Polishing composition and polishing method

申请号 JP2010089698 申请日 2010-04-08 公开(公告)号 JP2011222716A 公开(公告)日 2011-11-04
申请人 Fujimi Inc; 株式会社フジミインコーポレーテッド; 发明人 HIRANO TATSUHIKO; TAMADA SHUICHI; UMEDA TAKEHIRO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a polishing composition which can be used for polishing in order to form wiring of a semiconductor device and a polishing method using thereof.SOLUTION: A polishing composition of the present invention has a polishing promoter, a hydrosoluble polymer containing structural units from polymerizable compounds having a guanidine configuration such as dicyandiamide, and a oxidizer. The hydrosoluble polymer can contain structural units from dicyandiamide and structural units from formaldehyde, diamine, or polyamine.
权利要求
  • 研磨促進剤と、
    グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を含んだ水溶性ポリマーと、
    酸化剤とを含有することを特徴とする研磨用組成物。
  • 前記グアニジン構造を有する重合性化合物は、下記の一般式(1)又は(2)で表わされる化合物であり、式中、R 、R 、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基、アセチル基、又は炭素数が1〜4の無置換又は置換のアルキル基を示す、請求項1に記載の研磨用組成物。
  • 前記水溶性ポリマーは、グアニジン構造を有する重合性化合物であるジシアンジアミドに由来する構成単位と、ホルムアルデヒドに由来する構成単位とを含む、請求項1又は2に記載の研磨用組成物。
  • 前記水溶性ポリマーは、ジシアンジアミドに由来する構成単位と、ジアミン又はポリアミンに由来する構成単位とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  • 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて、銅又は銅合金からなる導体層を有する研磨対象物の表面を研磨することからなる研磨方法。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば半導体デバイスの配線を形成するための研磨で使用される研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法に関する。

    半導体デバイスの配線を形成する場合にはまず、トレンチを有する絶縁体層の上にバリア層及び導体層を順次に形成する。 その後、化学機械研磨により少なくともトレンチの外に位置する導体層の部分(導体層の外側部分)及びトレンチの外に位置するバリア層の部分(バリア層の外側部分)を除去する。 この少なくとも導体層の外側部分及びバリア層の外側部分を除去するための研磨は通常、第1研磨工程と第2研磨工程に分けて行なわれる。 第1研磨工程では、バリア層の上面を露出させるべく、導体層の外側部分の一部が除去される。 続く第2研磨工程では、絶縁体層を露出させるとともに平坦な表面を得るべく、少なくとも導体層の外側部分の残部及びバリア層の外側部分が除去される。

    このような半導体デバイスの配線を形成するための研磨、特に第2研磨工程の研磨では、酸などの研磨促進剤及び酸化剤を含み、さらに必要に応じて研磨砥粒を含んだ研磨用組成物を使用することが一般的である。 また、研磨後の研磨対象物の平坦性を改善するべく、溶性高分子をさらに添加した研磨用組成物を使用することも提案されている。 例えば、特許文献1には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムなどのアニオン界面活性剤、ベンゾトリアゾールなどの保護膜形成剤、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン界面活性剤を含有した研磨用組成物を使用することの開示がある。 特許文献2には、エピハロヒドリン変性ポリアミドを含有した研磨用組成物を使用することの開示がある。 また、特許文献3には、カルボン酸によって修飾されたアミノ基を有する化学修飾ゼラチンを含有した研磨用組成物を使用することの開示がある。

    ところで、化学機械研磨により半導体デバイスの配線を形成した場合、特に導体層が銅又は銅合金からなるときには、形成された配線の脇に意図しない不都合な凹みが生じることがある。 この配線脇の凹みは、絶縁体層との境界付近に位置する導体層の部分の表面が研磨中に腐食することが主な原因で生じると考えられる。 上記したような従来の研磨用組成物を用いても、この配線脇の凹みが生じるのを防ぐことは困難である。

    特開2008−41781号公報

    特開2002−110595号公報

    特開2008−244316号公報

    そこで本発明の目的は、半導体デバイスの配線を形成するための研磨でより好適に使用することができる研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法を提供することにある。

    上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、研磨促進剤と、グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を含んだ水溶性ポリマーと、酸化剤とを含有する研磨用組成物を提供する。

