Method for ink jet printing

申请号 JP2003526696 申请日 2002-08-30 公开(公告)号 JP2005502501A 公开(公告)日 2005-01-27
申请人 アベシア・リミテッド; 发明人 アンナブル,トム; ケンワージィ,マーク; マックファウル,フィリップ;
摘要 工程(a)および(b):
(a)インクジェット印刷機によりインクを基材の局限領域に施用して基材上に像を形成させること;および(b)液状媒体と、式(1)の反復単位またはその塩を含む重合ビグアニドとを含む固着組成物を、インクジェット印刷機により基材の局限領域に施用すること:[式中、XおよびYは、同一または異なっており、二価の有機連結基を表す]
を任意の順序で、または同時に含み;
そして、工程(a)および(b)で言及した局限領域が実質的に同一の広がりを持つことを特徴とする、インクジェット印刷法。
权利要求
  • 工程(a)および(b):
    (a)インクジェット印刷機によりインクを基材の局限領域に施用して基材上に像を形成させること;および(b)液状媒体と、式(1)の反復単位またはその塩を含む重合ビグアニドとを含む固着組成物を、インクジェット印刷機により基材の局限領域に施用すること:
    [式中、XおよびYは、同一または異なっており、二価の有機連結基を表す]
    を、任意の順序で、または同時に含み;
    そして、工程(a)および(b)で言及した局限領域が実質的に同一の広がりを持つことを特徴とする、インクジェット印刷法。
  • 工程(b)における固着組成物がバインダーを含まない、請求項1に記載の方法。
  • XおよびYが独立してそれぞれC 4−8 −アルキレンである、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  • XおよびYがともにヘキシレンである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  • 重合ビグアニドが、末端基を除く個々のポリマー鎖が式(2):
    [式中、nは2〜40である]およびその塩である1種以上のポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ポリマー鎖を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  • 印刷後に基材から染料を除去する工程を含まない、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  • インクジェット印刷機が、黄色、マゼンタ、シアンブルーおよび黒色を4本のペンにより施用し、固着組成物を5本目のペンにより施用する、'5本ペン'タイプのものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  • 工程(b)で施用される固着組成物より前、その後またはそれと同時のいずれかに工程(a)で施用されるインク滴が、固着組成物の広がった滴の境界内にある、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  • 工程(b)における固着組成物が、
    (a)0.1〜10部の重合ビグアニド;
    (b)10〜60部の水溶性有機溶媒;および(c)35〜85部の水;
    を含み、ここにおいて、すべての部は重量に基づき、部の合計数(a)+(b)+(c)=100である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  • 工程(b)における固着組成物が、大気圧で200℃を超える沸点を有する材料をビグアニド以外に含まない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  • 請求項1〜10のいずれか一項に従った方法により像が印刷された基材。
  • 請求項1または3〜5のいずれか一項に記載した水性媒体および重合ビグアニドを含む固着組成物であって、該組成物が、バインダーを含まず、10μm未満の平均孔径を有するフィルターに通して濾過してあり、そして合計500ppm未満の二価および三価の金属イオンを含有することを特徴とする、前記固着組成物。
  • インクジェット印刷機での使用に適した液体のセットであって、
    (a)着色剤および液状媒体を含むインクである第1の液体;ならびに(b)(i)及び(ii)を含む固着組成物である第2の液体:
    (i)0.01〜50部の請求項1または2〜5のいずれか一項で定義した重合ビグアニド;および(ii)50〜99.8部の液状媒体;ここにおいて、すべての部は重量に基づき、部の合計数(i)+(ii)=100である;
    を含み、そして、
    第2の液体がバインダーを含まないことを特徴とする、
    前記液体のセット。
  • 複数のチャンバー、および液体のセット1種を含むインクジェット印刷機用カートリッジであって、該液体がインクジェット印刷機用カートリッジの個々のチャンバーに入っており、該液体のセットが請求項13で定義したとおりである、前記インクジェット印刷機用カートリッジ。
  • 複数のチャンバーおよび1種の固着組成物を含むインクジェット印刷機用カートリッジであって、該固着組成物がインクジェット印刷機用カートリッジのチャンバーに入っており、該固着組成物が請求項1〜5、9、10または12のいずれか一項で定義したとおりである、前記インクジェット印刷機用カートリッジ。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、インクジェット印刷法、固着組成物、液体のセット、およびインクジェット印刷機用カートリッジに関する。
    【背景技術】
    【0002】
    インクジェット印刷(IJP)は、ノズルを基材と接触させることなく、インクの液滴を微細ノズルに通して基材上に噴出させるノンインパクト(non-impact)印刷技術である。 IJPにより作成される像は、多くの厳しい要件を満たすことが望ましい。 例えば、それらは鮮明でフェザリングのないものであるべきであり、高い耐堅牢性、耐光堅牢性、耐湿堅牢性および光学濃度も示すべきである。 理想的には、像は、蛍光ペンがその上を通ったときに、不鮮明になるか、または過剰に広がるべきではない。 IJPに用いられる組成物は、良好な噴射性を有する(すなわち、インクジェット印刷機に用いられる微細ノズルを詰まらせる傾向が低い)べきである。
    【0003】
    今日、蛍光ペンは、文書の特定部分、例えば重要な文に注意を引くために、ますます用いられるようになっている。 そのペンは、通常明るく着色されているまたは蛍光を発するインクを含有しており、読者は、彼らが強調したい文書の部分にこのペンで線を引く。 インクジェット印刷により作成される多くの文書が有する問題点は、蛍光ペンによりテキストがにじみ、文書の重要な部分が見苦しくなるかさらに判読不明になることがある点である。 したがって、印刷されたテキストに蛍光ペンがにじみを引き起こす程度を低減すると同時に、印刷が良好な品質を示し、汗のような他のにじみ源に対し高い堅牢性を有することを確実にする必要性がある。
    【0004】
    欧州特許0291214には、目に見えない固着剤(例えば重合ビグアニド)を局限させた様式で基材に施用し、基材の広い区域をインクで重ね刷りまたは下刷りすることにより該固着剤を覆い隠している、保安用途のための情報装置が記載されている。 覆い隠された固着剤により、基材が隠匿情報を含むことが可能になり、この情報は、例えば基材を洗浄して固着剤が見あたらない区域から染料を選択的に除去することによってのみ、検出可能になる。 隠匿情報を提供するために、多くの薬剤、例えば式−(CH −HNC(=NH)NH−C(=NH)NH−の反復単位を有するポリヘキサメチレンビグアニド(“PHMB”)を用いることができる。
    【0005】
    バインダーおよび特定の重合ビグアニドを含む組成物のインクジェット印刷法における使用が、国際特許出願WO00/37258に記載されている。 バインダーおよびビグアニドを含む組成物は、さまざまなコーティング、噴霧またはインクジェット印刷方法により基材全体(すなわち、局限させた様式ではない)に施用されている。
    【0006】
    インクジェット印刷機用の交換カートリッジの費用も、小企業およびホームユーザーにとって重要でありうる。 理想的には、インクジェット印刷機は印刷機用カートリッジ内に入っている液体を浪費すべきでなく、これは、このことが利用者に消耗費で負担をかけるためである。
    【0007】
    今回われわれは、国際特許出願WO00/037258に記載されているものより効果的な像の印刷法を考案した。 さらにわれわれは、意外にも国際特許出願WO00/037258に記載されている組成物に用いられているバインダーが必要ないことを見いだした。 バインダーを含まないビグアニドの使用は、意外にも国際特許出願WO00/37258に記載されている組成物に比べ多くの優れた特性を示す。 詳細には、得られる像は、良好な一般的耐湿堅牢性および蛍光ペンを用いて強調したときに改善された耐にじみ性を有する。
    【発明の開示】
    【0008】
    したがって、本発明の第1の観点に従って、工程(a)および(b):
    (a)インクジェット印刷機によりインクを基材の局限領域に施用して基材上に像を形成させること;および(b)液状媒体と、式(1)の反復単位またはその塩を含む重合ビグアニドとを含む固着組成物を、インクジェット印刷機により基材の局限領域に施用すること:
    【0009】
    【化1】

