蒸着用フッ素系表面処理剤の硬化被膜を有する物品

申请号 JP2015240979 申请日 2015-12-10 公开(公告)号 JP2016094669A 公开(公告)日 2016-05-26
申请人 信越化学工業株式会社; 发明人 山根 祐治; 小池 則之;
摘要 【課題】安定して高性能な撥 水 撥油膜を形成することができる蒸着用フッ素系表面処理剤の硬化被膜を表面に有する物品を提供する。 【解決手段】(A)フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーで変性された加水分解性基含有シラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、該(A)成分より重量平均分子量が大きな(B)フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとを含み、(A)成分と(B)成分との混合質量比が6:4〜9:1である蒸着用フッ素系表面処理剤の硬化被膜を表面に有する物品。 【選択図】なし
权利要求

(A)フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーで変性された加分解性基含有シラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、該(A)成分の重量平均分子量の1.5倍以上の重量平均分子量を有する(B)フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとを含み、(A)成分と(B)成分との混合質量比が6:4〜9:1である蒸着用フッ素系表面処理剤の硬化被膜を表面に有する物品。(A)成分と(B)成分の重量平均分子量の比が、1:1.5〜1:5である請求項1記載の物品。(A)成分のシランを変性するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの残基が、下記一般式(1) (式中、gは、単位毎に独立に、1〜6の整数である。) で表される繰り返し単位3〜151個を含み、(B)成分のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーが、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を5〜755個含むことを特徴とする請求項1又は2記載の物品。(A)成分のシランが、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の物品。 (式中、Rfは1価のフルオロオキシアルキル基又は2価のフルオロオキシアルキレン基、QはRf基とX基とを連結する2価の有機基、Xは加水分解性基を複数有する加水分解性基結合シランを含む1価の有機基、aは1又は2である。)前記式(2)のaが1であり、Rf基が下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選ばれることを特徴とする請求項4記載の物品。 (式中、Yは独立にF又はCF3基であり、mは3〜150の整数、d’は1〜3の整数である。) (式中、mは3〜150の整数、d’は1〜3の整数である。) (式中、Yは独立にF又はCF3基であり、ZはH又はF基であり、p、qはそれぞれ0〜150の整数で、p+qは3〜150であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。また、dは1〜3の整数である。)前記式(2)のaが2であり、Rf基が下記一般式(6)、(7)及び(8)で示される基から選ばれることを特徴とする請求項4記載の物品。 (式中、Yはそれぞれ独立にF又はCF3基であり、d’は独立に1〜3の整数、eは2〜6の整数、r、tはそれぞれ0〜150の整数、sは0〜6の整数で、r+t+sは3〜150であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。) (式中、m’は3〜150の整数、dは1〜3の整数である。) (式中、Yは独立にF又はCF3基であり、dは1〜3の整数、p’、q’はそれぞれ0〜150の整数で、p’+q’は3〜150であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)前記式(2)において、Qがアミド結合、エーテル結合、エステル結合、ビニル結合、又はジオルガノシリレン基から成る群より選ばれる1種又は2種以上の構造を含んでよい非置換又は置換の炭素数2〜12の2価の炭化水素基である請求項4〜6のいずれか1項記載の物品。Qが下記式で示される2価の基から選ばれるものである請求項7記載の物品。 (式中、bは2〜4の整数であり、Meはメチル基である。)前記式(2)において、Xが加水分解性シリル基、又は加水分解性シリル基もしくは加水分解性シリルアルキレン基を有する直鎖状、分岐状もしくは環状のシロキサン基又はシリル基である請求項4〜8のいずれか1項記載の物品。Xが下記式で示されるアルコキシ基結合シリル基を含む基である請求項9記載の物品。 (式中、cは2〜6の整数である。ORは炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、又は炭素数1〜10のアシロキシ基である。)(B)成分のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーが下記式(9)〜(12)で示されるポリマーから選ばれるものである請求項1〜10のいずれか1項記載の物品。 (式中、x、y、zは、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの重量平均分子量を1,500〜20,000とする数である。)蒸着用フッ素系表面処理剤が、更に、フッ素変性エーテル系溶剤又はフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤を含有する請求項1〜11のいずれか1項記載の物品。物品が、光学物品、タッチパネル、反射防止フイルム、SiO2処理ガラス、及び強化ガラスから選ばれるものである請求項1〜12のいずれか1項記載の物品。

