アゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体、着色組成物、染色方法及び染色物

申请号 JP2014218244 申请日 2014-10-27 公开(公告)号 JP2016084421A 公开(公告)日 2016-05-19
申请人 富士フイルム株式会社; 发明人 神保 良弘;
摘要 【課題】良好な色相及び堅牢性を有し、高い分子吸光係数を有する新規の解離性プロトンを有するアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体、それを用いた着色組成物、 染色 方法及び染色物を提供する。 【解決手段】下記一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体、それを用いた着色組成物、染色方法及び染色物。 A−N=N−B (1) 【選択図】なし
权利要求

下記一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体。 A−N=N−B (1) 一般式(1)中、Aは置換基を有してもよい下記式(A−1)〜(A−25)のいずれかで表される複素環基であって、カルボキシ基、スルホ基を含まず、アゾ基に炭素原子を介して結合する基を示す。 式(A−1)〜(A−25)中、*は、一般式(1)中のアゾ基に結合する位置を表す。 R21〜R50は、独立に、素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、R21〜R50のうち隣接する基は互いに結合して飽和又は不飽和の5員又は6員環構造を形成してもよい。 a、p、q、r及びsは0〜4の整数を表し、b及びcは0〜6の整数を表し、d、e、f、g、t及びuは0〜3の整数を表し、h、i、j、k、l及びoは0〜2の整数を表し、mは0〜1の整数を表し、同一分子中のR21〜R50で表される2以上の基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。 一般式(1)中、Bは下記式(B−1)〜(B−12)のいずれかで表される解離性プロトンを含み、かつカルボキシ基、スルホ基を含まない基を表す。 式(B−1)〜(B−12)中、**は一般式(1)中のアゾ基に結合する位置を表す。 R101はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基又はカルバモイル基を表し、 R102及びR104は、それぞれ独立にシアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 Z1は酸素原子、硫黄原子又は−N(R103)−を表し、 R103は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、 vは0〜4の整数を表し、v個のR101は同一であっても異なっていてもよい。 R105及びR106は、独立して水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。 R107は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はカルバモイル基を表し、 Z2及びZ3は、独立に−C(R108)=又は−N=を表し、 R108はアルキル基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 Z2及びZ3が両方とも−C(R108)=である場合、2個のR108基は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して炭素環又は複素環を形成してもよい。 R109はアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R110は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表し、R111はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アシルアミノ基又はカルバモイル基を表し、R112は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R113はヒドロキシル基又はアミノ基を表す。 R114及びR115はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。 wは0〜4の整数を表し、w個のR114基は同一であっても異なっていてもよい。 xは0〜6の整数を表し、x個のR115基は同一であっても異なっていてもよい。 R116、R117、R118及びR119は、独立にアルキル基又はアリール基を表す。 R120及びR121は、独立にアルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 R122は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はアリールスルホニルアミノ基を表す。 R123及びR124は、独立にアルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 Z4は2個の窒素原子と1個の炭素原子と共に5員又は6員環を形成する非金属原子団を表し、 Z4が5員環を形成する場合、yは0〜2の整数を表し、Z4が6員環を形成する場合、yは0〜3の整数を表し、 R125はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 R126はアルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を表す。アゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の構造が、下記式DS−1〜DS−9のいずれかで表されるものである請求項1記載のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体。 式(DS−1〜DS−9)中、Aは請求項1で定義されたAと同様の意味を有し、 R201はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アシルアミノ基又はカルバモイル基を表し、 R202は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、 R203、R205及びR207は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はカルバモイル基を表し、R204はアルキル基、アリール基又は複素環基を表す。 R206はアルキル基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。 R208はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、aaは、0〜4の整数を表し、aa個のR208は同一であっても異なっていてもよい。 R210及びR211は、独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基又はカルバモイル基を示し、R210及びR211の少なくとも一方が水素原子であり、R212及びR213は、独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアシルアミノ基を表す。 R214及びR215は、独立に水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。 R216はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基又はカルバモイル基を示し、Z5は酸素原子、硫黄原子又は−N(R217)−を示し、R217は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を示す。bbは、0〜4の整数を示し、bb個のR216は同一であっても異なっていてもよい。 R218はR210と同義か、又はスルファモイル基を示し、R220及びR223は水素原子、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はアリールスルホニルアミノ基を示し、R219、R221及びR222は水素原子、塩素原子、臭素原子、アルキル基又はアシルアミノ基を示す。 R224はアルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を示す。 Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属1/2を示す。請求項1又は2に記載の一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を含む着色組成物。請求項1又は2に記載の一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を水性溶媒中に含む着色組成物。一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の含有量が、着色組成物全体の0.0001〜20質量%である請求項3又は4に記載の着色組成物。請求項3〜5のいずれか1項に記載の着色組成物を用いた染色方法。請求項6に記載の染色方法により得られる染色物。

说明书全文

本発明は、良好な色相及び堅牢性を有し、高い分子吸光係数を有する新規なアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体に関し、更にこれらを用いた着色組成物、染色方法、及び染色物に関する。

従来、アゾ色素は種々の可視光吸収を有することが多いため、色素として種々の分野で利用されてきた。例えば、合成樹脂の着色、印刷インク、昇華型感熱転写材料用色素、インクジェット用インク、カラーフィルタ用色素等、種々の分野で用いられるようになってきている。

近年、画像記録材料として、カラー画像が主流となり、色素の使用用途も多様化してきた。具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク等に盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDやCMOSなどの撮像素子において、ディスプレイではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録、再現するカラーフィルタが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルタでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法又は減法混色法の3原色の着色剤(染料又は顔料)が使用されている。 しかし、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、かつ様々な使用条件、環境条件に耐えうる、色相が良く堅牢な着色剤が無いのが現状であり、改善が強く望まれている。

従来、解離性プロトンを有するアゾ色素は、例えば特許文献1に開示されている。

特許第4080947号公報

本発明の目的は、良好な色相及び堅牢性を有し、高い分子吸光係数を有する新規の解離性プロトンを有するアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を提供することである。

本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、新規な解離性プロトンを有するアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体が、良好な色相を有し、かつ良好な堅牢性を発揮することを見出し、本発明を完成させた。

