六方晶窒化ホウ素を含むポリマーを提供するためのプロセス

申请号 JP2018512566 申请日 2016-08-30 公开(公告)号 JP2018528308A 公开(公告)日 2018-09-27
申请人 ペプシコ・インク; 发明人 ウォイチェフ・エイ・ウィルチャク; リー・エム・ニコルソン;
摘要 剥離六方晶窒化ホウ素(h−BN)を含むポリマー(例えば、PET)組成物、その調製の方法及びその使用の方法が本明細書において提供される。ポリマー(例えば、PET)組成物を調製する方法は、剥離六方晶窒化ホウ素(h−BN)及び第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を含む反応混合物を提供することと、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を重合させることと、を含む。また、剥離h−BNを含むポリマー(例えば、PET)組成物を使用して調製された容器(例えば、ボトル)も提供される。
权利要求

ポリマー組成物を調製する方法であって、前記方法は、 a)第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物及び剥離六方晶窒化ホウ素を含む反応混合物を提供することと、 b)前記反応混合物中の前記第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を重合させて、剥離六方晶窒化ホウ素の分散プレートレットを含む前記ポリマー組成物を形成することと、を含み、 前記ポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、並びにこれらの混合物及びこれらのコポリマーからなる群から選択される、方法。反応混合物を提供することは、 六方晶窒化ホウ素を溶媒中で剥離して、窒化ホウ素懸濁液を形成することと、 前記剥離窒化ホウ素懸濁液を前記反応混合物中に含ませることと、を含む、請求項1に記載の方法。前記ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである、請求項1又は2に記載の方法。前記溶媒は、前記第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を含む、請求項2に記載の方法。前記第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール、式I [式中、T1は、H、メチル、エチル、又は2−ヒドロキシエチルであり、T2は、H、OH、又は であり、nは、1〜6である]を有するオリゴマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。前記溶媒は、エチレングリコールであり、前記ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである、請求項4に記載の方法。前記反応混合物は、エチレングリコール中の前記剥離窒化ホウ素懸濁液と、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートから選択されたテレフタル酸剤と、重合触媒と、を含む、請求項6に記載の方法。前記反応混合物は、エチレングリコール中の前記剥離窒化ホウ素懸濁液と、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートから選択されたテレフタル酸剤と、重合触媒とから本質的になる、請求項7に記載の方法。前記剥離六方晶窒化ホウ素は、5〜10層の単層の平均厚さを有するプレートレットを形成する、請求項6に記載の方法。前記剥離六方晶窒化ホウ素は、5〜20層の単層の平均厚さを有するプレートレットを形成する、請求項6に記載の方法。前記六方晶窒化ホウ素を剥離することは、超音波処理、ボールミリング、せん断、楔挿入型機械的剥離、又はこれらの組み合わせを含む、請求項2〜10のいずれか一項に記載の方法。前記剥離六方晶窒化ホウ素は、100〜2000の平均アスペクト比を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。前記反応混合物は、走査型電子顕微鏡により判定されるように、凝集六方晶窒化ホウ素を実質的に含まない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。前記六方晶窒化ホウ素を前記溶媒中で剥離後、テレフタル酸剤を前記溶媒に加えることを更に含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載の方法。前記反応混合物は、非重合性溶媒を実質的に含まない、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。前記剥離六方晶窒化ホウ素は、前記ポリマー組成物の0.01重量%〜10重量%の量で存在し、前記ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。前記剥離六方晶窒化ホウ素は、前記ポリマー組成物の0.01重量%〜5重量%の量で存在する、請求項16に記載の方法。前記剥離六方晶窒化ホウ素は、前記ポリマー組成物の5重量%〜10重量%の量で存在する、請求項16に記載の方法。請求項1〜18に記載の方法のうちの任意の1つにより生成されたポリマー組成物。密封容器と前記密封容器の外部環境との間の気体交換を低減する方法であって、請求項19に記載のポリマー組成物を使用する前記密封容器を調製することを含み、前記ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである、方法。前記密封容器は、請求項19に記載のポリマー組成物から本質的になる材料から調製される、請求項20に記載の方法。食品の保存期限を長くする方法であって、前記食品を容器内に密封することを含み、前記容器は、請求項19に記載のポリマー組成物を使用して調製され、前記ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである、方法。前記容器は、請求項19に記載のポリマー組成物から本質的になる材料から調製される、請求項22に記載の方法。前記食品を含む前記密封容器の酸素透過性は、前記剥離六方晶窒化ホウ素を含まないことを除き実質的に同一の容器における酸素透過性と比較したときに10%以上低減される、請求項22又は23に記載の方法。前記食品は、炭酸清涼飲料である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。前記食品は、茶飲料である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。前記食品は、乳製品である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。前記食品は、アルコール飲料である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。請求項19に記載のポリマー組成物から本質的になる材料から調製された容器であって、前記ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである、容器。第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物と、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物と、剥離六方晶窒化ホウ素と、を含む反応混合物であって、 前記第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、任意選択的に前記第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物との重合時にポリエステルを形成し、 前記ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)若しくはポリ(エチレンフラノネート)のホモポリマー又はコポリマーであり、 前記反応混合物は、走査型電子顕微鏡により判定されるように、凝集六方晶窒化ホウ素を実質的に含まない、反応混合物。前記第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールである、請求項30に記載の反応混合物。前記第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートである、請求項30又は31に記載の反応混合物。非重合性溶媒を実質的に含まない、請求項30〜32のいずれか一項に記載の反応混合物。前記剥離六方晶窒化ホウ素は、前記反応混合物の0.01重量%〜10重量%の量で存在する、請求項30〜33のいずれか一項に記載の反応混合物。

