Cationic polymer having a degradability of the crosslinked

申请号 JP2006536655 申请日 2004-10-07 公开(公告)号 JP4772686B2 公开(公告)日 2011-09-14
申请人 日東電工株式会社; 发明人 ヴァン、サング; カステッロ、クリス; リ、シェン;
摘要
权利要求
  • カチオン性の繰り返し単位及び架橋単位からなる合成ポリマーであって、
    カチオン性の繰り返し単位が、スペルミン、スペルミジン、ペンタエチレンヘキサミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N'−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N'−ビス(2−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N'−ビス(2−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、及びその塩からなる群より選ばれるものであり、
    該架橋単位が、ベンゾ−1,4−ジアセタールジペンタエリスリトールテトラアクリレート(BDADPTA)であり、
    重量平均分子量が、1000ダルトン〜100000ダルトンの範囲にある合成ポリマー。
  • 該カチオン性の繰り返し単位 が、ペンタエチレンヘキサミン又はその塩である請求項1の合成ポリマー。
  • 核酸 、ペプチド、脂質、及び炭水化物からなる群より選ばれる生理活性剤と、請求項 1又は2に記載の合成ポリマーとからなる担体組成物 であって、
    該合成ポリマーの該生理活性剤に対する重量比が、32/1〜8/1である担体組成物。
  • 該生理活性剤は核酸である、請求項 の担体組成物。
  • 該核酸は、DNA、RNA、リボソーム、及びDNA−RNAハイブリッドからなる群より選ばれるものである、請求項 の担体組成物。
  • 該核酸はDNAである、請求項 の担体組成物。
  • 該核酸はRNAである、請求項 の担体組成物。
  • 該RNAは二本鎖である、請求項 の担体組成物。
  • 細胞の生存能を維持するのに有効な条件下で請求項 の担体組成物を生存能のある、 ヒトの細胞ではない細胞と接触させることを備える、生理活性剤を送達する方法。
  • 該細胞を該生理活性剤でトランスフェクトすることをさらに備える、請求項 の方法。
  • 該生理活性剤はDNAである、請求項 10の方法。
  • 说明书全文

    本発明は総じて分解性ポリマーに関する。 更にとりわけ、本発明は、架橋されたカチオン性ポリマーであって、該架橋が生理条件下で分解性であるものに関する。 好ましい分解性のカチオン性ポリマーは、生理活性材料(例えば核酸)を細胞の核に送達するのに有用である。

    遺伝子治療は、核酸(例えばDNA)を細胞の核に送達することを要する。 ウイルスによる送達系(デリバリーシステム)及び非ウイルスの送達系の両方が開発されている(1〜5)。 非ウイルスの送達系の利点には、免疫原性がないこと、急性毒性が低いこと、及び設計に柔軟性があることがある(6〜10)。 種々の材料が非ウイルス性の遺伝子担体として開発されており、それらには、カチオン性脂質及びリポソーム(11)、エンドソーム溶解ペプチド(12)、並びにポリマー類(例えば、ポリL−リジン(PLL)及びその抱合体(13)、ポリエチレンイミン(PEI)(14)、ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー(15)、並びにポリ[α−(4−アミノブチル)−L−グリコール酸](PAGA)(16))がある。

    非ウイルスの遺伝子送達系は、通常は、(a)遺伝子担体と核酸とで複合体を形成し、(b)エンドサイトーシスを介して細胞により該複合体を取り込ませ、(c)エンドソームから該核酸を脱出させ、そして(d)核中に該核酸を導入することにより、機能する(23)。 残存する遺伝子担体の細胞毒性の可能性を減らすため、生物分解性ポリマーの遺伝子担体が開発されている(17〜22)。 しかし、既存の生物分解性ポリマーの遺伝子担体には多くの欠点がある。 例えば、そのような担体は、多くの場合、分解が遅すぎる(従って、組織を損傷する危険がある)傾向にあるか、あるいは、ごく短時間しか細胞質内にとどまらない傾向にあり、その結果、核酸の送達が不完全になる。

