Curable coating composition having a carbonate-containing component

申请号 JP26642196 申请日 1996-10-07 公开(公告)号 JP3821886B2 公开(公告)日 2006-09-13
申请人 ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーションBASF Corporation; 发明人 ウォルター、エイチ.オウボム; グレゴリー、ジー.メノブチック; ジョン、ダブリュ.レイフュス; ジョン、ディー.マギー; ポール、ジェイ.ハリス;
摘要
权利要求
  • (A) 次の構造:
    にて表される少なくとも1つのカーボネートを含み、かつ同時に複数の架橋性官能基を有する化合物であって、その少なくとも1つの架橋性官能基が 第一カルバメート官能もしくは尿素官能基であるような化合物、および(B) 複数の、化合物(A)上の官能基と反応する基を有する架橋剤とからなる硬化性塗料組成物。
  • 上記化合物(A)が(1)少なくとも1つのカルバメートもしくは尿素基またはカルバメートもしくは尿素に転換し得る基、および少なくとも1つのヒドロキシル基を含んでなる化合物、ならびに(2)CO 、ジアアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート、または環状カーボネートからなる混合物の反応生成物である、請求項1の塗料組成物。
  • 上記化合物(1)がヒドロキシアルキルカルバメート、ヒドロキシアルキル−置換環状カーボネート、または (a)カルバメートもしくは尿素基またはカルバメートもしくは尿素基に転換し得る基、ならびに次の(b)と反応する ヒドロキシル基およびアミノ基からなる群から選択される活性水素基を有する化合物、および (b) ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、β−ブチロラクトン、β−プロプリオラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ノナン酸ラクトン、γ−オクタン酸ラクトン、およびペントラクトンからなる群から選択されるラクトンまたは ジメチルヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシステアリン酸、酒石酸、乳酸、2−ヒドロキシエチル安息香酸、およびN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸からなる群から選択されるヒドロキシカルボン酸の反応生成物である、請求項2の塗料組成物。
  • 上記化合物(A)が(1)少なくとも1つのカルバメートもしくは尿素基またはカルバメートもしくは尿素に転換し得る基、および少なくとも1つのヒドロキシル基を含んでなる化合物、
    (2)ポリオール、および(3)CO 、ジアアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート、または環状カーボネートからなる混合物の反応生成物である、請求項1の塗料組成物。
  • 上記ポリオールとして、少なくとも1つのカルバメート基が付加しているポリオール化合物が包含される、請求項4の塗料組成物。
  • 上記化合物(1)が、ヒドロキシアルキルカルバメート、ヒドロキシアルキル−置換環状カーボネート、または (a)カルバメートもしくは尿素基またはカルバメートもしくは尿素基に転換し得る基、ならびに次の(b)と反応する ヒドロキシル基およびアミノ基からなる群から選択される活性水素基を含んでなる化合物、および (b) ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、β−ブチロラクトン、β−プロプリオラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ノナン酸ラクトン、γ−オクタン酸ラクトン、およびペントラクトンからなる群から選択されるラクトンまたは ジメチルヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシステアリン酸、酒石酸、乳酸、2−ヒドロキシエチル安息香酸、およびN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸からなる群から選択されるヒドロキシカルボン酸の反応生成物である、請求項4または5の塗料組成物。
  • 上記化合物(A)が、複数のヒドロキシル基が付加しているポリカーボネートと置換もしくは非置換アルキルカルバメートとの反応生成物である、請求項1の塗料組成物。
  • 上記化合物(A)が、少なくとも1つのポリカーボネートセグ ントを含んでいる、請求項1の塗料組成物。
  • 上記化合物(B)がアミノプラストである、請求項1ないし8のいずれかの塗料組成物。
  • 上記アミノプラストがメラミン樹脂である、請求項9の塗料組成物。
  • VOCが300kg/m 未満である、請求項1の塗料組成物。
  • 液体であって非反応性有機溶剤25重量%未満を含む、請求項1ないし11のいずれかの塗料組成物。
  • クリヤコート塗料組成物である、請求項1ないし12のいずれかの塗料組成物。
  • に顔料を含む、請求項1ないし13のいずれかの塗料組成物。
  • 請求項1ないし13の塗料組成物に由来する硬化塗膜を有する基質からなる物品。
  • 上記基質が柔軟性基質である、請求項15の物品。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、硬化性塗料組成物、特に組成物成分の1つとしてカルバメート官能または尿素官能化合物を利用する、硬化性組成物に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    熱硬化性塗料等の硬化性塗料組成物は塗料業界で広く使用されている。 これらは自動車業界および工業用塗料業界においてトップコートとしてしばしば使用される。 カラー・プラス・クリヤ複合塗料は、特にすぐれた光沢、色の深み、イメージの鮮明度、または特殊な金属硬化を希望する場合のトップコート(仕上げ塗り)としてとりわけ有用である。 自動車業界ではこれらの塗料を自動車ボデイーパネル用として広く使用している。 しかしながらカラー・プラス・クリヤ複合塗料は所望の目視効果を達成するためには、そのクリヤコート(透明塗料)の透明性が著しく高いことが要求される。 高光沢(ハイグロス)塗料も、イメージの高鮮明度(DOI)等の所望の目視効果を達成するには、塗膜面における目視収差の度合が低いことも要求される。
    【0003】
    【発明が解決しようとする課題】
    これらの塗膜は環境腐食として知られる現象にはとりわけ敏感である。 環境腐食自体は最終塗膜上または最終塗膜内のスポットまたはマークとして現れ、こすっても消去できない場合が多い。
    【0004】
    耐久性、硬度、および柔軟性、ならびに引っ掻き、擦傷、溶剤および酸に対する抵抗性等の諸性質の優れた組み合わせを有する塗膜を提供するために、異なったタイプのカルバメート官能または尿素官能材料を自由に選択するオプシヨンを提供することもしばしば望まれる。
    【0005】
    カルバメート官能または尿素官能価を有する硬化性成分をベースにする硬化性塗料組成物は、腐食抵抗性塗料を提供するものとして例えば米国特許第5,356,669号明細書およびWO94/10211号明細書中に提案されている。 環境腐食抵抗に加えて、他の多数の特性が望まれる。 例えば、高度の柔軟性を有する塗膜の提供が望まれている。 このことは、塗装すべき基質自体がプラスチック、皮革、織布基質のように柔軟性である場合は特に有利である。
    【0006】
    揮発性有機物を低減することは環境に優しいことなので、塗料組成物中に必要な揮発性有機物含量(VOC)低減させることも望まれている。
    【0007】
    最後に、耐久性、硬度、引っ掻き、擦傷、溶剤および酸に対する抵抗性等の諸性質が組み合わされた塗膜の提供が望まれている。
    【0008】
    【課題を解決するための手段】
    発明の要旨
    本発明によれば、(A) 次の構造:

    にて表される少なくとも1つのカーボネートを含み、かつ同時に複数の架橋性官能基を有する化合物であって、その少なくとも1つの架橋性官能基がカルバメート官能もしくは尿素官能基であるような化合物、および(B)化合物(A)上の官能基と反応する複数の基を有する架橋剤とからなる硬化性塗料組成物が提供される。


    【0009】


    本発明によれば、耐久性、硬度、引っ掻き、擦傷、溶剤および酸に対する抵抗性等の諸性質の良好な組み合わせを有する塗膜が提供される。 また本発明の塗料組成物は、VOCレベルが低く、かつ柔軟性基質上にも使用できる良好な柔軟性を示す塗膜の調製に使用できる。


    【0010】


    【発明の実施の形態】


    好ましい実施態様の説明


    本発明によれば化合物(A)は、カルバメートもしくは尿素官能性を有し、少なくとも1つのカーボネート基を含み、かつ各種の方法で調製できる。 1実施態様では、カルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素に転換できる基)およびヒドロキシル基を有する化合物(A)(1)を化合物(A)(2)と反応させる。 この場合の化合物(A)(2)はジアルキルカーボネート、環状カーボネート、CO

    であり、かくしカルバメート−もしくは尿素−官能性カーボネート含有生成物を形成させる。 (A)(1)を(A)(2)と単に反応させると、化合物(A)(2)の残基から形成されたカーボネート基により互いに結合した2つの化合物(A)(1)の残基を有する化合物が生成する。 この反応混合物中にポリオールを含有させて(A)(2)の量を調節すると公知のように(A)(1)化合物が末端に位置するポリカーボネート化合物が生成する。


    【0011】


    ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、CO

    、ジフエニルカーボネート、またはホスゲンは、カーボネート結合基を経由して2つの(A)(1)化合物を反応・結合させる化合物(A)(2)として使用される。 ヒドロキシル基のジアルキルカーボネートとの上記反応は、GB第1,476,268号公報に記載があり、これを引例として本明細書中に含める。 ヒドロキシル基とジフエニルカーボネートとの反応は、DE第1,031,512号公報に記載があり、これを引例として本明細書中に含める。 環状カーボネートとヒドロキシル基との反応はモノもしくはジカルボン酸を用いて触媒され、DE第2,001,091号およびFR第1,391,473号中に記載があり、それぞれ引例として本明細書中に含める。


    【0012】


    ホスゲンを用いる場合、ホスゲンは2モル(A)(1)に対して約1モルホスゲンのモル比で化合物(A)(1)の溶液に添加できる。 この反応は7℃未満の温度で実施し、またはホスゲンを液状に維持するために加圧下で行い、または別法として、ガス状ホスゲンを系中にバブルさせてもよい。 塩形成塩基(例えば、NaOH)を用いて反応を促進してもよい。 この反応は非プロトン溶剤中で−20℃もしくは80℃、常圧ないし40psiで実施できる。


