リチウムイオン電池の変性グアランバインダー

申请号 JP2016553282 申请日 2015-02-20 公开(公告)号 JP2017506800A 公开(公告)日 2017-03-09
申请人 ハーキュリーズ エルエルシー; ハーキュリーズ エルエルシー; 发明人 グン チュウ スン; グン チュウ スン; ガオ フェン; ガオ フェン; エドワード ゴリアスジェフスキー アラン; エドワード ゴリアスジェフスキー アラン; ペン シュフ; ペン シュフ;
摘要 本出願において開示および/または特許請求される発明概念は一般的には、リチウムイオン電池の製造に用いられるスラリーの組成物に関する。スラリーは、電池電極に用いられる変性グアランを含むバインダー組成物およびその製造方法を含む。本出願において開示および/または特許請求される発明概念は、電極、アノードおよび/またはカソードを、変性グアランを含むバインダー組成物で製造する組成物および方法にも関する。
权利要求

アノード活性材料およびカソード活性材料の少なくとも1つである、電極活性材料と、 変性グアランを含むバインダー組成物と、 と、 を含む、リチウムイオン電池の製造に用いられるスラリー。前記カソード活性材料がリチウム鉄リン酸塩(LiFePO4)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAlO2)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCoO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるリチウム含有遷移金属酸化物を含む、請求項1に記載のスラリー。前記アノード活性材料が人造黒鉛、天然黒鉛、表面改質黒鉛、コークス、硬質炭素、軟質炭素、炭素繊維、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のスラリー。前記アノード活性材料がケイ素および酸化ケイ素の少なくとも1つをさらに含む、請求項3に記載のスラリー。前記アノード活性材料が黒鉛および酸化ケイ素を含み、前記黒鉛対前記酸化ケイ素の重量比が少なくとも50:50である、請求項4に記載のスラリー。前記アノード活性材料が導電性炭素を約0.1〜約10wt%の範囲内でさらに含む、請求項4または5に記載のスラリー。前記アノード活性材料がケイ素−グラフェンを含む、請求項1に記載のスラリー。前記アノード活性材料が黒鉛をさらに含む、請求項7に記載のスラリー。前記アノード活性材料が導電性炭素をさらに含む、請求項7または8に記載のスラリー。前記変性グアランがカルボキシアルキルグアラン、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルグアラン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のスラリー。前記変性グアランがカルボキシメチルグアラン、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアラン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載のスラリー。前記変性グアランがリチウム化される、請求項10または11に記載のスラリー。前記バインダー組成物がカルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロース、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のスラリー。前記カルボキシアルキルセルロースがカルボキシメチルセルロースであり、前記カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロースがカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースである、請求項13に記載のスラリー。前記バインダー組成物がポリアクリル酸、ポリアクリル酸コポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、キサンタンガム、アルギネート、アラビアガム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される第2ポリマーをさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のスラリー。前記メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーが約100,000〜約3,000,000ダルトンの範囲内の分子量を有する、請求項15に記載のスラリー。前記メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーが塩基性溶液またはリチウム塩の形態である、請求項16に記載のスラリー。前記変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーがメチルビニルエーテル、無水マレイン酸、ならびにオクチルアミン、ポリエーテルアミン、アクリロニトリル、フッ化ビニルエーテル、イソブチレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの成分の重合から調製される、請求項15に記載のスラリー。前記変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーが塩基性溶液またはリチウム塩の形態である、請求項18に記載のスラリー。前記ポリアクリル酸コポリマーが(i)アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、(ii)アルキルアクリレートおよびアクリル酸のコポリマー、(iii)アルキルアクリレートおよびメタクリル酸のコポリマー、ならびに(iv)これらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載のスラリー。前記バインダー組成物がポリカルボン酸をさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のスラリー。前記ポリカルボン酸がギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21に記載のスラリー。前記ポリカルボン酸が塩基性溶液であり、またはリチウム化されてポリカルボン酸のリチウム塩を形成する、請求項22に記載のスラリー。前記スチレン−無水マレイン酸コポリマーがエステル変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、アルコール変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、アミン変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される変性スチレン−無水マレイン酸コポリマーである、請求項15に記載のスラリー。前記バインダー組成物が固体の約1〜約5wt%の範囲内で存在し、前記電極活性材料が固体の約15〜約65wt%の範囲内で存在し、前記水がスラリーの約39〜約90wt%の範囲内で存在する、請求項1〜24のいずれか1項に記載のスラリー。前記バインダー組成物が固体の約2〜約3wt%の範囲内で存在し、前記電極活性材料が固体の約24〜約36wt%の範囲内で存在し、前記水がスラリーの約40〜約75wt%の範囲内で存在する、請求項25に記載のスラリー。前記スラリーが30rpmのせん断速度および25℃で約3,000〜約10,000mPa.sの範囲内のBrookfield粘度を有する、請求項1〜26のいずれか1項に記載のスラリー。前記スラリーが30rpmのせん断速度および25℃で約5,000〜約8,000mPa.sの範囲内のBrookfield粘度を有する、請求項27に記載のスラリー。前記スラリーが少なくとも24時間目に見えて溶液中に留まる、請求項1〜26のいずれか1項に記載のスラリー。前記バインダー組成物が(a)エステル化触媒および(b)少なくとも2つのエポキシド基を含むエポキシ樹脂の少なくとも1つをさらに含む、請求項15または21に記載のスラリー。前記エステル化触媒が次亜リン酸ナトリウム、スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、チタン酸エステル、ジアルキルスズ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項30に記載のスラリー。前記エステル化触媒が次亜リン酸ナトリウムである、請求項31に記載のスラリー。前記チタン酸エステルがチタン酸テトラブチルである、請求項31に記載のスラリー。前記少なくとも2つのエポキシド基を含むエポキシ樹脂がジエポキシ、トリエポキシ、テトラエポキシ、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項30に記載のスラリー。前記少なくとも2つのエポキシド基を含むエポキシ樹脂がビスフェノールAジエポキシである、請求項34に記載のスラリー。前記バインダー組成物が第3級アミン、第4級アミン、イミダゾール、ホスホニウム化合物、キレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるエポキシ架橋触媒をさらに含む、請求項34または35に記載のスラリー。前記イミダゾールが2−メチルイミダゾールまたは2−エチルイミダゾールである、請求項36に記載のスラリー。アノード活性材料およびカソード活性材料の少なくとも1つを含む電極活性材料と、 変性グアランを含むバインダー組成物と、 を含む、リチウムイオン電池の製造に用いられる膜。前記カソード活性材料がリチウム鉄リン酸塩(LiFePO4)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAlO2)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCoO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるリチウム含有遷移金属酸化物を含む、請求項38に記載の膜。前記アノード活性材料が人造黒鉛、天然黒鉛、表面改質黒鉛、コークス、硬質炭素、軟質炭素、炭素繊維、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項38に記載の膜。前記アノード活性材料がケイ素および酸化ケイ素の少なくとも1つをさらに含む、請求項38に記載の膜。前記アノード活性材料が黒鉛および酸化ケイ素を含み、前記黒鉛対前記酸化ケイ素の重量比が少なくとも50:50である、請求項41に記載の膜。前記アノード活性材料が導電性炭素を約0.1〜約10wt%の範囲内でさらに含む、請求項42に記載の膜。前記アノード活性材料がケイ素−グラフェンを含む、請求項38に記載の膜。前記アノード活性材料が黒鉛をさらに含む、請求項44に記載の膜。前記アノード活性材料が導電性炭素をさらに含む、請求項44または45に記載の膜。前記変性グアランがカルボキシアルキルグアラン、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルグアラン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項38〜46のいずれか1項に記載の膜。前記変性グアランがリチウム化される、請求項47に記載の膜。前記バインダー組成物がカルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロース、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つをさらに含む、請求項38〜48のいずれか1項に記載の膜。前記カルボキシアルキルセルロースがカルボキシメチルセルロースであり、前記カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロースがカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースである、請求項49に記載の膜。前記バインダー組成物がポリアクリル酸、ポリアクリル酸コポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、キサンタンガム、アルギネート、アラビアガム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される第2ポリマーをさらに含む、請求項38〜50のいずれか1項に記載の膜。前記メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーが約100,000〜約3,000,000ダルトンの範囲内の分子量を有する、請求項51に記載の膜。前記変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーがメチルビニルエーテル、無水マレイン酸、ならびにオクチルアミン、ポリエーテルアミン、アクリロニトリル、フッ化ビニルエーテル、イソブチレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの成分の重合から調製される、請求項51に記載の膜。前記変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーが塩基性溶液またはリチウム塩の形態である、請求項53に記載の膜。前記ポリアクリル酸コポリマーが(i)アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、(ii)アルキルアクリレートおよびアクリル酸のコポリマー、(iii)アルキルアクリレートおよびメタクリル酸、ならびに(iv)これらの組み合わせからなる群から選択される、請求項51に記載の膜。前記バインダー組成物がポリカルボン酸をさらに含む、請求項38〜50のいずれか1項に記載の膜。前記ポリカルボン酸がギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項56に記載の膜。前記スチレン−無水マレイン酸コポリマーがエステル変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、アルコール変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、アミン変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される変性スチレン−無水マレイン酸コポリマーである、請求項51に記載の膜。前記バインダー組成物が約1〜約35wt%の範囲内で存在し、前記電極活性材料が約65〜約98.5wt%の範囲内で存在する、請求項38〜58のいずれかに記載の膜。前記バインダー組成物が約2〜約25wt%の範囲内で存在し、前記電極活性材料が約75〜約98wt%の範囲内で存在し、請求項59に記載の膜。前記膜が約10〜約60μmの範囲内の厚さを有する、請求項38〜60のいずれかに記載の膜。前記膜が約15〜約30μmの範囲内の厚さを有する、請求項61に記載の膜。前記バインダー組成物が(a)エステル化触媒および(b)少なくとも2つのエポキシド基を含むエポキシ樹脂の少なくとも1つをさらに含む、請求項51または56に記載の膜。前記エステル化触媒が次亜リン酸ナトリウム、スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、チタン酸エステル、ジアルキルスズ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項63に記載の膜。前記エステル化触媒が次亜リン酸ナトリウムである、請求項64に記載の膜。前記チタン酸エステルがチタン酸テトラブチルである、請求項64に記載の膜。前記少なくとも2つのエポキシド基を含むエポキシ樹脂がジエポキシ、トリエポキシ、テトラエポキシ、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項63に記載の膜。前記少なくとも2つのエポキシド基を含むエポキシ樹脂がビスフェノールAジエポキシである、請求項67に記載の膜。前記バインダー組成物が第3級アミン、第4級アミン、イミダゾール、ホスホニウム化合物、キレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるエポキシ架橋触媒をさらに含む、請求項67または68に記載の膜。前記イミダゾールが2−メチルイミダゾールまたは2−エチルイミダゾールである、請求項69に記載の膜。請求項38〜70のいずれか1項に記載の膜と、 集電体と、 を含む、リチウムイオン電池に用いることができる電極。前記集電体がアルミニウム、炭素、銅、ステンレス鋼、ニッケル、亜鉛、銀、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料で製造される、請求項71に記載の電極。電極活性材料、変性グアランを含むバインダー組成物、および水を組み合わせ、スラリーを形成するステップであって、前記電極活性材料が(i)アノード活性材料、および(ii)カソード活性材料の少なくとも1つである、ステップと、 前記スラリーを集電体に塗布し、前記集電体上にスラリー層を備えるコーティングされた集電体を形成するステップと、 前記集電体上の前記スラリー層を乾燥させ、前記集電体上に膜を形成するステップであって、前記電極が前記膜および前記集電体を含む、ステップと、 を含む、リチウムイオン電池に用いることができる電極の製造方法。前記スラリーが請求項1〜37のいずれか1項に記載のスラリーを含む、請求項73に記載の方法。前記集電体上の前記スラリー層を乾燥させるステップが前記コーティングされた集電体の約80〜約175℃の範囲内の温度での約0.5〜約3時間の範囲内の時間の加熱を含む、請求項73または74に記載の方法。前記集電体上の前記スラリー層を乾燥させるステップが前記コーティングされた集電体の約100〜約150℃の範囲内の温度での約1〜約2時間の範囲内の時間の加熱を含む、請求項75に記載の方法。前記膜が請求項38〜70のいずれか1項に記載の膜を含む、請求項73〜76のいずれか1項に記載の方法。

