Thermoplastic elastomer

申请号 JP50714693 申请日 1992-10-06 公开(公告)号 JP3256232B2 公开(公告)日 2002-02-12
申请人 ランデック コーポレイション; 发明人 エイ. カンプ,デイビッド; エフ. スチュアート,レイ; ピー. ビトラー,スティーブン; ジー. フリーリン,ロバート; ワイ. ユーン,ヴァレンタイン;
摘要 A novel thermoplastic elastomer (TPE) which comprises (i) polymeric A blocks in which there are side chains comprising crystallizable moieties having a melting point Tq, and (ii) at least one amorphous polymeric B block having a glass transition point, Tgs, which is less than (Tq - 10) DEG C. The relative proportions and molecular weights of the A and B blocks can be adjusted so as to produce desired physical properties with comparatively little change in Tq, which depends chiefly upon the nature of the crystallizable moieties, which may be for example n-alkyl groups containing 12 to 50 carbon atoms. The novel TPE's show a sharply reduced viscosity in the region of Tq, and can be melt-processed at temperatures close to Tq. The novel TPE's are useful in the form of compositions, shaped articles and assemblies which comprise one of the novel TPE's and a second component which is mixed with, or surrounded by, or surrounds or otherwise provides a substrate for, the TPE. Preferred second components are explosives and other energetic materials, pharmaceuticals, seeds, perfumes, deodorizers, pest control agents, herbicides, insecticides, fungicides, biologically active materials, agrichemicals, and disinfectants. Second components can be released from such a composition or shaped article by a natural increase in the ambient temperature or by heating the composition or article to a temperature at least equal to Tq by means of heat which is (i) generated artificially or (ii) generated by a mammalian body and/or (iii) is conveyed artificially to the composition, article or assembly.
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】2〜90重量%の結晶性ポリマーAブロックと98〜10重量%の非晶質ポリマーBブロックとを含んでなる熱可塑性エラストマー(TPE)であって、 (1)前記ポリマーAブロック及びポリマーBブロックが、ABA、(AB) 又はA n B(但し、nは少なくとも2)
    の構造を持つポリマー分子となるように互いに結合し、 (2)前記結晶性ポリマーAブロックの各々が、 (i)20〜150℃の融点Tqを有し、 (ii)50〜100重量%の下記式で表される繰り返し単位を含み: (ここで、Yは、このブロックのポリマー骨格の有機ラジカル形成部分であり、Cyは、12〜50の炭素原子を含む直鎖状ポリメチレン基又は6〜50の炭素原子を含む直鎖状の過フッ化ポリメチレン基である結晶性基であり)、
    そして、 (3)前記非晶質ポリマーBブロックの各々が、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン又はポリシロキサンブロックであり、
    (Tq−10)℃未満のガラス転移点Tgsを有する、 ことを特徴とするTPE。
  • 【請求項2】Tqが30℃から85℃であり、かつTgsが0℃
    より低い、請求項1に記載のTPE。
  • 【請求項3】Cyが、14〜22の炭素原子を含む直鎖状のポリメチレン基である、請求項1又は2に記載のTPE。
  • 【請求項4】ポリマーAブロックが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルアセテート、及びN−ビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1つの極性モノマーから誘導される繰り返し単位を15重量%まで含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のTPE。
  • 【請求項5】(1)請求項1から4のいずれか1項に記載のTPEと、 (2)(a)(Tq+5)℃と(Tq+60)℃との間の温度で熱誘導変化を起こす熱反応性物質であり、 (b)前記TPEと混合される、又は前記TPEに取り囲まれる、又は前記TPEを支持する第2成分とを含有する組成物、成型品、又は組立物。
  • 【請求項6】前記第2成分が、 (i) 固体燃料、爆発性物質、推進剤又は他のエネルギー性物質であり、 (ii) 前記TPEに分散される、請求項5に記載の組成物。
  • 【請求項7】前記第2成分が、薬剤、種子、香料、脱臭剤、有害生物防除剤、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、肥料、
    又は消毒剤である、請求項5に記載の組成物。
  • 【請求項8】請求項5から7のいずれか1項に記載の組成物又は成型品を製造するための方法であって、 (A)前記TPEを融解する工程、 (B)該融解TPE中に前記第2成分を分散させる工程、 (C)工程Bで得られた分散物を成形する工程、及び、 (D)工程Cで得られた成型品をTq未満の温度まで冷却する工程、 を含んでなる方法。
  • 【請求項9】請求項5から7に記載の組成物、成型品、
    または組立物から、前記第2成分を放出させる方法であって、 該組成物、該成型品、または該組立物を、熱によって少なくとも温度Tqに等しい温度まで加熱する工程を含んでなり、 当該熱が、(i)哺乳動物の体によって生成される、あるいは(ii)例えば、電気または他の加熱器、またはエンジンまたは電気モーターにより人工的に生成される、
    あるいは(iii)人工的に該組成物、該成型品、または該組立物へ伝達される方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 本発明は熱可塑性エラストマーに関する。

    熱可塑性エラストマーは、しばしばTPEと称されており、よく知られている。 一般に使用されるTPEは、
    (i)ポリマーブロック(通常「ハード」ブロックまたはAブロックと呼ばれる)、これらは、(a)非晶性で、室温を十分に上回る二次転移点T ghを有するもの、
    または、(b)結晶性ポリマー骨格を有し、室温を十分に上回る結晶融解温度T mcを有するもの、と、(ii)非晶性ポリマーブロック(通常「ソフト」ブロックまたはBブロックと呼ばれる)、これは室温を十分に下回るガラス転移点T gsを有するもの、とを含有する。 それぞれのソフトブロックは、少なくとも2つのハードブロックと結合しており、このためT gsとT mcとの間の温度または
    T gsとT ghとの間の温度で、非晶性Bブロックが互いに結合して、エラストマー的な運動を行う。 T mcまたはT ghより高い温度では、ハードブロックが融解または軟化することにより、ポリマー鎖に粘性流動が生じて、熱可塑性挙動を行う。 既知のTPEは、例えば、米国特許第4,361,5
    26号(Allen)、第4,483,978号(Manser)、第4,764,58
    6号(Manser)、第4,778,852号(Futamura)、第4,806,
    613号(Wardle)、第4,919,737号(Biddleら)、第4,95
    2,644号(Wardleら)、および第4,976,794号(Biddle
    ら)、および以下の文献、Polymer, 29 (7),1233−123
    9(1988)Kallitsisら;J.Appl.Poly.Sci 37 (1),267
    −281(1989)Murphyら;J.Poly.Sci,Part A.Poly Chem.
    28 (9)2393−2401(1990)Talukderら;Makromol Che
    m, 190 ,1069−1078(1989)Khanら, 191 ,603−614,615−
    624,および2341−2354(1990)Fakirovら,および191 2
    355−2365(1990)Gogeva;およびMacromolecules 18
    (2),123−127(1985)Miyamotoら,および23 333−3
    37(1990)Chowに記載されている。 これらの各特許および文献の開示内容は、本願明細書中に参考として援用されている。