    【0013】


    環状カーボネートもしくはジアルキルカーボネートは、適切なモル混合物(2モルの(A)(1)と1モルの環状カーボネートもしくはジアルキルカーボネート)を例えばオクタン酸カルシウム等のエステル交換触媒の存在下、0℃ないし200℃に加熱して化合物(A)(1)と反応させるための化合物(A)(2)として使用できる。 有用なジアルキルカーボネートの例中には、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジフエニルカーボネート、およびジブチルカーボネートが包含される。 有用な環状カーボネートの例中には、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート、およびジメチルエチレンカーボネートが包含される。 環状カーボネートも、不飽和結合をペルオキシドと反応させてオキシラン環を形成させ、次いでCO

    との反応で環状カーボネートを形成さることにより、いずれのアルケンからも形成ができる。 上記反応は副生アルコールを除去することにより反応完結を促進できる。 他の有用な触媒の例中には、金属ヒドロキシド(例えば、KOH)、IもしくはII族金属(例えば、Na、Li)、金属カーボネート(例えば、K

    CO

    )(このものはクラウンエーテルの併用により強化できる)、金属オキシド(例えば、NaOCH

    、Al(OCH

    )、金属エステル(例えば、オクタン酸第一錫)、オクタン酸カルシウム、またはプロトン酸(例えば、硫酸)、MgCO

    、またはPh

    SbIが包含される。 使用溶剤はいずれもエステル交換反応に不活性でなければならない。 触媒および/または反応条件は、化合物(A)(1)中のエステル基のエステル交換を最少に抑制するのに必要である。 同様の条件下でCO

    も化合物(A)(2)として使用でき、同様の触媒の存在下、1ないし40気圧の条件下で使用できる。


    【0014】


    公知のように反応混合物中にポリオールを含有させてポリカーボネートの連鎖延長をさせることができる。 ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、CO

    、ジフエニルカーボネート、またはホスゲンの量を調節して、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、CO

    、ジフエニルカーボネート、またはホスゲンのモル当りヒドロキシル2当量の比に維持すべきである。 一層高級な官能価を有するポリオールは分岐が所望の場合には使用できるが、ジオールは直鎖連鎖延長を与えるので好ましい。 所望の性質に応じて、実際上いずれのジオールもしくは他のポリオールも使用可能である。 1実施態様では、このジオールの中には、アンモニアもしくは第一アミンを用いてヒドロキシアルキル環状カーボネート(例えば、2−ヒドロキシエチレンエチレンカーボネート)を開環させて形成させたカルバメートペンダントジオール、またはアンモニアもしく第一アミンを用いてヒドロキシアルキル−置換オキサゾリドンを開環して形成させた尿素−ペンダントジオールが包含される。 他の有用なジオールの例中には、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ビスフエノールA、BASF社から「Pluronic」ポリオールとして市販されるポリエステルポリオール、1,2−ヘキサンジオール等が包含される。 一層高級な官能価を有するポリオールの例としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、アクリル酸ポリオール等が挙げられる。


    【0015】


    カルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素に転換し得る基)およびヒドロキシル基を有する化合物(A)(1)としては、多くの化合物が使用できる。


    【0016】


    カルバメート基は次の一般式:


    [式中、RはHもしくは、好ましくは炭素原子1ないし4のアルキルである]により一般的に表される。 RはHまたはメチル、さらに好ましくはRはHである。 尿素基は次の一般式:


    [式中、R'およびR”はそれぞれ独立にHもしくは、好ましくは炭素原子1ないし4のアルキルを示し、またはR'およびR”は共に複素環構造(例えばR'およびR”はエチレンブリッジを形成)を形成していてもよい]により一般的に特徴付けられる。


    【0017】


    カルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素に転換し得る基)およびヒドロキシル基を有する化合物は業界で公知であり、市販品がある。 例えばこれらの例中には、ヒドロキシアルキルカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート)、ヒドロキシ尿素(例えば、ヒドロキシエチルエチレン尿素)、およびヒドロキシアルキル環状カーボネート(このものはアンモニウムもしくは第一アミンを用いてこの環状カーボネートを開環させてカルバメートに転換できる)が包含される。


    【0018】


    カルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素に転換し得る基)およびヒドロキシル基を有する化合物の他の群は、活性素基を有する化合物であって、ラクトンの開環が可能なもの(例えば、ヒドロキシル、第一アミン、酸)またはヒドロキシカルボキシル酸の酸基と縮合反応が可能なものおよびカルバメートもしくは尿素基またはカルバメートもしくは尿素に転換し得る基をラクトンもしくはヒドロキシカルボキシル酸と反応させて形成させた化合物である。 活性水素基、およびカルバメートもしくは尿素に転換し得る基を有する化合物をラクトンの開環に使用する場合には、上記基のカルバメートもしくは尿素への転換は開環反応の間もしくは開環反応後に完遂できる。