说明书全文

本発明は、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランを含有する表面処理剤の硬化被膜を有する物品に関し、詳細には、撥撥油性、低動摩擦性に優れた被膜を形成する、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、これよりも重量平均分子量が大きなフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとを特定割合で含む表面処理剤の硬化被膜を表面に有する物品に関する。

近年、携帯電話のディスプレイをはじめ、画面のタッチパネル化が加速している。しかし、タッチパネルは画面がむき出しのものが多く、指や頬等が直接接触する機会が多く、皮脂等の汚れが付き易いことが問題となっている。そこで、外観や視認性をよくするためにディスプレイの表面に指紋を付きにくくする技術や、汚れを落とし易くする技術の要求が年々高まってきている。従来の撥水撥油剤は撥水撥油性が高く、汚れ拭取り性に優れる膜の形成が可能であるが、製膜毎に耐久性能が大きく異なるという欠点を持っていた。また、処理剤同士が凝集してしまうため、平滑な膜を得ることは難しかった。そのため、安定して高性能な膜が形成できる処理剤や処理方法の開発が待たれていた。

一般に、フルオロオキシアルキレン基含有化合物は、その表面自由エネルギーが非常に小さいために、撥水撥油性、耐薬品性、潤滑性、離型性、防汚性等を有する。その性質を利用して、工業的には紙、繊維等の撥水撥油防汚剤、磁気記録媒体の滑剤、精密機器の防油剤、離型剤、化粧料、保護膜等、幅広く利用されている。しかし、その性質は同時に他の基材に対する非粘着性、非密着性であることを意味しており、基材表面に塗布することはできても、その被膜を基材に密着させることは困難であった。

一方、ガラスや布等の基材表面と有機化合物とを結合させるものとして、シランカップリング剤が良く知られており、各種基材表面のコーティング剤として幅広く利用されている。シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と反応性シリル基(一般にはアルコキシシリル基)を有する。アルコキシシリル基が、空気中の水分等によって自己縮合反応を起こして被膜を形成する。該被膜は、アルコキシシリル基がガラスや金属等の表面と化学的・物理的に結合することにより耐久性を有する強固な被膜となる。

これらを有するものとして、特許文献1(特開2003−238577号公報)に、下記式で示される直鎖状のパーフルオロオキシアルキレン基を含有するパーフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランが提案されている。該パーフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランで処理したガラスや反射防止膜は、滑り性、離型性、及び耐摩耗性に優れる材料を得ることもできるが、安定して高性能な膜を形成することは難しい。末端基に非フッ素基が存在するため、塗工工程中、又は塗工後に非フッ素基同士が凝集する場合があり、耐久性能に影響を及ぼす。

(式中、Rfは2価の直鎖型パーフルオロオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基、Xは加水分解性基、nは0〜2、mは1〜5の整数、aは2又は3である。)

特開2003−238577号公報

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、安定して高性能な撥水撥油膜を形成することができる蒸着用フッ素系表面処理剤の硬化被膜を有する物品を提供することを目的とする。

フッ素系表面処理剤が加水分解性基を有する場合には、基板にSiO2層をプライマーとして設け、その上に該フッ素系表面処理剤を塗工する。塗工方法は、基板を処理剤に浸漬するDip塗工よりも真空蒸着法でフッ素系表面処理剤を蒸着した方が耐久性に優れた被膜が形成できることが知られている。 本発明者らは、先に上述したように、両末端に加水分解性基を有するパーフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランを提案している(特開2003−238577号公報:特許文献1)が、該ポリマー変性シランを主成分とする表面処理剤から形成される膜は、処理剤同士が凝集し易く、処理条件を制御しなければ高性能の膜を得ることができない。 主鎖にフルオロオキシアルキレン構造を有し、分子鎖の両末端に加水分解性基を含有するポリマーは、アルコキシシリル基同士が相互作用し、ポリマー同士が凝集することがある。蒸着後の表面を原子顕微鏡で観察すると、単分子膜厚(10nm)以上の凹凸が観測される場合がある。片末端官能性処理剤を用いても同様の現象は起こる。 そこで、本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、末端に加水分解性基を有し、主鎖にフルオロオキシアルキレン構造を有するポリマーを含有するフッ素系表面処理剤中に、無官能ポリマーを添加することで、凝集の問題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。