说明书全文

発明の分野及び背景技術

本明細書に記載された様々な実施形態は、剥離六方晶窒化ホウ素を含むポリマー組成物、その調製及び使用の方法に関する。

炭酸清涼飲料ポリ(エチレンテレフタレート)容器の軽量化は、より薄いボトル壁を通って炭酸が抜けるため、製品の保存期限が短くなる原因となる。Plasmax又はActisなどの現在利用可能なバリアコーティングは、多額の資本投資を必要とし、ボトル内部の飲料の炭酸レベルが高いときにはうまく作用しない。更に、多層ボトルは、高価であり、リサイクル性に関する問題を有する場合がある。したがって、気体(例えば、二酸化炭素)に対してより低い透過性であるなどの改善された特性を有する容器が必要とされている。

一態様では、剥離六方晶窒化ホウ素(h−BN)を含む、ポリマー組成物を調製する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、a)第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物及び剥離六方晶窒化ホウ素を含む反応混合物を提供することと、b)反応混合物中の第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を重合させて、剥離六方晶窒化ホウ素の分散プレートレットを含むポリマー組成物を形成することと、を含み、ポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、並びにこれらの混合物及びこれらのコポリマーからなる群から選択される。好適なポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、及びポリカーボネートは、本明細書に記載されている。

いくつかの実施形態では、反応混合物を提供することは、六方晶窒化ホウ素を溶媒中で剥離して、窒化ホウ素懸濁液を形成することと、剥離h−BN懸濁液を反応混合物中に含ませることと、を含む。いくつかの実施形態では、六方晶窒化ホウ素を剥離することは、超音波処理、ボールミリング、せん断、楔挿入型機械的剥離(wedge-based mechanical exfoliation)又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、剥離六方晶窒化ホウ素は、5〜10層の単層の平均厚さを有するプレートレットを形成する。いくつかの実施形態では、剥離六方晶窒化ホウ素は、5〜20層の単層の平均厚さを有するプレートレットを形成する。いくつかの実施形態では、剥離六方晶窒化ホウ素は、100〜2000の平均アスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、反応混合物は、走査型電子顕微鏡により判定されるように、凝集六方晶窒化ホウ素を実質的に含まない。

いくつかの実施形態では、溶媒は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール、式Iを有するオリゴマー

[式中、T1は、H、メチル、エチル、又は2−ヒドロキシエチルであり、T2は、H、OH、又は

であり、nは、1〜6である] 及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は、エチレングリコールであり、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、反応混合物は、非重合性溶媒を実質的に含まない。

いくつかの実施形態では、反応混合物は、第2のモノマー性若しくはオリゴマー性反応物、重合触媒、又はこれらの組み合わせを更に含む。これらの実施形態では、反応混合物を提供することは、六方晶窒化ホウ素を溶媒中に剥離した後、第2のモノマー性若しくはオリゴマー性反応物、重合触媒又はこれらの組み合わせを溶媒に加えることを含んでもよい。

一態様では、剥離六方晶窒化ホウ素を含む新規反応混合物が提供される。いくつかの実施形態では、反応混合物は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物と、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物と、剥離六方晶窒化ホウ素と、を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、重合触媒を更に含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、エチレングリコール中の剥離h−BN懸濁液と、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート又はジエチルテレフタレートから選択されたテレフタル酸剤と、重合触媒と、を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、エチレングリコール中の剥離h−BN懸濁液と、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート又はジエチルテレフタレートから選択されたテレフタル酸剤と、重合触媒と、から本質的になる。

いくつかの実施形態では、反応混合物は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物と、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物と、剥離六方晶窒化ホウ素と、を含み、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、任意選択的に第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物との重合時にポリエステルを形成する。いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)若しくはポリ(エチレンフラノネート)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、反応混合物は、走査型電子顕微鏡により判定されるように、凝集六方晶窒化ホウ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールである。いくつかの実施形態では、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートである。いくつかの実施形態では、反応混合物は、非重合性溶媒を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、剥離六方晶窒化ホウ素は、反応混合物の0.01重量%〜10重量%の量で存在する。

一態様では、新規ポリマー(例えば、PET)組成物が提供され、新規ポリマー組成物は、本明細書に記載された方法により調製された剥離六方晶窒化ホウ素を含む。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、ポリマー(例えば、PET)組成物の約0.01重量%〜約10重量%の量で存在する。

一態様では、容器が提供され、容器は、本明細書に記載された方法により調製された剥離六方晶窒化ホウ素を含むポリマー組成物から調製されている。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである。

一態様では、密封容器とその外部環境との間の気体交換を低減する方法が提供され、方法は、本明細書に記載された方法により調製された剥離六方晶窒化ホウ素を含むポリマー組成物から使用して密封容器を調製することを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、密封容器の酸素透過性は、剥離六方晶窒化ホウ素を含まないことを除き実質的に同一の容器の酸素透過性と比較したときに約10%以上低減されている。

一態様では、食品の保存期限を長くする方法が提供され、方法は、食品を容器内に密封することを含み、容器は、本明細書に記載された方法により調製された剥離六方晶窒化ホウ素を含むポリマー組成物を使用して調製される。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、食品を含む密封容器の酸素透過性は、剥離六方晶窒化ホウ素を含まないことを除き実質的に同一の容器の酸素透過性と比較したときに約10%以上低減されている。いくつかの実施形態では、食品は、炭酸清涼飲料である。いくつかの実施形態では、食品は、茶飲料である。いくつかの実施形態では、食品は、乳製品である。いくつかの実施形態では、食品は、アルコール飲料である。

定義 特に記載のない限り又は文脈から明らかでない限り、本明細書において使用するとき、用語「約(about)」は、当該技術分野で通常の許容誤差の範囲内、例えば、表示値の20%以内であると理解され、例えば、「約20」は、16〜24を含み、「約20%」は、(0%〜40%ではなく)16%〜24%を含む。本明細書において使用するとき、「約」特定値はまた、その特定値を含み、例えば、約10%は、10%を含む。

