太陽電池用バックシート、および太陽電池モジュール |
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申请号 | JP2013269889 | 申请日 | 2013-12-26 | 公开(公告)号 | JP2015057456A | 公开(公告)日 | 2015-03-26 |
申请人 | 富士フイルム株式会社; Fujifilm Corp; | 发明人 | TOMIZAWA HIDEKI; MATSUNAGA TADAHIRO; KOITO NAOKI; | ||||
摘要 | 【課題】部分放電電圧の向上と太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性とを両立した太陽電池用バックシート、およびそれを備える太陽電池モジュールを提供することである。【解決手段】支持体と、支持体の少なくとも一方の面側に、エチレングリコール鎖を有し且つ炭素−炭素三重結合を有さないノニオン系界面活性剤を少なくとも含有するA層と、を備え、前記A層が設けられた側の表面抵抗値SRが、1.0?1010&OHgr;/□以上5.5?1015&OHgr;/□以下の範囲である太陽電池用バックシート、およびそれを備えた太陽電池モジュール。【選択図】なし | ||||||
权利要求 | 支持体と、 前記支持体の少なくとも一方の面側に、エチレングリコール鎖を有し且つ炭素−炭素三重結合を有さないノニオン系界面活性剤を少なくとも含有するA層と、 を備え、 太陽電池用バックシートの前記A層が設けられた側の表面抵抗値SRが、1.0×10 10 Ω/□以上5.5×10 15 Ω/□以下の範囲である太陽電池用バックシート。 前記表面抵抗値SRが、1.0×10 11 Ω/□以上1.0×10 15 Ω/□以下の範囲である請求項1に記載の太陽電池用バックシート。 前記A層が、最外層である請求項1または請求項2に記載の太陽電池用バックシート。 前記ノニオン系界面活性剤のエチレングリコール鎖の繰り返し数nが、7以上30以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシート。 前記ノニオン系界面活性剤のエチレングリコール鎖の繰り返し数nが、10以上20以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシート。 前記A層における前記ノニオン系界面活性剤の含有量が、A層の固形分総量に対して2.5質量%以上50質量%以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシート。 前記支持体と、前記A層と、の間に、さらに樹脂を含有する中間層を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池用バックシート。 前記中間層が、白色色材を含有する請求項7に記載の太陽電池用バックシート。 前記中間層が、黒色色材を含有する請求項7または請求項8に記載の太陽電池用バックシート。 太陽光が入射する透明性の基材と、 前記基材上に設けられ、太陽電池素子および前記太陽電池素子を封止する封止材を有する素子構造部分と、 前記素子構造部分の前記基材が位置する側と反対側に配置された請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の太陽電池 用バックシートと、 を備えた太陽電池モジュール。 |
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说明书全文 | 本発明は、太陽電池用バックシート、および太陽電池モジュールに関する。 太陽電池は、発電時に二酸化炭素の排出がなく環境負荷が小さい発電方式であり、近年急速に普及が進んでいる。 太陽電池モジュールは、一般に太陽光が入射するオモテ面側に配置されるフロント基材と、太陽光が入射するオモテ面側とは反対側(裏面側)に配置される、いわゆるバックシートとの間に、太陽電池素子が封止材で封止された太陽電池セルが挟まれた構造を有しており、フロント基材と太陽電池セルとの間および太陽電池セルとバックシートとの間は、それぞれEVA(エチレン−ビニルアセテート)樹脂などで封止されている。 太陽電池モジュールのバックシートとして、部分放電電圧の向上を目的として、表面抵抗値を所定範囲とした太陽電池用バックシートが提案されている(特許文献1〜3参照)。 しかしながら、特許文献1〜3の太陽電池用バックシートでは、所定の表面抵抗値を得る為に、最外層にカチオン系またはノニオン系界面活性剤、導電性ポリマー(例えばポリチオフェン)、無機導電性粒子等の帯電防止材料を多量に含ませる必要がある。 一方、太陽電池モジュールは、太陽電池素子を封止する封止材面に太陽電池用バックシートを貼り合せて作製するため、太陽電池用バックシートの封止材と接触する最外層に多量の帯電防止材料を含んでいると、封止材との密着性が損なわれてしまう。 このため、太陽電池モジュールには、部分放電電圧の向上と共に、太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性をも両立する有効な手段が求められているのが現状である。 そこで、本発明の課題は、上記に鑑み、部分放電電圧の向上と太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性とを両立した太陽電池用バックシート、およびそれを備える太陽電池モジュールを提供することである。 前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。 <2> <7> 本発明によれば、部分放電電圧の向上と太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性とを両立した太陽電池用バックシート、およびそれを備える太陽電池モジュールを提供することができる。 以下、本発明の太陽電池用バックシートおよび太陽電池モジュールについて詳細に説明する。 なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。 [太陽電池用バックシート] 本発明のバックシートは、A層が設けられた側の表面抵抗値SRを上記範囲とすることで、部分放電電圧が向上する。 一方で、支持体の少なくとも一方の面側に設けるA層に含ませる帯電防止材料としてノニオン系界面活性剤(S)を適用すると、少量の含有量でも、表面抵抗値SRの制御が可能となる。 これは、表面に局在化し易く、効率が良いと考えられるためである。 このため、A層をバックシートの最外層(太陽電池素子を封止する封止材と接する層:以下同様)とした場合、A層にノニオン系界面活性剤(S)を少量含有させれば、バックシートの表面抵抗値SRは上記範囲内となる。 そして、太陽電池素子を封止する封止材と接する最外層としてのA層は、ノニオン系界面活性剤(S)の含有量が少量であることから、太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性が損なわれ難くなる。 また、A層以外の層を最外層とした場合、支持体と最外層との間の内部層となるA層にノニオン系界面活性剤(S)を含有させても、バックシートの表面抵抗値SRを上記範囲内とすることができる。 この場合、A層にノニオン系界面活性剤(S)を所望の量に調整すれば、表面抵抗値SRを上記範囲内にしつつ、太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性が損なわれることもない。 そして、太陽電池素子を封止する封止材と接する最外層は、帯電制御材料を含ませる必要がないか、または含ませた場合でも少量で済むことから、太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性が損なわれ難くなる。 以上から、本発明のバックシートは、部分放電電圧の向上と太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性とを両立できる。 なお、従来、部分放電電圧の向上を目的として、バックシートの表面抵抗値を調整する技術では、最外層にカチオン系またはノニオン系界面活性剤、導電性ポリマー(例えばポリチオフェン)、無機導電性粒子等の帯電防止材料等を含有させている。 しかし、部分放電電圧を向上させるためには、これら帯電防止材料等を所定量以上含有させる必要がある。 このような部分放電電圧を向上させるに必要な所定量以上の帯電防止材料等を含有させた場合には、太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性が損なわれる。 これに加え、カチオン系界面活性剤は、水塗布系のバインダー(ラテックス)を凝集させてしまうことがある。 更に、ノニオン系界面活性剤においても、アセチレン基を持つアセチレングリコール構造またはアセチレンアルコール構造を持つノニオン系界面活性剤(例えば「オルフィン(日信化学工業社製)」)の場合には、自己集合し、ハジきが発生し、均一な面状を確保でき難く、密着性が損なわれ易くなる。 無機導電性粒子および導電性ポリマーは、他の材料に比べ表面抵抗値SRを下げるために多量に入れなければならず、その場合、密着性が損なわれ易くなる。 このため、従来のバックシートでは、部分放電電圧の向上と太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性との両立が実現され難く、この点で、本発明のバックシートは利点がある。 ここで、本発明のバックシートの表面抵抗値SRは、1.0×10 10 Ω/□以上5.5×10 15 Ω/□以下の範囲とされるが、より部分放電電圧を向上する観点から、好ましくは1.0×10 11 Ω/□以上1.0×10 15 Ω/□以下の範囲、さらに好ましくは1.0×10 12 Ω/□以上5.0×10 14 Ω/□以下の範囲とされる。 表面抵抗値SRの測定方法は次の通りである。 以下、本発明のバックシートの詳細について説明する。 本発明のバックシートは、その他、必要に応じて、着色層、耐候性層、紫外線吸収層、ガスバリア層の周知の機能層が設けられていてもよい。 これら機能層は、支持体のA層が設けられる面側、および当該面とは反対の面側のいずれに設けられていてもよい。 また、支持体とそれと隣接するように設けるA層または機能層との間には、下塗り層を設けてもよい。 なお、A層は、着色層等の機能層を兼ねる層であってもよい。 中間層に含有させる樹脂としては、溶剤可溶性樹脂であることが好ましい。 溶剤可溶性の樹脂であれば、溶剤に溶解した塗布液を調製することにより、塗布方式により中間層を設けることができる。 中間層に含有させる着色剤としては、白色または黒色のものが好ましい。 剥離などの故障が発生した場合の検出が容易となるという効果が得られる点では白色が好ましく、太陽電池素子を見えにくくするという隠蔽性の効果が得られる点では黒色が好ましい。 本発明では、前記カーボンブラックとして、少量で高い着色力を得るために、カーボンブラック粒子を使用することが好ましく、一次粒子径が1μm以下のカーボンブラック粒子を使用することがより好ましく、一次粒子径が0.1μm〜0.8μmのカーボンブラック粒子であることが特に好ましい。 さらに、カーボンブラック粒子を分散剤とともに水に分散して使用することが好ましい。 中間層を設ける場合、その厚さは0.3μm〜7.0μmが好ましく、0.5μm〜3.0μmの厚さがより好ましく、0.5μm〜2.0μmの厚さが最も好ましい。 以下、支持体および各層の詳細について説明する。 −原料樹脂− ポリエステルの種類は、上記に限られるものではなく、公知のポリエステルを使用してもよい。 公知のポリエステルとしては、ジカルボン酸成分と、ジオール成分とを用いて合成してもよいし、市販のポリエステルを用いてもよい。 ポリエステルを合成する場合は、例えば、(A)ジカルボン酸成分と、(B)ジオール成分とを、周知の方法でエステル化反応およびエステル交換反応の少なくとも一方の反応をさせることによって得ることができる。 (A)ジカルボン酸成分としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類;アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルインダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9'−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等の芳香族ジカルボン酸;などのジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体が挙げられる。 (B)ジアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、9,9'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香族ジオール類;等のジオール化合物が挙げられる。 (A)ジカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種が用いることが好ましい。 より好ましくは、ジカルボン酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸を主成分として含有する。 なお、「主成分」とは、ジカルボン酸成分に占める芳香族ジカルボン酸の割合が80質量%以上であることをいう。 芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分を含んでもよい。 このようなジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸などのエステル誘導体等である。 B)ジオール成分として、脂肪族ジオールの少なくとも1種を用いることが好ましい。 脂肪族ジオールとして、エチレングリコールを含むことができ、好ましくはエチレングリコールを主成分として含有することがよい。 なお、主成分とは、ジオール成分に占めるエチレングリコールの割合が80質量%以上であることをいう。 脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール)の使用量は、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸)および必要に応じそのエステル誘導体の1モルに対して、1.015モル〜1.50モルの範囲であるのが好ましい。 脂肪族ジオールの使用量は、より好ましくは1.02モル〜1.30モルの範囲であり、更に好ましくは1.025モル〜1.10モルの範囲である。 脂肪族ジオールの使用量は、1.015モル以上の範囲であると、エステル化反応が良好に進行し、1.50モル以下の範囲であると、例えばエチレングリコールの2量化によるジエチレングリコールの副生が抑えられ、融点やガラス転移温度、結晶性、耐熱性、耐加水分解性、耐候性など多くの特性を良好に保つことができる。 エステル化反応またはエステル交換反応には、従来から公知の反応触媒を用いることができる。 反応触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、リン化合物などが挙げられる。 通常、ポリエステルの製造方法が完結する以前の任意の段階において、重合触媒としてアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物を添加することが好ましい。 このような方法としては、例えば、ゲルマニウム化合物を例に取ると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加することが好ましい。 例えば、エステル化反応工程は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを、チタン化合物を含有する触媒の存在下で重合する。 このエステル化反応では、触媒であるチタン化合物として、有機酸を配位子とする有機キレートチタン錯体を用いると共に、工程中に少なくとも、有機キレートチタン錯体と、マグネシウム化合物と、置換基として芳香環を有しない5価のリン酸エステルとをこの順序で添加する過程を設けることがよい。 具体的には、エステル化反応工程では、まず、初めに、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールを、マグネシウム化合物およびリン化合物の添加に先立って、チタン化合物である有機キレートチタン錯体を含有する触媒と混合する。 有機キレートチタン錯体等のチタン化合物は、エステル化反応に対しても高い触媒活性を持つので、エステル化反応を良好に行なわせることができる。 このとき、芳香族ジカルボン酸成分および脂肪族ジオール成分を混合した中にチタン化合物を加えてもよいし、芳香族ジカルボン酸成分(または脂肪族ジオール成分)とチタン化合物を混合してから脂肪族ジオール成分(または芳香族ジカルボン酸成分)を混合してもよい。 また、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とチタン化合物とを同時に混合するようにしてもよい。 混合は、その方法に特に制限はなく、従来公知の方法により行なうことが可能である。 ここで、上記ポリエステルの重合に際し、下記の化合物を加えることも好ましい。 5価のリン化合物として、置換基として芳香環を有しない5価のリン酸エステルの少なくとも一種が用いられる。 例えば、炭素数2以下の低級アルキル基を置換基として有するリン酸エステル〔(OR) 3 −P=O;R=炭素数1または2のアルキル基〕が挙げられ、具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが特に好ましい。 ポリエステルにマグネシウム化合物を含めることにより、ポリエステルの静電印加性が向上する。 エステル化反応工程においては、触媒成分であるチタン化合物と、添加剤であるマグネシウム化合物およびリン化合物とを、下記式(i)から算出される値Zが下記の関係式(ii)を満たすように、添加して溶融重合させる場合が特に好ましい。 ここで、P含有量は芳香環を有しない5価のリン酸エステルを含むリン化合物全体に由来するリン量であり、Ti含有量は、有機キレートチタン錯体を含むTi化合物全体に由来するチタン量である。 このように、チタン化合物を含む触媒系でのマグネシウム化合物およびリン化合物の併用を選択し、その添加タイミングおよび添加割合を制御することによって、チタン化合物の触媒活性を適度に高く維持しつつも、黄色味の少ない色調が得られ、重合反応時やその後の製膜時(溶融時)などで高温下に曝されても黄着色を生じ難い耐熱性を付与することができる。 これは、リン化合物はチタンに作用のみならずマグネシウム化合物とも相互作用することから、3者のバランスを定量的に表現する指標となるものである。 式(ii)において、重合反応性を保った状態で、色調および熱に対する着色耐性をより高める観点から、1.0≦Z≦4.0を満たす場合が好ましく、1.5≦Z≦3.0を満たす場合がより好ましい。 エステル化反応工程の好適な態様としては、エステル化反応が終了する前に、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールに、1〜30ppmのクエン酸またはクエン酸塩を配位子とするキレートチタン錯体を添加することがよい。 その後、キレートチタン錯体の存在下に、また、60ppm〜90ppm(より好ましくは70ppm〜80ppm)の弱酸のマグネシウム塩を添加し、該添加後にさらに、60ppm〜80ppm(より好ましくは65ppm〜75ppm)の、芳香環を置換基として有しない5価のリン酸エステルを添加することが好ましい。 エステル化反応工程は、少なくとも2個の反応器を直列に連結した多段式装置を用いて、エチレングリコールが還流する条件下で、反応によって生成した水またはアルコールを系外に除去しながら実施することができる。 エステル化反応工程は、一段階で行なってもよいし、多段階に分けて行なうようにしてもよい。 一方、エステル化反応で生成されたエステル化反応生成物を重縮合反応させて重縮合物を生成する。 重縮合反応は、1段階で行なってもよいし、多段階に分けて行なうようにしてもよい。 エステル化反応で生成したオリゴマー等のエステル化反応生成物は、引き続いて重縮合反応に供される。 この重縮合反応は、多段階の重縮合反応槽に供給することにより好適に行なうことが可能である。 例えば、3段階の反応槽で行なう場合の重縮合反応条件は、第一反応槽は、反応温度が255℃〜280℃、より好ましくは265℃〜275℃であり、圧力が100Torr〜10Torr(13.3×10 −3 MPa〜1.3×10 −3 MPa)、より好ましくは50Torr〜20Torr(6.67×10 −3 MPa〜2.67×10 −3 MPa)であって、第二反応槽は、反応温度が265℃〜285℃、より好ましくは270℃〜280℃であり、圧力が20Torr〜1Torr(2.67×10 −3 MPa〜1.33×10 −4 MPa)、より好ましくは10Torr〜3Torr(1.33×10 −3 MPa〜4.0×10 −4 MPa)であって、最終反応槽内における第三反応槽は、反応温度が270℃〜290℃、より好ましくは275℃〜285℃であり、圧力が10Torr〜0.1Torr(1.33×10 −3 MPa〜1.33×10 −5 MPa)、より好ましくは5Torr〜0.5Torr(6.67×10 −4 MPa〜6.67×10 −5 MPa)である態様が好ましい。 上記のようにして合成されたポリエステルには、光安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、易滑剤(微粒子)、核剤(結晶化剤)、結晶化阻害剤などの添加剤を更に含有させてもよい。 ポリエステルの合成では、エステル化反応により重合した後に、固相重合を行うことが好ましい。 固相重合することにより、ポリエステルの含水率、結晶化度、ポリエステルの酸価、すなわち、ポリエステルの末端カルボキシル基の濃度、固有粘度を制御することができる。 また、固相重合の温度は180℃〜230℃が好ましく、より好ましくは190℃〜215℃、さらに好ましくは195℃〜209℃である。 ここで、ポリエステルは、高い耐加水分解性を有することが好ましい。 このためポリエステル中のカルボキシル基含量は50当量/t(t:トン)以下が好ましく、より好ましくは35当量/t以下であり、さらに好ましくは20当量/t以下である。 カルボキシル基含量が50当量/t以下であると、耐加水分解性を保持し、湿熱経時したときの強度低下を小さく抑制することができる。 カルボキシル基含量の下限は、ポリエステルに形成される層(例えば着色層)との間の接着性を保持する点で、2当量/t、より好ましくは3当量/t、さらに好ましくは3当量/tが望ましい。 −カルボジイミド化合物、ケテンイミン化合物− カルボジイミド化合物またはケテンイミン化合物は、ポリエステルに対して、0.1質量%〜10質量%含有されていることが好ましく、0.1質量%〜4質量%含有されていることがより好ましく、0.1質量%〜2質量%含有されていることがさらに好ましい。 カルボジイミド化合物またはケテンイミン化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、支持体の層間の密着性の密着性を高めることができる。 また、支持体の耐熱性を高めることができる。 カルボジイミド化合物について説明する。 ポリカルボジイミド化合物の製造原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネートなどが例示される。 工業的に入手可能な具体的なポリカルボジイミド化合物としては、カルボジライトHMV−8CA(日清紡製)、カルボジライト LA−1(日清紡製)、スタバクゾールP(ラインケミー社製)、スタバクゾールP100(ラインケミー社製)、スタバクゾールP400(ラインケミー社製)、スタビライザー9000(ラシヒケミ社製)などが例示される。 カルボジイミド化合物は単独で使用することもできるが、複数の化合物を混合して使用することもできる。 ここで、環骨格にカルボジイミド基を1つ含み、その第一窒素と第二窒素が結合基により結合されている環状構造を分子内に少なくとも1つ有する環状カルボジイミド化合物は、環状封止剤として機能する。 環状カルボジイミド化合物は、環状構造を有する。 環状カルボジイミド化合物は、環状構造を複数有していてもよい。 環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。 一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有するが、例えば、スピロ環など、分子中に複数の環状構造を有する場合にはスピロ原子に結合するそれぞれの環状構造中に1個のカルボジイミド基を有していれば、化合物として複数のカルボジイミド基を有していてもよい。 環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15である。 ここで、環状構造中の原子数とは、環構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。 環状構造中の原子数が8より小さいと、環状カルボジイミド化合物の安定性が低下して、保管、使用が困難となる場合があるためである。 また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50を超える原子数の環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。 かかる観点より環状構造中の原子数は好ましくは、10〜30、より好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15の範囲が選択される。 環状カルボジイミド化合物としては、下記一般式(O−A)または一般式(O−B)で表される環状カルボジイミド化合物を用いることが好ましい。 まず、一般式(O−A)で表される環状カルボジイミド化合物について説明する。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表す。 R 2 〜R 4およびR 6 〜R 8は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表す。 R 1 〜R 8は互いに結合して環を形成してもよい。 X 1およびX 2は、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO 2 −、−NH−または−CH 2 −を表す。 L 1は2価の連結基を表す。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表し、アルキル基またはアリール基を表すことが好ましく、2級もしくは3級アルキル基またはアリール基を表すことがポリエステルの末端に連結したイソシアエネートとポリエステルの水酸基末端の反応を抑制し、増粘を抑制する観点からより好ましく、2級アルキル基を表すことが特に好ましい。