熱線遮蔽性粘着剤組成物および熱線遮蔽性透明粘着シートならびにその製造方法

申请号 JP2017024520 申请日 2017-02-14 公开(公告)号 JP2017115158A 公开(公告)日 2017-06-29
申请人 日本化薬株式会社; Nippon Kayaku Co Ltd; 发明人 TAKAHASHI TOMOHIRO; SAKAI HIDEOMI; HARA YUKIHIRO; ARIFUKU TATSUJI;
摘要 【課題】窓ガラス等に貼着して用いられて熱線を遮蔽する熱線遮蔽性粘着剤および熱線遮蔽性透明粘着シートその製造方法に関し、可視光領域における透過率が高く、ヘイズが低い、透明性により一層優れた熱線遮蔽性透明粘着シートを提供する。【解決手段】X線回折パターンによって得られる第一主ピークの半値幅が0.01°以上0.80°以下である熱線遮蔽性微粒子を含む熱線遮蔽性粘着剤組成物を用いることにより、透明性および熱線遮蔽性の付与を簡素化でき、熱線遮蔽性透明粘着シートを廉価に製造することができる。【選択図】図1
权利要求
  • X線回折パターンによって得られる第一主ピークの半値幅が0.01°以上0.80°
    以下である熱線遮蔽性微粒子を含む熱線遮蔽性粘着剤組成物。
  • 前記熱線遮蔽性微粒子の一次粒子の径が1〜100nmであって、当該一次粒子のBE
    T法により算出される比表面積が5〜200m /gであることを特徴とする、請求項1
    に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物。
  • 前記熱線遮蔽性微粒子が酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物。
  • (A)請求項1乃至3のいずれか1項に記載される熱線遮蔽性微粒子、(B)アクリル系共重合体、(C)分散剤を必須成分とする熱線遮蔽性粘着剤組成物。
  • 前記アクリル系共重合体が、カルボキシル基又は酸無水物含有モノマー構造単位をポリマー中の全モノマー構造単位に対して1〜5%含有することを特徴とする、請求項4に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物。
  • 前記アクリル系共重合体の重量平均分子量が10万〜120万であることを特徴とする請求項5に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物。
  • 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物を少なくとも溶媒中に溶解、分散してなるワニス組成物。
  • 請求項1乃至6の何れか1項に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物または請求項7に記載のワニス組成物を塗布してなる熱線遮蔽性透明粘着シート。
  • 可視光透過率が50%以上、日射透過率が80%以下、ヘイズが8%以下であることを特徴とする請求項8に記載の熱線遮蔽性透明粘着シート。
  • 熱線遮蔽性微粒子と分散剤を含有する熱線遮蔽性微粒子の分散液とアクリル系共重合体を含有する粘着剤とを混合させる工程を含む、熱線遮蔽性粘着剤組成物の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、窓ガラス等に貼着して用いられて熱線を遮蔽するとともに、透明性に優れ、
    低ヘイズ性の熱線遮蔽性粘着剤組成物および熱線遮蔽性透明粘着シートならびにその製造方法に関するものである。

    建物の窓、乗り物の窓、あるいは冷蔵、冷凍ショーケースの窓等において、暑さの軽減、省エネルギー化等を図るために、これらの窓に熱線(赤外線)を反射または吸収する性能を付与することが求められており、その一方法として透明な熱線遮蔽性粘着シートを各窓に貼着する方法がある。

    従来の透明性の高い熱線遮蔽性粘着シートを作製する方法としては、誘電体の多層薄膜または金属膜または透明導電膜の薄膜をスパッタリング、蒸着等の方法を用いて、透明シート上に熱線遮蔽層として成膜し、さらに粘着剤を塗布する方法が採用されている。

    また、特許文献1には、透明フィルム基体の一面上に、アンチモン含有酸化スズ微粒子または錫ドープ酸化インジウム微粒子を含有したハードコート層を形成し、他の一面上に粘着剤層、剥離層を順次積層した積層構造の膜を形成し、このハードコート層が熱線遮蔽層を兼ねた熱線遮蔽膜付き透明フィルムが提案されている。 しかしながら、これらの方法では、熱線遮蔽性の粘着シートを作製する場合、2回以上の異なった成膜工程が必要となるという問題点があり、より簡便に熱線遮蔽性透明シートを製造する方法が求められることにより、シート側ではなく、粘着剤に熱線遮蔽性を付与するものが現れてきた。

    例えば、特許文献2において、粘着剤に光学的選択吸収特性を有する物質を添加して、
    安価に光学的選択吸収特性を有する粘着フィルムを製造するアイデアが開示されているが、具体的な製造方法、粘着剤の配合等は全く記載されていない。

    一方、特許文献3においては、疎性アンチモン含有酸化スズとバインダー樹脂を用い、可視光に対しては透明で熱線のみを遮蔽するコーティング剤が開示されており、また、
    特許文献4において、ハードコート層または粘着剤層に熱線遮蔽性微粒子を含有させた、
    可視光に対しては透明で熱線のみを遮蔽する粘着シートが開示されている。

