溶媒フリーのシェラックコーティング組成物

申请号 JP2017536787 申请日 2016-01-07 公开(公告)号 JP2018508608A 公开(公告)日 2018-03-29
申请人 マントローズ−ハウザー カンパニー, インコーポレイテッド; 发明人 フォンテーヌ, ケイティ エル.; マクウィーニー, マーガレット; サントス, スティーブン エー.; チョン, ビン; ポティエ, ポール ジェイ.;
摘要 基質上にシェラックコーティングを生成するためのシェラックコーティング組成物は、 脂肪酸 成分、シェラックおよびほとんどまたは全く揮発性のないキャリア液体を含む。上記脂肪酸は、溶融した場合に、上記シェラックの重合を阻害するので、上記組成物は、単純な加熱によってコーティング目的のために液体状態へと変換され得、それによって、揮発性のキャリア液体の必要性を排除し得る。基質上にコーティングを生成するためのシェラックコーティング組成物であって、該シェラックコーティング組成物は、脂肪酸成分およびシェラックを含み、ここで該脂肪酸成分対 該シェラックの重量比は、5:95〜95:5であり、さらにここで該コーティング組成物は、25℃において0.02気圧(15.9トル)より高い平衡蒸気圧を有する10重量%以下の揮発性のキャリア液体を含む、シェラックコーティング組成物。
权利要求

基質上にコーティングを生成するためのシェラックコーティング組成物であって、該シェラックコーティング組成物は、脂肪酸成分およびシェラックを含み、ここで該脂肪酸成分 対 該シェラックの重量比は、5:95〜95:5であり、さらにここで該コーティング組成物は、25℃において0.02気圧(15.9トル)より高い平衡蒸気圧を有する10重量%以下の揮発性のキャリア液体を含む、シェラックコーティング組成物。前記脂肪酸成分 対 前記シェラックの重量比は、5:95〜50:50である、請求項1に記載のシェラックコーティング組成物。前記シェラックコーティング組成物は、5重量%以下の揮発性のキャリア液体を含む、請求項2に記載のシェラックコーティング組成物。前記脂肪酸成分は、遊離脂肪酸、脂肪酸と8個以下の炭素原子を含むモノアルコールもしくはジアルコールとのエステル、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸リン脂質、脂肪アルコールおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のシェラックコーティング組成物。前記脂肪酸成分は、遊離脂肪酸、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項4に記載のシェラックコーティング組成物。前記脂肪酸成分は、遊離脂肪酸である、請求項5に記載のシェラックコーティング組成物。前記脂肪酸成分は、オレイン酸、ステアリン酸およびパルミチン酸からなる群より選択される、請求項6に記載のシェラックコーティング組成物。前記シェラックコーティング組成物は、室温において粘性の液体または半固体のペーストの状態にある、請求項1に記載のシェラックコーティング組成物。前記シェラックコーティング組成物は、室温において固体状態にあり、さらに該シェラックコーティング組成物は、40℃〜120℃の軟化点を有する、請求項1に記載のシェラックコーティング組成物。前記シェラックコーティング組成物は、60℃〜90℃の軟化点を有する、請求項9に記載のシェラックコーティング組成物。前記シェラックコーティング組成物は、脂肪酸成分以外のシェラック可塑剤、脂肪酸成分以外のシェラック重合抑制剤、脱粘着剤、着色剤、共フィルム形成剤、矯味矯臭剤、および保存剤からなる群より選択される1もしくはこれより多くのさらなる成分を含む、請求項1に記載のシェラックコーティング組成物。前記シェラックコーティング組成物は、該コーティング組成物によって生成されるコーティングが食品適合性であるように選択される、請求項1に記載のシェラックコーティング組成物。基質上にシェラックコーティングを提供するためのプロセスであって、該基質に請求項1に記載のコーティング組成物を適用する工程を包含するプロセス。前記シェラックコーティング組成物における前記脂肪酸成分 対 前記シェラックの重量比は、5:95〜50:50である、請求項13に記載のプロセス。前記シェラックコーティング組成物は、5重量%以下の揮発性のキャリア液体を含む、請求項13に記載のプロセス。前記脂肪酸成分は、遊離脂肪酸、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項13に記載のプロセス。前記脂肪酸成分は、遊離脂肪酸である、請求項16に記載のプロセス。前記シェラックコーティング組成物は、室温において粘性の液体または半固体のペーストの状態にある、請求項13に記載のプロセス。前記シェラックコーティング組成物は、室温において固体状態にあり、さらに該シェラックコーティング組成物は、40℃〜120℃の軟化点を有する、請求項13に記載のプロセス。前記シェラックコーティング組成物は、噴霧、浸漬、被覆、キャスティング、押し出しコーティング、パンコーティングおよびローラーコーティングのうちの少なくとも1つによって前記基質に適用される、請求項13に記載のプロセス。請求項13のプロセスによって作製される、コーティングされた物品。前記基質は、ベーカリー製品である、請求項21に記載のコーティングされた物品。前記基質は、アイスクリームコーンまたはワッフルである、請求項22に記載のコーティングされた物品。

