色素増感型太陽電池用の大きな有機対アニオンを有する、メチン色素

申请号 JP2016528635 申请日 2014-07-22 公开(公告)号 JP2016531427A 公开(公告)日 2016-10-06
申请人 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se; ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se; 发明人 山戸 斉; 斉 山戸; 真司 中道; 真司 中道; 高橋 隆一; 隆一 高橋; 山本 宏; 宏 山本; ゼント ローベアト; ゼント ローベアト; ヴォネベアガー ヘンリケ; ヴォネベアガー ヘンリケ; ブルーダー イングマー; ブルーダー イングマー; ゲタウティス ヴィタウタス; ゲタウティス ヴィタウタス; カスパラス ラクスティス; カスパラス ラクスティス; マリナウスカス タダス; マリナウスカス タダス;
摘要 本発明は、400nm〜1000nmの範囲にある波長を有する電磁放射を吸収可能な対イオンを有するメチン色素で増感された半導体微粒子 酸化 物から作製された多孔質フィルムを有する、電極層に関する。本発明はさらに、前記電極層を有する光電変換デバイス、前記光電変換デバイスを有する光増感型太陽電池、前記光電変換デバイスを有する有機電子デバイス、並びに400nm〜1000nmの範囲にある波長を有する電磁放射を吸収可能な対イオンを有する新規のメチン色素に関する。
权利要求

下記式(I): の色素で増感された、酸化物半導体の微粒子から作製された多孔質フィルムを有する、電極層であって、 前記式中、 nは1、2、3、4、5、又は6であり、 R1及びR2は相互に独立して、 ・素、非置換のC1〜C20アルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・置換されたC1〜C20アルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・非置換のC1〜C20シクロアルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・置換されたC1〜C20シクロアルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・非置換のC6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリール、非置換のC6〜C20ヘテロアリール、置換されたC6〜C20ヘテロアリール から選択されるか、又は R1はさらに、式Dの残基であってよく、 Dはそれぞれ独立して、式D.1及びD.2の残基: から選択され、 前記式中、 *−は、式(I)の残存化合物への結合を示し、 R17及びR18は、相互に独立して、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC4〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、ここでR14は、水素、C1〜C20アルキル、又はC6〜C10アリールであり、 又は R17及びR18は、これらが結合している窒素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 又は R17及びR20は、R17が結合している窒素原子、及びR20及びN−R17が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 又は、 R17及びR22は、R17が結合している窒素原子、及びR22及びN−R17が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 かつ/又は R18及びR19は、R18が結合している窒素原子、及びR19及びN−R18が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 R15、R16、R19、R20、R21、R22、R23、及びR24は相互に独立して、水素、NR25R26、OR25、SR25、NR25−NR26R27、NR25−OR26、O−CO−R25、O−CO−OR25、O−CO−NR25R26、NR25−CO−R26、NR25−CO−OR26、NR25−CO−NR26R27、CO−R25、CO−OR25、CO−NR25R26、S−CO−R25、CO−SR25、CO−NR25−NR26R27、CO−NR25−OR26、CO−O−CO−R25、CO−O−CO−OR25、CO−O−CO−NR25R26、CO−NR25−CO−R26、CO−NR25−CO−OR26、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC4〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルからなる群から選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 R25、R26、及びR27は相互に独立して、水素、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC4〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから成る群から選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 Aは、下記式A.1、A.2、A.3、A.4、A.5、A.6、及びA.7: の残基であり、 上記式中、 #−は、式Iの残存化合物に対する結合を示し、 R29は、残基G、水素、ハロゲン、OR36、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルであり、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 R30、R31、R32、及びR33は相互に独立して、残基G、水素、ハロゲン、OR36、NO2、CN、COR’、COOR’、SO2R’、及びSO3R’、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 R’は独立して、非置換のアリール、置換されたアリール、炭素原子数が1〜10の非置換アルキル、置換基を含めて炭素原子数が1〜10の置換されたアルキル、炭素原子数が5〜7の非置換シクロアルキル、置換基を含めて炭素原子数が5〜10の置換されたシクロアルキルから成る群から選択され、ここで前記アルキル基又はシクロアルキル基中には、1個の酸素原子、又は2個の隣接しない酸素原子が、各炭素原子の間に挿入されていてよく、 任意で(A.7)において、R30及びR31は、これらが結合している炭素原子とともに、又はR32及びR33は、これらが結合している炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 ただし、残基R29、R30、R31、R32、R33、R34、及びR35のうち少なくとも1つは、残基Gであり、 R36は、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリールであり、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 Qは、−S−、−C(R34)(R35)−、−O−であり、 R34及びR35は相互に独立して、残基G、水素、ハロゲン、OR36、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 Gは、 から選択されており、 ここでR28は直接結合、C1〜C20アルキレン、C2〜C4アルケニレン、又はC6〜C10アリーレンであり、 Z+は、有機若しくは無機のカチオン当量であり、 Y-は、400nm〜1000nmの範囲の波長を有する電磁放射を吸収可能なアニオンである、前記電極層。前記式(I)において、 Y-が、共役π電子系をもたらすアニオンである、請求項1に記載の電極層。前記式(I)において、 Y-が金属錯体アニオンであり、好ましくはRu、Pt、Ir、Rh、Re、Os、Fe、W、Cr、Mo、Ni、Co、Mn、Zn、Cu、及びこれらの組み合わせから成る群から、特に好ましくはRu、Os、Fe、及びこれらの組み合わせから選択される金属錯体アニオンであり、最も好ましくは前記金属錯体アニオンがRuである、請求項1又は2に記載の電極層。前記式(I)において、 Y-が から成る群から選択される部分を有するアニオンである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の電極層。前記式(I)において、 Y-が式(II): のアニオンであり、 前記式中、 A1は、共役π電子系をもたらす基であり、 A2は、炭素原子数が1〜24の非置換アルキル鎖、又は置換基を含めて炭素原子数が1〜24の置換されたアルキル鎖であり、ここで前記アルキル鎖又は置換されたアルキル鎖中には、任意で1つ以上の官能基、特に1つ以上のエステル基が、各炭素原子の間に位置しており、 E-が、 からなる群から選択される部分である、 請求項1、2、又は4に記載の電極層。前記式(I)において、 Y-が式(III): のアニオンであり、 前記式中、 x、yは相互に独立して、0及び1から成る群から選択され、 zは独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、及び9から成る群から選択され、 R1は、請求項1で規定の通りであるが、 ただし、R1のうち少なくとも1つは、 ・非置換のC1〜C20アルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・置換されたC1〜C20アルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・非置換のC1〜C20シクロアルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・置換されたC1〜C20シクロアルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・非置換のC6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリール、非置換のC6〜C20ヘテロアリール、置換されたC6〜C20ヘテロアリール、 からなる群から選択されており、 R2は相互に独立して、H、NO2、CN、COR’、COOR’、SO2R’、及びSO3R’から成る群から選択され、 ここでR’それぞれは独立して、非置換のアリール、置換されたアリール、炭素原子数が1〜10の非置換アルキル、置換基を含めて炭素原子数が1〜10の置換されたアルキル、炭素原子数が5〜7の非置換シクロアルキル、及び置換基を含めて炭素原子数が5〜10の置換されたシクロアルキルから成る群から選択され、ここで前記アルキル基又はシクロアルキル基中には、1個の酸素原子、又は2個の隣接しない酸素原子が、各炭素原子の間に挿入されていてよく、 R3、R4は相互に独立して、H、F、Cl、Br、及びIから成る群から選択される、 請求項1、2、4、又は5に記載の電極層。前記式(III)において、1つ以上のR1が、1つ以上のさらなる芳香族環と縮合しているか、又は1つの原子を介して、若しくは単結合を介して1つ以上のさらなる芳香族若しくは複素環式芳香族環と結合しており、ここで1つ以上のさらなる芳香族若しくは複素環式芳香族環はそれぞれ、相互に独立して非置換であるか、又は置換されている、請求項6に記載の電極層。前記酸化物半導体の微粒子が、TiO2、SnO2、WO3、ZnO、Nb2O5、Fe2O3、ZrO2、MgO、WO3、ZnO、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、又はこれらの組み合わせから作製されている、請求項1から7までのいずれか1項に記載の電極層。前記酸化物半導体の微粒子から作製された多孔質フィルムが、前記式(I)の色素と、金属錯体色素及び有機色素から成る群から、好ましくはインドリン、クマリン、シアニン、メロシアニン、ヘミシアニン、メチン、アゾ、キノン、キノンイミン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、スクアライン、トリフェニルメタン、ペリレン、インディゴ、キサンテン、エオシン、ローダミン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される1種以上のさらなる色素で増感されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の電極層。前記色素が、吸着剤、ステロイド、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレーン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキサム酸、ヒドロキサム酸塩、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される1種以上の添加剤とともに吸着されている、請求項1から9までのいずれか1項に記載の電極層。請求項1から10までのいずれか1項に記載の電極層を有する、光電変換デバイス。請求項11に記載の光電変換デバイスを有する、色素増感型太陽電池。請求項11に記載の光電変換デバイスを有する、有機電子デバイス、特に有機発光ダイオード(OLED)又は有機電界効果トランジスタ(OFET)。色素増感型太陽電池における色素としての、請求項1から7までのいずれか1項で規定した式(I)の化合物の使用。請求項1から7までのいずれか1項で規定した式(I)の化合物。

说明书全文

本発明は、400nm〜1000nmの範囲にある波長を有する電磁放射を吸収可能な対アニオンを有するメチン色素で増感された酸化物半導体の微粒子から作製された多孔質フィルムを有する、電極層に関する。本発明はさらに、前記電極層を有する光電変換デバイス、前記光電変換デバイスを有する色素増感型太陽電池、前記光電変換デバイスを有する有機電子デバイス、並びに400nm〜1000nmの範囲にある波長を有する電磁放射を吸収可能な対アニオンを有する新規のメチン色素に関する。

色素増感型変換素子(DSC:dye sensitized solar cells)は、近年ますます注目されている。ケイ素ベースの太陽電池に比べて幾つかの利点があり、それは例えば、製造コストと材用コストが安いことである。高価では無い金属酸化物半導体、例えば二酸化チタンを高純度に精製することなく使用できるからである。その他の利点には、可撓性、透明性、及び軽量性がある。光電変換デバイスの性能全体は、幾つかのパラメータ、例えば開放電圧(Voc)、短絡電流(Isc)、充填係数(FF)、及びエネルギー変換効率η(エータ)によって特徴付けられる。よって、エネルギー変換効率を改善させるための1つのアプローチは、DSCで用いられる色素を最適化することによって、光電変換デバイスの開放電圧及び/又は短絡電流を強化することである。

色素は幾つかの要求(その中でも特に、例えば安定性、製造コスト、及び吸収特性)を満たさねばならず、色素は幅広い範囲の入射光を、高い吸収係数で吸収するのが望ましい。DSCにおいて増感剤として使用される見込みのある有機色素は、ドナーπ(パイ)−アクセプター系であり、これはドナー、π(パイ)共役スペーサ、及びアクセプター/アンカー基から構成される。しかしながらこれらの色素の性能は、常に満足のいくものではない。

CN 1534021は、幾つかのメチン色素を有する、光電変換デバイスを開示している。

WO 2011/026797、及びWO 2011/120908は、色素増感型太陽電池(DSC)に関し、ここで色素は、ピリジニウムアクセプター基を有するメチン色素である。