    しかしながら、この粘着シートの場合、熱線遮蔽層、粘着剤層、ハードコート層を有する3層構造となっており、製造工程の簡素化の課題を解決できないという問題点があった。

    また、特許文献5において、粘着剤に熱線遮蔽性微粒子を分散させることにより、透明性および熱線遮蔽性の付与を簡素化させること、熱線遮蔽性粘着剤およびその製造方法、
    ならびに熱線遮蔽性透明シートが開示されている。 しかしながら、この熱線遮蔽性透明シートの場合、可視光領域における透明性、ヘイズが不十分なものであり、可視光領域における透過率、ヘイズ、および熱線遮蔽性のさらなる改善が要求されている。

    特開平8−281860号

    特公昭57−10913号

    特開平7−257922号

    特願平7−85762号

    特願平10−8010号

    本発明は、建物の窓、乗り物の窓、あるいは冷蔵、冷凍ショーケースの窓ガラス等に貼着して用いられる熱線遮蔽性粘着剤および熱線遮蔽性透明粘着シートに関するものであり、従来の該粘着剤およびシートにおける課題である可視光領域における透明率、ヘイズ、
    熱線遮蔽性の大幅な改善を計るものである。

    本発明者らは、可視光領域における透過率、ヘイズが大幅に改善された熱線遮蔽性透明粘着シートを得るために鋭意検討した結果、熱線遮蔽性微粒子のX線回折パターン(X−
    ray Diffraction Pattern、XRDパターン)によって得られる第一主ピークの半値幅や一次粒子径、比表面積を制御することにより粘着剤に分散させた状態で、可視光領域における透過率、ヘイズが大幅に改善された熱線遮蔽性透明粘着シートを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。

    すなわち、本発明は、
    (1)X線回折パターンによって得られる第一主ピークの半値幅が0.01°以上0.8
    0°以下である熱線遮蔽性微粒子を含む熱線遮蔽性粘着剤組成物、
    (2)前記熱線遮蔽性微粒子の一次粒子の径が1〜100nmであって、当該一次粒子のBET法により算出される比表面積が5〜200m /gであることを特徴とする、(1
    )に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物、
    (3)前記熱線遮蔽性微粒子が酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛のいずれかであることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物、
    (4)(A)(1)〜(3)のいずれか1項に記載される熱線遮蔽性微粒子、(B)アクリル系共重合体、(C)分散剤を必須成分とする熱線遮蔽性粘着剤組成物、
    (5)前記アクリル系共重合体が、カルボキシル基又は酸無水物含有モノマー構造単位をポリマー中の全モノマー構造単位に対して1〜5%含有することを特徴とする、(4)に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物、
    (6)前記アクリル系共重合体の重量平均分子量が10万〜120万であることを特徴とする(5)に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物、
    (7)(1)乃至(6)のいずれかに1項に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物を少なくとも溶媒中に溶解、分散してなるワニス組成物、
    (8)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の熱線遮蔽性粘着剤組成物または(7)に記載のワニス組成物を塗布してなる熱線遮蔽性透明粘着シート、
    (9)可視光透過率が50%以上、日射透過率が80%以下、ヘイズが8%以下であることを特徴とする(8)に記載の熱線遮蔽性透明粘着シート、
    (10)熱線遮蔽性微粒子と分散剤を含有する熱線遮蔽性微粒子の分散液と、アクリル系共重合体を含有する粘着剤とを混合させる工程を含む、熱線遮蔽性粘着剤組成物の製造方法、
    に関する。

    本発明の熱線遮蔽性粘着剤組成物および該粘着剤組成物をガラス上に塗工した熱線遮蔽性透明粘着シートは、近赤外線から遠赤外線までの広い領域に対して良好な吸収特性を有し、透明性に優れ、低ヘイズ性であり熱線遮蔽性能を効果的に大幅に向上させることができ、冬季暖房費低減効果および夏期温度低減効果を両方ともに向上させることができる。

    また、本発明の熱線遮蔽性粘着剤組成物の製造方法により、予め重合化した粘着剤に、
    熱線遮蔽性微粒子と分散剤を含有する熱線遮蔽性微粒子の分散液を混合させ、該粘着剤組成物中での熱線遮蔽性微粒子の分散性が良く、ヘイズ値が低く、高い透明性の粘着剤を製造することができ、これらの特性を維持しながら、熱線遮蔽性を付与させることができる。 その結果、該粘着剤組成物をガラス上に塗布することにより熱線遮蔽層と粘着層とを別層化させることなく、熱線遮蔽性透明粘着シートを作製することができる。 これらの熱線遮蔽性透明粘着シートの製造工程を採用することにより、粘着剤層と熱遮断層を別層化することなく、その製造工程を簡略化することができ、安価に遮熱性の高い熱線遮蔽性透明粘着シートを製造することができる。