说明书全文

本出願において開示および/または特許請求される発明プロセス、手順、方法、製品、結果、および/または概念(以降「本出願において開示および/または特許請求される発明概念」と集合的に称される)は一般的には、電池電極およびその製造方法において用いられるスラリーに関する。限定しないがとくに、本出願において開示および/または特許請求される発明概念は、変性グアランを含むバインダー組成物を含む、スラリーに関する。また、本出願において開示および/または特許請求される発明概念は、電極の組成物ならびに変性グアランを含むバインダー組成物での電極、アノードおよび/またはカソードの製造方法に関する。

リチウム電池は、医療機器、電気自動車、飛行機、ならびにもっとも顕著には、ラップトップコンピュータ、携帯電話、およびカメラのような消費者製品を含む多数の製品に用いられる。それらの高エネルギー密度、高動作電圧、および低自己放電のため、リチウムイオン電池は二次電池市場を追い越し、製品および発展する産業において新たな用途を見出し続けている。

一般的には、リチウムイオン電池(LIB)は、アノード、カソード、およびリチウム塩を含有する有機溶媒のような電解質材料を含む。より具体的には、アノードおよびカソード(集合的に、「電極」)は、アノード活性材料またはカソード活性材料をバインダーおよび溶媒と混合し、ペーストまたはスラリーを形成し、次に、これをアルミニウムまたは銅のような集電体上にコーティングし、乾燥させ、集電体上に膜を形成することにより形成される。続いて、アノードおよびカソードを重ね、または巻いた後、電解質材料を含有する加圧ケーシングに入れ、すべて合わせてリチウムイオン電池を形成する。

電極を製造する際、集電体上にコーティングされた膜が加圧電池ケーシングに収まるように動かされる場合でも集電体との接触を維持するように、十分な接着および化学特性を有するバインダーを選択することが重要である。膜は電極活性材料を含有するため、膜が集電体との十分な接触を維持しない場合、電池の電気化学特性が著しく妨げられる可能性がある。また、電池の充電および放電中の電極活性材料の膨張および収縮度に耐えることができるように、電極活性材料と機械的に互換性のあるバインダーを選択することが重要である。電極活性材料は進化し続けるので、進化する電極活性材料との機械的な互換性を維持するため、バインダーを適合させ続ける必要がある。そうでなければ、例えば、ケイ素含有材料のような、新たな電極活性材料の既存のバインダー組成物との使用からサイクル中の大きな容量減衰が引き起こされ得る。このように、バインダーはリチウムイオン電池の性能において重要な役割を果たす。

現在、リチウムイオン電池技術は一般的には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、および/またはオキシエチルセルロースから選択されるセルロース系材料を含むバインダー組成物について教示する。より具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)は、アノード活性材料として黒鉛を含むLIBバインダーに含めるセルロース材料の好ましい選択肢となった。例えば、これにより本明細書においてその全開示が参照により組み入れられる、Young−Min Choiらにより出願された特許文献1を参照されたい。これらのセルロース誘導体を単独で含むバインダー組成物は、しかしながら、現在対象とする電極活性材料のいくつかで起こる大きな体積変化を支えるのに必要な機械特性を有さない場合があり得る。

具体的には、ケイ素含有材料は、LIBの有望なアノード活性材料として最近注目されるようになった。例えば、これにより本明細書においてその全開示が参照により組み入れられる、非特許文献1を参照されたい。ケイ素含有材料が有望なアノード活性材料として注目されるようになった理由のいくつかは、Li4.4Siについて4200mAhg−1のその高い理論的比容量、Li/Li+に対する0〜0.4Vの低い電気化学ポテンシャル、および他の金属または合金系アノード材料と比較して小さな初期不可逆容量である。これにより本明細書においてその全開示が参照により組み入れられる、非特許文献2を参照されたい。本明細書において、黒鉛を酸化ケイ素(SiOx)および導電性炭素と約0.795/0.163/0.042の重量比で混合することにより約600mAhg−1の比容量を達成することができ、あるいは、黒鉛を酸化ケイ素と約92対5の重量比で混合することにより約450mAhg−1の比容量を達成することができ、この両方はアノード材料の比容量をその他の電極活性材料から独立して黒鉛と関連した340mAhg−1超に増加させることが見出された。ケイ素は、しかしながら、充電および放電中に大きな体積変化を経験し、これは電池の容量および全体的な性能の問題を引き起こし得ることが知られている。