WO 2009/109499は、光電変換素子に関し、ここで色素は、ピリジニウム、キノリウム、又はイソキノリウムのアクセプター基を有するメチン色素であり、ドナー基とアクセプター基を結合させるスペーサは、電子吸引基を有するエチレン基である。

JP 2006-294360は、光電変換素子に関し、ここで色素は、式(1)のメチン色素:

であり、 前記式中、m及びnは、整数を表し、R1は芳香族残基、脂肪族炭化素残基、又はアシル基を表し、R2、R3、A1、及びA2は、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、ヒドロキシ基、リン酸基、シアノ基、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、又はアシル基を表す。R2及びR3は、ともに結合して環を形成してよい。Xは、O、S、Se、CH2、N−R4、CR5R6、又は−CR7=CR8−を表し、R4は芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、又はアシル基を表し、R5、R6、R7、及びR8は、芳香族残基、脂肪族炭化水素残基、ヒドロキシ基などを表し、Yは、芳香族残基、又は有機金属錯体残基を表す。

EP 1 990 373は、メチン色素を有する光電変換デバイスに関し、ここではキノリウムのアクセプター基が、エチレン基に結合していてよく、ドナー基はジ(任意で置換されたフルオレニル)アミノフェニルである。アニオン性対イオンは特に、ビストリフルオロメチルスルホンイミド、C(SO2CF3)3-、SbF6-、BF4-、又はPF6-である。

色素増感型光電変換デバイスの性能を、特にそのエネルギー変換効率η(エータ)について、さらに改善させる必要がなお存在する。

よって本発明の課題は、色素増感型電極層、強化されたエネルギー変換効率η(エータ)を有する光電変換デバイス、前記デバイスと新規色素を有する、太陽電池、及び有機電子デバイス、特に有機発光ダイオード(OLED)、又は有機電界効果トランジスタ(OFET)を提供することである。

意外なことに、400nm〜1000nmの範囲にある波長を有する電磁放射を吸収可能な対アニオンを有するメチン色素が、特に有利である。このメチン色素は全体的に素晴らしい特性を有し、特に電極における色素吸収特性がとりわけ良好であり、これにより長期間のDSC安定性、長期間にわたる高性能、及びエネルギー変換効率の高さが得られる。

エタノール中の化合物(A−1)、(A−2)、及び(Ref-1)のスペクトル吸収性を示す。

化合物(A−1)、(A−2)、及び(Ref-1)を有する固体DSCデバイスのIPCEスペクトルを示す。

よって第一の態様において、本発明は式(I)

の色素で増感させた酸化物半導体の微粒子から作製された多孔質フィルムを有する電極層に関し、 前記式中、 nは1、2、3、4、5、又は6であり、 R1及びR2は相互に独立して、 ・水素、非置換のC1〜C20アルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・置換されたC1〜C20アルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・非置換のC1〜C20シクロアルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・置換されたC1〜C20シクロアルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・非置換のC6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリール、非置換のC6〜C20ヘテロアリール、置換されたC6〜C20ヘテロアリール から選択されるか、又は R1はさらに、式Dの残基であってよく、 Dはそれぞれ独立して、式D.1及びD.2の残基:

から選択され、 前記式中、 *−は、式(I)の残存化合物への結合を示し、 R17及びR18は、相互に独立して、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC4〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、ここでR14は、水素、C1〜C20アルキル、又はC6〜C10アリールであり、 又は、 R17及びR18は、これらが結合している窒素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 又は、 R17及びR20は、R17が結合している窒素原子、及びR20及びN−R17が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 又は、 R17及びR22は、R17が結合している窒素原子、及びR22及びN−R17が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 かつ/又は R18及びR19は、R18が結合している窒素原子、及びR19及びN−R18が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 R15、R16、R19、R20、R21、R22、R23、及びR24は相互に独立して、水素、NR25R26、OR25、SR25、NR25−NR26R27、NR25−OR26、O−CO−R25、O−CO−OR25、O−CO−NR25R26、NR25−CO−R26、NR25−CO−OR26、NR25−CO−NR26R27、CO−R25、CO−OR25、CO−NR25R26、S−CO−R25、CO−SR25、CO−NR25−NR26R27、CO−NR25−OR26、CO−O−CO−R25、CO−O−CO−OR25、CO−O−CO−NR25R26、CO−NR25−CO−R26、CO−NR25−CO−OR26、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC4〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルからなる群から選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 R25、R26、及びR27は相互に独立して、水素、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC4〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから成る群から選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 Aは、下記式A.1、A.2、A.3、A.4、A.5、A.6、及びA.7:

の残基であり、 前記式中、 #−は、式Iの残存化合物に対する結合を示し、 R29は、残基G、水素、ハロゲン、OR36、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルであり、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 R30、R31、R32、及びR33は相互に独立して、残基G、水素、ハロゲン、OR36、NO2、CN、COR’、COOR’、SO2R’、及びSO3R’、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 R’は独立して、非置換のアリール、置換されたアリール、炭素原子数が1〜10の非置換アルキル、置換基を含めて炭素原子数が1〜10の置換されたアルキル、炭素原子数が5〜7の非置換シクロアルキル、置換基を含めて炭素原子数が5〜10の置換されたシクロアルキルから成る群から選択され、ここで前記アルキル基又はシクロアルキル基中には、1個の酸素原子、又は2個の隣接しない酸素原子が、各炭素原子の間に挿入されていてよく、 任意で(A.7)において、R30及びR31は、これらが結合している炭素原子とともに、又はR32及びR33は、これらが結合している炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、 ただし、残基R29、R30、R31、R32、R33、R34、及びR35のうち少なくとも1つは、残基Gであり、 前記式中、 R36は、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリールであり、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 Qは、−S−、−C(R34)(R35)−、−O−であり、 R34及びR35は相互に独立して、残基G、水素、ハロゲン、OR36、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルキル、非置換若しくは置換されたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 Gは、

から選択されており、 前記式中、 R28は直接結合、C1〜C20アルキレン、C2〜C4アルケニレン、又はC6〜C10アリーレンであり、 Z+は、有機若しくは無機のカチオン当量であり、 Y-は、400nm〜1000nmの範囲の波長を有する電磁放射を吸収可能なアニオンである。

アニオンY-の吸収性は、式(I)の各化合物の溶液スペクトルを用いて特定することができ、その詳細については実験部で述べる。こうして得られるスペクトルは、アニオンY-の貢献度を明確にするため、カチオンのピークに対して標準化しなければならない。アニオンY-は好ましくは、その極大吸収波長λmax(ラムダマックス)が、400nm〜1000nmの波長範囲にある。

本発明はさらに、上記電極層を有する光電変換デバイスに関する。

本発明のさらなる態様は、式(I)のメチン色素である。

本発明はまた、光電変換デバイスにおける式(I)の化合物の使用に関する。同様に本発明はまた、光電変換デバイスにおける式(I)の化合物の使用方法に関する。

本発明による電極層及びデバイスは、幾つかの利点と結びついている。例えば、400nm〜1000nmの波長範囲にある波長を有する電磁放射を吸収可能なアニオンを有するメチン色素により、高い開放電圧(Voc)、短絡電流(Jsc)、及び高い充填係数(FF)が可能になり、その特徴は、エネルギー変換効率η(エータ)が優れていることであり、太陽電池で使用するために特に適している。

本発明による光電変換デバイスの光−電の変換効率η(エータ)、それぞれの電流/電圧特性、例えば短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び充填係数(FF)は、solar simulator(Peccell Technologies, Inc社製)により発生させた人工太陽光(AM1.5、強度100mW/cm2)のもとで、Source Meter Model 2400(Keithley Instruments Inc.社製)によって測定できるが、詳細については実験部で述べる。

本発明により、記号(例えばD又はG)は、化合物中で1回より多く(例えば2回)出現し、この記号は、特に言及されていない限り、異なる基、又は同じ基であり得る。

「ハロゲン」という用語は、それぞれの場合において、フッ素、臭素、塩素、又はヨウ素を表し、特にフッ素を表す。

接頭辞Cn〜Cm−とは、炭化水素単位における炭素の数をそれぞれ示す。

本発明の文脈において、「アルキル」という用語は、炭素原子数が通常1〜20の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を含む。アルキル基の例は特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、及びn−エイコシルである。特に言及しない限り、アルキルという表現はまた、炭素鎖が、1つ以上、例えば1個、2個、3個、4個、5個、又は6個の−O−、−S−、NR14−、及び/又は−C(=O)−から選択される基により中断されていてよいアルキル残基も包含する。R14は好ましくは、水素、又はC1〜C20アルキルである。−O−、−S−、−NR14−、及び/又は−C(=O)−、又はこれらの組み合わせによって中断されたアルキルは、炭素原子を少なくとも2個有すると理解される。

置換されたアルキル基は、アルキル鎖の長さに応じて、1つ以上(例えば1個、2個、3個、4個、5個、又は5個超)、同一又は異なる置換基を有することができる。適切な置換基は例えば、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+であり、ここでR25、R26、及びZ+は、上記規定の通りである。

アルキルに関する上記のことは、アルコキシにおけるアルキル部分にも当てはまる。

「アルケニル」という用語には、炭素原子を2個以上(例えば2〜4個、2〜6個、2〜12個、又は2〜20個)有し、二重結合を少なくとも1個(例えば1個又は2個、好ましくはいずれかの位置に二重結合を1つ)有する直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素残基が含まれる。C2〜C6アルケニルの例は例えば、エテニル(ビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2,−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル、1−エチル−2−メチル−2−プロペニルである。特に言及しない限り、アルケニルという表現はまた、炭素鎖が、1つ以上、例えば1個、2個、3個、4個、5個、又は6個の−O−、−S−、−NR14−、及び/又は−C(=O)−から選択される基により中断されていてよいアルケニル残基も包含する。R14は好ましくは、水素、又はC1〜C20アルキルである。−O−、−S−、NR14−、及び/又は−C(=O)−、又はこれらの組み合わせによって中断されたアルケニルは、炭素原子を少なくとも3個有すると理解される。置換されたアルケニル基は、アルケニル鎖の長さに応じて、1つ以上(例えば1個、2個、3個、4個、5個、又は5個超)、同一又は異なる置換基を有することができる。適切な置換基は例えば、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+であり、ここでR25、R26、及びZ+は、上記規定の通りである。

「アルキニル」という用語には、炭素原子を2個以上(例えば2〜4個、2〜6個、2〜12個、又は2〜20個)有し、少なくとも1つの三重結合(例えば1つ又は2つ、好ましくはいずれかの位置に1つの三重結合)を有する直鎖状若しくは分枝鎖状の炭化水素残基が含まれ、C2〜C6アルキニルは例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−1−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル、1−エチル−1−メチル−2−プロピニルである。特に言及しない限り、アルキニルという表現はまた、炭素鎖が、1つ以上、例えば1個、2個、3個、4個、5個、又は6個の−O−、−S−、−NR14−、及び/又は−C(=O)−から選択される基により中断されていてよいアルキニル残基も包含する。R14は好ましくは、水素、又はC1〜C20アルキルである。−O−、−S−、−NR14−、及び/又は−C(=O)−、又はこれらの組み合わせによって中断されたアルキニルは、炭素原子を少なくとも3個有すると理解される。置換されたアルキニル基は、アルキニル鎖の長さに応じて、1つ以上(例えば1個、2個、3個、4個、5個、又は5個超)、同一又は異なる置換基を有することができる。適切な置換基は例えば、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+であり、ここでR25、R26、及びZ+は、上記規定の通りである。