    本発明における実施例および比較例の熱線遮蔽粘着フィルムの分光透過率を示すグラフである。

    本発明における実施例および比較例の熱線遮蔽粘着フィルムの分光透過率を示すグラフである。

    本発明の熱線遮蔽粘着フィルムおよび熱遮断性透明粘着シートを示す図である。

    本発明の熱線遮蔽性粘着剤組成物に用いる熱線遮蔽性微粒子は、可視光の吸収がなく、
    近赤外部から遠赤外部にかけて良好な吸収、又は散乱特性を有しているものが適している。 そのようなものとして、近赤外域にプラズマ波長を持っている電気伝導性の金属酸化物が挙げられる。 具体的には、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、
    酸化クロム、酸化モリブデン等を例示することができる。 これらのうち、可視光領域に光吸収性のない酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛が好適である。

    また、これらの酸化物の電気導電性を向上させるために第三成分をドープすることは、
    大変好ましい。 このためのドーパントとしては、酸化スズに対してはSb,V,Nb,T
    a等が選ばれ、酸化インジウムに対してはZn,Al,Sn,Sb,Ga,Ge等が選ばれ、酸化亜鉛に対しては、Al,Ga,In,Sn,Sb,Nb等が選ばれる。

    本発明において用いる熱線遮蔽性微粒子は、下記のようにして得られる径が1〜100
    nmの一次粒子を有機溶媒中に分散エネルギーを加えて分散して得られる。 この微粒子の製法は、1〜100nmのものが得られれば特に制限はなく、気相合成法、液層合成法等の公知の方法により得ることができる。 例えば酸化インジウム微粒子については、特開平6−227815に開示されている方法で良い。 すなわち、特定の微粒子元素を含んだ塩の水溶液をアルカリにより中和し、得られた沈殿物をろ過、洗浄し、高温で加熱処理することにより熱線遮蔽性微粒子を得る方法である。 また、酸化スズ微粒子、酸化亜鉛微粒子の製法については、それぞれ特開平2−105875、特開平6−234522に開示されている。 また、前記性能を満たせば市販されているものでも構わない。 なお、粒径はB
    ET法で測定された比表面積より算出されたものである。

    一次粒子を有機溶媒へ分散する方法としては従来の方法を用いることができる。 すなわち、一次粒子と有機溶剤を所定比率に混合し、必要に応じて分散剤、界面活性剤等を添加し、サンドミル。 アトライター、ボールミル、ホモジナイザー、ロールミル等の分散装置を用いて分散することができる。

    本発明において使用する熱線遮熱性微粒子は、XRDパターンにより得られる第一主ピークの半値幅が0.01〜0.8°である。 半値幅が0.01°以下であると、一次粒子径が大きくなるため透明性を確保することが難しい。 また、半値幅が0.8°を超えると十分な遮熱性を発現することが難しい。 また、上記熱線遮熱性微粒子は、半値幅の好ましい下限が0.1°、好ましい上限が0.8°、より好ましい下限が0.2°、より好ましい上限が0.5°である。

    半値幅が0.01〜0.8°である熱線遮熱性微粒子は、一次粒子を分散する時の周速、ビーズ粒径、ビーズ充填率、分散時間等の分散条件を制御する事で得られる。 周速は、
    好ましくは1〜13m/sであり、より好ましくは2〜12m/sである。 また、ビーズ粒径は、好ましくは1000〜15μmであり、より好ましくは600〜30μ/sである。 また、ビーズ充填率は、好ましくは10〜90%であり、より好ましくは20〜85
    %である。 分散時間は、好ましくは1〜240分であり、より好ましくは5〜120分である。

    本発明で用いられる熱線遮蔽微粒子の一次粒子は、BELSORP−miniII(日本ベル株式会社)を用いBET法(比表面積測定法)で測定した比表面積が5〜200m
    /gであると好ましく、より好ましくは10〜150m /gであり、特に好ましくは10〜100m /gである。 BET法による比表面積が5m /gより小さいものは、
    一次粒子径が大きいため、シートやフィルム、塗料、樹脂組成物にした場合に仕上がり表面の平滑性が発揮されない恐れがある。 さらには、透明性が期待できないなどのデメリットが生じる恐れがある。 一方で、BET法による比表面積が200m /gより大きいものは、製造に特殊な技術が必要となり、また十分な結晶化度を得られず、熱線遮蔽特性が損なわれる恐れがある。 なお、BET法は、粉体粒子表面に大きさのわかった分子やイオンを吸着させて、その量から試料の比表面積を測定する方法である。

    熱線遮蔽性粘着剤を塗工した熱線遮蔽性透明粘着シートは、窓ガラスに貼付し、太陽光に含まれる波長のうちの熱線成分を遮断する目的に使用するため、耐候性の良いことが第一の条件である。 したがって、この実施の形態に用いる粘着性樹脂は、耐候性の良いアクリル系共重合体の粘着性樹脂であることが好ましい。 アクリル系共重合体は、通常、ホモポリマーにした場合にガラス転移点が低いポリマーを与える主モノマーと、ガラス転移点が高いポリマーを与えるコモノマーを共重合することにより作ることができる。