    グアニジン構造を有する重合性化合物は、下記の一般式(1)又は(2)で表わされる化合物であることが好ましく、特に好ましくはジシアンジアミドである。

    一般式(1)及び(2)において、R

    、R

    、R

    、R

    、R

    及びR

    は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基、アセチル基、又は炭素数が1〜4の無置換又は置換のアルキル基を示す。

    水溶性ポリマーは、ジシアンジアミドに由来する構成単位と、ホルムアルデヒド、ジアミン又はポリアミンに由来する構成単位とを含むものであってもよい。
    本発明の別の態様では、上記態様に係る研磨用組成物を用いて、銅又は銅合金からなる導体層を有する研磨対象物の表面を研磨することからなる研磨方法を提供する。

    本発明によれば、半導体デバイスの配線を形成するための研磨でより好適に使用することができる研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法が提供される。

    以下、本発明の一実施形態を説明する。
    本実施形態の研磨用組成物は、研磨促進剤、特定の水溶性ポリマー、及び酸化剤を、好ましくは砥粒及び保護膜形成剤とともに、水に混合して調製される。 従って、研磨用組成物は、研磨促進剤、特定の水溶性ポリマー、及び酸化剤を含有し、好ましくは砥粒及び保護膜形成剤をさらに含有する。

    一般に、半導体デバイスの配線を形成する場合にはまず、トレンチを有する絶縁体層の上にバリア層及び導体層を順次に形成することが行われる。 その後、化学機械研磨により少なくともトレンチの外に位置する導体層の部分(導体層の外側部分)及びトレンチの外に位置するバリア層の部分(バリア層の外側部分)を除去することが行われる。 この少なくとも導体層の外側部分及びバリア層の外側部分を除去するための研磨は通常、第1研磨工程と第2研磨工程に分けて行なわれる。 第1研磨工程では、バリア層の上面を露出させるべく、導体層の外側部分の一部が除去される。 続く第2研磨工程では、絶縁体層を露出させるとともに平坦な表面を得るべく、少なくとも導体層の外側部分の残部及びバリア層の外側部分が除去される。 本実施形態の研磨用組成物は、このような半導体デバイスの配線を形成するための研磨、特に第2研磨工程の研磨で主に使用される。 すなわち、研磨用組成物は、導体層を有する研磨対象物の表面を研磨して半導体デバイスの配線を形成する用途で主に使用される。 化学機械研磨により半導体デバイスの配線を形成した場合、特に導体層が銅又は銅合金からなるときには、形成された配線の脇に意図しない不都合な凹みが生じることがあるが、本実施形態の研磨用組成物は、この配線脇の凹みが生じるのを抑制することができる。 したがって、この研磨用組成物は、導体層が銅又は銅合金からなる場合に特に有用である。

    (研磨促進剤)
    研磨用組成物中に含まれる研磨促進剤は、研磨対象物の表面を化学的にエッチングする働きを有し、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度を向上させる。

    使用される研磨促進剤は、例えば、無機酸、有機酸、アミノ酸及びキレート剤のいずれであってもよいが、好ましくはアミノ酸又はキレート剤である。
    無機酸の具体例としては、例えば、硫酸、硝酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸及びリン酸が挙げられる。

    有機酸の例としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸、並びにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸及びイセチオン酸などの有機硫酸が挙げられる。

    無機酸又は有機酸の代わりにあるいは無機酸又は有機酸と組み合わせて、無機酸又は有機酸のアンモニウム塩やアルカリ金属塩などの塩を用いてもよい。 弱酸と強塩基、強酸と弱塩基、又は弱酸と弱塩基の組み合わせの場合には、pHの緩衝作用を期待することができる。

    アミノ酸の具体例としては、例えば、グリシン、α−アラニン、β−アラニン、N−メチルグリシン、N,N−ジメチルグリシン、2−アミノ酪酸、ノルバリン、バリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシンフェニルアラニン、プロリン、サルコシン、オルニチン、リシン、タウリン、セリン、トレオニン、ホモセリン、チロシン、ビシン、トリシン、3,5−ジヨード−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−アラニン、チロキシン、4−ヒドロキシ−プロリン、システイン、メチオニン、エチオニン、ランチオニン、シスタチオニン、シスチン、システイン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−システイン、4−アミノ酪酸、アスパラギン、グルタミン、アザセリン、アルギニン、カナバニン、シトルリン、δ−ヒドロキシ−リシン、クレアチン、ヒスチジン、1−メチル−ヒスチジン、3−メチル−ヒスチジン、及びトリプトファンが挙げられる。 中でも、グリシン、N−メチルグリシン、N,N−ジメチルグリシン、α−アラニン、β−アラニン、ビシン及びトリシンが好ましく、特に好ましいのはグリシンである。

