How to use water-based adhesive dispersion and it in the production of multi-layer paper

申请号 JP2000558176 申请日 1999-07-01 公开(公告)号 JP2002519501A 公开(公告)日 2002-07-02
申请人 シュトックハウゼン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト; 发明人 ヨアヒム ヴェレス,; ベルント ラインハルト,; クラウス リーネッカー,;
摘要 (57)【要約】 本発明は、A)分散液の全重量に対して、0.1〜10重量%量の分散した状態にある接着性ポリマー、B)成分A)100重量部に対して、0.1〜100重量部のアニオン性又はカチオン性の多価電解質、及びC)成分A)100重量部に対して、0〜50重量部の、分子量が200〜100,000g/モルである少なくとも1種のポリアルキレングリコールを含有する、 水 性接着性分散液に関する。 本発明はこの分散液を多層紙又は紙材料の製造に使用することにも関する。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 A)分散液の全重量に対して、0.1〜10重量%量の分散された状態にある接着性ポリマー、 B)成分A)100重量部に対して、0.1〜100重量部のアニオン性又はカチオン性の多価電解質、及び C)成分A)100重量部に対して、0〜50重量部の、分子量が200〜1
    00,000g/モルである少なくとも1種のポリアルキレングリコール を含有する、水性接着性分散液。
  • 【請求項2】 請求項1記載の接着性分散液であって、該接着性分散液は該分散液の合計重量に対して成分A)を2〜6重量%、そして成分A)100重量部に対して成分B
    )を0.1〜20重量部含有することを特徴とする前記接着性分散液。
  • 【請求項3】 請求項1又は2に記載の接着性分散液であって、該接着性分散液が、成分A)
    100重量部に対して0.1〜30重量部の、好ましくは0.1〜20重量部の少なくとも1種のポリアルキレングリコールを含有することを特徴とする前記接着性分散液。
  • 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の接着性分散液であって、少なくとも1種の天然の又は合成のポリマー、好ましくは多糖類、改質多糖類、たんぱく質、及び/
    又はポリビニルアルコールが成分A)として使用されることを特徴とする前記接着性分散液。
  • 【請求項5】 請求項4に記載の接着性分散液であって、未加工の(native)スターチ、改質スターチ、セルロースエーテル、グアー粗挽き粉、アルギネート、たんぱく質、
    及び/又はポリビニルアルコールが成分A)として使用されることを特徴とする前記接着性分散液。
  • 【請求項6】 請求項5に記載の接着性分散液であって、カチオン性又はアニオン性のスターチが成分A)として使用されることを特徴とする接着性分散液。
  • 【請求項7】 請求項1〜6の1又はそれ以上の請求項に記載の接着性分散液であって、少なくとも1種のポリエチレングリコールが成分C)として使用されることを特徴とする接着性分散液。
  • 【請求項8】 請求項1〜7の1又はそれ以上の請求項に記載の接着性分散液であって、成分B)が成分A)の糊化温度よりも低い温度では凝集剤(flocculant)として作用しないことを特徴とする接着性分散液。
  • 【請求項9】 請求項1〜8の1又はそれ以上の請求項に記載の接着性分散液であって、酸基(これは少なくとも部分的に、塩として、又はプロトン化もしくは第4級化した状態にあるジアルキルアミノアルキルアルカノール又は−アミンのエステル又はアミドとして存在する。)を有するモノエチレン性不飽和モノマーと、場合により用いられるその他のモノエチレン性不飽和モノマーとの、少なくとも1種の水溶性又は水膨潤性でカチオン性又はアニオン性の合成ホモポリマー又はコポリマー;分子量が450から100,000g/モルである、アクリルアミド含有ポリマー、ポリビニルアミン、ポリアミン、及びポリアルキレンアミンのマンニッヒ塩基;アニオン的に又はカチオン的に改質された状態にある、メラミン−ホルムアミド縮合生成物及び尿素−ホルムアルデヒド縮合生成物;又はポリアミドアミン−エピクロルヒドリン樹脂又はこれらの混合物が成分B)として使用されることを特徴とする接着性分散液。
  • 【請求項10】 請求項9に記載の接着性分散液であって、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、及びビニルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドアルカンスルホン酸、好ましくは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルホスホン酸、及び/又はスチレンホスホン酸、並びにこれらのアルカリ塩もしくはアンモニウム塩が酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーとして前記のアニオン性ホモポリマー又はコポリマーの中に繰り返し単位として存在し;そして、
    プロトン化又は第4級化した状態にある、ジアルキルアミノアルキルアルカノールとの(メタ)アクリル酸エステル又はジアルキルアミノアルキルアミンとの(
    メタ)アクリル酸アミドが前記のカチオン性ホモポリマー又はコポリマーの中に繰り返し単位として存在することを特徴とする接着性分散液。
  • 【請求項11】 請求項1〜10の1又はそれ以上の請求項に記載の接着性分散液であって、成分A)と成分B)が類似しないイオン性を示すことを特徴とする接着性分散液。
  • 【請求項12】 多層紙又は紙材料からなり少なくとも2つの紙ウェブでできているシート材料を、水性接着性分散液を湿潤した状態にある少なくとも1つの紙ウェブの上に塗布し、組合わせた紙ウェブ同士を圧縮し乾燥することにより製造する方法において、請求項1〜11の1又はそれ以上の請求項に記載の分散液を接着性分散液として利用することを特徴とする製造方法。
  • 【請求項13】 請求項12に記載の方法であって、前記の接着性分散液が少なくとも1つの紙ウェブの上にスプレーされることを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】