    (参照文献)
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    好ましい態様により提供されるのは、カチオン性の繰り返し単位及び架橋単位からなる合成ポリマーであって、該架橋単位が、アセタール、イミン及びヒドラゾンからなる群より選ばれる少なくとも一つの第一の分解性単位と、エステル、ホスホエステル、アミド、無物、及びウレタンからなる群より選ばれる少なくとも一つの第二の分解性単位とからなる、合成ポリマーである。 好ましくは、該第一の分解性単位は、酸に不安定であり、かつ、該第二の分解性単位は、生物分解性(例えば加水分解性)である。 本発明は理論に制限されるものではないが、少なくとも一つの第一の分解性単位と少なくとも一つの第二の分解性単位を単一のポリマー構造に組み込むことによって、該ポリマーは、エンドソーム及び細胞質の両方の環境において速く分解されると考えられる。

    もう一つの好ましい態様により提供されるのは、核酸、ポリペプチド、ペプチド、脂質、及び炭水化物からなる群より選ばれる生理活性剤と上記合成ポリマーとからなる担体組成物である。 もう一つの好ましい態様により提供されるのは、生理活性剤を送達する方法であって、細胞の生存能を維持するのに有効な条件下で生存能のある細胞と該担体組成物とを接触させることを備える生理活性剤を送達する方法である。

    これらの態様及び他の態様を、以下により詳細に説明する。

    本発明の上記局面及び他の局面は、以下の説明及び添付の図面から直ちに明らかになるが、それらは、本発明を例示するものであって本発明を限定するものではない。

    好ましい態様は、カチオン性の繰り返し単位及び架橋単位からなる合成ポリマーに関する。 用語「カチオン性の繰り返し単位」は、その通常の意味でここに使用するものであり、合成ポリマー(例えば、ポリマーの骨格(主鎖)又は側鎖)中に組み込まれた又は組み込むのに適した種々の正に荷電した化学基を指す。 好ましいカチオン性の繰り返し単位は、正に荷電したアミン基からなる。 正に荷電したアミン基には、酸性条件下で正に荷電した第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンがあり、さらに、広いpH範囲にわたって正に荷電した第四級アミンがある。 最も好ましくは、カチオン性の繰り返し単位は第四級アミン基からなる。 ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリエチレンイミン、及びポリプロピレンイミンは、カチオン性の繰り返し単位からなる好ましい合成ポリマーの非限定的な具体例である。

    カチオン性の繰り返し単位は、対応するカチオン性モノマーの重合により、あるいは、後反応により、ポリマー中に組み込むことができる。 重合は、共重合とすることができ、段階及び連鎖重合メカニズムを含む一般的に当業者に知られた手法を用いて、種々の重合メカニズムにより進めることができる(G.Odian,Principles of Polymerization 3rd Ed.,John Wiley(1991)参照)。 重合に適する好ましいカチオン性モノマーの非限定的な具体例には、スペルミン、スペルミジン、ペンタエチレンヘキサミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N'−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N'−ビス(2−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N'−ビス(2−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、及びポリ(アミドアミン)デンドリマーがある。 図7は、好ましいカチオン性の繰り返し単位の具体例の名称及び化学構造を示すとともに、重合によりカチオン性の繰り返し単位を形成できる好ましいモノマーの具体例の名称及び化学構造を示している。 カチオン性モノマーは、市販品として入手でき、あるいは、当業者に知られた方法により合成できる。

    架橋ポリマーは、その末端以外の部分で互いに結合するポリマー鎖を含んでいる(G.Odian,Principles of Polymerization 3rd.,John Wiley(1991)参照)。 ここで使用する用語「架橋単位」は、二つの鎖の間の結合部分の一部又は全部を形成する化学基を指す。 従って、架橋単位は、二以上のポリマー鎖に、該鎖の末端以外の位置で結合する。 架橋単位は、適当な架橋剤の存在下でポリマーを形成することにより、あるいは、複数のポリマーを互いに反応させて結合部を形成することにより、ポリマー鎖中に組み込むことができる。