「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含有する(contain)」、「含有している(containing)」などの非限定用語は、「含んでいる(comprising)」を意味する。これらの非限定的移行句は、追加の列挙されない要素又は方法工程を排除しない、要素、方法の工程などの非限定的列挙を導入するために使用される。

移行句「からなる(consisting of)」及びその変形形態は、これらに通常関連する不純物を除いて、列挙されていないいかなる要素、工程又は成分も排除する。

移行句「から本質的になる(consists essentially of)」又は「から本質的になる(consist essentially of)」若しくは「から本質的になっている(consisting essentially of)」などの変形形態は、指定された方法、構造又は組成の基本的性質若しくは新規性質を物質的に変化させない要素、工程又は成分を除いて、列挙されないいかなる要素、工程、又は成分も排除する。

また、本発明の要素又は成分に前置する不定冠詞「a」及び「an」は、実例、すなわち、要素又は成分の出現の数に関して非制限的であることが意図されている。したがって、「a」又は「an」は、1つ又は少なくとも1つを含むと解釈されるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、数字が単数であることを明確に意味しない限り、複数も含む。

用語「発明」又は「本発明」は、本明細書において使用するとき、非限定的用語であり、特定の発明の任意の単一の実施形態を指すことが意図されていないが、本願において記載されたようにすべての可能な実施形態を包含する。

本明細書において使用するとき、「ホモポリマー」は、単一種類の繰り返し単位のみを含むポリマーを指す。例えば、エチレングリコールとテレフタル酸とのみから形成されたポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマーとなるであろう。

本明細書において使用するとき、「コポリマー」は、繰り返し単位の混合を含むポリマーを指す。例えば、エチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸との重合から形成されたポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のコポリマーとなるであろう。同様に、エチレングリコールとテレフタル酸とイソフタル酸との重合から形成されたポリマーもまた、ポリ(エチレンテレフタレート)のコポリマーとなるであろう。

本明細書において使用するとき、用語「非重合性溶媒」は、本明細書に記載されたようなポリマーの繰り返し単位の部分を形成する重合反応において不活性であるか又は関与しないかのいずれかである溶媒を指す。例えば、非重合性溶媒は、重合条件下で反応性官能基を有さない溶媒を含み、例えば、テトラヒドロフラン(THF)は、PETの合成用の重合条件下で概ね反応性ではなく、したがって、非重合性溶媒であり得る。非重合性溶媒はまた、重合条件下でポリマーの繰り返し単位の部分を形成しない反応性官能基を有する溶媒も含む。例えば、イソプロパノール又はエタノールなどの一価アルコールは、テレフタル酸又はそのエステルと、エチレングリコールとの重合条件下で反応する場合があるが、一価アルコールは、ポリマー鎖を延長することができず、ポリ(エチレンテレフタレート)の繰り返し単位の部分を形成しない。したがって、本明細書において使用するとき、イソプロパノール又はエタノールもまた、非重合性溶媒である。

本明細書において使用するとき、「剥離六方晶窒化ホウ素」又は「剥離h−BN」は、実質的に剥離された六方晶窒化ホウ素プレートレットを指し、例えば、透過型電子顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法、X線光電子顕微鏡法、又はX線粉末回折により判定されるように、1〜50層の単原子層(単層)又は約0.3nm〜約15nmの平均厚さを有する。例えば、Pierret A.,et al.,「Excitonic recombinations in hBN:from bulk to exfoliated layers」、hal−00833437v1(2013)を参照されたい。特に指示がない限り、走査型電子顕微鏡法は、剥離h−BNプレートレットの平均厚さを決定するために使用される。当業者により理解されるように、h−BNのそれぞれの単原子層は、約0.3nm厚である。いくつかの実施形態では、剥離h−BNプレートレットは、5〜10層の単原子層の平均厚さを有する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNプレートレットは、5〜20層の単原子層の平均厚さを有する。本明細書において使用するとき、h−BNを「剥離すること」は、剥離h−BNを発生させるための任意のプロセスを含む。

本明細書において使用するとき、「凝集六方晶窒化ホウ素」又は「凝集h−BN」は、互いに結合された窒化ホウ素プレートレットの集合体を指す。例えば、凝集h−BNは、通常、150層よりも多いh−BNの単原子層又は50nmを超える厚さを有する。更に、当業者は、透過型電子顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法、X線光電子顕微鏡法、又はX線粉末回折により凝集h−BN粒子を剥離h−BNから容易に区別できる。特に指示がない限り、走査型電子顕微鏡法は、凝集h−BN粒子を剥離h−BNから区別するために使用される。

本明細書において使用するとき、「実質的に同一の(複数の)容器」は、実質的に同一の容器重量、形状及び容量を有し、特に指示がある場合を除き、実質的に同じ材料(例えば、同じポリマー)から製造され、実質的に同じ容器壁厚を有する容器を指す。例えば、本明細書に記載されたように、比較する目的で、1つが剥離h−BNを含むPET組成物により作製され、別の1つがPET組成物であるが剥離h−BNを含まずに製造され、かつPETの特性が実質的に同じである、2つの実質的に同一の容器は、酸素透過性分析のために使用できる。

本明細書において使用するとき、ジカルボン酸の機能的等価体は、例えば、ジオール又はジアミンと反応することができ、ジカルボン酸とジオール又はジアミンとの反応由来のポリマーと同じ繰り返し単位を有するポリマーを形成する、ジカルボン酸の誘導体(例えば、エステル)を指す。 剥離h−BNを含む反応混合物を使用する重合プロセス