「C1〜C20アルキレン」(又はアルカンジイル)という用語は、先に規定のように炭素原子を1〜20個有するアルキル残基を言い、ここでアルキル残基の1つの水素原子が、1つのさらなる結合箇所によって置き換えられているため、二価の残基となる。水素原子は、結合箇所を有する炭素原子からは、取り除かれない。その例に含まれるのは、メチレン、エチレン、プロピレン(トリメチレン)、イソプロピレン、n−ブチレン(テトラメチレン)、s−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、2−エチルブチレン、n−ペンチレン(ペンタメチレン)、イソペンチレン、1−メチルペンチレン、1,3−ジメチルブチレン、n−ヘキシレン、1−メチルヘキシレン、n−ヘプチレン、2−メチルヘプチレン、1,1,3,3−テトラメチルブチレン、1−メチルヘプチレン、3−メチルヘプチレン、n−オクチレン、2−エチルヘキシレン、1,1,3−トリメチルヘキシレン、1,1,3,3−テトラメチルペンチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、1−メチルウンデシレン、又はドデシレンである。

「C1〜C20アルキリデン」という用語は、先に規定のように炭素原子を1〜20個有するアルキル残基を言い、ここでアルキル残基の1つの水素原子が、1つのさらなる結合箇所によって置き換えられているため、二価の残基となる。水素原子は、結合箇所を有する炭素原子から取り除かれる。従って遊離価は、二重結合の一部である。

それぞれの場合にここで使用する「C2〜C4アルケニレン」(又はアルケンジイエル)という用語は、先に規定のように炭素原子を2〜4個有する直鎖状又は分枝鎖状のアルケニル残基を表し、ここで炭素骨格のいずれかの位置における1つの水素原子が、1つのさらなる結合箇所によって置き換えられているため、二価の部分となる。この例には、ビニレン、プロペニレン、ブタ−1−エニレン、又はブタ−2−エニレンが含まれる。

「C6〜C10アリーレン」という用語は、以下で規定するようにアリール基を表し、ここでアリール基のいずれかの位置における1つの水素原子が、1つのさらなる結合箇所によって置き換えられているため、二価の残基となる。多環式アリーレンの場合、結合箇所は同一の環内、又は異なる環内に位置している。アリーレンの例は、フェニレン、例えば1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、又は1,4−フェニレン、又はナフチレンである。

「C7〜C20アラルキル」という用語は、アリール置換されたアルキルを言う。アラルキル基は7〜20個の炭素原子を有し、ここでアリールは以下で規定する通りであり、好ましくはフェニル若しくはナフチルであり、アルキル部分は好ましくは、先に規定のC1〜C4アルキルである。その例は、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、ベンジル、ジフェニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−メチル−1−フェニルエチル、4−フェニルブチル、2,2−ジメチル−2−フェニルエチルであり、特にベンジルである。

「C8〜C20アラルケニル」という用語は、アリール置換されたアルケニルを言う。アラルケニル基は8〜20個の炭素原子を有し、ここでアリールは以下で規定する通りであり、好ましくはフェニル若しくはナフチルであり、アルケニル部分は好ましくは、C2〜C4アルケニルである。その例は、スチリル(2−フェニルビニル)、2,2,−ジフェニルビニル、トリフェニルビニル、シンナミル、1−ナフチルビニル、2−ナフチルビニル、及びフルオレン−9−イリデンメチルであり、特に2,2−ジフェニルビニル、及びトリフェニルビニルである。

「フルオレン−9−イリデンメチル」とは、

であり、前記式中、#は、分子の残部に対する結合点を示す。

「C8〜C20アラルキニル」という用語は、アリール置換されたアルキニル部分を言う。アラルキニル基は8〜20個の炭素原子を有し、ここでアリールは好ましくはフェニル若しくはナフチルであり、アルキニル部分は好ましくはC2〜C4アルキニルであり、例えば2−フェニルエチニルである。

「シクロアルキル」という用語は、単環式又は多環式(例えば単環式、二環式、又は三環式)の脂肪族残基を言い、通常は5〜20個、好ましくは5〜16個、より好ましくは3〜12個、又は3〜8個の炭素原子を有するものである。単環の例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルであり、特にシクロペンチル、及びシクロヘキシルである。多環の例は、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロナフチル、ペルヒドロフルオレニル、ペルヒドロクリセニル、ペルヒドロピセニル、アダマンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.4.0]デシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.1]オクチルなどである。シクロアルキルは、1つ以上のCO基によって、通常は1つ又は2つの基によって中断されていてよい。1つのCO基によって中断されたシクロアルキルの例は、3−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプチルである。置換されたシクロアルキル基は、1つ以上(例えば1個、2個、3個、4個、5個、又は5個超)、同一又は異なる置換基を有することができる。適切な置換基は例えば、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、S(=O)2O-Z+、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、C6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換された無水マレイン酸イル、及び非置換若しくは置換されたマレイミジルであり、ここでR25、R26、及びZ+は、上記規定の通りである。

「シクロアルケニル」という用語は、単環式又は多環式(例えば単環式、二環式、又は三環式)の脂肪族残基を言い、通常は5〜20個、好ましくは5〜16個、より好ましくは3〜12個、又は3〜8個の炭素原子を有し、かつ二重結合を少なくとも1つ、好ましくはいずれかの位置に二重結合を1つするものである。この例に含まれるのは、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどである。シクロアルケニルは、1つ以上のCO基によって、例えば1つ又は2つのCO基によって中断されていてよい。 置換されたシクロアルケニル基は、1つ以上(例えば1個、2個、3個、4個、5個、又は5個超)、同一又は異なる置換基を有することができる。 適切な置換基は例えば、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、S(=O)2O-Z+、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、C6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換された無水マレイン酸イル、及び非置換若しくは置換されたマレイミジルであり、ここでR25、R26、及びZ+は、上記規定の通りである。

ここで使用する「ヘテロシクリル」(ヘテロシクロアルキルとも言われる)という用語は、一般的に3員、4員、5員、6員、7員、又は8員の、特に5員、6員、7員、又は8員の単環式複素環非芳香族残基、及び8員、9員、又は10員の二環式複素環非芳香族残基を含み、単環式、及び二環式の非芳香族残基は、飽和又は不飽和であり得る。単環式及び二環式の複素環非芳香族残基は通常、炭素原子の員環に加えて、N、O、及びSから選択される、1個、2個、3個、又は4個のヘテロ原子、特に1個又は2個のヘテロ原子を員環として有し、ここで員環としてのS原子は、S、SO、又はSO2として存在していてよい。ヘテロシクロアルキルは、1つ以上のCO基によって、例えば1つ又は2つのCO基によって中断されていてよい。 ヘテロシクリルが1つ以上の同一又は異なる残基によって置換されている場合、それは例えば、モノ置換、ジ置換、トリ置換、テトラ置換、又はペンタ置換されている。適切な置換基は、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、S(=O)2O-Z+、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、C6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換された無水マレイン酸イル、及び非置換若しくは置換されたマレイミジルであり、ここでR25、R26、及びZ+は、上記規定の通りである。

飽和若しくは不飽和の3員、4員、5員、6員、7員、又は8員環の複素環残基の例には、飽和若しくは不飽和の非芳香族複素環、例えばオキシラニル、オキセタニル、チエタニル、チエタニル−S−オキシド(S オキソチエタニル)、チエタニル−S−ジオキシド(S−ジオキソチエタニル)、ピロリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピローリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3−ジオキソラニル、ジオキソレニル、チオラニル、S−オキソチオラニル、S−ジオキソチオラニル、ジヒドロチエニル、S−オキソジヒドロチエニル、S−ジオキソジヒドロチエニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1,3−、及び1,4−ジオキサニル、チオピラニル、S−オキソチオピラニル、S−ジオキソチオピラニル、ジヒドロチオピラニル、S−オキソジヒドロチオピラニル、S−ジオキソジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、S−オキソテトラヒドロチオピラニル、S−ジオキソテトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、S−オキソチオモルホリニル、S−ジオキソチオモルホリニル、チアジニルなどが含まれる。縮合したベンゼン環を有する5員〜6員の複素環残基の例は、ジヒドロインドリル、ジヒドロインドリジニル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、クロメニル、及びクロマニルである。員環として1個又は2個のカルボニル基を有する複素環残基の例はまた、ピロリジン−2−オンイル、ピロリジン−2,5−ジオニル、イミダゾリジン−2−オンイル、オキサゾリジン−2−オンイル、チアゾリジン−2−オンイル、3−オキソ−2−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。

「C6〜C20アリール」という用語は、炭素原子数が6〜20の員環を有する単環、二環、又は三環の芳香族炭化水素残基であり、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、ピレニル、インデニルなどであり、特にフェニルである。同様にC6〜C20アリールは好ましくは、ナフチル又はピレニルである。置換されたフェニルは、一回、二回、三回、四回、又は五回置換されている。置換基の数は、同じであるか、又は異なる。二環式又は三環式のアリールは通常、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、又は8個、好ましくは1個、2個、3個、又は4個の同一若しくは異なる置換基によって置換されている。適切な置換基には、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ハロゲン、S−R14、O−R14、CO−OR14、O−CO−R14、O−CO−R14'、NR14R14'、CONR14R14'、NR14−CO−R14'、S(=O)2OR14、及びS(=O)2O-Z+が含まれ、ここでR14'は、R14について上げた意味のいずれかを有し、R14は先に規定の通りであり、R14''は、1つ以上の、例えば2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、10個超の酸素原子によって中断されたC2〜C20アルキルである。C2〜C20アルキルが、酸素原子によって中断されている場合、酸素原子によって中断されたC2〜C20アルキル鎖の構成要素の合計は、鎖中に存在する炭素及び酸素原子の数に等しい。

「C6〜C20フルオロアリール」という用語は、炭素原子数が6〜20の員環を有する単環、二環、又は三環の芳香族炭化水素残基であり、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、ピレニル、インデニルなどであり、特にフェニルであり、ここでこれらの基において幾つかの、又は全ての水素原子が、フッ素によって置き換えられている。

「ヘテロアリール」(ヘタリールとも呼ばれる)という用語には一般的に、5員又は6員の不飽和単環式複素環残基、及び8員、9員、又は10員の不飽和二環式複素環残基が含まれ、これらは芳香族化合物である。ヘタリールは通常、員環としての炭素原子に加えて、員環としてのN、O、及びSから選択されるヘテロ原子を1個、2個、3個、又は4個有する。5員又は6員の複素環芳香族残基の例には、以下のものが含まれる:2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、1−ピローリル、2−ピローリル、3−ピローリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、又は5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、又は5−イソチアゾリル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、2−、又は5−[1,3,4]オキサジアゾリル、4−、又は5−(1,2,3−オキサジアゾル)イル、3−、又は5−(1,2,4−オキサジアゾル)イル、2−、又は5−(1,3,4−チアジアゾル)イル、2−、又は5−(1,3,4−チアジアゾル)イル、4−、又は5−(1,2,3−チアジアゾル)イル、3−、又は5−(1,2,4−チアジアゾル)イル、1H−、2H−、又は3H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,3,4−トリアゾール−2−イル、2H−トリアゾール−3−イル、1H−、2H−、又は4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−、又は2H−テトラゾリル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、及び2−ピラジニル。ヘテロアリールが1つ以上の同一又は異なる残基によって置換されている場合、それは例えば、モノ置換、ジ置換、トリ置換、テトラ置換、又はペンタ置換されている。