    架橋単位は、アセタール、イミン及びヒドラゾンからなる群より選ばれる少なくとも一つの第一の分解性単位と、エステル、ホスホエステル、アミド、無水物、及びウレタンからなる群より選ばれる少なくとも一つの第二の分解性単位とからなることが好ましい。 第一の分解性単位は、酸に不安定であることが好ましく、また、第二の分解性単位は、加水分解性であることが好ましい。 好ましい架橋剤には、通常、モノマーとの反応に適する重合可能な基であって、得られるポリマーと架橋単位とを互いに結合させる重合可能な基が含まれる。 また、好ましい架橋剤には、上述した第一及び第二の分解性単位が含まれ、または、分解性単位は、架橋剤をポリマー中に組み込むことにより形成される架橋単位を後反応させることによって形成してもよい。 好ましい架橋剤は、式R 1 X −(−X−R 3 −Y−) Z −R 2 y (式中、R 1及びR 2は重合可能な基であり、R 3は結合基であり、Xはアセタール、イミン及びヒドラゾンの群より選ばれる第一の分解性単位であり、Yはエステル、ホスホエステル、アミド、無水物、及びウレタンからなる群より選ばれる第二の分解性単位であり、x及びyは1〜3の範囲にある整数であり、かつzは1〜5の範囲にある整数である)によって表される。 好ましくは、R 1及びR 2は、それぞれ独立して、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、イソチオシアネート、イソシアネート、エポキシド、アルデヒド、塩化アシル、塩化スルホニル、無水物、マレイミド、カルボン酸、カルボン酸エステル、ヒドロキシル、アミン、及びアミドからなる群より選ばれる。 好ましくは、R 3は、6〜10の炭素原子を有するアリール基、4〜10の炭素原子を有するシクロアルキル基、−(CH 2n −、−(CH 2 O) n −、及び−(CH 2 CH 2 −O) n −(ここでnは、1〜約100の範囲、より好ましくは1〜約5の範囲にある)からなる群より選ばれる。 架橋剤は、例えば、重合可能な基、第一の分解性基、及び第二の分解性基といった含めるべき基の性質に応じて、市販の供給源から入手してもよいし、あるいは、当業者に知られた方法により合成してもよい。

    カチオン性の繰り返し単位及び架橋単位からなる合成ポリマーは、架橋剤の存在下でカチオン性モノマーを重合させることにより調製することが好ましい。 モノマー及び架橋剤に存在する重合可能な基の性質に応じて、種々の重合方法を用いることができる。 好ましい態様として、カチオン性モノマーは、該モノマーが適当な架橋剤と反応することができるように二以上の活性水素を有する脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素である。 図7に示すようなポリアミン類は、活性なアミン水素原子を有する好ましいカチオン性モノマーの具体例である。 好ましいカチオン性モノマーは、三つ以上の活性水素を含む。

    カチオン性の繰り返し単位及び架橋単位からなる合成ポリマーの調製の概略図を図1に示す。 ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)及び架橋剤BDADPTAから得られるポリマーの合成が、下記の実施例において説明されるが、これは、種々のカチオン性ポリマーを合成するのに使用できる類似化合物を含む他の合成法に対する指針となる。 架橋剤の存在下におけるカチオン性モノマーの重合は、適当な溶媒又は懸濁媒質中で行うことが好ましい。 カチオン性モノマーと架橋剤の割合は、重要ではなく、通常の実験によって決定することができる。 ポリアミンのモノマーについて、反応物質の比(架橋剤におけるアミン反応性官能基当量の数:ポリアミンモノマーにおけるアミン水素当量の数として表される)は、約1:10〜約1:1の範囲にあることが好ましい。 より好ましくは、約1:5〜約4:5の範囲にある反応物質の比が用いられる。 式R 1 X −(−X−R 3 −Y−) Z −R 2 yによって表される架橋剤について、アミン反応性官能基当量の数は、x+yに等しい。 例えば図7に示すようなポリアミンについて、アミン水素当量の数は、窒素原子に結合した反応性水素原子の数である。

    もう一つの好ましい態様は、核酸、ポリペプチド、ペプチド、脂質、及び炭水化物からなる群より選ばれる生理活性剤と上述した合成ポリマーとからなる担体組成物に関する。 「核酸」は、少なくとも二つのヌクレオチドを含むポリマーである。 「ヌクレオチド」は、糖デオキシリボース(DNA中)又はリボース(RNA中)、塩基及びホスフェート基を含む。 ヌクレオチドは、ホスフェート基を介して互いに結合され、そして、ヌクレオチドは、核酸ポリマーの単量体単位である。 用語「核酸」は、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)を包含する。 DNAは、アンチセンス、プラスミドDNA、プラスミドDNAの一部、ベクター、発現カセット、キメラの配列、染色体DNA、又はそれらの基の誘導体の形態でもよい。 RNAは、オリゴヌクレオチドRNA、tRNA、snRNA、rRNA、mRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、キメラの配列、又はそれらの基の誘導体の形態でもよい。