剥離h−BNを含むポリマー組成物は、単離された乾燥剥離h−BNを溶融ポリマー(例えば、PET)に取り込むことにより調製できる。しかし、剥離h−BNの単離及び乾燥は、剥離h−BNの再凝集の原因となる場合がある。更に、剥離h−BNの溶融ポリマーへの取り込みは概ね、ポリマー内でのh−BNの不良な分散の原因となる。対照的に、理論に束縛されるものではないが、剥離h−BNを含む反応混合物(例えば、反応溶媒(例えば、エチレングリコール)中の剥離h−BN)を使用して、反応混合物を直接重合させてポリマー(例えば、PET)を形成することによって、剥離h−BNは、例えば、溶媒(例えば、エチレングリコール)から単離する必要はない。したがって、このプロセスは、再凝集の可能性を低減する。更に、剥離h−BNを単離かつ乾燥させないことによって、かつ反応混合物を直接重合させることによって、形成された最終ポリマーは、ポリマー組成物(例えば、PET組成物)においてh−BNのより良好な分散を有する。

一態様では、剥離h−BNを含む反応混合物を使用するポリマー組成物を調製する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、a)第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物及び剥離六方晶窒化ホウ素を含む反応混合物を提供することと、b)反応混合物中の第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を重合させて、剥離六方晶窒化ホウ素の分散プレートレットを含むポリマー組成物を形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート並びにこれらの混合物及びこれらのコポリマーからなる群から選択される。

いくつかの実施形態では、本方法は、剥離h−BNを含むポリエステル組成物の調製に関する。本方法に好適なポリエステルは、当該技術分野で既知のポリエステルのうちの任意を含む。好適なポリエステルの非限定的な例には、ジオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)又はポリオール(例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、糖アルコールなど)とジカルボン酸又はその機能的等価体(例えば、そのエステル)(例えば、テレフタル酸、フランジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸など)から誘導されたポリエステルと、ヒドロキシカルボン酸(例えば、ヒドロキシブタン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、グリコール酸など)又はラクトン(例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンなど)から誘導されたポリエステルと、が挙げられる。

いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ジオールとジカルボン酸又はその機能的等価体(例えば、そのエステル)とから誘導されたホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。いくつかの実施形態では、ジオールは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、又は1,3−プロパンジオールである。本明細書に記載された実施形態のうちの任意では、ジオールは、エチレングリコールであってもよい。いくつかの実施形態では、ジカルボン酸又はその機能的等価体(例えば、そのエステル)は、芳香族ジ酸又はそのエステル(例えば、テレフタル酸、フランジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、又はこれらのエステル)である。いくつかの実施形態では、ジカルボン酸又はその機能的等価体(例えば、そのエステル)は、テレフタル酸又はそのエステルである。いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(エチレンフラネート)、ポリ(エチレンアジパート)、又はポリ(ブチレンスクシネート)のホモポリマー若しくはコポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)のコポリマーである。

いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリグリコリド、ポリ酢酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカナート(例えば、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート)、ベクトラン、これらの混合物のホモポリマー又はコポリマー及びこれらのコポリマーである。

いくつかの実施形態では、本方法は、剥離h−BNを含むポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、又はポリカーボネートの組成物の調製に関する。

好適なポリアミドは、当該技術分野で既知のポリアミドのうちの任意を含む。好適なポリアミドの非限定的な例には、脂肪族ポリアミド(例えば、ポリ(ヘキサノ−6−ラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド、ポリ(m−キシリレンアジパミド))、ポリフタルアミド(例えば、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸とから誘導されたポリアミド)及びポリ芳香族アミド(例えば、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−メタフェニレンイソフタルアミド)が挙げられる。特定のポリアミドは、包装に使用するために市販されている。例えば、三菱ガス化学株式会社は、m−キシリレンジアミン(MXDA)由来の広範なポリアミドを生産している。市販のナイロンMXD6は、MXDAのアジピン酸との重縮合により生産された結晶性ポリアミドであり、気体遮断性を有することが既知であり、包装における材料として使用された。これらのポリアミドもまた、本明細書に記載された方法により調製できる。いくつかの実施形態では、本方法は、ポリアミドの調製に関し、ポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸又はその機能的等価体(例えば、そのエステル)とから誘導される。いくつかの実施形態では、ジカルボン酸は、アジピン酸である。いくつかの実施形態では、ジアミンは、メタ−キシリレンジアミンである。いくつかの実施形態では、ポリアミドは、ポリ(m−キシリレンアジパミド)のコポリマーのホモポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリアミドは、

の式を特徴とする。いくつかの実施形態では、ポリアミドは、

の繰り返し単位を特徴とする。

好適なポリイミドは、当該技術分野で既知のポリイミドのうちの任意を含む。好適なポリイミドの非限定的な例には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(「DAPE」)とジカルボン酸無物とから誘導されたポリイミド(例えば、ポリ−オキシジフェニレン−ピロメリットイミド)、メタ−フェニレンジアミン(「MDA」)又は3,3−ジアミノジフェニルメタンとジカルボン酸無水物とから誘導されたポリイミドが挙げられる。

好適なポリウレタンは、当該技術分野で既知のポリウレタンのうちの任意を含む。好適なポリウレタンの非限定的な例には、ジオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキノン、ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルなど)とイソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタンなど)とから誘導されたポリウレタンが挙げられる。

好適なポリカーボネートは、当該技術分野で既知のポリカーボネートのうちの任意を含む。好適なポリカーボネートの非限定的な例には、ビスフェノール(例えば、ビスフェノールA)とカルボニル源(例えば、ホスゲン)とから誘導されたポリカーボネートが挙げられる。 反応混合物

様々なプロセスは、本明細書に記載された方法のための反応混合物を提供するために好適である。いくつかの実施形態では、反応混合物を提供することは、h−BNを溶媒中で剥離して、窒化ホウ素懸濁液を形成することと、剥離h−BN懸濁液を反応混合物中に含ませることと、を含む。したがって、h−BNは、h−BNが剥離される溶媒から単離されない。反応混合物を提供するための他のプロセスもまた、例えば、そのプロセスが反応混合物中に凝集h−BNを与えない場合に使用することができる。

