改良されたポリテトラメチレンエーテルグリコール製造プロセス

申请号 JP2016541688 申请日 2014-12-19 公开(公告)号 JP2017500419A 公开(公告)日 2017-01-05
申请人 インヴィスタ テクノロジーズ エスアエルエルINVISTA TECHNOLOGIES S.a.r.l.; インヴィスタ テクノロジーズ エスアエルエルINVISTA TECHNOLOGIES S.a.r.l.; 发明人 エヌ. ドライ,スリ; エヌ. ドライ,スリ; サン,チュン; ピー. ウェッブ,アレン; ピー. ウェッブ,アレン;
摘要 本発明は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスに関する。該プロセスは、テトラヒドロフラン重合によって生成されたポリテトラメチレンエーテルグリコール中間物の二酢酸塩の、所望のポリテトラメチレンエーテルグリコール生成物へのメタノリシス前に、その数平均分子量を制御することを伴う。【選択図】図1
权利要求

ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスであって、(1)アシリウムイオン前駆体の存在下、重合に有効な条件において重合反応域内でテトラヒドロフランを重合して、テトラヒドロフラン、アシリウムイオン前駆体、前記アシリウムイオン前駆体と関連した酸、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を含む第1の生成物混合物を生成するステップと、(2)ステップ(1)の前記第1の生成物混合物を追加のテトラヒドロフランとともに第1のストリッピング域に供給して、前記二酢酸塩及びテトラヒドロフランを含む生成物を生成するステップと、(3)式Mn=((A+B)×C)/Mによってステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の数平均分子量を決定するステップであって、式中、Aが、ステップ(1)に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量であり、Bが、ステップ(1)及びステップ(2)に対するテトラヒドロフランの流量の和であり、Cが、(2×酢酸メチル分子量)を重量に基づくM単位の前記酢酸メチル成分の共沸濃度で割った数の比であり、Mが、ステップ(5)の酢酸メチル共沸生成物の流量である、ステップと、(4)ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物を、メタノール及びメタノリシス触媒とともにメタノリシス域に供給して、酢酸メチル、メタノール、触媒、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む第2の生成物混合物を生成するステップと、(5)ステップ(4)の前記第2の生成物混合物を第2のストリッピング域に供給して、酢酸メチル共沸物及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物を生成するステップと、(6)前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールを回収するステップと、を含み、Aを調節して、ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の前記数平均分子量を300〜2300ダルトンとなるように制御する、前記プロセス。ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の前記数平均分子量が、800〜1900ダルトンとなるように制御される、請求項1に記載の前記プロセス。前記アシリウムイオン前駆体が、アセチルハロゲン化物、カルボン酸無物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の前記プロセス。前記アシリウムイオン前駆体が、無水酢酸である、請求項3に記載の前記プロセス。(7)前記テトラヒドロフランをステップ(2)の前記第1のストリッピング域から回収するステップと、(8)ステップ(7)で回収された前記テトラヒドロフランをステップ(1)に再利用するステップと、を含む、請求項1に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、0℃〜80℃の温度を含む、請求項1に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、200〜800mmHgの圧を含む、請求項6に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、10分〜10時間の滞留時間を含む、連続モードの請求項6に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、1〜24時間の滞留時間を含む、バッチモードの請求項6に記載の前記プロセス。前記アシリウムイオン前駆体が、無水酢酸であり、前記アシリウムイオン前駆体と関連した前記酸が、酢酸である、請求項6に記載の前記プロセス。ステップ(4)の前記触媒が、H2SO4、HCl、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される酸または塩基を含む、請求項1に記載の前記プロセス。ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスであって、(1)無水酢酸の存在下、重合に有効な条件において重合反応域内でテトラヒドロフランを重合して、テトラヒドロフラン、無水酢酸、酢酸、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を含む生成物混合物を生成するステップと、(2)ステップ(1)の前記第1の生成物混合物を追加のテトラヒドロフランとともに第1のストリッピング域に供給して、前記二酢酸塩及びテトラヒドロフランを含む生成物を生成するステップと、(3)式Mn=((A+B)×C)/Mによってステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の数平均分子量を決定するステップであって、式中、Aが、ステップ(1)に対する無水酢酸の正味流量であり、Bが、ステップ(1)及びステップ(2)に対するテトラヒドロフランの流量の和であり、Cが、(2×酢酸メチル分子量)を重量に基づくM単位の前記酢酸メチル成分の共沸濃度で割った数の比であり、Mが、ステップ(5)の酢酸メチル共沸生成物の流量である、ステップと、(4)ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物を、メタノール及びメタノリシス触媒とともにメタノリシス域に供給して、酢酸メチル、メタノール、触媒、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物混合物を生成するステップと、(5)ステップ(4)の前記生成物混合物を第2のストリッピング域に供給して、酢酸メチル共沸物及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物を生成するステップと、(6)前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールを回収するステップと、を含み、Aを調節して、ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の前記数平均分子量を300〜2300ダルトンとなるように制御する、前記プロセス。(7)前記テトラヒドロフランを、ステップ(2)の前記第1のストリッピング域から回収するステップと、(8)ステップ(7)で回収された前記テトラヒドロフランをステップ(1)に再利用するステップと、を含む、請求項12に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、0℃〜80℃の温度を含む、請求項12に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、200〜800mmHgの圧力を含む、請求項14に記載の前記プロセス。ステップ(4)の前記触媒が、H2SO4、HCl、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される酸または塩基を含む、請求項12に記載の前記プロセス。ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスであって、(1)アシリウムイオン前駆体の存在下、重合に有効な条件において重合反応域内でテトラヒドロフランを重合して、テトラヒドロフラン、アシリウムイオン前駆体、前記アシリウムイオン前駆体と関連した酸、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を含む第1の生成物混合物を生成するステップと、(2)ステップ(1)の前記第1の生成物混合物を追加のテトラヒドロフランとともに第1のストリッピング域に供給して、前記二酢酸塩及びテトラヒドロフランを含む生成物を生成するステップと、(3)式Mn=((A+B)×N)/Aによってステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の数平均分子量を決定するステップであって、式中、Aが、ステップ(1)に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量であり、Bが、ステップ(1)及びステップ(2)に対するテトラヒドロフランの流量の和であり、Nが、1モルのPTMEA化学量論当たりのアシリウムイオン前駆体の分子量として定義される理論的化学量論数である、ステップと、(4)ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物を、メタノール及びメタノリシス触媒とともにメタノリシス域に供給して、酢酸メチル、メタノール、触媒、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む第2の生成物混合物を生成するステップと、(5)ステップ(4)の前記第2の生成物混合物を第2のストリッピング域に供給して、酢酸メチル共沸物及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物を生成するステップと、(6)前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールを回収するステップと、を含み、Aを調節して、ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の前記数平均分子量を300〜2300ダルトンとなるように制御する、前記プロセス。ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の前記数平均分子量が、800〜1900ダルトンとなるように制御される、請求項17に記載の前記プロセス。前記アシリウムイオン前駆体が、アセチルハロゲン化物、カルボン酸無水物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の前記プロセス。前記アシリウムイオン前駆体が、無水酢酸である、請求項19に記載の前記プロセス。(7)前記テトラヒドロフランを、ステップ(2)の前記第1のストリッピング域から回収するステップと、(8)ステップ(7)で回収された前記テトラヒドロフランをステップ(1)に再利用するステップと、を含む、請求項17に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、0℃〜80℃の温度を含む、請求項17に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、200〜800mmHgの圧力を含む、請求項22に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、10分〜10時間の滞留時間を含む、連続モードの請求項22に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、1〜24時間の滞留時間を含む、バッチモードの請求項22に記載の前記プロセス。前記アシリウムイオン前駆体が、無水酢酸であり、前記アシリウムイオン前駆体と関連 た前記酸が、酢酸である、請求項22に記載の前記プロセス。ステップ(4)の前記触媒が、H2SO4、HCl、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される酸または塩基を含む、請求項17に記載の前記プロセス。ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスであって、(1)無水酢酸の存在下、重合に有効な条件において重合反応域内でテトラヒドロフランを重合して、テトラヒドロフラン、無水酢酸、酢酸、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を含む生成物混合物を生成するステップと、(2)ステップ(1)の前記第1の生成物混合物を追加のテトラヒドロフランとともに第1のストリッピング域に供給して、前記二酢酸塩及びテトラヒドロフランを含む生成物を生成するステップと、(3)式Mn=((A+B)×N)/Aによってステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の数平均分子量を決定するステップであって、式中、Aが、ステップ(1)に対する無水酢酸の正味流量であり、Bが、ステップ(1)及びステップ(2)に対するテトラヒドロフランの流量の和であり、Nが、1モルのPTMEA化学量論当たりのアシリウムイオン前駆体の前記分子量として定義される理論的化学量論数である、ステップと、(4)ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物を、メタノール及びメタノリシス触媒とともにメタノリシス域に供給して、酢酸メチル、メタノール、触媒、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物混合物を生成するステップと、(5)ステップ(4)の前記生成物混合物を第2のストリッピング域に供給して、酢酸メチル共沸物及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物を生成するステップと、(6)前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールを回収するステップと、を含み、Aを調節して、ステップ(2)の前記二酢酸塩生成物の前記数平均分子量を300〜2300ダルトンとなるように制御する、前記プロセス。(7)前記テトラヒドロフランを、ステップ(2)の前記第1のストリッピング域から回収するステップと、(8)ステップ(7)で回収された前記テトラヒドロフランをステップ(1)に再利用するステップと、を含む、請求項28に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、0℃〜80℃の温度を含む、請求項28に記載の前記プロセス。前記重合に有効な条件が、200〜800mmHgの圧力を含む、請求項30に記載の前記プロセス。ステップ(4)の前記触媒が、H2SO4、HCl、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される酸または塩基を含む、請求項28に記載の前記プロセス。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、2013年12月19日出願の米国仮出願第61/918,190号及び2013年12月19日出願の米国仮出願第61/918,179号の優先出願日を主張するものであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に具体的に組み込まれる。

ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)としても知られるテトラヒドロフランのホモポリマーは、ポリウレタン及び他のエラストマー中の軟質セグメントとしての使用のために周知である。このホモポリマーは、優れた動的特性をポリウレタンエラストマー及び繊維に付与する。

ポリテトラメチレンエーテル(PTMEA)のジエステルをエステル交換反応によって対応するPTMEGに変換するための連続プロセスは、米国特許第6,979,752号に開示されている。

米国特許第8,138,283号は、酸性触媒上のテロゲン及び/またはコモノマーの存在下でテトラヒドロフランを重合することによって、ポリテトラヒドロフランまたはテトラヒドロフランコポリマーの連続調製物中の所与の平均分子量を変更するためのプロセスを開示し、該プロセスにおいて、テロゲン対テトラヒドロフランのモル比が変更され、その後、重合中に少なくとも1つの試料の平均分子量が決定され、既に形成されているポリマーが、酸性触媒上で少なくとも部分的に脱重合され、脱重合によって回収されたテトラヒドロフランが、少なくとも部分的に重合に再利用される。

米国特許第5,852,218号は、ポリテトラメチレンエーテルの二酢酸エステルを対応するPTMEGに変換するための方法を開示し、該方法は、二酢酸塩が、有効量の少なくとも1つのアルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物、酸化物もしくはアルコキシド触媒とともに蒸留塔の上部分に供給される反応蒸留と、蒸留塔の下部分に熱アルカノール蒸気を供給して、二酢酸塩のアルカノリシスによって形成されたいずれのアルカノールエステルも該蒸留塔内で上向きに掃き出すことと、アルカノリシスによって形成されたアルカノール及びアルカノールエステルを蒸留塔の塔頂で回収することと、アルカノールエステルを含まないジヒドロキシポリエーテルポリオールを蒸留塔の塔底から回収することとを伴う。

国際出願公開第WO2013/112785A1号は、二酢酸エステルのPTMEGへの事実上完全な変換、及び未反応または未変換の二酢酸エステルを含まないPTMEGの回収を達成するために、ポリテトラメチレンエーテルの二酢酸エステルを、例えば反応蒸留システムなどの反応域内で対応するPTMEGに連続的に変換するためのプロセスを開示する。

欧州特許第1433807A1号は、狭い分子量分布を有するポリエーテル−ポリオールを生成するための方法を開示する。この方法は、15〜70重量%の硫酸を含有する水溶液を使用する。

米国特許第5,298,670号は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの分子量分布を制御する方法を開示する。この方法は、PTMEGを、複数の画分に分画するための抽出溶剤として、液体プロパンの使用に依存し、各画分は、約1.3未満、好ましくは約1.1の多分散性を有する。

米国特許第5,130,470号(第′470号特許)は、スルホン酸基を触媒として、及びマレイン酸と無水マレイン酸との混合物を分子量制御剤として含有するフッ素化樹脂を使用する、テトラヒドロフランのポリテトラメチレンエーテルグリコールへの重合を開示する。第′470号特許の方法は、約600〜4,000の分子量を有するポリテトラメチレンエーテルグリコールセグメントのジマレイン酸エステルを調製することを伴う。

多くの刊行物群は、フルオロスルホン酸樹脂、及び重合反応のための触媒物質としてのそれらの使用を説明する。これらの中で、米国特許出願公開第2009/0118456号は、ペンダントスルホン酸及びカルボン酸基を含有する過フッ素化イオン交換ポリマーの使用を開示し、米国特許第6,040,419号は、ポリマー1kg当たり少なくとも0.05等量のフッ素化スルホン酸基を含有するフッ素化スルホン酸含有ポリマーの使用を開示し、国際公開第95/19222号は、ペンダントスルホン酸及びカルボン酸基を含有する過フッ素化イオン交換ポリマーの使用を開示し、米国特許第5,118,869号は、スルホン酸基を含有するフッ素化樹脂及びカルボン酸基を含有するフッ素化樹脂のブレンドの使用を開示する。同様に、米国特許第5,403,912号は、フルオロポリマーの骨格からなる過フッ素化樹脂スルホン酸の使用を開示する。米国特許出願公開第2008/0071118号は、可能性のある触媒の一覧の、過フルオロアルキルスルホン酸基を側鎖として有する樹脂の使用を開示する。米国特許出願公開第2003/176630号は、α−フルオロスルホン酸を含むポリマーの使用を開示する。