    キレート剤の具体例としては、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N',N'−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N'−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N'−ジ酢酸、及び1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸が挙げられる。

    研磨用組成物中の研磨促進剤の含有量は0.01g/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.1g/L以上、さらに好ましくは1g/L以上である。 研磨促進剤の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度はより向上する。

    研磨用組成物中の研磨促進剤の含有量はまた、50g/L以下であることが好ましく、より好ましくは30g/L以下、さらに好ましくは15g/L以下である。 研磨促進剤の含有量が少なくなるにつれて、研磨促進剤による研磨対象物表面の過剰なエッチングが起こる虞を少なくすることができる。

    (水溶性ポリマー)
    研磨用組成物中に含まれる水溶性ポリマーは、研磨対象物の導体層表面に保護膜を形成することにより、研磨用組成物を用いた研磨により形成される配線の脇に凹みが生じるのを抑制する働きをする。

    水溶性ポリマーは、グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を含んだものが使用される。 水溶性ポリマーは、グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位に加えて、他の重合性化合物に由来する構成単位をさらに含んでもよい。 すなわち、使用される水溶性ポリマーは、グアニジン構造を有する重合性化合物を単独重合させるか、あるいは一種類又は複数種類の他の重合性化合物と共重合させて得られるものである。

    グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を含んだ水溶性ポリマーは、例えば特開平4−45148号公報(出願人:三洋化成工業株式会社)、特開平6−172615号公報(出願人:三井東圧化学株式会社)及び特開2001−234155号公報(出願人:センカ株式会社)に開示されているような公知の方法で合成したものを使用してもよいし、あるいは市販されているものを使用してもよい。 例えば、センカ株式会社製のユニセンスKHP10PやユニセンスKHF10P、日華化学株式会社製のネオフィックスRP70やネオフィックスFY、及び日本カーバイド工業株式会社製のニカフロックD−100を使用することができる。

    グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を含んだ水溶性ポリマーは、自身の有する窒素原子を吸着サイトとして研磨対象物の導体層表面に吸着して保護膜を形成すると考えられるが、グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位には、水溶性ポリマーの吸着サイトとして機能する窒素原子の密度が高い箇所が存在している。 そのため、この水溶性ポリマーは、他の水溶性ポリマーと比べて、絶縁体層との境界付近に位置する導体層の部分も含めて研磨対象物の導体層表面により確実に保護膜を形成することができる。 これにより、絶縁体層との境界付近に位置する導体層の部分の表面が研磨中に腐食されにくくなる結果、配線脇の凹みの発生が抑制されると考えられる。

    グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位に加えて他の重合性化合物に由来する構成単位が水溶性ポリマーに含まれる場合には、吸着サイトとして機能する窒素原子の密度が高い箇所が水溶性ポリマーの分子内で適度に分散して配置されることになり、その結果、研磨用組成物中に任意で含まれる砥粒への水溶性ポリマーの吸着が起こりにくくなる。 このことは、砥粒の分散性を向上させるうえで有利である。

    グアニジン構造を有する重合性化合物は、下記の一般式(1)又は(2)で表わされる化合物であることが好ましく、特に好ましくはジシアンジアミドである。

    一般式(1)及び(2)において、R

    、R

    、R

    、R

    、R

    及びR

    は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基、アセチル基、又は炭素数が1〜4の無置換又は置換のアルキル基を示す。 炭素数が1〜4の無置換アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びターシャリーブチル基が挙げられる。 炭素数が1〜4の置換アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びターシャリーブチル基などの無置換アルキル基の水素原子の少なくとも1つがヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基などの置換基で置換されたもの、すなわち、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノメチル基、アミノエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−アミノプロピル基、及び3−ヒドロキシ−2−アミノプロピル基が挙げられる。

    水溶性ポリマーの分子量は500以上が好ましく、より好ましくは1,000以上、さらに好ましくは2,000以上である。 水溶性ポリマーの分子量が大きくなるにつれて、研磨用組成物を用いた研磨により形成される配線の脇に凹みが生じるのをより抑えることができる。