    【0010】


    [式中、XおよびYは、同一または異なっており、二価の有機連結基を表す]


    を任意の順序で、または同時に含み;


    そして、工程(a)および(b)で言及した局限領域が実質的に同一の広がりを持つことを特徴とする、インクジェット印刷法を提供する。


    【0011】


    本方法の工程(a)に用いられるインクは、好ましくは液状媒体および着色剤を含む。


    工程(a)および/または工程(b)に用いられる好ましい液状媒体としては、水、水と有機溶媒の混合物、および水を含まない有機溶媒が挙げられる。


    【0012】


    工程(a)および/または工程(b)に用いられる液状媒体が水と有機溶媒の混合物を含む場合、水と有機溶媒の重量比は、好ましくは99:1〜1:99、より好ましくは99:1〜50:50、特に95:5〜80:20である。


    【0013】


    水と有機溶媒の混合物中に存在する有機溶媒は、好ましくは水溶性有機溶媒またはそのような溶媒の混合物である。 好ましい水溶性有機溶媒としては、C

    1−6 −アルカノール、好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノールおよびシクロヘキサノール;線状アミド、好ましくは、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド;ケトンおよびケトン−アルコール、好ましくは、アセトン、メチルエーテルケトン、シクロヘキサノンおよびジアセトンアルコール;水溶性エーテル、好ましくは、テトラヒドロフランおよびジオキサン;ジオール、好ましくは、2〜12個の炭素原子を有するジオール、例えば、ペンタン−1,5−ジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコールおよびチオジグリコール、ならびにオリゴ−およびポリ−アルキレングリコール、好ましくは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール;トリオール、好ましくは、グリセロールおよび1,2,6−ヘキサントリオール;ジオールのモノ−C

