Acid corrosion-resistant automotive topcoat

申请号 JP50004296 申请日 1995-05-10 公开(公告)号 JP3357372B2 公开(公告)日 2002-12-16
申请人 ジェイ. ブランク,ウェルナー; 发明人 ジェイ. ブランク,ウェルナー;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】ポリマーであって、式: D n {[P(B) y A z } 式中、DはOH基、C 4ないしC 20の非環状脂肪族酸無水物またはC 4ないしC 20の環状脂肪族酸無水物またはC 8の芳香族酸無水物とOH基との反応によって得られるカルボキシアルキルエステルまたはカルボキシルアリールエステル、あるいはOH基と前記カルボキシアルキルエステルまたは前記カルボキシアリールエステルの組み合わせであり; nは、少なくとも2、好ましくは2ないし10であり; Pは、C 2 〜C 10脂肪族部分またはC 3 〜C 10環状脂肪族部分であり、およびジオールまたはポリオールから誘導され; Bは、ジ官能性またはトリ官能性の脂肪族または環状脂肪族のウレタン部分および/またはウレア部分で以下の構造を有し、およびポリヒドロキシアルキルカルバメートとの反応から誘導され: (式中R 1はC 2ないしC 18である); Aは、 (式中、R 2はアミンと環状カーボネートの反応生成物から誘導されたC 6ないしC 18脂肪族直鎖または分枝アルキル基である) あるいは−(CH 23 O−R 3 (式中R 2はエーテルアミンから誘導されたC 6ないしC 18脂肪族直鎖または分枝アルキル基である)として定義され、および必要に応じて少なくとも上記エーテルアミンの一部は、以下の式で定義されるA′によって置換されてもよく、 (式中、R 2は、アミンと環状カルバメートとの反応生成物から誘導されたC 6ないしC 18の脂肪族直鎖もしくは分枝アルキル基、またはアミンと環状カーボネートとの反応生成物から誘導されたC 6ないしC 18の脂肪族直鎖もしくは分枝アルキル基、またはアミンから誘導されたC 6ないしC 18の脂肪族直鎖もしくは分枝アルキル基である); xは、平均して1ないし10であり;yは、平均して0ないし10であり;ただし、x、y、およびzの合計は、500
    から5,000の間の分子量を与えることを条件とし;zは、
    平均して1ないし10である ことを特徴とするポリマー。
  • 【請求項2】nは、少なくとも3であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  • 【請求項3】前記ポリマーは、500から5,000までの分子量を有することを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  • 【請求項4】前記ポリマーは、800から3,000までの分子量を有することを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  • 【請求項5】前記ポリマーは、1,000から2,000までの分子量を有することを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  • 【請求項6】前記ポリマーは、0.5ないし1.5MEQ/(ポリマーのg数)のカルボキシル含有率を有することを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  • 【請求項7】ポリウレタンポリマーであって、500から
    5,000までの平均分子量を持ち、 (1)分子あたり少なくとも一つの疎水性側鎖を持つ少なくとも一つのポリオールであって、前記疎水性側鎖が1つの鎖あたり一つのエーテル基を含むポリオール; (2)直鎖脂肪族または環状脂肪族ジアミンのビス(β
    −ヒドロキシアルキルカルバメート)、または一つの鎖あたり一つのエーテル基を含有するC 6 〜C 30のモノアミンのモノヒドロキシアルキルカルバメート;および (3)それの完全にアルキル化されたヘキサメチロールメラミンオリゴマーまたはメチル化/ブチル化樹脂 から、強スルホン化触媒存在下で合成されることを特徴とするポリウレタンポリマー。
  • 【請求項8】前記ポリオールは、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、グリセリン、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項7に記載のポリウレタンポリマー。
  • 【請求項9】ポリウレタンポリオールポリマーを合成する方法であって、 ジオールまたは少なくとも一つのポリオールを、脂肪族または環状脂肪族アミンのポリ(ヒドロキシアルキルカルバメート)、またはアルコキシプロピルアミンのモノヒドロキシアルキルカルバメート、またはアルコキシプロピルアミンと反応させてポリウレタンポリオールを形成する工程であって、ただし、前記ポリウレタンポリオールを合成するのにアルコキシプロピルアミンが用いられる場合、少なくとも一つのポリオールが存在することを条件とする工程と、 前記ポリウレタンポリオールおよびメラミン架橋剤を、
    触媒を用いて反応させて、平均分子量が500から5,000のポリウレタンポリオールポリマーを形成する工程と を含み、ここで前記ジオールまたは少なくとも一つのポリオールは、1つの鎖あたり一つのエーテル基を含む疎水性側鎖を、平均して1分子あたり少なくとも一つ含有することを特徴とする方法。
  • 【請求項10】前記触媒は、p−トルエンスルホン酸またはドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸またはこれらの酸のアミン塩から選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  • 【請求項11】ポリオールを反応させること、および前記ポリオールはトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、グリセリン、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  • 【請求項12】ポリウレタンポリオールを合成するための方法であって、 十分な温度および圧力下において、アミン含有量が0.15
    ミリ当量/g(MEQ)未満に低下するまで、C 6 〜C 10のn−
    アルコキシプロピルアミンの混合物を、プロピレンカーボネートと反応させて、モノカルバメートを合成する工程と、 このようにして形成されたモノカルバメートを、高温においてポリオールと反応させて、反応混合物を形成する工程と、 2−メチル−1,5−ペンタンジアミンのビス−ヒドロキシプロピルカルバメートを該反応混合物と反応させて、
    主鎖内のエーテル基を持つアルキル側鎖を有するポリウレタンポリオールを形成する工程と を含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項13】ポリウレタンポリオールポリマーであって、 (1)1つの鎖あたり一つのエーテル基を含む疎水性側鎖を、1分子あたり少なくとも1つ有するジオールまたは少なくとも一つのポリオール;または (2)脂肪族または環状脂肪族アミンのポリ(ヒドロキシアルキルカルバメート);またはアルコキシプロピルアミンのモノヒドロキシアルキルカルバメート、またはアルコキシプロピルアミン、ただし、前記ポリウレタンポリオールを合成するのにアルコキシプロピルアミンが用いられる場合、少なくとも一つのポリオールが存在することを条件とする; (3)メラミン架橋剤;および (4)平均分子量が500ないし5,000を有し、かつポリウレタンポリマー由来のスルホン酸触媒 の反応により合成され、ここで、前記ジオールまたは少なくとも一つのポリオールは、鎖あたり一つのエーテル基を含む疎水性側鎖を、平均して1分子あたり少なくとも1つの含有することを特徴とするポリウレタンポリオールポリマー。
  • 【請求項14】前記に用いられるポリオールは、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、グリセリン、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載のポリウレタンポリオールポリマー。
  • 【請求項15】ポリウレタンポリオールポリマーを合成するための方法であって、 ジオールまたは少なくとも一つのポリオールを、脂肪族または環状脂肪族アミンのポリ(ヒドロキシアルキルカルバメート)、およびアルコキシプロピルアミンのモノヒドロキシアルキルカルバメートまたはアルコキシプロピルアミンと反応させてポリウレタンポリオールを形成する工程を含み、ここで、前記少なくとも一つのポリオールは、鎖あたり一つのエーテル基を含む疎水性側鎖を、平均して分子あたり少なくとも一つ含有することを特徴とするポリウレタンポリオールの合成方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 本発明の分野 本発明は、優れた酸腐蝕抵抗性と外部耐久性とを持ち、かつ自動車用クリアコートまたは単層被膜として用いることが可能な化学的抵抗性高分子に関する。 特に、
    本発明は、改善された耐腐蝕抵抗性を持つ高分子塗料を提供するメラミン架橋されているポリウレタンに関する。

