粘着付与剤スノータック(Snowtack)SE780G 25部(乾燥物換算)と混合した。

方法C − 初期装入物中の糖類化合物(本発明による) 例E2(本発明による) モノマー組成:EHA 79.5pphm、MMA 8pphm、VAc 8pphm、HPA 2pphm、Sty 2pphm、AA 0.5pphm;糖化合物S1 20pphm ブレード付撹拌機、計量供給装置、熱電対および還流冷却器を備えたガラス製反応器に、脱イオン水161.7gと、アスコルビン酸0.29gと、糖化合物S1溶液(カーギル社製C*Plus 10998、50質量%溶液)228.0gとの混合物を室温で充填した。2つのフィード混合物を準備した:a)フィード1は、脱塩水245.4g、ディスポニル(Disponil)FES 77(32質量%溶液)17.8g、ダウファックス(Dowfax)2A1(45質量%溶液)2.53g、水酸化ナトリウム(25質量%溶液)4.6g、アクリル酸2.9g、2−ヒドロキシプロピルアクリレート11.4g、スチレン11.4g、メチルメタクリレート45.6g、酢酸ビニル45.6g、2−エチルヘキシルアクリレート453.2gからなっていた。b)フィード2は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(2.5質量%溶液)91.2gからなっていた。

反応器を窒素でフラッシュして85℃に加熱し、その際にフィード1の5%を2分間以内で添加し、次いでフィード2の20%を同一の温度で、2分間以内で加えた。フィード1および2の残分を、同時に開始して、温度を85℃に一定に保ちながら次のパターンにしたがって反応器に加えた:a)フィード1の残分を180分間で、b)フィード2の残分を210分間で。フィード2の終了後、脱塩水19.8gを添加し、次いで85℃で10分間撹拌した。

一定温度で、t−ブチルヒドロペルオキシド(10質量%溶液)5.7gおよびアセトン重亜硫酸ナトリウム(13.1質量%溶液)7.0gを、60分間かけて加えた。ルミテン(Lumiten)I−SC(58質量%溶液)4.9gを15分間以内で添加し、さらに15分間撹拌した。脱塩水16.2gを加え、得られた生成物を室温に冷却した。アクチサイド(Acticid)MV(1.5質量%溶液)0.8gおよび追加の脱塩水21.9gを加えて撹拌した。得られたポリマー分散液は、pH値5.5、固形分49.8%、および粘度450mPa・sであった。

方法Fの記載にしたがって、分散液75部を、粘着付与剤スノータック(Snowtack)SE780G 25部(乾燥物換算)と混合した。

方法D − フィード中の糖類化合物(本発明による) 例E40(本発明による) モノマー組成:EHA 79.5pphm、MMA 8pphm、VAc 8pphm、HPA 2pphm、Sty 2pphm、AA 0.5pphm;糖化合物S1 20pphm ブレード付撹拌機、計量供給装置、熱電対および還流冷却器を備えたガラス製反応器に、脱イオン水200.0gとアスコルビン酸0.58gとの混合物を室温で充填した。2つのフィード混合物を準備した:a)フィード1は、脱塩水329.5g、糖化合物S1溶液(カーギル社製C*Plus 10998、54質量%溶液)422.3g、ディスポニル(Disponil)FES 77(32質量%溶液)35.6g、ダウファックス(Dowfax)2A1(45質量%溶液)5.1g、水酸化ナトリウム(25質量%溶液)9.1g、アクリル酸5.7g、2−ヒドロキシプロピルアクリレート22.8g、スチレン22.8g、メチルメタクリレート91.2g、酢酸ビニル91.2g、2−エチルヘキシルアクリレート906.3gからなっていた。b)フィード2は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(7質量%溶液)69.3gからなっていた。

