Vinyl monomers and copolymers based on sugars useful in repulpable adhesives and other applications

申请号 JP2000508707 申请日 1998-08-12 公开(公告)号 JP2001514265A 公开(公告)日 2001-09-11
申请人 エコシンセテイツクス インコーポレーテッド; 发明人 ジェイ. マクレナン イアン; ブロームバーゲン スティーブン; ナラヤン ラマニ;
摘要 (57)【要約】 新規なアルキルポリグリコシドマレイン酸エステルとビニルモノマーから製造されるコポリマーは、生分解性で再パルプ化可能で、紙及び板紙用途、木材の接着、 包装 及び他の用途において接着剤、塗布剤、サイズ剤、トナー、保留助剤及び関連ポリマー樹脂に有用である。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 下記の式のコポリマー。 【化1】 (式中、Gluは糖成分であり;R 1及びR 2はビニルモノマーの置換基であり;
    RはC1乃至C30アルキルまたはそれらの混合物から成る群から選択され;R
    '''は水素、C1乃至C30アルキルまたはそれらの混合物から成る群から選択され;nは0乃至10の整数であり;x及びyは0乃至3または0乃至4の整数であり、ここで、x及びyの最大値3または4はGlu部分上のヒドロキシルの数に等しいが、x及びyの両方が0であることはなく;そしてp及びqは0乃至1000の整数であり、但しp及qの両方が0であることはない。 )
  • 【請求項2】 ビニルモノマーが、ビニルアセテアート、エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシルエチルアクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、及び他のアクリレートまたは種々のアクリレートモノマーの混合物、エチレン、1,3−ブタジエン、スチレン、塩化ビニル、ビニルピロリジノン、並びにそれらの混合物から成る群から選択される請求項1の化合物。
  • 【請求項3】 遊離ラジカル共重合条件下で、アルキルポリグリコシドマレイン酸エステルとビニルモノマーを反応させることを含む請求項1のコポリマーを製造する方法。
  • 【請求項4】 反応を乳化重合または懸濁重合条件下で行う請求項3の方法。
  • 【請求項5】 アルキルポリグリコシドマレイン酸エステルとビニルモノマーとの反応を、供給不足共重合処理条件下で行うことを含む請求項3の方法。
  • 【請求項6】 請求項3の方法で製造されたコポリマー。
  • 【請求項7】 下記の式を有するアルキルポリグリコシドマレイン酸エステル。 【化2】 (式中、Gluは糖成分であり;RはC1乃至C30アルキルまたはそれらの混合物から成る群から選択され;R'''は水素、C1乃至C30アルキルまたはそれらの混合物から成る群から選択され;nは0乃至10の整数であり;x及びyは0乃至3または0乃至4の整数であり、ここで、x及びyの最大値3または4はGlu部分上のヒドロキシルの数に等しいが、x及びyの両方が0であることはない。)
  • 【請求項8】 Gluがα−D−グルコースから誘導される請求項7の化合物。
  • 【請求項9】 Rが、C3乃至C8アルキル基またはそれらの混合物から成る群から選択される請求項7の化合物。
  • 【請求項10】 R'''が、水素、H、C8乃至C18アルキル基またはそれらの混合物から成る群から選択される請求項7の化合物。
  • 【請求項11】 アルキルポリグリコシドマレイン酸と、C1乃至C30の第1アルコールまたはそれらの混合物とのエステル化によって製造される請求項7の化合物。
  • 【請求項12】 無水マレイン酸を溶媒及び反応体の両方に使用する無水反応条件下で、アルキルポリグリコシドを無水マレイン酸と反応させることを含む請求項7の化合物を製造する方法。
  • 【請求項13】 アルキルポリグリコシドに対する無水マレイン酸のモル化学量が、1より多い請求項12の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 発明の分野 本発明は、接着剤、塗布剤及び他の用途に有用な新規なアルキルポリグリコシドマレイン酸エステル類及び対応するコポリマー類に関する。 特に、本発明は、
    再パルプ化可能で接着剤として有用な糖をベース(sugar-based)とするビニルモ ノマー類及びコポリマー類に関する。

    【0002】 発明の背景 多くの使い捨て容器の用途に高分子接着剤及び紙用塗布剤が使用されている。
    塩、砂糖、茶、コーヒー及び瓶のラベル等の製品の包装に多数の接着剤と光沢のある塗布剤が使用されている。 これらの製品の全て及び他の多数の包装材料は、
    その大部分が最後にはゴミ埋立場で都市の固形廃棄物(MSW)ストリームになっている。 紙及び板紙が、MSWストリームの主要構成成分(〜35容量%)となっていて、或る種のストリームと別の堆肥をリサイクルしようとする努がなされている。 これらの大部分のセルロース系包装材料が、堆肥化或いは紙のリサイクル操業に適合すべきである。