    発明の背景 多くの産業において、高分子材料が塗料用物質として使われている。 例えば、自動車産業では高分子被膜(例:単層被膜(single coats)またはクリアコート(clear coats))を用いて、環境上の酸に抵抗する性質を自動車製品に付与している。 もっとも要求の厳しい塗料の用途の一つとして自動車用仕上塗料(トップコート)がある。 トップコートは、美しくかつ長期間にわたって継続する外観を提供し、および湿気、紫外線、および温度の影響下であっても光沢を維持しなければならない。 さらに、雨の酸性のため、自動車用塗料は酸腐蝕抵抗性を呈するものでなければならない。

    環境汚染を避けるとともに、安全性を改善するために、揮発性有機溶媒含量(VOC)が少なく、かつ高い固形分含量(HSC)の自動車用クリアコートが開発されている。 HSC塗料は、主としてアクリルポリマーを基盤とする。 過去10年以上にわたって、高固形分含量と低VOC
    を達成するために、アクリルポリマーの分子量が低くされてきており、そしてその低分子量のアクリル樹脂は、
    アミノホルムアルデヒド樹脂を用いて架橋されている。
    アクリルポリマーの分子量を低下させるにつれて、許容される特性を達成するのに高濃度のメラミン架橋剤が必要となる。

    例えば、自動車用塗料に従来用いられてきた低固形分アクリルポリマーは、20〜25%のメラミン樹脂を含有した。 メラミン樹脂がこのような濃度である場合、塗料の酸腐蝕抵抗性は許容できるものとなる。 しかし、高固形分塗料の場合、低分子量樹脂における十分な架橋を達成し、また溶媒耐性、および外部耐久性を与えるために、
    30〜45%のメラミン樹脂濃度が必要である。 分子量(M
    W)が100,000の高分子量アクリルポリマーの場合、架橋剤の必要性なしに機械的特性の優れた膜を形成できる。
    したがって、ポリマーの分子量が低い場合、連鎖延長剤、すなわち架橋剤を加えてポリマー鎖を延ばす必要がある。

    ポリマーの分子量が減少するときに、さらに面倒な問題が生じる。 例えば、フリーラジカル重合によって合成されるアクリルポリマーは、ランダムな分子量の分布を有する。 平均分子量が2,000のポリマーでは、高分子量の部分と低分子量の部分とができる。 低分子量の部分が重要である。 モノマー単位の一部のみに、鎖延長のためのヒドロキシル基のような官能基が含まれることが知られている。 モノマー単位の20%が官能性でかつメラミン樹脂に対して反応性を示し、およびポリマー鎖が5つのモノマー単位を含有するに過ぎない場合、平均して一つの鎖に1つの官能基のみがあることになる。 また、ある割合のポリマーは、官能基を含まないと思われる。 官能基を有しないポリマー鎖は、結果として生じる外部耐久性の低下を伴って柔軟になることが実験によって明らかにされている。 したがって、高固形分アクリルポリマー中の低分子量ポリマー鎖上の十分な官能基の存剤を保証するために、官能性モノマーの含有量を増加させる必要がある。 官能性モノマーの含有量のこの増加の結果として、架橋剤の含有量も同様に増加させなければならない。

    しかし、メラミン架橋剤の濃度が高いと、ポリマーの酸腐蝕抵抗性が減少するという知見が得られている。 メラミン樹脂架橋塗料に関して実施される酸腐蝕の試験は、酸腐蝕低抗性とメラミン樹脂含有量との間に明らかな相関係を示す。 また、メラミン樹脂とアクリルポリマーとの間のエーテル結合は、酸性によって触媒され、したがって酸性条件下で加分解されることが知られている。 それとは対照的に、炭素一炭素結合からなるアクリル主鎖それ自体は、酸の攻撃に対してより耐性が高い。

    現在使われているHSC自動車用塗料は、約2,000〜5,00
    0の分子量および150ないし200のヒドロキシル価を有するヒドロキシル官能基を有するアクリルポリマーを利用する。 そのような高固形分含有アクリルポリマーは商業的に入手可能である。 例えば、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)社のアクリロイドQR1120(Acryloid
    QR−1120)、またはデュポン(Dupont)社のエルベロン
    100(Elveron 100)が市販されている。 メラミン架橋剤は、一般に、ヘキサキスメトキシメチルメラミン(HMM
    M)のように完全にアルキル化されたヘキサメチロールメラミン樹脂、そのオリゴマー、またはメチル化/ブチル化樹脂のような混合エーテルメラミン樹脂である。

