Super-hydrophilic coating

申请号 JP2008540148 申请日 2006-11-07 公开(公告)号 JP2009515032A 公开(公告)日 2009-04-09
申请人 マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー; 发明人 シー. セベシ フェブジ; エフ. ルブネル ミチャエル; ズハイ レイ; イー. コヘン ロベルト;
摘要 超親 水 性コーティングは、防反射性及び防曇性を有することができる。 該コーティングは、長期間にわたって防反射性及び防曇性を維持することができる。
【選択図】 図1
权利要求
  • 基板上に配置された親水性材料を含むナノテクスチャーコーティングを含む超親水性表面。
  • 前記基板が、実質的に透明である、請求項1記載の表面。
  • 実質的に透明である、請求項2記載の表面。
  • 1.4未満の屈折率を有する、請求項3記載の表面。
  • 1.3未満の屈折率を有する、請求項4記載の表面。
  • 前記コーティングが、500nm未満の厚さを有する、請求項3記載の表面。
  • 前記コーティングが、300nm未満の厚さを有する、請求項3記載の表面。
  • 10〜20nmの範囲の実効粗さを有する、請求項3記載の表面。
  • 12〜16nmの範囲の実効粗さを有する、請求項3記載の表面。
  • 前記コーティングが、複数のナノ粒子を含む、請求項1記載の表面。
  • 前記複数のナノ粒子が、シリカナノ粒子を含む、請求項10記載の表面。
  • 前記複数のナノ粒子が、5nmから100nmの範囲の直径を有するナノ粒子を含む、請求項10記載の表面。
  • 前記複数のナノ粒子が、5nmから25nmの範囲の直径を有するナノ粒子を含む、請求項10記載の表面。
  • 前記コーティングが、有機ポリマーを実質的に含まない、請求項10記載の表面。
  • 前記コーティングが、高分子電解質を含む、請求項10記載の表面。
  • 前記高分子電解質が、ポリカチオンを含む、請求項15記載の表面。
  • 前記高分子電解質が、ポリ(塩酸アリルアミン)を含む、請求項15記載の表面。
  • 前記コーティングが、二層を含み、前記二層は、電荷を有する高分子電解質、及び反対の電荷を有する材料を含む、請求項15記載の表面。
  • 前記反対の電荷を有する前記材料が、高分子電解質である、請求項18記載の表面。
  • 前記反対の電荷を有する前記材料が、複数のナノ粒子である、請求項18記載の表面。
  • 表面を処理する方法であって:電荷を有する高分子電解質、及び反対の電荷を有する第2の材料を含む二層を含むコーティングを基板の表面に形成することを含む、前記方法。
  • 前記第2の材料が、親水性である、請求項21記載の方法。
  • 前記第2の材料が、高分子電解質を含む、請求項21記載の方法。
  • 前記第2の材料が、非ポリマー材料を含む、請求項21記載の方法。
  • 前記第2の材料が、複数のナノ粒子を含む、請求項21記載の方法。
  • それぞれが、電荷を有する高分子電解質、及び反対の電荷を有する第2の材料を含む複数の二層を、順次形成することをさらに含む、請求項21記載の方法。
  • 少なくとも1つの二層が、高分子電解質を含む、請求項26記載の方法。
  • 少なくとも1つの二層が、非ポリマー材料を含む、請求項26記載の方法。
  • 少なくとも1つの二層が、複数のナノ粒子を含む、請求項26記載の方法。
  • 前記二層を形成することが、前記基板の表面を前記高分子電解質の水溶液と接触させることを含む、請求項21記載の方法。
  • 前記二層を形成することが、前記基板の表面を前記第2の材料の水溶液と接触させることを含む、請求項21記載の方法。
  • 前記コーティングを加熱することをさらに含む、請求項21記載の方法。
  • 前記コーティングをプラズマと接触させることをさらに含む、請求項21記載の方法。
  • 防曇性表面を製造する方法であって、基板の表面に配置された親水性材料を含むナノテクスチャー層を形成することを含む、前記方法。
  • ナノテクスチャー親水性材料を含む防反射コーティングを有する表面を含む物品。
  • ナノテクスチャー親水性材料を含む防曇コーティングを有する表面を含む物品。
  • 親水性領域によってパターン化された超疎水性表面を含む物品。
  • 说明书全文

    (連邦政府が統括する研究又は開発)
    米国政府は、米国国立科学財団によって授与された譲渡番号CTS-9729569及びDMR-9808941に従って、本発明に一定の権利を有することができる。

    (技術分野)
    本発明は、超親性コーティングに関する。

    (背景)
    高分子電解質多層膜を様々な表面上に容易に構成することができる。 材料、構成条件及び後処理条件の選択を用いて、最終製品の化学的特性、構造的特性及び光学的特性を制御することができる。

    (要旨)
    ナノ粒子及び高分子電解質を含む、層毎に構成された膜から安定した超親水性コーティングを形成することができる。 超親水性コーティングは、防曇性、防反射性又は防曇性及び防反射性の双方を有することが可能である。
    一態様において、超親水性表面は、基板上に配置された親水性材料を含むナノテクスチャーコーティングを含む。 コーティングは、部分的コーティング、すなわち基板の一部を被覆するコーティングであり得る。 基板は、実質的に透明であり、表面は実質的に透明であり得る。 表面は、1.4未満又は1.3未満の屈折率を有することができる。 コーティングは、500nm未満又は300nm未満の厚さを有することができる。 表面は、10〜20nm又は12〜16nmの範囲の実効(rms)粗さを有することができる。

    コーティングは、複数のナノ粒子を含むことができる。 複数のナノ粒子は、シリカナノ粒子を含むことができる。 複数のナノ粒子は、5nmから100nm又は5nmから25nmの範囲の直径を有するナノ粒子を含むことができる。
    コーティングは、実質的に、有機ポリマーがなくてもよい。 コーティングは、高分子電解質を含むことができる。 高分子電解質は、ポリカチオンを含むことができる。 高分子電解質は、ポリ(塩酸アリルアミン)を含むことができる。
    コーティングは、二層をさらに含み、二層は、電荷を有する高分子電解質、及び反対の電荷を有する材料を含むことができる。 反対の電荷を有する材料は、高分子電解質であり得る。 反対の電荷を有する材料は、複数のナノ粒子であり得る。

    別の態様において、表面処理方法は、基板の表面にコーティングを形成し、コーティングは、電荷を有する高分子電解質、及び反対の電荷を有する第2の材料を含む二層を含むことを含む。 第2の材料は、親水性であり得る。 第2の材料は、高分子電解質を含むことができる。 第2の材料は、非ポリマー材料を含むことができる。 第2の材料は、複数のナノ粒子を含むことができる。
    該方法は、複数の二層を順次形成し、各二層は、電荷を有する高分子電解質、及び反対の電荷を有する第2の材料を含むことを含む。

