膜のための1つ以上のポリシロキサンブロックを含むポリウレタンブロックコポリマー

申请号 JP2012556439 申请日 2011-03-01 公开(公告)号 JP5882236B2 公开(公告)日 2016-03-09
申请人 ポリマーズ シーアールシー リミテッド; Polymers CRC Ltd.; 发明人 トーマス ヴァイス; ジャレー マンソウリ;
摘要
权利要求

ポリマー組成物であって、以下、 a)式I [式中、k及びnは独立して1〜100の数であり、 mは1〜100の範囲であり、 (X)は、式 のブロックであり、かつ (Y)は、式 のブロックであり、 (A)は、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートリンカーの残基であり、 (B)は、アルカノール末端基を含み、及び場合によりさらに1つ以上の脂肪族エーテル部を含む、直鎖のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの残基であり、かつ (C)は、芳香族オリゴスルホン又はポリスルホンブロックである]のオリゴウレタンもしくはポリウレタン、又はかかるオリゴウレタンもしくはポリウレタンの混合物、並びに b)ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトン、ポリアミドスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン及びポリテトラフルオロエチレン、それらのコポリマー、並びにそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の他の有機ポリマー を含む、ポリマー組成物。式Iの化合物の分子量(Mn)が、1500〜100000の範囲であり、その際n及びmは、それぞれ、1〜50の範囲であり、かつkは1〜20の範囲である、請求項1に記載のポリマー組成物。式Iのオリゴウレタン又はポリウレタンにおいて、 (A)が、C2〜C12アルキレン及びArから選択される二価の残基であり、 (B)が、式 [式中、Akは、C2〜C4アルキレンを表し、RはC1〜C4アルキルを表し、かつそれぞれのp、q及びq’は、独立して0〜50の範囲から選択される数である]のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの二価の残基であり、 (C)が、ジフェニルスルホンモノマー、又は1〜50個のフェニル−SO2−フェニル部、及び場合によりさらに1〜50個のAr部を含む直鎖のオリゴマーもしくはポリマーブロックであり、その際前記フェニル−SO2−フェニル部およびAr部は、オリゴマー又はポリマーの場合に、スペーサーSpによって共に結合され; Arは、−Ph−Sp−Ph−であり; Phは、フェニル又はC1〜C4アルキルによって置換されたフェニルであり;かつ Spは、独立して、直接結合、−O−、C1〜C3アルキレンから選択される、請求項1又は2に記載のポリマー組成物。式Iのオリゴウレタン又はポリウレタンを、合計ポリマー組成物の0.1〜25質量%の量で、均一相中で、又は表面で富化して、含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載のポリマー組成物。1つ以上の抗生物剤又は静細菌剤をさらに含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載のポリマー組成物。請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリマー組成物を含む、膜。膜の平均ケイ素含有率を超えた、膜表面から2〜10nmの区間において、ケイ素の少なくとも8倍富化を示す、請求項6に記載の膜。処理又はガス分離目的のための半透性膜の製造のための方法であって、請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリマー組成物を膜材料中に組み込むことを含む、方法。抗微生物膜の製造のための、水分離又はガス分離目的のための、請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリマー組成物の使用。抗微生物又は耐生物付着添加剤としての使用のための、式I [式中、k及びnは独立して1〜100の数であり、 mは1〜100の範囲であり、 (X)は、式 のブロックであり、かつ (Y)は、式 のブロックであり、 (A)は、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートリンカーの残基であり、 (B)は、アルカノール末端基を含み、及び場合によりさらに1つ以上の脂肪族エーテル部を含む、直鎖のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの残基であり、かつ (C)は、芳香族オリゴスルホン又はポリスルホンブロックである]のオリゴウレタンもしくはポリウレタン化合物。式Iの化合物の分子量(Mn)が、1500〜100000の範囲であり、その際n及びmは、1〜50の範囲であり、かつkは1〜20の範囲である、請求項10に記載の化合物。ポリマー組成物に耐生物付着又は静細菌特性を付与する添加剤としての、請求項1から5まで、又は10から11までのいずれか1項に記載の式Iのオリゴウレタン又はポリウレタンの使用。式−(X)n− [式中、nは、2〜100の範囲であり、 (X)は、式 [(A)は、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートリンカーの残基であり、 (B)は、アルカノール末端基を含み、かつ場合によりさらに1つ以上の脂肪族エーテル部を含む直鎖のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの残基である]のブロックである]のオリゴウレタンあるいはポリウレタンを、合計ポリマー組成物の0.1〜25質量%の量で、均一相中で、又は表面で富化して、含む水濾過膜。ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトン、ポリアミドスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン及びポリテトラフルオロエチレン、それらのコポリマー、並びにそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の有機ポリマーをさらに含有する、請求項13に記載の水濾過膜。(A)が、C2〜C12アルキレン及びArから選択される二価の残基であり、 (B)が、式 [式中、Akは、C2〜C4アルキレンを表し、RはC1〜C4アルキルを表し、かつそれぞれのq及びq’は、独立して0〜50の範囲から選択される数であり、及びpは、1〜50の範囲である]のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの二価の残基であり、 Arは、−Ph−Sp−Ph−であり; Phは、フェニル又はC1〜C4アルキルによって置換されたフェニルであり;かつ Spは、独立して、直接結合、−O−、C1〜C3アルキレンから選択される、請求項13または14に記載の水濾過膜。水濾過膜に、耐生物付着又は静細菌特性を付与する添加剤としての、請求項13から15までのいずれか1項に記載の式−(X)n−のオリゴウレタン又はポリウレタンの使用。a) [式中、nは0〜100の範囲であり、かつmは1〜100の範囲である]、及びリンカーとして1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエチレンオキシド)ウレタン、 b)式 のポリエチレングリコール及び式 のポリジメチルシロキサン(その際、モル比は1:2〜2:1の範囲であり、双方の式におけるmは5〜80の範囲である)、及びリンカーとして1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエーテル)ウレタン、 c)式 のポリエーテルスルホン及び式 のポリジメチルシロキサン(その際、モル比は3:1〜1:1の範囲であり、nおよびmは5〜80の範囲である)、及びリンカーとして1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエーテルスルホニル)ウレタン、 d)式 のポリエーテルスルホン及び式 のポリジメチルシロキサン(その際、モル比は3:1〜1:1の範囲であり、n及びmは5〜80の範囲である)、及びリンカーとして1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエチレンオキシド−ブロック−コ−ポリエーテルスルホニル)ウレタン、 e)式 及び式 (その際、モル比は1:2〜2:1の範囲であり、双方の式におけるn及びmは5〜80の範囲である)、及びリンカーとして1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエチレンオキシド−ブロック−ポリジメチルシロキサン)ウレタン から選択される化合物。