    本発明は、性接着性分散液、並びに該接着性分散液を使用して層及プライの強度が改良された多層紙(multilayered paper)、板紙(厚紙)(cardboard)及びカートンを製造する方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】

    多層紙は、同じあるいは異なった組成を有する紙パルプ混合物からその湿潤した紙のウェブを圧縮する(クーチング)して得られる。 しかし、紙を合成する個々のプライ(ply)の間の界面領域における結合が代表的な弱点となっている。
    従って、接着性のスターチ又はスターチの誘導体が層及びプライの強度を改良するのにしばしば用いられる。 しかし、保存中や更なる加工において大きなせんだん力、熱または水分の増加を受けると、このようにして製造された製品でさえ安定性が失われることがあり、この材料は崩壊することがある。

    【0003】 今日まで、水性分散液の状態で天然の又は改質されたスターチが接着剤として紙のプライの上に又はプライの間にスプレーされ、抄紙機の乾燥区域で糊化 (gelatinization)を受け、プライ同士の結合を達成する。 しかし、この方法で達成される層強度(layer strength)及びプライ強度(ply strength)には限界があり、特にスターチによる結合が後続する加熱において完全なもしくは部分的な不可逆的脆化を受ける。 F. Andruchovici 及びR.Wilken(PTS-Verlag (ミュンヘン) 1994, PTS-Forschungsbericht, PTS-FB 09/93, p. 19)によると、未加工のスターチを使用することは、そのレオロジー上の性質(粘度)のために低い固形分でしか使用することができないので不利であり、一方カチオン性スターチだけを使用することはコストの面で不利である。

    【0004】 EP−B−310、078によると、ゲル化した粒子状のスターチにより粘度が安定している接着組成物がダンボール紙の製造に使用されていて、このスターチは基本反応の高分子濃化剤、例えばアセトン−ホルムアルデヒド樹脂とともに水性分散液の形で用いられる。

    【0005】 ダンボール紙を製造するための濃縮スターチ接着剤がDE−A−44 01 5
    29により知られていて、これにはイオン性界面活性剤が粘度を低減するために含まれている。

    【0006】 EP−B−415、385によると、ゲル温度35〜55℃の非ゲル化スターチ粒のスラリーで湿潤した紙のウェブをスプレーすることによって紙や板紙の表面強度ウェブ強度及び引裂抵抗が改良される。 これは、未加工のスターチ、尿素、リン酸塩を80〜150℃で0.5〜5時間の間加熱することによって予め得られたものである。

    【0007】 その他の紙サイズ剤がEP−A−742、316により公知であり、この紙サイズ剤はカチオン化スターチ、好ましくはジカルボン酸又はジカルボン酸無水物でエステル化したものを含む。

    【0008】 これらのよく知られている接着剤は高い技術的な投資を行うことによってのみ製造することができ、多くの用途において、接着効果は不十分である。

    【0009】 同様に、スプレーコーティングに補強剤としてスターチの代わりにポリアクリルアミドを使用することがK. SatoによりJapan Tappi Journal 49, 318-323(199
    5), Mo. 2に記載されているが、不適切である。 溶液状態の製品が使用されるが、これはスプレー後に紙のウェブ表面に残留しないでむしろその中に浸透してしまう。

