コア・シェル型ナノ微粒子

申请号 JP2006544778 申请日 2005-04-26 公开(公告)号 JPWO2006051627A1 公开(公告)日 2008-05-29
申请人 国立大学法人金沢大学; 发明人 玄一 小西; 玄一 小西; 夏紀 尾関; 夏紀 尾関; 義章 中本; 義章 中本;
摘要 高い耐熱性と形状安定性を持ち、従来製造が困難であった粒径のナノ微粒子をコアに有するコア・シェル型ナノ微粒子の提供を目的とする。芳香族系のナノ微粒子をコアとし、その表面を反応性官能基で修飾し、この反応性修飾基部分に各種重合方法を用いてグラフト鎖をシェルとして導入し、コア・シェル型ナノ微粒子を得る。表面修飾した反応性コアは下記反応式(1)に示す反応によって製造されたナノ微粒子をコアとし、lを構成する部分に一般式(2)で示す反応性修飾基又は、mを構成する部分に一般式(3)で示す反応性修飾基を導入する。【化1】【化2】【化3】式中X、Y、Zは、ハロゲン、クロロメチル基、ブロモメチル基、フェノール性 水 酸基、チオール基、ホスフィン基、ヒドロキシメチル基、アシル基、カルボキシル基、エステル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、スルホニル基、アルケニル基、シリル基、又は水素のいずれかである。
权利要求
  • 下記反応式(1)に示す反応によって製造されたナノ微粒子をコアとし、lを構成する部分に一般式(2)で示す反応性修飾基又は/及び、mを構成する部分に一般式(3)で示す反応性修飾基を導入したことを特徴とするナノ微粒子。
    ただし、反応式(1)中、R 〜R 3は、
    炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基又はフェニル基およびそれらの炭化水素置換基を有する誘導体、アルキルエステル基、芳香族エステル基、アルキレングリコール誘導体、のいずれかであり、コポリマー中においてはR 〜R 3は同時に又は部分的に水素であってよい。
    4は、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基又はフェニル基およびそれらの炭化水素置換基を有する誘導体、水素、のいずれかである。
    ナノ微粒子はl、m、nをランダムに含み、特定の規則構造を有する必要が無く、メチレン基の個数とベンゼン環の個数の比(メチレン基/ベンゼン環)は0.75以上1.5以下の範囲であり、nは0より大きい。
    ただし、式中X、Y、Zは、ハロゲン、クロロメチル基、ブロモメチル基、フェノール性水酸基、チオール基、ホスフィン基、ヒドロキシメチル基、アシル基、カルボキシル基、エステル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、スルホニル基、アルケニル基、シリル基、又は水素のいずれかである。
  • 下記反応式(1)に示す反応によってナノ微粒子を製造し、そのlを構成する部分に一般式(2)で示す反応性修飾基又は/及び、mを構成する部分に一般式(3)で示す反応性修飾基を導入することを特徴とする反応性ナノ微粒子の製造方法。
    ただし、反応式(1)中、R 〜R 3は、
    炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基又はフェニル基およびそれらの炭化水素置換基を有する誘導体、アルキルエステル基、芳香族エステル基、アルキレングリコール誘導体、のいずれかであり、コポリマー中においてはR 〜R 3は同時に又は部分的に水素であってよい。 。
    4は、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基又はフェニル基およびそれらの炭化水素置換基を有する誘導体、水素、のいずれかである。
    ナノ微粒子はl、m、nをランダムに含み、特定の規則構造を有する必要が無く、メチレン基の個数とベンゼン環の個数の比(メチレン基/ベンゼン環)は0.75以上1.5以下の範囲であり、nは0より大きい。
    ただし、式中X、Y、Zは、ハロゲン、クロロメチル基、ブロモメチル基、フェノール性水酸基、チオール基、ホスフィン基、ヒドロキシメチル基、アシル基、カルボキシル基、エステル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、スルホニル基、アルケニル基、シリル基、又は水素のいずれかである。
  • 請求の範囲1記載のナノ微粒子のX、Y、Zのいずれかに、ポリスチレンおよびその誘導体、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸誘導体、ポリアルキレングリコール、ポリ(2-アルキル-2-オキサゾリン)、単糖類、多糖類のいずれかを単独又は複合的に用いてグラフト鎖を導入したことを特徴とするコア・シェル型ナノ微粒子。
  • 請求の範囲1記載のナノ微粒子のX、Y、Zのいずれかを、開始剤または停止剤とし、開環重合、ビニル重合、付加重合のいずれかにより、グラフト重合することを特徴とするコア・シェル型ナノ微粒子の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は新規なコア・シェル型ナノ微粒子とそれらの製造法に関する。