本発明は以下の通りである。

[1] 下記一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体。 A−N=N−B (1) 一般式(1)中、Aは置換基を有してもよい下記式(A−1)〜(A−25)のいずれかで表される複素環基であって、カルボキシ基、スルホ基を含まず、アゾ基に炭素原子を介して結合する基を示す。

式(A−1)〜(A−25)中、*は、一般式(1)中のアゾ基に結合する位置を表す。 R21〜R50は、独立に素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、R21〜R50のうち隣接する基は互いに結合して飽和又は不飽和の5員又は6員環構造を形成してもよい。 a、p、q、r及びsは0〜4の整数を表し、b及びcは0〜6の整数を表し、d、e、f、g、t及びuは0〜3の整数を表し、h、i、j、k、l及びoは0〜2の整数を表し、mは0〜1の整数を表し、同一分子中のR21〜R50で表される2以上の基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。 一般式(1)中、Bは下記式(B−1)〜(B−12)のいずれかで表される解離性プロトンを含み、かつカルボキシ基、スルホ基を含まない基を表す。

式(B−1)〜(B−12)中、**は一般式(1)中のアゾ基に結合する位置を表す。 R101はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基又はカルバモイル基を表し、 R102及びR104は、それぞれ独立にシアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 Z1は酸素原子、硫黄原子又は−N(R103)−を表し、 R103は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、 vは0〜4の整数を表し、v個のR101は同一であっても異なっていてもよい。 R105及びR106は、独立して水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。 R107は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はカルバモイル基を表し、 Z2及びZ3は、独立に−C(R108)=又は−N=を表し、 R108はアルキル基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 Z2及びZ3が両方とも−C(R108)=である場合、2個のR108基は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して炭素環又は複素環を形成してもよい。 R109はアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R110は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表し、R111はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アシルアミノ基又はカルバモイル基を表し、R112は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R113はヒドロキシル基又はアミノ基を表す。 R114及びR115はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。 wは0〜4の整数を表し、w個のR114基は同一であっても異なっていてもよい。 xは0〜6の整数を表し、x個のR115基は同一であっても異なっていてもよい。 R116、R117、R118及びR119は、独立にアルキル基又はアリール基を表す。 R120及びR121は、独立にアルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 R122は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はアリールスルホニルアミノ基を表す。 R123及びR124は、独立にアルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 Z4は2個の窒素原子と1個の炭素原子と共に5員又は6員環を形成する非金属原子団を表し、 Z4が5員環を形成する場合、yは0〜2の整数を表し、Z4が6員環を形成する場合、yは0〜3の整数を表し、 R125はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、 R126はアルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を表す。

[2] アゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の構造が、下記式DS−1〜DS−9のいずれかで表されるものである[1]記載のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体。

式(DS−1〜DS−9)中、Aは請求項1で定義されたAと同様の意味を有し、 R201はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アシルアミノ基又はカルバモイル基を表し、 R202は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表し、 R203、R205及びR207は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はカルバモイル基を表し、R204はアルキル基、アリール基又は複素環基を表す。 R206はアルキル基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。 R208はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、aaは、0〜4の整数を表し、aa個のR208は同一であっても異なっていてもよい。 R210及びR211は、独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基又はカルバモイル基を示し、R210及びR211の少なくとも一方が水素原子であり、R212及びR213は、独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアシルアミノ基を表す。 R214及びR215は、独立に水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。 R216はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基又はカルバモイル基を示し、Z5は酸素原子、硫黄原子又は−N(R217)−を示し、R217は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を示す。bbは、0〜4の整数を示し、bb個のR216は同一であっても異なっていてもよい。 R218はR210と同義か、又はスルファモイル基を示し、R220及びR223は水素原子、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はアリールスルホニルアミノ基を示し、R219、R221及びR222は水素原子、塩素原子、臭素原子、アルキル基又はアシルアミノ基を示す。 R224はアルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を示す。 Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属1/2を示す

[3] [1]又は[2]に記載の一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を含む着色組成物。 [4] [1]又は[2]に記載の一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を水性溶媒中に含む着色組成物。 [5] 一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の含有量が、着色組成物全体の0.0001〜20質量%である[3]又は[4]に記載の着色組成物。 [6] [3]〜[5]のいずれか1項に記載の着色組成物を用いた染色方法。 [7] [6]に記載の染色方法により得られる染色物。

本発明によれば、本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体は、色相に優れ、光、熱、湿度および環境中の活性ガスに対して充分な堅牢性を有し、高い分子吸収係数を有する新規の化合物および色素を提供することができる。

実施例15にて得られた染色物の反射スペクトルに関する。

実施例16にて得られた染色物の反射スペクトルに関する。

実施例17にて得られた染色物の反射スペクトルに関する。

以下、本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体について詳細に説明する。 本明細書中において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。

本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体は、下記一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体である。

A−N=N−B (1) 一般式(1)中のA及びBは上記と同様の意味を有する。 即ち、本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体は、以下に詳述する一般式(1)において、Aが、置換基を有してもよい上記式(A−1)〜(A−25)のいずれかで表される複素環基であって、カルボキシ基、スルホ基を含まず、アゾ基に炭素原子を介して結合する基を示し、Bが、上記式(B−1)〜(B−12)のいずれかで表される解離性プロトンを含み、かつカルボキシ基、スルホ基を含まない基を表すアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体である。 以下、一般式(1)について詳細に説明する。

一般式(1)中、Aで表される複素環基は、環内に酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択されるヘテロ原子の一種以上を含む5員又は6員の複素環基であることが好ましく、芳香族複素環基であることがより好ましい。 Aで表される複素環基は、別の環と縮合した環であってもよい。このような縮合環基のうち、5員又は6員環と縮合環したものが好ましい。 Aで表される複素環基における炭素原子の数は、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。

一般式(1)中のAで表される複素環基としては、ジアゾ成分から誘導されるものが好ましい。ここで、ジアゾ成分とは、アミノ基を置換基として有する複素環化合物をジアゾ化号物に変換して、カプラーとジアゾカップリング反応させて導入できる部分構造のことである。 言い換えれば、Aで表される複素環基は、ジアゾ化反応が可能であるアミノ置換されたヘテロ環化合物において、アミノ基を取り去り、一価の基とした置換基である。