    【0010】 更に、EP−B−555、093により耐摩耗性装飾用ラミネートフィルムを製造する方法が知られており、この方法では、酸化アルミニウム粒子と、ポリアクリルアミドのような高分子量のカチオン性保持剤との水性スラリーが、紙材料の最上層の湿潤した層の上に塗布され、ついで更に通常の紙製造に供用される。

    【0011】 EP−B−606、431には、カチオン性スターチとビニルアセテート重合物を含む板紙塗布用の組成物が記載され、これは顔料とともに塗布される。 しかし、よく知られているように、シ−ト状の紙材料を貼り合わせることには、多層紙自体の製造に比較して他の要求が伴う。

    【0012】 そこで、本発明の目的は、特性が改良された、特に層及びプライの強度が高められた多層紙の容易な製造を可能にする、接着性分散液を提供することである。

    【0013】 前記目的は本発明による水性接着性分散液を提供することによって達成され、
    該水性分散液は、 A)分散液の全重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは2〜6重量%の、分散した状態にある接着性ポリマー、 B)成分A)100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.
    1〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の、少なくとも一種のアニオン性もしくはカチオン性の多価電解質、及び C)成分A)100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは0.1〜30
    重量部、より好ましくは0.1〜20重量部の、少なくとも一種の分子量が20
    0〜100、000g/モルであるポリアルキレングリコールを含有する。

    【0014】 少なくとも一種の、天然又は合成の接着性ポリマー、好ましくは多糖類、場合により改質された多糖類、タンパク質、及び/又はポリビニルアルコールが成分A)として使用される。 このポリマーは前記の分散液中で分散した状態で存在する。 すなわち、その糊化温度より高く加熱されたことがない。

    【0015】 接着性ポリマーとしては、スターチ、改質スターチ、カルボキシメチルセルロースのようなセルロースエーテル、ポリビニルアルコール、アルギネート、グルチン(glutin)、カゼインのようなタンパク質、及び/又はグア−の粗びき粉(
    guar meal)を使用することが特に好ましい。 しかし、スターチ及び/又はスターチの誘導体が経済的理由から好ましい。

    【0016】 この関係では、未加工のスターチ、例えばポテトのスターチ、小麦スターチ、
    コーンスターチ、米スターチ、エンドウマメのスターチ及び/又はこれらの混合物;改質スターチ、例えばスターチ分解物、特にデキストリン、化学的に改質したスターチ(例、置換スターチ誘導体)並びに特にアニオン性スターチ(例、ジアルデヒドスターチ、カルボキシスターチ及び過硫酸塩で分解したスターチ)、
    アニオン性スターチエステル類(例、スターチリン酸モノ−もしくはジ−エステル、スターチアセテート及びスターチシトレート(citrates)、アニオン性スターチエーテル類(例、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチル−2−ヒドロキシエチルスターチ、及びカルボキシメチル−3−ヒドロキシプロピルスターチ、並びに、カチオン性スターチ誘導体(例、N−含有スターチエーテル類、特に第一級もしくは第二級のアミノ基もしくはイミノ基、酸によるプロトン化により正に帯電した第三級アミノ基、及び第四級アンモニウム基を有するスターチが使用される。

    【0017】 本発明において成分B)として使用されるカチオン性又はアニオン性の多価電解質は、合成の又は場合により改質された天然のポリマー製品から選ばれる。 好ましくは、該多価電解質は、EP−A−0、013、416又はEP−A−0、
    113、038に報告されているように、酸基(少なくとも部分的に塩として存在する)を有するモノエチレン性不飽和モノマ−(あるいはそれのジ(C 1 −C 2 )アキルアミノ(C 2 −C 6 )アルキルアルコールとのエステル、あるいはそれのジ(C 1 −C 2 )アルキルアミノ(C 2 −C 6 )アルキルアミンとのアミド類であって、いずれもプロトン化又は第四級化した状態で用いられる。)と、場合によって用いられる他のモノエチレン性モノ不飽和モノマーとの、水溶性又は水膨潤性のカチオン性もしくはアニオン性の合成ホモポリマー又はコポリマーである。