上記刊行物のうちのいずれも、開示されるプロセスによって提供されるような、テトラヒドロフランを含む反応混合物の重合によってポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための簡素で経済的な改良されたプロセスを教示していない。

開示されるプロセスの一態様は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスであって、(1)アシリウムイオン前駆体の存在下、重合に有効な条件において重合反応域内でテトラヒドロフランを重合して、テトラヒドロフラン、アシリウムイオン前駆体、アシリウムイオン前駆体と関連した酸、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を含む第1の生成物混合物を生成するステップと、(2)ステップ(1)の第1の生成物混合物を追加のテトラヒドロフランとともに第1のストリッピング域に供給して、二酢酸塩及びテトラヒドロフランを含む生成物を生成するステップと、(3)式Mn=((A+B)×C)/Mによってステップ(2)の二酢酸塩生成物の数平均分子量を決定するステップであって、式中、Aが、ステップ(1)に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量であり、Bが、ステップ(1)及びステップ(2)に対するテトラヒドロフランの流量の和であり、Cが、(2×酢酸メチル分子量)を重量に基づくM単位の酢酸メチル成分の共沸濃度で割った数の比であり、Mが、ステップ(5)の酢酸メチル共沸生成物の流量である、ステップと、(4)ステップ(2)の二酢酸塩生成物を、メタノール及びメタノリシス触媒とともにメタノリシス域に供給して、酢酸メチル、メタノール、触媒、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む第2の生成物混合物を生成するステップと、(5)ステップ(4)の第2の生成物混合物を第2のストリッピング域に供給して、酢酸メチル共沸物及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物を生成するステップと、(6)ポリテトラメチレンエーテルグリコールを回収するステップと、を含み、Aを調節して、ステップ(2)の二酢酸塩生成物の数平均分子量を約300〜約2300ダルトンとなるように制御する、プロセスを対象とする。

開示されるプロセスの別の態様は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスであって、(1)アシリウムイオン前駆体の存在下、重合に有効な条件において重合反応域内でテトラヒドロフランを重合して、テトラヒドロフラン、アシリウムイオン前駆体、アシリウムイオン前駆体と関連した酸、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を含む第1の生成物混合物を生成するステップと、(2)ステップ(1)の第1の生成物混合物を追加のテトラヒドロフランとともに第1のストリッピング域に供給して、二酢酸塩及びテトラヒドロフランを含む生成物を生成するステップと、(3)式Mn=((A+B)×N)/Aによってステップ(2)の二酢酸塩生成物の数平均分子量を決定するステップであって、式中、Aが、ステップ(1)に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量であり、Bが、ステップ(1)及びステップ(2)に対するテトラヒドロフランの流量の和であり、Nが、1モルのPTMEA化学量論当たりのアシリウムイオン前駆体の分子量として定義される理論的化学量論数である、ステップと、(4)ステップ(2)の二酢酸塩生成物を、メタノール及びメタノリシス触媒とともにメタノリシス域に供給して、酢酸メチル、メタノール、触媒、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む第2の生成物混合物を生成するステップと、(5)ステップ(4)の第2の生成物混合物を第2のストリッピング域に供給して、酢酸メチル共沸物及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物を生成するステップと、(6)ポリテトラメチレンエーテルグリコールを回収するステップと、を含み、Aを調節して、ステップ(2)の二酢酸塩生成物の数平均分子量を約300〜約2300ダルトンとなるように制御する、プロセスを対象とする。

本開示の実施形態による、重合系及びメタノリシス系を含むPTMEGを製造するためのプロセスの概略図である。

図1に示される重合系105の実施形態の概略図である。

図1に示されるメタノリシス系111の実施形態の概略図である。

図1に示される重合系105を調節することによって数平均分子量(Mn)を制御するために使用することができる実施形態の概略図である。

上記を考慮した集中的な研究の結果として、出願人は、テトラヒドロフランを含む供給原料からポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造することができる、改良された経済的プロセスを発見した。

PTMEGの生成中に形成された二酢酸塩中間物であるPTMEAの分子量は、最終グリコール生成物の分子量に直結し、比例する重要な品質パラメータである。テトラヒドロフラン重合のプロセスにおいて、いくつかのプロセスパラメータの中でも分子量制御は、アシリウムイオン前駆体を、重合反応器内のアシリウムイオン前駆体対テトラヒドロフランの所望の濃度比に調節することによって主にもたらされる。重合反応器内のアシリウムイオン前駆体濃度に対する適正な調節によって、最終生成物の標的分子量を速やかに達成することが望ましく、実践上有用である。

実践上の問題は、アシリウムイオン前駆体の供給調節に関する必要な指向性誘導が、プロセスの下流の複数ユニット操作で作製された最終生成物から分子量測定応答を受信する前に、リアルタイムで時間遅延を有することである。この遅い応答は、全プロセスタイムラグを導入し、オンターゲット最終生成物の生成を遅らせる。またこのような遅いプロセス制御は、生産者が管理する必要がある大量のオフターゲット材料につながる。これらの問題は、特にプラント起動及び/または商業目的の選択分子量等級などの生成物等級の推移中に悪化する。

開示されるプロセスは、これらの生成問題を解決し、特に生成プラント起動及び/または操業中の生成物等級推移中に好適であり、素早く安定した状態の生成を達成することは、商業的及び経済的理由で望ましい。開示されるプロセスの使用は、生成規模に応じて安定状態までの全体時間を2分の1以上も低減することが予想される。開示されるプロセスのいくつかの経済的利点は、望ましくないPTMEG生成物(例えば、オンターゲットでない分子量特性を有する)、及びこのような規格外の一時的材料を扱う必要性を最小限に抑えることである。開示されるプロセスの別の生成利点は、オフターゲット材料を保管するための中間物保管施設の必要性を排除することであり、そうでなければオフターゲット材料は最終PTMEG生成物分子量に依存する遅い分子量制御から生成されるであろう。

