Conjugated thiophenes having conductivity and Synthesis

申请号 JP2006551692 申请日 2005-02-02 公开(公告)号 JP2007520602A 公开(公告)日 2007-07-26
申请人 ヴァロリサシオン−ルシェルシュ・リミテッド・パートナーシップ; 发明人 ウィリアム・ジー・スキーン;
摘要 本発明は、芳香族チオフェン核を含む共役オリゴマー及び共役ポリマーに関する。 本共役材料は、アリールジアミンとアリールジアルデヒドの、又はアルデヒドとアミンの両方を含む二官能アリール残基の、簡単かつ効率的な縮合によって得られる。 室温からさまざまな溶媒中での還流 温度 までに及ぶ温度での相補的残基の縮合は、共役オリゴマー及び共役ポリマーをもたらし、これは次に 薄膜 にキャストすることができる。 オリゴマー化及びポリマー化は、共役した生成物に有利に平衡を移動させる原因となる生成副生 水 の除去によって、穏和な条件下で行われる。 得られる共役化合物は、ドーパントによって導電性にすることができ、選択したドーパントに応じてp型もしくはn型伝導体のいずれかの電気伝導性材料が得られる。
权利要求
  • 下記式1:
    [式中、R は、−CN及び−CO (R は脂肪族C 〜C 12アルキル鎖である)からなる群から選択される電子吸引性基であり;
    は、H又はN(R (R は脂肪族C 〜C アルキル鎖である)であり;
    はNH 又は、
    である。 ]
    で表される共役チオフェン系オリゴアゾメチンの製造方法であって、
    下記式2:
    [式中、R は−CN及び−CO (R は脂肪族C 〜C 12アルキル鎖である)からなる群から選択される電子吸引性基である。 ]
    で表されるチオフェンジアミンを、下記式3:
    [式中、R はH又はN(R (R は脂肪族C 〜C アルキル鎖である)である。 ]
    で表される芳香族アルデヒドと反応させるステップを含む製造方法。
  • 下記式4:
    [式中、R は、−CN及び−CO (R は脂肪族C 〜C 12アルキル鎖である)からなる群から選択される電子吸引性基であり;
    は、H又は脂肪族C 〜C 10アルキル鎖であり;
    はNH 又は、
    である。 ]
    で表される共役チオフェン系オリゴアゾメチンの製造方法であって、
    下記式2:
    [式中、R は−CN及び−CO (R は脂肪族C 〜C 12アルキル鎖である)からなる群から選択される電子吸引性基である。 ]
    で表されるチオフェンジアミンを、下記式5:
    [式中、R はH又は脂肪族C 〜C 10アルキル鎖である。 ]
    で表される芳香族アルデヒドと反応させるステップを含む製造方法。
  • 下記式6:
    [式中、R は、−CN及び−CO (R は脂肪族C 〜C 12アルキル鎖である)からなる群から選択される電子吸引性基であり;
    は、H又はN(R (R は脂肪族C 〜C アルキル鎖である)であり;
    はH又は脂肪族C 〜C 10アルキル鎖である。 ]
    で表される共役チオフェン系オリゴアゾメチンの製造方法であって、以下のステップ:
    (a)下記式2:
    [式中、R は−CN及び−CO (R は脂肪族C 〜C 12アルキル鎖である)からなる群から選択される電子吸引性基である。 ]
    で表されるチオフェンジアミンを、下記式3:
    [式中、R はH又はN(R (R は脂肪族C 〜C アルキル鎖である)である。 ]
    で表される芳香族アルデヒドと反応させるステップと、
    (b)ステップ(a)の生成物を下記式5:
    [式中、R はH又は脂肪族C 〜C 10アルキル鎖である。 ]
    で表される芳香族アルデヒドと反応させるステップ、
    を含む製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、チオフェン系オリゴ−及びポリアゾメチン類の合成のための新規な方法と、導電性材料及び電子デバイスを含めた様々な用途に用いるためのそれらの引き続いてのドーピングに関する。 さらに本発明は、本方法によって製造されたオリゴ−およびポリアゾメチン類を包含する。

    〔本発明の背景〕
    共役ポリマーは多くの注目を集めているが、それはこれらのポリマーが新しいデバイスを提供しうる多くの新しい可能性による。 共役ポリマーのいくつかのそのような応用には、有機発光ダイオード(OLED)及びフレキシブル光ディスプレイに用いられる分子ワイヤー、及び/又は低電消費製品が含まれる2,3 。 共役ポリマーが有する多くの興味ある性質(独自の光学、電気、及び機械特性を含む)のために、これらの材料について多くの研究がなされてきた。

    これらの工業に関連する材料の合成は、脱離反応からよりいっそう洗練されたカップリング法へと発展している。 これらのポリマーはその物理特性について魅力的ではあるが、達成された主要な合成法は単純なものではなく4−6 、Suzuki 、Wittig 、又はMitsunobu 合成法、あるいは電解重合10を必要とする。 それらの方法は次に所望のポリマーを単離し、望ましくない金属副生成物を除去するための困難かつ退屈な精製を必要とする。 さらに、伝統的な合成方法は低〜中程度の収率しかもたらさない4,5

    したがって、新規なオリゴ−及びポリアゾメチン類に対するニーズがある。 また、これらの新規なオリゴ−及びポリアゾメチン類を製造するための、より単純で、より効率的な合成方法に対するニーズもある。 本発明は、これら及び関連するニーズを満たすことを目的とする。
    MacDiarmid, AG Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 2581-2590 Brabec, CJ; Sariciftci, NS; Hummelen, JC Adv. Funct. Mater. 2001, 11, 15-26 Rupprecht, L. Conductive Polymers and Plastics in Industrial Applications; Society of Plastics Engineering/Plastics Design Library: Brookfield, Conn,. 1999

    共役芳香族ポリアゾメチンは長年知られており、それらの特性及び製造方法は再検討されてきているが11 、本発明は、チオフェン単位を含有するポリアゾメチン類の最初の合成であると考えられる。 縮合法を含む本発明の合成法の利点は、過剰の試薬の影響を受けやすい反応の精製の容易さである。 さらに、本発明の合成法は、従来の結合法と異なり、無溶媒の使用と厳密な無酸素反応環境とを必要としない。 この簡単なオリゴマー化の主要な推進力は、熱力学的に好ましい共役の形成であり、これが興味深い光物理学的特性及び電気伝導特性を示す新しい群の安定なチオフェン含有材料をもたらす。 本方法論はまた、選択的に制御された付加縮合を可能にし、これは対称共役化合物もしくは非対称共役化合物をもたらす。

    さらに特に、本発明は共役芳香族オリゴ−及びポリアゾメチン類の合成に関連し、これらは本明細書に記載した方法を用いて、1種以上の芳香族ジアミンを1種以上の芳香族ジアルデヒドと溶液中または溶融状態で反応させることによって製造される。 これらの芳香族オリゴ−及びポリアゾメチン類のうち、1つは下記スキーム4に図示したポリアゾメチン10又は11を与えるチオフェン核(チオフェンコア)である。

    本発明の1つの態様では、上記オリゴ−及びポリアゾメチン類は、一方又は両方のアリール成分がチオフェンである、ジアルデヒドと、等モル量のジアミンとの反応によるか、又は、ジアミンと、等モル量の1のジアルデヒドとの反応によって調製される。 スキーム4のYは、6員環ホモ芳香族環、1〜3の窒素原子を有する6員環ヘテロ芳香族環、硫黄、窒素、テルル、又はセレン原子を有する5員環ヘテロ芳香族環、であることができる。 R 、R 、R 、R 、及びR は、脂肪族、芳香族、ヘテロ原子含有、親水性、又は疎水性であることができる。 これらの基は、C 〜C 12脂肪族基、脂肪族C 〜C 脂肪族鎖、C 〜C 14芳香族システム、C 〜C 12脂肪族であるZを有するエステル基CO Zであることができる。

    1つの態様では、本発明は上記スキーム3の一般構造式8の共役導電性オリゴマー又はポリマーに関し、これは二官能モノマーの縮合によって得られ、このモノマーはアリールモノアミンであり且つモノアルデヒドでもあり(スキーム3中の構造7)、R 及びR は脂肪族、芳香族、ヘテロ原子含有、親水性、又は疎水性であることができる。

    別の態様では、本発明は、2より多いアルデヒド又はアミン残基を含む多官能アリール残基に関する。 R は、電子供与性基もしくは電子吸引性基、脂肪族C 〜C 12 、C 〜C 鎖、C 〜C 14芳香族システム、脂肪族C 〜C 12であるZを有するエステル基CO Z、又はシアノ、ニトロ、ジアルキルアミン、アルデヒド、エステル、ハロゲン、カルボン酸、アミン、カルボキシアルデヒド、を含み、R は同じでも異なってもよい。

    さらに別の態様では、本発明は、これらに限定されないが例えばTHF、クロロホルム、ジクロロメタン、アルコール類、DMFなどの溶媒を用いた溶液のキャスティングによって様々な厚さの薄膜へとスピンコートすることができる材料に関する。 本共役物質は、ヨウ素などのp型ドーパントでドーピングすることによって導電性にすることができる。 本共役物質は、ナトリウムナフチリド、SbF 、AsF 、PF 、AgX、NO X、及びNOXなどのn型ドーパントでドーピングすることによって導電性にすることができ、ここでXは非反応性の、非求核性ないし中程度の求核性のアニオンである。 得られるポリマーの分子量は、反応濃度を変えることによって調節できる。