    【0018】 これらの多価電解質は、その糊化温度未満で凝集材(flocculant)としてではなく、むしろ成分A)とともに安定な水性分散液を形成するように働くという点で驚くべきものである。

    【0019】 好ましくは、プロトン化又は第四級化した状態にある、ジアルキルアミノアルキルアルコールのアクリル酸やメタクリル酸エステルのような、水溶性のモノエチレン性不飽和ビニル化合物、例えばプロトン化又は第四級化した状態にある、
    ジメチルアミノエチルアクリレート及びジアルキルアミノアルキルアミンのアクリル酸やメタクリル酸のアミド、即ち例えば、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及び/又はアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルメソサルフェートが、カチオン的に活性な多価電解質として使用することができる。

    【0020】 更に、アクリルアミド、ポリビニルアミン、ポリアミン(例えばジエチレンアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びポリアルキレンポリアミン(ポリエチレンイミン類)を含有するポリマーであって分子量が450
    〜100、000g/モルを有するもの、好ましくは分子量が450〜20、0
    00g/モルである液状のポリアルキレンポリアミン又はそれの水溶液はカチオン性多価電解質として適している。

    【0021】 本発明による分散液が成分C)をまったく含まない場合には、ポリマーをカチオン性多価電解質として使用する際には、アルデヒド基もメチロール基も官能基としてまったく含まないポリマー製品のみが可能である。

    【0022】 好ましくは、モノエチレン性不飽和カルボン酸及びスルホン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、及び/又はそれらのアルカリ塩、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩、ビニルスルホン酸、アクリルアミド−及びメタクリルアミドアルカンスルホン酸、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホ−エチルメタクリレート、及びスチレンスルホン酸、及び/又はそれらのアルカリ塩、好ましくはナトリウム塩もしくはカリウム塩もしくはアンモニウム塩がアニオン性多価電解質として適している。

    【0023】 更に、ビニルホスホン酸及びスチレンホスホン酸、並びにそれらのアルカリ塩、好ましくはナトリウム塩もしくはカリウム塩もしくはアンモニウム塩が適している。

    【0024】 前記のコポリマーは、上記のイオン性モノマーと非イオン性で水溶性のモノエチレン性不飽和モノマー類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−(
    1 −C 2 )アルキル化(メタ)アクリルアミド、並びにN−ビニルアミド、ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等を用いて生成することができる。 更に、好適な水溶性モノマーはN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、並びに一価のC 1 −C 4のアルコールで部分的に又は完全にエステル化したN−
    メチロール(メタ)アクリルアミド、及びジアリルジメチルアンモニウムクロイドである。

    【0025】 又、該コポリマーは水難溶性及び/又は水不溶性のモノエチレン性不飽和モノマー例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びビニルアセテートを、該コポリマーの水中における溶解性又は膨潤性が保たれる限り限られた量で含んでもよい。

    【0026】 更に、このポリマー製品は水中において膨潤性又はほんの限られた溶解性を有するように、少なくとも二つの反応部位を有する架橋性モノマー、好ましくはジエチレン性不飽和モノマーを使用して製造することができ、あるいは水溶性ポリマーと水膨潤性ポリマーのみから構成されていてもよい。

    【0027】 本発明においては、カチオン性モノマーとアニオン性モノマーとから得られる水溶性又は水膨潤性の両性コポリマーも使用することができる。

    【0028】 更に、アニオン性及びカチオン性に改質されたメラミン−ホルムアルデヒド縮合生成物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合生成物、並びにポリアミドアミン−
    エピクロロヒドリン樹脂、例えば、アジピン酸とジエチレントリアミンとの反応生成物、又は同様のアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物が成分B)として適している。

    【0029】 本発明において使用される多価電解質は接着性ポリマーと粉末として、分散液として又は溶液として混合することができ、好ましくは水溶液として混合される。

    【0030】 成分A)と成分B)の合計量に対する成分A)及びB)のおのおのの量の重量比は4:1〜25:1の範囲が好ましく、より好ましくは10:1〜25:1であり、特に好ましいのは14:1〜20:1の範囲である。