「ヘテロアリール」という用語にはまた、N、O、及びSから選択される1個、2個、又は3個のヘテロ原子を員環として有する8員〜10員の複素環芳香族残基が含まれ、ここでは5員又は6員の複素環芳香族環が、フェニル環に、又は5員若しくは6員の複素環芳香族残基に縮合している。フェニル環に、又は5員若しくは6員の複素環芳香族残基に縮合した5員又は6員の複素環芳香族環の例には、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジニル、キノリニル、イソキノリニル、プリニル、1,8−ナフチリジル、プテリジル、ピリド[3,2−d]ピリミジル、又はピリドイミダゾリルなどが含まれる。これらの縮合したヘタリール残基は、5員若しくは6員の複素環芳香環の環原子によって、又は縮合したフェニル部分の炭素原子によって、分子の残分に結合していてよい。

「有機若しくは無機のカチオン当量」という用語は、一価のカチオン、又は一価の正の電荷に相当する多価カチオンの一価部分を言う。カチオンZ+は単に、負に帯電されたスルホネート基の置換基のバランスを取るための対カチオンとして役立ち、原則的には恣意的に選べる。よって、アルカリ金属イオン、特にNa+、K+、又はLi+イオン、アルカリ土類金属カチオンの当量、特にマグネシウムイオン当量(1/2Mg2+)、若しくはカルシウムイオン当量(1/2Ca2+)、又はオニウムイオン、例えばアンモニウム、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、ホスホニウム、テトラアルキルホスホニウム、又はテトラアリールホスホニウムのイオンを使用するのが好ましい。

「及び/又は」、又は「又は/及び」とは、規定の選択肢(置換基)のいずれかが存在する場合のみならず、また規定の選択肢(置換基)がともに存在する場合、すなわち異なる選択肢(置換基)の混合体も意味する。

「少なくとも」とは、1つ、又は1つより多いこと、例えば1つ、2つ、3つ、好ましくは1つから2つを意味する。

「1つ以上の同一又は異なる残基」とは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又は8つ以上の同一若しくは異なる残基を意味する。

以下で述べる式Iの化合物の変項(置換基)、及び指数についての好ましい態様は、それ自体でも、相互の組み合わせでも好ましい。

以下で述べる変項(置換基)、及び指数についての好ましい態様はさらに、本発明による電極層、デバイス、及び式(I)の化合物の使用にも当てはまる。

本発明の特別な態様は、式(I)の化合物で増感させた電極層、この電極層を有する光電変換素子、式(I)の化合物に関し、ここで R17、及びR18は相互に独立して、非置換若しくは置換されたC1〜C20アルキル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルケニル、非置換若しくは置換されたC2〜C20アルキニル、非置換若しくは置換されたC7〜C20アラルキル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルケニル、非置換若しくは置換されたC8〜C20アラルキニル、非置換若しくは置換されたC6〜C20アリール、非置換若しくは置換されたヘテロアリール、非置換若しくは置換されたヘテロシクリル、非置換若しくは置換されたC4〜C20シクロアルキル、非置換若しくはされたC5〜C20シクロアルケニル、及び非置換若しくは置換されたC6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、ここでR14は、水素、C1〜C20アルキル、又はC6〜C10アリールであり、 又は R17とR18、R17とR22、R17とR20、及び/又はR18とR19はともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成する。

本発明のさらなる態様は、式(I)の化合物で増感させた電極層、この電極層を有する光電変換素子、式(I)の化合物に関し、 ここで式(I)の化合物において、Dは式(D.1)及び(D.2)

の残基であり、 前記式中、 *は、分子の残分に対する結合点を示し、 R17及びR18は相互に独立して、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C6〜C20アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 かつ/又はC4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+から選択される置換基を1つ以上有することができ、ここでアリール、アラルキルのアリール部分、アラルケニル、又はアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はシクロアルキニルは、非置換であるか、又はハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、C6〜C20アリール、並びにC1〜C20アルキル、及びOR25、無水マレイン酸イル、及びマレイミジルから選択される置換基を1つ以上有するC6〜C20アリールから選択される置換基を1つ以上有することができ、ここで最後の2つの残基は非置換であるか、又はC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、及びフェニル−NR25R26から選択される置換基を有することができ、 又は R17及びR18は、これらが結合している窒素原子とともに、5員、6員、又は7員の、飽和若しくは不飽和の複素環を形成し、これは員環としてのO、S、及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を1個又は2個有することができ、ここで複素環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx1を有することができ、 ここで Rx1はそれぞれ、非置換のC1〜C20アルキル、又は1つ以上の置換基Rx2を有することができるC1〜C20アルキル、非置換のフェニル、及び1つ以上の置換基Rx3を有することができるフェニルから選択され、隣接する炭素原子に結合した2つの残基Rx1に加えて、これらが結合している炭素原子とともに、4員、5員、6員、又は7員の飽和若しくは不飽和炭素環、又はベンゼン、ナフタレン、アントラセン、及び9H−フルオレンから選択される芳香族環を形成することができ、 ここで炭素環、又は芳香族環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx3を有することができ、 かつ/又は同じ炭素原子に存在する残基Rx1は、C1〜C20アルキリデンであってよく、これは非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx2を有し、 ここでRx2は、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、 NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+から選択され、 Rx3は、C1〜C10アルキル、フルオレン−9−イリデンメチル、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、 NR25R26、CONR25R26、NR25-CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+から選択され、 又は、 R17及びR20は、R17が結合している窒素原子、及びR20及びN−R17が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、これは員環としてのO、S、及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を1個又は2個有することができ、ここで複素環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx4を有することができ、 又は R17及びR22は、R17が結合している窒素原子、及びR22及びN−R17が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、これは員環としてのO、S、及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を1個又は2個有することができ、ここで複素環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx4を有することができ、 かつ/又は R18及びR19は、R18が結合している窒素原子、及びR19及びN−R18が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、非置換若しくは置換された5員、6員、又は7員環を形成し、これは員環としてのO、S、及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を1個又は2個有することができ、ここで複素環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx4を有することができ、 ここで Rx4はそれぞれ、非置換のC1〜C20アルキル、又は1つ以上の置換基Rx5を有することができるC1〜C20アルキル、及び非置換のフェニル、若しくは1つ以上の置換基Rx6を有するフェニルから選択され、 隣接する炭素原子に結合した2つの残基Rx4に加えて、これらが結合している炭素原子とともに、4員、5員、6員、又は7員の飽和若しくは不飽和炭素環、又はベンゼン、ナフタレン、アントラセン、及び9H−フルオレンから選択される芳香族環を形成することができ、ここで炭素環、又は芳香族環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx6を有することができ、 かつ/又は同じ炭素原子に存在する残基Rx4は、C1〜C20アルキリデンであってよく、これは非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx5を有し、 ここで Rx5はそれぞれ、Rx2について挙げた意味のいずれかを有し、 Rx6はそれぞれ、Rx3について挙げた意味のいずれかを有し、ここで隣接する炭素原子に結合した2つの残基Rx6に加えて、これらが結合している炭素原子とともに、ベンゼン、又はナフタレン環を形成することができ、 R15、R16、R19、R20、R21、R22、R23、及びR24は相互に独立して、水素、NR25R26、OR25、SR25、NR25−NR26R27、NR25−OR26、O−CO−R25、O−CO−OR25、O−CO−NR25R26、NR25−CO−R26、NR25−CO−OR26、NR25−CO−OR26、NR25−CO−NR26R27、CO−R25、CO−OR25、CO−NR25R26、CO−SR25、CO−NR25−NR26R27、CO−NR25−OR26、CO−O−CO−R25、CO−O−CO−OR25、CO−O−CO−NR25R26、CO−NR25−CO−R26、CO−NR25−CO−OR26、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C6〜C20アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、及びC6〜C20シクロアルキニルから選択され、ここでアルキルは、中断されていないか、又はO、S、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、ここでアルキル、アラルキルのアルキル部分、アルケニル、アラルケニルのアルケニル部分、アルキニル、及びアラルキニルのアルキニル部分は、C4〜C20シクロアルキル、ハロゲン、S−R14、O−R14、CO−OR14、O−CO−R14、NR14R14'、CONR14R14'、NR14−CO−R14'、S(=O)2OR14、及びS(=O)2O-Z+から選択される置換基を有することができ、 ここでアリール、アラルキルのアリール部分、アラルケニル、及びアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルは、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ハロゲン、S−R14、O−R14、CO−OR14、O−CO−R14、O−CO−R14'、NR14R14'、CONR14R14'、NR14−CO−R14'、S(=O)2OR14、及びS(=O)2O-Z+から選択される置換基を1つ以上有することができ、 R14'、は、R14について挙げた意味のいずれかを有し、R14、R25、R26、及びZは、先に規定の通りである。

この態様の特別な態様によればDは、式D.1及びD.2の残基から選択される残基であり、 R17及びR18は独立して、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C6〜C20アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニルから選択され、 ここでアラルキル、アラルケニル、又はアラルキニルにおけるアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは脂肪族部分は、中断されていないか、又はO、S、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、かつ/又はC4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+から選択される置換基を1つ以上有することができ、 ここでアリール、アラルキルのアリール部分、アラルケニル、又はアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はシクロアルキニルは、非置換であるか、又はハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、NR25R26、CONR25R26、NR25−CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C20アラルキニル、C4〜C20シクロアルキル、C5〜C20シクロアルケニル、C6〜C20シクロアルキニル、ヘテロシクリル、C6〜C20アリール、並びにC1〜C20アルキル、及びOR25、無水マレイン酸イル、及びマレイミジルから選択される置換基を1つ以上有するC6〜C20アリールから選択される置換基を1つ以上有することができ、ここで最後の2つの残基は非置換であるか、又はC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、及びフェニル−NR25R26から選択される置換基を有することができ、 又は R17及びR18は、これらが結合している窒素原子とともに、5員、6員、又は7員の、飽和若しくは不飽和の複素環を形成し、これは員環としてのO、S、及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を1個又は2個有するものであり、ここで複素環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx1を有することができ、 ここで Rx1はそれぞれ、非置換のC1〜C20アルキル、又は1つ以上の置換基Rx2を有することができるC1〜C20アルキル、非置換のフェニル、及び1つ以上の置換基Rx3を有することができるフェニルから選択され、隣接する炭素原子に結合した2つの残基Rx1に加えて、これらが結合している炭素原子とともに、4員、5員、6員、又は7員の飽和若しくは不飽和炭素環、又はベンゼン、ナフタレン、アントラセン、及び9H−フルオレンから選択される芳香族環を形成することができ、 ここで炭素環、又は芳香族環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx3を有することができ、 かつ/又は同じ炭素原子に存在する残基Rx1は、C1〜C20アルキリデンであってよく、これは非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx2を有し、 ここでRx2は、ハロゲン、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、 NR25R26、CONR25R26、NR25-CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+から選択され、 Rx3は、C1〜C10アルキル、ハロゲン、フルオレン−9−イリデンメチル、S−R25、O−R25、CO−OR25、O−CO−R25、 NR25R26、CONR25R26、NR25-CO−R26、S(=O)2OR25、及びS(=O)2O-Z+から選択され、 又は R17とR22、R17とR20、及び/又はR18とR19は、これらが結合している窒素原子とともに、5員、6員、又は7員の、飽和若しくは不飽和の複素環を形成し、これは員環としてのO、S、及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を1個又は2個有することができ、ここで複素環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx4を有することができ、 Rx4はそれぞれ、非置換のC1〜C20アルキル、又は1つ以上の置換基Rx5を有するC1〜C20アルキル、及び非置換のフェニル、若しくは1つ以上の置換基Rx6を有するフェニルから選択され、 隣接する炭素原子に結合した2つの残基Rx4に加えて、これらが結合している炭素原子とともに、4員、5員、6員、又は7員の飽和若しくは不飽和炭素環、又はベンゼン、ナフタレン、アントラセン、及び9H−フルオレンから選択される芳香族環を形成することができ、ここで炭素環、又は芳香族環は非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx6を有することができ、 かつ/又は同じ炭素原子に存在する2つの残基Rx4は、C1〜C20アルキリデンであってよく、これは非置換であるか、又は1つ以上の置換基Rx5を有し、 ここで Rx5はそれぞれ、Rx2について挙げた意味のいずれかを有し、 Rx6はそれぞれ、Rx3について挙げた意味のいずれかを有する。