    ここで本発明者らは、非常に有用な新規TPEが、結晶体であって、少なくともその結晶性の一部が、結晶可能側鎖の存在によるAブロックを含むことが判っている。
    特に、そのような新規のTPEは、そのTPE内の側鎖の結晶融解温度(本明細書中ではT qと称する)の領域で、既知のTPEがT mcまたはT ghの領域において示すよりも、非常に急激な粘度変化を示し得る。 この粘度の急激な変化の結果、多くの重要な利点が生じる。 一つの利点を挙げると、新規TPEは、T qをあまり上回らない温度、例えば、
    約(T q +10)℃より低い温度において加工され得る。 一方、既知のTPEは、典型的に、T mcまたはT ghより、少なくとも40℃高い温度で加工される。 既知のTPEは、典型的に、100℃より高い温度で加工されるが、本発明の好ましいTPEは、100℃未満、例えば、75℃未満、および50
    ℃未満でさえも加工され得る。 このことは、TPEが、好ましくはまたは必然的に、臨界限度(本明細書中ではT
    critと称する)より低い温度で保持されるとき、特に有用である。 このような状態は、例えば、TPEがT critより高い温度下で、このような加工中に望ましくない変化を起こし得る、熱反応性物質と組み合わせるとき(例えば、その中に含まれる、それを取り巻く、またはそれと混合される)に生じる。 これらの物質は、例えば、
    (i)TPE中に分散している固体分子(例えば、爆発性固体、または薬学的または農芸化学的な化学物質の粒子)、あるいは、(ii)TPEと接触する基質(例えば、T
    PEが注入され、またはそうでない場合配置されている生きている動物の血管)、あるいは、(iii)TPEによってカプセル化された固体または液体、の形態であり得る。
    別の利点は、新規TPEが、T q近辺の、実質的にはT qより低い温度で、少なくとも部分的にTPEによって保護されている物質のための担体(カプセル化剤(encapsulan
    t)を含む)として使用され得ることである。 この保護は、物理的攻撃および/または化学的攻撃に対するものであり得る。 TPE中のハードブロックは、温度T oで融解し始める。 T oはT qよりもやや低い温度であり、例えば、
    T qよりも3〜12℃低い温度である。 温度がT oからT qへ上昇するに従い、TPEにより行われている保護に急激な変化がみられ、T qを越えると、物質はTPEから完全に放出され得る。 例えば、寒い季節、周囲温度がT qよりも低ければ、TPEと農芸化学的な化学物質との混合物が使用され得るが、周囲温度がT qを越えると、この化学物質は放出されてしまう。 同様に、種子がTPEによってコートされ得、これは、周囲温度がT qに近づくかまたはより高くなるまで、発芽しない。

    新規TPEの非常に重要な別の利点は、T q値が、側鎖中の結晶可能部分の選択により、厳密に調節され得ることである。 従って、与えられた結晶可能部分について、T q
    は主に結晶可能部分の長さにより決定され、Aブロックの分子量の変化により、高々数℃(例えば5℃未満)で変化する。 対照的に、既知のTPEでは、T mcは、Aブロックの分子量の変化により実質的に変化する。 これは融点が、主鎖の折り畳みに依存するからである。 本発明のTP
    Eでは、TPEの分子量および/またはAブロックの分子量および/またはAブロックとBブロックとの相対量を変化させることにより、Tqを実質的に変化させることなく、TPEの物理的特性(例えば、伸び、弾性率、および引張り強さ)を変化させることが可能である。

    本発明のTPEはまた、T q (TPEを加熱したときのDSC曲線における吸熱融解ピーク)と溶融TPEを冷却したときのDSC曲線における結晶化ピークとの差が比較的わずかであることを示す。

    第1の局面では、本発明は、各ポリマー分子が (i)融点T q (TPE中)を有する結晶可能部分を含む側鎖が存在するポリマーAブロック、および (ii)(T q −10)℃より低いガラス転移点T gs (TPE中)
    を有する、少なくとも1つの非晶性ポリマーBブロック を含有する、熱可塑性エラストマー(TPE)を提供する。

    本発明の新規TPEを生成するために、任意の方法が用いられ得る。 しかし、特に有用な方法は、本発明の第2
    の局面を提供するが、以下を包含する: I. (i)少なくとも一つの反応基Jを含むAブロックである、Aブロック前駆体、および、 (ii)少なくとも2つの反応基Kを含むBブロックであるBブロック前駆体であって、該反応基Kが、同一または異なり得、反応基Jと反応して、ポリマー骨格の一部である結合部を形成する、Bブロック前駆体、 ここで、(ii)に対する(i)のモル比を少なくとも2
    で、共に反応させ、ABA、A n B、または(AB) 型のTPE
    を得る、工程;あるいは、 II. (i)同一または異なり得る、少なくとも2つの反応基Lを含むBブロックである、Bブロック前駆体、 および、 (ii)(a)モノマー成分であって、該反応基Lおよびそれ自身または該モノマー成分と該Bブロック前駆体との反応によって生じる反応基と、必要であれば開始剤の存在下で、反応してAブロックを形成する少なくとも1つのモノマーを含む、モノマー成分、または (b)該反応基Lと反応してAブロックを形成する、少なくとも1つの反応基Mを含むブロックAである、Aブロック前駆体、 である該(i)および該(ii)を共に反応させる、工程; あるいは III. (i)反応基Nによって終結しているAブロックである、Aブロック前駆体、 および、 (ii)該反応基Nおよびそれ自身と反応して、ソフトブロックのポリマー骨格からぶら下がった少なくとも2
    つのAブロックを有するBブロックを形成する少なくとも1つのモノマーを含むモノマー成分、 を共に反応させる、工程; あるいは IV.AブロックおよびBブロックのモノマーが別個の、そして逐次重合される、リビング重合の工程であって、開始剤を用いて、ポリマー成長時に存在するモノマーと反応する末端基を成長ポリマー鎖に与え、次に、この成長ポリマー鎖と反応したモノマーの残基上に反応性の末端基を生成させる、工程。

    これらの全ての反応において、生成物の特性を改変するために、他の成分が存在し得る。 この成分には、例えば、開始剤、連鎖移動剤、および得られるTPEに化学的または物理的に取り込まれ得るモノマーがある。

