ポリロタキサンを有するポリマー材料、並びにその製造方法 |
|||||||
申请号 | JP2006511723 | 申请日 | 2005-03-30 | 公开(公告)号 | JPWO2005095493A1 | 公开(公告)日 | 2008-02-21 |
申请人 | 国立大学法人 東京大学; 国立大学法人 東京大学; | 发明人 | 伊藤 耕三; 耕三 伊藤; 匡俊 木戸脇; 匡俊 木戸脇; | ||||
摘要 | 本発明は、架橋ポリマーが有する特性と伸縮性又は粘弾性とを併せて有する材料及びその製造方法を提供する。本発明は、ポリロタキサン及びポリマーを有する材料であって、該ポリロタキサンは、環状分子、該環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子、及び該直鎖状分子から環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両端に配置される封鎖基を有し、ポリロタキサンとポリマーの一部又は全部とが、環状分子を介して結合する材料を提供する。 | ||||||
权利要求 | ポリロタキサン及びポリマーを有する材料であって、該ポリロタキサンは、環状分子、該環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子、及び該直鎖状分子から前記環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両端に配置される封鎖基を有し、前記ポリロタキサンと前記ポリマーの少なくとも一部とが、前記環状分子を介して結合する、上記材料。 前記ポリマーは、該ポリマーのすくなくとも一部が物理的及び/又は化学的に架橋している請求項1記載の材料。 ポリロタキサンとポリマーとの重量比((ポリロタキサン)/(ポリマー))が1/1000以上である請求項1又は2記載の材料。 前記ポリマーが、主鎖又は側鎖に−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の材料。 前記直鎖状分子が、ポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、及びポリプロピレンからなる群から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項記載の材料。 前記直鎖状分子は、その分子量が1万以上である請求項1〜5のいずれか1項記載の材料。 前記封鎖基が、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、ピレン類、置換ベンゼン類、置換されていてもよい多核芳香族類、及びステロイド類からなる群から選ばれる請求項1〜6のいずれか1項記載の材料。 前記環状分子は、−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する請求項1〜7のいずれか1項記載の材料。 前記環状分子が置換されていてもよいシクロデキストリン分子である請求項1〜8のいずれか1項記載の材料。 前記環状分子が置換されていてもよいシクロデキストリン分子であり、該シクロデキストリン分子がα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリン、並びにその誘導体からなる群から選ばれる請求項1〜8のいずれか1項記載の材料。 前記環状分子が置換されていてもよいα−シクロデキストリンであり、前記直鎖状分子がポリエチレングリコールである請求項1〜10のいずれか1項記載の材料。 前記環状分子が直鎖状分子により串刺し状に包接される際に環状分子が最大限に包接される量を1とした場合、前記環状分子が0.001〜0.6の量で直鎖状分子に串刺し状に包接される請求項1〜11のいずれか1項記載の材料。 前記ポリマーと前記ポリロタキサンの環状分子とは、架橋剤により化学結合されている請求項1〜12のいずれか1項記載の材料。 前記架橋剤は、その分子量が2000未満である請求項13記載の材料。 前記架橋剤は、塩化シアヌル、トリメソイルクロリド、テレフタロイルクロリド、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタールアルデヒド、フェニレンジイソシアネート、ジイソシアン酸トリレイン、ジビニルスルホン、1,1'-カルボニルジイミダゾール、及びアルコキシシラン類からなる群から選ばれる請求項13又14記載の材料。 前記材料は、光学材料、コンタクトレンズ、生体材料、医療用材料、タイヤ用材料、塗布剤、及び接着剤からなる群から選ばれる請求項1〜15のいずれか1項記載の材料。 ポリロタキサン及びポリマーを有する材料の製造方法であって、 a)環状分子、該環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子、及び該直鎖状分子から前記環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両端に配置される封鎖基を有してなるポリロタキサンとポリマーとを混合する工程、 b)前記ポリマーの少なくとも一部を物理的及び/又は化学的に架橋する工程、及び c)前記ポリマーの少なくとも一部と前記ポリロタキサンとを、前記環状分子を介して結合させる工程、を有する、上記方法。 