新規ポリマー材料

申请号 JP2016547163 申请日 2015-01-21 公开(公告)号 JP2017503893A 公开(公告)日 2017-02-02
申请人 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー; ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー; 发明人 シャンタル ルイス,; シャンタル ルイス,; モハマド ジャマール エル−ヒブリ,; モハマド ジャマール エル−ヒブリ,; デービッド ビー. トマス,; デービッド ビー. トマス,;
摘要 繰り返し単位(R1)および(R2)の総モル量を基準として、50〜99モル%の少なくとも1つの繰り返し単位(R1)であって、この繰り返し単位(R1)が4,4’’−ターフェニル−p−ジオールおよびジハロアリールスルホン化合物の組み込みに由来する繰り返し単位と、繰り返し単位(R1)および(R2)の総モル量を基準として、1〜50モル%の少なくとも1つの繰り返し単位(R2)であって、この繰り返し単位(R2)が4,4’’−ターフェニル−p−ジオールおよびジハロアリールケトン化合物の組み込みに由来する繰り返し単位とから本質的になるコポリマー。【選択図】なし
权利要求

− 繰り返し単位(R1)および(R2)の総モル量を基準として、50〜99モル%の少なくとも1つの繰り返し単位(R1)であって、前記繰り返し単位(R1)が、ここで下の式(St−1)〜(St−4): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるか、または1〜4の整数であり、 − Tは、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含む二価基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択される] のものからなる群から選択される繰り返し単位と、 − 繰り返し単位(R1)および(R2)の前記総モル量を基準として、1〜50モル%の少なくとも1つの繰り返し単位(R2)であって、前記繰り返し単位(R2)が、ここで下の式(Kt−1)または(Kt−2): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − J’は、ゼロであるか、または1〜4の整数である] のものからなる群から選択される繰り返し単位と を含み、ここで、前記繰り返し単位(R1)および(R2)が、(P)コポリマー中の繰り返し単位の総量を基準として、75モル%超の量で存在するコポリマー[ここでは以下、(P)コポリマー]。前記繰り返し単位が、ここで下の式(St’−1)〜(St’−3): のものからなる群から選択される、請求項1に記載の(P)コポリマー。前記繰り返し単位(R2)が、ここで下の、式(Kt’−1)、(Kt’−2)または(Kt’−3): のものからなる群から選択される、請求項1または2に記載の(P)コポリマー。前記繰り返し単位(R2)のモル量が、繰り返し単位(R1)および(R2)の前記総モル量を基準として、少なくとも3%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の(P)コポリマー。前記繰り返し単位(R2)の前記モル量が、繰り返し単位(R1)および(R2)の前記総モル量を基準として、最大でも40%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の(P)コポリマー。前記(P)コポリマーが、少なくとも200℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(P)コポリマー。前記(P)コポリマーコポリマーが、ランダム、交互、ブロックまたはグラフトコポリマーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の(P)コポリマー。極性の非プロトン性溶媒を含む溶媒混合物中で、かつアルカリ金属炭酸塩の存在下で − 式(T): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるか、または1〜4の整数である] の少なくとも1つのジヒドロキシアリール化合物[ここでは以下、ジオール(AA)]; − 少なくとも1つのジハロアリールスルホン化合物[ここでは以下、ジハロ(SS)]であって、前記ジハロ(SS)が、下に示されるような、式(S−1)〜(S−4): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるか、または1〜4の整数であり、 − Tは、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含む二価基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択され、 − 互いに等しいかもしくは異なる、XおよびX’は独立して、ハロゲン原子、好ましくはClまたはFである] のものからなる群から選択される少なくとも1つのジハロ(SS); − 少なくとも1つのジハロアリールケトン化合物[ここでは以下、ジハロ(KK)]であって、前記ジハロ(KK)が、式(K−1)および(K−2): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるか、または1〜4の整数であり; − 互いに等しいかもしくは異なる、XおよびX’は独立して、ハロゲン原子、好ましくはClまたはFである] のものからなる群から選択されるジハロ(KK) を含有するモノマー混合物であって、前記モノマー混合物のモノマーのハロ基およびヒドロキシル基の全体量が実質的に等モルであり、ここで前記ジハロ(KK)および前記ジハロ(SS)の総モル量に対する前記ジハロ(KK)のモル量が、少なくとも1%、最大でも50%であると理解される混合物を反応させる工程を含む(P)コポリマーの製造方法。前記ジハロ(KK)および前記ジハロ(SS)の総モル量に対する前記ジハロ(KK)のモル量が、3〜40%の範囲である、請求項8に記載の方法。前記ジハロ(SS)が、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDPS)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)、4,4’−クロロフルオロジフェニルスルホンまたはそれらの混合物である、請求項8または9に記載の方法。前記ジハロ(KK)が、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、1,3−ビス(4’−フルオロベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4’−フルオロベンゾイル)ベンゼンまたはそれらの混合物である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。請求項1〜7のいずれか一項に記載の(P)コポリマーを使用することを含む、造形品の製造方法。前記(P)コポリマーが、溶融加工(射出成形、押出成形、圧縮成形など)、および/または吹き付け塗装、粉体塗装選択的焼結、溶融堆積モデリングからなる群から選択される加工手順によって加工される、請求項12に記載の方法。請求項1〜7のいずれか一項に記載の(P)コポリマーから製造された造形品。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、2014年1月22日出願の米国仮特許出願第61/930,162号および2014年5月6日出願の欧州特許出願公開第14167122.2号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願のそれぞれの全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。

本発明は、4,4’’−ターフェニル−p−ジオールの組み込みに由来する部分を含むスルホン/ケトンポリマー材料に、および前記スルホン/ケトンポリマー材料の製造方法に関する。