    【0031】 更に、本発明の接着性分散液は他の添加物、例えば界面活性剤、湿潤強度向上剤、サイズ剤、吸湿剤、及び顔料を含んでもよい。

    【0032】 この接着性分散液は、前記ポリマーと多価電解質成分とを組み合わせることによって製造され、その際にこれらの成分は容器の中に少しずつあるいは連続的に水相の中にどのような順序で入れてもよく、好ましくは水性分散液として入れられる。 ついで攪拌しまたは吸入排出(pumping)することによって混合し、更に必要に応じ成分A)の糊化温度より低い温度で加熱する。 接着性ポリマーA)はその糊化温度より低い温度で、すなわち30〜55℃、好ましくは35〜50℃
    、より好ましくは40〜45℃で加熱され、同時に又はその後に同じイオン性又は反対のイオン性を有する多価電解質の溶液又は分散液が添加される。 任意であるが、この分散液は糊化温度より低い最高温度に一定時間加熱することができる。

    【0033】 ポリアルキレングリコールの該分散液への添加は、そのままで又はポリアルキレングリコールの水溶液の状態で、又成分A)を添加する前又は添加した後に、
    あるいは好ましくは成分B)を添加した後に行うことができる。 この分散液の加熱、特に加熱の時間、及び該水性分散液のpH値は、使用される原料、用いられる設備に関係した条件に応じて簡単なテストを行うことにより当業者が決定することができ、温度がこれら成分の糊化温度を超えないように選択される。 多価電解質B)を成分A)に加え、該分散液を加熱することによって均一な分散液の条件が保持される。

    【0034】 該分散液の加熱はこれら成分が次々に加熱されるように、又は予め加熱した水の中に入れるように行うこともできる。

    【0035】 多層紙の製造方法は周知であり、多層スクリーンセクションを備えた抄紙機を使用して行われ、該多層スクリ−ンセクションに多層紙ウェブが形成される。 この目的のために、周知の状態で配置されたロータリースクリーン、ロータリースクリーンモールド、シート形成装置としてのエンドレスワイヤセクション(例えば、2−6エンドレスワイヤ)が使用される。 その後に、前記スクリーンセクション上に形成された紙ウェブは湿潤した状態で本発明の接着性分散液で処理され、接着剤が少なくともひとつの紙ウェブの上に塗布され、ついでウェブ同士が接触させられた後結合されてより厚いウェブが形成される。 その後乾燥セクションを通過すると、該紙ウェブの最終的なサイジングが前記接着性分散液を用いて行われる。

    【0036】 接着性分散液を湿潤した紙ウェブの少なくとも一つの上に塗布することは例えばF. Andruchovici及び R. Wilken, PTS-Verlag(ミュンヘン) 1994, PTS-Fors
    chungsbericht, PTS-FB 09/93, p. 16に報告されているように周知の塗布技術を用いて行うことができる。 本発明によると、特に、該塗布技術は紙ウェブの湿潤化をその全表面に対して行うことができ、あるいは例えばテンプレートを用いて限定することができる同方向又は反対方向に回転するフィードロールコーティングが好ましい。 接着性分散液の十分な噴霧適性を達成するには分子量mw(g/モル)が1000〜2、000、000、好ましくは1000〜100、000、
    より好ましくは1000〜50、000である水溶性ポリマーを成分B)として使用することが好ましい。 好適なポリマー製品は適当な開始剤と改質剤(modifi
    er)の組み合わせを用いて重合条件を調整することによって周知の方法で得られる。 更に、より高い分子量のポリマー製品で始めて、これを例えば成分A)と組み合わせる前に水溶液中でせん断することにより機械的に劣化させることができる。

    【0037】 本発明の接着性分散液は水性相に分散した時にその優れた保存寿命の点で驚くべきものがある。

    【0038】 本発明の接着性分散液を塗布すると、分散した部分が紙ウェブの表面又は上側の繊維質領域に沈殿する。 つぎに結合された紙ウェブは抄紙機の加圧セクションとその後の乾燥セクションを通過しそこで処理される紙ウェブの結合がそこでの条件下で行われ多層紙が形成される。

    【0039】 従って、本発明は、本発明による前記接着性分散液を用いて多層紙および紙材料からなり少なくとも二つの紙ウェブからできているその他のシート材料、特に安定性と強度(特に層強度とプライ強度)が顕著に改良された、包装用紙、ダンボール紙、多層ウェブ紙、硬板紙、カートン、多層テストライナー、並びに壁紙用基紙、その他の多層の特別紙の製造におけるかかる製造方法に関する。