    「ペプチド」は、一つのアミノ酸のカルボキシル基ともう一つのアミノ酸のアミノ基とにより結合された二以上のアミノ酸を含む天然又は合成の化合物である。 ペプチドの種類には、多くのホルモン、抗生物質、及び生存生物の代謝機能に関与する他の化合物が含まれる。 「ポリペプチド」は、隣接するアミノ酸残基のα−アミノ基とカルボキシル基とのペプチド結合により互いに結合されたアミノ酸残基の線状連鎖を指す。 「脂質」は、主として又はもっぱら非極性基から構成される多様な種類の生物物質である。 それらの非極性の特性に起因して、脂質は通常、水よりも、非極性の溶媒(例えばアセトン、エーテル、クロロホルム、及びベンゼン)に、より容易に溶解する。 この溶解特性は、細胞において非常に重要である。 というのも、細胞間及び細胞内に境界を形成する細胞膜におけるように、脂質は、非極性基及び境界に会合する傾向にあるためである。 膜において重要な役割を有する他、脂質は、細胞においてエネルギー源として貯蔵されかつ使用される。

    「炭水化物」は、C X (H 2 O) Xの一般式を有する広範囲な種類のポリヒドロキシル化されたアルデヒド類及びケトン類についての用語である。 アルデヒド類及びケトン類は、ともにカルボニル基を含む。 ケトン類ではカルボニル基に結合する両方の原子が炭素である一方、アルデヒド類では一方が水素である。

    他の好ましい態様としては、ここに記載するような架橋されたカチオン性ポリマー及び生理活性剤からなる担体組成物である。 好ましい架橋されたカチオン性ポリマーは、水に分散されるとき、そのカチオン性部分を介して負に荷電した生理活性剤(好ましくはプラスミド又はオリゴヌクレオチドDNA)と強く会合し、そのため該生理活性剤を密集させ、それにより、該架橋されたカチオン性ポリマーと該生理活性剤とからなる担体組成物を形成する性質を有する。 電荷比に基づき、該担体組成物は、核酸に対して過剰の架橋されたカチオン性ポリマーを含むことが好ましく、それにより、該担体組成物の細胞膜への吸着及び細胞による生理活性剤の摂取が容易になる。

    他の態様として、生理活性剤を送達する方法に関し、該方法は、細胞の生存能を維持するのに有効な条件下で生存能のある細胞を上述した担体組成物と接触させることを備える。 in vitroのトランスフェクション(生理活性剤を細胞の核に送達すること)は、上記担体組成物の溶液から、好ましくは使用時において、得られるトランスフェクション用混合物を、適当な媒質において細胞懸濁物と接触させることにより行うことが好ましい。 トランスフェクションの時間は、細胞の性質に応じて、通常、約10分〜約48時間の範囲である。

    好ましいin vitroトランスフェクションのプロトコルは、次のとおりである。 細胞を10000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、10%ウシ胎児血清(FBS)、2mMのL−グルタミン、0.1mMの非必須アミノ酸、及び1.0mMのピルビン酸ナトリウムで補足した最小必須培地(MEM)において、トランスフェクションの前、60〜70%の集密度に達するまで生育する。 トランスフェクションに先立ち、細胞をゆすぎ、血清を含まない培地又は10%FBSを含む培地を各ウェルに添加する。 担体複合体及び1μgのプラスミドDNAを含む溶液で細胞を37℃で4時間処理する。 カチオン性ポリマーの濃度は、通常、ポリマー/DNA比の範囲に応じて変わってくる。 トランスフェクション混合物を新鮮な培地と交換し、そして細胞を37℃で48時間さらにインキュベートする。