とりわけ石油・ガス油井穴用途における、特に深海油井におけるなどの、要求がより厳しい、腐食性の、きつい化学的な、高圧および高温(HP/HT)環境でのポリマー材料の選択は、前記ポリマー材料が前記環境に関連した極限状態に耐えるためにいくつかの臨界特性を有する必要があることを意味するので究極的に重要である。

これらの極限状態においてポリマー材料は、高圧、例えば30,000psi超の圧、高温、例えば200℃までまたはそれ以上の温度に、かつ、酸、塩基、過熱/スチーム、ならびにもちろん多種多様な脂肪族および芳香族有機物などのきつい化学品に長期的に曝されることが言及されるべきである。例えば、増進原油回収技術は、とりわけ水、スチーム、硫化水素(H2S)または超臨界炭酸ガス(sCO2)などの流体を油井中へ注入することを伴う。特に、n−ヘプタンと類似の溶媒和効果を有するsCO2は、例えば、シール中の材料の膨潤を引き起こし得るし、それは、結果としてそれらの性能に影響を及ぼす。HP/HT用途における高温と比べて低すぎるガラス転移温度(Tg)を有するポリマー材料は、これらのHP/HT用途において弱く、そして高いクリープを起こしやすいことに悩まされるであろう。このクリープは、前記ポリマー材料で製造されたシール材料がそれらのTgよりも20℃以上上である温度での長期暴露後にもはや有効に密封しない原因となり得る。

したがって、高圧および少なくとも200℃の温度での機械的剛性および完全性(例えば降伏/引張強度、硬度および衝撃靱性)の維持、特に、前記高圧および高温でCO2、H2S、アミンおよび他の化学品に曝された場合の、良好な耐化学薬品性、ガスによるおよび液体吸収による膨潤および収縮、高圧石油/ガスシステムにおける耐減圧性、ガスおよび液体拡散性ならびに長期熱安定性などの特性が、HP/HT用途向けの適切なポリマー材料の選択の際に考慮される必要がある。

したがって、前記ポリマー材料は少なくとも、高いガラス転移温度を有する必要がある。

商業的に入手可能な半結晶性ポリアリーレンエーテルケトン(PAEK)ポリマーは、優れた対耐化学薬品性を示しているが、それらの低いガラス遷移温度(Tg)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)については145℃、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)については170℃)によって制限される。200℃よりも上のより高いTgを有するポリアリーレンエーテルケトン(PAEK)ポリマーは、それらの適用性を制限する非常に高い溶融温度(Tm>420℃)を示すPAEKポリマーである。

高い熱暴露と化学品暴露とを組み合わせた用途における芳香族スルホンエーテルポリマーの有用性は、前記芳香族スルホンエーテルポリマーが高非晶質材料であり、それ故それらの耐化学薬品性の点で非常に制限されるという事実のために限定されてきた。半結晶性芳香族スルホンエーテルポリマーは極めてまれである。

Stanilandは、とりわけ、Polymer Preprints,American Chemical Society,Division of Polymer Chemistry,1992,33(1),pages 404−405の表1に、200℃よりも上の高いガラス転移温度(Tg)を有し、かつ、400℃よりも下の溶融温度を有するいくつかの結晶性ポリエーテルスルホンポリマー(例えば構造1〜4および7)を報告している。著者は特に、構造4のポリエーテルスルホンポリマー、すなわち、251℃のTgおよび359℃のTmを有する、4,4’ ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)とジヒドロキシターフェニレンとから誘導される、それに記載されている、スルホンホモポリマー(すなわち、φがPhつまりフェニル基であると理解される、−OφφφOSO2φ−)に言及している。構造4の前記ポリエーテルスルホンポリマーは、Bulletin des Societes Chimiques Belges,1989,98(9−10),pages 667−676に同じ著者によって既に以前に開示された。この学術論文の図6はとりわけ、構造4のポリエーテルスルホンポリマーのDSC(示差走査熱量測定)スキャンを示している。

欧州特許出願公開第0 383 600 A2号明細書、特に、実施例1および2にまた開示されている構造4の前記ポリエーテルスルホンポリマーは、ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS、例えば実施例1)またはジフルオロジフェニルスルホン(DFDPS、例えば実施例2)と4,4’’−ターフェニル−p−ジオール(すなわち、HO−Ph−Ph−Ph−OH、4,4’’−ジヒドロキシターフェニレンとも呼ばれる)との反応を記載している。それぞれ、実施例1、実施例2に記載されている前記芳香族ポリマーは、それぞれ、241℃、251℃の高いガラス転移温度(Tg)、それぞれ、385℃、389℃のTm融点、およびそれぞれ、0.27(dL/g)、1.40(dL/g)の100cm3のH2SO4中の1.0gのポリマーの溶液に関して25℃で測定された還元粘度(RV)を有する。

Stanilandはまた、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンとジヒドロキシターフェニレンとから誘導されるケトンホモポリマーについてBulletin des Societes Chimiques Belges,1989,98(9−10),pages 667−676に、特に表3に言及している。しかし、このケトンホモポリマーは余りにも結晶性であると記載されている。

熱硬化性樹脂は、それらの結合の3次元網状構造(すなわち、架橋)のために分解温度までの高温用途において使用されるのに好適であることが知られている。しかし、欠点の1つは、それらがより脆いことである。

上記をすべて考慮して、上に述べられたような、すべてのこれらの欠点を克服することができる200℃よりも上のガラス転移温度(Tg)を有するポリマー材料であって、それによって前記ポリマー材料が、良好な延性、良好な耐化学薬品性、高い耐熱性(例えばTg>200℃)、長期熱安定性、および360℃〜420℃の有用な最高Tmを維持しながら、改善された剛性および増加した流動性を有することで特徴づけられ、こうして前記ポリマー材料が、非常に良好な耐化学薬品性を必要とするHP/HT用途において特に有用であり得るポリマー材料が依然として高く必要とされている。