    〔発明の詳細な説明〕
    (i)オリゴアゾメチン合成の一般法 化学式2などの二量体(ダイマー)へと導く選択的オリゴマー化は、25℃〜120℃の範囲の温度で、大気中開放下又は窒素もしくはアルゴンなどの不活性雰囲気下で、アルコール溶媒(エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールを含むがこれらに限定されない);ベンゼン及び/又はトルエンを用いる共沸蒸留;含水もしくは無水DMF;含水もしくは無水DMSO;含水もしくは無水THFなどを用いて実施できる。 5〜10mol%の酸触媒の使用は厳密には必要とされないが、オリゴマー化を加速する有機酸もしくは無機酸(トリフルオロ酢酸、酢酸、塩酸、硫酸などを含むがこれらに限定されない)の形態で存在してもよい。 脱水剤(無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、活性化されたモレキュラーシーブス、活性化された中性もしくは酸性酸化アルミニウム、無水シリカゲルなどを含むがこれらに限定されない)を用いて、生成物に有利に平衡を移動させることができる。 通常、1化学量論量のアルデヒドを1化学量論量のジアミンに添加し、TLC分析によって反応完了したと判断されるまで、0.5〜36時間反応させる。 続いて溶媒を真空下で除去し、得られた生成物をそのまま用いるか又は必要に応じて精製する。 精製は、シリカゲルもしくは活性化された中性酸化アルミニウムでのフラッシュクロマトグラフィーの形態であることができる。

    対称な式5などの三量体(トリマー)(スキーム2;R 3AはR 3Bに等しい)へと導く選択的オリゴマー化は、約2化学量論量のアルデヒドを1化学量論量のジアミンとともに用いることにより、式2の化合物の合成について概説した方法に従って実施できる。 式3の非対称三量体アナログ(スキーム2;R 3AはR 3Bと等しくない)は、1化学量論量のジアミンに添加する1化学量論量のアルデヒドを用い、続いて二量体形成が完了したときにその反応混合物に添加する約1化学量論量のアルデヒドを加えることによって、式2の化合物の調製のために概説した反応条件によって得ることができる。

    (ii)ポリアゾメチン合成の一般法 反応性モノマーとして、典型的には80〜100mgのジアミンモノマーを100ml丸底フラスコに入れ、次に約60〜75mlの重合溶媒に溶かし、次にそこへ正確な化学量論量のジアルデヒドモノマーを添加する。 適した重合溶媒は、無水エタノール、クロロホルム、メタノール、無水トルエン、DMSO(メチルスルホキシド)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、水であるが、さらにその他の溶媒も包含されうる。 試験したポリマーについては、DMSOが最も速い重合速度を示した。 いくつかのモノマーについては触媒は必要ではないが、一般には、反応の見かけの速度は、触媒の使用によって大きく加速される。 10%モルの典型的にはトリフルオロ酢酸もしくは酢酸(しかし、無機酸及びその他の有機酸も包含される)を添加することができる。 重合反応はまた、無溶媒でも進行する。 次に、反応混合物を50℃〜130℃で、約0.5〜16時間加熱する。 低沸点溶媒の場合は、減圧下で溶媒を除去し、次に真空下で乾燥させることによってポリマーを単離する。 揮発性の低い溶媒については、ポリマーは続いて単離せずに使用する。 水中での重合については、反応は典型的には穏和なアルカリ条件下、室温で行う。 ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどの乳化触媒もまた、疎水性モノマー及び親水性モノマーが関わるイミン重合に用いることができる。

    〔第I部:前駆体及びチオフェン化合物(実施例1〜21)〕
    以下は、本発明の組成物の製造に使用しうる共役芳香族オリゴ−及びポリアゾメチン類並びに前駆体の非制限的な例である。 実施例2、6、及び14の化合物は、先の概説部分の反応スキーム1中に示されている。

    [実施例1:シアノ酢酸デシルエステルの合成]

    シアノ酢酸(20.85g、0.245mol)をデカノール(47mL、0.25mol)とメタンスルホン酸(0.5mL、7.8mmol)に加え、次にディーンスタークトラップを使用して副生成物である水を除去しながら、減圧下で加熱した。 反応が終了したら冷却し、定量的な収率で表題化合物を得た。


    [実施例2:2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(1)

    他の報告

    12〜14と同様に、硫黄(4.53g、0.141mol)とトリエチルアミン(7.09mL、0.0509mol)を、250mLの三ツ口フラスコ中、室温においてDMF(15mL)中で撹拌し、30分後に溶液が赤色に変化した。 DMF(5mL)中に希釈したエチルシアノアセテート(20.4mL、0.192mol)を次に30分間かけて滴下して加え、色が濃くなった。 この不透明溶液を環境条件下で3日間撹拌し、その後、溶媒を真空下にてポンプで吸い出し、茶色固体が残った。 この固体をシリカゲルカラム上にチャージし、最高で35%酢酸エチルまで濃度勾配をつけたヘキサンで溶出した。 この操作を2回目も繰り返して、2.15g(22%収率)の表題化合物を金色のフレーク状結晶として得た。 融点155〜158℃。


    TEAの揮発性のため、少量を定期的に添加した。 分解及び副反応が問題となることを避けるために、加熱せずにDMFを除去しなければならないことを発見した。 硫黄は、その溶解性のために、精製時に除去することが困難だった。 粗生成物をイソプロパノールに溶かし、カラム上にチャージする前にろ過することが有利である。

    [実施例3:3,4−ジアミノ−チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジデシルエステル]

    硫黄(2.81g、0.0878mol)とトリエチルアミン(4.1mL、0.0293mol)を、三ツ口フラスコ中のDMF(10mL)中で撹拌した。 ドデシルシアノアセテート(25g、0.117mol)を30分間かけて滴下して加えた(DMF;5mL)。 色が直ちに濃くなり、溶液をちょうど1週間撹拌した。 次に溶媒を真空下で除去し、暗褐色固体が残った。 この粗生成物をカラム上にチャージし、最高35%EtOAcまで濃度勾配をつけたヘキサンで溶出した。 純粋な生成物を得るために、2回目のカラムが必要であった。 収率=3.28g(茶色オイル)。

    本化合物はきわめて容易に分解すると思われ、良好な H-NMR及びC 13 -NMRスペクトルを測定することを困難にした。 より良好なスペクトルはDMSO中で得られる可能性がある。 本化合物は冷蔵庫中に貯蔵しなければならない。

    [実施例4:5−ジエチルアミノチオフェン−2−カルバルデヒド(carbaldehyde)の合成]

    丸底フラスコ(100mL)中で、15mLの蒸留水に5−ブロモチオフェン−2−カルバルデヒド(1.37mL)を添加した。 ジエチルアミン(12mL)をゆっくり加え、続いて6日間還流させた。 フラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、表題化合物を茶色オイルとして得た(1.13g、54%)。


    [実施例5:5−ホルミル−2,2'−ビチオフェンの合成]

    丸底フラスコ中で、15mLのDMFに0℃で、オキシ塩化リン(1.83g)を添加した。 30分後、2,2'−ビチオフェン(500mg)をさらに添加し、溶液を30分間室温で撹拌しその後50℃に加熱して反応を完了させた。 希塩酸を0℃で添加し、溶液を室温に温め、粗生成物を酢酸エチルで抽出した。 フラッシュクロマトグラフィー(SiO

    )による精製により、表題化合物を淡茶色粉末として得た(81%)。


    [実施例6:2−アミノ−5−[(チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(2)の合成]
    50mlの無水エタノールを入れた250mLのフラスコ中で、2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(470mg、5.0mmol)を溶かし、次に2−チオフェンカルボキシアルデヒド(646mg、2.5mmol)を溶かした。 1滴の酢酸を添加した後、溶液を室温で4日間撹拌した。 得られた橙色溶液から溶媒を次に除去し、残渣を、20%酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュクロマトグラフィー(SiO )にて精製し、表題化合物を黄色固体として得た(454mg、52%)。 融点=145〜147℃。

    表題化合物はまた、同量の試薬類を用い、エタノール中で4時間還流することによって定量的に得ることができる。

    [実施例7〜10:以下の実施例では、R基を示したように修飾する]

    [実施例7:2−アミノ−5−[(チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(R=H)の合成]
    丸底フラスコ(50mL)中で、2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(50mg)を20mLのイソプロパノールに加え、これに2−チオフェンカルボキシアルデヒド(24mg)と触媒量のトリフルオロ酢酸(TFA)を添加した。 混合物を20時間還流させた。 溶媒を完全に除去して橙色固体を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO )で精製して、表題化合物を橙色固体として得た(81%)。 融点:114〜116℃。

    [実施例8:2−アミノ−5−[(5−ニトロ−チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(R=NO )の合成]
    50mLの丸底フラスコ中で、30mgの2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステルを20mLのイソプロパノール中に溶かした。 この溶液に、5−ニトロ−2−チオフェンカルボキシアルデヒド(91mg)を激しく撹拌しながら添加し、次に触媒量のTFAを添加した。 反応混合物を30分間還流させた。 フラッシュクロマトグラフィー(SiO )によって、表題化合物を暗黒紫色粉末として単離した(87%)。 融点:194〜196℃。

