Using the azetidinium and / or guanidine polymer, treatment of the substrate to improve the quality of the printed image on the substrate

申请号 JP2000544510 申请日 1999-04-22 公开(公告)号 JP2002512314A 公开(公告)日 2002-04-23
申请人 エスアールアイ インターナショナル; 发明人 アストッシュ ニガム,;
摘要 (57)【要約】 組成物および方法が、基体上に印刷された画像の質を改善するために提供される。 この画像向上組成物は、画像向上剤として、(a)アゼチジニウムポリマー、(b)グアニジンポリマー、(c)アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物、または(d)アゼチジニウムモノマーおよびグアニジンモノマーのコポリマーを含有する。 基体に塗布される場合、この組成物は、画像向上剤と反応し得る反応性染料を含有するインクを用いて、処理された基体上が印刷されるときに高品質の印刷画像を提供する。 本発明の画像向上組成物で処理された基体上に印刷された画像は、耐 水 性(例えば、水堅牢性)、耐ブリード性、摩擦耐性であり、そして/または向上した彩度および発色を特徴とする。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 固体基体を処理するプロセスであって、該プロセスは、(a
    )アゼチジニウムポリマー、(b)グアニジンポリマー、(c)アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物、ならびに(d)アゼチジニウムモノマーとグアニジンモノマーとのコポリマーからなる群から選択される画像向上剤から構成される画像向上組成物を、該固体基体の表面に塗布する工程、を包含し、ここで、該画像向上組成物が必要に応じて、約40重量%までのフィルム形成バインダーを含有し、そしてさらに、該基体が紙であり、該画像向上剤が(a
    )、(b)または(d)である場合、該フィルム形成バインダーが存在する、プロセス。
  • 【請求項2】 前記画像向上剤がアゼチニウムポリマーを含有する、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項3】 前記アゼチジニウムポリマーが、以下の構造式を有するモノマー単位から構成される、請求項2に記載のプロセスであって: 【化1】 ここで、R 1およびR 2は、独立して、低級アルキレンであり、X -は、アニオン性の有機または無機対イオンであり、そしてY 1 、Y 2およびY 3は、水素、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、カルボキシ、アセトキシ、シアノおよびスルフヒドリルからなる群から選択される、プロセス。
  • 【請求項4】 前記画像向上剤がグアニジンポリマーを含有する、請求項1
    に記載のプロセス。
  • 【請求項5】 前記グアニジンポリマーが以下の構造式を有するモノマー単位から構成される、請求項4に記載のプロセスであって: 【化2】 ここで、R 3は、水素または低級アルキルであり、そしてR 4は、水素、アルキル、アルコキシ、またはヒドロキシル−置換アルコキシである、プロセス。
  • 【請求項6】 前記グアニジンポリマーが以下の構造式を有するモノマー単位から構成される、請求項4に記載のプロセスであって: 【化3】 ここで、nは、1〜10までの範囲の整数であって、これは1と10を含み、R 3は、水素または低級アルキルであり、そしてR 4は水素、アルキル、アルコキシ、またはヒドロキシル−置換アルコキシである、プロセス。
  • 【請求項7】 前記画像向上剤がアゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物を含有する、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項8】 前記画像向上剤がアゼチジニウムモノマー単位およびグアニジンモノマー単位のコポリマーから構成される、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項9】 前記画像向上組成物が水性である、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項10】 前記画像向上組成物が、フィルム成形バインダーを含有する、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項11】 前記フィルム成形バインダーが基体上で乾燥した後に前記画像向上組成物の約1重量%〜25重量%を示す、請求項10に記載のプロセス。
  • 【請求項12】 前記フィルム成形バインダーが基体上で乾燥した後に前記画像向上組成物の約1重量%〜15重量%を示す、請求項11に記載のプロセス。
  • 【請求項13】 前記フィルム形成バインダーが、多糖類、ポリペプチド、
    合成ビニルポリマー、カチオン性フィルム形成バインダーおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項10に記載のプロセス。
  • 【請求項14】 前記画像向上剤が、乾燥後の前記画像向上組成物の全固体重量に基づいて、該画像向上組成物の約5重量%〜95重量%を示す、請求項1
    に記載のプロセス。
  • 【請求項15】 前記基体が紙からなる、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項16】 前期基体が外部的にサイズ処理されていない紙からなり、
    そして前記画像向上組成物がサイズ処理組成物である、請求項15に記載のプロセス。
  • 【請求項17】 前期基体が外部的にサイズ処理されている紙からなり、そして前記画像向上組成物がコーティング組成物である、請求項15に記載のプロセス。
  • 【請求項18】 前期基体が金属性である、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項19】 前期基体が無機酸化物からなる、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項20】 前記基体がラミネートを含む、請求項1に記載のプロセス。
  • 【請求項21】 画像向上組成物で処理された固体基体であって、該画像向上組成物が、(a)アゼチジニウムポリマー、(b)グアニジンポリマー、(c
    )アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物、ならびに(d)
    アゼチジニウムモノマーとグアニジンモノマーとのコポリマーからなる群から選択される画像向上剤から構成され、ここで、該画像向上組成物が必要に応じて、
    約40重量%までのフィルム形成バインダーを含有し、そしてさらに該基体が紙であり、該画像向上剤が(a)、(b)または(d)である場合、該フィルム形成バインダーが存在する、固体基体。
  • 【請求項22】 前記基体が紙からなる、請求項21に記載の処理された基体。
  • 【請求項23】 前期基体が金属性である、請求項21に記載の処理された基体。
  • 【請求項24】 前期基体が無機酸化物からなる、請求項21に記載の処理された基体。
  • 【請求項25】 前記基体がラミネートを含む、請求項21に記載の処理された基体。
  • 【請求項26】 アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーを含有する組成物。
  • 【請求項27】 基体上に耐水性の画像を提供するための方法であって、該方法は、以下: 該基体表面に、(a)アゼチジニウムポリマー、(b)グアニジンポリマー、
    (c)アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物、ならびに(
    d)アゼチジニウムモノマーとグアニジンモノマーとのコポリマーからなる群から選択される画像向上剤から構成される画像向上組成物を塗布して、処理された基体を提供する工程であって、ここで該画像向上組成物が必要に応じて、約40
    重量%までのフィルム形成バインダーを含有し、そしてさらに、該基体が紙であり、該画像向上剤が(a)、(b)または(d)である場合、該フィルム形成バインダーが存在する、工程;ならびに 染料組成物を該処理した基体に塗布する工程であって、ここで該染料組成物が該画像向上剤と反応し得るイオン化可能基および/または求核基を有する反応性染料を含有する、工程、 を包含する、方法。
  • 【請求項28】 請求項27に記載の方法により調製される印刷基体。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 (技術分野) 本発明は一般に、基体の処理のための組成物および方法に関し、そしてより詳細には、基体を処理してその上に印刷された画像の質を向上するための組成物および方法に関する。 本発明は、広範な種々の基体の型(可撓性および剛性の基体、多孔質および非多孔質の基体、セルロース性および非セルロース性の基体などを含む)の処理に有用である。

    【0002】 (背景技術) 印刷技術の進歩に伴い、多数の異なる型の製品の製造は、その製品上の高品質の印刷された画像に対する、消費者の増大する厳しい需要に直面している。 このような製品としては、例えば、印刷織物、紙、印刷ポリマーシート、コーティングまたはフィルム、印刷金属物品などが挙げられる。