    典型的な混合エーテルメラミン樹脂の組成は、米国特許第4,374,164号に記載されている。 また、メラミン樹脂の化学および反応性については以下の文献に記載されている。 WJBlank,“Reaction Mechanism of Amino Re
    sins",J.Coat.Techn.,Vol.51,No.6567,pp.61−70,Sept.
    1979;N.Albrecht and WJBlank,“The Use of Triazin
    e Resins in High Solids Coatings",Proceedings of t
    he Sixth International Conference in Organic Coati
    ngs and Technology,Athens,Greece,1980;WJBlank,
    “Amino Resins in High Solids Coatings",J.Coat.Tec
    hn.,Vol.54;No.687;pp.26−41。 自動車用塗料の酸腐蝕については、シュルツらの文献(Alrich Sohulz & Pet
    er Trubiroha,“Simulated acid precipitations,Advan
    ces in the weathering of automotive finishes",Euro
    pcoat 9/1993,pp.600−602)に記載されている。 ヒドロキシル官能基を有するアクリルポリマーおよびHMMMから調製される配合物は、p−トルエンスルホン酸またはドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸またはこれらの酸のアミン塩等の強スルホン酸触媒による触媒作用を受ける。

    従来技術の低分子量のアクリル/架橋メラミン塗料は、酸性雨による影響を受けやすいという知見が得られている。 その結果、工業的環境下で見いだされる酸性雨のような典型的な産業条件にさらされる表面にHSC塗料を塗布した場合、HSC塗料表面は、酸によって腐蝕する。 酸性雨は、光沢が失われた艶の無い表面もたらす、
    わずかに塩基性のメラミン樹脂が滲出すること、そして最終的にくぼみができることをもたらす。

    上記問題点を回避する試みにおいて、アクリル/イソシアネート2成分塗料が開発されてきている。 しかし、
    イソシアネートの毒性およびそれら塗料の短いポットライフのために、それらの塗料は塗料産業では広く受け入れられていない。

    したがって、本発明の目的は、上記問題を回避するポリマー塗料を提供することである。 この目的は、耐酸性腐蝕性が改善された、本発明にもとづくポリウレタン・
    ポリオール・メラミン架橋ポリマーおよび塗料によって達成された。

    従来技術 本出願人は以下の文献を知っている。

    John L.Gordon,“Polyurethane Polyols:Ester−Bond
    Free Resins For High Solids Coatings",J.of Coatin
    g Technology,Vol.65,No.819,April,1993,pp.25−33;We
    rner J.Blank,“Non−Isocyanate Routes To Polyur
    ethanes",Water−Borne and Higher Solids Coatin
    gs Symosium,February 21−23,1990,New Orleans,LA.;
    および米国特許第5,134,205号、第4,820,830号。

    発明の要約 本発明は、ポリウレタンポリオールから調製される改善された耐酸腐蝕性塗料を提供する。 その塗料は、慣用の溶媒、例えば無色の炭化水素、ケトン、エステル、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、およびアルコールに可溶である。 そのような溶媒の例としては、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチルアセテート、ブチルアセテート、2−メトキシプロパノール、2−メトオキシプロピルアセテートが挙げられる。

    本発明のポリウレタンポリオールは、普通ではなくかつ高価な溶媒、例えばメチルピロリジノン、ジメチルホルアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシドを必要としない。 加えて、本発明のポリウレタンポリオールは、幅広い範囲のメラミンホルムアルデヒド樹脂に対して広範囲の相溶性を示す。 このようなメラミンホルムアルデヒド樹脂としては、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、部分的にアルキル化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂、ブチル化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキル化グリコールウリルホルムアルデヒド樹脂、および大部分のアミノホルムアルデヒド樹脂である。 それらの特性および費用の優れた組み合わせのために、メラミンホルムアルデヒドが好ましい。

    本発明の目的は、500ないし5,000の平均分子量を有し、および一つの鎖あたり一つのエーテル基を含む少なくとも一つの疎水性の側鎖を持つ少なくとも一つのモノマーから合成されるポリウレタンポリマーを提供することである。

    本発明の別の目的は、耐酸腐蝕性が改善された塗料を提供するためのポリウレタンポリオールポリマーを合成するための方法を提供することである。 この方法は、ジオールまたは少なくとも一つのポリオールを、脂肪族または環状脂肪族アミンのポリ(ヒドロキシアルキルカルバメート)およびアルコキシプロピルアミンのモノヒドロキシアルキルカルバメートまたはアルコキシプロピルアミンと反応させて、ポリウレタンポリオールを合成することと、該ポリウレタンポリオールとメラミン架橋剤とを触媒を用いて反応させて改善された耐酸腐蝕性塗料を形成することとによる。

    本発明の別の目的は、疎水性側鎖中にエーテル基を持つポリオールを用いることにより、ポリウレタンポリマーの酸腐蝕抵抗性を改善することである。

    本発明のさらに別の目的は、これらのポリオールを酸無水物と反応させて、該無水物のハーフエステルを作り、続いて該ハーフエステルをアミン等の揮発性塩基存在下で水に分散することによって、上記ポリウレタンポリオールに対して水分散性を付与することである。

    本発明の概念をより一層安全に理解するために、以下の図面および実施例にを示す。 それらにおいて、特に記載しないかぎり、すべての部は重量部である。 また、以下の実施例はただ単に説明のためのものであって、および特許請求の範囲に示された範囲内を除いて、全ての具体的数値は、本発明の限定として解釈すべきではない。

    図面の簡単な説明 図1は、トリメチロールプロパン(TMP)を、エーテルアミンと環状カーボネートとの反応生成物と反応させて得られた生成物を示す。

    図2はエーテルアミン、プロピレンカルバメート、トリメチロールプロパン、およびウレタンジオールから形成されるモノマー単位の型を示す。

    図3は、図2のモノマーから形成されるポリマーの一般式を示す。

    好ましい実施態様の詳細な説明 本発明は、ポリウレタンポリオール類から合成される塗料を含み、それはキシレンのような慣用の溶媒に可溶であり、および相当に改善された酸腐蝕抵抗性を有する。 その酸腐蝕抵抗性が改善されたポリマーを、鋼または電着された鋼のような金属性基板または下塗された基板に対して、塗料として塗布して、酸性雨および/または苛酷な環境により艶が無くなることおよびくぼみができることに抵抗し、高い光沢を有する輝く表面を提供することができる。