    【0019】


    カルバメートもしくは尿素基および活性水素基を有する化合物は公知である。 例えば、ヒドロキシプロピルカルバメートおよびヒドロキシエチルエチレン尿素は公知であり、市販されている。 アミノカルバメートは米国特許第2,842,523号明細書に記載がある。 ヒドロキシル尿素もオキサゾリドンをアンモニアもしくは第一アミンと反応させることにより、またはエチレンオキシドをアンモニアと反応させてアミノアルコールを形成後、上記化合物のアミン基もしくは他のアミノアルコールを塩化水素酸と反応させ、次いで尿素と反応させてヒドロキシ尿素を形成させることにより調製することもできる。 アミノ尿素は例えばケトンを、反応から保護(例えば立体障害により)された1つのアミン基を有するジアミンと反応させ、次いでHNCO(すなわち、尿素の熱分解生成物)および引き続く水との反応により調製できる。 別法としてこれらの化合物は、次に記載のような、カルバメートもしくは尿素に転換可能な基と活性水素とを有する化合物を出発材料とし、次いでラクトン開環反応に開始に先立って上記基をカルバメートもしくは尿素に転換するこよにより調製できる。


    【0020】


    カルバメートへ転換可能な基の例中には、環状カーボネート基、エポキシ基、および不飽和結合が包含される。 環状カーボネート基はアンモニアもしくは第一アミンと反応させると環状カーボネートが開環してβ−ヒドロキシカルバメートを形成してカルバメート基に転換できる。 エポキシ基はCO

    との反応で環状カーボネート基に先ず転換することによりカルバメート基へ転換できる。 この反応は常圧から超臨界CO

    圧に至る、いかなる圧下でも実施できるが、例えば60ないし150psiの加圧下で実施するのが好ましい。 好ましい反応温度は60ないし150℃である。 有用な触媒の例中には、第三アミンもしくは第四塩(例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド)、錯化有機錫ハロゲン化物とアルキルホスホニウムハロゲン化物との組み合わせ[例えば、(CH

    SnI、Bu

    SnI、Bu

    PI、および(CH

    PI]、カリウム塩(例えば、K

    CO

    、KI)好ましくはクラウンエーテルとの組み合わせ、オクタン酸錫、オクタン酸カルシウム等の、オキシラン環を活性化し得るいずれもが包含される。 次いで環状カーボネート基は上記のようにカルバメート基に転換できる。 不飽和結合はいずれもペルオキシドと先ず反応させてエポキシ基に転換し、次いでCO

    と反応させて環状カーボネートとし、さらにアンモニウムもしくは第一アミンと反応させてカルバメートを形成させる。


    【0021】


    ヒドロキシル基もしくはイソシアネート基等の他の基もカルバメート基に転換できる。 しかしながら、もしかかる基を化合物上に存在させ、次いでラクトンによる開環反応後にカルバメートに転換しなければならない場合には、これらの基はブロックしてラクトンと反応させないか、またはラクトン開環反応に関与する上記活性水素基と反応させないようにする必要がある。 これらの基のブロッキングが可能でない場合には、カルバメートもしくは尿素への転換はラクトン開環反応に先立って完結させておく必要がある。 ヒドロキシル基は、モノイソシアネート(例えば、メチルイソシアネート)との反応により第二カルバメートを形成させ、またはシアン酸(このものは尿素の熱分解によりその場で形成できる)との反応により第一カルバメート基(すなわち、非置換カルバメート)を形成させてカルバメート基に転換できる。 この反応は、公知のように好ましくは触媒の存在下で生起する。 ヒドロキシル基はまた、ホスゲンおよび引き続くアンモニアとの反応で第一カルバメート基(一つまたは複数)を有する化合物を形成させ、またはヒドロキシルをホスゲンおよび引き続く第一アミンと反応させて第二カルバメート基を有する化合物を形成させることができる。 他の方法はイソシアネートをヒドロキシアルキルカルバメート等の化合物と反応させてカルバメートキヤップドイソシアネート誘導体を形成させることである。 例えば、トルエンジイソシアネート上の1つのイソシアネート基はヒドロキシプロピルカルバメートと反応させ、次いで他のイソシアネートを過剰のポリオールと反応させてヒドロキシカルバメートを形成させることができる。 最後に、カルバメートは、ヒドロキシル基をアルキルカルバメート(例えば、メチルカルバメート、エチルカルバメート、ブチルカルバメート)と反応させるエステル交換反応により第一カルバメート基含有化合物を形成させることにより調製できる。 この反応は加熱下、好ましくは例えばジブチル錫ジラウレート等の有機金属触媒の存在下で実施するのが好ましい。 カルバメート調製の他の方法は公知であり、例えばアダムスら(P.Adams & F.Baron)の「カルバミン酸のエステル類」と題してケミカル・レビユー(Chemical Review)、65巻(1965)に記載がある。


    【0022】


    オキサゾリドン等の基も上記ラクトンとの開環反応後に尿素に転換できる。 例えば、ヒドロキシエチルオキサゾリドンはラクトンとの開環反応の開始用に使用でき、次いでオキサゾリドンとアンモニアもしくは第一アミンとの反応により尿素官能基を形成させる。