開示されるプロセスの一態様は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスであって、(1)アシリウムイオン前駆体の存在下、重合に有効な条件において重合反応域内でテトラヒドロフランを重合して、テトラヒドロフラン、アシリウムイオン前駆体、アシリウムイオン前駆体と関連した酸、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を含む第1の生成物混合物を生成するステップと、(2)ステップ(1)の第1の生成物混合物を追加のテトラヒドロフランとともに第1のストリッピング域に供給して、二酢酸塩及びテトラヒドロフランを含む生成物を生成するステップと、(3)式Mn=((A+B)×C)/Mによってステップ(2)の二酢酸塩生成物の数平均分子量を決定するステップであって、式中、Aが、ステップ(1)に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量であり、Bが、ステップ(1)及びステップ(2)に対するテトラヒドロフランの流量の和であり、Cが、(2×酢酸メチル分子量)を重量に基づくM単位の酢酸メチル成分の共沸濃度で割った数の比であり、Mが、ステップ(5)の酢酸メチル共沸生成物の流量である、ステップと、(4)ステップ(2)の二酢酸塩生成物を、メタノール及びメタノリシス触媒とともにメタノリシス域に供給して、酢酸メチル、メタノール、触媒、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む第2の生成物混合物を生成するステップと、(5)ステップ(4)の第2の生成物混合物を第2のストリッピング域に供給して、酢酸メチル共沸物及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物を生成するステップと、(6)ポリテトラメチレンエーテルグリコールを回収するステップと、を含み、Aを調節して、ステップ(2)の二酢酸塩生成物の数平均分子量を約300〜約2300ダルトンとなるように制御する、プロセスを対象とする。

開示されるプロセスの別の態様は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造するための改良されたプロセスであって、(1)アシリウムイオン前駆体の存在下、重合に有効な条件において重合反応域内でテトラヒドロフランを重合して、テトラヒドロフラン、アシリウムイオン前駆体、アシリウムイオン前駆体と関連した酸、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を含む第1の生成物混合物を生成するステップと、(2)ステップ(1)の第1の生成物混合物を追加のテトラヒドロフランとともに第1のストリッピング域に供給して、二酢酸塩及びテトラヒドロフランを含む生成物を生成するステップと、(3)式Mn=((A+B)×N)/Aによってステップ(2)の二酢酸塩生成物の数平均分子量を決定するステップであって、式中、Aが、ステップ(1)に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量であり、Bが、ステップ(1)及びステップ(2)に対するテトラヒドロフランの流量の和であり、Nが、1モルのPTMEA化学量論当たりのアシリウムイオン前駆体の分子量として定義される理論的化学量論数である、ステップと、(4)ステップ(2)の二酢酸塩生成物を、メタノール及びメタノリシス触媒とともにメタノリシス域に供給して、酢酸メチル、メタノール、触媒、及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む第2の生成物混合物を生成するステップと、(5)ステップ(4)の第2の生成物混合物を第2のストリッピング域に供給して、酢酸メチル共沸物及びポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む生成物を生成するステップと、(6)ポリテトラメチレンエーテルグリコールを回収するステップと、を含み、Aを調節して、ステップ(2)の二酢酸塩生成物の数平均分子量を約300〜約2300ダルトンとなるように制御する、プロセスを対象とする。

本明細書で使用される場合、「PTMEG」という用語は、別途指示がない限り、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(CAS番号25190−06−1)を意味する。PTMEGは、ポリオキシブチレングリコールまたはポリ(テトラヒドロフラン)またはPTMGとしても知られている。PTMEGは、分子式H(OCH2CH2CH2CH2)nOHによって表され、式中、nは1〜100の数値である。

本明細書で使用される場合、「PTMEA」という用語は、別途指示がない限り、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(CAS番号26248−69−1)の二酢酸塩を意味し、ポリ(テトラメチレンエーテル)酢酸塩としても知られる。

本明細書で使用される場合、「アシリウムイオン前駆体の正味流量」という用語は、重合反応器内の化学的に消費されるアシリウムイオン前駆体の流量を意味する。

本発明のプロセスにおいて反応物質として使用されるTHFは、市販のもののうちのいずれかであり得る。典型的に、THFは、約0.03重量%未満の含水量及び約0.005重量%未満の過酸化物含有量を有する。THFが不飽和化合物を含有する場合、それらの濃度は、それらが本発明の重合プロセスまたはその重合生成物に有害効果を及ぼさないようにすべきである。例えば、いくつかの適用の場合、本発明のPTMEG生成物は、例えば、約100APHA単位未満、例えば、約50APHA単位未満、例えば、約20APHA単位未満の低いAPHA色を有することが好ましい。任意選択で、THFは、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの酸化阻害剤を含有して、望ましくない副生成物及び色の形成を防止することができる。所望される場合、THFと共重合することができる1つ以上のアルキル置換THFは、THFの約0.1〜約70重量%の量で共反応物質として使用することができる。このようなアルキル置換THFの例としては、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、及び3−エチルテトラヒドロフランが挙げられる。

いくつかの実施形態では、本発明のプロセスにおける使用のためのアシリウムイオン前駆体は、反応条件下でTHFのアセチルオキソニウムイオンを生成することができる任意の化合物であってもよい。本明細書で使用される場合、「アシリウムイオン」は、構造R−C+=Oによって表されるイオンを意味し、式中、Rが、水素または炭化水素ラジカルである。好適な炭化水素ラジカルの例としては、1〜16個の炭素原子の炭化水素ラジカルが挙げられるが、これに限定されない。1〜16個の炭素原子のアルキルラジカルが好ましい。

いくつかの実施形態では、アシリウムイオン前駆体は、アセチルハロゲン化物及びカルボン酸無水物である。他の実施形態では、カルボン酸の無水物は、1〜16個の炭素原子を含有するカルボン酸部分を含む。いくつかの他の実施形態では、カルボン酸の無水物は、1〜4個の炭素原子を含有するカルボン酸部分を含む。

いくつかの実施形態では、アシリウムイオン前駆体は、無水酢酸、プロピオン酸無水物、ギ酸−酢酸無水物、及びそれらの混合物である。無水酢酸は、その使用が容易でかつ効率的なために、本明細書での使用に好適である。

一実施形態では、アシリウムイオン前駆体は、約0.1〜約15重量%の初期濃度で存在する。別の実施形態では、アシリウムイオン前駆体は、約0.2〜約14重量%の初期濃度で存在する。さらに別の実施形態では、アシリウムイオン前駆体は、約0.3〜約13重量%の初期濃度で存在する。さらなる実施形態では、アシリウムイオン前駆体は、約0.4〜約12重量%の初期濃度で存在する。いくつかの他の実施形態では、アシリウムイオン前駆体は、約0.6〜約11重量%の初期濃度で存在する。

いくつかの実施形態では、生成物PTMEAの分子量は、1〜16個の炭素原子の脂肪族カルボン酸の重合反応混合物への任意選択の添加によって制限または制御することができる。他の実施形態では、生成物PTMEAの分子量は、1〜5個の炭素原子の脂肪族カルボン酸の重合反応混合物への任意選択の添加によって制限または制御することができる。酢酸は、低コストかつ有効であるため、本明細書での使用に好適である。

いくつかの実施形態では、アシリウムイオン前駆体/カルボン酸重量比は、約20:1〜約0.1:1の範囲内である。他の実施形態では、アシリウムイオン前駆体/カルボン酸重量比は、約15:1〜約0.2:1の範囲内である。さらに他の実施形態では、アシリウムイオン前駆体/カルボン酸重量比は、約10:1〜約0.5:1の範囲内である。