说明书全文

本発明は、固着単位を有するポリシロキサン(界面活性剤)を基礎とする新規のポリウレタンブロックコポリマー、特に膜製造における抗生物付着添加剤としてのそれらの使用、及び新規コポリマーを含む、特に精密濾過、限外濾過又はガス分離もしくは生成目的のためのポリマー膜に関する。

生物付着の問題は、分離目的、例えば精密濾過、限外濾過又は逆浸透のために使用される半透性の膜において顕著である。膜は、ほとんどの適用分布におけるそれらの乏しい大きさによって分類されてよい。例えば、濾過適用において、限外濾過膜(およその孔の直径:100〜1000nm)を、有機材料及び生物有機材料を保持する排水処理のために使用される。非常に小さい直径は、脱塩適用(逆浸透;およその孔の直径1nm)においてイオンを保持するために要求される。これらの適用において、周囲媒体は、水性相であり、その際電位閉塞が、微生物及び生物膜形成の付着によって生じてよい。結果として、生体膜形成を低減し、かつ従ってほとんど洗浄サイクルを要求しない、抗付着特性を有する膜が所望される。

US−5102547は、銀粉末及び銀コロイドを含む微量作用材料の膜への組み込みのための種々の方法を提供している。US−6652751は、金属塩を含むポリマー溶液と還元剤を含む凝固浴槽との接触後に含まれるいくつかの静細菌性膜を含む。ある改質されたポリマーを含む膜は、耐汚損性を改良することも提供している;WO 09/098161は、前記目的のための添加剤としてあるアルコキシアミン官能価ポリスルホンを開示している。WO 07/053163は、ポリシロキサン骨格を基礎とするあるグラフトコポリマーを、ポリマー材料、例えば被覆に組み込み、耐汚損性を付与することを推奨している。ポリシロキサンの疎水性は、既に、これらのポリマーによって、又はポリシロキサン骨格を含むあるコポリマーによって被覆された表面に"汚損放出"特性を付与することを開発している(S. Krishnan, J. Mater. Chem. 2008, 18, 3405を参照、参照をもって本明細書に組み込まれたものとする)。

特に有利な耐汚損性を示すウレタン結合を有するあるブロックコポリマーが現在見出されている。それらの良好な相容性のために、本発明のブロックコポリマーは、完全に、他のマトリックスポリマーに組み込まれてよく、又はそれらのマトリックス中に堅く固着され、かつ表面で富化されてよい。従って、本発明のブロックコポリマーは、例えば膜、特に水濾過目的のための膜中に組み込まれる場合に、通常、抗微生物性及び耐生物付着特性をポリマー材料及びそれらの表面に付与する添加剤として使用されてよい。本発明のブロックコポリマーは、ジオール成分(B)として1つ以上のポリシロキサンブロックを含み、そのアルカノール末端基は、場合によりいつ以上のエーテル部によって伸長される。さらに第二のジオール成分として芳香族ポリスルホンブロック(C)が都合よく含まれる。ジオールブロック間の結合は、芳香族又は脂肪族ジイソシアネートに由来するウレタン結合(A)によって行われる。