    当該技術において知られている慣用のウレタンポリマーは、ポリエステルウレタンまたはポリエーテルウレタンである。 それらのポリマーは、通常は以下のようにして合成される。 すなわち、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールをジイソシアネートと反応させるか、あるいはカーボネートとジアミンとを縮合させ、引き続いてジカルバメートをジオールと縮合させるイソシアネートを用いない反応による。 以下の文献を参照せよ。 WJBlank,Preprint,Water−Borne and High
    er Solids Coatings Non−Isocyanate Routes to
    Polvurethanes.Symposium at University of Sou
    thern Mississippi(Feb.1990). これらのウレタン塗料は優れた柔軟性と耐摩耗性とを有するが、しかし、エステル基を酸加水分解に対してより抵抗性の高いウレタン基に置き換えたにも関わらず、
    それらは酸腐蝕抵抗性における改善を提供しない。 さらに、ウレタン基のみを含むポリマーは、キシレンおよびトルエンのような慣用の低極性溶媒に対する劣悪な溶解性を有することが知られている。 この劣悪な溶解性が、
    それらのウレタンポリマーを自動車用塗料として許容できないものにしている。

    また、アルキド樹脂合成から、長油アルキド類は短油アルキド類またはポリエステル樹脂と比べて改善された溶解性を呈することが知られている。 長油アルキドまたは短油アルキドとは、ポリマー中の脂肪酸の量(重量)
    を指示する。 アルキドにおいて用いられる脂肪酸は、一般に、12ないし18の鎖の長さを有する。 短油アルキドは、約30ないし50%の脂肪酸含有量を有し、および長油アルキドは60ないし75%の脂肪酸含有量を有する。 自動車産業で一般に用いられる溶媒に対するポリウレタン樹脂の溶解性を改善するための試みがなされてきている。
    しかし、高温におけるキシレンに対する溶解性が改善されても、得られた溶液は、濁りを帯び、ゲル状になり、
    最終的に室温において結晶化する。 したがって、長いアルキル側鎖を導入することは、自動車用塗料としては許容されない原料をもたらす。 したがって、そのようなポリウレタン樹脂の商業的利用は、かなり限定される。

    予想外にも、ポリウレタンポリオールに導入された長アルキル側鎖中のエーテル基の存在が、濁りの発生、ゲル化、および結晶化のようなこれらの問題点を克服することが見いだされた。 それは、疎水性溶媒における優れた溶解性を持つポリウレタンポリオールをさらに提供する。 さらに、そのようなポリウレタンポリオール樹脂から形成されたフィルムは、優れた酸腐蝕抵抗性を有する。

    本発明にもとづくポリマーは、以下の式によって定義される。

    D N {[P(B) y A z } 式中、DはOH基、またはC 4ないしC 20の非環式脂肪族酸無水物、C 4ないしC 20の環状脂肪族酸無水物、またはC
    8の芳香族酸無水物とのOH基の反応によって得られるカルボキシルアルキルエステルまたはカルボキシアリールエステル、またはOH基と上記カルボキシルアルキルエステルまたはカルボキシアリールエステル基との組み合わせであり; nは、少なくとも2であり、好ましくは3またはそれ以上であり、10の最大平均を有し; PはC 2 〜C 10脂肪族またはC 3 〜C 10環状脂肪族部分であり、およびジオールまたはポリオールから誘導され; Bは、

    (式中、R

    1はC

    2ないしC

    18である)、または (式中、R

    1はC

    2ないしC

    18である)、または (式中R

    1はC

    2ないしC

    18である)の構造を有する2官能性または3官能性の脂肪族または環状脂肪族ウレタンおよび/またはウレア部分であり、およびポリヒドロキシアルキルカルバメートとの反応から誘導されるであり; Aは、 (式中、R

    2はアミンと環状カーボネートとの反応生成物から誘導されるC

    6ないしC

    18脂肪族の直鎖または分枝アルキル基である)、あるいは −(CH

    2

    3 O−R

    2 (式中R

    2はエーテルアミンから誘導されたC

    6ないしC

    18


    脂肪族の直鎖または分岐アルキル基である)として定義され、および必要に応じて上記エーテルアミンの少なくとも一部を、 (式中、R

    2はアミンと環状カーボネートとの反応生成物から誘導されたC

    6ないしC

    18の脂肪族の直鎖または分枝アルキル基、またはアミンから誘導されたC

    6ないしC

    18


    の脂肪族の直鎖または分枝アルキル基である)として定義されるA'によって置換することができ;および、zは平均して少なくとも1である。

    本発明によれば、ポリウレタンポリオールは、ジオールもしくはポリオールまたは複数のポリオールの組み合わせを、(1)脂肪族アミンまたは環状脂肪族アミンのポリ(ヒドロキシアルキルカルバメート)、および/または(2)アルコキシアルキルアミンのモノヒドロキシアルキルカルバメートと反応させることによって合成される。 必要に応じて、アルコキシアルキルアミンのいくらかをアルキルアミンにより置換することができる。

    そのポリオールは、平均して一分子あたり少なくとも一つの疎水性側鎖を有する。 該側鎖の少なくとも一部分は、一鎖あたり一つのエーテル基を有する。 これらのポリウレタンの平均ヒドロキシル官能基(average hydrox
    yl functionality)は、少なくとも2、好ましくは2.5
    以上である。 前記ポリマーの分子量は、500ないし5,000
    の間であり、好ましくは800ないし3,000の間であり、および最も好ましくは1,000ないし2,000の間である。 上記ポリマーが水分散性であるべき場合、カルボキシル基含有量は0.5から約1.5MEQ/(ポリマーのg数)、好ましくは0.8ないし1.2 COOH MEQ/g(グラムあたりのミリ当量)でなければならない。 好ましくは、そのポリマーは、平均して1つの鎖あたり1つのカルボキシル基を有するべきである。

    本発明によるポリウレタンは、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、またはアルコール中に可溶である。 本発明のポリウレタンポリオール類は、本質的にエステル基を持たない。 しかし、ウレタン基に加えて、ウレア基を含有することができる。

    ポリウレタンポリオールを合成する好ましい方法は、
    直鎖脂肪族または環状脂肪族ジアミンのビス(β−ヒドロキシアルキルカルバメート)をポリオールと縮合するか、または一つの鎖あたり一つのエーテル基を含有する
    C 6 〜C 30のモノアミンのβ−ヒドロキシアルキルカルバメートをポリオールと縮合することによる。 必要に応じて、ウレア基が所望される場合、β−ヒドロキシアルキルカルバメートモノマーの一部を、遊離のジアミンまたはモノアミンで置換することができる。 本発明において用いられるβ−ヒドロキシアルキルカルバメートは、以