    【0040】 好ましくは、紙生産量に対して、1〜10重量%、好ましくは4〜8重量%の本発明の水性分散液が用いられる。

    【0041】 本発明をつぎに示す実施例に基づいてより詳細に説明するが、これらに限定しようとするものではない。

    【0042】

    【実施例】

    プライ強度は、紙を構成する外側の層とその他の残る層との間の強度の測定値を示す。 層強度は、対称的な構造を有する多層紙の中心における測定を示す。 測定時の読みはASTM F 904-91に従って引張強度測定器を使用して紙の層間を分離しついで引き離すことによって得られたものである。

    【0043】 比較例1 4個のロータリ−スクリ−ンを有する抄紙機上で多層セルロース特別紙の製造を行い、約270g/m 2の坪量を有し、60〜70g/m 2の重量を有する基紙を製造する。 層強度とプライ強度を高めるために分散タンク中でEmcat(商標)C
    12 (Emsland Staerke社)との製品名であるカチオン性スターチから連続的に製造された2%の水性スターチ分散液を、湿潤した紙の層のおのおのの間で、紙生産量に対して6重量%量スプレ−する。 該紙ウェブを乾燥セクションを通過させた後プライ強度1.735N/cmであり層強度が1.559N/cmである基紙が得られる。

    【0044】 実施例1 上記のカチオン性スターチの代わりにRetamyl(商標)AP (AVEBE社)との製品名であるアニオン性のダイジェスタ(digester)スターチと、カチオン性Praest
    afix(登録商標) HH(シュットクハウゼン・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー)を使用して、比較例1に記載したのと同様の方法で多層特別紙の製造を行う。 該アニオン性ダイジェスタスターチを水に分散させ該スターチに対して6重量部量の該カチオン性ポリマーを攪拌しながら分散タンクに添加することによって分散液を製造する。 この水性分散液を分散タンク内で加熱し40〜
    45℃の一定の温度で保持する。 紙生産量に対して6重量%量の分散液を、湿潤した紙ウェブの層の間にスプレーする。 乾燥後、プライ強度1.900N/cm
    であり層強度1.640N/cmである基紙を得る。

    【0045】 この特別紙についての後工程において紙ウェブは再加熱されるが、従来再加熱は通常専らスターチのみからなる接着層の脆弱化をもたらすものであった。 このプロセスを紙のサンプルを130℃で30分間加熱し保持しこの熱処理の直後に層強度を測定するという試験を用いてシュミレーションを行う。 ついで、このサンプルを23℃、相対湿度50%という通常の条件下でリコンディショニングする。 このプロセスを通じた紙の特性の変化を層強度を測定することによってモニターする。 比較例1及び実施例1の紙サンプルのテスト結果を表1に要約して示す。

    【0046】

    【表1】 熱処理の前および後、ならびにサンプルのリコンディショニングの後における層強度[N/cm]の変化

    【0047】 実施例1の紙は高い層強度を有し、これは加熱の後でさえ維持されている。 その理由は、本発明の接着性分散液を使用する結果接着剤の脆化が防止されるからである。

    【0048】 実施例2〜7及び比較例2 実験室のテストで、乾燥物含有量3重量%であって水道水で1重量%に希釈したパルプ混合物を用いて、シート形成装置でおのおの100g/m 2である2枚のシートを製造した。 一方の湿ったシートはクロモカードボード(chromocardbo
    ard)の上で保存し、第二の湿ったシートはシート形成スクリーンの上に置き、
    スプレーフラスコ(spraying flask)を用いてスプレーすることにより2重量%
    の接着性分散液10gで処理した。

    【0049】 比較例2のための接着性分散液は製品名Emcat(商標)C 12 (Emsland Sta
    erke社)のカチオン性スターチからあらかじめ調製し、実施例2〜7用の接着性分散液は製品名Retamyl(登録商標)AP及びAniofax(登録商標)AP 25(いずれもAVEBE社製)と種々のカチオン性多価電解質からあらかじめ調製したもの(
    ここでスターチ成分対カチオン性多価電解質との重量比はいずれの場合も16:
    1であった。 )であり、こうして得られた混合物はそれぞれ30℃と40℃で1
    0分間加熱した。

    【0050】 スプレーの後、両方のシートをスクリーン上でロールを用いてクーチングし、
    ついで95℃で真空乾燥機内で15分間乾燥させた。 いずれの場合も3枚の2層シートを接着性分散液を用いて製造した。 そしてその層強度を該シートを23℃
    、相対湿度50%でコンディショニングした後、又は乾燥炉内で130℃で30
    分間加熱直後に測定した。 使用した接着性分散液の組成および強度測定で得られたデータを表2に示す。

    【0051】

    【表2】

    1)ポリエチレンイミン、改質されている、高分子量、BASF AG

    2)ポリエチレンイミン、高分子量、BASF AG

    3)ポリビニルアミン、mw約300,000g/モル、BASF AG

    4)ポリアミン、mw約60,000g/モル、SANDOZ Products, Ltd.