    【0003】 例えば、現在の織物印刷技術は、現代的な、時代に合った、需要に応えた製造計画を満たすという点で欠けている。 一般に、従来の織物上への印刷方法は、着色剤の、織物自体のセルロース繊維への架橋工程を包含する。 このアプローチは、複数の時間のかかるプロセスに頼るという点で、制限される。 さらに、使用され得る基体および着色剤のタイプが制限される。 織物印刷スピードを増加するための1つのアプローチは、インクジェットプリント法の使用を包含する。 インクジェットプリンターは、少なくとも部分的には、その信頼度、比較的静かな操作、多機能性、画像能、印刷の質、および低コストのため、非常に普及している。 さらに、インクジェットプリンターは、複雑なデバイスを必要とすることなく「需要に応じた」カラー印刷を可能にした。 インクジェットプリント法が、家庭用用途および商業的用途の両方で非常に普及したので、いくつかの溶性インクが利用可能である。 これらのインクは、典型的には水と着色剤(通常、染料または顔料分散物)からなり、そしてしばしば、これらのインクに特定の性質(例えば、改良された安定性、および流動、耐汚染性など)を付与するための多数の添加物を含む。 しかし、不幸なことに、織物上に印刷するためのインクジェットプリント技術の使用は、いくつかの問題に直面している。 第1に、そして多数のインクジェットインクが現在利用可能であるにもかかわらず、織物上にインクジェット印刷された画像は、しばしば低品質である。 例えば、印刷画像は、しばしば、取り扱い時に汚れ、ブリード(1つの色が隣の色にはみ出す)を示し、湿気に弱く、そして鮮やかではない(すなわち、印刷された場合に着色インクが期待される色合いを実際に生じない)。 さらに、印刷画像はしばしば、水堅牢性でも耐界面活性剤性でもなく、これは洗濯後に印刷画像の色褪せを生じる。 これらの欠陥を有する印刷織物画像は、織物産業にとって完全に受け入れがたいものであり、このことによって、画像は耐水性および耐界面活性剤性の両方であることのみならず、色および鮮やかさが織物分野において受容可能であると考えられるものであることが要求される。

    【0004】 さらに、特に、明るさ、明瞭さ、不透明度、水堅牢性、耐水性、耐ブリード性および摩擦耐性に関して、非常に高品質の画像を提供する、印刷可能な紙に対する強い需要が存在する。 消費者らは、さらに、従来的な印刷技術のみならず、「
    衝撃なし(impact−free)」の印刷技術(例えば、インクジェット印刷(特に、カラーインクジェット印刷)、レーザー印刷、写真複写など)を含む種々の印刷技術で使用し易い紙を必要としている。

    【0005】 これに応えて、紙メーカーは、「サイズ処理(sizing)」と称されるプロセスを介してこのような高品質の紙に対する消費者らの要望を満たそうと試みている。 「内部サイズ処理」および「外部サイズ処理」の両方を包含する「サイズ処理」は、着色剤および特にインクが紙の繊維と相互作用する様式に影響を与える。 「内部サイズ処理」は、紙製造のパルプ段階で、繊維状塊全体の中に(すなわち、湿潤パルプに、またはより詳細には調製された製紙完成紙料に)、このストックがシートに成形される前にサイズ処理組成物を導入し、その結果、引き続いて平坦な繊維状紙シートを製造するために使用されるサイズ処理組成物の繊維状塊全体への分散を得る工程を包含する。 「外部サイズ処理」(これはまた表面塗布、ペースティング、飽和またはコーティングと称される)は、サイズ処理組成物を繊維状紙シートの少なくとも1方の表面に塗布する工程を包含し、この工程によってこの組成物はこの繊維状シートの2つの表面の少なくとも1つの上または中に存在する。 種々の物質(例えば、従来的かつ改質されたデンプン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ゼラチン、ロジン、カゼインのようなタンパク質、天然ゴムおよび合成ポリマー)が、サイズ処理剤として使用されている。 これらの物質は、特定の条件下で種々の程度まで有効であるが、各々の使用は特定の制限が付随する。 例えば、所望の特性を有する紙を提供するために、
    大量のこれらの従来的なサイズ処理剤を使用することがしばしば必要である。 しかしながら、紙基体の不透明性および明るさは、その紙に塗布されるサイズ処理剤の量に正比例して減少する。 さらに、サイズ処理剤の量および/またはサイズ処理剤のコストが増加するにつれて、紙の製造コストが増加し、これによって高品質の紙は非常に高価になる。 特定のサイズ処理剤は比較的乏しいブリード耐性および耐水性の印刷インクを与え、それゆえ、不溶化剤を用いて使用されて、満足のいく耐水性を有する印刷紙の製造を確実にしなければならない。

    【0006】 従来的なサイズ処理剤の使用はまた、最終的な紙基体の多孔性の減少を生じ;
    それゆえ、サイズ処理された紙基体は所望の明るさおよび不透明性を有し得るが、適切な光学密度または色強度を有する印刷画像を提供し得ない。 さらに、紙の多孔性が増加するにつれて、この紙は、製造の間の種々の取り扱いプロセスに対してより扱いにくくなる。 例えば、封筒製造業者らは、その産業に利用可能な紙が比較的低い多孔性を有することを要求する。 紙の多孔性が高すぎる場合、この紙は、封筒製造の間の折りたたみおよびソーティングのための自動型産業用デバイス(例えば、「吸いこみ抽出装置(suction extractor)」
    型のデバイス)により取り扱うには堅すぎる。 より低い多孔性の紙とは対照的に、高い多孔性の紙はまた、よりゆっくりとした機械のスピードを必要とし、そしてさらに比較的高いエネルギーコストを有する精製操作およびドレイン操作を必要とする。

    【0007】 コーティングは、限られた成功にもかかわらず、紙上に印刷された画像の質を向上するためにさらに使用されている。 他の型の基体に関して、種々のコーティング方法および組成物もまた示唆されている。 しかし、織物および紙と同様に、
    ポリマー性フィルム、金属シートなどの上に水ベースのインクを使用して印刷された画像の質を改善するためのいかなる満足のいく方法も、現時点では存在しない。

    【0008】 本発明は当該分野における上記の必要性に関し、そして高品質、耐水性の印刷された画像を得るために、次いで印刷され得る基体を処理するための、効率的で汎用性がありかつ費用効率の良い手段を提供する。 本発明の組成物および方法は、広範な種々の基体の型を用いる使用に合わせ易く、そして従来的な製造プロセスおよび製造後の取り扱いプロセスと適合性である。

    【0009】 (発明の開示) 本発明は、基体を処理してその上に印刷された画像の質を向上するための、新規の画像向上組成物を特徴とし、ここでこの画像向上組成物は(a)アゼチニウム(azetidinium)ポリマー、(b)グアニジンポリマー、(c)アゼチニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物、および(d)アゼチニウムモノマーとグアニジンモノマーとのコポリマーのいずれか1つから選択される画像向上剤からなる。 基体は、製造前または製造中に処理され得る。 本発明の画像向上組成物を用いて処理された基体は印刷されて、特に、画像向上剤と反応し得るイオン化可能および/または求核基を有する反応性染料を含有するインクを用いて印刷される場合に、高品質の印刷された画像を得ることができる。 この印刷された画像は耐ブリード性、摩擦耐性、耐水性(例えば、水堅牢性)であり、そして/または増強された彩度および色相を特徴とする。

    【0010】 本発明の主な目的は、印刷の際に効率良く着色剤と結合するような画像向上組成物を提供することによって当該分野における上記の必要性に取り組むことである。 本発明の別の目的は、(特に、光学密度および明るさに関して)高品質であり、そして耐ブリード性、摩擦耐性、耐水性(例えば、水堅牢性)である画像を生じる、印刷され得る処理された基体を提供することである。

    【0011】 本発明のなお別の目的は、本発明の画像向上組成物を使用して基体を処理する方法を提供することである。

    【0012】 本発明のなおさらなる目的は、基体上へ耐水性(例えば、水堅牢性)の印刷された画像を提供する印刷方法を提供することである。

    【0013】 本発明のさらなる目的、利点および新規な特性は、後に続く説明に部分的に記載され、そして部分的に、以下の試験の際に当業者には明らかになるか、または本発明の実施によって習得され得る。

    【0014】 (発明を実施するための形態) (定義および命名法) 本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形態(「a」
    、「an」および「the」)は、その文脈がはっきりとそうでないことを示していない限り、複数の支持物も含むことに留意されなければならない。 それゆえ、例えば、組成物における「画像向上剤(単数)」との言及は、1つより多くの画像向上剤がこの組成物中に存在し得ることを意味し、「ポリマー(単数)」との言及は、異なるポリマーなどの組み合わせなどを含む。

    【0015】 「水性ベースインク」とは、水性キャリア媒体および着色剤(例えば、染料または顔料分散物)からなるインクをいう。 水性キャリア媒体は、水、または水および1種以上の水溶性有機溶媒の混合物からなる。 例示的な水性ベースのインク組成物は、以下に詳細に記載される。