    下に示すように、第一級ジアミンまたはモノアミンと環状カーボネートの反応により合成することができる。

    また、前記の方法は米国特許第4,820,830号および第5,1
    34,205号に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。 本発明で用いられる環状カーボネート類は、上記の特許文献において定義されている。

    本発明において用いることができるジアミン類は、米国特許第4,820,830号および第5,134,205号に開示されているジアミンに加えて、(1)C 2ないしC 12の直鎖アルキルジアミン類、(2)C 5ないしC 15の環状脂肪族アミン類および直鎖アミン類の組み合わせである。 上記したもの以外のアミンもまた、使用することができる。 用いられる好ましいアミンは、米国特許第4,820,830号に開示された分枝鎖のアミン類である。

    本発明で用いられる他のアミンの例は、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、
    1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7
    −ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、および前記アミンの分枝鎖類似体(例えば2,
    2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン)のようなアルキルジアミン類;1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、3−
    アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3−ジメチル−4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンのような環状脂肪族アミン類;イソデシルオキシプロピルジアミノプロパン;イソヘキシルオキシプロピルアミン、インデシルオキシプロピルアミン、イソトリデシルオキシプロピルアミン、ヘキシルオキシプロピルアミン、デシルオキシプロピルアミン、トリデシルオキシプロピルアミンのようなアルコキシプロピルアミン類を含む。 ポリウレタンを水溶性あるいは水分散性にするのに用いることができる典型的な無水物は、無水コハク酸;グルタル酸無水物;無水フタル酸;ヘキサヒドロフタル酸無水物;テトラヒドロフタル酸無水物;メチルヘキサヒドロフタル酸無水物;アルキレンコハク酸無水物類(無水オクテニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−カルボン酸無水物)のような置換無水コハク酸、および無水マレイン酸である。

    本発明で用いられるモノアミンは、6から30炭素原子の間の鎖1つあたりの全炭素含量を有する直鎖または分枝の脂肪族アルコキシプロピルアミン類またはアルコキシエチルアミン類である。 好ましいものは、9ないし20
    炭素原子の間の鎖長を有するモノアミン類である。

    本発明で用いられる典型的なポリオールは、たとえば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
    ペンタエリスリトール、グリセリンを含むが、これらに限定されるものではない。

    β−ヒドロキシアルキルカルバメートとトリメチロールプロパンとの例示的な縮合反応を以下に示す。

    縮合反応は、120℃から200℃の間、好ましくは150℃


    から180℃の間で行われる。 その反応を窒素下または減圧下で行うことによって、β−ヒドロキシアルキルカルバメートとポリオールとの反応によってあるいは自己縮合によって生ずるグリコールの除去を促進する。

    β−ヒドロキシアルキルカルバメートの自己縮合またはヒドロキシル基との反応は、触媒の存在を必要とする。 適当な触媒の例は、アルカリおよびアルカリ土類の水酸化物のような強塩基;ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズアセテート、またはジアルキルスズラウリエート、亜鉛塩および鉛塩のようなエステル交換触媒である。 なお、これは適当な触媒の例示的リストに過ぎず、決して網羅的ではない。 触媒は、通常は約100ppmないし10,000ppmの濃度で存在する。 縮合反応を進行させるためには、β−ヒドロキシプロピルカルバメートとヒドロキシル基との反応によって形成されたポリピレングリコールのようなグリコールが蒸留によって、減圧によってまたは共沸溶媒の使用によってのいずれかによって、除去されることが必須である。 適当な減圧条件は、
    0〜400mmHgである。 1,2−プロピレングリコールを除去するのに適当な共沸溶媒は、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素である。 反応の終点は、ゲル・フェーズ・クロマトグラフィーによる分子量、粘度、またはヒドロキシル価を測定することによって、あるいはこれらの方法の組合せによって決定される。

    加えて、疎水性溶媒による溶解度試験を用いて、反応の程度を測定することができる。 水分散性を実現するために、ポリウレタンポリオールのヒドロキシル基の一部を、通常は溶融状態においてあるいは非プロトン性溶媒の存在下で、無水物と反応させる。 無水物とウレタンポリオールとのハーフエステルの形成を達成するために、
    50〜150℃、好ましくは80〜130℃の反応温度が用いられる。 反応時間は、30〜180分、好ましくは60〜120分の間である。 反応の過程は、酸価滴定によって追跡することができる。 この反応は、触媒が存在しなくても同様に進行するであろうが、好ましくはt−アルキルアミンまたは無機塩基による塩基性触媒作用を受ける。 得られたカルボキシルおよびヒドロキシル官能性ポリマーは、アミンを用いて部分的にあるいは完全に中和され、そして水に分散される。 水分散性を達成するために、0.5〜1.5ME
    Q/gのカルボキシル含有量が必要である。 一般に、酸耐性の最適値を確保するために、カルボキシル含有量を可能なかぎり低く抑えることが所望される。 より高い酸価は、ポリマー上のイオン電荷の増大を意味し、および改善されたポリマーの溶解性を示す。 ポリマーのヒドロキシル基の90〜95%を無水物に置換し、および本質的に完全にカルボキシル官能性ポリマーを達成することが可能である。 そのようなポリマーは、メラミン樹脂および同様にエポキシ樹脂の双方と架橋することができる。 ポリウレタンを水に分散するために、アンモニアあるいは単純な有機アミンのような塩基を用いることができる。 そのようなアミンの例としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジスメチレンエタノールアミン、ジメチルプロパノールアミン、メチルジエタノールアミンのようなt−アルキルアミン類およびアルカノールアミン類;ジイソプロパノールアミン、またはエチルアミン、
    プロピルアミン、エタノールアミン、またはプロパノールアミンのような第1級アルキルアミン類である。 これらのアミン類は、アンモニアのように室温で気体状であってもよく、あるいは250℃ほどの沸点を有することも可能である。 これらのアミンの多くは、硬化の過程で、
    部分的にあるいは完全に蒸発し、ジイソプロパノールアミンのようないくつかのアミンは、メラミン樹脂と共に反応(co−react)し、ポリマー・フィルムに取り込まれる。 加えて、ポリマーのカルボキシル基およびヒドロキシル基とメラミン樹脂の反応は、硫酸のような強酸性触媒による触媒作用を受ける。 カルボキシル基は、ポリオールとメラミン樹脂との反応を触媒する。 ヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)のような完全にアルキル化したメラミン樹脂とポリオールとの反応をカルボキシル基が触媒するためには、150℃以上の温度が必要となる。

