Degradable super absorbent polymer

申请号 JP2013518784 申请日 2011-07-05 公开(公告)号 JP2013540164A 公开(公告)日 2013-10-31
申请人 レルシオ, インコーポレイテッド; 发明人 サーゲイ セリフォノヴ,; マーク ショーテン,; ニン ジョウ,;
摘要 The present disclosure relates to degradable superabsorbent materials based on acetals of glyoxylic acid and derivatives thereof with polyvinyl alcohol, and methods of making the polymers. The polymers are used to make superabsorbent particles, coatings, sheets, and fibers. Formulations and articles including the superabsorbent polymers, particles, coatings, sheets, and fibers are also disclosed.
权利要求
  • ポリマー組成物を含む粒子であって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記粒子が複雑な表面形状特徴を含んでいる、粒子。
  • 前記中和されたポリビニルグリオキシル酸が、ナトリウム、カリウム、リチウム、またはカルボン酸アンモニウム(ammonium carboxylate)基を含む、請求項1に記載の粒子。
  • 前記複雑な表面特徴が、約10nmから25μmの間の高さおよび約10nmから50μmの周期性を有する、請求項1または2に記載の粒子。
  • 前記複雑な表面形状特徴が前記粒子の表面の約10%〜100%に存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒子。
  • 前記ポリマー組成物が水性液によってヒドロゲルを形成することができる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒子。
  • 前記粒子が、0.9重量%NaCl溶液を、20℃〜27℃においてポリマー組成物1グラム当たり約1g〜25g(溶液)/分の初期速度で吸収する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒子。
  • 前記粒子が約1マイクロメートルから3ミリメートルの間の粒径を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の粒子。
  • 前記粒径が約100マイクロメートルから1ミリメートルの間である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の粒子。
  • 前記粒子が、20℃〜27℃において、前記ポリマー組成物1グラム当たり約16g〜約50g(0.9重量%NaCl溶液)の吸収容量を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の粒子。
  • 請求項1〜9のいずれか一項に記載の粒子と、溶剤、水性液、水性溶剤混合物、セルロース、デンプン、リグニン、多糖類、界面活性剤、粘土、雲母、掘削液、殺虫剤、除草剤、肥料、芳香剤、薬物、難燃剤、パーソナルケア配合物成分、コーティング添加剤、シクロデキストリン、充填剤、補助剤、熱安定剤、紫外線安定剤、着色剤、酸性化剤、金属、微生物、胞子、カプセル化有機酸、またはそれらの組合せを含む1種または複数種の配合物成分とを含む配合物。
  • 前記粒子が前記1種または複数種の配合物成分と混合されている、請求項10に記載の配合物。
  • 前記1種または複数種の配合物成分が前記粒子内に同伴されている、請求項10または11に記載の配合物。
  • 請求項1〜9のいずれか一項に記載の粒子または請求項10〜12のいずれか一項に記載の配合物を含む物品であって、前記物品が、幼児用おむつ、大人の保護下着または失禁用下着、女性の生理用ナプキン、地中の電力ケーブルまたは通信ケーブル、園芸用保水剤、水性流出液または水性廃液用の制御剤、殺虫剤、除草剤、芳香剤、または薬物を制御放出するためのキャリヤー、掘削液添加剤、難燃剤組成物、葬儀用パッド、外科用パッド、創傷被覆材、医療用または他の水性廃物固化物品、食品用吸収パッド、食品包装材料、化粧用またはパーソナルケア物品、シーリング複合材、フィルター、航空機および自動車用の燃料監視システム、かごに入れられた昆虫用の給水体、ラテックス塗料向けのマスキングテープ、ホット/コールド治療用パック、静止ウォーターベッド、水中で大きくなるおもちゃ、または映画および劇の演出用の人工雪である、物品。
  • ポリマー組成物を含むコーティングであって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記コーティングが複雑な表面形状特徴を含む、コーティング。
  • 前記複雑な表面特徴が、約10nmから25μmの間の高さおよび約10nmから50μmの周期性を有する、請求項14に記載のコーティング。
  • 前記ポリマー組成物が水性液によってヒドロゲルを形成することができる、請求項14または15に記載のコーティング。
  • 前記コーティングが、0.9重量%NaCl溶液を、20℃〜27℃においてポリマー組成物1グラム当たり約1g〜25g(溶液)/分の初期速度で吸収する、請求項14〜16のいずれか一項に記載のコーティング。
  • 前記コーティングが、20℃〜27℃において、前記ポリマー組成物1グラム当たり約16〜50g(0.9重量%NaCl溶液)の吸収容量を有する、請求項14〜17のいずれか一項に記載の粒子。
  • 前記複雑な表面形状特徴が前記粒子の表面の約10%〜100%に存在する、請求項14〜18のいずれか一項に記載のコーティング。
  • 前記コーティングが連続的かまたは非連続的である、請求項14〜19のいずれか一項に記載のコーティング。
  • 前記コーティングが基材上に配置され、前記基材が、粒子、繊維、フィルム、シート、プレート、不織の布またはシート、織物、あるいはコーティングされた粒子、繊維、フィルム、シート、プレート、または布を含む、請求項14〜20のいずれか一項に記載のコーティング。
  • 1種または複数種の溶剤、水性液、水性溶剤混合物、セルロース、デンプン、リグニン、多糖類、界面活性剤、粘土、雲母、掘削液、殺虫剤、除草剤、肥料、芳香剤、薬物、難燃剤、パーソナルケア配合物成分、コーティング添加剤、シクロデキストリン、充填剤、補助剤、熱安定剤、紫外線安定剤、着色剤、酸性化剤、金属、微生物、胞子、カプセル化有機酸、またはこれらの組合せをさらに含む、請求項14〜21のいずれか一項に記載のコーティング。
  • 請求項14〜22のいずれか一項に記載のコーティングを含む物品であって、前記物品が、幼児用おむつ、大人の保護下着または失禁用下着、女性の生理用ナプキン、地中の電力ケーブルまたは通信ケーブル、園芸用保水剤、水性流出液または水性廃液用の制御剤、殺虫剤、除草剤、芳香剤、または薬物を制御放出するためのキャリヤー、掘削液添加剤、難燃剤組成物、葬儀用パッド、外科用パッド、創傷被覆材、医療用または他の水性廃物固化物品、食品用吸収パッド、食品包装材料、化粧用またはパーソナルケア物品、シーリング複合材、フィルター、航空機および自動車用の燃料監視システム、かごに入れられた昆虫用の給水体、ラテックス塗料向けのマスキングテープ、ホット/コールド治療用パック、静止ウォーターベッド、水中で大きくなるおもちゃ、または映画および劇の演出用の人工雪を含む、物品。
  • ポリマー組成物の製造方法であって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記方法が、
    a. 水中に約5重量%〜25重量%のポリビニルアルコールが含まれているものを、1種または複数種のグリオキシル酸誘導体と混ぜ合わせて反応混合物を形成させるステップ;
    b. 前記水の少なくとも一部を前記反応混合物から蒸発させるステップ;
    c. 前記反応混合物を塩基と接触させて前記ポリマー組成物を形成させるステップ;
    d. 前記ポリマー組成物を、水混和性溶剤かまたは水混和性溶剤を含む混合物で洗浄するステップ;および e. 前記水混和性溶剤または前記混合物の少なくとも一部を除去するステップを含む、ポリマー組成物の製造方法。
  • 前記水混和性溶剤が、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはアセトンである、請求項24に記載の方法。
  • 前記混合物が水をさらに含む、請求項24または25に記載の方法。
  • 前記方法が前記反応混合物を基材上にコーティングすることをさらに含む、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記方法が前記反応混合物または前記ポリマー組成物を分割することをさらに含む、請求項24〜27のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記方法が連続法である、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  • ヒドロゲルを脱ゲル化する方法であって、前記ヒドロゲルが中和されたポリビニルグリオキシル酸および水性液を含み、前記方法が、前記ヒドロゲルの少なくとも一部で脱ゲル化を起こさせるのに十分な量の弱有機酸と接触させることを含む、ヒドロゲルを脱ゲル化する方法。
  • 前記弱有機酸が、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、またはO−ラクトイル乳酸である、請求項30に記載の方法。
  • 前記弱有機酸を前記水性液と接触させることにより、前記弱有機酸が前記ポリビニルグリオキシル酸と接触するようにする、請求項30または31のいずれかに記載の方法。
  • 前記水性液と接触させる前に前記弱有機酸をカプセル化する、請求項32に記載の方法。
  • 前記弱有機酸が潜在的酸性化剤である、請求項32または33に記載の方法。
  • 10日後に、前記ヒドロゲルの少なくとも約30重量%が、1〜5μmの粒子保持力および1400秒のヘルツベルグ流量を有する濾紙を通過するほど十分に分散性になる、請求項30〜34のいずれか一項に記載の方法。
  • ポリマー組成物を含む粒子であって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記粒子が複雑な表面形状特徴を含み、前記粒子が、
    a. 前記ポリマー組成物と水とを含むヒドロゲルを形成させるステップ;
    b. 前記ヒドロゲルを、水混和性溶剤かまたは水混和性溶剤を含む混合物で洗浄するステップ;および c. 前記水混和性溶剤または前記混合物の少なくとも一部を蒸発させるステップを含む方法によって製造される、粒子。
  • 前記混合物が水をさらに含む、請求項36に記載の粒子。
  • ポリマー組成物を含むコーティングであって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記コーティングが複雑な表面形状特徴を含み、前記コーティングが、
    a. 反応混合物を基材にコーティングするステップであって、前記反応混合物が、水中に約5重量%〜25重量%のポリビニルアルコールが含まれているものと1種または複数種のグリオキシル酸誘導体との混合物を含む、ステップ;
    b. 前記水の少なくとも一部を蒸発させるステップ;
    c. 前記コーティングされた反応混合物を塩基と接触させてポリマー組成物を形成させるステップ;
    d. 前記ポリマー組成物を、水混和性溶剤かまたは水混和性溶剤を含む混合物で洗浄するステップ;および e. 前記水混和性溶剤または前記混合物の少なくとも一部を蒸発させるステップを含む方法によって製造される、コーティング。
  • 前記混合物が水をさらに含む、請求項38に記載の粒子。
  • グリオキシル酸誘導体とポリビニルアルコールとの反応生成物を含むポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物が水性液によってヒドロゲルを形成することができ、前記乾燥ポリマー組成物は、吸収容量が約16〜50g(0.9重量%NaCl溶液)/g(前記乾燥ポリマー組成物)で、かつ吸収初期速度が乾燥ポリマー組成物1グラム当たり約1〜25g(0.9重量%NaCl溶液)/分である、ポリマー組成物。
  • 前記ポリビニルアルコールが、約10,000g/モルから3,000,000g/モルの間の分子量を有するアルコール化ポリ酢酸ビニルを含み、前記酢酸基の約80%〜100%がアルコール化されてヒドロキシル基になっている、請求項40に記載のポリマー組成物。
  • 前記ポリビニルアルコールの分子量が約10,000g/モルから250,000g/モルの間である、請求項41に記載のポリマー組成物。
  • 前記酢酸基の約95%〜99%がアルコール化されてヒドロキシル基になっている、請求項41または42に記載のポリマー組成物。
  • 約30%から90%の間の前記ヒドロキシル基が前記グリオキシル酸誘導体と反応している、請求項41〜43のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  • 約50%から75%の間の前記ヒドロキシル基が前記グリオキシル酸誘導体と反応している、請求項41〜43のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  • 前記グリオキシル酸誘導体が、グリオキシル酸ナトリウム、グリオキシル酸カリウム、グリオキシル酸、またはそれらの1つまたは複数の組合せを含む、請求項40〜45のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  • 前記反応生成物がジアルデヒドに起因する架橋を含む、請求項40〜46のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  • 前記ジアルデヒドがグリオキサールまたはグルタルアルデヒドである、請求項47に記載のポリマー組成物。
  • 前記ポリマー組成物が、コーティング、シート、または繊維の形である、請求項40〜48のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  • 前記ポリマー組成物が、約50ナノメートルから3ミリメートルの間の粒径を有する粒子の形であり、かつ約5重量%未満の含水量を有する、請求項40〜48のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  • 前記粒径が約100マイクロメートルから1ミリメートルの間である、請求項50に記載のポリマー組成物。
  • 前記ポリマー組成物が複雑な表面形状特徴を含む、請求項49〜51のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  • 請求項40〜52のいずれか一項に記載のポリマー組成物と、1種または複数種の溶剤、水性液、界面活性剤、セルロース、デンプン、リグニン、多糖類、粘土、雲母、掘削液、殺虫剤、除草剤、肥料、芳香剤、薬物、難燃剤、パーソナルケア配合物成分、コーティング添加剤、シクロデキストリン、充填剤、補助剤、熱安定剤、紫外線安定剤、着色剤、酸性化剤、金属、微生物、胞子、カプセル化有機酸、またはこれらの組合せとを含む、配合物。
  • 請求項40〜52のいずれか一項に記載のポリマー組成物または請求項53に記載の配合物を含む物品であって、前記物品が、幼児用おむつ、大人の保護下着または失禁用下着、女性の生理用ナプキン、地中の電力ケーブルまたは通信ケーブル、園芸用保水剤、水性流出液または水性廃液用の制御剤、殺虫剤、除草剤、芳香剤、または薬物を制御放出するためのキャリヤー、掘削液添加剤、難燃ゲル、葬儀用パッド、外科用パッド、創傷被覆材、医療用または他の水性廃物固化物品、食品用吸収パッド、食品包装材料、化粧用またはパーソナルケア物品、シーリング複合材、フィルター、航空機および自動車用の燃料監視システム、かごに入れられた昆虫用の給水体、ラテックス塗料向けのマスキングテープ、ホット/コールド治療用パック、静止ウォーターベッド、水中で大きくなるおもちゃ、または映画および劇の演出用の人工雪である、物品。
  • 中和されたポリビニルグリオキシル酸を含むポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物が、
    a. 水中に約5重量%〜25重量%のポリビニルアルコールが含まれているものと、グリオキシル酸およびグリオキシル酸塩の混合物とを混ぜ合わせて、反応混合物を形成させるステップ;
    b. 前記水の少なくとも一部を前記反応混合物から蒸発させるステップ;および c. 前記反応混合物を塩基と接触させるステップを含む方法によって製造される、ポリマー組成物。
  • 说明书全文

    本出願は、米国を除くすべての国を指定国とする場合の出願人であるReluceo,Inc. (米国籍の会社)、および米国のみを指定国とする場合の出願人であるSergey Selifonov(米国国民)、Marc Scholten(米国国民)、およびNing Zhou(中華人民共和国国民)の名義でPCT国際特許出願として2011年7月5日に出願され、米国特許出願第61/361,448号(2010年7月5日出願)および米国特許出願第61/370,215号(2010年8月3日出願)の優先権を主張するものであり、それらの内容全体を本明細書に援用する。

    市販の超吸収性ポリマー(SAP)は、多量のを吸収しかつ吸収された水を圧下で保持することのできるイオン性ポリマーの架橋網である。 アクリル酸のポリマーおよびコポリマーに基づくSAPは、1970年代後半に商業用途のため開発され、それ以来、多くの吸収用途においてセルロース系または繊維系の製品(ティッシュペーパー、綿、スポンジ、およびフラッフパルプ(fluff pulp))に取って代わってきた。 こうした繊維系製品の保水容量は、せいぜいその重量の約20倍であり、その重量の約12倍であることが多い。 さらに、繊維系の吸収剤は、周知のように、膨潤した繊維に圧力が加わると、吸収した水を放出してしまう。 それに対して、アクリル系SAPはその重量の20倍を超えて脱イオン水または蒸留水を吸収する。 超吸収性ポリマーならびにその用途および製造に関する広範にわたる調査が、非特許文献1に示されている。 商用SAPの主な工業的用途は、個人用使い捨て衛生用品(乳児のおむつ、大人の保護下着および生理用ナプキンなど)における吸収剤である。 SAPは、地中の電力ケーブルまたは通信ケーブルでの水浸透の防止、園芸用保水剤、ならびに流出および排出水性液(spill and waste aqueous fluid)の制御にも使用される。 SAPの更なる工業的用途も知られている。

    F. L. BuchholzおよびA. T. Graham(編)、「Modern Superabsorbent Polymer Technology」Wiley−VCH,New York,1998

    現在、工業的に用いられるもっとも一般的なSAPは、ポリアクリル酸ナトリウム(ポリアクリル酸のナトリウム塩)であり、典型的にはジアクリレートまたはビスアクリルアミド(N,N'−メチレン−ビスアクリルアミドなど)によって架橋されているものである。 アクリルアミドおよびエチレン無水マレイン酸の様々なコポリマーもSAPとして使用され、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリアクリレート−ポリビニルアルコールコポリマー、およびポリエチレンオキシドも同様である。 同じように、アクリル系モノマーであるイタコン酸は、ヒドロゲル形成ポリマーを製造するのに有用であることが知られている。 しかし、高分子電解質の高分子鎖の各部(アクリル系モノマー(例えば、アクリル酸、アクリルアミド、イタコン酸およびそれらの塩)の重合によって得られる多数の繰り返し単位を含む)は、生分解性ではなく、したがって環境の中でなかなか消滅しない。 さらに、アクリル酸系の共重合体およびグラフト鎖は、分解性ポリマー材料と一緒に使用された場合、非アクリルポリマーのセグメントだけが生物分解されることが最終的に実証されている。

    ポリビニルアルコール(PVOH)は、超吸収剤用途について研究されてきた。 PVOH自体は水溶性であり、生分解性ポリマーとして広く認められている。 例えば、Chiellini,E. et al,Prog. Polym. Sci. 28,963(2003)を参照されたい。 Argade,B. et al,J. Appl. Pol. Sci. 70,817(1998)は、超吸収特性を有するポリアクリル酸−ポリビニルアルコールコポリマーを開示している。 PVOHは部分的に脱水されて不飽和部位を形成し、次いでその部位がアクリル酸の存在下で重合される。 Zhan,F. et al,J. Appl. Pol. Sci. 92(5),3417(2004)は、リン酸によるPVOHのエステル化によって形成される超吸収性ポリマーを開示している。 ポリマーは、湿気にさらされるとホスフェートをゆっくり放出することが観察され、それゆえに徐放性肥料として使用された。 しかし、ホスフェートの放出は、有害な環境影響と関連付けられており、さらに、ホスフェート放出組成物は、乳児のおむつ、包帯など多数の用途に用いるのに適していない。

    アルデヒドをPVOHと反応させた場合、その生成物は、ポリビニルアセタールである。 ポリビニルアセタールの例としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、およびポリビニルグリオキシル酸(poly(vinyl glyoxylic acid))がある。 ポリビニルグリオキシル酸(またはPVGA)は、米国特許第2、187,570号明細書に記載されており、乳化特性を有する水溶性またはアルカリ可溶性の熱可塑性高分子電解質である。 Ise,N. and Okubo,T. J. P. Chem. 70(6),1930−1935(1966)は、部分的にグリオキシル酸でアセタール化されたPVOHの溶液を開示している。 米国特許第4,306,031号明細書および米国特許第4,350,773明細書は、架橋PVGAを、水中での膨潤容積が10ml/g以下である弱酸性陽イオン交換樹脂として開示している。 さらにSakurada,I. and Ikada,Y. ,Bull. Inst. Chem. Res. ,Kyoto Univ,40(1−2),25−35(1962)は、水と塩化ナトリウムの溶液の存在下での電離放射線によって架橋されたPVGポリマーの希薄溶液を記載している。

    本明細書には、超吸収性ポリマーの粒子、コーティング、シート、および繊維(本明細書では、まとめて「SAP」と呼ぶ)を形成させるのに有用な分解性ポリマーが開示されている。 SAPは、ポリビニルグリオキシル酸、その中和されたカルボキシレート誘導体、そのコポリマー、その官能基化された誘導体、およびその架橋マトリックス(本明細書では、まとめてポリビニルグリオキシル酸または「PVGA」と呼ぶ)をベースにしている。 PVGAは、水性液と接触させたときにPVGAがヒドロゲルを形成できるほど十分な量だけ架橋させる。 架橋は、様々な架橋反応のいずれか1種、またはそのような反応の2種類以上の組合せを用いて行われる。 架橋PVGポリマー中に存在するカルボキシル基(carboxylic groups)は、様々な有機化学種または無機化学種のいずれかを用いて少なくとも部分的に中和して、対応するカルボン酸塩にする。 PVGAを形成させるのに通常用いられる反応は、知られている安価な物質を用い、また複雑でなく、工業的に拡大縮小でき、かつ効率的な処理条件を用いて容易に実施される。 グリオキシル酸誘導体のポリビニルアルコール出発物質、種類および量を注意深く選択し、それと共に架橋を注意深く制御するなら、水性液に関して優れた吸収容量および吸収速度を有するSAP(乾燥時)である網目ポリマーが得られる。 こうした特性により、本発明のPVGA SAPは、乳児のおむつなど非常に要求の厳しい用途に適したものとなる。 我々は、本発明のSAPが、市販のアクリル系おむつのSAPと同等である(合成の容易さを含む)が、それと共に、環境分解性、および再生可能な炭素源(酢酸またはエタノール由来エチレンなど)から得られるという付加的な利点があることを見いだした。

    本明細書に開示されている方法を用いてPVGAを処理して、粒子、コーティング、シート、および繊維の形のSAPが製造される。 乾燥形態では、一部の本発明のSAPは、本明細書で複雑な表面形状として記述されている独特の有利な表面形状を有している。 本開示においては、「複雑な」とは、湾曲渦巻きまたは曲がりくねった渦巻き状に折りたたまれていること、細長いくぼみ、しわ、亀裂、または溝を意味する。 この表面形状により、乾燥SAP物品による水性液の吸収が高速度になるような仕方でSAP物品の比表面積が増大する。 実施形態によっては、SAP粒子は、その表面の少なくとも一部に複雑な表面形状を有する。 他の実施形態では、SAPコーティングは、その表面の少なくとも一部に複雑な表面形状を有する。 SAPコーティングは、固体または半固体表面上に;繊維、粒子、あるいは多孔質または非多孔性の基材上に;平坦な表面からでこぼこの表面までの任意のタイプの表面上に;また連続的または非連続的にコーティングされる仕方で形成される。 さらに別の実施形態では、その表面の少なくとも一部に複雑な表面形状を有する、自立型のSAPのシートまたは繊維が形成される。

