【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は式 【0002】 【化5】 の[5-アミノ-2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェニル] (2-ヒドロキシエチル)スルフォンの製造法において、式
【0003】 【化6】 但し式中EはHまたはCH3である、のベンゾチアゾールを水性媒質中でエチレンオキシドと反応させて式 【0004】 【化7】 のN-フォルミル-またはN-アセチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アニリン誘導体にし、 これを加水分解して式 【0005】 【化8】 のアニリン誘導体にし、次いでこれをジアゾ化したアミンD-NH2にカップリングさせて式 【0006】 【化9】 のモノアゾ染料にし、 このアゾ染料(5)を酸化して式 【0007】 【化10】 のアゾ/アゾキシ染料にし、次いでこれをそれ自身は公知の方法で還元的に開裂させてD-NH2但し式中Dはジアゾ成分である、および(1)にすることを特徴とする方法に関する。 【0008】本発明はまた式(5)および(6)の新規アゾおよびアゾ/アゾキシ染料に関する。 【0009】Dはジアゾ成分の基、特にベンゼン、ナフタレンまたは複素アリール系列の基である。 【0010】Dは通常の置換基、例えばCl、 Br、 F、 C 1 〜 C 4 -アルキル、 C 1 〜C 4 -アルコキシ、カルボアルコキシ、 カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、スルフォンアミド、アルキルスルフォニル、特にスルフォ基である。 好ましくは酸化および還元の際に変化しない置換基が適している。 アルキル基は通常の置換基を含むことができる。 【0011】式(5)および(6)のアゾおよびアゾ/アゾキシ染料は、 (6)を還元してD-NH 2および(1)にした後ジアゾ成分D-NH 2が容易に分離し、再び合成経路に使用できるようにDを選ぶことが好適である。 この種の基Dの例は 【0012】 【化11】 であり、ベンゼンおよびナフタレン環はさらに他の置換基、例えばCl、 Br、 C1 〜C 4 -アルキル、C 1 〜C 4 -アルコキシまたはカルボキシルを含むことができる。 【0013】スルフォおよびカルボキシルを含むジアゾ成分は水性反応媒質中で酸化および還元を行い得るという利点をもっている。 【0014】式 【0015】 【化12】 のアゾおよびアゾ/アゾキシ染料は、 (8)の還元が均一に行われ(1)のみを与えるから好適である。 【0016】(7)は(1)をジアゾ化し(4)にカップリングさせることによりつくることができる。 【0017】ベンゾチアゾール(2)と過剰のエチレンオキシドとの反応は温度20〜120℃、好ましくは40〜90 ℃、圧力0.2〜2.0バールにおいて水中でオートクレーブを用いて行うことがことが好ましい。 pHが8〜12、好ましくは9.0〜10.5になるような割合でエチレンオキシドを計量する。 この反応中ベンゾチアゾールは恐らく次の中間段階を通る。 【0018】 【化13】 従って単にエチレンオキシドを加えることにより驚くべきことには式(3)の2-(2-ヒドロキシエチルメルカプト)- N-アシル-N-(2-ヒドロキシエチル)アニリンの水溶液がベンゾチアゾール(2)から直接得られる。
【0019】またエトキシル化は水および水と混合する有機溶媒から成る反応媒質中で行うことができる。 乳化剤または相転移触媒を添加すれば反応が促進される。 原理的には反応溶液をさらに直接反応させることができる。 【0020】式(3)のN-フォルミル-およびN-アセチルアニリン誘導体は温度80〜120℃において、 随時圧力をかけ、 酸性条件下でもアルカリ性条件下においても加水分解することができる。 pHが7より大きい、即ちアルカリ性条件下において式(4)の遊離アニリン塩基が油相の形で分離する。 【0021】(4)をジアゾ化したアミンD-NH2にカップリングさせ式(5)の染料にするには、水性媒質中でpH範囲 1.0〜5.0において温度0〜30℃で行うことが最も有利である。 