一般式(1)において、Aで表される複素環基は一以上の置換基を含むことができ、二以上の置換基は同一であっても異なっていてもよい。 この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基及びシリル基が挙げられる。より詳細には、この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル−2−クロロエチル−2−シアノエチル−2−エチルヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル)、アルケニル基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、シクロペンテン−1−イル)、アルキニル基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル)、アリール基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリール基、例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル、3−クロロフェニル−2−アミノフェニル)、複素環基(5員環又は6員環の芳香族又は非芳香族の複素環化合物から1個の水素原子を取り除くことによって得られる、1〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する一価の基、例えば1−ピラゾリル−1−イミダゾリル−2−フリル−2−チエニル、4−ピリミジニル−2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、シクロペンチルオキシ−2−ブテン−1−イルオキシ−2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールオキシ基、例えば、フェノキシ−2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ)、シリルオキシ基(3〜10個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、複素環オキシ基(1〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する複素環オキシ基、例えば1−フェニルテトラゾール−5−オキシ−2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(1〜12個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアシルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(7〜12個、好ましくは7〜10個の炭素原子を有するアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(アミノ基、1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルアミノ基、6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアニリノ基、或いは1〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する複素環アミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、イミダゾール−2−イルアミノ、ピラゾール−3−イルアミノを含む)、アシルアミノ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルカルボニルアミノ基、6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールカルボニルアミノ基、或いは2〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する複素環カルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピリジン−4−カルボニルアミノ、チオフェン−2−カルボニルアミノを含む)、アミノカルボニルアミノ基(1〜12個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリン−4−イルカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(7〜12個、好ましくは7〜9個の炭素原子を有するアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、4−メトキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(0〜10個、好ましくは0〜6個の炭素原子を有するスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ)、アリールスルホニルアミノ基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールスルホニルアミノ基、例えば、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシチオ)、複素環チオ基(2〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する複素環チオ基、例えば−2−ベンゾチアゾリルチオ−1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(0〜10個、好ましくは0〜6個の炭素原子を有するスルファモイル基、例えば、スルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル)、アルキルスルフィニル基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールスルフィニル基、例えば、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル)、アリールスルホニル基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールスルホニル基、例えば、フェニルスルホニル、p−クロロフェニルスルホニル)、アシル基(ホルミル基、2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキルカルボニル基、或いは7〜12個、好ましくは7〜9個の炭素原子を有するアリールカルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル−2−クロロアセチル、ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルを含む)、アルコキシカルボニル基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(7〜12個、好ましくは7〜9個の炭素原子を有するアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル−2−クロロフェノキシカルボニル、3−ニトロフェノキシカルボニル、4−t−ブチルフェノキシカルボニル)、カルバモイル基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するカルバモイル基、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリールアゾ基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールアゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ)、複素環アゾ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する複素環アゾ基、例えば、ピラゾール−3−イルアゾ、チアゾール−2−イルアゾ−5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(2〜10個、好ましくは4〜8個の炭素原子を有するイミド基、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(2〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(2〜12個炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(2〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジブトキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(2〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、及びシリル基(3〜12個、好ましくは3〜8個の炭素原子を有するシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。これらの基が更に置換され得る基である場合、これらの基は更に置換基を含むことができ、この置換基として、好ましくは、Aで表される複素環基の好ましい置換基として記載したものと同じ意味を有する基が挙げられる。これらの基が二以上の置換基で置換される場合、これらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。

特に好ましくは、一般式(1)中のAで表される複素環基の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルバモイル基であり、より好ましくは、この置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及びカルバモイル基である。

Aで表される複素環基としては、置換基を有してもよい上記の式(A−1)〜(A−25)のいずれかで表される複素環基が挙げられる。 式(A−1)〜(A−25)において、R21〜R50は、独立して水素原子又は置換基を表し、好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基及びカルバモイル基が挙げられ、より好ましくは、この置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及びカルバモイル基である。 a、p、q、r及びsは0〜4の整数を表し、b、cは0〜6の整数を表し、d、e、f、g、t及びuは0〜3の整数を表し、h、i、j、k、l及びoは0〜2の整数を表し、mは0〜1の整数を表す。a〜uが2以上の整数を示す場合、R21〜R50で表される基(各々2個以上存在する)は、同一であっても互いに異なっていてもよい。

更に、R21〜R50で表される互いに隣接する基が結合して環構造を形成してもよい。こうして形成された環構造は複素環でも炭素環でもよく、また、飽和環でも不飽和環でもよい。炭素原子及びヘテロ原子の総数は3〜6であり、好ましくは5又は6である。 R21〜R50が更に置換され得る基である場合、R21〜R50は更に置換基を含むことができ、この場合、この置換基は、一般式(1)中のAで表される複素環基の置換基として列挙したものと同じである。

一般式(1)で表されるアゾ色素である化合物において、Aで表される複素環基は、好ましくは、式(A−1)、(A−5)、(A−8)、(A−9)、(A−10)、(A−11)、(A−12)、(A−13)、(A−14)、(A−15)、(A−17)、(A−19)、(A−22)、(A−23)、(A−24)及び(A−25)であり、より好ましくは(A−8)、(A−9)、(A−10)、(A−11)、(A−14)、(A−15)、(A−22)及び(A−23)である。

一般式(1)におけるBは、一般式(1)で表されるアゾ色素を形成するために必須な原子団を示し、カプラー成分由来のものが好ましい。ここでカプラー成分とは、ジアゾニウム塩と反応しアゾ染料を得ることの可能なカプラー化合物由来の部分構造を意味する。 一般式(1)で表されるアゾ色素におけるBの炭素数は、3〜30が好ましく、3〜20がより好ましく、3〜12がさらに好ましい。

好ましくは、一般式(1)中のBは、硫黄原子、窒素原子又は酸素原子から選択されるヘテロ原子を一種以上含む、5員又は6員の複素環又は複素縮合環;5員又は6員の任意に縮合された芳香環;又はα−CO基を任意に含む、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基又はC2〜C6アルキニル基であり、これら環及び基の各々は一以上の置換基を含むことができる。

上記カプラー成分としては、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の分野において、カプラーとして知られているものの残基が好ましく、リサーチディスクロージャー37038(1995年2月)の80頁から85頁、及び87頁から89頁に詳しく記載されているハロゲン化銀カラー写真用カプラーの骨格部分(p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン現像主薬酸化体とカップリングして色素のクロモフォアになる部分)を使用することができる。