[課題を解決するための手段] 本出願人は、ケトン/スルホンコポリマーであって、前記コポリマーが、4,4’’−ターフェニル−p−ジオールの組み込みに由来する部分を含み、そして前記コポリマーが改善された剛性および増加した流動性を有し、そして機械的剛性および完全性を維持すること、特に、高圧および高温での良好な耐化学薬品性を有することなどの、上述のニーズをすべて有利にも満たすコポリマーを有利にも製造することが可能であることを今見いだした。

したがって、 − 繰り返し単位(R1)および(R2)の総モル量を基準として、50〜99モル%の少なくとも1つの繰り返し単位(R1)であって、この繰り返し単位(R1)が、本明細書で下の式(St−1)〜(St−4): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるか、または1〜4の整数であり、 − Tは、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含む二基基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択される] のものからなる群から選択される繰り返し単位と、 − 繰り返し単位(R1)および(R2)の総モル量を基準として、1〜50モル%の少なくとも1つの繰り返し単位(R2)であって、この繰り返し単位(R2)が、本明細書で下の式(Kt−1)または(Kt−2): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − J’は、ゼロであるか、または1〜4の整数である] のものからなる群から選択される繰り返し単位と を含み、ここで、繰り返し単位(R1)および(R2)が、(P)コポリマー中の繰り返し単位の総量を基準として、75モル%超の量で存在するコポリマー[本明細書では以下、(P)コポリマー]が本発明の目的である。

本発明の別の態様は、(P)コポリマーの製造方法を指向する。

本発明のその上に別の態様は、前記(P)コポリマーを含む物品を指向する。

(P)コポリマー 繰り返し単位(R1)において、それぞれのフェニレン部分は独立して、繰り返し単位においてR’とは異なる他の部分に対して1,2−、1,4−または1,3−結合を有してもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は、1,3−または1,4−結合を有し、より好ましくはそれらは、1,4−結合を有する。さらに、繰り返し単位(R1)において、j’は、出現ごとにゼロである、すなわち、フェニレン部分は、ポリマーの主鎖における結合を可能にするもの以外の置換基をまったく持たない。

繰り返し単位(R2)において、それぞれのフェニレン部分は独立して、繰り返し単位においてR’とは異なる他の部分に対して1,2−、1,4−または1,3−結合を有してもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は、1,3−または1,4−結合を有し、より好ましくはそれらは、1,4−結合を有する。さらに、繰り返し単位(R2)において、j’は、出現ごとにゼロである、すなわち、フェニレン部分は、ポリマーの主鎖における結合を可能にするもの以外の置換基をまったく持たない。

好ましい繰り返し単位(R1)は、本明細書で下の式(St−1)〜(St−3): のものからなる群から選択される。

最も好ましい繰り返し単位(R1)は、上に示されるような、式(St−1)のものである。

より好ましい繰り返し単位(R2)は、本明細書で下の、式(Kt’−1)、(Kt’−2)または(Kt’−3) のものからなる群から選択される。

最も好ましい繰り返し単位(R2)は、上に示されるような、式(Kt−1)のものである。

(P)コポリマー中の繰り返し単位(R2)のモル量は一般に、(P)コポリマー中に含まれる繰り返し単位(R1)および(R2)の総量を基準として、少なくとも2%、好ましくは少なくとも3%、好ましくは少なくとも4%、好ましくは少なくとも5%のものである。(P)コポリマー中の繰り返し単位(R2)のモル量は一般に、最大でも48%、好ましくは最大でも45%、より好ましくは最大でも40%、より好ましくは最大でも30%、より好ましくは最大でも20%、最も好ましくは最大でも15%のものであろうとさらに理解される。

上に記載されたような、前記モル量は、とりわけFT−IR法およびNMR法などの標準的測定方法を用いて(P)コポリマーにて測定することができる。

言われた通り、(P)コポリマーは、繰り返し単位の総量を基準として、75%モル超、好ましくは85%モル超、より好ましくは90%モル超、さらにより好ましくは95%モル超、最も好ましくは98%モル超の量で上に詳述されたような、繰り返し単位(R1)および(R2)を含む。

さらにより好ましくは、(P)コポリマーの繰り返し単位は本質的にすべて繰り返し単位(R1)および(R2)であり、鎖欠陥、または非常に少量の他の単位が存在してもよく、これら後者は(P)コポリマーの特性を実質的に変性させないと理解される。最も好ましくは、(P)コポリマーの繰り返し単位はすべて、繰り返し単位(R1)および(R2)である。優れた結果は、(P)コポリマーが、その繰り返し単位がすべて、上に詳述されたような、繰り返し単位(R1)および(R2)であるコポリマーであった場合に得られた。

本発明によれば、(P)コポリマーは有利には、20000よりも上、より好ましくは40000よりも上、より好ましくは50000よりも上、より好ましくは55000よりも上、最も好ましくは60000よりも上の重量平均分子量(Mw)を有する。

(P)コポリマーの重量平均分子量(Mw)についての上限は、特に決定的に重要であるわけはなく、最終的な用途の分野を考慮して当業者によって選択されるであろう。

本発明の一実施形態では、(P)コポリマーは有利には、300000以下、好ましくは250000以下、好ましくは230000以下、好ましくは200000以下、好ましくは180000以下、好ましくは170000以下、好ましくは150000以下の重量平均分子量(Mw)を有する。

本発明の一実施形態では、(P)コポリマーは有利には、20000〜300000の範囲の、好ましくは50000〜300000の範囲の、好ましくは55000〜250000、より好ましくは60000〜230000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。

表現「重量平均分子量(Mw)」は本明細書では、その通常の意味にしたがって用いられ、数学的には: [式中、Miは、ポリマー分子の分子量についての離散値であり、Niは、分子量Miのポリマー分子の数であり、次にすべてのポリマー分子の重量は、ΣMiNiであり、ポリマー分子の総数は、ΣNiである] のように表される。

Mwは、ポリスチレン標準で較正された、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって好適にも測定することができる。