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5が表すアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルキル基であることが特に好ましい。 R 1およびR 5が表すアルキル基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよいが、分枝または環状であることが、ポリエステルの末端に連結したイソシアエネートとポリエステルの水酸基末端の反応を抑制し、増粘を抑制する観点から好ましい。 R 1およびR 5が表すアルキル基は2級または3級アルキル基であることが好ましく、2級アルキル基であることがより好ましい。 R 1およびR 5が表すアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、シクロヘキシル基、などを挙げることができ、その中でもiso−プロピル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、iso−ペンチル基、iso−ヘキシル基、シクロヘキシル基が好ましく、iso−プロピル基、シクロヘキシル基、tert−ブチル基がより好ましく、iso−プロピル基およびシクロヘキシル基が特に好ましい。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては特に制限されるものではない。 但し、R 1およびR 5が表すアルキル基は、カルボン酸との反応性の観点から、さらに置換基を有さないことが好ましい。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5が表すアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6のアリール基であることが特に好ましい。 R 1およびR 5が表すアリール基は、R 1とR 2が縮合またはR 5とR 6が縮合して形成されたアリール基であってもよいが、R 1およびR 5は、それぞれR 2およびR 6と縮合して環を形成しないことが好ましい。 R 1およびR 5が表すアリール基は、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、その中でもフェニル基がより好ましい。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5が表すアリール基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては特に制限されるものではない。 但し、R 1およびR 5が表すアリール基は、カルボン酸との反応性の観点から、さらに置換基を有さないことが好ましい。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5が表すアルコキシ基は、炭素数1〜20のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルコキシ基であることが特に好ましい。 R 1およびR 5が表すアルコキシ基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよいが、分枝または環状であることが、ポリエステルの末端に連結したイソシアエネートとポリエステルの水酸基末端の反応を抑制し、増粘を抑制する観点から好ましい。 R 1およびR 5が表すアルコキシ基の好ましい例は、R 1およびR 5が表すアルキル基の末端に−O−が連結した基を挙げることがあり、好ましい範囲も同様にR 1およびR 5が表す好ましいアルキル基の末端に−O−が連結した基である。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5が表すアルコキシ基はさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては特に制限されるものではない。 但し、R 1およびR 5が表すアルコキシ基は、カルボン酸との反応性の観点から、さらに置換基を有さないことが好ましい。 一般式(O−A)中、R 1およびR 5は、同じであっても異なっていてもよいが、コストの観点から同じであることが好ましい。 一般式(O−A)中、R 2 〜R 4およびR 6 〜R 8は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表し、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。 一般式(O−A)中、R 2およびR 6がともに水素原子であることが、R 1およびR 5に嵩高い置換基を導入しやすい観点から好ましい。 ここで、WO2010/071211号公報には、上記一般式(O−A)においてR 2およびR 6に相当する部位(カルボジイミド基に対してメタ位)にアルキル基やアリール基が置換した化合物が例示されているが、これらの化合物はポリエステルの末端に連結したイソシアネートとポリエステルの水酸基末端との反応を抑制することができない上、一般式(O−A)においてR 2およびR 6に相当する部位(カルボジイミド基に対してオルト位)に置換基を導入することが困難である。 一般式(O−A)中、R 1 〜R 8は互いに結合して環を形成してもよい。 このときに形成される環は特に制限はないが、芳香族環であることが好ましい。 例えば、R 1 〜R 4の2以上が互いに結合して縮合環を形成してもよく、R 1 〜R 4が置換しているベンゼン環とともに炭素数10以上のアリーレン基やヘテロアリーレン基を形成してもよい。 このときに形成される炭素数10以上のアリーレン基としては、ナフタレンジイル基などの炭素数10〜15の芳香族基が挙げられる。 一般式(O−A)中、同様に、例えば、R 5 〜R 8の2以上が互いに結合して縮合環を形成してもよく、R 5 〜R 8が置換しているベンゼン環とともに炭素数10以上のアリーレン基やヘテロアリーレン基を形成してもよく、そのときの好ましい範囲はR 1 〜R 4が置換しているベンゼン環とともに炭素数10以上のアリーレン基やヘテロアリーレン基を形成するときの好ましい範囲と同様である。 一般式(O−A)中、X 1およびX 2は、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO 2 −、−NH−および−CH 2 −から選択される少なくとも1種を表し、その中でも−O−、−CO−、−S−、−SO 2 −、−NH−であることが好ましく、−O−、−S−であることが合成容易性の観点からより好ましい。 一般式(O−A)中、L 1は2価の連結基を表し、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよく、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、2価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせであることが好ましく、2価の炭素数1〜20の脂肪族基であることがより好ましい。 一般式(O−A)中、L 1が表す2価の脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基が挙げられる。 炭素数1〜20のアルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられ、メチレン基、エチレン基、プロピレン基がより好ましく、エチレン基が特に好ましい。 これらの脂肪族基は置換されていてもよい。 置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。 一般式(O−A)中、L 1が表す2価の脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基が挙げられる。 炭素数3〜20のシクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。 これらの脂環族基は置換されていてもよい。 置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。 一般式(O−A)中、L 1が表す2価の芳香族基として、へテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基が挙げられる。 炭素数5〜15のアリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。 これらの芳香族基は置換されていてもよい。 置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。 一般式(O−A)中におけるカルボジイミド基を含む環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15である。 ここで、カルボジイミド基を含む環状構造中の原子数とは、カルボジイミド基を含む環状構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。 環状構造中の原子数が8より小さいと、環状カルボジイミド化合物の安定性が低下して、保管、使用が困難となる場合があるためである。 また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50を超える原子数の環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。 かかる観点より、一般式(O−A)中、環状構造中の原子数は好ましくは、10〜30、より好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15の範囲が選択される。 次に、一般式(O−B)で表される環状カルボジイミド化合物について説明する。 一般式(O−B)中、R 11 、R 15 、R 21およびR 25は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表す。 R 12 〜R 14 、R 16 〜R 18 、R 22 〜R 24およびR 26 〜R 28は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表す。 R 11 〜R 28は互いに結合して環を形成してもよい。 X 11 、X 12 、X 21およびX 22は、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO 2 −、−NH−または−CH 2 −を表す。 L 2は4価の連結基を表す。 一般式(O−B)中、R 11 、R 15 、R 21およびR 25の好ましい範囲は、上記一般式(O−A)中のR 1およびR 5の好ましい範囲と同様である。 一般式(O−B)中、R 12 〜R 14 、R 16 〜R 18 、R 22 〜R 24およびR 26 〜R 28の好ましい範囲は、上記一般式(O−A)中のR 2 〜R 4およびR 6 〜R 8の好ましい範囲と同様である。 ここで、一般式(O−B)で表される環状カルボジイミド化合物は、このようにカルボジイミド基の近傍に、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基のように嵩高い基を導入することで、カルボジイミド基とポリエステルの末端カルボン酸が反応した後に生成するイソシアネート基とポリエステルの末端水酸基の反応を抑制できる。 この結果、ポリエステルの高分子量化を抑制でき、上述のようなポリエステルの粘性増加による切り屑の発生を抑制できる。 一般式(O−B)中、R 11 〜R 28は互いに結合して環を形成してもよく、好ましい環の範囲は上記一般式(O−A)中、R 1 〜R 8が互いに結合して形成する環の範囲と同様である。 一般式(O−B)中、X 11 、X 12 、X 21およびX 22の好ましい範囲は、上記一般式(O−A)中のX 1およびX 2の好ましい範囲と同様である。 一般式(O−B)中、L 2は4価の連結基を表し、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、4価の炭素数1〜20の脂肪族基、4価の炭素数3〜20の脂環族基、4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせであることが好ましく、4価の炭素数1〜20の脂肪族基であることがより好ましい。 一般式(O−B)中、L 2が表す4価の脂肪族基として、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。 炭素数1〜20のアルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられ、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基がより好ましく、エタンテトライル基が特に好ましい。 これら脂肪族基は置換基を含んでいてもよい。 置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。 一般式(O−B)中、L 2が表す4価の脂環族基として、脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。 炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。 これら脂環族基は置換基を含んでいてもよい。 置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリーレン基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。 一般式(O−B)中、L 2が表す4価の芳香族基として、へテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。 炭素数5〜15のアレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。 これらの芳香族基は置換されていてもよい。 置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。 一般式(O−B)中、4価の連結基であるL 2を介して、カルボジイミド基を含む環状構造が2つ含まれる。 ここで、環状カルボジイミド化合物は、分子内に2つ以上のカルボジイミド基の第一窒素と第二窒素とが連結基により結合した環構造を有さない芳香族カルボジイミドであること、すなわち環状カルボジイミド化合物は単環であり、上記一般式(O−A)で表されることが、増粘し難い観点から好ましい。 環状カルボジイミド化合物の分子量は、重量平均分子量で400〜1500が好ましい。 環状カルボジイミド化合物の分子量は、400以上であると、揮散性が小さく、製造時のイソシアネートガスの発生を抑制できるため好ましい。 また、環状カルボジイミド化合物の分子量の上限は特に限定はないが、カルボン酸との反応性の観点から、1500以下が好ましい。 一般式(O−A)または一般式(O−B)で表される環状カルボジイミド化合物の具体例の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。 但し、本発明は以下の具体例により限定されるものではない。 環状カルボジイミド化合物は、芳香環に隣接して−N=C=N−で表される構造(カルボイジイミド基)を少なくとも1つ有する化合物であることが好ましく、例えば、適当な触媒の存在下に、有機イソシアネートを加熱し、脱炭酸反応で製造できる。 また、本発明の環状カルボジイミド化合物は、特開2011−256337号公報に記載の方法などを参考にして合成することができる。 環状カルボジイミド化合物を合成するにあたり、カルボジイミド基の第一窒素と第二窒素に隣接するアリーレン基のオルト位に特定の嵩高い置換基を導入する方法としては特に制限はないが、例えば既知の方法でアルキルベンゼンをニトロ化することで、アルキル基が置換されたニトロベンゼンを合成することができ、それを元にWO2011/158958に記載の方法で環状カルボジイミドを合成することができる。 ケテンイミン化合物について説明する。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アリールオキシ基、アシル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、R 3はアルキル基またはアリール基を表す。 ここで、ケテンイミン化合物の窒素原子と該窒素原子に結合している置換基を除く部分の分子量は320以上であることが好ましい。 すなわち、一般式(K−A)では、R 1 −C(=C)−R 2基の分子量は320以上であることが好ましい。 ケテンイミン化合物の窒素原子と該窒素原子に結合している置換基を除く部分の分子量は、320以上であることが好ましく、500〜1500であることがより好ましく、600〜1000であることがさらに好ましい。 このように、窒素原子と該窒素原子に結合している置換基を除く部分の分子量を上記範囲内とすることにより、支持体とそれと接する層との密着性を高めることができる。 これは、窒素原子と該窒素原子に結合している置換基を除く部分が一定範囲の分子量を有することで、ある程度の嵩高さをもったポリエステル末端が支持体に接する層に拡散し投錨効果を発揮するためである。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2で表されるアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましい。 R 1およびR 2が表すアルキル基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよい。 R 1およびR 2が表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、シクロヘキシル基、などを挙げることができる。 中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、シクロヘキシル基とすることがより好ましい。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよい。 ケテンイミン基とカルボキシル基との反応性を低下させない限り、置換基は特に制限されることはなく、上記の置換基を同様に例示することができる。 なお、R 1およびR 2が表すアルキル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましい。 R 1およびR 2が表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、その中でもフェニル基が特に好ましい。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアリール基にはヘテロアリール基が含まれるものとする。 ヘテロアリール基とは、芳香族性を示す5員、6員または7員の環またはその縮合環の環構成原子の少なくとも1つがヘテロ原子に置換されたものをいう。 ヘテロアリール基としては、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ベンズオキサゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基を例示することができる。 ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子であることが好ましく、中でも、酸素原子または窒素原子であることが好ましい。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアリール基またはヘテロアリール基はさらに置換基を有していてもよく、ケテンイミン基とカルボキシル基との反応性を低下させない限り、置換基は特に制限されない。 なお、R 1およびR 2が表すアリール基またはヘテロアリール基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアルコキシ基は、炭素数1〜20のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルコキシ基であることが特に好ましい。 R 1およびR 2が表すアルコキシ基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよい。 R 1およびR 2が表すアルコキシ基の好ましい例としては、R 1およびR 2が表すアルキル基の末端に−O−が連結した基を挙げることができる。 R 1およびR 2が表すアルコキシ基はさらに置換基を有していてもよく、ケテンイミン基とカルボキシル基との反応性を低下させない限り、置換基は特に制限されない。 なお、R 1およびR 2が表すアルコキシ基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアルコキシカルボニル基は、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基であることが好ましく、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基であることが特に好ましい。 R 1およびR 2が表すアルコキシカルボニル基のアルコキシ部としては、上述したアルコキシ基の例を挙げることができる。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアミノカルボニル基は、炭素数1〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数6〜20のアリールアミノカルボニル基であることが好ましい。 アルキルアミノカルボニル基のアルキルアミノ部の好ましい例としては、R 1およびR 2が表すアルキル基の末端に−NH−が連結した基を挙げることができる。 R 1およびR 2が表すアルキルアミノカルボニル基はさらに置換基を有していてもよく、ケテンイミン基とカルボキシル基との反応性を低下させない限り、置換基は特に制限されない。 炭素数6〜20のアリールアミノカルボニル基のアリールアミノ部の好ましい例としては、R 1およびR 2が表すアリール基の末端に−NH−が連結した基を挙げることができる。 R 1およびR 2が表すアリールアミノカルボニル基はさらに置換基を有していてもよく、ケテンイミン基とカルボキシル基との反応性を低下させない限り、置換基は特に制限されない。 なお、R 1およびR 2が表すアルキルアミノカルボニル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアリールオキシ基は、炭素数6〜20のアリールオキシ基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリールオキシ基であることがより好ましい。 R 1およびR 2が表すアリールオキシ基のアリール部としては、上述したアリール基の例を挙げることができる。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアシル基は、炭素数2〜20のアシル基であることが好ましく、炭素数2〜12のアシル基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアシル基であることが特に好ましい。 R 1およびR 2が表すアシル基はさらに置換基を有していてもよく、ケテンイミン基とカルボキシル基との反応性を低下させない限り、置換基は特に制限されない。 なお、R 1およびR 2が表すアシル基の炭素数は、置換基を含まない炭素数を示す。 一般式(K−A)中、R 1およびR 2が表すアリールオキシカルボニル基は、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基であることが好ましく、炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であることがより好ましいR 1およびR 2が表すアリールオキシカルボニル基のアリール部としては、上述したアリール基の例を挙げることができる。 一般式(K−A)中、R 3はアルキル基またはアリール基を表す。 アルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましい。 R 3が表すアルキル基は直鎖であっても分枝であっても環状であってもよい。 R 3が表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、シクロヘキシル基、などを挙げることができる。 中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、シクロヘキシル基とすることがより好ましい。 一般式(K−A)中、R 3が表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよい。 ケテンイミン基とカルボキシル基との反応性を低下させない限り、置換基は特に制限されることはなく、上記の置換基を同様に例示することができる。 一般式(K−A)中、R 3が表すアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましい。 R 3が表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができ、その中でもフェニル基が特に好ましい。 一般式(K−A)中、R 3が表すアリール基にはヘテロアリール基が含まれるものとする。 ヘテロアリール基とは、芳香族性を示す5員、6員または7員の環またはその縮合環の環構成原子の少なくとも1つがヘテロ原子に置換されたものをいう。 ヘテロアリール基としては、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ベンズオキサゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基を例示することができる。 ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子であることが好ましく、中でも、酸素原子または窒素原子であることが好ましい。 一般式(K−A)中、R 3が表すアリール基またはヘテロアリール基はさらに置換基を有していてもよく、ケテンイミン基とカルボキシル基との反応性を低下させない限り、置換基は特に制限されない。 なお、一般式(K−A)は、繰り返し単位を含んでいてもよい。 この場合、R 1またはR 3の少なくとも一方が繰り返し単位であり、この繰り返し単位には、ケテンイミン部が含まれることが好ましい。 