この場合も乳化剤またはカップリング促進剤、 例えば尿素を用いることが有利である。 大部分の場合染料 (5)は結晶性化合物の形で得られるか、或いはそのまま塩析させることができる。 たいていの場合カップリング反応は比較的均一に進行するから、中間体(5)はしばしば分離せずに直接酸化し式(6)のアゾ/アゾキシ染料を得ることができる。 この工程において触媒量のタングステンを存在させ過酸化水素を用いることが有利である。 酸化は温度20〜100℃、好ましくは40〜80℃、pH値6〜8 において水性媒質中で行われる。 酸化は中間体として式 【0022】 【化14】 の対応するスルフォキシド化合物を通じて行われ、この中間体はクロマトグラフ法により検出できる。 他の適当な酸化剤としては例えば過硼酸塩、過硫酸塩または過スルフォン酸塩がある。 【0023】式(6)のアゾ/アゾキシ染料は水溶性の黄色ないし赤色結晶性化合物として分離することができる。 プロトン化させるとその溶液は明確な深色性シフトを示す。 大部分の染料(6)においては主としてアゾ成分から成り、一般にアゾキシ成分は例えば(8)では5%以下である。 アゾ染料(8a)は水またはアルコールから再結晶して比較的均一に得ることができる。 【0024】 【化15】 (6)または(8)または(8a)を還元して(1)およびD-NH2にする反応はフーベン・ワイル(Houben-Weyl)編、ハンドブッフ・ヒュール・プレパラティーフェ・メトーデン・デル・オルガニッシェン・ヘミー(Handbuch fuer praeparative M ethoden der organischen Chemie)11巻第1部522〜531頁記載のエル・シュレーテル(R. Schroeter)の方法により行うことができる。 該方法によればジチオン酸ナトリウムまたはグルコースを用いる還元、 或いは水素を用いる接触還元が適している。 適当な触媒は主としてラネー・
ニッケル、パラジウム/炭素または白金化合物である。
還元は水、水/アルコール混合物またはアルコール中において温度20〜80℃で行うことが好ましい。
【0025】(8)および(8a)の場合、 均一な(1)の溶液が得られる。 (1)はさらにこの形で反応させることができる。 例えばこれをクロラニルと縮合させるか、或いはジアゾ化するかまたは溶液を濃縮して結晶性物質として分離することができる。 【0026】すべての他の場合において、還元により (1)およびD-NH 2の溶液または懸濁液が得られる。 従って後者は既に(1)から殆ど定量的に分離できるようにジアゾ成分として選ばれる。 従ってジアゾ成分としてアミノカルボン酸またはアミノスルフォン酸を用いることが有利である。 その例としては次のものがある。 2-アミノ安息香酸 4-アミノ安息香酸 2-アミノベンゼンスルフォン酸 3-アミノベンゼンスルフォン酸 4-アミノベンゼンスルフォン酸 2-アミノ-4-メチルベンゼンスルフォン酸 6-アミノ-2-ナフタレンスルフォン酸 7-アミノ-1,3-ナフタレンジスルフォン酸 2-アミノ-1,5-ナフタレンジスルフォン酸 4-アミノ-1-ナフタレンスルフォン酸 5-アミノ-1-ナフタレンスルフォン酸、 等 還元を純粋に水性の媒質で行うと、 たいていの場合酸性にし、必要に応じ塩析することにより安息香酸またはアミノスルフォン酸をベテインとして沈澱させ分離することができる。 (1)は酸性の水溶液の中に残り、これを分離するか、或いは前述のようにさらに反応させることができる。 【0027】可能なジアゾ成分としてアニリンまたはα -ナフチルアミンを選んだ場合、還元後水蒸気蒸溜によりこれを(1)から分離しなければならない。 水蒸気中に揮発させ得る他のアニリン誘導体もジアゾ成分として適している。 【0028】成分(1)は興味あるアゾ染料、例えばドイツ特許公開明細書第3,512,340号実施例17の染料 【0029】 【化16】 またはヨーロッパ特許第279,351号実施例5の染料 【0030】 【化17】 およびトリフェンジオキサジン染料、例えばヨーロッパ特許第153,599号 【0031】 【化18】 の染料の製造に使用される。 