    ルシフェラーゼ遺伝子発現を、ルミネッセンスアッセイにより測定することが好ましい。 増殖培地を取り除き、細胞をPBSで二回ゆすぎ、100μLのレポーター溶解緩衝液(Reporter Lysis Buffer(Promega))中、室温において20分間溶解させる。 溶解物を遠心分離によって清澄にし、タンパク質含量をマイクロBCAプロテインアッセイ試薬キット(Pierce)を用いて測定する。 30マイクロリットルの溶解物を、ルミノメーターのチューブに分配し、Lumat LB9507ルミノメーター(Berthold、Germany)において、100μLのルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)を自動注入し、2秒の測定遅延時間で10秒間にわたってルシフェラーゼ活性を積算する。 結果は、細胞タンパク質1mgあたりの相対光単位として表す。

    in vivoの実験は、通常、マウス又はウサギについて行い、静脈内への投与を通じて、注射したnaked DNA又は担体組成物の血液クリアランスの生体内分布及び動学を測定する。 細胞の生存度は、PBSのみで処理した生きた細胞の数に対するPBS緩衝溶液中担体組成物で処理した生きた細胞の数の比である。 細胞生存度の評価は、MTTアッセイにより行うことが好ましい。 細胞の生存度(%)=(OD(サンプル)/OD(対照))×100(ここでOD(サンプル)は、担体組成物で処理されたウェルからの570nmにおける光学密度(OD)の測定値であり、OD(対照)は、PBS緩衝溶液のみで処理したウェルからの570nmにおける光学密度(OD)の測定値である)。 T. Mosman,“Rapid colorimetric assay for cellular growth and survival:application to proliferation and cytotoxicity assay”J. Immunol. Methods,1983,65,55−63を参照。

    好ましい態様としてここに記載したとおり、単一のポリマー構造に加水分解性の特性と酸不安定性の特性の両方を組み込むことにより、両方の特徴の組合せを利用して分解過程を制御することができ、例えば、生理活性剤の送達を制御した後、ポリマーの分解を制御することが可能である。 本発明は理論に制限されるものではないが、考えられるところによれば、分解はエンドソームの内部で始まり、そこにおいて、相対的に低いpH値(pH=5.0〜5.5)により酸に不安定な結合の開裂と生理活性剤の放出がもたらされ、その後、細胞質の環境において、残存するポリマーの加水分解が起こり、できれば非毒性の小分子成分がもたらされる。

    酸に不安定な結合を有する担体組成物は、特定の細胞(腫瘍細胞など)(そこにおいて、相対的に低いpH値により、ポリマーの分解が促進される)に活性物質を送達するのに特に有用である。 好ましい組成物としては、調製及びスケールアップが比較的簡単なものである。 さらに、アミン基を含む多くの非毒性小分子を初期成分として選択することができ、それにより、最終的な分解最終分子は非毒性となる。

    架橋剤(BDADPTA)の合成工程A:ベンゾ−1,4−ジアセタールジペンタエリスリトール(BDADP)の生成

    1,4−ジベンズアルデヒド(10.0グラム)を500ml丸底フラスコにおいて125mlのメタノールに溶解し、45℃に加熱した。 別に、25.0グラム(g)のペンタエリスリトールを250mlの50:50メタノール/水に45℃で溶解した。 次いでペンタエリスリトールの溶液を、撹拌しながら45℃において1時間で1,4−ジベンズアルデヒドの溶液に滴下した。 反応混合物を、45℃で4時間撹拌させた。 この間に形成された白色沈殿物を、加熱ろ過(45℃)し、水性NaHCO

    3で洗浄した。 集めた粗生成物を、200mlのNaHCO

    3 −H

    2 O溶液中70℃に1時間加熱することにより、開始ペンタエリスリトールから精製し、そして加熱ろ過した。 次いで、水を含む湿った生成物を、ディーン−スターク排水トラップを介してトルエンで還流することにより乾燥し、続いて、室温まで冷却した後、ろ過した。 18g(65%)の生成物を白色の固体として採集した。

    工程B:ベンゾ−1,4−ジアセタールジペンタエリスリトールテトラアクリレート(BDADPTA)の生成

    二つの滴下漏斗を備えた1L三つ口丸底フラスコにおいて、BDADP(25グラム)を70℃で500mlの1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に溶解した。 この系にアルゴンを充填し、溶液を氷浴において冷却した。 25mlNMP中のトリエチルアミン(TEA,25グラム)を滴下し、次いで、TEAよりも若干遅い速度で、25mLのNMP中の塩化アクリロイル42gを滴下することにより、塩基性の溶液を確保した。 添加後、その反応は室温まで温めて行われ、一晩撹拌した。 NaHCO