    1−4 −アルキルエーテル、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するジオールのモノ−C

    1−4 −アルキルエーテル、特に2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)−エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、2−[2−(2−エトキシエトキシ)−エトキシ]−エタノールおよびエチレングリコールモノアリルエーテル;環状アミド、好ましくは、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、カプロラクタムおよび1,3−ジメチルイミダゾリドン;環状エステル、好ましくはカプロラクトン;スルホキシド、好ましくは、ジメチルスルホキシドおよびスルホラン、が挙げられる。 好ましくは、液状媒体は、水と2種以上、特に2〜8種の水溶性有機溶媒を含む。


    【0014】


    特に好ましい水溶性有機溶媒は、環状アミド、特に、2−ピロリドン、N−メチル−ピロリドンおよびN−エチル−ピロリドン;ジオール、特に、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、チオジグリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコール;ならびに、ジオールのモノ−C

    1−4 −アルキルおよびC

    1−4 −アルキルエーテル、より好ましくは2〜12個の炭素原子を有するジオールのモノ−C

    1−4 −アルキルエーテル、特に2−メトキシ2−エトキシ2−エトキシエタノールである。


    【0015】


    水と1種以上の有機溶媒との混合物を含むさらなる適切なインク媒体の例は、米国特許第4963189号、米国特許第4703113号および米国特許第4626284号に記載されている。


    【0016】


    工程(a)および/または工程(b)に用いられる液状媒体が、水を含まない(すなわち、1重量%未満の水)有機溶媒を含む場合、該溶媒は好ましくは30゜〜200℃、より好ましくは40゜〜150℃、特に50〜125℃の沸点を有する。 該有機溶媒は、水不混和性、水溶性またはそのような溶媒の混合物であることができる。 好ましい水溶性有機溶媒は、本明細書中で先に記載した水溶性有機溶媒のいずれかおよびその混合物である。 好ましい水不混和性溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素;エステル、好ましくは酢酸エチル;塩素化炭化水素、好ましくはCH

    Cl

    ;およびエーテル、好ましくはジエチルエーテル;ならびに、それらの混合物が挙げられる。


    【0017】


    工程(a)および/または工程(b)に用いられる液状媒体が水不混和性有機溶媒を含む場合、好ましくは極性溶媒が含まれ、これは、極性溶媒が液状媒体中での染料の溶解度を向上させるためである。 極性溶媒の例としてはC

    1−4 −アルコールが挙げられる。 上記採択の点から考慮して、液状媒体が水を含まない有機溶媒である場合、それはケトン(特にメチルエチルケトン)および/またはアルコール(特にC

    1−4 −アルカノール、とりわけ特にエタノールまたはプロパノール)を含むことが、特に好ましい。


    【0018】


    水を含まない有機溶媒は、単一の有機溶媒または2種以上の有機溶媒の混合物であることができる。 媒体が水を含まない有機溶媒である場合、それは2〜5種の異なる有機溶媒の混合物であることが好ましい。 これにより、インクの乾燥特性および貯蔵安定性に対する良好な制御を与える媒体を選択することが可能になる。


    【0019】


    水を含まない有機溶媒を含む液状媒体は、速い乾燥時間が必要とされる場合、詳細には疎水性で非吸収性の基材、例えば、プラスチック、金属およびガラス上に印刷する場合に、とりわけ有用である。


    【0020】


    インクジェット印刷に適したあらゆる着色剤を、インクに用いることができる。 好ましい着色剤は、有機物(カーボンブラックを包含する)または無機物であることができる顔料;分散染料;および水溶性染料である。


    【0021】


    好ましい顔料は、アゾ、ジスアゾ、縮合アゾ、チオインジゴ、インダントロン、イソインダントロン、アンタントロン、アントラキノン、イソジベンズアントロン(isodibenzanthrone)、トリフェンジオキサジン、キナクリドンおよびフタロシアニン系の顔料からのものである。


    【0022】


    好ましい染料は、アゾ(好ましくは、モノアゾ、ジスアゾもしくはトリスアゾ)、キサンテン、フタロシアニン、トリフェノジオキサジンまたはトリアリールメタン染料である。 染料(1種以上)がアゾ染料であることが特に好ましい。


    【0023】


    より好ましくは、着色剤は水溶性アゾ染料を含む。


    着色剤は、好ましくは水溶性/分散性を付与するか補助する1種以上の基を有する。 そのような基の例としては、−COOH、−SO

    H、−PO

    、モルホリニルおよびピペラジニルならびにそれらの塩が挙げられる。


    【0024】


    着色剤が顔料である場合、インク中での顔料の安定な分散系を与えるために、インクは好ましくは分散剤も含有する。 好ましくは、インクに用いられる顔料の粒径は1μm未満である。