    SAP物品の土台であるPVGA網は、溶解することなくそれ自体の重量の水性液を何度も吸収する。 「水性液」としては、水、食塩水、薬物の水溶液、および複雑な混合物(尿、合成尿、血液など);水性廃液、地下水および下水などがある。 PVGA網の化学的性質は、特定の水性液の吸収容量および吸収速度と相互に関係するが、利用可能な表面積は、本発明のSAPによる特定の水性液の吸収速度にいっそう寄与する。 本発明の様々なSAPの吸収容量および吸収速度は、使い捨ておむつの用途など難しい用途にそれらが適したものになるようにするのに十分である。 実施形態によっては、本発明のSAPによって実現される水性液の優れた吸収速度と吸収容量との組合せは、使い捨ておむつの用途に用いられている市販のアクリル系超吸収性物質と同等かそれよりよいものである。

    吸収された水性液が存在する本発明のSAPは、ヒドロゲル、SAPヒドロゲル、またはPVGAヒドロゲルと呼ばれ、「ヒドロゲル」は架橋ポリマー網目構造に取り込まれた水性液からなる組成物である。 本発明のヒドロゲルは、従来のSAPを用いて形成されるものと外観および挙動が類似している。 SAP粒子から形成されるヒドロゲルは、乾燥SAP粒子のサイズの何倍もあるが、ヒドロゲルは溶解しない。 複数の実施形態において、ヒドロゲルは高モジュラスを有する。 すなわち、力がヒドロゲルに加えられたときに弾性変形する傾向が少ない。 このことは、ひいては負荷の下での吸収された水性液の保持率が高いということにつながる。 さらに、膨潤したヒドロゲルは、ヒドロゲルを穏やかな条件にさらすことにより、脱ゲル化(degelled)する。 例えば、実施形態によっては、ヒドロゲルを弱有機酸に接触させると、ゲル含有量が明らかに減少する。 さらした後、ヒドロゲルの大部分は幾日にもわたって十分に分散性または水溶性になる。 他の試剤も同様にヒドロゲルを「脱ゲル化」するのに有用である。 実施形態によっては、脱ゲル化したPVGAヒドロゲルの水分散性または水溶性部分はほとんどが、グリオキシル酸またはそのカルボキシレート誘導体と、ポリビニルアルコールまたは部分的に脱アセタール化されたポリビニルアルコールとから構成されている。 一部のそのような実施形態では、脱ゲル化PVGAヒドロゲルはほとんどが、生分解性で環境的に無害の成分からなっている。 複数の実施形態において、脱ゲル化剤は、脱ゲル化剤の放出が、SAPを膨潤させてヒドロゲルを形成させる水性液と接触させることによってもたらされるように、カプセル化されて乾燥SAPと混ぜ合わせる(あるいはその中またはその近くに含められる)。

    本発明のSAPは、市販の物質を用いて容易に合成および処理される。 さらに、本発明のSAPを作るのに有用な物質はすべて、再生可能な炭素源(酢酸またはエタノール由来エチレンなど)から得ることができる。 本発明のSAPによる水性液の吸収容量および吸収速度は、市販のアクリル系SAP組成物と同等である。 本発明の乾燥SAPに付与されている独特の表面形状により、水性液の吸収速度の増大がもたらされる。 本発明のSAPは、穏やかな条件下で脱ゲル化して、環境分解性の、または環境的に無害な生成物を生じる。

    本発明の更なる利点および新規な特徴は、一部が以下に続く説明で示されるであろう。 また、一部は、以下を調べることによって明らかになるであろうし、あるいは本発明の実施の際にごく普通の実験を通して学ぶことができる。

    100倍での最初のSAP粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

    1000倍での最初のSAP粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

    100倍での2番目のSAP粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

    1000倍での2番目のSAP粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

    75,000倍での2番目のSAP粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

    図6A−Cは、水の存在下での、ある期間にわたるPVGAの外観を示す。

    唯一の炭素源としてグリオキシル酸を有する培地中での微生物成長の図である。

    本発明のポリマーおよび出発物質の

    H NMRスペクトルである。

    本発明のポリマーおよび対照物質について、吸収される水性液のグラム数を時間に対してプロットしたものである。

    本発明の一部のポリマーについて、時間に対してゲルの重量%をプロットしたものである。

    図11A−Bは、本発明のポリマーの化合物および反応生成物の比較

    H NMRスペクトルである。

    図11A−Bは、本発明のポリマーの化合物および反応生成物の比較

    H NMRスペクトルである。

    本発明の超吸収性ポリマー(SAP)物質は、グリオキシル酸またはその塩またはエステルと2種類の連続ポリビニルアルコール繰り返し単位との環状アセタール反応生成物に基づいている。 そのような反応の架橋生成物は、本明細書では一般に「ポリビニルグリオキシル酸」または「PVGA」と呼ぶ。 本発明の様々な実施形態では、ポリビニルアルコール(本明細書では「PVOH」と呼ぶ)を、グリオキシル酸、グリオキシル酸エステル、またはグリオキシル酸塩(本明細書ではまとめて一般に「グリオキシル酸誘導体」と呼ぶ)と反応させて、アセタール官能基化ポリマーを形成させる。 ポリマーは、様々な反応のうちの1種、または2種類以上の反応の組合せによって架橋される。 最終架橋ポリマー生成物は、超吸収剤またはSAPである。 代表的な反応方式を以下の方式Iに示す。


    上式において、Rは、水素;1から6個の間の炭素原子を有する線状、または分岐、または環状のアルキル基;または陽イオン(例えば、周期律表のI属の金属(ナトリウム、カリウム、またはリチウムなど);または第四アミン、第三アミン、またはアンモニウム陽イオンである。多くの実施形態では、グリオキシル酸(R=H)とグリオキシル酸塩(R=陽イオン)との組合せを反応に用いて本発明のPVGAを形成させる。様々な実施形態で、PVOHとグリオキシル酸誘導体との反応の前、反応後、または反応と同時に、架橋ステップが行われる。本発明のポリマー組成物、本発明の配合物、および本発明の物品は、有利には、以下に記載したいっそう具体的な実施形態のいずれか1つまたはそれ以上と組み合わせられること、また様々な実施形態は制限なしに任意の組合せで組み合わせることを特に意図していることが理解されるであろう。

    ポリビニルアルコール(PVOH)
    一部のPVOH物質についてこの部で説明する。 PVOH物質は、本発明のSAP物質を形成させるいずれかの合成および方法と組み合わせて使用することを意図しており、この部や他の部に記載しているSAPの実施形態のいずれかに記載している物理的性質の範囲になる。 さらに、そのような組合せによって形成されるSAPは、本明細書に記載の配合物または物品のいずれか1つまたはそれ以上に有用である。

    本明細書で使用される「ポリビニルアルコール」および「PVOH」は、少なくとも50モル%、そして最大100モル%までの、ビニルアルコールに起因する繰り返し単位を有するポリマーを意味する。 PVOHの特定タイプに言及している場合でも、他のタイプを除外しているわけではない。 ただし、そのような他のタイプが明示的に除外されている場合は別である。 商業的には、PVOHは、ポリアルカン酸ビニル(poly(vinyl alkanoate))、例えばポリ酢酸ビニル(PVA)のアルコール分解により、もっとも一般的にはメタノリシスにより製造される(それは、ビニルアルコールモノマーが遊離状態では存在しないためである)。 PVAのアルコール分解によるPVOHの形成は、多くの場合、当技術分野において加水分解と呼ばれる。 したがって、工業的に製造されるPVOHは、それゆえに部分的または完全にアルコール化された、任意の分子量、任意のアルコール分解度、および任意の末端基を有する酢酸ビニルのホモポリマーまたはコポリマーであり、その場合に、ポリマー内のアルコール化分(alcoholyzed content)は、ランダムに分散しているか、ブロックとして存在するか、またはグラフト化部分として存在する。 PVOHは、線状であっても、分岐していても、あるいは架橋していてもよい。 複数の実施形態において、PVOHは普通、PVGAを形成する反応の出発物質として用いられる。 そのような実施形態では、PVOHの分子量は、約10,000g/モルから3,000,000g/モルの間である。 実施形態によっては、PVOHの分子量は、約25,000g/モルから2,000,000g/モルの間である。 実施形態によっては、PVOHの分子量は、約50,000g/モルから1,000,000g/モルの間である。 実施形態によっては、PVOHの分子量は、約100,000g/モルから250,000g/モルの間である。 実施形態によっては、PVOHの分子量は、約10,000g/モルから250,000g/モルの間である。 実施形態によっては、PVOHの分子量は、約50,000g/モルから250,000g/モルの間である。 実施形態によっては、約50モル%〜100モル%のPVOH繰り返し単位は、ビニルアルコールによるものである。 実施形態によっては、約80モル%〜100モル%のPVOH繰り返し単位は、ビニルアルコールによるものである。 実施形態によっては、約95モル%〜99モル%のPVOH繰り返し単位は、ビニルアルコールによるものである。 複数の実施形態において、PVOHは実質的に線状であり、他の実施形態では、PVOHは分岐している。 酢酸ビニルの重合性のゆえに、それから生じるアルコール化生成物であるPVOH物質は、1,3−配置に主にあるヒドロキシル基を持っている繰り返し単位から構成され、その場合に、PVOH主鎖の他のすべての炭素はヒドロキシル置換基を有していると理解される。 しかし、複数の実施形態では、PVOHは、様々な(しかし、普通は少ない)モル量の、酢酸ビニルモノマーの「頭−頭」付加によって生じる1,2−ジヒドロキシル部分も含んでいる。 実施形態によっては、PVOHは、酢酸ビニルにもビニルアルコールにも起因しない1種または複数種の更なるモノマーを有するコポリマーである。 そのような実施形態では、コモノマーは好ましくはアクリレートではない。 しかし、PVOHコポリマーは、本発明の範囲では特に限定されるわけではない。 出発ポリマーが、PVOHまたはポリ酢酸ビニル(PVA)であり、酢酸ビニルおよびそのアルコール分解生成物だけに起因する繰り返し単位を有する場合、末端基は一般には、重合反応の性質に応じて、水素またはラジカル開始剤の反応生成物のいずれかである。

    実施形態によっては、PVAは、PVAを加水分解してPVOHを形成させるという中間段階なしでPVGAを形成させる反応の出発物質として有効に使用される。 そのような実施形態では、PVOHの場合と同じ重合度およびポリマー構造(線状、分岐など)を使用する。 他の実施形態では、PVAまたはPVOHは、エチレンとのコポリマーであり、一般的にそれぞれEVAまたはEVOHと呼ばれる。 一部のそのような実施形態では、エチレンと酢酸ビニルまたはビニルアルコール繰り返し単位との比率は、約0.1:99.9〜5:95である。 他のコポリマーも本発明のSAPを形成させるのに有用である。 例えば、上述したように、酢酸ビニル以外のアルカン酸ビニルは、アルコール化ポリマーを合成するもとになるモノマーとして有用であり、したがってPVOHは、実施形態によっては、ビニルアルコールと残留アルカン酸ビニル(vinyl alkoanate)部分とのコポリマーである。 さらに、複数の実施形態において、アルカン酸ビニルのいずれも、様々なオレフィンモノマーまたはビニルモノマー(例えば、無水マレイン酸、アクリルまたはメタクリルモノマー、イタコン酸、およびジケテンを含む)と共重合が可能である。 一部のそのような実施形態では、オレフィンまたはビニル繰り返し単位と、アルカン酸ビニルまたはビニルアルコール繰り返し単位との比率は、約0.1:99.9〜20:80である。

    好適なPVOHポリマーは、例えば、Celanese Corporation(Dallas,Texas)からCELVOL(登録商標)という商品名で;電気化学工業株式会社(Denka Corp.)(Tokyo,Japan)からPOVAL(登録商標)という商品名で;Kuraray America,Inc. (Houston,Texas)からK−POLYMER(登録商標)、MOWIOL(登録商標)、MOWIFLEX(登録商標)、MOWITAL(登録商標)、またはPOVAL(登録商標)という商品名で;Chris Craft Industrial Products,Inc. ,MonoSolDivision(Gary,Indiana)からMONO−SOL(登録商標)という商品名で;またはDuPont deNemours Co. (Wilmington,DE)からELVANOL(登録商標)という商品名(例えば、ELVANOL(登録商標)70−62)で得られる。 実施形態によっては、PVOHは水分散液として得られる。 例えば、約5重量%〜20重量%のPVOH分散液が、幾つかの商品供給元から得られる。

    PVOHは、100%非化石炭素源から得ることができる。 PVOHを形成させるためにアルコール化されるPVAは、伝統的には化石炭素に基づく生成物である。 なぜなら、酢酸ビニルは従来、アセチレンまたはエチレンおよび酢酸から合成されるからである。 しかし、酢酸が酢酸ビニルの合成における唯一の供給原料であり、ケテン中間体を介して進める方法が開発された。 そのような経路は、後者の化合物が発酵またはバイオマス加水分解によって調製される場合、再生可能な酢酸を供給原料として利用できる。 酢酸は、エタノール性供給原料の細菌性発酵かまたは一酸化炭素によるメタノールのカルボニル化のいずれかによって工業的に合成され、そのメタノールはというと、天然ガスから供給されるメタンから工業的に合成される。 さらに、再生可能な供給原料(バイオマスから得られる木炭など)をライムと反応させ、その後、得られたカルシウムカーバイド化合物を水性分解させることによりアセチレンを調製する方法が知られている。 最後に、エチレンをエタノールから得る方法が知られており、エタノールは持続的に得られる資源(renewably derived resource)である。

    実施形態によっては、PVOH出発物質は、二次ヒドロキシル基を限定的に酸化させて、カルボニル(ケトン)基またはオキソカルボニル基が含まれるようにする。 好適な酸化方法は、米国特許第5,219,930号明細書およびその中に引用されている文献に開示されており、PVOHの酸化はまた、ある特定の金属酵素(ペルオキシダーゼおよびラッカーゼなど)によって触媒される。 そのような酸化の反応生成物は、複数の実施形態において、文献で教示されているように光分解性および生分解性である。

    グリオキシル酸誘導体 一部のグリオキシル酸誘導体についてこの部で説明する。 グリオキシル酸誘導体は、本発明のSAP物質の合成および方法のいずれかと組み合わせて使用することを意図しており、この部や他の部に記載しているSAPの実施形態のいずれかに記載している物理的性質の範囲になる。 さらに、そのような組合せによって形成されるSAPは、本明細書に記載の配合物および物品のいずれか1つまたはそれ以上に有用である。

    グリオキシル酸(OHC−COOH)は、オキサルアルデヒド酸(IUPAC)、ホルミルギ酸、およびオキソ酢酸としても知られている。 グリオキシル酸、グリオキシル酸エステル、およびグリオキシル酸塩は、市販の化合物である。 グリオキシル酸およびグリオキシル酸塩は天然に存在する。 グリオキシル酸は、生物体(バクテリア、菌類、および植物など)が、トリカルボン酸回路(TCA回路またはクレブス回路として知られている)内でイソシトレートをグリオキシレートおよびスクシネートに変換できるようにする代謝経路であるグリオキシル酸回路における中間体である。 水溶液中では、グリオキシル酸は、水とのその反応生成物(分子式(HO) CHCO Hを有し、「一水和物」と呼ばれることが多い)との平衡状態を保って存在する。 このジオールはさらに、溶液中で二量体ヘミアセタールと平衡を保って存在する。


    しかし、反応性の点では、水中のグリオキシル酸はそのアルデヒドの性質を維持している。

    工業的には、グリオキシル酸は、当該技術分野において知られている方法を用いて、グリオキサールを経由してエチレングリコールから経済性に優れた仕方で製造できる。 エチレングリコールは、化石炭素化合物から得られる、または再生可能な供給原料を発酵させて製造されるエタノールから得られるエチレン供給原料によって工業的に作られる。 あるいはまた、エチレングリコールは、再生可能なグリセロールまたはソルビトールの水素化分解によって工業的に有用な量を製造できる。 高純度のグリオキシル酸は、無水マレイン酸(MA)のオゾン分解によっても工業的に製造できる。 MAは、n−ブタンまたは2−ブテンの酸化によって工業的に製造されるが、後者の化合物は、1−ブタノールの脱水によって容易に調製される。 1−ブタノールは再生可能な炭素源から工業的に到達できる当該技術分野において知られている化合物である。

    本発明の様々な実施形態において、PVOHを、グリオキシル酸、グリオキシル酸エステル、またはグリオキシル酸塩(本明細書ではまとめて一般的に「グリオキシル酸誘導体」と呼ぶ)と反応させて、対応するアセタール基を形成させる。 上記の方式Iに関して、多くの実施形態では、グリオキシル酸(R=H)とグリオキシル酸塩(R=陽イオン)との組合せを反応に用いて本発明のPVGAを形成させる。 複数の実施形態において、0モル%〜約50モル%のグリオキシル酸塩を、本発明のPVGポリマーを形成させる反応に使用し、残りはグリオキシル酸にする。 さらに別の実施形態では、グリオキシル酸誘導体のRは、二価、三価、またはそれ以上の原子価の陽イオンであり、したがって、例えば、1つまたは複数のグリオキシレートのカルボキシル基のカルシウム塩、マグネシウム塩、ホウ酸塩、またはアルミン酸塩が本発明の幾つかの実施形態において有用である。 さらに別の実施形態では、グリオキシル酸誘導体のRは、アンモニウムまたは第四塩(テトラメチルアンモニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム、トリアゾリウム、またはグアニジニウムなど)であり、さらに別の実施形態では、グリオキシル酸誘導体のRは、ホスホニウム塩である。 さらに別の実施形態では、アンモニウム塩およびホスホニウム塩の多官能性変形形態が、2つ以上のグリオキシレート部分の有用な対イオンである。 例えば、ポリエチレンイミン塩およびポリホスホニウム塩が、PVGA内のグリオキシレート基の多官能性対イオンとして有用である。

    PVOHとグリオキシル酸誘導体との反応 PVGA合成方式の一部の実施形態についてこの部で説明する。 その合成方式は、本発明のPVGA物質の合成および方法のいずれかと組み合わせて使用することを意図しており、この合成方式により、この部や他の部に記載しているPVGA物質の実施形態のいずれかに記載している物理的性質の範囲になる。 さらに、そのような組合せによって合成されるPVGA物質は、本明細書に記載の配合物および物品のいずれか1つまたはそれ以上に有用である。

    再び方式Iに関してであるが、「PVGA」は一般に、PVOHとグリオキシル酸誘導体との任意の反応生成物または2種以上のグリオキシル酸誘導体の混合物を指す。 PVGAのRが陽イオンである幾つかの実施形態では、PVGAは「中和されたPVGA」と呼ぶ。 実施形態によっては、PVGAは部分的に中和される。 すなわち、グリオキシル酸塩部分に加えて、グリオキシル酸及び/またはグリオキシル酸エステル部分が存在する。 そのような実施形態は「部分中和されたPVGA」と言われる。 部分中和されたPVGAは、例えば、部分中和されたグリオキシル酸をPVOHと反応させることにより、またはグリオキシル酸、グリオキシル酸エステル、またはその両方をPVOHと反応させ、その後で部分中和を行うことにより、生じる。 実施形態によっては、部分中和されたPVGAは、塩基と接触させることによりさらに中和して、中和されたPVGAを形成させる。

    表1は、PVOHと反応するグリオキシル酸の理論量(乾燥重量で示す)、および方式Iに示す方式にしたがった様々なレベルのアセタール化での対応するアセタール化パーセントを示す。 表1に示されている重量−重量比は、100%のアルコール分解、すなわち、方式Iでp=0を仮定している。 その重量−重量比からアセタール化パーセントへの変換では、すべてのグリオキシル酸誘導体が反応し、グリオキシル酸またはグリオキシル酸誘導体のカルボキシル基はPVOHのヒドロキシル基と反応しないと仮定している。 ポリマー主鎖上にいくらかの量の残留単一ヒドロキシル基(それぞれの近くのヒドロキシルはアセタール化されている)が必然的に残るであろうから、理論的に100%の量のアセタール化は実際的には達成できないことを、当業者であれば理解するであろう。 実施形態によっては、本発明のPVGAは、約30%〜90%がアセタール化されている。 他の実施形態では、本発明のPVGAは、約50%〜80%がアセタール化されている。 さらに別の実施形態では、本発明のPVGAは、約60%〜75%がアセタール化されている。

    様々な実施形態において、本発明のPVGAは、幾つもの工業的に有用な技法のいずれかを用いて、方式Iにしたがって形成される。 そのような技法は、様々な実施形態において、当業者に理解されるように、バッチ式反応;または半連続反応;または連続反応として実施される。 1つの実施形態では、約40重量%〜60重量%のグリオキシル酸溶液または約50重量%〜80重量%のグリオキシル酸塩水溶液を、約5重量%〜25重量%のPVOH水性分散液と混合する。 他の実施形態では、グリオキシル酸(またはグリオキシル酸とグリオキシル酸塩との混合物)の水性溶液を用いて、乾燥PVOHを分散させる。 さらに別の実施形態では、純粋なグリオキシル酸誘導体を、約5重量%〜25重量%のPVOH水性分散液に加える。 実施形態によっては、特にグリオキシル酸誘導体がグリオキシル酸である場合、グリオキシル酸とPVOHとを混合した後に、NaOH、KOH、またはアルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、またはそれらの混合物を、好ましくは1M〜15M水溶液の形で加えることにより、pHを調整する。 そのような実施形態では、均質混合物のpHを約−1から7の間、または1から5の間約、または約1から3の間、さらには約1から2の間に調整する。 さらに別の実施形態では、混合物のpHは、PVGAの分離前には調整しない。 さらに別の実施形態では、PVOHと反応させる前に、グリオキシル酸を中和または部分的に中和してグリオキシル酸塩にする。 一部のそのような実施形態では、NaOH、KOH、またはアルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、またはそれらの混合物は、好ましくは1M〜15M水溶液の形であり、PVOHと混合する前に、選択した量の溶液をグリオキシル酸と混合して、グリオキシル酸の全部または一部を中和する。 一部のそのような実施形態では、PVOHとの反応に使用するグリオキシル酸とグリオキシル酸塩とのモル比は、約99.9:0.1〜50:50、または約90:10〜60:40、または約80:20〜60:40、または約75:25〜65:35、または約70:30である。 グリオキシル酸誘導体がグリオキシル酸とグリオキシル酸塩との混合物である一部の実施形態では、グリオキシル酸塩は、グリオキシル酸ナトリウムまたはグリオキシル酸カリウムである。 グリオキシル酸誘導体がグリオキシル酸とグリオキシル酸塩との混合物である一部の実施形態では、残りの酸基は、PVOHとの反応後に中和される。 他の実施形態では、さらなる中和は行わない。 上記の混合方式のいずれかに関連して、更なる官能性化合物(以下に詳述されている)を、反応性の最適条件および所望のPVGA生成物の収量に応じて、グリオキシル酸誘導体と同時に、グリオキシル酸誘導体を加える前に、またはグリオキシル酸誘導体を加えた後に、任意選択でPVOHに加える。