米国特許出願公開第2004/0258991号明細書

B.Lestriez et al.,On the Binding Mechanism of CMC in Si Negative Electrodes for Li−Ion Batteries,Electrochemistry Communications,vol.9,2801−2806(2007)

B.Koo et al.,A Highly Cross−linked Polymeric Binder for High−Performance Silicon Negative Electrodes in Lithium Ion Batteries,Angew.Chem.Int.Ed.2012,51,8762−8767

グアランおよび/または変性グアランを含む本出願において開示および/または特許請求されるバインダー組成物は、しかしながら、ケイ素含有電極活性材料を含むリチウムイオン電池の容量を実際に向上させる。これは部分的には、一般的にはケイ素含有電極活性材料と関連した大きな体積変化に耐えることができる一因である、高い分子量および強い接着特性を有するグアランによるものである。

本出願において開示および/または特許請求される発明概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本出願において開示および/または特許請求される発明概念はその出願において以下の説明に記載または図面に例示される要素、ステップまたは方法の構築および構成の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本出願において開示および/または特許請求される発明概念は、他の実施形態またはさまざまな方法での実施が可能である。また、本明細書において用いられる表現および用語は説明を目的とし、限定的とみなされるべきでないことが理解されるべきである。

本明細書においてとくに定義されない限り、本出願において開示および/または特許請求される発明概念に関して用いられる技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によりとくに要求されない限り、単数形は複数形を含み、複数形は単数形を含むものとする。

本明細書に記載されるすべての特許、特許出願公開、および非特許文献は、本出願において開示および/または特許請求される発明概念が属する技術分野における当業者の技術レベルを示す。本出願のいずれかの部分において参照されるすべての特許、特許出願公開、および非特許文献は、各個別の特許または文献が参照により組み入れられることが具体的かつ個別に示されたのと同じ程度まで、本明細書においてそれらの全開示が参照により明示的に組み入れられる。

本明細書において開示される物品および/または方法のすべては、本開示に照らして過度の実験なく製造および実行することができる。本出願において開示および/または特許請求される発明概念の物品および方法は好適な実施形態に関して記載されたが、当業者には、本出願において開示および/または特許請求される発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書において記載される物品および/または方法に、ならびにその方法のステップまたは一連のステップにおいて変形が適用され得ることが明らかであるだろう。当業者には明らかなすべてのこうした同様の置換および変更は、本出願において開示および/または特許請求される発明の精神、範囲および概念内に含まれると考えられる。

本開示に従って用いられる場合、下記の用語は、とくに指示のない限り、下記の意味を有すると理解されるものとする。

「a」または「an」の語は、「〜を含む(comprising)」の語とともに用いられる場合、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは1つより多い」の意味とも矛盾しない。「または」の語は、選択肢が相互排他的である場合のみ択一を指すという明らかな指示がない限り、「および/または」の意味で用いられるが、本開示は択一のみおよび「および/または」を指す定義を支持する。本出願全体を通して、「約」の語は、値が定量装置、値を決定するのに用いられる方法、または研究対象間に存在するばらつきの誤差の内在する変動を含むことを示すのに用いられる。限定しないが例えば、「約」の語が用いられる場合、指定値は±12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%で変動し得る。「少なくとも1つ」の語の使用は、1つおよび、これらに限定されないが、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100、等を含む、1より多いいずれかの数を含むと理解されるだろう。「少なくとも1つ」の語は、付随する語に応じて、100または1000以上まで拡張し得る。また、下限または上限も良好な結果をもたらし得るため、100/1000の数は限定的とみなされるべきでない。また、「X、YおよびZの少なくとも1つ」の語は、X単独、Y単独、およびZ単独、ならびにX、YおよびZのいずれかの組み合わせを含むことが理解されるだろう。序数を表す語(すなわち、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」、等)の使用は、2つ以上の項目間を区別する目的のみのため、とくに明示のない限り、ある項目の別の項目に対するいずれの配列、順序、もしくは重要性、またはいずれの添加順を示すことも意図しない。

本明細書において用いられる場合、「〜を含む(comprising)」(ならびに「comprise」および「comprises」のようなそのいずれかの形態)、「〜を有する(having)」(ならびに「have」および「has」のようなそのいずれかの形態)、「〜を含む(including)」(ならびに「includes」および「include」のようなそのいずれかの形態)または「〜を含有する(containing)」(ならびに「contains」および「contain」のようなそのいずれかの形態)の語は包括的または非限定的であり、追加の挙げられていない要素または方法ステップを除外しない。「またはこれらの組み合わせ」の語は、本明細書において用いられる場合、その語の前に挙げられた項目のすべての順列および組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、またはこれらの組み合わせ」とは、A、B、C、AB、AC、BC、またはABC、および特定の文脈において順序が重要である場合、加えてBA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABの少なくとも1つを含むことを意図する。この例に続いて、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB、等のような1つ以上の項目または用語の繰り返しを含有する組み合わせが明示的に含まれる。当業者であれば、典型的には、とくに文脈から明らかでない限り、いずれの組み合わせにおいても項目または用語の数に制限がないことを理解するだろう。

本明細書において用いられる場合、「1つの実施形態」または「ある実施形態」とは、実施形態と関連して記載される特定の要素、機構、構造、または特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書中のさまざまな場所に出現する「1つの実施形態において」の句は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。

本明細書において用いられる場合、「コポリマー」の語は、2つ以上の異なるモノマーを含むポリマーと定義されるものであり、2つの異なるモノマーのみを含むポリマーを意味すると解釈されるべきではない。

本出願において開示および/または特許請求される発明概念は、(i)電極活性材料、(ii)グアラン/変性グアランを含むバインダー組成物、および(iii)を含む、これらからなる、本質的にこれらからなる、リチウムイオン電池電極の製造に用いられるスラリーを包含する。

本出願において開示および/または特許請求される発明概念は、グアラン/変性グアランおよび電極活性材料を含むバインダー組成物を含む、リチウムイオン電池電極の製造に用いられる膜も包含する。

電極活性材料はアノード活性材料とすることができる。アノード活性材料は、(1)人造黒鉛、天然黒鉛、表面改質黒鉛、コークス、硬質炭素、軟質炭素、炭素繊維、導電性炭素、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つ、(2)ケイ素系合金、(3)i)人造黒鉛、天然黒鉛、表面改質黒鉛、コークス、硬質炭素、軟質炭素、炭素繊維、導電性炭素およびこれらの組み合わせの少なくとも1つ、ならびにii)Al、Ag、Bi、In、Ge、Mg、Pb、Si、Sn、Ti、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む、これらからなる、または本質的にこれらからなる複合化合物、(4)リチウム複合金属酸化物、(5)リチウム含有窒化物、(6)ケイ素−グラフェン、(7)ケイ素−炭素ナノチューブ、(8)酸化ケイ素、ならびに(9)これらの組み合わせを含む、これらからなる、または本質的にこれらからなるいずれかの材料とすることができる。

アノード活性材料は、1つの非限定的な実施形態において、人造黒鉛、天然黒鉛、表面改質黒鉛、コークス、硬質炭素、軟質炭素、炭素繊維、導電性炭素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。別の非限定的な実施形態において、アノード活性材料は、(i)人造黒鉛、天然黒鉛、表面改質黒鉛、コークス、硬質炭素、軟質炭素、炭素繊維、導電性炭素、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つ、ならびに(ii)ケイ素および/もしくは酸化ケイ素を含む、これらからなる、または本質的にこれらからなる複合化合物を含む。アノード活性材料は、別の非限定的な実施形態において、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を含む、これからなる、または本質的にこれからなることができる。

アノード活性材料は酸化ケイ素とすることができる。追加の非限定的な実施形態において、アノード活性材料は黒鉛および酸化ケイ素の混合物とすることができ、酸化ケイ素は、限定しないが例えば、式SiOxにより表すことができ、式中、2

1つの非限定的な実施形態において、アノード活性材料は、ケイ素−グラフェン組成物ならびに/またはケイ素−グラフェン組成物およびグラフェンの組み合わせを含んでもよい。限定しないが例えば、XG Sciences,Inc.(ミシガン州ランシング)から入手可能なXG−SIG(商標)ケイ素−グラフェンナノ複合材料を参照されたい。また別の非限定的な実施形態において、電極活性材料はケイ素合金、限定しないが例えば、ケイ素チタンニッケル合金(STN)、ならびに/またはケイ素合金および黒鉛の混合物を含んでもよい。より具体的には、電極活性材料はケイ素合金および黒鉛の混合物を含んでもよく、ケイ素合金は約30〜約50wt%、約35〜約45wt%、または約37.5〜約42.5wt%の範囲内で存在し、黒鉛は約50〜約70wt%、約55〜約65wt%、または約57.5〜約62.5wt%の範囲内で存在する。