    【0023】


    アミノ基またはイソシアネート基等の他の基も尿素基へと転換できる。 しかし、もしこれらの基が化合物上に存在し、ラクトンとの開環反応後に尿素に転換しなければならない場合には、これらの基をブロックしてラクトンと反応させないか、またはラトクトンの開環に関与する活性水素基と反応させないようにする必要がある。 これらの基のブロッキングが可能でない場合には、カルバメートまたは尿素への転換は、ラクトン開環反応に先立って完結しておく必要がある。 アミノ基は、モノイソシアネート(例えばメチルイソシアネート)との反応により第二尿素基を、またはシアン酸との反応により第一尿素基を形成させることにより尿素基へ転換できる。 シアン酸は尿素の熱分解によりその場で形成できる。 公知にように上記反応は触媒の存在下で行うのが好ましい。 アミノ基も、ホスゲンおよび次いでアンモニウムと反応させて第一尿素基を有する化合物を、またはアミノ基をホスゲンおよび次いで第一アミンと反応させて第二尿素基を有する化合物を形成させることができる。 他の経路はイソシアネートをヒドロキシ尿素化合物と反応させて尿素キヤップドイソシアネート誘導体を形成させる反応である。 例えばトルエンジイソシアネート上の1つのイソシアネート基はヒドロキシエチルエチレン尿素と反応させ、次いで他のイソシアネート基を過剰のポリオールと反応させてヒドロキシカルバメートを形成させることができる。


    【0024】


    カルバメートに転換できる基および活性水素基を有する化合物の好ましい一つのクラスはヒドロキシアルキル環状カーボネートである。 ヒドロキシアルキル環状カーボネートの合成方法は多数ある。 3−ヒドロキシプロピルカーボネート(すなわちグリセリンカーボネート)等のある種のヒドロキシアルキル環状カーボネートは市販品されている。 環状カーボネートは種々異なった経路で合成できる。 1つの経路は、エポキシ基含有化合物をCO

    と上記のような条件および触媒の存在下で反応させる方法が包含される。 かかる触媒の存在下でエポキシドもβ−ブチロラクトンと反応させることができる。 他の経路は、グリセリン等のグリコールを少なくとも80℃でジエチルカーボネートと触媒(例えばカリウムカーボネート)の存在下で反応させてヒドロキシアルキルカーボネートを形成させる反応である。 別法として、次の構造:


    【0025】


    【化1】


    を有する1,2−ジオールのケタールを含む官能性化合物を水、好ましくは痕跡量の酸を用いて開環して1,2−グリコールを形成させ、これをさらにジエチルカーボネートと反応させて環状カーボネトを形成させることができる。


    【0026】


    環状カーボネートは典型的に5ないし6員環を有することは公知である。 合成の容易さおよび市販品があるとの理由で5員環が好ましい。 6員環はホスゲンを1,3−プロパジオールを用いて環状カーボネートを形成させる条件下で反応させることにより合成できる。 好ましいヒドロキシアルキル環状カーボネートは次式:


    【0027】


    【化2】


    [式中、R(またはnが1超過の場合にはRの各場合)は炭素原子1ないし18、好ましくは炭素原子1ないし6、一層好ましくは炭素原子1ないし3、の直鎖もしく分岐ヒドロキシアルキル基であって、このものはヒドロキシル(それ自体は第一、第二、または第三)以外にもブロックドアミンもしくは不飽和基等の1つまたは2つ以上の他の置換基により置換されていてもよく、かつnは1もしくは2である]


    にて表される。 より好ましくは、Rは−C

    2m OH[式中、ヒドロキシルは第一もしくは第二であり、mは1ないし8]、さらに好ましくはRは−(CH

    −OH[式中、ヒドロキシルは第一でありpは1ないし2]である。


    【0028】


    活性水素で開環し得るラクトンは公知である。 これらの例中には、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ノナン酸ラクトン、γ−オクタン酸ラクトン、およびペントラクトンが包含される。 好ましい1実施態様では、上記ラクトンはε−カプロラクトンである。 また、本発明において好ましいラクトンは次式:


    【0029】


    【化3】


    [式中、nは1ないし7の正の整数、Rは1つもしくは2つ以上のH原子、またはRは炭素原子1ないし7の置換もしくは非置換アルキル基を示す]


    により特徴付けされる。


    【0030】


    上記ラクトンの開環反応は典型的には例えば80ないし150℃の昇温下で実施される。 反応体は通常は液体なので溶剤は必要ない。 しかし溶剤は反応体が液状であっても、反応に対する好条件を促進するので有用である。 極性および非極性溶剤を包含する非反応性溶剤であれば、いずれも使用可能である。 有用な溶剤の例中には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が包含される。 好ましくは触媒を存在させる。 有用な触媒の例中には、プロトン酸(例えば、オクタン酸)、「Amberlyst 15」(登録商標)(Rohm & Haas社)、および例えばオクタン酸第一錫等の錫触媒が包含される。 別法として上記反応は、上記ラクトン環と反応し得る分子上のヒドロキシル基のナトリウム塩を形成させて開始できる。