    水溶性ポリマーの分子量はまた、100,000以下であることが好ましく、より好ましくは20,000以下、さらに好ましくは10,000以下である。 水溶性ポリマーの分子量が小さくなるにつれて、研磨用組成物中に任意で含まれる砥粒の分散性はより向上する。

    研磨用組成物中の水溶性ポリマーの含有量は、研磨用組成物中に含まれる研磨促進剤の量や酸化剤の量に応じて適宜に設定されることが望ましいが、一般的には0.001g/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.005g/L以上、さらに好ましくは0.01g/L以上である。 水溶性ポリマーの含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物を用いた研磨により形成される配線の脇に凹みが生じるのをより抑えることができる。

    研磨用組成物中の水溶性ポリマーの含有量はまた、1g/L以下であることが好ましく、より好ましくは0.5g/L以下、さらに好ましくは0.2g/L以下である。 水溶性ポリマーの含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の材料コストをより抑えることができるのに加え、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシングが生じるのをより抑えることもできる。 なお、ディッシングとは、本来除去されるべきではないトレンチの中に位置する導体層の部分が研磨除去されることにより、導体層の上面のレベルが低下して研磨対象物の表面に皿状の凹み(dish)が生じる現象をいう。

    ジシアンジアミドなどのグアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位に加えて他の重合性化合物に由来する構成単位が水溶性ポリマーにさらに含まれる場合、他の重合性化合物に由来する構成単位は、ホルムアルデヒド、ジアミン又はポリアミンに由来する構成単位であることが好ましい。 すなわち、水溶性ポリマーは、グアニジン構造を有する重合性化合物を、少なくともホルムアルデヒド、ジアミン又はポリアミンと共重合させて得られるものであってもよい。 なお、ユニセンスKHP10P及びネオフィックスRP70は、ジシアンジアミドに由来する構成単位とポリアミンに由来する構成単位とを含んだ水溶性ポリマーであり、ユニセンスKHF10P、ネオフィックスFY及びニカフロックD−100は、ジシアンジアミドに由来する構成単位とホルムアルデヒドに由来する構成単位とを含んだ水溶性ポリマーである。

    ジアミンの具体例としては、例えば、エチレンジアミン、プロパンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−1,2−エタンジアミン、及び2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。 中でも、エチレンジアミン、プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びパラフェニレンジアミンが好ましい。

    ポリアミンの具体例としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、ビス(4−アミノブチル)アミン、イミノビスプロピルアミン、メチルビス(3−アミノプロピル)アミン、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)−1,4−ブタンジアミン、N−(3−アミノプロピル)−1,4−ブタンジアミン、N−(4−アミノブチル)−1,4−ブタンジアミンなどのポリアルキレンポリアミンが挙げられる。 中でも、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びイミノビスプロピルアミンが好ましく、特に好ましいのはジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミンである。

    グアニジン構造を有する重合性化合物を他の重合性化合物と共重合させて水溶性ポリマーを得る場合、他の重合性化合物のモル数に対するグアニジン構造を有する重合性化合物のモル数の比率は、1/50以上であることが好ましく、より好ましくは1/20以上、さらに好ましくは1/10以上である。 グアニジン構造を有する重合性化合物の割合が多くなるにつれて、研磨用組成物を用いた研磨により形成される配線の脇に凹みが生じるのをより抑えることができる。

    また、他の重合性化合物のモル数に対するグアニジン構造を有する重合性化合物のモル数の比率は、50/1以下であることが好ましく、より好ましくは20/1以下、さらに好ましくは10/1以下である。 グアニジン構造を有する重合性化合物の割合が少なくなるにつれて、研磨用組成物中に任意で含まれる砥粒の分散性はより向上する。

    (酸化剤)
    研磨用組成物中に含まれる酸化剤は、研磨対象物の表面を酸化する働きを有し、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度を向上させる。

    酸化剤としては、例えば過酸化物を使用することができる。 過酸化物の具体例としては、例えば、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素及び過塩素酸、並びに過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が挙げられる。 中でも、過酸化水素及び過硫酸塩が好ましく、特に好ましいのは過酸化水素である。

    研磨用組成物中の酸化剤の含有量は0.1g/L以上であることが好ましく、より好ましくは1g/L以上、さらに好ましくは3g/L以上である。 酸化剤の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度はより向上する。