    近年、様々な素材の微粒子の開発が行われ、その微粒子表面を高性能化することにより高付加価値を持つ製品が生まれている(特許文献1)。
    ナノからマイクロサイズの単分散微粒子は塗料、カラム充填材、ドラッグキャリアー、化粧品などに利用されている(非特許文献1)。 その中でも、両親媒性のコア・シェル型微粒子は、外部刺激応答型のドラッグデリバリーシステム、人工血液、人工ウイルスなどの作成に有用であり大きな注目を集めている(非特許文献1および特許文献2、3)。
    このようなナノ微粒子の作成には、コアの部分に粒径が2〜5ナノメートル程度のデンドリマー(特許文献3)や逆に100ナノメートル以上の高分子微粒子が用いられている。
    従って粒径が10〜50ナノメートル前後のウイルスサイズの単分散ナノ微粒子を簡便に合成するのは難しいのが現状である。
    さらに、原料となる単分散の球状高分子であるデンドリマーは一般的に合成が煩雑でありかつ高価であるため、大量生産に向いているとは言えない。
    従って、デンドリマー類似のサイズと機能を持つナノ微粒子の簡便な合成法の開発にも大きな期待が集まっている。
    またコア・シェル型ナノ微粒子を利用する際、コアの形状安定性、硬さ、耐久性が重要となる。 たとえば両親媒性のコア・シェル型ナノ微粒子をやアルコール系の溶媒に分散させて利用する場合、分解や変形が起こらないことが重要である。 さらに、無機物や汎用ポリマー、エンジニアリングプラスチックとのコンポジットやブレンドを作成した場合、コアの強度や耐熱性がそれら複合材料の性能向上の鍵を握っていると言っても過言でない。
    こういった用途に適合するナノ微粒子の開発の重要性が叫ばれている(非特許文献2)。

    特開平2004-059696号公報

    特開平10-195152号公報

    特許第3181276号公報

    「ナノアフィニティービーズのすべて」半田,川口著、中山書店(2003) 小西玄一,化学と工業, 29巻,154〜155頁,2004年

    本発明は高い耐熱性と形状安定性を持ち、従来製造が困難であった粒径のナノ微粒子をコアに有するコア・シェル型ナノ微粒子の提供を目的とする。

    本発明は、芳香族系のナノ微粒子をコアとし、その表面を反応性官能基で修飾し、この反応性修飾基部分に各種重合方法を用いてグラフト鎖をシェルとして導入することにより、コア・シェル型ナノ微粒子を得る点を要旨とする。
    まず、本発明に係る表面修飾した反応性コアとなる反応性ナノ微粒子及びその製造方法は、下記反応式(1)に示す反応によって製造されたナノ微粒子をコアとし、反応式中に示した合成物のlを構成する部分に一般式(2)で示す反応性修飾基又は/及び、mを構成する部分に一般式(3)で示す反応性修飾基を導入したことを特徴とする。

    ただし、反応式(1)中、R

    〜R

    3は、


    炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基又はフェニル基およびそれらの炭化水素置換基を有する誘導体、アルキルエステル基、芳香族エステル基、アルキレングリコール誘導体、のいずれかであり、コポリマー中においてはR

    〜R

    3は同時に又は部分的に水素であってよい。


    4は、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数2〜18のアルケニル基、ベンジル基又はフェニル基およびそれらの炭化水素置換基を有する誘導体、水素、のいずれかである。


    ナノ微粒子はl(エル)、m、nをランダムに含み、特定の規則構造を有する必要が無く、メチレン基の個数とベンゼン環の個数の比(メチレン基/ベンゼン環)は0.75以上1.5以下の範囲であり、nは0より大きい。


    ただし、式中X、Y、Zは、ハロゲン、クロロメチル基、ブロモメチル基、フェノール性水酸基、チオール基、ホスフィン基、ヒドロキシメチル基、アシル基、カルボキシル基、エステル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、スルホニル基、アルケニル基、シリル基、又は水素のいずれかである。