好ましい実施形態では、GPC測定は、本発明者らの同時係属米国仮特許出願に記載されているような手順に従って実施された。

本発明の(P)コポリマーは有利には、1.5超、好ましくは1.7超、より好ましくは1.9超の多分散指数(PDI)を有する。

本発明の(P)コポリマーは有利には、4.0未満、好ましくは3.8未満、好ましくは3.5未満の多分散指数(PDI)を有する。

本発明の(P)コポリマーは有利には、少なくとも200℃、好ましくは少なくとも210℃、より好ましくは少なくとも220℃のガラス転移温度(Tg)を有する。

本発明の(P)コポリマーは、200℃〜270℃のガラス転移温度(Tg)を有してもよい。

良好な結果は、(P)コポリマーが210℃〜260℃の範囲のガラス転移温度を有する場合に得られた。

ガラス転移温度(Tg)は、ASTM D 3418標準に従って示差走査熱量測定法(DSC)によって測定され得る。

本発明の(P)コポリマーは有利には、少なくとも330℃、好ましくは340℃、より好ましくは少なくとも350℃の溶融温度を有する。本発明の(P)コポリマーは有利には、410℃よりも下、好ましくは400℃よりも下、より好ましくは390℃よりも下の溶融温度を有する。

溶融温度(Tm)は一般に、ASTM D3418に従って、DSCによって測定される。

本出願人は意外にも、本発明の(P)コポリマーが、所与のMwについて改善された流動特性を有し、(P)コポリマーが、溶融加工によって物品を製造するのに有利である、上に記載されたような、スルホンホモポリマーよりも低い溶融粘度を示すことを見いだした。

本発明の一実施形態では、本発明の(P)コポリマーは、ASTM D4440に従って平行板粘度計(例えば、TA ARES RDA3モデル)を用いて測定されるように、410℃および100rad/秒の剪断速度で有利には少なくとも100Pa.s、好ましくは少なくとも200Pa.s、より好ましくは少なくとも300kPa.sの溶融粘度を有する。本発明の(P)コポリマーは、ASTM D4440に従って平行板粘度計(例えばTA ARES RDA3モデル)を用いて測定されるように、410℃でおよび100rad/秒の剪断速度で有利には最大でも4000Pa.sの、好ましくは最大でも3500Pa.sの、より好ましくは最大でも3000Pa.sの溶融粘度を有する。

(P)コポリマーは、ランダム、交互、ブロックまたはグラフト(P)コポリマーであり得る。

好ましい実施形態では、(P)コポリマーは、ランダム、または交互もしくはブロック(P)コポリマーである。最も好ましい実施形態では、(P)コポリマーは、ランダム(P)コポリマーである。

(P)コポリマーの製造 本発明の(P)コポリマーの製造方法は、特に限定されないが、前記(P)コポリマーは有利には、繰り返し単位R1およびR2の総量に対してそれぞれ、繰り返し単位R1およびR2の%モル量に関する要件にマッチするために好適な条件で適切なモノマーを重合させることによって製造することができる。

したがって、本発明はまた、極性の非プロトン性溶媒を含む溶媒混合物中で、かつアルカリ金属炭酸塩の存在下で − 式(T): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるか、または1〜4の整数である] の少なくとも1つのジヒドロキシアリール化合物[本明細書では以下、ジオール(AA)]; − 少なくとも1つのジハロアリールスルホン化合物[本明細書では以下、ジハロ(SS)]であって、前記ジハロ(SS)が、下に示されるような、式(S−1)〜(S−4): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるか、または1〜4の整数であり、 − Tは、1つまたは2つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含む二価基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択され、 − 互いに等しいかもしくは異なる、XおよびX’は独立して、ハロゲン原子、好ましくはClまたはFである] のものからなる群から選択されるジハロ(SS); − 少なくとも1つのジハロアリールケトン化合物[本明細書では以下、ジハロ(KK)]であって、前記ジハロ(KK)が、式(K−1)および(K−2): [式中、 − 互いに等しいかもしくは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; − j’は、ゼロであるか、または1〜4の整数であり; − 互いに等しいかもしくは異なる、XおよびX’は独立して、ハロゲン原子、好ましくはClまたはFである] のものからなる群から選択されるジハロ(KK) を含有するモノマー混合物であって、モノマー混合物のモノマーのハロ基およびヒドロキシル基の全体量が実質的に等モルであり、ここでジハロ(KK)およびジハロ(SS)の総モル量に対するジハロ(KK)のモル量が、少なくとも1%、最大でも50%であると理解されるモノマー混合物を反応させる工程を含む、(P)コポリマーの製造方法に関する。

ジハロ(KK)およびジハロ(SS)の総モル量に対するジハロ(KK)のモル量は一般に、少なくとも2%、好ましくは少なくとも3%、好ましくは少なくとも4%、好ましくは少なくとも5%のものである。

ジハロ(KK)およびジハロ(SS)の総モル量に対するジハロ(KK)のモル量は一般に、最大でも48%、好ましくは最大でも45%、より好ましくは最大でも40%、より好ましくは最大でも30%、より好ましくは最大でも20%、最も好ましくは最大でも15%のものである。

非常に良好な結果は、ジハロ(KK)およびジハロ(SS)の総モル量に対するジハロ(KK)のモル量が3%〜40%の範囲である場合に得られた。

優れた結果は、ジハロ(KK)およびジハロ(SS)の総モル量に対するジハロ(KK)のモル量が3%〜15%の範囲である場合に得られた。

本発明の目的のためには、上に詳述されたような、モノマー混合物の反応の開始時に当初存在するモノマーのハロ基およびヒドロキシル基の全体量に関連して用いられる表現「実質的に等モル」は、モノマー混合物のモノマーのヒドロキシル基の全体量対モノマー混合物のモノマーのハロ基の全体量のモル比が、0.990よりも上、好ましくは0.992よりも上、より好ましくは0.995よりも上であると理解されるべきである。モノマー混合物のモノマーのハロ基の全体量に対するモノマー混合物のモノマーのヒドロキシル基の全体量のモル比は、1.01よりも下、好ましくは1.008よりも下、より好ましくは1.005よりも下であるとさらに理解される。良好な結果は、モノマー混合物のモノマーのヒドロキシル基の全体量対モノマー混合物のモノマーのハロ基の全体量のモル比が約1.00である場合に得られた。