従って、本発明は、下記蒸着用フッ素系表面処理剤の硬化被膜を有する物品を提供する。 〔1〕 (A)フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーで変性された加水分解性基含有シラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、該(A)成分の重量平均分子量の1.5倍以上の重量平均分子量を有する(B)フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとを含み、(A)成分と(B)成分との混合質量比が6:4〜9:1である蒸着用フッ素系表面処理剤の硬化被膜を表面に有する物品。 〔2〕 (A)成分と(B)成分の重量平均分子量の比が、1:1.5〜1:5である〔1〕記載の物品。 〔3〕 (A)成分のシランを変性するフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの残基が、下記一般式(1)

(式中、gは、単位毎に独立に、1〜6の整数である。) で表される繰り返し単位3〜151個を含み、(B)成分のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーが、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を5〜755個含むことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の物品。 〔4〕 (A)成分のシランが、下記一般式(2)で表されることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の物品。

(式中、Rfは1価のフルオロオキシアルキル基又は2価のフルオロオキシアルキレン基、QはRf基とX基とを連結する2価の有機基、Xは加水分解性基を複数有する加水分解性基結合シランを含む1価の有機基、aは1又は2である。) 〔5〕 前記式(2)のaが1であり、Rf基が下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選ばれることを特徴とする〔4〕記載の物品。

(式中、Yは独立にF又はCF3基であり、mは3〜150の整数、d’は1〜3の整数である。)

(式中、mは3〜150の整数、d’は1〜3の整数である。)

(式中、Yは独立にF又はCF3基であり、ZはH又はF基であり、p、qはそれぞれ0〜150の整数で、p+qは3〜150であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。また、dは1〜3の整数である。) 〔6〕 前記式(2)のaが2であり、Rf基が下記一般式(6)、(7)及び(8)で示される基から選ばれることを特徴とする〔4〕記載の物品。

(式中、Yはそれぞれ独立にF又はCF3基であり、d’は独立に1〜3の整数、eは2〜6の整数、r、tはそれぞれ0〜150の整数、sは0〜6の整数で、r+t+sは3〜150であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)

(式中、m’は3〜150の整数、dは1〜3の整数である。)

(式中、Yは独立にF又はCF3基であり、dは1〜3の整数、p’、q’はそれぞれ0〜150の整数で、p’+q’は3〜150であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。) 〔7〕 前記式(2)において、Qがアミド結合、エーテル結合、エステル結合、ビニル結合、又はジオルガノシリレン基から成る群より選ばれる1種又は2種以上の構造を含んでよい非置換又は置換の炭素数2〜12の2価の炭化水素基である〔4〕〜〔6〕のいずれかに記載の物品。 〔8〕 Qが下記式で示される2価の基から選ばれるものである〔7〕記載の物品。

(式中、bは2〜4の整数であり、Meはメチル基である。) 〔9〕 前記式(2)において、Xが加水分解性シリル基、又は加水分解性シリル基もしくは加水分解性シリルアルキレン基を有する直鎖状、分岐状もしくは環状のシロキサン基又はシリル基である〔4〕〜〔8〕のいずれかに記載の物品。 〔10〕 Xが下記式で示されるアルコキシ基結合シリル基を含む基である〔9〕記載の物品。

(式中、cは2〜6の整数である。ORは炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、又は炭素数1〜10のアシロキシ基である。) 〔11〕 (B)成分のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーが下記式(9)〜(12)で示されるポリマーから選ばれるものである〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の物品。

(式中、x、y、zは、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの重量平均分子量を1,500〜20,000とする数である。) 〔12〕 蒸着用フッ素系表面処理剤が、更に、フッ素変性エーテル系溶剤又はフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤を含有する〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の物品。 〔13〕 物品が、光学物品、タッチパネル、反射防止フイルム、SiO2処理ガラス、及び強化ガラスから選ばれるものである〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の物品。

本発明の(A)成分に係るフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーで変性された加水分解性基含有シラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、該(A)成分より重量平均分子量が大きな(B)成分に係るフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとを含む表面処理剤を基材に蒸着処理し、これを硬化することにより形成される被膜は、平滑な撥水撥油性表面となる。本発明の表面処理剤を蒸着処理することによって、各種物品に優れた防汚性能を付与することができ、薬品等の侵入から基材を守り、長期に防汚性能を保つことができる。