    スルホン酸触媒は、硬化温度を80℃ほどの低さにまで低下させることができる。 用いられる典型的触媒は、当業者にとってよく知られているものである。 これら典型的な触媒は、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンモノスルホン酸、
    およびこれらの酸のアミン塩およびルイス酸性金属塩である。 触媒の濃度は、塗料の固形分に対して0.2〜3%
    である。 高濃度の酸触媒は、耐水性および耐腐蝕性を劣化させる可能性があるため、使用を避けるべきである。

    金属基板または下塗済基板に対して、塗料を直接塗布することができる。 通常、自動車用塗装では、金属は、
    最初にアルカリで洗浄され、次にリン酸鉄またはリン酸亜鉛によって前処理され、そして続いて水系下塗剤を電着される。 その被膜を高温で焼付けし、そして次に充填剤を有する下塗剤を吹き付けて、全ての金属の欠陥を覆う。 つぎに、車の色や外観を決定するベースコートを塗布する。 仕上げ塗料として、クリアコートを塗布する。
    このクリアコートは、紫外線吸収剤またはヒンダードアミン光安定剤のようなラジカル捕獲剤のような塗装の耐紫外線性を改善する添加剤もまた配合されている。 この塗料によって、紫外線、酸性雨、および環境から車を保護する。 用途に対する要求が少ない場合は、塗料を直接金属に塗布することもできる。

    耐酸腐蝕性は、自動車塗料にとって重要な問題である。 なぜなら、該塗料の高い性能が求められるからである。 工業地帯に降る雨は、4ほどの低さのpH値を有する可能性がある。 この低いpH値は、主として、硫黄含有燃料の燃焼によって生ずる硫酸および亜硫酸の結果である。 酸が非常に希釈されているにもかかわらず、このような地域では、塗装の表面で酸が濃縮され、1ほどの低さのpHに到達する可能性がある。 この酸の攻撃は、強い陽射し及び紫外線を有する区域において、車の表面温度が65℃に達する時に、特に問題となる。 酸腐蝕をシミュレートするために、数多くの複雑な実験室試験が開発されてきた。 これらの複雑な促進試験のほとんどは、実際に暴露における結果と完全には一致しない。

    異なる温度において20%硫酸を用いる単純なスポット試験が、ポリマー塗料が酸性雨に対して耐性を示すかどうかの指標を与えることを見いだした。 この酸スポット試験は、パネル上に20%硫酸を一滴置いて、そしてそのパネルを15分間にわたって50℃、60℃、または75℃に加熱することによって、実験室内で行われる。 それぞれの酸スポット試験ごとに、パネルが必要となる。 試験手順は、温度勾配付オーブン(gradient oven)を用いることによって単純化することができる。 このオーブンは、
    温度調節ができるホット・プレートに類似したものである。 温度勾配付オーブンの異なるゾーンを、50、60、および75℃に調製する。 パネル上の適当な位置に、3つの
    20%硫酸のスポットを形成する。 このパネルを15分間にわたって温度勾配付オーブンに置く。 パネルの温度は、
    熱電対によってモニタする。 暴露後、パネルを水洗いし、そしてその表面を直ちに試験した。 評価等級は以下の通りである。

    0−目視可能な腐蝕なし; 1−湿気が存在する場合のみにわずかながら目視可能な腐蝕あり; 2−溶媒不在の場合に、わずかながら表面が曇った部分が目視可能、変色なし; 3−表面が曇っているが、変色なし; 4−変色あり、表面が膨潤; 5−膜腐蝕、部分的に溶解。

    自動車用用途のほかに、高い耐薬品性を有する塗料を必要とされる他の最終用途がある。 これらは、航空宇宙用塗料、実験器具用塗料を含む。

    本願発明を、以下の非制限的実施例を参照することにより説明する。

    実施例1 アルコキシアルキルアミンからのモノβ−ヒドロキシアルキルカルバメートの合成 撹拌装置、温度制御器、および窒素ガス導入口を備えた適当な反応器に対して、216のアミンの当量を有するC
    6 〜C 10のn−アルコキシプロピルアミンの配合物216重量部(1モル)を装填した。 この反応器を窒素を用いてフラッシュし、そしてその反応器に対して112重量部(1.1モル)のプロピレンカーボネートをゆっくりと添加した。 この反応は、発熱的であり、および温度を120
    ℃より低く制御した。 3ないし5時間にわたって、あるいはアミン含有量が0.15MEQ/g未満に低下するまで、混合物を120℃に保った。 得られたモノカルバメート物質は琥珀色の粘性を有する液体であり、および25℃において142cpsの粘度を有した。

    実施例2 ポリウレタンポリオールの合成 適当な反応器に対して、実施例1のモノカルバメート
    1272重量部(約4モル)とトリメチロールプロパン1072
    重量部(8モル)とを装填し、そして窒素雰囲気下で16
    0℃に加熱した。 この溶液は、70℃で透明になった。 この時に、5重量部のメタノールに溶解した0.1重量部のK
    OH触媒を添加した。 減圧を適用し、そして約28.5インチ水銀柱で蒸留を開始した。 その温度を170℃までゆっくりと上昇させ、約317重量部の留出物(1,2−プロピレングリコール)を回収した。 反応混合物を150℃まで冷却し、そして2−メチル−1,5−ペンタンジアミンのビスヒドロキシプロピルカルバメート2550重量部を添加した。 この反応混合物を175℃までゆっくり加熱し、減圧を適用した。 得られた樹脂は、75℃において4.9ポワズのICI溶融粘度を有した。 反応を続行し、そしてさらなる538重量部の留出物を回収した。 溶融物の100℃におけるICI溶融粘度は、5.1ポワズであった。 混合物を140℃
    まで冷却し、そして75.5%の不揮発性成分含量(60分、
    110℃)および25℃における16,900cpsのブルックフィールド粘度まで、キシレンにより希釈した。 その樹脂は、
    3〜4のガードナー色数を有した。 留出物のIR分析は、
    それが主として1,2−プロピレングリコールであることを示す。