第一の一般の側面において、本発明は、従って、式

[式中、k及びnは、独立して1〜100の数であり、 mは、1〜50の範囲であり、 (X)は、式

のブロックであり、かつ (Y)は、式

のブロックであり、 (A)は、脂肪族又は芳香族ジイソシアネート結合の残基であり、 (B)は、アルカノール末端基を含み、及び場合によりさらに1つ以上の脂肪族エーテル部を含む、直鎖のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの残基であり、かつ (C)は、芳香族オリゴスルホン又はポリスルホンブロックである]の成分(A)、(B)及び(C)を含むオリゴウレタン及びポリウレタン分子に関する。

式Iにおけるブロック(X)及び(Y)は、統計学的順序で又はブロックであってよく、通常の手法(本発明の実施例を参照)は、ブロック(X)及び(Y)を統計的順序で生じる。成分(A)、(B)及び(C)は、例えば本発明のオリゴウレタン又はポリウレタンの製造中に少量のトリイソシアネート及び/又はテトライソシアネートを含むことによって、少量の三価又は多価の残基を含んでもよい。得られた分枝鎖種は、本発明の直鎖のオリゴウレタン及びポリウレタンの有利な特性を分け、かつ本発明によって含まれる。

本発明の好ましいオリゴウレタン及びポリウレタン分子は、少なくとも1つのブロック(X)及び少なくとも1つのブロック(Y)を含み、好ましいn及びmの範囲は、2〜50であり、かつ好ましいkの範囲は1〜20である。分子量(Mn)は、有利には、1500〜100000の範囲、より有利には4000〜25000の範囲である。最も好ましい化合物は、1.5〜3.0の範囲の多分散性を示す。

好ましい(A)は、C2〜C12アルキレン及びArから選択される二価の残基である。

好ましい(B)は、式

[式中、Akは、C2〜C4アルキレンを表し、RはC1〜C4アルキルを表し、かつそれぞれのp、q及びq’は、独立して0〜50の範囲から選択される数である]のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの二価の残基である。式(IV)のより好ましい成分(B)において、pは1〜50、特に2〜50の範囲である。

好ましい(C)は、ジフェニルスルホンモノマー、又は1〜50個のフェニル−SO2−フェニル部、及び場合によりさらに1〜50個のAr部を含む直鎖のオリゴマーもしくはポリマーブロックであり、その際部は、オリゴマー又はポリマーの場合に、直接結合及びスペーサーSpから選択される方法によって共に結合される; Arは、−Ph−Ph−及び−Ph−Sp−Ph−から選択され; Phは、フェニル又はC1〜C4アルキルによって置換されたフェニルであり; スペーサーSpは、独立して、−O−又はC1〜C3アルキレンである。

オリゴマー又はポリマー中の末端基(式Iにおいてアスタリスク*で印される)は、主に、ポリウレタンの一反応構成成分である(例えば、ジオール成分からの遊離OH、又は式Iの右側上で(B)もしくは(C)に付着されている一反応ジイソシアネート[−CO−NH−A−NCO];又は式Iの左側上で付着されている一反応ジオール成分HO−(B)−もしくはHO−(C))。連鎖停止反応は、一反応構成成分、例えばモノアルコールR’−(B)−OH又はR’−(C)−OH [式中、R’は、アルキル(例えばC1〜C4アルキル)、Ar又は特にHであり、従って(適宜(B)又は(C)に付着する)R’は、1つ又は双方の末端基を形成する]の一定量(例えば20mol%まで)を含むことによって実施されてもよい。従って、本発明のオリゴウレタン及びポリウレタンは、実質的に、典型的なシラン末端基、例えばSi(R")3 [式中、R"はH、アルキル、アルコキシのいずれかである]である。

本発明は、さらに、前記ポリマー組成物を含有する膜、特に半透性膜に関する。本発明の膜は、一般に、膜の平均ケイ素含有率を超えた膜表面から2〜10nmの断面において、少なくとも8倍富化したケイ素、特に8〜25倍富化したケイ素を示す。本発明は、水処理、水分離又はガス分離方法における濾過膜としてこの膜の使用を含む。

さらに、驚くべきことに、ポリスルホン成分は、水濾過膜における添加剤として使用されるコポリマーにおいて必然的に要求されず、従って、さらに、膜表面上のケイ素の良好な富化、及び良好な膜操作特性、例えば水性環境における耐付着及び流量回収効果を提供することが見出されている。本発明は、従って、第二の側面において、 (A)及び(B)であるが(C)ではない前記成分、又は式−(X)n− [式中、nは、2〜100、特に2〜50の範囲であり、 (X)は、式

[(A)は、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートリンカーの残基であり、 (B)は、特に3以上のSi原子を含み、かつアルカノール末端基を含み、かつ場合によりさらに1つ以上の脂肪族エーテル部を含む直鎖のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの残基である]のブロックである]の、あらゆる他のスルホン部を含むオリゴウレタン及びポリウレタンを含む水濾過膜に関する。

膜の他の構成成分は、一般に、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトン、ポリアミドスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン及びポリテトラフルオロエチレン、それらのコポリマー、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、有利にはポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、酢酸セルロース及びそれらの混合物からなる群から選択される、(構成成分bとして)1つ以上の他の有機ポリマーを含む。