    実施形態によっては、PVGAは、水中に分散させたPVOHを、任意の望ましい更なる官能性化合物と一緒にグリオキシル酸誘導体と単に混合し、少なくとも一部の水を蒸発させることによって形成される。 一部のそのような実施形態では、混合の前に、PVOH分散液を加熱して、より徹底的にポリマーを分散させるかまたは溶解させる。 実施形態によっては、反応混合物を加熱する。 実施形態によっては、ペレット化押出機、粉砕機などによるなどして、分離および分割されたPVGAヒドロゲルが得られる。 その後、熱及び/または真空を用いて均質反応混合物から水を除去する。 他の実施形態では、PVGAは、任意の望ましい更なる官能性化合物と一緒に、水分散液中において、PVOHおよび1種または複数種のグリオキシル酸誘導体を混合することによって得られ、ゲル化の前にその混合物を小滴に分割する。 PVGAを形成する反応は、個別の小滴の形で完了し、乾燥させて乾燥粒子を得る。

    PVOHと1種または複数種のグリオキシル酸誘導体との反応は縮合反応であるため、その反応は水の蒸発によって推進されて完了することが理解されるであろう。 したがって、反応の加熱は必ずしも必要ないが、グリオキシル酸誘導体によるアセタール化によってSAPを形成させて収量を十分なものにするためには、水の蒸発は必要ステップである。 水の蒸発は、知られている手順(加熱、減圧、またはそれらの組合せの使用など)を用いて実施して、アセタールの形成を促進させる。 本明細書で使用される「水の蒸発」とは、PVGAを形成する反応に関連した水の一部を蒸発させることを意味する。 必ずしもすべての水を除去する必要はない。 複数の実施形態において、5重量%〜10重量%の水を除去して反応混合物を濃縮するなら、反応を推進して実質的に完了させるのに十分である。 他の実施形態では、反応を推進して完了させるには、90重量%もの水、さらには95重量%の水、あるいは99重量%以上もの水を蒸発させることが必要である。 実施形態によっては、蒸発は乾燥と同じである。 ここで、乾燥については以下に詳述してある。 他の実施形態では、蒸発は、乾燥とは別個のステップである。

    実施形態によっては、PVGAを形成させる反応は、酸触媒を加えずに行わせる。 これは、グリオキシル酸の酸性度が、グリオキシル酸誘導体とPVOHとの間の反応を触媒するのに十分だからである。 そのような実施形態では、反応混合物を単に1時間またはそれ以上撹拌するだけで、PVGA酸あるいは酸部分と塩部分とが混ざっているPVGAが得られる。 他の実施形態では、少量のプロトン酸(酢酸、硝酸硫酸、スルファミン酸、または塩酸など)を触媒としてさらに使用する。 例えば、実施形態によっては、PVGAを形成させる反応において、使用するグリオキシル酸誘導体1モル当たり、約1×10 −8モル〜1×10 −2モルの酸触媒を触媒として使用する。 水中で反応が行われる実施形態では、反応温度は約0℃から100℃の間である。 一部のそのような実施形態では、反応温度は約22℃から100℃の間であり、他の実施形態では、反応温度は約50℃から99℃の間であり、他の実施形態では、反応温度は約60℃から90℃の間であり、他の実施形態では、反応温度は約18℃から22℃の間であり、さらに別の実施形態では、反応温度は約約18℃から0℃の間である。 実施形態によっては、加熱された基材(ドラムまたはベルトなど)に反応混合物をまき散らすことにより、反応を行わせる。 そのような実施形態では、加熱された基材の温度は30℃から180℃の間、例えば90℃から160℃の間である。 実施形態によっては、反応は減圧下(すなわち、1気圧未満)で行わせ、複数の実施形態では、使用圧力はわずか約0.5気圧であり、他の実施形態では、圧力はわずか約0.1気圧である。 実施形態によっては、反応は、圧力下で、すなわち、1気圧より大きい圧力で行わせ、複数の実施形態では、使用圧力は約10気圧もの圧力であり、他の実施形態では、使用圧力は約50気圧もの圧力である。

    実施形態によっては、水中でのPVOHと1種または複数種のグリオキシル酸誘導体との反応は、目標とするPVOHの官能基化の度合いを表すグリオキシル酸誘導体の合計モル比を用いて、行わせる。 他の実施形態では、モル過剰のグリオキシル酸誘導体を用いて、水中でのPVOHと1種または複数種のグリオキシル酸誘導体との反応を行わせる。 方式Iに関して、グリオキシル酸誘導体のm/2を超えるモル量、さらにはグリオキシル酸誘導体の(m+n)/2)を超えるモル量を、一部のそのような実施形態で使用する。 一部のそのような実施形態では、反応の完了後に、例えば、膜分離、カラム分離、蒸留、溶媒分配、PVGAの沈殿、PVGAヒドロゲルの洗浄などによって、未反応のグリオキシル酸誘導体を取り出す。 実施形態によっては、過剰のグリオキシル酸誘導体を、水または水性溶剤混合物でPVGAヒドロゲルを洗浄することによって取り除く。 そのような水性溶剤混合物を以下に詳しく説明する。

    PVOHとの反応においてグリオキシル酸の代わりにグリオキシル酸塩を使用することの利点は、カルボン酸塩は、PVOHまたはPVGAの残留遊離ヒドロキシル基とのエステル化反応(これにより、実施形態によっては、ヒドロキシル基とアセタール化グリオキシル酸誘導体との間の架橋が形成される)に対して、遊離酸よりも反応性が低いことである。 エステル化よりもアセタール化の選択性があることは、本発明が全体的にうまくゆくうえで重要である。 なぜなら、グリオキサール誘導体のエステル化またはエステル交換による制御されない架橋により、実施形態によっては、最終PVGAの水吸収率が低減することになるからである。 さらに、PVOHとの反応において、グリオキシル酸塩とグリオキシル酸との最適化混合物を使用するなら、反応における酸触媒のバランスが生み出されて、エステル化よりもアセタール化の選択性がもたらされる。

    グリオキシル酸またはグリオキシル酸とグリオキシル酸塩との混合物を反応に使用する場合、得られたPVGAは、その後で、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または別の塩基と反応させて対応するPVGA塩を形成させることにより、中和する。 同様に、グリオキシル酸エステルを反応で使用する場合、得られたPVGAは、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または別の鹸化剤と反応させて対応するPVGA塩を形成させることにより、鹸化させる。 実施形態によっては、中和は、PVGAを乾燥させる前に行い;他の実施形態では、中和は、PVGAを乾燥させた後に塩基の水溶液を加えることにより行う。 水中でPVGAを形成させる反応を行わせる場合、中和または鹸化は、アンモニアを単に加えるだけで(例えば、アンモニアガスを反応ポット中に通して泡立たせることにより)、あるいは望ましいモル等量のI属の金属の水酸化物を水中の反応混合物に加える(任意選択で、加熱する)ことにより、行う。 PVGAの分離・乾燥後に中和を行う場合、乾燥PVGAを、乾燥PVGA中に存在するエステルまたは遊離酸部分の一部または全部を中和するために選んだ量の中和剤(一般には、0.1M〜15MのI族金属の水酸化物の溶液の形)に単に浸すだけである。

    グリオキシル酸またはグリオキシル酸とグリオキシル酸塩との混合物をPVOHと反応させた後にPVGAを中和する更なる利点は、グリオキシル酸とPVOHの残留ヒドロキシル基とのエステル化によるある量の架橋を、塩基が破壊する働きをすることである。 このタイプの架橋を、方式IIにおける2種類の個別の繰り返し単位について示す。


    以下にさらに詳しく説明するように、ヒドロゲルを形成するためにPVGAを架橋しなければならないので、いくらかのそのような架橋は望ましい。 架橋しなければ、水性液と接触してもそれは単に分散するだけであろう。 しかし、過剰に架橋すると、ヒドロゲルが膨潤する能力が制限され、そのことにより今度は、PVGAから形成されるSAPの吸収容量が減少することになる。 それゆえに、PVGAの中和に用いる塩基の量は、基本的にすべてのカルボン酸基をカルボン酸塩に変換し、かつ方式IIに示すタイプのエステル架橋の一部を鹸化するのに十分な量である。 実施形態によっては、理論上の遊離カルボン酸基のモル量は、反応に用いるグリオキシル酸の量を基準にして計算し、そしてある量の単純なアルカリ塩基(水酸化ナトリウムなど)を、理論上の遊離カルボン酸基のモル等量の約100.1%〜115%、または理論上の遊離カルボン酸基のモル等量の約101%〜110%、または理論上の遊離カルボン酸基のモル等量の約102%〜107%、または理論上の遊離カルボン酸基のモル等量の約105%に基づいて加える。

    PVGAの架橋 PVGA合成方式の更なる一部の実施形態についてこの部で説明する。 更なる合成方式は、本発明のPVGA物質の合成および方法のいずれかと組み合わせて使用することを意図しており、その合成方式により、この部や他の部に記載しているSAPの実施形態のいずれかに記載している物理的性質の範囲になる。 さらに、そのような組合せによって合成されるPVGA物質は、本明細書に記載の配合物および物品のいずれか1つまたはそれ以上に有用である。

    本発明のPVGAを架橋させることは、本発明の必須の態様である。 超吸収性は、PVGAの架橋網を形成させることにより付与される。 なぜなら、架橋がなければ、PVGAは、多くの実施形態において水性液の存在下でヒドロゲルを形成するよりも分散することになるからである。 したがって、本発明のPVGAがSAPと呼ばれる複数の実施形態において、PVGAは選択された量だけ架橋される。 その量は、目的とするSAPの用途に基づいて選択され、選択された架橋量は、反応条件を注意深く制御することにより、また後で説明するように任意選択で架橋剤を添加することによりもたらされる。

    実施形態によっては、架橋は、更なる化合物も触媒も用いないで、グリオキシル酸誘導体とPVOHまたはPVAとの反応の間に行われる。 例えば、グリオキシレートのカルボキシル基とPVOHの残留ヒドロキシル部分との反応によるエステル架橋の形成は、上述されている。 そのような反応は、PVGA合成の間に行われる。 その合成では、グリオキシル酸またはグリオキシル酸エステルが存在するが、得られたPVGAが塩基で処理されると、選択された程度まで可逆である。 実施形態によっては、PVGAの合成時に酸(特に強プロトン酸)が存在し、それと共に加熱が行われると、PVOHのヒドロキシル基と他のPVOHのヒドロキシル基との縮合が起きてエーテル結合が形成される。 例えば、グリオキシル酸を工業原料から得る一部の実施形態では、硝酸などの強酸が極微量含まれている。 さらに、理論に制約されるわけではないが、多くの実施形態において、グリオキシル酸誘導体の少量の非環式アセタールの形成によって、ある程度のPVGAの架橋が行われ、その場合、異なるPVOHポリマー鎖の2つのヒドロキシル基が非環式のグリオキシル酸アセタール(glyoxylic acetal)の形成に関与すると、我々は信じている。

    グリオキシル酸誘導体以外の化合物及び/またはPVOHを使用してPVGAが架橋される実施形態では、架橋反応を行わせるのに使用する化合物は、「架橋剤」または「架橋化合物」と呼ぶ。 実施形態によっては、1つの架橋点(crosslink locus)当たりPVOHまたはPVGAの1つのヒドロキシル部分だけと反応する架橋剤を使用する(例えば、その場合、架橋剤は、二塩基酸またはジエステルである)。 実施形態によっては、最大数のアセタール官能基が形成された後に、ジエステルまたは二塩基酸の架橋剤との反応が有利に使用され、その反応はPVOHの孤立した残留ヒドロキシル基を利用する。 好適な二酸の非限定例として、脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、o−フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、ナフタレン二酸(naphthalene dioc acid)、二量体化脂肪酸、または水素化二量体化脂肪酸がある。 PVOHの孤立した残留ヒドロキシル基を架橋するのに同様に有用であるのは、酸無水物(無水o−フタル酸、無水マレイン酸または無水コハク酸など)である。 そのような反応は、エステル化反応またはエステル交換反応が解説されている多数の文献に記載されている。 PVOHの孤立した残留ヒドロキシル基を架橋するのに同様に有用なのは、ジエポキシド化合物(1,2−3,4−ジエポキシブタンなど);グリシジルエーテル(ビス−エポキシプロピルエーテル、エチレングリコールビス−エポキシプロピルエーテルおよび1,4−ブタンジオールビスエポキシプロピルエーテルなど)、またはエピハロヒドリン(エピクロロヒドリンおよびエピブロモヒドリンなど)である。 そのような反応は、例えば、米国特許第4,350,773号明細書に記載されている。 PVOHの孤立した残留ヒドロキシル基を架橋するのに同様に有用なのは、炭酸ジエチルまたは環状炭酸エステルなどの炭酸エステルである。

    他の実施形態では、ジアルデヒドが架橋剤として使用される。 一部のそのような実施形態では、グリオキシル酸誘導体とPVOHとの反応と同時にアセタール架橋が形成されるように、ジアルデヒドがPVOHとグリオキシル酸誘導体との混合物に含められる。 そのような架橋方式の1つを方式IIIに示す。

    方式IIIを参照すると、アルデヒド基とアルデヒド基の間に変数R 部分を有するジアルデヒドがnモルだけ、mモルのグリオキシル酸誘導体と共にPVOHに加えられる。 ここで、Rは方式Iの場合と同じである。 R は、反応の範囲では特に限定されず、様々な実施形態において、共有結合、あるいは線状、分岐、または環状のアルキルまたはアルケニル基またはアリールまたはアルカリール基(任意選択で、1つまたは複数のヘテロ原子を含む)である。 本発明の1種または複数種の架橋反応に役立つ好適なジアルデヒドの非限定例としては、例えば、エタンジアール(グリオキサール)、グルタルアルデヒド(ペンタンジアール)、マロンアルデヒド(プロパンジアール)、ブタンジアール、アジポアルデヒド(ヘキサンジアール)、フマルアルデヒド、オクタ−4−エンジアール(oct−4−enedial)、ホルミルバニリン(4−ヒドロキシ−5−メトキシベンゼン−1,3−ジカルボアルデヒド)、ピリジン−2,6−ジカルボアルデヒド、ピペラジン−1,4−ジカルボアルデヒド、フラン−2,5−ジカルボアルデヒド、o−フタアルデヒド(phthaldehyde)、およびテレフタルアルデヒドがある。 実施形態によっては、PVGAの形成および架橋が単一ステップで行われるように、ジアルデヒド架橋剤をグリオキシル酸誘導体と一緒にPVOHに加える。 反応が水中で行われる実施形態では、グリオキサールなどの水溶性ジアルデヒドを使用するのが好ましい。

    他の実施形態では、紫外線反応性基を持つアルデヒドまたはカルボン酸が、PVGAの合成に使用される。 また紫外線反応性基が反応して架橋を形成するように、望ましいときに好適な波長および出力の紫外線が好適な時間だけPVGAに照射される。 「紫外線」とは、10nm〜400nmの範囲の波長を有する電磁放射線を意味する。 実施形態によっては、紫外線活性化開始剤(当該技術分野において知られている市販の化合物から選択される任意の適切な開始剤など)を、1種または複数種のPVGA(好適には、紫外線反応性基で官能基化されたもの)と一緒に配合物に含める。 代表的な例では、フルフラールをグリオキシル酸誘導体とPVOHとの反応混合物に加えて、フルフリルアセタール部分を形成させる。 次いで、合成および望ましい任意の処理の後、照射を行って架橋を行わせる。 複数の実施形態では、PVGAの紫外線架橋に役立つ化合物として、アクリル酸、メタクリル酸、アクロレイン、ピランアルデヒド(アクロレインダイマー)、ヘキサ−2−エナール、クロトンアルデヒド、シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、シクロペンタジエン−2−カルバルデヒド、1−プロパ−2−エニルインドール−3−カルバルデヒド、シクロペンテン−1−カルバルデヒド、シクロヘプテン−1−カルバルデヒド、ヘキサ−2,4−ジエナール、シトラール、ネラール、およびシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルバルデヒドなどがある。

    複数の実施形態において、1種または複数種の架橋反応は好適には水中で行われる。 本発明の実施形態によっては、架橋剤は、グリオキシル酸誘導体と同時に加える。 他の実施形態では、架橋剤を段階的に加える。 すなわち、グリオキシル酸誘導体の添加の前または後に加える。 さらに別の実施形態では、PVGAの処理時にある特定の反応条件を用いると、エステル形成による内部架橋が引き起こされる。 一部のそのような実施形態では、後で強塩基を加えてエステル部分を鹸化すると、エステル架橋の一部または全部が逆戻りする。

    本発明のPVGA網に用いる架橋度(または架橋密度)は、目的とするPVGAの最終用途に合わせて選択する。 架橋が少ないと吸収容量は大きくなり、架橋が多くなるとモジュラスの大きなPVGAヒドロゲルになる。 多くの実施形態では、水性液で飽和したときにヒドロゲルが流れるのを防ぐと共に、最大吸収率を併せ持つように、架橋密度を選択する。 様々な用途で、様々な架橋密度が必要であろう。 例えば、一部の園芸用途では、得られたヒドロゲルに対する予想負荷は小さいので、最高吸収率をもたらす最小架橋密度を用いる。 しかし、意図している最終用途が使い捨ておむつの吸収材である一部の実施形態では、ぬれたおむつが圧縮されたときに(乳児が座るときなど)膨潤ポリマー粒子の横方向の動き(つまり弾性変形)を防ぐのに必要な機械的強度を付与するため、いくらか高い架橋密度が必要とされる。 使い捨ておむつ用途など最高の超吸収性と最高のモジュラスの両方が必要とされる用途で使用される場合、本発明のPVGAは、従来の市販のアクリル系超吸収性物質と同じくらいの吸収性があり、負荷状態での液体保持能力が同等であることを、我々は見いだした。

    複数の実施形態において、PVGAの架橋密度は、出発PVOHポリマーで利用可能なヒドロキシル基の総数の約0.001モル%から5モル%の間である。 実施形態によっては、架橋密度は、出発PVOHポリマーで利用可能なヒドロキシル基の総数の約0.05モル%から2モル%の間である。 本明細書の開示では、PVGAを生じる反応が解説されている箇所では、上述のとおり任意選択で1種または複数種の架橋剤が反応に実質的に含められ、その後のPVGAの処理または応用が解説されている実施形態では、PVGAは実施形態によっては架橋されたPVGAであることが理解されるであろう。

    官能基化されたPVGA
    実施形態によっては、更なる官能性または所望の物理的性質をPVGAに付与するために、PVOHのヒドロキシル基との1種または複数種の反応で、1種または複数種の更なる官能性化合物をさらに用いる。 官能基化されたPVGAは、本発明の範囲では特に限定されない。 「更なる官能性化合物」としては、例えば、ケトン、オキソカルボキシレート、アルデヒド、セミアルデヒド、エポキシド、またはカルボキシレート化合物がある。 複数の実施形態において、カルボキシレート化合物(単純なエステルまたはカルボン酸など)を、PVOHまたはPVGAの主鎖上のヒドロキシル基と反応させる。 例えば、1つのそのような実施形態では、長鎖カルボン酸(ドデカン酸など)をPVOHまたはPVGAの主鎖上のヒドロキシル基と反応させて、得られた官能基化PVGAの水性分散液中において結合性架橋(associative crosslinking)をもたらす。 ペンダントのアミン官能基またはヒドロキシル官能基は、PVOHまたはPVGAのヒドロキシル基とカルボキシレート官能性化合物(アミノ酸、ラクトン、ラクタム、またはヒドロキシエステルなど)との反応によって同様に付与される。 他のカルボキシレートも同様に含ませて、所望の官能性を実現するか、またはある特定の物理的性質(特定範囲のガラス転移温度、溶解度など)を、得られる官能基化PVGAに付与する。 ケトン、オキソカルボキシレート、アルデヒド、およびセミアルデヒドは、ケタール官能基およびアセタール官能基を形成させるのに適した反応条件下で、PVOHまたはPVGA上のヒドロキシル基の対と反応する。 例えば、一部のそのような実施形態では、アセトン、メチルエチルケトン、ピルビン酸、アセト酢酸、レブリン酸、4−オキソブタン酸、およびそれらの誘導体(それらのエステルおよび塩など)は、グリオキシル酸誘導体と組み合わせて本発明の官能基化PVGAコポリマーを形成させるのに有用である。 有用なセミアルデヒドとして、米国特許第5,304,420号明細書に開示されているものがいずれも含まれる。 本明細書の開示では、PVGAを生じる反応が解説されている箇所では、1種または複数種の更なる官能性化合物が任意選択で反応に含められ、官能基化されたPVGAが形成され、またその後のPVGAの処理および適用が解説されている実施形態では、PVGAは任意選択で官能基化されたPVGAであることが理解されるであろう。

    PVGAの処理:乾燥 処理ステップの幾つかの例をここで説明する。 それらの処理ステップは、本発明のPVGA物質の合成および処理のための本明細書に記載のどの方法とでも組み合わせて使用することを意図している。 同様に、本発明のSAP物質の物理的性質の説明は、本明細書に記載したようにして合成されるPVGA物質ならびにその物質を処理して得られる様々な形および形態のPVGAおよびPVGA SAPのいずれにも当てはまることを意図している。 さらに、そのような組合せによって合成および処理されるPVGAおよびSAPは、本明細書に記載の本発明の配合物および物品のいずれか1つまたそれ以上に有用である。

    処理には、様々な実施形態において、本発明のPVGポリマーを乾燥させることが含まれる。 本明細書で使用される「乾燥」とは、ポリマーの重量に対して、または場合によっては、ポリマーと任意の更なる固体添加剤(粘土、充填剤、残留塩化合物など)の重量に対して、ポリマーに関連した溶剤が合計5重量%以下となるように、水および(実施形態によっては)1種または複数種の更なる溶剤を除去することである。 SAPを形成させるためには、複数の実施形態において、PVGAの乾燥が必要である。 それは、本発明のPVGAによる水性液の全吸収容量は、必然的に乾燥物質から始まることに左右されるからである。 したがって、本発明の「超吸収性ポリマー」または「SAP」は、乾燥PVGAである。 実施形態によっては、PVGAを形成させるための反応混合物も乾燥させる。 しかし、上述したように、反応を推進して完了させるためには乾燥反応混合物を必ずしも完全に乾燥させる必要はない。 反応の推進に関連して上述した「水の蒸発」は、本明細書で定義した「乾燥」であってよい(ただし、必ずしもそうではない)ことが理解されるであろう。