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の分野でイエロー色画像形成カプラーとして知られているカプラーとしては、例えば、ピバロイルアセトアミド型、ベンゾイルアセトアミド型、マロンジエステル型、マロンジアミド型、ジベンゾイルメタン型、ベンゾチアゾリルアセトアミド型、マロンエステルモノアミド型、ベンゾオキサゾリルアセトアミド型、ベンゾイミダゾリルアセトアミド型、シアノアセトアミド型、シクロアルキルカルボニルアセトアミド型、インドリン−2−イルアセトアミド型、米国特許第5,021,332号明細書に記載されたキナゾリン−4−オン−2−イルアセトアミド型、同特許第5,021,330号明細書に記載されたベンゾ−1,2,4−チアジアジン−1,1−ジオキシド−3−イルアセトアミド型、欧州特許出願公開第0421221号明細書に記載されたカプラー、米国特許第5,455,149号明細書に記載されたカプラー、欧州特許出願公開第0622673号明細書に記載されたカプラー、欧州特許出願公開第0953871号明細書、同第0953872号明細書、同第0953873号明細書に記載された3−インドロイルアセトアミド型カプラーが、好ましいカプラー骨格として挙げられる。

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の分野でマゼンタ色画像形成カプラーとして知られているカプラーとしては、例えば5−ピラゾロン型、1H−ピラゾロ[1,5−a]ベンズイミダゾール型、1H−ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアゾール型、1H−ピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアゾール型、1H−イミダゾ[1,2−b]ピラゾール型、シアノアセトフェノン型、WO93/01523に記載された活性プロペン型、WO93/07534に記載されたエナミン型、1H−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアゾール型カプラー、及び米国特許第4,871,652号明細書に記載されたカプラーが好ましいカプラー骨格として挙げられる。

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の分野でシアン色画像形成カプラーとして知られているカプラーとしては、例えばフェノール型、ナフトール型、欧州特許出願公開第0249453号明細書に記載された2,5−ジフェニルイミダゾール型、1H−ピロロ[1,2−b][1,2,4]トリアゾール型、1H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール型、特開平4−188137号公報、同4−190347号公報に記載されたピロール型、特開平1−315736号公報に記載された3−ヒドロキシピリジン型、米国特許第5,164,289号明細書に記載されたピロロピラゾール型、特開平4−174429号公報に記載されたピロロイミダゾール型、米国特許第4,950,585号明細書に記載されたピラゾロピリミジン型、特開平4−204730号公報に記載されたピロロトリアジン型カプラー、米国特許第4,746,602号明細書に記載されたカプラー、米国特許第5,104,783号明細書に記載されたカプラー、同5,162,196号明細書に記載されたカプラー、及び欧州特許第0556700号明細書に記載されたカプラーが好ましいカプラー骨格として挙げられる。

Bで表される基としては、上記の式(B−1)〜(B−12)のいずれかで表される基が挙げられる。 式(B−1)において、R101がハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル基及びカルバモイル基であることが好ましく、R102がシアノ基及びカルバモイル基であることが好ましく、Z1が酸素原子、硫黄原子又はR103がアルキル基である−N(R103)−であることが好ましい。vは0〜4の整数を表し、vが1〜4の場合、R101基は同一であっても異なっていてもよい。

式(B−2)において、R104がシアノ基、アシル基及びカルバモイル基であることが好ましく、R105及びR106の一方が水素原子であることが好ましい。

式(B−3)において、R107が水素原子、アルキル基及びアリール基であることが好ましく、水素原子及びアルキル基であることが好ましい。R108がアルキル基、アリール基及び複素環であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。

式(B−4)において、R109がアルキル基及びアリール基であることが好ましく、R110が水素原子及びアルキル基であることが好ましい。

式(B−5)において、R111がアルコキシカルボニル基、シアノ基及びカルバモイル基であることが好ましく、R112がアルキル基及びアリール基であることが好ましい。

式(B−6)において、R114がハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基及びカルバモイル基であることが好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基及びアルキルスルホニルアミノ基であることがより好ましい。wは0〜4の整数を表し、wが2〜4の場合、R114基は同一であっても異なっていてもよい。

式(B−7)において、R115がハロゲン原子、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基及びカルバモイル基であることが好ましく、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及びカルバモイル基であることがより好ましい。xは0〜6の整数を表し、xが2〜6の場合、R115基は同一であっても異なっていてもよい。

式(B−8)及び(B−9)において、R116とR117、R118とR119は、互いに同一であることが好ましい。

式(B−10)において、R120及びR121がアルキルキ、アリール基、複素環基及びシアノ基であることが好ましく、R122が水素原子、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基及びアルキルスルホニルアミノ基であることが好ましい。

式(B−11)において、R123がアルキル基、アリール基、複素環基及びシアノ基であることが好ましく、R124がアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基及びカルバモイル基であることが好ましく、R125がアルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アミノ基及びアシルアミノ基であることが好ましい。Z4が5員環を形成する場合、yは0〜2の整数を表し、Z4が6員環を形成する場合、yは0〜3の整数を表す。

式(B−12)において、R126がアルキル基又はアリール基であることが好ましい。

式(B−1)〜(B−12)において、好ましい炭素数、また、R101〜R126で表される基の記載で列挙した個々の基の具体例は、一般式(1)のAで表される複素環基の置換基の記載で列挙したものと同じである。

式(B−1)〜(B−12)中のR101〜R126が更に置換され得る基である場合、R101〜R126は更に置換基を有することができ、この場合、この置換基は、一般式(1)のAで表される複素環基の置換基として列挙したものと同じである。

一般式(1)で表されるアゾ色素である化合物のうち、下記式DS−1〜DS−9で表されるアゾ色素が特に好ましい。式DS−1〜DS−9中のAは、一般式(1)中のAと同じ意味を有する。

式DS−1において、R201はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アシルアミノ基又はカルバモイル基を表し、R202は水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。R201はアルコキシカルボニル基、シアノ基又はカルバモイル基であることが好ましく、R202はアルキル基又はアリール基であることが好ましい。

式DS−2において、R203は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はカルバモイル基を表し、R204はアルキル基、アリール基又は複素環基を表す。R203は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基がメチル基、エチル基、イソプロピル基又はt−ブチル基であることがより好ましい。R204はアルキル基であることが好ましい。

