ポリウレタン誘導体およびそれを用いた白血球除去用フィルター材

申请号 JP2009539056 申请日 2008-10-28 公开(公告)号 JPWO2009057574A1 公开(公告)日 2011-03-10
申请人 株式会社カネカ; 发明人 弘 淡路; 弘 淡路; クマール アシュトシュ; クマール アシュトシュ;
摘要 本発明は、特定の構造を有するアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタン、その製造方法、並びに、当該ポリウレタンを少なくともフィルター基材の表面に有する白血球除去用フィルター材に関する。本発明のアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンは、赤血球の付着が少なく、白血球に対して選択的親和性を有する。本発明によれば、当該ポリウレタンを簡便かつ安価に製造することができ、また、当該をポリウレタンをフィルター基材の少なくとも表面に使用することにより、血液から白血球を選択的に除去し、赤血球や血漿を高効率で回収できるフィルターを提供することができる。
权利要求
  • 下記一般式[1]:
    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    (O 2 C−R 3 −CO−NH−R 4 −NR 5 2

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [1]
    / \
    (HO 2 C−R 3 −CO 2q (OH) r−p−q

    [式中、R は、置換基を有していてもよい炭素数1〜16の2価の炭化水素基を表し、
    は、炭素数2〜12のオキシアルキレン単位および置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位から選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基を表し、
    は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、
    は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、
    は、炭素数1〜3の1価の炭化水素基または炭素数4〜6の複素環残基を表し、
    OLSは、一級水酸基を2個有するオリゴ糖の骨格を表し、
    rはオリゴ糖の二級水酸基の総数を表し、
    pおよびqはそれぞれ1≦p≦r、0≦q≦r−1の範囲の整数を表し、
    m、nはそれぞれ繰り返し単位数であり、mは0〜1000、nは1〜1000の整数を表し、n/(m+n)は0.01〜1.00の範囲の数である。 ]
    で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタン。
  • が、エチレン基である、請求項1記載のポリウレタン。
  • が、エチレン基またはプロピレン基である、請求項1または2記載のポリウレタン。
  • が、エチレン基、プロピレン基、ブチル基、ピロリジン残基、ピペリジン残基、ピペラジン残基、モルホリン残基、ピリジン残基またはイミダゾール残基である、請求項1〜3の何れか1項に記載のポリウレタン。
  • オリゴ糖が、トレハロース、マルトースまたはラクトースである、請求項1〜4の何れか1項に記載のポリウレタン。
  • オリゴ糖が、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}である、請求項1〜4の何れか1項に記載のポリウレタン。
  • 下記一般式[1]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    (O 2 C−R 3 −CO−NH−R 4

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [1]
    / \
    (HO 2 C−R 3 −CO 2q (OH) r−p−q

    [式中、R は、置換基を有していてもよい炭素数1〜16の2価の炭化水素基を表し、
    は、炭素数2〜12のオキシアルキレン単位および置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位から選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基を表し、
    は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、
    は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、
    は、炭素数1〜3の1価の炭化水素基または炭素数4〜6の複素環残基を表し、
    OLSは、一級水酸基を2個有するオリゴ糖の骨格を表し、
    rはオリゴ糖の二級水酸基の総数を表し、
    pおよびqはそれぞれ1≦p≦r、0≦q≦r−1の範囲の整数を表し、
    m、nはそれぞれ繰り返し単位数であり、mは0〜1000、nは1〜1000の整数を表し、n/(m+n)は0.01〜1.00の範囲の数である。 ]で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製造方法であって、下記一般式[2]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [2]

    (OH) r

    [式中、R 、R 、r、m、n、rおよびOLSは上記で定義したとおりである。 ]で表されるオリゴ糖含有ポリウレタンに、下記一般式[3]:

    CO−O
    | | [3]
    3 − CO

    [式中、R は上記で定義したとおりである。 ]で表される酸無水物を反応させ、下記一般式[4]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [4]
    / \
    (HO 2 C−R 3 −CO 2p + q (OH) r−p−q

    [式中、R 、R 、R 、m、n、p、q、rおよびOLSはそれぞれ上記で定義したとおりである]で表されるカルボキシル基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンとし、下記一般式[5]:

    5 2 N−R 4 −NH 2 [5]

    [式中、R およびR は上記で定義したとおりである。 ]で表されるジアミンと反応させることを特徴とする方法。
  • が、エチレン基である、請求項7記載の製造方法。
  • が、エチレン基またはプロピレン基である、請求項7または8記載の製造方法。
  • が、エチレン基、プロピレン基、ブチル基、ピロリジン残基、ピペリジン残基、ピペラジン残基、モルホリン残基、ピリジン残基またはイミダゾール残基である、請求項7〜9の何れか1項に記載の製造方法。
  • オリゴ糖が、トレハロース、マルトースまたはラクトースである、請求項7〜10の何れか1項に記載の製造方法。
  • オリゴ糖が、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}である、請求項7〜10の何れか1項に記載のアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製造方法。
  • 請求項1〜6の何れか1項に記載のアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンからなる白血球除去フィルター材。
  • フィルター基材の少なくとも表面に請求項1〜6の何れか1項に記載のアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンを存在せしめてなる白血球除去フィルター材。
  • フィルター材の形状が、織布または不織布であることを特徴とする請求項13または14記載のフィルター材。
  • 说明书全文

    本発明は、赤血球付着性が低く、血液から白血球を選択的に除去する白血球除去フィルター材に用いることのできる新規なポリウレタン誘導体、その製造方法に関する。 また、本発明は、当該ポリマーを少なくとも表面に有することを特徴とし、採血、輸血や体外循環時に、血液中の赤血球を通過させ、白血球を選択的に除去する目的に用いられる白血球除去用フィルター材にも関する。

    輸血に用いられる血液製剤としては、供血者から採血した血液に抗凝固剤を添加した全血製剤、全血製剤から受血者の必要とする血液成分を分離した赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤などがある。 ところが、これら血液製剤に含まれる白血球は、発熱反応、輸血関連急性障害などの副作用、サイトメガロウイルス感染の原因となるほか、同種抗原として受血者に抗白血球抗体を産生させ、血小板不応状態を誘導することが知られている。

    これらの事故を防止するために、血液製剤中に含まれている白血球を除去してから血液製剤を輸血する、いわゆる白血球除去輸血が普及してきた。 血液製剤から白血球を除去する方法には、血液成分の比重差を利用した遠心分離法と、多孔質体を濾材とするフィルター法の2種類があるが、白血球除去能が高く、操作が簡便で、コストが安いフィルター法が広く用いられている。