    PVGAの乾燥は、従来の技法で実施される。 水、および任意選択的に、1種または複数種の他の溶剤は、知られている対流式または伝導加温装置を用いて除去する。 乾燥後のPVGAの総溶剤含量は、典型的にはポリマーの重量に対して約0.1重量%〜5重量%の範囲になるであろう。 乾燥方法の基礎的諸条件は本発明の範囲において限定されるわけではなく、多数の化学工学の文献を有用な仕方で用いて乾燥条件を最適化する。 超吸収剤を乾燥させることに関連して有用であることが知られている装置(通風ベルト、噴霧乾燥機、および回転ドラム乾燥機など)は、PVGAを乾燥させるのに有用である。 別の実施形態では、表面に近接する領域でエステル化による架橋度が大きくなるように、ゲル粒子の表面をいっそう過酷な乾燥条件に短くさらす乾燥手順を任意選択で選ぶことができる。 実施形態によっては、そのような処理を用いて、より優れた機械的性質および良好な水吸収速度(water absorption kinetics)が併せて得られる。

    様々な実施形態において、所望の最終製品形態及び/または特定用途のための形態を形成させるために、PVGAの乾燥を、更なる処理ステップの前または後に実施する。 例えば、上で詳しく解説したように、PVOHとグリオキシル酸誘導体との反応は、好適には水を蒸発させることによって推進して収量を高くする。 したがって、多くの実施形態では、中和および分割などの任意の更なる処理の前に、少なくとも一部の水をPVOHとグリオキシル酸誘導体との反応混合物から除去する。 SAP(すなわち、ヒドロゲルを形成し、かつSAP挙動を示すことのできる乾燥PVGA)を形成させるために、第2乾燥ステップを、一部のそのような実施形態において中和及び/または分割の後に用いる。

    PVGAの処理:分割 処理には、様々な実施形態において、本発明のPVGポリマーの分割が含まれる。 本明細書で使用される「分割」とは、1つまたは複数の用途に役立つ形態を提供するため、または吸収速度などの物理的性質を向上させるため、またはPVGAの合成および処理のより効率的な手段を提供するために、本発明のPVGA(または本発明のそのようなPVGAを形成させることを意図した反応混合物)をばらばらに分けて、小滴、ミスト、個々の固体粒子またはヒドロゲルの粒子、断片、細片、繊維形状、または他の形状にすることを意味する。 本発明のSAPを形成させるのに分割は必ずしも必要ではないが、分割は一般に、得られるSAPの表面積を増大させ、それゆえに本発明の多くの実施形態に有利である。

    実施形態によっては、膨潤したPVGAヒドロゲルは、乾燥させる前に、押し出しによって分割して「ヌードル」またはペレットを形成させる。 減圧と加熱を組み合わせてそれらをさらに乾燥させて、実質的に乾燥した熱硬化性樹脂を得る。 一部のそのような実施形態では、例えば、粉砕または微粉砕によって、乾燥ペレットをさらに分割し、ふるいまたは当業者に知られている別の手段によって粒子をサイズごとに分級する。 他の実施形態では、PVGAを形成させるための反応混合物は、反応が完了する前に、表面上に、滴下、スポットコーティング、グラビアコーティング、または吹き付けることによって分割し、分割された反応混合物がPVGAを形成する。 実施形態によっては、表面は、PVGAとの粘着性の小さい物質(例えば、過フッ素化ポリマーまたはシリコーンポリマー)で作る。 一部のそのような実施形態では、反応および水の蒸発が同時に起こるように、上記のように表面は加熱された基材である。 水の蒸発には、実施形態によっては、分割された反応混合物を完全に乾燥させることが含まれる。 上述したように、加熱された基材の温度は30℃から180℃の間、例えば90℃から160℃の間である。 反応させ、任意選択で完全に乾燥させた後、そのように形成されたPVGAを表面から取り外す。 一部のそのような実施形態では、均一粒径の乾燥微粒子がそのような方法で回収される。 一部のそのような実施形態では、分割の後、ただし反応の完了前に、分割された反応混合物に架橋剤を加える。 そのような実施形態では、更なる架橋は、分割された反応混合物及び/または分割されたPVGA(それが形成されるとき)のさらされた表面で実質的に行われる。

    実施形態によっては、PVGAの成分を混ぜ合わせてから、反応の完了前に、特定の基材上にコーティングする。 反応は、コーティングされた基材上のその場所で完了させる。 それは、例えば、加熱して、水の一部を蒸発させるかあるいは反応した混合物を乾燥させることにより行う。 そのような実施形態では、その場での反応の完了により、優れた粘着特性を有し、実施形態によっては、コーティングされた基材への優れた接着性を有する、均一な連続コーティングが得られる。 原則としてどんな基材にもそのようなコーティングを行うことができるが、セルロース系ポリマー、ポリアミド(ナイロンポリマーを含む)、ポリエステル(ポリ乳酸ポリマーを含む)、およびガラスおよび他のシリカまたは粘土系物質を含んだ基材は、そのような仕方でコーティングした場合に、本発明のPVGAに対する接着が良好であることを我々は見いだした。 基材は、比較的均一で一体的な表面(ガラスの板またはシートあるいは紙のウェブなど)であってよく、あるいは繊維または粒子であってもよい。 コーティングは、当業者に理解されているように、コーティングする基材の性質に応じて任意の知られているコーティング技法を用いて行われる。 有用なコーティング技法には、浸漬コーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、吹付け塗り、ニップコーティング(nip coating)、しごき塗、フラッドコーティングなどがある。 複数の実施形態において、コーティングおよびその場でのPVGA反応の完了後に、コーティングされた基材を分割する。 実施形態によっては、分割はPVGAの乾燥後に行い、他の実施形態では、分割前に部分乾燥を行うか、分割前には乾燥を行わない。 様々な実施形態において、コーティングされた繊維をカードですくかまたは細断したり、コーティングされた粒子を乾燥させて解凝集させたり、コーティングされた織物または不織の布を断片に切断したりするなどを行う。 実施形態によっては、紙基材をPVGA反応混合物でコーティングし、PVGAの形成反応をその場で完了させ、それからコーティングされた紙を細片に切断する。 様々な実施形態で、紙基材の片側または両側をそのようにコーティングする。

    実施形態によっては、基材上にPVGAをコーティングして反応させた後に、PVGAを基材から取り除いて、選択された形状の自立型PVGAを得る。 例えば、シリコーンまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のベルト表面をPVGA反応混合物の均一なコーティングで被覆し、その混合物を反応させてから、シリコーンまたはPTFEの表面からコーティングをはがすと、PVGAのシートが得られる。 そのような実施形態での乾燥は、シートをシリコーンまたはPTFEの表面からはがす前か後のいずれかに行う。 実施形態によっては、エンボスまたはマイクロエンボス(microembossed)シリコーンベルトにコーティングし、反応させた(また任意選択で乾燥させた)エンボス模様がその中にあるPVGAシートを、エンボスまたはマイクロエンボスシリコーンベルトからはがす。 あるいはまた、エンボスシリコーンベルトは個別のウェルを有し、ウェルにはコーティング(例えば、ニップコーティング)によってPVGA反応混合物が満たされる。 PVGAを形成させた後、明確な形状を有する分割「粒子」をエンボスシリコーンベルトのウェルから取り出す。 ウェルから取り出した後に乾燥させると、形状が保持されたまま「粒子」のサイズが小さくなる。

    実施形態によっては、本発明のSAPの粒径は、1つまたは複数の用途に適した形態にするために、乾燥後に調整する。 複数の実施形態において、サイズの大きすぎる流れを選別して微粉砕ステップへ戻すことを一緒に行って、SAPの2段階微粉砕を行う。 様々な実施形態において、微粉砕と選別とを併用して、粒径の平均を約100μmから1mmの間にする。 様々な粒径範囲および様々な均等度の粒子を製造するための当該技術分野において知られている他の方法および装置も好適に使用される。 本発明のPVGAは、粒径によっては特に制限されない。 しかし、粒径が小さくなると、利用可能な表面積が増大するので、仕上がったSAP粒子による水性液体の吸収速度が速くなることは、当業者に理解されるであろう。 本発明のPVGAの粒径は、様々な実施形態において、50nm〜3mm、または約1μm〜2mm、または約10μm〜1mmの範囲である。 粒子は乾燥前または乾燥後のいずれかで分割する。 実施形態によっては、乾燥前に分割するなら、その後の乾燥および粒子の収縮により、均一な粒径範囲の制御された粒径を生じさせる簡単な方法が提供されるという利点がもたらされる。

    PVGA処理:洗浄 様々な実施形態で、PVGAの乾燥前に、PVGAに対して洗浄ステップを実施する。 洗浄は、本発明のPVGAをSAPとして使用するための必要条件ではない。 優れたSAP特性は、上記の技法のいずれかを用いて、PVGAの形成、中和、および乾燥を行うことによってもたらされる。 しかし、多くの実施形態では、不純物の除去、可溶性不純物の低減、PVGA合成における全収率損失の低減、および独特の表面形状の形成は、本発明のPVGAを洗浄して1つまたは複数の用途に理想的に適したSAPを生じさせることによりもたらされる。 複数の実施形態において、水は、中和ステップにおける過剰の塩基、未反応のグリオキシル酸誘導体、またはPVGAからの他の不純物を洗うのに有用である。 しかし、中和後に実現されるPVGAの強力な吸収容量ゆえに、水洗浄は、PVGAの量に対して多量の水を使用することによってのみ成し遂げることができる。 したがって、水洗浄では、実施形態によっては、有効な洗浄を行うために、ポリマー/水のw/v比率が、3/97、1/99もの比率、さらには0.1/99.1もの比率であることが必要である。

    我々は、PVGA組成物(任意選択で、繊維、シート、コーティング、または粒子の形)に対して水性溶剤洗浄を行うと、得られた本発明のSAPにより、速度的性能(kinetic performance)(すなわち、水および水溶液の吸収速度)が改善されることを見いだした。 さらに、水性溶剤洗浄は、PVGA組成物中の可溶性物質の量を著しく減少させ、それによって物質の一部の洗い出しによる全収率損失が減少することが見いだされた。 本明細書で使用される「水性溶剤」という用語は、水混和性溶剤または水と水混和性溶剤との混合物であって、水混和性溶剤が、液体であり、かつ約15℃から30℃の間で容積混合物(volumetric mixtures)の少なくとも一部の範囲で水と混和できる化合物であるものを意味する。 複数の実施形態において、水性溶剤混合物は、水:溶剤が約1:99〜99:1(v/v)、または水:溶剤が約10:90〜90:10(v/v)、または水:溶剤が約20:80〜80:20(v/v)、または水:溶剤が約30:70〜70:30(v/v)、または水:溶剤が約40:60〜60:40(v/v)である範囲または範囲の一部で混和できる。 適切な溶剤としては、例えば、低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、およびイソブタノールなど);ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、またはプロパンジオールなど);トリオール(グリセロールなど);ケトン(アセトンまたはメチルエチルケトンなど);低級カルボン酸エステル(蟻酸エチルまたは蟻酸メチルなど);および1つまたは複数のヘテロ原子を有する他の水混和性化合物(テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジオキサン、ピラジン、ピロール、ピルビン酸エチルなど)などがある。 個別の水混和性溶剤またはそれらの混合物を水性溶剤洗浄に使用できる。 水性溶剤洗浄液は、任意選択で、添加された可塑剤、界面活性剤、湿潤剤、酸化防止剤、着色剤、または他の配合成分(望ましくはPVGAと接触する)を含むことができる。 複数の実施形態において、エタノールまたはイソプロパノールを水性溶剤混合物における溶剤として使用する。 複数の実施形態において、50:50〜90:10(v/v)の比率、または70:30〜80:20(v/v)の比率のエタノール:水またはイソプロパノール:水が、本発明の一部のPVGA組成物用の水性溶剤混合物組成物として好適に使用される。 他の実施形態では、有機溶剤の非存在下で、水または水性塩基によって最大限までまたは途中まで膨潤したSAPは、その後、水混和性溶剤だけで洗浄する。 そのような実施形態では、溶剤はヒドロゲル内に存在する水と混ざり合って、水の一部に取って代わり、そのようにして水性溶剤溶液がその場で形成される。

    複数の実施形態において、合成後に、また任意選択で粒子、シート、コーティング、または繊維を形成させた後に(ただし、乾燥させる前に)、水性溶剤洗浄により、膨潤したPVGAを洗う。 他の実施形態では、合成後に、ただし任意選択で粒子、シート、コーティング、または繊維を形成させる前に、水性溶剤洗浄によりPVGAを洗う。 複数の実施形態において、水性溶剤洗浄の際のPVGAの膨潤度を最小限に抑えるため、水性溶剤洗浄組成物は、使用する溶剤および溶剤と水との比率の点で最適化する。 複数の実施形態において、約1重量%以下の全固形分(実施形態によっては1重量%から0.05重量%の間の固形分)を含んでいる十分に膨潤したPVGAヒドロゲルを、後で水性溶剤組成物による収縮にさらし、(膨潤PVGAの塊から自由な(すなわち、未同伴の)水性溶剤混合物をデカントした場合に)合計で少なくとも約3重量%の固体が含まれるようにする。 例えば、収縮PVGAヒドロゲルは、膨潤したPVGAの塊から自由な水性溶剤混合物をデカントすると、約3重量%から20重量%の間の固形分、または約5重量%から15重量%の間の固形分を含む。

    複数の実施形態において、本発明のPVGAに対して水性溶剤洗浄を行うと、得られたPVGA物質は、乾燥させた場合に、その特性および性能が向上する。 例えば、実施形態によっては、水性溶剤洗浄が行われたPVGAは、水のみで洗浄された同じPVGAと比較して水溶性物質含有量が少なくなる。 例えば、水性溶剤洗浄を行ったPVGAの可溶性物質含有量%は、実施形態によっては、水溶性物質含有量が30重量%未満、例えば、水溶性物質含有量が約0.01重量%〜20重量%、または水溶性物質含有量が約0.5重量%〜15重量%、または水溶性物質含有量が約1重量%〜10重量%である。 複数の実施形態において、水性溶剤洗浄を行ったPVGAは、水のみで洗浄した同じPVGAと比較して、PVGA中への水および水性液の吸収の初期速度が大きい。 水性液の吸収の初期速度は、未洗浄のSAPまたは水のみで洗浄したSAPと比べて、PVGAに対して水性溶剤洗浄を行い、その後乾燥させてSAPを形成させることで、大きな影響を受ける。 本明細書で使用される「吸収の初期速度」とは、乾燥SAPを液体と接触させた後、最初の10秒〜30秒のうちに吸収される、1グラムの乾燥SAP当たりの、グラム数(液体)/分で表された水性液の吸収速度を意味する。 吸収された液体の重量を時間に対してプロットしたものを用いてこの速度を内挿できる。 ただし、急速吸収するSAPでは、初期速度の測定値の精度は、試験液体からSAP試料を取り出し、残留している間隙の水を(その過剰の液体が吸収される前に)吸い取るのにかかる時間によって制約されることが理解されるであろう。 この制約の範囲内において、様々な実施形態で、乾燥前に水性溶剤洗浄を行ったSAPは、水のみで洗浄する以外は同じように合成され処理されたSAPよりも、水性液の吸収の初期速度が、少なくとも約1.5倍、例えば、約1.5倍〜25倍、または約2倍〜10倍、または約3倍〜7倍大きいことを我々は観察した。 複数の実施形態において、水性溶剤洗浄した本発明の乾燥SAPが、約20℃〜27℃で0.9重量%NaCl溶液の最大吸収容量の半分に達するまでに必要な時間は、水のみで洗浄した同じSAPのそれと比べて約半分、または水のみで洗浄した同じSAPのそれと比べて約3分の1、または水のみで洗浄した同じSAPのそれと比べて5分の1である。

    表面積は、固体がその環境と相互に影響し合う際の手段である。 本発明のSAP物品にかかわる場合、表面積は水性液吸収の初期速度に強く相関する。 ある意味では、表面積は、「見掛け表面積」、すなわち、おおまかな大きさ(平均粒径、コーティングの被覆表面積、または繊維のサイズなど)を用いて計算した表面積である。 当該技術分野において知られているサイズ測定は、例えば一般的形状(球形、長円形、円筒形)の粒子または繊維の平均見掛け表面積を計算するのに役立つ。 不規則形状粒子の場合、1つの知られている大きさの回転半径(例えば、ふるいによって求められた大まかな粒径)が、見掛け表面積を表すのに用いられることがある。 粒子または繊維の平均サイズが減少するにつれ、単位容積(質量)当たりの見掛け表面積は増大する。 非常に粗い粒子および繊維は、見掛け表面積が1グラム当たりたった数平方センチメートルであるが、より細かい粒子または繊維は、見掛け表面積が1グラム当たり数平方メートルである。

    粒子、コーティング、または繊維上に細かい表面特徴があると、見掛け表面積の表面積をはるかに超える実際の表面積を生じうる。 実際の表面積は、多孔性及び/または表面の凸凹(すなわち、隆起、折り目、しわ、細い溝など)と合致するものである。 ヒドロゲルの形成において、SAPによる水性液の吸収速度は、実際の表面積と見掛け表面積との比率に強く影響される。 複数の実施形態において、PVGAヒドロゲルの水性溶剤洗浄により、独特の表面形状(本明細書で「複雑な」形状と述べているもの)が形成されることになり、その際に複雑な表面特徴は、上述の水性溶剤洗浄手順によって本発明のSAPに付与される。 理論に制約されることは望まないが、増大した表面積自体、および水性溶剤洗浄によって付与された特定タイプの表面形状の両方が、本発明のSAPによる吸収初期速度の観察される増大と直接相関があると我々は考えている。 上述した本発明のPVGAのいずれも、PVGAを乾燥させてSAPを形成させると、その表面に付与されるそのような特徴を有しうる。 ただし、任意のヒドロゲル(乾燥させたときにSAPであるポリマーを含む)に対して水性溶剤洗浄を用いる方法には、好適には、ヒドロゲルを水性溶剤洗浄し、その後乾燥させ、それに表面特徴を付与する方法が実施されると理解されるであろう。 水性液の初期吸収速度が著しく改善されるという同じ利点は、対応するヒドロゲルの水性溶剤洗浄が施される任意のSAPにももたらされる。

    これから複雑な表面形状について詳しく説明する。 図1を参照すると、本発明のSAPが100倍で示されている。 SAPには、PVGAが脱イオン水によって最大限まで膨潤し、次いで乾燥前に水で洗浄された、本発明のPVGAが含まれる。 PVGAは、水による洗浄の前に粉砕により分割された。 図2にその表面をさらに詳細に示す。 それは、同じ粒子を1000倍に拡大したものである。 ざらざらやくぼみなどの表面の凸凹は目に見えるが、表面の大半は比較的特徴がない。 それに対して、同じPVGA(粉砕し、乾燥させたもの)を、水で最大限まで膨潤させ、次いで乾燥前にエタノールで2回洗浄した。 図3は、エタノールで洗浄した後の代表的な粒子(100倍)を示す。 その表面をさらに詳細に図4および5に示す。 それは、それぞれ1000倍および75,000倍で示した同じ粒子である。 粒子の表面に存在する特徴は、複雑な表面特徴である。 上で定義したように、「複雑な」とは、湾曲渦巻きまたは曲がりくねった渦巻き状に折りたたまれていること、細長いくぼみ、しわ、亀裂、または溝を意味する。 この表面形状により、乾燥SAP物品による水性液の吸収の高速度へとつながる仕方でSAP物品の比表面積(実表面積)が増大する。

    複雑な表面特徴は、PVGAの化学的性質、使用する水性溶剤洗浄、および洗浄方法によって、サイズが異なる。 複雑な表面特徴における折り目またはしわのサイズは、様々な実施形態において、平均の高さ(すなわち、山から谷までの距離(振幅と似ている))および平均周期性(すなわち、山から山または谷から谷までの距離(周波数と似ている))の点で異なる。 複数の実施形態において、複雑な表面特徴は、約10nmから25μmの間の高さおよび約10nmから50μmの周期性を有する。 複数の実施形態において、溶剤の種類、1回または複数回の連続洗浄における、溶剤:水の比率、および膨潤SAP粒子に溶剤を含ませる仕方を変化させると、得られる複雑な表面形状の変化が引き起こされる。 例えば、(ヒドロゲルを十分に膨潤させるのに必要な量よりさらに)大量の水に粒子を浸し、その後十分に水混和性である溶剤中にゆっくり浸すと、実施形態によっては、徐々に収縮が起こる。 別の例では、粒子を最大限まで膨潤させるのに必要とされるよりも少ない量の水に浸し、次いで水混和性溶剤だけを迅速添加した粒子は、実施形態によっては、急速に収縮する。 これら2つの変形形態では、肉眼で見える粒子の収縮の度合いのほかに複雑な構造の高さおよび周期性の点で、観察される表面形状に変化が生じる。

    実施形態によっては、SAP粒子は、その表面の少なくとも10%で、例えば、その10%から100%の間、またはその約25%から75%の間で、複雑な表面形状を有する。 他の実施形態では、SAPコーティングは、上述のようにして形成され、コーティングの後に水性溶剤洗浄を施す。 そのような実施形態では、複雑な表面形状が、その表面の少なくとも10%(例えば、その10%から100%の間、またはその約25%から75%の間)で存在する。 さらに別の実施形態では、自立型のSAPシートまたは繊維が形成されて水性溶剤洗浄が施される。 そのようなSAPシートまたは繊維は、その表面の少なくとも10%(例えば、その10%から100%の間、またはその約25%から75%の間)で複雑な表面形状を有する。