    【0003】 バージン繊維のコストが高く、また故紙への要望が高まっているので、汚染された故紙の再利用がますます迫られている。 その結果、再利用できる繊維に故紙を転換するためには汚染物質を除去することが不可欠であって、これが、故紙から再利用できる繊維への収量(率)と総コストに直接関与しているので、リサイクル操業の経済性に影響を与える最も重要な要因の一つになっている。 古新聞紙(ONP)は、最も豊富な使用済み紙繊維源で、再生紙を製造するために最も一般的に使用されている。 ONPからインキを効率よく除去することは、古雑誌( OMG)を約25乃至40%混合するだけで達成することができる。 OMGは粘 土と鉱物粒子を含有していて、これらが浮遊脱インク法によるインキの除去を促進する。 また、OMGの導入により、再生繊維の繊維強度と光沢レベルが向上する。 一方、リサイクル工程においてOMGを配合すると、雑誌を製造するのに使用されている接着剤と塗布剤由来のポリマー残留物の導入を招いてしまう。 環境に資するためにも、紙と板紙用途に使用されている接着剤やその他のポリマー樹脂を再パルプ化して、リサイクル工程の障害にならないようにすべきである。 加えて、それらは生分解性であり、且つ、市場価格と十分競合できるだけのコストと性能特性を備えているべきである。

    【0004】 種々の天然接着剤(澱粉、デキストリン等)と、カルボキシメチルセルロース、澱粉由来アミロース、及びミルク由来カゼイン等の生分解性で且つ接着特性を有している天然物の誘導体とが接着剤用途に使用できることが分かっている。 天然接着剤は包装用途に使用されてはいるが、それらは、主としてその性能の故に合成物に取って代わられ続けてきた。 これらの天然接着剤は生分解性で堆肥化することができるが、溶性なので、紙のリサイクルという点では問題がある。 そのために、天然接着剤は、再パルプ化工程の密閉系水循環回路(ループ)で濃縮されて、乾燥器の初期区画や乾燥器フェルト上に集積される。

    【0005】 それらの処理水を再利用するミルを使用しようとする傾向が高まるにつれて、
    パルプ流から全ての汚染物質をそのままの形で効率よく除去して、水系から完全に除去し、コロイド状不純物の蓄積を防止することが重要になってきている。 この要求に応える好ましい方法は、汚染物質を、工程のできるだけ初期の段階で分離することであるが、このことは、現在使用されているホットメルト型の感圧接着剤製品が固有の粘着性を有しているので、非常に困難になっている。 密閉水循環系において水の消費量を減少(ゼロ排出)させると、分散されていた接着剤が再凝集して、その結果、乾燥機の壁面とポリエステル'線材'、即ち、リサイクル紙を沈着させるフェルト上に、いわゆる”粘着物”として沈着することになる。 これは、極めて高速で発生し、そして、一旦接着剤残留物が沈着し始めると、
    付着が幾何級数的に増え、その結果、ミルの損傷が甚大になって、操作不能になる。

    【0006】 接着剤、及び光沢紙塗布剤、サイズ剤、トナー粒子等に現在使用されている他のポリマー材料に由来する残留物が、”粘着物”を形成するのであるが、これらは、紙リサイクル工程を支障なく操業すること並びにその経済性に関して大きな影響を及ぼすことができる。 現在のところ、遠心クリーニングと微細スクリーニングが粘着物を除去する最良のシステムと見なされているが、これらはコスト高で非効率的である。

    【0007】 市販の接着剤は再パルプ化できることが特徴とされているが、一般に、水溶性の合成接着剤であって、依然として、密閉系ループリサイクルミルにおける粘着物問題の原因になっている。 従って、現在使用されている主要な合成製品の性能とコストに見合った再パルプ化可能な接着剤と塗布剤に対して依然として強い要望がある。 実際に'再パルプ化可能な'ポリマーとは、紙リサイクル工程で”粘着物”として残留せずに、従来から紙リサイクル工場(ミル)で知られている装置を使用して、紙リサイクル工程から定量的に除去できるポリマーのことである。

    【0008】 発明の簡単な要約 本発明の目的は、紙と板紙用途、木材の接着及び他の包装用途に使用される生分解性で再パルプ化可能な接着剤、塗布剤、サイズ剤、トナー、保留助剤、及び関連製品に有用な新規なコポリマー類を提供することである。

    【0009】 本発明のコポリマーは、アルキルポリグリコシドマレイン酸エステルとビニルモノマーとのコポリマーである。 本発明の新規なコポリマーは下記の式で表すことができる:

    【0010】

    【化3】

    【0011】 ここで、Gluは、α−D−グルコース(デキストロース)、フルクトース、マンノース、ガラクト−ス、タロース、グロース、アロース、アルトロース、イドース、アラビノース、キシロース、リキソース、リボース、若しくはそれらの混合物から誘導され、またはデンプン、コーンシロップもしくはマルトデキストリン、マルトース、シュクロース、ラクトース、マルトトリオース、キシロビオース、メリビオース、セロビオ−ス、ラフィノース、スタキオース、レボグルコサン、及び1,6−無水グルコフラノースから成る群からの加水分解によって誘導される糖部分である。 R 1及びR 2はビニルモノマー或いはビニルモノマーの混合物の置換基であり、該ビニルモノマー或いはビニルモノマーの混合物は、ビニルアセテート、エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、及び他のアクリレート類または種々のアクリレートモノマー類の混合物、エチレン、
    1,3−ブタジエン、スチレン、塩化ビニル、ビニルピロリジノン、及び他のビニルモノマー類、またはそれらの混合物から成る群から選択され、RはC1乃至C30アルキルまたはそれらの混合物から成る群から選択され、より好ましくは、C3乃至C8アルキルまたはそれらの混合物であり、R'''はC1乃至C3
    0アルキルもしくはそれらの混合物から成る群から選択され、または水素、好ましくはC8乃至C18アルキルもしくはそれらの混合物、最も好ましくはC12
    乃至C14アルキルまたはそれらの混合物;nは0乃至10の範囲の整数で、その平均値は0.3乃至1の範囲である;従って、<n+1>=1.3乃至2はアルキルポリグリコシドの平均オリゴマー化度に対応している;x及びyは0乃至3または0乃至4の範囲の整数であり、x及びyの最大値の3または4はGlu
    部分上のヒドロキシルの数に等しいが、x及びyの両方が0であることはなく、
    そして、p及びqは0乃至1000の範囲の整数であるが、p及びqの両方が0
    であることはない。 線