スルホンを有さないオリゴウレタン又はポリウレタンにおける末端基は、主に、ポリウレタンの一反応構成成分(例えばジオール成分からの遊離OH、又は一反応ジイソシアネート[−CO−NH−A−NCO])である。従って、本発明のオリゴウレタン及びポリウレタンは、実質的に、典型的なシラン末端基、例えばSi(R")3 [式中、R"はH、アルキル、アルコキシのいずれかである]である。

(A)及び(B)に関する好ましい意味は、前記式Iのコポリマーに関して定義されているようなものであり、特にポリウレタンの分子量(Mn)は、有利には1500〜100000の範囲であり、 (A)は、有利には、C2〜C12アルキレン及びArから選択される二価の残基であり、 (B)は、有利には、式

[式中、Akは、C2〜C4アルキレンを表し、Rは、C1〜C4アルキルを表し、かつそれぞれq及びq’は独立して0〜50の範囲から選択される数であり、かつpは、1〜50、特に2〜50の範囲であり、 Arは、−Ph−Sp−Ph−であり、 Phは、フェニル又はC1〜C4アルキルによって置換されたフェニルであり、かつ Spは、独立して、直接結合、−O−、C1〜C3アルキレンから選択される]のオリゴシロキサン又はポリシロキサンの二価の残基である。

水濾過膜(半透性膜)は、有利には、特に均一な相中で又は表面で富化させた同様の相内で、実質的にポリマー組成物の合計の0.1〜25質量%の量で前記オリゴウレタン又はポリウレタンを含むポリマー組成物からなる。さらに、1つ以上の抗微生物剤又は静細菌剤、特にイオン形及び/又は金属形の銀、例えば銀コロイド、銀ガラス、銀ゼオライト、銀塩、粉末、微粒子、ナノ粒子又はクラスターの形での元素の銀を含んでよく、かつしばしば、膜の平均ケイ素含有率を超えた膜表子から2〜10nmの区間で、少なくとも8倍富化したケイ素、特に8〜25倍富化したケイ素を示す。

本発明の半透性水処理膜を製造するための方法は、一般に、前記オリゴウレタン又はポリウレタン、成分(b)と記された他のポリマー、及び場合により他の添加剤を、膜材料中に組み込むことを含む。

次の試料は、特に本発明による水濾過膜における使用のための種々のポリウレタンのための平均分析データを有する例を示す(ブロック又はモノマー成分の略記/識別に関して以下の例を参照;得られる比は、molである)。

分子質量(kDa)のためのゲル浸透クロマトグラフィー:Mn 13±5;Mw 31±15;Mp 22±7;PD 2.4±0.5 1H−NMR分光法:(SiMe2O)/(C2H4O):0.71 元素分析[%]:C:44.7;H:8.7;Si:15.7 によって特徴付けられる、リンカーとしてIM22及びHDIを含むポリウレタン、ポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエチレンオキシド)ウレタン。

分子質量(kDa)のためのゲル浸透クロマトグラフィー:Mn 15±7;Mw 30±16;Mp 22±10;PD 2.0±0.6 1H−NMR分光法:(SiMe2O)/(C2H4O):0.27〜1.07 元素分析[%]:C:40.06〜47.2;H:8.1〜8.5;Si:10.5〜22.0 によって特徴付けられる、リンカーとして、IM15−PEG2000(1:1)及びHDIを含むポリウレタン、ポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエーテル)ウレタン。

分子質量(kDa)のためのゲル浸透クロマトグラフィー:Mn 8±2;Mw 18±3;Mp 16±2;PD 2.2±0.3 1H−NMR分光法:(SiMe2O)/(CMe2):0.58 元素分析[%]:C:56.8;H:6.3;Si:10.0 によって特徴付けられる、リンカーとして、PSU1−IM15(2:1)及びHDIを含むポリウレタン、ポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエーテルスルホニル)ウレタン。

分子質量(kDa)のためのゲル浸透クロマトグラフィー:Mn 5±2;Mw 14±4;Mp 14±5;PD 2.7±0.2 1H−NMR分光法:(SiMe2O)/(CMe2):1.45 元素分析[%]:C:62.6;H:6.2;Si:10.6 によって特徴付けられる、リンカーとして、PSU1−IM22(2:1)及びHDIを含む、ポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエチレンオキシド−ブロック−コ−ポリエーテルスルホニル)ウレタン。

分子質量(kDa)のためのゲル浸透クロマトグラフィー:Mn 18±3;Mw 36±17;Mp 31±11;PD 1.9±0.6 1H−NMR分光法:(SiMe2O)/(C2H4O):0.91 元素分析[%]:C:40.2;H:8.5;Si:24.6 によって特徴付けられる、リンカーとして、IM15−IM22(1:1)及びHDIを含む、ポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエチレンオキシド−ブロック−ポリジメチルシロキサン)ウレタン。

分子質量(kDa)のためのゲル浸透クロマトグラフィー:Mn 15±5; Mw 34±7; Mp 28±17; PD 2.3±0.4 によって特徴付けられる、リンカーとして、IM11−IM22(2:1)を含む、ポリ(ポリジメチルシロキサン−ブロック−コ−ポリエチレンオキシド−ブロック−ポリジメチルシロキサン)ウレタン。