本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤は、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーで変性された加水分解性基含有シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)と、該(A)成分より重量平均分子量が大きなフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)とを含み、(A)成分と(B)成分との混合質量比が6:4〜9:1である組成物である。

本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤は、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーで変性された加水分解性基含有シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)とフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)とを含む組成物であり、本発明の表面処理剤をSiO2処理ガラス(SiO2をあらかじめ蒸着又はスパッタしたガラス)に真空蒸着した防汚処理ガラスは、(A)成分のみを真空蒸着した防汚処理ガラスと比較して、安定して表面が平滑な撥水撥油膜を形成できる点で優れている。

(A)成分のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーで変性された加水分解性基含有シランとしては、下記一般式(2)で表されるものが好適に用いられる。

(式中、Rfは1価のフルオロオキシアルキル基又は2価のフルオロオキシアルキレン基、QはRf基とX基とを連結する2価の有機基、Xは加水分解性基を複数有する加水分解性基含有シランを含む1価の有機基、aは1又は2である。)

上記式(2)中、Rfは1価のフルオロオキシアルキル基又は2価のフルオロオキシアルキレン基であり、このRfとしては、下記一般式(1)

(式中、gは、単位毎に独立に、1〜6の整数である。) で表される繰り返し単位を、好ましくは3〜151個、より好ましくは6〜101個、更に好ましくは25〜81個含む。なお、各繰り返し単位は互いにgの値が異なっていてよく、好ましくはgが1〜4の整数である。

上記一般式で示される繰り返し単位としては、例えば下記の単位等が挙げられる。なお、上記Rf基は、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。 −CF2O− −CF2CF2O− −CF2CF2CF2O− −CF(CF3)CF2O− −CF2CF2CF2CF2O− −CF2CF2CF2CF2CF2CF2O− −C(CF3)2O−

上記式(2)において、aが1の場合、上記繰り返し単位を含むRfとしては、下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選ばれる1価のフルオロオキシアルキル基が好ましい。

(式中、Yは独立にF又はCF3基であり、mは3〜150の整数、好ましくは10〜100の整数、d’は1〜3の整数、好ましくは2である。)

(式中、mは3〜150の整数、好ましくは10〜100の整数、d’は1〜3の整数、好ましくは2である。)

(式中、Yは独立にF又はCF3基であり、ZはH又はF基であり、p、qはそれぞれ0〜150の整数、好ましくは10〜40の整数で、p+qは3〜150、好ましくは20〜80であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。また、dは1〜3の整数、好ましくは1である。)

上記式(2)において、aが2の場合、上記繰り返し単位を含むRfとしては、下記一般式(6)、(7)及び(8)で示される基から選ばれる2価のフルオロオキシアルキレン基が好ましい。

(式中、Yはそれぞれ独立にF又はCF3基であり、d’は独立に1〜3の整数、好ましくは2、eは2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、r、tはそれぞれ0〜150の整数、好ましくは20〜40の整数、sは0〜6の整数、好ましくは1〜3の整数で、r+t+sは3〜150、好ましくは20〜80であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)

(式中、m’は3〜150の整数、好ましくは20〜80の整数、dは1〜3の整数、好ましくは1である。)

(式中、Yは独立にF又はCF3基であり、dは1〜3の整数、好ましくは1、p’、q’はそれぞれ0〜150の整数、好ましくは20〜40の整数で、p’+q’は3〜150、好ましくは20〜80であり、各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)

上記式(2)において、Qは2価の有機基であり、Rf基とX基との連結基である。好ましくは、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、ビニル結合、又はジメチルシリレン基等のジオルガノシリレン基から成る群より選ばれる1種又は2種以上の構造を含んでよい非置換又は置換の炭素数2〜12の2価の有機基、好ましくは前記構造を含んでよい非置換又は置換の炭素数2〜12の2価の炭化水素基である。

ここで、非置換又は置換の炭素数2〜12の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、又はこれらの基の2種以上の組み合わせ(アルキレン・アリーレン基等)であってよく、更に、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換したものなどが挙げられ、中でも非置換又は置換の炭素数2〜4のアルキル基、フェニル基が好ましい。 このようなQとしては、例えば下記の基が挙げられる。

(式中、bは2〜4の整数であり、Meはメチル基である。)