【0032】式(5)および(6)のアゾ染料は紙の着色、および羊毛、合成ポリアミド繊維またはレザーの染色に使用される。 奇麗な光輝のある黄色の着色物または染色物が得られる。 【0033】スルフォ含有およびカルボキシル含有アゾ染料に対して与えられた上記の式は遊離酸の式である。 製造の際には一般に塩、特にアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩またはリチウム塩が得られる。 【0034】 【実施例】実施例1 水500ml中に135gのベンゾチアゾールおよび1gの通常の乳化剤を含む乳化液を60℃に加熱し、1時間窒素を通す。 次に全部で300gのエチレンオキシドをpHが9.5〜10. 5に保たれるような速度で約12時間に亙って計量して加える。 薄層クロマトグラフで反応を監視する。 ベンゾチアゾールの原料濃度が1%より少なくなると、直ちにエチレンオキシドの添加を停止し、さらに2時間反応溶液を80℃に加熱し、 この間烈しく窒素気流を通す。 この方法で残ったエチレンオキシドを除去した後、約800mlの反応溶液を室温に冷却する。 反応溶液はグリコールおよび少量のポリグリコールの他に、式 【0035】 【化19】 の比較的均一なヒドロキシエチルアニリン誘導体を含んでおり、さらに直接反応させることができる。 【0036】生成物を同定するために、pH7において抽出および蒸溜により溶液の試料80mlを採った。 粘稠な無色の油が得られ、 1 H-NMRおよびIRのデータにより上記構造を帰属することができた。 IR(ヌジョール・ペースト) 1662cm -1 (COの振動) 1 H-NMR (d 6 -DMSO) δ= 3.05(2H,m); 3.48(2H,m); 3.60(2H,m); 3.65(2H,m); 4.68(t,OH); 4.94(t,OH); 7.15〜7.50(m,4 H); 8.00(s,CHO)。 質量スペクトル: m/e = 241(M + ,45%); 213(M + -CO, 45 %); 182(65%); 164(55%); 136(100%)。 【0037】実施例2 70%硫酸200mlを実施例1の反応溶液800mlに加え、この混合物を90〜95℃に1時間加熱する。 次いでこれを冷却し、外側を冷却しつつ濃水酸化ナトリウム溶液で中和し、pHを12.5にする。 この結果無色の油が分離する。 【0038】(しかし実施例1の反応溶液をアルカリ性条件で水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを12.5〜13.0にし、これを30分間80〜85℃で加熱して加水分解することも可能である。) 油が分離し、 これは式 【0039】 【化20】 のヒドロキシエチルアニリンであると同定された。1 H- NMR(d
6 -DMSO) δ= 2.77(t,2H); 3.18(2H,m);3.42(2H, m); 3.60(2H,m); 4.81(t,OH); 4.83(t,OH); 5.64(t,N
H); 6.50〜6.63 (m,2H); 7.15(m,1H); 7.30 (m,1H)。
【0040】実施例3 149gの2-メチルベンゾチアゾール、1gの通常の乳化剤および500mlの水から成る乳化液を加圧容器中で60℃に加熱し、これに1時間窒素を通す。 次いでオートクレーブを密封し、80℃に加熱する。 次に内部圧力が1.5バールになり、 pHは9.5〜10.5に保たれるような速度で3〜4時間かけて250gのエチレンオキシドを注入する。 全量のエチレンオキシドを添加した後、圧力が0.1〜0.2バールに低下するまで80℃での加熱を続ける。 圧力を緩め、80℃ で混合物中に強い窒素流を通して残ったエチレンオキシドを除去する。 約750mlの反応溶液を20℃に冷却する。 この無色の溶液50mlを回転蒸発器で濃縮し、残りの油をカラム・クロマトグラフにより精製する。 即ちグリコールおよびポリグリコールを分離する。 無色の粘稠な油が分離し、これは分光学的方法により式 【0041】 【化21】 の化合物と同定された。1 H-NMR(d 6 -DMSO) δ= 1.65(s,C OCH3); 3.04(dt,1H); 3.12(t,2H); 3.12(t,2H);3.50(d