    少なくとも1つの二層は、高分子電解質を含むことができる。 少なくとも1つの二層は、非ポリマー材料を含むことができる。 少なくとも1つの二層は、複数のナノ粒子を含むことができる。
    二層を形成することは、基板の表面を高分子電解質の水溶液と接触させることを含むことができる。 二層を形成することは、基板の表面を第2の材料の水溶液と接触させることを含むことができる。 該方法は、コーティングを加熱することを含むことができる。 該方法は、コーティングをプラズマと接触させることを含むことができる。

    別の実施態様において、防曇性表面の製造方法は、基板の表面に配置された親水性材料を含むナノテクスチャーコーティングを形成することを含む。
    別の態様において、物品は、ナノテクスチャー親水性材料を含む反射防止コーティングを有する表面を含む。
    別の態様において、物品は、ナノテクスチャー親水性材料を含む防曇性コーティングを有する表面を含む。
    1つ以上の実施態様の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。 他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面並びに請求項から明らかになるであろう。

    (詳細な説明)
    ナノテクスチャーを有する表面は、極めて高い濡れ特性を示すことができる。 ナノテクスチャーは、ナノメートル(すなわち、典型的には、1マイクロメートル未満)の寸法を有する隆起、谷又は孔などの表面特徴を指す。 場合によっては、いくつかの個々の特徴が1マイクロメートルのサイズを超えていても、それらの特徴は、ナノメートル規模の平均又は実効寸法を有することになる。 ナノテクスチャーは、相互接続孔の三次元ネットワークであり得る。 表面の構造及び化学組成に応じて、親水性、疎水性、又は極端には超親水性若しくは超疎水性であり得る。 所望のテクスチャーを形成するための1つの方法は、高分子電解質多層膜によるものである。 高分子多層膜は、防反射性、又は所望の波長範囲における反射性などの望ましい光学特性を表面に付与することも可能である。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれている米国特許出願第2003/0215626号及び米国特許出願第10/912,540号を参照されたい。

    親水性表面は、水を引きつけ、疎水性表面は、水をはじく。 概して、表面に疎水性材料をコーティングすることによって、非疎水性表面を疎水性にすることができる。 例えば、水滴の表面に対する接触を測定することによって、表面の疎水性を測定することができる。 接触角は、静的接触角又は動的接触角であり得る。 動的接触角測定は、前進接触角若しくは後退接触角、又はその両方を測定することを含むことができる。 疎水性表面は、前進接触角と後退接触角の差が小さい(すなわち、接触角ヒステリシスが小さい)疎水性表面が望ましい。 水滴は、大きい接触角ヒステリシスを有する表面より小さい接触角ヒステリシスを有する表面の方が移動しやすい。

    表面は、超親水性であり得る。 超親水性表面は、水で完全又は瞬時に濡れ、すなわち、水と接触すると0.5秒未満で5度未満の水滴前進接触角を示す。 例えば、その全体が引用により組み込まれているBico, J.らの論文、Europhys. Lett. 2001、55、214-220を参照されたい。 他の極端な場合として、表面は、すなわち150°以上の水滴前進接触角を示す超疎水性であり得る。 蓮の葉は、超疎水性表面の一例である(それぞれの全体が引用により組み込まれているNeinhuis, C;Barthlott, W.の論文、Ann. Bot. 1997、79、677;及びBarthlott, W.;Neinhuis, C.の論文、Planta 1997, 202, 1を参照されたい)。 蓮の葉は、非常に小さい接触角ヒステリシスをも示す。 後退接触角は、前進接触角の5°以内である(例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているChen, W.;らの論文、Langmuir 1999、15, 3395;及びOner, D.;McCarthy, T.の論文、J. Langmuir 2000、16、7777を参照されたい)。

    TiO 2などの光化学的に活性な材料は、UV線に曝した後に、又は適切な化学改質剤、可視光線で処理すると超親水性になり得る。 TiO 2に基づく表面コーティングは、典型的には、暗環境に置かれると、数分から数時間内に超親水性を失うが、この潜在的な限界を払拭する方向に向かって大きく前進した。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているGu, ZZ;Fujishima, A.;Sato, O.の論文、Angewandte Chemie-International Edition 2002、41、(12)、2068-2070;及びWang, R.;らの論文、Nature 1997、388、(6641)、431-432を参照されたい。

    テクスチャー表面は、超親水性挙動を促進することができる。 Wenzel及びCassie-Baxterによる先の理論的研究並びにQuere及び共同研究者による最近の研究は、正しい長さスケールで粗さを導入することによって、水による表面の濡れを著しく増強することが可能であることを示唆している。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているWenzel, RNの論文、J. Phys. Colloid Chem. 1949、53、1466;Wenzel, RNの論文、Ind. Eng. Chem. 1936、28、988;Cassie, ABD;Baxter, S.の論文、Trans. Faraday Soc. 1944、40、546;Bico, J.;らの論文、D. Europhysics Letters 2001、55、(2)、214-220;及びBico, J.;らの論文、Europhysics Letters 1999、47、(6)、743- 744を参照されたい。 この研究に基づいて、リソグラフィーによるテクスチャー表面及び微孔性表面の両方を超親水性にできることが最近実証された。 例えば、その全体が引用により組み込まれているMcHa1e, G.;Shirtcliffe, NJ;Aqil, S.;Perry, C. C;Newton, MIの論文、Physical Review Letters 2004、93、(3)を参照されたい。 超疎水性状態と超親水性状態の切換の興味深い可能性もこれらの表面構造のいくつかについて実証された。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているSun, TL;らの論文、Angewandte Chemie-International Edition 2004、43、(3)、357-360;及びGao, YF;らの論文、Langmuir 2004、20、(8)、3188-3194を参照されたい。

    高分子電解質多層膜の層毎の処理を用いて、膜厚及び化学特性に対する分子レベルの調節による整合的な薄膜コーティングを作製することができる。 帯電高分子電解質を層毎に構成することができる。 換言すれば、正帯電高分子電解質と負帯電高分子電解質を基板に交互に堆積させることができる。 高分子電解質を堆積させる1つの方法は、基板を適切なpHで高分子電解質の水溶液と接触させることである。 高分子電解質が部分的又は弱く帯電するようにpHを選択することができる。 多層をそれが含む二層の数で記述することができ、二層は、反対に帯電した高分子電解質の順次塗布によって形成される。 例えば、層PAH-PAA-PAH-PAA-PAH-PAAの配列を有する多層は、3つの二層で構成されていると言えるだろう。