上述したアノード活性材料は、ケイ素−グラフェン組成物ならびに/またはケイ素−グラフェン組成物および黒鉛の組み合わせを含み、さらに導電性炭素を含んでもよい。より具体的には、アノード活性材料は、ケイ素−グラフェンならびに黒鉛および/または導電性炭素を含んでもよく、ケイ素−グラフェンは約20〜約95wt%、約70〜約95wt%、約75〜約95wt%、または約80〜約95wt%の範囲内で存在し、黒鉛は約5〜約30wt%、約10〜約25wt%、または約10〜約20wt%の範囲内で存在し、導電性炭素は約1〜約10wt%、約1〜約8wt%、または約1〜約5wt%の範囲内で存在する。

アノード活性材料は、その表面上に少なくとも1つのヒドロキシル基を有することができる。1つの実施形態において、アノード活性材料はケイ素含有材料を含み、ケイ素含有材料はヒドロキシル基を約1〜約4wt%、約1〜約3wt%、または約1〜約2wt%の範囲内で含む。ケイ素含有アノード活性材料の表面上のヒドロキシル部分は、縮合反応により上述した成分および/または上述したイオン性水溶性ポリマーのカルボキシル基と反応することができる。

電極活性材料はカソード活性材料とすることができる。カソード活性材料は、リチウム含有遷移金属酸化物を含む、これからなる、または本質的にこれからなるいずれかの材料とすることができる。カソード活性材料は、1つの非限定的な実施形態において、リチウム鉄リン酸塩(LiFePO4)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAlO2)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCoO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。

別の非限定的な実施形態において、カソード活性材料は、これらに限定されないが、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、ジルコニウム、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、フッ素、およびこれらの組み合わせを含むことができる、元素をドープすることができる。また、これらに限定されないが、ZnO、In2O3、SnO2、Y2O3、La2O3、Li2TiO3、CaTiO3、BaTiO3、SrO、炭素、およびこれらの組み合わせを含むことができる、薄いコーティング材料をカソード活性材料表面上に塗布することができる。

変性グアランは、限定しないが例えば、カルボキシアルキルグアラン、カルボキシアルキルヒドロキシプロピルグアラン、およびこれらの組み合わせを含んでもよい。1つの実施形態において、変性グアランは、カルボキシメチルグアラン、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアラン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。カルボキシメチルグアランは約0.1〜約1.0、約0.1〜約0.5、または約0.2〜約0.4の範囲内のカルボキシメチル置換度を有し、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアランは約0.1〜約1.0、約0.1〜約0.5、または約0.2〜約0.4の範囲内のカルボキシメチル置換度、および約0.1〜約1.0、約0.2〜約0.7、または約0.2〜約0.4の範囲内のヒドロキシプロピルモル置換を有する。

グアランおよび/または変性グアランは、スラリー中に固体の約1〜約5wt%、固体の約1.5〜約4wt%、または固体の約2〜約3wt%の範囲内で存在することができ、電極活性材料は、固体の約15〜約65wt%、固体の約20〜約40wt%、または固体の約24〜約36wt%の範囲内で存在することができ、水は、スラリーの約30〜約90wt%、スラリーの約35〜約85wt%、またはスラリーの約40〜約75wt%の範囲内で存在することができる。

別の実施形態において、グアランおよび/または変性グアランは、スラリー中に固体の約2.5wt%で存在することができる。追加の実施形態において、グアラン、変性グアラン、および/または第2ポリマー(後述)は、スラリー中に固体の約1〜約5wt%、固体の約1.5〜約4wt%、または固体の約2〜約3wt%の範囲内で存在することができ、電極活性材料は、スラリー中に固体の約15〜約65wt%、固体の約20〜約40wt%、または固体の約24〜約36wt%の範囲内で存在することができ、水は、スラリーの約30〜約90wt%、スラリーの約35〜約85wt%、またはスラリーの約40〜約75wt%の範囲内で存在することができる。

1つの非限定的な実施形態において、変性グアランは、約0.18のカルボキシメチル置換度を有するカルボキシメチルグアランを含む。別の非限定的な実施形態において、変性グアランは、約0.16のカルボキシメチル置換度および約0.4のヒドロキシプロピルモル置換を有するカルボキシメチルヒドロキシプロピルグアランを含む。

代替の実施形態において、グアランおよび/または変性グアランは、リチウム化グアランおよび/またはリチウム化変性グアランとすることができる。リチウム化変性グアランは、リチウム化カルボキシメチルグアラン、リチウム化カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアラン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択してもよい。

1つの非限定的な実施形態において、リチウムイオン電池電極の製造に用いられる上述したスラリー中のバインダー組成物は、第2ポリマー、ポリカルボン酸、セルロースエーテル、およびこれらの組み合わせを含む他の成分をさらに含む。

第2ポリマーは、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸コポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、キサンタンガム、アルギネート、アラビアガム、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリビニルピロリドン、アクリル酸−アクリルアミドコポリマー、アクリル酸−アクリル酸アクリルアミドコポリマー、酢酸ビニル−エチレンコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。

スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリル酸−アクリルアミドコポリマー、アクリル酸−アクリル酸アクリルアミドコポリマー、および酢酸ビニル−エチレンコポリマーは、0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。

セルロースエーテルは、カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロース、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。1つの実施形態において、カルボキシアルキルセルロースはカルボキシメチルセルロースであり、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロースはカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースである。

メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー(本明細書では「MVE/MAコポリマー」とも称される)は、約100,000〜約3,000,000ダルトンの範囲内の分子量を有し、ケンタッキー州コビントンのAshland Inc.からGantrez(登録商標)ポリマーとして入手可能である。

1つの実施形態において、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーは、塩基性溶液、またはリチウム塩の形態であり、コポリマーはメチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩、およびメチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーのリチウム塩の少なくとも1つであってもよい。

変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー(本明細書では「MVE/MAコポリマー」とも称される)は、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸、ならびにオクチルアミン、ポリエーテルアミン、アクリロニトリル、フッ化ビニルエーテル、イソブチレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの成分を重合することにより調製することができる。

変性MVE/MAコポリマーは、オクチルアミン、メチルビニルエーテル、および無水マレイン酸を重合することから調製されるコポリマーであってもよく、オクチルアミンは約5〜約40mol%、約10〜約35mol%、または約15〜約30mol%の範囲内で存在し、メチルビニルエーテルは約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在し、無水マレイン酸は約30〜約70mol%、約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在する。

変性MVE/MAコポリマーはまた、ポリエーテルアミン、メチルビニルエーテル、および無水マレイン酸を重合することから調製されるコポリマーであってもよく、ポリエーテルアミンは約10〜約40mol%、約15〜約35mol%、または約20〜約30mol%の範囲内で存在し、メチルビニルエーテルは約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在し、無水マレイン酸は約30〜約70mol%、約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在する。

変性MVE/MAコポリマーは、イソブチレン、メチルビニルエーテル、および無水マレイン酸を重合することから調製されるコポリマーであってもよく、イソブチレンは約10〜約40mol%、約15〜約35mol%、または約20〜約30mol%の範囲内で存在し、メチルビニルエーテルは約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在し、無水マレイン酸は約30〜約70mol%、約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在する。

変性MVE/MAコポリマーはまた、オクチルアミン、イソブチレン、メチルビニルエーテル、および無水マレイン酸を重合することから調製されるコポリマーであってもよく、オクチルアミンは約5〜約40mol%、約10〜約35mol%、または約15〜約30mol%の範囲内で存在し、イソブチレンは約10〜約40mol%、約15〜約35mol%、または約20〜約30mol%の範囲内で存在し、メチルビニルエーテルは約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在し、無水マレイン酸は約30〜約70mol%、約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在する。