前記b)工程において、前記ポリマーの少なくとも一部を化学架橋する請求項17記載の方法。 前記c)工程を前記b)工程後に行う請求項17又は18記載の方法。 前記c)工程を前記b)工程前に行う請求項17又は18記載の方法。 前記b)工程と前記c)工程とをほぼ同時に行う請求項17又は18記載の方法。 ポリロタキサン及びポリマーを有する材料の製造方法であって、 a)環状分子、該環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子、及び該直鎖状分子から前記環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両端に配置される封鎖基を有してなるポリロタキサンと、前記ポリマーを構成するモノマーとを混合する工程; b)前記モノマーを重合してポリマーを形成する工程; c)前記ポリマーの少なくとも一部を物理的及び/又は化学的に架橋する工程、及び d)前記ポリマーの少なくとも一部と前記ポリロタキサンとを、前記環状分子を介して結合させる工程、を有する、上記方法。 前記c)工程において、前記ポリマーの少なくとも一部を化学架橋する請求項22記載の方法。 前記b)工程と前記c)工程とをほぼ同時に行う請求項22又は23記載の方法。 前記c)工程と前記d)工程とをほぼ同時に行う請求項22〜24のいずれか1項記載の方法。 前記b)工程と前記c)工程と前記d)工程とをほぼ同時に行う請求項22〜25のいずれか1項記載の方法。 前記d)工程を前記c)工程前に行う請求項22又は23記載の方法。 前記d)工程を前記c)工程後に行う請求項22又は23記載の方法。 |
||||||
说明书全文 | 本発明は、ポリロタキサンを有する材料、及びその製造方法に関する。 従来、コンタクトレンズ、塗料などの架橋ポリマーを含有する製品が種々存在する。 しかしながら、該架橋ポリマーは架橋点から次の架橋点までの距離が均一ではないため、架橋ポリマーに張力を加えた場合、架橋点間の距離が短い箇所から破壊され、不均一に破壊するという問題点を有していた。 例えば、塗料の場合、張力は、塗布後の乾燥によって生じる力に該当し、乾燥後に塗布面にクラックが生じるなどの問題点を有していた。 また、コンタクトレンズの場合、張力は使用に伴い加えられる可能性があり、レンズ面に傷が生じるなどの問題点を有していた。 一方、環状分子(回転子:rotator)の開口部が直鎖状分子(軸:axis)によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両末端(直鎖状分子の両末端)に、環状分子が脱離しないように封鎖基を配置して成るポリロタキサンを複数架橋してなる架橋ポリロタキサンが、特許文献1に開示されている。 この架橋ポリロタキサンは、環状分子の移動によって生じる粘弾性を有する。 このため、架橋ポリロタキサンに張力が加えられたとしても、この作用により該張力を架橋ポリロタキサン内で均一に分散させる。 したがって、上述の架橋ポリマーとは異なり、クラック又は傷が生じることはない。 しかしながら、材料を架橋ポリロタキサンのみで構成すると、相対的に高価になるという問題点を有する。 また、架橋ポリロタキサンのみでは、適用する材料に求められる特性を有しない場合がある。 そこで、本発明の目的は、上記問題を解決することにある。 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ポリロタキサン及びポリマーを有する材料であって、該ポリロタキサンの環状分子を介してポリロタキサンとポリマーの一部又は全部とを結合させる構成を採用することにより、上記課題が解決できることを見出した。 具体的には、本発明者らは、次の発明を見出した。 <1> ポリロタキサン及びポリマーを有する材料であって、該ポリロタキサンは、環状分子、該環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子、及び該直鎖状分子から前記環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両端に配置される封鎖基を有し、前記ポリロタキサンと前記ポリマーの少なくとも一部とが、前記環状分子を介して結合する、上記材料。 <2> ポリロタキサン及びポリマーを有する材料であって、該ポリロタキサンは、環状分子、該環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子、及び該直鎖状分子から前記環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両端に配置される封鎖基を有し、前記環状分子は直鎖状分子上を移動可能であり、前記ポリロタキサンと前記ポリマーの少なくとも一部とが、前記環状分子を介して結合し、前記環状分子の移動により材料の伸縮が可能である、上記材料。 <3> 上記<1>又は<2>において、ポリマーは、該ポリマーのすくなくとも一部が物理的及び/又は化学的に架橋しているのがよい。 <5> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、ポリマーが、主鎖又は側鎖に−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 なお、光架橋基として、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩、スチリルキノリウム塩などを挙げることができるがこれらに限定されない。 <7> 上記<1>〜<6>のいずれかにおいて、直鎖状分子は、その分子量が1万以上、好ましくは2万以上、より好ましくは3.5万以上であるのがよい。 <9> 上記<1>〜<8>のいずれかにおいて、環状分子は、−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 なお、光架橋基として、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩、スチリルキノリウム塩などを挙げることができるがこれらに限定されない。 <12> 上記<1>〜<11>のいずれかにおいて、環状分子が置換されていてもよいα−シクロデキストリンであり、直鎖状分子がポリエチレングリコールであるのがよい。 <14> 上記<1>〜<13>のいずれかにおいて、ポリマーとポリロタキサンの環状分子とは、架橋剤により化学結合されているのがよい。 <16> 上記<14>又は<15>において、架橋剤は、塩化シアヌル、トリメソイルクロリド、テレフタロイルクロリド、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタールアルデヒド、フェニレンジイソシアネート、ジイソシアン酸トリレイン、ジビニルスルホン、1,1'-カルボニルジイミダゾール、及びアルコキシシラン類からなる群から選ばれるのがよい。 <18> ポリロタキサン及びポリマーを有する材料の製造方法であって、 <19> <18>において、環状分子は直鎖状分子上を移動可能であり、ポリロタキサンとポリマーの少なくとも一部とが環状分子を介して結合し、環状分子の移動により材料の伸縮が可能であるのがよい。 <21> 上記<18>〜<20>のいずれかにおいて、c)工程をb)工程後に行うのがよい。 <24> 上記<18>〜<23>のいずれかにおいて、ポリロタキサンとポリマーとの重量比((ポリロタキサン)/(ポリマー))が1/1000以上であるのがよい。 <25> 上記<18>〜<24>のいずれかにおいて、ポリマーが、主鎖又は側鎖に−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 なお、光架橋基として、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩、スチリルキノリウム塩などを挙げることができるがこれらに限定されない。 <27> 上記<18>〜<26>のいずれかにおいて、直鎖状分子は、その分子量が1万以上、好ましくは2万以上、より好ましくは3.5万以上であるのがよい。 <29> 上記<18>〜<28>のいずれかにおいて、環状分子は、−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 なお、光架橋基として、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩、スチリルキノリウム塩などを挙げることができるがこれらに限定されない。 <32> 上記<18>〜<31>のいずれかにおいて、環状分子が置換されていてもよいα−シクロデキストリンであり、直鎖状分子がポリエチレングリコールであるのがよい。 <34> 上記<18>〜<33>のいずれかにおいて、ポリマーとポリロタキサンの環状分子とは、架橋剤により化学結合されているのがよい。 <36> 上記<34>又は<35>において、架橋剤は、塩化シアヌル、トリメソイルクロリド、テレフタロイルクロリド、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタールアルデヒド、フェニレンジイソシアネート、ジイソシアン酸トリレイン、ジビニルスルホン、1,1'-カルボニルジイミダゾール、及びアルコキシシラン類からなる群から選ばれるのがよい。 <38> ポリロタキサン及びポリマーを有する材料の製造方法であって、a)環状分子、該環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子、及び該直鎖状分子から前記環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両端に配置される封鎖基を有してなるポリロタキサンと、前記ポリマーを構成するモノマーとを混合する工程;b)前記モノマーを重合してポリマーを形成する工程;c)前記ポリマーの少なくとも一部を物理的及び/又は化学的に架橋する工程、及びd)前記ポリマーの少なくとも一部と前記ポリロタキサンとを、前記環状分子を介して結合させる工程、を有する、上記方法。 <39> 上記<38>において、環状分子は直鎖状分子上を移動可能であり、ポリロタキサンとポリマーの少なくとも一部とが環状分子を介して結合し、環状分子の移動により材料の伸縮が可能であるのがよい。 <41> 上記<38>〜<40>のいずれかにおいて、b)工程とc)工程とをほぼ同時に行うのがよい。 <44> 上記<38>〜<40>のいずれかにおいて、d)工程をc)工程前に行うのがよい。 <46> 上記<38>〜<45>のいずれかにおいて、ポリロタキサンとポリマーとの重量比((ポリロタキサン)/(ポリマー))が1/1000以上であるのがよい。 <47> 上記<38>〜<46>のいずれかにおいて、ポリマーが、主鎖又は側鎖に−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 なお、光架橋基として、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩、スチリルキノリウム塩などを挙げることができるがこれらに限定されない。 <49> 上記<38>〜<48>のいずれかにおいて、直鎖状分子は、その分子量が1万以上、好ましくは2万以上、より好ましくは3.5万以上であるのがよい。 <51> 上記<38>〜<50>のいずれかにおいて、環状分子は、−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 なお、光架橋基として、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩、スチリルキノリウム塩などを挙げることができるがこれらに限定されない。 <54> 上記<38>〜<53>のいずれかにおいて、環状分子が置換されていてもよいα−シクロデキストリンであり、直鎖状分子がポリエチレングリコールであるのがよい。 <56> 上記<38>〜<55>のいずれかにおいて、ポリマーとポリロタキサンの環状分子とは、架橋剤により化学結合されているのがよい。 <58> 上記<56>又は<57>において、架橋剤は、塩化シアヌル、トリメソイルクロリド、テレフタロイルクロリド、エピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタールアルデヒド、フェニレンジイソシアネート、ジイソシアン酸トリレイン、ジビニルスルホン、1,1'-カルボニルジイミダゾール、及びアルコキシシラン類からなる群から選ばれるのがよい。 本発明により、架橋ポリマーが有する特性と架橋ポリロタキサンが有する特性とを併せて有する材料及びその製造方法を提供することができる。 換言すると、本発明により、架橋ポリマーが有する特性と伸縮性又は粘弾性とを併せて有する材料及びその製造方法を提供することができる。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の材料について、図1を用いて説明する。 図1は、本発明の材料1の概念図を示す。 本発明の材料1は、ポリマー3及びポリロタキサン5を有する。 ポリロタキサン5は、直鎖状分子6、環状分子7、及び封鎖基8を有してなる。 ポリマー3及びポリマー3'とポリロタキサン5とは、環状分子7を介して結合してなる。 図1(a)に示すような材料1に、矢印方向の変形の応力が負荷された場合、材料1は、図1(b)に示すような形態を採ることができる。 即ち、環状分子7が直鎖状分子6に沿って移動可能であるため(換言すると、直鎖状分子が環状分子内を移動可能であるため)、変形の応力を材料内で吸収することができる。 一方、従来のポリロタキサンを有しない材料の場合、図示しないが、変形の応力が負荷された場合、材料内で該応力を吸収することができず、ポリマー間の結合が切断される。 本発明の材料は、材料中、ポリロタキサンとポリマーとが結合又は架橋する。 ポリマー同士が架橋していても、ポリロタキサン同士が架橋していてもよい。 より具体的には、本発明は、i)ポリロタキサンとポリマーとが結合又は架橋し、ポリマー間が架橋し且つポリロタキサン間が架橋する材料;ii)ポリロタキサンとポリマーとが結合又は架橋し且つポリロタキサン間が架橋する一方、ポリマー間は架橋しない材料;iii)ポリロタキサンとポリマーとが結合又は架橋し且つポリマー間が架橋する一方、ポリロタキサン間は架橋しない材料;iv)ポリロタキサンとポリマーとが結合又は架橋する一方、ポリマー間が架橋せず且つポリロタキサン間が架橋しない材料;を提供することができる。 なお、i)〜iv)のいずれの場合であっても、ポリマーは、ポリロタキサンとの結合又は架橋を介して、もしくはポリマー同士の架橋を介して、架橋ポリマーを形成する。 本発明の材料のポリマーは、特に限定されないが、主鎖又は側鎖に−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 なお、光架橋基として、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩、スチリルキノリウム塩などを挙げることができるがこれらに限定されない。 本発明におけるポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。 