    これらの方法は、処理溶液のpHを調整するだけで、堆積法に対する新たなレベルの分子的調節を行うことができる。 非多孔性高分子電解質多層は、簡単な酸性水性処理によって誘発される多孔性薄膜構造を形成することができる。 例えば、塩含有量(イオン強度)、温度又は表面化学特性のようなパラメータの操作によってこの孔形成処理を調整すると、微孔、ナノ孔又はそれらの組合せを形成することができる。 ナノ孔は、150nm未満、例えば1から120nm又は10から100nmの直径を有する。 ナノ孔は、100nm未満の直径を有することができる。 微孔は、150nmを超える直径、典型的には200nmを超える直径を有する。 孔形成条件の選択により、コーティングの多孔性を調節することができる。 例えば、コーティングは、微孔が実質的にないナノ孔性コーティングであり得る。 或いは、250nm、500nm、1ミクロン、2ミクロン、5ミクロン又は10ミクロン以上など、200nmより大きい平均孔径を有する微孔性コーティングであり得る。

    弱帯電高分子電解質の特性をpHの変化によって厳密に調節することができる。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているG. Decherの論文、Science 1997、277、1232;Mendelsohnら、 Langmuir 2000、16、5017;Feryらの論文、Langmuir 2001、17、3779;Shiratoriらの論文、Macromolecules 2000, 33, 4213;及び米国特許出願第10/393,360号を参照されたい。 これらの高分子電解質多層膜を構成するのに用いられる水をベースとした層毎(layer-by-layer)(LbL)吸着処理に適した任意の表面に対してこの種のコーティングを塗布することができる。 水をベースとした処理は、水溶液が表面に接触すると、必ず高分子電解質を堆積させることが可能であるため、複雑な幾何学形状を有する物体の内面でもコーティングすることができる。 概して、浸漬又は噴霧などの、水溶液を表面に塗布するのに適した任意の方法によって高分子電解質を表面に塗布することができる。

    極めて高い濡れ挙動を有する表面を高分子電解質コーティングから作製することができる。 例えば、その全体が引用により組み込まれている米国特許出願第10/912,576号を参照されたい。 高分子電解質は、複数の電荷官能基が結合した骨格を有する。 高分子電解質は、ポリカチオン性又はポリアニオン性であり得る。 ポリカチオンは、複数の正電荷官能基が結合した骨格、例えばポリ(塩酸アリルアミン)を有する。 ポリアニオンは、スルホン化ポリスチレン(sulfonated polystyrene)(SPS)若しくはポリ(アクリル酸)又はその塩などの、複数の負電荷官能基が結合した骨格を有する。 いくつかの高分子電解質は、pHのなどの条件に応じて、それらの電荷を失い得る(すなわち電気的に中性になり得る)。 共重合体などのいくつかの高分子電解質は、ポリカチオン部及びポリアニオン部の両方を含むことができる。

    超親水性表面を多層膜から形成することができる。 当該整合的超親水性表面を、例えば、防反射用途又は防曇用途に使用することができる。 超疎水性膜を多層膜から形成することができる。 当該整合的超疎水性表面は、防染、自己洗浄及び耐水コーティング;抗細胞接着(例えば、抗菌)コーティング;電気又は熱絶縁コーティング;(例えば、管の内壁に対する)流動性向上コーティング;並びにミクロ流体流路及びバイオセンサに対するコーティングとしての用途を有することができる。

    SiO 2のナノ粒子含む多層薄膜を層毎の構成によって調製することができる(その全体が引用により組み込まれているLvov, Y.;Ariga, K.;Onda, M.;Ichinose, L;Kunitake, T.の論文、Langmuir 1997、13、(23)、6195-6203を参照されたい)。 他の論文には、TiO 2ナノ粒子、SiO 2ゾル粒子及び単一又は二重層ナノ粒子ベースの防反射コーティングが記載されている。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているZhang, XT.;らの論文、Chem. Mater. 2005, 17, 696;Rouse, JH;Ferguson, GSの論文、J. Am. Chem. Soc. 2003、125、15529;Sennerfors, T.;らの論文、Langmuir 2002、18、6410;Bogdanvic, G.;らの論文、J. Colloids Interface Science 2002、255、44;Hattori, H.の論文、Adv. Mater. 2001, 13, 51;Koo, HY;らの論文、Adv. Mater. 2004, 16, 274;及びAhn, JS;Hammond, PT;Rubner, MF;Lee, I.の論文、Colloids and Surfaces A:Physicochem. Eng. Aspects 2005、259、45を参照されたい。 TiO 2ナノ粒子を多層薄膜に組み込むと、光活性化によって誘発される超親水性状態の安定性を向上させることができる。 例えば、その全体が引用により組み込まれているKommireddy, DS;らの論文、J. Nanosci. Nanotechnol. 2005、5、1081を参照されたい。

    ポリマーの水溶液を採用した安価で簡単な方法を用いて、広帯域防反射性を達成することができる。 例えば、その全体が引用により組み込まれている米国特許出願公開第2003/0215626号を参照されたい。 該方法を用いて、高効率の整合的防反射コーティングを任意の形状、大きさ又は材質の実質的に任意の表面に施すことができる。 該方法を用いて、2つ以上の表面に同時に防反射コーティングを施すことができ、コーティング性能を低下させ得るピンホール及び欠陥が実質的にないコーティングを生成することができる。 多孔性ポリマー材料は防反射であることができる。 該方法を用いて、ポリマー基板に防反射及び遮光コーティングを形成することができる。 その簡単且つ汎用性の高い方法により、低コスト、高性能の防反射及び遮光コーティングとして機能する分子レベルで設計された整合的薄膜を形成することができる。 該方法は、基板の両側に一度に均一にコーティングして、欠陥及びピンホールのない透明コーティングを生成することが可能である。 該方法を用いて、フラットパネルディスプレイ及び太陽電池を含む高性能ポリマー光学部品を製造することができる。

    同様に、ポリマーコーティングは、防曇コーティングであり得る。 防曇コーティングは、光を散乱させる水滴が表面で凝縮するのを防止することができる。 コーティングは、光を分散させる水滴が表面に形成されるのを防止することによって、透明な表面、例えば窓又は表示画面に光学的透明性を維持するのに役立つことができる。 コーティングは、防反射及び防曇コーティングであり得る。 防曇コーティングを有する透明な物体の表面は、表面における水の凝縮を引き起こす条件下で、防曇コーティングのない同じ物体と比較した場合に、可視光に対するその透明性を維持する。

    高分子電解質多層膜を基板に堆積させ、多層膜を処理して、多孔遷移を誘発することによって、超親水性コーティングを作製することができる。 多孔遷移は、多層膜にナノスケールの多孔を誘発することができる。 ナノ粒子を塗布して、表面のテクスチャーをさらに拡大することができる。 最後に、疎水性材料を塗布して、表面を超疎水性にすることができる。 疎水性材料を塗布する前に、表面は、超親水性であり得る。