反応器を窒素でフラッシュして85℃に加熱し、その際にNaPS(7質量%溶液)17.9gを添加した。10分後、フィード1を、異なるフィード速度で段階的に添加した:8.2gを6分間で、その後、73.6gを22分間で、その後、147.2gを22分間で、その後、220.8gを22分間で、最後に、フィード1の残分である1491.9gを138分間で。フィード2の残分を、同時に開始して、温度を85℃に一定に保ちながら210分間かけて反応器に加えた。フィード1およびフィード2の終了後、40gの量の脱塩水を加え、次いで85℃で10分間撹拌した。一定温度で、t−ブチルヒドロペルオキシド(10質量%溶液)12.4gおよびアセトン重亜硫酸ナトリウム(13.1質量%溶液)15.1gを、60分間かけて加えた。ルミテン(Lumiten)I−SC(58質量%溶液)10.7gを15分以内で加え、さらに15分間撹拌した。脱塩水40gを加え、得られた生成物を室温に冷却した。アクチサイド(Acticid)MV(1.5質量%溶液)1.7gおよび追加の脱塩水21.9gを加えて撹拌した。得られたポリマー分散液は、固形分59.0%、および粘度794mPa・sであった。

方法Fの記載にしたがって、分散液75部を、粘着付与剤スノータック(Snowtack)SE780G 25部(乾燥物換算)と混合した。

方法F − 粘着付与剤と分散液とをブレンドするための包括的手順 分散液75部を、粘着付与剤スノータック(Snowtack)SE780G 25部(乾燥物換算)と混合した。さらに、NaOH(8%)によりpH値をpH=7に調整し、ルミテン(Lumiten)I−SC、消泡剤ターゲ(Tage)2263も添加した。 配合物の例: 例E2のポリマー分散液(49.8質量%)204.4gを、500mlのビーカーに入れた。撹拌しながら(400rpm)、最初に、ターゲ(Tage)2263(10%)0.1gおよびルミテン(Lumiten)ISC(58%)2.1gを室温で添加し、次いで粘着付与剤スノータック(Snowtack)SE780G(55%)61.7gを加えた。NaOH(8%)2.2gを添加してpHを約8に調整した。最終的に、アクチサイド(Acticid)MV(1.5%)0.2gおよび水9.2gを添加した。このブレンドを約10分間撹拌し、試験積層体を準備する前に少なくとも16時間静置させた。固形分は約49%であった。

表2において実証されるように、PSA(感圧接着剤)配合物において糖類化合物を多量に使用すると、塗布特性が望ましくないものとなる。糖類化合物と従来のポリマー分散液とをブレンドすると、典型的には、比較例1について認められるようにループタックおよび剥離抵抗が低いという性能低下が生じる。重合プロセス中に糖類化合物を使用するとせん断抵抗が増大するが、糖類化合物を多量に使用するとPSAが示す接着力が低くなりすぎる。特に、糖類化合物を多量に用いた比較例4および比較例5の試料は、その接着性を失っており、したがってPSA配合物としての適性を完全に失っている。

驚くべきことに、本発明の方法を用いることで、極めて多量の糖類化合物をPSA配合物に有利に組み込むことができる。本発明の糖類化合物の存在下に乳化重合を行い、得られたポリマー分散液に好適な粘着付与剤分散液を配合することで、バランスの良い接着プロファイルが得られる。

例E5 例E2と同一のモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。ペルオキソ二硫酸ナトリウムの全量を、0.4pphmとした。

例E6 例E2と同一のモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。ペルオキソ二硫酸ナトリウムの全量を、0.8pphmとした。

例E7 例E2と同一のモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。ペルオキソ二硫酸ナトリウムの全量を、1.2pphmとした。

例E8 例E2と同一のモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。ペルオキソ二硫酸ナトリウムの全量を0.4pphmとし、そのうち40%を、エマルションフィード開始前の初期装入物中に添加した。

製造上の理由から開始剤をより多量とすることが望ましい場合には、これらの例によって本発明の融通性が実証される。

例E9 例E2と同一のエマルションフィードモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。エマルションフィードの5%を初期装入する代わりに、純粋なスチレン5%を装入した。

例E10 例E2と同一のエマルションフィードモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。エマルションフィードの5%を初期装入する代わりに、純粋なnBA 5%を装入した。

例E11 例E2と同一のエマルションフィードモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。エマルションフィードの5%を初期装入する代わりに、純粋なメチルアクリレート5%を装入した。

例E12 例E2と同一のエマルションフィードモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。ここでは、全エマルションフィードのうちの2%を初期装入した。

例E13 例E2と同一のエマルションフィードモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。ここでは、全エマルションフィードのうちの10%を初期装入した。