    次ぎに、本発明に係るコア・シェル型ナノ微粒子及びその製造方法は、上記コアとなるナノ微粒子のX、Y、Zのいずれかに、ポリスチレンおよびその誘導体、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸誘導体、ポリアルキレングリコール、ポリ(2-アルキル-2-オキサゾリン)、単糖類、多糖類のいずれかを単独又は複合的に用いてグラフト鎖を導入し、シェルとしたことを特徴とする。
    ここで、グラフト鎖を導入するには、ナノ微粒子のX、Y、Zのいずれかを、開始剤または停止剤とし、開環重合、ビニル重合、付加重合のいずれかにより、グラフト重合することができる。
    開環重合の対象としては、オキサゾリン類、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン等が例として挙げられ、、ビニル重合の対象としては、スチレンおよびその誘導体、アクリル酸、メタクリル酸およびその誘導体、ビニル系モノマー、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド等が例として挙げられる。
    より具体例を挙げると、ポリスチレンやポリアクリル酸誘導体はクロロメチル基(X、Y、Zのいずれか)を開始剤とするATRP重合法にて、ポリオキサゾリンはクロロメチル基を開始剤とする開環重合にて、ポリアルキレングリコールは、フェノール性水酸基(X、Y、Zのいずれか)へのモノマー(たとえばエチレンオキシド)の付加重合にてグラフト化する方法が例として挙げられる。

    本発明のコア・シェル型ナノ微粒子を模式化すると下記(4)のようになる。

    本発明において、コア・シェル型ナノ微粒子とは、芳香族系のナノ微粒子をコアとし、その表面を反応性官能基で修飾し、この反応性修飾基部分に各種重合方法を用いてグラフト鎖をシェルとして導入した点にある。


    従って、芳香族系のナノ微粒子のコアは、上記反応式(1)で示した反応により得られるポリマー構造部分l(エル)又はmに相当する部分が主に存在すればよく、他の芳香族系化合物がメチレン基を介して共重合成分として含まれてもよい。


    この種の共重合成分となる芳香族系化合物としては、ベンゼン、トルエン又はキシレン等のポリアルキルベンゼン類、ヒドロキノン又はレゾルシノール等のキノン類、ポリヒドロキシベンゼン類、フルオレン,ナフタレン,アントラセン,フェナントレン及びそれらの誘導体、フラン誘導体等が例として挙げられる。

    本発明によって得られるコア・シェル型ナノ微粒子は、フェノール樹脂と同様のフェニレンメチレン骨格を有し、優れた耐熱性、耐薬品性、機械的強度を持つ単分散ナノ微粒子をコアに構成されている。
    また、コアのサイズは、1ナノメートルから1マイクロメートルまで可能であるが、特に10〜50ナノメートルのものは、現在最も合成が難しい領域の高分子ナノ微粒子であり、10ナノメートル以下のものは、デンドリマーと同様のサイズである。
    さらにコアは、内部環状構造を持つ多分岐高分子であり、デンドリマーと比べて形状安定性、耐熱性が高く、溶媒による膨潤によるサイズの増加や変形もほとんどない、という優れた性質を持っている。
    このようなコアから、ポリオキシエチレン、ポリスチレン、ポリオキサゾリンなど様々な性質のポリマーがグラフト化することによりコア・シェル型ナノ微粒子を形成している。
    親水性のグラフト鎖の場合、両親媒性を示す。
    以上を総合すると、本発明は従来にないサイズと性質を持つコア・シェル型ナノ微粒子であると言える。

    実施例2-1で得られた表面にブロモメチル基を持つナノ微粒子の

    1 H NMRスペクトル

    実施例3-1で得られたポリオキサゾリングラフトナノ微粒子の

    1 H NMRスペクトル

    以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

    得られたナノ微粒子、表面機能化(表面修飾)ナノ微粒子、コア・シェル型ナノ微粒子は、その構造確認をNMR,IR,GPCおよびゼータ電位計により行った。
    (a) 1 H NMR(270MHz)および13 C NMR(75MHz)は、日本電子フーリエ変換NMR分光光度計(JNM-EX-270)を使用して25℃で測定した。 溶媒として重水素化クロロホルム、内部標準物質としてテトラメチルシランを使用した。
    (b)FT-IRスペクトルは、日本分光フーリエ変換分光光度計(FT-IR 460plus)を用いて行った。
    (c)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定には、カラムとして東ソー製ポリスチレンゲル充填からむTSKgelG3000H XLを用い、検出には東ソー紫外分光光度計(UV-8011、測定波長270nm)を用い、テトラヒドロフランを溶離液として1.0mL/min、室温で測定した。
    (d)粒径はZeta Potential/Particle Sizer NICOMPtm 380ZLSを用いてクロロホルムを溶媒として20℃で測定した。