    超疎水性表面の表面粗さを与えるための鋳型として高分子電解質多層膜を使用した。 層毎の処理を用いて、SiO 2ナノ粒子を含む高分子電解質多層膜を構成した。 次いで、膜を650℃に加熱して、高分子電解質を除去し、超疎水性挙動に必要な表面テクスチャーを形成した(その全体が引用により組み込まれているSoeno, T.らの論文、Transactions of the Materials Research Society of Japan 2003、28、1207を参照されたい)。 別の例において、樹枝状の金クラスターを、高分子電解質多層膜で被覆されたインジウム錫酸化物(ITO)電極に電気化学的に堆積させた。 n-ドデカンチオール単層の金クラスターへの堆積後、表面は、超疎水性挙動を示した(その全体が引用により組み込まれているZhang, X.らの論文、J. Am. Chem. Soc. 2004、126、3064を参照されたい)。 これらの膜を形成するのに用いられる電気化学堆積法は、その上に超疎水性コーティングを形成するのにこの方法を用いることができる材料の種類を限定し得る。

    超疎水性表面は、高分子電解質多層膜を含むことができる。 層毎の方法を用いて、表面に多層膜をコーティングすることができる。 多層膜の処理によって、多層膜における粗さの形成を誘発することができる。 多層膜は、高度の粗さの多層膜になり得る。 高度の粗さは、マイクロメートルスケールの粗さであり得る。 高度な粗さの表面は、100nm、150nm又は200nm以上の実効粗さを有することができる。 高度の粗さの形成を誘発する処理としては、酸処理又は塩処理(すなわち塩の水溶液による処理)を挙げることができる。 高分子電解質多層膜における孔の形成は、多層膜に高度の粗さを生じさせることができる。 条件(例えば、pH、温度、処理時間)を適切に選択することで、異なる径の孔の形成を促進することができる。 孔は、微孔(例えば、200nmを超える直径、500nmを超える直径、1マイクロメートルを超える直径又は10マイクロメートル以上の直径などのマイクロメートルスケールの直径の孔)であり得る。 微孔性高分子電解質多層膜は、高度の粗さの高分子電解質多層膜であり得る。

    高分子電解質多層膜を高度な粗さの表面に形成することによって、高度の粗さの高分子電解質多層膜を形成することができる。 高分子電解質多層膜が高度な粗さの表面に形成される場合は、高分子電解質多層膜の高分子電解質多層膜を増加させるための処理は、随意であり得る。 高度な粗さの表面は、例えば、微粒子又は微球体;ナノ粒子又はナノ球体;或いは突起、隆起又は窪みの部分を含むことができる。 マイクロメートルのスケールの粒子は、例えば、クレー又は他の微粒子材料であり得る。 突起、隆起又は窪みを、例えば、エッチング、マイクロメートルスケールの粒子の堆積、又は好適な基板に対するフォトリソグラフィーによって形成することができる。

    ロックイン(lock-in)工程は、多孔性多層膜の構造のさらなる変化を防止することができる。 例えば、多層膜を化学又は熱重合条件に曝すことによって、ロックインを達成することができる。 高分子電解質は、架橋し、さらなる多孔遷移が不可能になり得る。 場合によっては、化学的架橋工程は、カルボジイミド試薬による高分子電解質多層膜の処理を含むことができる。 カルボジイミドは、カルボン酸塩と高分子電解質のアミン基との架橋の形成を促進することができる。 高分子電解質多層膜が、架橋に必要な温度で不安定である基板に形成される場合(例えば、基板がポリスチレンである場合等)は、化学的架橋工程が好ましい。 架橋工程は、光架橋工程であり得る。 光架橋は、架橋を達成するために、感作体(例えば感光基)及び(UV、可視又はIR光等への)露光を利用することが可能である。 マスクを使用して、架橋及び非架橋領域のパターンを表面に形成することができる。 高分子電解質多層膜のポリマー鎖を架橋するための他の方法も知られている。

    ナノ粒子を多層膜に塗布して、ナノメートルスケールのテクスチャー又は粗さを表面に与えることができる。 ナノ粒子は、例えば、シリカナノ球体、チタニアナノ球体、ポリマーナノ球体(ポリスチレンナノ球体等)又は金属ナノ球体などのナノ球体であり得る。 ナノ粒子は、金又は銀ナノ粒子などの金属ナノ粒子であり得る。 ナノ粒子は、例えば、1から1000ナノメートル、10から500ナノメートル、20から100ナノメートル、又は1から100ナノメートルの直径を有することができる。 シリカナノ粒子の本質的に高い濡れ性並びに多層表面の粗く多孔性の性質は、極めて高い濡れ挙動に対する好ましい条件を確立する。

    表面に疎水性材料をコーティングすることができる。 概して、表面に塗布できる任意の疎水性材料を使用することが可能である。 高分子電解質多層膜と化学的又は物理的に反応する材料を使用することができる。 疎水性材料を多層膜、ナノ粒子又はその両方に化学的に結合させることができる。 疎水性材料は、ポリ(テトラフルオロエチレン)又は疎水性ポリシロキサンなどのポリマー材料であり得る。 疎水性材料は、フルオロポリマー又はフルオロシランであり得る。 疎水性材料を蒸着法、例えば化学蒸着(chemical vapor deposition)(CVD)又は熱フィラメント化学蒸着(hot filament chemical vapor deposition)(HFCVD)によって表面に塗布することができる。 例えば、その全体が引用により組み込まれているLau, KKSらの論文、Nano Lett. 2003、3、1701を参照されたい。

    多孔遷移を誘発するために多層膜を処理することを必要とせずに、超親水性コーティングを多層膜から形成することができる。 例えば、多層膜は、高分子電解質及び複数の親水性ナノ粒子を含むことができる。 適切な構成条件を選択することによって、調節可能な厚さの三次元ナノ孔性ネットワークをナノ粒子で形成することができる。 ネットワークを相互接続することができる。 換言すれば、ナノ孔は、複数の接続空隙を形成することができる。 このネットワークへの水の急速浸透(ナノ-ウィッキング)によって、超親水性挙動を導くことができる。