    一方、血液製剤の保管期間が長くなると、保管中に白血球が発熱性のサイトカインを産生したり、さらにウイルスや細菌を保持している白血球が死滅し破砕され、病原媒体が輸血用血液中に拡散し白血球除去フィルターによって除去できなくなり感染に至るケースが発生する。

    そこで、2003年に厚生労働省は、薬事・食品衛生審議会薬事分科会・血液事業部会安全技術調査会において、あらかじめ白血球を除去してから各種血液製剤を製造するのが望ましいとの判断の下、保存前白血球除去の基準についての意見をまとめ、日本赤十字社に対し輸血用血液の保存前白血球除去の指示を出した。

    その結果、前記の白血球除去フィルターの必要性、重要性が増大し、さらなる性能改善が求められることになった。

    白血球除去フィルター基材としては、繊維素材または多孔質体が用いられている。 その白血球除去の主たる機構は、繊維或いは多孔質体の表面と接触した白血球がそれら材料表面に吸着されることによると考えられている。 従って、従来のフィルター材における白血球除去能向上のための手段として、繊維径やフィルター材の細孔径を小さくしたり、フィルター装置内におけるフィルター材の充填密度を高めることなどフィルター材と白血球の衝突頻度を高めることの検討が行われてきた(特許文献1〜4)。

    しかしながら、全血製剤や濃厚赤血球のように、高濃度赤血球を含む製剤については、赤血球のフィルター材への接触頻度及び通液抵抗が上昇し、処理時間が長くなる問題があった。

    この問題を解決するためにフィルター基材のコーティングポリマーに着目した検討がなされている。

    例えば、特許文献5には、ポリエステル製不織布フィルター表面に塩基性含窒素官能基とポリエチレンオキサイド鎖の両方を導入したフィルターを用いて選択的に白血球を除去する技術が開示されている。 しかしながら、これらは濃厚血小板製剤に対する白血球除去フィルターであって、全血に対するものではなかった。

    また、特許文献6にはフィルター基材に、非イオン性親基と塩基性含窒素官能基を有するポリマー(2−ヒドロキシエチルメタクリレートとジエチルアミノエチルメタクリレートからなるランダム共重合体)を塗布したフィルター材が開示されている。 その作用としては、水酸基の親水性により血小板が粘着しにくくなると同時に、正電荷を持った塩基性含窒素官能基が負電荷を有する白血球を粘着するためであることが述べられている。 しかしながら、赤血球回収率は90%程度にまで改善されているものの、依然として赤血球が付着しやすい問題があった。

    また、特許文献7には、コーティングポリマーとして、水酸基とメトキシジエチレングリコール基を有する重合体をが開示されている。 白血球除去率が最高98%、血小板回収率が最高95%であるが、赤血球回収率については述べられておらず、血小板製剤用フィルターである。

    特許文献8では、非イオン性親水基を有するモノマーと塩基性含窒素官能基を有するモノマーからなるグラフト又はブロックポリマーが開示されており、白血球除去率99%、血小板除去率100%であるが、赤血球付着が殆どなしと記載されているだけで、赤血球回収率が算出されていない。 このように、全血に対して更なる高性能を示す白血球除去フィルターの開発が望まれてきたが、コーティングポリマーとして、ポリウレタン誘導体を白血球除去フィルターに利用した事例は知られていない。

    特許1707022

    特許1830621

    特許1923655

    特許2122428

    特許3250833

    特許1925313

    特開2000−245833

    特開2001−310917

    本発明の目的は、優れた溶剤可溶性、フィルム形成能を有し、かつ白血球との親和性、生体適合性、血液適合性を有するなどの種々の生理機能が期待される新規ポリウレタン材料およびその簡便かつ安価な製造方法を提供すること、並びに、当該材料を少なくとも表面に有する白血球除去用フィルターを提供することである。

    上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らが別の目的で開発したオリゴ糖含有ポリウレタン(WO2007−040163A1、特開2007−151996、WO2007−088784A1)に、塩基性含窒素置換基を導入したところ、驚くべきことに赤血球の付着が少なく白血球に対して選択的親和性を有することを見出した。

    すなわち、以下で規定する特定の構造を有するアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンが、優れた溶剤可溶性、フィルム形成能を有するとともに、当該ポリウレタンが簡便かつ安価な方法で製造されることも見出し、さらには、当該ポリウレタンを、少なくとも表面の一部に含むフィルターが、高い赤血球回収率を維持しながら、優れた白血球除去率を発現することをも見出し、本発明をなすに至った。

    よって、本発明は、以下を提供する:
    〔1〕 下記一般式[1]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    (O 2 C−R 3 −CO−NH−R 4 −NR 5 2

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [1]
    / \
    (HO 2 C−R 3 −CO 2q (OH) r−p−q

    [式中、R は、置換基を有していてもよい炭素数1〜16の2価の炭化水素基を表し、
    は、炭素数2〜12のオキシアルキレン単位および置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位から選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基を表し、
    は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、
    は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、
    は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基または複素環残基を表し、
    OLSは、一級水酸基を2個有するオリゴ糖の骨格を表し、
    rはオリゴ糖の二級水酸基の総数を表し、
    pおよびqはそれぞれ1≦p≦r、0≦q≦r−1の範囲の整数を表し、
    m、nはそれぞれ繰り返し単位数であり、mは0〜1000、nは1〜1000の整数を表し、n/(m+n)は0.01〜1.00の範囲の数である。 ]
    で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタン。
    〔2〕 R が、エチレン基である、〔1〕記載のポリウレタン。
    〔3〕 R が、エチレン基またはプロピレン基である、〔1〕または〔2〕記載のポリウレタン。
    〔4〕 R が、エチレン基、プロピレン基、ブチル基、ピロリジン残基、ピペリジン残基、ピペラジン残基、モルホリン残基、ピリジン残基またはイミダゾール残基である、〔1〕〜〔3〕の何れか1項に記載のポリウレタン。
    〔5〕 オリゴ糖が、トレハロース、マルトースまたはラクトースである、〔1〕〜〔4〕の何れか1項に記載のポリウレタン。
    〔6〕 オリゴ糖が、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}である、〔1〕〜〔4〕の何れか1項に記載のポリウレタン。
    〔7〕 上記一般式[1]で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製造方法であって、下記一般式[2]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [2]