    実施例3 ポリウレタンポリオールの合成 適当な反応器に対して、実施例1のモノカルバメート
    318重量部(1.0モル)を201重量部(1.5モル)のトリメチロールプロパンとともに装填した。 この混合物を、窒素ブランケット下で170℃まで加熱した。 1重量部のメタノールに溶解した約0.1重量部の水酸化カリウムを、
    触媒として添加した。 減圧をゆっくりと適用し、約110
    部の留出物を回収した。 第2の反応段階において、そのようにして形成されたアルキルウレタン置換されたトリメチロールプロパンを、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンのビスヒドロキシプロピルカルバメート348重量部(1.05モル)と反応させた。 その反応を160〜170℃で継続した。 図1は、この反応を模式的に示す。 最大限の真空を適用し、そして179部の留出物を回収した。 その回収物は、トリメチロールプロパンの残存ヒドロキシル基に対するビスヒドロキシアルキルカルバメートの完全な反応に概略的に一致する。 反応混合物を140℃まで冷却し、そして150重量部のキシレンを投入した。 得られた樹脂は、78.6%の固形分を有し、およびキシレンに完全に可溶であった。 この樹脂の粘度は、25℃において5
    0,600cpsであった。

    実施例4 β−ヒドロキシプロピルカルバメート(エーテル置換されたアルキル側鎖を欠いている)を合成する比較例 第一級アルキルアミンをプロピレンカーボネートと反応させて、β−ヒロドキシプロピルカルバメートを形成した。 実施例1の指示に従って、185重量部(1.0モル)
    のドデシルアミンを112部のプロピレンカーボネートと反応させた。 得られたモノβ−ヒドロキシプロピルカルバメートは、0.15MEQ/gの残留アミン含有量を有し、および室温において固体であった。 融点は約40〜50℃であり、および不揮発性成分は96.6%であった。

    実施例5 ポリウレタンポリオールの合成の比較例 適当な反応器に対して、溶融状態の実施例4のβ−ヒドロキシプロピルカルバメート143重量部(0.49モル)
    を装填した。 この反応器に対して、トリメチロールプロパン134重量部(1モル)と2−メチル−1,5−ペンタンジアミンのビスヒドロキシプロピルカルバメート486重量部(0.152モル)とを投入した。 加えて、メタノールに溶解したKOH触媒0.1重量部を加えた。 反応混合物を16
    5℃に加熱し、そして減圧を適用した。 反応生成物を、
    完全に蒸留した。 反応温度を、170℃までゆっくりと上昇させた。 合計で215重量部の留出部を回収した。 樹脂溶融物を140℃に冷却し、そして150部のキシレンを添加した。 キシレンによる希釈において、最初は、樹脂はキシレンに可溶性であった。 しかし、キシレンのさらなる添加および冷却に伴い、樹脂は不溶性となった。

    実施例6 ポリウレタンポリオールを合成する比較例 実施例1のβ−ヒドロキシプロピルカルバメートを等モル量の実施例4のβ−ドロキシプロピルカルバメートと置き換えた以外は、全ての本質的詳細において実施例2を反復した。 得られた樹脂は、熱キシレン中に可溶性であった。 しかし、室温への冷却時に、結晶化がはじまった。

    実施例7 実施例3のポリウレタンポリオールを用いて、塗料配合物No.1およびNo.2を調製し、その評価を表1に示した。 架橋剤として、商用銘柄のヘキサメトキメチルメラミン(HMMM)(モンサント(Monsanto)のレジミン(Re
    simine)747)を用いた。 配合物は、市販のドデシルベンゼンスルホン酸触媒(キング・インダストリーズ(Ki
    ng Industries)のナキューレ(NACURE(5076)により触媒された。

    実施例3のポリウレタンポリオールを用いて、塗料の配合物No.3および4を合成し、その評価を表2に示した。 架橋剤として、実施例7において用いたものと同等のヘキサメトキメチルメラミン(HMMM)を添加したが、


    より高い濃度で添加した(モンサント(Monsanto)のレジミン(Resimine)747を使用)。 配合物は、市販のドデシルベンゼンスルホン酸触媒(キング・インダストリーズ(King Industries)のナキューレ(NACURE)507


    6)を用いて触媒された。

    実施例9 アクリルポリマーを用いた比較例 酸腐蝕抵抗性についての比較例として、高固形分アクリルメラミン樹脂架橋塗料を合成した。 市販等級のヘキサメトキメチルメラミン(HMMM)(シーメル303(Cymel


    303)、アメリカン・シアナミド社(American Cyanami


    d Co.))を架橋剤として用いた。 また、配合物は、市販のドデシルベンゼンスルホン酸触媒(キング・インダストリーズ(King Industries)のナキューレ(NACUR


    E)5225)を用いて触媒された。 実施例9の配合および評価結果を表3に示す。 アクリル樹脂は、以下の性質を有するローム・アンド・ハス社(Rohm & Haas)から入手可能な樹脂である。 すなわち、該性質は、不揮発性成分84%;溶媒n−ブチルアセテート;粘度6,000〜1,000


    cps比重1.08;ヒドロキシル価(固形分)155;酸価(固形分)5である。 この樹脂は、特に低VOC高固形分耐薬品性塗料として、具体的に設計された。 DISLONは、Kusomo


    to Chemical(Tokyo,Japan)から商業的に入手可能なアクリル性の流動および均染剤である 実施例11 疎水性側鎖を持たないポリウレタンポリオールを用いた比較例 2−メチル−1,5−ペンタン−ジアミンのビス(β−


    ヒドロキシプロピルカルバメート)を自己縮合することによって、ポリウレタンポリオールを合成した。 2811重量部の上記ビスカルバメートを適当な反応容器に装填し、0.09重量部の水酸化カリウムによる触媒作用を与えた。 この反応混合物を180℃に加熱した。 145℃で減圧を適用し、プロピレングリコールを留去した。 二量体すなわち564の分子量に相当する転化率において、試料を得た。 この材料を2−メトキシプロピルアセテートに溶解し、固形分含有量を85.3%、粘度を14,000cpsとした。