    第3の局面では、本発明は、上記で定義されたTPE
    と、TPEと混合される、またはTPEに囲まれる(例えば、
    カプセル化される)、またはTPEと接触する(例えばTPE
    を包括するか、またはTPEに対する基質を提供する)、
    第2成分とを含む、組成物、成形品、または組立物を提供する。 このような組成物、成形品、および組立物は、
    第2成分が、TPEが好都合に溶融加工され得る温度よりも高いT crit温度で、熱誘導変化を受ける熱反応性物質である場合に、特に有用である。 この新規なTPEは、T q
    近辺の温度で、通常(T q +60)℃より低い温度で、しばしば(T q +40)℃より低い温度で、およびさらに低い温度で、溶融加工され得るので、これらは、通常その融点よりも十分に上回る温度で溶融加工され得る従来のTPE
    よりも優れる。 T critは、好ましくは、(T q +10)℃よりも高い温度、例えば(T q +10)℃から(T q +40)℃または(T q +60)℃までの温度である。

    第4の局面では、本発明は、以下の工程を含む、成形品の製造方法を提供する: (A)上記で定義したようにTPEを融解すること、 (B)溶融TPE中に添加剤を分散させること、 (C)工程Bで得られた分散物を成形すること、および (D)工程Cで得られた成形品を、T q未満の温度まで冷却すること。

    第5の局面では、本発明は、本発明の第3の局面の組成物、成形品、または組立物から、第2成分を放出する方法を提供する。 この方法は、該組成物、該成形品、または該組立物を、(i)哺乳動物の体によって生成された、あるいは(ii)例えば、電気または他の加熱器、またはエンジンまたは電気モーターにより人工的に生成された、あるいは(iii)人工的に該組成物、該成形品、
    または該組立物へ伝達された、熱によって、少なくとも温度T qに等しい温度まで、加熱する工程を包含する。 この熱は、対流、伝導、または放射によってTPEに伝達され得るが、好ましくは、第2成分のTPEからの放出を助長することもまた行うような、熱流の流れ(例えば、熱空気または体液)によって伝達される。

    本明細書では、他に記載されていなければ、部、量、
    およびパーセントは重量基準である。 温度は℃である。
    分子量はダルトンであり、ポリスチレン標準に対するTH
    F(テトラヒドロフラン)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される。 M n値は数平均分子量であり、M w値は重量平均分子量である。 一次転移点(しばしば融点と呼ばれる)、ガラス転移点、および融解熱は、示差走査熱量測定(DSC)により、第2
    熱サイクルを用いて、10℃/分の熱速度を用いて測定される。 DSC曲線のピークは、測定をTPEで行ったときには
    T qであり、測定をTPEに取り込まれる前のハードブロック前駆体で行ったときにはT mである。 ガラス転移点は、
    二次転移の中間点(第1の誘導体)で得られる。 伸び(E1)値および引っ張り強度(TS)率は、25℃で引っ張り試験機(例えば、Instron引っ張り試験機)を用いてクロスヘッドスピード0.5インチ/分(1.27cm/分)で測定される。 弾性率は、伸び値と同様にして測定されたヤング弾性(YM)率である。 複合粘度および複素弾性率は、他に記載されていなければ、0.05ラジアン/秒の速度で測定される(これらの測定では、本発明者らは、レオメトリー円錐円板機械分光計を用いた)。 再結晶化時間(XL時間)は、以下の手法により測定される。 この手法では、(a)そのトップ表面に10ミクロン厚の層のTP
    Eを有する鉄プレートを60℃に加熱し、(b)このプレートを、25℃で維持された冷却表面上に置き、そして(c)直径0.2cmのガラス棒を頻繁にTPE中に浸す;結晶化時間は、冷却した表面上にプレートを置いている間に経過した時間であり、そしてガラス棒でもはやプレートから良好な糸を引くことが不可能な時間である。

    ハード(A)ブロック Aブロックの側鎖の結晶可能部分は、好ましくは、結晶可能部分の融解から得られるTPEのDSC走査が非常に鋭い融点を示すような部分である。 これは、例えば、DSC
    曲線における融解開始(T o )とそのピーク(T q )との間の差が10℃未満であり、好ましくは8℃未満であり、特に6℃未満であり、とりわけ4℃未満である。 SCCハードブロック自身、すなわちハードブロック前駆体または等価ポリマーの融点は、本明細書中ではT mと呼ばれるが、これはT qに極めて関連している。 T qは一般的に(T m
    −10)℃と(T m +5)℃との間のであり、通常(T m
    5)℃とT mとの間である。 ハードブロック自身の融解熱は、好ましくは少なくとも20ジュール/g、特に少なくとも40ジュール/g、例えば60〜120ジュール/gである。 TPE
    のハードブロックの融解熱は、ハードブロック自身の融解熱およびTPE中のハードブロックの重量割合に依存する。 従って、TPEがp%のハードブロックを含有する場合、TPEの融解熱は、一般的にSCCハードブロック自身の融解熱の約0.01p倍である。

    TPEは、一般的には1種のAブロックしか含有しないが、2種またはそれ以上の異なる種類のAブロックを含有し得る。 1種よりも多くのAブロックが存在する場合、好ましくは、全てのAブロックが結晶可能側鎖を含む。 この場合、TPEは、異なるAブロックに対応した2
    つまたはそれ以上の別個のT qを有し得る。 従来のAブロックが存在する場合、その含有量は、好ましくはTPEの1
    0%、特に5%より多くはならない。 側鎖結晶性を含むAブロックでは、繰り返し単位の、好ましくは50〜100
    %、特に70〜100%、とりわけ90〜100%が、結晶可能側鎖を含む。 結晶可能側鎖は、同一種または異なる種であり得る。

    本発明に用いられるAブロックは、Bブロックの一端または両端で連結されている側鎖結晶可能ポリマーである(しばしばSCCと呼ばれる)。 TPE中のAブロックの融点(T q )は、一般に、相当するSCC自身の融点(T m )に密接に関連する。 T qはTPEの意図された用途に従って選択され、一般的には0℃〜200℃、好ましくは20℃〜150
    ℃、特に30℃〜85℃である。 TPEがヒトまたは他の動物内で用いられるとき、T qは、TPEが常温では固体であるが温度を上げることによって融解し、動物が耐性を有し得るように選択される。 このような用途に対しては、TP
    Eがヒト内で用いられるとき、T qは、好ましくは30〜50
    ℃、特に34〜45℃、より特別には37〜44℃、例えば40〜
    44℃である。 TPEが爆発性推進剤(propellant)または他のエネルギー性物質と組み合わされるとき、T qは、好ましくは60〜110℃、特に75〜105℃である。 TPEが薬剤と組み合わされるとき、T qは、一般的には10〜80℃、好ましくは25〜50℃である。