一般的に言えば、より多くのカルボン酸が使用されるほど、PTMEA生成物の分子量は低くなる。一実施形態では、脂肪族カルボン酸は、THFの約0.1〜約10重量%の濃度で反応混合物に添加される。別の実施形態では、脂肪族カルボン酸は、THFの約0.2〜約8重量%の濃度で反応混合物に添加される。さらに別の実施形態では、脂肪族カルボン酸は、THFの約0.3〜約7重量%の濃度で反応混合物に添加される。さらなる実施形態では、脂肪族カルボン酸は、THFの約0.4〜約6重量%の濃度で反応混合物に添加される。他の実施形態では、脂肪族カルボン酸は、THFの約0.5〜約5重量%の濃度で反応混合物に添加される。

いくつかの実施形態では、分子量制御のための酸の別個の添加は、THF及び無水酢酸(アシリウムイオン前駆体として使用される)の反応生成物が対応する酸(例えば、酢酸)を含む場合には不要である。他の実施形態では、酸添加とインサイチュ酸生成との組み合わせが、正確な分子量制御に対して有用であり得る。

いくつかの実施形態では、メタノリシス触媒は、H2SO4、HCl、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、及びそれらの組み合わせから選択される酸または塩基を含む。他の実施形態では、メタノリシス触媒は、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ金属アルコキシドから選択される塩基を含む。ナトリウムメトキシド(NaOMe)は、低コストかつ有効であるため、本明細書での使用に好適である。

一実施形態では、メタノリシス触媒は、約0.005〜約0.1重量%の濃度で反応混合物中に存在する。別の実施形態では、メタノリシス触媒は、約0.01〜約0.08重量%の濃度で反応混合物中に存在する。さらなる実施形態では、メタノリシス触媒は、約0.015〜約0.06重量%の濃度で反応混合物中に存在する。さらに別の実施形態では、メタノリシス触媒は、約0.02〜約0.05重量%の濃度で反応混合物中に存在する。

いくつかの実施形態では、THF重合反応は、100℃未満、約0℃〜約95℃、約10℃〜約90℃、約15℃〜約85℃、約20℃〜約80℃、好ましくは約25℃〜約75℃、及びより好ましくは約30℃〜約70℃の温度で行うことができる。

いくつかの実施形態では、改良されたプロセスは、(7)ステップ(2)の第1のストリッピング域からテトラヒドロフランを回収するステップと、(8)ステップ(7)で回収されたテトラヒドロフランをステップ(1)に再利用するステップとをさらに含む。

バッチモードまたは連続モードのいずれかにおいて、プロセスは、通常、大気圧で実行されるが、減圧または高圧を使用して、反応中の反応混合物の温度を制御するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、プロセスは、約26.7kPa(200mmHg)〜約106.6kPa(800mmHg)の圧で行うことができる。他の実施形態では、プロセスは、約39.9kPa(300mmHg)〜約66.6kPa(500mmHg)の圧力で行うことができる。圧力単位kPaは、キロパスカルであり、1kPaは7.52mmHgに等しい。

過酸化物の形成を避けるために、本プロセスの重合ステップを不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。本明細書での使用のための好適な不活性ガスの非限定例としては、窒素、二酸化炭素、または希ガス、例えばヘリウムが挙げられる。

本発明の重合ステップは、水素の存在下、約10kPa(0.1バール)〜約1000kPa(10バール)の水素圧で実行することもできる。

本発明のプロセスは、バッチモードで、または連続的に実行することができる。連続的に実行するとき、プロセスは、好ましくは、連続撹拌とともに、ならびに反応物の連続添加及び生成物の連続除去とともに逆混合スラリー反応器内で行われる。代替として、プロセスは、パイプライン反応器内で実行することができる。

いくつかの実施形態では、反応域内の温度、反応域内の反応物質の濃度、ならびに反応域に入る反応物質及び反応域から出る生成物の流量を調節して、反応器を通る1パス当たり約5〜約85重量%のTHF変換を得ることができる。他の実施形態では、反応域内の温度、反応域内の反応物質の濃度、ならびに反応域に入る反応物質及び反応域から出る生成物の流量を調節して、反応器を通る1パス当たり約15〜約60重量%のTHF変換を得ることができる。約15〜約40重量%の範囲の1パス当たりのTHF変換が、操作性の視点から好ましい。

いくつかの実施形態では、連続反応器内の反応物質の滞留時間は、約5分〜約15時間、約10分〜約10時間、好ましくは約20分〜約5時間、及びより好ましくは約30分〜約3時間維持することができる。当業者であれば、供給ストリーム内の反応物質の濃度、流量、及び温度の適正な調節によって連続反応器内の滞留時間を変化させる方法がわかるであろう。

本プロセスのバッチ反応器実施形態では、THF及びアシリウムイオン前駆体は、適切な反応条件で反応器内に置かれる。重合は、例えば、定期的な試料採取及び分析によって監視することができる。化学量論的過剰量の連鎖停止剤を反応混合物に添加することは、重合を止めることができる。

滞留時間(例えば、分単位)は、反応域の体積(例えば、ミリリットル単位)を測定すること、及び、その後この数字を、反応器を通る反応物質の流量(例えば、1分当たりのミリリットル単位)で割ることによって決定される。スラリー反応器内で、反応域は、反応混合物の全体積であり、パイプライン反応器内で、反応域は、触媒によって占められる体積である。改良された本プロセスがTHFの、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩への所与の変換を提供するために必要な時間は、それが実行される条件に依存する。したがって、時間は、温度、圧力、及び反応物質の濃度、ならびに同様の因子によって変化する。しかしながら一般に、連続モードにおいて、プロセスは、約10分〜約10時間、例えば、約20分〜約5時間、例えば、約30分〜約3時間の滞留時間を付与するように実行される。バッチモードでは、滞留時間は、通常約1〜約24時間である。

ステップ(2)のポリテトラメチレンエーテルグリコール生成物の二酢酸塩の分子量は、本プロセスの重合ステップに対するアシリウムイオン前駆体流量を変えることによって、ならびに任意の連鎖停止剤の濃度を変えることによって、供給される反応物質中の任意のカルボン酸及び前駆体の総量を変えることによって、上記制限内の反応質量の温度を変えることによって、及び/または重合反応域内の反応物質の滞留時間を制御することによって、所望される任意の範囲内に保持され得る。一般的に言えば、大量のアシリウムイオン前駆体の使用は、より低い分子量を有するポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩を与え、大量の連鎖停止剤の使用は、より低い分子量を有する二酢酸塩を与え、より低い反応温度は、より高い分子量を有する二酢酸塩の生成を支持し、より高い温度は、より低い分子量を有する二酢酸塩の生成を支持する。本発明の商業的利点は、上記変数のすべてを一定またはほぼ一定に保持することができる一方で、本明細書において必要な数平均分子量を決定し、ステップ(1)に対するアシリウムイオン前駆体の流量を調節するために、成分質量当量計算の使用によって、ステップ(2)のポリテトラメチレンエーテルグリコール生成物の二酢酸塩の分子量を正確に制御することである。