    前記アクリル系共重合体の主成分となるモノマーとしては、ポリマーにした場合にガラス転移点が低いポリマーを与えアルキル基の炭素数が2乃至14のアクリル酸アルキルエステルまたはアルキル基の炭素数が4乃至16のメタアクリル酸アルキルエステル、およびポリマーにした場合にガラス転移点がそれらより高いポリマーを与え、それらと共重合可能なモノマーが使用される。

    ガラス転移点が低いポリマーを与えるアクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、
    アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸メトキシエチル、アクチル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸セカンダリーブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソステアリル等を例示することができる。

    また、ガラス転移点の低いポリマーを与えるメタアクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸n−ラウリル等を使用することができる。

    また、共重合可能モノマーとしては、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアマイド、スチレン、メタアクリル酸メチル、アクリル酸メチル等を使用することができる。

    前記モノマー以外に所要の粘着性能を得るために、官能基含有モノマーとして(メタ)
    アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアマイド、メチロールアクリルアマイド、ジメチルアクリルアミド、グリシジリルメタアクリレート、無水マレイン酸等も使用される。

    分散剤としては、脂肪酸塩(石けん)、α−スルホ脂肪酸エステル塩(MES)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、
    アルキル硫酸塩(AS)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルキル硫酸トリエタノールといった低分子陰イオン性(アニオン性)化合物、脂肪酸エタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(APE)、ソルビトール、ソルビタンといった低分子非イオン系化合物、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジニウムクロリド、といった低分子陽イオン性(カチオン性)化合物、アルキルカルボキシルベタイン、スルホベタイン、レシチンといった低分子両性系化合物や、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ビニル化合物とカルボン酸系単量� ��の共重合体塩、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどに代表される高分子水系分散剤、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、
    ポリアルキレンポリアミンといった高分子非水系分散剤、ポリエチレンイミン、アミノアルキルメタクリレート共重合体といった高分子カチオン系分散剤が代表的なものであるが、本発明の粒子に好適に適用されるものであれば、ここに例示したような形態のもの以外の構造を有するものを排除しない。 また、分散剤として、具体的には次のようなものが使用できる。 フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−17(共栄社化学株式会社製)、ソルプラスAX5、ソルプラスTX5、ソルスパース9000、ソルスパース1
    2000、ソルスパース17000、ソルスパース20000、ソルスパース21000
    、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース35100、ソルスパース5
    4000、ソルシックス250(日本ルーブリゾール株式会社製)、EFKA4008、
    EFKA4009、EFKA4010、EFKA4015、EFKA4046、EFKA
    4047、EFKA4060、EFKA4080、EFKA7462、EFKA4020
    、EFKA4050、EFKA4055、EFKA4400、EFKA4401、EFK
    A4402、EFKA4403、EFKA4300、EFKA4320、EFKA433
    0、EFKA4340、EFKA6220、EFKA6225、EFKA6700、EF
    KA6780、EFKA6782、EFKA8503(エフカアディディブズ社製)、アジスパーPA111、アジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB8
    22、アジスパーPN411、フェイメックスL−12(味の素ファインテクノ株式会社製)、TEXAPHOR−UV21、TEXAPHOR−UV61(コグニスジャパン株式会社製)、DisperBYK101、DisperBYK102、DisperBY
    K106、DisperBYK108、DisperBYK111、DisperBYK
    116、DisperBYK130、DisperBYK140、DisperBYK1
    42、DisperBYK145、DisperBYK161、DisperBYK16
    2、DisperBYK163、DisperBYK164、DisperBYK166
    、DisperBYK167、DisperBYK168、DisperBYK170、
    DisperBYK171、DisperBYK174、DisperBYK180、D
    isperBYK182、DisperBYK192、DisperBYK193、Di
    sperBYK2000、DisperBYK2001、DisperBYK2020、
    DisperBYK2025、DisperBYK2050、DisperBYK207
    0、DisperBYK2155、DisperBYK2164、BYK220S、BY
    K300、BYK306、BYK320、BYK322、BYK325、BYK330、
    BYK340、BYK350、BYK377、BYK378、BYK380N、BYK4
    10、BYK425、BYK430(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、ディスパロン1751N、ディスパロン1831、ディスパロン1850、ディスパロン1860、
    ディスパロン1934、ディスパロンDA−400N、ディスパロンDA−703−50
    、ディスパロンDA−725、ディスパロンDA−705、ディスパロンDA−7301
    、ディスパロンDN−900、ディスパロンNS−5210、ディスパロンNVI−85
    14L、ヒップラードED−152、ヒップラードED−216、ヒップラードED−2
    51、ヒップラードED−360(楠本化成株式会社)、FTX−207S、FTX−2
    12P、FTX−220P、FTX−220S、FTX−228P、FTX−710LL
    、FTX−750LL、フタージェント212P、フタージェント220P、フタージェント222F、フタージェント228P、フタージェント245F、フタージェント24
    5P、フタージェント250、フタージェント251、フタージェント710FM、フタージェント730FM、フタージェント730LL、フタージェント730LS、フタージェント750DM、フタージェント750FM(株式会社ネオス製)、AS−1100
    、AS−1800、AS−2000(東亞合成株式会社製)、カオーセラ2000、カオーセラ2100、KDH−154、MX−2045L、ホモゲノールL−18、ホモゲノールL−95、レオドールSP−010V、レオドールSP−030V、レオドールSP
    −L10、レオドールSP−P10(花王株式会社製)、エバンU103、シアノールD
    C902B、ノイゲンEA−167、ブライサーフA219B、ブライサーフAL(第一工業製薬株式会社製)、メガファックF−477、メガファック480SF、メガファックF−482、(DIC株式会社製)、シルフェイスSAG503A、ダイノール604
    (日信化学工業株式会社製)、SNスパーズ2180、SNスパーズ2190、SNレベラーS−906(サンノプコ株式会社製)、S−386、S−420(AGCセイミケミカル株式会社製)といったものが挙げられる。
    一般的に、熱線遮熱粒子と分散剤のRED(Relative Energy Dif
    ference)は小さいほど溶解度は良く、1.5以下となる組み合わせが好ましく、
    熱線遮熱粒子とのREDが1.5以下となる分散剤としては、DISPERBYK−11
    6、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−
    163、DISPERBYK−2000、DSPERBYK―2155、BYK−P10
    5、ANTI−TERRA U、EFKA−4010、DOPA−17HFが挙げられ、
    より好ましく使用できる。