ケテンイミン化合物としては、下記一般式(K−B)で表されるケテンイミン化合物を用いることも好ましい。 一般式(K−B)中、R 1はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アリールオキシ基、アシル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。 R 2は置換基としてL 1を有するアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アリールオキシ基、アシル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。 R 3はアルキル基またはアリール基を表す。 nは2〜4の整数を表し、L 1はn価の連結基を表す。 (R 1 −C(=C)−R 2 −) n −L 1基の分子量は320以上であることが好ましい。 一般式(K−B)中、R 1は、一般式(K−A)におけるR 1と同意であり、好ましい範囲も同様である。 一般式(K−B)中、R 2は、n価の連結基であるL 1を有するアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アリールオキシ基、アシル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。 アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アリールオキシ基、アシル基またはアリールオキシカルボニル基としては、一般式(K−A)におけるそれと同意であり、好ましい範囲も同様である。 一般式(K−B)中、R 3は、一般式(K−A)におけるR 3と同意であり、好ましい範囲も同様である。 一般式(K−B)中、L 1はn価の連結基を表し、nは2〜4の整数を表す。 一般式(K−B)中、L 1が表す二価の連結基の具体例としては、例えば、−NR 8 −(R 8は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される基、−SO 2 −、−CO−、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、アルキニレン基、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、−O−、−S−および−SO−ならびにこれらを2つ以上組み合わせて得られる基が挙げられる。 一般式(K−B)中、L 1が表す連結基のn価を2〜4とすることにより、ケテンイミン部を一分子中に2以上有する化合物とすることができ、より優れた末端封止効果を発揮することができる。 また、ケテンイミン部を一分子中に2以上有する化合物とすることにより、ケテンイミン基当たりの分子量を低くすることができ、効率よくケテンイミン化合物とポリエステルの末端カルボキシル基を反応させることができる。 さらに、ケテンイミン部を一分子中に2以上有することにより、ケテンイミン化合物やケテン化合物が揮散することを抑制することができる。 一般式(K−B)中、nは3または4であることがより好ましい。 nを3または4とすることにより、ケテンイミン部を一分子中に3または4有する化合物とすることができ、より優れた末端封止効果を発揮することができる。 また、nを3または4とすることにより、一般式(K−B)中のR 1またはR 2の置換基のモル分子量を小さくした場合であっても、ケテンイミン化合物の揮散を抑制することができる。 ケテンイミン化合物としては、下記一般式(K−C)で表されるケテンイミン化合物を用いることも好ましい。 一般式(K−C)中、R 1およびR 5はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アリールオキシ基、アシル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。 R 2およびR 4は置換基としてL 2を有するアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アリールオキシ基、アシル基またはアリールオキシカルボニル基を表す。 R 3およびR 6はアルキル基またはアリール基を表す。 L 2は単結合または二価の連結基を表す。 R 1 −C(=C)−R 2 −L 2 −R 4 ―C(=C)−R 5基の分子量は320以上であることが好ましい。 一般式(K−C)中、R 1は、一般式(K−A)におけるR 1と同意であり、好ましい範囲も同様である。 また、R 5は、一般式(K−A)におけるR 1と同意であり、好ましい範囲も同様である。 一般式(K−C)中、R 2は、一般式(K−B)におけるR 2と同意であり、好ましい範囲も同様である。 また、R 4は、一般式(K−B)におけるR 2と同意であり、好ましい範囲も同様である。 一般式(K−C)中、R 3は、一般式(K−A)におけるR 3と同意であり、好ましい範囲も同様である。 また、R 6は、一般式(K−A)におけるR 3と同意であり、好ましい範囲も同様である。 一般式(K−C)中、L 2は、単結合または二価の連結基を表す。 二価の連結基の具体例としては、一般式(K−B)のL 1で例示した連結基を挙げることができる。 ここで、ケテンイミン化合物の窒素原子と該窒素原子に結合している置換基を除く部分の分子量は320以上であることが好ましい。 ケテンイミン化合物の窒素原子と該窒素原子に結合している置換基を除く部分の分子量は320以上であれば良く、400以上であることが好ましく、500以上であることがさらに好ましい。 また、一分子中のケテンイミン部の数に対するケテンイミン化合物のモル分子量(モル分子量/ケテンイミン部の数)は、1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、400以下であることがさらに好ましい。 ケテンイミン化合物のケテンイミン部炭素上の置換基の分子量およびケテンイミン部の数に対するケテンイミン化合物のモル分子量を上記範囲内とすることにより、ケテンイミン化合物自体の揮散を抑制し、ポリエステルの末端カルボキシル基を封止する際に生じるケテン化合物の揮散を抑制し、さらにポリエステルの末端カルボキシル基の封止を低添加量のケテンイミン化合物にて行うことができる。 ケテンイミン基を少なくとも1つ有するケテンイミン化合物は、例えば、J. Am. Chem. Soc. ,1953,75(3),pp. 657−660に記載の方法などを参考にして合成することができる。 以下、一般式(K−A)〜(K−C)で表されるケテンイミン化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。 上記例示化合物に示されているように、ケテンイミン化合物は、3官能または4官能であることがより好ましい。 これにより、末端封止効果をより高めることができ、ケテンイミン化合物やケテン化合物の揮散を効果的に抑制することができる。 −支持体の製造方法− 支持体は、例えば、上記のポリエステルをフィルム状に溶融押出を行った後、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをガラス転移点(Tg:単位℃)以上(Tg+60℃)以下で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg以上(Tg+60℃)以下で幅方向に倍率が3倍〜5倍になるように延伸した2軸延伸フィルムであることが好ましい。 以下、支持体の製造方法の好ましい態様として、ポリエステルフィルムの製造方法の一例について説明する。 ・ポリエステルフィルム形成工程: カルボジイミド化合物やケテンイミン化合物は、直接これらの押出し機に添加してもよいが、予めポリエステルとマスターバッチを形成し押出し機に投入することが、押出し安定性の観点から好ましい。 マスターバッチを形成する場合は、ケテンイミン化合物を含むマスターバッチの供給量に上記変動を与えることが好ましい。 なお、マスターバッチケテンイミンの濃度は濃縮したものを使用することが好ましく、製膜後のフィルム中の濃度の2〜100倍、より好ましくは5〜50倍にすることがコストの観点から好ましい。 押出しは真空排気や不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。 これによりでケテンイミン、カルボジイミド化合物等の分解を抑止できる。 押出し機の温度は使用するポリエステルの融点から融点+80℃以下で行なうことが好ましく、より好ましくは融点+10℃以上、融点+70℃以下、さらに好ましくは融点+20℃以上、融点+60℃以下である。 この範囲未満では充分に樹脂が融解せず、一方この範囲を超えるとポリエステルやケテンイミン化合物、カルボジイミド化合物等が分解し好ましくない。 なお、この押出しの前に、ポリエステルやケテンイミン化合物、カルボジイミド化合物等のマスターバッチを乾燥しておくことが好ましく、好ましい含水率は10ppm〜300ppm、より好ましくは20ppm〜150ppmである。 なお、押出された溶融体は、ギアポンプ、濾過機、多層ダイを通してキャストドラム上に流涎される。 多層ダイの方式はマルチマニホールドダイ、フィードブロックダイ、どちらも好適に用いることができる。 ダイの形状はT−ダイ、ハンガーコートダイ、フィッシュテール、いずれでも構わない。 このようなダイの先端(ダイリップ)に上述のような温度変動を付与することが好ましい。 キャストドラム上では、溶融樹脂(メルト)を、静電印加法を用いて冷却ロールに密着させることができる。 この際、キャストドラムの駆動速度に上記のような変動を与えることが好ましい。 キャストドラムの表面温度は、おおよそ10℃〜40℃とすることができる。 キャストドラムの直径は0.5m以上5m以下が好ましく、より好ましくは1m以上4m以下である。 キャストドラムの駆動速度(最外週の線速度)は1m/分以上50m/分以下が好ましく、より好ましくは3m/分以上30m/分以下である。 ・延伸工程: 好ましい延伸倍率は少なくとも一方に280%〜500%、より好ましくは300%〜480%、さらに好ましくは320%〜460%である。 二軸延伸の場合、縦、横均等に延伸してもよいが、一方の延伸倍率を他方より大きくし不均等に延伸するほうがより好ましい。 縦(MD)、横(TD)いずれを大きくしてもよい。 ここで云う延伸倍率は、以下の式を用いて求めたものである。 二軸延伸処理は、例えば、フィルムのガラス転移温度である(Tg 1 )℃〜(Tg 1 +60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上、合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後、(Tg 1 )℃〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるよう施すことができる。 縦二軸延伸処理は出口側の周速を速くした2対以上のニップロールを用いて、長手方向に延伸することができ(縦延伸)、またチャックで幅方向を把持した後、このチャック間の長手方向の間隔を広げることで延伸してもよい。 これらの延伸工程に、後述する下塗り層の塗布工程を組み合わせることが好ましい。 下塗り層は、このような延伸工程の前や延伸工程の間の工程において、塗布によりポリエステルフィルムの表面に形成されることが好ましい。 すなわち、本発明では、ポリエステルフィルム基材を少なくとも1回延伸することが好ましい。 例えば、延伸工程と塗布工程は、下記のような組合せで実施することができる。 この中で好ましいのが(a)、(b)、(c)であり、さらに好ましいのが(a)である。 この手法が最も密着力が高く、設備もコンパクトとなり好ましい。 延伸工程においては、延伸処理の前またはその後、好ましくは延伸処理後に、フィルムに熱処理を施すことができる。 熱処理を施すことによって、微結晶を生成し、力学特性や耐久性を向上させることができる。 180℃〜240℃程度(更に好ましくは、200〜230℃)で1秒間〜60秒間(更に好ましくは2秒間〜30秒間)の熱処理をフィルムに施してもよい。 延伸工程においては、熱処理後、熱緩和処理を施すことができる。 熱緩和処理とは、フィルムに対して応力緩和のために熱を加えて、フィルムを収縮させる処理である。 熱緩和処理は、フィルムのMDおよびTDの両方向に施すことが好ましい。 熱緩和処理における諸条件は、熱処理温度より低い温度で処理することが好ましく、130℃〜220℃が好ましい。 また、熱緩和処理は、フィルムの熱収縮率(150℃)がMDおよびTDがいずれも−1%〜12%であることが好ましく、0%〜10%が更に好ましい。 尚、熱収縮率(150℃)は、測定方向350mm、幅50mmのサンプルを切り出し、サンプルの長手方向の両端近傍300mm間隔に標点を付け、150℃の温度に調整されたオーブンに一端を固定、他端をフリーで30分間放置し、その後、室温で標点間距離を測定し、この長さをL(mm)とし、かかる測定値を用いて、下記式にて熱収縮率を求めることができる。 以上の工程を経て、支持体としてのポリエステルフィルムが製造される。 支持体は、120℃、相対湿度100%の条件で50時間保存した後の破断伸びが、保存前の破断伸びに対して50%以上であるものが好ましい(以下、当該条件により湿熱処理した支持体の処理前後における破断伸びの保持率を、単に「破断伸び保持率」ともいう。)。 破断伸び保持率が50%以上であることで、加水分解に伴う変化が抑えられ、長期使用の際に塗布層との密着界面での密着状態が安定的に保持されることにより、経時での剥離等が防止される。 