本発明のコポリマーの製造のためのポリウレタン反応は、多数適用及び使用において、広範な種々のポリマー、例えば、軟質又は硬質ポリウレタンを製造するために通常使用されるものに類似する。典型的に、反応は、非プロトン性の無極性又はほとんど極性のない溶剤の存在で、及び触媒、例えばアミン(イミダゾール)、スズ有機化合物等の使用で実施される。使用される典型的なジオールは、幅広い分子量を有するポリエチレングリコール、ポリエステロール又はOH末端化したオリゴマー又は同一のポリマーである。従って、非常に種々のコポリマーは、技術的に利用可能なジイソシアネート、例えば脂肪族ジイソシアネート(特にヘキサメチレンジイソシアネート HDI)、イソホロンジイソシアネート、芳香族メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)又は2,4−トルエンジイソシアネート(TDI)の使用に関する。従って、XnYmブロックコポリマーを結合した本発明のウレタンは、適用要求を達するための高い変動性を有する合理的な方法で製造可能である。本発明の目的として、OH末端化したケイ素を基礎とする界面活性剤は、ジオール成分として、ジイソシアネートとの組合せで有用である。

本発明のポリウレタンの製造のための典型的なモノマーは以下である:

[式中、n、mはそれぞれ1〜100の範囲である]。

ポリマー組成物、膜製造及び加工 本発明のコポリマーは、有利には、ポリマー組成物、例えば膜、特に水処理又はゲル分離膜のための組成物において、耐付着添加剤としてとして使用される。

限外濾過膜の製造は、しばしば、溶剤誘起分離法(SIPS)を含む。本発明のコポリマーは、有利には、この方法で添加剤として使用される。

SIPS法において、抽出ポリマー(ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトン、ポリアミドスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルクロリド、ポリスチレン及びポリテトラフルオロエチレン、それらのコポリマー、及びそれらの混合物から選択され、有利にはポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、酢酸セルロース及び、特にポリエーテルスルホンを含むそれらの混合物からなる群から選択される)は、適した溶剤(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシド)中で、添加剤と共に溶解される。次の工程において、多孔質ポリマー膜が、制御された条件下で、凝固浴槽中で形成される。ほとんどの場合において、凝固浴槽は、凝集剤として水を含み、又は凝固浴槽は、水性媒体であり、その際マトリックス形成ポリマーは溶解性でない。ポリマーの曇り点は、理想の三次元相グラフにおいて定義される。複峰性相分離において、従って、微視的な多孔質構造が得られ、かつ水溶解性成分(ポリマー添加剤を含む)は、最終的に水性相中に見出される。

ポリマー添加剤が、凝集剤及びマトリックスポリマーと同時に相容性である場合に、表面上の分晶が生じる。表面分晶に関して、添加剤の富化が観察される。膜表面は、従って、一次マトリックス形成ポリマーと比較して新たな(親水性)特性を提供し、その際、本発明の添加剤の富化を誘発する相分離は、耐付着表面構造を導く。

新規の表面改質剤の重要な特性は、ポリマーマトリックスに対して強い固着効果と合した密な被覆面積の形成である。多くの場合において、表面構造は、微生物の付着を妨げる微細構造の自己集合単一層(SAM)によって得られる。

本発明のコポリマーは、汚損の剥離を促進する構造要素を兼ね備える。これらのコポリマーは、特に、混合剤として有用である。それというのも、それらは、耐汚損セグメント及びアンカーを含むからであり、その組合せは膜適用のために特に有用である。さらにケイ素成分は、ポリスルホンに対する良好な"粘着ポリマー"であり、従って、構造安定性を導き、かつ低い浸出性に寄与する。

本発明のコポリマーは、低いエネルギーセグメントと親水性セグメントとを合する。現象上、これらのセグメントは、膜表面のトポグラフィーにおいて、ナノスケールの構造を形成するために再集合する。SIPS法中のコポリマーの同時自己集合の場合において、膜表面は、膜の汚損性を低減することを導く構造によって、又は局所的な(レリーフ及び/又は領域寸法)もしくは表面のエネルギー構成成分を(周囲媒体との静電作用によって)添加したことによって覆われる。

本発明のポリマー組成物の、特に膜の耐汚損性は、さらに1つ以上の抗微生物剤又は静細菌剤を組成物中に組み込むことによって高められてよい。好ましい作用剤は、微量作用金属、特にイオン形及び/又は金属形での銀である。場合により、銀成分は、共成分として酸化亜鉛を付随する。有用な銀成分は、銀コロイド、銀ガラス、銀ゼオライト、銀塩、粉末又は微粒子又はナノ粒子又はクラスターの形での元素銀を含む。抗微生物膜を製造するための有利な方法は、本発明のポリマー組成物の1つ以上の(コ)ポリマーを溶解した形で含むキャスティング溶液中での元素銀粒子のin situでの形成を含む。元素銀粒子、特に最終物品の表面に近い半透明膜及び/又はポリマーマトリックス中へ組み込まれたものは、ハロゲン化銀粒子、例えばAgCl、AgBr、Aglに、例えば次亜ハロゲン化物溶液(例えばNaOCl)での処理によって変換されてよい。