    7.5又は8.5のpHのPAH浸漬液及び3.5のpHのPAA浸漬液(PAH/PAA7.5/3.5又は8.5/3.5と示す)でポリ(塩酸アリルアミン)(poly(allylamine hydrochloride))(PAH)及びポリ(アクリル酸)(poly(acrylic acid))(PAA)から構成された多層膜は、pH2.4で処理し、続いて脱イオン洗浄水で処理すると、微孔性構造体を形成した。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているMendelsohn, JDらの論文、Langmuir 2000、16、5017;及びHiller, J.らの論文、Nature Materials 2002、11、59を参照されたい。 これらの膜の処理後の実効表面粗さは、100nm未満であり、安定した超疎水性挙動を促進するには小さすぎた。 酸性処理の適切な組合せを用いることによって、PAH/PAA8.5/3.5膜を誘発して、約10マイクロメートルの径の孔及び蜂の巣状構造体を表面に形成した。 当該膜は、実効表面粗さが400nmを超えるため、超疎水性表面の高度の粗さの鋳型として使用するのに最適である。 低pH処理後に膜を水で濯がないのが好ましい。 単一の低pH処理には段階的な低pH処理が好ましい。

    PAH(M W =70,000)をSigma-Aldrich社(ミズーリ州St. Louis)から入手した。 PAA(M W =90,000)及びシリカナノ粒子をPolysciences社(ペンシルベニア州Warrington)から入手した。 (トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)-1-トリクロロシランをUnited Chemical Technilogy社から入手した。 約5.5の未調整pHの脱イオン水(>18MΩcm、Millipore Milli-Q)をすべての溶液及び濯ぎ手順に専ら使用した。

    既に記載したように自動ツァイスHMSスライド着色剤を使用して、ガラス顕微鏡スライド又は3-アミノプロピルトリエトキシシラン被覆顕微鏡スライド(LabScientific社)上に高分子電解質多層膜を構成した(例えば、Shiratori, SS;Rubner, MFの論文 Macromolecules 2000、33、4213を参照されたい)。 多層膜構成の前に、ガラス基板を洗剤溶液に続いて脱イオン洗浄水で脱脂した。 シラン被覆顕微鏡スライドをそのまま使用した。

    1MのNaOH又は1MのHClを使用することによってpH調整されたpH8.5のPAH(反復単位による10 -2 M)及びpH3.5のPAA(10 -2 M)水溶液を使用して、PAH/PAA多層膜を構成した。 最初に基板をPAH溶液に15分間、続いて濯ぎ工程として水に2分間1回、1分間2回浸漬することによって、ガラススライド上に最初の4つのPAH/PAA二層を形成した。 次いで、基板をPAA溶液に15分間浸漬し、続いて同じ濯ぎ工程を行った。 高分子電解質溶液に30秒間、続いて濯ぎ工程として水に1分間1回、30秒間2回浸透することによって、残りの層を構成した。 所望の数の二層が得られるまで、吸着工程及び濯ぎ工程を繰り返した。 二層は、ポリカチオンの単一吸着、そしてそれに続くポリアニオンの吸着と定義づけられる。 したがって、半整数の数のPAH/PAAの二層は、最外層としてPAHで終わる。 高分子電解質多層膜の低pH処理(例えば、pH5未満、pH4未満、pH0からpH4又はpH2からpH3のpHでの処理)により、多層膜に孔を導入した。 低pH処理は、一工程処理又は多工程処理であり得る。 例えば、二工程処理は、pH2.7溶液及びpH2.3溶液による多層膜の処理を含むことができる。 高分子電解質多層膜を180℃での2時間にわたる加熱処理によって架橋した。

    シリカナノ粒子の0.06%水性コロイド分散液及びpH8.5のPAH(反復単位による10 -2 M)を使用して、最初に膜をシリカナノ粒子懸濁液に5分間、続いて濯ぎ工程として水に1分間1回、30秒間2回浸漬することによって、シリカナノ粒子/PAHの1.5の二層を架橋多孔性多層膜に堆積させた。 次いで、膜をPAH溶液に5分間浸漬し、続いて同じ濯ぎ工程を行った。 膜を再びシリカナノ粒子溶液に5分間、続いて濯ぎ工程として水に1分間1回、30秒間2回浸漬した。

    シラン処理を(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)-1-トリクロロシランの化学蒸着によって行った。 サンプルを(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)-1-トリクロロシランとともに真空チャンバに仕込んだ。 室温で2時間にわたってチャンバを1Torrの真空にすることによってCVDを実施した。 次いで、サンプルをオーブンに仕込み、180℃で2時間加熱した。

    図1Aは、単一の低pH処理(pH2.3の溶液に6時間浸漬し、水による濯ぎを行わない処理)によって形成された100.5の構成二層膜を含む多孔性PAH/PAA 8.5/3.5膜の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。 得られた膜は、約0.5〜2ミクロンの表面孔及び約100nmの実効表面粗さを示す。 対照的に、2つの低pH処理(すなわち、pH2.7の溶液に2時間浸漬し、続いてpH2.3の溶液に4時間浸漬し、水による濯ぎを行わない処理)の組合せによって形成された100.5二層PAH/PAA 8.5/3.5多孔性膜は、約440nmの表面粗さを有していた(図1B)。 この膜は、鋭い隆起及び10マイクロメートル程度の表面孔を有する蜂の巣状テクスチャーを示す。 これらの低pH処理の後に水による濯ぎ(pH約5.5)を行うと、表面粗さが急激に低下した。

    マイクロメートルスケールの表面粗さを有する2つの多孔性PAH/PAA 8.5/3.5膜をナノ粒子堆積用の鋳型として使用した。 次の処理工程全体を通じて所望の表面形態的特徴を維持するために、両構造体を最初に180℃で2時間熱架橋させた(その全体が引用により組み込まれているDai, J.らの論文、Langmuir 2001、17、931を参照されたい)。 基板を負電荷ナノ粒子の水性懸濁液及びPAH水溶液に交互に浸し、続いて基板を最終的にナノ粒子懸濁液に浸すことにより、50nmのSiO 2ナノ粒子を表面に堆積させることによってナノスケールのテクスチャーを導入した。 次いで、(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)-1-(トリクロロシラン(半フッ化シラン)の化学蒸着(CVD)を行い、続いて180℃で2時間加熱して、未反応の半フッ化シランを除去することによって表面を改質した。これらの最終工程により、表面全体が疎水性になった。

    接触角と表面形態及び化学特性の関係を明らかにするために、各処理工程の後に、図1に示される2種類の構造について動的接触角測定を実施した。 図2は、処理の様々な段階において構造A(すなわち図1Aに示される構造)及び構造B(すなわち、図1Bに示される構造)から測定された動的接触角を示す。 前進接触角(黒の棒)及び後退接触角(灰色の棒)の両方を、それぞれ表面結合SiO 2ナノ粒子を有する、且つ有さない(SiO 2ナノ粒子を有する構造は*で示される)構成高密度膜、架橋微孔性膜及び十分に処理された微孔性膜から測定した。 各処理工程において、構造Bから測定された前進接触角は、構造Aから測定された前進接触角より大きく、Wenzelモデル及びCassieモデルの両方の予測と一致していた(所定の化学組成について、より粗い表面は、より大きい前進接触角を示す)。 親水性のシリカナノ粒子を両架橋構造の表面に堆積させると、表面がより水和性の大きい親水基で被覆されるため、前進接触角が低下した。 半フッ化シランの堆積及び加熱後に、すべての表面が、親水性から疎水性に変化し、前進接触角が大きくなった(>120°)。