    研磨用組成物中の酸化剤の含有量はまた、200g/L以下であることが好ましく、より好ましくは100g/L以下、さらに好ましくは40g/L以下である。 酸化剤の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の材料コストをより抑えることができるのに加え、研磨使用後の研磨用組成物の処理、すなわち廃液処理の負荷を軽減することができる。 また、酸化剤による研磨対象物表面の過剰な酸化が起こる虞を少なくすることもできる。

    (砥粒)
    研磨用組成物中に任意で含まれる砥粒は、研磨対象物を機械的に研磨する働きを有し、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度を向上させる。

    使用される砥粒は、無機粒子、有機粒子、及び有機無機複合粒子のいずれであってもよい。 無機粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、チタニアなどの金属酸化物からなる粒子、並びに窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子及び窒化ホウ素粒子が挙げられる。 中でも、シリカが好ましく、特に好ましいのはコロイダルシリカである。 有機粒子の具体例としては、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子が挙げられる。

    研磨用組成物中の砥粒の含有量は0.005質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上である。 砥粒の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度はより向上する。

    研磨用組成物中の砥粒の含有量はまた、5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。 砥粒の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の材料コストをより抑えることができるのに加え、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシングが生じるのをより抑えることもできる。

    砥粒の平均一次粒子径は5nm以上であることが好ましく、より好ましくは7nm以上、さらに好ましくは10nm以上である。 砥粒の平均一次粒子径が大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度はより向上する。

    砥粒の平均一次粒子径はまた、100nm以下であることが好ましく、より好ましくは60nm以下、さらに好ましくは40nm以下である。 砥粒の平均一次粒子径が小さくなるにつれて、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシングが生じるのをより抑えることができる。 なお、砥粒の平均一次粒子径の値は、例えば、BET法で測定される砥粒の比表面積に基づいて算出される。

    (保護膜形成剤)
    研磨用組成物中に保護膜形成剤を加えた場合には、研磨用組成物を用いた研磨により形成される配線の脇に凹みが生じるのをより抑えることができる。 また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシングが生じるのをより抑えることもできる。 したがって、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面の平坦性はより向上する。

    使用される保護膜形成剤は、特に限定されないが、好ましくは複素環式化合物又は界面活性剤である。 複素環式化合物中の複素環の員数は特に限定されない。 また、複素環式化合物は、単環化合物であってもよいし、縮合環を有する多環化合物であってもよい。

    保護膜形成剤として使用される複素環化合物の具体例としては、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリンジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ブテリジン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザンなどの含窒素複素環化合物が挙げられる。

    ピラゾールの例には、例えば、1H−ピラゾール、4−ニトロ−3−ピラゾールカルボン酸、3,5−ピラゾールカルボン酸、3−アミノ−5−フェニルピラゾール、5−アミノ−3−フェニルピラゾール、3,4,5−トリブロモピラゾール、3−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチル−1−ヒドロキシメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、1−メチルピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、4−アミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、アロプリノール、4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−D]ピリミジン、3,4−ジヒドロキシ−6−メチルピラゾロ(3,4−B)−ピリジン、及び6−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミンが含まれる。

    イミダゾールの例には、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルピラゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、5,6−ジメチルベンゾイミダゾール、2−アミノベンゾイミダゾール、2−クロロベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−(1−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,5−ジメチルベンズイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、及び1H−プリンが含まれる。

    トリアゾールの例には、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール、メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−ベンジル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、3−ブロモ−5−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェノール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジプロピル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−3,5−ジペプチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3,4−ジアミン、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−カルボキシベンゾトリアゾール、5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−(1',2'−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−5−メチルベンゾトリアゾール、及び1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−4−メチルベンゾトリアゾールが含まれる。

    テトラゾールの例には、例えば、1H−テトラゾール、5−メチルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、及び5−フェニルテトラゾールが含まれる。
    インダゾールの例には、例えば、1H−インダゾール、5−アミノ−1H−インダゾール、5−ニトロ−1H−インダゾール、5−ヒドロキシ−1H−インダゾール、6−アミノ−1H−インダゾール、6−ニトロ−1H−インダゾール、6−ヒドロキシ−1H−インダゾール、及び3−カルボキシ−5−メチル−1H−インダゾールが含まれる。