    水性溶剤洗浄によって付与される更なる粒子の特徴は、図1と図3を比較すると明白である。 図3は、複雑な表面特徴のほかに、全体的に湾曲して折りたたまれ、つぶれた外観を有する粒子を示している。 粒子の一部分には、折り目および空洞が見られる。 理論に縛られるわけではないが、図3中の粒子のつぶれた外観は、水性溶剤洗浄の直接的な結果として生じる(すなわち、粒子全体がエタノールの存在下で縮む)、と我々は考えている。 このことは、水で最大限まで膨潤した時の粒子の体積が、後で水性溶剤洗浄したときに10倍〜300倍も、または約50倍〜100倍も減少することを示すデータによって裏付けられる。 実施形態によっては、粒子のつぶれた形状は、液体との接触時に毛管圧へ寄与するため、水性液の吸収速度をさらに向上させる。 実施形態によっては、そのような形状は多孔質である構造を形成する。 多孔質の特徴、すなわち、粒子またはコーティングの表面から内部へ伸びている孔または空隙が、(複雑な特徴とは区別されるものとして)本発明のPVGA SAPの一部の実施形態に存在する。 SAPおよび超多孔質ヒドロゲルを含め、多孔質ヒドロゲルの徹底的な解説は、Omidian,H. et al. ,J. Controlled Release 102,3−12(2005)中に見いだされる。

    理論に縛られるわけではないが、複雑な表面特徴はSAPの性能との関連で特に有利な形状である、と我々は考えている。 伝統的に多孔質微粒子は、固体粒子を毛管状にするという観点から有利と考えられているが、SAP粒子の場合、多孔質形状は理想的ではない。 これは、SAPが液体の存在下で、非常に急速にその乾燥サイズの何倍にも膨潤するからである。 多くの場合、多孔質粒子は単に細孔を急速にふさぐように膨潤するであろう。 一方、複雑な表面特徴は、液体と接触する大きな有効表面積を生じさせ、膨潤が開始すると、広がって更なる液体と接触する。

    実施形態によっては、複雑構造は、一方向に配向していてパターン化されている。 他の実施形態では、複雑構造は、配向もパターン化もしていない。 配向またはパターン化が生じるのは、実施形態によっては、一方向に向かって水混和性溶剤または水性溶剤混合物がヒドロゲルの粒子またはコーティングの上を流れる場合;またはPVGAヒドロゲル粒子またはPVGAヒドロゲルでコーティングされた基材が、水混和性溶剤または水性溶剤混合物でぬらされた表面上を引きずられる場合;またはヒドロゲルが、パターン化された基材表面または特定の形状(例えば、繊維、またはセルロース系材料の自然の細胞組織構造)を有する基材表面または他の任意のそのような基材上に薄いコーティングとして設けられる場合である。

    実際の表面積測定は、幾つかの知られている技法の1つを用いて行う。 例えば、多孔質であっても、非多孔質であっても、粉末であっても、不活性ガスの温度および圧力を、ガス分子の単一層が固体の全表面にわたって吸着されるように調節することができる。 圧力変換器または当業者に知られている他のセンサーは、吸着されたガスの量に定量的に反応する。 吸着データを収集するのに用いられる周知のそのような技法の2つは、B. E. T. 吸着および水銀ポロシメトリーである。 例えば、Brunauer,S. et al,J. Am. Chem. Soc,60(2),309−319(1938);Abell,A. et al,J. Coll. and Int. Sci. ,211,39−44(1999)を参照されたい。 こうしたデータを用いて、試料の実際の表面積を計算することが可能であり、それは、普通は比表面積(単位質量当たりの表面積(普通は、m /g))として報告される。 比表面積と見掛け表面積(平均粒径、繊維の平均サイズ、またはコーティングされた表面積に基づく)との比率は、本発明との関連では「表面積比率」と呼ぶ。 例えば、水銀ポロシメトリーを用いた場合、水洗浄された本発明のSAP粒子の測定表面積と、水性溶剤洗浄された本発明のSAP粒子の測定表面積との比率は、約1:1.5〜1:25、または約1:2〜1:10、または約1:3〜1:7である。 複数の実施形態において、水性溶剤洗浄された粒子の合計表面積(水銀ポロシメトリーまたはB.E.T.を用いて測定されたもの)は、約10m /g〜400m /gである。

    SAPの性能 複数の実施形態において、PVGA網は、水に対して超吸収性がある。 実施形態によっては、PVGA SAPは、約20°〜27℃の温度において、1グラムの乾燥ポリマー当たり約20gから500gの間の脱イオン水または蒸留水を吸収する。 他の実施形態では、SAPは、約20°〜27℃の温度において、1グラムの乾燥ポリマー当たり約40gから300gの間の脱イオン水または蒸留水を吸収する。 本発明のSAPは、水性液に対しても超吸収性がある。 本明細書で使用される「水性液」としては、水、様々な濃度のNaCl溶液、体液(尿、血漿、または血液など)からの水性の溶液または分散液、あるいは他の水性の溶液および分散液(医療用流体(薬物運搬液(drug bearing fluids)を含む)、食物から生じる液体、水性廃液など)がある。 水性液は特に限定されない。 多くの実施形態では、水性分散液は、水および水溶性成分が吸収されるだけであり、そのとき分散成分は単に動けなくされる。 複数の実施形態において、本発明のSAPは、約20℃の温度において1グラムの乾燥ポリマー当たり約4gから200gの間の水性液を吸収する。 他の実施形態において、SAPは、約20℃の温度において1グラムの乾燥ポリマー当たり約10gから50gの間の水性液を吸収する。

    複数の実施形態において、PVGA SAPはまた水性液を急速に吸収し、そのため多数の工業的用途において有用なものとなりうる。 実施形態によっては、約20°〜27℃の温度において、ポリマーの重量に対して含水量が約5重量%であるSAPは、約1秒〜100秒でそれ自体の重量の水を吸収する。 他の実施形態では、SAPは、約10秒〜80秒でそれ自体の重量の蒸留水または脱イオン水を吸収する。 さらに別の実施形態では、SAPは、約20秒〜50秒でそれ自体の重量の水を吸収する。 複数の実施形態において、20°〜27℃における乾燥PVGA SAPによる0.9重量%NaCl溶液の吸収の初期速度は、1gのPVGAにつき1分間当たりNaCl溶液が約1〜30g(g/g・min)、または約4〜20g/g・min、または約5〜20g/g・min、または約5〜15g/g・minである。 複数の実施形態において、約20°〜27℃で、本発明の乾燥PVGA SAPが0.9重量%NaCl溶液の最大吸収容量の半分に到達するのに必要な時間は、約30秒〜15分、または約0.8分〜9分、または約1分〜3分である。

    上で詳述したように、複雑な表面形状によりSAPの吸収の初期速度は向上する。

    SAPの配合物および用途 本発明のSAPおよびヒドロゲルを含む配合物、用途、および物品の幾つかの例をこの部で説明する。 配合物、用途、および物品は、本発明のPVGA物質の合成および処理に関して本明細書に記載する任意の方法と組み合わせて用いることを意図している。 さらに、そのような組合せによって合成および処理されるPVGA物質およびPVGA SAP物質は、この部または上記の各部で記載した本発明の配合物、用途、および物品のいずれか1つまたはそれ以上においても有用である。

    多くの有用な用途において、本明細書に記載したようにして形成されるSAPの粒子、シート、コーティング、または繊維は、特定の最終用途のために最適化される配合物の1成分であることが理解されるであろう。 幾つかのそのような用途において、SAPの粒子、コーティング、または繊維は、配合物の主要成分であり、他の用途では、少量成分である。 他の実施形態では、1種または複数種の配合物成分がSAP自体の中に同伴される。 例えば、SAPの粒子またはコーティングの中に同伴される。 有用な配合物成分の例としては、様々な実施形態において、溶剤、水性液、水性溶剤混合物、セルロース、デンプン、リグニン、多糖類、界面活性剤、粘土、雲母、掘削液、殺虫剤、除草剤、肥料、芳香剤、薬物、難燃剤、パーソナルケア配合物成分、コーティング添加剤、シクロデキストリン、充填剤、補助剤、熱安定剤、紫外線安定剤、着色剤、酸性化剤、金属、微生物、胞子、カプセル化有機酸、またはこれらの組合せがある。

    本明細書に記載のSAP、およびSAPから得られる配合物は、超吸収性剤がすでに商業的に実用化されている多くの用途で有用である。 本発明のSAPは、個人用使い捨て衛生用品(乳児のおむつ、大人の保護下着および生理用ナプキンなど)における吸収剤として有用である。 SAPの粒子、繊維、またはコーティングは、例えば、地中の電力ケーブルまたは通信ケーブルにおける水浸透の防止;園芸用保水剤;薬物送達系におけるキャリヤー(薬物流出ステント用のコーティングまたは局所的な薬物送達(イオン泳動による送達を含む)における貯蔵体を含む);流出および排出水性液の制御;インクジェットインクまたは他の水性の塗料、インク、または着色剤組成物用の吸収性コーティング;殺虫剤、除草剤、芳香剤、および薬物を制御放出するためのキャリヤー;難燃ゲル;葬儀用パッド(mortuary pads)、外科用パッド(surgical pads)、創傷被覆材、および医療用廃物固化;食料品用の吸収パッドおよび包装材料;化粧品のゲル添加剤;シーリング複合材;濾過用途;航空機および自動車用の燃料監視システム;かごに入れられた昆虫用の給水体(drown−free water source);ラテックス塗料向けのマスキングテープ用の添加剤;ホット/コールド治療用パック(hot/cold therapy packs);静止ウォーターベッド;水中で大きくなるおもちゃ;掘削液の添加剤、および映画および劇の演出用の人工の用途を含む、各用途においても有用である。 実施形態によっては、PVGAの粒子、繊維、シート、およびコーティング、ならびにそれらから形成される配合物は、1つまたは複数の用途における膨潤ヒドロゲルとして有用である。 そのような用途としては、例えば、人間の再生医療における骨格(実施形態によっては、人間の細胞がPVGAマトリックス内に含められる);薬物送達系(薬物流出ステント用のコーティングまたは局所的な薬物送達(イオン泳動による送達を含む)における貯蔵体を含む);殺虫剤または除草剤の制御放出用;EEGおよびECG医療用電極;豊胸手術;園芸用保水剤;およびやけどまたは他の治療困難な傷をいやすための包帯がある。 多くの有用な用途において、膨潤PVGAの粒子、コーティング、または繊維は、特定の最終用途のために最適化される配合物の1成分であることが理解されるであろう。 幾つかのそのような用途において、膨潤PVGAの粒子、コーティング、または繊維は、配合物の主要成分であり、他の用途では、少量成分である。

    本発明のSAPおよびヒドロゲル物質はまた、実施形態によっては、水の吸収容量、水の吸収速度、またはその両方を増大させるために、1種または複数種の配合物成分と有効に組み合わせられる。 例えば、実施形態によっては、PVGAと1種または複数種の界面活性剤とをブレンドすると、得られたSAPの水の吸収速度が増大する。 複数の実施形態において、粘土および無機充填剤(シリカ粘土および超微粒雲母など)を加えることが、SAPの総合的水吸収特性を高めるために行われる。 デンプン、セルロース、無機充填剤(二酸化チタンまたはカーボンブラックなど)、ゼオライトまたは多孔質炭素、植物繊維、粉砕植物繊維などの他の物質は、最終用途によって求められる通りに本発明のSAPと有用な仕方で組み合わせる。

    負荷がある場合およびない場合のその吸収容量、ならびに優れた吸収速度ゆえに、本発明のPVGA SAPは、当該技術分野において知られておりかつ実際に広く使用されているアクリル系SAP物質の直接の代替え品として使用できる。

    PVGAヒドロゲルの分解 膨潤した(すなわち、使用された)ヒドロゲルが様々な化学反応および生物学的反応を起こして、最終的に無害な生分解性生成物に至ることができる乳児のおむつなど、要求のかなり厳しいそのような用途に必要とされる吸収容量および吸収速度を、本発明のPVGA SAPは兼ね備えている。 ここで原則として、例えば、使用済みの廃棄消費財は、適当な環境条件下において完全に分解されることが可能になる。 本明細書に記載のいずれかの方法を使用して合成および処理され、かつ本明細書に記載の配合物、用途、および物品のいずれにおいても用いられる、本明細書に記載の物理的性質の任意の組合せを示すどのPVGA物質(本明細書に記載のPVGA SAPを含む)であっても、様々な実施形態において、この部に記載された方法の任意の組合せを用いて、脱ゲル化及び/または分解される。

    環境条件下でのPVGAの分解過程は、例えば、脱アセタール化(deacetalization)及び/またはエステル加水分解反応によってもたらされる加水分解反応を含みうる。 アセタールの脱アセタール化及び/またはエステル基(例えば、上記のようにグリオキシレートのカルボキシレートと残留PVOHヒドロキシル基との架橋反応によって形成されたもの)の加水分解により、PGVAヒドロゲルの脱架橋および脱ゲル化が徐々に生じる。 環状グリオキシル酸アセタール(cyclic glyoxylic acetal)部分の脱アセタール化により、グリオキシル酸およびその塩が放出され、PVOHのアセタール化が減少する。

    本明細書で使用される「脱ゲル化」とは、PVGAヒドロゲルが水または水性液中に十分に分散するようになってその分散液が均質に見えるようになること、かつ約20°〜27℃において、その脱ゲル化物質の水性分散液が1〜5μmの粒子保持力(particle retention capacity)および1400秒のヘルツベルグ(Hertzberg)流量を有する濾紙を通過することを意味する。 複数の実施形態では、本発明のSAPヒドロゲル(水性液によって途中まで膨潤しているかまたは最大限まで膨潤している)は、穏やかな条件によって脱ゲル化される。

    加水分解脱アセタール化では、酸性条件が必要である。 実施形態によっては、PVGAヒドロゲルを酸(好ましくは水溶性の酸)と接触させると、約1〜180日間にわたってゲル含有量が減少し、それに伴ってグリオキシル酸誘導体が現れるが、ヒドロゲル中に同伴されている水は常に存在する。 本発明との関連では、PVGAヒドロゲルの脱ゲル化を引き起こすのに有効な酸性化合物は、「酸性化剤(acidulants)」と呼ぶ。 本明細書に記載した単一の酸性化剤または1種または複数種の酸性化剤の組合せを用いて、本発明のPVGAヒドロゲルの脱ゲル化を行わせる。 実施形態によっては、酸性化剤は弱有機酸である。 本明細書で使用される「弱有機酸」は、pKaが少なくとも2であるカルボン酸を意味する。 実施形態によっては、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、イタコン酸、乳酸、O−ラクトイル乳酸、または酢酸を、酸性化剤として使用する。 リン酸およびその一塩基性塩も好適な酸性化剤である。 しかし、高可溶性のホスフェートの放出に関連して環境汚染の可能性があるため、それらはそれほど好ましくない。 複数の実施形態において、十分な酸性化剤をヒドロゲルと接触させて、pHが約2〜6(複数の実施形態ではpHが約2〜5)である膨潤PVGAヒドロゲル内の液体環境を形成させる。 それは、約1〜180日間にわたってPVGAヒドロゲルの脱ゲル化を生じさせるのに十分なものとなる。 目標とするpHに到達させるために必要な特定量の弱有機酸は、例えば、PVGAが吸収する水性液の性質及び量、グリオキシル酸アセタール繰り返し単位の数、およびグリオキシレートのカルボキシル基の中和度によって異なるであろう。 実施形態によっては、PVGAヒドロゲルの大部分は、膨潤ヒドロゲルを弱有機酸と接触させた後、180日間以下の間ずっと十分に水分散性または水溶性になる。

    実施形態によっては、クエン酸を、水または0.9重量%NaClで最大限まで膨潤させたPVGAと接触させる。 そのような実施形態では、pHを3から4の間にクエン酸で調整すると、膨潤したPVGAヒドロゲルは、その酸と接触で脱ゲル化を開始し、10日以内に約30重量%〜60重量%の膨潤ヒドロゲルが十分に分散性になって、1〜5μmの粒子保持力および1400秒のヘルツベルグ流量を有する濾紙を通過する。 約20日後に、約50重量%〜80重量%の膨潤ヒドロゲルが上述したように分散性になり、約45日後には、約65重量%から実質的に全部の膨潤ヒドロゲルが上述のように分散性になる。 多くの実施形態では、約90日後には、実質的に全部の膨潤ヒドロゲルが上述したように分散性になる。 実施形態によっては、クエン酸処理したヒドロゲルと比べて、水で膨潤したヒドロゲルは約45日後に約20重量%以下が上述したように分散性になる。

    酸性化剤は、幾つもの利用可能な形態のうちの1つ以上の形態でPVGAヒドロゲルと接触するようにされる。 SAPと接触してヒドロゲルを形成する水性液それ自体が酸性化剤である一部の実施形態では、更なる付加的なステップも形成も必要ではない。 他の実施形態では、酸性化剤は乾燥形態(約40℃未満またはそれ以上の温度で固体である酸性化剤など)で提供される。 そのような実施形態では、酸性化剤は、SAPが水性液と接触したときに溶解または部分的に溶解し、それによって脱ゲル化にとって必要なpH範囲がもたらされる。 他の実施形態では、酸性化剤は、カプセル形態で提供される。 これは、SAPが水性液によって膨潤した後、すなわち、使用時、またはヒドロゲルを含む物品が配置された後に、酸性化剤が潜在的にヒドロゲルに放出されるようにするためである。 例えば、酸性化剤を含む粒子は、ゼラチン、デンプン、PVOH、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドンまたは当該技術分野において知られている他のコーティング組成物でコーティングすることができ、それらは、湿気にさらされた時(乾燥PVGAからヒドロゲルが形成される誘因となることに関係)以降、数日間かけてゆっくり溶解するかまたはそうでなければ崩壊することが知られている。 さらに別の実施形態では、酸性化剤は潜在的酸性化剤である。 すなわち、酸性化剤は、水性液にさらされた時に加水分解することが可能なカルボン酸エステルまたはポリエステルなどの前駆体の形で提供される。 潜在的酸性化剤の例は、ラクチド、エステルポリマーならびに乳酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸のオリゴマーおよびコポリマーなどである。 一部のそのような実施形態では、潜在的酸性化剤は、酸性化剤のカプセル化に関して説明したのと同様の仕方でカプセル化される。

    酸性化剤(カプセル化酸性化剤および潜在的酸性化剤を含む)は、幾つもの方法のうちの1つまたはそれ以上の方法を用いてPVGAヒドロゲルと接触させる。 実施形態によっては、酸性化剤は、SAPを含んでいる配合物中に含める。 一部のそのような実施形態では、酸性化剤は、SAP自体に、例えばコーティング内に含める。 他の実施形態では、酸性化剤は、物品内のSAPの近くに置かれる。 その結果、水性液は、SAPと接触するときに、カプセル化酸性化剤とも接触する。 さらに別の実施形態では、酸性化剤は、乾燥SAP粒子に付着するコーティング(例えば、粉末被覆)である。 高分子である潜在的酸性化剤は、実施形態によっては、フィルムまたは繊維の形で、あるいは本発明のSAPを含む物品の一体部分としても使用される。

    遊離のグリオキシル酸誘導体および部分的または完全に脱アセタール化されたPVOHの形成につながる加水分解反応に加えて、PVGAヒドロゲルは、穏やかな条件(様々なリグニン分解菌類(lignolytic fungi)によって産生されることが当該技術分野において知られているある特定の酵素)の作用によって生じる条件と似た条件を含む)のもとで様々な酸化反応をしやすい。 例えば、過酸化水素および過ヨウ素酸塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム)などの無機過酸化物の希薄溶液は、本発明のヒドロゲルを脱ゲル化する。 好適な金属触媒としては、例えば、Co 2+ 、Cu 2+ 、Mn 2+ 、Mn 3+ 、およびFe 2+に基づくものがある。 理論に制約されるわけではないが、そのような酸化反応は、例えば、グリオキシル酸アセタール部分のアセタール化炭素原子が関与し、それにより酸化脱アセタール化が起こり、シュウ酸塩が形成されると思われる、と我々は考えている。 酸化は、アセタール化PVOHのメチン基およびメチレン基も関与しうる。 それにより、可能な生成物(遊離グリオキシル酸誘導体、ポリマー主鎖内のケトン基、および重合度の全体的な減少をもたらす様々な炭素−炭素切断生成物(酸化及び/または加水分解)を含むが、それらに限定されない)の複雑な混合物が形成される。

    本発明のPVGAは、複数の実施形態において、PVOHのヒドロキシル基と1種または複数種のグリオキシル酸誘導体のアルデヒド基との間で環式および非環式のアセタール結合が形成されることにより、さらにグリオキシル酸誘導体のカルボキシル基とPVOHのヒドロキシル基との間の架橋エステル結合などの更なる結合の形成により、本質的に生分解性である出発物質から組み立てられる。 PVOHは、ふさわしい環境条件下では、当該技術分野において本質的に生分解性であることが知られている(例えば、Chiellini,E.et al,Prog.Polym.Sci.28,963(2003)を参照)。 グリオキシル酸およびグリオキシル酸塩は、天然物であり、トリカルボン酸回路(TCA)のグリオキシル酸経路の一部として地上の生命体の大部分で生じる容易に利用できる中心代謝産物である。

    木材および他のセルロース質バイオマス残留物を分解させることのできるある特定の微生物は、PVGAヒドロゲルを顕著にまたは完全に分解させるのに好ましい条件を実現するのに特に有用である。 例えば、多数のリグニン分解菌類は、おびただしい量の有機基質を酸化および分解させる強力な能力を有する酵素の混合物を生み出すことでよく知られている。 そのような酵素の中には、マンガンペルオキシダーゼ、過酸化水素を生じるグルコースオキシダーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、およびラッカーゼがある。 そのような有用な微生物の非限定例としては、ヒラタケ属(Pleurotus)、クリタケ属(Naematoloma)、ファネロカエテ属(Phanerochaete)、レンチヌラ属(Lentinula)、エノキタケ属(Flammulina)、ホウロクタケ属(Trametes)spp. 、ならびに担子菌類(Basidiomycota)および子嚢菌類(Ascomycota)の他の多数の代表例(きのこの一部の食用品種を含む)がある。 白色菌類(white fungi)、褐色菌類(brown fungi)および軟腐菌類の活動による生物学的および化学的酸化反応は、PVGAヒドロゲルに対する所望の分解作用を実現するのに実際的に有用である。 そのような反応は、様々な程度でアセタール化されたPGVAあるいはPVOHが、そのような真菌種の成長に有利である条件におかれたとき、例えば、PVGAヒドロゲルおよび木材または他のリグニン質(ligninaceous)バイオマス残留物を含む堆肥化条件の下におかれたときに、起こりうる。