    半フッ化シランがコーティングされた表面の中で、ナノ粒子を含まない構造Aを除いて、すべての表面から超疎水特性(前進接触角>150°)が観察された。 ナノ粒子がコーティングされた構造Bによって、低接触角ヒステリシスが示された。 この場合、水滴は、表面に長時間滞留した後でも固定されることなく、表面から自由に落下した。 対照的に、ナノ粒子がコーティングされた構造Aの表面及びナノ粒子を含まない構造Bの表面の水滴は、2分間表面に滞留した後に固定され、Cassie状態からWenzel状態への推移を示唆していた。 酸処理の組合せによって形成される微小構造及びナノ粒子の堆積によって誘発されるナノ構造の両方が、安定した超疎水性表面の形成に重要であり得る。

    図3Aは、構造Bから作製された最終的な超疎水性表面の高解像度SEM画像を示す。 ナノ粒子は、微孔の表面を修飾して、概念的に蓮の葉の表面に類似する二階構造を形成した。 図3Bは、172°の前進接触角を有するこの表面の水滴を示す。 この表面における4mgの水滴の滑動を誘発するのに必要な最小角度は、2°未満であったが、それは、水滴を実質的に固定させない非常に小さい接触角ヒステリシスを示唆している。 この表面は、少なくとも1週間にわたって水に浸漬された後も、又は少なくとも1ヶ月にわたって高湿環境に保存された後も超疎水性を維持した。 これは、水に短時間浸漬した後に超疎水特性を失った構造A(図2のA3*)から形成された超疎水性表面と対照的である。

    X線分光分析(XPS)により、構造Bの超疎水性表面が半フッ化シランで改質されていることが確認された(図4)。 シリカナノ粒子を有する架橋多孔性多層膜のXPSスペクトルは、検出可能なフッ素ピークを示さなかった(図4A)のに対して、半フッ化シランがコーティングされた膜は、688eVに強いフッ素ピークを示した(図4B)、この強いフッ素ピークは、単一の単層より厚い重合シラン膜が表面に形成されていることを示唆する。 図4Aにおける156eV及び103eVに位置するシリコンピークは、架橋多層膜の表面に堆積されたシリカナノ粒子によるものであった。 (トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)-1-トリクロロシランのCVD及び続く熱処理の後に、これらのピークの強度が、重合シラン膜の形成により強くなった(図4B)。 シリカナノ粒子との反応に加えて、半フッ化シランは、架橋多層膜の表面の遊離アミン基と反応することもできる。 CVD及び熱処理の後に、ナノ粒子を含まない多孔性架橋膜のXPSスペクトルを調べることによって確認された。 この場合、688eVに位置する強いフッ素ピークも観察された。

    直接的な手順により、高分子電解質多層膜から安定した超疎水性コーティングを形成することができる。 実質的にすべての表面である、層毎の堆積法に適した任意の基板又は物体にコーティングすることが可能である。 わずか20の二層を有するPAH/PAA多層膜から、より短い処理及び架橋時間で超疎水性コーティングを調製することができる。

    20.5二層PAH/PAA(7.5/3.5)膜をpH2.7の溶液に20分間浸漬し、pH2.3の溶液に40分間浸漬した。 次いで、膜を空気で乾燥させ、180°で2時間架橋させた。 さらに3.5のPAH/シリカナノ粒子の二層を表面に堆積させ、続いて半フッ化シランのCVDを行った。 180℃で2時間加熱した後に、表面が超疎水性になった。
    繊維に超疎水性コーティングを形成することに成功した。

    サンプルを(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)-1-トリクロロシランの0.4%(v/v)イソプロパノール溶液に5秒間浸漬することによって、又は(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)-1-トリクロロシランの2%(v/v)イソプロパノール溶液をスピンコーティングすることによって、シリカナノ粒子を担持する酸処理膜に半フッ化シランを堆積させた。 膜を130℃で10分間加熱した後に超疎水性表面が得られた。
    エプソンインクジェットプリント又は木綿刷毛を使用して、ポリ(アクリル酸)の0.25%(w/v)イソプロパノール溶液を超疎水性表面に印刷することによって、超疎水性表面を親水性領域でパターン化した。 チタン(IV)イソプロポキシドの2%(w/w)イソプロパノール溶液によってもこれを達成することができる。

    多層膜は、疎水性材料でコーティングする前に超親水性であり得る。 超親水性挙動は、水によってほぼ瞬時に濡れることを特徴とし、前進接触角と後退接触角の差が5°未満である。 したがって、この手法は、表面形態が同一であるが、濡れ特性が著しく異なる超疎水性コーティング及び超親水性コーティングの両方を形成することが可能である。 表面は、超疎水性領域及び超親水性領域の両方を含むことができる。 超疎水性領域及び超親水性領域は、表面にパターンを形成することができる。 当該パターン化された表面は、例えばミクロ流体デバイスに有用であり得る。

    超疎水性表面は、浸水されると、超疎水性表面で空気の層を取り込むことができる。 水と空気の屈折率が異なるため、この空気層は、鏡として作用することができる。
    超疎水性表面を調製するために、PAHとSPSが交互する4つの二層をpH4.0でガラス表面上に構成した。 それら4つの二層は、後に追加される層の表面に対する接着を促進したが、最終的な表面の超親水性挙動に影響を与えなかった。 そこで代替的に、コロイドシリカナノ粒子をPAHと構成して、コーティングを完成した。 PAHポリカチオンと負電荷SiO 2ナノ粒子との静電的相互作用によって構成プロセスを誘導した。

    3つの異なる径のコロイドシリカナノ粒子でコーティングを調製して、粒径のコーティング特性に対する影響を調べた。 具体的には、直径7nmのナノ粒子(Ludox SM30)、直径12nmのナノ粒子(Ludox HS40)及び直径22nmのナノ粒子(Ludox TM40)を使用した。 PAH及びシリカナノ粒子溶液のpHを3.0から約10まで変化させて、安定した超親水性コーティングの形成を促進する処理条件を決定した。 12nmナノ粒子及び22nmナノ粒子では、8つを超えるPAH/ SiO 2の二層を有する多層膜は、ナノ粒子の凝集により、9未満のpHで曇った。 一方、7nmのナノ粒子で構成された多層膜は、16のPAH/ SiO 2の二層を堆積させた後も高い透明性を維持した。 これらの膜の曇りは、24以上の二層を堆積させたときに初めて見え始めた。 超親水性多層膜に対する好ましい条件は、7nmのSiO 2ナノ粒子、pH4又はpH8〜9及び少なくとも8つの二層であった。 そのシリカナノ粒子供給源は、超親水性挙動を得るのに重要であり得る。 他の供給源から得られたナノ粒子で調製された膜は、より低品質であった。