    REDの計算方法としては、以下の通りである。 Hansenが、Hildebran
    dの溶解度パラメーター(δ)に関与している分散、双極子相互作用、水素結合の効果を考慮して提案した数1に示される溶解度パラメータを用いて、δ (分散力による寄与;分子衝突により誘導される双極子の形成によって生じるロンドン力又はファンデルワールス力による寄与として知られている。)、δ (極性相互作用による寄与;分子が溶液中に存在する場合に対象とする分子が発生する永久双極子による寄与を意味する。)、δ
    (水素結合による寄与;特定の相互作用を表し、例えば水素結合、酸/塩基結合及びドナー/アクセプター結合による寄与を表す。)を算出し、さらに数2、数3を用いて相互作用半径R 、HSP間距離R の比から、REDを算出する。

    本発明における熱線遮蔽性微粒子を含有した粘着剤組成物を作る場合、アクリル系共重合体等の粘着性樹脂を含有する粘着剤(以下単に「粘着剤」ともいう)に、微粒子を溶媒に分散させた微粒子分散液を混合する方法が簡素である。 したがって、本発明者らは粘着剤と微粒子分散液を混合する方法を検討したところ、粘着剤に含有されるアクリル系共重合体の組成によって、微粒子の分散液との混合性に差があることがわかった。 微粒子分散液組成において、微粒子及び粘着剤とのREDが1.5以下である分散剤、分散媒及び、
    アセチルアセトン存在下で作製した分散液について、粘着剤と混合する場合に、カルボキシル基又は酸無水物含有モノマー構造単位をポリマー中の全モノマー構造単位に対して1
    〜5%含有したものであるアクリル系共重合体を含有する粘着剤と混合した場合に、混合後の粘着剤組成物において凝集や粘度上昇、ゲル化が起こりにくい傾向があった。 1%より少ないと凝集が起こりやすく、5%より多いと混合直後に粘度の上昇やゲル化が起こりやすい。 また、アクリル系共重合体の重量平均分子量が10万〜120万であることが好ましい。 より好ましくは20万〜80万である。

    すなわち、分子量が高いアクリル系共重合体を含有し、粘度の高い粘着剤に熱線遮蔽性微粒子を分散しようとする場合、大きな分散エネルギーが必要となり、限られた分散力の分散装置では長時間の分散が必要になるばかりではなく、ある限界以上の分散性は得られない。 また、分子量がある大きさ以上になると、樹脂の分子鎖が分散しようとする熱線遮蔽性微粒子を絡めてしまい、凝集剤として機能するようになるために、分散性が得られない。