この態様の特別な実施によれば、D.1は、式D.1−a、D.1−b、D.1−c、D.1−c、D.1−d、D.1−e、D.1−f、D.1−g、D.1−h、D.1−i、D.1−k、D.1−l、D.1−m、D.1−n、D.1−o、D.1−p、D.1−q、D.1−r、及びD.1−sの残基から選択肢、好ましくはD.1−aの残基である:

前記式中、 *は、分子の残分に対する結合点であり、 R15及びR21は、前述の意味のいずれか、特に好ましい意味を有し、 R17、R18、R19、及びR20は、存在する場合には、前述の意味のいずれか、特に好ましい意味を有し、 Rx4は、先に規定の通りであり、 Rx4aは、水素であるか、又はRx4について挙げた意味のいずれかを有し、 aは0、1、2、3、4、5、6、7、又は8である。

この態様のさらに特別な実施によれば、D1は、式D.1−t、D.1−u、D.1−v、D.1−w、D.1−x、D.1−y、及びD.1−zの残基から選択する:

前記式中、 *は、分子の残分に対する結合点であり、 R15、R19、R20、及びR21は、前述の意味のいずれか、特に好ましい意味を有し、 Rx1は、先に規定の通りであり、 Rx1aは、水素であるか、又はRx1について挙げた意味のいずれかを有し、 bは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。

この態様のさらに特別な実施によれば、D.2は、式D.2−a、D.2−b、D.2−c、D.2−d、D.2−e、D.2−f、D.2−g、D.2−h、D.2−iの残基から選択する:

前記式中、 R16、R18、R23、及びR24は、前述の意味のいずれか、特に好ましい意味を有し、 Rx4は、先に規定の通りであり、 Rx4aは、水素であるか、又はRx4について挙げた意味のいずれかを有し、 aは0、1、2、3、4、5、又は6である。

この態様のさらなる特別な実施によれば、D.2は、式D.2−a、D.2−b、D.2−c、D.2−d、D.2−e、D.2−f、D.2−g、D.2−h、D.2−i、D.2−k、D.2−l、D.2−m、D.2−n、D.2−o、D.2−p、及びD.2−qの残基から選択する:

ここで R16、R22、R23、及びR24は、前述の意味のいずれか、特に好ましい意味を有し、 Rx1は、先に規定の通りであり、 Rx1aは、水素であるか、又はRx1について挙げた意味のいずれかを有し、 bは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。

この態様の特別な実施によれば、R17及びR18は相互に独立して、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C6〜C20アリール、ヘテロアリール、C7〜C20アラルキル、C8〜C20アラルケニル、C8〜C10アラルキニル、及びC5〜C12シクロアルキルから選択され、ここでアルキル、又はアルケニルは非置換であるか、又はテトロヒドロフラニル、ハロゲン、S−R14、O−R14、CO−OR14、O−CO−R14、NR14R14'、CONR14R14'、及びNR14CO−R14'から選択される1個、2個、又は3個の置換基を有することができ、ここでアリール、ヘテロアリール、アラルキルのアリール部分、アラルケニル、及びアラルキニル、及びシクロアルキルは非置換であるか、又はC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、及びC8〜C20アラルケニルから選択される置換基を有していてよく、 R17及びR20は、R17が結合している窒素原子、及びR20及びN−R17が結合しているベンゼン環の炭素原子とともに、5員、6員、又は7員の飽和若しくは不飽和複素環を形成し、これは員環としてのO、S、及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を1個有することができ、ここで複素環は非置換であるか、又はC1〜C20アルキル及びフェニルから選択される置換基Rx4を1つ以上有することができ、 隣接する炭素原子に結合した2つの残基Rx4に加えて、これらが結合している炭素原子とともに、4員、5員、6員、又は7員の飽和若しくは不飽和炭素環、又はベンゼン、及び9H−フルオレンから選択される芳香族環を形成することができ、かつ炭素環、又は芳香族環は非置換であるか、又はC1〜C6アルキル、及びフルオレン−9−イリデンメチルから選択される置換基を1つ以上有することができ、かつ/又は同じ炭素原子に存在する2つの残基Rx4は、C1〜C20アルキリデンであってよく、 R15は水素、NR25R26、OR25、OR25、O−CO−R25、及びNR25−CO−R26から選択され、R19、R20、及びR21は水素であり、ここでR14'は、R14について挙げた意味のいずれかを有し、R14、R25、R26、R27、及びZは、先に規定の通りである。

この態様のさらに特別な態様によればDは、式D.1の残基である。特にDは、D.1の残基であり、ここで R17及びR18は相互に独立して、C1〜C8アルキル、非置換のフェニル、又はC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシ、2−フェニルビニル、2,2−ジフェニルビニル、及びトリフェニルビニルから選択される置換基を1個若しくは2個有するフェニル、9H−フルオレン−2−イル、これは非置換であるか、又はC1〜C6アルキル、及びピレニル(非置換であるか、又はC1〜C6アルキルから選択される置換基を1個又は2個有する)から選択される置換基1個、2個、又は3個を有し、 又は、 R17及びR18はこれらが結合している窒素原子とともに、モルホリニルを形成し、又は R17及びR20は、R17が結合している窒素原子、及びR20及びN−R17が結合しているベンゼン環の炭素原子ととともに、5員又は6員の窒素複素環を形成し、この窒素複素環は非置換であるか、又は2つの残基Rx4を有し、ここで隣接する炭素原子にある2つの残基Rx4は、これらが結合している炭素原子とともに、4員、5員、6員、又は7員の飽和感又はベンゼン環を形成し、 R15は水素、C1〜C20アルキル、又はOR25であり、ここでR25は、先に規定の通りであり、R25は好ましくは、C1〜C14アルキルであり、 R19、R20、及びR21はそれぞれ、水素である。

この態様のさらなる別の実施によれば、Dは式D.1の残基であり、ここでR17及びR18は、これらが結合している窒素原子とともに、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、又はイミダゾリジニルである。

この態様のさらに特別な実施によれば、Dは式D.1の残基であり、ここでR15、R19、R20、及びR21はそれぞれ水素であり、R17及びR18は相互に独立して、C1〜C6アルキルである。

この態様のさらなる特別な実施によれば、Dは、式D1−1及びD1−2の残基から選択される式D.1の残基であり、

前記式中、 *は、分子の残分に対する結合点を示し、 R18は、2−フェニルビニル、又は2,2−ジフェニルビニル、9H−フルオレン−2−イル、又は9,9−ジ(C1〜C8アルキル)−9H−フルオレン−2−イルで置換されたフェニルである。

R18はとりわけ、2−フェニルビニル、及び2,2−ジフェニルビニルから選択される残基を4位に1個有するフェニルであるか、又はR18は、9H−フルオレン−2−イル、9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル、9,9−ジエチル−9H−フルオレン−2−イル、9,9−ジ(n−プロピル)−9H−フルオレン−2−イル、又は9,9ジ(n−ブチル)−9H−フルオレン−2−イルである。

適切なドナーDの例は、以下のものである:

さらなる適切なドナーDは、以下のものである:

特に好ましいドナーDは、

である。

本発明の特別な態様は、式(I)の化合物で増感させた電極層、この電極層を有する光電変換素子、式(I)の化合物に関し、ここで式(I)の化合物においてAは、式A.1.1a、A.1.1b、A.2.A.3、A.4、及びA.5の残基から選択され:

前記式中、 #は、式Iの残存化合物に対する結合を示し、 Y-、R29、R30、R31、R32、R33、R34、及びR35は、先に規定の通りである。

この態様のさらに特別な態様によればAは、式A.1.1a、A.1.1b、A.2.A.3、又はA.4の残基であり: 前記式中、 R29は、残基G、中断されていないC1〜C20アルキル、O、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されたC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、ヘテロアリール、C7〜C20アラルキル、1個、2個、若しくは3個のC1〜C8アルキルにより置換されたC6〜C20アリール、及びC7〜C20アラルキルであり、ここでアラルキルのアリール部分は、1個、2個、又は3個のC1〜C8アルキルにより置換されており、 R30は、残基G、水素、中断されていないC1〜C20アルキル、O、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されたC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、ヘテロアリール、及びC6〜C20アリールであり、ここでアラルキルのアリール部分は、1個、2個、又は3個のC1〜C8アルキルにより置換されており、 R31は、水素、及び式D*の残基から選択されており:

ここで#*は、分子の残分に対する結合点を示し、mは1、2、3、4、5、又は6であり、D、R1、及びR2は、先に規定の通りであり、 R32、R33、R34、及びR35は相互に独立して、水素であるか、又は中断されていないC1〜C20アルキル、O、S、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されたC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、ヘテロアリール、及びC6〜C20アリールから選択され、ここでアラルキルのアリール部分は、1個、2個、又は3個のC1〜C8アルキルにより置換されており、 Gは、−R28−COOH、−R28−COO-Z+、−R28−SO3H、−R28−SO3−Z+、−R28−OP(O)(O-Z+)2、−R28−OP(O)(OH)2、及び−R28−OP(O)(OH)O−Z+であり、ここでR28は、直接結合、C1〜C20アルキレン、C2〜C4アルケニレン、又はC6〜C10アリーレンであり、Z+は、N(R14)4+、又はアルカリ金属カチオンであり、ここでR14は、先に規定の通りであり、 Y-は、先に規定の通りである。

この態様の特別な実施によれば、R29は残基G、C1〜C8アルキル、又はO、S、CO、及びNR14から選択されるヘテロ原子若しくはヘテロ原子基1個、又は2個により中断されたC1〜C8アルキルであり、特に残基Gであり、 R30は水素、残基G、C1〜C8アルキル、又はO、S、CO、及びNR14から選択されるヘテロ原子若しくはヘテロ原子基1個、又は2個により中断されたC1〜C8アルキルであり、 R31は水素であり、 R32、R33、R34、及びR35は相互に独立して、水素、C1〜C8アルキル、並びにO、S、及びNR14から選択されるヘテロ原子1個又は2個で中断されたC1〜C8アルキルから選択され、 Gは、−R28−COOH、又は−R28−COO-Z+であり、ここでR28は、直接結合、C1〜C10アルキレン、C2〜C4アルケニレン、又はC6〜C10アリーレンであり、Z+は、アルカリ金属カチオン、例えばNa+、K+、Li+、又はRb+、又はN(R14)4+であり、R14はそれぞれ、相互に独立して、水素、フェニル、及びC1〜C20アルキルから選択され、ここで2つの置換基R14は任意で環を形成し、Y-は、先に規定の通りであるか、又は以下の好ましい意味を有する。