    層を形成するのに使用されたSiO 2ナノ粒子溶液の濃度は、最終的な膜特性に影響を及ぼした。 0.005重量%から0.1重量%の範囲の濃度を試験した。 この範囲の極値では、得られた膜は、超親水性でなかった。 望ましい膜特性は、0.01重量%から0.03重量%の範囲のナノ粒子濃度で得られた。 この範囲において、得られた膜の厚さは、堆積された二層の数にほぼ直線的に増加した(図5A参照)。 図5Aは、(PAH4.0/SiO 2 4.0) x多層膜の厚さデータを示す。 ナノ粒子濃度が0.03%の溶液からこのpHで構成された多層膜の平均二層成長増加量(二層毎に堆積される平均厚さ)は、18nm/二層であった。 SiO 2ナノ粒子で構成された多層膜の二層成長増加量は、粒子の電荷、濃度及び凝集並びにポリカチオンの電荷密度のようなパラメータの複雑な相互作用に影響され得る。 当該パラメータについては、文献で詳細に検討されている。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているLvov, Y.;らの論文、Langmuir 1997、13、(23)、6195-6203;及びLvov, YM;らの論文、Chemical Communications 1998、(11)、1229-1230を参照されたい。 膜の屈折率は、堆積される二層の数が増加するにつれて低下した(図5B参照)。 図5Bに示されるすべての膜は、1.246から1.270の範囲の低屈折率を示した。 最も低い屈折率は、シリカナノ粒子の0.03重量%溶液で作製された14の二層を有する膜について得られた。 低屈折率は、効果的な防反射挙動にとって重要であり、ナノ粒子の充填構造によって導入される膜の多孔性の結果であり得る。

    図5Cは、厚さ及び屈折率が、より高いpHで構成された膜(PAH 7.5/SiO 2 9.O) xの堆積された二層数の関数としてどのように変化するかを示す。 焼成膜についてのデータもこの図に含まれる(以下参照)。 最適な粒子濃度(0.03%)を用いると、14〜20の二層を有する膜については、平均二層厚さ増加量は、約7.7nm/二層であり、屈折率値は、1.23から1.26の範囲にあった。 より低いpH(pH4.0)で構成された多層膜と比較して、より高いpHで構成されたナノ粒子多層膜は、より小さい二層厚さ増加量を示したが、所定の膜厚において、幾分低い屈折率を示した。 多層の効果的な光学的厚さ(すなわち厚さと屈折率の積)が、所望の波長における表面反射の抑制を達成するのに必要な二層の数を決定づける。

    図6は、0.03重量%のナノ粒子溶液から構成された12のPAH/SiO 2の二層の膜(PAH 7.5/SiO 2 8.O) 12のAFM画像を示す。 その画像において、断面厚さ痕跡によって明らかにされるように、典型的には少なくとも約40〜60nmにわたって膜内に伸びる凹凸表面気孔を形成した、明らかに凝集したナノ粒子が見られる。 実効表面粗さは、12〜16nmであった。

    PAH/SiO 2多層膜の多孔性に起因する低屈折率が、防反射特性をもたらした。 屈折率が約1.5のガラス基板では、防反射コーティングが1.22の屈折率を有するときに、反射損失の抑制が最小になる。 最大抑制の波長は、コーティングの4分の1波長の厚さによって決定される。 次に、堆積した二層の数を調節するだけで、多層コーティングの4分の1波長の厚さを全可視領域以上の領域全体を通じて調整することができる。 可視領域(400から700nm)において、99%を超える透過度が達成されたことが測定により明らかである(図7)。 例えば、8つのPAH 4.0/SiO 2 4.0の二層の多層膜(厚さ97nm)は、490nmの波長で入射光の99.6%を透過させた。 防反射コーティングが存在しない場合は、このガラスは、入射光の約92%を透過させた。 反射損失を効果的に抑制するPAH/SiO 2多層膜に基づく薄膜コーティングの能は、PAH7.5/SiO 2 9.0で構成された多層膜によってさらに明示された(図8)。 4分の1波長の膜厚によって決定された最適波長では、約0.1%程度の反射損失及び99.7%の透過度が容易に達成された。 これらの膜のすべてに対する最大抑制の波長範囲は、単一指数の4分の1波長の防反射コーティングから期待されるものよりはるかに広かった(光学的シミュレーションとの比較により測定された)。 これは、ナノ波形表面幾何学構造の結果として、該膜において、傾斜屈折率プロファイルが確立されたことを示している。 例えば、その全体が引用により組み込まれているHiller, J.;Mendelsohn, J.;Rubner, MFの論文、Nature Mater.、2002、1、59を参照されたい。

    図7及び8に示されるように、直径7nmのSiO 2ナノ粒子から作製されたPAH/SiO 2多層膜の場合における堆積した二層毎の厚さは、全可視領域にわたる4分の1波長の厚さを有する一群の膜の形成を可能にするのに十分に小さかった。 このレベルの微調整は、単一層の吸着シリカナノ粒子に基づく防反射コーティングについて達成するのがより困難である。 例えば、それぞれの全体が引用により組み込まれているZhang, XT.;らの論文、Chem. Mater. 2005, 17, 696;Hattori, H. Adv. Mater. 2001、13、51;Koo, HY;らの論文、Adv. Mater. 2004、16、274;及びAhn, JS;らの論文、Colloids and Surfaces A:Physicochem. Eng. Aspects 2005、259、45を参照されたい。 加えて、これらの結果は、非常に小さいナノ粒子の多くの層を含むコーティングが、より大きいナノ粒子から作製された単一層コーティングより反射を抑制するのにより効果的であることを示していた(透過率99.7%対98.8%)。

    任意の実用的な防曇/防反射コーティングの主要な属性は、優れた機械的耐久性及び接着性である。 そのまま調製されたPAH/SiO 2多層膜は、接着性が十分であり、機械的完全性を示したが、攻撃的な機械的作用で擦り取ることが可能であった。 しかし、これらの膜の機械的安定性は、膜を約500℃で4時間加熱することによって著しく向上した。 この焼成処理は、膜のポリマー構成要素を燃焼させ、安定したシロキサン架橋の形成を介してシリカナノ粒子を融合させる。 例えば、その全体が引用により組み込まれているUnger, KKの文献、「多孔性シリカ:その特性及びカラム液体クロマトグラフィーにおける支持体としての使用(Porous silica: its properties and use as support in column liquid chromatography). Elsevier Scientific Pub. Co.:Amsterdam;New York、1979;p xi、336を参照されたい。この処理の後に、得られた薄膜コーティングは、攻撃的な研磨処理に耐えることが可能になり、標準的なスコッチテープ剥離試験を容易にパスした(いくらかの接着剤残留物が表面に残ったが、溶媒又はプラズマ処理で除去することが可能であった)。加えて、レーザ刃で表面を擦ることによって無視できる量の膜を除去した。勿論、この処理は、多層膜がこの高い処理温度に耐えることができる基板上に構成されている場合にのみ可能であった。