    熱線遮蔽性微粒子の分散性が悪い粘着剤を用いると、直線透過率よりも拡散透過率が高くなるため、ヘイズ値の高い粘着シートとなり、透明性が悪くなる。 一般に、微粒子による光の散乱は粒径が波長の1/2付近で最大となり、それより小さい場合には粒径の6乗に比例して小さくなる。 したがって、可視光の波長400〜780nmの範囲に対しては熱線遮蔽性微粒子の粒径が200〜390nmのときに散乱が最大で、それ以下になると散乱が小さくなり、粒径が100nm以下になると粘着剤被膜は実質上透明となる。 このため、透明性の良い粘着シートを得るためには、熱線遮蔽性微粒子の分散粒径を100n
    m以下にする必要があり、分子量が高く分散性の得られない重合体を用いる場合には、分散粒径を100nm以下とすることができず、透明性の悪い粘着シートとなる。 一方、分子量が低い粘着剤を用いると粘着剤を塗工したフィルムの膜物性が悪くなり、機械的強度が弱くなったり、フィルム加工性が悪くなるといった問題がある。 このような粘着剤は、
    架橋型又は非架橋型のいずれのものも使用できる。 架橋型の場合、エポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物又はアルデヒド系化合物等の各種架橋剤を用いる方法、あるいは放射線を照射する方法等が挙げられ、これらは、官能基の種類等に応じて適宜選択される。

    本発明においては、粘着剤を構成する高分子材料の架橋度は、粘着性樹脂の種類、組成等の諸条件により異なり、特に限定されない。

    また、本発明の熱線遮蔽性粘着剤組成物は、必要に応じ可塑剤を含有してもよい。 この可塑剤としてはフタル酸エステル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、
    アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、リン酸トリエステル又はグリコールエステル等のエステル類や、プロセスオイル、液状ポリエーテル、液状ポリテルペン、その他の液状樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
    このような可塑剤は、粘着剤との相溶性が良いものであるのが好ましい。

    また、本発明の熱線遮蔽性粘着剤組成物は、前記可塑剤の他、必要に応じ、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の各種添加剤を含有することができる。

    本発明においては、熱線遮蔽性粘着剤組成物の塗布の方法に関しても特に限定はないが、コンマコーター、バーコーター、スピンコーター、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター又はその他の各種のコーティング装置の使用が可能である。

    粘着性樹脂に対する熱線遮蔽性微粒子の分散割合は、粘着層の塗工厚と遮蔽性能により決定される。 熱線遮蔽性粘着剤を塗工したフィルムの光学性能としては、可視光透過率が高く、日射透過率が低いものが理想的であるが、一般には両者は比例関係にあり、どちらの性能を重視するかにより光学性能を決定することになる。

    この熱線遮蔽性粘着剤組成物を塗工したフィルムを実際に建物および自動車の窓ガラスに貼付し、夏季および冬季の効果をそれぞれ測定したところ、夏季の温度低減効果を十分得るためには、日射透過率は80%以下とするのが良く、照明コスト並びに冬季の暖房コストの上昇を最小限にするためには、可視光透過率は50%以上とするのが良い。 したがって、熱線遮蔽性粘着剤組成物を塗工したフィルムの光学特性は、可視光透過率は50%
    以上でかつ日射透過率は80%以下とするのが好ましい。

    一般に、粘着層の塗工厚は、被接着面への追従性や粘着力および経済性を考慮して通常10〜50μmの厚みが採用されるが、この範囲で上記の熱線遮蔽性を与える微粒子の量として、微粒子:樹脂固形分=3:97〜1:1(重量比)の範囲が好適である。 熱線遮蔽剤微粒子の割合がこれより少ない場合は、必要な熱線遮蔽性を得るには50μm以上の膜厚が必要になり、反対に、これより多い場合は、可視光透過率が小さくなり過ぎるからである。 さらに、フィルムのヘイズ値は、ガラスの透明性を損なわないものとする必要があり、8%以下とするのが良く、より好ましくは3%以下とするのが良い。

    以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。

    製造例1
    塩化第2スズ(SnCl ・5H O)5.9g及び塩化インジウム(InCl )7
    5.9gを水4000mlに溶解し、これに2%アンモニア水を58分かけて添加し、p
    Hを最終的に7.85とすることにより酸化スズおよび酸化インジウムの水和物を共沈させた。 この間、液温は5℃を維持するようにした。 次いで、該共沈物を洗浄後乾燥、更に900℃にて2時間焼成し、スズ含有酸化インジウム(ITO)微粉末(一次粒子)を得た。 得られた微粉末はBET法で測定した結果、比表面積が35.3m /sであり、粒径が25.6nmであった。

    製造例2
    トルエン溶液7mlに製造例1で得られたITO微粉末1.12g、アセチルアセトン0.7g、分散剤DisperBYK140を0.175g加え、バッチ式ビーズミリング装置(T.K.フィルミックス30−25型、プライミクス(株)製)の粉砕容器に投入した。 解砕ビーズには平均粒径が30μmのジルコニアビーズを用い、粉砕容器体積の35%充填まで充填した。 解砕は周速が6.8m/sとなるようモーターを設定し、解砕時間は10分の条件で行った。 このようにして得られた分散体をドライオーブン120℃
    で乾燥し乳鉢で粉砕した後、XRDパターン(XPERT-PROMPD スペクトリス社製)を測定し第一主ピークの半値幅を表1に示した。
    また、得られた分散体を遠心分離機(日立工機株式会社 himac CR18)を用いて回転数5000rpmで15分間遠心処理を行った。