反応混合物中の剥離h−BNは、その平均厚さを特徴とすることができる。当業者により理解されるように、用語剥離h−BNは、剥離h−BNが1つの単原子層のみからなることを暗示する必要はない。本明細書に記載された実施形態のうちの任意では、反応混合物中の剥離h−BNは、1〜50(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50又は指定された数値間の任意の範囲)層の単原子層の平均厚さを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、反応混合物中の剥離h−BNは、5〜10層の単原子層の平均厚さを有することを特徴とする。いくつかの実施形態では、反応混合物中の剥離h−BNは、5〜20層の単原子層の平均厚さを有することを特徴とする。本明細書に記載された実施形態のうちの任意では、反応混合物は、凝集h−BNを実質的に含まない。反応混合物中のh−BNの平均厚さは、当該技術分野の既知の方法により、例えば、走査型電子顕微鏡を使用することにより測定できる。反応混合物中の凝集h−BNの程度はまた、当該技術分野の既知の方法により、例えば、走査型電子顕微鏡を使用することにより決定できる。いくつかの実施形態では、凝集h−BNは、走査型電子顕微鏡を使用して反応混合物中に観察されない。いくつかの実施形態では、凝集h−BNは、透過型電子顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法、X線光電子顕微鏡法、又はX線粉末回折を使用して反応混合物中に観察されない。

反応混合物中の剥離h−BNはまた、その平均アスペクト比を特徴としてもよい。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、約100〜約2000(例えば、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1000、約1100、約1200、約1300、約1400、約1500、約1600、約1700、約1800、約1900、約2000又は指定された数値間の任意の範囲)の平均アスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、100未満の平均アスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、2000よりも大きい(例えば、2500、3000以上の)平均アスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、約1000〜約2000の平均アスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、約1300の平均アスペクト比を有する。

剥離h−BNの様々な量が反応混合物中に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、反応混合物の約0.01重量%〜約10重量%(例えば、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%又は指定された数値間の任意の範囲)の量で存在する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、反応混合物の約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、反応混合物の約5重量%〜約10重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、反応混合物の0.01重量%未満(例えば、約0.001重量%又は約0.005重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、反応混合物の10重量%よりも多い(例えば、約15重量%、約20重量%以上)の量で存在する。

反応混合物中での使用のために剥離h−BNを得る好適な方法は、当該技術分野で既知の剥離方法のうちの任意を含む。好適な方法の非限定的な例には、超音波処理、ボールミリング、せん断、楔挿入型機械的剥離、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、h−BNを剥離することは、超音波処理を含む。いくつかの実施形態では、h−BNを剥離することは、ボールミリングを含む。いくつかの実施形態では、h−BNを剥離することは、ボールミリングと超音波処理との組み合わせを含む。例えば、h−BNは、最初にボールミリングされ、次いで超音波処理されてもよい。剥離法のいくつかの例は、Xu C.,et al.,J.Mater.Chem.A,1(39):12192(2013)及び米国特許第8,303,922号に見られる。

溶媒がh−BNを剥離するために使用されるとき、h−BNは、h−BN懸濁液を形成するためにその溶媒中で剥離でき、次いで、h−BNは、溶媒から単離されることなく反応混合物中に含められる。いくつかの実施形態では、溶媒は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を含む溶媒は、不活性非重合性溶媒(例えば、THF)を更に含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を含む溶媒は、一価アルコール(例えば、イソプロパノール、エタノール)を更に含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、一価アルコールを含まない。いくつかの実施形態では、溶媒は、非重合性溶媒を含まない。いくつかの実施形態では、溶媒は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物から本質的になる。いくつかの実施形態では、溶媒は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物である。本明細書に記載された実施形態のうちの任意では、溶媒は、ジオール(例えば、エチレングリコール)を含んでもよい。本明細書に記載された実施形態のうちの任意では、溶媒は、エチレングリコールであってもよい。いくつかの実施形態では、h−BNを剥離することは、溶媒(例えば、エチレングリコール)中での超音波処理を含む。

本明細書に記載された実施形態のうちの任意では、本方法がポリアミドの調製に関するとき、溶媒は、ジカルボン酸(例えば、アジピン酸)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、溶媒は、水である。いくつかの実施形態では、h−BNを剥離することは、水中での超音波処理を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物(例えば、アジピン酸)は、剥離h−BNを含む水に加えられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、アジピン酸の水溶液である。いくつかの実施形態では、h−BNを剥離することは、アジピン酸の水溶液中での超音波処理を含む。いくつかの実施形態では、アジピン酸及び剥離h−BNを含む水溶液は、水を除去することなくポリアミド合成に使用される。いくつかの実施形態では、アジピン酸及び剥離h−BNを含む水溶液は、水を除去した後にポリアミド合成に使用される。いくつかの実施形態では、h−BNを剥離することは、融解アジピン酸中での超音波処理を含む。

反応混合物中の好適な第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、それぞれのポリマーの調製に有用であることが既知の反応物のうちの任意を含む。例えば、いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、ポリエステル(例えば、本明細書に記載されたポリエステルのうちの任意、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート))の調製に好適なポリエステルのうちの任意であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(エチレンフラネート)、ポリ(エチレンアジパート)又はポリ(ブチレンスクシネート)のホモポリマー若しくはコポリマーの調製に好適な反応物のうちの任意であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、又はポリ(エチレンフラネート)のホモポリマー若しくはコポリマーの調製に好適な反応物のうちの任意であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物はまた、ポリアミド(例えば、本明細書に記載されたポリアミドのうちの任意、例えば、ポリ(m−キシリレンアジパミド)の調製に好適なポリエステルのうちの任意であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、アジピン酸、メタキシリレンジアミン、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから形成されたオリゴマー又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、アジピン酸である。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、メタキシリレンジアミンである。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから形成されたオリゴマーである。

好ましい実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーを調製するために好適である。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール、式Iを有するオリゴマー