    【0012】

    【外1】

    【0013】 は連続するポリマー鎖を示している。

    【0014】 本発明のコポリマーは、紙及び板紙用途、木材接着及びその他包装用途の接着剤、塗布剤、サイズ剤、トナー、保留助剤、及び関連ポリマー樹脂として有用である。

    【0015】 発明の詳細な説明 前記コポリマーはアルキルポリグリコシドマレイン酸エステルと通常のビニルモノマーから製造される。

    【0016】 (糖分子を示す)APGのマレイン酸エステルは重合性二重結合を一個有していて、APG、マレイン酸無水物、及びアルコールの反応によって製造される。
    APGとマレイン酸エステルの製造は下記のように表すことができる:

    【0017】

    【化4】

    【0018】 式中、R''はC1乃至C30アルキル基またはそれらの混合物から成る群から選択され、その他の全ての記号は前記の定義通りである。

    【0019】 上述したように、α−D−グルコースのようなアルドース糖が、先ずアノマーC1炭素位置で、第1アルコール或いは第1アルコール(R−OH)の混合物と反応して、アルキルポリグリコシド(APG)を生成する。 この反応は、好ましくは、公知の方法に従って、濃硫酸のような酸触媒の存在下で行なわれる。 過剰量のアルコールは、減圧蒸留、或いは抽出のような他の物理的分離法によって除去されてもよい。 APGの製造は米国特許第3,839,318号に記載されている。

    【0020】 約55乃至120℃の温度で、無水で且つ均質反応条件下で、APGが無水マレイン酸と反応している時、好ましくはC3乃至C8のアルキル基或いはそれらの混合物を有している第1アルコール或いは第1アルコールの混合物(R'−O
    H)をAPGのための溶媒としてこの工程の間に添加することができる。 アルコールR−OHとR'−OHとが同じ場合は、反応工程で過剰アルコールを部分的に除去するだけで、APGを生ずる。 このR'−OHアルコールは反応性溶媒で、無水マレイン酸と反応すると、直ちに、アルキルマレイン酸モノマーを与える。 従って、このアルコールは、マレイン酸化工程の間溶媒として作用するが、それ自体が、無水マレイン酸と定量的に反応して共重合可能な溶媒/モノマーを生成し、その中にマレイン酸化されたAPGが溶解している。 第1アルコール溶媒の代わりに、好ましくはC1乃至C18アルキル基或いはそれらの混合物、より好ましくはC1乃至C8アルキル基或いはそれらの混合物、最も好ましくはC4
    アルキル基を有するジアルキルマレイン酸エステルを、共重合性溶媒として使用することができる。

    【0021】 マレイン酸化反応に続いて、好ましくはC1乃至C18アルキル基或いはそれらの混合物、より好ましくはC8乃至C18アルキル基或いはそれらの混合物、
    最も好ましくはC12乃至C14アルキル基或いはそれらの混合物を有する第1
    アルコール(R''−OH)或いは第1アルコールの混合物を添加して、残留している未反応無水マレイン酸や、アルキルポリグリコシドマレイン酸及びアルキルマレイン酸が存在している場合はそれらの遊離酸基の一部或いは全部をエステル化することができる。

    【0022】 上記の工程で使用するアルコール類は、糖類を“1”−位置でアルキル化することができるヒドロキシル官能有機化合物である。 このアルコール類は、天然に産生することも、合成することも或いは天然給源から誘導することもできる。

    【0023】 APGに対する無水マレイン酸のモル化学量を1より大きくなるように調整して、ポリマー構造の中に糖分子が組み込まれるようにする。

    【0024】 本発明のコポリマーは、APGのマレイン酸エステルと、ビニルアセテート、
    エチルへキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、及び他のアクリレート類或いは種々のアクリレートモノマー類の混合物、エチレン、1,3−ブタジエン、スチレン、塩化ビニル、ビニルピロリジノン、及び他のビニルモノマー類或いはそれらの混合物のような通常のビニルモノマー類とを反応させることによって製造される。 適当な他のビニルモノマー類としては、ジェー・バンドラップ著、ジョン・ワイリーアンドサンズインコーポレテッド(1989)のPolyme
    r Handbook,第3版、表II/1−11に開示されているものが挙げられる。

    【0025】 ジビニル糖モノマーを使用すると、通常のビニルモノマーと反応してランダムコポリマーが生成される。 コポリマーの中のランダム性は、モノマーの前駆エマルションを使用して、それを重合中の混合物中にゆっくりと添加することによって達成される。 このいわゆる供給不足共重合法は、当業者に周知の方法である。