说明书全文

(関連出願への相互参照) 本出願は、「SOLVENT−FREE SHELLAC COATING COMPOSITION」と題し、そして2015年1月15日に出願された米国仮特許出願番号第62/103,660号、および「SOLVENT−FREE SHELLAC COATING COMPOSITION」と題し、そして2015年11月23日に出願された仮出願でない米国特許出願番号第14/948,636号に基づく優先権および利益を主張しており、これらの両方の出願の全体の開示は、参考として本明細書中に援用される。

(背景) シェラックは、種々の製品(食品製品が挙げられる)のためのコーティングとして長年にわたって使用されてきた。例えば、シェラックは、長年にわたって、菓子(例えば、チョコレートで覆われたレーズン、チョコレートで覆われたナッツ、ガムボール、ゼリービーンズなど)のつや出し剤として使用されてきた。さらに、シェラックはまた、長年にわたって、ビタミン、錠剤、種々の持続放出調製物(time−release preparations)、および種々の果物(例えば、リンゴなど)の保護コーティングおよびつや出し(全体および一部の両方)として使用されてきた。さらに、多くの特許および他の刊行物は、シェラックを種々の異なる食品製品(ドーナッツが挙げられる)のつや出し剤として使用することを記載している。例えば、米国特許第6,869,628号の背景の節およびU.S.2004/0096548の段落[0006]を参照のこと。 シェラックは、溶融したときに容易に重合するので、実際問題としては、溶融した形態で基質をコーティングするために使用されてこなかった。むしろ、シェラックを適切な揮発性のキャリア液体中に溶解または分散させて、有効なコーティング組成物として機能するために十分液体である(すなわち、十分流動する)シェラックコーティング組成物を生成することは、必須であった。

米国特許第6,869,628号明細書

米国特許出願公開第2004/0096548明細書

(発明の要旨) 本発明によれば、溶融したときのシェラックの重合が、シェラックと、少ないとはいえ適切な量の脂肪酸とを合わせることによって阻害され得ることが見出された。結果として、新たなシェラックコーティング組成物が提供され、この組成物は、最小限の、および好ましくは揮発性のキャリア液体を全く含まないという意味において溶媒を含まず(溶媒フリー)、これら組成物の単純な加熱が、これら組成物を十分に液体にして、有効なコーティング組成物として働くことを見出した。

従って、本発明は、基質上にシェラックコーティングを生成するためのシェラックコーティング組成物を提供し、上記シェラックコーティング組成物は、脂肪酸成分およびシェラックを含み、ここで上記脂肪酸成分 対 上記シェラックの重量比は、5:95〜95:5であり、そしてさらに上記コーティング組成物は、25℃において0.02気圧(15.9トル)より高い平衡蒸気圧を有する揮発性のキャリア液体の10重量%以下を含む。

さらに、本発明はまた、シェラックコーティングを基質上に提供するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、このコーティング組成物を上記基質に適用する工程を包含する。