    実施形態によっては、所望の微生物を含んでいるPVGAヒドロゲルを含む配置物品の正常なコロニー形成の開始を促進するために、そのような微生物の接種材料を堆肥の山に含ませるか、あるいはPVGA SAPを含む物品に、生存可能だが休眠の菌類の胞子または菌糸体の錠剤または顆粒またはカプセル形態のバクテリア細胞を取り付ける。 例えば、それらは、ゼラチン、デンプン、PVOH、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドンまたは当該技術分野において知られている他のコーティング組成物(湿気にさらされた時(乾燥PVGAからヒドロゲルが形成される誘因となることに関係)以降、数日間かけてゆっくり溶解するかまたはそうでなければ崩壊することが知られている)でコーティングすることができる。

    様々な例示的実施形態を以下に詳しく説明する。 様々な実施形態を参照するが、そのことは本明細書に添付の特許請求の範囲を限定するものではない。 さらに、本明細書に記載の実施例はいずれも限定することを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲の多数の可能な実施形態の一部を示しているにすぎない。

    本開示の実施形態を記載する際に用いられる、例えば、濃度、体積、工程温度、工程所要時間、収量、流量、圧力、配合物または物品中の化合物または成分の量、ポリマー中の有機繰り返し単位の数、および同様の値、ならびにそれらの範囲を修飾する「約」は、例えば、化合物、組成物、濃縮物、使用配合物、または物品を作るのに使用する普通の測定および取り扱い手順によって;そうした手順での不注意による誤りによって;方法を実施するために使用する出発物質または成分の製造、供給源、または純度における相違によって、および同様の近似の考慮事項によって起こりうる数量の変動を表す。 「約」という用語は、特定の初期濃度または混合比の配合物のエージングのせいで異なっている量、および特定の初期濃度または混合比の配合物または反応の混合または処理のせいで異なっている量も包含する。 「約」という用語で修飾されている場合、本明細書に添付の請求項は、そうした量と同等のものを含む。

    「任意選択の」または「任意選択で」とは、続いて述べる事柄または状況が起こりうるが、起こる必要はないこと、およびその記述が、続いて述べる事柄または状況が起こる場合およびそれが起こらない場合を含むことを意味する。 例えば、「A任意選択でB」とは、Bが存在しうるが存在する必要はないこと、およびその記述が、AがBを含む状態とAがBを含まない状態とを包含することを意味する。

    「含む」または「含んでいる」または同様の用語は、「含むが、それらに限定されない」を意味する。

    本明細書において、請求項で請求要素(claim element)が単数で列挙される場合、1つ以上のその同じ要素が存在することが除外されないと解釈されるべきである。

    本発明の化合物は、複数の実施形態において、1種または複数種の異性体がある。 異性体が存在しうるが、明記されていない場合、本発明は、立体異性体、配座異性体、およびシス異性体とトランス異性体;それらの単離された異性体;およびそれらの混合物を含め、そのあらゆる異性体を包含することを理解すべきである。

    本発明は、状況に合った仕方で、開示されているかまたは列挙されている要素のどれでも含むことができるか、それらから構成されうるか、それらから本質的に構成されうる。 したがって、本明細書に例示的に開示されている本発明は、具体的に本明細書に開示されていない任意の要素が存在しなくても好適に実施できる。

    実験の部 以下の実施例は、本発明のSAPおよびPVGAならびにそうしたものの用途をさらに説明し記述しているが、その範囲を限定しているわけではない。 実施例において実施された反応の図表示は、化学反応および処理方法の実例を意味するものであり、それによって形成される可能な生成物の範囲を限定することを意味していない。

    A. 全体的な実験方法および情報 1. 温度。 「周囲温度」または「実験室温度」を以下の実験手順に関連して用いている場合、温度は約20℃〜27℃の範囲である。

    2. 試薬。 特に記載のない限り、すべての試薬は、Sigma Aldrich Company(St.Louis,MO)から入手したものであり、更なる精製を行わずに使用した。 特に記載のない限り、ポリビニルアルコール(>98%が加水分解されている)は、MWが146,000〜186,000の範囲であった。 SURINE(登録商標)合成尿はDyna−Tek,Inc. (Lenexa,KS)から購入した。 すべての「対照」SAP試料(表の中で「C」とも表示されている)は、PAMPERS(登録商標) SWADDLERS(登録商標)、New Baby、36個入りパック、通し番号9197U0176021145(Procter & Gamble(Cincinnati,OH)から入手)から直接取り出した粒子であった。 粒子は、本体の乾燥おむつの布を切断し、布に内部に含まれていた微粒子を入れ物に入れて集めた。 粒子は、改質せずに用いた。

    3. ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)。 すべての装置は、Waters Corporation(Milford,MA)から入手した。 Waters 2695分離モジュールおよびWaters 2414屈折率検出器(410nmで作動)を、Waters Ultrahydrogel Linear 7.8×300mm カラムおよびWaters Ultrahydrogel 6×40mm Guard Columnと一緒に使用する。 移動相は、0.05%のアジ化ナトリウムを含む0.1M硝酸ナトリウム水溶液であった。 流量は0.8mL/分であった。 ポリエチレンオキシドを校正標準として使用した。 それは、Polymer Standards Service GmbH(www.polymer.de)から入手したものである。 M の範囲は19,100〜671,000g/モルであった。

    4. 中和手順。 乾燥粒状物質の試料0.2gを20mLのシンチレーションバイアルに加える。 10%水酸化ナトリウム水溶液をそのバイアルに加える。 溶液の量は、SAP中に存在する理論上の遊離カルボキシル基の105%モル等量に基づいて計算する。 計算した量をマイクロピペットでシンチレーションバイアルに加え、その混合物を周囲温度で1時間放置する。 その後バイアルにふたをしっかり取り付けて、40°〜90℃の温度に1〜16時間加熱する。 次いでバイアルの内容物を50mLのポリプロピレン遠心分離管に移し、50mLの分量の脱イオン水で3回洗浄する。 注射器を用いて過剰の水を除去し、ヒドロゲルを、あらかじめ重量を量ったガラスペトリ皿に入れる。 隙間の水は、その物質を実験室用の拭き取り布(wipe)に接触させて除去する。 次いで化学天秤でその物質の重量を計って、ヒドロゲルの質量を求める。 その後、ヒドロゲルの入っている皿を乾燥炉に移し、恒量になるまで乾燥させる。

    5. 可溶分。 中和手順で得られた中和された乾燥物質の重量を計り(「乾燥質量」)、さらに評価するために使用する。 物質の「理論乾燥質量」を、中和手順からの100%中和物質に基づいて計算する。 その後、消失した可溶性物質のパーセントを式(a)にしたがって計算する。
    (a) 可溶分の%=[(理論乾燥質量−乾燥質量)/(理論乾燥質量)]×100
    各測定は3回行って、3回の計算の平均値を報告してある。 報告してある場合、測定値の各セットの標準偏差は、Microsoft(登録商標) Excel(登録商標)(Microsoft Corporation(Redmond,WA)から入手可能なMicrosoft Office 2007ソフトウェア)を用いて計算したものである。 可溶分の量は、PVGAの合成におけるナトリウム塩としての全収量損失を示す。

    6. ゼロ負荷吸収容量(Zero−load Capacity)。 中和手順からの中和した乾燥物質を、試験液体(脱イオン水であるSURINE(登録商標)、または0.9重量%NaCl溶液)に16〜18時間浸して、膨潤した塊を生じさせる。 その後、過剰の液体をすべて注射器で取り除き、ペーパータオルで吸い取る。 吸い取った後ただちに膨潤物質の重量を計り(「膨潤物質の質量」)、式(b)に示されているようにして吸収容量を求め、乾燥物質1グラム当たりの吸収された液体のグラム数で表す。
    (b) 吸収容量(g/g)=(膨潤物質の質量(g)−乾燥質量(g))/(乾燥質量(g))
    各測定は3回行って、3回の計算の平均値を報告してある。 報告してある場合、測定値の各セットの標準偏差は、Microsoft(登録商標) Excel(登録商標)(Microsoft Corporation(Redmond,WA)から入手可能なMicrosoft Office 2007ソフトウェア)を用いて計算したものである。

    7. 負荷吸収容量(Capacity Under Load)。 CARVER(登録商標)Press試験シリンダー(パーツ番号1520.37(Carver,Inc.(Wabash,IN)から入手)を用いて、負荷をかけた状態での本発明の物質による様々な試験液の吸収容量を試験した。Carver装置の外側シリンダー、ベースプラグ(base plug)、およびフェルトパッドを組み立てて試験組立品を作り上げ、その試験組立品を金属平なべの中に配置した。組立品の内側プランジャー(半径=1.125 in;重量=3.619 lb)が、外側シリンダーの全周辺部を満たしている膨潤物質に0.909lb/in (6.27kPa)で当たる。

    試験する物質は、実験室の作業台上で約16時間、0.9%NaCl水溶液で膨潤させ、ゼロ負荷吸収容量試験で述べたようにして、得られたゼロ負荷吸収容量を求める。 その後、ゼロ負荷吸収容量試験からの膨潤物質を、試験組立品の外側シリンダーに移す。 内側プランジャーをベースシリンダーに挿入し、それが膨潤物質の上部に載るようにした。 その際に、内側プランジャーとベースシリンダーとの間の空気はそれらの間の隙間から逃げる。 液体が平なべに流れるのがもはや観察されなくなるまで(普通は、約5〜10分間)、内側プランジャーを膨潤物質の上部にとどまらせる。 この時点で、内側シリンダーを取り外し、圧縮された物質を試験組立品から回収して重量を計る。

    式(c)にしたがって負荷吸収容量を計算し、負荷がかけられた状態での、乾燥物質1グラム当たりの保持液体のグラム数で表す。
    (c) 負荷吸収容量(g/g)=[圧縮された物質の質量(g)−乾燥質量(g)]/乾燥質量(g)
    各測定は3回行って、3回の計算の平均値を報告してある。 報告してある場合、測定値の各セットの標準偏差は、Microsoft(登録商標) Excel(登録商標)(Microsoft Corporation(Redmond,WA)から入手可能なMicrosoft Office 2007ソフトウェア)を用いて計算したものである。

    8. サイズ別分級手順(Sizing Procedure)。 Cuisinart Powerblend 600Blenderを用いて、乾燥したポリマー粗粒子を粉砕する。 得られた乾燥粒子を積み重ねたふるいに注ぎ入れ、もっとも粗いものからもっとも細かいものに順序づける。 ふるいは手で激しく動かして粒子を分ける。 ふるいは、米国のStandard Test Sieve ASTME−11規格であり、Fisher Scientific(Waltham,MA)から得られる。 各ふるいには、特定の粒径カットオフがある。 これらの実験で使用する特定のサイズは、1.4mm、850μm、425μm、300μm、および150μmである。 次いで、所望の部分をただちに使用するか、あるいはさらに処理または試験を行うまで密封したプラスチック試料バッグに保管する。

    B. 実施例実施例1
    1Lの丸底フラスコに、250mlの5重量%PVOH水溶液(99%加水分解、M 188,000)および28mlの50重量%グリオキシル酸水溶液を加えた。 機械式撹拌器を用いて、フラスコの内容物を徹底的に混合した。 次いで、100mlの水に4グラムの水酸化ナトリウムを溶かしたものを、機械攪拌しながらフラスコに加えた。 得られた混合物をロータリーエバポレーターに取り付け、60℃に設定した油浴中にフラスコを部分的に沈めた。 圧力は15〜25トルに下げ、フラスコを油浴内で回転させた。 水は、ロータリーエバポレーターの捕集フラスコ(catch flask)に回収されるのが観察された。 水の蒸発が弱まった後、フラスコは半透明のゴム状物質を含んでいた。 フラスコの底から回収した物質は重量が25.2gであった。 ポリマーは、ガラス転移が0℃、吸収容量が37g DI H O/g、そして水吸収初期速度がおよそ1秒当たり0.06g(DI H O)/g(0.06g/g・sec)であった。 物質を15分間100℃に加熱すると、DI H Oに対する吸収容量はおよそ一桁分減少した。

    実施例2
    水酸化ナトリウムを加えなかったこと以外は、実施例1にしたがって反応を行わせた。 得られたポリマーは、水吸収容量が6g DI H 0/gであった。

    実施例3
    およそ0.5gの実施例1で得られた物質を、バイアルの中で脱イオン水20mL中に分散させた。 バイアルにふたを取り付け、実験室の作業台上に周囲温度で放置した。 約1週後に、白色/灰色のカビのように見える物質である2つの斑点が、ヒドロゲル中またはその上に浮遊しているのが観察された。 バイアルの写真を撮ったので、その写真を図6Aに示す。 矢印は、カビのように見える物質を指している。 バイアルをさらに4週間、作業台上に放置した。 その間にカビのような物質は大きな斑点に成長するのが観察された。 バイアルの2枚目の写真を撮ったので、その写真を図6Bに示す。 矢印は、カビのように見える物質を指している。 バイアルをさらに3週間、作業台上に放置した。 その間にカビのような物質は成長するのが観察された。 3週間の終わりに、ゲルは完全に消失し、灰色の物質がバイアルの底に沈んでいた。 バイアルの内容物はもはやゲルではなくなっており、やや粘稠の液体のように流れた。 バイアルの3番目の写真を撮ったので、その写真を図6Cに示す。

    実施例4
    実施例1で得られた乾燥物質を約1gだけバイアルに加え、ふたなしのバイアル内で実験室の作業台上に周囲温度で放置した。 6ヶ月後でも、ポリマーの外観は変化していない。 そのポリマーは、ガラス転移が0℃、水吸収容量がポリマー1g当たり37g(水)(37g/g)、そして水吸収初期速度がおよそポリマー1g当たり0.06g(水)/秒(0.06g/g sec −1 )である。

    実施例5
    (a)PVOHのMwが500,000であり、(b)0.5mlの40重量%グリオキサール水溶液を、水酸化ナトリウムの添加の前に反応混合物に加え、(c)水酸化ナトリウムの量を7.1gに増やしたこと以外は、実施例1にしたがって反応を行わせた。 得られたポリマーは、水吸収容量がおよそ100g/g(ポリマー)であり、水吸収初期速度がポリマー1g当たりおよそ0.15g(水)/秒である。

    実施例6
    グリオキシル酸のほかに0.1gのフルフラールを反応混合物に加えること以外は、実施例2にしたがって反応を行わせた。 ロータリーエバポレーターで反応混合物の量をおよそ60mlにまで減少させた後、フラスコの内容物をTeflonで覆われた平なべの上に広げて、約0.5cmの厚さのゼラチン状の塊を形成させた。 波長強度(wavelength intensity)が225mW/cm である320〜390nmの範囲のUV−Aランプを使用して、平なべの内容物に照射する。

    その後ポリマーを平なべから取り出し、50C、15トルで10時間、真空オーブン内で乾燥させる。 乾燥ポリマーは、水吸収容量がおよそ100g/gであり、水吸収速度がおよそ0.2g/g sec −1である。

    実施例7
    1gのドデシル硫酸ナトリウムを反応混合物に加えること、またロータリーエバポレーターの使用時に圧力を下げないこと以外は、実施例1にしたがって反応を行わせる。 得られたポリマーは、吸収容量が実施例1のポリマーと同じであるが、吸収速度がポリマー1g当たり0.12g(水)/秒である。

    実施例8
    以下の物質および手順を用いて、グリオキシル酸(GA)を生物分解させる。

    物質:
    1. 多様な微生物の供給源(Source of microbial diversity): St. Paul,MN,Municipal Wastewater Treatment Facilityからの汚泥 2. 増殖培地−M9最少塩培地:
    a. 1L(5倍)のM9塩の成分: Na HP0 33.9g/L;KH P0 15g/L;NaCl 2.5g/L;NH Cl 5g/L。
    b. 調製:
    i. 56.4gを1Lの蒸留水に溶かす。
    ii. 121℃で20分間オートクレーブ。
    5倍の濃縮物を保管し、必要に応じて希釈して1倍のM9最少塩を調製できる。
    iii. 約790mLの滅菌水で、200mLのM9最少塩(5倍の濃縮物)を無菌的に希釈する。
    iv. 2mLの無菌1M硫酸マグネシウムおよび0.1mLの1M無菌塩化カルシウムを無菌的に加えて、1LのM9最少培地を調製する。
    v. 約8g/Lの所望の炭素源を、使用する量のM9に無菌的に加える。
    c. 炭素源:
    i. Sigma−Aldrichから購入した50重量%グリオキシル酸溶液を希釈し、NaOHで滴定してpH7の8重量%GA(10倍)原液を得た。
    ii. 負の対照:炭素なし。
    実験方式(「T」は、移すを意味する):
    1. T (初期接種物)−5mlの汚泥を20mlのM9へ。 3日間、25〜27℃において180rpmで振盪させながらインキュベートする。
    2. T −5mlのT を20mlの作られたばかりのM9へ。 3日間、25〜27℃において180rpmで振盪させながらインキュベートする。
    3. T −5mlのT を20mlの作られたばかりのM9へ。 3日間、25〜27℃において180rpmで振盪させながらインキュベートする。
    4. T −5mlのT を20mlの作られたばかりのM9へ。 1〜3日間、25〜27℃において180rpmで振盪させながらインキュベートする。
    5. T −5mlのT を20mlの作られたばかりのM9へ。 1〜3日間、25〜27℃において180rpmで振盪させながらインキュベートする。
    6. T −唯一の炭素源として15g/lの寒天および8g/LのGAを含んでいる固体M9平板上で平板培養されたもの0.1ml。
    7. T −微生物学的ループ(microbiological loop)を用いて平板からこすり取られた細胞を、(i)成長曲線実験のために液状培地に移し(この場合、微生物成長をOD 600での濁り度の上昇で測定する)に、さらに(ii)唯一の炭素源として15g/lの寒天および8g/LのGAを含んでいる作られたばかりのM9固体平板に、個々のコロニーの成長を観察するために移した。

    都市の汚泥は、何千種類もの微生物の供給源であり、それは、変わりやすい環境圧の発生源にさらされ、様々な化学物質にさらされる。 それらは様々な有機化学薬品を炭素源として利用できる。 5mlの都市汚泥が植え付けられたT フラスコは、最初は濃い灰色に見える。 そのフラスコは、3日のインキュベーション後に茶色がかった色に変化し、初期成長を示す。 最初の汚泥は、普通はいくらかの栄養素を含んでおり、この段階では、観察される微生物成長は、汚泥の栄養素が原因であろう。 続けて2〜3度移した後は、汚泥の初期栄養素はすべて枯渇するので、供給された炭素源を利用してのみ微生物成長が可能であろう。

    20mlの作られたばかりのM9培地を含んでいるT フラスコに、5mlの3日たったT 培養物を植え付けた。 培養物を移した後に微生物多様性を十分維持するために1:5の希釈液を選択した。 25〜27℃において180rpmで振盪させながら3日間成長させた後、その同じ1:5の希釈液を用いて再びT 培養物を移した後、それらはT 培養物になる。 炭素源を含まずM9を含んだ負の対照培養物は、この段階で透明な外観であり、微生物成長の徴候はなかった。 GAが補給された作られたばかりのM9培地へ、1:5の希釈液を用いて1〜3日ごとに新たに移した。 新たに植え付けられた培養物はT 、T 、T などと名付ける。

    液状培地中の微生物成長を試験することに加え、0.1mlのT 培養物を移し、15g/Lの寒天および8g/LのGAを含んでいるM9寒天平板上に均一にばらまいた。 その平板を25〜27℃でインキュベートした。 すぐ後の3日間は、炭素を含まない平板上で成長は観察されなかった。 しかし、炭素源としての8g/LのGAの存在下では、幾つもの個別のコロニーが平板上で成長した。

    固体最少培地上での安定成長を実証するため、8g/LのGAを唯一の炭素源として含むT 平板から細胞ループを取り出し、同じGA濃度で補われた作られたばかりのM9平板(T )に移した。

    成長曲線の研究のため、8g/LのGAで補われたT のM9平板から取り出された、細胞が満ちているループを、作られたばかりの液体M9培地に懸濁させ、OD 600が約0.1になるまで希釈した。 成長実験のため、細胞懸濁液の2mlの同等のアリコートを13mmガラス管に移した。 あるいはまた、T 液体培養物をOD 600が約0.1になるまで希釈した。 成長実験のため、細胞懸濁液の2mlの同等のアリコートを13mmガラス管に移した。 実験は、25〜27℃において180rpmで振盪させながら3回実施した。 光学濃度(OD)の変化を、Genesys 6 Spectrophotometer(Thermo Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手可能)を用いて600nmで48時間追跡した。 光学濃度の増大は、図7に示すように、3つの試料に関して、唯一の炭素源としてのGA上で微生物培養物が成長することを証明した。 さらに、細胞培養液の成長が、OD 600が1と等しくなるまでになると、増殖培地のpHは7から約9まで上昇し、これもGAの利用を示している。 成長曲線を求めるためのどちらの方法も、似たような結果を生み出した。

    実施例9
    機械式撹拌器を備えた2Lの丸底フラスコに、500mlの脱イオン水および100gのPVOH(99%以上が加水分解されている、M 140,000〜188,000)を仕込んだ。 フラスコの内容物を90℃まで加熱し、混合物が均質なったと思えるまで約3時間撹拌した。 混合物を約80℃まで冷やして、118.5gの50重量%グリオキシル酸水溶液を約5分間かけて投入した。 ゲルの形成が観察されるまで、機械式撹拌器を用いて約30分間、フラスコの内容物を徹底的に混合した。 撹拌を停止し、ゲルを80℃で約60分間放置した。 それぞれが約5〜10gの重量の細片に切断することにより、ゲルを断片化し、フラスコから取り出す。 その後、鋭い歯板(3mmの穴)を備えたWaring Pro MG100肉挽き器(Waring Consumer Products(East Windsor,NJ)のもの)を使用してゲルを粉砕した。 その後、得られた粉砕ゲルをPTFE被覆された平なべに入れ、真空オーブン内で105℃において20トルで4時間乾燥させて、ついに固い固体のかたまりが形成された。 この固体の塊は、Cuisinart PowerBlend 600ブレンダー(Cuisinart(East Windsor,NJ)のもの)で微粉砕して、粒径分布の広い(約0.1〜1mm)易流動性の固体を得た。 こうした固体を以下に続く実施例で用いた。

    実施例10〜14
    実施例9にしたがって調製した一連の500mgの分量の固体を、15mlの円錐底バイアルに入れ、あらかじめ量った様々な量の10重量%水酸化ナトリウム水溶液を各バイアルに入れた(試料当たり1.36〜1.6gのNaOH溶液の範囲)。 任意選択で、一部の試料に水をさらに入れる。 次いでバイアルにふたを取り付け、70℃において16時間炉に入れた。 その後、バイアルを炉から取り出し、100mlの脱イオン水を各バイアルに加えた。 水をバイアルに加えると、急速に膨潤するのが観察された。 過剰の洗浄水のpHがほとんど中性(pH5〜6)になるまで、バイアルの内容物を個別に50mLの脱イオン水で4回洗浄した。 次いで、洗浄したヒドロゲルを熱対流炉内で110℃において約4時間乾燥させて、淡黄色固体粒子を得た。