    【0026】 本発明のコポリマーを製造するためのAPGのマレイン酸エステルとビニルモノマーとの反応は下記のように表すことができる:

    【0027】

    【化5】

    【0028】 本発明のコポリマーは水生分散体で、揮発性有機化合物(VOC)を含まず 、'企図した糖分子'並びに通常のビニルモノマーを含む。 通常のビニルモノマーが、現在市販の合成コポリマー樹脂に共通の企図した柔軟性を付与し、一方、
    '企図した糖分子'が、再パルプ可能である性質と生分解性とを付与する。

    【0029】 APGは、再生可能な資源類、即ち、単糖類、オリゴ糖類、或いは多糖類のような糖類から製造される。 最も好ましい糖は、トウモロコシから誘導されるデキストロース(α−D−グルコース)である。

    【0030】 APGと無水マレイン酸を反応させ、次いでアルコールと反応させて製造されるAPGのマレイン酸エステルは、低コストモノマーで、重合性二重結合を含んでいる。

    【0031】 本発明で使用する最も好ましいAPG類は、4乃至6個の炭素原子を有する低級アルキル基(ブチル乃至ヘキシル)或いはそれらの混合物を含むもので、これらのAPG類は粘稠液体で、溶媒の不存在下でも無水マレイン酸と容易に反応することができるからである。 ブチル乃至ヘキシルポリグリコシド類は粘稠液体で、溶媒の不存在下でも無水マレイン酸と容易に反応することができるので、ブチル乃至ヘキシルポリグリコシド類を使用することは、本発明特有の利点である。

    【0032】 未改質の糖は極性が高く、大部分の有機溶媒或いはモノマーに溶解しないが、
    APGは粘稠液体或いは固体で、有機相に溶解して無水マレイン酸との反応を促進させる。 その融点、即ち約55℃より高温で無水マレイン酸は液体で、APG
    と相溶性がある。 このために、VOC類の一因ともなっている溶媒の使用を避けられる。 加えて、α−D−グルコース、或いは単糖類及び二糖類、オリゴ糖類及び多糖類のような普通の糖類は、通常、かなりの量の水(典型的には8乃至12重量%
    )を含有している。 それに比べて、上述した方法で製造したAPG類の含水率は極めて低い(通常、1重量%未満)。 無水マレイン酸は水で容易に加水分解されて望ましくない副生物としてマレイン酸を生成するので、このことは重要なことである。 従って、APGは、約55℃から120℃までの温度で、且つ、無水均質反応条件下で無水マレイン酸と反応させることができる。

    【0033】 本発明に従って、マレイン酸化工程におけるAPGの溶媒として、好ましくはC4乃至C18のアルキル基或いはそれらの混合物を有する第1アルコール或いは第1アルコールの混合物、或いはジアルキルマレイン酸エステルと組み合わせて、高級アルキル基を有するAPG類を使用することもできる。 反応性で共重合性の溶媒としてのアルコール、或いは共重合性の溶媒としてのジアルキルマレイン酸エステルを添加して高級アルキルAPG類の使用を促進させることは、本発明の別の利点である。

    【0034】 APGに対する無水マレイン酸のモル化学量を1より多くなるように調整して、ポリマー構造の中に糖分子を導入することができる。 無水マレイン酸を使用して、APGエステル/ビニルコポリマー鎖のポリマー構造の中に糖を導入することは、本発明に独特な特徴の一つである。

    【0035】 前記コポリマーは合成ラテックス或いは懸濁コポリマーで、糖をベースとする単位を複数個含有していて、これらがポリマー構造の中に含まれている。 このことは、ガラス基板上のラテックスキャストから製造した乾燥フィルムが透明であることが観察されたことによって裏付けられている。 糖をベースとする単位が二官能性或いは多官能性であることにより、糖単位をコポリマー鎖のポリマー構造中に導入することができる。

    【0036】 糖単位をポリマー鎖の中に含有させることができるので、その結果、生分解され易く、低分子量のフラグメントを生成するコポリマーが形成される。 10乃至30モル%のAPGマレイン酸エステルを使用して、ポリマー鎖の中に十分な生分解性の結合が導入されるならば、これらのコポリマーの初期の生分解によって低分子量のポリオレフィンオリゴマーになり、次いで、この低分子量のポリオレフィンオリゴマーが脂肪族であってその分子量が約1000g/モルより小さければ、この低分子量のポリオレフィンオリゴマー自体が生分解性になる。 本発明によって製造されたコポリマーが生分解性であることの証拠は、AOC
    マレイン酸エステル(10乃至30モル)の量の増加と共に生分解性の程度が増加することを確認した堆肥実験によって実証された。

    【0037】 このコポリマー類は、接着剤として機能する乾燥状態から、紙のリサイクル工程で水中に分散されて湿潤状態になる間に、表面エネルギーが増加するものと考えられるが、何ら限定されるものではない。

    【0038】 前述したように、密閉及び半密閉循環系で処理水の使用が増加するので、紙のリサイクル工程における汚染物質の除去は非常に重要なことである。 従って、処理水の循環が開放系から密閉系に切り替えられる時に、紙のリサイクルミルにおいて(粘着物のような)汚染物質及び溶解している他のコロイド状物質が大いに問題になる。 接着剤粒子は、順方向洗浄及び逆方向洗浄、スクリーニング、及び浮遊法を始めとする種々の方法によって処理水から除去することができる。 汚染物質の粒子の大きさによって、採用すべき除去方法の種類は、ある程度は決定される。