[式中、T1は、H、メチル、エチル、又は2−ヒドロキシエチルであり、T2は、H、OH、又は

であり、nは、1〜6である]、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、ジオールである。いくつかの実施形態では、ジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール又はこれらの混合物である。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールである。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、シクロヘキサンジメタノール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール)である。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールとシクロヘキサンジメタノール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール)との混合物である。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、六方晶窒化ホウ素が剥離された状態にある溶媒中に含まれている。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、六方晶窒化ホウ素が剥離された状態にある溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、エチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物であり、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールである。いくつかの実施形態では、溶媒は、エチレングリコールである。いくつかの実施形態では、溶媒は、エチレングリコールであり、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、溶媒は、エチレングリコールであり、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマーである。いくつかの実施形態では、溶媒は、エチレングリコールであり、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のコポリマーである。

反応混合物は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物と重合して、ポリマーを形成できる第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物を更に含んでもよい。例えば、ポリエステルに関して、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、(例えば、本明細書に記載されたような)ジオールであってもよく、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、(例えば、本明細書に記載されたような)ジ酸又はその機能的等価体(例えば、そのエステル)であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールであり、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、テレフタル酸剤(例えば、テレフタル酸及びそのエステル)である。いくつかの実施形態では、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコール、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール、式Iを有するオリゴマー

[式中、T1は、H、メチル、エチル、又は2−ヒドロキシエチルであり、T2は、H、OH、又は

であり、nは、1〜6である]、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましい実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールであり、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートである。別の好ましい実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールであり、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールとテレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートとの反応生成物である。いくつかの実施形態では、反応生成物は、式Iを有するオリゴマーである。いくつかの実施形態では、反応生成物は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートである。いくつかの実施形態では、本方法がポリアミドの調製用であるとき、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、アジピン酸、メタキシリレンジアミン、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから形成されたオリゴマー又はこれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、本方法がポリアミドの調製用であるとき、第1及び第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物のうちの一方は、アジピン酸であり、他方は、メタキシリレンジアミンである。

反応混合物は、重合触媒を更に含んでもよい。好適な重合触媒は、本明細書に記載された所定のポリマー用に既知の重合触媒のうちの任意を含む。例えば、ポリエステルの調製用の反応混合物は、ポリエステル形成用の金属系(例えば、マンガン系、アンチモン系、チタン系又はゲルマニウム系)触媒又は非金属系(例えば、ポリリン酸)触媒を含んでもよい。いくつかの実施形態では、反応混合物は、マンガン系触媒、例えば、エタン酸マンガン(II)を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、アンチモン系触媒、例えば、酸化アンチモン(III)を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、チタン系触媒、例えば、チタンアルコキシドを含む。他の好適な重合触媒は、当該技術分野で既知である。

第2のモノマー性若しくはオリゴマー性反応物、重合触媒又はこれらの組み合わせが反応混合物中に含まれている場合には、反応混合物を提供することは、六方晶窒化ホウ素を溶媒中で剥離した後、第2のモノマー性若しくはオリゴマー性反応物、重合触媒又はこれらの組み合わせを溶媒に加えることを含んでもよい。しかし、第2のモノマー性若しくはオリゴマー性反応物、重合触媒又はこれらの組み合わせは、六方晶窒化ホウ素を溶媒中で剥離する前に溶媒に加えられることもまた想到される。言い換えると、剥離は、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物、重合触媒又はこれらの組み合わせの存在下又は不存在下のいずれか一方で、溶媒中で実施できる。

本明細書に記載された反応混合物は、それ自体が新規組成物である。例えば、いくつかの実施形態では、反応混合物は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物及び剥離六方晶窒化ホウ素を含む。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、任意選択的に第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物との重合時にポリエステルを形成する。いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)若しくはポリ(エチレンフラノネート)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、任意選択的に第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物との重合時にポリアミドを形成する。いくつかの実施形態では、ポリアミドは、ポリ(m−キシリレンアジパミド)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、反応混合物は、走査型電子顕微鏡により判定されるように、凝集六方晶窒化ホウ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、反応混合物は、透過型電子顕微鏡法、走査型電子顕微鏡、X線光電子顕微鏡法、又はX線粉末回折により判定されるように、凝集六方晶窒化ホウ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、反応混合物は、重合触媒を更に含む。好適な第1及び第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物、(厚さ及びアスペクト比を含む)剥離h−BN並びに重合触媒は、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールである。いくつかの実施形態では、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートである。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールであり、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートである。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、アジピン酸である。いくつかの実施形態では、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、メタキシリレンジアミンである。いくつかの実施形態では、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、アジピン酸であり、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、メタキシリレンジアミンである。いくつかの実施形態では、第1及び第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物のうちの一方は、アジピン酸であり、他方は、メタキシリレンジアミンである。いくつかの実施形態では、反応混合物は、非重合性溶媒を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、反応混合物の約0.01重量%〜約10重量%(例えば、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%又は指定された数値間の任意の範囲)の量で存在する。剥離h−BNの他の好適な量は、本明細書に記載されている。

反応混合物の提供後、本方法は、反応混合物中の第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を重合させて、剥離h−BNの分散プレートレットを含むポリマー組成物を形成する工程を含む。いくつかの実施形態では、重合する工程は、第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を(例えば、本明細書に記載されたような)第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物、(例えば、本明細書に記載されたような)重合触媒又はこれらの組み合わせの存在下で重合させることを含む。重合の好適な方法は、当該技術分野で既知である。

本明細書に記載された方法により作製された、分散された剥離h−BNを有するポリマー組成物もまた新規である。理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載された方法により形成されたポリマー組成物が、溶融ポリマー内へのh−BNの取り込みにより調製されたポリマー組成物と比較して、ポリマー組成物(例えば、PET組成物)中でh−BNのより良好な分散を有すると考えられる。