    [実施例9:2−アミノ−5−[(5−ジエチルアミノ−チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(R=NEt )の合成]
    50mLの丸底フラスコ中で、67mgの2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステルを20mLの無水トルエン中に溶かした。 次にこの溶液に、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO、32mg)、286μLの塩化チタン(IV)(1.0Mトルエン溶液)を0℃で、さらに5−ジエチルアミノ−チオフェン−2−カルバルデヒド(52mg)を添加した。 混合物を2時間還流し、溶媒を除去した。 フラッシュクロマトグラフィー(SiO )による精製によって、黄橙色固体として表題化合物を得た(67%)。

    [実施例10:2−アミノ−5−[([2,2']ビチオフェニル−5−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(R=2−チオフェン)の合成]
    2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(30mg、0.25mmol)をイソプロパノール中で5−ホルミル−2,2'ビチオフェン(40mg、0.25mmol)と混合し、TFAの触媒添加に続いて5時間還流した。 溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、黄色固体として生成物を単離した(42mg、64%)。

    [実施例11〜13:以下の実施例においては、R基を示したように修飾する]

    これらの実施例のために必要な2つの前駆体がある。

    [2−アミノチオフェン−3−カルボニトリル]

    55mlのDMF中の1,4−ジチアン−2,5−ジオール(12.12g、78mmol)とマロノニトリル(10.52g、157mmol)の溶液に、DBU(10ml、78mmol、1当量)を0℃で添加した。 溶液は数分後に栗色に変わり、これを室温で1時間撹拌し、次に60℃に8時間加熱した。 反応混合物を120mlの0.4M酢酸で加水分解し、次にエーテルで抽出した。 有機層をMgSO

    で乾燥し、次に濃縮した。 得られた固体を酢酸エチルから再結晶して表題化合物を得、これは淡黄色固体だった(11g、89mmol、収率57%)。


    [エチル2−アミノチオフェン−3−カルボキシレート]
    2−アミノチオフェン−3−カルボニトリルと同じ方法を用いた。 ただしマロノニトリルをエチルシアノアセテートで置き換えた。 1 H-NMR (CDCl 3 , 400 MHz): 6.95, 6.15, 4.26, 1.32

    [実施例11:2−[(チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3−カルボニトリル(R=H)の合成]
    2−アミノ−チオフェン−3−カルボニトリル(50mg)とチオフェン−2−カルボキシアルデヒド(54mg)をTFAとともにイソプロパノール中で混合し、20時間還流させた。 反応混合物を次にフラッシュクロマトグラフィーで精製し、61mg(70%)の表題化合物を橙色固体として得た。 融点58〜60℃。

    [実施例12:2−[(5−ニトロ−チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3−カルボニトリル(R=NO )の合成]
    2−アミノ−チオフェン−3−カルボニトリル(30mg)と5−ニトロ−チオフェン−2−カルボキシアルデヒド(41mg)をTFAとともにイソプロパノール中で混合し、28時間還流させた。 反応混合物を次にフラッシュクロマトグラフィーで精製し、45mg(71%)の表題化合物を橙色粉末として得た。 融点192〜194℃。

    [実施例13:2−[(5−ジエチルアミノ−チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3−カルボニトリル(R=NEt )の合成]
    丸底フラスコ中(50mL)で、30mgの2−アミノ−チオフェン−3−カルボニトリルを20mLのイソプロパノールに添加し、これに5−ジエチルアミノ−チオフェン−2−カルバルデヒド(48mg)と、触媒量のTFAをさらに加えた。 混合物を3時間還流した。 溶媒を完全に除去して橙色オイルを得、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO )で精製した。 表題化合物が橙色固体として単離された(63%)。

    [実施例14:2,5−ビス−[(チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(3)の合成]

    17.7μlの2−チオフェンカルボキシアルデヒド(21.7mg、0.1935mmol)と0.995μlのトリフルオロ酢酸(1.487mg、0.0129mmol、16.7mol%)を、10mLの無水エタノールに添加した。 20mgの2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(0.0774mmol)をこの溶液に溶かし、得られた混合物を還流下で2日間撹拌した。 溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残った固体をn−ヘキサンで数回にわけて洗浄し、次にアセトンから再結晶して細かな赤色針状結晶を得た(19.0mg、55%)。 FAB-MS: m/z 447.1 ([M+], 70%)。 λ

    max (アセトニトリル) = 418 nm, ε(アセトニトリル)= 2.3 x 10

    5 M

    -1 dm

    -1 , λ

    fl (アセトニトリル)= 564 nm。

    表題化合物を製造するための代替の合成方法が可能である。 直接ワンポット法は以下を含む。 5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(100mg、0.4mmol)と2−チオフェンカルボキシアルデヒド(99.4mg、0.8mmol)を、25mlの一つ口フラスコ中、イソプロパノール(10ml)中で撹拌し、次に触媒量のトリフルオロ酢酸を添加した。 溶液は橙色に変化し、次に8時間の撹拌後、赤色に変化した。 次に真空中でほとんど乾燥するまで濃縮した。 粗生成物をシリカカラムにチャージし、ヘキサン/酢酸エチル(85/15)からヘキサン/酢酸エチル(75/25)までで溶出し、最適化されていないが65mg(40%)で赤色固体を得た。 融点128〜129℃。

    表題化合物はまた、2−チオフェンと2,5−ビス[(チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステルとを、イソプロパノール中で結合させ、次に上記同様の方法によって得ることもできる。

    [実施例15〜19:以下の実施例においては、R基を下記のように修飾する]

    [実施例15:ジエチル−2,5−ビス((5−ニトロチオフェン−2−イル)メチレン−アミノ)チオフェン−3,4−ジカルボキシレート(R =R =NO )]
    5−ニトロチオフェン−2−カルバルデヒド(40mg)をトルエン中、DABCO(29mg)及びTiCl (255μL、トルエン中1M)と0℃で混合した。 ジエチル−2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(32mg)を添加し、溶媒を4〜5時間還流させた。 フラッシュクロマトグラフィーの後、表題化合物を紫灰色固体として単離した(26mg、38%)。 融点:255〜257℃。

    [実施例16:ジエチル−2,5−ビス((5−(ジエチルアミノ)チオフェン−2−イル)メチレンアミノ)チオフェン−3,4−ジカルボキシレート(R =R =NEt )]
    5−(ジエチルアミノ)チオフェン−2−カルバルデヒド(50mg)をトルエン中、DABCO(31mg)及びTiCl (273μL、トルエン中1M)と0℃で混合した。 ジエチル−2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(32mg)を添加し、反応混合物を3〜4時間還流させた。 溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、生成物を紫灰色固体として単離した(64mg、88%)。

    [実施例17:2−[(5−ニトロ−チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−5−[(チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(R =H;R =NO )]
    5−ニトロチオフェン−2−カルバルデヒド(9mg)をトルエン中、窒素雰囲気下、0℃で、DABCO(7mg)、TiCl のトルエン溶液(59μL)及び2,5−ビス−[(チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(12mg)と混合した。 混合物を6時間還流し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、生成物を赤色粉末として単離した。 融点220〜222℃。

    [実施例18:2−[(5−ジエチルアミノ−チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−5−[(5−ニトロ−チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(R =NEt ;R =NO )]
    5−ニトロチオフェン−2−カルバルデヒド(23mg)をトルエン中、窒素雰囲気下、0℃で、DABCO(16mg)、TiCl のトルエン溶液(146μL)及び2−アミノ−5−[(5−ジエチルアミノ−チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(56mg)と混合し、7時間還流させた。 この反応は、フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、紫灰色粉末(53mg、72%)を与えた。

    [実施例19:ジエチル2,5−ビス((5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−イル)メチレンアミノ)チオフェン−3,4−ジカルボキシレート(R =R =2−チオフェン)]
    チオフェン−2,5−ジアミノ−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(49mg)と5−ホルミル−2,2'ビチオフェン(75mg)をイソプロパノール中、3〜4時間、TFA触媒の存在下で還流し、赤色粉末として生成物を単離した(58mg、50%)。 融点:130〜132℃。

    [第II部:チオフェン含有ポリマーの合成(実施例20〜21)]
    以下の非制限的な実施例は、本発明を代表する代表的オリゴマーの合成を説明する。 実施例20と21の化合物は、先のまとめの部分の反応スキーム1及び3にそれぞれ示されている。

    ポリマーの分子量は、溶出液としてDMFを用い、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン標準に対して決定した。 またはMALDI−TOFを、適切なマトリクスを用い、ポリマー固体サンプルで行った。 脱水反応に対する平均重合度(DP)は、測定したポリマー分子量をモノマー繰り返し単位の分子量で割ることにより計算することができる。 「DP」と「n」は以下の反応中で同義語であり、交換可能である。

    計算例は以下のとおりである:

    [実施例20:チオフェンポリアゾメチン(4)の合成]

    市販の2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒド(6.5mg、0.046mmol)を5mlの丸底フラスコに入れ、次に2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(11.9mg、0.041mmol)と5〜10mol%のトリフルオロ酢酸を添加した。 混合物を次に窒素雰囲気下で12時間、無溶媒で加熱した。 得られたオイルをさらに精製することなく次にステップで用い、冷却し、低分子量オリゴマーをエタノールによる洗浄によって除去した。 得られた紫色のポリマーは2、3例を挙げると、DMSO、DMF、及びNMPに可溶である。 DP=3601、M