    【0016】 本明細書中で使用される用語「着色剤」とは、本発明の画像向上組成物との使用と適合性である染料、顔料、染色剤などを包含することを意味する。

    【0017】 本明細書中で使用される用語「着色剤反応性成分」は、選択された着色剤、特に求核基および/またはイオン化可能基を有する着色剤と反応して画像向上剤−
    着色剤複合体を形成し得る画像向上剤の成分(例えば、化学的部分)をいう。 この画像向上剤−着色剤複合体は、画像向上剤の着色剤反応性成分と着色剤との間の共有結合性、静電気的またはイオン性の会合のいずれかを介して形成される。
    基体上に印刷された画像の状況において、着色剤反応性成分を有する画像向上剤および選択された着色剤が画像向上剤−着色剤複合体を形成する場合、この着色剤とこの画像向上剤の染料反応性成分との間の会合は、基体上の印刷画像に対して有利な品質(特に、耐水性、増加された光学密度、増加された明度などに関する)を付与するに有効である。

    【0018】 本発明の画像向上組成物の基体への塗布に対して言及される本明細書中で使用される用語「処理」は、基体表面へのコーティングの塗布ならびにこの組成物を用いた基体の部分的または完全な飽和の両方を包含することが意図される。

    【0019】 用語「有機溶媒」は、液体有機化合物、典型的には、液体の、好ましくは、比較的粘性ではない液体の形態のモノマー性有機物質をいうために従来的な意味で本明細書中で使用され、これらの分子構造は水素原子、炭素原子、および必要に応じて他の原子も同様に含み、そしてこれは固体、気体または液体を溶解し得る。

    【0020】 「有意に増強された明度」または「有意に改善された耐水性」との言及で使用される場合、用語「有意」とは、一般に、定量可能な、測定可能な、またはそうでない場合には検出可能なパラメーター(例えば、標準統計試験を使用して統計的に有意である比較される2つのグループ(例えば、非処理対処理織物基体)の間の、光学密度、LABグラフ(カラースフィア)、ドットスプレッド、ブリード)における差異をいう。 例えば、プリントアッセイにおいて検出される場合、
    印刷された基体の可視的ウィッキングまたは耐水性の程度は、標準的方法を使用して定量化され得、そして異なる条件下におけるウィッキングまたは耐水性の程度は、処理および非処理基体の両方について統計的に有意な差異を検出するために比較され得る。

    【0021】 用語「耐流体性」は、本明細書中において流体による透過に対する印刷された基体の抵抗性を記載するために使用され、用語「耐水性」は、特に、水による透過に対する基体の抵抗性をいう。

    【0022】 用語「水堅牢性」は、耐水性の形態を記載するために本明細書中において使用され、そして通常、基体上で乾燥した後のインク組成物の性質をいうために使用される。 一般に、「水堅牢性」とは、乾燥した組成物が実質的に水に不溶性であり、その結果として水との接触の際に乾燥したインクが光学密度の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約85%、そしてより好ましくは少なくとも約9
    5%を保持することを意味する。

    【0023】 用語「耐ブリード性」は、水の基体への浸透の阻止をいうことを意味し、この阻止は、繊維−水界面における低エネルギー疎水性表面の作製に関連する。 この界面は、液滴と表面との間に形成される接触を増加し、これによって湿潤性を減少する。 接触角は、基体およびそれに付加された任意の成分の分子パッキング、表面形態、および化学的構成に対して感受性であることが示されている。

    【0024】 用語「摩擦耐性」は、通常、基体上で乾燥した後のインク組成物の特性をいうこと意味し、より詳細には、この印刷された画像に対する力の付与(例えば、摩擦)にもかかわらず、印刷された画像が基体(この上に印刷される)に会合して保持する能力をいうことが意味される。 一般に、「摩擦耐性」は、乾燥したインク組成物が実質的に摩擦力に対して抵抗性であり、その結果として乾燥したインクが、印刷画像の摩擦の後に少なくとも約70%の光学密度、好ましくは少なくとも約85%の光学密度、そしてより好ましくは少なくとも約95%の光学密度を保持することを意味する。

    【0025】 本明細書中で使用される用語「アルキル」は、1〜24個の炭素原子の分枝または非分枝の飽和炭化水素基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなど)、ならびにシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)をいう。 用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子,好ましくは1〜4個の炭素原子のアルキル基を意図する。

    【0026】 本明細書中で使用される用語「アルキレン」は、1〜24個の炭素原子の二官能性の、分枝または非分枝の飽和炭化水素基をいい、これはメチレン、エチレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,3−ジイルなどを包含するが、これらに限定されない。 「低級アルキレン」は、1〜6個の炭素原子のアルキレン基をいう。

    【0027】 本明細書中で使用される用語「アルコキシ」は、1つの末端エーテル結合を介して結合されたアルキル基を意図する;すなわち、「アルコキシ」基は、−OR
    として定義され得、ここでRは上に規定されるアルキルである。 「低級アルコキシ」基は、1〜6個の炭素原子を含むアルコキシ基を意図する。

    【0028】 「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードをい、そして通常は、有機化合物における水素原子に対するハロ置換に関する。

    【0029】 用語「ポリマー」は、本明細書中において、その通常の意味において、2つ以上のモノマー単位を有する化合物をいうために使用され、そしてホモポリマーおよびコポリマーを包含することが意図される。 用語「モノマー」は、本明細書中においてポリマー性ではない化合物をいうために使用される。

    【0030】 「必要に応じて」または「任意」とは、引き続いて記載される事象または状況が生じてもまたは生じなくとも良く、そしてこの説明が上記の事象または状況が生じる場合の例と生じない場合の例を包含することを意味する。 例えば、語句「
    必要に応じて置換される」芳香族環とは、芳香族環が置換されてもまたは置換されなくとも良いことを意味し、そしてこの説明は置換されていない芳香族環および1つ以上の置換基を有する芳香族環の両方を包含する。

    【0031】 (発明の概説) 本発明は、(a)アゼチジニウムポリマー、(b)グアニジンポリマー、(c
    )アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物、ならびに(d)
    アゼチジニウムモノマーとグアニジンモノマーとのコポリマーのいずれか1つである画像向上剤を含有する組成物が、広範な種々の基体を、その上に印刷された画像の品質を有意に改善するための処理に有効であるという発見に基づく。 本発明の画像向上組成物を用いて処理された基体は、印刷されて、高品質の印刷された画像を提供し得、これは、水性着色剤の、画像向上組成物中に存在する画像向上剤への実質的に不可逆的な結合の結果として改善された色堅牢度(印刷された画像が湿気に曝されてもにじまない)を有する。 それゆえ、本発明の組成物で処理され、次いで印刷された基体は、水に曝した後の印刷された画像の特性に起因して、「耐水性」または「水堅牢性」として特徴付けられ得る画像を提供する。
    印刷された画像はまた、耐ブリード性および摩擦耐性である。

    【0032】 本発明の処理された基体は、従来的な印刷法で使用され得るか、またはデジタル印刷(詳細には、インクジェット印刷(ドロップ−オン−ディマンド(dro
    p−on−demand)印刷および連続印刷を含む))で使用され得、処理されていない基体または従来的な処理をされた基体と比較した場合、色品質(例えば、彩度および色相に関する)において有意に改善された非常に明るい印刷画像を提供する。 それゆえ、本発明に従う本発明の組成物およびその使用方法は、従来的な織物処理組成物、紙コーティングおよびサイズ処理組成物などを超える多数の利点を提供する。

    【0033】 画像向上組成物、本明細書中に記載される画像向上組成物を使用する処理方法および本発明の他の特性は、以下により詳細に記載される。

    【0034】 (画像向上組成物) 本発明の画像向上組成物は、(a)アゼチジニウムポリマー、(b)グアニジンポリマー、(c)アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物、ならびに(d)アゼチジニウムモノマーとグアニジンモノマーとのコポリマーからなる群から選択される画像向上剤から構成される。 一般に、この画像向上剤は、選択された着色剤、特に、求核基および/またはイオン化可能基を有する着色剤と反応して共有結合性、静電気的、またはイオン性の会合を介して画像向上剤−着色剤複合体を形成し得る着色剤反応性成分を有する。 この画像向上剤と着色剤の会合は、耐水性(例えば、水堅牢度)および他の望ましい特性を、基体表面上の印刷された画像に対して付与する。 画像向上剤に加えて、この画像向上組成物は、フィルム成形バインダー、顔料、および他の添加物のような成分を含み得る。