    【0039】

    【表1】

    【0040】 表2は、紙のリサイクルで使用することができる汚染物質を除去する各種の方法に関して、その相対効率を粒子サイズの関数としてまとめたものである。 サイス分布が狭くなるにつれて、紙リサイクル工程の所定の方法による汚染物資の除去効率が高くなっている。 従って、接着剤の製造に当たっては、再パルプ化条件下で紙繊維から脱着し、そして、表2に記載した汚染物質除去方法の一つ或いはその幾つかを組み合わせて粒子を簡単に除去することができる粒子サイズ範囲に分解する(再パルプ装置における剪断条件下で)接着剤を製造することが望ましい。 たとえば、浮遊法で効率的に除去できる接着剤粒子は、疎水性で、そのサイズは、約10乃至70μmの範囲でなければならない。

    【0041】 1乃至25モル%の量のAPGマレイン酸エステルモノマーを使用する場合は、このコポリマー類は、再パルプ化条件下で不粘着性で、紙繊維の上に再沈着しない。 その代わりに、これらのコポリマー類は、紙のリサイクルミルで使用されている代表的な剪断条件下での通常の浮遊法で除去され易い粒子サイズに分解される。

    【0042】 本発明のコポリマーは親水性の糖単位(APGマレイン酸エステル類)と疎水性の合成物質単位(ビニルモノマー)を有していて、水系再パルプ化工程で表面エネルギーを変えることができるので、接着剤残留物を10乃至70μmの範囲の不粘着性の微粒子に剪断することができると考えられるが、何ら限定されない。 その結果、これらの粒子を、続く浮遊脱インク工程の間に機械的に除去することができて、線材、乾燥器フェルト及び表面への沈着は最少になる。 従って、本発明のコポリマーは再パルプ化条件下で不粘着性で、紙繊維の上に再沈着しないで、紙のリサイクルミルに使用されている代表的な剪断条件を設定する浮遊法によって除去され易い粒子サイズに分解される。

    【0043】 例 1ビニルモノマー類とAPGマレイン酸エステルモノマー類を使用して、遊離ラジカル乳化或いは懸濁共重合を行った。 乳化重合は、頭上式機械攪拌器、コンデンサー、モノマー前駆乳化液供給口、熱電対、開始剤溶液供給路、窒素パージ供給路、及び窒素泡立器を取付けた1リットル、4つ頸丸底反応釜の中で行った。
    反応容器に蒸留水を入れ、200rpmで攪拌し、80±1℃に調整された水浴を使用して加熱し、窒素でパージした。 炭酸ナトリウム緩衝液と過硫酸アンモニウム開始剤を水に溶解させて、モノマーの添加が開始される直前の反応器に入れた。 代表的な重合条件の例は表3からわかる。

    【0044】

    【表2】

    【0045】 モノマー前駆エマルション或いはサスペンションは、以下のようにして製造した。 (表3に記載した例番号に対応して)後記の例に製造法を記載したAPGマレイン酸エステルモノマー組成物を、通常のアクリレート及び/又はビニルアセテートモノマーに添加して完全に混合した。 次いで、この混合物を、蒸留水と界面活性剤溶液に、連続して攪拌しながら、ゆっくりと添加して水中油型エマルションを製造した。 モノマー前駆エマルション供給物を500ml、三頸丸底フラスコに入れた。 2個の開口部を窒素パージ入口及び出口として利用し、第3番目の頸にチューブを取り付けて、LMI ミルトンロイ(MiltonRoy)計 量型ポンプで供給物を引き出し、重合用容器に導入した。 全モノマーを供給する時間は2.5時間であった。 供給工程の間、モノマーエマルション或いはサスペンションを電磁攪拌子を使用して絶えず攪拌したところ、相分離は認められなかった。 蒸留水と過硫酸アンモニウムの開始剤溶液を、ハーバードアッパレイタス(Harvard Appratus)シリンジポンプを使用して3.5時間かけて重合用容器に連続して添加した。 モノマー前駆エマルションの添加を開始する直前に、重合用容器に対する窒素パージを停止し、窒素起泡機への出口を閉め、18ゲージの針をゴム隔膜に導入して、モノマー前駆エマルションを添加している間中、重合用容器内を大気圧に維持した。 これによって、窒素ヘッドが完全に維持され、且つ、生成物が反応容器の壁面を被うということが全くなかった。 重合工程の間、サンプル1mLを採取して、時間の関数としてpHと%固形分データを取った。 %
    固形分を、全転換率を示す%転換データに変換して、供給不足条件が達成されていることを確認した。 また、重合反応を通じて、外観、色、におい、粘度、安定性,還流、及び浴及び反応容器温度を記録した。 全ての開始剤を添加してしまってから、ラテックスをさらに4.5時間加熱した。 8時間の重合時間の最後で、
    反応混合物を冷却して、100メッシュフィルターで濾過した。 粒子サイズ分布が100乃至1000nmという狭くて安定なコポリマー生成物を得た。 通常の、石鹸による粒子サイズの変化とモノマーの濃縮を適用した。 代表的なモノマー転換率は95乃至100%であった。