必要ならば、上に記載されたような、少量のジハロ(SS)、および/または、上に記載されたような、ジハロ(KK)を、反応が本質的に完了したときに反応混合物に添加することができる。

本発明の目的のためには、反応に関連して用いられる表現「本質的に完了した」は、モノマー混合物中に反応の開始時に当初存在した全モノマーの量が、反応の開始時に当初存在した全モノマーの総量に対して、1.5%モルよりも下、好ましくは1%モルよりも下であると理解されるべきである。

上に詳述されたような、ジオール(AA)のモルの総量に対してモル量で表される、前記少量は典型的には、上に詳述されたような、ジオール(AA)のモルの総量に対して、約0.1〜15%モル、好ましくは0.2〜10%モル、より好ましくは0.5〜6%モルの範囲にある。

必要ならば、溶媒混合物は、任意のエンドキャッピング剤[試剤(E)]をさらに含むことができる。前記試剤(E)は一般に、たった1個の反応性ハロ基を含むハロ化合物[試剤(MX)]およびたった1個の反応性ヒドロキシ基を含むヒドロキシル化合物[試剤(MOH)]からなる群から選択される。

表現「たった1個の反応性ハロ基を含むハロ化合物[試剤(MX)]」は、モノハロゲン化化合物のみならず、2個以上のハロ基を含むが、ここで、前記ハロ基のうちの1個のみが反応性であるハロゲン化化合物をも包含することを意図する。

それにもかかわらず一般に、前記試剤(MX)はたった1個のハロ基を含むことが好ましい。

したがって、試剤(MX)は好ましくは、4−モノクロロジフェニルスルホン、4−モノフルオロジフェニルスルホン、4−モノフルオロベンゾフェノン、4−モノクロロベンゾフェノン、塩化メチルなどのアルキルクロリドなどからなる群から選択される。

同様に、表現「たった1個の反応性ヒドロキシ基を含むヒドロキシル化合物[試剤(MOH)]」は、モノヒドロキシル化化合物のみならず、2個以上のヒドロキシ基を含むが、ここで、前記ヒドロキシ基の1個のみが反応性であるヒドロキシル化化合物をも包含することを意図する。

それにもかかわらず一般に、前記試剤(MOH)はたった1個のヒドロキシ基を含むことが好ましい。

したがって、試剤(MOH)は好ましくは、ターフェノール、フェノール、4−フェニルフェノール、4−フェノキシフェノール、4−モノヒドロキシジフェニルスルホン、4−モノヒドロキシベンゾフェノンからなる群から選択される。

本発明の方法において、 として計算される、試剤(E)の総量は、0.05〜20%モルに含まれ、試剤(E)は有利には試剤(MX)だけ、試剤(MOH)だけまたはそれらの組み合わせであってもよいと理解される。言い換えれば、上述の式において、それらの合計が0.05〜20%モルのものであるという追加の条件付きで、上に詳述されたような、ジハロ(SS)、および上に詳述されたような、ジハロ(KK)の総モルに対して試剤(MX)の量は、0.05〜20%モルであり得るし、上に詳述されたような、ジオール(AA)の総モルに対して試剤(MOH)の量は、0.05〜20%モルであり得る。

上に記載されたような、試剤(E)の量は、最大でも10%モル、好ましくは最大でも8%モル、より好ましくは最大でも6%モルのものである。

上に記載されたような、試剤(E)の量は、少なくとも0.5%モル、好ましくは少なくとも1%モルのものである。

試剤(E)は、モノマー混合物中に反応の開始時に存在することができる、および/または反応が本質的に完了したときに反応混合物に添加することができる。

より好ましいジハロ(SS)は、下に示す次式: [式中、XおよびX’は上に定義された通りであり、互いに等しいかもしくは異なる、XおよびX’は好ましくは、ClまたはFである。最も好ましくはXおよびX’はFである] に従うものである。

好ましいジハロ(SS)は、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDPS)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)、4,4’−クロロフルオロジフェニルスルホンまたはそれらの混合物である。最も好ましいジハロ(SS)は、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDPS)またはDCDPSとDFDPSとの混合物である。

好ましいジハロ(KK)は、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、1,3−ビス(4’−フルオロベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4’−フルオロベンゾイル)ベンゼン、およびそれらの混合物である。4,4’−ジフルオロベンゾフェノンが特に好ましい。

本発明のすべての実施形態によれば、ジオール(AA)、ジハロ(SS)およびジハロ(KK)は、極性の非プロトン性溶媒を含む溶媒混合物に溶解または分散させられる。

極性の非プロトン性溶媒として、とりわけ芳香族スルホンおよび芳香族スルホキシドなどの硫黄含有溶媒、より具体的には下の一般式: R’−SO2−R’’またはR’−SO−R’’ [式中、互いに等しいかもしくは異なる、R’およびR’’は独立して、アリール、アルカリールおよびアルアリール基である] に従ったジ芳香族スルホンおよびジ芳香族スルホキシドに言及することができる。

より好ましい極性の非プロトン性溶媒は、下に示される次式: [式中、互いに等しいかもしくは異なる、YおよびY’は独立して、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリール、アラルキルからなる群から選択され;Zは、結合、酸素または2個の水素(各ベンゼン環に結合したもの)である] に従うものである。