    =87541g/mol。 λ

    max (DMSO)=497及び542nm。 元素分析、C

    16 H

    14 N

    2 S

    2 x 35.85 H

    2 Oに対する計算値: C 37.85, H 8.67, N 10.50, S 5.79 分析値:C 34.94, H 8.67, N 10.89, S 4.66。

    あるいは、2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒド(4mg、0.029mmol)を25ml丸底フラスコに入れ、2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(7.9mg、0.029mmol)と5〜10mol%のトリフルオロ酢酸を添加した。 混合物を、続いて窒素雰囲気下で12時間、無水エタノールを用いて還流させ、溶媒除去によりポリマーを単離し、さらに精製することなく用いた。 得られた紫色ポリマーは、2、3例を挙げるとDMSO、DMF、及びNMRに可溶性である。 DP=74、M =26686g/mol。 λ max (DMSO)=478nm。

    あるいは、7mlの無水トルエン中に、アルゴン下で、2,5−ジアミノ−3,4−エチルエステルチオフェン(146g、0.56mmol)を添加し、次に1,4−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO;411mg、3.66mmol)を加え、さらに塩化チタン(IV)(100μl、0.91mmol)を添加した。 温度を上げ、10mlの無水トルエンに溶かしたチオフェン−2,5−ジカルバルデヒド(79g、0.56mmol)を添加した。 混合物をアルゴン下、24時間還流させた。 得られた赤ワイン色の混合物を室温に冷却し、沈殿物を真空ろ過によって単離した。 ポリマーは濃血赤色フレークとして単離され、アルコール溶媒、DMSO、DMFに容易に溶解し、クロロホルムにわずかに溶ける。

    より反応性の低いモノマーについては、重合は以下のように行った。 典型的には、50mLフラスコ中で、150mgのジアミンモノマーを10mlの無水THFに溶かし、次に1,4−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO;411mg、3.66mmol)を窒素雰囲気下で添加した。 この溶液に1.5化学量論当量の塩化チタン(IV)(100ml、0.91mmol)を添加した。 1化学量論当量のモノマージアルデヒドの添加に続いて、次に反応混合物を24時間加熱還流した。 ポリマーが溶液から沈殿し、これをろ過により単離し、トルエンとクロロホルムで洗浄した。

    [実施例21:ポリ(4,4'−ジイミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸チオフェン)(9)の合成]

    体積60mlの蒸留水と2M水酸化ナトリウム数滴を用いて市販の4,4'−ジアミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸(155mg、0.41mmol)を溶かした。 40mlのTHFを添加した後、2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒド(58mg、0.42mmol)を触媒量のベンジルトリエチルアンモニウムクロライドとともに添加した。 赤色溶液を2日間室温で撹拌した。 溶媒を減圧下で除去し、ポリマーを赤色固体として得た。 これをエタノールから再結晶した。 λmax(水):305及び338nm。 M

    =148094、PDI=2.3、DP=286。


    0,0

    0,0 (HOMO−LUMO)遷移は65kcal/mol(2.83eV)であると計算された。 スペクトルの赤色領域に現れる吸収から、化合物9について、51.3kcal/mol(2.23eV)のバンドギャップが計算できる。


    NB:ナトリウム対イオンは、K、Rb、又はCsで置換可能である。

    [第III部:フルオレン含有化合物及び他のチオフェンオリゴマー(実施例22〜34)]
    [実施例22:ビス((チオフェン−2−イル)メチレン)−9H−フルオレン−2,7−ジアミンの合成]

    2−チオフェンカルボキシアルデヒド(131mg、1.2mmol)を無水イソプロパノール中の2,7−ジアミノフルオレン(100mg、0.51mmol)に添加した。 溶媒を留去し、さらなる精製は必要ではなかった。 表題化合物を黄色粉末として得た(196mg、0.51mmol、100%)。 融点:201℃。


    HR−MS:m/z標的値385.08277、測定値385.08388、質量誤差(ppm)2.89。 C. V. −1.38、−0.77、−0.10、1.27V。 支持電解質として0.1M TBAPF

    中、脱気した無水アセトニトリル中、λ

    max =381nm。 λ

    em =318及び606nm。 E

    =452nm、63.23Kcal/mol。 ΔE=298.8nm、95.65Kcal/mol。

    [実施例23:((チオフェン−2−イル)メチレン)−9H−フルオレン−2−アミンの合成]

    2−チオフェンカルボキシアルデヒド(80.4mg、0.72mmol)を2−アミノフルオレン(100mg、0.55mmol)に加え、イソプロパノール中で触媒量のTFAとともに12時間還流させた。 溶媒を留去し、生成物を、無水塩基性活性化アルミナゲル(AlO

    )と40%酢酸エチル/60%ヘキサンを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。 表題化合物が黄色生成物として得られた(45.4mg、0.165mmol、30%)。 融点:143℃。


    C. V. −1.36、−0.96、−0.56、−0.02、0.62、1.39V。 支持電解質として0.1M TBAPF

    中、脱気した無水アセトニトリル中、λ

    max =352nm。 λ

    em =302nm。 E

    =452nm、62.95Kcal/mol。 ΔE=300nm、95.26Kcal/mol。

    [実施例24:(30E,31E)N2−((5−((25E)−((Z)−5−((チオフェン−2−イル)メチレンアミノ)−3,4−ジメチルカルボキシレートチオフェン−2−イルイミノ)メチル)チオフェン−2−イル)メチレン)3,4−ジメチルカルボキシレート−N5−((チオフェン−2−イル)メチレン)チオフェン−2,5−ジアミンの合成]

    2−チオフェンジカルボキシアルデヒド(67.3mg、0.48mmol)をN

    雰囲気下で、無水イソプロパノール中のジエチル2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(247.8mg、0.96mmol)に添加し、さらに触媒量のTFAを添加した。 反応液を還流させることなく2日間ゆっくりと加熱した。 赤色粉末を、溶媒として1:1酢酸エチル/ヘキサンを使ったシリカ(SiO

    )上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。 この反応は表題化合物を与えた(90mg、0.15mmol、30%)。


    [実施例25:2,5−ビス−[(チオフェン−2−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−2,5−ジアミンの合成]

    2−チオフェンカルボキシアルデヒド(58.9mg、0.53mmol)を、N

    下、触媒量のTFAとともに、無水イソプロパノール中のビス(ジエチル2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート)−チオフェン−2,5−ジアミン(16.3mg、0.027mmol)に添加した。 反応は2日間穏やかに加熱した。 活性化塩基性アルミナゲル(AlO

    )とCH

    Cl

    を用いて、生成物を精製した。 表題化合物を赤色粉末として得た(13mg、0.016mmol、60%)。


    [実施例26:N2−((チオフェン−2−イル)メチレン)−9H−フルオレン−2,7−ジアミンの合成]

    2−チオフェンカルボキシアルデヒド(22mg、0.19mmol)を、N

    雰囲気下、触媒量のTFAとともに、無水エタノール中の2,9−ジアミノフルオレン(50mg、0.26mmol)に添加した。 反応は12時間還流させた。 溶媒を留去し、さらなる精製は必要ではなかった。 表題化合物を黄色粉末として得た(73mg、0.25mmol、98%)。


    [実施例27:ビス(((チオフェン−2−イル)メチレン)カルボキシアルデヒド)−9H−フルオレン−2,7−ジアミンの合成]

    2,9−ジアミノフルオレン(100mg、0.51mmol)に、無水イソプロパノール中、N

    雰囲気下で、触媒量のTFAとともに、2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒド(142.8mg、1.02mmol)を添加した。 反応は、橙色沈殿物が形成されるまで12時間穏やかに加熱し、ろ過した(213mg、0.48mmol、95%)。


    C. V. −1200、−1212、−969、763、1249V。 支持電解質として0.1M TBAPF

    中、脱気した無水アセトニトリル中。 λ

    max =424nm。 λ

    em =328及び622nm。 E

    =569nm、50.23Kcal/mol。 ΔE=300nm、25.26Kcal/mol。

    [実施例28:N−((9H−フルオレン−2−イル)メチレン)−9H−フルオレン−2−アミンの合成]

    2−フルオレンカルボキシアルデヒド(100mg、0.51mmol)を、N

    雰囲気下、触媒量のTFAとともに、無水イソプロパノール中のアミノフルオレン(93.3mg、0.51mmol)に添加した。 加熱は必要ではなかった。 反応は12時間行い、緑色沈殿物をろ過し、183.7mgの表題化合物を得た。

    [実施例29:N2−((9H−フルオレン−2−イル)メチレン)−9H−フルオレン−2,7−ジアミンの合成]

    2−フルオレンカルボキシアルデヒド(49.5mg、0.25mmol)を、N

    雰囲気下、無水イソプロパノール中の2,7−ジアミノフルオレン(50mg、0.25mmol)に添加し、触媒量のTFAも添加した。 加熱は必要でなかった。 反応は12時間行い、緑色沈殿物をろ過し、94.9mgの表題化合物を得た。

    [実施例30:N2−((9H−フルオレン−2−イル)メチレン)−N7−((9H−フルオレン−7−イル)メチレン)−9H−フルオレン−2,7−ジアミンの合成]