いくつかの実施形態では、ステップ(1)に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量を調節して、重合系の二酢酸塩生成物の数平均分子量を約300ダルトン〜約2300ダルトン、例えば、約400ダルトン〜約2200ダルトン、約500ダルトン〜約2100ダルトン、約600ダルトン〜約2000ダルトンとなるように制御する。他の実施形態では、重合系に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量を調節して、重合系の二酢酸塩生成物の数平均分子量を約800ダルトン〜約1900ダルトンとなるように制御する。

重要な商業用途のためのステップ(2)の二酢酸塩生成物の所望の数平均分子量の非限定例は、多くの適用で使用されるPTMEGにつながる885ダルトン〜915ダルトンの材料、及び他の有益な生成物の中でSpandex(登録商標)の製造のために使用されるPTMEGにつながる1720ダルトン〜1740ダルトンの材料である。

市販のオンライン分析器及び技術をリアルタイム分子量測定に使用することができるが、それらは高価であり、問題となる。これらの例としては、(a)濃度検出器(例えば、屈折率(RI)、紫外線(UV)、蒸発光散乱検出器(ELSD)、及び分子量参照標準と材料とのマッチングから構成された狭域/広域/積分較正曲線を用いる従来のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)/サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、(b)濃度検出器及び光散乱検出器を用いるGPC/SEC−光散乱(RALLS(右90°レーザー光散乱)検出器のみが使用可能である場合、ほとんどの場合、90°光散乱の制限を克服するために粘度計が必要とされる(三重検出手法))、(c)濃度検出器、粘度計、及び任意の分子量参照標準及び材料から構成されたユニバーサル較正曲線を用いるGPC/SEC−粘度法、ならびに(d)近赤外線(NIR)分光計が挙げられる。分子量平均のみを決定するための別の手法は、(バッチ)光散乱または(バッチ)浸透圧測定を使用することである。バッチモードでの静的光散乱は、信頼できる正確な重量平均分子量(Mw)値をもたらすために光散乱検出器を必要とする。一方で浸透圧測定は、試料の数平均分子量(Mn)値の決定を可能にする。しかしながら、GPC/SECなしではオンライン画分を欠き、分子量平均のみが入手可能である。非常に重要な分布情報は、この手法によって測定することができない。

オンライン計測技術の問題としては、(a)費用−典型的に高いオンラインGPCの設置費用が所望の精度に応じて異なる、(b)分析のための少量のストリームの試料採取、すなわち不定期のオンライン試料採取が、機器の頻繁なシャットダウンをもたらす、及び(3)オンライン機器自体の維持費が高い、すなわち初期設置費用に加えて維持費用が高いことが挙げられる。例えば、NIR技術は、信頼できる測定のために、この較正の頻繁な微調整とともに、試料マトリックス内の成分範囲を網羅するように慎重かつ時間のかかる較正を必要とする。これは、完璧な操作のための機器の維持に加えられる。

ステップ(2)のポリテトラメチレンエーテルグリコール生成物の二酢酸塩の分子量の制御は、次に、より予測可能な分子量のPTMEG最終生成物をもたらし、商業操作において望ましい。二酢酸塩の分子量の現行決定及びPTMEG最終生成物の分子量を制御することは、市販のオンライン分析器を使用するよりも安価で信頼性が高い。決定は、ステップ(1)の反応域に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量を、例えばkg/時で決定することと、ステップ(1)の反応域に対するTHFの流量を同様の単位で決定することと、第1のストリッピング域に対する追加のTHFの流量を同様の単位で決定することと、ステップ5の酢酸メチル共沸生成物の流量を同様の単位で決定することとを含む。ステップ(2)の二酢酸生成物の数平均分子量は、その後、分析方法のセクションで示される方程式(1)、方程式(2)、または両方を使用することによって決定される。この方法は、すべての生成物等級に対して普遍的に良好であり、瞬時応答をもたらし、正確であり、PTMEAが保持タンクに配向されているときでも機能する。さらに、使用のために入手可能な流量計は、非常に精密で信頼できる。

いくつかの実施形態では、二酢酸塩中間物の数平均分子量は、方程式(1)のパラメータが操作から得られるとき、方程式(1)の式を使用して決定することができる。他の実施形態では、二酢酸塩中間物の数平均分子量は、方程式(2)のパラメータが操作から得られるとき、方程式(2)の式を使用して決定することができる。一時的条件下での実際のプラント操作中、システム全体に分布し、様々なストリームにおいて平衡させ続ける反応成分が存在するため、流量を得ることが些細でない場合がある。流量とともに、成分組成物の組み合わせは、いずれかまたは両方の方程式を使用する適正な分子量決定に必要とされる。この方程式方法を使用する分子量の決定は、明白かつ簡単ではない。

いくつかの実施形態では、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩の分子量の制御は、手動であってもよい。手動で制御されるシステムでは、従来の試料採取方法が実装されてもよく、分析結果は、既定の較正表を使用して流量制御入力に変換されてもよい。操作盤オペレータは、所望の流量設定値入力を流量制御デバイスに手動で入力することができ、流量デバイスは、標準PID型制御動作を使用して制御要素を調節することができる。手動プロセス制御は、繰り返し実施することができるか、または所望であれば別個に行うことができる。

他の実施形態では、ポリテトラメチレンエーテルグリコールの二酢酸塩の分子量の制御は、安価な工業用センサ、デジタル信号生成器、データインテグレータ、及びデータ論理プロセッサを使用して自動化することができる。手動プロセス制御は、バッチプロセスまたは連続プロセスのいずれかに好適であり得るが、自動プロセス制御は、連続プロセスに対してより有益であり得る。

この目的の流量計としては、例えば、Vortexメーター、Magmeterなどの市販のものが挙げられる。

本プロセスのストリッピング域としては、例えば、構造化充填カラムなどの市販の機器が挙げられる。

図1の概要 図1は、本開示の実施形態による、重合系105及びメタノリシス系111を含むポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)を製造するためのプロセス100の概略図である。

ここで図1を参照すると、テトラヒドロフラン(THF)を含むストリーム3は、重合系105に入る。重合系105は、バッチモードまたは連続モードで操作することができる。アシリウムイオン前駆体は、ストリーム19を介して系に供給される。制御ユニット141は、ストリーム15の流量を調節し、供給ストリーム19を規制する。ユニット141は、工業等級の精密な供給規制デバイスであってもよく、質量流量コントローラ、体積流量コントローラ、渦流量計、マグネメータ(magnemeter)などであるが、これらに限定されない。ユニット141は、処理された入力信号11をプロセス制御デバイス131から受信し、要求される供給量のストリーム19を重合系105に送達するように供給制御機構を調節する。ストリーム15は、制御ユニット141に許容される入口圧を有するアシリウムイオン前駆体の加圧供給ラインであってもよい。

図1において、ストリーム3、5、19、7、及び29の質量流量は、それぞれ流量測定要素1、4、2、6、及び26によって測定される。流量測定要素は、プロセス範囲内であり、ストリームに対応する工業用流量測定デバイスであってもよい。質量流量は、時間当たりの質量の単位、例えば、kg/時、kg/分、kg/秒、g/時、g/分、g/秒、lb/時、lb/分、またはlb/秒で測定することができる。すべての質量流量を同じ測定単位で得ることが望ましい。