これにより、バックシートが、例えば屋外等の高温、高湿環境や曝光下に長期に亘り置かれる場合でも、高い耐久性能を示す。 より好ましくは50%に達する時間が70時間以上200時間以下が好ましく、より好ましくは75時間以上180時間以下である。 支持体は150℃で30分間熱処理をした時の熱収縮がMD,TDとも1%以下、より好ましくは0.5%以下であることが好ましい。 熱収縮を1%以下に保つことにより、太陽電池モジュールを形成した時の反りを防止することができる。 支持体は必要に応じてコロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理のような表面処理を行ってもよい。 これらのうちでコロナ放電処理は低コストで行うことができる、好ましい表面処理方法である。 グロー放電処理は、真空プラズマ処理またはグロー放電処理とも呼ばれる方法で、低圧雰囲気の気体(プラズマガス)中での放電によりプラズマを発生させ、基材表面を処理する方法である。 本発明の処理で用いる低圧プラズマはプラズマガスの圧力が低い条件で生成する非平衡プラズマである。 本発明の処理は、この低圧プラズマ雰囲気内に被処理フィルムを置くことにより行われる。 ここで、プラズマガスの圧力としては、非平衡プラズマ条件が達成される低圧が必要である。 具体的なプラズマガスの圧力としては、0.005Torr〜10Torr、より好ましくは0.008Torr〜3Torr程度の範囲が好ましい。 プラズマガスの圧力が0.005Torr未満の場合は接着性改良効果が不充分な場合があり、逆に10Torrを超えると電流が増大して放電が不安定になる場合がある。 グロー放電処理の処理時間は0.05秒間〜100秒間、より好ましくは0.5秒間〜30秒間程度が好ましい。 処理時間が0.05秒間未満の場合には接着性改良効果が不充分な場合があり、逆に100秒間を超えると被処理フィルムの変形や着色等の問題が生じる場合がある。 グロー放電処理では、あらかじめ被処理フィルムを加熱しておくことも好ましい。 この方法により、加熱を行わなかった場合に比べ、短時間で良好な接着性が得られる。 加熱の温度は40℃以上(被処理フィルムの軟化温度+20℃)以下の範囲が好ましく、70℃以上被処理フィルムの軟化温度以下の範囲がより好ましい。 加熱温度を40℃以上とすることで充分な接着性の改良効果が得られる。 また、加熱温度を被処理フィルムの軟化温度以下とすることで処理中に良好なフィルムの取り扱い性が確保できる。 (A層) −バインダー− アクリル樹脂としては、例えば、ホリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等を含有するポリマー等が好ましい。 アクリル樹脂として、アクリルとシリコーンとの複合樹脂も好ましい。 アクリル樹脂としては上市されている市販品を用いてもよく、例えば、AS−563A(ダイセルフアインケム(株)製)、ジュリマーET−410、同SEK−301(ともに日本純薬工業(株)製)が挙げられる。 アクリルとシリコーンとの複合樹脂としては、セラネートWSA1060、同WSA1070(ともにDIC(株)製)、およびH7620、H7630、H7650(ともに旭化成ケミカルズ(株)製)が挙げられる。 ポリオレフィン樹脂としては、例えば、変性ポリオレフィン共重合体が好ましい。 ポリオレフィン樹脂としては上市されている市販品を用いてもよく、例えば、アローベースSE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010(ともにユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、S8512(ともに東邦化学(株)製)、ケミパールS−120、S−75N、V100、EV210H(ともに三井化学(株)製)などを挙げることができる。 その中でも、低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体である、アローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製を用いることが密着性を向上させる上で好ましい。 これらのポリオレフィン樹脂は単独で用いても2種以上併用して用いてもよく、2種以上併用する場合は、アクリル樹脂とポリオレフィン樹脂の組合せ、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂の組合せ、ウレタン樹脂とポリオレフィン樹脂の組合せが好ましく、アクリル樹脂とポリオレフィン樹脂の組合せがより好ましい。 これらのポリオレフィン樹脂に、ポリエステル樹脂(例えば、バイロナールMD−1245(東洋紡(株)製)を好ましく組合せて用いることができる。またポリオレフィン樹脂にポリウレタン樹脂を加えることも好ましく、例えば、カーボネート系ウレタン樹脂が好ましく、例えば、スーパーフレックス460(第一工業製薬(株)製)を好ましく用いることができる。 −架橋剤− 架橋剤の添加量は、バインダーに対して0.5質量%〜50質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜40質量%であり、特に好ましくは5質量%以上30質量%未満である。 特に架橋剤の添加量は、0.5質量%以上であると、A層の強度および接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、50質量%以下であると、塗布液のポットライフを長く保て、40質量%未満であると塗布面状を改良できる。 −架橋剤の触媒− 架橋剤の触媒としては、オニウム化合物を挙げることができる。 オニウム化合物の具体例としては、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、p−トルエンスルホン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、イミドジスルホン酸アンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、四フッ化ホウ素テトラブチルアンモニウム、六フッ化燐テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム等のアンモニウム塩; これらの中でも、オニウム化合物は、硬化時間の短縮の点で、アンモニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩がより好ましく、これらの中ではアンモニウム塩が更に好ましく、安全性、pH、およびコストの観点からは、リン酸系、塩化ベンジル系のものが好ましい。 オニウム化合物が第二リン酸アンモニウムであることがより特に好ましい。 架橋剤の触媒は、1種のみであってもよいし、2種以上を併用してもよい。 −帯電防止材料− ノニオン系界面活性剤(S)は、エチレングリコール鎖(ポリオキシエチレン鎖;−(CH 2 −CH 2 −O) n −)を有し且つ炭素−炭素三重結合(アルキン結合)を有さないノニオン系界面活性剤である。 つまり、ノニオン系界面活性剤(S)は、ポリエチレンオキサイド構造を有し、アセチレン基を有さないノニオン系界面活性剤である。 ノニオン系界面活性剤(S)のエチレングリコール鎖の繰り返し数nは、5以上30以下が好ましく、より好ましくは7以上30以下、さらに好ましくは10以上20以下である。 なお、エチレングリコール鎖の繰り返し数nとは、「−(CH 2 −CH 2 −O) n −」構造の「n」の数であり、エチレングリコールの平均重合度を示す。 ノニオン系界面活性剤(S)として、具体的には、一般式(SI)、一般式(SII)、一般式(SIII−A)、および一般式(SIII−B)で示されるノニオン系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。 まず、一般式(SI)で示されるノニオン系界面活性剤について説明する。 一般式(SI)中、R 11 、R 13 、R 21およびR 23は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、またはスルファモイル基を表し、置換もしくは無置換基の、アルキル基、アリール基、またはアルコキシ基が好ましく、最も好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基である。 一般式(SI)中、R 11 〜R 14 、およびR 21 〜R 24は、好ましくはメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、t−アミル、t−ヘキシル、t−オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、1−フェニルエチル、2−フェニル−2−プロピル等の炭素数1〜20の置換または無置換のアルキル基;フェニル基、p−クロロフェニル基等の置換または無置換のアリール基;−OR 33 (ここでR 33は炭素数1〜20の置換または無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。以下同じである)で表される置換または無置換のアルコキシ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;−COR 33で表されるアシル基;−NR 34 COR 33 (ここでR 34は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。以下同じ)で表されるアミド基;−NR 34 SO 2 R 33で表わされるスルホンアミド基;−CON(R 34 ) 2で表されるカルバモイル基;または−SO 2 N(R 34 ) 2で表されるスルファモィル基である。 但し、R 12 、R 14 、R 22およびR 24は水素原子であってもよい。 R 11 〜R 14 、およびR 21 〜R 24は、好ましくは置換もしくは無置換基のアルキル基である。 これらのうち、一般式(SI)中、R 11 、R 13 、R 21およびR 23は、好ましくはアルキル基またはハロゲン原子であり、特に好ましくは、かさ高いt−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基等の3級アルキル基である。 R 12およびR 14 、R 22およびR 24は特に好ましくは水素原子である。 R 5およびR 6は、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ヘプチル基、1−エチルアミル基、n−ウンデシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基等の置換もしくは無置換のアルキル基;α−フリル基、フェニル基、ナフチル基、p−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−ニトロフェニル基等の置換もしくは無置換のアリール基である。 R 11とR 12 、R 13とR 14 、R 21とR 22 、R 23とR 24およびR 5とR 6は互いに連結して置換もしくは無置換の環を形成してもよく、例えば、シクロヘキシル環を形成してもよい。 これらのうち、R 5とR 6は特に好ましくは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、フリル基である。 mおよびnは好ましくは5〜30の数(より好ましくは7以上30以下、さらに好ましくは10以上20以下)である。 mとnは同じでも異なってもよい。 以下、一般式(SI)で示されるノニオン系界面活性剤の具体的を示すが、これに限られるわけではない。 一般式(SII)で示されるノニオン系界面活性剤について説明する。 一般式(SII)中、mは、0〜40の整数(好ましくは0〜30の整数、より好ましくは0〜20の整数)を表す。 nは、それぞれ独立にポリオキシエチレン鎖の繰り返し数(平均重合度)を表し、2〜50の数(好ましくは5〜50の数、より好ましくは7以上30以下、さらに好ましくは10以上20以下))である。 以下、一般式(SII)で示されるノニオン系界面活性剤の具体的を示すが、これに限られるわけではない。 一般式(SIII−A)、一般式(SIII−B))で示されるノニオン系界面活性剤について説明する。 一般式(SIII−A)および(SIII−B)中、R 10およびR 20は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜100の有機基を表し、t1およびt2は、それぞれ独立に1または2を表し、Y 1およびY 2は、それぞれ独立に単結合または炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、m1およびn1は、それぞれ0または1〜100の数を表し、但しm1は0ではなく、またn1が0である場合にはm1は1ではなく、m2およびn2はそれぞれ0または1〜100の数を表し、但しm2は0ではなく、またn2のいずれかが0である場合にはm2は1ではない。 一般式(SIII−A)中、t1が2を表し、R 10が炭素原子数1〜100の有機基であるとき、2つ存在するR 10は同一でも異なっていてもよく、2つのR 10が互いに結合して環を構成していてもよい。 