(詳細な説明) (定義) 本開示の目的のために、「コーティング組成物」は、基質上にコーティングを形成するために使用され得る組成物をいうが、基質上のコーティングの形態に既にある組成物を排除する。よって、例えば、コーティング組成物は、例えば、完成したコーティングを形成するために、基質上に注がれるかもしくは噴霧され得るコーティング液体の形態にあり得る。さらに、コーティング組成物はまた、固体(例えば、粉末、粗い顆粒、フレークまたはさらには大きな固体ブロック)の形態にあり得、これらは、このようなコーティング液体を形成するために溶融され得る。しかし、本開示の目的のために、「コーティング組成物」は、このようなコーティング液体によって生成されるコーティングをいうのではないと理解される。よって、例えば、基質上でキャストされ、かつその基質上に残っているフィルムは、本開示の状況では「コーティング組成物」ではない。なぜならそれは、完成したコーティングの形態であるからである。しかし、その同じフィルムがその基質から除去される場合、それは、新たなコーティングを、例えば、融解などによって形成するために少なくとも使用され得るのであれば、「コーティング組成物」と見做される。

また、コーティング組成物に言及して「液体」とは、上記コーティング組成物が、平な基質上に置かれかつ静置された後に、その基質上に連続して密着したコーティングを形成するように、十分に低い粘性を有することを意味する。また、本開示の状況で「連続」しているコーティングとは、不連続の塊または領域の形態で基質上に存在するのではなく、むしろ融合した塊として存在するコーティングを意味する。さらに、本開示の状況において「密着」したコーティングとは、穴およびピンホールのないコーティングを意味する。

(シェラック樹脂) シェラックは、メスのラックカイガラムシの分泌物から得られる、天然に存在する熱可塑性樹脂である。シェラックは、特性の顕著な組み合わせを示し、これは、シェラックを理想的なバリアコーティングにし、これら特性としては、酸素、水蒸気、CO2、エチレンおよび種々の臭気への透過性の低さ、低い脂質溶解性、優れた色および優れた透明性が挙げられる。その主成分は、アロイリット酸およびシェロール酸である。

商業的には、シェラックは、2つの異なるタイプにおいて入手可能である(漂白シェラックおよびオレンジシェラック)。さらに、これらシェラックはともに、精製(すなわち、脱ワックス済み)バージョンおよび未精製(通常)バージョンにおいて入手可能である。さらに、シェラックのこれら4種の異なるバラエティーの各々は、異なる物理的形態、例えば、固体フレーク、ならびに水性および/またはアルコール溶液において入手可能である。さらに、これら異なるバラエティーのうちのいくつかはまた、異なるグレードで入手可能である。例えば、脱ワックス済みオレンジシェラックは、黄色から赤色までの範囲に及ぶ種々の異なるグレードで入手可能である。

シェラックは、シードラック(昆虫分泌物)からくずを除去し、次いで、このシードラックをさらに加工処理して、所望の生成物を得ることによって、シードラックから得られる。米国特許第6,348,217号(その開示全体は、本明細書に参考として援用される)に記載されるように、漂白シェラックは、シードラックを水性アルカリ物質中で溶解し、次いで、漂白剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)を添加することによって作製される。そのようにして得られる生成物は、次いで、沈殿および乾燥させて、通常の漂白シェラックを生じる。あるいは、その溶解された漂白シェラックは、公知の技術によって精製されて、そのワックス含有物を除去し得、その後、沈殿および乾燥させ、それによって、脱ワックス済み漂白シェラックを生じる。対照的に、通常のオレンジシェラックは、シードラックを融解し、その不溶物をふるいにかけ、次いで、固化させ、そのようにして得られた生成物をフレーク状にすることによって作製される。それに対して、脱ワックス済みオレンジシェラックは、シードラックをアルコールに溶解し、その不溶物を濾し、ワックス状粒子を濾過して除き、そのようにして得られた溶液を、活性炭を通過させて、固化およびフレーク状にする前に脱色することによって作製される。