上記式(2)において、Xは加水分解性基を複数、好ましくは2〜18個、より好ましくは2〜9個有する加水分解性基含有シリル基を含む1価の有機基である。ここで、加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の炭素数2〜10のアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基等の炭素数1〜10のアシロキシ基、イソプロペノキシ基等の炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、クロル基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲン基などが挙げられる。中でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、クロル基が好適である。

上記加水分解性基は、ケイ素原子に結合していることが好ましく、Xの構造としては、加水分解性シリル基や、該加水分解性シリル基又は加水分解性シリルアルキレン基を有する直鎖状、分岐状又は環状のシロキサン基あるいはシリル基であることが好ましい。

加水分解性基が複数個導入された有機基Xとしては、下記に示されるものが挙げられる。

(式中、cは2〜6の整数である。OR基は、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数1〜10のアシロキシ基、又は炭素数2〜10のアルケニルオキシ基である。) 上記例示構造において、加水分解性基は互いに異なっていてもよい。なお、ORとしてはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。

上記式(2)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランとして、連結基Qを

とし、加水分解性基Xを

として表されるものを下記に例示する。これらQ、Xの組み合わせは、これらに限られたものではなく、単純にQとXを変更することで、数通りのフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランが得られる。何れの処理剤でも本発明の効果は発揮できる。

また、上記Q、X以外のQとXとを組み合わせた上記式(2)で表されるフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランとしては、更に下記の構造のものが挙げられる。

(p/q=0.9、p+q≒45)

(p/q=0.9、p+q≒45)

(p’/q’=0.9、p’+q’≒45)

(p’/q’=0.9、p’+q’≒23)

(p/q=0.9、p+q≒45)

(p/q=0.9、p+q≒45)

本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤には、(A)成分として、上記フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランの末端加水分解性基を予め公知の方法により部分的に加水分解し、縮合させて得られる部分加水分解縮合物を含んでいてもよい。

また、本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤には、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)を含有する。本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤に含有するポリマーは、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)と相溶性が良いポリマーである必要があるため、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)を用いる。

フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)は、真空蒸着時には、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)の突沸を軽減できるため、安定してフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)を蒸着できる。また、蒸着処理後には、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)同士の凝集を防ぐ効果があり、効率的に表面を完全に覆うことができる。このフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)は、ケイ素原子を含まないものが有効に用いられる。

一方、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)は、末端に官能基を有していないため、基材と反応することができず、真空蒸着時に、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)より先に蒸着されてしまうと、耐久性を悪くする原因ともなってしまう。 そこで、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)の重量平均分子量が、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)の重量平均分子量より大きく、特には1.5倍以上とすることで、真空蒸着時に、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)が先に蒸着され、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)が後に蒸着することができる。

フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)には、下記一般式(1)

(式中、gは、単位毎に独立に、1〜6の整数である。) で表される繰り返し単位を、好ましくは5〜755個、より好ましくは5〜300個、更に好ましくは10〜115個含む。この場合、(B)成分における式(1)の繰り返し単位の数は、(A)成分における式(1)の繰り返し単位の数より多い。なお、各繰り返し単位は互いにgの値が異なっていてよく、好ましくはgが1〜4の整数である。

上記一般式で示される繰り返し単位としては、例えば下記の単位等が挙げられる。なお、該ポリマーは、これらの繰り返し単位の1種単独で構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。 −CF2O− −CF2CF2O− −CF2CF2CF2O− −CF(CF3)CF2O− −CF2CF2CF2CF2O− −CF2CF2CF2CF2CF2CF2O− −C(CF3)2O−

上記(B)成分のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとしては、下記式(9)〜(12)で示されるものが好ましく用いられる。

(式中、x、y、zは、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの重量平均分子量を1,500〜20,000とする数である。)

なお、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)は、市販品を使用することができ、例えば、FOMBLIN、DEMNUM、KRYTOXという商標名で販売されているため、容易に手に入れることができる。 このようなポリマーとしては、例えば、下記構造のものが挙げられる。

FOMBLIN Y(Solvay Solexis社製商品名、FOMBLIN Y25(重量平均分子量:3,200)、FOMBLIN Y45(重量平均分子量:4,100))

(式中、x1、y1、z1は上記重量平均分子量を満足する数である。)

FOMBLIN Z(Solvay Solexis社製商品名、FOMBLIN Z03(重量平均分子量:4,000)、FOMBLIN Z15(重量平均分子量:8,000)、FOMBLIN Z25(重量平均分子量:9,500))