式DS−3において、R205は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はカルバモイル基を表し、R206はアルキル基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。R205は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基がメチル基、エチル基、イソプロピル基又はt−ブチル基であることがより好ましい。R206はアルキル基、アリール基、又はアルキルチオ基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。

式DS−4において、R207は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はカルバモイル基を示し、R208はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、aaは、0〜4の整数を表し、aa個のR208は同一であっても異なっていてもよい。R207は水素原子及びアルキル基であることが好ましく、アルキル基がメチル基、エチル基、イソプロピル基又はt−ブチル基であることがより好ましい。R208はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基又はアルキルスルホニルアミノ基であることが好ましい。

式DS−5において、R210及びR211は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基又はカルバモイル基を表し、R212及びR213は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアシルアミノ基を表す。R210及びR211は、水素原子、塩素原子、臭素原子、アルキル基又はアシルアミノ基であることが好ましく、R210及びR211の少なくとも一方が水素原子であることがより好ましい。

式DS−6において、R214とR215は独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を示し、R214とR215の一方は水素原子であることが好ましい。

式DS−7において、R216はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、アルコキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基又はカルバモイル基を表し、Z5は酸素原子、硫黄原子、又は−N(R217)−を表し、R217は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。bbは、1〜4の整数を表す。bbが2〜4である場合には、複数のR216は同一であっても異なっていてもよい。R216はハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル基又はカルバモイル基であることが好ましい。Z5は、酸素原子、硫黄原子、及びR217がアルキル基である−N(R217)−であることが好ましく、Z5が酸素原子及び硫黄原子であることがより好ましい。

式DS−8において、R218は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニルアミノ基、カルバモイル基又はスルファモイル基を示し、R220及びR223は水素原子、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基又はアリールスルホニルアミノ基を表し、R219、R221及びR222は水素原子、塩素原子、臭素原子、アルキル基又はアシルアミノ基を表す。R218は水素原子、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニルアミノ基、カルバモイル基又は及びスルファモイル基であることが好ましく、R220及びR223は水素原子、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基又はアルキルスルホニルアミノ基であることが好ましく、R219、R221及びR222は水素原子であることが好ましい。

式DS−9において、R224はアルキル基又はアリール基を表す。

式DS−1〜DS−9において、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属1/2を表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムが好ましく、ナトリウム、カリウムがより好ましい。アルカリ土類金属1/2は、解離性プロトンを有する一般式(1)のアゾ色素の解離体2分子に対してアルカリ土類金属イオンが1つ結合している状態でのアルカリ土類金属を表す。アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが好ましく、カルシウム、バリウムがより好ましい。

式DS−1〜DS−9において、R201〜R224で表される基の記述で挙げた個々の基の具体例及び好ましい炭素数は、一般式(1)のAで表す複素環基に対する置換基の記述で挙げたものと同一である。

式DS−1〜DS−9におけるR201〜R224が更なる置換の可能性を有する基である場合には、これらは更なる置換基を有することができる。その場合の置換基は、一般式(1)のAで表される複素環基に対する置換基の記述で挙げたものと同一である。

本発明に係る一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩の具体的化合物例を次に記載するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。

一般式(1)で表されるアゾ色素は、例えば特許第4080947号公報に記載の方法により合成することができる。一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体は、一般式(1)で表されるアゾ色素を、対応するアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩と反応させることにより得ることができる。 反応に用いることのできるアルカリ金属塩としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド、水素化ナトリウム等が挙げられる。 反応に用いることのできるアルカリ土類金属塩としては、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化バリウム、塩化化バリウム、酢酸化バリウム等が挙げられる。 一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体は、一般式(1)で表されるアゾ色素を、対応するアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩と反応させる際に、溶媒中で反応させることが好ましい。用いることのできる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール等が好ましい。 反応温度としては、−20℃〜反応溶媒の沸点であることが好ましく、室温〜100℃であることがより好ましい。

本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は互変異性体は、着色組成物として使用されることが好ましく、水溶液中に、本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は互変異性体を含む着色組成物であることがより好ましい。

本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は互変異性体を用いた染色方法としては、本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は互変異性体を浸漬、混練、塗布、印刷、又はインクジェット印画等の方法に用いることができる。 また、染色物としては、カシミヤ、ウール、絹、木綿、麻等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン等の合成繊維、ガラス、金属、陶器等の無機物、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用記録紙等の紙を用いることができる。

一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の用途としては、CCD、CMOSなどの固体撮像素子、LCD、PDP等のディスプレイに用いられるカラー画像を再現するためのカラーフィルタ、これらのカラーフィルタを作製するための硬化性組成物、カラー画像を形成するためのカラー画像記録材料等が挙げられる。具体的には、カラーフィルタ及びこれらのカラーフィルタを作製するための硬化性組成物、インクジェット方式記録材料、昇華型感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン、繊維の染色、毛髪の染色等への使用があり、好ましくはインクジェット方式記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、繊維の染色等への使用が挙げられる。

本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体は、その用途に適した溶解性、分散性などの物性を、置換基を調整することによって最適化し、使用することができる。また、本発明のアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体は、用いられる系に応じて溶解状態、乳化分散状態、固体分散状態でも使用することができる。 本発明の着色組成物は、一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体のうち少なくとも一種を含む組成物を意味する。本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体は、単独で用いてもよく、他の直接染料又は分散染料と組み合わせて用いてもよい。

本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができる。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明の化合物であるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を、溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。 本発明において、着色組成物中に含まれる本発明の化合物であるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の含有量は、用いられる一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体における置換基の種類、及び着色組成物を製造するために用いる溶媒成分の種類等により決められるが、着色組成物中の一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびその互変異性体の含有量が、着色組成物の総質量に対して0.001〜20質量%含まれることが好ましく、0.1〜10質量%含まれることが更に好ましい。

一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびその互変異性体の含有量を0.001質量%以上にすることで、着色媒体上における色素の着色濃度を確保できる。また、一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の含有量を20質量%以下にすることで、低粘度の着色組生物を調整することができ、取り扱いが容易となる。一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を含む着色組成物は、pH5〜11の範囲の任意のpHで使用することができる。染色性の観点から、pH6以上の範囲で使用することが好ましく、アゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の安定性及び染色性の観点から、pH7〜11の範囲でしようすることがより好ましい。