    3により塩基性とした水中で反応混合物を沈殿させることにより、NMPを除去した。 粗生成物として得られた固体を、次いでDCMに溶解し、MgSO

    4で乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO

    2 、酢酸エチル/ヘキサン:10/90)により精製した。 生成物は無色の固体(22.0g、56%)として採集した。

    架橋されたカチオン性ポリマーの調製:0.46gのペンタエチレンヘキサミン(PEHA)(Aldrichより)を秤量し、小バイアルにいれ、そして、5mlの塩化メチレンを加えた。 PEHAを完全に溶解した後、2mlの塩化メチレン中0.58gのBDADPTAを室温で撹拌しながら一度にPEHA溶液に添加した。 さらに塩化メチレンを溶液に加えて、合計容量を約10mlとした。 得られた反応混合物は、100mlのエーテル中に添加する前に、室温で9時間撹拌した。 得られた架橋ポリマーは、遠心分離の後、沈殿させ、ゲルのような固体として得られ、その後、減圧下で乾燥した。 1 H−NMRスペクトルにより、アクリルの炭素−炭素二重結合が完全に消失したことがわかった。

    in vitroトランスフェクション効率:この具体例は、実施例2(サンプル1)のポリマーがプラスミドDNA(又は他の生理活性種)を哺乳動物の細胞の核に送達できることを実証するものである。 このことは、GFP(緑色蛍光タンパク質)プラスミドDNAをレポーター遺伝子として用いたトランスフェクション効率の実験により実証される。

    手順:永久細胞(293細胞又はHT1080細胞、ATCC)を、24ウェル組織培養プレートに播種し(293細胞について2×10 5細胞/ウェル、HT1080について8×10 4細胞/ウェル)、そして、10%FBS(Gibco)を含むDMEM(Gibco)において一晩インキュベートした。 各ウェルについて、実施例2の架橋ポリマーを異なる量含む30μlDMEMのアリコート(DNA/ポリマーの重量比が16/1と8/1に相当するもの)を、撹拌しながら、0.6μgのプラスミドDNA(pCMV−GFPプラスミドDNA)を含む30μlのDMEMに滴下した。 このポリマー−DNA溶液(担体組成物)を15分間室温でインキュベートし、DNA−ポリマー複合体の形成を可能にした。 10%FBS及び抗生物質を含む150μlのDMEM培地を、DNAポリマー複合体に添加し、次いで、細胞をPBSで洗浄した後、その混合物を各ウェルの細胞に加えた。 細胞を3時間(37℃、7.5%CO 2 )インキュベートし、次いで、培地を、10%FBS、100U/mlペニシリン、及び100μg/mlストレプトマイシンを含むDMEM培地に変えた。 トランスフェクション後の24時間で、細胞におけるGFPシグナルを、蛍光顕微鏡(Olympus、フィルター515〜550nm)の下で観測した。 トランスフェクトした培養物中のGFPシグナルを有する細胞の百分率を、最適なカチオン性ポリマー量についての三領域(three field)のカウント数から求めた。 図2に示すように、架橋ポリマーのトランスフェクション百分率は、50%(16/1)と45%(8/1)であった。 これに対し、市販の標準的カチオン性ポリマー#51は、60%(16/1)と50%(8/1)のトランスフェクション効率の値を有した。

    架橋ポリマーの細胞に対する毒性:実施例2(サンプル1)の架橋されたカチオン性ポリマーの哺乳動物細胞に対する細胞毒性を、3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)法を用いて評価した。 簡単に説明すると、HT1080細胞(2×10 4細胞/ウェル又は4×10 4の293細胞)を、96ウェルプレートに播種し、そして、16〜24時間インキュベートした。 ポリマーを含む15μlDMEMのアリコートを、0.3μgのプラスミドを含むDMEM15μlに一滴ずつ加え、そして、室温で15分間インキュベートしてポリマー/DNA複合体を形成した。 75μlのDMEMをポリマー−DNA複合体に添加し、そして、50μlの混合物を細胞に加えて3時間インキュベート(37℃、7.5%CO 2 )した。 次いで培地を取り除き、10%FBS、100U/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを含むDMEM培地を添加した。 その後さらに24時間インキュベートした後、培地を取り除き、10μlのMTT溶液(5.0mg/ml、Sigma)を各ウェルに添加して3時間インキュベートした。 次いで培地を除去し、200μlのDMSOを添加してホルマザン結晶を溶解した。 全ての実験を三連で行った。 溶液の吸光度を570nmで測定した。 細胞の生存度を、蛍光顕微鏡(Olympus,フィルター515〜550nm)下で視覚化し、次式を用いて算出した。 生存度(%)={吸光度570(サンプル)/吸光度570(対照)}×100。 その結果、トランスフェクション後により多くの細胞が生き残ったことから、架橋ポリマーの細胞毒性は、標準的なNDTカチオン性ポリマーよりもかなり低いことがわかった。 この結果を図3にグラフで示す(サンプル1は実施例2の架橋されたカチオン性ポリマーであり、#51は市販の対照物である)。