具体的には、本発明の目的のために好適であり得る硫黄含有溶媒の中に、ジフェニルスルホン、フェニルトリルスルホン、ジトリルスルホン、キシリルトリルスルホン、ジキシリルスルホン、トリルパラシミルスルホン、フェニルビフェニルスルホン、トリルビフェニルスルホン、キシリルビフェニルスルホン、フェニルナフチルスルホン、トリルナフチルスルホン、キシリルナフチルスルホン、ジフェニルスルホキシド、フェニルトリルスルホキシド、ジトリルスルホキシド、キシリルトリルスルホキシド、ジキシリルスルホキシド、ジベンゾチオフェンジオキシド、およびそれらの混合物がある。

非常に良好な結果は、ジフェニルスルホンで得られた。

ベンゾフェノンなどの、他のカルボニル含有の極性の非プロトン性溶媒が、これらのタイプのプロセスに使用するために当技術分野で開示されており、本発明の実施においても有用であると見いだされる可能性がある。

必要ならば、水と共沸混合物を形成する追加の溶媒を、極性の非プロトン性溶媒と一緒に使用することができ、それによって重合中に副生成物として形成される水は、重合の初めから終わりまで連続的な共沸蒸留によって除去され得る。

おそらく重合中に形成される副生成物水および二酸化炭素は、あるいは、上記のような共沸混合物形成溶媒に加えて、または有利にはその不在下で、反応混合物の上方および/または反応混合物中へ窒素もしくはアルゴンなどの不活性ガスの制御流を使用して除去することができる。

本発明の目的のためには、用語「追加の溶媒」は、極性の非プロトン性溶媒とは異なる溶媒ならびに前記反応の反応剤および生成物を意味すると理解される。

水と共沸混合物を形成する追加の溶媒は一般に、モノマー成分および極性の非プロトン性溶媒に対して不活性であるように選択されるだろう。そのような重合プロセスに使用するための好適な共沸混合物形成溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。

共沸混合物形成溶媒と極性の非プロトン性溶媒とは典型的には、約1:10〜約1:1、好ましくは約1:5〜約1:3の重量比で用いられる。

アルカリ金属炭酸塩は好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウムおよび炭酸セシウムである。炭酸ナトリウムおよびとりわけ炭酸カリウムが好ましい。2つ以上の炭酸塩の混合物、例えば、炭酸もしくは重炭酸ナトリウムと、ナトリウムの原子番号よりも高い原子番号を有する第2アルカリ金属の炭酸塩もしくは重炭酸塩との混合物を使用することができる。

使用される前記アルカリ金属炭酸塩の量は、ヒドロキシル基(OH)の1当量当たりのアルカリ金属(M)の当量の比[当量(M)/当量(OH)]で表されるときに、1.00〜1.50、好ましくは1.00〜1.30、より好ましくは約1.00〜1.20、最も好ましくは約1.00〜1.10の範囲であり、上述のヒドロキシル基当量はジオール(AA)のものを包括すると理解される。非常に良好な結果は、1.01〜1.10の当量(M)/当量(OH)で得られた。

本出願人は意外にも、最適量のアルカリ金属炭酸塩の使用が、より高い費用およびより困難なポリマー精製をもたらす過剰量のアルカリ金属炭酸塩の使用を回避しながら、本発明の方法の反応時間を著しく削減するのを可能にすることを見いだした。

約200μm未満の、好ましくは約150μm未満の、好ましくは約75μm未満、より好ましくは45μm未満の平均粒度を有するアルカリ金属炭酸塩の使用がとりわけ有利である。そのような粒度を有するアルカリ金属炭酸塩の使用は、本発明者らの分子量要件を満たすポリマーの合成を可能にする。

必要ならば、フッ化物塩(S2)と反応することができる少なくとも1種の塩(S1)を、反応混合物に添加することができる。前記フッ化物塩(S2)は、ジハロ(SS)および/またはジハロ(KK)中のXおよび/またはX’がFである場合に重合反応中の副生成物の1つとして形成され得る。そのようなフッ化物塩(S2)の例はとりわけ、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムである。そのような重合プロセスに使用するための好適な塩(S1)としては、塩化リチウム、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムが挙げられる。それは好ましくは塩化リチウムである。

本発明による方法は有利には、反応器中のいかなる反応性ガスの存在をも回避するように注意しながら進められる。これらの反応性ガスは、とりわけ、酸素、水および二酸化炭素であり得る。O2は、最も反応性が高く、それ故回避されるべきである。

特定の実施形態では、反応器は、アルカリ金属炭酸塩を反応混合物に添加する前に、加圧下でまたは真空下で排気され、20ppm未満の反応性ガス、特に10ppm未満のO2を含有する不活性ガスで満たされるべきである。次に、反応器は、反応の終わりまで前記不活性ガスの一定のパージ下に置かれるべきである。不活性ガスは、通常の状況下で反応性ではない任意のガスである。それは、窒素、アルゴンまたはヘリウムから選択されてもよい。不活性ガスは好ましくは、10ppm未満の酸素、20ppmの水および20ppmの二酸化炭素を含有する。

一般に、最初のヒートアップ期間後に、反応混合物の温度は、有利には250〜350℃、好ましくは300〜340℃の範囲に維持されるであろう。良好な結果は、約320℃の温度で得られた。

本発明の方法の一実施形態では、アルカリ金属炭酸塩、特に炭酸カリウムは、25〜280℃、好ましくは120〜270℃、より好ましくは180〜250℃の温度でモノマー混合物に添加される。

本発明の方法のより好ましい実施形態では、アルカリ金属炭酸塩、特に炭酸カリウムが先ず、上に記載されたような、溶媒混合物中の、上に記載されたような、ジオール(AA)に添加され、上に詳述されたような、ジハロ(SS)および上に詳述されたような、ジハロ(KK)が次に、25〜280℃、好ましくは120〜270℃、より好ましくは180〜250℃の温度で前記反応混合物に添加される。必要ならば、ジハロ(SS)およびジハロ(KK)は、ランダムコポリマーの代わりにブロックコポリマーを製造するために、別々にそして順次添加することができる。