この態様のさらに特別な態様によればAは、式A.1.1aの残基である。この態様のさらなる特別な実施によれば、Aは式A.1.1aの残基であり、ここでR30、R31、R32、R33、R34、及びR35はそれぞれ水素であり、R29は、残基Gである。

この態様のさらに特別な態様によればAは、式A.1.1aの残基であり、

前記式中、 #は、分子の残分に対する結合点を示し、 R29は、−R28−CONH−OHであり、 ここでR28は直接結合、C1〜C4アルキレン、C2〜C4アルケニレン、又はフェニレンであり、 Y-は先に規定の通りであり、好ましい意味のいずれかを有するのが好ましい。

この態様のさらに特別な態様によればAは、式A.1.1.aの残基であり、

前記式中、 #は、分子の残分に対する結合点を示し、 R29は、−R28−COOH、又は−R28−COO-Z+であり、 ここでR28は直接結合、C1〜C4アルキレン、C2〜C4アルケニレン、又はフェニレンであり、Z+は、N(R14)4+、Li+、Na+、又はK+であり、 R14は、水素、又はC1〜C20アルキルであり、 Y-は先に規定の通りであり、好ましい意味のいずれかを有するのが好ましい。

好ましいアクセプターAの例は、以下のものであり:

前記式中、#は、分子の残分に対する結合点を示し、Y-は先に規定の通りであり、好ましい意味のいずれかを有するのが好ましい。

特に、式A.1.1aの残基においてR28は、C1〜C4アルキレンであり、特に−CH2−、又は−CH2−CH2−である。R29は特に、R28−COOHであり、R28はC1〜C2アルキレンであり、Y-は先に規定の通りであり、好ましい意味のいずれかを有するのが好ましい。

本発明の好ましい態様は、式(I)の化合物で増感させた電極層、この電極層を有する光電変換素子、式(I)の化合物、及びこの化合物の使用に関し、ここで式(I)の化合物においてY-は、共役π(パイ)電子系をもたらすアニオンである。

共役π(パイ)電子系とは、単結合と多結合が交互にある化合物において非局在化された電子と結合されたp軌道の系であり、これは一般的には、分子のエネルギー全体を低下させ、安定性を向上させることができる。孤立電子対、残基、又はカルベニウムイオンは、系の一部であり得る。各化合物は、環状であるか、又は非環状であり得る。

共役π(パイ)電子系をもたらす好ましいアニオンY-は、以下の通りである:

本発明の別の好ましい態様は、式(I)の化合物で増感させた電極層、この電極層を有する光電変換素子、式(I)の化合物、及びこの化合物の使用に関し、ここで式(I)の化合物においてY-は、金属錯体アニオンである。

金属錯体アニオンは、1つ以上の金属カチオンを有するアニオンであり、好ましくは1つ以上の遷移金属カチオンと、1つ以上の配位子を有する。1つ以上の遷移金属カチオンは好ましくは、Ru、Pt、Ir、Rh、Re、Os、Fe、W、Cr、Mo、Ni、Co、Mn、Zn、Cu、及びこれらの組み合わせから、より好ましくはRu、Os、Fe、及びこれらの組み合わせから選択され、最も好ましくはRuである。

1つ以上の配位子は、カチオン配位子、アニオン配位子、中性配位子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、こうして生じる金属錯体アニオンは、負の電荷を有する。

好ましい金属錯体アニオンは、以下の式によって記載される:

本発明のさらなる好ましい態様は、式(I)の化合物で増感させた電極層、この電極層を有する光電変換素子、式(I)の化合物、及びこの化合物の使用に関し、ここで式(I)の化合物においてY-は、以下の群から選択される部分を有するアニオンである: −SO3-、−COO-、−O−S(=O)2O-、−P(=O)(OH)(O-)、−P(=O)(OH)(O-)、及び−SCN-

本発明のさらなる好ましい態様は、式(I)の化合物で増感させた電極層、この電極層を有する光電変換素子、式(I)の化合物、及びこの化合物の使用に関し、ここで式(I)の化合物においてY-は、式(II)のアニオンであり:

前記式中、 A1は、共役π(パイ)電子系をもたらす基であり、 A2は、炭素原子数が1〜24の非置換アルキル鎖、又は置換基を含めて炭素原子数が1〜24の置換されたアルキル鎖であり、ここで前記アルキル若しくは置換されたアルキル鎖中には任意で、1つ以上の官能基、特に1つ以上のエステル基が、各炭素原子の間に位置しており、 E-は、−SO3-、−COO-、−O−S(=O)2O-、−P(=O)(OH)(O-)、−P(=O)(OH)(O-)からなる群から選択される。

本発明の好ましい態様は、式(I)の化合物で増感させた電極層、この電極層を有する光電変換素子、式(I)の化合物、及びこの化合物の使用に関し、ここで式(I)の化合物においてY-は、式(III)のアニオンであり:

前記式中、 x、yは相互に独立して、0及び1から成る群から選択され、 zは独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、及び9から成る群から選択され、 R1は請求項1で規定した通りであるが、ただし、R1のうち少なくとも1つは、 ・非置換のC1〜C20アルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・置換されたC1〜C20アルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・非置換のC1〜C20シクロアルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・置換されたC1〜C20シクロアルキル、ここでアルキルは中断されていないか、又はO、S、CO、NR14、若しくはこれらの組み合わせによって中断されており、 ・非置換のC6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリール、非置換のC6〜C20ヘテロアリール、置換されたC6〜C20ヘテロアリール からなる群から選択され、 R2は相互に独立して、H、NO2、CN、COR’、COOR’、SO2R’、及びSO3R’から成る群から選択され、 ここでR’はそれぞれ独立して、非置換のアリール、置換されたアリール、炭素原子数が1〜10の非置換アルキル、置換基を含めて炭素原子数が1〜10の置換されたアルキル、炭素原子数が5〜7の非置換シクロアルキル、置換基を含めて炭素原子数が5〜10の置換されたシクロアルキルから成る群から選択され、ここで前記アルキル基又はシクロアルキル基中には、1個の酸素原子、又は2個の隣接しない酸素原子が、各炭素原子の間に挿入されていてよく、 R3及びR4は相互に独立して、H、F、Cl、Br、及びIから成る群から選択される。

本発明の好ましい態様によれば、式(III)において1つ以上のR1が、1つ以上のさらなる芳香族環と縮合しているか、又は1つ以上のさらなる芳香族環若しくは複素環芳香族環と、1つの原子を介して、若しくは単結合を介して結合しており、ここで1つ以上のさらなる芳香族環又は複素環芳香族環はそれぞれ相互に独立して、非置換であるか、又は置換されている。

式(I)の好ましい化合物は、以下のものである:

式(I)の化合物は、以下で説明するように、又は実験部で説明するように、相応するカルボニル化合物と、キノリニウム塩、イソキノリニウム塩、ピリジニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、インドリウム塩、アクリジニウム塩、又はベンゾオキサゾリウム塩とを縮合させることにより製造できる。

図式1は、式(I)の化合物の製造を表し、ここでnは0又は1である。

図式1において、D、A、R1、R2、及びnは、先に規定の通りである。

例えば、第四級塩(III)と、カルボニル化合物(II)又は(IIa)とを反応させる反応条件は、ピペリジン又はピロリジンの存在下でのエタノール中での還流(例えばJ. Chem. Soc. 1961, 5074, Dyes & Pigments 2003, 58, 227参照)、又は無水酢酸における加熱(例えばIndian J. Chem. 1968, 6, 235.)、又は酢酸アンモニウムの存在下での酢酸における加熱である。

縮合反応の後、対アニオンは、無機アニオン(例えば臭化物イオン)から、対アニオン交換反応によって置き換えることができる。

縮合の前に、基Gは保護されていてよい。それから縮合反応の後、保護基を取り除くことができる。COOH又はCOO-Z+を有する基Gは、例えばt−ブチル基によって保護できる。それから縮合反応の後に、COO−t−ブチル基は、COOH又はCOO-Z+へと変換できる。

式(I)の化合物はまた、相応するキノリン、イソキノリン、ピリジン、ベンゾチアゾール、インドール、アクリジン、又はベンゾオキサゾールの誘導体と、カルボニル化合物との縮合、続いて相応するキノリニウム、イソキノリニウム、ピリジニウム、ベンゾチアゾリウム、インドリウム、アクリジニウム、又はベンゾオキサゾリウムの塩へと四級化することによって製造することができる。

出発材料は例えば、市販品の一部であるか、又は当業者に公知の方法に従って得ることができる。

酸化物半導体の微粒子は例えば、TiO2、SnO2、WO3、ZnO、Nb2O5、Fe2O3、ZrO2、MgO、WO3、ZnO、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、又はこれらの組み合わせから作製されている。酸化物半導体の微粒子は好ましくは、TiO2から作製されている。

本発明の特定の態様によれば、電極層は唯一の色素として、式(I)の色素、又は式(I)の色素の混合物を含有する。

式(I)の色素、及び1種以上のさらなる色素で増感された半導体微粒子から作製された多孔質フィルムが好ましい。

さらなる色素の例は、金属錯体色素(好ましくはRu、Pt、Ir、Rh、Re、Os、Fe、W、Cr、Mo、Ni、Co、Mn、Zn、又はCu、より好ましくはRu、Os、又はFeであり、最も好ましくはRu)、及び/又はインドリン、クマリン、シアニン、メロシアニン、ヘミシアニン、メチン、アゾ、キノン、キノンイミン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、スクアライン、トリフェニルメタン、ペリレン、インディゴ、キサンテン、エオシン、ローダミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される有機色素である。さらなる色素としては、メチン色素が好ましい。

存在する場合には、さらなる色素対、式(I)の色素のモル比は通常、1:19から19:1、好ましくは1:9から9:1、より好ましくは1:5から5:1、最も好ましくは1:3から3:1である。

色素は例えば、添加剤とともに、好ましくは補助吸着剤とともに吸着されている。

このような添加剤の例は、ステロイド(好ましくはデオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム塩、又はこれらの組み合わせ)、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレーン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキサム酸、ヒドロキサム酸誘導体、及びこれらの組み合わせから成る群から、特にヒドロキサム酸、及びヒドロキサム酸誘導体から成る群から選択される補助吸着剤である。

このような添加剤対、式(I)の色素のモル比は通常、1000:1から1:100、好ましくは100:1から1:10、最も好ましくは10:1から1:2である。

例えば、このような添加剤は、色素ではない。

本発明はまた、ここで規定した電極層を有する光電変換デバイスに関する。

このような光電変換デバイスは通常、以下の(a)〜(e)を有する: (a)導電性透明電極基材層、 (b)下記(c)により増感された酸化物半導体の微粒子から作製された多孔質フィルムを有する電極層、 (c)式(I)の色素、 (d)対電極層、及び、 (e)電極層(例えば、作用電極層bと、対電極層dとの間に充填されたもの)。