    フルオレンカルボキシアルデヒド(99mg、0.51mmol)を、N

    雰囲気下、無水イソプロパノール中の2,7−ジアミノフルオレン(50mg、0.25mmol)に添加し、さらに触媒量のTFAを添加した。 加熱は必要でなかった。 反応は12時間行った。 表題化合物を、橙色沈殿物として得た(140mg)。

    [実施例31:フルオレン及びチオフェンアゾメチンの交互オリゴマーの合成]

    2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒド(7.1mg、0.05mmol)を、N

    雰囲気下、無水DMF中の2,9−ジアミノフルオレン(10mg、0.05mmol)に添加し、さらに触媒量のTFAを添加した。 最初の溶液(オリジナル溶液)を5倍及び20倍に希釈した。 反応は、窒素下で12時間、70℃に加熱した。 最終のオリジナル溶液は赤であり、5倍に希釈した溶液は橙色であり、20倍に希釈した溶液は黄色であり、それぞれ、λ

    max =319、323、及び335nmの吸収を示した。

    上記反応はまた、アルコール溶媒、DMSO、DMACを用いて大気中で、あるいは還流温度でハロゲン化溶媒を用いて行うことができる。 本反応はまた、不活性雰囲気下で溶媒なしに、混合物を融点まで加熱することによって行うこともできる。

    [実施例32:2−アミノ−5−[([2,2']ビチオフェニル−5−イルメチレン)−アミノ]−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステルの合成]

    5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルバルデヒド(40mg、0.25mmol)を、イソプロパノール中で、ジエチル2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(30mg、0.25mmol)を添加し、触媒量のTFAを添加した後、5時間還流させた。 溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、黄色固体として表題化合物を単離した(42mg、64%)。


    [実施例33:ジエチル2−((5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−イル)メチレンアミノ)−5−((チオフェン−2−イル)メチレンアミノ)チオフェン−3,4−ジカルボキシレートの合成]

    この化合物は段階的(ステップワイズ)又はワンポットのいずれかで合成できる。 段階的形成は、5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルバルデヒド(30mg、0.15mmol)を、ジエチル2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(48mg、0.19mmol)に添加し、次に触媒量のTFAとともに、イソプロパノール中で12時間還流させることによって行った。 中間生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、黄色粉末として単離した(30mg、1.1mmol、74%)。 得られた生成物に、イソプロパノール中の2−チオフェンカルボキシアルデヒド(13mg、1.2mmol)を触媒量のTFAとともに添加した。 反応は12時間還流させた。 フラッシュクロマトグラフィーによって、表題化合物を赤色粉末として単離した(37.5mg、0.1mmol、46%)。


    別法として、2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(100mg、3.8mmol)と2−チオフェンカルバルデヒド(36mg、3.2mmol)とを、触媒量のTFAとともにエタノール中で混合した。 12時間の還流後、フラッシュクロマトグラフィーによる精製の後に黄色粉末を単離した(75mg、2.2mol、69%)。 イソプロパノール中の5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルバルデヒド(43mg、2.2mmol)を、触媒量のTFAとともに上記単離生成物に添加した。 フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO )の後、赤色粉末(61mg、1.1mmol、52%)を単離した。

    表題化合物の一段階合成は、2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(15mg、0.5mmol)を2−チオフェンカルボキシアルデヒド(6.5mg、0.6mmol)と混合し、触媒量のTFA存在下、エタノール中で12時間還流させて達成できる。 溶媒の除去後、イソプロパノール中の5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルバルデヒド(11.3mg、0.5mmol)を、触媒量のTFAに追加して添加し、溶液を12時間還流させた。 フラッシュクロマトグラフィー(SiO )の後、表題化合物を赤色粉末として単離した(20.9mg、0.4mmol、63%)。

    [実施例34:ジエチル2,5−ビス((5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−イル)メチレンアミノ)チオフェン−3,4−ジカルボキシレート(5)の合成]

    5−(チオフェン−2−イル)チオフェン−2−カルバルデヒド(75mg)をジエチル2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(49mg)に添加し、触媒量のTFA存在下、イソプロパノール中で、溶液を還流させた。 カラムクロマトグラフィーに続いて、表題化合物を赤色粉末として単離した(58mg、50%)。 融点130〜132℃。


    [第IV部:ワンポット連結分子からの共役したチオフェン類]
    さまざまな数のチオフェン単位を有する対称もしくは非対称共役オリゴマー類を合成するための簡単なワンポットでの選択的方法を提供する。 この方法は、それらのカーボン類似体(アナログ) 15に対して興味深くかつ増強された特性を示す材料をもたらし、その物理特性を微調整するための方法を提供する。 さらに、導電性であることが知られている炭素アナログ16に対する等電子性のために、これらの単純かつ強固な結合は魅力的である。

    [スキーム5:選択的ワンポットアゾメチン形成]

    このワンポットアプローチは、新規なチオフェンジアミン(1)の形態の分子を、その相補的なアルデヒド類とともに一緒に結合させることを必要とする(スキーム5)。 この方法は、厳密な反応条件を全く必要としない。 むしろ逆に、従来法は7段階以上かかり、複雑な反応条件に苦労し、しかも非対称化合物の形成は容易にはできない。 本ワンポット法は、上記7段階法を用いて形成される生成物に類似した生成物の形成を可能にするばかりでなく、非対称化合物形成を可能にする。 非対称化合物は、形成される生成物のさまざまな特性を微調整することを可能にするので特に有用である。 このことは、従来法を用いては達成することが容易ではない電子工業ニーズに対して、これらの化合物の用途における多様な可能性を次々に許容しうる。

    ジアミノチオフェン1は、改変したワンポットGewaldバッチ法によって大量に得られた17 。 相補的なモジュール(アルデヒドとジアミン)のカップリングは、通常の有機溶媒中で、無水溶媒、金属触媒、もしくはその他のデリケートな条件の必要なしに、スキーム6に図示した化合物をもたらす。 必要な反応手順は非常に緩やかであり、無酸素環境もしくは脱水試薬は必要としない。 また、反応手順は、室温もしくは穏やかな加熱を含めた広範囲な温度を用いて行うことができる。 反応の推進力は、熱力学的に安定な共役結合(アゾメチン)の生成である。 これはまた、生成物に有利に他の可逆反応の平衡を移動させる原因でもある。 実際に、形成されたアゾメチン結合は十分に強固であり、水及び酸の存在下での加熱によっても、明らかな分解は全く起こらない。 アゾメチン結合の安定性は、通常の還元剤18によっても還元されないことにより、さらに証明される。

    [スキーム6:試験したアゾメチン類、それらの前駆体及び炭素類似体]

    モノ−(3)又はジ−付加体(4、5)のいずれかの選択的生成物形成は、アルデヒドの当量数もしくは溶媒の選択によって制御される。 化合物2のエステル基の不活性化がアミンの求核性を低下させるので、他の場合では平衡を生成物に移動させうる条件でさえモノ付加が優位であり、ダイマーへと導く。 対称なジイミンの形成は、2当量のアルデヒド1を用い、イソプロパノールを使用することによって、化合物2から直接に可能である。 あるいは、非対称化合物(4)もまた、化合物2と過剰量もしくは化学量論量のアルデヒド1とを用い、エタノール中で還流することによりワンポットで得ることができる。 化合物3が形成されたらイソプロパノールに代え、1当量の2−チオフェンカルボキシアルデヒドを添加して、さらに還流した後、生成物(4)が得られる。

    オリゴマー化の程度は、目に見える色の変化の形成を通じて追跡可能である。 吸収極大の変化(Figure 1)は、アゾメチン結合による共役の形成の指標である。 可視領域に存在する色は、オリゴマー共役の安定化による励起電子π−π 準位の低下によって支配され、深色移動に関わる。 深色吸収移動についての、共役した骨格に沿った原子数の逆数に対して観測される直線的傾向は、アゾメチン結合の共役性をさらに裏付ける。 観測された傾向を外挿すると、チオフェン−ビスチオフェン繰り返し単位を含むDP=∞の交互ポリマーに対する可能な吸収極大となり、それは約550nm(Figure 1の挿入図)である。 吸収スペクトルは、チオフェン−アゾメチン類の励起状態と基底状態との間のエネルギー差に関連する情報をさらに提供する。 アゾメチン類に対してFigure 3で報告されるエネルギーギャップ(ΔE)は、その炭素類似体6及び7に対するものよりも低い。 これは、エネルギー準位が、ヘテロ共役結合と電子吸引性エステル基からの明らかな安定化を受けている結果である。 これらのチオフェンオリゴマー類のより低いバンドギャップと全体としての安定化レベルは、この容易な縮合方法が、従来法によって得られる炭素類似体に比べて容易な共役形成によって導電性材料を得るための好適な手段であることを示唆している。 このことは、Figure 4のサイクリックボルタンメトリーデータによってさらに裏付けられている。

    化合物3の結晶構造(Figure 2)は、ヘテロ原子単位がそれら自身でアンチパラレル(anti-parallel)配置に配向している平面状立体配置を示している。 このことは、より高次のオリゴマーにとって望ましい直鎖状配置を確かなものにする。 結晶学的データはまた、アゾメチン結合距離がその炭素類似体19、20よりも短いことも示し、さらにこれらの容易に合成される材料に対して理想的な導電性挙動を付与することが期待される21