    (OH) r

    [式中、R 、R 、m、n、rおよびOLSは上記で定義したとおりである。 ]で表されるオリゴ糖含有ポリウレタンに、下記一般式[3]:

    CO−O
    | | [3]
    3 − CO

    [式中、R は、前記で定義したとおりである。 ]で表される酸無水物を反応させ、下記一般式[4]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [4]
    / \
    (HO 2 C−R 3 −CO 2p + q (OH) r−p−q

    [式中、R 、R 、R 、m、n、p、q、rおよびOLSはそれぞれ上記で定義したとおりである]で表されるカルボキシル基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンとし、下記一般式[5]:

    5 2 N−R 4 −NH 2 [5]

    [式中、R およびR は上記で定義したとおりである。 ]で表されるジアミンと反応させることを特徴とする方法。

    〔8〕 R が、エチレン基である、〔7〕記載の製造方法。
    〔9〕 R が、エチレン基またはプロピレン基である、〔7〕または〔8〕記載の製造方法。
    〔10〕 R が、エチレン基、プロピレン基、ブチル基、ピロリジン残基、ピペリジン残基、ピペラジン残基、モルホリン残基、ピリジン残基またはイミダゾール残基である、〔7〕〜〔9〕の何れか1項に記載のポリウレタン。
    〔11〕 オリゴ糖が、トレハロース、マルトースまたはラクトースである、〔7〕〜〔10〕の何れか1項に記載の製造方法。
    〔12〕 オリゴ糖が、サイクロ{→6}−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}である、〔7〕〜〔10〕の何れか1項に記載の製造方法。
    〔13〕 〔1〕〜〔6〕の何れか1項に記載のアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンからなる白血球除去フィルター材。
    〔14〕 フィルター支持体の少なくとも表面に〔1〕〜〔6〕の何れか1項に記載のアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンを存在せしめてなる白血球選択除去フィルター材。
    〔15〕 フィルター材の形状が、織布または不織布であることを特徴とする〔13〕または〔14〕記載のフィルター材。

    アミノ基修飾ポリウレタンを表面に持つフィルターが、従来フィルターに比べて高い赤血球回収率(ほぼ100%)と高い白血球除去率(ほぼ100%)を同時に達成できることがわかった。

    本発明を以下に具体的に説明する。 上記一般式[1]、[2]、および[4]において、R は、置換基を有していてもよい炭素数1〜16の2価の炭化水素基である。

    上記「置換基を有していてもよい炭素数1〜16の2価の炭化水素基」の「炭素数1〜16の2価の炭化水素基」としては、
    (1)直鎖または分岐鎖の炭素数1〜16の2価の脂肪族炭化水素基[例、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜16のアルキレン基(例、メチレン、エチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ヘキサデカメチレンなど)、直鎖または分岐鎖の炭素数2〜16のアルケニレン基(例、ビニレン、プロペニレンなど)、炭素数3〜16のシクロアルキレン(例、シクロヘキシレン)など]、および(2)炭素数6〜14の2価の芳香族炭化水素基[例、炭素数6〜14のアリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレンなど)など]、ならびに(3)前記直鎖または分岐鎖の炭素数1〜16の2価の脂肪族炭化水素基から選ばれる少なくとも1つの基および炭素数6〜14の2価の芳香族炭化水素基� ��ら選ばれる少なくとも1つの基を含み、炭素数の合計が7〜16の範囲内である炭化水素基(例、式

    で表される基など)
    などが挙げられる。

    上記「置換基を有していてもよい炭素数1〜16の2価の炭化水素基」の「置換基」としては、例えば、
    (1)炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基など);
    (2)炭素数3〜8のシクロアルキル基(例、シクロヘキシル基など);
    (3)炭素数6〜14のアリール基(例、フェニル基など);
    などが挙げられる。 これらの置換基は、上記「炭素数1〜16の2価の炭化水素基」の置換可能な位置に、同一または異なって、1〜8個、好ましくは1〜4個置換することができる。

    の具体例としては、例えば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、ビフェニル基、ビスフェニルメチレン基、ビスフェニルエチレン基、フェニレン基(例、パラフェニレン基)、キシリレン基、テトラメチルキシリレン基、トリレン基、ジシクロヘキシルメチレン基、下記式

    で表される基などが挙げられ、ビスフェニルメチレン基、フェニルメチレン基およびヘキサメチレン基が好ましい。

    一般式[1]、[2]、および[4]において、R は、炭素数2〜12のオキシアルキレン基および置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位から選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基である。

    このようなものとしては、例えば、炭素数2〜12のオキシアルキレンから選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基、置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位から選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基、または炭素数2〜12のオキシアルキレン単位および置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位から選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基であってよい。

    上記「炭素数2〜12のオキシアルキレン単位および置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位から選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基」は、例えば、式:−(BO) h-1 −B−で表される単位、および式:−(E) i − で表される単位(式中、Bは、少なくとも1種の炭素数2〜12のアルキレン単位を表し、Eは、少なくとも1種の、置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位から選ばれる同一または異なる単位を表し、hおよびiは、それぞれ1≦h≦100、1≦i≦100の整数である。)から選ばれる同一または異なる単位を合計1〜100単位含有する2価の基である。

    上記式:−(BO) h-1 −B− で表される単位におけるBの「炭素数2〜12のアルキレン基」は直鎖であっても分岐していてもよく、また、当該単位中にBが複数存在する(2≦h≦100の場合)、Bは1種でもよいし、2種以上でもよい。 BOの具体的なものとしては、例えば、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、トリメチレンオキシ基、ブチレンオキシ基、テトラメチレンオキシ基などのアルキレンオキシ基を挙げることができ、式:−(BO) h-1 −B−で表される単位の具体例としては、例えば、式:−CH −CH −O−CH −CH −CH −で表される単位などが挙げられる。

    上記式:−(E) i − で表される単位において、Eで表される「置換基を有していてもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素単位」における2価の炭化水素単位は直鎖であっても分岐していてもよく、また飽和基であっても不飽和基であってもよく、例えば、炭素数2〜12のアルキレン(例、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、ノナメチレンなど)、炭素数2〜12のアルケニレン(例、ブタジエニレン、ブテニレンなど)などが挙げられる。 また、当該「炭素数2〜12の2価の炭化水素単位」が有していてもよい「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素原子など)、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチルなど)などが挙げられる。 当該単位中にEが複数存在する(2≦i≦100の場合)、Eは1種でも、2種以上でもよい。