本明細書に記載されたポリマー組成物内に取り込まれた剥離h−BNの量は、反応混合物中のh−BNの量に従って変動する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、ポリマー組成物の約0.01重量%〜約10重量%(例えば、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%又は指定された数値間の任意の範囲)の量で存在する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、ポリマー組成物の約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、ポリマー組成物の約5重量%〜約10重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、ポリマー組成物の0.01重量%未満(例えば、約0.001重量%又は約0.005重量%)の量で存在する。いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、ポリマー組成物の10重量%よりも多い(例えば、約15重量%、約20%重量以上)の量で存在する。

本明細書で提供されるポリマー組成物はまた、抗酸化剤又はラジカル捕捉剤を任意選択的に含んでもよい。抗酸化剤又はラジカル捕捉剤は、反応混合物中に含まれてもよく、したがって、重合時にポリマー組成物内に取り込まれてもよい。いくつかの実施形態では、抗酸化剤又はラジカル捕捉剤は、重合後にポリマー内に取り込まれてもよい。好適な抗酸化剤又はラジカル捕捉剤は、当該技術分野で既知である。 剥離h−BNを含むPET組成物を調製する方法

特定の好ましい実施形態では、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーを調製する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、a)第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物及び剥離六方晶窒化ホウ素を含む反応混合物を提供することと、b)反応混合物中の第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物を重合させて、剥離六方晶窒化ホウ素の分散プレートレットを含むPET組成物を形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物を提供することは、六方晶窒化ホウ素を溶媒中で剥離して、窒化ホウ素懸濁液を形成することと、剥離h−BN懸濁液を反応混合物中に含ませることと、を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物を更に含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、重合触媒を更に含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、非重合性溶媒を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、反応混合物は、走査型電子顕微鏡により判定されるように、凝集六方晶窒化ホウ素を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、反応混合物は、透過型電子顕微鏡法、走査型電子顕微鏡、X線光電子顕微鏡法、又はX線粉末回折により判定されるように、凝集六方晶窒化ホウ素を実質的に含まない。好適な第1及び第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物、溶媒、(厚さ及びアスペクト比を含む)剥離h−BN並びに重合触媒は、本明細書に記載されている。

いくつかの実施形態では、溶媒は、エチレングリコールである第1のモノマー性又はオリゴマー性反応物であり、h−BNは、その溶媒中で(例えば、超音波処理を介して)剥離される。エチレングリコール中の剥離h−BNは、重合工程用にすぐに使用される必要はない。例えば、特定の実施形態では、剥離h−BNは、重合工程において用いられる前にエチレングリコール中で特定の期間にわたって保存されてもよい。しかし、エチレングリコール中の剥離h−BNプレートレットの相当量が再凝集していると判定されたとき、(例えば、超音波処理による)第2の剥離工程は、重合工程前に実行されるか、又は再凝集h−BNを有するエチレングリコールは、使用されない。

いくつかの実施形態では、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、六方晶窒化ホウ素が溶媒中で剥離された後に、溶媒に加えられる。いくつかの実施形態では、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートから選択されたテレフタル酸剤である。いくつかの実施形態では、第2のモノマー性又はオリゴマー性反応物は、エチレングリコールと、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートから選択されたテレフタル酸剤との反応生成物である。いくつかの実施形態では、反応生成物は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートである。いくつかの実施形態では、重合触媒は、六方晶窒化ホウ素が溶媒中で剥離された後に、溶媒に加えられる。

いくつかの実施形態では、反応混合物は、エチレングリコール中の剥離h−BN懸濁液、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートから選択されたテレフタル酸剤及び重合触媒を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、エチレングリコール中の剥離h−BN懸濁液、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はジエチルテレフタレートから選択されたテレフタル酸剤及び重合触媒から本質的になる。

いくつかの実施形態では、反応混合物は、エチレングリコール中の剥離h−BN懸濁液、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、及び重合触媒を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、エチレングリコール中の剥離h−BN懸濁液、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、及び重合触媒から本質的になる。

反応混合物を重合させる好適な方法は、当該技術分野で既知の方法のうちの任意を含む。反応物及び触媒の量/濃度、温度、圧、混合速度、反応継続時間などの重合反応パラメータは、当該技術分野においてPET合成について公知である。例えば、いくつかの実施形態では、反応混合物は、エチレングリコール及びテレフタル酸を含み、エチレングリコールとテレフタル酸とのエステル化による反応混合物の重合は、PETを形成するために中程度の圧力(例えば、2.7〜5.5bar)及び高温(220℃〜260℃)で直接実施できる。いくつかの実施形態では、反応混合物は、エチレングリコール及びジメチルテレフタレートを含み、反応混合物の重合は、2工程で行ってもよい。第1の工程では、ジメチルテレフタレート及び過剰のエチレングリコールは、塩基性触媒と共に150〜200℃で融解状態で反応させて、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを形成することができ、次いで、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートは、重合触媒(例えば、Sb2O3)の存在下、より高温、例えば、270℃〜280℃で重合されて、PETを形成する。

本明細書に記載された方法により調製されたPET組成物は、溶融PETにh−BNを取り込むことによって調製されたPET組成物と比較して、ポリマー中の剥離h−BNのより良好な分散を有する。本明細書に開示されたPET組成物内に取り込まれた剥離h−BNの量は、反応混合物中のh−BNの量に従って変動する。例えば、いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、PET組成物の約0.01重量%〜約10重量%(例えば、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%又は指定された数値間の任意の範囲)の量で存在する。約0.01重量%〜約5重量%の剥離h−BNを含むPET組成物が透明材料(例えば、透明容器)の生産においてより有用であると考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、PET組成物の約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する。約5重量%〜約10重量%の剥離h−BNを含むPET組成物が遮光性材料(例えば、遮光性容器)の生産においてより有用であると考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、剥離h−BNは、PET組成物の約5重量%〜約10重量%の量で存在する。剥離h−BNの他の好適な量は、本明細書に記載されている。