    [第V部:チオフェン含有共役ポリマー類]
    以下の例は、ポリマー濃度及び溶媒の関数としての、ポリマーの分子量変化を示すためのものである。

    [重合反応]

    a)ポリ−DATの合成 5mlの丸底フラスコ中で、チオフェン−2,5−ジカルバルデヒド(27.1mg、0.19mmol、1当量)と、2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(50mg、0.19mmol、1当量)を、イソプロパノール中に予め希釈したTFA2滴とともに混合した。 フラスコを105℃で16時間加熱した。 それにより、黒色粉末が得られた。 この粉末をDMFに溶かしたところ赤色溶液が得られた。
    (特性)
    参照番号:MB−109
    黒色粉末 吸収:500nm(ブタノール)
    蛍光:600nm(ブタノール)
    寿命:0.93ns(χ =0.998)
    サイクリックボルタンメトリー(CV)
    MALDI−TOF:14000g/mol、85000g/mol
    同様の方法を用い、2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステルを2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジデシルエステルと置き換えた。

    b)ポリ−DATの合成 チオフェン−2,5−ジカルバルデヒド(87.8mg、0.62mmol、1当量)と2,5−ジアミノ−チオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチルエステル(165.2mg、0.62mmol、1当量)の無水イソプロパノール(12.5ml)溶液を調製した。 溶解を促進させるために、この溶液に超音波を2〜3分間当てた。 イソプロパノール中に予め希釈したTFA2滴を前記溶液に添加した。 次に溶液を70℃で48時間加熱した。 赤色溶液が得られた。
    (特性)
    吸収:480nm(DMF)
    DMF中でのGPCによって測定した分子量は40000g/molである。

    ポリ−DAT合成のための代替反応条件を表1に列挙した。

    反応の速度論はFigure 5及び6に示した。 Figure 5は、触媒量のTFAを用い、70℃で、ブタノール中におけるチオフェン−2,5−ジカルバルデヒド(5mg/ml)とジエチル2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(5mg/ml)との重合に起因する吸収(色)増加を示す。 スペクトルは1時間間隔で記録した。

    同様に、Figure 6は、触媒量のTFAを用い、90℃で、ブタノール中におけるチオフェン−2,5−ジカルバルデヒド(5mg/ml)とジエチル2,5−ジアミノチオフェン−3,4−ジカルボキシレート(5mg/ml)の重合に起因する吸収(色)増加を示す。 スペクトルは1時間間隔で記録した。

    [自家重合(autopolymerisation)]
    〔モノマー類の合成〕

    55mlのDMF中の1,4−ジチアン−2,5−ジオール(12.12g、78mmol、1当量)とマロノニトリル(10.52g、157mmol、2当量)の溶液に、DBU(10ml、78mmol、1当量)を0℃で滴下して添加した。 2〜3分後、溶液は茶色に変化した。 前記添加に続いて、溶液を室温で1時間撹拌し、さらに8時間、60℃に加熱した。
    溶液を120ml酢酸(0.4M)で加水分解した。 次に、溶液をエーテルで抽出した。 エーテル相をMgSO 上で乾燥し、次に濃縮した。 得られた固体を、酢酸エチルとヘキサン(70/30)の混合物中での再結晶により精製し(11g、89mmol、収率57%)、非常にきれいな黄色粉末を得た。

    予め炎を当て、窒素下に置いた二つ口フラスコ中に、無水DMF(10ml)を入れ、0℃に冷却した。 POCl (3ml、32mmol、4当量)を滴下して加えた。 20分後、2−アミノ−チオフェン−3−カルボニトリル(1.00g、8mmol、1当量)をすばやく滴下して加えた。 反応混合物を室温で30分間撹拌した。
    溶液を50gの氷で加水分解した。 次に、溶液をエーテルで抽出した。 有機層をMgSO 上で乾燥し、次いで濃縮した。 得られた固体を以下の溶出液:酢酸エチル、ヘキサン(40/60)(220mg、1.1mmol、収率14%)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。 最終生成物はきれいな黄色粉末だった。

    (特性)
    2−アミノ−5−ホルミル−チオフェン−3−カルボニトリル(2)
    H−NMR(CDCl 、400MHz):9.62、7.85、7.65、3.20
    2−アミノ−5−ホルミル−チオフェン−3−カルボニトリル
    H−NMR(CDCl 、400MHz):9.62、7.50、5.50

    表2に示したように、別の反応剤と溶媒とは異なる生成物を与えた。

    〔脱保護〕
    DMFで保護されたアルデヒドを除去するために、3種の方法を用いた:
    1.20mgの脱保護すべき化合物を、1.5mlの水、1mlのエタノール、2〜3滴のH PO 、及び2〜3滴のNaOH(30%)で希釈した。 溶液を2時間、80℃に加熱した。 次に、溶液をHCl(30%)で酸性にしてから16時間撹拌した。 赤色沈殿物が現れた。 沈殿物をろ過した。
    2.20mgの脱保護すべき化合物を、50体積%に薄めたギ酸5ml中に希釈し、ここへ2滴の濃HClを添加した。 溶液を110℃に30分間加熱した。 最初の黄色溶液は透明な茶色に変化し、次にピンク色に変わった。 LC−MS分析により、2−アミノ−5−ホルミル−チオフェン−3−カルボニトリルが主生成物であることが確認された。
    3.20mgの脱保護すべき化合物を、50体積%に薄めたギ酸5ml中に希釈した。 この溶液を110℃に加熱した。 5分後、溶液はピンクになった。 加熱と溶媒留去により、濃赤色生成物を得、これは重合が起こったことを示している。

    〔重合〕
    脱保護時、溶液を長く加熱すると、橙色に、次に赤色さらには紫色に変化することが観察された。 このように、2−アミノ−チオフェン−3−カルボニトリルの脱保護時、紫色沈殿物が生じ、これはMALDI−TOFによって確認したところ2780g/molの分子量をもっていた。

    〔薄膜の製造〕
    予めジクロロメタンに溶解したトリマー(実施例8)をスピンコーティングすることによって、ガラス支持体上に薄膜を製造した。

    [ドーピング]
    トリマー(実施例8)を含有する無水アセトニトリルの脱気溶液を、0.5付近の吸光度を避けるようにして調製した。 H SO の希釈溶液(10mlのアセトニトリル中に1滴)を調製した。
    2つの別個のキュベット中に、以下を添加した。
    ・1滴の希H SO 溶液;及び・1滴の濃H SO
    二番目のキュベットでは、黄色から橙赤への色の変化がIR領域に現れた。 深色移動(440nm→500nm)が濃縮溶液について観察された。 生成物の分解が、希釈溶液の場合に指摘される。 ドーピングはまた、FeCl 、AlCl 、GaCl 、トリフルオロ酢酸、HCl、その他の有機酸、及び気体ヨウ素によっても行うことができる。 ドープした共役材料のサンプルの光物理特性を表3に示した。

    [第VI部:可逆的重合/解重合可能な共役リビングポリマーの簡易室温合成(実施例35〜36を含む)]
    ポリマーに適用される「リビング」の用語は、初期反応が停止した後に重合が再開しうることを示す。 その後、同一モノマーまたは異種モノマーのいずれかを連結することによって、より高い分子量が達成されうる。 本発明で説明するポリアゾメチン類はリビングである。 なぜなら、それらは2つの末端基(アミンとアルデヒド)を有し、それらはそれらの相補単位とのさらなる縮合を行うことができるからである。 アルカリ条件下、室温での二相重合によって最初にポリマーを形成することによって、ポリアゾメチンのリビング性を示すことにする。 これらの反応を異なる濃度で行い、ポリマー分子量が反応濃度に比例すること、すなわちリビングであることを示す。 ひとたびポリマーが形成されると、凍結乾燥(水の除去による濃度上昇)はより高い分子量をもたらす。 なぜなら、ポリマーは活性末端基を介して自らと縮合するからであり、リビング性を示している。 これは、スキーム7のステップBに図示している。

    スキーム7:縮合(ステップA)と、続いての濃度上昇に伴うさらなる縮合(ステップB)による重合の略図

    反応性末端基のリビング性は、末端でブロックしている基を選択的に縮合することによって示されうる。 ポリアゾメチンの場合、モノアミン化合物が末端アルデヒドと縮合されうるか又はモノアルデヒドが末端アミンと縮合されうるかのいずれかが、アゾメチンキャッピング剤をもたらす(スキーム8)。 キャップされていない末端は、次に反応して、引き続く重合へと導く。 ジアミンもしくはジアルデヒドからなるポリマー「接着剤」を添加して、ポリマーを連結し、増加した分子量をもたらすことができる。

    スキーム8:さらに反応する他方のフリー末端基を残す、アゾメチン形成による選択的末端基キャッピングの略図

    ポリアゾメチンのリビング性を、pHの変化によってさらに説明する。 高度に共役したポリアゾメチンは、pHが7未満の場合にそれらの構成モノマーへ解重合される。 pHを7より大きくすることにより、ポリアゾメチンへ戻る重合が促進される。 この解重合/重合サイクルはいつまでも続き、溶液中に残存するモノマーをもたらす。

    [二相重合]