    1. コアとなる芳香族系ナノ微粒子の合成例 コアとなる部分は、反応式(1)で合成される。

    なお、式中R

    〜R

    3は、課題を解決するための手段の欄に記載したものであれば限定されないが、原料の入手し易さから、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、アセチル基、水素が好ましく、特に好ましくはメチル基、エチル基、水素である。


    反応式(1)中R

    4は課題を解決するための手段の欄に記載したものであれば限定されないが、原料の入手し易さから、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、水素が好ましく、特に好ましくはメチル基と水素である。 また重合に用いる酸触媒によって分解し、反応系中でホルムアルデヒド(R

    4が水素に相当)を発生することができるトリオキサン、パラホルムアルデヒド、およびアセトアルデヒド(R

    4がメチル基に相当)を発生させることができるパラアルデヒドを用いることができる。


    フェノール誘導体に対するアルデヒド類のモル比は1〜20が好ましく、特に好ましくは1〜3である。


    酸触媒として塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸を用いることができるが、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましく、触媒活性の点から特に好ましくは塩酸、硫酸である。


    反応溶媒は、酢酸、プロピオン酸、無水酢酸などの有機酸、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、塩化メチレン、四塩化炭素、オルトジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒。 酢酸などの有機酸とハロゲン系溶媒の任意の割合の混合溶媒。 酢酸を50%以上添加した酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなどのセロソルブ類、ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テルなどのカルビト−ル類、メタノ−ル、エタノ−ルなどのアルコ−ル類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、などの混合溶媒系に限定される。


    重合反応における分岐率や分子量の制御の観点からクロロホルム、1,2-ジクロロエタン、酢酸、プロピオン酸、およびそれらの混合溶媒が好ましく、特に好ましくはクロロホルムと酢酸の任意の割合の混合溶媒である。


    反応温度は反応溶媒に応じて限界があるが、0〜200℃までの温度で実施可能である。


    ただし、重合反応における分岐率や分子量の制御の観点から0〜100℃が好ましく、特に好ましくは20〜80℃である。

    なお、本発明にてメチレン基/ベンゼン環の比を0.75以上1.5以下としたのは、簡略化したベンゼン環(1,3,5-トリヒドロキシベンゼン誘導体)(●で表現)とメチレン基(−で表現)でコアナノ微粒子の構造を表現すると、メチレン基の個数とベンゼン環の個数の比(メチレン基/ベンゼン環)が1以上1.5以下の範囲である場合は(5)に示すタイプに、0.75以上1未満以下の範囲である場合、(6)に示すように枝別れ型の多分岐高分子となる。

    (実施例1-1)1,3,5-トリメトキシベンゼン(1.68g, 10mmol)、パラホルムアルデヒド(0.45g,ホルムアルデヒドとして15mmol)を酢酸(5mL)・クロロホルム(5mL)混合溶媒に溶解し、氷冷しながら濃塩酸(2mL)をゆっくりと滴下した。 室温で2時間かくはんした後、反応溶液をメタノールに注入し、沈澱物を回収した。 得られた固体を吸引ろ過し、40℃で真空乾燥してナノ微粒子を0.59g,32%の収率で得た。 分子量Mn = 7300, Mw/Mn = 1.2であった。 メチレン基の数とベンゼン環の数の比を1 H NMRより求めたところ1.26であった。 粒径は3.5nmであった。

    (実施例1-2)反応時間を1時間にした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、30%の収率でナノ微粒子を得た。 分子量Mn = 4000, Mw/Mn = 1.1であった。 メチレン基の数とベンゼン環の数の比は1.28であった。 粒径は1.9nmであった。

    (実施例1-3)反応時間を5時間にした点を除いて、実施例1-1と同じ操作を行ったところ、72%の収率でナノ微粒子を得た。 分子量Mn = 21000, Mw/Mn = 1.1であった。 メチレン基の数とベンゼン環の数の比は1.25であった。 粒径は8.4nmであった。

    2. 芳香族系ナノ微粒子のコアの表面修飾(実施例2-1)数平均分子量4000のナノ微粒子(1.87g, 10mmol)、パラホルムアルデヒド(0.3g, 10mmol)、臭化ナトリウム(1.03g, 10mmol)を酢酸・クロロホルム(30:30ml)混合溶液に溶解させ、60℃に加熱して均一化した。 その後、塩酸(1ml)、酢酸(2ml)、クロロホルム(2ml)混合物を滴下して70℃で還流させながら3日間撹拌した。 反応溶液をクロロホルム・水で抽出し、有機層を溶媒留去した後、残さをテトラヒドロフランに溶解し、ヘキサンに再沈した。 得られた黄褐色沈澱を吸引ろ過し、減圧乾燥した。 収量1.73g、収率57%。 図1に H NMR スペクトルを示し、その NMRからブロモメチル基の導入率は85%であった。