    本発明のTPEのハードブロックを形成し得る既知のSCC
    は、以下に記載の1つまたはそれ以上のモノマーのポリマー:置換されたまたは置換されていないアクリレート、フルオロアクリレート、ビニルエステル、アクリルアミド、マレイミド、a−オレフィン、p−アルキルスチレン、アルキルビニルエーテル、アルキルエチレンオキシド、アルキルホスファゼン、およびアミノ酸;ポリイソシアネート;ポリウレタン;ポリシラン;ポリシロキサン;およびポリエーテル;長鎖結晶可能基を含む全てのポリマーを包含する。 適切なSCCは、例えば、J.Pol
    y.Sci. 60 ,19(1962),J.Poly.Sci,(Polymer Chemistr
    y) ,3053(1969), ,1835,3349,3351,3367, 10 ,165
    7,3347, 18 ,2197, 19 ,1871,J.Poly.Sci,Poyl Physics Ed
    18 2197(1980),J.Poyl.Sci,Macromol.Rev, ,117(19
    74),Macromolecules 12 ,94(1979), 13 ,12,15, 18 ,214
    1, 19 ,611,JACS 75 ,3326(1953), 76 ;6280,Polymer J 1
    7 ,991(1985);およびPoly.Sci USSR 21 ,241(1979)
    に記載されている。

    本発明に用いられる新規なAブロックは、一般式

    の繰り返し単位を含むポリマーブロックとして広く定義され得る。 ここで、Yは有機ラジカル形成部分のポリマー骨格であり、Cyは結晶可能部分を含む。 この結晶可能部分は、ポリマー骨格と、直接的に、または、二価の有機ラジカルまたは無機ラジカル(例えば、エステル、カルボニル、アミド、炭化素(例えばフェニレン)、アミノ、またはエーテル結合)によって、または、イオン塩結合(例えば、カルボキシアルキルアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウムのイオン対)によって、連結され得る。 ラジカルCyは、脂肪族または芳香族であり得、例えば少なくとも10個の炭素を有するアルキル、少なくとも6個の炭素を有するフルオロアルキル、またはアルキルが6〜24個の炭素を含むp−アルキルスチレンであり得る。 用語C

    nは、本明細書中では、n個の炭素原子を含む線形化合物または基を記すために用いられる;


    例えば、C

    22アルキルアクリレートは、アルキル基が22


    個の炭素原子を含む線形アルキル基であるアルキルアクリレート、すなわちドコサニル(ベヘニルとしても知られる)アクリレートである。 このブロックは、この一般式の2つまたはそれ以上の異なる繰り返し単位を含み得る。 このブロックはまた、他の繰り返し単位を含み得るが、このような他の単位の量は、好ましくは結晶可能部分の全重量がこのブロックの残りの部分の少なくとも2


    倍の重量となる量である。

    好ましいAブロックは、全体でブロックの骨格の炭素原子数の少なくとも5倍の炭素原子を含む側鎖、特に、
    12〜50個の炭素原子、とりわけ14〜22個の炭素原子を含む線形ポリメチレン部分を含む側鎖、または、6〜50個の炭素原子を含む線形過フッ化ポリメチレン部分を含む側鎖、を含む。 このような側鎖を含むブロックは、1つまたはそれ以上の対応する線形の脂肪族アクリレート、
    メタクリレート、アクリルアミド、またはメタクリルアミドを、必要に応じて1つまたはそれ以上の他の成分、
    好ましくは以下から選択される成分と、重合することにより調整され得る。 この他の成分としては、他のアルキル、ヒドロキシアルキルおよびアルコキシアルキルアクリレート、メタクリレート(例えばグリシジルメタクリレート(glycidal methacrylate))、アクリルアミドおよびメタクリルアミド;アクリル酸およびメタクリル酸;アクリルアミド;メタクリルアミド;無水マレイン酸;およびアミン基を含むコモノマーが挙げられる。 このような他のモノマーは、一般的に、全体で50%未満で、特に35%未満で、とりわけ25%未満で、例えば0〜
    15%で存在している。 それらは、TPEの融点または他の物理的特性を改変するために加えられ得る。 このようなポリメチレン側鎖を含むブロックの融点は、結晶可能部分の炭素原子数によって影響される。 例えば、14、16、
    18、20、22、30、40、および50個の炭素を含むn−アルキルアクリレートのホモポリマーは、それぞれ典型的には、20、36、49、60、71、76、96、および102℃の融点を有するが、相当するn−アルキルメタクリレートのホモポリマーは、典型的には、10、26、39、50、62、68、
    91、および95℃の融点を有する。 このようなモノマーのコポリマーは、一般的に、この中間の融点を有し得る。
    他のモノマー(例えば、アクリル酸またはブチルアクリレート)とのコポリマーは、典型的には、やや低い融点を有する。

    本発明のTPEのAブロックの前駆体のために用いられ得るか、またはソフトブロック上でのリビング重合により形成され得る他のポリマーは、以下を包含する:n−アルキルa−オレフィンのアタクチックおよびイソタクチックポリマー(例えば、C 16オレフィンのアタクチックおよびイソタクチックポリマー、これらはそれぞれT m
    30℃および60℃である);n−アルキルグリシジルエーテルのポリマー(例えば、C 18アルキルグリシジルエーテルのポリマー);n−アルキルビニルエーテルのポリマー(例えば、T mが55℃であるC 18アルキルビニルエーテルのポリマー);n−アルキル−a−エポキシドのポリマー(例えば、T mが60℃であるC 18アルキルa−エポキシドのポリマー);n−アルキルオキシカルボニルアミド−エチルメタクリレート(例えば、それぞれT mが56℃、75
    ℃、および79℃である、C 18 、C 22 、およびC 30のアルキル化合物のポリマー、これらは本明細書中では、それぞれC 18 IEMA、C 22 IEMA、およびC 30 IEMAと呼ばれる);n−
    フルオロアルキルアクリレート(例えば、C 8ヘキサデカフルオロアルキルアクリレートのポリマー、およびC
    8-12アルキルフルオロアクリレートの混合物のポリマー、これらはそれぞれT mが、74℃、88℃である)、n−
    アルキルオキサゾリンのポリマー(例えば、T mが155℃
    であるC 16アルキルオキサゾリンのポリマー);ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレートとアルキルイソシアネートとを反応させることにより得られるポリマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレートとC
    18またはC 22アルキルイソシアネートとの反応によって得られるポリマーであり、それぞれT mが78℃、85℃である);および二官能イソシアネート、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、および一級脂肪アルコールを反応させることにより得られるポリマー(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートと、2−ヒドロキシエチルアクリレートと、C 18またはC 22アルコールとを反応させて得られるポリマーであって、それぞれ
    T mが103℃、106℃である)。