成分(c)はまた、式(I)の色素と、1つ以上のさらなる色素との組み合わせであり得る。

導電性透明電極基材層(a)は好ましくは、以下のものを有する(例えばこれらから成る): (a−1)透明な絶縁層、及び (a−2)透明な導電層。

透明な導電層(a−2)は通常、透明な絶縁層(a−1)と、電極層(b)との間にある。

透明な絶縁層(a−1)の例には、ソーダガラス、融解石英ガラス、結晶石英ガラス、合成石英ガラス;耐熱性樹脂、例えば可撓性フィルム;金属シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)から作製される透明なプラスチックシート;研磨されたセラミックプレート、例えば二酸化チタン、又はアルミナが含まれる。

透明な電極層(a−2)の例は、導電性金属酸化物、例えばITO(スズを添加した酸化インジウム)、IZO(亜鉛を添加した酸化インジウム)、FTO(フッ素ドープした酸化スズ)、ホウ素、ガリウム、若しくはアルミニウムをドープした酸化亜鉛、及びニオブをドープした酸化チタンである。透明な電極層(a−2)の厚さは通常、0.1〜5μm(μメーター)である。表面抵抗は通常、40オーム/sq未満であり、好ましくは20オーム/sq未満である。

透明な導電層(a−2)の導電性を改善させるため、その上に金属配線層を形成することができ、これは例えば銀、白金、アルミニウム、ニッケル、又はチタンから作製される。金属配線層の面積比は一般的に、導電性透明電極基材層(a)の透光性を著しく減少させない範囲にある。このような金属配線層を用いる場合、金属配線層は、格子状、ストリップ状、又は櫛形のパターンであり得る。

電極層(b)は通常、導電性の透明な電極基材層(a)と、電極層(e)との間にある。

電極層(b)の酸化物半導体微粒子の多孔質フィルムは、熱水的な方法、ゾル/ゲル法、又は気相における高温加水分解によって作製することができる。微粒子は通常、平均粒径が1nm〜1000nmである。大きさが異なる粒子を混合することができ、単層、又は多層の多孔質フィルムとして使用できる。酸化物半導体層(b)の多孔質フィルムは通常、厚さが0.5〜50μm(マイクロメーター)である。

所望の場合には、電極層(b)の性能を改善させるために、電極層(b)にブロック層を(通常は電極層(b)と色素(c)との間に)、及び/又は電極層(b)と導電性透明電極基材層(a)との間に、形成することができる。ブロック層を作製するためには例えば、電極層(b)を金属アルコキシド(例えばチタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、及びチタンブトキシド)、塩化物(例えば塩化チタン、塩化スズ、及び塩化亜鉛)、窒化物(窒化チタン、窒化スズ、窒化亜鉛)、硫化物(硫化チタン、硫化スズ、硫化亜鉛)の溶液中に浸し、それから基材を乾燥又は焼結させる。ブロック層は例えば、金属酸化物(例えばTiO2、SiO2、Al2O3、ZrO2、MgO、SnO2、ZnO、Eu2O3、及びNb2O5、又はこれらの組み合わせ)、又はポリマー(例えばポリ(フェニレンオキシド−コ−2−アリルフェニレンオキシド)、又はポリ(メチルシロキサン))から作製される。このような層の作製の詳細については例えば、Electrochimica Acta, 1995, 40, 643; J. Phys. Chem. B, 2003, 107, 14394; J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 475; Chem. Lett, 2006, 35, 252; J. Phys. Chem. B, 2006, 110, 19191; J. Phys. Chem. B, 2001, 105, 1422に記載されている。ブロック層は、不所望の反応を防止するために適用してよい。このブロック層は通常、稠密で圧密であり、通常は電極層(b)よりも薄い。

対電極層(d)は好ましくは、以下のものを有する(例えばこれらから成る): (d−1)導電層、及び (d−2)絶縁層。

導電層(d−1)は通常、絶縁層(d−2)と、電極層(e)との間にある。

導電層(d−1)は例えば、導電性炭素(例えば黒鉛、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維、グラフェン、又はカーボンブラック)、導電性金属(例えば金若しくは白金)、金属酸化物(例えばITO(スズを添加した酸化スズインジウム)、IZO(亜鉛を添加した酸化インジウム)、FTO(フッ素ドープした酸化スズ)、ホウ素、ガリウム、若しくはアルミニウムでドープした酸化亜鉛、及びニオブドープした酸化チタン)、又はこれらの混合物を含有する。

さらに導電層(d−1)は、白金、炭素などの層(一般的には厚さが0.5〜2,000nmのもの)を、導電性酸化物半導体(例えばITO、FTOなど)の薄膜上に(一般的に厚さ0.1〜5μm(マイクロメーター)で)、作製することによって得られる。白金、炭素などの層は通常、電極層(e)、及び絶縁層(d−2)の間にある。

絶縁層(d−2)の例には、ソーダガラス、融解石英ガラス、結晶石英ガラス、合成石英ガラス;耐熱性樹脂、例えば可撓性フィルム;金属シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)から作製される透明なプラスチックシート;研磨されたセラミックプレート、例えば二酸化チタン、又はアルミナが含まれる。

色素(c)は通常、電極層(b)上に配置されており、電極層(b)の表面で、電極層(e)に面している。

色素(c)を電極層(b)に吸着させるため、電極層(b)を色素の溶液又は分散液に浸すことができる。色素溶液又は色素分散液の濃度は特に制限されないが、1μm(マイクロモル)〜1M、好ましくは10μm(マイクロモル)〜0.1Mであるのが好ましい。色素吸着の時間は、好ましくは10秒〜1000時間以下、より好ましくは1分〜200時間以下、最も好ましくは1〜10時間である。色素吸着のための温度は好ましくは、室温〜溶媒若しくは分散液の沸点である。この吸着は、ディップコート、浸漬、又は撹拌を伴う浸漬で行うことができる。撹拌法としては、撹拌機、超音波分散、ボールミル、塗料調製機、サンドミルなどが用いられ、撹拌法はこれらに限定されない。

色素(c)を溶解又は分散させるための溶媒に含まれるのは、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、及びプロピレングリコール、エーテル溶媒、例えばジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールメチルエーテル、ケトン溶媒、例えばアセトン、アミド溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、 及びN−メチルピロリドン、ニトリル溶媒、例えばアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、及びベンゾニトリル、カーボネート溶媒、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びジエチルカーボネート、複素環式化合物、例えば3−メチル−2−オキサゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及びγ−ブチロラクトン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、ブロモホルム、ブロモベンゼン、ヨウ化メチル、ヨードベンゼン、及びフルオロベンゼン、及び炭化水素溶媒、例えばベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,5−ヘキサジエン、及びシクロヘキサジエンである。これらは単独で、又は2種以上の溶媒を含有する混合物の形態で使用できる。溶媒としては超臨界溶媒、例えば超臨界二酸化炭素も使用できる。

色素(c)としては、式(I)の色素を単独で、又は1種以上のさらなる色素と組み合わせて、電極層(b)に吸着させることができる。ともに吸着される色素は、式(I)の色素に限られない。2種以上の色素は、1種ずつ、又は全て一緒に溶媒中に色素を溶解させることによって、電極層(b)に吸着させることができる。光の波長の広い範囲を吸収し、高い電流を発生させるために、異なる波長において異なる吸収ピークを有する色素を用いることが好ましい。電極層(b)に吸着させた2種以上の色素の比は制限されないが、各色素は好ましくは、10%超のモル比である。

色素(c)を吸着させるため、添加剤を組み合わせて使用してよい。添加剤は、色素の吸収性を制御するための機能を有すると考えられる何らかの薬剤であり得る。この添加剤には、縮合剤、例えばチオール化合物若しくはヒドロキシ化合物、及び補助吸着剤が含まれる。これらは単独で、又は混合物で使用できる。添加剤に対する色素のモル比は、好ましくは0.01〜1,000、より好ましくは0.1〜100である。

例えば、色素を吸着させた電極層は、アミン、例えば4−t−ブチルピリジンで処理することができる。処理法としては、色素で増感させた電極層を、アミン溶液(アセトニトリル若しくはエタノール等の溶媒で希釈されていてよい)に浸すことができる。

上記のようにして、本発明の電極層が得られる。

電極層(e)が溶液、半固体、又は固体の状態である場合、電極層(e)は通常、以下のものを有する: (e−1)電解質化合物 (e−2)溶媒、及び/又はイオン性液体、及び 好ましくは、(e−3)その他の添加剤。

電解質化合物(e−1)の例には、金属ヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、若しくはヨウ化カルシウム)と、ヨウ素との組み合わせ、第四級アンモニウムヨージド(例えばテトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジウムヨージド、若しくはイミダゾリウムヨージド)と、ヨウ素との組み合わせ、金属臭化物(例えば臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、若しくは臭化カルシウム)と、臭素との組み合わせ、第四級アンモニウムブロミド(例えばテトラアルキルアンモニウムブロミド、又はピリジニウムブロミド)と、臭素との組み合わせ、金属錯体、例えばフェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、又はフェロセン−フェリシニウムイオン、硫黄化合物、例えば多硫化ナトリウム、及びアルキルチオールアルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン、並びにニトロキシド残基、例えば2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)、及びオキソアンモニウム塩の組み合わせである。酸化剤(例えばNOBF4)を添加することによりニトロキシド残基をオキソアンモニウム塩へとその場で部分的に変換することによって、電解質化合物(e−1)を作製することができる。

前述の電解質化合物(e−1)は、単独で、又は混合物の形で使用できる。電解質化合物(e−1)としては、室温で溶融状態の溶融塩が使用できる。このような溶融塩を使用する場合には特に、溶媒を使用する必要が無い。

電解質溶液における電解質化合物(e−1)の濃度は、好ましくは0.05〜20M、より好ましくは0.1〜15Mである。

溶媒(e−2)は例えば、ニトリル溶媒、例えばアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、及びベンゾニトリル、カーボネート溶媒、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びジエチルカーボネート、アルコール溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、及びプロピレングリコール、エーテル溶媒、例えばジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールメチルエーテル、水、ケトン溶媒、例えばアセトン、アミド溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン、複素環式化合物、例えば3−メチル−2−オキサゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及びγ−ブチロラクトン、ハロゲン化炭化水素溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、ブロモホルム、ブロモベンゼン、ヨウ化メチル、インドベンゼン、及びフルオロベンゼン、及び炭化水素溶媒、例えばベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,5−ヘキサジエン、及びシクロヘキサジエン、又は上記溶媒の組み合わせであり、イオン性液体は、第四級アンモニウム塩、第四級ピリジニウム塩、第四級アンモニウム塩、又はこれらの組み合わせであり、塩のアニオンは好ましくは、BF4-、PF6-、F(HF)2-、F(HF)3-、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[(CF3SO2)2N-]、N(CN)2-、C(CN)3-、B(CN)4-、SCN-、SeCN-、I-、IO3-、又はこれらの組み合わせである。