    (実施例2-2)数平均分子量12000のナノ微粒子を用いた点を除いて、実施例2-1と同じ操作を行ったところ、収率80%でブロモメチル化率75%のナノ微粒子が得られた。

    (実施例2-3)数平均分子量21000のナノ微粒子を用いた点を除いて、実施例2-1と同じ操作を行ったところ、収率70%でブロモメチル化率55%のナノ微粒子が得られた。

    (実施例2-4)数平均分子量4000のナノ微粒子(0.18g, 1mmol)を市販の発煙硝酸5mL中に入れ、30分間かくはんした。
    微粒子をろ別し,水でよく洗いニトロ化されたナノ微粒子0.25gを得た。 IRスペクトルによりニトロ基の導入を確認した。

    3. コア・シュル型ナノ微粒子の合成(実施例3-1)窒素雰囲気下においてブロモメチル化したナノ微粒子(0.67g, 0.1mmol)をアセトニトリル・クロロホルム(25・25ml)混合溶媒に溶解させた。 混合溶液を0℃で氷冷しながら2-メチル-2-オキサゾリン(1.87g, 22mmol)を加えて75℃で13時間反応させた。 反応溶液をヘキサンに注入して黄褐色の粘性液体を得た。 これをテトラヒドロフランに溶解し、ヘキサンに再沈した。 この操作を生成物が粉末状になるまで数回繰り替えした。 得られた固体を吸引ろ過し、減圧乾燥した。 収量2.2g、収率95%。 図2に H NMRのスペクトルを示すグラフト鎖の平均鎖長は22ユニットであった。

    2-メチル-2-オキサゾリンのモル数を10mmolにした点を除いて、実施例3-1と同じ操作を行ったところ、80%の収率で相当するコア・シェル型ナノ微粒子が得られた。 グラフト鎖の平均鎖長は10ユニットである。

    2-メチル-2-オキサゾリンのかわりに2-エチル-2-オキサゾリンを用いた点を除いて、実施例3-1と同じ操作を行ったところ、97%の収率で相当するコア・シェル型ナノ微粒子が得られた。 グラフト鎖の平均鎖長は22ユニットである。

    4. コア・シェル型ナノ微粒子の合成(その2)
    (実施例4-1)窒素雰囲気下においてブロモメチル化したナノ微粒子(0.34g, 0.05mmol)アクリル酸メチル3mL、ビス(4,4'-ジノニル-2,2'-ビピリジル)銅(I)を入れ、密栓し、よく撹拌した。 系全体を100℃にして8時間反応させた。 得られた固体をTHFに溶解し,メタノール中に再沈澱させた。 H NMRによると,グラフト鎖の平均ユニット数は約20であった。

    (実施例4-2)アクリル酸メチルの量を5mLにした点を除いて実施例4-1と同じ操作を行ったところ、グラフト鎖の平均ユニット数、約27のコア・シェル型ナノ微粒子が得られた。

    (実施例4-3)アクリル酸メチルのかわりにメタクリル酸メチルを用いた点を除いて実施例4-1と同じ操作を行ったところ、グラフト鎖の平均ユニット数、約17の相当するコア・シェル型ナノ微粒子が得られた。

    (実施例4-4)アクリル酸メチルのかわりにスチレンを用いた点を除いて実施例4-1と同じ操作を行ったところ、グラフト鎖の平均ユニット数、約18の相当するコア・シェル型ナノ微粒子が得られた。

    本発明におけるコア・シェル型微粒子において、両親媒性のコア・シェル型微粒子は、ミセルやドラッグデリバリーシステム、化粧品、塗料、分散剤、接着剤などに幅広い用途に応用できるものと考えられる。
    またウイルスと同じサイズの微粒子を合成できるため、医薬品としての応用も考えられる。
    またコアの形状安定性、耐熱性を利用した各種高分子ブレンド、有機・無機ナノコンポジット、コーティング剤が考えられる。
    プラスチックの強度や耐熱性を向上させる新しいタイプのナノサイズの有機材料として期待できる。
    本発明に係るコア・シェル型微粒子は加工性にも優れるので、半導体基板などの電子材料への応用も期待できる。

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