これら異なる形態のシェラックは、幾分異なる融解点を有する。不運なことに、シェラックのこれら形態のうちの全ては、それらの融解点を超えて加熱される場合には、容易に重合する。従って、コーティング組成物をシェラックから生成する場合に、揮発性のキャリア液体中にシェラックを溶解または分散させることは必須である。この目的のために使用され得る適切なキャリア液体の例としては、水、種々のアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、種々のケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、種々のグリコール(例えば、プロピレングリコールなど)、種々のグリコールエーテル、種々のエステル(例えば、酢酸エチル)などが挙げられる。概して、これら揮発性のキャリア液体は、0.02気圧(15.9トル)より高い平衡蒸気圧を有する。例えば、25℃における水の代表的平衡蒸気圧は、0.03気圧(22.8トル)であり、25℃でのエチルアルコールの代表的平衡蒸気圧は、0.077気圧(58.5トル)であり、25℃での2−プロパノールの代表的平衡蒸気圧は、0.059気圧(44.8トル)である。

本発明によれば、このような揮発性のキャリア液体を使用することは回避される。なぜならそれらの融解点を超えて加熱される場合のシェラックの全ての市販の形態およびグレードの重合は、以下でさらに考察されるように、シェラックと脂肪酸成分とをブレンドすることによって阻害され得ることが見出されたからである。このことは、これら揮発性のキャリア液体に感受性であるコーティング基質と関連して特に重要である。なぜなら上記基質とこれらキャリア液体との接触が完全に回避され得るからである。このような基質の例としては、ベーカリー製品(例えば、ビスケット、クッキー、ウエハース、ワッフルおよびアイスクリームコーン)、ならびに種々の水感受性乾燥製品(例えば、穀粉、穀物、種子およびある種のナッツ)が挙げられる。

これは、揮発性の有機化合物の使用を排除するという点でも重要である。従来のシェラックコーティング組成物を作製するために通常使用されるエタノールおよび他の有機液体は、可燃性が高く、関連の連邦法・規則および州法・規則の下で、揮発性有機化合物(VOC)として分類される。従って、そのキャリア液体としてこれらVOCのうちの1もしくはこれより多くで製剤化されたシェラックコーティング組成物を使用する場合には、かなりの配慮および費用を負わなければならない。これらの問題は、本発明によって完全に回避され得る。なぜならこれらVOCは、完全に不要であるからである。

本発明のシェラックコーティング組成物のさらに別の重要な特徴は、これら組成物が生成するシェラックコーティングが「かぶり」に高い耐性があることである。当該分野で認識されるように、従来のシェラックコーティング組成物から作製されたシェラックコーティングが水に曝される場合、それらはしばしば、「かぶり」として当該分野で公知の重大な白っぽい濁りを発生させる。この問題は、本発明によれば本質的に回避される。なぜなら本発明のシェラックコーティング組成物によって生成されるシェラックコーティングは、このかぶりという現象に十分に耐性があるからである。

(脂肪酸成分) 脂肪酸は、その炭素鎖が4〜28個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸である。脂肪酸は、飽和されていてもよいし、1個、2個、3個、4個またはこれより多くのエチレン性不飽和基で不飽和であってもよい。脂肪族テールが6個より少ない炭素原子を含む脂肪酸は、一般に、短鎖脂肪酸(SCFA)と見做される。脂肪族テールが6〜12個の炭素原子を含む脂肪酸は、一般に、中鎖脂肪酸(MCFA)と見做される。脂肪族テールが13〜21個の炭素原子を含む脂肪酸は、一般に、長鎖脂肪酸(LCFA)と見做される。脂肪族テールが22個またはこれより多くの炭素原子を含む脂肪酸は、一般に、超長鎖脂肪酸(VLCFA)と見做される。大部分の天然に存在する脂肪酸は、偶数の炭素原子を有する。全てのこのような脂肪酸は、本発明のシェラックコーティング組成物の脂肪酸成分として使用され得る。

上記の「遊離」脂肪酸に加えて、多くの脂肪酸誘導体がまた、この目的のために使用され得る。例としては、このような遊離脂肪酸と、8個以下の炭素原子を含むモノアルコールまたはジアルコールとのエステル、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸リン脂質、脂肪アルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。遊離脂肪酸とモノアルコールまたはジアルコールとのエステル、ならびに脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドは、興味深い一方で、遊離脂肪酸、および特に、オレイン酸、ステアリン酸およびパルミチン酸は、特に興味深い。