膜を製造するための溶液の製造のための典型的な方法は、以下の工程によって特徴付けられる: 1. 適した溶液、例えばNMP、DMA、DMSO又はそれらの混合物中での膜のドープのためのマトリックスポリマーを溶解する工程。 2. 孔形成添加剤、例えばPVP、PEG、スルホン化PES又はそれらの混合物を添加する工程。 3. 種々の溶液が得られるまで混合物を加熱する工程。典型的に、5〜250℃、好ましくは25〜150℃、最も好ましくは60〜90℃での温度。 4. 5〜250℃、好ましくは25〜150℃、最も好ましくは60〜90℃での温度で、耐付着ケイ素−ポリウレタン添加剤をドープに添加する工程。場合により、他の添加剤、例えば銀含有化合物を同様の工程において添加してよい。 5. 混合物が1〜15時間以内で形成されるまで、典型的に均一化が2時間以内で終了するまで、溶液/懸濁液を撹拌する工程。 6. 凝固浴槽中で膜ドープをキャスティングして、膜構造を得る工程。場合により、キャスティングを、ポリマー支持体(織物でない)を、膜構造を機械的に安定するために使用して得られてよい。適用のための生物活性を試験するために、平坦な膜製造における標準の手法を使用する。 7. 活性剤含有率に関して膜を分析する工程。

次の実施例は、本発明を説明する。特に記載のない限り、室温は、20〜25℃の周囲温度を意味し、分子量データ(例えばMw、Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定され、かつ水接触(WCA)測定は、静的液滴法によって実施される。

実施例及び他の場所において使用される略記: L リットル NMP N−メチルピロリドン PD 多分散性 PEG ポリエチレングリコール PES ポリエーテルスルホン PVP ポリビニルピロリドン thf テトラヒドロフラン w%、wt% 質量パーセント。

実施例において使用される化合物: A)ジイソシアネート HDI:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(Bayer社(ドイツ)から市販されているDesmodur H(登録商標)) TDI:2,4−トルエンジイソシアネート(Aldrich社(ドイツ)から市販されている) MDI:ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(Bayer社(ドイツ)から市販されているDesmodur44MC(登録商標))

D)他のポリマー及び溶剤 テトラヒドロフラン:Aldrich社(ドイツ)から市販されている。 N−メチルピロリドン(NMP):Aldrich社(ドイツ)から市販されている。 ポリビニルピロリドン(PVP):BASF社(ドイツ)から市販されているLuvitec(登録商標)PVP40K。

実施例1:シロキサン−ブロック−ポリウレタンの製造 装置:250mlエルレンマイヤーガラス管、磁気攪拌機、熱板、コンデンサー、内部温度計 ジオール成分を、テトラヒドロフラン(thf)120ml中で25℃で撹拌する。ジオール成分のOH数の合計に従って、ジイソシアネート成分を一投与量で添加する。固体のジイソシアネート成分を、溶液として、thf30ml中で添加する。5分間混合物を撹拌した後、触媒(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデカ−7−エン(DBU):0.1g及びジブチルスズジラウレート:0.1g)を添加する。2325cm−1で良好な観察可能なNCO吸収変数を、反応の経過を監視するために使用する。その反応混合物を15時間25℃で撹拌し、続いて、全ての揮発成分を、回転蒸発器及び高真空ポンプを使用して蒸発する。粗ポリマー化合物は、元素分析、1H−NMR及びゲル浸透クロマトグラフィーによって特徴付けられる。次の表1は、使用した反応物の量、及び得られたポリマーの特徴を示す。

ポリウレタンブロックコポリマーの特徴付け: テトラヒドロフラン及び比較としてポリスチレン中でのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC);溶剤としてd6−ジメチルスルホキシド中での元素分析(EA)及び1H−NMR分光法。結果を表2において示す。

ケイ素(界面活性剤)ポリウレタンは、Mn:5〜18kDa;Mw 14〜36及び多分散性1.9〜2.9を有する典型的な分子質量分布を示す。

実施例2:膜 遅疑の手法を、膜の製造において実施する。

撹拌機を備えた3首フラスコ中にN−メチルピロリドン(NMP)(70ml)を置く。ポリビニルピロリドン Luvitec(登録商標)PVP 40K(6g)をNMPに添加し、そして60℃まで温度をあげ、そして均一な透明な溶液が得られるまで撹拌する。本発明のポリウレタンの要求される量(実施例1の添加;ポリエーテルスルホンに関して5質量%、0.9g)を、NMP6gと混合し、そして20分間音波破砕し、そしてその溶液をPVP溶液に添加し、そして溶液が均一になるまで撹拌する。ポリエーテルスルホン Ultrason(登録商標)2020 PSR(PES、18g)をその溶液に添加し、そして粘性の溶液が得られるまで撹拌する。その溶液を一昼夜室温(30〜40℃)で脱ガスする。膜溶液を70℃まで再加熱する。ガラス状で膜を、キャスティングナイフ(casting knife)を使用して、室温でキャストし、そして液浸前に30分間乾燥させる。膜を25℃の水浴中でキャストする。10分間の液浸後に、膜を温水(65〜75℃、30分)で洗浄する。膜の製造は、UF膜の微細構造特性を有する連続皮膜を形成し、頂部で薄いスキン層(1〜2ミクロン)を有する連続皮膜(少なくとも10×15cmのサイズ)及び下部の多孔質層(100〜150ミクロン)を得て、頂部での空隙幅:2.0μm;スキン層:1.2μm;厚さ:120μm;スキン層下の孔サイズ:1〜3μmによって特徴付けられる。