t,2H); 3.63(t,2H);4.60(ブロード, OH); 7.15〜7.50(m,
4H)。 IR(ヌジョール): 1640cm
-1 【0042】(COの振動)。 【0043】このN-アセチルアニリン化合物を実施例2 と同様に酸性またはアルカリ性で加水分解すると、遊離塩基の2-(2-ヒドロキシエチルメルカプト)-N-(2-ヒドロキシエチル)-アニリンが得られる。 【0044】実施例4 7-アミノ-1,3-ナフタレンジスルフォン酸モノナトリウム塩23.6gを150mlの水/50gの氷および20mlの濃塩酸中で撹拌し、 17mlの亜硝酸ナトリウム溶液(300g/l)を5〜 10℃において滴下する。 ジアゾ化は1.5時間後に完了する。 少し過剰の亜硝酸塩はスルファミン酸を加えて分解させる。 炭酸ナトリウム溶液を加えてこのクリーム色の懸濁液のpHを2.5にする。 pHを2.0に調節した水100ml中に実施例2の遊離塩基15.0gを含む溶液を約10℃において滴下する。 この混合物を10℃で(pH1.5〜2.0)4〜5時間撹拌する。 カップリング反応を完結させるため、酢酸ナトリウムを加えてpHを4.5に上昇させ、この混合物を再び2 時間撹拌する。 食塩40gを加え、この混合物を1時間撹拌し、 吸引濾過して沈澱を分離する。 これを乾燥すると式 【0045】 【化22】 の塩含有染料48gが得られた。 λmax 【0046】 = 454nm(H 2 O、 pH7〜8) 1 H-NMR(d 6 -DMSO) δ= 2.88(t,2 H); 3.35(t,2H);3.50(t,2H); 3.65(m,2H); 5.15(ブロード s,2OH); 6.17(t,NH); 6.85(d,1H); 7.83〜8.07(m,4 H); 8.16(s,1H); 8.30(s,1H); 9.30(s,1H)。 【0047】実施例5 実施例4の染料47gを水250ml中においてpH8〜8.5において撹拌し、 0.2gのタングステン酸ナトリウムを加え、この混合物を70℃に加熱する。 約35%の過酸化水素溶液30 mlを滴下する。 添加中温度は70〜80℃に保たなければならない。 約2時間後、薄層クロマトグラフで酸化の程度を検査する。 酸化の中間体として生じるスルフォキシド誘導体も検出できる。 必要に応じさらに10〜15mlの過酸化水素溶液を加え残りのスルフォキシド誘導体をスルフォン誘導体に酸化する。 次にこの混合物を80℃で2時間撹拌し、 室温に冷却し、硫酸で酸性にしてpHを0.5〜1.0 にする。 35gの食塩および5gの塩化カリウムを用いてこの染料を塩析し、 分離する。 乾燥後式 【0048】 【化23】 の塩含有染料38gが得られた。 TLC法およびNMR法によりアゾキシ含量は数%以下であると推定される。 λmax 【0049】 = 406nm(H 2 O、 pH7〜8) 1 H-NMR(d 6 -DMSO) δ= 3.42(t,2 H); 3.55(t,2H);3.68(t,2H); 3.75(t,2H); 5.0〜5.3(ブロード,2OH); 6.9(ブロード s,NH); 7.13(d,1H); 7.98 (dd,1H); 8.05〜8.17(m,2H); 8.20(s,1H); 8.27(d,1H); 8.32(d,1H); 9.35(d,1H)。 【0050】上記カップリング方法(実施例4)および酸化方法(実施例5)と同様にし実施例4のジアゾ成分を変えて、アゾスルフィドおよびアゾ/アゾキシスルフォ構造をもつ興味深い他の染料を製造することができる。 【0051】 【化24】 実施例16 実施例4と同様にして4-アミノベンゼンスルフォン酸12. 5gをジアゾ化し、得られた懸濁液のpHを炭酸ナトリウム溶液を用いて2.5にする。 実施例2の遊離塩基15.0gを水1
00ml中に含むpHを2.0に調節した溶液を5〜10℃においてこの懸濁液に滴下する。 この混合物をpH1.5〜2.5、温度