    【0035】 本発明の画像向上組成物は、市販の出発物質および/または試薬から容易に調製され得、さらなるバインダーまたは添加剤と適合性であり、種々の基体を用いて使用され得、種々の印刷方法(従来的印刷方法およびデジタル印刷方法(特に、ドロップ−オン−ディマンド印刷および連続印刷を含むインクジェット印刷)
    を含む)と適合性であり、そしてまた、既存の商業的な製造方法および装置(例えば、織物および紙製造プロセスおよび装置を含む)を用いて使用され得る。 この画像向上組成物は調製が安価であり、そして本明細書中に記載の有利な特性を有する処理された基体を提供するために比較的少量が必要とされる。 本発明の画像向上組成物はまた、その水への可溶性(活性成分である画像向上剤は親水性ポリマーである)に起因して取り扱いが容易であり、そして大容量の有機溶媒の使用を必要としない。 本明細書中の新規の画像向上組成物はまた、良好なフィルム成形特性を有する。

    【0036】 本発明の組成物を使用して調製された、処理された基体は、多数の水性ベース着色剤と迅速に反応する。 さらに、着色剤は本発明の組成物中の画像向上剤と迅速に反応するので、この印刷され、処理された基体は別の硬化工程を必要とせず、むしろ速乾性(fast−drying)である。 この速乾特性は、「非粘着性」である印刷画像を提供し、それゆえ、印刷された基体の印刷後すぐの取り扱いが可能になる。 これらの耐水性に加えて、本発明の画像向上組成物で処理された基体は、高い耐ブリード性(小さいドットサイズの測定、すなわち、より少ないウィッキング作用により実証される)および摩擦耐性である。

    【0037】 画像向上組成物の種々の成分がここに記載される。

    【0038】 (1.画像向上剤) 本発明の画像向上組成物中の画像向上剤は、一般に、アゼチジニウムポリマー、グアニジンポリマー、アゼチジニウムモノマーおよびグアニジンモノマーのコポリマー、またはアゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物を含有する。 この画像向上剤は、乾燥後のこの組成物の全固体重量に基づいて、典型的には画像向上組成物の約5重量%〜95重量%、好ましくは約10重量%〜
    95重量%を示す。

    【0039】 (A.アゼチジニウムポリマー) 1実施態様において、画像向上剤は、アゼチジニウムポリマーである。 「アゼチジニウムポリマー」は、置換または非置換アゼチジン(azetedine)
    環(すなわち、四員の窒素含有複素環)を含むモノマー性サブユニットから構成されるポリマーである。 一般に、本発明に有用なアゼチジニウムポリマーは、以下の構造式(I)を有するモノマー単位から構成される:

    【0040】

    【化4】

    ここで、R

    1およびR

    2は独立して、低級アルキレンであり、X

    -はアニオン性の有機または無機対イオンであり、そしてY

    1 、Y

    2およびY

    3は、水素、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、カルボキシ、アセトキシ、シアノおよびスルフヒドリルからなる群から選択される。 好ましいポリマーは、ここで、R

    1およびR

    2がメチレンであり、X

    -がハライド、アセテート、メタンスルホネート、スクシネート、シトレート、マロネート、フマレート、オキサレートおよびハイドロゲンスルフェートからなる群から選択され、Y

    1およびY

    3は独立して、水素または低級アルキルであり、そして、Y

    2は水素またはヒドロキシルである。 本明細書中の特に好ましいアゼチジニウムポリマーにおいて、Y

    1およびY

    3は水素であり、そしてY

    2はヒドロキシルである。

    【0041】 アゼチジニウムポリマーはホモポリマーであっても良く、またはコポリマーであっても良く、ここで、1つ以上の非アゼチジニウムモノマー単位がポリマー構造中に組み込まれる。 本発明での使用に適切なアゼチジニウムコポリマーを形成するために、かなり多数のコモノマーが利用され得る:しかし、特に好ましいアゼチジニウムコポリマーは、アミノアミドアゼチジニウムである。 さらに、アゼチジニウムポリマーは本質的に直鎖であっても良く、あるいは分枝であってもまたは架橋されていても良い。

    【0042】 アゼチジニウムポリマーは、2つの異なる方法で着色剤と結合し得る。 第一に、アゼチジニウムポリマーは、イオン的相互作用によって着色剤と結合し得、ここで着色剤はアニオン性基(例えば、カルボキシまたはスルホネート)を提供し、これは、ポリマーの対イオン(上記式(I)のX - )とイオン交換し得、従って、着色剤を静電的相互作用(electrostatic−type int
    eraction)を介して処理された基体に固定する。 第二に、着色剤中に存在する求核基は、開環反応を介してポリマーのアゼチジニウム基と反応し得る。
    本発明のアゼチジニウムポリマーの特徴的な開環反応は、以下のように示され得る:

    【0043】

    【化5】

    従って、着色剤はアゼチジニウムポリマーに共有結合してアゼチニウムポリマー−着色剤複合体を形成する。 従って、処理された基体に塗布された着色剤は、迅速かつ不可逆的にこの基体に結合される。

    【0044】 ポリマー中の反応性アゼチジニウム基の割合は、制御される方法で調節され得る。 アゼチジニウム基はpH変化に対して非感受性である;しかし、このような基は、アニオン性および求核性の種の存在に対して非常に感受性である。 いくつかの場合において、アゼチジニウムポリマーを調製するために使用される反応条件を調整(例えば、pHを上昇させることによって)して、ポリマー内でアニオン性の基(これらが、次いで分子内架橋に関与する)を生じさせることが望ましくあり得る。

    【0045】 本発明において使用するために好ましいアゼチジニウムポリマーを以下の式(
    II)に示す:

    【0046】

    【化6】

    市販のこのようなポリマーには、「AMRES(登録商標)」(Georgia


    Pacific,Resins,Inc. (Atlanta、GA)から市販)、「KYMENE(登録商標)」(Hercules,Inc.(Wilmi


    ngton、DE)から市販)、および「Polycup(登録商標)」(これもまた、Hercules,Inc.から市販)が挙げられる。 これらのアゼチジニウムポリマーは一般に、ポリ(アミノアミド)−エピクロロヒドリン(PA


    E)樹脂と呼ばれており;このような樹脂は典型的に、二級アミノ基を含む水溶性ポリアミドを、エピクロロヒドリンを用いてアルキル化することによって調製される。 他の適切なアゼチジニウムポリマーは当業者に公知であり、そして/または関連のテキスト、特許文献、および以下の参考文献に記載される;例えば、


    Moyerら、「WET STRENGTH IN PAPER AND PA


    PERBOARD」、Tappi Monograph Series No.


    29、Tappi Press、第3章、33〜37頁(1965);Chan


    、「TAPPI WET AND DRY STRENGTH SHORT C


    OURSE」、Tappi Press、Atlanta、4月13〜15、1


    988;および、Espy、「WET STRENGTH RESINS AN


    D THEIR APPLICATION」、LOCK L. Chan編、Ta


    ppi Press、Atlanta、GA(1994)を参照のこと。

    【0047】 (B.グアニジンポリマー) 別の実施態様において、画像向上剤はグアニジンポリマーであり、これはまた、「ポリグアニジン」とも呼ばれる。 グアニジノ基は、極度に塩基性であり、約12〜13のpKaを有する。 本発明で使用されるポリグアニジンは典型的に、
    酸性塩として提供される(ここで、イミンの窒素原子は、大部分がプロトン化された形態である)。

    【0048】 一般に、本発明における画像向上剤として有用なグアニジンポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーのいずれかである。 本明細書中の全てのグアニジンポリマーは、以下の構造式を有する繰り返しモノマー単位から構成される:

    【0049】

    【化7】

    ここで、R

    3は、水素または低級アルキルであり、そしてR

    4は、水素、アルキル、アルコキシ、またはヒドロキシル−置換アルコキシである。 好ましくは、R

    3


    およびR

    4は、水素である。 本明細書中に使用される特に好ましいグアニジンポリマーは、以下の構造式(IV)を有するモノマー単位から構成される:

    【0050】

    【化8】

    ここで、nは、1〜10までの範囲の整数であり、R

    3は、水素または低級アルキルであり、そしてR

    4は水素、アルキル、アルコキシ、またはヒドロキシル−


    置換アルコキシである。 好ましくは、R

    3およびR

    4は水素である。

    【0051】 本発明の方法および組成物に使用するための特に好ましいグアニジンポリマーは、式(IV)の構造を有し、ここで、R 3およびR 4はHであり、そしてnは6
    であり(3,12−ジイミノ−2,4,11,13−テトラアザテトラデカンジイミダミド)、「BAQUACIL(登録商標)」および「VANTOCIL(
    登録商標)」としてZaneca,Inc. から市販されている。

    【0052】 本発明のポリグアニジンポリマーは、イオン交換型の相互作用を介して、染料中に存在するアニオン性の基と静電的に反応し、このようなポリマーで処理した印刷基体にアニオン性タイプの染料を迅速かつ不可逆的に結合する。

    【0053】 (C.アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物) 別の実施態様において、画像向上剤は、アゼチジニウムポリマーおよびグアニジンポリマーの混合物を含む。 2つのポリマーは、互いに対して任意の適切な比で存在し得る。 ポリグアニジンおよびポリアゼチジニウムの相対的な量は、約0
    . 05%ポリグアニジン/99.95%ポリアゼチジニウム〜0.05%ポリアゼチジニウム/99.95%ポリグアニジンの範囲であり得る。 ポリグアニジンおよびポリアゼチジニウムの実際の相対的な量は、使用されるインクの組成(例えば、インク中の着色剤の性質)、基体の性質、およびポリマーの使用に影響を与える他の因子(例えば、各ポリマーの相対的な市場価格)によって変化する。
    一般に、アゼチジニウムに対してより少量のグアニジンを使用することが好ましい。

    【0054】 この実施態様において、画像向上組成物が塩基性pHでゲル化する傾向があるので、この組成物のpHは酸性であることが重要である。 必要であれば、次いで、酸をこの組成物に添加し、pHが7.0未満、好ましくは、約5.5未満、そして最も好ましくは約1.0〜5.5の範囲内であることを保証するべきである。 適切な酸には、硫酸、塩酸、酢酸などが挙げられる。

    【0055】 任意の多数のアゼチジニウムまたはグアニジンポリマーが、本明細書中に記載される処理された基体および画像向上組成物を調製するために使用され得ることが理解されるが、好ましいポリマーは、ポリ(アミノアミド)−アゼチジニウムポリマー(例えば、ポリアミド−ポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂のようなポリアゼチジニウムクロリドベースのポリマー)である。

    【0056】 (D.アゼチジニウムモノマーおよびグアニジンモノマーのコポリマー) 別の実施態様において、画像向上剤は、アゼチジニウムモノマー単位およびグアニジンモノマー単位のコポリマーである。 一般に、アゼチジニウムモノマー単位は、以下の構造式(I)を有する:

    【0057】

    【化9】

    ここで、R

    1およびR

    2は、独立して、低級アルキレンであり、X

    -は、アニオン性の有機または無機対イオンであり、そしてY

    1 、Y

    2およびY

    3は、水素、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、カルボキシ、アセトキシ、シアノおよびスルフヒドリルからなる群から選択される。 好ましいモノマーは、ここで、R

    1およびR

    2がメチレンであり、X

    -がハライド、アセテート、メタンスルホネート、スクシネート、シトレート、マロネート、フマレート、オキサレートおよびハイドロゲンスルフェートからなる群から選択され、Y

    1およびY

    3が独立して、水素または低級アルキルであり、そして、Y

    2は水素またはヒドロキシルである。 特に好ましいアゼチジニウムモノマーにおいて、Y

    1およびY

    3は水素であり、そしてY

    2はヒドロキシルである。 グアニジンモノマーは、以下の構造式(III)または構造式(IV)を有する:

    【0058】

    【化10】

    【0059】

    【化11】

    ここで、R

    3 、R

    4およびnは、本明細書中上記で定義した通りである。

    【0060】 このコポリマーにおけるアゼチジンモノマー対グアニジンモノマーの比、ならびにこのコポリマーにおける各モノマーのタイプの分布は、多数の因子によって変化され得、そして、例えば、特定のタイプのイオン性および/または求核性の基を有する特定の着色剤と共に使用するために調整され得る。 このコポリマーの正確な組成はまた、処理されるべき基体の性質に最も良く適応するように変化され得る。

    【0061】 (2.フィルム成形バインダー) 本発明の画像向上組成物は、好ましくは、フィルム成形バインダーを含む。 「
    フィルム成形バインダー」により、この基体への物質の塗布の際に、改善された強度の基体を提供する物質が意味される。 本発明の画像向上組成物に関連して使用される「フィルム成形バインダー」は、任意のフィルム成形バインダーを含み、これは選択された画像向上剤および画像向上組成物の他の成分と適合性である。 例示的なフィルム成形バインダーには、以下が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない:多糖類およびその誘導体(例えば、デンプン、セルロース性ポリマー、デキストランなど);ポリペプチド(例えば、コラーゲンおよびゼラチン);ならびに合成ポリマー、特に、合成ビニルポリマー、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルホスフェート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ビニル−ピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ビニルアルコール−酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン−スチレンコポリマー、およびポリ(ビニルアミン)
    、ならびにカチオン性フィルム成形バインダー、例えば、4級ビニルピロリドン−ジメチルアミノエチル−メタクリレートコポリマー、ジメチルアミノエチル−
    メタクリレート−コ−メチルメタクリレート、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、および4級アミノアクリレートポリマー。

    【0062】 多糖類バインダー:上記のようにデンプンは、本明細書中での使用のための適切なフィルム成形バインダーの1つのカテゴリーを表す。 適切なデンプンは、任意の種々の天然、転換した、および合成的に修飾したデンプンであり得る。 例示的なデンプンとしては、以下のものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない:デンプン(例えば、SLS−280(St.Lawrence Star
    ch))、カチオン性デンプン(例えば、Cato−72(National
    Starch))、ヒドロキシアルキルデンプン(ここで、アルキルは少なくとも1つの炭素原子を有し、そしてここで炭素原子の数は物質が水溶性である程度であり(好ましくは約1〜約10個の炭素原子)、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど(例えば、ヒドロキシプロピルデンプン#02382(Po
    lySciences,Inc. )、ヒドロキシエチルデンプン#06733(
    PolySciences,Inc. )、Penford Gum270および280(Penford)、およびFilm−Kote(National S
    tarch)))、デンプンブレンド(例えば、米国特許第4,872,951
    号を参照のこと、これはカチオン性デンプンと、アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物(ASA)、好ましくは、1−オクテニルコハク酸無水物(OSA)
    を用いて処理したデンプンとのブレンドを記載する)などである。 このフィルム成形バインダーはまた、合成的に生成された多糖類(例えば、ジカルボン酸無水物によってエステル化されたカチオン性多糖類(例えば、米国特許第5,647
    ,898を参照のこと))であり得る。 さらなる糖類バインダーとしては、セルロース性物質、例えばアルキルセルロース、アリールセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ジヒドロキシアルキルセルロース、ジヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルヒドロキシアルキルセルロース、ハロデオキシセルロース、アミノデオキシセルロース、ジアルキルアンモニウムハライドヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライドヒドロキシアルキルセルロース、ジアルキルアミノアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース塩、硫酸セルロース塩、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロースなどが挙げられる。 この型のなおさらなるフィルム成形バインダーとしては、デキストラン(例えば、ジアルキルアミノアルキルデキストラン、アミノデキストランなど)、カラゲーナン、Karayaガム、キサンタン、
    グアーおよびグアー誘導体(例えば、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルグアー、カチオン性グアーなど)およびゼラチンが挙げられる。

    【0063】 さらなる例示的なフィルム成形バインダーとしては、樹脂(例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、アルキル化ウレア−
    ホルムアルデヒド樹脂などのようなホルムアルデヒド樹脂)、アクリルアミド含有ポリマー(例えば、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)など)、ポリ(アルキレンイミン)含有ポリマー(例えば、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(エチレンイミン)エピクロロヒドリン、アルコキシル化ポリ(エチレンイミン)など)、ポリオキシアルキレンポリマー(例えば、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(オキシエチレン)、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、エチレンオキシド/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/エチレンオキシド、およびエチレンオキシド/ヒドロキシプロピルメタクリレート/エチレンオキシドトリブロックコポリマー、エチレンオキシド−4−ビニルピリジン/エチレンオキシドトリブロックコポリマー、エチレンオキシド−イソプレン/エチレンオキシドトリブロックコポリマー、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドコポリマーなど)などが挙げられる。