    【0046】 例2: APGのマレイン酸エステルを以下のようにして製造した。 磁気攪拌棒を具備した1Lのエーレンマイヤーフラスコに、185.1gの無水n−ブタノール(
    アルドリッチ社(Aldrich), 99.8%)と、36.1gのn−オクタノール( アルドリッチ社, 99+%)と、2.0gの脱イオン水を添加した。 攪拌した混合物に、1mLのガラスシリンジを使用して、0.184g(100mL)の濃硫酸(JT Baker, 96.6.%)を添加した。 この混合物を、50.0gの無水α−D−グルコース(アルドリッチ社, 96%)が仕込まれた、凹型磁気攪拌棒が取付けてある500mLの三つ頸丸底フラスコに添加した。 このフラスコに熱電対プローブと、乾燥空気取入口と、25mLのバレット(Barrett)受け器 とを取付け、バレット受け器には2本のガラスコンデンサーを取付け、ガス起泡機に接続した。 バレット受け器の濃縮物採取側にはn−ヘプタンを充填し、ガス流通側をコットンウールで被って断熱した。 乾燥モレキュラーシーブとドライアライト(Drierite)を充填した10インチのカラムを通過させた乾燥空気を、この丸底フラスコの液相を通過させた。 このフラスコを、温度調整した油浴を使用して、約95乃至100℃で4時間加熱した。 C1位置にアルキル化を付与するグルコースオリゴマー化反応とアルドール濃縮反応の結果として、約12mLの凝縮水をバレット受け器に採取した。 グルコ−スからAPGへの反応が進行するにつれて、糖粒子の白色サスペンションが消失して、清浄な溶液を得られるまで反応させた。 このことによって、APGがアルコールに溶解していることが証明された。 生成されたAPG溶液は無色であったが、このことはフルフラール類のような着色副生成物の生成が最少量であったことを示している。

    【0047】 APG溶液を、水酸化ナトリウムの脱イオン水溶液(7.30g/100mL
    )の2.0mLで中和した。 過剰量のブタノールを、70乃至105℃、Hg2
    2乃至25インチの減圧蒸留により除去した。 蒸留物を、500MHz、 1 H核 磁気共鳴(NMR)分光分析によって分析した結果、検出可能量のオクタノールは蒸留されていなかったことが分かった。 500MHz、 1 HNMRによって、 APGのオリゴマー化度DP nは1.65であったことが確認された。

    【0048】 加熱テープで被覆した100mL添加漏斗に、71.35gの無水マレイン酸(シグマ社(Sigma), 99+%)を添加し、熱電対を挿入して、漏斗を60乃至 85℃に加熱して、無水マレイン酸粉末を全て融解させた。 初期温度が約100
    ℃のAPG/オクタノール混合物に液体無水マレイン酸を約10分間かけて添加したところ、約120℃にまで発熱した。 1時間後、反応系を50℃に冷却して、162.8gのn−ヘキサノール(アルドリッチ社, 98%)と約50gの乾燥モレキュラーシーブを添加して、遊離マレイン酸基をエステル化した。 エステル化反応を約120℃で12時間進行させた。 反応生成物を冷却し、2つの等量の分画に分け、一方の分画に0.64gのチタンをベースとするエステル化触媒である"TYZOR" TBT チタネート(Titanate)(デュポンケミカル社(Du Pont Chemi
    cals))を添加し、混合物を再加熱し、更に12時間反応させた。 回転蒸発器を 使用して過剰量のヘキサノールを除去した。 サンプルを採取してNMR及び薄層クロマトグラフィーで分析した結果、各反応段階で、APGと、APG−マレイン酸/オクチルマレイン酸混合物と、APG−マレイン酸/オクチルマレイン酸エステル生成物とが生成されていることが確認された。 シリカゲル(アルドリッチ社,グレード923、100−200メッシュ)カラムクロマトグラフィーを 使用して溶出させた基本分画を500MHz、 1 HNMRで分析した結果、AP G−マレイン酸エステル生成物が生成されていることが更に確認された。 APG
    −マレイン酸/オクチルマレイン酸混合物のpHは約1.8であったが、エステル化触媒を使用しないで調製した場合とその存在下で調製した場合の2つの分画についてAPG−マレイン酸/オクチルマレイン酸エステル生成物のpHは、各々、6.3と6.8であった。

    【0049】 例 3例2に記載した手順に従った。 APGの形成のための反応時間は3時間20分であった。 APGのDP nは1.67であったと見積もられた。 71.35gで はなくて75.90gの無水マレイン酸と、エステル化段階ではnーヘキサノールの代わりに200.0gの無水n−ブタノールを使用した。 0.75gの"TYZ
    OR"TBT触媒と、モレュラーシーブの代わりに89gの乾燥塩基性アルミナを使用した。回転蒸発器を使用して過剰量のブタノールを除去した。サンプルを採取して、NMR及び薄層クロマトグラフィーで分析した結果、APGと、APG−マレイン酸/オクチルマレイン酸混合物と、それらの部分エステル化生成物とが生成されていることを確認した。APG−マレイン酸/オクチルマレイン酸混合物のpHは約1.8であったが、最終生成物のpHは2.6であった。