    4,4'−ジアミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸(3.9mM)の原液50mlをpH8のリン酸緩衝液中で調製した。 2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒドの別な原液をジクロロメタン中で調製した。 この2種のモノマーのほぼ同体積をフラスコ中で混合し、触媒量のベンジルトリエチルアンモニウムクロライドを添加した後、pH8で、8時間、室温で撹拌した。 強い濃赤色と445〜550nmの間の強い吸光度によってわかるように、得られた共役ポリマーは水層中に存在する。 得られたポリマーの分子量はGPCによって測定した。 ポリマーの形成は、8.5ppmで共鳴する特徴的なアゾメチン(N=CH)結合によって、D

    O中でのNMRによっても確認される。 反応条件は、7より大きなpHである必要がある。 7未満のpH値は重合を促進しない。

    水溶性共役チオフェン系ポリマーをもたらす二相重合]
    以下に、室温で共役芳香族アゾメチン類を合成する簡単な手段を説明するが、これは興味ある光物理特性及び電気化学特性を示す。 ポリマー合成の簡単な手段は、以下のスキーム9に示したように、相間移動触媒の存在下で二相条件下、室温でのアリールジアミンとジアルデヒドとの縮合を伴う。 この自己組織化法は比較的容易である利点をもち、これにより高分子が形成される。 シッフ塩基の形成は、その導電性が知られている炭素類似体(炭素アナログ)と等電子的である22−24 。 結果として、自己組織化されたポリイミン類は、より容易に合成的に形成される利点をもち、それらの炭素類似体に対して類似の導電性を有することが予想される。

    スキーム9:アゾメチン形成を含む共役ポリマーの略図

    [機器]
    ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン標準(Polysciences Corporation)に対して、ポリマーサンプルの分子量及び分子量分布M /M を決定した。 システム構成は、Waters社のultrastyragelカラムを用いるWaters GPCシステムからなる。 ポリマーの H−NMRは、外径5mmのチューブを使用し、Brucker 300分光計で、[D]DMSO中で測定した。 吸収測定はVarianのCary-500i UV-Visible分光計で行い、一方、発光研究は、アルゴンで20分間完全にサンプルを脱ガスした後、Varian Cary Eclipse蛍光光度計を用いて行った。 サイクリックボルタンメトリー測定は、Bioanalytic Systems Inc.の標準システムを使用して、NBu 4・PF 6が0.1M濃度の無水の脱気DMF(99.8%、Aldrich社)中で行った。 電極は、作用電極と補助電極としての2つの白金電極、疑似基準としての銀線、及び内部基準としてのフェロセンからなり、用いたスキャン速度は500mV/sである。

    (1)ポリ(4,4'−ジイミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸チオフェン)


    (2)ポリ(4,4'−ジイミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸テレフタレート)

    [実施例35:ポリ(4,4'−ジイミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸チオフェン)(1)の合成]
    蒸留水(60ml)と2M水酸化ナトリウム2〜3滴を要して、4,4'−ジアミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸(155mg、0.41mmol)を溶解した。 40mlのTHFを添加した後、2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒド(58mg、0.42mmol)を触媒量のベンジルトリエチルアンモニウムクロライドとともに添加した。 赤色溶液を室温で2日間撹拌し、減圧下で溶媒を除去して赤色固体としてポリマーが得られ、これをエタノールから再結晶した。

    [実施例36:ポリ(4,4'−ジイミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸テレフタレート)(2)の合成]
    4,4'−ジアミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸(160mg、0.45mmol)を30mlの水とともに丸底フラスコに入れ、懸濁液が得られた。 2〜3滴の2M水酸化ナトリウムを添加して反応媒体をアルカリ性にし、試薬を可溶化した。 約15mlのTHFを次に加え、さらに、3mlのTHFに溶かしたテレフタルジカルボキシアルデヒド(61mg、0.45mmol)を添加した。 色は直ちに黄色になり、反応液を室温で30分間撹拌し、触媒量のベンジルトリエチルアンモニウムクロライドを添加した。 反応混合物を室温で2日間撹拌し、次に減圧下で溶媒を除去して、ポリマーを黄色固体として得た。 これをエタノールから再結晶した。

    [結果]
    脱水条件によってアゾメチン類(イミン又はシッフ塩基)へと導く、アリールジアミン類とアリールジアルデヒド類との簡単な縮合を含む合成手法は、所望するポリマーを高収率で生成し、単離が容易である。 それらの構造は、NMR、MS、並びにUV−vis及び蛍光スペクトルによって裏付けられており、それらの電気化学的特性はサイクリックボルタンメトリーによって特徴付けされている。 上に示された合成されたポリマー類(1及び2)は、重水素化したDMSOもしくはD O中のNMRを用い、両方のポリマーに対して約8.5ppmで共鳴するN=CHイミン結合の形成によって、従来法により容易に特徴付けられた。 この方法はまた、末端アルデヒド基と試薬の共鳴がNMRスペクトルにおいて明確に分離することから、反応の進行の観察を可能にする。 イミンプロトンに対する末端アルデヒドの積分は、ポリマーのM の概算へと導く。 より正確な分子量の決定は、従来のポリマー特性評価法を用いて容易に行うことができ、またUV−可視スペクトルは、増加した共役と関連する深色効果の吸収を通じて、重合度の定量的結果を与える。

    [水溶性共役ポリイミン1及び2の重合]
    1については黄色から赤への色の変化、2については濃い黄色/橙色への着色の形成によって、重合の程度を追える。 吸収極大の変化は、共役度の増加と同時に重合度の増加の指標である。 可視領域に見出される色は、ポリマーの共役の安定化による励起電子π−π レベルの低下を特色づける。 2に比較して1に対して観測される大きな深色移動は、より高い共役度、したがって、より高い重合度を示している。 このことは、GPCによる分子量測定から明らかである。 さらに吸収及び発光スペクトルは、ポリマーの励起状態及び基底状態の差に関連する情報を提供する。 ポリマーの吸収スペクトルと蛍光スペクトルの解釈は、基底状態と励起状態の相対的エネルギー差に関する情報を与える。 Figure 7と8に示したスペクトルから、 0,00,0 (HOMO−LUMO)遷移は、1については65kcal/mol(2.83eV)、2については74kcal/mol(3.2eV)であると計算された。 スペクトルの赤色領域に現れる吸収からは、バンドギャップについて、1については51.3kcal/mol(2.23eV)、2については69.9kcal/mol(3.03eV)とそれぞれ計算できる。 1についての比較的低いバンドギャップは、従来の重合法によって得られるポリチオフェンと整合している。

    ポリアゾメチン類の吸収スペクトルは、1について濃色移動を示し、モル吸収の低下に起因する475nmのピークの広がりを伴うと同時に、調和振動子は同じで残っていることを示している。 この挙動は、高度に共役した物質に典型的である。

    共役ポリマーのサイクリックボルタンメトリー測定は、水中でのポリマーの還元電位及び可逆的レドックス特性を測定することが困難なため、DMF中で行った。 Figure 9に示したように、得られた結果は他のポリアゾメチン研究25と整合している。 ポリマー1及び2は、3つの明確な酸化電位を示す。 反対に、ポリアゾメチン類はわずかに2つの還元電位しか示さず、両方のポリマーが2つの可逆的プロセスと1つの非可逆的プロセスを行っていることを暗示している。 この2つの主要なプロセスはラジカルカチオンへと導く可逆的酸化還元であり、さらなる酸化によるカチオン形成がこれに続く。 研究したポリマーの不均質さにより、還元及び酸化ポテンシャルの開始は、ボルタモグラムから容易に決定することはできず、バンドギャップをこの方法によって正確に決定することはできない。

    自己組織化アプローチの利点は、ポリマーが形成される比較的容易さである。 水が唯一の副生成物であり、それによりさらなる精製は全く必要ない。 二相法は、反応の正確な化学量論を確実なものにして、高分子量ポリマーへと導く。 それはまた、ポリマー沈殿時に好ましくないアルデヒド試薬が有機層中に残り、精製を簡単化する。 末端基は重合が完了した後でさえ活性のまま残る。 したがって、重合を異なるモノマーで再開し、共ブロック重合をもたらし、次々にさまざまなバンドギャップをもつ材料をうみだす。 本自己組織化法は、反応濃度を変化させることによって分子量を制御するために効果的に用いることができ、「リビング」タイプ特性をもつポリマーをうみだす。 これは、導電性物質の伝統的縮合26では不可能である。 共役ネットワークの形成は、シッフ塩基を酸触媒加水分解に対して抵抗性にし且つ可逆的還元/酸化27を可能にする熱力学的原動力である。 イミンの直線性及び平面性は、マクロサイクルの抑制を確かなものにし、したがって、エレクトロニクスへの応用のために必要とされる高分子量ポリマーを得ることができる28、29

    以上のことは、導電性材料をもたらす共役ポリマーが、ほとんど乃至全く重合後の生成を必要としない簡単かつ効率的な縮合法によって容易に合成されうることを示している。 熱力学的に好ましい共役は、別の可逆性シッフ塩基の形成を推進し、興味深い光物理特性及び導電特性を示す新しい安定な材料へと導く。 この方法は、新しい導電性材料のための簡単な代替物へと導く有機可溶性モノマーを用いて容易に実施できる。

    [スキーム10:ポリマーの可逆的性質を示す、pH制御を通じての共役ポリマーの水性重合]