    インドールの例には、例えば、1H−インドール、1−メチル−1H−インドール、2−メチル−1H−インドール、3−メチル−1H−インドール、4−メチル−1H−インドール、5−メチル−1H−インドール、6−メチル−1H−インドール、7−メチル−1H−インドール、4−アミノ−1H−インドール、5−アミノ−1H−インドール、6−アミノ−1H−インドール、7−アミノ−1H−インドール、4−ヒドロキシ−1H−インドール、5−ヒドロキシ−1H−インドール、6−ヒドロキシ−1H−インドール、7−ヒドロキシ−1H−インドール、4−メトキシ−1H−インドール、5−メトキシ−1H−インドール、6−メトキシ−1H−インドール、7−メトキシ−1H−インドール、4−クロロ−1H−インドール、5−クロロ−1H−インドール、6−クロロ−1H−インドール、7−クロロ−1H−インドール、4−カルボキシ−1H−インドール、5−カルボキシ−1H−インドール、6−カルボキシ−1H−インドール、7−カルボキシ−1H−インドール、4−ニトロ−1H−インドール、5−ニトロ−1H−インドール、6−ニトロ−1H−インドール、7−ニトロ−1H−インドール、4−ニトリル−1H−インドール、5−ニトリル−1H−インドール、6−ニトリル−1H−インドール、7−ニトリル−1H−インドール、2,5−ジメチル−1H−インドール、1,2−ジメチル−1H−インドール、1,3−ジメチル−1H−インドール、2,3−ジメチル−1H−インドール、5−アミノ−2,3−ジメチル−1H−インドール、7−エチル−1H−インドール、5−(アミノメチル)インドール、2−メチル−5−アミノ−1H−インドール、3−ヒドロキシメチル−1H−インドール、6−イソプロピル−1H−インドール、及び5−クロロ−2−メチル−1H−インドールが含まれる。

    中でも好ましい複素環化合物はトリアゾール骨格を有する化合物であり、とりわけ1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−5−メチルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−4−メチルベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、及び1,2,4−トリアゾールは特に好ましい。 これらの複素環化合物は、研磨対象物表面への化学的又は物理的吸着が高いため、研磨対象物表面により強固な保護膜を形成する。 このことは、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面の平坦性を向上させるうえで有利である。

    保護膜形成剤として使用される界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
    陰イオン性界面活性剤の例には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、及びそれらの塩が含まれる。

    陽イオン性界面活性剤の例には、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、及びアルキルアミン塩が含まれる。

    両性界面活性剤の例には、例えば、アルキルベタイン及びアルキルアミンオキシドが含まれる。
    非イオン性界面活性剤の例には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、及びアルキルアルカノールアミドが含まれる。

    中でも好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルである。 これらの界面活性剤は、研磨対象物表面への化学的又は物理的吸着力が高いため、研磨対象物表面により強固な保護膜を形成する。 このことは、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面の平坦性を向上させるうえで有利である。

    研磨用組成物中の保護膜形成剤の含有量は0.001g/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.005g/L以上、さらに好ましくは0.01g/L以上である。 保護膜形成剤の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面の平坦性はより向上する。

    研磨用組成物中の保護膜形成剤の含有量はまた、10g/L以下であることが好ましく、より好ましくは5g/L以下、さらに好ましくは1g/L以下である。 保護膜形成剤の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度はより向上する。

    (研磨用組成物のpH)
    研磨用組成物のpHは3以上であることが好ましく、より好ましくは5以上である。 研磨用組成物のpHが大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物表面の過剰なエッチングが起こる虞を少なくすることができる。

    研磨用組成物のpHはまた、9以下であることが好ましく、より好ましくは8以下である。 研磨用組成物のpHが小さくなるにつれて、研磨用組成物を用いた研磨により形成される配線の脇に凹みが生じるのをより抑えることができる。

    所望とするpHを得るために、任意のアルカリ、酸及び緩衝剤を用いてもよい。
    本実施形態によれば以下の利点が得られる。
    本実施形態の研磨用組成物は、グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を含んだ水溶性ポリマーを含有している。 従って、この水溶性ポリマーの働きにより、研磨用組成物を用いた研磨により形成される半導体デバイスの配線の脇に凹みが生じるのを抑制することができる。 よって、本実施形態の研磨用組成物は、半導体デバイスの配線を形成するための研磨で好適に使用することができる。