重合系105において、重合条件は、アシリウムイオン前駆体の存在下、THF重合が伝播して長鎖ポリマーを作製するように維持される。PTMEA及び未反応THFを含む重合反応器からの流出液は、過剰なTHFが分離され、回収され、再利用される一式の単位操作を通じて処理される。重合系105におけるTHF材料の均衡は、ストリーム5を経由する新鮮なTHFの供給によって維持される。ユニット105から出る生成物ストリーム7は、微量のTHF及び他のプロセス副生成物(例えば、酢酸)とともにPTMEAを含む。ストリーム7は、図3に詳細に示されるメタノリシス系111に取られる。

粗ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)生成物ストリーム25は、図1に示されるメタノリシス系111から取られる。粗PTMEGストリーム25は、セクション151でさらに処理され、低分子量成分がストリーム55を経由して剥ぎ取られる。最終PTMEG生成物ストリーム51は、セクション151から取り出される。

図2の概要 図2は、図1に示される重合系105の実施形態の概略図である。

プロセス200では、重合系は、2つの主な処理ステップ、すなわち重合反応域255及び第1のストリッピング域275で構成される。PTMEA及び未反応のTHFを含む重合反応域255からの流出ストリーム31は、第1のストリッピング域275へと流動する。275において、過剰なTHFは、他の成分とともに除去される。粗THFストリーム(図示せず)は、蒸留分離を含む一連の単位操作を通じて域275内でさらに処理される。所望の純度の精製されたTHFストリーム35は、第1のストリッピング域275内で得られ、これが好適な手段によって(例えば、中間保管、ポンプ、流動ラインなど)、重合反応域255に再利用される。不純物パージストリーム(図示せず)内のTHF損失は、第1のストリッピング域275への新鮮なTHF補填ストリーム5によって補充される。PTMEAを含む濃縮ストリーム7は、次の処理ステップのための供給となる。

新鮮な供給タンク、保持タンク、ポンプ、再循環ライン、バイパスライン、及び当業者であれば理解できる計測/制御デバイスを含む補助的処理ステップは、図に示されていない。

図3の概要 図3は、図1に示されるメタノリシス系111の実施形態の概略図である。

プロセス300において、メタノリシス系は、2つの主な処理ステップ、すなわちメタノリシス域305及び第2のストリッピング域355で構成される。前の第1のストリッピング域(図2の275)からの濃縮PTMEAストリーム7は、メタノリシス域305に供給される。メタノリシス触媒ストリーム21及びメタノール供給ストリーム23もまた、メタノリシス域305に供給される。305において、PTMEAストリーム7は、過剰なメタノールの存在下で触媒的にエステル交換され、PTMEG及び酢酸メチルを生成する。PTMEG、酢酸メチル、未変換のメタノール及び触媒を含むエステル交換ストリーム41は、第2のストリッピング域355に取られる。

第2のストリッピング域355において、PTMEG含有ストリーム41は、蒸留的に処理され、酢酸メチル及びメタノールの共沸混合物、ならびに濃縮PTMEGストリーム25を触媒とともに含むストリーム29を生成する。PTMEGストリーム25は、一連の単位操作(図1のセクション151)においてさらに処理され、所望の仕様を有する最終生成物ストリーム51を得る。メタノール−酢酸メチル共沸ストリーム29は、従来の蒸留方法(図示せず)によって別個に処理されるか、または適切な用途のための混合物として販売されるかのいずれかであり得る。

図4の概要 図4は、図1に示される重合系105を調節することによって、Mnを制御するために使用することができる実施形態の概略図である。

ここで図4を参照すると、共沸混合物ストリーム29(図1または図3)から収集されたリアルタイム試料ストリーム27は、デバイス121内で分析され、ストリーム中の主要成分濃度、例えば酢酸メチルが測定される。試料27中の測定された成分濃度に比例する出力信号28は、データプロセッサ131に供給される。任意選択で、濃縮PTMEAストリーム7(図1または図2)をリアルタイムで試料採取し、オンラインで分析することもでき(図示せず)、比較のために出力信号をデータプロセッサ131に供給することができる。

データプロセッサ131において、信号28は、成分質量当量計算において使用される。流量測定要素1、4、2、6、26からの他の質量流量測定も使用して、図1の濃縮PTMEAストリーム7に対応するMnを決定する。決定されたMnに比例する出力信号11は、それを既定の設定値と比較する制御ユニット141に供給され、ユニット141は、リアルタイムで応答して、図1に示される重合系105へのアシリウムイオン前駆体流量を調節する。このプロセス制御シーケンスは、Mn設定値がその妥当な精度内に到達するまで、データプロセッサ131を経由する制御ユニット141とデバイス121との間の信号99によって示されるように、ループ様式で連続する。

デバイス121は、従来の熱的または非熱的分析デバイスであってもよく、ガスクロマトグラフ(GC)、液体クロマトグラフ(LC)などであるが、これらに限定されない。データプロセッサ131は、電子入力信号を処理し、結果を電子出力信号で出力することができる工業用データプロセッサであってもよい。データプロセッサ131は、制御論理でプログラムすることができる。

以下の実施例は、本発明及びその使用能力を明示する。本発明は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の明白な点において修正が可能である。したがって、これらの実施例は、本質的に例示的であり、非限定的と見なされるものとする。

材料 THFは、INVISTAによって商業的に生産されたものから得られる。表1は、INVISTA(商標)THF(ケミカルアブストラクツレジストリ番号109−99−9)の典型的な組成物を示す。

無水酢酸は、Eastman Chemicalから購入する。無水酢酸の典型的な組成物は、99.5重量%以上である。

分析方法 PTMEAの変換は、反応器出口から収集された粗生成物中の非揮発物の重量%によって定義され、粗生成物混合物中の揮発物の真空オーブン(120℃及び約200mmHg)除去によって測定される。生成物のAPHA色は、Hunter比色計を使用して、ASTM方法D4890により決定される。

成分質量当量計算 いくつかの実施形態では、PTMEA数平均分子量は、下の方程式によって決定される。

式中、「Mn」は、数平均分子量であり、「A」は、重合系[図2の255]に供給されるアシリウムイオン前駆体[図2のストリーム19]の正味流量であり、「B」は、重合系に供給されるすべてのテトラヒドロフランの質量流量の和[図2のストリーム3及び5の和]であり、「M」は、第2のストリッピング域[図3の355]内で分離された酢酸メチル共沸物[図3のストリーム29]の質量流量であり、「C」は、(2×酢酸メチル分子量)をM単位の酢酸メチル成分の共沸濃度(すなわち、重量画分)で割った数の比である。酢酸メチル分子量は、1グラムモル当たり74.08グラムである。