    二相重合は、水と混和性でない有機溶媒を用いて行われ、有機溶媒には、ハロゲン化有機溶媒、酢酸エチル、THF、DMSO、DMF、ジオキサン、アセトニトリル、アルカン類が含まれ、通常はジクロロメタンである。 疎水性化合物、通常はアルデヒド4〜6(スキーム10)を有機層中に溶かす。 スルホン酸類、通常は化合物1〜3(スキーム10)を、無機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、ホスホン酸塩基、もしくは有機塩基を用いて、水に可溶化する。 重合は、室温において7より大きなpH値で起こる。 激しい撹拌と、相間移動触媒、典型的にはベンジルトリエチルアンモニウムクロライドもしくはその他の4級アンモニウム塩の添加とが、重合を引き起こす。 典型的な反応時間は、30分から24時間の範囲である。

    ポリマーの分子量は、水相中のスルホン酸の濃度に比例し、200〜3000000の範囲におよぶ。 ジアミンと化合物6との付加から得られるポリマーは、黄色から橙色であるが、一方で化合物5は淡黄色ポリマーを与える。 この色の深色移動は重合度に比例し、したがって、ポリマー共役に比例する。 高い共役度は、アルデヒド4とジアミン1もしくは3とから得られ、濃赤色ポリマーを与え、このポリマーは最終的には溶液から沈殿し、DMF、DMAC、及びDMSO中では溶液である。

    本共役ポリマーは、濃硫酸、塩化水素ガス、トリフルオロ酢酸、ヨウ素、AlCl 、FeCl 、GaCl などでドープでき、これは強い深色移動を起こし、青色をもたらす。

    本共役ポリマーは、7より低いpHに調節することによって、それらのモノマー単位に逆に解重合することができ、これは色の消失を引き起こす。 このサンプルは次に、7より大きなpHに調節することによって、共役ポリマーへと再重合することができる。 解重合/再重合プロセスは、モノマーがそれらの静止した有機相/水相中へ分離するまで無制限に繰り返されうる。

    4,4'−ジアミノスチルベン−2,2'−ジスルホン酸の重合のための二相条件を表4に示す。

    ポリマーの分子量への重合濃度の影響をFigure 10に示す。

    [リビング重合]
    サンプル4Cは、標準の二相条件によって重合した初期サンプルを表す。 依然として溶液中ある時に、この溶液の一部をとり、乾燥するまで凍結乾燥してサンプル4CIを得た。 このサンプルは、スキーム7にしたがってそれら自身と反応する反応性末端基からの分子量増加を受ける。 4Cの母液に、ジクロロメタン中の1当量の2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒドを添加し、続いて触媒量のベンジルトリエチルアンモニウムクロライドを添加した。 反応は、室温で夜通し撹拌した。 ジアルデヒド単位は、「ポリマー接着剤」として働き、相補的なポリマーを一緒に結合し、表5に報告した4Dの分子量増加をもたらす。 もとのサンプル4Cの少量からは、少量のDMFに可溶化した1当量の2,5−チオフェンジカルボキシアルデヒドを添加し、反応を夜通し進行させて、4Eを得た。

    [末端基キャッピング]
    アセトアルデヒドキャッピング剤を含有するポリマーの、測定されたポリマー分子量を表6に示す。 わずかに過剰のアセトアルデヒドをサンプル4Aに添加し、一方、1当量の2−チオフェンアルデヒドを4Bに添加した。 アルデヒド単位は、選択的末端アミンキャッピング剤として働く。 pH8の水溶液を、室温で12時間撹拌した。 それらを次に凍結乾燥し、残存するアセトアルデヒドと溶媒を除去した。 チオフェンキャップしたポリマー4Bに相当するサンプル4B1は、分子量の実質的上昇を示さない。 このことは、末端チオフェン単位は、効率よくアミノ末端基をキャップし、アミノ末端基はさらに反応できないことを示唆している。 これに反して、アセトアルデヒド基は劣ったキャッピング剤であり、これは4A1で増加した分子量によって観察されるように、末端アミノ基のさらなる重合を抑制しない。

    [可逆重合]
    上述した水層と有機層の両方を含む、調製したてのポリアゾメチンの溶液に対し、濃硫酸でpHをpH7未満に調整する。 酸の添加は、最初に約825nmの強い青色によって見ることができるアゾメチンプロトン化をもたらす。 10分後、全ての色が消えることによって観察されるように、構成モノマーへの解重合が起こる。 炭酸水素ナトリウムの添加で酸を中和し、pHを7より上に増加させる。 激しい撹拌15分以内で、ポリアゾメチンの元の強い赤色が現れる。 得られた再形成ポリマーの分子量は、最初のポリマーと一致している。 この重合/解重合サイクルは多数回繰り返すことができる。

    [第VII部:電気伝導度、ポリマードーピング、及び工業的応用(実施例37〜40)
    [実施例37:ペレットの調製]
    計量した量のポリマーパウダーをBeckman IR ペレット加圧機に添加することによって、電気伝導度試験のためのペレットを調製した。 本ペレットは直径1.3cmで、圧縮した材料の量と用いた圧力によって決定される厚さをもつ。

    ペレットの調製後、真空下で25〜100℃、0.2mmHgで数時間、材料を完全に乾燥させることによって、信頼できる導電性データが得られた。 無水ペレットは通常取り出し、試験まで窒素下で貯蔵する。

    [実施例38:p−型ドープしたペレットの調製 ヨウ素ドーピングは、ポリマーのペレットを含むチャンバーにヨウ素結晶を添加することによって行った。 次にこのチャンバーを排気し、即時のヨウ素の昇華を引き起こす。 ガス状ヨウ素をペレットと約1.5〜約17時間接触させたままにし、すぐにドープしたペレットを取り出して、試験するまで窒素下に貯蔵した。

    [実施例39:n−ドープしたペレットの調製]
    ナトリウムナフチリドでのポリマーのドーピングは、ポリマーパウダーを無水テトラヒドロフラン中で、ナトリウムナフタリドのスラリーと接触させることによって達成しうる。 混合物を窒素下で24時間撹拌した後、過剰のナトリウムナフタリドと溶媒を除去しうる。 残る溶媒は窒素気流中で蒸発させ、ドープしたポリマーを上述したように、但し室温で乾燥させることができる。

    [実施例40:用途]
    本明細書中で説明した生来の導電性共役材料は、以下のデバイス/用途に用いることができる:
    −有機発光ダイオード(OLED)
    −ポリマー発光ダイオード(PLED)
    −導電性ワイヤ−薄膜−アクティブマトリクス

    以上の発光デバイスはそれぞれ以下を含めたフレキシブル及び/又は低電力消費型ディスプレイに用いることができる:マイクロディスプレイ、ラップトップコンピュータ、テレビ、コンピュータモニター、カーステレオ、携帯電話、店舗ディスプレイ、大型サインディスプレイ、電子新聞、アクティブマトリクス、光学デバイスなど。 発光する特性はまた、バイオセンサー及び検出器(ディテクター)を含めたセンサーに生かすことができる。 それらは無機系のディスプレイ材料及び液晶デバイスの代替として使用しうる。 加えて、上記共役材料は、燃料電池及びそれらのコンパートメントセパレーター、バッテリー収納デバイス、光電池、太陽電池などにおける用途を見出すことができる。

    まとめると、本発明は、5つまでのチオフェン単位からなる、選択的様式での、共役したオリゴチオフェン類似体のための簡単なモジュール式経路の最初の例を提供する。 上記の連結された結合は、導電性材料に適しており、従来法と異なっていかなる厳密な反応条件も必要としない。 熱力学的に安定な共役は、別の可逆的なシッフ塩基の平衡を新しい安定な材料のほうへ平衡を移し、それらの炭素類似体に似た強い共有結合をもたらす。 非対称及び対称な共役モチーフを通じて、その他の特性のなかでもバンドギャップを調節することが、ワンポット合成において可能である。

    本発明を具体的な態様及びそれらの例を用いて説明したが、本発明の範囲から離れることなく、この具体的な態様に変形が加えられうることは、当業者には明らかであることに注意すべきである。

    [参考文献のリスト]

    (Figure 1)実施例5(白丸)、実施例32(黒四)、及び実施例34(白四角)の規格化した基底状態の吸収を示す。 挿入図:共役骨格に沿った単位数の逆数 対 吸収極大。

    (Figure 2) 式6のオリゴチオフェン3の結晶構造を示す図である。

    (Figure 3) 無水アセトニトリル中で測定したチオフェンの分光学値とサイクリックボルタンメトリー値

    である。

    (Figure 4) 結晶学的データ(一部選択)を示す図である。

    (Figure 5) ポリ−DAT反応の速度論を示す図である。

    (Figure 6) ポリ−DAT反応の速度論を示す図である。

    (Figure 7) DMF中で記録したポリイミン1(●)と2(□)の吸収スペクトルを示す図である。

    (Figure 8) ポリイミン1については290nmで、ポリイミン2については300nmで励起させた、DMF中で測定したポリイミン1(●)と2(□)の蛍光を示す図である。

    500mV/secの掃引速度で、DMF中で測定したポリイミン1(●)と2(□)のサイクリックボルタングラムを示す図である。

    ポリマー分子量への重合濃度の影響を示す図である。

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