産業界で十分に理解されているとおり、これら遊離脂肪酸およびアナログは、多くの異なるグレード(例えば、食品グレード、工業グレードなど)で入手可能である。これら異なるグレードの全てが、本発明において使用され得、特定の適用のために選択された特定のグレードが、その適用に適用可能な法規を遵守することは、当然のことながら望ましい。

(さらなる成分) シェラックおよび脂肪酸成分に加えて、本発明のシェラックコーティング組成物はまた、これらコーティング組成物の特性、ならびにこれら組成物が生成するコーティングを改善するためにさらなる成分を含み得る。

例えば、本発明のシェラックコーティング組成物は、シェラックの重合を遅らせるのを助けるために、重合抑制剤を含み得る。重合抑制剤の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび酢酸カリウムが挙げられる。

さらに、本発明のシェラックコーティング組成物は、有機物起源(すなわち、植物または動物起源)共フィルム形成剤を含み得る。例としては、以下が挙げられる:ある種の微結晶性セルロース;ワックス(例えば、パラフィンワックス、カルナウバ蝋、蜜蝋、キャンデリラ蝋(candelila wax)およびポリエチレンワックス;種々の天然に存在する樹脂(例えば、木製樹脂(wood resin));およびクマロン−インデン;ならびに種々のタンパク質(トウモロコシ由来ゼイン(a−ゼイン、b−ゼインおよび/またはv−ゼイン)、コムギグルテン、ダイズタンパク質、ラッカセイタンパク質、ケラチン、コラーゲン、ゼラチン、ミルクタンパク質(カゼイン)およびホエイタンパク質が挙げられる)。

本発明のシェラックコーティング組成物はまた、上記の水蒸気耐性特性を示さない有機物起源のフィルム形成材料を含むフィルム形成剤の他のタイプを含み得る。例としては、微結晶性セルロース;デンプンおよび誘導体(例えば、生デンプン、加工デンプン、α化デンプン、デキストリン、マルトデキストリンコーンシロップスクロース(maltodextrin corn syrup sucrose)、デキストロース/フルクトースならびに糖ポリオール);押し出しガム(extrudate gum)(例えば、アラビアガム、ガティガム、カラヤガムおよびトラガカントガム);種子ガム(例えば、グアールガムおよびローカストビーンガム);生物発酵ガム(例えば、キサンタン、ゲランガム(gallan gum)およびキトサン);海藻抽出物(例えば、アガー、アルギネート、カラギーナンおよびファーセレラン(furcellaran);ならびにペクチンが挙げられる。

本発明のシェラックコーティング組成物はまた、脂質以外の可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)など);着色剤(例えば、有機顔料および無機顔料)、染料および他の天然に存在する着色剤;矯味矯臭剤および保存剤を含み得る。

粉末形態にある場合に、基質へのそれらの適用を補助するために、本発明のシェラックコーティング組成物はまた、従来の流動コントロール剤(例えば、シリケート、ステアレートなど)を含み得る。

これら種々のさらなる成分の混合物は、当然のことながら、使用され得る。

(製造法) 本発明のシェラックコーティング組成物は、脂肪酸成分をシェラックの融解点より高く加熱し、次いで、上記脂肪酸成分にシェラックを(好ましくは粉砕した固体の形態にあり、そして好ましくは少しずつ)連続して加熱しながら添加し、均一なブレンドが得られるまで混合することによって、容易に作製され得る。任意のさらなる成分が、この時点で好ましくは添加されるが、それらは、望ましい場合には、より早く添加されてもよい。

本発明のシェラックコーティング組成物が、押し出しコーティングによって基質に適用されることを意図される場合、それが作製され得る別の方法は、その成分を一緒に、押し出し機に供給するために使用される共通供給ホッパーの中で合わせることによるか、または代わりに、これら成分を別個の供給ホッパーによって押し出し機に供給する(これらの成分は、融解し、これら物質をコーティングされる上記基質の上に置かれるときに押し出し機の内部で一緒にブレンドされる)ことによる。