    本発明のTPEの好ましいAブロックは、60〜100%の、
    以下からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーから誘導される単位:アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N−アルキルアクリルアミド、N−
    アルキルメタクリルアミド、アルキルオキサゾリン、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステル、a−
    オレフィン、アルキル1,2−エポキシド、およびアルキルグリシジルエーテル(これらのアルキル基は、14〜50
    個の炭素原子を含有するn−アルキル基である)、および、相当するフルオロアルキルモノマー(これらのアルキル基は、6〜50個の炭素原子を含有するn−アルキル基である);0〜20%の、以下からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーから誘導される単位:アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N−アルキルアクリルアミド、アルキルビニルエーテル、およびアルキルビニルエステル(これらのアルキル基は、4〜12
    個の炭素原子を含有するn−アルキル基である);および0〜15%の、以下からなる群から選択される少なくとも1つの極性モノマーから誘導される単位:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルアセテート、およびNビニルピロリドンを含む。 このようなAブロックポリマーは、ハードブロックとソフトブロックとの相溶性を変化させるか、またはTP
    Eの弾性率を高めるような他のモノマーから誘導される単位もまた含み得る;このようなモノマーには、スチレン、ビニルアセテート、モノアクリル官能性ポリスチレンなどが包含される。

    Aブロックの数平均分子量は、好ましくは200,000未満、より好ましくは100,000未満、特には50,000未満、
    より特別には2,000〜20,000、とりわけ3,000〜20,000である。

    本発明の特定の利点は、Aブロックの分子量が、T qを実質的に変化せずにTPEの機械的特性を最適化するために、調整され得る(例えば、反応条件の選択および連鎖移動剤の添加による)ことである。

    ソフト(B)ブロック 本発明のTPEのB(ソフト)ブロックは、いずれの種類でもよいが、本願明細書中に参考として援用されている文献中に開示された種類を包含する。 TPEは、1種またはそれ以上の異なる種類のBブロックを含有し得る。
    Bブロックのガラス転移点(T gs )は、(T q −10)℃未満、好ましくは(T q −20)℃未満、特に(T q −40)℃未満であるべきである。 Tqはまた、TPEが使用中にエラストマー特性を示す温度より低くなければならず、例えば0℃未満、特に−20℃未満、例えば−40℃未満である。

    TPEが1種よりも多くのBブロックを含有するとき、
    通常このBブロックは同種である;しかし、TPEは2種またはそれ以上異なるBブロックを含有し得る。 1つのBブロックは、1種の繰り返し単位(これは1種のモノマーまたは1対のモノマーから誘導され得る)、または2種またはそれ以上の異なる繰り返し単位を含み得る。
    1つのBブロックに2種またはそれ以上の異なる繰り返し単位が存在するとき、それらはランダムにまたはブロック単位で分布され得る。

    適切なBブロックポリマーの例を以下に示す:ポリエーテル(例えば、エーテル結合間に、脂肪族基、芳香族基および混合脂肪族芳香族基を含む、そして例えばテトラヒドロフランから誘導される);ポリアクリレート(この用語は、必要に応じて、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、アクロレイン、ビニルエステル、およびスチレンのような他の共重合可能なモノマーを有する、少なくとも1種の、アルキルのアクリレート、メタクリレート、
    アクリルアミド、またはメタクリルアミドのポリマーを包含するものとして用いられる);ポリエステル(例えば、ジヒドロキシ化合物と、ジカルボン酸あるいは酸塩化物またはエステルのようなそれらの誘導体と、から誘導される);ポリアミド(例えば、ラクトンから、またはジアミンと、ジカルボン酸あるいは酸塩化物のようなそれらの誘導体とから誘導される);ポリウレタン(例えばジイソシアネートと、ジヒドロキシ化合物またはジアミンとから誘導される);およびポリシロキサン。

    Bブロックの繰り返し単位間の連結は、Aブロックの繰り返し単位間の連結と同じであるか、または異なり得る。 BブロックとAブロックとの間の連結は、Bブロックの繰り返し単位間の連結と同じであるか、または異なり得る。 それらは、例えば、AおよびBブロック上の基と反応する少なくとも2つの反応基を含有する結合化合物の残基、例えばメチレンジフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネートのようなジイソシアネートであり得る。

    Bブロックの数平均分子量は、一般的に5,000より大きく900,000未満、好ましくは500,000未満、特に200,00
    0未満、とりわけ100,000未満、例えば10,000〜80,000である。

    TPE TPEがエラストマー特性を示し得るために、各Bブロックは、このBブロックのT gsよりも高いT qを有する少なくとも2つのAブロックに連結していなければならない。 TPEが固体であるとき、AブロックはBブロックに不溶性であるので、既知のTPEのAブロックと同様の方法で、T q未満の温度でBブロックを固着して、T qより低くT gsよりも高い温度でエラストマー特性を得る。 しかし、明らかに、新規Aブロック中の結晶可能側鎖は、T q
    より高い温度でTPEを可塑化するので、ちょうどTqより高い温度で粘度を急低下させる。 T qよりも高い温度でA
    ブロックとBブロックとの相溶性が高いほど、粘性の低下が大きい。 TPEの複合粘度(complex viscosity)は、
    温度をT 1からT 2に上げたとき、好ましくは第1値Q 1ダイン/cm 2から第2値Q 2ダイン/cm 2までに低下する。 ここで、T 1は、T q未満、例えば(T q −3)℃、(T q −5)
    ℃、または(T q −10)℃であり、T 2は、高々(T q +10)
    ℃、例えば(T q +7)℃または(T q +4)℃であり、温度がT 1からT 2に上昇するとき、Q 2は、Q 1 ×10 -3未満、好ましくはQ 1 ×10 -5である。 TPEは、同じ温度範囲で、複素弾性率の対応する低下を示す。

    新規TPEは、一般的にABA(トリブロック)、(A
    B) 、またはA n B構造(ここでnは少なくとも2である)を有するが、このような構造の混合物も用いられ得る。 A n B構造は、調製され得る種々の異なる種類のグラフトコポリマーを含む。 この新規TPEは、一般的にSCCハードブロックを2〜90%、例えば10〜90%、好ましくは
    10〜70%、特に25〜60%、含有する。 結晶可能部分は、
    65%未満、特に60%未満のTPEを提供し得る。

    TPEは、AおよびBブロックに対応する前駆体ポリマーを別個に調製し、必要であればこれら前駆体の一方または両方を機能化した後、これら前駆体を反応させることにより調製され得る。 例えば、少なくとも1つのヒドロキシル基またはアミノ基を含むAブロック前駆体(例えば、アルキルモノマーおよびキャッピング剤を重合すること、またはアクリルエポキシドまたはオキサゾリンを重合することにより調製されたポリマー)と、2つまたはそれ以上のイソシアネート基または酸塩化物基を含むBブロック前駆体とを反応させ得る。

    TPEはまた、Bブロックに対応する前駆体ポリマーを調製し、次いで、必要であれば前駆体の両端を機能化した後、この前駆体上でAブロックのモノマー(複数種でもよい)を重合することにより調製され得る。 例えば、
    メルカプト基によってBブロック前駆体は二官能性であり得、次いでこの二官能性前駆体にアクリルモノマーおよび開始剤を加えてAブロックを調製し得る。