変性MVE/MAコポリマーは、フッ化ビニルエーテル、メチルビニルエーテル、および無水マレイン酸を重合することから調製されるコポリマーであってもよく、フッ化ビニルエーテルは約5〜約40mol%、約5〜約35mol%、または約5〜約30mol%の範囲内で存在し、メチルビニルエーテルは約35〜約65mol%、約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在し、無水マレイン酸は約10〜約60mol%、約15〜約55mol%、または約20〜約45mol%の範囲内で存在する。

変性MVE/MAコポリマーは、アクリロニトリル、メチルビニルエーテル、および無水マレイン酸を重合することから調製されるコポリマーであってもよく、アクリロニトリルは約10〜約50mol%、約15〜約40mol%、または約20〜約35mol%の範囲内で存在し、メチルビニルエーテルは約35〜約65mol%、約40〜約60mol%、または約45〜約55mol%の範囲内で存在し、無水マレイン酸は約5〜約40mol%、約10〜約35mol%、または約15〜約30mol%の範囲内で存在する。

スチレン−無水マレイン酸コポリマーは、未変性スチレン−無水マレイン酸コポリマーならびに/またはエステル変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、アルコール変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、アミン変性スチレン−無水マレイン酸コポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の変性スチレン−無水マレイン酸コポリマーであってもよい。

ポリアクリル酸コポリマーは、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、アルキルアクリレートおよびアクリル酸のコポリマー、アルキルアクリレートおよびメタクリル酸のコポリマー、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。

代替の非限定的な実施形態において、上述したバインダー組成物中の第2ポリマーはリチウム化することができる。限定しないが例えば、リチウム化第2ポリマーは、リチウム化ポリアクリル酸、リチウム化ポリアクリル酸コポリマー、リチウム化メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、リチウム化変性メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、リチウム化スチレン−無水マレイン酸コポリマー、リチウム化キサンタンガム、リチウム化アルギネート、リチウム化アラビアガム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。

ポリカルボン酸は(i)塩基性溶液、および(ii)リチウム化物の少なくとも1つであり、リチウム化ポリカルボン酸はポリカルボン酸を水酸化リチウム溶液に添加することにより形成される。1つの実施形態において、ポリカルボン酸は(i)ポリカルボン酸のナトリウム塩、および(ii)ポリカルボン酸のリチウム塩の少なくとも1つを含む。ポリカルボン酸は、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができ、ポリカルボン酸は(i)塩基性溶液、および(ii)リチウム化物の少なくとも1つである。

上述したセルロースエーテルはリチウム化することができる。リチウム化セルロースエーテルは、リチウム化カルボキシアルキルセルロース、リチウム化カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロース、およびこれらの組み合わせから選択することができる。リチウム化カルボキシメチルセルロースは、限定しないが例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムを塩化水素と反応させてカルボキシメチルセルロースを形成し、これを次に約7pHの酢酸の存在下、水酸化リチウムと反応させてリチウム化カルボキシメチルセルロースを形成することにより、形成することができる。

上述したスラリーは、30RPM、スピンドル#4、周囲条件で測定されるように、約500〜約10,000mPa.s、約2,000〜約10,000mPa.s、約3,000〜約10,000mPa.s、約4,500〜約9,000mPa.s、または約5,000〜約8,000mPa.sの範囲内のBrookfield(登録商標)粘度を有する。

スラリーは良好な安定性を有し、スラリーは少なくとも24時間、少なくとも3日間、または少なくとも5日間、目に見えて溶液中に留まる。

上述したスラリー中のバインダー組成物は、(a)エーテル化触媒および(b)少なくとも2つのエポキシド基を含むエポキシ樹脂の少なくとも1つをさらに含むことができる。

1つの非限定的な実施形態において、バインダー組成物は、エステル化触媒の存在下、上述した第2ポリマーまたはポリカルボン酸の少なくとも1つのカルボキシル基とグアランおよび/または変性グアランの少なくとも1つのヒドロキシル基との間のエステル化反応により形成されるグアランおよび/または変性グアラン系を含む。

別の非限定的な実施形態において、バインダー組成物は、エステル化触媒の存在下、上述した第2ポリマーまたはポリカルボン酸の少なくとも1つのカルボキシル基と、グアランおよび/または変性グアランならびにケイ素含有電極活性材料(上述)の少なくとも1つのヒドロキシル基との間のエステル化反応により形成されるグアランおよび/または変性グアラン系を含む。

エステル化触媒は、次亜リン酸ナトリウム、スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、チタン酸エステル、ジアルキルスズ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択してもよい。チタン酸エステルは、限定しないが例えば、チタン酸テトラブチルとすることができる。1つの実施形態において、エステル化触媒は次亜リン酸ナトリウムである。

エステル化反応は、上述したグアランおよび/または変性グアラン、上述した第2ポリマーまたはポリカルボン酸、上述したエステル化触媒、ならびに、任意で、上述した電極活性材料を含む水溶液からの水の除去により誘導される。

別の非限定的な実施形態において、バインダー組成物は、エポキシ樹脂のグアランおよび/または変性グアラン、第2ポリマーまたはポリカルボン酸、ならびに電極活性材料の少なくとも1つとの反応により形成されるグアランおよび/または変性グアラン系を含み、(i)エポキシ樹脂の少なくとも1つのエポキシド基はグアランおよび/または変性グアランの少なくとも1つのヒドロキシル基と反応し、(ii)(a)エポキシ樹脂の少なくとも1つのエポキシド基は第2ポリマーもしくはポリカルボン酸の少なくとも1つのカルボキシル基と反応し、および/または(b)エポキシ樹脂の少なくとも1つのエポキシド基は電極活性材料の表面上の少なくとも1つのヒドロキシル基と反応し、および/または(c)エポキシ樹脂の少なくとも1つのエポキシド基は変性グアランの少なくとも1つのカルボキシル基と反応する。また、エポキシ樹脂の少なくとも1つのエポキシド基とグアランおよび/もしくは変性グアランの少なくとも1つのヒドロキシル基ならびに/または電極活性材料の表面上の少なくとも1つのヒドロキシル基との間の反応を触媒するため、グアランおよび/または変性グアラン系の形成中にエポキシ架橋触媒を添加することができる。

エポキシ架橋触媒は、第3級アミン、第4級アミン、イミダゾール、ホスホニウム化合物、キレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。キレートは、限定しないが例えば、King Industries(コネチカット州ノーウォーク)からNACUR(登録商標)XC−9206として入手可能な、亜鉛キレートとすることができる。1つの実施形態において、エポキシ架橋触媒はイミダゾールを含む。別の実施形態において、エポキシ架橋触媒は2−メチルイミダゾールまたは2−エチルイミダゾールを含む。エポキシ架橋触媒はまた、これにより本明細書においてその全開示が参照により組み入れられる、米国ルイジアナ州ニューオーリンズで、2001年2月21〜23日に開催された、International Waterborne,High−Solids and Powder Coatings Symposiumで発表された出版物、W.Blank et al.,“Catalyst if the Epoxy−Carboxyl Reaction”において開示されたものから選択することができる。

エポキシ樹脂は少なくとも2つのエポキシド基を有し、エポキシ樹脂は少なくとも1つのジエポキシ、トリエポキシ、テトラエポキシ、およびこれらの組み合わせを含む、これらからなる、または本質的にこれらからなる。エポキシ樹脂はビスフェノールAジエポキシとすることができる。

エポキシ樹脂は少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む水性分散体中にあり、界面活性剤は本明細書では分散剤または乳化剤と称することもできる。界面活性剤は、リン酸エステル、アルコールのオルトリン酸またはポリリン酸エステルのナトリウムまたはカリウム塩および酸化エチレンの付加物を含む複合コエステル、イミダゾリン、アミドならびにこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。リン酸エステルは、複合有機オルトリン酸またはポリリン酸エステル酸およびその塩を含む有機リン酸エステルとすることができる。界面活性剤はまた、すべてこれにより本明細書においてその全開示が参照により組み入れられる、米国特許第5,623,046号、第3,301,804号(ホウ酸のアルキレングリコールおよびβ−ジアルキル置換アミノアルカノール両方との反応生成物を乳化剤として用いる)、第3,634,348号(リン酸エステルを乳化剤として用いる)、第3,249,412号(イミダゾリンおよびアミドからなる群から選択されるカチオン性乳化剤ならびに非イオン性乳化剤を組み合わせて用いる)、およびTexaco Chemical Company(テキサス州ベルエア)から入手可能なSpecialty Chemicals Bulletin SC−201“Water−Reducible Coatings via Epoxy Resin Modification with Jeffamine(Reg.TM)ED−2001 and Jeffamine(Reg.TM)M−1000”において開示されるものから選択してもよい。1つの実施形態において、水性エポキシ樹脂分散体は、Momentive Specialty Chemicals(オハイオ州コロンバス)からEPI−REZ(登録商標)6520−WH−53として入手可能なビスフェノールAジエポキシの非イオン性水性分散体である。