    【0031】


    もし充分量のラクトンが存在するなら、上記ラトン開環反応により分子の連鎖延長が生じる。 カルバメートもしくは尿素化合物とラクトンとの相対量の変更により連鎖延長の程度を制御できる。 ラクトン環を、ヒドロキシルもしくはアミン基で開環すると、エステルもしはアミドならびにOH基が形成される。 次いでこのOH基を、利用可能な他のラクトン環と反応させて連鎖延長させる。 活性水素開始剤化合物の量に対して、反応混合物中のラクトンの割合を変えて反応を制御する。 本発明の実施に際しては、活性水素基の当量に対する、ラクトンの当量比率は0.1:1ないし10:1が好ましく、一層好ましくは1:1ないし5:1である。 ラクトンを酸により開環すると、生成化合物は酸基を有し、これは次いでエチレンオキシドとの反応等の公知技術によりヒドロキシル基に転換できる。


    【0032】


    ヒドロキシル活性水素を有する化合物(A)(1)もヒドロキシカルボン酸と反応してカルバメート−または尿素−官能性化合物(A)を形成できる。 有用なヒドロキシカルボン酸の例中には、ジメチルヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシステアリン酸、酒石酸、乳酸、2−ヒドロキシエチル安息香酸、およびN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸が包含される。 この反応は例えば室温ないし150℃において、オクタン酸カルシウム、金属ヒドロキシド(例えば、KOH)、IもしくはII族金属(例えば、Na、Li)、金属カーボネート(例えば、K

    CO

    )(このものはクラウンエーテルとの併用で強化できる)、金属オキシド(例えば、ジブチル錫オキシド)、金属アルコシド(例えば、NaOCH

    、Al(CH

    ))、金属エステル(例えば、オクタン酸第一錫)、オクタン酸カルシウム、またはプロトン酸(例えば、硫酸)、MgCO

    、またはPh

    SbI等のエステル交換触媒の存在下、典型的エステル交換反応条件下で実施できる。 この反応はまた、R. Anandにより[Synthetic Communications,24(19)、2743−47(1994)]に記載された「Amberlyst−15」(Rohm & Haas)(商品名)等のポリマー担持触媒を用いて室温で実施でき、この開示を引例として本明細書中に含める。


    【0033】


    化合物(A)(1)と化合物(A)(2)との反応(およびカルバメートもしくは尿素への転換が可能な基の転換)では、カルバメートもしくは尿素官能価を有する化合物中の単一カーボネート基を生ずる。 ポリカーボネート連鎖延長も公知方法によっても達成できる。 例えば、上記カーボネート形成反応中にポリオールを含有させるとポリオールとCO

    、ジアルキルカーボネート、または環状カーボネートの間のエステル交換反応を経由してポリカーボネートが形成される。 充分な連鎖延長を促進するのに必要がある場合には、ポリオールおよび化合物(A)(2)からの充分なポリカーボネート連鎖延長が達成された後に、カルバメートもしくは尿素基(またはこれらに転換可能な基)およびヒドロキシル基を有する化合物(A)(1)をキヤッピング剤として導入してもよい。


    【0034】


    本発明の他の1実施態様では上記化合物(A)は、置換もしくは非置換アルキルカルバメート(例えば、メチルカルバメート、ブチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート)を複数のヒドロキシル基を有するポリカーボネートと反応させた反応生成物である。 かかるポリカーボネートポリオールは公知であり、例えば米国特許第4,024,113号明細書に記載があり、これを本発明に引用例として含める。 これらの化合物は、CO

    、ジアルキルカーボネート、ジフエニルカーボネート、ホスゲン、または環状カーボネートを過剰のポリオールと上記の方法および触媒を用いてエステル交換させて調製できる。 有用なポリオールの例中には、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ビスフエノールA、BASF社(BASF Corporation)から「Pluronic」ポリオールとして市販されるポリエーテルポリオール、1,2−ヘキサンジオール等が包含される。 一層大きな官能価を有する有用なポリオールの例中には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、アクリル酸ポリオール等が包含される。


    【0035】


    カルバメート化合物とポリカーボネートポリオールとのエステル交換反応は触媒を使用すべきである。 かかる触媒は公知であり、有機金属錯体が好ましい。 好ましい触媒の例中には、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシド等の錫錯化物が包含される。 アルミニウム錯化物(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、亜鉛錯化物、チタネート、または酸触媒(例えば、オクタン酸)等の他の触媒もまた使用できる。 上記触媒および/または反応条件は、(A)(1)化合物中に存在するエステルもしくはカーボネート基との相互反応を最小限に抑制するのに必要である。


    【0036】


    さらに他の1実施態様では、上記化合物(A)は、ポリオールおよびCO

    源(例えば、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、CO

    )またはホスゲンが関与する上記標準エステル交換反応により形成でき、この場合のポリオール中には、ペンダントカルバメート基もしくはペンダント尿素基を有するジオールが包含される。 ペンダントカルバメート基を有するジオールは、アンモニアもしくは第一アミンによるヒドロキシアルキル置換環状カーボネートの公知開環反応で形成できる。 ペンダント尿素基を有するジオールは、アンモニアもしくは第一アミンによるヒドロキシアルキル置換オキサゾリドンの公知開環反応で形成できる。