(成分の割合および特性) 本発明のシェラックコーティング組成物中のシェラックおよび脂肪酸成分の相対量は、広く変動し得、本質的には、任意の量が使用され得る。通常は、脂肪酸成分 対 シェラックの重量比は、5:95〜95:5の間である。これらの広い限界内では、脂肪酸成分およびシェラックの合わせた量に基づいて、80重量%以下の脂肪酸成分を含むシェラックコーティング組成物が興味深く、同じ基準で65重量%以下の脂肪酸成分、50重量%以下の脂肪酸成分、45重量%以下の脂肪酸成分、40重量%以下の脂肪酸成分、35重量%以下の脂肪酸成分およびさらには30重量%以下の脂肪酸成分を含むそれら組成物は、より興味深い。通常は、脂肪酸成分 対 シェラックの重量比は、10:90〜50:50の間である。

さらなる成分が本発明のシェラックコーティング組成物中に含まれる場合、本発明のシェラックコーティング組成物中のこれらさらなる成分の合計量(濃度)は、コーティング組成物全体の重量に基づいて、望ましくは25重量%以下である。より望ましくは、本発明のシェラックコーティング組成物中のこれらさらなる成分の合計量(濃度)は、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下またはさらには0.5重量%以下である。

上記で示されるように、本発明のシェラックコーティング組成物は、25℃において0.02気圧(15.9トル)より高い平衡蒸気圧を有する揮発性のキャリア液体を含まないか、または本質的に含まないかのいずれかである。従って、本発明のシェラックコーティング組成物は、水(25℃において0.03気圧/23.8トルの蒸気圧)、エチルアルコール(25℃において0.077気圧/59トルの蒸気圧)および2−プロパノール(25℃において0.059気圧/45トルの蒸気圧)を含まないか、または本質的に含まないかのいずれかである。この状況において「本質的に含まない」とは、本発明のシェラックコーティング組成物が、10重量%以下の上記揮発性のキャリア液体を含むことを意味する。しかし、より一般的には、本発明のシェラックコーティング組成物は、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、またはさらには0.1重量%以下のこのような揮発性のキャリア液体を含む。にもかかわらず、上記組成物をこれらが含むシェラック成分の融解点より高く加熱することによって、上記組成物はコーティング目的のために液体状態へと容易に変換され得る。

先に示されるように、本発明によれば、本発明のシェラックコーティング組成物の脂肪酸成分が重合インヒビターとして作用し、それによって、高温へと加熱される場合にこれら組成物のシェラック成分の重合を阻害することが見出された。結果として、揮発性のキャリア液体を本質的に含まないが、単純な加熱によって有効なコーティング組成物として働くために十分液体になり得る新たなシェラックコーティング組成物が提供される。

本発明のシェラックコーティング組成物の物理的形態は、広く変動し得る。シェラックおよび脂肪酸成分の相対量、脂肪酸成分のタイプおよび選択肢的なさらなる添加物のタイプ(あるとすれば)に依存して、本発明のシェラックコーティング組成物は、粘性の液体、ペースト状の半固体状態(すなわち、重によって流動するには粘性過ぎるが、いずれにしても硬い固体ではない)(例えば、室温においてはバターもしくは蜜蝋または固体の硬い塊)の形態をとり得る。さらに、固体状態にある場合、それらは、大きな固体ブロック、大きな塊(chunk)、粒状固体、微細粉末、およびさらには基質からキャストフィルムを除去することによって精製される薄いフィルムの範囲に及ぶ任意の構造を想定し得る。さらに、室温において固体状態にある場合、それらは、融解点または軟化点の広い範囲(代表的には、10℃〜90℃の範囲に及ぶ)を想定し得る。この広い範囲内では、少なくとも20℃、少なくとも30℃、少なくとも40℃、および少なくとも50℃の融解点または軟化点を示すものは、より興味深い。

本発明のシェラックコーティング組成物によって生成されるシェラックコーティングの物理的特性および化学的特性はまた、これらコーティング組成物中に含まれる、シェラックおよび脂肪酸成分の相対量、脂肪酸成分のタイプならびに選択肢的なさらなる添加物のタイプ(あるとすれば)に依存して、広く変動し得る。これら変数の適切な選択によって、熟練したシェラック化学者は、従来技術によって作製されたシェラックコーティングと同じまたは本質的に同じ硬度、可撓性、バリア特性および他の特性を有するシェラックコーティング組成物を生成するにあたって、困難性は全く有しないはずである。