膜は、変性グアランまたはグアラン系および電極活性材料を水中で組み合わせてスラリーを形成し、これをその後乾燥させることにより調製することができる。膜は、約10〜約60μm、約15〜約50μm、または約15〜約30μmの範囲内の厚さを有する。

上述した膜は集電体の表面に貼りつけ、結合を形成することができる。集電体は、アノードまたはカソード活性材料の導電体として作用するいずれかの材料を含むことができる。1つの実施形態において、集電体は、アルミニウム、炭素、銅、ステンレス鋼、ニッケル、亜鉛、銀、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料で製造することができる。1つの非限定的な実施形態において、アノードの集電体は銅箔を含む。別の非限定的な実施形態において、カソードの集電体はアルミニウム箔を含む。

1つの非限定的な実施形態において、結合の接着強度は少なくとも約0.3gf/mm、少なくとも約0.4gf/mm、または少なくとも約0.5gf/mmである。

また、本出願において開示および/または特許請求される発明概念は、(i)(1)電極活性材料(上述したとおり)、および(2)変性グアランまたはグアラン系(上述したとおり)を含むバインダー組成物を含む、これらからなる、または本質的にこれらからなる、膜、ならびに(ii)集電体(上述したとおり)を含む、これらからなる、本質的にこれらからなる、電極を包含する。1つの実施形態において、電極活性材料は膜中に約65〜約99wt%、約70〜約98.5wt%、または約75〜約98wt%の範囲内で存在し、バインダー組成物は膜中に約1〜約35wt%、約1.5〜約30wt%、または約2〜約25wt%の範囲内で存在する。

代替の実施形態において、電極は、(i)(1)電極活性材料(上述したとおり)、ならびに(2)変性グアランまたはグアラン系(上述したとおり)ならびに第2ポリマー、ポリカルボン酸およびセルロースエーテル(上述したとおり)を含む他の成分を含むバインダー組成物を含む、これらからなる、または本質的にこれらからなる、膜、ならびに(ii)集電体(上述したとおり)を含む、これらからなる、または本質的にこれらからなる。1つの実施形態において、電極活性材料は膜中に約65〜約98.5wt%、約70〜約98wt%、または約75〜約98wt%の範囲内で存在し、バインダー組成物は膜中に約1〜約35wt%、約1.5〜約30wt%、または約2〜約25wt%の範囲内で存在する。

本出願において開示および/または特許請求される発明概念はまた、(1)電極活性材料(上述したとおり)、グアランおよび/もしくは変性グアランならびに/またはグアランおよび/もしくは変性グアラン系(上述したとおり)を含むバインダー、任意で、第2ポリマー、ポリカルボン酸およびセルロースエーテル(上述したとおり)を含む他の成分、ならびに水を組み合わせ、スラリー(上述したとおり)を形成するステップと、(ii)上述したスラリーを集電体に塗布し、集電体上にスラリー層を備えるコーティングされた集電体を形成するステップと、(iii)コーティングされた集電体上のスラリー層を乾燥させ、集電体上に膜を形成するステップであって、電極が膜および集電体を含む、ステップとを含む、電極の製造方法を包含する。

1つの実施形態において、集電体上のスラリーを乾燥させるステップは、コーティングされた集電体の約80〜約175℃、または約100〜約150℃の範囲内の温度での、約0.5〜約3時間、または約1〜約2時間の範囲内の時間での加熱を含む。

粘度および接着試験用のスラリー調製−アノード活性材料 (変性グアラン試料) 表1に示すように、バインダー組成物のいくつかの異なる配合を用い、スラリーを調製した。表1の各試料について、アノード活性材料は、92:5黒鉛対酸化ケイ素の重量比での黒鉛および酸化ケイ素の粉末混合物を含み、アノード活性材料は約435mAh/gの初期容量を有した。黒鉛はBTR Energy Materials Co.,LTD(中国、シンセン)から入手可能な天然黒鉛を含み、酸化ケイ素、SiOxは株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ(兵庫県尼崎市)から入手可能である。また、表1に示すように、含水量は各試料で異なり、バインダー組成物溶液として添加されるかどうかにかかわらずスラリー組成物中の水の総重量パーセントとして計算した。バインダー組成物およびアノード活性材料の含有量はスラリーの総重量に基づいて表した。バインダー組成物の成分は表1に示すように異なり、完全にグアラン以外の成分で構成した実施例は比較例であり、グアラン含有バインダー組成物の特性を代替バインダー組成物と比較するのに用いられる。

表1の試料は、(i)黒鉛および酸化ケイ素の粉末混合物を選択されたバインダー組成物の水溶液に添加し、(2)追加の水を添加し、組成物がペーストを形成するまで手動で撹拌し、(3)組成物をThinky(登録商標)ミキサー(東京の株式会社シンキーから入手可能)で3分間混合し、(4)追加の水を添加し、Thinky(登録商標)ミキサーで3分間混合し、(5)別の量の水を組成物に添加し、Thinky(登録商標)ミキサーで3分間混合し、(6)スラリー品質を確認し、必要に応じて、Thinky(登録商標)ミキサーでさらに1分間混合することにより形成した。各試料を形成するために添加した水の量は、表1に示す重量パーセントから割り出すことができる。

表1に挙げた材料: (1)カルボキシメチルグアラン:約0.18のカルボキシメチル置換度を有するBJ Services(テキサス州ヒューストン)からGW−45LFとして市販されるカルボキシメチル置換グアラン。 (2)Aqu D−5284カルボキシメチルセルロース:Aqualon(登録商標)Aqu D−5284、0.8〜0.95の置換度および1%溶液、30rpm、スピンドル#4で2,500〜4,500cpsのBrookfield(登録商標)粘度を有するAshland,Inc.(デラウェア州ウィルミントン)から市販されるカルボキシメチルセルロース。 (3)Ambergum(商標):0.8〜0.95の置換度および1%溶液、30rpm、スピンドル#4で300〜400cpsのBrookfield(登録商標)粘度を有するAshland,Inc.(デラウェア州ウィルミントン)から市販されるカルボキシメチルセルロース。 (4)Aqu D−5592:Ashland,Inc.(デラウェア州ウィルミントン)から市販されるポリアクリル酸。 (5)WG−18:カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアラン:約0.14のカルボキシメチル置換度および約0.3のヒドロキシプロピル置換度を有するHalliburton Energy ServicesからWG−18として市販されるCMHPグアラン。 (6)Kelset(登録商標)NFアルギネートはFMC Biopolymer(ペンシルバニア州フィラデルフィア)から入手可能である。 (7)キサンタンガム:Rhodopol(登録商標)23、Solvay、Rhodia(フランス、ラデファンス)から市販されるキサンタンガム製品。 (8)Kelcosol(登録商標)アルギネートはFMC Biopolymer(ペンシルバニア州フィラデルフィア)から入手可能である。 (9)Manasol(登録商標)HVアルギネートはFMC Biopolymer(ペンシルバニア州フィラデルフィア)から入手可能である。 (10)リチウム化アルギネートはFMC Biopolymer(ペンシルバニア州フィラデルフィア)から入手可能なProtacid(登録商標)F120NMである。 (11)グアラン:Baker Hughes Inc.(テキサス州ヒューストン)からGW−3LDFとして市販される非置換グアラン。 (12)スチレンブタジエンラテックス:JSR(登録商標)TR2001、東京のJSR株式会社から市販されるスチレンブタジエンラテックス。