一般式(SIII−A)および(SIII−B)中、R 10またはR 20で表される、炭素原子数1〜100の有機基の具体例としては、飽和でも不飽和でよく直鎖でも分岐鎖でもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられ、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基などがある。 一般式(SIII−A)および(SIII−B)中、好ましいR 10 、R 20としては、水素原子または炭素原子数1〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アルキルカルバモイル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、繰り返し単位数5〜20程度のポリオキシアルキレン鎖、炭素原子数6〜20のアリール基、繰り返し単位数5〜20程度のポリオキシアルキレン鎖が結合しているアリール基などが挙げられる。 一般式(SIII−A)および(SIII−B)で示されるノニオン系界面活性剤において、ポリオキシエチレン鎖の繰り返し単位数は3〜50(好ましくは5〜50の数、より好ましくは7以上30以下、さらに好ましくは10以上20以下))がよい。 ポリオキシプロピレン鎖の繰り返し単位数は好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。 ポリオキシエチレン部とポリオキシプロピレン部の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。 一般式(SIII−A)で示されるノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。 以下に、一般式(SIII−A)または一般式(SIII−B)で示されるノニオン系界面活性剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。 以上説明したノニオン系界面活性剤(S)の含有量は、A層が最外層の場合、A層の総質量を基準に、2.5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上40質量%以下がより好ましく、10質量%以上30質量%以下がさらにより好ましい。 ここで、ノニオン系界面活性剤(S)以外の他の帯電防止材料としては、例えば、有機系導電性材料、無機系導電性材料、有機系/無機系複合導電性材料が挙げられる。 有機系導電性材料としては、例えば、分子中にアンモニウム基、アミン塩基、四級アンモニウム基などのカチオン性の置換基を有するカチオン系導電性化合物;スルホン酸塩基、リン酸塩基、カルボン酸塩基などのアニオン性を有するアニオン系導電性化合物;アニオン性の置換基、カチオン性置換基の両方を有する両性系導電性化合物等のイオン性の導電性材料;共役したポリエン系骨格を有するポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロールなどの導電性高分子化合物等が挙げられる。 無機系導電性材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、ケイ素、硼素、パラジウム、レニウム、バナジウム、オスミウム、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、プラセオジウム、クロム、ニッケル、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、タンタル、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、イットリウム、ランタニウム、マグネシウム、カルシウム、セリウム、ハフニウム、バリウム、等の無機物群を主たる成分とするものを酸化、亜酸化、次亜酸化させたもの;上記無機物群と上記無機物群を酸化、亜酸化、次亜酸化させたものとの混合物(以後これらを称して無機酸化物とする);上記無機物群を主たる成分とするものを窒化、亜窒化、次亜窒化させたもの;上記無機物群と上記無機物群を窒化、亜窒化、次亜窒化したものとの混合物(以後これらを称して無機窒化物とする);上記無機物群を主たる成分とするものを酸窒化、亜酸窒化、次亜酸窒化させたもの;上記無機物群と上記無機物群を酸窒化、亜酸窒化、次亜酸窒化させたものの混合物(以後これらを称して無機酸窒化物とする);上記無機物群を主たる成分とするものを炭化、亜炭化、次亜炭化させたもの;上記無機物群と上記無機物群を炭化、亜炭化、次亜炭化させたものとの混合物(以後これらを称して無機炭化物とする);上記無機物群を主たる成分とするものをフッ化、塩素化、臭化およびヨウ化の少なくとも一つのハロゲン化、亜ハロゲン化、次亜ハロゲン化させたもの;上記無機物群と上記無機物群をハロゲン化、亜ハロゲン化、次亜ハロゲン化させたものとの混合物(以後これらを称して無機ハロゲン化物とする);上記無機物群と上記無機物群を硫化、亜硫化、次亜硫化させたものとの混合物(以後これらを称して無機硫化物とする);無機物群に異元素をドープしたもの;グラファイト状カーボン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素系化合物(以後これらを称し炭素系化合物とする);これらの混合物などが挙げられる。 −その他の添加剤− −A層の厚み− −A層の形成方法− A層を塗布により形成する場合は、熱処理後の乾燥ゾーンにおいて塗膜の乾燥と熱処理を兼ねることが好ましい。 なお、後述する着色層やその他の機能性層を塗布により形成する場合も同様である。 また、A層を塗布する前に、コロナ放電処理、グロー処理、大気圧プラズマ処理、火炎処理、UV処理等の表面処理を行うことも好ましい。 A層形成用の塗布液を塗布した後には、塗膜を乾燥させる工程を設けることが好ましい。 乾燥工程は、塗膜に乾燥風を供給する工程である。 乾燥風の平均風速は、5m/秒〜30m/秒であることが好ましく、7m/秒〜25m/秒であることがより好ましく、9m/秒〜20m/秒以下であることがさらに好ましい。 (耐候性層) −フッ素樹脂− フッ素系樹脂としては、オブリガートSW0011F〔AGCコーテック(株)製〕、ルミフロンLF200(旭硝子(株)製)、ゼッフルGK570(ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。 フッ素系樹脂の含有量は、耐候性と膜強度の観点から、耐候性層の全固形分質量に対して、40質量%〜90質量%であることが好ましく、50質量%〜80質量%であることがより好ましい。 −複合ポリマー− 複合ポリマーのポリシロキサン部分において、R 1およびR 2が表す「Si原子と共有結合可能な1価の有機基」としては、例えば、置換または無置換のアルキル基(例:メチル基、エチル基など)、置換または無置換のアリール基(例:フェニル基など)、置換または無置換のアラルキル基(例:ベンジル基、フェニルエチルなど)、置換または無置換のアルコキシ基(例:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、置換または無置換のアリールオキシ基(例:フェノキシ基など)、置換または無置換のアミノ基(例:アミノ基、ジエチルアミノ基など)、メルカプト基、アミド基、水素原子、ハロゲン原子(例:塩素原子など)等が挙げられる。 複合ポリマーのポリシロキサン部分の具体例としては、ジメチルジメトキシシランの加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/ビニルトリメトキシシランの加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/2−ヒドロキシエチルトリメトキシシランの加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/ジフェニル/ジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物等が挙げられる。 複合ポリマーのポリシロキサン部分は線状構造であってもよいし、分岐構造でもよい。 さらに分子鎖の一部が環を形成してもよい。 複合ポリマーのポリシロキサン部分の比率は、複合ポリマーの全質量に対して15〜85質量%が好ましく、その中でも20〜80質量%の範囲が特に好ましい。 複合ポリマーのポリシロキサン部分の合成方法には特に制限はなく公知の合成方法を用いることができる。 具体的にはジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシランのようなアルコキシシラン化合物の水溶液に酸を加えて加水分解した後に縮合させる等の方法がある。 一方、複合ポリマーのポリマー構造部分であるアクリル系ポリマーを形成するモノマーとしては、アクリル酸のエステル(例:エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等)またはメタクリル酸のエステル(例:メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等)から成るポリマーを挙げることができる。 さらに、モノマーとしてアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのカルボン酸、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。 アクリル系ポリマーはこれらのモノマーの1種以上を重合したポリマーでホモポリマーでもコポリマーでもよい。 アクリル系ポリマーの合成方法には特に制限はなく公知の合成方法を用いることができる。 複合ポリマーのポリマー構造部分であるポリウレタン系ポリマーとしては、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネートとジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのポリオールとをモノマーとして用いたポリウレタン系ポリマーが挙げられる。 ポリウレタン系ポリマーの合成方法には特に制限はなく公知の合成方法を用いることができる。 複合ポリマーのポリマー構造部分であるポリエステル系ポリマーとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、スルホイソフタル酸などのポリカルボン酸とポリウレタンのところで述べたポリオールとを用いたポリエステル系ポリマーが挙げられる。 ポリエステル系ポリマーの作製方法には特に制限はなく公知の合成方法を用いることができる。 複合ポリマーのポリマー構造部分であるゴム系ポリマーとしては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系モノマーから得られるポリマーと、これらのジエン系モノマーとこれと共重合可能なスチレンなどのモノマーのコポリマーが挙げられる。 ゴム系ポリマーの合成方法にも特に制限はなく公知の合成方法を用いることができる。 複合ポリマーのポリマー構造部分であるポリマーは、一種単独でもよいし、2種以上の併用であってもよい。 さらに個々のポリマーはホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。 複合ポリマーにおいて、ポリシロキサン部分とこの部分に共重合するポリマー構造部分とを化学的に結合させる方法には特に制限はなく、例えばポリシロキサン部分とこの部分に共重合するポリマー構造部分を別々に重合し、各々のポリマーを化学結合させる方法、ポリシロキサン部分を予め重合しておきこれにグラフト重合する方法、共重合ポリマー部分を予め重合しておきこれにポリシロキサン部分をグラフト重合する方法等がある。 後者の2方法は合成が容易で好ましい。 例えば、ポリシロキサン部分にアクリルポリマーを共重合する方法として、γ−メタクリロキシトリメチルシラン等を共重合したポリシロキサン部分を作成し、これとアクリルモノマーをラジカル重合する方法がある。 また、アクリルポリマー部分にポリシロキサンを共重合させる方法としてγ−メタクリロキシトリメチルシランを含むアクリルポリマーの水分散物にアルコキシシラン化合物を加えて加水分解と縮重合を起こさせる方法がある。 複合ポリマーにおいて、ポリシロキサン部分と共重合するポリマー構造部分がアクリル系ポリマーの場合には、乳化重合、塊状重合などの公知の重合方法を用いることができるが、合成のしやすさや水系のポリマー分散物が得られる点から乳化重合は特に好ましい。 複合ポリマーは、水系のポリマー分散物(いわゆるラテックス)の形態で使用することが好ましい。 複合ポリマーのラテックスの好ましい粒径は50〜500nm程度であり、好ましい濃度は15質量%〜50質量%程度である。 複合ポリマーは、水系のポリマーをラテックスの形態とする場合、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基などの水親和性の官能基を持つものであることが好ましい。 シリコーン系複合ポリマーがカルボキシル基を持つ場合、カルボキシル基はナトリウム、アンモニウム、アミンなどで中和されていてもよい。 複合ポリマーは、市販されているものもある。 複合ポリマーのうち、シリコーン−アクリル複合樹脂の市販品の具体例としては、例えば、セラネートWSA1060、1070(以上DIC(株)製)、ポリデュレックスH7620、H7630、H7650(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)等がある。 複合ポリマーの含有量は、耐候性と膜強度の観点から、耐候性層の全固形分に対して、40質量%〜90質量%であることが好ましく、50質量%〜80質量%であることがより好ましい。 