一般に、上に記載されたような、エンドキャッピング剤は、250〜350℃、好ましくは300〜340℃の温度で、上に記載されたような、反応混合物に添加される。

本発明の(P)コポリマーはとりわけ、HP/HT用途に使用することができる。

本方法により、本発明の(P)コポリマーは有利には、溶融加工(射出成形、押出成形、圧縮成形など)によって、しかしまた、とりわけ吹き付け塗装、粉体塗装選択的焼結、溶融堆積モデリングなどの他の加工手順によって物品を生成するために加工することができる。

本発明の(P)コポリマーを含む造形品を提供することが本発明の別の目的である。

物品の総重量を基準とする、(P)コポリマーの総重量は有利には、50%超、好ましくは80%超;より好ましくは90%超;より好ましくは95%超、より好ましくは99%超である。必要ならば、造形品は、(P)コポリマーからなってもよい。

参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合には、本記載が優先するものとする。

本発明はこれから、以下の実施例に関連してより詳細に記載され、実施例の目的は、例示的であるにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図しない。

原材料 Yonghi Chemicals,Chinaから商業的に入手可能な1,1’:4’,1’’−ターフェニル−4,4’’−ジオール、還流にてエタノール/水(90/10)での洗浄によりさらに精製した。結果として生じた材料の純度は、ガスクロマトグラフィーによって測定されるように94.0%面積超であることが示された。前記1,1’:4’,1’’−ターフェニル−4,4’’−ジオールは、1,1’:4’,1’’−ターフェニル−4,4’’−ジオールの精製の効率に依存して、不純物フェニルフェノールおよびビフェニルフェノールを含んでいる。このモノマーは典型的には、Salunkeら,J.Polym.Sci.,Part A:Polymer Chem.,2002,V 40,P 55−69に記載されているように、1,4−ジブロモベンゼンと4−ブロモマグネシウムアニソール(4−ブロモアニソールのGrignard試薬)とのパラジウム触媒カップリングによって製造される。

Aldrichから(99%グレード、99.32%測定)またはMarshallton(GCにより99.92%純度)から商業的に入手可能な4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン。

Jintanから商業的に入手可能な4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(DFBP)(99.83%)。

Provironから商業的に入手可能なジフェニルスルホン(ポリマーグレード)(99.8%純度)。

Armand productsから商業的に入手可能なd90<45μmの炭酸カリウム。

Acrosから商業的に入手可能な塩化リチウム(99+%、ACSグレード)。

(P)コポリマーの製造のための一般的な手順 攪拌機、N2注入管、反応媒体中に突っ込んでいる熱電対付きClaisenアダプタ、ならびに冷却器およびドライアイストラップ付きDean−Starkトラップを備えた500mLの4つ口反応フラスコに、89.25gのジフェニルスルホン、28.853gの1,1’:4’,1’’−ターフェニル−4,4’’−ジオールならびに適切な量の4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(下の表3に明記されるような)を導入した。フラスコ内容物を真空下に排気し、次に高純度窒素(10ppm未満のO2を含有する)で満たした。反応混合物を次に、一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。反応混合物を220℃までゆっくり加熱した。220℃で、15.354gのK2CO3を、20分にわたって反応混合物に粉末ディスペンサーによって添加した。この添加の終わりに、反応混合物を1℃/分で320℃まで加熱した。(下の表3に明記されるように)320℃での適切な反応時間後に、0.559gの4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを、反応器上に窒素パージを保ちながら反応混合物に添加した。2分後に、4.663gの塩化リチウムをこの反応混合物に添加した。2分後に、別の0.280gの4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを反応器に添加し、反応混合物を温度で5分間保った。反応器内容物を次に、反応器からステンレス鋼製パンに注ぎ入れ、冷却した。固形物を砕き、2mmスクリーンを通してアトリッションミルですり潰した。ジフェニルスルホンおよび塩を、アセトン、次に12〜11のpHでの水で、次にアセトンでこの混合物から抽出した。粉末を次に、2gのリン酸二水素ナトリウムおよび2gのリン酸一水素ナトリウムを含有する1200mLの水で洗浄した。粉末を、12時間真空下に120℃で乾燥させ、淡褐色粉末を生成した(量は下の表3に示されている)。最終(P)コポリマーの分子量を、下に詳述されるような、GPCによって測定し、表3に報告する。実験データを表3にまとめる。

実施例1〜5 すべてのこれらの実施例は、異なる量の4,4’−ジフルオロベンゾフェノンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンならびに異なる反応時間(表2に示されるような)を使って一般的な手順に従って製造した。最終コポリマーの分子量を、下に詳述されるような、GPCによって測定し、表3に報告する。すべての実験データを表3にまとめる。

比較例6: 攪拌機、N2注入管、反応媒体中に突っ込んでいる熱電対付きClaisenアダプタ、ならびに冷却器およびドライアイストラップ付きDean−Starkトラップを備えた500mLの4つ口反応フラスコに、89.25gのジフェニルスルホン、28.853gの1,1’:4’,1’’−テルフェニル−4,4’’−ジオールおよび27.698gの4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを導入した。フラスコ内容物を真空下に排気し、次に高純度窒素(10ppm未満のO2を含有する)で満たした。反応混合物を次に、一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。