本発明の着色組成物に用いられるpH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、グアニジン等が挙げられる。

本発明の着色組成物には、界面活性剤を含むことができる。用いることのできる界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両性又は双イオン性界面活性剤を添加することができる。また、上記の界面活性剤は一種単独で使用してもよく、二種以上を併せて使用してもよい。

本発明の着色組成物に使用できるアニオン性界面活性剤としては、モノアルキル硫酸又はその塩、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α−オレフィンスルホネート又はその塩が挙げられる。特に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ハーフエステルのアルカリ塩、例えばモノオクチルスルホコハク酸二ナトリウム塩や長鎖モノアルキルエトキシスルホコハク酸アルカリ塩等が挙げられる。

本発明の着色組成物に使用できるノニオン性界面活性剤としては、アルキルポリグリコシド;ポリエチレングリコールソルビタンステアレート等のソルビタンエステル等が挙げられる。

本発明の着色組成物に使用できるカチオン性界面活性剤としては、長鎖四級アンモニウム化合物が挙げられる。例としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルアセチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロリド、ベンジルテトラデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジ−水素化−脂アンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、トリス(オリゴオキシ−エチル)アルキルアンモニウムホスフェート、セチルピリジニウムクロリド等が挙げられる。

本発明の着色組成物に使用可能な両性又は双イオン性界面活性剤としては、脂肪酸−アミドアルキルベタインやスルホベタイン等(例えばラウリルヒドロキシスルホベタイン)のベタイン類や、ココアミノアセテート、ココアミノプロピオネート、ナトリウムココアンホプロピオネート、ナトリウムココアンホアセテート等の長鎖アルキルアミノ酸が挙げられる。

本発明の着色組成物を水性着色組成物として使用する場合、以下に示す水性溶媒を併用することができる。使用できる水性溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、n−ペンタノール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール、ブトキシエタノール、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート、及びそれらの混合物等が挙げることができ、中でも1,2−及び1,3−プロパンジオール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールとそのモノメチル及びモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールとそのモノメチル及びモノエチルエーテルが好ましい。

これらの水性溶媒と配合量としては、着色組成物の全質量に対して0.5〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。 また、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等の一価アルコール;グリセリンやヘキサントリオール等の多価アルコール;エチルカルビトール;ベンジルアルコール;ベンジルオキシエタノール;プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン);n−アルキルピロリドン;及び尿素を併用してもよい。

本発明の着色組成物は、増粘剤を含むことができる。増粘剤の配合量としては、着色組成物の全質量に対して0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。本発明の着色組成物へ使用することのできる増粘剤としては、オレイン酸、セチルアルコール、オレイルアルコール、塩化ナトリウム、セテアリルアルコール及びステアリルアルコール等が挙げられる。

本発明の着色組成物は、一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体と共に、他の着色化合物を含有することができる。 使用できるイエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えば、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類、などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。

使用できるマゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙げることができる。

使用できるシアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができる。

上述の各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。

また、黒染料を含有することもできる。使用できる黒染料としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体等を挙げることができる。

本発明の着色組成物に用いることのできるその他の添加剤としては、シリコーンオイル(シリコーンオイルの好適な例としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン)、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、シリコーン樹脂)、炭化水素オイル、ポリオレフィン、脂肪酸エステル等が挙げられる。

本発明の着色組成物は、必要に応じてさらにその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において配合することができる。各用途における添加剤の例を後述する。

<カラーフィルタ> 本発明の着色用組成物をカラーフィルタ用途として用いる場合、カラーフィルタ用着色組成物は重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を挙げることができる。 具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が挙げられる。このような化合物群は、例えば、モノマー、ポリマー、すなわち二量体、三量体及びオリゴマー、またはそれらの混合物並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態のいずれであってもよい。 モノマー及びその(共)重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸)及びそのエステル体、アミド体、並びにこれらの(共)重合体等が挙げられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基、又はメルカプと基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド体と、単官能若しくは多官能イソシアネート体あるいはエポキシ体との付加反応物、単官能若しくは多官能カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用することができる。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物を使用することもできる。

カラーフィルタ用着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量は、本発明の効果をより効果的に得る観点から、10〜80質量%であることが好ましく、15〜75質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることがさらに好ましい。

本発明の着色用組成物をカラーフィルタ用途として用いる場合、カラーフィルタ用着色組成物は少なくとも一種の光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、重合性化合物を重合させ得るものであれば特に制限なく、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。 光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム化合物等が挙げられる。中でも、重合反応が迅速である点等から、オキシム化合物又はビイミダゾール系化合物が好ましい。

カラーフィルタ用着色組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量は、3〜20質量%であることが好ましく、4〜19質量%であることがより好ましく、5〜18質量%であることがさらに好ましい。

本発明の着色用組成物をカラーフィルタ用途として用いる場合、カラーフィルタ用着色組成物は少なくとも一種の有機溶剤を含有することが好ましい。有機溶剤は、並存する核成分の溶解性、及び着色組成物の塗布性を満足できるものであれば、基本的に制限はなく、溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。 有機溶剤としては、エステル、エーテル、ケトン、芳香族炭化水素を用いることができる。これらの有機溶剤は1種類のみを含んでもよく、2種以上を混合して用いることもできる。2種類の有機溶剤を用いる場合、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液であることが特に好ましい。

カラーフィルタ用着色組成物の全固形分中における有機溶剤の含有量は、10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましい。

本発明の着色用組成物をカラーフィルタ用途として用いる場合、カラーフィルタ用着色組成物は少なくとも一種のアルカリ可溶性バインダーを含有することが好ましい。アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は特に限定されることはなく、好ましくは耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。 アルカリ可溶性浴バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、かつ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。

また、アルカリ可溶性バインダーは、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ((株)ダイセル製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等も有用である。 これら各種アルカリ可溶性バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。 アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ((株)ダイセル製)等が好ましい。

アルカリ可溶性バインダーは、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1,000〜200,000の重合体が好ましく、2,000〜100,000の重合体がより好ましく、5,000〜50,000の重合体が特に好ましい。 カラーフィルタ用着色組成物の全固形分中におけるアルカリ可溶性バインダーの含有量は、10〜80質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。 また、アルカリ可溶性バインダーの酸価は、10〜1000mg/KOHが好ましく、50〜300mg/KOHがより好ましく、50〜200mg/KOHがさらに好ましく、105〜200mg/KOHが特に好ましい。 本発明の組成物は、アルカリ可溶性バインダーを、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。