(基質) 本発明のシェラックコーティング組成物は、以前にシェラックコーティングとともに提供された任意のおよび全てのタイプの基質上にシェラックコーティングを提供するために使用され得る。例えば、本発明のシェラックコーティング組成物は、産業用基質(例えば、木、金属、プラスチックなど)上にシェラックコーティングを提供するために使用され得る。さらに、食用基質(リンゴ、ナシなどのような果物;野菜:ビスケット、クッキー、ウエハース、ワッフル、アイスクリームコーンおよび他のドウベースの製品のようなベーカリー製品;板チョコレート(solid chocolate bars)、香錠(pastille)などのようなキャンディー、ならびにチョコレートでコーティングまたは覆われた製品、チョコレートでコーティングされたビスケットおよびクッキー;丸剤、トローチなどのような医薬が挙げられる)がまた、本発明のシェラックコーティング組成物でコーティングされ得、当然のことながら、この目的のためには、食品グレードの成分および加工処理装置を使用することが望ましい。食品および/または医薬と接触した状態になることが意図された製品(例えば、ファイバーボックスボード(fiber box board)、食品サービストレイ、家庭用品など)はまた、本発明のシェラックコーティング組成物でコーティングされ得、繰り返しになるが、この目的のためには、食品の接触が認められたグレードの成分および加工処理装置を使用することが望ましい。

本発明の一実施形態において、本発明のシェラックコーティング組成物は、キャスティングされた自立式フィルムを形成するために使用され得る。この実施形態において、他の類似物質からキャスティングされた自立式フィルムを生成するために使用される従来の基質は、この目的のために使用され得る。

(適用方法) 本発明のシェラックコーティング組成物は、任意の適切なコーティング技術によって基質に適用され得、その技術の例としては、噴霧(旧来の噴霧技術および静電スプレー技術の両方)、浸漬、被覆(enrobing)、キャスティング、押し出しコーティング、パンコーティングおよびローラーコーティングが挙げられる。通常は、これは、本発明のコーティング組成物が、室温において固体状態にある場合には、コーティング組成物をその基質へと適用する前に液体状態を呈するまで上記組成物が加熱される必要があることを意味する。よって、例えば、本発明のコーティング組成物が浸漬、被覆、キャスティング、熱溶融噴霧、ローラーコーティング、またはいくつかのタイプのパンコーティング技術によって適用される場合、上記コーティング組成物は通常、これが適用される前に液体状態へと加熱される。本発明のシェラックコーティング組成物の脂肪酸成分は、これら組成物におけるシェラック成分の重合を阻害するので、これは、ほとんどまたは全く懸念はない。

ある種の適用において、本発明のシェラックコーティング組成物は、コーティングプロセスの一部として液体状態へと加熱され得る。これは、例えば、本発明のシェラックコーティング組成物が押し出しコーティング技術によって適用される場合に起こり得る。さらに、これは、本発明のシェラックコーティング組成物がある種のタイプの噴霧コーティング技術によって、例えば、融解噴霧を介してまたは乾燥粉末の形態での上記組成物の静電スプレーによって、適用される場合にも起こり得る。これは、粒子形態にある本発明のシェラックコーティング組成物が、基質における潜熱が粒子を融解し、それによってコーティングを形成するように、事前に十分に加熱された基質に適用される場合にも起こり得る。いくつかの状況では、さらなる加熱工程は、必要であれば粉末が適用された後に、上記基質を加熱に供するために使用され得る。加熱は、必要な場合に適用する前および後の両方で起こり得る。

ベーカリー製品基質(例えば、ビスケット、クッキー、ウエハース、コーン、および他のドウベースの製品)に直接適用される場合の本発明のコーティング組成物の特定の利点は、下にある基質のパリパリ感が保存されることである。これは、従来のシェラックコーティング組成物がこのようにして使用される場合には、保存することは困難または不可能である。なぜなら上記コーティング組成物中のキャリア液体は、上記ベーカリー製品基質によって通常は吸収されるからである。この問題は、本発明のシェラックコーティング組成物がキャリア液体を全く含まないので、本発明のシェラックコーティング組成物が使用される場合に排除される。