    【0025】


    インクは、単一の着色剤または2種以上の着色剤の混合物を含有することができる。


    着色剤は、好ましくはインクの総重量100部に基づき0.5〜20重量部、より好ましくは1〜15重量部、特に1〜5重量部の濃度で、インク中に存在する。


    【0026】


    インクはまた、インクジェット印刷用インクに従来用いられている追加的成分、例えば、粘度および表面張の調整剤;腐食抑制剤;紙のうねりを防止するための添加剤;殺生剤;コゲーション(kogation)を低減させる添加剤;分散剤;ならびにイオン性または非イオン性であることができる界面活性剤を、含有していてもよい。


    【0027】


    本発明の好ましい態様において、着色剤は、液状媒体中に組み込まれたときに、全体として負電荷を有する。


    とりわけ好ましい着色剤の例は、欧州特許356080、欧州特許468647、欧州特許679173、欧州特許559309、欧州特許0628088に記載されている。


    【0028】


    上記採択の点から考慮して、とりわけ好ましいインクは、


    (a)0.5〜20部の顔料または水溶性染料;


    (b)50〜98部の水;および(c)2〜50部の水溶性有機溶媒(1種以上);


    を含み、ここにおいて、すべての部は重量に基づき、部の合計(a)+(b)+(c)=100である。


    【0029】


    好ましくは、インクおよび固着組成物は、合計で、500ppm未満、より好ましくは250ppm未満、特に100ppm未満、とりわけ特に10ppm未満の二価および三価の金属イオンを含有する。 インク中のハロゲン化物イオンの含量は、好ましくは500ppm未満である。 'ppm'は、インクの総重量に対する100万分の1重量分率を意味する。


    【0030】


    好ましくは、インクおよび固着組成物は、10μm未満、より好ましくは3μm未満、特に2μm未満、とりわけ特に1μm未満の平均孔径を有するフィルターに通して濾過しておく。 この濾過により、多くのインクジェット印刷機に用いられている微細ノズルを通常なら詰まらせうる微粒子物質が除去される。


    【0031】


    像は、任意の望ましい像、例えば少しだけ挙げると、テキスト、ロゴ、肖像またはデジタル写真であることができる。


    工程(a)および(b)で言及した局限領域が実質的に同一の広がりを持つ理由は、インクを固着剤より著しく広い区域に施用した場合、印刷の一部が、改善された固着の利益を受けないことになり、にじみ、およびより低い耐湿堅牢性を引き起こすためである。 他方において、固着剤をインクより著しく広い区域に(例えば、国際特許出願WO00/37258に記載されているように基材全体に)施用した場合、これは、固着剤を施用した区域の一部は固着剤が不要であるため不経済であり、固着剤は、利用者の手およびこぼれた飲料、例えば紅茶およびコーヒーからの汚れを不必要に固着させ、印刷された基材の過剰な汚染をもたらす可能性がある。


    【0032】


    好ましくは、工程(a)および(b)で言及した局限領域は、インクおよび固着組成物で印刷した全範囲の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、特に95〜100%の広さまで同一の広がりを持つ。


    【0033】


    基材は、好ましくは、紙、プラスチック、生地、金属またはガラス、より好ましくは紙またはプラスチックフィルム(特に透明フィルム、例えばオーバーヘッドプロジェクター用スライド)である。 基材が紙、生地または透明フィルムであることが、特に好ましい。


    【0034】


    好ましい紙は、普通紙または酸性、アルカリ性もしくは中性特性を有することができる処理紙である。 市販の処理紙の例としては、HP Premium Coated Paper(Hewlett Packard Incから入手可能)、HP Photopaper(Hewlett Packard Incから入手可能)、Stylus Pro 720 dpi Coated Paper、Epson Photo Quality Glossy Film(Seiko Epson Corp.から入手可能)、Epson Photo Quality Glossy Paper(Seiko Epson Corp.から入手可能)、Canon HR 101 High Resolution Paper(Canonから入手可能)、Canon GP 201 Glossy Paper(Canonから入手可能)、およびCanon HG 101 High Gloss Film(Canonから入手可能)が挙げられる。


    【0035】


    好ましいプラスチックフィルムは、透明な高分子フィルム、特にオーバーヘッドプロジェクター用スライドとしての使用に適したもの、例えば、ポリエステル(特にポリテレフタル酸エチレン)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、二酢酸セルロースおよび三酢酸セルロースフィルムである。


    【0036】


    好ましい生地材料としては、天然、合成および半合成材料である。 好ましい天然生地材料の例には、羊毛、絹、毛髪およびセルロース系材料、特に、綿、ジュート、麻、亜麻およびリネンが挙げられる。 好ましい合成および半合成材料の例としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリルおよびポリウレタンが挙げられる。