    別の方法では、精製したモノマーを、適切な開始剤を含む反応媒体に順に加える。 ここでこのモノマーは、リビング成長ポリマー鎖上で加えられることが望ましいモノマーである。 例えば、リビングカチオン重合は、SCC
    ハードブロックモノマーを加え、次いでソフトブロックモノマーを加え、そして、ハードブロックモノマーを加えてポリマー鎖を終結させるか、または一連のハードブロックモノマーおよびソフトブロックモノマーを加えて所望組成物のブロックコポリマーを調製することにより行われ得る。 このような方法は、Macromolecules 18 21
    3(1985)に開示されている種類のHI/I 2開始剤系を用い得る。

    TPEはまた、Aブロックに対応する前駆体ポリマー、
    好ましくはSCCアクリレートまたはメタクリレートポリマーを調製し、ソフトブロックのモノマーと共重合し得る末端単位を与え、次いでソフトブロックのモノマー、
    好ましくはアルキルアクリレートまたはメタクリレート(ここでこのアルキル基は、3〜8個の炭素原子を含有する)を、少なくとも2つのAブロック前駆体分子がソフトブロックモノマーにより形成された各ポリマー鎖の骨格に取り込まれるような条件下で、重合することにより調製され得る。 例えば、SCCアクリレートポリマーを調製し、これをメルカプトエタノールでキャップし、イソシアナトエチルメタクリレート、メタクリロイルイソシアネート、アクリロイルクロリド、またはメタクリロイルクロリドとの反応により機能化し、次いでブチルアクリレートおよび/または類似の低分子量アクリレートと反応させ得る。 反応剤の割合および連鎖移動剤の存在により、ソフトブロックとハードブロックとの比を調節し得る。

    本発明のTPEは、一般的に、5〜500%、例えば50〜50
    0%の伸びを示す。 これらの弾性率は、一般的に、10〜1
    00,000psi(0.7〜7,000kg/cm 2 )、例えば10〜50,000psi
    (0.7〜3500kg/cm 2 )である。 ハードブロックの割合が高いほど、弾性率は高くなる。 TPEは、一般的に、ハードブロックを90%未満、好ましくは70%未満、そして2
    %より多く含有する。

    本発明のTPEがTqより高い温度から実質的にTqより低い温度まで冷却されるとき、Tq温度に達してもすぐには結晶化しない。 結晶化が起こる前に遅延が存在する。 上記のように測定した再結晶化時間(XL時間)は、その遅延の測定であるが、Tqが測定温度よりも上昇すると、再結晶化までの時間は一般的に減少することが示されるべきである。 好ましい遅延の長さは、適用ごとに異なる。
    例えば、溶融TPE(単独または添加剤と共に)が金型または溝に導入(例えば、押出しまたは注入)される場合、再結晶化時間が短すぎると、TPEが金形を満たす前に、および/または、TPEを導入するのに用いた器具中で(特に、溶融TPEを注入するのに細い針を用いた場合)、TPEの固化が起こり得る。 他方、再結晶化時間が長すぎると、溶融TPEの少なくともいくらかが、固化する前に、溝または金型から流れ出すか、または洗い流される。 本発明の利点の1つは、SCCハードブロックの繰り返し単位および/またはハードブロックとソフトブロックとの比を適当に変えることにより、再結晶化時間が調節可能な方法で変えられ得ることである。 本発明のTP
    Eは、生きている哺乳動物の溝を塞ぐのに用いられるとき、好ましくは、その再結晶時間が5〜150秒、好ましくは10〜97秒、特に10〜73秒である。

    新規TPEの数平均分子量(M n )は一般的に5,000〜800,
    000、好ましくは10,000〜800,000、例えば5,000〜400,0
    00、特に10,000〜200,000である。 M w /M n比は一般的に1
    〜15、例えば2〜4である。

    組成物、成形品、および組立物 本発明の組成物、成形品、および組立物では、この新規TPEは、TPEに接触する第2成分と組み合わせられる。
    用語「と組み合わせられる」は、本明細書中では、広い意味で、以下のような組成物、成形品、および組立物を含むように用いられる:第2成分がTPEじゅうに、好ましくは均一に、分散されている固体である、組成物;TPE
    が第2成分(小粒の形態であり得る)を取り巻いている、好ましくはカプセル化している、成形品;および、
    TPEが第2成分により取り巻かれている、例えば少なくとも部分的に支持されている、組立物。 組成物中のTPE
    の量は、TPEと第2成分との重量に基づき、一般的に少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%であり、より好ましくは、例えば少なくとも20%であり得る。 Aブロックは、好ましくは、溶融状態のTPEにより第2成分が有効に濡らされることを確実にする溶解定数を有する。

    本発明は、熱反応性物質であって、そして少なくとも貯蔵の目的で比較的低い臨界温度(T crit )より低い温度で維持されなければならない第2成分を含有する固体合成物を製造することが望ましいときに、特に有用である。 熱反応性物質は、従来のTPEが好都合に溶融加工され得る温度よりも低いT critを有するので、従来のTPE
    は、このような目的にはしばしば不十分である。 これに対して、新規TPEは、よりかなり低い温度で溶融加工され得、さらにT critに対する広い範囲の値内で、任意の値に対して適当なT qを有するように変化させられ得る。
    T critの値は、第2成分の反応(分解を含む)により設定され得る。

    第2成分は、TPEが溶融する間およびT critよりも十分に(safely)低い温度で、TPEに対してこれらをゆっくりと加えることにより、TPE中に分散され得る。 溶融組成物を成形し(例えば押出加工しまたは金型内で)、次いで冷却することにより得られる固形生成物は、機械的に強く、衝撃エネルギーを吸収し得るので、偶発的な爆発の危険などを低減し得る。 TPEのハードブロックを融解する際にかなりの熱が吸収されるので、生成物はまた、熱エネルギーも吸収し得る。 さらに、生成物は、所望であれば、容易に再加熱および再処理され得る。

    融解混合することにより第2成分がTPE中に分散され、添加剤の量が比較的高い(例えば50%より多い)とき、組成物は、分散処理中に融解粘度が低下する可塑剤を含有し得る。 この可塑剤は、TPEと相溶性でなければならないが、その存在によりTPEの融解挙動が変化しないためには、好ましくはTPEのハードブロックとは相溶性でない。

    特に重要な活性添加剤は、いわゆる「エネルギー性」
    物質であり、燃料、爆発性物質(低攻撃性の爆発性物質、ロケット推進剤、銃装薬、あらゆる種の弾薬、おとり照明弾、ガスおよび煙発生機を包含する)、およびそれらと混合され得る種々の物質(酸化剤、安定化剤、硬化速度改変剤、燃焼速度改変剤、および可塑剤を包含する)を包含する。 特定のエネルギー性物質は、米国特許第4,361,450号(Munson)、第4,361,526号(Allen)、
    第4,483,978号(Manser)、第4,919,737号(Biddle
    ら)、および第4,976,796号(Biddleら)に開示されており、これらの開示内容は、本願明細書中に参考として援用されている。 エネルギー性物質を含む複合物を製造するための現在の方法は、架橋したエラストマー結合剤を使用し、複合加熱計画(schedule)を必要とし、再処理され得ない生成物を生成する。