    【0052】 実施例8及び比較例3 試験ライナーIII(これは、ヨーロッパダンボール紙製造業者協会の190g
    /m 2の坪量を有する紙及びダンボール紙の分類である。 )の製造において、エンドレスワイヤー抄紙機を使用して古紙に基づいて、2つのエンドレスワイヤー上に製造された湿潤紙ウェブに乾燥含有量10〜15重量%で上記の通りアニオン性スターチ(Retamyl(登録商標)AP)とカチオン性Praestafix(登録商標) HHのポリマーが16:1の比率である水性接着性分散液をスプレーした。 これらの成分には2重量%の水性接着性分散液を混合し、40℃の温度で加熱した。 毎時4
    トンの製造速度で、Retamyl(登録商標)APを毎時20kgとPraestafix(登録商標
    ) HHを毎時5kg連続的に使用した。 これに対して比較例3では、改質小麦スターチを毎時20kg使用した。 こうして処理したウェブ同士を接触させ、200
    〜250m/分の速度でクーチングし、次いで1枚のウェブとして圧縮し乾燥した。 製造サンプルを用いて、ISO 2758(1983)に従って破裂圧力(bursting press
    ure)を測定し、サイジングの引裂き抵抗と水吸収能を測定した(コブ方法(Cobb
    Method)、ISO 535(1991))。 測定されたデータを表3に示す。

    【0053】

    【表3】 試験ライナーIII、190g/m 2 、PM2 Duplex

    引裂き抵抗が36%と著しく改良された上に、破裂強度も好ましい方向にシフトした。 これに対して、サイジング(即ち、水吸収量)には有意な変化はなかった。

    【0054】 実施例9〜15及び比較例4 含有量2.9重量%のパルプ混合物を用いて、2層シートを実施例2〜7の手順に準じて本発明による水性接着性分散液を使用して製造した。 これらの分散液はカチオン性スターチ(Emcat(登録商標)C12)とカチオン性Praestafix(登録商標) HHポリマーの分散液を、又はカチオン性ポリマー製品A 6309を、又はアクリルアミドとアクリル酸ナトリウムとのアニオン性コポリマー、即ちPraestamin (
    登録商標) AL(両方ともStockhausen GmbH & Co. KG製)を加熱することによって、あるいはアニオン性スターチ(Retamyl(登録商標)AP)を上記と同じ多価電解質の分散液を加熱することによって、あるいはMowiol(登録商標)28-99/G2とPr
    aestafix(登録商標) HHとの分散液、又はWalocel(登録商標)XC3.000GとPraestam
    in (登録商標) ALの分散液を加熱することによって得られた。 これらの製品のいずれもが接着性ポリマー対多価電解質の比率として16:1の比率で用いられた。 比較例4はEmcat(登録商標) C12のみを用いて比較例2に準じて製造した。

    【0055】 Emcat(登録商標) C12だけを使用して製造した紙サンプルに比較して、乾燥炉中130℃において加熱した後再び層強度を測定した。 測定データを表4に示す。

    【0056】

    【表4】

    1)シュトックハウゼン・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー(


    Stockhausen GmbH & Co. KG) 2)ヘキスト・アーゲー(Hoechst AG) 3)ヴォルフ・ヴァルスローデ・アーゲー(Wolff Walsrode AG)

    【0057】 実施例16〜21及び比較例5〜10 接着性分散液を、Retamyl(登録商標)APアニオン性スターチを水に攪拌しながら導入することによって製造した。 この水は予め40℃に加熱したものであった。
    その後、それぞれ、0.125重量%のPraestafix(登録商標) HHカチオン性ポリマーとポリアルキレングリコールPolyglycol 300(Contensio Chemicals GmbH
    )とPolyglycol 10000S(Clariant GmbH)を次々に同様に攪拌しながら加えた。