    製造例3
    トルエン溶液7mlに製造例1で得られたITO微粉末1.12g、アセチルアセトン0.7g、分散剤DisperBYK140を0.175g加え、バッチ式ビーズミリング装置(T.K.フィルミックス30−25型、プライミクス(株)製)の粉砕容器に投入した。 解砕ビーズには平均粒径が30μmのジルコニアビーズを用い、粉砕容器体積の70%充填まで充填した。 解砕は周速が10m/sとなるようモーターを設定し、解砕時間は30分の条件で行った。 このようにして得られた分散体をドライオーブン120℃で乾燥し乳鉢で粉砕した後、XRD解析装置を用いXRDパターンを測定し第一主ピークの半値幅を表1に示した。
    また、得られた分散体を遠心分離機(日立工機株式会社 himac CR18)を用いて回転数5000rpmで15分間遠心処理を行った。

    製造例4
    トルエン溶液7mlに製造例1で得られたITO微粉末1.12g、アセチルアセトン0.7g、分散剤DisperBYK140を0.175gを加え、バッチ式ビーズミリング装置(T.K.フィルミックス30−25型、プライミクス(株)製)の粉砕容器に投入した。 解砕ビーズには平均粒径が30μmのジルコニアビーズを用い、粉砕容器体積の70%充填まで充填した。 解砕は周速が13.6m/sとなるようモーターを設定し、
    解砕時間は60分の条件で行った。 このようにして得られた分散体をドライオーブン12
    0℃で乾燥し乳鉢で粉砕した後、XRDパターンを測定し第一主ピークの半値幅を表1に示した。 なお、表1内のFWHM(°)(Full Width at Half Ma
    ximum)は、各分散液のXRDパターンの第1主ピークの半値幅を示した。
    また、得られた分散体を遠心分離機(日立工機株式会社 himac CR18)を用いて回転数5000rpmで15分間遠心処理を行った。

    製造例5
    酸化亜鉛スラリー水溶液50g/lを調製し、2mol/L硝酸ガリウム水溶液を酸化亜鉛に対して3mol%添加し、炭酸ナトリウムで中和した。 その後濾過洗浄し、120
    ℃で10時間乾燥後、乳鉢で粉砕し、還元雰囲気下400℃で3時間処理を行い、ガリウム含有酸化亜鉛(GZO)微粉末(一次粒子)を得た。 得られた微粉末はBET法で測定した結果、比表面積が49.3m /sであり、粒径が24.3nmであった。

    製造例6
    トルエン溶液7mlに製造例5で得られたGZO微粉末1.12g、分散剤ANTI−
    TERRA Uを0.175g加え、バッチ式ビーズミリング装置(T.K.フィルミックス30−25型、プライミクス(株)製)の粉砕容器に投入した。 解砕ビーズには平均粒径が30μmのジルコニアビーズを用い、粉砕容器体積の35%充填まで充填した。 解砕は周速が6.8m/sとなるようモーターを設定し、解砕時間は10分の条件で行った。 このようにして得られた分散体をドライオーブン120℃で乾燥し乳鉢で粉砕した後、
    XRDパターン(XPERT-PROMPD スペクトリス社製)を測定し第一主ピークの半値幅を表1に示した。
    また、得られた分散体を遠心分離機(日立工機株式会社 himac CR18)を用いて回転数5000rpmで15分間遠心処理を行った。

    製造例7
    トルエン溶液7mlに製造例5で得られたGZO微粉末1.12g、分散剤ANTI−
    TERRA Uを0.175g加え、バッチ式ビーズミリング装置(T.K.フィルミックス30−25型、プライミクス(株)製)の粉砕容器に投入した。 解砕ビーズには平均粒径が30μmのジルコニアビーズを用い、粉砕容器体積の35%充填まで充填した。 解砕は周速が10m/sとなるようモーターを設定し、解砕時間は10分の条件で行った。
    このようにして得られた分散体をドライオーブン120℃で乾燥し乳鉢で粉砕した後、X
    RDパターン(XPERT-PROMPD スペクトリス社製)を測定し第一主ピークの半値幅を表1に示した。
    また、得られた分散体を遠心分離機(日立工機株式会社 himac CR18)を用いて回転数5000rpmで15分間遠心処理を行った。

    製造例8
    トルエン溶液7mlに製造例1で得られたGZO微粉末1.12g、アセチルアセトン0.7g、分散剤ANTI−TERRA Uを0.175gを加え、バッチ式ビーズミリング装置(T.K.フィルミックス30−25型、プライミクス(株)製)の粉砕容器に投入した。 解砕ビーズには平均粒径が30μmのジルコニアビーズを用い、粉砕容器体積の70%充填まで充填した。 解砕は周速が13.6m/sとなるようモーターを設定し、
    解砕時間は60分の条件で行った。 このようにして得られた分散体をドライオーブン12
    0℃で乾燥し乳鉢で粉砕した後、XRDパターンを測定し第一主ピークの半値幅を表1に示した。 なお、表1内のFWHM(°)(Full Width at Half Ma
    ximum)は、各分散液のXRDパターンの第1主ピークの半値幅を示した。
    また、得られた分散体を遠心分離機(日立工機株式会社 himac CR18)を用いて回転数5000rpmで15分間遠心処理を行った。