いくつかの実施形態では、PTMEA数平均分子量は、下の方程式によって決定される。

式中、「Mn」は、数平均分子量であり、「A」は、重合系[図2の255]に供給されるアシリウムイオン前駆体[図2のストリーム19]の正味流量であり、「B」は、重合系に供給されるすべてのテトラヒドロフランの質量流量の和[図2のストリーム3及び5の和]であり、「N」は、アシリウムイオン前駆体(1モルのPTMEA化学量論当たり)の分子量として定義される理論的化学量論数である。他の実施形態では、アシリウムイオン前駆体は、無水酢酸、プロピオン酸無水物、ギ酸−酢酸無水物、及びそれらの混合物である。無水酢酸は、その使用が容易でかつ効率的なために、本明細書での使用に好ましい。無水酢酸分子量は、1グラムモル当たり102.09グラムである。

方程式(1)、方程式(2)、または両方における単純置換は、図2に関する全体質量均衡を使用して考慮することができ、方程式の項「[A+B]」は、ストリーム7(図2)の流量がわかっているとき、それによって直接置換される。図2において、全体質量均衡は、ストリーム7=ストリーム3+ストリーム19+ストリーム5となる。この方程式において、「A」は、ストリーム19の流量であり、Bは、ストリーム3及びストリーム5の流量和である。したがって、「A」及び「B」の和は、PTMEAの流量に等しい(図2のストリーム7)。

流量測定要素は、プロセス範囲内であり、ストリームに対応する工業用流量測定デバイスであってもよい。質量流量は、質量流量計、VortexまたはMagmeterによって決定することができる。すべてのパーセンテージは、別途指示がない限り重量に基づく。本明細書で使用される流量及び組成物測定方法は、化学工学の分野において一般的に実践されており、測定エラーは、典型的に統計的許容範囲内である。

実施例1〜7 容器反応器[図2の255]を、周囲圧で、測定された流量のTHF[図2のストリーム3]、及び測定された流量の無水酢酸(5.5重量%)[図2のストリーム19]で充填し、45℃に加熱する。THF、無水酢酸、酢酸、及びPTMEAを含む、結果として得られる生成物混合物[図2のストリーム31]は、その後、構造化ステンレス鋼詰物を有する充填カラムを含む第1のストリッピング域[図2の275]に渡される。第1のストリッピング域からのPTMEAを含むストリーム[図2の7]は、方程式(1)の式Mn=((A+B)×C)/MによってPTMEAの分子量について評価され、式中、Aは、反応器に対するアシリウムイオン前駆体の正味流量であり、Bは、反応器及び第1のストリッピング域に対するTHFの流量の和であり、「M」は、PTMEAのメタノリシスに続く第2のストリッピング域内で分離された酢酸メチル共沸物の質量流量であり、「C」は、下記のように計算される。

酢酸メチルの分子量は、1グラムモル当たり74.08グラムである。M単位の酢酸メチル成分の測定重量画分は、約0.78である。したがって、計算されるCの値は、

である。反応は、平衡重合として処理される。THF重合の速度定数は、(Mo−Me)/(Mt−Me)対反応時間(t)のログをプロットすることによって決定され、式中、Mo、Mt、及びMeは、それぞれ反応前、時間t、及び平衡時のTHF濃度である。一般に、PTMEAへの約32重量%THF変換前に得られたデータを使用して、良好な直線関係が得られる。PTMEAのAPHA色は、20APHA単位未満であると決定される。

実施例1は、THF及び無水酢酸に対して異なる流量で6回繰り返した。これらの実験の結果を表2に提供する。

図2において、全体質量均衡は、ストリーム7=ストリーム3+ストリーム19+ストリーム5となる。したがって、表2において、「PTMEA流量」と表示される第1のカラムは、それに続く、「アシリウムイオン前駆体流量」、「重合反応器へのTHF流量」、及び「第1のストリッピング域へのTHF流量」と表示される3つのカラムの和である。PTMEA流量(図2のストリーム7)がわかっているとき、いずれかの方程式の「[A+B]」項を置換する。

表2のデータは、開示される方法を使用する図1のストリーム7に含有されるPTMEA中間物の数平均分子量の早期決定(図1のPTMEG最終生成物ストリーム51の分子量に直結し、比例している)が、商業操作において極めて重要であり、重合反応域[図1の105]に対するアシリウムイオン前駆体の流量[図1のストリーム19]を調節することによって有効に制御することができることを示している。これは、上に示される方程式(1)及び/または方程式(2)を経由する順送制御によって達成される。

図示されるように、表2の実施例5において、「A」は、380kg/時に等しく、Bは、6020kg/hr(4996+1024)に等しく、「C」は、189.7であると以前に計算され、「M」は、706.7kg/時に等しく、「N」は、1モルPTMEA生成当たりの1グラムモルの無水酢酸当たり102.09グラムに等しい。無水酢酸は、この実施例ではアシリウムイオン前駆体として使用される。

方程式(1)は、以下を与える。

方程式(2)は、以下を与える。

最終生成物分析[図1のストリーム51からの]に基づいて得られたPTMEAの実際の数平均分子量(Mn)は、表2の最終カラムに示されるように、1715である。

実施例8〜14 実施例1〜7の実験のPTMEA生成物[図3のストリーム7]のそれぞれは、メタノール[図3のストリーム23]及びNaOMeメタノリシス触媒[図3のストリーム21]とともにメタノリシス域[図3の305]に供給され、生成物混合物を生成する。重合プロセスからのPTMEAストリームは、メタノリシスのための反応性蒸留塔内で20〜30重量%のメタノール及び0.02〜0.05重量%のNaOMeと連続的に混合され、PTMEAをPTMEGに完全に変換する。メタノリシスの生成物[図3のストリーム41]は、構造化ステンレス鋼詰物を有する充填カラムを含む第2のストリッピング域[図3の355]に供給され、図3の酢酸メチル共沸物ストリーム29(78〜79%酢酸メチルを含む)及び図3のPTMEGストリーム25を含む生成物を生成する。酢酸メチル共沸物の流量は、各実験に対して決定される。各実験から生じる最終PTMEG生成物[図1のストリーム51]は、[図1の151を使用して]回収され、その分子量が決定される。表3は、実施例8〜14の実験の最終PTMEG生成物[すなわち、図1のストリーム51]の分子量に対して、実施例1〜7の実験の、図2のストリーム7に含有されるPTMEA中間物の計算された数平均分子量間の関連を示す。

上記データは、本発明が制御可能な所望の特性を有するPTMEGを製造するための改良されたプロセスを提供する。上流プロセスでのPTMEA分子量の早期決定、及び重合反応器へのアシリウムイオン前駆体供給量を調節することによるその精密な制御は、オンターゲット分子量を有する最終PTMEG生成物を生成する。表3のデータは、PTMEA分子量と最終PTMEG生成物分子量との間の正比例を確認する。

本発明の例示的実施形態が具体的に説明されたが、様々な他の修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者には明らかであり、容易に行うことができると理解されるであろう。

したがって、これに関する特許請求の範囲は、本明細書に記載される実施例及び説明に限定されることを意図しないが、むしろ特許請求の範囲は、本発明に帰する特許を受けることができる新規性のすべての特徴を包含するものと解釈され、本発明が属する技術分野の熟練者によってその均等物として扱われるすべての特徴を含む。

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