10℃において5時間撹拌し、 次いでpH3.5〜4.0、温度10
℃において3時間撹拌する。 この間酢酸ナトリウム溶液を用いてpHを上昇させる。 カップリング完了後、炭酸ナトリウム溶液を用いてpHを8.0に調節する。 式
【0052】 【化25】 のアゾ染料の透明な溶液が得られた。 この溶液にタングステン酸ナトリウム0.2gを加え、35%過酸化水素溶液35 mlを15分間で添加し、反応を70〜80℃に保つ。 約3〜4時間後にスルフォンへの酸化は完了する。 この混合物を20
℃に冷却し、pHを6.0にし、45gの食塩を用いて生成物を塩析する。 さらに2時間撹拌した後これを吸引濾過し、
乾燥して構造が
【0053】 【化26】 の黄金色の染料粉末32gを得た。 λmax 【0054】 = 396nm(H 2 O、 pH7〜8) 1 H-NMR(d 6 -DMSO) δ= 3.38(t,2 H); 3.50(t,2H);3.60〜3.75(m,4H); 5.0(ブロード s,2O H); 6.94(t,NH);7.08(d,1H); 7.78(m,4H); 8.05(dd,1 H); 8.17(d,1H)。 【0055】実施例17 (A) 実施例5の染料35gをpH7において150mlの水に溶解し、0.2gのラネー・ニッケル触媒を加え、2.5倍のモル量の水素を用いてオートクレーブ中で染料を還元する。 この反応中この反応バッチを40〜50℃に加温する。 触媒を分離した後透明な淡褐色の溶液が得られ、これを酸性にしてpHを1.0にし、10gの食塩で塩析し、15℃に冷却すると、7-アミノ-1.3-ナフタレンジスルフォン酸をモノナトリウム塩の形で沈澱させることができる。 式 【0056】 【化27】 の所望の[5-アミノ-2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェニル](2-ヒドロキシエチル)スルフォンは溶液中に残る。 この溶液を例えば中和した後、例えばクロラニルと例えばヨーロッパ特許第153,599記載の方法で直接反応させることができる。 しかし中和した後これを回転蒸発器の中で蒸発乾凅させることもできる。 こうして塩を含む生成物が得られるが、これは水またはアルコールから再結晶させることができ、 融点は130℃である。 【0057】(B) 実施例16の染料20gを水100ml中でpH7 〜8、温度50℃で10分間に亙り亜ジチオン酸ナトリウム1 5.5gと反応させても同じ生成物および同じ溶液が得られる。 最初黄金色であった溶液は脱色する。 これを20℃に冷却し、塩酸でpHを1.5にする。 食塩20gを加えた後、 4- アミノベンゼンスルフォン酸が完全に沈澱するまで4〜5 時間これを撹拌する。 濾過すると比較的均一な[5-アミノ-2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェニル](2-ヒドロキシエチル)スルフォンの溶液が得られる。 【0058】実施例17と同様にして実施例11〜16のアゾ /アゾキシ染料を接触還元し、同様に生成したジアゾ成分D-NH 2を上記のようにして分離すると重要な中間体が得られる。 【0059】実施例18 18.8gの[5-アミノ-2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェニル](2-ヒドロキシエチル)スルフォンを150mlの水、50 gの氷および25mlの塩酸に溶解し、亜硝酸ナトリウム17m l(300g/l)を用いて0〜3℃でジアゾ化する。 30分後ジアゾ化は完了し、溶液が得られる。 【0060】実施例2の遊離塩基15.2gを水50mlに懸濁し、 25mlの酢酸を溶解する。 この溶液を完全にジアゾ化した溶液に加え、 酢酸ナトリウム溶液を加えてpHを3.5 〜4.0に上昇させる。 氷で反応温度を0〜5℃に保ち、 この混合物をpH3.5〜4.0において8時間撹拌する。 結晶性の黄色沈澱が生じ、これを吸引濾過し、 50mlの水で洗滌し、乾燥する。 式 【0061】 【化28】 のアゾ染料31.5gが得られ、これは水またはアルコールから再結晶することができ、 融点は177〜178℃になる。 