本発明の着色用組成物をカラーフィルタ用途として用いる場合、カラーフィルタ用着色組成物は少なくとも一種の架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、エポキシ樹脂、メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。

本発明の着色用組成物をカラーフィルタ用途として用いる場合、カラーフィルタ用着色組成物は少なくとも一種の酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、例えば、ラジカル捕捉剤、過酸化物分解剤、紫外線吸収剤、一重項酸素クエンチャー等を挙げることができる。

ラジカル捕捉剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤等を挙げることができる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルプロピオネート系化合物、ヒドロキシベンジル系化合物、チオビスフェノール系化合物、チオメチルフェノール系化合物、アルカンジイルフェノール系化合物等を挙げることができる。中でも、色特性の安定性の観点から、ヒドロキシフェニルプロピオネート系化合物が好ましい。

紫外線吸収剤としては、例えば、サルチル酸エステル系酸化防止剤、ベンゾフェノン系酸化防止剤を挙げることができる。

一重項酸素クエンチャーとしては、例えば、テトラメチルエチレン、シクロペンテン等のエチレン性化合物、ジエチルアミン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロオクタン(DABCO)、N−エチルイミダゾール等のアミン類、置換されても良いナフタレン、ジメチルナフタレン、ジメトキシアントラセン、アントラセン、ジフェニルアントラセン等の縮合多環芳香族化合物;1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、1,2,3,4−テトラフェニル−1,3−シクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン等の芳香族化合物の他、Harry H.wasserman,“Singlet Oxygen”,5章,Academic Press(1979)、Nicholas J.Turro,“”Modern Molecular Photochemistry“”,14章,The Benjamin Cummings Publishing Co.,Inc.(1978)、およびCMC社発行 カラー写真感光材料用高機能ケミカルス,7章(2002)に、一重項酸素クエンチャーとして例示されている化合物を挙げることができる。

カラーフィルタ用着色組成物の全固形分中における酸化防止剤の含有量は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。酸化防止剤の含有量は、着色剤100質量に対して、好ましくは0.01〜20質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部である。

<カラートナー> 本発明の着色組成物をカラートナー用途として用いる場合、カラートナー用着色組成物における一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体の含有量は、カラートナー用着色組成物を100質量部とした場合に0.1質量部以上含有することが好ましく、1〜20質量部含有することがより好ましく、2〜10質量部含有することがさらに好ましい。

本発明の着色組成物をカラートナー用途として用いる場合、カラートナー用着色組成物はバインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂としては、一般に使用される全てのバインダーを使用することができる。例えば、スチレン系樹脂・アクリル系樹脂・スチレン/アクリル系樹脂・ポリエステル樹脂等が挙げられる。

本発明の着色組成物をカラートナー用途として用いる場合、カラートナー用着色組成物の流動性、帯電制御等を目的として、無機微粉末、有機微粉末を外部添加することができる。例えば、表面をアルキル基含有のカップリング剤等で処理したシリカ微粒子又はチタニア微粒子等が好ましい。なお、これらの数平均一次粒子径が10〜500nmのものが好ましく、トナー中に0.1〜20質量%添加されていることが好ましい。

本発明の着色組成物をカラートナー用途として用いる場合、カラートナー用着色組成物は離型剤を含むことが好ましい。離型剤としては、従来使用されている離型剤は全て使用することができる。具体的には、低分子量ポリプロピレン・低分子量ポリエチレン・エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。離型剤の添加量としては、カラートナー用組成物の全質量に対して1〜5質量%添加することが好ましい。

本発明の着色組成物をカラートナー用途として用いる場合、カラートナー用着色組成物は荷電制御剤を含むことが好ましい。荷電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩構造のもの、カリックスアレン構造を有するものなどが挙げられる。

本発明の着色組成物をカラートナー用途として用いる場合、カラートナー用着色組成物はキャリアを含むことができる。キャリアとしては、鉄、フェライト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリアのいずれを使用してもよい。キャリアの平均粒径としては、体積平均粒子径で30〜150μmであることが好ましい。

<インクジェット記録用インク> 本発明の着色組成物をインクジェット記録用インク用途として用いる場合、インクジェット記録用インクは、親油性媒体又は水性媒体中に着色組成物を溶解及び/又は分散させることによって得られるインクであることが好ましく、水性媒体を用いたインクであることがより好ましい。

本発明の着色組成物をインクジェット記録用インク用途として用いる場合、インクジェット記録用インクには、必要に応じて、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面聴調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。 これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。

乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において、インクジェット記録用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。 乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。 また、上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。 これらの乾燥防止剤は、インクジェット記録用インク中に10〜50質量%含有することが好ましい。

紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。

褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。

防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。

pH調整剤としては中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる目的で、インクジェット記録用インクがpH6〜10となる用に添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。

表面張力調整剤としてはノニオン性、カチオン性あるいはアニオン性界面活性剤が挙げられる。なお、本発明のインクジェット記録用インクの表面張力は25〜70mN/mが好ましい。さらに25〜60mN/mが好ましい。また本発明のインクジェット記録用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。

界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。

消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。

本発明の化合物であるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号、特開2001−240763号、同2001−262039号、同2001−247788号等の各公報に記載されるように、化合物と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特開2001−262018号、同2001−240763、同2001−335734号、同2002−80772号の各公報のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明の化合物を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明の化合物を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、上記特許公報等に記載されたものを好ましく使用することができる。あるいは、本発明の化合物を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特開2001−271003号の各公報に詳細が記載されており、本発明の着色組成物を含むインクジェット記録用インクの調製に利用できる。

水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジ ルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。

本発明の着色組成物をインクジェット記録用インク用途として用いる場合、インクジェット記録用インクの100質量部に対して、一般式(1)で表されるアゾ色素のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びその互変異性体を0.2〜10質量部含有することが好ましく、1〜6質量部含有することがより好ましい。また、インクジェット記録用インクは、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が上述の範囲となっているのが好ましい。