    【0037】


    工程(b)における式(1)の反復単位において、XおよびYは、それぞれ独立して、所望により中断されているアルキレン、より好ましくは所望により中断されているC

    2−12 −アルキレン、特にC

    4−8 −アルキレン;アリーレン、より好ましくはC

    6−10 −アリーレン、特にフェニレン;およびアラルキレン、より好ましくはC

    7−11 −アラルキレン、特にベンジレンまたはキシリレンである。


    【0038】


    XおよびYが中断されているアルキレンである場合、それらは、好ましくは−O−、−S−、−NH−、−C(=O)−またはフェニレンにより中断されている。


    XおよびYにより表される好ましいアルキレン基の例としては、−(CH

    ;−(CH

    −;−CH

    CH(−)(CH

    CH

    ;1,4−、2,3−および1,3−ブチレン;2,5−ヘキシレン;2,7−へプチレン;および3−メチル−1,6−ヘキシレンが挙げられる。


    【0039】


    XおよびYにより表される好ましい中断されているアルキレン基の例としては、−CH

    CH

    −、−CH

    OC

    OCH

    −、−CH

    OC

    10 OCH

    −、−(CH

    O(CH

    −および−(CH

    S(CH

    −が挙げられる。


    【0040】


    XおよびYが独立してそれぞれC

    4−8 −アルキレンであることが特に好ましい。 XおよびYがともにヘキシレンであることが、とりわけ特に好ましい。


    重合ビグアニド上の末端基の性質は、重要ではないと考えられる。 しかしながら、好ましい末端基としては、アシル、より好ましくはCH

    CO;H;所望により置換されているアルキル、より好ましくは所望により置換されているC

    1−10アルキル;アシルオキシ、好ましくは−OC(O)(C

    1−4 −アルキル);ハロ、より好ましくはFまたはCl;シアノ;所望により置換されているアミノ;式:


    【0041】


    【化2】


    【0042】


    の基および所望により置換されているフェニルが挙げられる。 末端基上の好ましい所望による置換基としては、C

    1−4 −アルキル、ハロ(特にCl)、ニトロおよびC

    1−4 −アルコキシ(特にメトキシ)が挙げられる。 ポリマーのそれぞれの端における末端基は、同一または異なっていることができる。


    【0043】


    重合ビグアニドは、典型的にはポリマー鎖の混合物の形にあり、そのポリマー鎖の多くまたはすべては異なる長さである。 好ましくは、ポリマー鎖中の個々のビグアニド単位:


    【0044】


    【化3】


    【0045】


    を総合した数は、3〜約80である。


    上記採択の点から考慮して、重合ビグアニドは、好ましくは、末端基を除く個々のポリマー鎖が式(2):


    【0046】


    【化4】


    【0047】


    [式中、nは2〜40である]およびその塩である1種以上のポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ポリマー鎖を含む。


    nは、好ましくは2〜30、より好ましくは4〜15である。


    【0048】


    重合ビグアニドが式(8)のポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ポリマー鎖の混合物である場合、混合物中のnの平均値が12であることが特に好ましい。


    好ましくは、重合ビグアニドの数平均分子量は1100〜3300である。


    【0049】


    好ましくは、重合ビグアニドは塩の形にある。 好ましい塩は、有機または無機酸との塩、特に水溶性塩、例えば、塩酸塩、グルコン酸塩または酢酸塩である。


    重合ビグアニドは、式:


    【0050】


    【化5】


    【0051】


    のビスジシアンジアミドと式H

    N−Y−NH

    のジアミンとの反応により;または式:


    【0052】


    【化6】


    【0053】


    を有するジシアンイミドのジアミン塩と式H

    N−Y−NH

    のジアミンとの間の反応により、調製することができ、ここにおいて、XおよびYは本明細書中で先に定義したとおりである。 これらの調製方法は、より詳細にGB702268およびGB1152243に記載されており、それらに記載されている重合ビグアニドはいずれも本発明で用いることができる。


    【0054】


    重合ビグアニドは、好ましくは無色または実質的に無色である。


    好ましくは、工程(b)で用いられるインクジェット印刷機は、工程(a)で用いられるものと同じインクジェット印刷機である。


    【0055】


    好ましくは、固着組成物およびインクは“ワンパス(one pass)”で施用する、すなわち、インクおよび固着組成物を、印刷ヘッド(1以上)が基材上を1回通過する間に施用する。


    【0056】


    固着組成物は、好ましくは、インクを基材に施用する直前またはそれと同時に基材に施用する。 より好ましくは、固着組成物は、インクの500ミリ秒(ms)前より先に基材に施用する。 インクの100ms前より先に固着組成物を基材に施用することが、特に好ましい。


    【0057】


    インクジェット印刷機は、好ましくは、インク(および所望により固着組成物)を基材に、小さなオリフィスを通って基材上に噴出される液滴の形で施用する。 好ましいインクジェット印刷機は、圧電インクジェット印刷機およびサーマルインクジェット印刷機である。 サーマルインクジェット印刷機では、プログラム化した熱パルスをオリフィスに隣接する抵抗器によりリザーバー中のインクにあて、それによりオリフィスからインクを小さな液滴の形で、基材とオリフィスの相対運動中に基材に向けて噴出させる。 圧電インクジェット印刷機では、小さな結晶の振動により、オリフィスからインクを噴出させる。 あるいは、インクを、例えば国際特許出願00/48938および国際特許出願00/55089に記載されているように、可動性のパドルまたはプランジャーに接続した電気機械的作動装置により噴出させることができる。