    表1に示すように、製造例2〜4、6〜8の第1主ピークの分散液の半値幅は、それぞれ、0.441、0.487、0.904、0.405、0.511、0.878であった。 以上より、分散時の周速を制御することで、所望半値幅の遮熱微粒子を得た。

    製造例5(アクリル系粘着剤A)
    アクリル酸n−ブチル291gとアクリル酸9gをトルエン366gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.15gを添加して、窒素気流下において70℃で6時間重合してアクリル樹脂共重合体(重量平均分子量:Mw=32万)を得た。 さらにトルエンで希釈し、固形分率29.36%、粘度2700Pasのアクリル系共重合体溶液(アクリル系粘着剤A)を得た。

    (実施例1)
    アクリル系粘着剤A 100重量部(アクリル酸ブチル/アクリル酸=97/3)、製造例2で作製したスズ含有酸化インジウム(ITO)のトルエン分散液 128重量部、
    トルエン 152重量部を均一になるように混合溶解した粘着剤組成物を、離型シートのポリエステルフィルム(片面側にシリコーン処理を施したもの)(リンテック社製 38
    11 厚さ:38μm)上にコンマコーターで塗布して乾燥し、離型シートのポリエステルフィルム(片面側にシリコーン処理を施したもの)(リンテック社製 3801 厚さ:38μm)で覆うことにより粘着剤層(厚さ:15μm)を形成した。

    (実施例2)
    製造例3で作製したスズ含有酸化インジウム(ITO)のトルエン分散液を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。

    (実施例3)
    製造例6で作製したガリウム含有酸化亜鉛(GZO)のトルエン分散液を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。

    (実施例4)
    製造例7で作製したガリウム含有酸化亜鉛(GZO)のトルエン分散液を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。

    (比較例1)
    製造例4で作製したスズ含有酸化インジウム(ITO)のトルエン分散液を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。

    (比較例2)
    製造例8で作製したガリウム含有酸化亜鉛(GZO)のトルエン分散液を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。

    実施例1〜4および比較例1、2について、粘着シートを 3mmの普通板ガラスに転写した時の可視光透過率およびTts(日射熱取得率)、ヘイズ値を測定した結果を図1
    および表2に示す。
    (Tts(日射熱取得率)の測定)
    分光光度計(島津製作所社製 UV−3100)を用いて、JIS R3106(199
    8)に準拠して、得られた粘着シートの上記Ttsを測定した。
    (可視光透過率の測定)
    分光光度計(島津製作所社製 UV−3100)を用いて、JIS R3106(199
    8)に準拠して、得られた粘着シートの波長380nm〜780nmにおける上記可視光透過率を測定した。
    (ヘイズ値の測定)
    ヘイズメーター(東京電色社製 TC−HIIIDPK)を用いて、JIS K6714
    に準拠して、得られた粘着シートのヘイズ値を測定した。

    実施例1、2は、比較例1と比較すると、図1に示すように、可視光領域の透過率を維持しながら、波長1200nm以上の赤外領域における吸収が大きくなっている。 また、
    表2に示すように、高い可視光透過率を維持しながら、日射熱取得率はおよそ3〜6%程度低くなっており、高い遮熱性が得られている。 また、ヘイズ値も低くなっており、熱線遮蔽性微粒子の分散性が良くなり、透明性が向上していることを示している。 実施例3、
    4は比較例2と比較すると、図2に示すように、波長1600nm以上の赤外領域における吸収が大きくなるとともに可視光領域の透過率も向上しており、また、表2に示すように、可視光透過率がおよそ18%向上し、日射熱取得率もおよそ1〜2.5%程度低くなっており、高い透明性と遮熱性が得られている。 また、ヘイズ値も低くなっており、熱線遮蔽性微粒子の分散性が良くなり、透明性が向上していることを示している。
    また、表1に示したように、実施例1、2、比較例1、実施例3、4、比較例2に用いた熱線遮断性微粒子の分散液は、それぞれ製造例2、3、4、6、7、8であり、また、
    それらの分散液の半値幅は、それぞれ0.441、0,487、0,904、0.405
    、0.511、0.878であった。 このことは、熱線遮断性微粒子の半値幅が、0.0
    1以上0.80以下の熱線遮断性微粒子を用いることにより、日射熱取得率が低くなり、
    高い遮熱性が得られ、さらに、高い可視光透過率を維持しており、ヘイズ値も低くなっており、熱線遮蔽性微粒子の分散性が良くなり、透明性が向上していることも示している。

    1 熱線遮蔽性透明粘着シート2 熱線遮蔽性微粒子3 粘着剤層4 ガラス

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