    【0037】


    本発明の組成物はカルバメート−または尿素−官能性化合物(A)を、成分(A)上のカルバメート官能または尿素官能基と反応する複数の官能基を有する化合物である成分(B)と反応させることにより硬化し得る。 かかる反応性基の例中には、アミノプラスト架橋剤上またはフエノール/ホルムアルデヒド付加物、シロキサンもしくはシラン基、および酸無水物基等の他の化合物上の活性メチロール基またはメチルアルコキシ基が包含される。 化合物(B)の例中には、メラミンホルムアルデヒド樹脂(単量体状もしくは重合体状メラミン樹脂および部分もしくは完全アルキル化メラミン樹脂を包含する)、尿素樹脂(例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂等のメチロール尿素、ブチル化尿素ホルムアルデヒド樹脂等のアルコキシ尿素)、N−メチロールアクリルアミドエマルジョン、イソブトキシメチルアクリルアミドエマルジョン、ポリ酸無水物(例えば、ポリこはく酸無水物)、およびシロキサンもしくはシラン(例えば、ジメチルジメトキシシラン)が包含される。 メラミンホルムアルデヒド樹脂または尿素ホムアルデヒド樹脂等のアミノプラスト樹脂が特に好ましい。 アミノ窒素の1つまたは2つ以上がカルバメート基で置換されたアミノプラスト樹脂もまた、米国特許第5,300,328号明細書に記載のように、硬化温度が150℃以下の方法に好ましく使用される。


    【0038】


    本発明の実施に際して用いる塗料組成物中には任意に溶剤を利用できる。 本発明の塗料組成物は、特に成分(A)の連鎖延長の程度を制約したい場合には、溶剤なしでも塗装できる。 しかし多くの場合、塗料組成物中に溶剤を使用することが望ましい。 この溶剤は、カルバメート−または尿素−官能性化合物(A)および成分(B)の両方に関して溶剤として作用すべきである。 一般に、溶剤としては成分(A)および(B)の溶解特性に応じて有機溶剤および/または水のいずれも使用できる。 好ましい1実施態様における上記溶剤は極性有機溶剤である。 一層好ましくは極性脂肪族溶剤または極性芳香族溶剤である。 さらに一層好ましい溶剤として、ケトン、エステル、アセテート、非プロトン性アミド、非プロトン性スルホキシド、または非プロトン性アミンが挙げられる。 有用な溶剤の例中には、メチルエルケトン、メチルイソブチルケトン、アミルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル−アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン、または芳香族炭化水素混合物が包含される。 他の1実施態様における上記溶剤は、水または水と補助溶剤との混合物である。


    【0039】


    本発明の実施に用いる塗料組成物中には、硬化反応を増強させるための触媒を含有してもよい。 例えばアミノプラスト化合物特に単量体状メラミンを成分(B)として使用する場合は、強酸触媒を用いて硬化反応を強化させる。 かかる触媒は公知であり、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フエニル酸ホスフエート、モノブチルマレエート、ブチルホスフエート、およびヒドロキシホスフエートエステルが挙げられる。 本発明の組成物に使用して有用な他の触媒中には、ルイス酸、亜鉛塩、および錫塩が包含される。


    【0040】


    本発明の塗料組成物に使用する溶剤は約0.01ないし約99重量%の範囲で使用できるが、好ましい使用量は30重量%以下、一層好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。 この塗料組成物のVOC(ASTMD3960に準拠するVOCとして)は3.0lbs/ガロン以下が好ましく、一層好ましくは2.0lbs/ガロン、最も好ましくは1.0lbs/ガロンである。


    【0041】


    この塗料組成物は多数公知のいずれの手法を用いても物品上に塗装できる。 これらの例中には、スプレー塗装、浸漬塗装、ロール塗り、流し塗り等が包含される。 自動車ボデイパネルに対してはスプレー塗装が好ましい。 本発明の塗料組成物を使用して得られる1利点としては高度の柔軟性を有する塗膜が調製できる点にある。 したがって好ましい1実施態様における塗装基質は、プラスチック、皮革、または織布基質等の柔軟性基質である。


    【0042】


    上記塗料組成物中には、追加の添加剤、例えば界面活性剤、フイラー、安定剤、湿潤剤、分散剤、接着促進剤、UV吸収剤、HALS等のいずれも添加できる。 これらの添加剤は公知であり、使用量は塗料特性に逆効果を与えないように制御しなければならない。


    【0043】


    好ましい1実施態様では、本発明の組成物を高光沢(ハイグロス)塗料中に、および/または複合カラー・プラス・クリヤ塗料のクリヤコート(透明塗料)として使用する。 ここに記載のハイグロス塗膜とは、20度グロス(ASTMD 523−89準拠)またはDOI(ASTM E430−91準拠)が少なくとも80を示す塗膜である。 他の好ましい1実施態様では、上記塗料組成物をハイグロスまたはロウグロスプライマーまたはエナメル塗料の調製用に利用する。


    【0044】


    本発明の塗料組成物を顔料入りハイグロスペイント塗料として使用する場合の顔料としては、有機もしくは無機化合物または着色材料、フイラー、金属もしくは他の無機フレーク材料、例えばマイカもしくはアルミニウムフレーク、および業界でピグメントと呼称する他の材料が使用される。 顔料の使用量は通常成分(A)および(B)の全重量%(溶剤は除く)基準で2ないし350%(すなわち、P:B比が0.02ないし3.5)である。