    【0058】


    好ましくは、インクおよび固着組成物を施用するために用いられるインクジェット印刷機は、印刷機内に固着組成物の施用のための専用のノズルまたは一連のノズルを有する。 したがって、インクジェット印刷機は、黄色、マゼンタ、シアンブルー(cyan)および黒色を4本のペンにより施用し、固着組成物を5本目のペンにより施用する、'5本ペン(five pen)'タイプのものであることができる。 適切なインクジェット印刷機およびその制御方法は、欧州特許657849に記載されている。


    【0059】


    固着組成物は、実質的にインクと同じ局限領域において基材に施用される。 したがって、インクジェット印刷機は、固着組成物を、インクが像を形成している基材の領域にのみ施用する。


    【0060】


    好ましくは、工程(b)で施用される固着組成物より前、その後またはそれと同時のいずれかに工程(a)で施用されるインク滴は、固着組成物の広がった滴の境界内にある。


    固着剤の分布を像の直接的区域に限定することにより、不必要な汚染(例えば、紅茶またはコーヒー)が固着剤により記録用紙に結合する可能性が最低限に抑えられる。 必要とされる固着剤の量が低減するので、費用の節約も達成される。


    【0061】


    好ましくは、本方法は、例えば検出可能な像を形成するために、印刷後に基材から染料を除去する工程を含まない。


    “5本目の”ペンによる固着剤の施用はまた、印刷および固着を1回の操作で達成することができるという利点を有し、最適な性能が達成されるように異なる基材およびインクと共に用いる固着剤のレベルを利用者が容易に調整できるようにする。


    【0062】


    好ましくは、工程(b)における固着組成物はバインダーを含まない。 好ましくは該組成物に存在しないバインダーは、高分子バインダー、例えば、水溶性または水分散性高分子バインダーおよび疎水性バインダーにより例示される。 好ましい水溶性バインダーとしては、デンプン、好ましくはヒドロキシアルキルデンプン、例えばヒドロキシエチルデンプン;セルロース類、例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(およびそれらの塩)および酢酸酪酸セルロース;ゼラチン;ガム、例えば、グアル、キサンタンガムおよびアラビアゴム;ポリビニルアルコール;ポリビニルホスフェート;ポリビニルピロリドン;ポリビニルピロリジン;ポリエチレングリコール;加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリエチレンイミン;ポリアクリルアミド類、例えば、ポリアクリルアミドおよびポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)およびポリアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸);アクリルアミド−アクリル酸コポリマー;ポリビニルピリジン;ポリビニルホスフェート;ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー;ビニルピロリドン−スチレンコポリマー;ポリビニルアミン;ポリ(ビニルピロリドンジアルキルアミノアルキルアルキルアクリレート)、例えば、ポリビニルピロリドン−ジエチルアミノメチルメタクリレート;酸官能性ポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸と他の(メタ)アクリルレートモノマーとのコポリマー;アミン官能性アクリルポリマーおよびコポリマー、例えばポリジメチルアミノエチルメタクリレート;酸またはアミン官能性ウレタンポリマー、好ましくはジメチロールプロパン酸および/またはペンダントもしくは末端ポリエチレングリコールを含有するもの;イオン性ポリマー、特に陽イオン性ポリマー、例えばポリ(N,N−ジメチル−3,5−ジメチレンピペリジニウムクロリド);ポリエステル、好ましくは水溶性基、特にスルホン酸基を持つもの、例えば、ポリオールをナトリウムスルホイソフタル酸と重合することにより得られるポリエステルが、挙げられる。


    【0063】


    バインダーは高い沸点(例えば200℃を超える)を有し、固着組成物が乾燥した後に基材上に残ることが可能である。 したがって、他の好ましい態様において、工程(b)における固着組成物は、常圧で200℃を超える沸点を有する材料をビグアニド以外に含まない。


    【0064】


    本発明のすべての態様において、“インク”、“着色剤”および“重合ビグアニド”という用語が、それぞれこれらの材料の1種のみならずそれらの2種以上にまで及ぶことを、理解すべきである。


    【0065】


    工程(b)での使用に適した好ましい固着組成物は、


    (a)0.1〜10部の重合ビグアニド;


    (b)10〜60部の水溶性有機溶媒;および(c)35〜85部の水;