反応混合物を220℃までゆっくり加熱した。220℃で、15.354gのK2CO3を、20分にわたって反応混合物に粉末ディスペンサーによって添加した。この添加の終わりに、反応混合物を1℃/分で320℃まで加熱した。320℃で148分後に、反応器上に窒素パージを保ちながら、0.5594gの4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを反応混合物に添加した。5分後に、4.663gの塩化リチウムを反応混合物に添加した。10分後に、別の0.280gの4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを反応器に添加し、反応混合物を温度で15分間保った。反応器内容物を次に、反応器からステンレス鋼製パンに注ぎ入れ、冷却した。固形物を砕き、2mmスクリーンを通してアトリッションミルですり潰した。ジフェニルスルホンおよび塩を、アセトン、次に12〜11のpHでの水で、次にアセトンでこの混合物から抽出した。粉末を次に、2gのリン酸二水素ナトリウムおよび2gのリン酸一水素ナトリウムを含有する1200mLの水で洗浄した。粉末を、12時間真空下に120℃で乾燥させ、48.94gの淡褐色粉末を生成した。結果として生じたポリマーの分子量を、下に詳述されるような、GPCによって測定し、表3に報告する。実験データを表3にまとめる。

実施例の材料に関して実施される次の特性評価は、本明細書で以下に示される: GPC法による分子量測定 GPC条件: ポンプ:Waters製の515 HPLCポンプ 検出器:HP製のUV 1050シリーズ ソフトウェア:Waters製のEmpower Pro 注入器:Waters 717 Plus Autoサンプラー 流量:0.5ml/分 UV検出:270nm カラム温度:40℃ カラム:Agilent製の2×PL Gel 混合D、5ミクロン、300mm×7.5mm 5ミクロン 注入:20μリットル ランタイム:60分 溶離液:0.1モルの臭化リチウム(Fisher製)入りのN−メチル−2−ピロリドン(Sigma−Aldrich、HPLC用Chromasolv Plus>99%)。移動相は、窒素または不活性環境下に貯蔵されるべきである。 較正標準:Agilent製のポリスチレン標準商品番号PL2010−0300を較正のために使用した。各バイアルは、4つの狭い多分散性ポリスチレン標準(較正曲線を確立するために使用された、合計11の標準、371100、238700、91800、46500、24600、10110、4910、2590、1570、780)を含有する。

標準の濃度:1ミリリットルの移動相を、較正のためのGPC注入前に各バイアルに添加した。

較正曲線:1)タイプ:Relative,Narrow Standard Calibration(相対的な厳密標準較正) 2)フィット:三次回帰

積分および計算:Waters製のEmpower Pro GPCソフトウェアを使用して、データ、較正および分子量計算を得る。ピーク積分開始点と終了点とは、ベースライン全体上の有意な差から手動で決定する。

試料調製:25mgの(P)コポリマーを、10mlの4−クロロフェノールに170〜200℃で加熱して溶解させた。少量(0.2〜0.4ml)の得られた前記溶液を、4mlのN−メチル−2−ピロリドンで希釈した。結果として生じた溶液を上述のGPC条件に従ってGPCカラムに通した。

粘度測定 溶融粘度は、以下の条件: ・ 窒素下 ・ 410℃ ・ 1〜100rad/秒周波数掃引 ・ 5%歪み を用いてASTM D4440に従ってTA ARES RDA3 Rheometerで圧縮成形ディスク(直径25mm×3mm厚さ)に関して測定した。

物理的特性測定 DSC測定は、キャリアガスとして窒素を使って(99.998%純度、50mL/分)、TA Instruments Q20でASTM D3418−03、E1356−03、E793−06、E794−06に従って行った。温度および熱流較正はインジウムを使用して行った。試料サイズは、5〜7mgであった。この重量を±0.01mgで記録した。

熱サイクルは: 第1加熱サイクル:20.00℃/分で50.00℃から450.00℃まで、1分間450.00℃で等温。 第1冷却サイクル:20.00℃/分で450.00℃から50.00℃まで、1分間等温。 第2加熱サイクル:20.00℃/分で50.00℃から450.00℃まで、1分間380.00℃で等温。

ガラス転移温度は、転移前のベースラインと転移後のベースラインとを引くことによって、ASTM D3418に従って第2加熱サーモグラムからポリマー材料粉末に関して測定した:Tgは、これらの2つのライン間の半分の高さでの温度である。

溶融温度(Tm融点)は、ASTM D3418に従ってポリマー粉末に関して測定した:主な溶融吸熱が第1加熱サイクル(20℃/分)で観察される温度がTmである。

成形、アニールされたプラークの調製: 102mm×102mm×1.6mmプラークを、下の表1に示されるような次の条件下に圧縮成形によって実施例1〜4、および比較例6のポリマーから調製した。

プラークを次に、空気下に3時間330℃でアニールした。

そのより低い融点のために、実施例5は、異なる条件下に成形した。102mm×102mm×1.6mmプラークを、下の表2に示されるような次の条件下に圧縮成形することによって実施例4からのポリマーから調製した。

プラークを次に、空気下に3時間280℃でアニールした。

成形プラークの%結晶化度は、第1加熱スキャン時の融解エンタルピーを測定することによって求めた。部品の溶融は、Tgよりも40℃上から最後の吸熱よりも上の温度(典型的には420℃)まで引かれる直線状ベースラインの上方の面積として取った。アニールされたプラークの結晶化度レベルは、100%結晶性材料のもの(130J/gと推定される)と測定溶融吸熱を比較することによって求めた。すべての結果を表3にまとめる。

機械的特性測定 引張特性: 引張特性は、上に述べられたように、アニールされたプラークから調製されたタイプL衝撃試験片(ASTM D1822、1/8インチ×3/8インチ)を試験検体として使用してASTM D638に従って試験した。引張特性は、0.05インチ/分で測定した。

成形プラークの動的機械分析(DMA)測定 長方形試験試料(1.2cm×5.1cm)を、これらの成形プラークから調製し、12時間真空下に120℃で乾燥させた。前記試験試料を次に、30〜350℃で貯蔵(G’)弾性率および損失(G’’)弾性率を測定するために、5.0℃/分で30℃から350℃までねじれモード(10rad/秒、0.05%歪み)下にTA ARES G2レオメーターで動的機械分析(DMA)によって分析した。G’’対G’の割当量から計算される融点(α転移)よりも下の機械損失(tan δ)最適条件を表3に報告する。

すべての結果を表3にまとめる。

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