(架橋グアラン試料) 表2に示すように、バインダー組成物の異なる配合を用い、架橋グアラン/変性グアラン(グアラン/変性グアラン系)を含有するスラリーを調製した。表2の各試料について、アノード活性材料は、(i)約350mAh/gの初期容量を有する黒鉛、(ii)アノード活性材料が約430〜約450mAh/gの初期容量を有した、92:5黒鉛対酸化ケイ素の重量比での黒鉛および酸化ケイ素の粉末混合物、(iii)約600mAh/gの初期容量を有する天然黒鉛、酸化ケイ素(SiOx)、および導電性炭素の粉末混合物、または(iv)約600mAh/gの初期容量を有するケイ素−グラフェンおよび導電性炭素の粉末混合物を含んだ。黒鉛はBTR Energy Materials Co.,LTD(中国、シンセン)から入手可能な天然黒鉛を含み、酸化ケイ素(SiOx)は株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ(兵庫県尼崎市)から入手可能であり、ケイ素−グラフェンはXG Sciences,Inc.(ミシガン州ランシング)から入手可能であり、導電性炭素はTimcal Graphite & Carbon(スイス、ボディオ)から入手可能なC−NERGY(登録商標)Super C65であった。また、表2に示すように、含水量は各試料で異なり、バインダー組成物溶液として添加されるかどうかにかかわらずスラリー組成物中の水の総重量パーセントとして計算した。成分の含有量はスラリーの総重量に基づいて表した。バインダー組成物の成分は表2に示すように異なり、エステル化触媒および/または少なくとも2つのエポキシド基を含むエポキシ樹脂を含まない実施例は比較用であり、よって「参照」試料と表記する。

表2の試料は、(i)アノード活性材料を選択されたバインダー組成物の成分の水溶液に添加し、(2)追加の水を添加し、組成物がペーストを形成するまで手動で撹拌し、(3)組成物をThinky(登録商標)ミキサー(東京の株式会社シンキーから入手可能)で3分間混合し、(4)追加の水を添加し、Thinky(登録商標)ミキサーで3分間混合し、(5)別の量の水を組成物に添加し、Thinky(登録商標)ミキサーで3分間混合し、(6)スラリー品質を確認し、必要に応じて、Thinky(登録商標)ミキサーでさらに1分間混合することにより形成した。各試料を形成するために添加した水の量は、表2に示す重量パーセントから割り出すことができる。

(1)Li−C8/IB/MaH/MVEはイソブチレン、無水マレイン酸、およびメチルビニルエーテルの30mol%オクチルアミン変性コポリマーのリチウム塩である。 (2)リチウム化Gantrez(登録商標)139は無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルのコポリマーのリチウム塩である。Gantrez(登録商標)AN139はAshland,Inc.(デラウェア州ウィルミントン)から市販される。 (3)表に示すように、450,000、1,250,000、および4,000,000の分子量を有するポリアクリル酸はSigma Aldrich(ミズーリ州セントルイス)から市販されるポリアクリル酸である。

スラリー安定性測定−アノード活性材料 スラリーを蓋つきの円筒状ガラス瓶に入れ、これを次に室温で保存し、定期的に観察することにより、表1の試料1〜16A、ならびに表2の17〜19、23〜25、53〜54、63および66のスラリー安定性を測定した。具体的には、各スラリー試料を50mLガラス瓶に約7日間入れ、その間試料を相分離現象について毎日観察した。不安定なスラリー試料は分離し、ガラス瓶において水または低粘度溶液は上層を形成し、黒鉛、黒鉛および酸化ケイ素、ならびに/またはケイ素−グラフェンおよび導電性炭素の溶液は下層を形成した。スラリーは、24時間より長く、好適には5日より長く溶液中に留まった場合、安定であるとした。

また、試料のいくつかは、以下の表3に示すように、それらの粘度を初期混合後2日以降に測定し、それによってスラリー粘度の大きな増加または減少が組成物の潜在的な不安定性を示した。

レオロジー測定−アノード材料 実験スラリー組成物の粘度を、Brookfield Engineering Laboratories,Inc.(マサチューセッツ州ミドルボロ)のBrookfield(登録商標)粘度計で、3rpmおよび30rpm、スピンドル#4で測定した。表3に示すとおり、いくつかの試料のレオロジー値は(1)混合直後に17mLバイアル中、および(2)スラリーの初期形成後24時間以降の第2時間で測定した。

以上に示すように、カルボキシメチルグアランまたはカルボキシメチルヒドロキシプロピルグアランを含む試料1、3、5および6は、すべて良好な安定性および使用可能な粘度を有する。対照的に、リチウム化アルギネートを含む組成物は低い安定性を有し、カルボキシメチルセルロースから独立してアルギネートを含む組成物も理想より低い安定性を有した。また、表3は、カルボキシメチル変性およびカルボキシメチルヒドロキシプロピル変性グアランを含む組成物がカルボキシメチルセルロースおよびスチレンブタジエンラテックスの周知の組成物を含むスラリーの範囲内の粘度を有することを示す。

接着性測定−電極(アノード) 銅集電体上にスラリー組成物をコーティングし、乾燥させることにより形成した電極について90度剥離試験を行うことにより、接着性を測定した。

約12.45および15μmの厚さを有する銅集電体上にスラリー組成物をコーティングし、テープキャスター(ドクターブレード)を用い、スラリー層を約30μmの湿潤厚さまで小さくすることにより、電極を形成した。個別のスラリー組成物でコーティングされた集電体を100℃で1時間乾燥させ、スラリー組成物から水を蒸発させ、銅集電体上に膜を形成した。乾燥した膜でコーティングされた集電体を次に、膜が約17μm〜約55μmの範囲内の厚さを有するまで約1分間ロールプレスに入れ、アノード電極を形成した。

試料1〜16Aから製造した電極にInstron(登録商標)(マサチューセッツ州ノルウッド)の剥離試験装置を用いて90度剥離試験を行い、表4に示すように、100℃で1時間加熱時間後、電極を試験した。個別の電極試料をステンレス鋼プレート上に3M Corporation(ミネソタ州セントポール)の3M(登録商標)両面スコッチテープで載置し、その後スコッチテープに粘着した膜を1フィート/分の速度でInstron(登録商標)装置により剥離し、その間Instron(登録商標)装置は集電体から膜を剥離するのに必要なを測定した。

表4は、カルボキシメチル変性およびカルボキシメチルヒドロキシプロピル変性グアランを含むスラリーから形成した膜の接着性が、例えば、カルボキシメチルセルロースおよびスチレンブタジエンラテックスのような従来のバインダー、ならびに/または代替成分を含有するスラリーから形成した膜の接着性と同程度、そうでなければより良好であることを示す。0.3gf/mmを超える接着性が一般的には許容可能であると考えられ、0.5gf/mmを超える接着性値は良好であると考えられる。

表2に挙げた試料からの電極にInstron(登録商標)(マサチューセッツ州ノルウッド)の剥離試験装置を用いて90度剥離試験を行い、表5に示すように、100℃での初期加熱時間後および、適用可能な試料について、150℃での第2加熱時間後の両方で、電極を試験した。個別の電極試料をステンレス鋼プレート上に3M Corporation(ミネソタ州セントポール)の3M(登録商標)両面スコッチテープで載置し、その後スコッチテープに粘着した膜を1フィート/分の速度でInstron(登録商標)装置により剥離し、その間Instron(登録商標)装置は集電体から膜を剥離するのに必要な力を測定した。

表5は、カルボキシメチル変性およびカルボキシメチルヒドロキシプロピル変性グアランを含むスラリーから形成した膜の接着性が、例えば、カルボキシメチルセルロースおよびスチレンブタジエンラテックスのような従来のバインダー、ならびに/または代替成分を含有するスラリーから形成した膜の接着性と同程度、そうでなければより良好であることを示す。0.3gf/mmを超える接着性が一般的には許容可能であると考えられ、0.5gf/mmを超える接着性値は良好であると考えられる。

電気化学試験−アノード 直径20mmおよび高さ3.2mmを有する半コイン電池(すなわち、「CR−2023」半コイン電池)を、リチウム金属ディスクカソードと組み合わせた上記アノード、ポリオレフィンセパレータ、および有機溶媒(EC/DMC/DEC=1:1:1、EC−炭酸エチル、DMC−炭酸ジメチルおよびDEC−炭酸ジエチル)の混合物を含み、1Mのヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)をリチウム塩として用いる電解質を用いて製造した。半コイン電池にさまざまなレートでのサイクルおよびレート能力試験、ならびに半コイン電池のインピーダンスを測定する試験を行った。

(インピーダンス) 上記2032半コイン電池のインピーダンスは、Solartron Analytical(英国、レスター)のSolartron(登録商標)1260を用いて測定した。

(クーロン効率、容量、および容量保持率) Maccor Model 4000 BCTシステムを用いて電気化学測定を行った。初期クーロン効率パーセントを0.05Cの電流での第1サイクル後に測定した。第2クーロン効率パーセントを0.05Cの電流での第2サイクル後に測定した。また容量を100サイクルで測定し、容量保持率を0.33Cでの100サイクルで測定した。