別の適用において、本発明のコーティング組成物は、基質の表面に付加される成分のための接着剤、またはキャリアとして使用される。例えば、種々の食品補助剤(food adjuvant)(例えば、薬物、医薬、ワクチン、補助食品(food supplement)など)は、多くの異なるタイプの食品基質(例えば、全粒穀物、パン、穀粉、および他の食品品目)へと、それらを、食品補助剤で栄養強化された本発明のコーティング組成物でコーティングすることによって付加され得る。

最後に、本発明のコーティング組成物は、微細粉末の形態にある場合、上記組成物と処理される基質のバッチ(例えば、錠剤、菓子など)とを、基質上につや出しされた表面が生じるように、これら材料間で十分な摩擦を生じるパニング装置(panning equipment)または転倒混和装置(tumbling apparatus)のような適切な混合デバイス中で合わせることによって、研摩剤としても使用され得る。このバフがけプロセス(buffing process)は、つや出し効果を付加し、同様に滑り特性、水分へのバリアなどを提供するコーティングを生成して、基質の表面特性を増強し得る。

(作業実施例) 実施例1 以下の熱融解ブレンドを調製した:

上記の表1に列挙されるブレンドを調製するために、各組成物の脂肪酸を、精製(脱ワックス済み)オレンジシェラックの融解点より高く、適切な容器(適切なサイズのアルミニウムパンまたはガラスビーカー)中で加熱した。ゆっくりと混合しながら、脱ワックス済みオレンジシェラックを溶融し、段階的様式で溶融した脂肪酸へとブレンドした。このときから、その溶融したブレンドを冷却させて、その固相において本発明の熱溶融ブレンドを形成した。

各ブレンドは、不透明な半展性固体を生じ、その融解点より高く再加熱した際には溶融状態へと戻ることができた。上記の熱溶融ブレンドの軟化点は、約60℃〜85℃の範囲に及んだ。

実施例2 以下の熱融解ブレンドを調製した:

上記の表2に列挙されるブレンドを調製するために、その選択した脂肪酸を、各例において使用したシェラックタイプの融解点より高く、適切な容器(適切なサイズのアルミニウムパンまたはガラスビーカー)中で加熱した。ゆっくりと混合しながら、適切な量のシェラックを融解し、段階的様式で溶融した脂肪酸へとブレンドした。このときから、その溶融したブレンドを冷却させて、その固相において本発明の各熱融解ブレンドを形成した。各ブレンドは、不透明な、さらなる使用のために半展性の固体を生じる。

実施例3 43重量部の脱ワックス済みオレンジシェラックおよび57重量部の、オレイン酸とステアリン酸との混合物を含む熱融解ブレンドを、実施例1および2に関して上記で記載される同じ手順によって調製した。この溶融生成物を、最終製品を外すのに適切なカード用紙のコーティング済みシートへと塗布した。その後、その製品を、固体状態へと冷却させた。そのように形成された固体製品を、次いで、その基質から除去し、およそ1平方インチ(約645mm2)サイズの大きなフレークへとすり潰した。

実施例4 上記実施例3において生成されたフレークの一部を、ワックスの噴霧適用のために設計された(Glue Machinery Corporationによって供給される)加熱融解スプレーガンの供給チャンバへと入れ、設定温度において10分の期間にわたって融解させた。

融解後、上記組成物を、上記コーティングされる食用基質の合計乾燥重量のうちの約18%という適用率で、食用ワッフルコーン基質上に噴霧した。次いで、その適用した組成物を、室温へと冷却させ、それによって、固体シェラックコーティングを形成し、特別のまたは増強された特性(増強された物理的外見、液体(例えば、水、ミルクおよび溶けたアイスクリーム)およびこのような液体から発せられる蒸気の透過への増強された耐性のような増強された強いおよび増強されたバリア特性の範囲に及ぶ)を有する基質を提供する。

ごくいくつかの実施形態が上記で記載されてきたが、多くの改変が本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得ることは、認識されるものとする。全てのこのような改変は、本発明の範囲内に含まれることが意図され、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

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