    前記実施形態は次のように変更されてもよい。
    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上の研磨促進剤を含有してもよい。
    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上の水溶性ポリマーを含有してもよい。 この場合、一部の水溶性ポリマーについては、グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を必ずしも含んだものである必要はない。 そのような水溶性ポリマーの具体例としては、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン、プルランなどの多糖類、ポリカルボン酸及びその塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレインなどのビニル系ポリマー、ポリグリセリン、及びポリグリセリンエステルが挙げられる。 グアニジン構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を含まない水溶性ポリマーを研磨用組成物に添加した場合には、当該水溶性ポリマーが砥粒の表面または研磨対象物の表面に吸着して研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度をコントロールすることが可能であることに加え、研磨中に生じる不溶性の成分を水溶性ポリマーにより研磨用組成物中で安定化することができる点で有利である。

    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上の酸化剤を含有してもよい。
    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上の砥粒を含有してもよい。
    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は、二種類以上の保護膜形成剤を含有してもよい。 この場合、例えば、二種類以上の複素環式化合物を使用してもよいし、二種類以上の界面活性剤を使用してもよい。 あるいは、複素環式化合物と界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。 複素環式化合物と界面活性剤を組み合わせて使用した場合、すなわち、研磨用組成物が複素環式化合物及び界面活性剤を含有する場合には、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度の向上と研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面の平坦性の向上の両立が容易である。

    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は、防腐剤や防カビ剤のような公知の添加剤を必要に応じてさらに含有してもよい。 防腐剤及び防カビ剤の具体例としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、及びフェノキシエタノールが挙げられる。

    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は一液型であってもよいし、二液型をはじめとする多液型であってもよい。
    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水などの希釈液を使って例えば10倍以上に希釈することによって調製されてもよい。

    ・ 前記実施形態の研磨用組成物は、半導体デバイスの配線を形成するための研磨以外の用途で使用されてもよい。
    次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。

    研磨促進剤、水溶性ポリマー又はそれに代わる化合物、酸化剤、砥粒及び保護膜形成剤を水に混合して実施例1〜17及び比較例4〜22の研磨用組成物を調製した。 研磨促進剤、酸化剤、砥粒及び保護膜形成剤を水に混合して比較例1〜3の研磨用組成物を調製した。 実施例1〜17及び比較例1〜22の研磨用組成物中の水溶性ポリマー又はそれに代わる化合物の詳細を表1及び表2に示す。 なお、表1及び表2には示していないが、実施例1〜17及び比較例1〜22の研磨用組成物はいずれも、研磨促進剤としてグリシンを10g/L、酸化剤として過酸化水素を15g/L、砥粒として平均一次粒子径が30nmのコロイダルシリカを0.1質量%含有している。 さらに、実施例1〜17及び比較例1〜22の研磨用組成物はいずれも、保護膜形成剤として、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−5−メチルベンゾトリアゾール及び1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]−4−メチルベンゾトリアゾールの混合物を0.08g/Lと、ラウリルエーテル硫酸アンモニウムを0.1g/Lと、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.5g/L含有しており、そのうちのいくつかはさらに追加の保護膜形成剤も含有している。 一部の研磨用組成物中に含まれている追加の保護膜形成剤の詳細も表1及び表2に示す。

    <配線脇の凹み>


    各例の研磨用組成物を用いて、銅パターンウェーハ(ATDF754マスク、研磨前の銅膜厚700nm、トレンチ深さ300nm)の表面を、表3に記載の第1の研磨条件で銅膜厚が250nmになるまで研磨した。 その後、研磨後の銅パターンウェーハの表面を、同じ研磨用組成物を用いて、表4に記載の第2の研磨条件でバリア膜が露出するまで研磨した。 こうして2段階の研磨が行われた後の銅パターンウェーハの表面を、レビューSEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製のRS−4000)を使って観察し、0.18μm幅の配線と0.18μm幅の絶縁膜が交互に並んだ領域及び100μm幅の配線と100μm幅の絶縁膜が交互に並んだ領域において、配線脇の凹みの有無を確認した。 そして、いずれの領域においても配線脇の凹みが確認されなかった場合には◎(優)、いずれか一方の領域においてのみ幅5nm未満の配線脇の凹みが確認された場合には○(良)、両方の領域において幅5nm未満の配線脇の凹みが確認された場合には□(可)、少なくともいずれか一方の領域において幅5nm以上20nm未満の配線脇の凹みが確認された場合には△(やや不良)、少なくともいずれか一方の領域において幅20nm以上の配線脇の凹みが確認された場合には×(不良)と評価した。 この評価の結果を表5及び表6の“配線脇の凹み”欄に示す。