    【0045】


    本発明の塗料組成物を複合カラ−・プラス・クリヤ塗膜のクリヤコートに使用する場合、顔料入りベースコート(下塗り)組成物は公知のいずれのタイプでもよく、ここでは詳細は記載しない。 ベースコート組成物に有用な公知ポリマーとしては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキッド、およびシロキサンが挙げられる。 好ましいポリマーの例中には、アクリル樹脂およびポリウレタンが包含される。 本発明の好ましい1実施態様において、上記ベースコート組成物もカルバメート官能アクリルポリマーを利用する。 ベースコートポリマーは架橋可能であることが好ましく、したがって1種もしくは2種以上のタイプの架橋性基を含んでいる。 かかる基の例としては、ヒドロキシ、イソシアネート、アミン、エポキシ、アクリレート、ビニル、シラン、およびアセトアセテート基が挙げられる。 これらの基はマスクもしくはブロックすることができ、一般に高温からなる所望硬化条件下ではブロックが解除されて、これらの基が架橋反応用に提供される。


    【0046】


    有用な架橋性官能基の例としては、ヒドロキシ、エポキシ、酸、酸無水物、シラン、およびアセトアセテート基が挙げられる。 好ましい架橋性基の例中には、ヒドロキシ官能基およびアミノ官能基が包含される。


    【0047】


    ベースコートポリマーは自己架橋性でもよく、またはポリマーの官能基と反応する別途の架橋剤を必要としても差し支えない。 このポリマーがヒドロキシ官能基を含む場合の架橋剤としては、例えばアミノプラスト樹脂、イソシアネートおよびブロックドイソシアネート(イソシアヌレートも包含)、ならびに酸または酸無水物官能架橋剤があげられる。


    【0048】


    ここに記載の塗料組成物は、塗膜を硬化させるような条件下に処するのが好ましい。 各種の硬化法が使用できるが、熱硬化が好ましい。 一般的に熱硬化は放射加熱源に主として由来する高温に物品を曝すと有効である。 硬化温度は架橋剤中に用いた特定ブロッキング剤の種類により変動するが、一般には93℃ないし177℃の間である。 本発明の塗料組成物は比較的低い硬化温度でも硬化する。 したがって、好ましい1実施態様では、ブロックド酸触媒系の場合、硬化温度は150℃、好ましくは115℃と138℃との間である。 非ブロックド酸触媒系の場合、好ましい硬化温度は82℃と99℃との間である。 硬化時間は、使用する特定成分、および塗膜の厚さ等の物理的パラメーターにより変わるが、典型的ブロックド酸触媒系の場合で、15分ないし60分、好ましくは15分ないし25分、非ブロックド酸触媒系の場合で10分ないし20分である。


    【0049】


    【実施例】


    以下の諸例は、本発明をさらに詳細に説明するものである。


    調製例1


    三ッ口丸底フラスコ(1L)に撹拌機、凝縮器、熱電対、および窒素ラインを装備し、このフラスコ中に、ヒドロキシプロピルカルバメート59.5部、ε−カプロラクトン171.2部、キシレン98.9部、およびオクタン第一錫0.4部を窒素雰囲気下で添加し、この混合物を130℃に10時間加熱した。 この時点でオクタン第一錫0.2部を追加した。 この混合物を145℃に1時間加熱し、次いで冷却した。


    調製例2


    三ッ口丸底フラスコ(1L)のセンターネックに撹拌機、凝縮器、熱電対を、他の1ネックに窒素ラインを、第3ネックにドライアイス/イソプロパノール混合物で揮発物を凝縮・捕集するためのトラップを具備させた。 このフラスコ中に調製例1で得た生成物125.0部、ジエチルカーボネート11.2部、およびジブチル錫ジメトキシド4.0部を窒素雰囲気下で仕込んだ。 約100℃を維持するように3時間加熱し、この間、揮発物をトラップ中に捕集した。 トラップ中に蒸留した回収エタノールおよびジエチルカーボネートをガスクロマトグラフでモニターした。 フラスコ中には定期的にジエチルカーボネートを添加しトラップへのロスを補給した。 この混合物を、さらに10.5時間90℃ないし132℃で加熱し、引き続いて回収エタノールをモニターし、必要に応じてジエチルカーボネートを補給した。 生成樹脂を、アミルアセテート29.8部で希釈した。


    例1


    調製例2の生成物10部、「Resimene 747」(商品名)2部、「Solvesso Aromatic 100」溶剤混合物1.8部、およびドデシルベンゼンスルホン酸0.48部を混合することによりクリヤコートを調製した。 均一になったら、この混合物をガラス板上に引き伸ばし、121℃で30分間硬化させた。 堅く、柔軟で、耐溶剤性の塗膜が得られた。


    【0050】


    以上、本発明を好ましい実施態様に従って説明したが、本発明の精神および範囲以内で種々の修正、修飾がなし得ることは自明であろう。

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