    【0058】 比較例5〜10では通常使用されるEmcat(登録商標) C12カチオン性スターチから、これにPolyglycol 300及びPolyglycol 10000Sをそれぞれ加えて接着性分散液を製造した。

    【0059】 多層紙の工業的製造においてアニオン性スターチを単独で使用したり、あるいはアニオン性スターチをポリアルキレングリコールと組合わせて使用することはできない。 というのは、経験が教えるように、紙の層が抄紙機上で変位(displa
    cement)を受けるからである。

    【0060】 含有量2.9重量%のパルプ混合物を用いて、実施例2〜7の手順に準じ、これらの接着性分散液を使用して2層シートを製造した。

    【0061】 これらの接着性分散液の組成、及び多層シートの23℃における層強度及び該シートを130℃で30分間処理した後の層強度に関する確認されたデータを次の表5
    に要約して示す。 重量%で示す量を表す数字はパルプ混合物の乾燥物質を示す。

    【0062】

    【表5】

    *0.125重量% Praestafix(登録商標) HH

    【0063】 実施例22〜25 実施例16〜21の製造方法に準じて、Retamyl(登録商標)APアニオン性スターチを使用して更に別の接着性分散液を製造した。 この製造においては、Praest
    afix(登録商標) HHカチオン性ポリマーのほかに、Vianova Resins Companyから製品名Madurit(登録商標)MW 114 30% WA TZとして得られる改質メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、又はBK Giulini Chemie CompanyからGiluton 1100/28Nの製品名で得られるポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂が成分B)として使用され、これらの樹脂の各々が成分B)単独としてPolyglycol 300とともに使用された。 Polyglycol 300の添加はカチオン性多価電解質を水中に分散させたスターチに添加した後に行った。

    【0064】 含有量2.9重量%のパルプ混合物を用いて、実施例2〜7の方法に準じてこれらの接着性分散液を使用して2層シートを製造した。 接着性分散液の組成及び強度に関するデータを表6に示す。 重量%で示す量を表す数字はパルプ混合物の乾燥成分の量を示す。

    【0065】

    【表6】

    【0066】 実施例26〜29 実施例2〜7の手順に準じて、Retamyl(登録商標)APアニオン性スターチとPra
    estafix(登録商標) HHカチオン性ポリマーから、200μmより大きく63μm
    より小さい範囲のスターチ粒子という特定の粒子サイズの画分を用いて40℃で接着性分散液を製造した。 これら接着性分散液の組成に関して重量%で表される数字はパルプ混合物の乾燥成分量を示す。 これらの接着性分散液を使用して、実施例2〜7の方法に従って2層シートを製造した。 データを表7に要約して示す。

    【0067】

    【表7】

    【0068】 本発明の接着性分散液は、粒度が50〜200μmの範囲の、好ましくは50
    〜100μmの範囲のアニオン性スターチを成分A)として使用すると層強度の改良を実現する。

    【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書

    【提出日】平成12年7月12日(2000.7.12)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】特許請求の範囲

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【特許請求の範囲】

    【請求項13】 請求項12に記載の方法であって、前記の接着性分散液が少なくとも1つの紙ウェブの上にスプレーされることを特徴とする方法。

    【手続補正書】

    【提出日】平成13年1月18日(2001.1.18)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項9

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 189/00 C09J 189/00 D21H 27/32 D21H 27/32 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AE ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DK,E E,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ラインハルト, ベルント ドイツ連邦共和国, オスナブリュック デー−49090, レーメレシュシュトラー セ 33 (72)発明者 リーネッカー, クラウス ドイツ連邦共和国, オスナブリュック デー−49078, アン・デア・イロシェー ヘ 36 Fターム(参考) 4J040 BA091 BA111 BA121 BA141 BA151 DB092 DD021 DF012 DF102 DG002 DH012 DJ012 DJ022 EB112 EB132 EE022 EH012 GA25 GA32 HA126 JA03 LA01 MA09 MB03 NA06 4L055 AA11 AG43 AG44 AG46 AG47 AG48 AG52 AG54 AG64 AG70 AG71 AG72 AG78 AG80 AG87 AG88 AG89 AH37 AH50 AJ01 BD04 BD06 BD12 BD17 BD18 BE14 EA30 EA32 FA13 FA22 GA05 GA06

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