    <研磨速度>
    各例の研磨用組成物を用いて、銅ブランケットウェーハの表面を、表3に記載の第1の研磨条件及び表4に記載の第2の研磨条件で60秒間研磨したときの第1の条件及び第2の条件のそれぞれにおける研磨速度を表5及び表6の“研磨速度”欄に示す。 研磨速度の値は、株式会社日立国際電気製のシート抵抗測定器“VR−120SD/8”を用いて測定される研磨前後の銅ブランケットウェーハの厚みの差を研磨時間で除することにより求めた。

    <保存安定性>
    60℃で1週間保管してから室温に戻した各例の研磨用組成物を用いて、上記と同様の方法で配線脇の凹みの評価及び研磨速度の測定を行い、保管前の研磨用組成物のそれと比較した。 また、砥粒の分散性を評価するべく、同じく60℃で1週間保管してから室温に戻した各例の研磨用組成物について、株式会社島津製作所製の分光光度計“UV−2450”を用いて、190nm〜900nmの波長領域での透過率を測定し、保管前の研磨用組成物のそれと比較をした。 そして、配線脇の凹みの評価結果、研磨速度の測定結果、及び砥粒の分散性の評価結果がいずれも保管の前後でほとんど差が無かった場合には◎(優)、配線脇の凹みの評価結果及び砥粒の分散性の評価結果については保管の前後でほとんど差が無かったが、保管後に研磨速度の値が5%以上10%未満だけ低下した場合には○(良)、研磨速度の測定結果及び砥粒の分散性の評価結果については保管の前後でほとんど差が無かったが、保管後に配線脇の凹みの評価結果が一段階だけ下がった場合には□(可)、保管後に砥粒の分散性の評価結果に悪化が見られた場合には△(やや不良)、保管後に研磨速度の値が10%以上低下した場合又は配線脇の凹みの評価結果が二段階以上下がった場合には×(不良)と評価した。 この評価の結果を表5及び表6の“保存安定性”欄に示す。

    <表面あれ>
    各例の研磨用組成物を用いて、銅パターンウェーハ(ATDF754マスク、研磨前の銅膜厚700nm、トレンチ深さ300nm)の表面を、表3に記載の第1の研磨条件で銅膜厚が250nmになるまで研磨した。 その後、研磨後の銅パターンウェーハの表面を、同じ研磨用組成物を用いて、表4に記載の第2の研磨条件でバリア膜が露出するまで研磨した。 こうして2段階の研磨が行われた後の銅パターンウェーハにおける100μm幅の孤立配線部の中央付近の表面粗さRaを、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の走査型プローブ顕微鏡“S−image”を用いて測定した。 この表面粗さRaの測定は、Siプローブを用いてDFMモードで行い、1μm四方の領域内において縦横各256点、0.5Hzのスキャン速度で行った。 測定されたRaの値が0.5nm未満であった場合には○(良)、0.5nm以上1.0nm未満であった場合には△(やや不良)、1.0nm以上であった場合には×(不良)と評価した。 この評価の結果を表5及び表6の“表面あれ”欄に示す。

    <ディッシング>
    各例の研磨用組成物を用いて、銅パターンウェーハ(ATDF754マスク、研磨前の銅膜厚700nm、トレンチ深さ300nm)の表面を、表3に記載の第1の研磨条件で銅残膜が250nmになるまで研磨した。 その後、研磨後の銅パターンウェーハ表面を、同じ研磨用組成物を用いて、表4に記載の第2の研磨条件でバリア膜が露出するまで研磨した。 こうして2段階の研磨が行われた後の銅パターンウェーハの9μm幅の配線と1μm幅の絶縁膜が交互に並んだ第1の領域及び5μm幅の配線と1μm幅の絶縁膜が交互に並んだ第2の領域において、日立建機ファインテック株式会社製のワイドエリアAFM“WA−1300”を用いてディッシング量(ディッシング深さ)を測定した。 この測定の結果を表5及び表6の“ディッシング”欄に示す。

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