    図5Cは、そのまま構成されたPAH/SiO 2多層膜の厚さが焼成後にわずかしか減少しなかったことを示している。 高屈折率のポリマー(約1.5)が除去されることにより、膜内の空隙容量のレベルが高くなったため、屈折率も低下した。 正味の結果は、膜の光学特性が焼成後にわずかしか変化しないことであった。 図8Aと図8Bを比較すると、最大透過率/最小反射率の波長が、膜厚の減少の結果として青色の方へわずかにシフトし、より低い屈折率により透過度が上昇したことがわかる。 例えば、14の二層(PAH 7.5/SiO 2 9.0)膜では、焼成後に、最大透過率の波長が550nmから540nmにシフトし、透過度が99.7%から99.8%に上昇した。

    60フレーム毎秒(フレーム間の時間間隔16.6ms)で動作するビデオ接触角測定装置を使用することによって、膜の濡れ挙動を調べた。 0.03重量%のナノ粒子溶液から構成された多層膜では、0.5秒以内に水で十分に濡れる(すなわち接触角が5°未満の)膜を形成するのに少なくとも14の二層が必要であった。 図9を参照されたい。 より少ない二層を有する表面は、濡れ性が高いが、超親水性ではない。 図9B〜9Cに示されるように、表面に添加される第2の水滴に対する濡れ時間は、顕著に速かった。 ビデオデータから得られた画像は、第1の水滴は0.16秒で表面を濡らすことが可能であり、同箇所の第2の水滴は0.03秒で完全に拡散することを示していた。

    TiO 2に基づく超親水性表面と対照的に、PAH/SiO 2多層膜の超親水性挙動は、高温においても、明るい条件又は暗い条件で長時間にわたって安定している。 図10を参照されたい。 暗所において室温で保存された16の二層(PAH 7.5/SiO 2 8.0)膜は、少なくとも1年間の期間にわたって濡れ挙動の有意な変化を示さなかった。 膜は、これらの条件下で無制限に安定していたようであった。 高温において、いくつかの膜(接着層として10のPAH/PAAの二層を有する12のPAH 7.5/SiO 2 8.0の二層(0.03重量%のシリカ溶液))は、50℃で少なくとも168時間にわたって、且つ80℃で約144時間にわたって超親水性を保持した。 50℃で168時間加熱されたすべての膜が防曇挙動(以下参照)を保持した。 調べた最高温度において、長時間(>144時間)で一定の膜に観察されたより著しい超親水性の低下は、熱脱ヒドロキシル化による表面シラノール基の縮合によって形成されたシロキサン架橋の形成を反映したものであり得る。 例えば、その全体が引用により組み込まれているUnger, KKの文献、「多孔性シリカ:その特性及びカラム液体クロマトグラフィーにおける支持体としての使用(Porous silica: its properties and use as support in column liquid chromatography). Elsevier Scientific Pub. Co.:Amsterdam;New York、1979;p xi、336を参照されたい。脱ヒドロキシル化は、SiO 2ナノ粒子をより疎水性にする。高温で長時間にわたって処理された膜の超親水性挙動を、酸素プラズマ中での30秒間の処理によって完全に回復させることが可能であった。この所見は、粒子の表面化学特性が高温で変化したという考え方と一致する。しかし、これらの試験から、コーティングがオーブン内で汚染された可能性を排除することはできない。これらの膜の防反射特性は、熱処理の結果変化しなかったことに留意されたい。加えて、そのまま調製されたサンプルと焼成されたサンプルとの間に濡れ挙動の有意な差が観察されなかった。

    期待通りに、実質的に0の水滴接触角を有する表面は、水によりほぼ瞬時にシート状に濡れることで、光を散乱させる水滴が表面に形成するのを防止したことにより、防曇性を発揮した。 図10は、水滴接触角が約7°未満である限り防曇挙動が持続したことを示している。 図11の画像は、この効果を示している。 図11Aは、蓮の花の写真の上に置かれた2枚のガラススライドを示す。 左側のスライドは、超親水性コーティングを有し、右側のスライドは、当該コーティングを有していなかった。 両スライドを約-18℃の冷蔵庫で冷却し、次いで高湿の実験室の空気中に移動させた。 コーティングされていないスライドは、すぐに曇ったのに対して、コーティングされたスライドは、透明を維持していた。 超親水性コーティングの別の興味深い特性は、撥水を防止するその能力である。 典型的なスライドを水から引き上げるとすぐに、良く知られている撥水現象が起こる(図11B参照)。 極めて対照的に、超親水性多層膜がコーティングされたガラススライドは、水に浸漬後も十分に濡れを維持し、水が蒸発するまでこの状態に留まる。
    他の実施態様は、添付の請求項の範囲内にある。

    多孔性高分子電解質多層膜の走査電子顕微鏡画像である。

    多孔性高分子電解質多層膜の走査電子顕微鏡画像である。

    異なる表面に対する水接触角を示すグラフである。

    超親水性表面の走査電子顕微鏡画像である。

    超親水性表面の水滴の写真である。

    表面のX線光電子分光測定値を示すグラフである。

    表面のX線光電子分光測定値を示すグラフである。

    二層の数の関数としての膜厚測定値を示すグラフである。

    二層の数の関数としての屈折率測定値を示すグラフである。

    二層の数の関数としての膜厚及び屈折率測定値を示すグラフである。

    超親水性表面のAFM画像である。

    異なる数の二層を有する膜の透過及び膜厚測定値を示すグラフである。

    高分子電解質多層膜でコーティングされたガラススライドの透過及び反射スペクトルを示すグラフである。

    高分子電解質多層膜でコーティングされたガラススライドの透過及び反射スペクトルを示すグラフである。

    超親水性表面に落下する水滴のビデオ画像である。

    異なる表面に対する時間の関数としての接触角測定値を示すグラフである。

    異なる表面に対する時間の関数としての接触角測定値を示すグラフである。

    異なる条件下での表面に対する接触角測定値を示す図である。

    異なる表面を有するガラススライドの曇り挙動を比較した写真である。

    部分的にコーティングされたガラススライドの撥水挙動を示す写真である。

    QQ群二维码
    意见反馈