    このような式:−(E) i − で表される単位の具体的なものとしては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ノナメチレン基、式:−CH −CF −CF −CF −CF −CH −で表される基、ブタジエニレン基、水添ブタジエニレン基、水添イソプレンの両鎖端の炭素原子から水素原子を1個ずつ除いて誘導される基などの2価の基などが挙げられる。

    また、R は、上記式:−(BO) h-1 −B− (式中、Bおよびhは上記のとおりである)で表される単位、および/または、式:−(E) i −(式中、Eおよびiは上記のとおりである)で表される単位から選ばれる単位に加えて、さらに他の繰り返し単位[例えば、エチレンアジペート基、プロピレンアジペート基、ブチレンアジペート基、ヘキサメチレンアジペート基、ネオペンチルアジペート基などのアルキレンエステル基、ヘキサメチレンカーボネート基などのアルキレンカーボネート基、開環カプロラクトン基、ポリ(ジメチルシロキシ)ジメチルシリル基などの繰り返し単位]を含有していてもよい。

    このような単位を含有するR の具体例としては、ポリエチレンアジペートジオールなどから両端のOHを除いた2価の基、ポリ(ジメチルシロキシ)ジメチルシリル−n−プロピルビスエトキシ基などが挙げられる。

    の具体例としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、エチレンアジペート基、プロピレンアジペート基、ヘキサメチレンカーボネート基、開環カプロラクトン基などの繰り返し単位を有する2価の基、トリメチレン基、テトラメチレン基、式:−CH −CF −CF −CF −CF −CH −で表される基、水添ブタジエニレン基、水添イソプレンの両鎖端の炭素原子から水素原子を1個ずつ除いて誘導される2価の基、ポリジメチルシロキシジメチルシリル−n−プロピルビスエトキシ基などが好ましい。

    一般式[1]、[2]、および[4]におけるR は、炭素数2〜4のアルキレン基である。 具体的には、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などを挙げる事ができる。 これらのうち、エチレン基、トリメチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。

    一般式[1]、および[5]におけるR は、炭素数2〜4のアルキレン基である。 具体的には、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などを挙げる事ができる。 これらのうち、エチレン基、トリメチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。

    一般式[1]、[2]、および[4]におけるOLSは、オリゴ糖の骨格を表す。 オリゴ糖の骨格とは、オリゴ糖より全ての水酸基部分を除いた残基である。 本発明で用いられるオリゴ糖としては、一級水酸基を2個有するオリゴ糖であれば特に限定されず、二糖、三糖、四糖のいずれであってもよく、例えば、具体的には、トレハロース、マルトース、ラクトース、セロビオースなどの二糖、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}などの環状四糖などが挙げられる。そのなかでも、トレハロース、マルトース、ラクトースなどの二糖が、価格面から好ましい。

    一般式[1]、[2]および[4]におけるrは、オリゴ糖の二級水酸基の総数を表し、例えば、OLSが二糖、三糖、四糖の場合は、rはそれぞれ6、9、12となり、OLSが環状四糖の場合は、rは10となる。

    一般式[1]において、pは、二塩基酸とジアミンで修飾されたオリゴ糖の二級水酸基(式:−O C−R −CO−NH−R −NR で表される基;R およびR は上記で定義したとおりである)の数を表し、1≦p≦rの範囲の整数である。

    一般式[1]において、qは、二塩基酸で修飾されたオリゴ糖の二級水酸基(式:HO C−R −CO −で表される基;R は上記で定義したとおりである)の数を表し、0≦q≦r−1の範囲の整数を表す。

    一般式[1]、[2]、[3]および[4]における、m、nは繰り返し単位数であり、mは0〜1000、nは1〜1000の整数を表し、n/(m+n)は0.01〜1.00の範囲であり、親水性、ポリマー強度、ポリマー成形性のバランスの観点から好ましくは0.02〜0.80の範囲の数である。 なお、一般式[1]、[2]、[3]および[4]における繰り返し単位の配列は、規則的であっても不規則的であってもよい。

    次に、本発明の一般式[1]で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製造方法を説明する。

    <一般式[2]で表されるオリゴ糖含有ポリウレタン(中間体)の製造方法>
    本発明において、一般式[2]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [2]

    (OH) r

    [式中、R 、R 、m、n、rおよびOLSは上記で定義したとおりである。 ]で表されるオリゴ糖含有ポリウレタンは、一般式[6]:

    HO−OLS−OH [6]

    (OH)

    [式中、OLSおよびpは上記で定義したとおりである]で表されるオリゴ糖、および必要に応じて下記一般式[7]:

    HO−R −OH [7]

    [式中、R は上記で定義したとおりである]で表されるジオールを、下記一般式[8]:

    O=C=N−R −N=C=O [8]

    [式中、R は上記で定義したとおりである]で表されるジイソシアネートと反応させることによって得ることが出来る。

    この際、一般式[6]で表されるオリゴ糖を、必要に応じて一般式[7]で表されるジオールとの混合物とし、これを一般式[8]で表されるジイソシアネートと反応させてもよいし(ワンショット法)、あるいは、まず一般式[8]で表されるジイソシアネートを必要に応じて一般式[7]で表されるジオールと共に反応させてプレポリマーとし、ついで一般式[6]で表されるオリゴ糖を反応させてもよいし(プレポリマー法1)、あるいは、まず一般式[6]で表されるオリゴ糖と一般式[8]で表されるジイソシアネートとを反応させプレポリマーとし、ついで必要に応じて一般式[7]で表されるジオールと反応させてもよい(プレポリマー法2)。

    上記反応の際には、一般式[6]で表されるオリゴ糖、一般式[8]で表されるジイソシアネートおよび一般式[7]で表されるジオールは、それぞれ、1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい。

    本発明に用いられる前記一般式[8]のジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ヘキサデカメチレンジイソシアネート、ビニレンジイソシアネート、プロペニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニルエタンジイソシアネート、ジフェニルエタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート(例、パラフェニレンジイソシアネート)、ビフェニルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、� ��シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。