膜の表面におけるシリコン−ポリウレタン添加剤の分析を、種々の表面特徴化技術を使用して実施する。走査型電子顕微鏡/エネルギー分散X線分光法(SEM/EDX)を使用して形態を視覚化し、ケイ素分布の質的情報、及び従って表面上での添加剤の分布を得て、X線光電子分光法(XPS)は、表面でのケイ素含有率の質的情報を得る(1〜4単層=2〜10nm)。この情報は、膜の表面でのポリマー添加剤の富化係数の測定、及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)画像技術を可能にし、その際試料は、しばしば薄い組織片であり、二次元で動き、質量スペクトルが記録される。ここで、添加剤(ジメチルシロキサン及びポリエチレングリコール断片)の性質に対する質的情報及び表面でのそれらの分布が得られる。有効範囲での添加剤の両側の層分離のトポグラフィカルなミクロドメインが、420×420nm2の解像度で観察されてよい。

SEM/EDX及びXPSによる膜の特徴化: 膜を、XPS(X線光電子分光法)によって特徴化する。表面の2〜10nmの深さでケイ素原子の得られた濃度は、ポリエーテルスルホンを装填する5質量%の最初の添加剤で、バルク材料中での理論的ケイ素に基づく、高い富化を示す(富化係数EF=表面での質量%(Si)/計算値の質量%(Si))。

結果は、次の表3に従う;Si濃度[Si]は質量%で得られ、それぞれ0.5mm2の3ポイントを超えた試料として、バルク(計算値)で、又は表面(2〜10nm)である。

XPS測定は、10〜18倍での添加剤のタイプに依存して、膜の表面(2〜10nm)でのポリマー添加剤富化を示す(PESに関して5質量%(添加剤)の平均値から計算される)。

SEM/EDX分析を、表面で添加剤A1.0を含む膜M1に関して実施する。添加剤の分布さえもが、膜表面M1のケイ素をマッピングする、MALDI−ToF SIMSによって、面積100×100μmの420×420nm2の解像度において認識される。ケイ素及びPEGに関する特徴的な断片(質量断片m/z 45)を観察する。Si/PEG比は、表面上での添加剤の均一な分布を示唆する。

水接触角及び水分流動による膜の特徴化: 水分流動を、圧源として窒素シリンダーを備えた供給槽に連結した全量濾過セル(110ml容量、膜面積1.59×10-3m2)中で実施する。濾過セルは、膜状に置かれた多孔質支持体で満たされたシリンダー容器からなる。撹拌を、セル中で開始し、400rpmの速度を、試験中維持する。実験を、一定の圧力(100kPa)で操作し、そして透過水を、電子天秤上に置かれたビーカーに採取する。圧力変換器を、膜の上流側に連結して、セル中の圧力を測定する。天秤及び圧力変換器の双方を、データを記録するためにコンピュータに連結する。膜を、流量測定する前にエタノールで湿らせる。膜M6〜M11及びM12(比較)に関する結果は、5測定[WAC]又は3測定[水分流動]から得られる平均値である。本発明の膜は、68°よりも高い水接触角及び良好な水分流動を示す。

実施例3:耐付着性能 2つの試験を、膜の表面の耐付着特性を評価するために適用する。 a)タンパク質付着;本発明の膜の流量の回収を、添加剤を有さない膜に関して測定する:表面を、標準タンパク質としてBSA(ウシ血清アルブミン)と接触させる。BSA付着は、水分流動で低減する;流量を、水で洗浄すること(Jw)によって、又は水酸化ナトリウムでのさらなる化学処理(Jc)によって、回収させる。流量回収(最初の水分流動に対する標準化)は、自己洗浄及び汚損の低減に対する膜の性能を示す。

装置:X−フロー膜、UV−vis分光法

方法: 水分流動及びBSA濾過を、高さ3mm、幅25mm及び長さ110mmのチャネル寸法の市販されていない実験用原型Perspex十字流モジュールを使用して実施する。100kPaの供給圧力を、蠕動供給ポンプ(Cole Parmer社製のMaster flux Model 7529−00)を使用して得て、そしてモジュールの出口に位置しているボール弁によって調整する。与えられたチャネル寸法で、0.2m/sの十字流速度を、全ての実験で維持する。膜の供給及び透過水側の双方に連結した圧力変換器(Labom Diff. Pressure transmitter CP1310)を使用して、TMP(膜を横切る膜圧)を測定する。バランスを、透過水流を監視するために使用する。