    【0064】 上記の任意の例示的なフィルム成形バインダーは、任意の有効な相対量で使用され得るが、典型的には、存在する場合には、フィルム成形バインダーは、基体上で乾燥した後に、本発明の画像向上組成物の約1重量%〜40重量%、好ましくは、1重量%〜25重量%、最も好ましくは、1重量%〜15重量%を示す。

    【0065】 (3.画像向上組成物の他の成分) 画像向上組成物のさらなる成分としては、以下が挙げられ得るが、必ずしもこれらに限定されない:一般に、当該分野において公知である、無機充填剤、抗カール剤、界面活性剤、可塑剤、湿潤剤、UV吸収剤、光堅牢度増強剤、ポリマー分散物、染料媒染剤、光学的輝剤、およびレベリング剤。 このような添加剤の例示的な例は、米国特許第5,279,885号および米国特許第5,537,1
    37号に提供される。 この画像向上組成物はまた、画像向上剤の分子内架橋および/または分子間架橋のための架橋剤(例えば、酢酸ジルコニウム、炭酸アンモニウムジルコニウムなど)、ならびに/あるいはホウ酸のようなキレート化剤を含有し得る。 紙基体の処理に関して特に興味があるのは、光沢のない、艶のない(matte)、または光沢のある表面を有する被膜基体を提供する成分である;顔料(例えば、シリカ、炭酸カルシウム)を組み込むことは、一般的に光沢のない表面を生じるが、一方、光沢のある表面は、顔料の不在で(または少量のみの顔料の存在で)生じることが当業者に明らかである。

    【0066】 画像向上組成物はまた、基体の白さまたは色を提供するために着色剤(例えば、顔料、染料または他の着色剤)を含有し得る;これは、サイジングまたはコーティング紙に使用するために特にあてはまる。 本発明の組成物において、特に組成物が紙を処理するために使用される場合に含むことが望まれ得るさらなる成分は、PAPER CHEMISTRY,第2版,Roberts編,Black
    ie Academic & Professional,Glasgow,U
    K(1994)に見られる。 上述の参考文献はまた、このような組成物の使用の手引きおよび紙化学の一般的な記述を提供する。

    【0067】 本発明の画像向上組成物は、好ましくは、水性液体ビヒクルで提供されるが、
    少量の水溶性有機溶媒が存在し得る。 この水性液体ビヒクルは一般に水であるが、水溶性または水混和性のいずれかである他の非有機化合物も同様に含まれ得る。 この画像向上組成物の調製の間、可溶化化合物を添加し、成分を水性液体ビヒクル(例えば、アンモニアおよび/または有機アミンのような無機塩基)に溶解する必要性が時として生じ得る。 適切な有機アミンとしては、低級アルキル−置換アミン(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミンおよびトリメチルアミンならびにエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよび置換エタノールアミン)、典型的な低級アルキル−置換エタノールアミン(例えば、N−メチルおよびN,N−ジメチルエタノールアミン)およびモルホリンが挙げられる。 このような化合物はまた、基本処方物についてpHを所望の範囲にするために有用であり、そして存在するならば、一般に、組成物の約20重量%を超えず、そしてほとんどの場合、組成物の約10重量%を超えないに相当する。

    【0068】 (基体およびそれらの処理:) 本発明の組成物および方法は、一般的に、基体表面に印刷された画像の質を改善するために幅広い種類の基体に適用可能である。 基体は、可撓性または剛性、
    多孔性または非多孔性、およびセルロース性または非セルロース性であり得る。
    本発明の組成物および方法が使用され得る適切な基体としては、以下が挙げられるが,これには限定されない:織物、紙、ポリマーフィルム、金属シートなど。

    【0069】 (1.織物基体の処理) 本発明の組成物との使用および方法に適した織物基体としては、天然繊維、合成繊維、セルロースベース繊維、もしくは非セルロースベース繊維、または任意のそれらの組み合わせを有する織物が挙げられる。 例示的な織物基体としては、
    以下が挙げられるがこれらに限定されない:天然または再生セルロース繊維のようなヒドロキシ基含有繊維(綿、レーヨンなど);ポリアクリロニトリルのような窒素基含有繊維;天然もしくは合成ポリアミド(羊毛、絹、またはナイロンを含む);および/または酸修飾ポリエステルおよびポリアミド基を有する繊維、
    を有する織物。 この織物基体はさらに、本発明の画像向上組成物および方法と適合する樹脂または他の物質で前処理または後処理され得、そして仕上げ処理しても仕上げ処理しなくてもよい。 この織物基体はまた、本発明の画像向上組成物の適用前に、サイジングされ得る。 あるいは、本発明の画像向上組成物は、外部サイジングプロセス(sizing process)および組成物に組み込まれ得る。

    【0070】 織物基体の繊維は、使用される印刷プロセスと適合した任意の適切な形態(例えば、ルーズなヤーン(loose yarn)、ファブリックなど)であり得る。 しかし、ファブリックは都合よく、かつ好ましい形態である。 この繊維は、
    本発明の組成物での処理に影響を受けやすい他の繊維、またはそのような処理にあまり影響を受けないと示し得る繊維と、ブレンドされ得る。

    【0071】 本発明の画像向上組成物で織物基体を処理することは、当該分野で一般的に使用される任意の多数の従来の織物コーティングおよび/または処理プロセスを使用して行われ得る。 一般的には、インクに含まれる着色剤内の着色剤反応性画像向上剤の反応のためにインクに、物理的かつ化学的に接近しやすい画像向上剤を残す様式で、この画像向上組成物を織物基体に適用して、処理された織物基体を提供する。 本明細書中で使用される用語「処理」は、表面コーティングならびにいくらかの程度までの織物への浸透の両方を包含する(後者の場合、画像向上剤はなお、印刷用着色剤に接近しやすい限り)。

    【0072】 織物基体に適用される画像向上組成物の量は、多数の要因とともに変化し、この要因としては、基体の吸収性質、印刷に使用されるインク、印刷方法などが挙げられる。 一般に、この画像向上組成物は、乾燥後の織物基体の約0.5重量%
    〜20重量%を示す量で適用される。 当業者に理解されるように、本発明の組成物は、任意の適切な手段によって適用され、この手段としては以下が挙げられ得る:連続プロセス、連続フィルムとしての適用、パディング、浸漬、噴霧、泡状塗布(foam application)、排気プロセス(exhaust
    prosess)、またはロッド、ロール、フレキソプレス(flexopre
    ss)、ブレード、もしくはエアナイフ被覆機(air−knife coat
    er)の使用。

    【0073】 (2.紙の処理) 本発明の画像向上組成物は、例えば、コーティングまたはサイジングプロセスにおいて、紙基体を処理するために使用され得る。 用語「紙」は、セルロース性繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、およびポリアクリル繊維のような合成繊維;アスベスト、セラミック、およびガラス繊維のような無機繊維;
    ならびにセルロース性、合成、および無機の繊維の任意の組み合わせに基づく基体を含むことを意味する。 本発明の組成物を使用して処理され得る紙基体は、任意の寸法(例えば大きさまたは厚さ)あるいは形態(例えば、パルプ、湿潤(w
    et)紙、乾燥(dry)紙など)であり得る。 この紙は、本発明の方法に従って処理される前にサイジングされていても良いしされていなくても良い;すなわち、本発明の組成物は、前処理された表面あるいは処理またはコーティングされていない表面を有する紙に適用され得る。 紙基体は、好ましくは、平坦またはシート構造の形態であり、この構造は種々の寸法であり得る。 「紙」は、印刷紙(
    例えば、インクジェット印刷紙など)、筆記用紙、画用紙など、ならびに厚紙、
    ポスターボード、Bristolボードなどのようなボード材料を含むことを意味する。