    また一般式[7]で表されるジオールは、一級水酸基を有するジオールであれば特に制限はない。 具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオールなどの低分子量のジオール;およびポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、テトラヒドロフラン−エチレンオキシド共重合体、テトラヒドロフラン−プロピレンオキシド共重合体などのポリエーテル系ジオール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリジエチレンアジペートグリコール、ポリプロピレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリヘキサメチレンアジペー� ��グリコール、ポリネオペンチルアジペートグリコール、ポリカプロラクトングリコールなどのポリエステル系ジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートグリコールなどのポリカーボネート系ジオール、ポリブタジエングリコール、水添ポリブタジエングリコール、水添ポリイソプレングリコールなどのポリオレフィン系グリコール、ビス(ヒドロキシエトキシ−n−プロピルジメチルシリル)ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン系ジオールなどの高分子量のジオールなどを挙げることができる。

    上記一般式[2]で表されるオリゴ糖含有ポリウレタンを製造する際の溶媒としては、反応物および生成するポリウレタンを溶解し得るものであればよい。 具体的には、たとえば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)などの有機溶媒単独もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。

    上記一般式[2]で表されるオリゴ糖含有ポリウレタンを製造する際には、例えば、窒素など乾燥不活性ガスを通じながら、一般式[8]で表されるジイソシアネートを含む溶液中に、前記一般式[6]で表されるオリゴ糖、および必要に応じて一般式[7]で表されるジオールを添加する。

    上記反応成分の仕込みモル比は、例えば、一般式[8]で表されるジイソシアネート:一般式[7]で表されるジオール:一般式[6]で表されるオリゴ糖が、3:0.00〜2.99:0.01〜3が好ましく、より好ましくは、3:0.2〜2.5:0.5〜2.8である。

    上記反応の反応温度は10〜150℃が好ましく、より好ましくは、20〜120℃であり、反応時間は1〜10時間が好ましく、より好ましくは、2〜6時間である。

    反応終了後、上記一般式[2]で表されるオリゴ糖含有ポリウレタンを得ることができる。 当該ポリウレタンは、例えば、反応溶液をメタノール、アセトン、水などの単独またはこれらの混合溶媒に投入し、濾過、洗浄、必要に応じて再沈殿精製を繰り返して得られた固体分を室温〜100℃で1〜24時間程度減圧乾燥することにより、精製することができる。

    <一般式[4]で表されるカルボキシル基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製造方法>
    次に、一般式[4]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [4]
    / \
    (HO 2 C−R 3 −CO 2p + q (OH) r−p−q

    [式中、R 、R 、R 、m、n、p、q、rおよびOLSは上記で定義したとおりである]で表されるカルボキシル基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製造方法を説明する。

    上記一般式[2]で表されるオリゴ糖含有ポリウレタンを、一般式[3]:

    CO−O
    | | [3]
    3 − CO

    [式中、R は、上記で定義したとおりである]で表される酸無水物と反応させ、オリゴ糖の二級水酸基の一部あるいは全てを修飾して、上記一般式[4]で表されるカルボキシル基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンが製造される。

    上記反応は、通常、溶媒中で行う。 カルボキシル基修飾の際の溶媒としては、反応物および生成するポリウレタンを溶解し得るものであればよい。 具体的には、たとえば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)などの有機溶媒単独もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。

    上記一般式[3]で表される酸無水物としては、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物などの二塩基酸無水物が好ましく用いられ、コハク酸無水物が最も好ましい。 当該酸無水物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。 その使用量は、ポリウレタン中の直鎖オリゴ糖の水酸基を部分的に修飾する場合は、ポリウレタン中のオリゴ糖の二級水酸基数(r)に対して1〜(r−1)倍モルであり、前記水酸基を完全に修飾する場合は、r〜2r倍モル、好ましくは1.2r〜1.5r倍モルである。

    上記反応では、必要に応じて、触媒として、4−ジメチルアミノピリジンやイミダゾールを3〜10モル%使用することが好ましく、より好ましくは5モル%使用する。

    上記反応の反応温度は、20〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、反応時間は、1〜24時間、好ましくは2〜20時間である。

    反応終了後、一般式[4]で表される本発明のカルボキシル基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンを得ることができる。 当該ポリウレタンは、例えば、反応溶液をメタノール、アセトン、水などの単独またはこれらの混合溶媒に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄、必要に応じて再沈殿精製を繰り返して得られた固体分を室温〜100℃で1〜24時間程度減圧乾燥して、精製することができる。

    <一般式[1]で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製造方法>
    上記一般式[2]で表されるカルボキシル基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンを、下記一般式[5]:

    5 2 N−R 4 −NH 2 [5]

    [式中、R 4は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R 5は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基または複素環残基を表す。 ]で表されるジアミンと反応させることにより、一般式[1]:

    −{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−R 2 −O]} −#

    (O 2 C−R 3 −CO−NH−R 4 −NR 5 2

    #−{[CO−NH−R −NH−CO]−[O−OLS−O]} − [1]
    / \
    (HO 2 C−R 3 −CO 2q (OH) r−p−q

    [式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、m、n、p、q、rおよびOLSはそれぞれ上記で定義したとおりである]で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンが得られる。

    一般式[5]で表されるジアミンとしては、例えば、2−ジメチルアミノエチルアミン、2−ジエチルアミノエチルアミン、2−ジブチルアミノエチルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、1−(2−アミノエチル)ピぺリジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−(2−アミノエチル)モルホリン、4−(2−アミノエチル)ピリジン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾールなどが好ましく、これらのうち、2−ジエチルアミノエチルアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾールが価格の点でより好ましい。 また、当該ジアミンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。 その使用量は、一般式[2]で表されるポリウレタン中のカルボキシル基数(p+q)に対して目的とするジアミン修飾数に応じて調整する。 ジアミン修飾数が1、2の場合は、カルボキシル基数(p+q)に対してそれぞれ1、2倍モルであり、ジアミン修飾数が3以上の場合は、カルボキシル基数(p+q)に対して3倍以上である。

    上記反応は、通常、溶媒中で行う。 溶媒としては、反応物および生成するポリウレタンを溶解し得るものであればよい。 具体的には、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)などの有機溶媒単独もしくはそれらの混合溶媒さらにはそれらとメタノール、エタノール、水との混合溶媒が挙げられる。

    上記反応は、縮合剤の存在下で行うことが好ましい。 縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カーボジイミド(EDC)/N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)混合物、ジシクロヘキシルカーボジイミド(DCC)、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)などが用いられる。 EDC/NHS混合物、DMT−MMが最も好ましい。 その使用量は、ジアミンに対して0.5〜1.5倍モル、好ましくは0.8〜1.2倍モルである。