    異なる環境における架橋ポリマーの分解:異なる環境において実施例2の架橋ポリマーの分解を評価するため、実施例2の架橋ポリマーのサンプル(サンプル1)を、5mg/mlの濃度で、PBS緩衝溶液中、室温(約22℃)及び37℃の両方において、4時間、8時間、24時間、48時間、それぞれインキュベートし、中性条件下における該サンプルの加水分解を評価した。 次いで、種々の部分的に分解されたポリマーのサンプルを、GFPトランスフェクション測定を用いて評価した(図4及び図5)。 また、pH=5の緩衝溶液中、5mg/mlの濃度で、室温(約22℃)において同じ時間インキュベーションを行った後、同じGFPトランスフェクション測定を、実施例2の架橋ポリマーについて行った。 酸において(図6)、結果は、インキュベーション時間が24時間に増加すると、トランスフェクション効率が急速に減少したことを明らかにしている。 しかし、中性条件下において、サンプルはより安定であった(図4及び図5)。 PBS中室温で48時間インキュベーションを行った後のサンプルによるトランスフェクション効率は、その最初の値の80%が依然として残っていた。 PBS中37℃で24時間インキュベーションした後、トランスフェクション効率が、その最初の値の10%まで低下した高い温度において、分解の促進が認められた

    当業者に明らかなとおり、本発明の範囲を逸脱することなく、上述したプロセス及び組成物に対して種々の省略、付加、及び変更を行うことができ、そして、そのような修飾及び変更のすべてが、添付の請求の範囲に規定される本発明の範囲に入るものである。

    ポリマーの合成及び分解の具体例を図式的に示したものである。

    好ましいカチオン性ポリマー(サンプル1)によって293細胞に送達された緑色蛍光タンパク質(GFP)レポーター遺伝子のトランスフェクション効率を示す棒グラフであり、標準サンプル(#51)との比較を示している。 GFPシグナルをトランスフェクション後24時間で観測した。 枠内の数字はポリマー対DNAの重量比を示す。

    一連の好ましいカチオン性ポリマー−DNA複合体(サンプル1)で処理した後の細胞(293細胞)の生存百分率を示す棒グラフであり、標準サンプル(#51)との比較を示している。 枠内の数字はポリマー対DNAの重量比を示す。

    PBS緩衝溶液(pH=7.4)中、室温(〜22℃)において、4時間(A1)、8時間(A2)、24時間(A3)、及び48時間(A4)インキュベーションした後の、好ましいカチオン性ポリマー(サンプル1)のGFP遺伝子トランスフェクション効率を示す棒グラフである。 GFPシグナルをトランスフェクション後24時間で観測した。 枠内の数字はポリマー対DNAの重量比を示す。

    PBS緩衝溶液(pH=7.4)中、37℃において、4時間(B1)、8時間(B2)、24時間(B3)、及び48時間(B4)インキュベーションした後の、好ましいカチオン性ポリマー(サンプル1)のGFP遺伝子トランスフェクション効率を示す棒グラフである。 GFPシグナルをトランスフェクション後24時間で観測した。 枠内の数字はポリマー対DNAの重量比を示す。

    pH=5の緩衝溶液中、室温(〜22℃)において、4時間(C1)、8時間(C2)、24時間(C3)、及び48時間(C4)インキュベーションした後の、好ましいカチオン性ポリマー(サンプル1)のGFP遺伝子トランスフェクション効率を示す棒グラフである。 GFPシグナルをトランスフェクション後24時間で観測した。 枠内の数字はポリマー対DNAの重量比を示す。

    好ましいカチオン性の繰り返し単位の具体例の名称及び化学構造を示すとともに、重合によりカチオン性の繰り返し単位を形成できる好ましいモノマーの具体例の名称及び化学構造を示す図である。

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