450mAh/gの初期容量を有する半コイン電池には、(1)0.005〜1.5Vのカットオフ電圧での、c/20で3サイクルのコイン電池コンディショニング、(2)0.005〜1.0Vのカットオフ電圧での、c/3で一定の充電および放電でのサイクル寿命測定、ならびに(3)C/20のCVカットオフ電流での、c/20−CCで5サイクル、c/10−CCCVで5サイクル、c/5−CCCVで5サイクル、c/2−CCCVで5サイクル、1c−CCCVで5サイクルのcレート変動により、電気化学特性を測定した。

600mAh/gの初期容量を有する半コイン電池には、(1)0.005〜1.5Vのカットオフ電圧での、c/20で4サイクルのコイン電池コンディショニング、(2)0.005〜1.0Vのカットオフ電圧での、c/3で一定の充電および放電でのサイクル寿命測定、ならびに(3)C/20のCVカットオフ電流での、c/20−CCで5サイクル、c/10−CCCVで5サイクル、c/5−CCCVで5サイクル、c/2−CCCVで5サイクル、1c−CCCVで5サイクルのcレート変動により、電気化学特性を測定した。

表6は、表1および2の組成物から製造した半コイン電池の電気化学データを示す。

スラリー調製および粘度試験−カソード活性材料 カソード活性材料を含有するスラリーを調製および試験した。試料1〜2および比較試料に用いた材料およびそれらの量を表7に挙げる。試料の粘度は室温で、BrookfieldDV−II+ProLV粘度計において、スピンドル#4を用い、3rpmおよび30rpmで、3分の回転時間で測定し、結果も表7に示す。

試料1を次のように調製した: (a)1wt%カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー(CMHPG、ケンタッキー州コビントンのAshland Inc.から市販されるWG(商標)−18)および10wt%ポリビニルピロリドン(PVP、ケンタッキー州コビントンのAshland Inc.から市販されるPlasdone(登録商標)K−12)の水性ポリマー溶液を調製し、ThinkyミキサーARE−310(東京の株式会社シンキーから市販)の100mLカップに量り入れた。 (b)Li(NiMnCo)2(リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、NMCとも称され、ニュージャージー州フロラムパークのBASFから市販される)の総量の約1/3および水の総量の約1/2をカップに添加した。カップ内の成分をスパチュラで固体がウェットアウトするまで手動で混合した。カップを次にParafilm M(登録商標)で覆い、成分をThinkyミキサーにおいて2000rpmで2分間混合した。 (c)NMCの総量の約1/3をカップに添加し、手動およびThinkyミキサーでステップ(b)に記載した同じ混合手順を用いた。 (d)NMCの総量の約1/3および水の総量の約1/2をカップに添加した。C−Energy(特録商標)Super C65カーボンブラック(オハイオ州ウエストレイクのTimcal America Inc.から市販)もカップに量り入れた。手動およびThinkyミキサーでステップ(b)に記載した同じ混合手順により成分を2000rpmで5分間混合し、スラリーを形成した。 (e)スラリーを次に記録済みの風袋重量を有する2オンスガラス容器に注いだ。2オンスガラス容器を次に〜18℃の水浴に入れた。スラリーを、20mm直径×105mm鋸歯状ジェネレータプローブを備えるProScientific Pro 250ホモジナイザー(コネチカット州オックスフォードのPro Scientific Inc.から市販)を用い、〜14,000rpmで〜1分間および〜10,000rpmで20秒間均質化した。 (f)50wt%のスチレンブタジエンラテックスを次に容器に量り入れ、スラリーと混合した。

ステップ(b)で水を全部カップに添加した以外試料1と同じステップを用い、試料2を調製した。

比較試料−10wt%のフッ化ポリビニリデン(PVDF、Kynar(登録商標)HSV800、ペンシルベニア州キングオブプルシアのArkema Inc.から市販)および10wt%のN−メチルピロリドン(NMP)中PVPのポリマー溶液を調製し、ThinkyミキサーARE−310の100mlカップに量り入れた。NMCの総量の約1/3およびNMPの総量の1/3をカップに添加した。成分をスパチュラで固体がウェットアウトするまで手動で混合した。カップをParafilm M(登録商標)で覆い、Thinkyミキサーにおいて2000rpmで2分間混合した。NMCおよびNMPの総量の約1/3をカップに添加した。成分を手動およびThinkyミキサーで上に記載した同じ手順を用いて2000rpmで2分間混合した。NMCおよびNMPの総量の約1/3をカップに添加した。C−Energy(登録商標)Super C65カーボンブラックを次にカップに量り入れた。手動およびThinkyミキサーで上に記載した同じ手順により成分を2000rpmで5分間混合し、スラリーを形成した。スラリーを次に2オンスガラス容器に注いだ。2オンスガラス容器を〜18℃の水浴に入れた後、〜10,000rpmで〜1分間均質化した。

電極(カソード)製造 (試料1および2) 一片のアルミニウム箔(17マイクロメートル)を、12インチ幅×24インチ長のガラスベッドおよび250mmの調節可能なドクターブレードを備える自動厚膜コーター(バージニア州リッチモンドのMTI Corporationから市販されるMSK−AFA−I)上に載置し、箔を真空下で適切な位置に保持した。スラリーを容器中でスパチュラを用いて撹拌した後、ブレード近くで箔上に堆積させ、〜2cm/sのコーティング速度でドローダウンを生じさせた。膜をフード中周囲条件で少なくとも15時間乾燥させた。膜を次に強制空気対流式オーブンにおいて60℃で30分間および80℃で30分間乾燥させた後、真空オーブンにおいて30分間100℃で乾燥させた。7/16インチの円直径のパンチを用い、コーティングされたアルミニウム箔を穿孔し、電極を形成した。

電極をガラスバイアルに入れた。バイアルを次に真空下100℃のオーブンに15時間入れた後、アルゴン充填グローブボックスに移した。カソード活性材料に基づき、試料1について9.9mg/cm2および試料2について10.1mg/cm2のコーティング重量を得た。

(比較試料) 一片のアルミニウム箔を真空下で自動厚膜コーター上に載置した。スラリーをブレード近くで箔上に堆積させ、〜2cm/sの速度でドローダウンを生じさせた。膜をフード中周囲条件で2日間乾燥させた。膜を次に強制空気対流式オーブンにおいて60℃で30分間および80℃で30分間乾燥させた後、100℃で真空下2時間乾燥させた。7/16インチの円直径のパンチを用い、コーティングされたアルミニウム箔を穿孔し、電極を形成した。切断した電極をガラスバイアルに入れた。バイアルを次に真空下100℃のオーブンに15時間入れた後、アルゴン雰囲気グローブボックスに移した。カソード活性材料に基づき、9.8mg/cm2のコーティング重量を得た。

電気化学試験−電極(カソード) 直径20mmおよび高さ3.2mmを有する半コイン電池(すなわち、「CR−2023」半コイン電池)を、リチウム金属ディスクアノードと組み合わせた上記カソード、ポリオレフィンセパレータ、および有機溶媒(EC/DMC/DEC、1:1:1)の混合物を含み、1Mのヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)をリチウム塩として用いる電解質を用いて製造した。半コイン電池にコンディショニングサイクル(4サイクルを用いた)、さまざまな放電レートでのサイクル試験およびレート能力試験、ならびにコンディショニングサイクル後の半コイン電池のインピーダンスを測定する試験を行った。電池インピーダンスはSolartron(登録商標)SI1260インピーダンス分析計/SI1287インターフェース装置を用いて測定した。

Maccor Model 4000 BCTシステムを用いて電気化学測定を行った。初期クーロン効率パーセントを、電流がc/200に到達するまで、一定の電流その後一定の電圧(CCCV)下、c/20の電流での第1サイクル後に測定した。第2クーロン効率パーセントを、CCCVおよびカットオフ電流で、同じc/20下での第2サイクルで測定した。初期コンディショニングサイクル後、容量および容量保持率を、電流がc/20に到達するまで、CCCV下c/2サイクルレートでの100サイクルで測定した。また、放電レート能力を、c/20で2サイクル、c/10で2サイクル、c/5で2サイクル、c/2で2サイクル、および1Cで2サイクル、ならびに2Cで4サイクル、5Cで4サイクル、10Cで4サイクル、および20Cで4サイクルとCレートを変動させることにより測定した。試験結果を表8に挙げる。

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