    上記反応の反応温度は、20〜60℃、好ましくは30〜50℃、および反応時間は、3〜10時間、好ましくは5〜8時間である。

    反応終了後、本発明の一般式[1]で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンを得ることができる。 当該ポリウレタンは、例えば、反応溶媒を留去し、濃縮物にエタノールや水などの単独またはこれらの混合溶媒を投入してポリマーを洗浄、濾過、必要に応じて再沈殿精製を繰り返して得られた固体分を室温〜100℃で1〜24時間程度減圧乾燥して、精製することができる。

    本発明は、また、基材表面に上記一般式[1]で表されるアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタン(本発明のポリマーとも称する)を有する白血球除去フィルター材を提供する。 フィルターそのものが本発明のポリマーで作られたものであっても良く、基材表面に本発明のポリマーを被覆していても良い。 フィルターそのものを本発明のポリマーで作成する場合、溶融成型法や相分離成型法など公知の方法が適用できる。 一方、支持基材表面に被覆する場合、フィルター支持基材表面へのコーティングや沈殿不溶化、ポリマーとフィルター支持基材を成型時に相分離させる方法等公知の方法を用いることができる。

    本発明のポリマーを支持基材表面に被覆する場合、白血球選択除去フィルター材を構成するフィルター支持基材は、血球にダメージを与えにくいものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリクロロプレン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロースジアセテート、エチルセルロース等が挙げられる。 好ましくはポリエステル、ポリオレフィンで、特に好ましくはポリエステルである。

    ポリマーのフィルター支持基材へのコーティング方法はフィルター支持基材の細孔を著しく閉塞することなく、かつフィルター支持基材表面がある程度の範囲にて均一にコーティングできるものであれば特に制限はなく各種の方法を用いることができる。 例えば、ポリマーを溶かした溶液にフィルター支持基材を含浸させる方法、ポリマーを溶かした溶液をフィルター支持基材に吹き付ける方法、ポリマーを溶かした溶液をグラビアロール等を用いフィルター支持基材に塗布・転写する方法、などが挙げられるが、本発明のコーティング方法は上記例示に限定されるものではない。 この中でもポリマーを溶かした溶液にフィルター支持基材を含浸させる方法が連続生産性に優れ、コストも低いことから好ましい方法である。

    コーティングの際のポリマーを溶解する溶剤としては、フィルター支持基材を著しく溶解させないものであれば特に限定はなく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、及び上記の複数の溶剤の可溶な範囲での混合物などが挙げられるが、本発明のポリマーを溶解する溶剤は上記例示に限定されるものではない。

    本発明の白血球除去フィルター材の形状は、液層で血液との接触を行うために接触頻度の観点から表面積が大きいことが望ましい。 例えば、不織布、繊維状、綿状、などの繊維状構造体、スポンジ等の高分子多孔質体、あるいはビーズ状、ゲル状等の構造が挙げられる。 特に白血球の吸着性、分離材としての取り扱い性からみて、織布、不織布が好ましく、中でも白血球との多点的な接触が可能である点で不織布が最も好ましい。 不織布などの繊維状構造体を用いる場合、繊維径が細胞吸着能力に寄与するため、有効な平均繊維径のものを用いることが重要である。 繊維径が大きすぎる場合には白血球の吸着量及び吸着速度が低下し、小さすぎる場合には血小板吸着量が増加する点から、本発明における白血球選択除去フィルター材の平均繊維径の範囲は、0.5μm以上30μm以下が好ましい、更に好ましくは1.0μm以上20μm以下、最も好ましくは1.5μm以上10μm以下である。

    次に、本発明のアミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製法を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

    [アミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンの製造、その白血球除去フィルター材の評価]
    重合に使用するモノマー化合物を次のように略称する。
    OLS=オリゴ糖骨格TRE=トレハロースCTS=環状四糖サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}
    MDI=メタンジフェニルジイソシアネートPPG7=ポリプロピレングリコール(分子量700)
    SUC=コハク酸無水物DEAEA=2−ジエチルアミノエチルアミンIPA=3−イミダゾールプロピルアミン

    (合成例1) MDI−PPG7−TRE(モル比2/1/1)ポリウレタンの合成(プレポリマー法1)
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)にメタンジフェニルジイソシアネート(4.39g) とジメチルアセトアミド(65ml)を入れ、攪拌しながら、室温においてポリプロピレングリコール(平均分子量700、6.14g)を加え、1時間反応させた。 次にこの反応液にトレハロース(3.00g)を加え、この温度で4時間反応させた。 反応溶液を濃縮後、水(500ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率87%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    プロトンNMRプロトン(溶媒:重ジメチルスルホキシド)
    1.05、1.20; CH
    3.20−3.80; −O−CH−CH −O−、−CH −、−CH−
    3.86 ; −CH
    4.30−5.00; −O−CH−O−、−OH
    7.16、7.43; −C
    8.65、9.60; −NH−CO−

    (合成例2) MDI−PPG7−CTS(モル比2/1/1)ポリウレタンの合成(プレポリマー法1)
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)にメタンジフェニルジイソシアネート(7.7g) とジメチルアセトアミド(175ml)を入れ、攪拌しながら、室温においてポリプロピレングリコール(平均分子量700、10.80g)を加え、1時間反応させた。 次にこの反応液に環状四糖(10.00g)を加え、この温度で6時間反応させた。 反応溶液を濃縮後、水(1000ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率73%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    プロトンNMRプロトン(溶媒:重ジメチルスルホキシド)
    1.05、1.20; CH
    3.20−3.80; −O−CH−CH −O−、−CH −、−CH−
    3.86 ; −CH
    4.30−5.00; −O−CH−O−、−OH
    7.16、7.43; −C
    8.65、9.60; −NH−CO−

    (合成例3) MDI−PPG7−TRE(モル比2/1/1)−3SUCポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例1のポリウレタン(1.00g) をジメチルホルムアミド(25ml)に室温において溶解させた。 次にこの反応液にジメチルアミノピリジン(0.025g)を加え、攪拌しながら、コハク酸無水物(0.24g)を加え、70℃で5時間反応させた。 反応溶液を濃縮後、水(75ml)に投入し、生成物を析出させ、1M−塩酸を3滴加えた。 沈殿を濾過、水で洗浄後、80℃で真空乾燥して生成物を得た(収率95%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    プロトンNMRプロトン(溶媒:重ジメチルスルホキシド)
    1.05、1.20; CH
    2.60 ; −OCO−CH −CH −COO−
    3.20−3.80; −O−CH−CH −O−、−CH −、−CH−
    3.86 ; −CH
    4.30−5.00; −O−CH−O−、−OH
    7.16、7.43; −C
    8.65、9.60; −NH−CO−