    他の熱反応性の第2成分は、薬学的または生物学的に活性な物質(例えば、血液凝固剤、殺精薬、ホルモン、
    成長調節剤、および抗生物質)、農芸化学製剤、種子、
    触媒、および酵素を包含する。

    他の第2成分は、所望の特性(例えば、強靱性、伸び、熱伝導性、放射線(例えばX線)に対する不透明性、および良好な透湿性)を有する固体組成物を提供し得る。 このような成分は、例えば、補強充填剤(繊維、
    金粒子、銀粒子、放射不透明顔料、ヒュームドシリカ、
    および親水性物質(例えば、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カラゲナン(carragenan)、およびセルロース繊維)を包含する)を包含する。

    この新規な組成物、成形品、および組立物は、特にTq
    より低い温度からT qより高い温度までの温度の上昇に応じて、TPE中に分散されているまたはTPEによりカプセル化されている第2成分を露出するか、または放出するのに用いられ得る。 このようにして露出され得るまたは放出され得る第2成分は、除草剤、種子、香料、脱臭剤、
    有害生物防除剤、殺菌剤、殺虫剤、肥料、および他の農芸化学製剤、消毒剤、薬剤を包含する。 従って、特定の適用には、種子に対する透水性を調節するコーティング製剤、動物タグ(animal ear tag)、有害生物防除剤を放出するための首輪(collar)および馬具(harnes
    s)、および温度変化に応じて農芸化学製剤を放出するマイクロカプセルが含まれる。 例えば、同一人に譲渡された米国特許第4,830,855号(Stewart)、第5,120,349
    号(Stewartら)、および第5,129,180号(Stewart)、
    および米国特許出願番号第07/623,602号を参照のこと。
    これらの開示内容は、本願明細書中に参考として援用されている。

    ある種の新規TPEのための別の重要な用途は、哺乳動物の溝を塞ぐこと、および同様の用途であり、1992年9
    月2日にEdward E.Schmittにより出願された、同時係属で同一人に譲渡された米国特許出願番号第07/939,110号に開示されており、この開示内容は、本願明細書中に参考として援用されている。 他の適用は、経口摂取、移植、皮膚付着などに十分な形態での薬学的および医学的製造物の製造を包含し、これは製造物の分解温度よりも十分に低い選択された温度で容易に処理され得、脆性破砕および剥れを防ぐのに十分なエラストマー性である。
    他の適用には、靴底、衣服、目詰め材料(weather stri
    pping)、ガスケット、シーリング剤、コーキング剤、
    伸縮継手、屋根の膜(roofing menbranes)、ケーブル絶縁体などのような柔軟な市販品が包含される。 新規TP
    Eは、このような製造物が使用時にさらされる最高温度よりも高いTqを有し得るが、このような適用に現在使用されるTPEよりも低い温度でこのTPEを加工することが可能である。 従って、これらはより経済的に加工され得る。 例えば、TPE靴底は、現在100℃で加工されているが、新規なTPEを用いると70℃で加工され得る。

    実施例 実施例1〜6では、表1に示した成分およびそれらの量(グラム)を反応させ、表1に示した特性を有する本発明のTPEを形成した。 表1中の、POLY−THF 650、PORY
    −THF 2000、およびPOLY−THF 4500は、異なる分子量のポリエーテルであって、これらはテトラヒドロフランを重合することにより得られ、BASFから市販されている。
    そして、AIBNはアゾ−ビス−イソブチロニトリルである。 実施例1〜4では、ハードブロックは、POLY−THF
    とジイソシアネートとの反応により得られたポリウレタンエラストマー上でアクリレートモノマーの重合を行うことにより形成した。 実施例5および6では、予め形成したハードブロックポリマーを、ジイソシアネートとの反応により機能化し、次いでPOLY−THFと反応させた。

    実施例7〜31では、第1工程では、表2に示した成分およびそれらの量(グラム)を用いて、ハードブロック
    SCCアクリレートおよび/またはメタクリレートポリマーを生成し、表2に示した特性を有するSCCポリマーH1
    からH15までのうち1つを生成した。 表2中のC 22 IEMAおよびC 30 IEMAと呼ばれる各成分は、そのアルキル基がそれぞれ22個の炭素原子、30個の炭素原子を含むn−アルキルオキシカルボニルアミドエチルメタクリレートである。 次いで、SCCをイソシアネートエチルメタクリレートと反応させて機能化した。 次いで、表3に示した機能化SCCポリマーおよびブチルアクリレートの量を用い、
    ブチルアクリレートと機能化ハードブロックポリマーを共重合することにより、ソフトブロックを形成し、表3
    に示した特性を有するTPEを得た。

    表1および表3に示した分子量は、1000単位で表される。 従って、65Kとして表されたM wは、分子量が65,000
    ダルトンであることを意味する。

    この実施例の手順について、さらなる詳細を以下に記載する。

    実施例1 POLY−THF 650、トルエン(500mL)、およびジブチルスズジラウレート(一滴)を、1リットルフラスコに加えた。 このフラスコは、スターラー、Dean−Stark水分離器、および乾燥管(drying tube)を備える。 トルエンをフラスコから分離器に蒸留して水を除去した。 冷却後、ジイソシアネートを反応混合物中に注入し、これを次いで室温で22時間攪拌した;この反応を、赤外(IR)
    分光学によって、2270cm -1におけるイソシアネートピークを観察してモニターした。 次いで、アミンを、約10mL
    の温トルエン中に溶液として加えた。 反応混合物を室温で24時間おいた後、アクリレートモノマーおよびAIBN
    (開始剤として加える)を加え、窒素を8分間混合物中に吹き込んだ。 この反応混合物を18時間攪拌しながら60
    ℃に加熱した。 冷却後、この混合物を1リットルのヘプタン中に注ぎ、TPEを沈澱物として回収した。

    実施例2 POLY−THF 650、トルエン(70mL)を、スターラーおよびDean−Stark水分離器を取り付けた100mLフラスコに加えた。 25mLのトルエンを、窒素下でフラスコから水分離器に蒸留して水を除去した。 混合物を冷却し、分離器を血清キャップ(serum cap)および乾燥管と取り替えた。 ジイソシアネートと一滴のジブチルスズジラウレートを加え、反応混合物を室温で21時間攪拌した。 得られた溶液に、アミン(5mlの温トルエン中の溶液として)
    加えた。 溶液を、2.5時間室温で攪拌した。 この時間でI
    R分光学によりイソシアネートは、検出し得なかった。
    この溶液を、スターラーに取り付けたスクリューキャップボトルに移し、アクリレートおよびAIBNを加えた。 ボトルを密閉し、次いで18時間攪拌しながら60℃に加熱した。 冷却後、この混合物をヘプタン中に注ぎ、TPEを沈澱物として回収し、室温で真空下で乾燥した。