2種以上のポリマーを有していてもよく、2種以上のポリマーを有する場合には、少なくとも1種のポリマーがポリロタキサンと環状分子を介して結合しているのがよい。 本発明の材料のポリマーがコポリマーである場合には、2種、3種又はそれ以上のモノマーから成ってもよい。 コポリマーである場合、ブロックコポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー、グラフトコポリマーなどの1種であるのがよい。 ポリマーの例として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタク� ��レートや(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれらの誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類、ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘 導体を挙げることができるが、これらに限定されない。 なお、誘導体として、上述の基、即ち−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 本発明の材料のポリロタキサンの直鎖状分子として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のポリスチ� ��ン系樹脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれらの誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類、ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオ レフィン類、並びにこれらの誘導体を挙げることができ、例えばポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、及びポリプロピレンからなる群から選ばれるのがよく、特にポリエチレングリコールであるのがよい。 本発明の材料のポリロタキサンの封鎖基は、環状分子が直鎖状分子から脱離しない作用を有する基であれば特に限定されないが、例えばジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、ピレン類、置換ベンゼン類(置換基として、アルキル、アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、スルホニル、カルボキシル、アミノ、フェニルなどを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、置換されていてもよい多核芳香族類(置換基として、上記と同じものを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、及びステロイド類からなる群から選ばれるのがよい。 なお、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、及びピレン類からなる群から選ばれるのが好ましく、より好ましくはアダマンタン基類又はトリチル基類であるのがよい。 本発明の材料のポリロタキサンの環状分子は、−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのがよい。 なお、光架橋基として、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩、スチリルキノリウム塩などを挙げることができるがこれらに限定されない。 環状分子は、置換されていてもよいシクロデキストリン分子であるのがよく、該シクロデキストリン分子がα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリン、並びにその誘導体からなる群から選ばれるのがよい。 本発明の材料において、環状分子が置換されていてもよいα−シクロデキストリンであり、直鎖状分子がポリエチレングリコールであるのがよい。 環状分子の包接量が最大値に近い状態であると、直鎖状分子上の環状分子の移動距離が制限される傾向が生じる。 移動距離が制限されると、材料の伸縮の度合いが制限される傾向が生じるため、好ましくない。 本発明の材料において、ポリマーとポリロタキサンの環状分子とは、架橋剤により化学結合されているのがよい。 本発明の材料は、上述のように、ポリロタキサンの存在により、伸縮性をもたらすことができる。 なお、上述のように、伸縮性は、ポリロタキサンの量、上述の包接量などに依存し、材料に求められる特性に応じて、これらの量を制御するのが好ましい。 また、これらの材料として、次のものを挙げることができるが、これらに限定されない。 上述の材料は、例えば次のような方法により製造することができる。 b)工程において、ポリマーの少なくとも一部を化学架橋するのがよい。 化学架橋は、例えば架橋剤を用いて行うことができる。 架橋剤として、上述のものを挙げることができるが、これらに限定されない。 