    (合成例4) MDI−PPG7−TRE(モル比2/1/1)−5SUCポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例1のポリウレタン(1.00g) をジメチルホルムアミド(25ml)に室温において溶解させた。 次にこの反応液にジメチルアミノピリジン(0.025g)を加え、攪拌しながら、コハク酸無水物(0.966g)を加え、70℃で5時間反応させた。 反応溶液を濃縮後、水(75ml)に投入し、生成物を析出させ、1M−塩酸を3滴加えた。 沈殿を濾過、水で洗浄後、80℃で真空乾燥して生成物を得た(収率91%)。 そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。

    (合成例5) MDI−PPG7−CTS(モル比2/1/1)−3SUCポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例2のポリウレタン(0.80g) をジメチルホルムアミド(25ml)に室温において溶解させた。 次にこの反応液にジメチルアミノピリジン(0.025g)を加え、攪拌しながら、コハク酸無水物(0.26g)を加え、70℃で5時間反応させた。 反応溶液を濃縮後、水(75ml)に投入し、生成物を析出させ、1M−塩酸を3滴加えた。 沈殿を濾過、水で洗浄後、80℃で真空乾燥して生成物を得た(収率70%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    プロトンNMRプロトン(溶媒:重ジメチルスルホキシド)
    1.05、1.20; CH
    2.60 ; −OCO−CH −CH −COO−
    3.20−3.80; −O−CH−CH −O−、−CH −、−CH−
    3.86 ; −CH
    4.30−5.00; −O−CH−O−、−OH
    7.16、7.43; −C
    8.65、9.60; −NH−CO−

    (合成例6) MDI−PPG7−CTS(モル比2/1/1)−5SUCポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例2のポリウレタン(0.80g) をジメチルホルムアミド(25ml)に室温において溶解させた。 次にこの反応液にジメチルアミノピリジン(0.025g)を加え、攪拌しながら、コハク酸無水物(0.23g)を加え、70℃で5時間反応させた。 反応溶液を濃縮後、水(75ml)に投入し、生成物を析出させ、1M−塩酸を3滴加えた。 沈殿を濾過、水で洗浄後、80℃で真空乾燥して生成物を得た(収率60%)。 そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。

    (実施例1) MDI−PPG7−TRE(モル比2/1/1)−3SUC−1DEAEAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例3のポリウレタン(1.00g)とジメチルホルムアミド(6ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(20ml)、1M−NaOH水溶液(1.9ml)を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)(1.60g)のメタノール(4ml)溶液を滴下した。 次に2−ジエチルアミノエチルアミン(0.67g)を加え、6時間反応させた。 反応溶液をろ過、濃縮後、1M−HCl(20ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率95%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    プロトンNMR(溶媒:重ジメチルスルホキシド)
    1.05、1.20; CH
    2.50−2.60; −OCO−CH −CH −COO−
    3.20−3.80; −O−CH−CH −O−、−CH −、−CH−
    3.86 ; −CH
    4.30−5.00; −O−CH−O−、−OH
    6.50 ; −NH−CO−
    7.16、7.43; −C
    8.65、9.60; −NH−CO−

    (実施例2) MDI−PPG7−TRE(モル比2/1/1)−5SUC−1DEAEAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例4のポリウレタン(2.00g)とジメチルホルムアミド(6ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(20ml)、1M−NaOH水溶液(1.9ml)を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)(1.60g)のメタノール(4ml)溶液を滴下した。 次に2−ジエチルアミノエチルアミン(0.67g)を加え、6時間反応させた。 反応溶液をろ過、濃縮後、1M−HCl(20ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率96%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    (実施例3)
    MDI−PPG7−TRE(モル比2/1/1)−5SUC−2DEAEAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例4のポリウレタン(1.00g)とジメチルホルムアミド(6ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(20ml)、1M−NaOH水溶液(1.9ml)を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)(1.60g)のメタノール(4ml)溶液を滴下した。 次に2−ジエチルアミノエチルアミン(0.50g)を加え、6時間反応させた。 反応溶液をろ過、濃縮後、1M−HCl(20ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率96%)。 そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。

    (実施例4) MDI−PPG7−TRE(モル比2/1/1)−5SUC−3DEAEAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例4のポリウレタン(1.00g)とジメチルホルムアミド(6ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(20ml)、1M−NaOH水溶液(1.9ml)を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)(1.60g)のメタノール(4ml)を滴下した。 次に2−ジエチルアミノエチルアミン(0.67g)を加え、6時間反応させた。 反応溶液をろ過、濃縮後、1M−HCl(20ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率91%)。 そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。

    (実施例5) MDI−PPG7−CTS(モル比2/1/1)−3SUC−2DEAEAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例5のポリウレタン(1.00g)とジメチルホルムアミド(6ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(20ml)、1M−NaOH水溶液(1.9ml)を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)(1.60g)のメタノール(4ml)を滴下した。 次に2−ジエチルアミノエチルアミン(0.67g)を加え、6時間反応させた。 反応溶液をろ過、濃縮後、1M−HCl(20ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率89%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    プロトンNMR(溶媒:重ジメチルスルホキシド)
    1.05、1.20; CH
    2.50−2.60; −OCO−CH −CH −COO−
    3.20−3.80; −O−CH−CH −O−、−CH −、−CH−
    3.86 ; −CH
    4.30−5.00; −O−CH−O−、−OH
    6.50 ; −NH−CO−
    7.16、7.43; −C
    8.65、9.60; −NH−CO−

    (実施例6) MDI−PPG7−CTS(モル比2/1/1)−5SUC−1DEAEAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例6のポリウレタン(2.00g)とジメチルホルムアミド(10ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(35ml)を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)(1.60g)のメタノール(5ml)溶液を滴下した。 次に2−ジエチルアミノエチルアミン(0.67g)を加え、6時間反応させた。 反応溶液をろ過、濃縮後、1M−HCl(20ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率90%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    (実施例7)
    MDI−PPG7−CTS(モル比2/1/1)−5SUC−3DEAEAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した4口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例6のポリウレタン(1.00g)とジメチルホルムアミド(10ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(35ml)、1M−NaOH水溶液(1.8ml)を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)(1.60g)のメタノール(5ml)溶液を滴下した。 次に2−ジエチルアミノエチルアミン(0.67g)を加え、6時間反応させた。 反応溶液をろ過、濃縮後、1M−HCl(20ml)に投入し、生成物を析出させ、濾過、水で洗浄後、真空乾燥して生成物を得た(収率90%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。