光電変換デバイスは例えば、溶媒を含有する(例えばイオン液体無しで)。光電変換デバイスは例えば、イオン性液体を含有する(例えば溶媒無しで)。

さらなる添加剤(e−3)の例は、リチウム塩、(特に0.05〜2.0M、好ましくは0.1〜0.7M)(例えばLiClO4、LiSO3CF3、又はLi(CF3SO2)N);ピリジン(特に0.005〜2.0M、好ましくは0.02〜0.7M)(例えばピリジン、t−ブチルピリジン、又はポリビニルピリジン)、ゲル化剤(成分e)の質量に対して、特に0.1〜50質量%、好ましくは1.0〜10質量%)(例えばポリビニリデンフルオリド、ポリビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロポリマーのコポリマー、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体、又はアミノ酸誘導体)、ナノ粒子(成分e)の質量に対して特に0.1〜50質量%、好ましくは1.0〜10質量%)(例えば、導電性ナノ粒子、特に単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、又はこれらの組み合わせ、炭素繊維、カーボンブラック、ポリアニリン−カーボンブラックの複合材、TiO2、SiO2、又はSnO2)、及びこれらの組み合わせである。

本発明では、無機固体化合物、例えばCuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi2O3、MoO2、Cr2O3、CsSnI3など、有機正孔輸送材料、又は電子輸送材料が、電極層(e)の代わりに使用できる。有機正孔材料の例は、ポリマー(例えばポリチオフェン、及びポリアリールアミン)をベースとしたp型半導体、又は非晶質の可逆的に酸化可能な非ポリマー系有機化合物(例えばスピロビフルオレン)をベースとしたp型半導体である。これら固体のp型半導体は、ドープされていない状態で、又はドープされた状態で使用できる。これらの化合物剤は、単独で、又は2種以上の添加混合物で使用できる。

即席の電極層、光電変換デバイス、及びDSCは、US 4,927,721、US 5,084,365、US 5,350,644、及びUS 5,525,440、又はこれに類似の文献に従って作製できる。

本発明はまた、ここに記載する光電変換デバイスを有する色素増感型太陽電池に関する。

本発明はさらに、ここに記載する光電変換デバイスを有する、有機電子デバイス、特に有機発光ダイオード(OLED)、又は有機電界効果トランジスタ(OFET)に関する。

本発明はまた、色素増感型太陽電池における色素としての、ここに記載する式(I)の化合物の使用に関する。

本発明はさらに、ここに記載する式(I)の化合物に関する。好ましい式(I)の化合物は、前述の好ましい構造を有する。

以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例、説明のためのものに過ぎず、本発明がこれらの実施例に制限されることはない。

4−メチルキノリン7.17g(50.1mmol)、及びt−ブチルブロモアセテート10.4ml(70.4mmol)を、トルエン150mlに添加し、N2の下、80℃で一晩、撹拌した。沈殿物を濾過により集め、トルエンで洗浄し乾燥させて、例A−1−1の掲題の化合物が13.6g、固体として得られた。未精製のものを、さらに精製せずに次の工程で使用した。

4−[4−(2,2−ジフェニルエテニル)フェニル]−1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボキシアルデヒド2.35g(5.33mmol)、及び例A−1−1の化合物1.80g(5.33mmol)を、無水酢酸30mlに添加し、N2の下、80℃で一晩、撹拌した。溶媒は真空下で除去した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてCH2Cl2とメタノール(10:1)を用いてシリカゲルで精製し、掲題の例A−1−2の化合物を3.76g(4.93mmol:93%)、青い固体として得た。その構造を、1H−NMRスペクトル(CDCl3)で確認する。 δ [ppm]: 1.47 (s, 9H), 1.63-2.20 (m, 6H), 3.87 (t, 1H), 4.92 (t, 1H), 5.95 (s, 2H), 6.94 (t, 2H), 7.02-7.11 (m, 4H), 7.24-7.45 (m, 7H), 7.56-7.87 (m, 11H), 8.01 (t, 1H), 8.08 (t, 1H), 8.60 (t, 1H), 10.03 (d, 1H).

例A−1−2の化合物を4.78g(6.27mmol)、CH2Cl230mlに溶解させた。氷浴で冷却しながら、この溶液に、トリフルオロ酢酸とCH2Cl2の混合物(1:1)を60ml滴加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒は真空下で除去した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてCH2Cl2とメタノール(5:1)を用いてシリカゲルで精製し、掲題の例A−1−3の化合物を3.25g(4.61mmol:74%)、青い固体として得た。その構造を、1H−NMRスペクトル(DMSO−d6)で確認する。 δ [ppm]: 1.25-2.12 (m, 6H), 3.84 (t, 1H), 4.96 (t, 1H), 5.78 (s, 2H), 6.95-7.60 (m, 17H), 7.90-8.25 (m, 6H), 8.40 (d, 1H), 9.03-9.10 (m, 2H).

4−[4−(2,2−ジフェニルエテニル)フェニル]−1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボキシアルデヒド1.32g(3mmol)、シアノ酢酸0.77g(9mmol)を、アセトニトリル20mlに添加した。この混合物に、ピペリジンを5滴添加し、N2の下で一晩還流させながら撹拌した。この反応混合物を水に注ぎ、沈殿物を得た。この沈殿物を濾過によって集め、水により洗浄した。この固体を乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてCH2Cl2とメタノール(10:1)を用いてシリカゲルで精製し、掲題の例A−1−4の化合物を1.42g(2.8mmol:92%)、オレンジ色の固体として得た。その構造を、1H−NMRスペクトル(CDCl3)で確認する。 δ [ppm]: 1.40-2.13 (m, 6H), 3.82 (t, 1H), 4.90 (t, 1H), 6.82 (d, 1H), 6.95 (s, 1H), 7.02-7.40 (m, 14H), 7.60 (d, 1H), 7.98 (s, 1H), 8.06 (s, 1H).

例A−1−4の化合物3.32g(6mmol)、プロパンスルトン2.20g(18mmol)、及びトリエチルアミン0.73g(7.2mmol)を、無水アセトニトリル100mlに添加し、N2の下で一晩、撹拌した。溶媒は真空下で除去した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてCH2Cl2とメタノール(5:1)を用いてシリカゲルで精製し、掲題の例A−1−5の化合物を2.97g(4.1mmol:68%)、赤っぽいオレンジ色の固体として得た。その構造を、1H−NMRスペクトル(DMSO−d6)で確認する。 δ [ppm]: 1.14 (t, 9H), 1.25-2.10 (m, 8H), 3.81 (t, 1H), 4.27 (t, 2H), 5.01 (t, 1H), 6.88 (d, 1H), 7.02-7.48 (m, 15H), 7.75 (d, 1H), 7.91 (s, 1H), 8.08 (s, 1H).

例A−1−3の化合物212mg(0.3mmol)、及び例A−1−5の化合物146mg(0.2mmol)を、20mlのCH2Cl2に添加し、室温で30分間撹拌した。この溶液に、1NのHClを20ml添加し、室温で1時間、激しく撹拌した。CH2Cl2を真空下で除去して、沈殿物を得た。沈殿物を濾過により集め、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、例A−1の掲題の化合物が240mg(0.19mmol:95%)、暗い青色の固体として得られた。その構造を、1H−NMRスペクトル(DMSO−d6)で確認する。δ [ppm]: 1.25-2.10 (m, 14H), 3.77-3.91 (m, 2H), 4.27 (t, 2H), 4.95-5.05 (m, 2H), 5.78 (s, 2H), 6.86-8.23 (m, 39H), 8.38 (d, 1H), 9.03-9.08 (m, 2H)。例A−1の溶液スペクトルは、350nm〜900nmでエタノール中で測定し、3つのピークが観察される。以下に各ピークについて、ピーク位置、λpeak、及び励起係数、εを示す:Abs.1(582nm, 51600M-1cm-1), Abs.2(373nm, 31300M-1cm-1), Abs.3(459nm, 52500M-1cm-1)。

例A−2〜A−14: 例A−2〜A−14の化合物は、相応する原料を用いて、例A−1で記載した方法により得られる。参照用化合物Ref-1は、例A−1−3で記載した方法により得られる。生成物の構造とその物理的なデータが、表1にまとめてある。

例D−1(DSCデバイスの製造) FTO(フッ素ドープしたスズ酸化物)ガラス基材(12オーム/sq未満、A11DU80、AGC Fabritech Co., Ltd社製)をベース材料として使用し、これを連続的にガラスクリーナー(Semico Clean:Furuuchi Chemical Corporation社製)、完全脱塩水、及びアセトンで処理し(それぞれ5分、超音波浴で)、それから10分間、イソプロパノール中で焼き、窒素流で乾燥させた。

固体のTiO2バッファ層を作製するため、スプレー火炎分解法を使用した。酸化チタンペースト(PST-18NR、Catalysts&Chemicals Ind. Co., Ltd.社製)をFTOガラス基材に、スクリーン印刷法で適用した。5分間、120℃で乾燥させた後、空気中で450℃で30分間、そして500℃で30分間、熱要素を適用することによって、厚さ1.6μm(マイクロメーター)の作用電極層が得られた。得られた作用電極をそれから、TiCl4でM. Grratzelらが例えばGrratzel M.ら、Adv. Mater. 2006, 18, 1202に記載したように処理する。焼結後に試料を、60〜80℃に冷却した。この試料を、添加剤(B−1)によって以下のように処理した(EP10167649.2)。エタノール中の(B−1)5mMを用意し、その中間体を20分間浸し、純粋なエタノールの浴中で洗浄し、窒素流で短時間乾燥させ、続いて色素(A−1)をアセトニトリルとt−ブチルアルコール(1:1)の混合溶媒中に溶かした溶液0.5mMに1時間浸し、色素を吸着させた。溶液を除去した後、検体を続いてアセトニトリル中で洗浄し、窒素流で乾燥させた。

次にp型半導体溶液を、スピンコートした。このために0.165MのスピロMeOTAD、及び10mMのLiN(SO2CF3)2(Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)をクロロベンゼンに溶かした溶液を用いた。この溶液20μl/cm2を、検体に適用し、60秒間、作用させた。上澄み溶液を30秒間にわたって、2000回転/分でスピンオフした。この基材を周辺条件で一晩貯蔵した。こうしてHTMが酸化され、これにより導電性が向上した。

金属製の裏面電極としては、Agを熱による金属蒸着で真空下、0.5nm/秒の速度で、1×10-5mbarの圧力で蒸着させることにより、厚さ約100nmのAg層が得られた。

上記光電変換デバイスの光−電力の変換効率η(エータ)を測定するため、それぞれの電流/電圧特性、例えば短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び充填係数(FF)は、solar simulator(Peccell Technologies, Inc社製)により発生させた人工太陽光(AM1.5、強度100mW/cm2)のもとで、Source Meter Model 2400(Keithley Instruments Inc.社製)によって得た。

例D−2〜D−8 DSCデバイスを、例D−1に記載したのと同様に作製、評価したのだが、化合物(A−1)を、化合物(A−2)〜(A−6)、(A−10)、及び(A−12)で置き換えた点で異なる。

比較例D−9 DSCデバイスを、例D−1に記載したのと同様に作製、評価したのだが、化合物(A−1)を、化合物(Ref-1)で置き換えた点で異なる。化合物(Ref-1)は本発明によるものではなく、比較化合物として用いる。化合物(Ref-1)は、唯一対アニオンの点で、本発明による化合物とは異なる。

表2、図1、及び図2から見て取れるように、本発明による化合物は、それぞれのアニオンの吸収性に応じた、光子から電流への変換力を示す。その結果、450nm付近での吸収性及びIPCEの谷間は効率的にカバーされ、より高い変換効率が得られる。

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