例E14 例E2と同一の重合方法およびエマルションフィードモノマー組成を用いた。但し、異なる糖類化合物を用いた。したがって、粉末状の糖化合物S2 20pphmを、初期装入物中に直接溶解させた。

例E15 例E2と同一の重合方法およびエマルションフィードモノマー組成を用いた。但し、ここでは糖化合物S3 20pphmを使用した。

例E16 例E2と同一の重合方法およびエマルションフィードモノマー組成を用いた。但し、ここでは糖化合物S4 20pphmを使用した。

本発明の方法を用いた場合、様々な糖類化合物を用いて良好なPSA特性を達成することができる。所望であれば、糖類化合物を初期装入物中に直接溶解させることができる。

例E17〜E20:PSA配合物用のベースとしての、糖類化合物を含む分散液と糖類化合物を含まない分散液との混合物。

表13および表14における例によって実証されるように、本発明による好適なポリマー分散液に様々な粘着付与剤を配合することができる。

例E28 例E2と同一の重合方法および多糖類S1の量を用いた。エマルションフィードのモノマー組成を調整して、EHA 84.5、MMA 3、VAc 8、HPA 2、S 2、およびAA 0.5が含まれるようにした。

例E29 例E2と同一の重合方法および多糖類S1の量を用いた。エマルションフィードのモノマー組成を調整して、EHA 86.5、MMA 1、VAc 8、HPA 2、S 2、およびAA 0.5が含まれるようにした。

例E30 例E2と同一の重合方法および多糖類S1の量を用いた。エマルションフィードのモノマー組成を調整して、EHA 79.75、MMA 8、VAc 8、HPA 2、S 2、およびAA 0.25が含まれるようにした。

例E31 例E2と同一のモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。エマルションフィードはさらに、tDMK 0.05pphmを含んでいた。

例E32 例E2と同一のモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。エマルションフィードはさらに、tDMK 0.1pphmを含んでいた。

例E33 例E2と同一のモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。エマルションフィードはさらに、GMA 0.25pphmを含んでいた。

例E34 例E2と同一のモノマー組成、糖類化合物の量および種類ならびに重合方法を用いた。エマルションフィードはさらに、GMA 0.5pphmを含んでいた。

例E35 例E2と同一の重合方法および多糖類S1の量を用いた。エマルションフィードのモノマー組成を調整して、n−BA 49.5、EHA 30、MMA 8、VAc 8、HPA 2、S 2、およびAA 0.5が含まれるようにした。さらにここでは、全エマルションフィードのうち2%のみを初期装入した。

例E36 例E2と同一の重合方法および多糖類S1の量を用いた。エマルションフィードのモノマー組成を調整して、EHA 84.5、MMA 3、VAc 8、HPA 2、S 2、およびAA 0.5が含まれるようにした。

表15および表16の試料は、本発明のアプローチが、多量の再生可能資源を含むバランスの良いPSA配合物の提供に関して融通性を示すことを例証している。特定の用途に応じて必要とされる高い凝集強さや高い剥離抵抗をポリマーが示すように、調整を行うことができる。

例E37 モノマー組成および重合方法は、例E40と同一であった。ここでは、糖化合物S2に代えて糖化合物S1 20pphmであった。

例E38 モノマー組成および重合方法は、例E40と同一であった。ここでは、糖化合物S2に代えて糖化合物S3 20pphmであった。

例E39 モノマー組成および重合方法は、例E40と同一であった。ここでは、糖化合物S2に代えて糖化合物S4 20pphmであった。

例E37〜例E40は、本発明による固形分の高いポリマー分散液を得るための一方法を示す。その他の様式は、熟練作業者にとって自明である。

ウォッシュオフ試験d)の包括的手順にしたがって、選択した試料についてウォッシュオフ能力を測定した。1m2当たり20gの比較接着剤ベンチマーク例を紙ラベルにコーティングし、この紙ラベルを30秒後にガラス表面から剥離した。接着剤は、この紙ラベルに付着したままであった。1m2当たり20gの本発明の接着剤例E2をラベルにコーティングし、このラベルを二段階で剥離した。まず、この紙支持体を10秒後に瓶から剥離し、次いで約30秒後にガラス表面から接着剤層を単一のシートとしてきれいに剥離した。こうして段階的に剥離することで、紙材と接着剤とをきれいに分離することができ、それによって紙のリサイクル方法が改善される。

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