    (実施例8) MDI−PPG7−CTS(モル比2/1/1)−3SUC−3IPAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した1口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例5のポリウレタン(0.50g)とジメチルホルムアミド(4ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(9ml)、を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)(0.80g)のメタノール(3ml)溶液を滴下した。 次に3−イミダゾールプロピルアミン(0.71g)を加え、12時間反応させた。 反応溶液を濃縮後、エタノールを125ml投入し、生成物を析出させ、上澄みをデカンテーションで除去後、さらにエタノールを50ml添加し沈殿を粉砕線状後、濾過、真空乾燥して生成物を得た0.31g(収率54%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    プロトンNMR(溶媒:重ジメチルスルホキシド)
    1.05、1.20; CH
    2.50−2.60; −OCO−CH −CH −COO−
    3.20−3.80; −O−CH−CH −O−、−CH −、−CH−
    3.86 ; −CH
    4.30−5.00; −O−CH−O−、−OH
    6.50 ; −NH−CO−
    7.16、7.43; −C
    8.65、9.60; −NH−CO−

    (実施例9) MDI−PPG7−CTS(モル比2/1/1)−5SUC−5IPAポリウレタンの合成
    メカニカルスターラーを装着した1口フラスコ(窒素ガス置換済み)に合成例6のポリウレタン(1.00g)とジメチルホルムアミド(8ml)を入れ、室温において攪拌しながら完全に溶解させた。 次にこの溶液にメタノール(27ml)、を加えた後、4(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)(1.56g)のメタノール(5ml)溶液を滴下した。 次に3−イミダゾールプロピルアミン(0.71g)を加え、12時間反応させた。 反応溶液を濃縮後、エタノールを125ml投入し、生成物を析出させ、上澄みをデカンテーションで除去後、さらにエタノールを50ml添加し沈殿を粉砕線状後、濾過、真空乾燥して生成物を得た0.62g(収率56%)。

    そのプロトンNMRにより目的物であることを確認した。
    プロトンNMR(溶媒:重ジメチルスルホキシド)
    1.05、1.20; CH
    2.50−2.60; −OCO−CH −CH −COO−
    3.20−3.80; −O−CH−CH −O−、−CH −、−CH−
    3.86 ; −CH
    4.30−5.00; −O−CH−O−、−OH
    6.50 ; −NH−CO−
    7.16、7.43; −C
    8.65、9.60; −NH−CO−

    <各サンプルの評価>
    実施例1〜9で得た生成物(アミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタン)の物性を以下の(1)〜(3)の方法により評価した。

    (1)分子量:重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)法を用い、DMF(ジメチルホルムアミド)を展開溶媒として標準ポリエチレングリコール(PEG)を基準にRI(示差屈折計)検出器で測定した。

    (2)溶剤可溶性:実施例で得られた各種ポリウレタン(0.1g)がジメチルアセトアミド(DMAc、1ml)に溶解するか否かを調べた。 (1)〜(3)の結果を表1および2に示す。

    (3)血液性能評価(ポリマーコーティング)
    実施例1〜9で得られたポリウレタンを濃度が0.1重量/容量%になるようにDMAc/エタノール/アセトン(容量比2/9/9)に溶解し、メンブレンフィルターでろ過をして各溶液を調製した。 ポリエチレンテレフタレート不織布(平均直径約3μm、目付30g/m 、)を上記の各ポリウレタン溶液に20℃にて5分間浸漬した後、ステンレス製網カゴに入れ、室温で30分乾燥させ、続いて75℃にて4時間真空乾燥を行った。 比較例1として、ポリウレタンを塗布しない不織布をDMAc/エタノール/アセトン(容量比2/9/9)に浸漬後、上記と同様に乾燥した。

    (フィルター作製)
    各ポリウレタン(実施例1〜9)をコーティングした不織布およびコーティングしていない不織布(比較例1)をポンチを用いて直径9mmの円形に打抜き、不織布ディスクをそれぞれ64枚作製した。 また、比較例2として、市販の白血球除去フィルター「セパセルRZ−1000」(旭化成メディカル社)の不織布を同様に直径9mmの円形に打抜き不織布ディスクを作製した。 一方、シリコンチューブ(外径10mm、内径7mm)を巾5mmにカットしてシリコンパッキンを作製した。

    樹脂製注射器(テルモ製、SS−02SZ、容量2.5ml)シリンダ部にパッキンを1個先端まで挿入し、次に各不織布64枚を挿入し、最後にパッキン1個を挿入してピストンでしっかり押し込んだ後、ピストンを抜いてフィルターを作製した。

    (白血球除去率及び赤血球回収率)
    ヒト血液50mLを採血して、抗凝固剤として5mLのACD−A液(テルモ製、組成:クエン酸ナトリウム22g/L、クエン酸8g/L、ブドウ糖22g/L)を入れた血液容器に加え血液試料を調製した。 その血液試料1.5mLを前記樹脂製注射器で採取し、空気を抜いた後、上記フィルターとシリコンチューブ(外径4mm、内径4mm)で連結し、シリンジポンプにセットした。 室温にて0.5mL/minの一定流速で試料を流し、受器で濾過血液を1mL回収した。

    白血球除去率(%)及び赤血球回収率(%)は、濾過前血液及び濾過後血液の白血球濃度及び赤血球濃度を血球カウンター(シスメックス(株)製、KX−21NV)で測定し、
    白血球除去率=(1−B/A)×100(%)、
    赤血球回収率=D/C×100(%)
    で表される式によって求めた。 なお、式中、A〜Dはそれぞれ、A=濾過前血液の白血球濃度、B=濾過後血液の白血球濃度、C=濾過前血液の赤血球濃度、D=濾過後血液の赤血球濃度を表す。

    以上の結果を表1〜3に示す。

    表1〜3の結果から解るように、アミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンをコートしたフィルターはコートしないフィルターよりも高い白血球除去率、赤血球回収率が得られた。 また、現行製品(比較例2)と比較しても、同等の白血球除去率と同等以上の赤血球回収率が得られ、アミノ基修飾オリゴ糖含有ポリウレタンが、優れた選択的白血球除去性能、赤血球通過性能を有していることが示された。

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