λmax 【0062】 = 458nm(H 2 O、 pH7〜8) 1 H-NMR(d 6 -DMSO) δ= 2.87(t,2 H); 3.35(m,4H);3.50(m,4H); 3.60〜3.75(m,6H); 4.95 (ブロード s,4OH); 6.13(t,NH);6.77(t,NH);6.80(d,1 H); 7.05(d,1H); 7.75(dd,1H); 7.90(d,1H); 7.95(dd,1 H); 8.07(d,1H)。 【0063】実施例19 実施例18のアゾ染料30gを水150mlに懸濁させ、この混合物のpHを8にし、タングステン酸ナトリウム0.2gを加えた後60℃に加熱する(しかし分離した染料の代わりに実施例18のカップリング混合物を直接使用することもできる)。 35%過酸化水素溶液30mlを徐々に滴下する。 この反応は弱い発熱反応である。 75℃において透明な橙赤色の溶液が得られる。 さらに1時間これを75〜80℃において撹拌し、次いで室温に冷却する。 これによりアゾ染料は結晶化し、黄金色の結晶が得られる。 沈澱を完了させるため10gの塩化カリウムを加え、この混合物を0℃に冷却する。 生成物を吸引濾過し、 少量の水で洗滌し、60 ℃で真空乾燥して式 【0064】 【化29】 のアゾ染料28.2gが得られる。 これは水またはアルコールから再結晶させることができ、 融点は200℃である。 λmax 【0065】 = 442nm(H 2 O、 pH7〜8) 1 H-NMR(d6-DMSO) δ= 3.38(t,4 H); 3.50(t,4H);3.62〜3.75(m,8H); 4.93(t,2OH); 4.97 (t,2OH); 6.95(t,2NH); 7.06(d,2H); 8.01(dd,2H); 8.1 2(d,2H)。 【0066】実施例20 実施例19のアゾ染料25.8gを200mlの水に懸濁させ、0. 2gのラネー・ニッケル触媒を加え、オートクレーブ中で2 倍のモル量の水素を用いて染料を水素化する。 この反応は弱い発熱反応であり、35〜40℃の温度に達する。 40℃ で濾過して触媒を分離すると無色の反応溶液が得られる。 回転蒸発器で溶液を濃縮し、式 【0067】 【化30】 の[5-アミノ-2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェニル] (2-ヒドロキシエチル)スルフォンが得られた。
【0068】実施例21 実施例16と同様にジアゾ化されたアニリンを遊離塩基の2-(2-ヒドロキシエチルメルカプト)-N-(2-ヒドロキシエチル)アニリンにカップリングさせ、得られたアゾ化合物を過酸化水素溶液で60〜80℃において酸化すると、 式 【0069】 【化31】 の結晶性アゾスルフォンが得られる。 この黄金色の化合物[λmax = 392nm(H 2 O、pH7〜8)]の融点は126℃である。 1 H-NMR(d 6 -DMSO) δ= 3.38(m,2H); 3.50(m,2H); 3.68 (m,4H); 3.73(m,2H); 4.90(t,OH); 4.95(t,OH); 6.92
(t,NH); 7.08(d,1H); 7.45〜7.58(m,3H); 7.80(d, 1H);
7.86(d,1H); 8.04(dd, 1H); 8.18(d,1H)。
【0070】実施例22 実施例21のアゾ染料20gを200mlの水に懸濁させ、0.2g のラネー・ニッケル触媒を加え、オートクレーブ中で2倍のモル量の水素を用いて染料を水素化する。 この工程中温度は40℃に達する。 反応終了後触媒を分離し、生成したアニリンを水蒸気蒸溜により溶液から完全に除去する。 残った溶液は[5-アミノ-2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェニル](2-ヒドロキシエチル)スルフォンを含み、さらに他の反応、例えばクロラニルとの縮合(実施例17参照)に直接使用することができる。 上記還元は例えばメタノールまたはメタノール/水混合物中でも行うことができる。 |