耐候性層は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、微粒子(例えばシリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化錫等の無機粒子)、界面活性剤等の種々の添加剤を含有していてもよい。 耐候性層の厚みは、0.5μm〜15μmであることが好ましく、3μm〜10μmであることがより好ましい。 耐候性層の厚みを0.5μm以上とすることで、耐候性を十分に発現することができ、耐候性層の厚みを15μm以下とすることで面状悪化を抑制することができる。 耐候性層の形成方法は、特に制限はないが、塗布により形成することが好ましい。 塗布方法としては、たとえばグラビアコーターやバーコーターを利用することができる。 ここで、各層には、紫外線吸収剤を含んでもよいが、この紫外線吸収剤としては、例えば、有機系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤、およびこれらの併用が挙げられ、有機系の紫外線吸収剤として、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、およびヒンダードアミン系等の紫外線安定剤などが挙げられる。 繰り返し紫外線吸収に対する耐性が高いという点で、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。 紫外線吸収剤は、バインダーとともに、溶解、分散させて用いることが好ましい。 (ガスバリア層) このような透湿度を有するガスバリア層を形成するには、乾式法が好適である。 乾式法によりガスバリア性のガスバリア層を形成する方法としては、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、誘導加熱蒸着、およびこれらにプラズマやイオンビームによるアシスト法などの真空蒸着法、反応性スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、ECR(電子サイクロトロン)スパッタリング法などのスパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的気相成長法(PVD法)、熱や光、プラズマなどを利用した化学的気相成長法(CVD法)などが挙げられる。 中でも、真空下で蒸着法により膜形成する真空蒸着法が好ましい。 ここで、ガスバリア層を形成する材料が無機酸化物、無機窒化物、無機酸窒化物、無機ハロゲン化物、無機硫化物などを主たる構成成分とする場合は、1)揮発源として、形成するバリア層と同一組成の材料を用い、無機酸化物の場合は酸素ガスを、無機窒化物の場合は窒素ガスを、無機酸窒化物の場合は酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを、無機ハロゲン化物の場合はハロゲン系ガスを、無機硫化物の場合は硫黄系ガスを、それぞれ系内に補助的に導入しながら揮発させる方法、2)揮発源として無機物群を用い、これを揮発させながら、上記と同じように酸素ガス、窒素ガス、酸素ガスと窒素ガスの混合ガス、ハロゲン系ガス、または硫黄系ガスをそれぞれ系内に導入し、無機物と導入したガスを反応させながら基材表面に堆積させる方法、3)揮発源として用いる無機物群を揮発させ、無機物群の層を形成後、それを無機酸化物の場合は酸素ガス雰囲気下、無機窒化物の場合は窒素ガス雰囲気下、無機酸窒化物の場合は酸素ガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気下、無機ハロゲン化物の場合はハロゲン系ガス雰囲気下、無機硫化物の場合は硫黄系ガス雰囲気下で保持することで無機物層と導入したガスを反応させる方法、等が挙げられる。 ガスバリア層の厚みは、1μm以上30μm以下が好ましい。 厚みは、1μm以上であると経時(サーモ)中に支持体中に水が浸透し難く耐加水分解性に優れ、30μm以下であると無機層が厚くなり過ぎず、無機層の応力で支持体にベコが発生することもない。 (下塗り層) 下塗り層は、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる1種類以上のポリマーを含有することが好ましい。 好ましくはポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂であり、最も好ましくはポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂である。 ポリオレフィン樹脂としては、例えば、変性ポリオレフィン共重合体が好ましい。 ポリオレフィン樹脂としては上市されている市販品を用いてもよく、例えば、アローベースSE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010(ともにユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、S8512(ともに東邦化学(株)製)、ケミパールS−120、S−75N、V100、EV210H(ともに三井化学(株)製)などを挙げることができる。 その中でも、本発明では、低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体である、アローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製を用いることが好ましい。 アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等を含有するポリマー等が好ましい。 アクリル樹脂としては上市されている市販品を用いてもよく、例えば、AS−563A(ダイセルフアインケム(株)製)を好ましく用いることができる。 これらの中でも、支持体とこれに隣接する層との接着性を確保する観点から、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。 また、これらのポリマーは単独で用いても2種以上併用して用いてもよく、2種以上併用する場合は、アクリル樹脂とポリオレフィン樹脂の組合せが好ましい。 バインダー(樹脂)は、架橋剤により架橋されていてもよい。 バインダー(樹脂)が架橋されていると、下塗り層の耐久性を向上することができるため、より好ましい。 架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。 その中でも、架橋剤としては、オキサゾリン基を有する架橋剤(オキサゾリン系架橋剤)であることが好ましい。 オキサゾリン系架橋剤としては、エポクロスK2010E、同K2020E、同K2030E、同WS−500、同WS−700(いずれも(株)日本触媒製)等を利用することができる。 架橋剤の添加量は、バインダーに対して0.5〜30質量%が好ましく、より好ましくは5〜20質量%であり、特に好ましくは3質量%以上15質量%未満である。 特に架橋剤の添加量は、0.5質量%以上であると、下塗り層の強度および接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、30質量%以下であると、塗布液のポットライフを長く保て、15質量%未満であると塗布面状を改良できる。 下塗り層は、アニオン系やノニオン系等の界面活性剤を含有することが好ましい。 界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の公知の界面活性剤を利用することができ、具体的には、デモールEP〔花王(株)製〕、ナロアクティーCL95〔三洋化成工業(株)製〕等を挙げることができる。 中でもアニオン系界面活性剤が好ましい。 界面活性剤は、単独種を用いても複数種を用いてもよい。 界面活性剤の添加量は、0.1mg/m 2 〜10mg/m 2が好ましく、より好ましくは0.5mg/m 2 〜3mg/m 2である。 界面活性剤の添加量は、0.1mg/m 2以上であると、ハジキの発生を抑えて良好な層形成が得られ、10mg/m 2以下であると、支持体とそれに隣接する層との接着を良好に行なうことができる。 下塗り層の厚みは、2μm以下が好ましく、より好ましくは0.005μm〜2μmであり、更に好ましくは0.01μm〜1.5μmである。 下塗り層の厚みを0.005μm以上とすると、塗布ムラを生じ難く、下塗り層の厚みを2μm以下とすると、層のベタツキが抑制され、加工性が高まる。 下塗り層の形成方法は、下塗り層形成用の塗布液をコーティングする公知のコーティング方法が適宜採択される。 例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、スプレーあるいは刷毛を用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。 また、支持体を下塗り層形成用の塗布液に浸漬して行ってもよい。 また、コストの点から、下塗り層形成用の塗布液を、支持体製造工程内で支持体にコーティングする、いわゆるインラインコート法により塗布するのが好ましい。 具体的には、例えば、支持体の作製において、支持体の原料樹脂を、例えば押し出し、静電密着法等を併用しつつ冷却ドラム上にキャストしてシートを得た後に縦方向に延伸し、次いで当該縦延伸後の支持体の片面に、下塗り層形成用の塗布液を塗布した後に横方向に延伸するなどの方法を使用することができる。 コート時の乾燥、熱処理の条件はコート厚み、装置の条件にもよるが、コート後直ちに直角方向の延伸工程に送入し、延伸工程の予熱ゾーンあるいは延伸ゾーンで乾燥させることが好ましい。 このような場合、通常50〜250℃程度で行う。 なお、支持体にコロナ放電処理、その他の表面活性化処理を施してもよい。 なお、下塗り層形成用の塗布液中の固形分濃度は、30質量%以下であることが好ましく、特に好ましくは10質量%以下である。 固形分濃度の下限は1質量%が好ましく、さらに好ましくは3質量%、特に好ましくは5質量%である。 上記範囲により、面状が良好な下塗り層を形成することができる。 [太陽電池モジュール] 透明性のフロント基板は、太陽光が透過し得る光透過性を有していればよく、光を透過する基材から適宜選択することができる。 発電効率の観点からは、光の透過率が高いものほど好ましく、このような基板として、例えば、ガラス基板、アクリル樹脂などの透明樹脂などを好適に用いることができる。 太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。 なお、特に断りのない限り、「部」、「%」および「比」は質量基準である。 (支持体の作製) 引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3%添加した。 5分間撹拌した後、酢酸コバルトおよび酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してそれぞれ30ppm、15ppmとなるように加えた。 更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。 その5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。 その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。 最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。 所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。 そして、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリマーのペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。 なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。 但し、チタンアルコキシド化合物には、特開2005−340616号公報の段落番号[0083]の実施例1で合成しているチタンアルコキシド化合物(Ti含有量=4.44%)を用いた。 −固相重合− −ベース形成− (コロナ放電処理) (A層形成塗布液の組成) 以上のようにして、比較例1〜14の太陽電池用バックシート、および実施例1〜36の太陽電池用バックシートを作製した。 [実施例37の電池用バックシートの作製] [実施例38の太陽電池用バックシートの作製] (中間層1形成用塗布液の組成) [実施例39の太陽電池用バックシートの作製] [実施例40の太陽電池用バックシートの作製] [評価] (部分放電電圧) そして、部分放電電圧の測定後、その値に基いて、以下のランクで評価した。 (EVA密着力) 以下、各例の詳細と共に、評価結果を表1および表2に示す。 なお、表中、「EO鎖長」は、界面活性剤が持つエチレングリコール鎖におけるオチレンオキサイドの繰り返し数nを示している。 以下、各表の商品名等の略称等の詳細について示す。 ・Baytron: 導電性ポリマー「非水溶性ポリチオフェン系導電性高分子水分散体(Bayer社製/H.C.Stark社製)」 上記結果から、本実施例では、部分放電電圧、および封止材(EVA)との密着力の評価について共に良好な結果が得られたことがわかる。 これにより、本発明の太陽電池用バックシートは、部分放電電圧の向上と太陽電池素子を封止する封止材に対する密着性とを両立できることがわかる。 |