    試料のヒドロキシ含有量は、3.546MEQ(ミリ当量)/gすなわちヒドロキシル価198であった。 この試料をAとした。 反応をさらに進行させ、重合度3.07に相当する転化率において、試料を得た。 これは、分子量822、およびヒドロキシ含有量2.430MEQ/gすなわちヒドロキシル価13


    6に相当する。 2−メトキシプロピルアセテートに溶解したこの試料は、固形分89.1%において40,400cpsの粘度を有した。 この試料をBとした。

    実施例12 実施例11によるポリウレタンポリオールAを用いて、
    クリアコートの配合物No.5を合成し、そして表4に記載しおよび評価した。 このポリウレタンを、市販のHMMM架橋剤(モンサント社のResimene 747)を用いて架橋した。 この配合は、キング・インダストリーズ社のドデシルベンゼンスルホン酸触媒により触媒された。

    実施例13 実施例11のポリウレタンポリオールBを用いて、クリアコートの配合物No.6を合成した。 配合物No.6を表5に記載した。 このポリウレタンは、市販のHMMM架橋剤(モンサント社のResimine 747)を用いて架橋された。 この配合物は、キング・インダストリーズ社のドデシルベンゼンスルホン酸触媒により触媒された。 この配合物の架橋レベルを、ポリオールのより低いヒドロキシル価を補償するために調整した。

    実施例14 実施例11のポリウレタンポリオールを用いて、クリアコートの配合物No.7を合成した。 このポリウレタンは、


    市販の混合メチル化/ブチル化メラミン架橋剤(モンサント社のResimine 755)を用いて架橋した。 このより疎水性の高い架橋剤は酸腐蝕抵抗性を改善することが報告されている。 この配合物は、キング・インダストリーズ社のドデシルベンゼンスルホン酸触媒を用いて触媒された。 この配合物の架橋レベルを、ポリオールのより低いヒドロキシル価を補償するために調整した。

    実施例15 (比較例)ポリエステルウレタン シクロヘキサンジメタノール(5モル)と、コハク酸ジメチルエステル(DMS)とグルタル酸ジメチルエステル(DMG)とアジピン酸ジメチルエステル(DMA)(DMS2


    2%,DMG62%およびDMA16%)の混合物(7モル)と、2


    −メチル−1,5−ペンタンジアミンのビス−β−ドロキシプロピルカルバメート(4.5モル)とを縮合することにより、ポリエステルウレタンポリオールを合成した。


    得られた生成物は、キシレン中74.0%の固形分、かつ25


    ℃において4,000cpsの粘度を有した。 樹脂固形分のヒドロキシル価は、109であった。 このポリウレタンを、市販のHMMM架橋剤(モンサント社のResimine 747)によって架橋した。 配合物は、キング・インダストリーズ社のアミン保護されたドデシルベンゼンスルホン酸触媒により触媒された。 この配合物における架橋レベルは、ポリオールのより低いヒドロキシル価を補償するために調整した。 実施例15のポリエステルウレタンを用いた配合物


    No.8を、表7において記載しおよび評価した。

    実施例16 (ウレアおよびウレタン基を含有するポリウレタンポリオールの合成) 403重量部のトリメチロールプロパン(3モル)と432


    重量部のイソデシルオキシプロピルアミン(1.8モル)


    とを、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンのビス(ヒドロキシプロピル)カルバメート1,440重量部と混合した。 この混合物は、0.3gの水酸化カリウムによる触媒作用を受けた。 窒素導入口および攪拌機を取り付けられた適当な反応容器中で、この混合物を150℃に加熱した。


    その温度を165℃までゆっくりと上昇させた。 反応混合物のアミン含有量を測定した。 初期の滴定はMEQ/gが0.8


    8を与え、165℃における5時間の反応時間の後では、ME


    Q/gは>0.9に低下した。 反応容器を徐々に減圧して、完全な真空状態に徐々に近づけた。 いかな未反応のアミンをも再利用するために、分縮器を用いた。 プロピレングリコールを留出物として回収した。 主としてプロピレングリコールである582gの留出物を回収した。 最終樹脂のアミン滴定物を130℃に冷却し、そして520重量部のキシレンにより稀釈した。 表8において、配合No.9および10


    に関して、実施例16を記載し、評価し、および使用した。

    実施例17 (水−分散性) 適当な反応器に対して、トリメチロールプロパン403


    重量部と、イソデシルオキシプロピルアミンのヒドロキシプロピルカルバメート862重量部(2.5モル)と、2−


    メチル−1,5−ペンタンジアミンのビス(ヒドロキシプロピルカルバメート)800重量部とを装填し、そして0.2


    gの水酸化カリウム触媒存在下で150℃に加熱した。 減圧をゆっくりと適用し、およびプロピレングリコールを反応剤として除去した。 温度が170℃までゆっくりと上昇したときに、約460部の留出部を回収した。 最終の樹脂は、100℃において40ポワズの粘度を有した。 この反応混合物に100重量部の無水コハク酸を加え、そしてその混合物を2時間にわたって100℃に保った。 次に、その樹脂をジメチルアミンエタノール存在下で水に分散した。

    実施例16に示すように、水−分散されたポリウレタン樹脂をHMMM架橋剤とともに配合し、そして150℃で硬化させた。 この樹脂をジメチルエタノールで100%中和し、そして何等溶媒が存在しない状態で熱時分散(disp
    ersedhot)した。 酸腐蝕結果は、50℃、60℃、および75
    ℃のそれぞれにおいて、1,2および5であった。

    図2は、ポリマー鎖の非限定的実施例を模式的に示すもので、エーテルアミンプロピレンカルバメート、トリメチロールプロパンウレタンジオール、およびヒドロキシル基等の単位から形成される。 図3は、ウレタンジオール、ポリオール、およびエーテルアミンプロピレンカルバメートから誘導されたポリマーを示すものである。

    本発明を特定の実施態様とともに説明した。 上述のことから当業者は容易に数多くの他の実施例および変形例を想到することができよう。 したがって、本発明には特許請求の範囲の精神および範囲のなかに含まれる他の実施例および変形例のすべてが含まれる。 さらに、参照した米国特許出願の内容を本願の一部として援用する。

    フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−245787(JP,A) 特開 昭63−227557(JP,A) 特開 昭60−248654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) C08G 71/00 - 71/04 C07C 271/10 - 271/20 C09D 175/00 - 175/12

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