    を含み、ここにおいて、すべての部は重量に基づき、部の合計数(a)+(b)+(c)=100である。


    【0066】


    固着組成物中に用いられる好ましい水溶性有機溶媒は、インクについての液状媒体に関連して先に記載したとおりである。


    固着組成物をインクジェット印刷機により基材に施用する場合、該組成物は好ましくは25℃で20cP未満の粘度を有する。


    【0067】


    好ましくは、固着組成物は乾燥時に透明または無色である。


    本方法を用いて得られる印刷は、重合ビグアニドを用いずに作成した印刷と比較して、低い色のブリード、高い印刷品質、および多くの場合、より高い耐光堅牢性を示す。 さらに、バインダーを含まない固着剤の施用は、インクの陰影または色相に著しい影響を及ぼさず、印刷された基材の変色を招かない。 バインダーが存在しないことにより、改善された強調表示のにじみおよび耐水堅牢性を有するより安価な固着組成物がもたらされる。


    【0068】


    本発明の第2の観点に従って、本発明の第1の観点に従った方法により像が印刷された基材を提供する。 好ましい基材は、本発明の第1の観点に関連して本明細書中で先に定義したとおりである。


    【0069】


    本発明の第3の観点に従って、本発明の第1の観点に記載した水性媒体および重合ビグアニドを含む固着組成物であって、該組成物が、バインダーを含まず、10μm未満の平均孔径を有するフィルターに通して濾過してあり、そして合計500ppm未満の二価および三価の金属イオンを含有することを特徴とする、前記固着組成物を提供する。


    【0070】


    好ましくは、本発明の第3の観点に従った組成物は、3μm未満、より好ましくは2μm未満、特に1μm未満の平均孔径を有するフィルターに通して濾過しておく。


    本発明の第3の観点に従った組成物が、合計250ppm未満、より好ましくは100ppm未満、特に10ppm未満の二価および三価の金属イオンを含有することも、好ましい。


    【0071】


    好ましい重合ビグアニドおよび水溶性有機溶媒は、本発明の第1の観点において本明細書中で先に定義したとおりである。


    本発明の第4の観点に従って、インクジェット印刷機での使用に適した液体のセットであって、


    (a)着色剤および液状媒体を含むインクである第1の液体;ならびに(b)以下を含む固着組成物である第2の液体:


    (i)0.01〜50部、より好ましくは0.1〜30および特に0.1〜10部の、本発明の第1の観点で定義した重合ビグアニド;および(ii)50〜99.8、より好ましくは60〜80部の、好ましくは水、1種以上の水溶性有機溶媒、および水と1種以上の水溶性有機溶媒との混合物から選択される液状媒体;


    ここにおいて、すべての部は重量に基づき、部の合計数(i)+(ii)=100である;


    を含み、そして、


    第2の液体がバインダーを含まないことを特徴とする、


    前記液体のセットを提供する。


    【0072】


    本発明の第4の観点に従った液体のセット中のインクは、好ましくは、本発明の第1の観点に関連して上記したとおりである。


    本発明の第4の観点に従ったインクセット中の好ましい重合ビグアニド、着色剤および水溶性有機溶媒は、本明細書の第1の観点において本明細書中で先に定義したとおりである。


    【0073】


    本発明の第4の観点に従ったセットは、好ましくはインクジェット印刷機内に収納される、すなわち、本発明は、印刷機構および本発明の第3の観点で定義した液体のセットを含むインクジェット印刷機も提供する。 液体のそれぞれは、インクジェット印刷機内に存在する1個または1個より多くのカートリッジに含有されていることができる。


    【0074】


    本発明の第5の観点は、複数のチャンバーおよび液体のセット1種を含むインクジェット印刷機用カートリッジを提供し、ここにおいて、該液体はインクジェット印刷機用カートリッジの個々のチャンバーに含有されており、該液体のセットは本発明の第4の観点で定義したとおりである。


    【0075】


    本発明はまた、複数のチャンバーおよび1種の固着組成物を含むインクジェット印刷機用カートリッジを提供し、ここにおいて、該固着組成物はインクジェット印刷機用カートリッジのチャンバーに含有されており、該固着組成物は本発明の第1および第3の観点で定義したとおりである。


    【0076】


    本発明はさらに以下の実施例により例示され、ここにおいて、すべての部およびパーセンテージは、特記しない限り重量に基づく。


    【実施例】


    【0077】


    これらの実施例では以下の略語を用いる:


    PHMBヒドロクロリドは、Avecia LimitedからVantocil

    TM IB(水中の18%溶液)として得られるポリ(ヘキサメチレンビグアニド)であり;


    PEIは、BASFからLupasol

    TM FGとして得られるポリエチレンイミンであり;


    Fast Magenta 2は、英国マンチェスターのAvecia Limitedから得られる染料であり;


    PVOHは、Aldrich Chemical Co.から得られる、87〜89%が加水分解されている分子量13000〜23000のポリビニルアルコールである(PVOHはバインダーである)。


    【0078】


    実施例1


    以下のインクおよび固着組成物を、以下のように調製した:


    【0079】


    【数1】


    【0080】


    インクのpHは、1M水酸化ナトリウムでpH8.0に調整した。


    【0081】


    【数2】


    【0082】


    各固着組成物のpHは、1M硝酸または1M水酸化ナトリウムを用いてpH4.0に調整した。


    固着組成物を空のカラーインクカートリッジのシアンブルーの区画に入れ、インクを同カートリッジの黄色の区画に入れた。 そのカートリッジをOlivetti 102インクジェット印刷機内に装填し、インクより先に固着組成物をXerox Acid紙上に印刷した。 実施例1では印刷を固着剤1で下刷りし、比較実施例Aでは印刷を固着剤Aで下刷りし、比較実施例Bでは固着組成物を施用しなかった。


    【0083】


    印刷の評価


    耐湿堅牢性の評定


    平行な縞のパターンでインクを印刷した紙を、平行な縞が水平方向になるように45°の度で支持材に付けた。 その後、ピペットを用いて、0.5mLの蒸留水(pH6〜7)を、印刷上での水の流れ落ち(run down)が、印刷された縞に可能な限り直角に近いことを確実にするように注意しつつ、平行な縞の最上部のわずか上の位置で印刷上に施した。


    【0084】


    印刷を放置して乾燥した後、印刷された縞4〜6の間の汚染された区域の平均反射光学密度(average reflected optical density)(“汚染でのOD”)および印刷されておらず汚染のない区域の平均反射光学密度(“バックグラウンドOD”)を、X rite Spectrodensitometerを用いて測定した。 印刷されていない区域に水が印刷を流入させた程度(すなわち“流れ落ち”)を式により算出した:


    流れ落ち=(汚染でのOD−バックグラウンドOD)


    低い値の流れ落ちは、印刷に対する高い耐水堅牢性を示す。


    【0085】


    蛍光ペンのにじみ


    耐湿堅牢性の評定について上記したように紙を印刷した。 蛍光ペンのにじみ試験は、印刷の24時間後に、Stabilo Bossの黄色蛍光ペン“Stabilo蛍光ペン”およびSanford Major Accentの黄色蛍光ペン“Sanford蛍光ペン”を用いて実施した。 試験は、紙の印刷されていない区域上に2回、続いて印刷された縞とその隣接する印刷されていない区域上に2回、蛍光ペンで線を引くことにより実施した。 平均反射光学密度を、紙の印刷されていない区域であって蛍光ペンで2回線を引いた所について測定した(“バックグラウンドOD”)。 これに加えて、平均反射光学密度を、印刷された区域に隣接する紙の区域であって蛍光ペンで2回線を引いた所について測定した(“にじみでのOD”)。 紙の印刷されていない区域内に蛍光ペンが印刷をにじませていった程度(すなわち“蛍光ペンのにじみ”)を式により算出した:


    蛍光ペンのにじみ=(にじみでのOD−バックグラウンドOD)


    流れ落ちおよび蛍光ペンのにじみ試験の結果を表1に示す。 ここにおいて、低い値は、場合に応じてより良好な耐湿堅牢性およびより少ない蛍光ペンのにじみを示す。


    【0086】


    【表1】


    【0087】


    結果は、PHMBの下刷り用固着剤としての使用が、固着剤を用いないときにより少ない流れ落ち(すなわち、より高い耐水堅牢性)をもたらすことを示している。 さらに、PHMBは、比較実施例A(PEI)またはB(固着剤なし)のいずれでの場合より少ない蛍光ペンのにじみをもたらす。


    【0088】


    実施例2および3


    以下の固着組成物を調製した:


    【0089】


    【表2】


    【0090】


    各固着組成物のpHは、1M硝酸または1M水酸化ナトリウムを用いてpH4.0に調整した。


    固着組成物を空のカラーインクカートリッジのシアンブルーの区画に入れ、インクをそのカートリッジの黄色の区画に入れた。 そのカートリッジをOlivetti 192印刷機内に装填し、インクより先に固着組成物をWeyerhauser First Choice紙上に印刷した。 実施例2および3ならびに比較実施例CおよびDでは、印刷を固着剤2および3ならびに比較固着剤CおよびDでそれぞれ下刷りした。 比較実施例Eでは固着剤を用いなかった。


    【0091】


    耐湿堅牢性および蛍光ペンのにじみ


    流れ落ちおよび蛍光ペンのにじみの評価試験を、実施例1に記載した方法と類似の方法で実施した。 結果を以下の表3に示す。 印刷品質を視覚的に検査し、5が完全な品質で0が不十分な品質として0〜5の点数をつけた。


    【0092】


    【表3】


    【0093】


    表3に記載した結果は、PHMBを含まない場合と比較して、とりわけバインダーを含まない固着組成物において、固着組成物中のPHMBの使用(実施例2および3)が、流れ落ちを低減し(すなわち、耐湿堅牢性を改善し)、蛍光ペンのにじみを低減することを示している。 さらに、バインダーを削除したことは、バインダーが存在している場合と比較して、改善された印刷品質をもたらす。

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