    実施例3 以下の改変を行い、実施例2の手順に従って行った:
    (1)トルエンを70mLではなく、35mL加えた;(2)ジイソシアネートを加えた後、混合物を21時間ではなく、
    23.5時間攪拌した;(3)トルエン(30mL)を粘性溶液に加え、次いでアミンを加える前に60℃に加熱した;
    (4)アミン含有溶液を室温で、2.5時間ではなく、48
    時間攪拌した;そして(5)TPEを回収するために、混合物を、ヘプタンではなく、エチルアルコール中に注いだ。

    実施例4 以下の改変を行い、実施例2の方法に従って行った:
    (1)トルエンを70mLではなく、50mL加えた;(2)ジイソシアネートを加えた後、混合物を室温で21時間ではなく、40℃で4時間攪拌した;そして(3)アミンを粘性溶液に40℃で加えた後、混合物を室温で2.5時間ではなく、40℃で2時間加熱した。

    実施例5 ポリ(1,2−オクタデセンエポキシド)、M n 2579、およびトルエン(100mL)を、スターラー、Dean−Stark水分離器、および窒素導入口を取り付けた500mLフラスコ中においた。 25mLのトルエンを、フラスコから水分離器に蒸留して水を除去した。 次いで、分離器をストッパー(stopper)に取り替えた。 8mLのトルエンに溶かしたジイソシアネートと一滴のジブチルスズジラウレートとを加えた。 反応混合物を2時間40分かけて攪拌しながら75
    ℃に加熱し、この後、IR分光学により変化は全く検出され得なかった。 POLY−THFの100mLトルエン溶液を、25mL
    のトルエンを水分離器に蒸留することにより乾燥し、乾燥した溶液を、イソシアネート改変ハードブロックポリマーの75℃の溶液に加えた。 この反応混合物を75℃で0.
    5時間維持し、冷却後、ヘプタン中に注いだ。 TPEを沈澱物として回収し、室温で真空下で乾燥した。

    実施例6 以下の改変を行い、実施例5の手順に従って行った:
    (1)M nが2579ではなく2261であるポリ(1,2−オクタデセンエポキシド)を、100mLではなく105mLのトルエンと、フラスコ中においた;(2)ジイソシアネートを、
    8mLではなく10mLのトルエンに溶かした;(3)混合物を、2時間40分で75℃ではなく、1時間で70℃に加熱した;(4)100mLではなく85mLのトルエンを、POLY−THF
    の溶液を調製するのに用いた;(5)反応混合物を、75
    ℃で0.5時間ではなく、70℃で2時間維持した;そして(6)TPEを回収するために、冷却した混合反応物を、
    ヘプタンではなく、エタノール中に注いだ。

    ハードブロックSSCポリマーH1からH15までの調製 SCCポリマーH1は、ドコサニルアクリレート(100g)
    と、キャッピング剤としてメルカプトエタノール(3.6
    g)と、開始剤としてAIBN(1g)とを、トルエン(200m
    L)に加え、この反応混合物を窒素下で60℃で16時間攪拌しながら加熱することにより、調製した。 SCCポリマーを単離し、トルエン中のイソシアナートエチルメタクリレート(8g)と70℃で16時間加熱して、機能化されたハードブロックポリマーを得た。

    SCCポリマーH2からH15は、例えば、分子量を調節するような適当な改変を行って同様に生成した。 例えば、SC
    CポリマーH2は、以下の改変を行って、上記の手順により調製した:(1)反応混合物を16時間60℃で加熱した後、16時間80℃で加熱して、残留しているAIBNを分解した;(2)3滴のジブチルスズラウレートを、イソシアナトエチルメタクリレートと一緒に加えた;そして(3)イソシアナトエチルメタクリレートとの反応を、
    70℃で16時間ではなく、25℃で16時間行った。

    実施例7〜31のTPEの調製 実施例7のTPEは、機能化SCCポリマーH1(40g)と、
    ブチルアクリレート(60g)と、AIBN(1g)とを、トルエン(200mL)に加え、60℃で16時間攪拌しながら加熱することにより、調製した。 この反応混合物を冷却し、
    エタノール中に注ぎ、沈澱物としてTPEを回収し、この沈澱物を減圧下で温度を上げながら乾燥した。

    実施例8から31のTPEは、適当な改変を行って(例えば、分子量を調節するために連鎖移動剤としてドデシルメルカプタンを添加)同様に生成した。

    実施例30 RDX(爆発性物質)75部と、T

    qが74℃である本発明のT


    PE 25部とを含有する組成物は、以下のようにして生成され得る。 TPEを、高剪断ミキサー中で約84℃に加熱し、RDXのうち半分を加え、20分間TPEと混合する;次いで、RDXの残りを加え、均質な組成物が得られるまで混合を続ける。 この混合物は、84℃ではポットライフが制限されない。 押し出し加工により成形され得、20%以上の伸びを有する固体が得られ得る。 得られた生成物、およびスクラップは、再加工され得る。

    実施例31 種子含有組成物は、以下により調製され得る。 本発明のTPEを適切な溶媒に溶かし(例えば、ヘプタンとエチルアセテートとの1/1混合物5mL中に2gのTPEを溶かす)、溶液を用いて種子をコートし(例えば、容器の中にツルナシインゲンマメを置き、溶液を加えることによる)、そして種子を乾燥すると、薄く連続的なTPEのコーティングが得られる。

    実施例32 T qが48℃である本発明のTPEの複素弾性を、0.05ラジアン/秒で種々の温度で測定したところ、以下の結果が得られた: 温 度 40 53 67 80 複素弾性 50,000,000 2000 1000 2000 Tmが43℃であるSCCハードブロックポリマーの複素弾性を、0.01ラジアン/秒で種々の温度で測定したところ、以下の結果が得られた: 温 度 40 50 75 100 複素弾性 50,000,000 100 20 5

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カンプ,デイビッド エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94087,サニーベイル,ティコンデロガ ドライブ 886 (72)発明者 フリーリン,ロバート ジー. アメリカ合衆国 バージニア 23831, チェスター,クリーク ウェイ 4084 (72)発明者 ユーン,ヴァレンタイン ワイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94065,レッドウッド シティ,ボード ウォーク プレイス 873 (56)参考文献 特開 平2−14216(JP,A) 特開 昭61−62630(JP,A) 特開 昭61−60759(JP,A) 特開 昭61−28551(JP,A) 特開 平4−53813(JP,A) 欧州特許出願公開38392(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) C08F 297/00 C08L 53/00

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