上記c)工程は、b)工程後に行っても、b)工程前に行ってもよい。 また、b)工程とc)工程とをほぼ同時に行ってもよい。 a)の混合工程は、用いるポリマーに依存するが、溶媒なしで行っても溶媒中で行ってもよい。 溶媒を用いる場合、該溶媒として、水、トルエン、キシレン、ベンゼン、アニソール、シクロヘキサノン、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等を挙げることができるが、これらに限定されない。 b)の架橋工程は、従来より公知のポリマー架橋条件下で行うのがよい。 例えば、次のような条件を挙げることができるが、これらに限定されない。 例えば、ア)ポリマーがエポキシ基のような活性な置換基を有している場合、加熱又はアミンや酸無水物のような活性水素の存在により架橋反応を生じさせることができる。 また、光酸発生剤、光塩基発生剤の存在下で光照射をすることでも架橋反応を生じさせることができる。 イ)ポリマーがビニル基のような不飽和二重結合を有している場合、熱又は光ラジカル発生剤の存在下、加熱又は光照射により架橋反応を生じさせることができる。 ウ)ポリマーが前述の光架橋基を有している場合、加熱又は光照射により架橋反応を生じさせることができる。 エ)ポリマーが水酸基、アミノ基、カルボキシル基等を有している場合、多置換イソシアネート類やカルボジイミド類、トリアジン類、シラン類の存在により架橋反応を生じさせることができる。 オ)ポリマーが種々の基を有していない場合であっても電子線照射により架橋反応を生じさせることもできる。 c)の結合工程は、ポリマーが主鎖及び/又は側鎖に有する基、例えば−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基などと、環状分子が有する基、例えば−OH基、−NH 2基、−COOH基、エポキシ基、ビニル基、チオール基、及び光架橋基などとを化学反応させることにより、行うのがよい。 c)の結合工程の条件は、ポリマーが有する基、環状分子が有する基などに依存する。 結合工程の条件は、例えば、上述の架橋条件を同様に用いることができるが、これに限定されない。 また、本発明の材料は、次のような製法によっても製造することができる。 上記方法において、c)工程で、ポリマーの少なくとも一部を化学架橋するのがよい。 化学架橋は、例えば架橋剤を用いて行うことができる。 架橋剤として、上述のものを挙げることができるが、これらに限定されない。 上記方法において、b)工程とc)工程とをほぼ同時に行うのがよい。 また、c)工程とd)工程とをほぼ同時に行うのがよい。 さらに、b)工程とc)工程とd)工程とをほぼ同時に行ってもよい。 モノマーを重合しポリマーを形成工程の条件は、用いるモノマーなどに依存する。 それらの条件は、従来より公知の条件を用いることができる。 本発明の製法に用いるポリロタキサン、ポリマー、環状分子、直鎖状分子、封鎖基などは、上述したものと同じものを用いることができる。 なお、ポリマーを構成するモノマーは、該ポリマーに依存するが、該ポリマーを形成できる限り、特に限定されない。 以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。 <ポリロタキサンの調製> <<PEG−カルボン酸とα−CDとを用いた包接錯体の調製>> <<アダマンタンアミンとBOP試薬反応系を用いた包接錯体の封鎖>> <<α−CDのオキシメチル化>> <本発明の材料の調製> (比較例1) ゲル化物A−1及びA−2の粘弾性曲線を測定したところ、表1及び図2の結果を得た。 表1及び図2から分るように、本発明の材料であるゲル化物A−1は、メチル化ポリロタキサンの存在により、伸長率が向上したことがわかる。 PEGの分子量を50万とし、CD:PEGモノマー=29:200(包接率:29%)とし、メチル化率:30%とした以外、実施例1と同様に、メチル化ポリロタキサンを調製した。 <本発明の材料の調製> (比較例2) ゲル化物A−3及びA−4の粘弾性曲線を測定したところ、表2及び図3の結果を得た。 表2及び図3から分るように、本発明の材料であるゲル化物A−3は、メチル化ポリロタキサンの存在により、伸長率が向上したことがわかる。 実施例1と同様の方法により、ポリロタキサンを調製した。 <本発明の材料の調製> PEGの分子量を50万とし、CD:PEGモノマー=29:200(包接率:29%)とし、ヒドロキシプロピル化率:35%とした以外、実施例3と同様に、ヒドロキシプロピル化ポリロタキサンを調製した。 <本発明の材料の調製> <本発明の材料の調製> <本発明の材料の調製> <本発明の材料の調製> <本発明の材料の調製> (比較例3) <本発明の材料の調製> <本発明の材料の調製> 実施例3と同様の方法により、ヒドロキシプロピル化ポリロタキサンを調製した。 <ポリビニルアルコールへのメタクリロイル基導入> <本発明の材料の調製> PEGの分子量を50万とし、CD:PEGモノマー=29:200(包接率:29%)とし、ヒドロキシプロピル化率:35%とした以外、実施例12と同様に、メタクリロイル化ポリロタキサンを調製した。 <本発明の材料の調製> |