(式中、x2、y2、z2は上記重量平均分子量を満足する数である。)

DEMNUM(ダイキン工業社製商品名、DEMNUM S20(重量平均分子量:2,700)、DEMNUM S65(重量平均分子量:4,500)、DEMNUM S100(重量平均分子量:5,600))

(式中、z3は上記重量平均分子量を満足する数である。)

KRYTOX(DuPont社製商品名、KRYTOX 143AB(重量平均分子量:3,500)、KRYTOX 143AX(重量平均分子量:4,700)、KRYTOX 143AC(重量平均分子量:5,500)、KRYTOX 143AD(重量平均分子量:7,000))

(式中、z4は上記重量平均分子量を満足する数である。)

フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)の重量平均分子量は、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)の重量平均分子量よりも大きく、好ましくは1.5倍以上で、真空蒸着可能な大きさであればよいが、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)とフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)との混合性から、1.5倍以上5倍以下であることが好ましい。更に、製膜時の液の取り扱い易さから、1.5倍以上4倍以下がより好ましい。 ここで、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)のAK225(旭硝子社製)を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量は、上記範囲内であれば特に限定されるものではないが、1,500〜20,000、特に2,000〜10,000であることが好ましい。

本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤は、上記フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)と、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)との混合質量比が、6:4〜9:1であり、好ましくは8:2〜9:1である。フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物(A)が多すぎるとシラン同士が凝集し易く、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)が多すぎると硬化性が悪くなる。

本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤は、適当な溶剤を含んでよい。このような溶剤としては、上記フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及びその部分加水分解縮合物(A)とフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー(B)とを均一に溶解させるものであれば特に限定されないが、フッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤(パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン等)、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤(1,3−トリフルオロメチルベンゼン等)、フッ素変性エーテル系溶剤(メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)等)、フッ素変性アルキルアミン系溶剤(パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリペンチルアミン等)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレン等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)を例示することができる。これらの中では、溶解性、濡れ性等の点で、フッ素変性された溶剤が望ましく、特には、フッ素変性エーテル系溶剤、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。 上記溶剤は1種を単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。

また、本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤には、必要に応じて、本発明を損なわない範囲で他の添加剤を配合することができる。具体的には、加水分解縮合触媒、例えば、有機錫化合物(ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫等)、有機チタン化合物(テトラn−ブチルチタネート等)、有機酸(フッ素系カルボン酸、酢酸、メタンスルホン酸等)、無機酸(塩酸、硫酸等)などが挙げられる。これらの中では、特にフッ素系カルボン酸、酢酸、テトラn−ブチルチタネート、ジラウリン酸ジブチル錫が望ましい。添加量は触媒量であるが、通常、上記(A)成分100質量部に対して0.01〜5質量部、特に0.1〜1質量部である。

本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤は、上記各成分の所定量を均一に混合することにより調製できる。

本発明のフッ素系表面処理剤は、公知の蒸着処理で基材に施与することができる。蒸着処理時の加熱方法は、抵抗加熱方式でも、電子ビーム加熱方式のどちらでもよく、特に限定されるものではない。また、蒸着後の硬化温度は、硬化方法によって異なるが、室温から200℃の範囲が望ましい。硬化湿度としては、加湿下で行うことが反応を促進する上で望ましい。また、硬化被膜の膜厚は、基材の種類により適宜選定されるが、通常0.1〜30nm、特に5〜20nmである。

本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤で処理される基材としては特に制限されず、紙、布、金属及びその酸化物、ガラス、プラスチック、セラミック、石英など各種材質のものであってよい。本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤は、前記基板に撥水撥油性を付与することができる。特に、SiO2処理されたガラスやフイルムの表面処理剤として好適に使用することができる。

本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤で処理される物品としては、カーナビゲーション、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、PDA、ポータブルオーディオプレーヤー、カーオーディオ、ゲーム機器、眼鏡レンズ、カメラレンズ、レンズフィルター、サングラス、胃カメラ等の医療用器機、複写機、PC、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、保護フイルム、反射防止フイルム等の光学物品が挙げられる。本発明の蒸着用フッ素系表面処理剤は、前記物品に指紋及び皮脂が付着するのを防止し、更に傷つき防止性を付与することができるため、特にタッチパネルディスプレイ、反射防止フイルム等の撥水撥油層として有用である。