    固体のアリコートを秤量し、脱イオン水に対する吸収容量を測定した。 この一連の実施例の目的のため、秤量した量の固体粒子をフラスコに入れ、周囲温度で約12時間後に過剰の液体の水が残るように十分な脱イオン水を加えることにより、吸収容量を測定した。 その後、形成されたヒドロゲルをフラスコから取り出し、過剰の水を吸い取り、ヒドロゲルを秤量した。 結果の要約を表2に示す。 ここで、吸収容量は、乾燥粒子1グラム当たりの吸収された水のグラム数で報告してある。

    実施例15
    実施例14で得られた洗浄した乾燥ポリマーの吸収容量は、0.9重量%NaCl(水中)を脱イオン水の代わりに使用したこと以外は、実施例10〜14での吸収容量の測定に用いた技法を使用して測定した。 実施例14の洗浄した乾燥ポリマーの吸収容量を測定すると、洗浄した乾燥ポリマー1グラム当たり35g(0.9重量%塩化ナトリウム溶液)であった。

    実施例16
    1000mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、75.1gのPVOHおよび380.2gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約2時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 38.2gのグリオキシル酸と2.08μLの濃硫酸(Acros Organics(Geel,Belgium)から入手)との溶液を、1分間かけて何回かに分けて混合物に加えた。 撹拌を約10分間続けた。 この時点で、混合物の粘度は著しく増大しており、撹拌はもはや有効ではなかった。 混合物を冷却し、約16時間にわたって周囲温度で放置した。 ゲルを回収し、それを粉々に砕いて、乾燥炉内で105℃において8時間乾燥させた。 乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順にしたがって約850μmから1.4mmの間のサイズにした。

    粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl(脱イオン水中)とSURINE(登録商標)合成尿とに対する吸収容量を求めた。 表3に示すとおりである。

    実施例17
    実施例16の乾燥混合物を粉砕した後、サイズ別分級手順にしたがって、150μmから850μmの間のサイズにされた別の試料を回収した。 粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。

    実施例18
    500mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、38.1gのPVOH(0.83モルの理論上のビニルアルコール繰り返し単位、Sigma Aldrich ロット番号MKBD5520)および192gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約1時間にわたって内容物を90℃に加熱した。 19.05gのグリオキシル酸および3.15gの水酸化ナトリウム(Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手)を50mLの脱イオン水で希釈した溶液を、約1分間かけて混合物に何回かに分けて加えた。 その後、撹拌を約30分間続けた。 この時点で、混合物の粘度は著しく増大しており、撹拌はもはや有効ではなかった。 この混合物を、Teflonで被覆された平なべに移し、乾燥炉内で70℃において約13時間乾燥させた。 乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順で決められたようにして850μmから1.4mmの間のサイズにした。

    0.2gの試料の粒子を、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl(脱イオン水中)とSURINE(登録商標)合成尿とに対する吸収容量を求めた。 表3に示すとおりである。

    実施例19
    サイズ別分級手順にしたがって粒子のサイズを300から450μmの間にし、約30gの粒子を用いて中和を実施したこと以外は、実施例18の手順にしたがってポリマーを作り、粒子に成形した。

    代表的な粒子のSEM写真を撮った。 図1は、100倍での粒子を示す。 図2は、1000倍での粒子を示す。 粒子の代表的な試料に対して水銀ポロシメトリーを実施した。 水銀圧入の量は微小であり、したがってこの方法で信頼できる測定値を得るには表面積が不十分であった。 B. E. T. 表面積分析もこの試料に対して行った。 表面積を測定すると、この方法の範囲にとってあまりに小さかった。

    実施例20
    実施例19の手順にしたがって、ポリマーを作り、粒子に成形した。 その後、2.0gの粒子を100mLの脱イオン水中で膨潤させ、過剰の水をデカントした。 膨潤粒子を100mLのエタノールで2回洗浄したが、その際にそれぞれの洗浄後に過剰の液体をデカントした。 得られた粒子を、恒量になるまで乾燥炉内で70℃において乾燥させた。

    代表的な粒子のSEM写真を撮った。 図3は、100倍での粒子を示す。 図4は、1000倍での粒子表面の一部を示す。 図5は、75,000倍での粒子表面の一部を示す。 実施例19の場合と同じ手順を用いて、粒子の代表的な試料に対して水銀ポロシメトリーを実施した。 粒子は、平均測定表面積が54.1m /gであることが見いだされた。 B. E. T. 表面積分析もこの試料に対して行った。 表面積を測定すると20.01m /g±0.44m /gであった。

    実施例21
    1000mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、75.1gのPVOHおよび407gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約1時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 100mLの脱イオン水中に38.1gのグリオキシル酸と6.0gの水酸化ナトリウムとを含む溶液を、約2分間かけてビーカーに何回かに分けて加えた。 撹拌を約2時間続けた。 その時点で撹拌をやめ、混合物をおよそ60℃で約16時間放置した。 その後、ビーカーの内容物をTeflonで被覆された平なべに移し、乾燥炉内で70〜80℃において4時間乾燥させ、次いで100℃で8時間乾燥させた。 乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順にしたがって850μmから1.4mmの間のサイズにした。

    粒子は、中和手順にしたがって中和した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl(脱イオン水中)とに対する吸収容量を求めた。 表3に示すとおりである。

    実施例22
    500mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、37.5gのPVOHおよび192gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約1時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 19.1gのグリオキシル酸と1.83gのグリオキサールと3.08gの水酸化ナトリウムとを100mLの脱イオン水で希釈した溶液を、約2分間かけてビーカーに何回かに分けて加えた。 撹拌を約30分間続けた。 この時点で、混合物の粘度は著しく増大しており、撹拌はもはや有効ではなかった。 この混合物、Teflonで被覆された平なべに移し、乾燥炉内で70〜80℃において約12時間乾燥させた。 乾燥ポリマーをブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順にしたがって850μmから1.4mmの間のサイズにした。

    粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl(脱イオン水中)とに対する吸収容量を求めた。 表3に示すとおりである。

    実施例23
    600mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、37.7gのPVOH(Sigma Aldrich、ロット番号10708CHV MW=130,000)および193gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約1時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 その後、19.05gのグリオキシル酸を約1分間かけてビーカーに何回かに分けて加えた。 撹拌を約10分間続けた。 この時点で、混合物の粘度は著しく増大しており、撹拌はもはや有効ではなかった。 混合物を冷却し、約16時間にわたって周囲温度で放置した。 回収した混合物を乾燥炉内で60℃において約7時間乾燥させ、その後100℃で約4時間乾燥させた。 乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順にしたがって805μmから1.4mmの間のサイズにした。

    粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl(脱イオン水中)とに対する吸収容量を求めた。 表3に示すとおりである。

    実施例24
    600mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、37.5gのPVOH(Sigma Aldrich、バッチ番号MKBD2262V MW=89〜98,000)および196gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約1.5時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 その後、19.05gのグリオキシル酸を約1分間かけてビーカーに何回かに分けて加えた。 撹拌を約30分間続けた。 この時点で、混合物の粘度は著しく増大しており、撹拌はもはや有効ではなかった。 混合物を冷却し、2日間にわたって周囲温度で放置した。 混合物をビーカーから回収し、乾燥炉内で80℃において約13時間乾燥させた。 乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順にしたがって850μmから1.4mmの間のサイズにした。

    粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl(脱イオン水中)とに対する吸収容量を求めた。 表3に示すとおりである。

    実施例25
    1000mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、75.0gのPVOHおよび379.9gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約2時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 その後、44.4gのグリオキシル酸(44.4g、0.60モル、Aldrich)と2.4μLの硫酸(Acros Organics(Geel,Belgium)から入手)との溶液を、約1分間かけてビーカーに何回かに分けて加えた。 撹拌を約5分間続けた。 この時点で、混合物の粘度は著しく増大しており、撹拌はもはや有効ではなかった。 混合物を冷却し、実験室フード(laboratory hood)内で約16時間乾燥させた。 回収した混合物を粉々に砕いて、乾燥炉内で105℃において8時間乾燥させた。 乾燥ポリマーをブレンダーで粉砕し、粒子をサイズ別分級手順で決められたようにして850μmから1.4mmの間のサイズにした。

    粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl(脱イオン水中)とSURINE(登録商標)合成尿とに対する吸収容量を求めた。 表3に示すとおりである。

    実施例26
    1000mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、75.0gのPVOHおよび383.5gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約1.5時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 その後、44.4gのグリオキシル酸(44.4g、0.60モル、Aldrich)と2.4μLの濃硫酸(Acros Organics(Geel,Belgium)から入手)との溶液、および0.879mLの40重量%グリオキサール溶液を、約1分間かけて混合物に何回かに分けて加えた。 混合物の粘度が著しく増大して、撹拌がもはや有効でなくなるまで、撹拌を続けた。 混合物を冷却し、周囲温度で約16時間放置した。 回収した混合物を粉々に砕いて、乾燥炉内で100℃において約6時間乾燥させた。 乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、粒子をサイズ別分級手順で決められたようにして805μmから1.4mmの間のサイズにした。

    粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl(脱イオン水中)とSURINE(登録商標)合成尿とに対する吸収容量を求めた。 表3に示すとおりである。

    実施例27
    600mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、37.5gのPVOHおよび195gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約1時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 その後、38.1gの50%グリオキシル酸水溶液(Aceto Corporation(Port Washington,NY)から入手)を、約2分間かけて何回かに分けて混合物に加えた。 撹拌を約10分間続けた。 この時点で、混合物の粘度は著しく増大しており、撹拌はもはや有効ではなかった。 混合物を約60℃で一晩放置してから、熱を遮断し、ビーカーの内容物を実験室温度まで冷めるようにした。 ゲルを回収し、それを粉々に砕いてから乾燥炉内で70℃において約3時間乾燥させ、その後90℃で約6時間乾燥させた。

    乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順にしたがって約850μmから1.4mmの間のサイズにした。 粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。 可溶分の%、および脱イオン水と0.9重量%NaCl溶液とに対する吸収容量を、上に略述した手順にしたがって求めた。 その結果を表3に示す。

    実施例28
    1000mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、75.2gのPVOH(Sigma Aldrich、ロット番号MKBC6795V MW=130,000〜23,000)および382gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約40分間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 その後、38.1gのグリオキシル酸を約2分間かけて何回かに分けてビーカーに加えた。 混合物を60℃に冷却しながら、撹拌を約45分間続けた。 混合物を60℃で約16時間放置した。 混合物は流体のままであることが観察された。 それをTeflonで被覆された平なべに注ぎ入れ、乾燥炉内で90℃において約8時間乾燥させた。 乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順にしたがって850μmから1.4mmの間のサイズにした。

    その後、30.0gの粒子を500mLのガラス瓶に入れ、その後、50mLの脱イオン水および68.4mLの10%NaOH(水中)を入れた。 瓶にゆるく蓋をして、内容物を約4時間、80〜90℃に加熱した。 瓶の内容物を2Lのガラス瓶に移し、1800mLの脱イオン水で希釈した。 その後、下側MWカットオフ(lower MW cutoff)が10,000である透析チューブを用いて、希釈した内容物を脱イオン水で3回透析した。 透析した内容物は、1回目はナイロンメッシュで重力濾過し、2回目は漏斗内に入れられた実験室ワイププラグ(laboratory wipe plug)で行った。 ロータリーエバポレーターを用いて、濾過した内容物を真空下で濃縮して、3.9重量%の固形分を含む混合物430.1gを得た。 アルミニウム箔シート上の濃縮物の分量を秤量し、そのシートを恒量になるまで105°〜110℃に設定された乾燥炉内に入れて、固形分のパーセントを求めた。

    乾燥生成物は、1:1のD2O:d6 DMSO中で H NMRにより分析した。 PVOH出発物質も、同じ溶媒混合物を用いて分析した。 2つのスペクトルを図8に示す。 ここで、PVOH出発物質は「PVOH」と表示され、乾燥生成物は「PVGA」と表示されている。 特に、「PVGA」と表示されているスペクトルでは、アルデヒド基に起因する吸収は観察されないが、アセタール基に起因する吸収が存在している。

    実施例29
    1000mLのPYREX(登録商標)ビーカーに、75.1gのPVOHおよび382gの脱イオン水を加えた。 ビーカーを砂浴内に入れ、オーバーヘッド機械式撹拌器および内部温度プローブを取り付けた。 ビーカーの上部をアルミニウム箔で覆い、撹拌しながら約2時間にわたってビーカーの内容物を90℃に加熱した。 44.4gのグリオキシル酸と2.4μLの濃硫酸(Acros Organics(Geel,Belgium)から入手)と0.175gのグリオキサールとの溶液を混合し、これを約1分間かけて何回かに分けて混合物に加えた。 ビーカー内の混合物の温度は、添加が完了した後、約80℃であることが観察された。 撹拌を約15分間続けると、その時点で混合物はあまりに粘性がありすぎて撹拌できなくなった。 混合物を周囲温度で一晩放置してから、混合物をビーカーから回収し、手作業で粉々に砕いた。 粉々になったものを乾燥炉内で105℃において5時間乾燥させた。 乾燥混合物をブレンダーで粉砕し、得られた粒子をサイズ別分級手順にしたがって850μmから1.4mmの間のサイズにした。 このサイズ範囲の回収された粒子の分級物は、19.3グラムの重量であった。

    粒子は、中和手順にしたがって中和し、洗浄した。

    実施例30
    実施例16、18、および29の物質に対して上に略述した負荷吸収容量試験を行った。 対照(C)として、PAMPERS(登録商標)の粒子を上述のようにして集めて、同じ試験を実施した。 結果は表4に報告してある。

    実施例31
    5つの空のナイロンメッシュのティーバッグの風袋を量り、約0.1g〜0.2gの試験対象物質を各バッグに加えた。 各バッグの上部を折りたたみ、ペーパークリップで固定した。 その後5つのバッグを同時に、約1Lの0.9%NaCl水溶液を含んでいるビーカーに浸した。 浸したときに、タイマーを開始した。 ビーカーをアルミニウム箔で覆い、バッグを定期的に引っ張り出し、合計浸漬時間をタイマーから記録する。 ビーカーから取り出したら、ペーパータオルで吸い取って各バッグを乾燥させ、重量を量った。

    ゼロ負荷吸収容量試験の式(b)の計算を用いて、その重量(メッシュバッグ中の物質1グラム当たりの吸収されたNaCl溶液のグラム数)を表5に報告してある。 試験したすべての物質について、吸収された0.9%NaClを時間に対してプロットしたものを図9に示す。 表5のデータを用いて、吸収初期速度および最大吸収容量の半分に達するまでの時間を求めた。 それらの値を表6に示す。 最大吸収容量の半分に達する時間の推定値は、表5から選択した2つのデータ点の間の補間に基づいている。

    実施例32
    ゲルを回収しなかったこと以外は、実施例16の手順にしたがってポリマーを作った。 すなわち、ゲルの形成、分離、乾燥、および水酸化ナトリウムの添加の前に、以下のようにして反応混合物を用いた。 FISHERBRAND(登録商標)Filter Paper,Qualitative P2,Fine Porosity,Slow Flow Rate濾紙(Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手)を、大きさが約58×27mmである6枚の長方形の断片に切断し、各断片の風袋の重量を量った。 反応混合物が十分な粘度になる前に、すべての断片をその混合物に浸したので、浸漬コーティングを実施できなかった。 紙の断片を、約80℃の反応混合物温度で、それぞれ反応混合物に浸した。 浸漬コーティングした紙を金属容器に入れ、アルミニウム箔で覆い、70℃において乾燥機に約5時間入れた。 その後アルミニウム箔を取り除き、試料をさらに5時間70℃で乾燥させた。 冷却すると、堅い透明フィルムが紙に強く付着しているのが観察された。 その後、コーティングした紙を5%水酸化ナトリウム水溶液に45分間浸して吸収させた。 コーティングした紙はペーパータオルで吸い取って過剰の水酸化ナトリウム溶液を除去し、Teflon被覆された金属平なべの中に入れた。 平なべをアルミニウム箔で覆い、90℃で約45分間、炉に入れた。 その後、コーティングした紙を脱イオン水で2回洗浄すると、その後すぐに著しいコーティングの膨潤が観察された。 その後、コーティングした紙を乾燥炉内で80℃において約5時間乾燥させた。

    すべての場合に、試験した6つの試料の平均を使用して計算を行った。 コーティングの測定乾燥質量およびコーティングの対応理論重量(完全に中和してナトリウム塩にしたときのもの)を用いて、可溶分の%を計算すると、式(a)によれば38.1%であった。 コーティングの吸収容量は、DI H O中で膨潤したとき、コーティングの重量に基づいて計算すると、式(b)によると22.7g/gであった。 それから最後に、乾燥コーティング紙を0.9%水性NaClに浸してこの媒体中でのコーティングの吸収容量を測定した。 それは計算すると23.8g/gであった。

    比較として、コーティングされていない濾紙は、脱イオン水の吸収容量が2.06±0.03であった。 どんな塩基処理も行わない場合、ゲルコーティングは、脱イオン水の吸収容量が1.52±0.03であった。

    実施例33
    約30gの粒子を用いて中和を実施したこと以外は、実施例18の方法にしたがってポリマーを合成した。 粒子の試料に対して、可溶分試験、脱イオン水と0.9重量%NaClとSURINE(登録商標)とに対するゼロ負荷吸収容量試験、および0.9重量%NaClに対する負荷吸収容量試験を行った。 ポリマーは、可溶分が32.3%であり、ゼロ負荷吸収容量が81.7g(DI H 0)/g、29.4g(0.9重量%NaCl)/g、および27.3g(SURINE(登録商標))/gであり、0.909 lb/in の負荷では25.0g(0.9重量%NaCl)/gであることが見いだされた。

    12本の50mL遠心分離管のそれぞれに、およそ0.2gのポリマー(実施例18の方法にしたがって合成されたもの)、45mLの脱イオン水、および200μLのSURINE(登録商標)を仕込んだ。 12本の管のpHを測定すると、9.1から9.5の間の範囲であることが見いだされた。 これらの管には「対照」のラベルを貼った。 300μLの100mg/mLクエン酸一水和物溶液を他の成分のほかにそれぞれの管に加えたこと以外は、「対照」管と同じようにして、さらに12本の50mL遠心分離管を調製した。 これらの管には「クエン酸」のラベルを貼った。 設定した「クエン酸」のpHは3.0〜4.0であり、平均pHは3.8であった。 すべての管を、実験室温度において約20時間、80rpmでシェーカーに置いた。 その時点で、設定した「対照」のpHは9.5〜10.0の範囲であり、設定した「クエン酸」のpHの範囲は3.5〜4.0であった。 さらに600μLの50mg/mLクエン酸一水和物溶液を、それぞれの「クエン酸」の管に加え、その後、すべての管を周囲温度で80rpmに設定されたシェーカーに返した。 クエン酸溶液をさらに加えた後に設定された「クエン酸」のpHは、3.0〜4.0の範囲であった。

    その後の43日間にわたって定期的な間隔で、2組の管のそれぞれからの3本の管をシェーカーから取り出し、pHを測定してから、各管の内容物を、風袋の量られた真新しいFISHERBRAND(登録商標)Filter Paper Qualitative P2,Fine Porosity,Slow Flow Rate(Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手)で重力濾過した。 濾紙は、粒子保持力が1〜5μmであり、ヘルツベルグ流量が1400秒であると報告されている。 各管の内容物を濾紙上に注いだ後、管を約10mLの脱イオン水ですすぎ、洗浄廃液(rinsate)を用いて濾紙上の物質を洗った。 濾紙上に残っている物質は、物質のゲル部分と考えられる。 ゲル部分および濾紙を通過した部分を、105℃に設定した乾燥炉内で恒量になるまで乾燥させた。 ゲルの平均乾燥質量と濾紙を通過した部分の平均乾燥質量との比率は、合計が100%となるように正規化した。 結果を図10のグラフに示す。 図10を参照すると、各データ点は3つの試料の平均を表しており、上側エラーバーおよび下側エラーバーはそれぞれ2σ(2つの標準偏差)を表している。

    93日後、「クエン酸」試料は、外観が均一であることが観察され、明白なヒドロゲルは残っていなかった。 H NMRを用いて、脱ゲル化組成物の性質をさらに特徴づけた。 最初に、4.8gの50重量%グリオキシル酸溶液(供給されたものを使用)を20mLのガラスシンチレーションバイアルに量り入れて、グリオキシル酸ナトリウムを調製した。 その後、1.34gの水酸化ナトリウム(Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手)を約15mLの脱イオン水に溶かしたものを、何回かに分けてグリオキシル酸溶液に2分間かけて加えた。 混合物は添加の最中に温かくなった。 添加が完了した後、混合物を実験室温度まで放冷させた。 その後、1mLの混合物をペトリ皿に加え、乾燥炉内で105℃において水を蒸発させた。 残留固体を、D 0:d −DMSOが1:1である混合物に溶かし、 H NMR分析を行った。 その結果を図11Aに示す。

    「クエン酸」試料のアリコート20mLを、混合してから93日間たって50mLのプラスチック遠心分離管に集めた。 この試料は、外観が無色透明で均質であった。 管の上部は、ゴムバンドを使用して、セルロース透析膜(下側MWカットオフ=10,000、使用前に脱イオン水で3回煮沸して状態を整えた)でしっかり密封した。 その後、管をひっくり返し、管の上部に穴を開け、管の内部の圧力を大気圧と等しくした。 管をリングスタンドサポートで所定の位置に保持し、150mLの脱イオン水に浸し、その脱イオン水は、実験室温度において16時間、磁気撹拌子(magnetic stir bar)で撹拌した。 その後のビーカーの内容物(すなわち、透析物)を1000mLの丸底フラスコに移し、重炭酸ナトリウム(Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手)を添加してpHをおよそ7に調整した。 フラスコをロータリーエバポレーターに置き、55℃に設定された油浴に入れた状態で透析物を蒸発させた。 得られた白色固体を、1:1のD 0:d −DMSO中に溶かし、 H NMRで分析した。 そのスペクトルを図11Bに示す。