    【0074】 (A)紙コーティング 画像向上組成物は、前処理(すなわち、印刷の前に)、印刷と同時、または後処理としてのいずれかでサイジングされる紙上のコーティングとして適用され得る。 紙コーティングとして、本発明の組成物は、紙表面上に印刷される画像の所望の特性(ブリード(bleed)耐性、耐水性(例えば、水堅牢性(wate
    r−fastness))などを含む)を提供するのに適切な量でサイジングされる紙に適用される。 サイジングされる紙上にトップコーティングとして適用される画像向上組成物の典型的な量は、一般的に、紙基体1トン当たり約50〜約500ポンド、すなわち2〜30g/m 2の範囲である(一般的に、約数百Åから数ミル(mil)の厚さの範囲、典型的には、約100Å〜5mmの範囲のコーティング組成物層に相当する)。 選択される厚さのコーティングの適用は、公知の技術を使用して(例えば、コーティング剤の濃度およびコーティングの数を変化させることによって、ならびに適用手段の選択によって)当業者によって容易になされ得る。

    【0075】 紙コーティング組成物としての使用のために、本発明の画像向上組成物は、任意の所望の紙基体に(通常印刷に使用される前サイジングされる種類の紙基体に)適用される。 本発明における使用のための基体は、セルロース性または非セルロース性材料から構成され得、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、およびポリアクリル繊維のような合成繊維;アスベスト、セラミック、およびガラス繊維のような無機繊維;ならびにセルロース性、合成、および無機の繊維の任意の組み合わせから構成される基体を包含し、多孔性セルロース性基体が好ましい。 本明細書中の使用のために好ましい基体は、一般的に、フリーカットシートペーパー(free cut sheet paper)であり、例示的な紙基体としては以下が挙げられるがこれらには限定されない:コピーグレード(copier grade)紙、業務用名刺用紙、樹脂コーティング紙、乳の箱およびギフト用のダンボール箱のようなボール紙。

    【0076】 前サイジング紙基体をコーティングするためのプロセスは、当該分野で周知であり、オンマシン(on−machine)(初期紙製造プロセス(initi
    al paper manufacturing process)の一部として)またはオフマシン(off−machine)(紙製造の完了に続いて)のいずれかで実行され得る。 一般的に、コーティングは、浸漬コーティング、リバースロール(reverse roll)コーティング、押出しコーティング、
    含浸などによって達成される。 しかし、画像向上組成物が、オンマシーンでのコーティングとして適用される場合、約100〜3000ft. /分の受容可能な製造スピードを達成するために、サイジングされる紙基剤の重量が1平方メートル当たり30gより大きいことが勧められる。 最終生成物が満足なレベルの光沢(一般的に50より大きい)を示すべき場合、コーティングを受ける前に、基材シートは、水の素早い排水または繊維状基体へのコーティングを遅らせるべきである。

    【0077】 (B)紙サイジング 本発明の画像向上組成物はまた、サイジングされていない紙を処理するために使用され得る;この実施態様では、組成物は、紙「サイジング」組成物と表す。
    本発明の画像向上組成物は、内部サイジングプロセスまたは外部サイジングプロセスのいずれかで使用され得るが、外部サイジングの使用が好ましい。 「内部サイジング」は、紙製造のパルプ段階でサイジング組成物を導入することを含み、
    これは、繊維状の塊(引き続き繊維状の紙シートを製造するために使用される)
    内でのこの組成物の分布となる。 「外部サイジング」は、紙シートの表面にサイジング組成物を適用することを含み、その結果、サイジング組成物は、紙の2つの面の少なくとも1つの面上または面内に存在する。 外部サイジングはまた、内部サイジングの程度に依存して種々の量に紙を含浸する。

    【0078】 例示的な外部サイジング技術として以下が挙げられるが、必ずしもこれらには限定されない:サイズプレス処理、浸漬コーティング、リバースロールコーティング、押出しコーティングなど。 例えば、サイジング組成物は、浸漬コーティングによってサイズプレスで適用され得、溶媒押出しによって適用され得る。 サイズプレスは、枚葉給紙(sheet−fed)サイズプレスまたは連続ウェブを使用するサイズプレスであり得、好ましくは連続ウェブサイズプレスである。 一般的に、サイジングプロセスにおいて、本発明の画像向上組成物は、基体1トン当たり約10〜500、好ましくは30〜500ポンドの範囲の量で適用される。

    【0079】 (3.他の基体) 本発明の画像向上組成物で処理され得る他の基体としては以下が挙げられるが、これらには限定されない:フィルム、シート、コーティング、および固体ブロックのようなポリマー性基体(例えば、ポリエステル(「MYLAR」可撓性フィルムを含む)、ビニルポリマー、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミドなどから構成される);フィルム、シート、コーティング、箔、および固体ブロックのような金属性基体(例えば、アルミニウム、黄銅、銅などから構成される);無機基体、特にフィルム、シート、コーティング、および固体ブロック(例えば、ガラス、金属酸化物、シリコン含有セラミックなどから構成される);ならびに紙/ポリマー性フィルムまたは紙/金属箔積層体のような積層体。 基体の性質が重要ではないことが強調されるべきである;むしろ、本発明の画像向上組成物で処理される任意の基体が印刷され得、高品質の印刷画像を与えるので、鍵となるのは本発明の画像向上処理である。

    【0080】 (処理される基体に耐水性画像を提供するための方法:) 本発明はまた、基体表面に耐水性(例えば、水堅牢性)印刷画像を提供する方法を特徴とし、これは、最初に本発明の画像向上組成物を基体表面に適用し、次いで処理表面に着色剤を適用することによって提供され、ここで、着色剤は、画像向上組成物中で画像向上剤と反応し得る反応性イオン化可能性および/または求核性基を含む(すなわち、アゼチジニウムポリマー、グアニジンポリマーなど)。

    【0081】 一般には、水性インクは、本発明の処理された基体に印刷された画像の調製において使用される。 水性インクは、着色剤(例えば、顔料、染料、または染色剤)を有する任意の適切なインクであり得、これらは、処理された基体に存在する画像向上剤の着色剤反応性成分と、共有結合的またはイオン結合的のいずれかで反応するに適した1つ以上の反応性基を有する。 特定のインクおよび着色剤の選択は、画像向上剤の着色剤反応性成分とともに変化する。 例えば、着色剤反応性成分がアゼチジニウム基である場合、着色剤は、好ましくはアゼチジニウム基との反応のための求核基を有する。 従って、適用される画像向上組成物中のアゼチジニウムポリマーを有する基体に印刷するのに使用するための好ましい着色剤は、1つ以上の求核部分(例えば、アミノ基、カルボキシ基、スルホネート(su
    lfonato)基、チオスルホネート(thiosulfonato)基、シアノ基、ヒドロキシ基、またはスルフィド基など)を含むものである。 グアニジンポリマーで処理される基体での印刷に使用するための好ましい着色剤は、陰イオン基を含み、例えば、カルボキシ基、スルホネート基、チオスルホネート基、
    シアノ基、ハロ基、またはホスホネート(phosphonato)基などを有するものである。

    【0082】 本発明の処理される基体と組み合わせて使用されるインクは、インクジェットインクであり得る。 インクジェットインク中の水溶性着色剤は、酸性染料、直接染料、塩基性染料または分散性染料であり得;好ましい染料は、米国特許第5,
    425,805号、同第5,537,137号および同第5,441,561号に記載される。

    【0083】 水性ベースインクの選択は、特定の用途の要件(例えば、所望の表面張力、粘性、乾燥時間、インクが適用される基体のタイプ(印刷媒体)など)に依存する。 本発明における使用に適したインクの水性液体ビヒクルは、一般的に水であるが、水溶性または水混和性のいずれかである他の非有機化合物も同様に含まれ得る。 着色剤は、水性液体ビヒクル中に溶解されていても、分散されていても、懸濁されていてもよく、そして、所望の色および色強度を有する乾燥インクを提供するのに有効な量で存在する。

    【0084】 いくつかの場合では、染料は、インクおよび水溶性有機溶媒から構成されるキャリア媒体に含まれる。 このようなキャリア媒体を利用する適用のための、代表的な溶媒としては、ポリエチレンアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのようなポリオールが挙げられる。 さらなる溶媒は、単純なアルコール(例えば、エタノール、イソプロパノールおよびベンジルアルコール)
    およびグリコールエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、
    ジエチレングリコールモノエチルエーテル)である。 水溶性有機溶媒の代表的な例は、米国特許第5,085,698号および同第5,441,561号に記載される。