    【0050】 例4: APGのマレイン酸エステルを以下のようにして製造した。 磁気攪拌棒を具備した1Lのエーレンマイヤーフラスコに、411.4gのn−ブタノール(Mall
    inckrodt;99.7%、0.03%H 2 O)を添加し、攪拌したこの混合物に、1m
    Lのガラスシリンジを使用して0.368g(200mL)の濃硫酸(JT Bak
    er, 96.6. %)を添加した。 この混合物を、111.3gのα−D−グルコース(8.8%の水を含有)を仕込んだ、凹型磁気攪拌棒が取付けてある1Lの三つ頸丸底フラスコに添加した。 例2に記載したように、このフラスコに熱電対と、乾燥空気取入口と、バレット受け器と、2本のガラスコンデンサーを取付けた。 このフラスコを、約95乃至102℃で3時間25分加熱した。 約18mL
    の凝縮水をバレット受け器に採取した。 グルコースからAPGへ反応が進行するにつれて、糖粒子の白色サスペンションが消失して、清浄な溶液が得られた。 生成されたAPG溶液は無色であった。 APG溶液を、水酸化ナトリウムの脱イオン水溶液(29.2g/100mL)の1.0mLで中和した。 500MHz、 1 HNMRによって、APGのDP nは1.59であることを確認した。 APGブタノール溶液に、77.5gのジブチルマレエート(アルドリッチ社, 99.7
    %)を添加した。 過剰量のブタノールを、75乃至105℃、Hg26乃至29
    インチで減圧蒸留により除去した。 APGは、約95℃より高い温度でジブチルマレエートに溶解した。 蒸留物を1 HNMRで分析した結果、検出可能な量のジ ブチルマレエートが蒸留されなかったことが確認された。

    【0051】 加熱テープで被覆した250mL添加漏斗に、110.24gの無水マレイン酸(シグマ社, 99+%)を添加し、熱電対を挿入して、漏斗を60乃至85℃
    に加熱して、無水マレイン酸粉末を全て融解させた。 初期温度が約106℃のA
    PG/ジブチルマレエート混合物に液体無水マレイン酸を約13分間かけて添加したところ、約120℃にまで発熱した。 全反応時間は4時間であった。 サンプルを採取してNMR及び薄層クロマトグラフィーで分析した結果、APGが生成されていること、各反応段階で、APGがマレイン酸化APGに完全に転換されていたことが確認された。

    【0052】 例 5: 411.6gのn−ブタノール(アルドリッチ社, 無水、99.8%)と、追加水2.0gと、100.24gの無水α−D−グルコースを使用して例4に示した手順に従って行った。 APG反応時間は3時間であった。 APGのDP nは 1.66であることを確認した。 アルコールが蒸留する前にはジブチルマレエートを添加しなかった。 過剰量のブタノールを除去した後で、粘稠液体のブチルグリコシドが生成された。 マレイン酸化反応を起こすために、109.89gの無水マレイン酸を用いて、これを1分未満で添加して、攪拌を早めた。 反応開始時の反応温度は77℃であったが、約117℃にまで発熱したことが観察された。
    全反応時間は4時間であった。 サンプルを採取してNMRと薄層クロマトグラフィーで分析した結果、APGが生成されていることと、各反応段階で、APGがマレイン酸化APGに完全に転換されていたことが確認された。

    【0053】 例 6: 411.8gのn−ブタノール(アルドリッチ社, 無水、99.8%)と、追加水2.0gと、100.02gの無水α−D−グルコースを使用して例5に示した手順に従った。 APG反応時間は3時間であった。 APGのDP nは1.6 4であることを確認した。 マレイン酸化反応を起こすために、108.58gの無水マレイン酸を使用した。

    【0054】 例 7: 411.4gのn−ブタノール(アルドリッチ社, 無水、99.8%)と、追加水2.0gと、100.1gの無水α−D−グルコースを使用して例5に示した手順に従った。 APG反応時間は3時間であった。 マレイン酸化反応を起こすために、109.0gの無水マレイン酸を使用した。 マレイン酸化の反応時間は2時間であった。 マレイン酸化反応に続いて、中間生成物を三分割して、それらに、6、23、及び76%のNEODOL R23(C 12 −C 13のアルコール類の混合物、 シェルケミカル社(Shell Chemical Co.), 平均MW=193)と50gの乾燥塩基性アルミナを添加して、23及び76%のNEODOLを添加した分画に対して120
    ℃でエステル化反応を起こした。 6%のNEODOLを添加した分画の反応時間は約4
    時間、他の二つの分画の反応時間は約15時間であった。

    【0055】 例 8:本発明の新規なコポリマーは、再パルプ化条件で不粘稠性で、紙繊維の上に再沈着せず、紙のリサイクルミルで使用されている代表的な剪断条件下での浮遊法により除去され易い粒子サイズに分解される。

    【0056】 ここに提供されるコポリマーの独特の再パルプ化性能を説明するため、以下の手順で試験を行った。 1Lの苛性アルカリ溶液(NaOH, pH=10)に、4乃至5g の乾燥接着剤ポリマーフィルムを添加し、この混合物を、火格子が取り付けてあるWaring Blenderを使用して、65℃で5分間混合した。 発泡物及び液相からサンプルを採取し、倍率100倍及び1000倍の位相差顕微鏡下で検査した。 泡の検査の結果、この泡は、サイズが10乃至70μmの範囲の接着剤粒子に多いことが分かった。 これは、液相と発泡相の間の接着剤粒子の物質移動を検査する便利な方法、当業者に周知の浮遊脱インク法として役に立つものであった。 本発明で提供される種々の接着剤組成物の両方の倍率の顕微鏡写真を撮って、
    それらの性能を、糖をベースとするビニルモノマーを含有していない対照接着剤組成物と比較したが、その結果を表4に記載する。