本発明の着色組成物を用いて、染色される物に対して各種の染色方法を施すことにより、染色物を得ることができる。染色方法としては、限定されないが、本発明の着色組成物の溶液等への浸漬による染色、インクジェット等が挙げられる。染色される物(被染色物)としては、繊維、布、皮革、紙、及びフィルム等の染色しうるものであれば限定されることはない。

以下に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

<実施例1>例示化合物D−115の合成 下記式で表される化合物D−200、321mgをイソプロピルアルコール3.2mLに溶解した。この溶液に水酸化リチウム一水和物36mgを加え、2日間、室温にて撹拌した。析出した結晶を濾集、乾燥し、例示化合物D−115を152mg(収率47%)得た。

<実施例2>例示化合物D−114の合成 上記の化合物D−200、320mgをイソプロピルアルコール3.2mLに溶解した。この溶液に酢酸ナトリウム72mgを加え、2日間、室温にて撹拌した。析出した結晶を濾集、乾燥し、例示化合物D−114を323mg(収率95%)得た。

<実施例3>例示化合物D−113の合成 上記の化合物D−200、322mgをイソプロピルアルコール3.2mLに溶解した。この溶液にカリウム−t−ブトキシド99mgを加え、2日間、室温にて撹拌した。析出した結晶を濾集、乾燥し、例示化合物D−113を336mg(収率95%)得た。

<実施例4>例示化合物D−54の合成 下記式で表される化合物D−201、255mg、カリウム−t−ブトキシド138mg、イソプロピルアルコール2.0mLの混合物を、2日間、室温にて撹拌した。析出した結晶を濾集、乾燥し、例示化合物D−54を204mg(収率70%)得た。

<実施例5>例示化合物D−126の合成 下記式で表される化合物D−202、221mg、酢酸カリウム96mg、イソプロピルアルコール3.2mLの混合物を、1日間、室温にて撹拌した。析出した結晶を濾集、乾燥、例示化合物D−126を86mg(収率34%)得た。

<実施例6>例示化合物D−131の合成 下記式で表される化合物D−203、304mg、カリウム−t−ブトキシド124mg、t−アミルアルコール3.0mLの混合物を、50℃まで昇温した後、18時間、室温にて撹拌した。析出した結晶を濾集、乾燥し、例示化合物D−131を196mg(収率57%)得た。

<実施例7>例示化合物D−114を含む着色組成物の調製と吸収スペクトルの測定 上記のD−200を2.03mg秤量し、0.2mMの水酸化ナトリウム水溶液100mLに溶解した。これを4.0mLとり、純水を加え10mLにした。これにより、8.56ppmの濃度のD−114を含む組成物を調製した。この組成物を用い、吸収極大とモル吸光係数を測定した。結果を表1に示す。

<実施例8>例示化合物D−55を含む着色組成物の調製と吸収スペクトルの測定 上記のD−201を2.00mg秤量し、0.2mMの水酸化ナトリウム水溶液100mLに溶解した。これを4.0mLとり、純水を加え10mLにした。これにより、9.19ppmの濃度のD−55を含む組成物を調製した。この組成物を用い、吸収極大とモル吸光係数を測定した。結果を表1に示す。

<実施例9>例示化合物D−127を含む着色組成物の調製と吸収スペクトルの測定 上記のD−202を2.02mg秤量し、0.2mMの水酸化ナトリウム水溶液100mLに溶解した。これを4.0mLとり、純水を加え10mLにした。これにより、9.21ppmの濃度のD−127を含む組成物を調製した。この組成物を用い、吸収極大とモル吸光係数を測定した。結果を表1に示す。

<実施例10>例示化合物D−132を含む着色組成物の調製と吸収スペクトルの測定 上記のD−203を2.00mg秤量し、0.2mMの水酸化ナトリウム水溶液100mLに溶解した。これを4.0mLとり、純水を加え10mLにした。これにより、9.00ppmの濃度の例示化合物D−132を含む組成物を調製した。この組成物を用い、吸収極大とモル吸光係数を測定した。結果を表1に示す。

<実施例11〜14、比較例1〜4> 表2に示す例示化合物及び比較化合物について、熱分解温度を測定した。結果を表2に示す。表2中、比較化合物D−200〜D−203は、それぞれ、上記した化合物D−200〜D−203である。

上記の表2に示したように、実施例11〜14、比較例1〜4の化合物は、270℃以上の高い熱分解温度を示す。特に、実施例12〜14に示した例示化合物は、カリウム塩とすることで、カリウム塩でない比較化合物に対して熱分解温度が上昇し、熱に対し安定性が高くなることがわかる。

<実施例15>D−114によるインクジェット用紙の染色 純水100mLにエマルゲン109P(花王(株)製)の10%水溶液を0.6g加え、界面活性剤溶液を調製した。化合物D−200 0.100g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.5mLの混合物に上記界面活性剤溶液を10.0g加え均一に溶解した。これにより、本発明の化合物である例示化合物D−114を含む着色組成物を得た。 これをバーコーターにてインクジェット用紙 画彩(富士フイルム(株)製)に塗布した。得られた染色物の反射スペクトルを測定した。鮮やかな紫色の染色物が得られた。

<実施例16>D−55によるインクジェット用紙の染色 純水100mLにエマルゲン109P(花王(株)製)の10%水溶液を0.6g加え、界面活性剤溶液を調製した。化合物D−201 0.111g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.5mLの混合物に上記界面活性剤溶液を10.0g加え均一に溶解した。これにより、本発明の化合物である例示化合物D−55を含む着色組成物を得た これをバーコーターにてインクジェット用紙 画彩(富士フイルム(株)製)に塗布した。得られた染色物の反射スペクトルを測定した。鮮やかな赤色の染色物が得られた。

<実施例17>D−132によるインクジェット用紙の染色 純水100mLにエマルゲン109P(花王(株)製)の10%水溶液を0.6g加え、界面活性剤溶液を調製した。化合物D−203 0.093g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.5mLの混合物に上記界面活性剤溶液を10.0g加え均一に溶解した。これにより、本発明の化合物である例示化合物D−132を含む着色組成物を得た。 これをバーコーターにてインクジェット用紙 画彩(富士フイルム(株)製)に塗布した。得られた染色物の反射スペクトルを測定した。鮮やかな黄色の染色物が得られた。

実施例15〜17で得られた染色物の反射スペクトルを図1〜3に示す。L*、a*、b*値を表3に示す。

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