    【0085】 本発明とともに有用なインクに含まれる好ましい着色剤は、アゾ染料または「
    直接」染料を含む染料、ならびに酸性基(例えば、カルボキシレート、ホスホネートまたはスルホネート部分)、塩基性基(例えば、非置換アミンまたは1アルキル基もしくは2アルキル基(典型的には低級アルキル基)で置換されたアミン)あるいはその両方を含む染料である。 適切な着色剤の特定の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない: シアン着色剤として

    【0086】

    【数1】

    マゼンタ着色剤として

    【0087】

    【数2】

    黄色着色剤として

    【0088】

    【数3】

    ;有機染料;ならびに黒色物質(例えば、カーボンブラック、チャコール、および微細分割炭素、酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの他の形態)。 特定かつ好ましい黒色着色剤としては、以下が挙げられる:

    【0089】

    【数4】

    (印刷された基体) 本発明はまた、本明細書中に記載される方法および組成物を使用して生成された、印刷された基体を特徴とする。 本発明の印刷された、処理された基体は、任意の種々の印刷技術(インクジェット印刷、レーザージェット印刷、写真複写などを含む)によって作製され得る。 一般には、印刷プロセスは、水性記録液体を、画像のようなパターン(imagewise pattern)で、本発明の画像向上組成物で処理された基体に適用する工程を含む。 インクジェット印刷プロセスは、当該分野で周知である;例えば、米国特許第4,601,777号;


    同第4,251,824号;同第4,410,899号;同第4,412,22


    4号;および同第4,532,530号を参照のこと。

    【0090】 本発明の画像向上組成物で処理されたいくらかの基体(特に紙基体)はまた、
    乾燥または液体電子写真型発色剤を必要とする印刷および/またはコピープロセス(例えば、電子写真プロセス、イオノグラフィックプロセスなど)を使用して印刷され得る。 本発明の処理された基体はまた、画像を生成するためのプロセスを使用して印刷され得、このプロセスは、画像化装置の画像化部材において静電潜在画像(electostatic latent image)を生成する工程、この潜在画像をトナーで発色させる工程、および発色した画像を本発明の処理された基体に移す工程を含む。 電子写真プロセスは当該分野で公知である;
    例えば、米国特許第2,297,691号を参照のこと。 イオノグラフィックおよびエレクトログラフィックプロセスもまた、当該分野で周知である:例えば、
    米国特許第3,611,419号;同第3,564,556号;同第4,240
    ,084号;同第4,569,584号;同第2,919,171号;同第4,
    524,371号;同第4,619,515号;同第4,463,363号;同第4,254,424号;同第4,538,163号;同第4,409,604
    号;同第4,408,214号;同第4,365,549号;同第4,267,
    556号;同第4,160,257号;および同第4,155,093号を参照のこと。

    【0091】 本発明の処理された基体はまた、種々の他の印刷および画像化プロセス(例えば、オフセット印刷、ペンプロッターを用いる印刷、インクペンを用いる手書きなど)を使用して印刷され得る。

    【0092】 (実験) 以下の実施例を、本明細書中で開示および特許請求される化合物の調製および使用方法の完全な開示および説明とともに、当業者に提供するように示す。 数字(例えば、量、温度など)に関する正確さを保証するための努力がなされたが、
    いくらかの誤差および偏差が考慮されるべきである。 他に示されない限り、割合は重量による割合であり、温度は℃においてであり、そして圧力は大気圧またはその近傍である。

    【0093】 また、これらの実施例において、他に示されない限り、使用される略語および用語は、それらの一般的に受け入れられている意味を有する。 略語および商用名を、以下に示す(各材料の供給元も同様に示されることに注意): Amres855=アゼチジニウム(azetidinium)ポリマー(水中12.5%、Georgia Pacific); Gum280=デンプン(Penford Gum280、Penford)
    ; HS30=アゼチジニウムポリマー(水中30%、Georgia Paci
    fic); IPA=イソプロピルアルコール; Jetcoat20=水中25%炭酸カルシウム(Specialty Mi
    nerals); Kymene=アゼチジニウムポリマー(Hercules); PC,Polycup172=アゼチジニウムポリマー(Polycup); Polectron=スチレン/ポリ(ビニルピロリドン)コポリマー(Po
    lectron430、ISP Technologies); PVOH=ポリビニルアルコール(Airvol 523S、Air Pro
    ducts); Sif=溶融シリカ(fumed silica)(Aerosil MOX
    170、Air Products); Sip=沈殿シリカ(FK310、Degussa); SMA=スチレン−無水マレイン酸コポリマー(Georgia Pacif
    ic); Surfinol S420およびF585=界面活性剤(Air Prod
    ucts); Surfinol DF66=消泡剤(Air Product); Tinopal=光沢剤(brightener)(Ciba Additi
    ves); Vantocil=ポリ(イミノイミドカルボニルヘキサメチレンヒドロクロリド、20%水溶液(Vantocil IB、Zeneca,Inc.); W32=レベリング剤(Carboflow W32,B.F.Goodri
    ch)。

    【0094】 (実施例1:ポリアゼチジニウムベースの画像向上組成物) 以下の表は、本発明に従って調製された例示的な画像向上組成物を要約する。
    ここで、この画像向上剤は、アゼチジニウムポリマーである。

    【0095】

    【表1】

    【0096】

    【表2】

    (実施例2:ポリグアニジンベースの画像向上組成物) 以下の表は、本発明に従う例示的な画像向上組成物を要約する。 ここで、この画像向上剤は、ポリグアニジンまたはアゼチジニウムポリマーであるか、あるいは、この画像向上剤は、ポリグアニジンおよびアゼチジニウムポリマーの混合物を含む。

    【0097】

    【表3】

    【0098】

    【表4】

    【0099】

    【表5】

    (実施例3:画像向上組成物の評価) 実施例1および2で調製した代表的組成物のそれぞれは、本明細書中で記載される有益な特徴(すなわち、水ベースのインクジェットインクおよびインクジェットプリンターを使用して紙表面に印刷された画像のブリード、ウィッキングおよび水堅牢性に関する)を有する被膜した紙基体およびサイジングされた紙基体を作製するのに有効であった。 処方物をまた、(1)アルミニウム箔および他の金属箔シート、(2)綿および綿/ポリエステルブレンド織物材料、(3)樹脂被膜紙(すなわち、PVC−被膜紙)、ならびに(4)ラテックス含浸紙で評価した。 上記基体のそれぞれを、約2g/m

    2 〜30g/m

    2の範囲のコーティング厚さを達成するために、ナイフ、Meyerロッド(rod)、またはローラーを使用して表1〜5に記載される処方物でコーティングした。 コーティングしそして乾燥した後に、処理された基体に、水ベースのインクジェットインクを使用して印刷した。 印刷した画像は、水堅牢性ならびに耐ブリード性および耐こすり性であり、光学密度および輝度の両方に関して、優れた性質であることが見出された。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/00 C08L 79/00 4J043 D06P 3/66 D06P 3/66 4L055 5/00 111 5/00 111A D21H 17/54 D21H 17/54 19/62 19/62 (31)優先権主張番号 09/282,537 (32)優先日 平成11年3月31日(1999.3.31) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/282,542 (32)優先日 平成11年3月31日(1999.3.31) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP Fターム(参考) 2H086 BA15 BA18 BA21 BA31 BA35 2H113 AA01 AA03 AA04 BB02 BB08 BB10 BB22 BB32 BB33 DA41 DA42 DA43 DA50 DA52 DA54 DA60 EA10 FA06 FA10 FA50 4F100 AA17A AB00A AJ03B AJ09B AK11B AK13B AK14B AK21B AK35B AK80B AL01B AL05B AT00A BA02 CC01B DG10A GB41 GB71 GB72 HB31 JB07 JL01 4H057 AA02 BA07 CB18 CB22 CC01 DA01 DA24 GA06 4J002 AB002 AB012 AB042 AB052 AD002 BC042 BE022 BF022 BG072 BJ002 BQ002 CM001 CM021 GH00 GK02 GK04 GT00 4J043 PA01 PA02 PA04 PA15 PC066 PC116 PC166 PC186 RA08 RA09 RA33 ZA05 ZA06 ZB32 ZB33 4L055 AG44 AG46 AG47 AG48 AG54 AG63 AG64 AG77 AG89 AH11 AH13 AH37 AJ02 BE08 EA30 EA32 FA11 FA19 GA09 GA15

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