前記試験は、4つの主な工程からなる:最初の水分流動、汚損、水洗浄及び化学洗浄。この順序をそれぞれの膜に関して3回繰り返す。典型的な操作において、適した寸法の膜ストリップを、平坦なシートから切り出し、そして十字流セル中に取り付ける;ポリプロピレン裏材料を支持体として使用する。膜を、125kPaで、一定の流量が得られるまで、前圧縮する。そして、圧力を100kPaまで下げ、そして最初の水分流動(Ji)を測定する(約1時間)。そして、限外濾過実験を、BSA溶液(pHを、0.1M HClの滴加によって4.9〜5.1に調整する)0.5質量%で、50kPaの一定の圧力及び約41±3L/m3hの一定の流量で、90分間実施する。一定の流量を、変換器ラインにおけるGilsonポンプを使用して達する。そして、膜を水で15分間(1L/分)洗浄し、そして純水分流動を測定する(Jw1)。化学洗浄を、膜をNaOH溶液0.2質量%で15分間洗浄することによって行い、そしてセルの緩衝後に、水分流動を再度測定する(Jc1)。そのサイクルを3回繰り返す。それぞれの膜に関する流量回収及び耐移動性を評価する。透過水からの試料を、UV分光法によって分析のために抜き取り、却下を評価する。本発明の膜試料を、透過水/濃縮水からトリ、活性成分の剥離を試験する。

次の表4は、本発明のコポリマーを含まない膜(M12)で観察された流量と比較した、本発明の膜の流量を示す(3サイクル後に回収)。

本発明の膜は、良好な流量回収を示す。

b)最近の耐付着性:相対的な付着効果を、抗体抗原反応を使用して定量化して、表面に付着した細菌を監視する。大腸菌及び黄色ブドウ球菌を、DIN EN ISO/EC 17025によって導入する。

試料を、試験セルシステムでインキュベートする。ばらばらなセル材料を、定義した洗浄工程で取り出す。試料表面上で付着したセルを、抗原−抗体反応を使用して免疫アッセイで検出する。付着を相対半量的セル単位計数によって観察する。それによって、最初の抗体反応は、付着した試験セルシステムで生じ、この最初のレベルの抗体にドッキングして、特定の酵素を、第二の抗体によって固定する。染色基剤の添加後に、酵素を触媒化する着色反応が生じ、着色は、付着した細胞の量に比例する。ブランク(ポリウレタン添加剤を有さない膜)と比較して、相対付着を評価する。それぞれの試料を、適した時間で独立して測定する。使用に関する試験結果を、ブランク(比較)の試料の平均に標準化する。

相対付着は、試料及び比較ブランク試料の平均データの係数として得る。100の乗法は、百分率単位での相対付着をもたらす。相対付着<100%の相対付着を有する材料は、減少した付着(付着の軽減)をもたらす。結果を、以下の表5において示す。

本発明の膜は、効果的に細菌付着を阻害する。

実施例4:平面シート膜において使用されるコポリマー シロキサンブロック−ウレタンコポリマーを実施例1に従って製造する。種々のジオール及び使用したイソシアネートのタイプの割合を、以下の表において繰り返す:

表6:コポリマーの成分

これらのコポリマーを、GPC及び元素分析によって特徴化する:

表7:コポリマーのGPC(PS較正)及び元素分析

これらの添加剤を、5質量%で使用して、実施例2に記載の方法に従って平面シート膜を製造する。

その膜を、XPS(X線光電子分光法)によって特徴化する。ポリエーテルスルホンを装填する5質量%の最初の添加剤で、バルク材料中での理論的ケイ素に基づく高い富化(富化係数EF=表面での質量%(Si)/計算値の質量%(Si))。

結果を、次の表において報告する;Si濃度[Si]は質量%で得られ、それぞれ0.5mm2の3ポイントを超えた試料として、バルク(計算値)で、又は表面(2〜10nm)。

表8:平面シート膜バルクにおける及び表面でのSi濃度。表面上及びバルク中でのSiの割合としての富化係数

XPS測定は、膜表面上でのポリマー添加の富化が、添加剤の化学組成物及び構造に基づいて変化することを示す。一般に、低いSi含有率を有する添加剤は、より高い表面富化(EF)を呈する。

続いて、膜を、接触角、水又は化学洗浄後の流量回収、及び水分流動によって特徴化する。水及び化学流量試験のための方法は、前記に記載されている(Case PF70441)。

表9:水洗浄(JW)又は化学洗浄(JC)の3サイクル後の流量回収。接触角(°)及び水分流動。

本発明のシロキサンブロック−ウレタンコポリマーで機能化した膜は、水洗浄及び化学洗浄後に、より良好な流量回収を示す(標準の平面でないシートPES膜と比較して)。

水分流動は、標準PES膜の同様の範囲で、これらの添加剤が、膜の孔構造に著しく影響しないことを意味する。機能化した膜に関する接触角は、標準のPES(膜表面がより疎水性である)と比較した場合により高く、これは、検出される膜表面上の自己富化に対してこれらの添加剤の挙動、及びバルクと比較した場合に、表面上でのSiのより高い量を反映する。

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