    【0057】

    【表3】

    【0058】 サンプル番号3(表4)は本発明のモノマーを用いて製造した感圧接着剤の一例であるが、その液相の顕微鏡写真(100倍)は、直径が20乃至200μm
    の範囲の粒子を示した。 対照実験では、糖ベースのモノマーを含有していない類似の組成物の感圧接着剤を使用して、同じ方法で乾燥接着剤フィルムを処理した(サンプル番号1,表4)。 サンプル番号3とは対照的に、サンプル番号1の乾燥接着剤フィルムは、ブレンダー中で粘着性となり、この対照サンプルの場合、
    100倍或いは1000倍のいずれの顕微鏡下でも小さな粒子は観察されなかった。 これらの結果は、APGマレイン酸エステルモノマーを使用して共重合された 接着剤が、ブレンダーの中で発生する剪断力によって粒子に分解され易いことを実証する。

    【0059】 非感圧接着剤(サンプル番号4)の場合も同じような結果が観察された。 このコポリマーもやはり、10乃至100μmの範囲の小粒子に剪断された。 非感圧接着剤対照(サンプル番号2)は100μmより大きい粒子に剪断された。 この範囲の大きさは、本発明のコポリマーを使用したサンプル番号3及び4で観察された範囲に比べて極めて大きい。

    【0060】 例8の結果から、本発明のコポリマーを含有する純粋な感圧或いは非感圧接着剤樹脂が、紙繊維が存在しない場合でさえ、ブレンダーの中で小さな粒子に分解されるという独特の性能を有していることが示されている。

    【0061】 例 9: 再パルプ化のモデル実験を行って、かかる接着剤が紙塗布剤として存在する場合の、紙リサイクルミルで見られる条件をより良くシミュレートした。 このモデル実験は、紙繊維の存在下で、かかる接着剤残留物の最終状態を特徴付けるものである。 かかる接着剤がクラフト紙の塗布剤として存在するように、例8の変形を行って、モデル再パルプ化実験に対する剪断条件の効果を試験した。

    【0062】 実験条件は以下の通りであった:4.0gの湿潤接着剤(ラテックス)(サンプル番号3)を、1枚の吸取紙(15g)に塗布した。 この供試片を一晩中乾燥させ、次いで、1.5cm×1.5cm平方に裁断した。 この正方形の紙を50
    0mLの水に入れ、NaOHでpHを10に調整し、Waring Blender内で65℃で5
    分間混合した。 生成されたパルプスラリーを、100倍と1000倍の位相差顕微鏡で観察した。 接着剤粒子の大きさは3乃至30μmの範囲であることが分かった。 このことから、クラフト繊維が存在しない場合の再パルプ化実験における粒子の大きさの範囲と比較すると、より小さな粒子サイズへ移動していることが分かる。 この理由は、パルプ繊維が存在する場合には、ブレンダー内で発生する効果的な剪断力が増加するからである。

    【0063】 発泡層或いは液層から採取したサンプルの場合、接着剤粒子が起泡機の縁に接着していることが観察された。 このことは規定通りの手順に従って観察されて、
    接着剤粒子が本来比較的疎水性であるということを証明する。 当業者に周知の如く、疎水性であることは、粒子を気泡上に物理吸着するのに必要な基本的要件である。

    【0064】 これらの結果は、本発明のコポリマーを含有する接着剤が、ブレンダー内で発生する剪断力によって分解されるということ、及び接着剤残留物のサイズ分布が、浮遊法によって容易に除去される範囲にあるということを証明している。

    【0065】 本発明の生成物は、農業資源を利用し、環境を損なわない方法で農業資源に還元される新規な糖をベースとするコポリマーを提供する。 本発明は環境に融和する新規なポリマー材料を提供する。 このことは、ポリマー物質で、しかも適切な処理条件下で分解される再パルプ化可能で且つ生分解性の材料を設計し、これを実施することによって達成された。 従って、本発明のコポリマーは、紙のリサイクル工程で剪断されて小粒子になるので、紙のリサイクルを促進する。 このことによって、紙のリサイクル工場の浮遊脱インク装置を介して処理水から接着剤残留物を除去することができる。 一方、使い捨て包装用途の場合は、これらの糖をベースとするビニルコポリマーが、堆肥化条件下で微生物によって分解吸収され、生分解性廃棄物を堆肥に転換するのに役立つ。

    【0066】 本発明を説明的な方法で記載したが、使用した技術用語は、何ら限定されることなく、まさしく記載した通りの意義であると意図されていると理解されるべきである。

    【0067】 本発明は、上述した教示に鑑みれば、多くの改良及び変形が可能である。 従って、特に断らない限り、本発明は添付の特許請求の範囲の範囲内で実施することができると理解されるべきである。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ラマニ ナラヤン アメリカ合衆国 ミシガン州 48864 オ ケモス コニファー 4275

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