以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。

[実施例1〜11、比較例1〜9] フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランとして、下記の化合物を準備した。 化合物1

(重量平均分子量:4,600)

化合物2

(p/q=0.9、p+q≒45、重量平均分子量:4,400)

化合物3

(p/q=0.9、p+q≒45、重量平均分子量:4,400)

化合物4

(p’/q’=0.9、p’+q’≒45、重量平均分子量:4,600)

化合物5

(p’/q’=0.9、p’+q’≒23、重量平均分子量:2,600)

フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとしては、下記のものを用いた。 FOMBLIN Z03(Solvay Solexis社製)繰り返し単位:約45、重量平均分子量:4,000 FOMBLIN Z15(Solvay Solexis社製)繰り返し単位:約90、重量平均分子量:8,000 FOMBLIN Z25(Solvay Solexis社製)繰り返し単位:約100、重量平均分子量:9,500

表面処理剤の調製及び硬化被膜の形成 表1に示すフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランとフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの9:1(質量比)混合物を、濃度20質量%になるようにNovec 7200(3M社製)に溶解させて表面処理剤を調製した。最表面にSiO2を15nm処理したガラス(コーニング社製 Gorilla)に、各表面処理剤5μLを真空蒸着し(処理条件は、圧力:2.0×10-2Pa、加熱温度:700℃)、25℃、湿度50%の雰囲気下で24時間硬化させて硬化被膜(膜厚:約10nm)を形成し、試験体を作製した。

得られた硬化被膜を下記の方法により評価した。結果を表1に併記する。 [撥水撥油性の評価] 上記にて作製した試験体を用い、接触計DropMaster(協和界面科学社製)を用いて、硬化被膜の水に対する接触角(撥水性)及びオレイン酸に対する接触角(撥油性)を測定した。

[表面のラフネスRaの評価] 上記にて作製した試験体の塗工表面のラフネスRaを下記に示す原子間力顕微鏡により観察した。 装置名:SPA−400(SIIテクノロジー社製) 測定モード:DFM(タッピングモード) カンチレバー:SI−DF20(アルミニウムコート無し) 測定範囲:5μm×5μm

[不良率] 下記に示す装置を用いて、上記にて作製した試験体の塩水噴霧試験を実施し、塩水噴霧試験後の水接触角を上記撥水撥油性の評価と同じ方法で測定し、接触角が100度を下回ったサンプルを不良とした。なお、試験は処理剤毎に10回実施し、(不良サンプル数)/10×100を不良率とした。 装置名:塩水噴霧試験機SQ−800−ST(板橋理化工業社製) 塩水条件:35℃ 5質量%NaCl水溶液噴霧 試験時間:72時間

上記の結果より、比較例1〜5のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン単独の表面処理剤では、ポリマー同士が凝集してしまい、表面粗さが10nmを超えるが、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーを、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランとフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの合計中10質量%混合させた実施例1〜11の表面処理剤は、ポリマー同士の凝集を抑えることができ、表面が平滑な撥水撥油表面を安定的に形成することができる。なお、比較例6〜9の表面処理剤にみられるように、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマーの重量平均分子量が、フルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シランの重量平均分子量と同等以下である場合には、この効果は得られない。 表面が平滑な実施例1〜11の硬化被膜は、塩水噴霧試験前後で表面特性がほとんど変化しないが、表面が凸凹している比較例1〜9の硬化被膜は、塩水噴霧試験後に、水接触角が大幅に低下してしまう。比較例1〜9では、平均で10nmの硬化被膜層を設けても、膜が厚い部分と薄い部分があり、場所によっては基材を十分に覆いきれず、塩水等の浸入により、プライマー層のSiO2層が侵されてしまう。SiO2層を完全に覆うために、処理剤の塗工量を増やすことも考えられるが、ガラスの反射率が低下したり、透過率が低下したりする場合があるので好ましくない。

本発明のフルオロオキシアルキレン基含有ポリマー変性シラン及びその部分加水分解縮合物とフルオロオキシアルキレン基含有ポリマーとを含有する表面処理剤は、撥水撥油性に優れ、平滑な硬化被膜を与えることができる。このため、本発明の表面処理剤は、特に、タッチパネルディスプレイ、反射防止フイルムなど油脂の付着が想定され、視認性が重要になる用途に非常に有効である。

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