本明細書に記載された実施形態のうちの任意では、PET組成物は、ヒトによる消費に対して概ね安全であるとみなされない量で、例えば、炭酸飲料中に可能性として漏洩する恐れがあるいかなる成分も含まない。 剥離h−BNを含むポリマー組成物から調製された容器

一態様では、容器(例えば、ボトル)は、本明細書に記載されたような分散h−BNを含むポリマー組成物から調製される。いくつかの実施形態では、容器は、本明細書に記載されたような分散h−BNを含むPET組成物から調製される。いくつかの実施形態では、容器は、PETボトルである。いくつかの実施形態では、PETボトルは、飲料ボトルである。いくつかの実施形態では、容器は、本明細書に記載されたような分散h−BNを含むポリ(m−キシリレンアジパミド)組成物から調製される。ポリマーから容器を調製する方法は、当該技術分野で公知である。例えば、射出延伸ブロー成形(ISBM)は、PETボトルを製造するために一般的に使用される。一体型ハンドルを有する一体PETボトル(ハンドル製品)は、押出ブロー成型(EBM)を使用して一般的に形成される。例えば、米国特許第8,771,583号を参照されたい。

ポリマー組成物(例えば、PET組成物)に剥離h−BNを加えると、気体(例えば、炭酸飲料中の二酸化炭素)が通過しにくい経路が作り出され、したがって、ポリマー組成物の気体透過性が低減される。したがって、分散された剥離h−BNを有するそのようなポリマー組成物から調製された容器は、容器からの気体放出を低減し、又は容器への気体侵入を低減することができ、そして、これらの低減により、容器内の製品(例えば、食品)の保存期限を延ばすことができる。

一態様では、密封容器とその外部環境との間の気体交換を低減する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載されたような分散h−BNを含むポリマー組成物を使用して密封容器を調製することを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、密封容器は、本明細書に記載されたような剥離h−BNを含むポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーから実質的になる材料から調製される。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリ(m−キシリレンアジパミド)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、密封容器は、本明細書に記載されたような剥離h−BNを含むポリ(m−キシリレンアジパミド)のホモポリマー又はコポリマーから実質的になる材料から調製される。

密封容器とその外部環境との間の気体交換を決定する方法は、当該技術分野で既知である。例えば、酸素透過性試験が使用されてもよい。具体的には、酸素透過性試験は、剥離h−BNを含むポリマー組成物(例えば、PET)から調製された密封容器を、剥離六方晶窒化ホウ素を含まないことを除いて実質的に同一の容器と比較することによって行うことができる。試験は、例えば、MoCon試験装置を使用して、例えば、容器当たり1日当たりの立方センチメートル気体の減少を表すcc/pkg/日で酸素透過性を測定することによって行うことができる。いくつかの実施形態では、剥離六方晶窒化ホウ素を含む密封容器の酸素透過性は、剥離六方晶窒化ホウ素を含まないことを除き実質的に同一の容器の酸素透過性と比較したとき、約10%以上(例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%又は指定された数値間の任意の範囲)低減されている。いくつかの実施形態では、容器壁は、約0.1mm〜1mm(例えば、約0.25mm)の平均厚さを有する。

一態様では、食品の保存期限を長くする方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、容器内に食品を密封することを含み、容器は、本明細書に記載されたような剥離h−BNを含むポリマー組成物を使用して調製される。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、容器は、本明細書に記載されたような剥離h−BNを含むポリ(エチレンテレフタレート)のホモポリマー又はコポリマーから実質的になる材料から調製される。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリ(m−キシリレンアジパミド)のホモポリマー又はコポリマーである。いくつかの実施形態では、容器は、本明細書に記載されたような剥離h−BNを含むポリ(m−キシリレンアジパミド)のホモポリマー又はコポリマーから実質的になる材料から調製される。いくつかの実施形態では、容器は、ボトルである。いくつかの実施形態では、容器は、飲料ボトルである。いくつかの実施形態では、食品を含む密封容器の酸素透過性は、剥離六方晶窒化ホウ素を含まないことを除き実質的に同一の容器の酸素透過性と比較したとき、約10%以上(例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%又は指定された数値間の任意の範囲)の差で低減されている。いくつかの実施形態では、容器壁は、約0.1mm〜1mm(例えば、約0.25mm)の平均厚さを有する。

好適な食品は、当該技術分野で既知の食品のうちの任意を含む。いくつかの実施形態では、食品は、液状食品である。いくつかの実施形態では、食品は、固形食品である。

いくつかの実施形態では、食品は、清涼飲料である。好適な清涼飲料は、既知の清涼飲料のうちの任意を含み、例えば、それらの清涼飲料は、市販されている。いくつかの実施形態では、食品は、炭酸清涼飲料である。いくつかの実施形態では、食品は、非炭酸清涼飲料である。いくつかの実施形態では、食品は、茶系飲料である。

いくつかの実施形態では、食品は、アルコール飲料である。いくつかの実施形態では、アルコール飲料は、ビールである。他の好適なアルコール飲料は、当該技術分野で既知である。

いくつかの実施形態では、食品は、乳製品である。いくつかの実施形態では、乳製品は、乳である。他の好適な乳製品は、当該技術分野で既知である。

特定の実施形態の前述の説明は、当業者が知識を適用することにより、他の人にも可能である、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に変更及び/又は適合させ、過度の実験をすることなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、本明細書の用語法又は表現法が教示及び指針に照らして当業者によって解釈されるように、説明の目的のためであって限定のためではないことを理解されたい。

本発明の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても制限されるべきではないが、特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。

本明細書に記載された様々な態様、実施形態及び選択肢のすべては、任意の変形形態及びすべての変形形態において組み合わせることができる。

本明細書で言及されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物、特許又は特許出願が具体的に、かつ個々に参照により組み込まれることが示されているのと同様に、参照により組み込まれている。

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