    図11Bを参照すると、およそ8.59ppmで観察されるプロトン共鳴((a')と表示されている)はアルデヒド部分に起因する。 共鳴(a')は、図11A中の8.54ppmで観察されたアルデヒドのプロトン共鳴(a)と同程度である。 図11Aのグリオキシル酸ナトリウム標準に共通の他の共鳴も、図11Bにおいておよそ3.9ppm(それぞれ(b)および(b'))、2.1ppm(それぞれ(c)および(c'))、および1.4ppm(それぞれ(d)および(d'))で観察される。 図11B中の2.9〜2.4ppmの範囲の信号は、クエン酸ナトリウム/クエン酸に起因し、これはDMSOに起因する共鳴とオーバーラップしている。 比較すると、実施例28のPVGAの H NMR(図8)は、PVGAの合成後に、アルデヒドのプロトン吸収が観察されないことを示している。 図11Aおよび11Bに示されている特定のプロトン共鳴の共通性は、PVGAの脱ゲル化が、アセタールの加水分解およびグリオキシレートの放出によって進行するという仮説を支持している。

    実施例34〜44
    実施例21で得た粒子を、水と水混和性溶剤との混合物(溶剤水溶液)を用いて何度も洗浄した。 一連の50mLポリプロピレン遠心分離管に、実施例21で得た粒子を、1本の管当たりおよそ0.2gだけ量り入れた。 水と選択した容量%の水混和性溶剤とを混ぜることにより、溶剤水溶液を形成させた。 アセトン、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールを水混和性溶剤として用いた。 その後、25mLの1回目の水性溶剤溶液(表8に示されている)を管に加えた。 粒子体積が変わらなくなるまで、実験室温度において粒子に1回目の水性溶剤溶液を吸収させた。 粒子が占める体積は、遠心分離管中の粒子の高さを管の側面にある目盛線と突き合わせて記録した。 その後、管の中に存在する未吸収の残留液をデカントし、表8に示す2回目、および任意選択的に、3回目の溶剤水溶液でこの手順を繰り返した。

    膨潤粒子中に存在する固形分のパーセントは、以下の式に従って求めた。 その結果を表9に報告してある。
    固形分の%=[(粒子の乾燥質量)/(膨潤粒子の量)×100]
    膨潤したPVGAヒドロゲル粒子の最終量は、米国特許第4,350,773号明細書に記載された手順を用いて求めた。
    PVGAの最終量=(膨潤粒子の量(mL))/(粒子の理論乾燥質量(g))
    結果は表9に報告してある。 その後、粒子は、乾燥炉内で105°〜110℃において3時間乾燥させた。 乾燥粒子に対して、可溶分試験および0.9重量%NaClに対するゼロ負荷吸収容量試験を実施した。 結果は表9に報告してある。

    実施例45〜58
    実施例28で合成したPVGポリマーを、3.9重量%固形分濃縮物として用いた。 以下の金属触媒溶液を調製した。
    Co 2+ : 6.2mLの脱イオン水中に、塩化コバルト(II)(97%)を6.2mg溶かしたもの Cu 2+ : 6.9mLの脱イオン水中に、塩化銅(II)(97%)を6.9mg溶かしたもの Mn 2+ : 5.9mLの脱イオン水中に、塩化マンガン(II)(98%)を5.9mg溶かしたもの Mn 3+ : 5.4mLの脱イオン水中に、酢酸マンガン(III)脱水物を5.4mgだけ分散させたもの Fe 2+ : 5.4mLの脱イオン水中に、硫酸鉄(II)七水和物(99.5%)(Acros Organics(Geel,Belgium)から入手)を13.2mg溶かしたもの以下の酸化剤溶液を調製した。
    : 2mLの脱イオン水中に、過硫酸カリウムを19.2mg溶かしたもの NaIO : 1mLの脱イオン水中に、メタ過ヨウ素酸ナトリウムを10.3mg溶かしたもの H : 30%水溶液(受け取った状態のまま使用)

    実施例45〜58は、実施例28の1.0gの3.9重量%PVGAを、表10に報告されている成分と、15mLのプラスチック遠心分離管中で混合することにより調製した。 その後、管から脱ガスも空気の排出もせずに、管にふたを取り付け、実験室のシェーカーに周囲温度で3日間置いた。 その後、管の内容物を分析し、上に略述した手順を用いて数平均分子量(Mn)および多分散度(PDI)をGPCで求めた。 結果は表10に報告してある。

    実施例28のPVGA合成用のPVOH出発物質をGPCで分析すると、M およびPDIはそれぞれ3,400および4.3であった。 実施例28のPVGAをGPCで分析すると、M およびPDIはそれぞれ15,800および14.7であった。 対照の実施例45Cは、GPC分析の前に、密閉された遠心分離管中に同伴されている水および空気の存在下で3日間振盪させた実施例28のPVGAである。

    表10に示されるように、どんな金属触媒も存在しない状態で、過酸化水素および過ヨウ素酸ナトリウムで処理すると、PVGAの分子量のかなりの減少が観察される。 金属触媒の存在下(ただし、酸化剤溶液は加えられていない状態)では、これらの試料は、M の著しい減少を示さなかったが、多分散性は確かに増大した。 金属触媒と酸化剤の両方が存在している場合、試料は、実施例28のPVGA合成に使用されたPVOHの分子量に近いレベルまで分子量が減少した。 特に、過酸化水素とFe 2+の両方の存在下では、PVOH出発ポリマーの場合に観察されたM より小さい分子量が観察された。

    H NMR分析を実施例の幾つかに対して実施した。 実施例46および実施例58の両方の分解ポリマーのスペクトルは、8.42ppmでアルデヒドのプロトンの存在を示している。 同じNMR溶媒系でのグリオキシル酸ナトリウム標準のプロトンNMR(図11Aに示す)は、8.40ppmでこのアルデヒドのプロトン共鳴の存在を示している。 これら2つのプロトンNMRスペクトルを比較すると、酸化されたPVGAの鎖末端上、またはPVGA鎖から切り取られたグリオキシル酸化学種(glyoxylic species)として、アルデヒド官能基が存在することが確証される。 結論として、この研究ではFe 2+ /H 触媒系がPVGAを分解させる点でもっとも効力があった。 アルデヒド官能基の存在が観察されるゆえに、処理により脱アセタール化及び/または主鎖切断が起こるということも当然ながら述べることができる。

    実施例59
    水洗浄ステップを省いたこと以外は、実施例14にしたがってポリマーを調製した。 洗浄しなかった乾燥ポリマーの吸収容量を測定すると、15g(0.9重量%NaCl(水中))/gであった。

    実施例60
    サイズで分級した粒子(850μm〜1.4mm)に対して中和手順を実施しなかったこと以外は、実施例25にしたがってポリマーを調製した。 4つの20mLのシンチレーションバイアルのそれぞれに、約0.2gの粒子を入れた。 その後、10%水酸化ナトリウム水溶液を、ポリマー中に存在する理論的遊離カルボキシル基の105%モル等量に相当する量だけマイクロピペットで各バイアルに加えた。 その後、バイアルにふたを取り付けて、表11に示す時間の間、70℃で炉に入れた。

    バイアルを炉から取り出した後、試料をそれぞれ50mLのポリプロピレン遠心分離管に移し、50mLの分量の脱イオン水で3回洗浄した。 注射器を用いて過剰の水を除去し、あらかじめ重量を量ったガラスのペトリ皿にヒドロゲルを入れた。 隙間の水は、その物質を実験室用の拭き取り布に接触させて除去した。 その後、化学天秤で物質の重量を量り、ヒドロゲルの質量(ヒドロゲルの吸収容量)を求めた。 この試料の吸収容量は表11に報告してある。

    本発明の更なる利点および新規な特徴は、一部が以下に続く説明で示されるであろう。 また、一部は、以下を調べることによって明らかになるであろうし、あるいは本発明の実施の際にごく普通の実験を通して学ぶことができる。
    例えば、本発明は以下の項目を提供する。
    (項目1)
    ポリマー組成物を含む粒子であって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記粒子が複雑な表面形状特徴を含んでいる、粒子。
    (項目2)
    前記中和されたポリビニルグリオキシル酸が、ナトリウム、カリウム、リチウム、またはカルボン酸アンモニウム(ammonium carboxylate)基を含む、項目1に記載の粒子。
    (項目3)
    前記複雑な表面特徴が、約10nmから25μmの間の高さおよび約10nmから50μmの周期性を有する、項目1または2に記載の粒子。
    (項目4)
    前記複雑な表面形状特徴が前記粒子の表面の約10%〜100%に存在する、項目1〜3のいずれか一項に記載の粒子。
    (項目5)
    前記ポリマー組成物が水性液によってヒドロゲルを形成することができる、項目1〜4のいずれか一項に記載の粒子。
    (項目6)
    前記粒子が、0.9重量%NaCl溶液を、20℃〜27℃においてポリマー組成物1グラム当たり約1g〜25g(溶液)/分の初期速度で吸収する、項目1〜5のいずれか一項に記載の粒子。
    (項目7)
    前記粒子が約1マイクロメートルから3ミリメートルの間の粒径を有する、項目1〜6のいずれか一項に記載の粒子。
    (項目8)
    前記粒径が約100マイクロメートルから1ミリメートルの間である、項目1〜6のいずれか一項に記載の粒子。
    (項目9)
    前記粒子が、20℃〜27℃において、前記ポリマー組成物1グラム当たり約16g〜約50g(0.9重量%NaCl溶液)の吸収容量を有する、項目1〜8のいずれか一項に記載の粒子。
    (項目10)
    項目1〜9のいずれか一項に記載の粒子と、溶剤、水性液、水性溶剤混合物、セルロース、デンプン、リグニン、多糖類、界面活性剤、粘土、雲母、掘削液、殺虫剤、除草剤、肥料、芳香剤、薬物、難燃剤、パーソナルケア配合物成分、コーティング添加剤、シクロデキストリン、充填剤、補助剤、熱安定剤、紫外線安定剤、着色剤、酸性化剤、金属、微生物、胞子、カプセル化有機酸、またはそれらの組合せを含む1種または複数種の配合物成分とを含む配合物。
    (項目11)
    前記粒子が前記1種または複数種の配合物成分と混合されている、項目10に記載の配合物。
    (項目12)
    前記1種または複数種の配合物成分が前記粒子内に同伴されている、項目10または11に記載の配合物。
    (項目13)
    項目1〜9のいずれか一項に記載の粒子または項目10〜12のいずれか一項に記載の配合物を含む物品であって、前記物品が、幼児用おむつ、大人の保護下着または失禁用下着、女性の生理用ナプキン、地中の電力ケーブルまたは通信ケーブル、園芸用保水剤、水性流出液または水性廃液用の制御剤、殺虫剤、除草剤、芳香剤、または薬物を制御放出するためのキャリヤー、掘削液添加剤、難燃剤組成物、葬儀用パッド、外科用パッド、創傷被覆材、医療用または他の水性廃物固化物品、食品用吸収パッド、食品包装材料、化粧用またはパーソナルケア物品、シーリング複合材、フィルター、航空機および自動車用の燃料監視システム、かごに入れられた昆虫用の給水体、ラテックス塗料向けのマスキングテープ、ホット/コールド治療用パック、静止ウォーターベッド、水中で大きくなるおもちゃ、または映画および劇の演出用の人工雪である、物品。
    (項目14)
    ポリマー組成物を含むコーティングであって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記コーティングが複雑な表面形状特徴を含む、コーティング。
    (項目15)
    前記複雑な表面特徴が、約10nmから25μmの間の高さおよび約10nmから50μmの周期性を有する、項目14に記載のコーティング。
    (項目16)
    前記ポリマー組成物が水性液によってヒドロゲルを形成することができる、項目14または15に記載のコーティング。
    (項目17)
    前記コーティングが、0.9重量%NaCl溶液を、20℃〜27℃においてポリマー組成物1グラム当たり約1g〜25g(溶液)/分の初期速度で吸収する、項目14〜16のいずれか一項に記載のコーティング。
    (項目18)
    前記コーティングが、20℃〜27℃において、前記ポリマー組成物1グラム当たり約16〜50g(0.9重量%NaCl溶液)の吸収容量を有する、項目14〜17のいずれか一項に記載の粒子。
    (項目19)
    前記複雑な表面形状特徴が前記粒子の表面の約10%〜100%に存在する、項目14〜18のいずれか一項に記載のコーティング。
    (項目20)
    前記コーティングが連続的かまたは非連続的である、項目14〜19のいずれか一項に記載のコーティング。
    (項目21)
    前記コーティングが基材上に配置され、前記基材が、粒子、繊維、フィルム、シート、プレート、不織の布またはシート、織物、あるいはコーティングされた粒子、繊維、フィルム、シート、プレート、または布を含む、項目14〜20のいずれか一項に記載のコーティング。
    (項目22)
    1種または複数種の溶剤、水性液、水性溶剤混合物、セルロース、デンプン、リグニン、多糖類、界面活性剤、粘土、雲母、掘削液、殺虫剤、除草剤、肥料、芳香剤、薬物、難燃剤、パーソナルケア配合物成分、コーティング添加剤、シクロデキストリン、充填剤、補助剤、熱安定剤、紫外線安定剤、着色剤、酸性化剤、金属、微生物、胞子、カプセル化有機酸、またはこれらの組合せをさらに含む、項目14〜21のいずれか一項に記載のコーティング。
    (項目23)
    項目14〜22のいずれか一項に記載のコーティングを含む物品であって、前記物品が、幼児用おむつ、大人の保護下着または失禁用下着、女性の生理用ナプキン、地中の電力ケーブルまたは通信ケーブル、園芸用保水剤、水性流出液または水性廃液用の制御剤、殺虫剤、除草剤、芳香剤、または薬物を制御放出するためのキャリヤー、掘削液添加剤、難燃剤組成物、葬儀用パッド、外科用パッド、創傷被覆材、医療用または他の水性廃物固化物品、食品用吸収パッド、食品包装材料、化粧用またはパーソナルケア物品、シーリング複合材、フィルター、航空機および自動車用の燃料監視システム、かごに入れられた昆虫用の給水体、ラテックス塗料向けのマスキングテープ、ホット/コールド治療用パック、静止ウォーターベッド、水中で大きくなるおもちゃ、または映画および劇の演出用の人工雪を含む、物品。
    (項目24)
    ポリマー組成物の製造方法であって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記方法が、
    a. 水中に約5重量%〜25重量%のポリビニルアルコールが含まれているものを、1種または複数種のグリオキシル酸誘導体と混ぜ合わせて反応混合物を形成させるステップ;
    b. 前記水の少なくとも一部を前記反応混合物から蒸発させるステップ;
    c. 前記反応混合物を塩基と接触させて前記ポリマー組成物を形成させるステップ;
    d. 前記ポリマー組成物を、水混和性溶剤かまたは水混和性溶剤を含む混合物で洗浄するステップ;および
    e. 前記水混和性溶剤または前記混合物の少なくとも一部を除去するステップ
    を含む、ポリマー組成物の製造方法。
    (項目25)
    前記水混和性溶剤が、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはアセトンである、項目24に記載の方法。
    (項目26)
    前記混合物が水をさらに含む、項目24または25に記載の方法。
    (項目27)
    前記方法が前記反応混合物を基材上にコーティングすることをさらに含む、項目24〜26のいずれか一項に記載の方法。
    (項目28)
    前記方法が前記反応混合物または前記ポリマー組成物を分割することをさらに含む、項目24〜27のいずれか一項に記載の方法。
    (項目29)
    前記方法が連続法である、項目24〜28のいずれか一項に記載の方法。
    (項目30)
    ヒドロゲルを脱ゲル化する方法であって、前記ヒドロゲルが中和されたポリビニルグリオキシル酸および水性液を含み、前記方法が、前記ヒドロゲルの少なくとも一部で脱ゲル化を起こさせるのに十分な量の弱有機酸と接触させることを含む、ヒドロゲルを脱ゲル化する方法。
    (項目31)
    前記弱有機酸が、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、またはO−ラクトイル乳酸である、項目30に記載の方法。
    (項目32)
    前記弱有機酸を前記水性液と接触させることにより、前記弱有機酸が前記ポリビニルグリオキシル酸と接触するようにする、項目30または31のいずれかに記載の方法。
    (項目33)
    前記水性液と接触させる前に前記弱有機酸をカプセル化する、項目32に記載の方法。
    (項目34)
    前記弱有機酸が潜在的酸性化剤である、項目32または33に記載の方法。
    (項目35)
    10日後に、前記ヒドロゲルの少なくとも約30重量%が、1〜5μmの粒子保持力および1400秒のヘルツベルグ流量を有する濾紙を通過するほど十分に分散性になる、項目30〜34のいずれか一項に記載の方法。
    (項目36)
    ポリマー組成物を含む粒子であって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記粒子が複雑な表面形状特徴を含み、前記粒子が、
    a. 前記ポリマー組成物と水とを含むヒドロゲルを形成させるステップ;
    b. 前記ヒドロゲルを、水混和性溶剤かまたは水混和性溶剤を含む混合物で洗浄するステップ;および
    c. 前記水混和性溶剤または前記混合物の少なくとも一部を蒸発させるステップ
    を含む方法によって製造される、粒子。
    (項目37)
    前記混合物が水をさらに含む、項目36に記載の粒子。
    (項目38)
    ポリマー組成物を含むコーティングであって、前記ポリマー組成物が中和されたポリビニルグリオキシル酸を含み、前記コーティングが複雑な表面形状特徴を含み、前記コーティングが、
    a. 反応混合物を基材にコーティングするステップであって、前記反応混合物が、水中に約5重量%〜25重量%のポリビニルアルコールが含まれているものと1種または複数種のグリオキシル酸誘導体との混合物を含む、ステップ;
    b. 前記水の少なくとも一部を蒸発させるステップ;
    c. 前記コーティングされた反応混合物を塩基と接触させてポリマー組成物を形成させるステップ;
    d. 前記ポリマー組成物を、水混和性溶剤かまたは水混和性溶剤を含む混合物で洗浄するステップ;および
    e. 前記水混和性溶剤または前記混合物の少なくとも一部を蒸発させるステップ
    を含む方法によって製造される、コーティング。
    (項目39)
    前記混合物が水をさらに含む、項目38に記載の粒子。
    (項目40)
    グリオキシル酸誘導体とポリビニルアルコールとの反応生成物を含むポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物が水性液によってヒドロゲルを形成することができ、前記乾燥ポリマー組成物は、吸収容量が約16〜50g(0.9重量%NaCl溶液)/g(前記乾燥ポリマー組成物)で、かつ吸収初期速度が乾燥ポリマー組成物1グラム当たり約1〜25g(0.9重量%NaCl溶液)/分である、ポリマー組成物。
    (項目41)
    前記ポリビニルアルコールが、約10,000g/モルから3,000,000g/モルの間の分子量を有するアルコール化ポリ酢酸ビニルを含み、前記酢酸基の約80%〜100%がアルコール化されてヒドロキシル基になっている、項目40に記載のポリマー組成物。
    (項目42)
    前記ポリビニルアルコールの分子量が約10,000g/モルから250,000g/モルの間である、項目41に記載のポリマー組成物。
    (項目43)
    前記酢酸基の約95%〜99%がアルコール化されてヒドロキシル基になっている、項目41または42に記載のポリマー組成物。
    (項目44)
    約30%から90%の間の前記ヒドロキシル基が前記グリオキシル酸誘導体と反応している、項目41〜43のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
    (項目45)
    約50%から75%の間の前記ヒドロキシル基が前記グリオキシル酸誘導体と反応している、項目41〜43のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
    (項目46)
    前記グリオキシル酸誘導体が、グリオキシル酸ナトリウム、グリオキシル酸カリウム、グリオキシル酸、またはそれらの1つまたは複数の組合せを含む、項目40〜45のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
    (項目47)
    前記反応生成物がジアルデヒドに起因する架橋を含む、項目40〜46のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
    (項目48)
    前記ジアルデヒドがグリオキサールまたはグルタルアルデヒドである、項目47に記載のポリマー組成物。
    (項目49)
    前記ポリマー組成物が、コーティング、シート、または繊維の形である、項目40〜48のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
    (項目50)
    前記ポリマー組成物が、約50ナノメートルから3ミリメートルの間の粒径を有する粒子の形であり、かつ約5重量%未満の含水量を有する、項目40〜48のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
    (項目51)
    前記粒径が約100マイクロメートルから1ミリメートルの間である、項目50に記載のポリマー組成物。
    (項目52)
    前記ポリマー組成物が複雑な表面形状特徴を含む、項目49〜51のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
    (項目53)
    項目40〜52のいずれか一項に記載のポリマー組成物と、1種または複数種の溶剤、水性液、界面活性剤、セルロース、デンプン、リグニン、多糖類、粘土、雲母、掘削液、殺虫剤、除草剤、肥料、芳香剤、薬物、難燃剤、パーソナルケア配合物成分、コーティング添加剤、シクロデキストリン、充填剤、補助剤、熱安定剤、紫外線安定剤、着色剤、酸性化剤、金属、微生物、胞子、カプセル化有機酸、またはこれらの組合せとを含む、配合物。
    (項目54)
    項目40〜52のいずれか一項に記載のポリマー組成物または項目53に記載の配合物を含む物品であって、前記物品が、幼児用おむつ、大人の保護下着または失禁用下着、女性の生理用ナプキン、地中の電力ケーブルまたは通信ケーブル、園芸用保水剤、水性流出液または水性廃液用の制御剤、殺虫剤、除草剤、芳香剤、または薬物を制御放出するためのキャリヤー、掘削液添加剤、難燃ゲル、葬儀用パッド、外科用パッド、創傷被覆材、医療用または他の水性廃物固化物品、食品用吸収パッド、食品包装材料、化粧用またはパーソナルケア物品、シーリング複合材、フィルター、航空機および自動車用の燃料監視システム、かごに入れられた昆虫用の給水体、ラテックス塗料向けのマスキングテープ、ホット/コールド治療用パック、静止ウォーターベッド、水中で大きくなるおもちゃ、または映画および劇の演出用の人工雪である、物品。
    (項目55)
    中和されたポリビニルグリオキシル酸を含むポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物が、
    a. 水中に約5重量%〜25重量%のポリビニルアルコールが含まれているものと、グリオキシル酸およびグリオキシル酸塩の混合物とを混ぜ合わせて、反応混合物を形成させるステップ;
    b. 前記水の少なくとも一部を前記反応混合物から蒸発させるステップ;および
    c. 前記反応混合物を塩基と接触させるステップ
    を含む方法によって製造される、ポリマー組成物。

    QQ群二维码
    意见反馈